説明

サーバ、プログラム及び電子ペン用帳票

【課題】電子ペンにより帳票に記入された情報に基づいて、来訪者及び担当者のサインと、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻とを電子データとして管理することができる受付処理システムを提供する。
【解決手段】受付処理システム100において、サーバ5は、受付IDをキーとして、担当者端末51から取得した予約情報を予約DB8に記憶する。一方、会社に来訪者が来た場合、受付は電子ペン10を使用して、受付記録票3の来訪項目、受付項目及び退社項目に記入を行う。また、来訪者は来訪者項目に、担当者は担当者項目、ルーム項目、入室項目及び退室項目に、電子ペン10を使用してそれぞれ記入する。電子ペン10による記入情報は、サーバ5が取得する。サーバ5は、取得した記入情報から、受付ID、ルームID及び各種時刻を特定する。そして、サーバ5は、特定したルームID及び各種時刻と、作成した受付記録データを管理DB9に記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンを使用して電子ペン用帳票に記入された情報を、取得・管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、外部から来訪者が訪れる場合、会社の担当者が前もって受付に訪問予定を連絡する。そして、当日、来訪者が紙媒体の受付記録票にサインを記入する。このとき、来訪者は、必要であれば時間を確認して当該受付記録票に来訪時刻を記入する。また、来訪者は、必要であれば退社時に担当者のサイン及び退社時刻を受付記録票に記入してもらい、受付に当該受付記録票を返却する。受付は、このような紙媒体の受付記録票を保管することにより、来訪者の記録の管理を行っていた。
【0003】
しかし、このような紙媒体の受付記録票による管理では、一定の保管スペースを常に確保しておく必要があった。また、紙媒体であることから、受付記録票の提示を求められて検索する場合に、人的負荷が大きく、多くの検索時間が必要であった。さらに、来訪時刻や退社時刻は、来訪者や担当者が自ら時計を見て記入しなければならないため、手間がかかる上に、記入時刻が曖昧となるといった問題が生じていた。また、例えば打合を行う部屋やその部屋の入室時刻及び退室時刻といった受付終了後の来訪者の動向を把握することが困難であった。
【0004】
このような問題を解消すべく、ネットワークを介して通信可能な端末装置を利用して、来訪者の受付処理を行うシステムが知られている(例えば、特許文献1及び2)。しかし、このようなシステムでは、来訪者や担当者の直筆サインを取得できない、コンピュータに不慣れな来訪者や担当者による操作が難しいといった新たな問題が生じていた。
【0005】
一方、近年、「電子ペン」、「デジタルペン」などと呼ばれるペン型入力デバイスが登場しており(以下、本明細書では「電子ペン」と呼ぶ。)、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙(以下、「専用ペーパー」と呼ぶ。)とペアで使用される。アノトペンは、通常のインクタイプのペン先部に加えて、専用紙上のドットパターンを読み取るための小型カメラと、データ通信ユニットを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字などを書いたり、専用紙上に図案化されている画像をチェックしたりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙上のドットパターンを検出し、利用者が書き込んだ文字、画像などの記入データ(「ストロークデータ」ともいう)が取得される。この記入データが、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される。このアノトペンを利用したシステムは、キーボードに代わる入力デバイスとして利用することが可能であり、上述のパーソナルコンピュータやキーボードの使用に抵抗がある利用者にとっては非常に使いやすい。
【0006】
そこで、電子ペンを使用して紙媒体の受付記録票に対しペン入力を行い、当該受付記録票に記入された情報を電子データに変換して管理をすることができれば便利である。
【0007】
【特許文献1】特開平7−168889号公報
【特許文献2】特開2002−342804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、電子ペンにより帳票に記入された情報に基づいて、来訪者及び担当者のサインと、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻とを電子データとして管理することができる受付処理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの観点では、端末装置とネットワークを介して送受信可能に接続され、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票を使用したサーバであって、担当者が使用する担当者端末から、会社への来訪予定を予約するための予約情報を取得する予約情報取得手段と、前記予約情報を識別するための受付識別情報を発行する受付識別情報発行手段と、前記予約情報を、前記受付識別情報に対応付けて記憶する予約情報記憶手段と、前記帳票は、受付識別情報を認識するための受付項目と、会社への来訪時刻及び退社時刻を認識するための来訪項目及び退社項目と、前記来訪者に関する情報を認識するための来訪者項目と、前記来訪者に対応する担当者に関する情報を認識するための担当者項目と、から構成されており、前記帳票を構成する受付項目、来訪項目、退社項目、来訪者項目及び担当者項目と、前記ドットパターン上のそれぞれの位置座標とを対応付けた座標情報を記憶する座標情報記憶手段と、受付が使用する受付端末に、前記予約情報記憶手段が記憶する受付識別情報及び予約情報を送信する予約情報送信手段と、前記受付端末から、前記電子ペンにより前記帳票に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記座標情報に基づいて前記記入情報から、各項目に記入された項目記入情報を抽出する項目記入情報抽出手段と、前記受付項目に記入された項目記入情報に基づいて、受付識別情報を特定する受付識別情報特定手段と、前記来訪項目に記入された項目記入情報に基づいて、来訪時刻を特定する来訪時刻特定手段と、前記退社項目に記入された項目記入情報に基づいて、退社時刻を特定する退社時刻特定手段と、前記来訪者項目に記入された項目記入情報から、来訪者に関する情報をイメージデータとして取得する来訪者イメージデータ取得手段と、前記担当者項目に記入された項目記入情報から、担当者に関する情報をイメージデータとして取得する担当者イメージデータ取得手段と、前記帳票のフォーマットデータと、前記来訪者イメージデータと、前記担当者イメージデータとに基づいて、受付記録データを作成する受付記録データ作成手段と、前記来訪時刻特定手段が特定した来訪時刻と、前記退社時刻特定手段が特定した退社時刻と、前記受付記録データ作成手段が作成した受付記録データとを管理情報として、前記受付識別情報特定手段が特定した受付識別情報に対応付けて記憶する管理情報記憶手段と、を備える。
【0010】
上記のように構成されたサーバは、担当者端末から、来訪予定を予約するための予約情報を取得する。ここで、担当者とは、外部からの来訪者に対応する社員であり、サーバを管理する会社の社員である。また、担当者端末とは、当該会社において担当者が使用する端末装置であり、ネットワークを介してサーバとデータの授受が可能なパソコンやPDA(Personal Digital Assistants)等のことである。担当者端末から予約情報を取得すると、サーバは、当該予約情報を識別する受付識別情報を発行する。そして、サーバは、受付識別情報をキーとして予約情報を記憶する。
【0011】
一方、利用者は、会社に来訪者が来た場合、電子ペンを使用して帳票を構成する各項目に記入を行う。帳票とは、来訪者の受付記録を管理するための受付記録票であり、来訪項目、退社項目、受付項目、来訪者項目及び担当者項目から構成されている。受付項目、来訪項目及び退社項目は、受付にいる社員が電子ペンを使用して記入を行う。具体的に、受付項目には受付識別情報が記入される。このとき受付端末は、サーバから受付識別情報及び予約情報を取得して表示する。受付は、当該予約情報を確認して来訪者に合致する場合には、当該受付識別情報を受付項目に記入する。また、来訪項目及び退社項目への記入時刻は、それぞれ来訪者の来訪時刻及び退社時刻として管理されるため、受付にいる社員は、来訪時及び退社時に直ちに記入を行う必要がある。一方、来訪者項目は、来訪者が当該電子ペンを使用して記入を行う。具体的に、来訪者項目には来訪者のサインが記入される。また、担当者項目は、担当者が当該電子ペンを使用して記入を行う。具体的に、担当者項目には担当者のサインが記入される。このとき、電子ペンは、当該電子ペンの移動に伴って帳票上のドットパターンを読み取り、利用者、即ち受付の社員、来訪者及び担当者が記入した記号や文字に関する記入情報を取得する。ここで、記入情報には、当該ドットパターン上の位置座標と、記入した記号や文字のストロークデータと、記入時刻を示す時間情報とが含まれている。電子ペンが取得した情報は、受付端末を介してサーバに送信される。ここで、受付端末とは、当該会社において受付の社員が使用する端末装置であり、担当者端末と同様にネットワークを介してサーバとデータの授受が可能なパソコンやPDA等のことである。
【0012】
サーバは、座標情報を参照することにより、取得した記入情報から、帳票を構成する各項目にそれぞれ記入された項目記入情報を抽出する。そして、サーバは、受付項目に記入された項目記入情報からストロークデータを抽出し、文字認識することで受付識別情報を特定する。また、サーバは、来訪者項目及び担当者項目にそれぞれ記入された項目記入情報から、来訪者及び担当者のサインを来訪者イメージデータ及び担当者イメージデータとして取得する。さらに、サーバは、来訪者イメージデータ及び担当者イメージデータと、帳票のフォーマットデータとをマージすることにより、受付記録データを作成する。また、サーバは、来訪項目及び退社項目に記入された項目記入情報に含まれる時間情報を抽出し、それぞれの記入時刻を、来訪時刻及び退社時刻として特定する。そして、サーバは、特定した受付識別情報をキーとして、特定した来訪時刻及び退社時刻と、作成した受付記録データとを管理情報として記憶、管理する。
【0013】
このように本発明によれば、電子ペンで記入した内容が、帳票のフォーマットにマージされた形でイメージデータ化されるため、紙媒体の帳票を保存する必要がなく、電子データの画像ファイルとして管理することが可能となる。よって、過去の受付記録を即座に検索、確認することができる。
【0014】
上記サーバの一態様では、前記帳票は、前記ルーム識別情報を認識するためのルーム項目と、前記部屋への入室時刻及び退室時刻を認識するための入室項目及び退室項目と、をさらに有しており、前記座標情報記憶手段は、前記帳票を構成する受付項目、来訪項目、退社項目、来訪者項目、担当者項目、ルーム項目、入室項目及び退室項目と、前記ドットパターン上のそれぞれの位置座標とを対応付けた座標情報を記憶したものであって、前記ルーム項目に記入された項目記入情報に基づいて、ルーム識別情報を特定するルーム識別情報特定手段と、前記入室項目に記入された項目記入情報に基づいて、入室時刻を特定する入室時刻特定手段と、前記退室項目に記入された項目記入情報に基づいて、退室時刻を特定する退室時刻特定手段と、をさらに備え、前記管理情報記憶手段は、前記受付識別情報に対応付けて、さらに前記ルーム識別情報特定手段が特定したルーム識別情報と、前記入室時刻特定手段が特定した入室時刻と、前記退室時刻特定手段が特定した退室時刻と、を備える。
【0015】
上記のように構成されたサーバにおいて、帳票は、ルーム項目、入室項目及び退室項目を有している。利用者、具体的に担当者又は来訪者は、ルーム項目に使用する部屋のルーム識別情報を記入する。また、入室項目には入室時に、退室項目には退室時に記入を行う。これらの記入情報は、他の項目への記入情報とともに、受付端末を介してサーバへ送信される。サーバは、ルーム項目に記入された項目記入情報からストロークデータを抽出し、文字認識することでルーム識別情報を特定する。また、サーバは、入室項目及び退室項目に記入された項目記入情報から時間情報を抽出し、それぞれの記入時刻を、入室時刻及び退室時刻として特定する。そして、サーバは、受付識別情報をキーとして、特定したルーム識別情報、入室時刻及び退室時刻を管理情報として記憶、管理する。これによれば、来訪時刻及び退社時刻のみならず、会議室等といった部屋への入室時刻及び退室時刻の記録を管理することが、担当者又は来訪者が電子ペンを使用して記入するのみで可能となる。よって、受付を通った後の来訪者の詳細な行動を容易に取得し、管理することができる。
【0016】
本発明の別の観点では、端末装置とネットワークを介して送受信可能に接続され、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票を使用するサーバであって、担当者が使用する担当者端末から、会社への来訪者に関する来訪者予約情報と、前記担当者に関する担当者予約情報と、来訪予定時刻に関する来訪予定時刻情報と、前記担当者及び前記来訪者が使用する部屋に関するルーム予約情報とを有する予約情報を取得する予約情報取得手段と、前記予約情報を識別するための受付識別情報を発行する受付識別情報発行手段と、前記予約情報を、前記受付識別情報に対応付けて記憶する予約情報記憶手段と、前記帳票は、受付識別情報を認識するための第1受付項目及び第2受付項目と、会社への来訪時刻及び退社時刻を認識するための来訪項目及び退社項目と、来訪者に関する情報を認識するための来訪者項目と、前記来訪者に対応する担当者に関する情報を認識するための担当者項目と、前記部屋への入室時刻及び退室時刻を認識するための入室項目及び退室項目と、から構成されており、前記帳票を構成する第1受付項目、第2受付項目、来訪項目、退社項目、来訪者項目、担当者項目、入室項目及び退室項目と、前記ドットパターン上のそれぞれの位置座標とを対応付けた座標情報を記憶する座標情報記憶手段と、前記電子ペンを識別するペン識別情報と、前記部屋を識別するルーム識別情報とを対応付けて記憶するルーム情報記憶手段と、受付が使用する受付端末に、前記予約情報記憶手段が記憶する受付識別情報及び予約情報を送信する予約情報送信手段と、前記受付で使用される受付端末装置から、前記受付で使用される第1電子ペンにより前記帳票に記入された第1記入情報を取得する第1記入情報取得手段と、前記部屋で使用されるルーム端末装置から、前記部屋で使用される第2電子ペンにより前記帳票に記入された第2記入情報を取得する第2記入情報取得手段と、前記第2記入情報に基づいて、前記部屋で使用される第2電子ペンのペン識別情報を認識するペン識別情報認識手段と、認識したペン識別情報と、前記ルーム情報記憶手段とに基づいて、前記ルーム識別情報を特定するルーム識別情報特定手段と、前記座標情報に基づいて前記第1記入情報及び第2記入情報から、各項目に記入された項目記入情報を抽出する項目記入情報抽出手段と、前記第1受付項目に記入された項目記入情報に基づいて、受付識別情報を特定する第1受付識別情報特定手段と、前記来訪項目に記入された項目記入情報に基づいて、来訪時刻を特定する来訪時刻特定手段と、前記退社項目に記入された項目記入情報に基づいて、退社時刻を特定する退社時刻特定手段と、前記来訪者項目に記入された項目記入情報から、来訪者に関する情報をイメージデータとして取得する来訪者イメージデータ取得手段と、前記第2受付項目に記入された項目記入情報に基づいて、受付識別情報を特定する第2受付識別情報特定手段と、前記来室項目に記入された項目記入情報に基づいて、来室時刻を特定する来室時刻特定手段と、前記退室項目に記入された項目記入情報に基づいて、退室時刻を特定する退室時刻特定手段と、前記担当者項目に記入された項目記入情報から、担当者に関する情報をイメージデータとして取得する担当者イメージデータ取得手段と、前記第1受付識別情報特定手段が特定した受付識別情報と、前記第2受付識別情報特定手段が特定した受付識別情報とが一致する場合に、前記帳票のフォーマットデータと、前記来訪者イメージデータと、前記担当者イメージデータとに基づいて、受付記録データを作成する受付記録データ作成手段と、前記来訪時刻特定手段が特定した来訪時刻と、前記退社時刻特定手段が特定した退社時刻と、前記入室時刻特定手段が特定した入室時刻と、前記退室時刻特定手段が特定した退室時刻と、前記ルーム識別情報特定手段が特定したルーム識別情報と、前記受付記録データ作成手段が作成した受付記録データとを管理情報として、前記受付識別情報に対応付けて記憶する管理情報記憶手段と、を備える。
【0017】
上記のように構成されたサーバは、担当者端末から、来訪予定を予約するための予約情報を取得し、受付識別情報を発行する。そして、サーバは、受付識別情報をキーとして当該予約情報を記憶する。一方、利用者は、会社に来訪者が来た場合、電子ペンを使用して帳票を構成する各項目に記入を行う。帳票とは、来訪者の受付記録を管理するための受付記録票であり、第1受付項目、第2受付項目、来訪項目、退社項目、来訪者項目、担当者項目、ルーム項目、入室項目及び退室項目から構成されている。第1受付項目、来訪項目及び退社項目は、受付にいる社員が受付に設置された第1電子ペンを使用して記入を行う。また、来訪者項目は、来訪者が当該第1電子ペンを使用して記入を行う。一方、ルーム項目、入室項目、退室項目及び担当者項目は、担当者又は来訪者が各部屋に設置された第2電子ペンを使用して記入を行う。具体的に、ルーム項目にはルーム識別情報が記入される。入室項目及び退室項目への記入時刻は、それぞれ各部屋への入室時刻及び退室時刻として管理されるため、担当者は、入室時及び退室時に直ちに記入を行う必要がある。このとき、第1電子ペン及び第2電子ペンは、それぞれの移動に伴って帳票上のドットパターンを読み取り、利用者、即ち受付の社員、来訪者及び担当者が記入した記号や文字に関する記入情報を取得する。第1電子ペンが取得した情報は、第1記入情報として受付端末を介してサーバに送信される。一方、第2電子ペンが取得した情報は、第2記入情報としてルーム端末を介してサーバに送信される。ここで、ルーム端末とは、会議室等といった各部屋にそれぞれ設置されている端末装置であり、担当者端末及び受付端末と同様にネットワークを介してサーバとデータの授受が可能なパソコンやPDA等のことである。
【0018】
サーバは、座標情報を参照することにより、取得した第1記入情報及び第2記入情報から、帳票を構成する各項目にそれぞれ記入された項目記入情報を抽出する。そして、サーバは、第2記入情報に含まれる第2電子ペンのペン識別情報を特定し、特定したペン識別情報に基づいてルーム情報を参照することで、担当者が使用した部屋を識別するルーム識別情報を特定することができる。また、サーバは、第1受付項目に記入された項目記入情報からストロークデータを抽出し、文字認識することで受付識別情報を特定する。さらに、サーバは、第2受付項目に記入された項目記入情報からストロークデータを抽出し、文字認識することで受付識別情報を特定する。また、サーバは、来訪項目、退社項目、入室項目及び退室項目に記入された項目記入情報に含まれる時間情報を抽出し、それぞれの記入時刻を、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻として特定する。また、サーバは、来訪者項目及び担当者項目にそれぞれ記入された項目記入情報から、来訪者及び担当者のサインを来訪者イメージデータ及び担当者イメージデータとして取得する。さらに、サーバは、特定した受付識別情報が一致する第1記入情報及び第2記入情報から取得した来訪者イメージデータ及び担当者イメージデータと、帳票のフォーマットデータとをマージすることにより、受付記録データを作成する。そして、サーバは、特定した受付識別情報をキーとして、特定した来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻と、作成した受付記録データとを管理情報として記憶、管理する。
【0019】
このように本発明によれば、受付では受付に設置された第1電子ペンを使用し、会議室等の部屋では各部屋に設置された第2電子ペンを使用するため、受付から担当者又は来訪者に電子ペンを手渡す必要がない。よって、電子ペンの紛失といった人的ミスを防止することができる。
【0020】
上記サーバの一態様では、前記予約情報は、前記担当者及び前記来訪者が使用する部屋を識別するルーム識別情報と、使用する日時を示す使用日時情報とを有するルーム予約情報をさらに有しており、前記サーバは、前記ルーム識別情報と、一定の時間毎の前記部屋の予約状況とを対応付けてルーム情報として記憶するルーム情報記憶手段と、前記予約情報取得手段が取得した予約情報に含まれるルーム予約情報が有するルーム識別情報及び使用日時情報に基づいて、前記ルーム情報を参照することにより、前記担当者及び前記来訪者が使用する部屋が空いているか否かを判定するルーム判定手段と、をさらに備え、前記受付識別情報発行手段は、前記ルーム判定手段が前記部屋が空いていると判定した場合にのみ、前記受付識別情報を発行する。
【0021】
上記のように構成されたサーバは、予め、会議室等の部屋を識別する部屋識別情報と、当該部屋の予約状況とを対応付けたルーム情報を保有している。また、予約情報のルーム予約情報には、担当者が使用したい部屋及び使用日時に関する情報が含まれている。そのため、サーバは、ルーム情報とルーム予約情報を比較することにより、担当者が使用したい部屋が空いているか否かを判定することができる。サーバは、担当者が使用したい部屋が空いている場合にのみ、受付識別情報を発行する。即ち、受付識別情報をキーとして予約情報を記憶する。これによれば、担当者が使用したい部屋が空いていない場合には、受付識別情報を発行せず、予約情報の記憶も行わないため、異なる担当者が、同じ時間に同じ部屋を使用するといったダブルブッキングを防止することができる。
【0022】
上記のように構成されたサーバにおいて、前記予約情報は、前記来訪者に関する来訪者予約情報と、前記担当者に関する担当者予約情報と、来訪予定時刻に関する来訪予定時刻情報とをさらに有しており、前記受付端末装置から、前記来訪者予約情報、前記担当者予約情報及び前記来訪予定時刻情報のいずれか1つ以上の情報を検索情報として取得する検索情報取得手段と、前記予約情報送信手段は、前記検索情報に基づいて、前記予約情報記憶手段が記憶する受付識別情報及び予約情報を送信する。これによれば、受付端末は、検索情報に合致する予約情報及びその受付識別情報を取得して画面上に表示することができる。よって、受付の社員は、容易に来訪者に対応する受付識別情報を認識し、電子ペンを使用して帳票に記入することが可能となる。
【0023】
上記のように構成されたサーバにおいて、前記来訪項目、退社項目、入室項目及び退室項目には、チェックマークが記入される。これによれば、帳票を構成する来訪項目、退社項目、入室項目及び退室項目にそれぞれチェックマークを記入することで、記入時刻に基づき、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻を特定することができる。つまり、電子ペンを使用して記入すると、その記入時刻を電子ペンが管理しているため、利用者が時刻を記入しなくとも、時刻とは関係のないチェックマークの記入のみで容易に来社時刻や退社時刻を特定することができる。
【0024】
本発明の別の観点では、端末装置とネットワークを介して送受信可能に接続され、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票を使用するコンピュータにより実行されるプログラムであって、担当者が使用する担当者端末から、会社への来訪予定を予約するための予約情報を取得する予約情報取得手段、前記予約情報を識別するための受付識別情報を発行する受付識別情報発行手段、前記予約情報を、前記受付識別情報に対応付けて記憶する予約情報記憶手段、前記帳票は、受付識別情報を認識するための受付項目と、会社への来訪時刻及び退社時刻を認識するための来訪項目及び退社項目と、前記来訪者に関する情報を認識するための来訪者項目と、前記来訪者に対応する担当者に関する情報を認識するための担当者項目と、から構成されており、前記帳票を構成する受付項目、来訪項目、退社項目、来訪者項目及び担当者項目と、前記ドットパターン上のそれぞれの位置座標とを対応付けた座標情報を記憶する座標情報記憶手段、受付が使用する受付端末に、前記予約情報記憶手段が記憶する受付識別情報及び予約情報を送信する予約情報送信手段、前記受付端末から、前記電子ペンにより前記帳票に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段、前記座標情報に基づいて前記記入情報から、各項目に記入された項目記入情報を抽出する項目記入情報抽出手段、前記受付項目に記入された項目記入情報に基づいて、受付識別情報を特定する受付識別情報特定手段、前記来訪項目に記入された項目記入情報に基づいて、来訪時刻を特定する来訪時刻特定手段、前記退社項目に記入された項目記入情報に基づいて、退社時刻を特定する退社時刻特定手段、前記来訪者項目に記入された項目記入情報から、来訪者に関する情報をイメージデータとして取得する来訪者イメージデータ取得手段、前記担当者項目に記入された項目記入情報から、担当者に関する情報をイメージデータとして取得する担当者イメージデータ取得手段、前記帳票のフォーマットデータと、前記来訪者イメージデータと、前記担当者イメージデータとに基づいて、受付記録データを作成する受付記録データ作成手段、前記来訪時刻特定手段が特定した来訪時刻と、前記退社時刻特定手段が特定した退社時刻と、前記受付記録データ作成手段が作成した受付記録データとを管理情報として、前記受付識別情報特定手段が特定した受付識別情報に対応付けて記憶する管理情報記憶手段、として前記コンピュータを機能させる。
【0025】
上記プログラムをコンピュータにより実行することにより、上述のサーバを実現することができる。また、上述のサーバの各態様も同様に実現することができる。
【0026】
本発明の別の観点では、インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用帳票であって、受付識別情報を認識するための受付項目と、会社への来訪時刻及び退社時刻を認識するための来訪項目及び退社項目と、来訪者に関する情報を認識するための来訪者項目と、前記来訪者に対応する担当者に関する情報を認識するための担当者項目と、前記来訪者及び前記担当者が使用する部屋を識別するルーム識別情報を認識するためのルーム項目と、前記部屋への入室時刻及び退室時刻を認識するための入室項目及び退室項目と、から構成されている。
【0027】
上記のように構成された電子ペン用帳票において使用される電子ペンは、ドットパターンを読み取ることで、例えば利用者が記入した文字や記号のストロークデータを取得するものである。このように帳票を複数の項目から構成されることにより、利用者が各項目に記入した項目記入情報に基づいて、容易に、受付識別情報、ルーム識別情報、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻を特定することができる。また、来訪者のサイン情報や担当者の社員情報を取得することができる。
【0028】
本発明のさらに別の観点では、インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用帳票であって、受付識別情報を認識するための第1受付項目及び第2受付項目と、会社への来訪時刻及び退社時刻を認識するための来訪項目及び退社項目と、来訪者に関する情報を認識するための来訪者項目と、前記来訪者に対応する担当者に関する情報を認識するための担当者項目と、前記来訪者及び前記担当者が使用する部屋への入室時刻及び退室時刻を認識するための入室項目及び退室項目と、から構成されている。
【0029】
上記のように構成された電子ペン用帳票は、複数の項目から構成されることにより、利用者が各項目に記入した項目記入情報に基づいて、容易に、受付識別情報、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻を特定することができる。また、来訪者のサイン情報や担当者の社員情報を取得することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、電子ペンにより帳票に記入された情報に基づいて、来訪者及び担当者のサインと、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻とを電子データとして管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。まず、本発明のシステムにおいて入力デバイスとして使用される電子ペンの概要について説明する。
【0032】
[電子ペン]
図1は電子ペンの使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。図1に示すように、電子ペン10は、ドットパターンが印刷された専用ペーパー20と組み合わせて使用される。電子ペン10は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者は通常のインクペンと同様に専用ペーパー20上に文字などを書くことになる。
【0033】
図2に示すように、電子ペン10は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、データ通信ユニット13、バッテリー14、LED15、カメラ16及び圧力センサ18を備える。また、電子ペン10は通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
【0034】
電子ペン10は、ペン先部17により専用ペーパー20上に描かれたインクの軌跡をデータ化するのではなく、専用ペーパー20上で電子ペン10が移動した軌跡座標をデータ化する。LED15が専用ペーパー20上のペン先部17近傍を照明しつつ、カメラ16が専用ペーパー20に印刷されているドットパターンを読み取り、データ化する。つまり、電子ペン10は専用ペーパー20上で利用者が電子ペン10を移動させることにより生じるストロークを画像データ又はベクトルデータとして取得することができる。
【0035】
圧力センサ18は、利用者が電子ペン10により専用ペーパー上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行う。即ち、利用者が電子ペン10で専用ペーパー20上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかる。よって、所定値以上の筆圧が検出されたときに、利用者が記述を開始したと判定して、LED15及びカメラ16を作動する。
【0036】
カメラ16は専用ペーパー20上のドットパターンを読み取り、そのパターンデータをプロセッサ11に供給する。プロセッサ11は、供給されたドットパターンから、専用ペーパー20上でのX/Y座標を算出する。
【0037】
プロセッサ11は、利用者の記述が行われる間に、筆圧の配列データ及びX/Y座標データを取得し、タイムスタンプ(時間情報)と関連付けてメモリ12に記憶していく。よって、メモリ12内には利用者の記述内容に対応するデータが時系列で記憶されていく。メモリ12の容量は例えば1Mバイト程度とすることができる。
【0038】
利用者により送信指示がなされるまでは、取得された全てのデータはメモリ12内に保持される。そして、利用者が送信指示を行うと、データ通信ユニット13により、電子ペン10と所定距離内にある端末装置25へメモリ12内のデータが送信される。基本的には、一度送信指示がなされると、電子ペン10はメモリ12内に記憶していた全てのデータを端末装置25へ送信するため、メモリ12内はクリアされる。よって、送信後にもう一度同じ情報を端末装置25へ送信したい場合には、利用者は専用ペーパー20上に再度記述を行う必要がある。なお、この場合、利用者は専用ペーパー20上にインクペンで書かれた文字などをなぞればよいことになる。
【0039】
電子ペン10自体は、送信ボタンなどの機能ボタンを備えておらず、送信指示その他の指示は、利用者が専用ペーパー20上の所定位置に設けられた専用ボックスを電子ペン10でチェックすることにより実行される。専用ボックスの位置座標には、予め送信指示が対応付けられており、プロセッサ11は専用ボックスの位置座標を受信すると、データ通信ユニット13にメモリ12内のデータを供給し、端末装置25への送信を行わせる。なお、電子ペン10は、データの送信完了を電子ペンの振動により示すことができる。
【0040】
バッテリー14は電子ペン10内の各要素に電源供給するためのものであり、例えば電子ペンのキャップ(図示せず)により電子ペン10自体の電源のオン/オフを行うことができる。
【0041】
このように、電子ペン10は利用者が専用ペーパー20上に記述した文字などに対応する座標データ及び筆圧データを取得して近傍の端末装置25へ送信する機能を有するが、電子ペン10のペン先部17は通常のインクペンとなっているため、専用ペーパー20上に記述した内容はオリジナルの原本として残るという特徴がある。即ち、紙の原本に対して記述するのと同時に、その内容を座標データなどの形態でリアルタイムに電子化することができる。
【0042】
なお、電子ペン10の標準機能によれば、電子ペン10により得られるデータは、原則として座標データ又はベクトルデータの形態であり、テキストデータではない。但し、電子ペン10は標準機能として、専用ペーパー20上に設けられた専用エリアに記述することにより、英数字に限りテキスト化する機能は備えている。
【0043】
また、電子ペン10内には、ペン自体及びその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報及びペン所有者情報)を保持することができ、アプリケーションから参照することができる。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどを保持できる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、空きメモリ容量、名称、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などを保持することができる。
【0044】
なお、上記の例におけるデータ通信ユニット13では、Bluetooth(登録商標)の無線伝送、USBケーブルを使用した有線伝送、端子などの接触によるデータ伝送など、各種の方法によって電子ペン10から端末装置25へのデータ送信を行うことが考えられる。
【0045】
次に、電子ペンにより利用者が記述した内容のX/Y座標データを取得する方法について説明する。前述のように専用ペーパー20には、所定のドットパターンが印刷されている。電子ペン10のカメラ16は、利用者が専用ペーパー20上に記述したインクの軌跡を読み取るのではなく、専用ペーパー20上のドットパターンを読み取る。実際、図1に示すように、LED15による照明エリア及びカメラ16の撮影エリア(照明エリア内に位置する)は、ペン先部17が専用ペーパー20に接触する位置とはずれている。
【0046】
ドットパターンはカーボンを含む専用インキなどで印刷されており、カメラ16はその専用インキによるパターンのみを認識することができる。専用インキ以外のインキ(カーボンを含まない)により、専用ペーパー上に罫線や枠などを印刷しても、電子ペンはそれらを認識することはない。よって、専用ペーパーを利用して各種申込書などの帳票を作成する際は、専用インキ以外のインキで入力枠や罫線、注意書きなどを印刷する。
【0047】
ドットパターンは、図3に例示するように、各ドットの位置がデータに対応付けされている。図3の例では、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右にシフトすることにより、0〜3の2ビット情報を表示した例である。このようにして表現された情報の組合せにより、専用ペーパー上の位置座標が決定される。図4(a)に例示するように、縦横2mmの範囲内に36個のドットが格子状に配置され、これらのドットにより示されるデータの配列(図4(b))が、その専用ペーパー上の位置座標と対応付けされている。よって、電子ペン10のカメラ16が図4(a)に示すようなドットパターンを撮影すると、プロセッサ11はカメラ16から入力されるドットパターンのデータに基づいて図4(b)に示すデータ配列を取得し、それに対応する専用ペーパー上の位置座標(即ち、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)をリアルタイムで算出する。なお、ドットパターンを認識する最小単位は2mm×2mmであり、カメラ16は毎秒100回程度の撮影を行う。
【0048】
次に、専用ペーパーについて説明する。専用ペーパーの構造の一例を図5に示す。図示のように、専用ペーパー20は、台紙30上にドットパターン32が印刷され、その上に罫線などの図案34が印刷されている。台紙30は通常は紙であり、ドットパターン32は前述のようにカーボンを含んだ専用インキにより印刷される。また、通常のインキなどにより図案34が印刷される。ドットパターンと図案とは同時に印刷してもよいし、いずれかを先に印刷してもよい。
【0049】
図案34の例を図6に示す。図6は、ある申込書36の例であり、複数の記入欄38や送信ボックス39が印刷されている。図6には明確に図示されておらず、詳細は後述するが、実際にはドットパターンが申込書36の全面に印刷されており、その上に記入欄38や送信ボックス39が通常のインキにより印刷されている。利用者は、ドットパターンを意識することなく、従来からある申込書と同様に、電子ペン10を使用して必要事項を申込書36の各記入欄38に記入すればよい。
【0050】
専用ペーパー20上のエリアは大きく2種類のエリアに分けることができる。1つは記入エリアであり、電子ペン10による記述内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。図6の例では複数の記入欄38がこれに該当する。もう1つは機能エレメントであり、対応するエリア内を電子ペン10でチェックした際に、予めそのエリアに対して定義されているアクション、指示などを実行するようになっている。図6の例における送信ボックス39がこれに該当する。
【0051】
送信ボックス39は前述したように電子ペン10内に記憶されているデータを近傍の端末装置25へ送信するための指示を行う際に使用される。利用者が送信ボックス39内に電子ペン10でチェックを入れると、電子ペン10が送信ボックス内のドットパターンを読み取る。当該パターンは送信指示に対応付けられており、電子ペン10内のプロセッサ11はデータ通信ユニット13にメモリ12内の記憶データの送信命令を発する。
【0052】
ドットパターンの割り当ては、通常、アプリケーション(用紙の種類)毎に行われる。即ち、ある申込書内のドットパターンは1枚の用紙の中で重複することはないが、同一の申込書には全て同じドットパターンが印刷されている。よって、利用者が電子ペン10で必要事項を入力すると、その入力事項がその申込書のどの項目に対するものであるかを、申込書上の座標データから特定することができる。
【0053】
このように、ドットパターンを印刷した専用ペーパー上に所定の図案を印刷することにより、専用ペーパーを利用した各種申込書が作成できる。利用者は電子ペン10を使用して通常の要領で必要事項を記入すれば、その電子データが自動的に取得される。
【0054】
上記の例では、ドットパターンは専用ペーパー上にカーボンを含むインキにより印刷されているが、プリンタ及びカーボンを含むインクを使用してドットパターンを通常の紙上にプリントすることも可能である。さらに、専用ペーパー上の図案も印刷ではなく、プリンタにより形成することも可能である。ドットパターンをプリンタにより紙上に形成する場合には、1枚1枚に異なるドットパターンを形成することが可能である。よって、形成されたドットパターンの違いにより、それらの用紙1枚1枚を識別し、区別することが可能となる。
【0055】
なお、本明細書においては、「印刷」の語は、通常の印刷のみならず、プリンタによるプリントも含む概念とする。
【0056】
次に、電子ペンにより取得したデータの送信処理について図2を参照して説明する。電子ペン10が取得したデータは、主として利用者が入力した事項のデータであるが、通常はそのデータの送信先であるサービスサーバがどこであるかの情報は含まれていない。その代わりに、その専用ペーパーに関するアプリケーションやサービスを特定する情報が専用ペーパー上のドットパターンに含まれており、利用者の入力作業中に専用ペーパーからその情報が取得されている。よって、電子ペン10から記入データを受け取った端末装置25は、まず、問い合わせサーバ26に対して、その専用ペーパーに対して入力されたデータをどのサービスサーバ27へ送信すべきかの問い合わせを行う。問い合わせサーバ26は、専用ペーパー毎に、対応するサービスサーバの情報を有しており、端末装置25からの問い合わせに応じて、当該専用ペーパーに関するサービスなどを行うサービスサーバ27の情報(URLなど)を端末装置25へ回答する。それから、端末装置25は、電子ペンから取得した記入データをそのサービスサーバ27へ送信することになる。
【0057】
なお、上記の例では端末装置25、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27が別個に構成されているが、これらの幾つか又は全てを1つの装置として構成することも可能である。本実施形態において、後述するサーバは、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27を兼ねているものとする。
【0058】
[第1実施形態]
(i)受付処理システム
次に、本発明の受付処理システムについて説明する。図7に受付処理システム100の概略構成を示す。図7に示す受付処理システム100は、利用者が電子ペン用帳票に記入した情報から、来訪者及び担当者のサインと、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻とを電子データとして取得し、管理することができるものである。
【0059】
図7に示すように、受付処理システム100は、担当者端末装置(以下、「担当者端末」と呼ぶ。)51、受付端末装置(以下、「受付端末」と呼ぶ。)52及びサーバ5がネットワーク2を通じて接続されることにより構成される。ここで、ネットワーク2の1つの好適な例はインターネットである。また、担当者端末51及び受付端末52は、それぞれ担当者及び受付の社員が使用する端末装置であって、具体的にはPCやPDAといったネットワーク2を介してデータの授受が可能な端末装置である。ここで、担当者とは、来訪者と打合せ等を行う者であって、サーバ5を使用する会社の社員であるとする。
【0060】
なお、サーバ5は、社員データベース(以下、「DB」と呼ぶ。)6、ルームDB7、予約DB8及び管理DB9に接続されている。また、図7は、便宜上、1つの担当者端末51及び1つの受付端末52を構成要素として含むこととしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の担当者がそれぞれ使用する複数の担当者端末及び複数の受付でそれぞれ使用される複数の受付端末を構成要素として含むこととしてもよい。
【0061】
まず、図8を参照して、本システムにおける受付処理方法の概要を述べておく。図8(a)は、外部の来訪者が会社を訪問した際に、受付、来訪者及び担当者が電子ペン10を使用して記入する受付記録票の例であり、図8(b)は、実際に記入が行われた受付記録票の例である。なお、受付記録票は、詳細は後述するが、電子ペン用帳票であるものとする。
【0062】
外部の来訪者が会社を訪問し、当該会社内で打合せ等を行う場合、当該打合せ等に参加する社員の1人が担当者となる。担当者は、自身が使用する担当者端末51を使用し、自分自身に関する担当者予約情報と、来訪者に関する来訪者予約情報と、来訪予定時刻に関する来訪予定時刻情報と、打合せ等で使用する部屋に関するルーム予約情報とを予約情報として、来訪者が訪問するより前に予めサーバ5へ送信する。具体的に、担当者予約情報とは、担当者を識別する社員IDや担当者の電話番号(内線番号)等の情報である。来訪者予約情報とは、来訪者の氏名、会社名、所属、来訪人数等の情報である。来訪予定時刻情報とは、来訪者が会社を訪問する日時の情報である。ルーム予約情報とは、来訪者と担当者が使用する会議室等の部屋に関する情報であって、例えば各部屋を識別するルームID、各部屋を使用する日時を示す使用日時情報である。
【0063】
担当者端末51から予約情報を取得すると、サーバ5は、当該予約情報に含まれるルーム予約情報に基づいてルームDB7を参照することにより、担当者が指定する部屋が空いているか否かを判定する。ルームDB7は、各部屋を識別するルームIDと、一定時間毎の各部屋の予約状況とを対応付けて記憶している。即ち、ルームDB7を参照することで、各時刻における各部屋の予約状況を容易に確認することができる。そして、サーバ5は、担当者が指定する部屋が空いている場合に、受付IDを発行し、当該受付IDをキーとして予約情報を予約DB8に記憶する。また、サーバ5は、発行した受付IDを担当者に知らせるため、担当者端末51に送信することとしてもよい。
【0064】
外部の来訪者が会社を訪問すると、受付の社員(以下、「受付」と呼ぶ。)は、まず、電子ペン10を使用して、図8(a)に示すような受付記録票3の来訪項目61にチェックマークを記入する。なお、本実施形態では、チェックマークを「レ」としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、「マル(○)」等任意の記号を適用することができる。さらに、受付は、受付端末52を使用し、来訪時刻、担当者氏名、来訪者氏名等を検索情報として入力することにより、サーバ5から当該検索情報に合致する予約情報及びその受付IDを取得する。具体的には、受付端末52から検索情報を取得したサーバ5は、当該検索情報を条件として予約DB8を検索する。つまり、サーバ5は、予約DB8に記憶された来訪者予約情報、来訪予定時刻情報及び担当者予約情報と、検索情報に含まれる来訪者名、来訪時刻及び担当者名とを比較し、合致する受付ID及び予約情報を受付端末52に送信する。受付端末52は、サーバ5から取得した受付ID及び予約情報を画面上に表示する。受付は、画面上の受付ID及び予約情報を確認し、電子ペン10を使用して、該当する受付IDを受付記録票3の受付項目62に記入する。
【0065】
次に、受付は、来訪者に当該電子ペン10を使用して、当該受付記録票3の来訪者項目63に記入をしてもらう。具体的に、来訪者項目63は、来訪者の氏名、会社名、所属を記入する項目から構成されており、来訪者には電子ペン10を使用してサインをしてもらうことになる。そして、受付は、来訪者にサインしてもらった受付記録票3及びそのとき使用した電子ペン10を、担当者に手渡す。
【0066】
担当者は、来訪者と共に予め予約した部屋に入室すると、渡された電子ペン10を使用して、受付記録票3の入室項目66にチェックマークを記入する。また、担当者は、当該電子ペン10を使用して、受付記録票3のルーム項目65に予約した部屋のルームIDを記入する。なお、入室項目66及びルーム項目65への記入の順番は任意であるが、入室項目66へ記入した時刻が入室時刻として管理されるため、入室すると直ちに入室項目66へチェックマークを記入することが望ましい。そして、担当者は、打合せが終了して退室する際に、当該電子ペン10を使用して、受付記録票3の退室項目67にチェックマークを記入する。さらに、担当者は、当該電子ペン10を使用して、受付記録票3の担当者項目68に記入を行う。具体的に、担当者項目68は、担当者の氏名を記入する項目から構成されており、担当者は電子ペン10を使用してサインをすることになる。そして、担当者は、当該受付記録票3及び当該電子ペン10を受付に返却する。
【0067】
受付は、受付記録票3及び電子ペン10を取得すると、当該電子ペン10を使用して、当該受付記録票3の退社項目64にチェックマークを記入する。なお、退社項目84への記入時刻が、来訪者の退社時刻として管理されるため、来訪者が退社した際、直ちにチェックマークを記入することが望ましい。これにより、受付記録が完了する。受付記録が完了した状態の受付記録票3の例を図8(b)に示す。
【0068】
このとき、電子ペン10には、来訪項目61に記入したチェックマークから退社項目64に記入したチェックマークまでの記入情報がひとまとまりで記憶されている。受付が、図8には図示されていないが、上述のような送信ボックス39にチェックマークを記入することにより、当該記入情報は受付端末52を介してサーバ5へ送信される。サーバ5は、詳細は後述するが、受付記録票3上のドットパターンと、各項目とを対応付けた座標テーブルに基づいて、記入情報から、各項目に記入された項目記入情報を抽出する。そして、サーバ5は、受付項目62に記入された項目記入情報に含まれるストロークデータを文字認識することにより、受付IDを特定する。さらに、サーバ5は、ルーム項目65に記入された項目記入情報に含まれるストロークデータを文字認識することにより、ルームIDを特定する。また、サーバ5は、来訪項目61、退社項目64、入室項目66及び退室項目67にそれぞれ記入された項目記入情報から時間情報を抽出し、各項目への記入時刻に基づいて、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻を特定する。また、サーバ5は、来訪者項目に記入された項目記入情報から、来訪者のサインを来訪者イメージデータとして抽出する。さらに、サーバ5は、担当者項目に記入された項目記入情報から、担当者のサインを担当者イメージデータとして抽出する。
【0069】
サーバ5は、予め受付記録票のフォーマットデータを保有している。そのため、サーバ5は、当該フォーマットデータと、抽出した来訪者イメージデータと、抽出した担当者イメージデータとをマージすることにより、デジタルデータである受付記録データを作成することができる。そして、サーバ5は、特定した受付IDをキーとして、特定した来訪時刻、退社時刻、入室時刻退室時刻及びルームIDと、作成した受付記録データとを管理DB9に記憶する。
【0070】
これによれば、電子ペン10で記入した内容が、受付記録票3のフォーマットにマージされた形でイメージデータ化されるため、受付記録票3を紙媒体として保管する必要がなく、画像ファイルとして管理することが可能となる。よって、過去の受付記録票3を即時に検索、確認することができる。また、来訪者及び担当者の直筆サインもイメージデータとして管理することができる。また、来訪時刻及び退社時刻のみならず、会議室等への入室時刻と退室時刻の記録もチェックマークを記入することで容易に取得することができる。よって、来訪者が来訪した後における行動のより詳細な情報を取得、管理することができる。さらに、電子ペン10が時間管理を行っているため、時刻を数字で記入しなくても、チェックマークやサインを記入することで容易に記入時刻を特定することができる。
【0071】
なお、本実施形態では、受付は受付記録票3及び電子ペン10を担当者に手渡すこととしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、来訪者に手渡すこととしてもよい。
【0072】
また、本実施形態では、来訪者項目63及び担当者項目68にそれぞれ記入された項目記入情報から、来訪者イメージデータ及び担当者イメージデータを抽出し、フォーマットデータとマージして受付記録データを作成することとしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、受付記録票3に記入された全ての記入情報から、全イメージデータを抽出し、フォーマットデータとマージして受付記録データを作成することとしてもよい。
【0073】
(ii)受付記録票
受付記録票3は、図8に示すように、来訪項目61、受付項目62、来訪者項目63、退社項目64、ルーム項目65、入室項目66、退室項目67及び担当者項目68から構成されている。各項目には、それぞれを識別する情報である項目IDが割り当てられている。
【0074】
本発明のシステムでは、図8に示すような受付記録票3は、上述した専用ペーパーとして作成されている。即ち、図5に例示するように台紙30上にドットパターン32が印刷されており、その上に所定の罫線などの図案が印刷されている。先に述べたように、ドットパターン32は電子ペン10が認識することができるように、カーボンを含んだインキにより印刷されている。一方、罫線などの図案34は、通常の(カーボンを含まない)インキにより印刷されているため、電子ペン10がそれを認識することはない。
【0075】
このように、受付記録票3上にはドットパターン32が印刷されており、受付記録票3が細分化された複数の項目から構成されていることで、項目IDとドットパターン32上の位置座標とを対応付けた座標テーブルに基づいて、容易に利用者が記入した情報を特定することが可能となる。
【0076】
(iii)サーバ
次に、サーバ5について詳しく説明する。図9は、受付処理システム100における、特にサーバ5の内部構成を示す。図示のように、サーバ5は、受付処理プログラム101、予約情報取機能102、予約登録機能103、記入情報取得機能104、座標テーブル105、受付ID特定機能106、ルームID特定機能107、時刻特定機能108、イメージデータ取得機能109、受付記録データ作成機能110、フォーマットデータ111及び管理DB記憶機能112から構成されている。
【0077】
なお、各機能は、サーバ5が有するCPUが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0078】
受付処理プログラム101は、担当端末51から取得した予約情報を、受付IDをキーとして予約DB8に記憶することで予約登録を行うプログラムである。また、受付処理プログラム101は、受付端末52から取得した記入情報に基づいてイメージデータ及び各種時刻を特定し、受付IDをキーとして当該イメージデータ及び各種時刻を管理DB9に記憶することで受付記録を電子データとして管理するプログラムである。
【0079】
予約情報取得機能102は、担当者端末51から、来訪者予約情報、担当者予約情報、ルーム予約情報及び来訪予定時刻を予約情報として取得する機能である。
【0080】
予約登録機能103は、さらに、社員DB確認機能、ルームDB確認機能、受付ID発行送信機能及び予約DB記憶機能から構成されている。
【0081】
社員DB確認機能は、予約情報に含まれる担当者予約情報から社員IDを特定し、当該社員IDに基づいて社員DB6を参照することで担当者に関する情報を確認する機能である。ここで、社員DB6について、図10を参照して説明する。図10は、社員DB6のデータ構造を模式的に示す図である。図10に示すように、社員DB6は、社員ID、所属、氏名及び電話番号等の項目から構成されている。社員IDとは、社員を識別する情報であり、所属、氏名及び電話番号とは、当該社員IDが割り当てられた社員の所属部署、氏名、内線番号に関する情報である。予約情報取得機能102が取得した予約情報には、担当者予約情報が含まれており、当該担当者予約情報には、担当者の社員IDや氏名に関する情報が含まれている。よって、社員DB確認機能は、担当者予約情報に含まれる社員IDに基づいて、社員DB6を参照することで、当該担当者に関する情報を容易に確認することができる。なお、社員DB確認機能は、担当者予約情報に含まれる氏名と、社員DB6から抽出した氏名とが異なる場合には、エラー情報を作成し、担当者端末51に当該エラー情報を送信することとしてもよい。また、本実施形態における社員DB6のデータ構造は図10に示すとおりであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、社員DB6のデータ構造は任意に設定することが可能である。
【0082】
ルームDB確認機能は、予約情報に含まれるルーム予約情報からルームID及び使用日時情報を抽出し、当該ルームIDに基づいてルームDB7を参照することで、担当者が指定した部屋が空いているか否かを確認する機能である。ここで、ルームDB7について、図11を参照して説明する。図11は、ルームDB7のデータ構造を模式的に示す図である。図11に示すように、ルームDB7は、日付、ルームID、時間及び予約の項目から構成されている。ルームIDとは、各部屋を識別する情報であり、予約とは、対応する日付及び時間にその部屋が空いているか、又は、すでに予約されているかといった予約状況を示す情報である。つまり、ルームDB7は、各部屋の一定時間毎の予約状況が記憶されている。予約情報取得機能102が取得した予約情報には、ルーム予約情報が含まれており、当該ルーム予約情報には、担当者が使用したい部屋のルームID及び使用日時情報に関する情報が含まれている。ここで、ルーム予約情報に含まれる使用日時情報とは、担当者が使用したい日及び時刻であるものとする。よって、ルームDB確認機能は、ルーム予約情報に含まれるルームID及び使用日時情報に基づいて、ルームDB7を参照することにより、担当者が指定する日時に、使用したい部屋が空いているか否かを確認、判定することができる。
【0083】
受付ID発行送信機能は、ルームDB確認機能が、担当者が指定する部屋が空いていると判定した場合に、受付IDを発行し、担当者端末51に当該受付IDを送信する機能である。また、受付ID発行送信機能は、ルームDB確認機能が、担当者が指定する使用したい部屋がすでに予約されていると判定した場合に、予約することができない旨のメッセージを作成し、担当者端末51に当該メッセージを送信する機能である。
【0084】
予約DB記憶機能とは、受付ID発行送信機能が受付IDを発行した場合に、当該受付IDをキーとして、予約情報取得機能102が取得した予約情報を予約DB8に記憶する機能である。ここで、予約DB8について図12を参照して説明する。図12は、予約DB8のデータ構造を模式的に示す図である。図12に示すように、予約DB8は、受付ID、担当者予約情報、来訪者予約情報、来訪予定時刻及びルームIDから構成されている。担当者予約情報は、予約情報取得機能102が取得した予約情報に含まれる担当者予約情報である。よって、図示のように、予約DB8を構成する担当者予約情報は、さらに社員ID、担当者名及び電話番号から構成されている。なお、予約DB8を構成する担当者予約情報には、予約情報取得機能102が取得した予約情報に含まれる情報のみならず、社員DB確認機能が確認した情報を記憶させることとしてもよい。また、来訪者予約情報は、予約情報取得機能102が取得した予約情報に含まれる来訪者予約情報である。よって、図示のように、予約DB8を構成する来訪者予約情報は、さらに来訪者名、会社名、所属及び人数から構成されている。また、来訪予定時刻は、予約情報取得機能102が取得した予約情報に含まれる来訪予定時刻であり、ルームIDは、ルーム予約情報に含まれるルームIDである。
【0085】
予約登録機能103は、社員DB確認機能、ルームDB確認機能、受付ID発行送信機能及び予約DB記憶機能により、受付IDをキーとして予約DB8に予約情報を記憶することで、予約登録を完了する機能である。また、予約登録機能103は、受付端末52から、担当者の氏名、来訪者の氏名、来訪者の人数、来訪日時といった検索情報を取得した場合、当該検索情報に基づいて予約DB8を参照し、当該検索情報に合致する予約情報及びその受付IDを受付端末52に送信する。受付端末52は、サーバ5から取得した受付ID及び予約情報を画面上に表示する。これにより、受付は、来訪者が訪問した際に対応する受付IDを確認し、受付記録票3に記入することが可能となる。
【0086】
記入情報取得機能104は、受付処理プログラム101を実行することにより、利用者、即ち受付、来訪者及び担当者が電子ペン10を使用して受付記録票3に記入した記入情報を取得する機能である。また、記入情報取得機能104は、座標テーブル105を参照することにより取得した記入情報から、各項目へ記入された項目記入情報を抽出する機能である。
【0087】
ここで、座標テーブル105について図13を参照して説明する。図13は、座標テーブル105のデータ構造を模式的に示す図である。図示のとおり、座標テーブル105は、項目ID、座標データ、項目名及び文字認識の項目から構成されている。項目IDは、受付記録票3を構成する各項目を識別する情報である。座標データは、受付記録票3に印刷されたドットパターン上における各項目の配置を示す座標データである。項目名は、各項目の名称である。文字認識は、対応する項目に記入された項目記入情報からストロークデータを抽出し、文字認識をする必要があるか否かを示す情報である。例えば、来訪項目61や退社項目64は、チェックマークを記入するだけなので、文字認識の必要はない。また、来訪者項目63や担当者項目68は、イメージデータとして取得するため、文字認識の必要はない。よって、来訪項目61や来訪者項目68に対応する文字認識の項目には、図示のようにハイフン(−)が規定されている。一方、受付項目62及びルーム項目65は、それぞれ受付ID及びルームIDが記入され、サーバ5が当該受付ID及びルームIDを文字認識により特定する必要がある。よって、受付項目62やルーム項目65に対応する文字認識の項目には、図示のようにマル(○)が規定されている。
【0088】
受付ID特定機能106は、受付項目62に記入された項目記入情報からストロークデータを抽出し、文字認識を行うことで受付IDを特定する機能である。
【0089】
ルームID特定機能107は、ルーム項目65に記入された項目記入情報からストロークデータを抽出し、文字認識を行うことでルームIDを特定する機能である。
【0090】
時刻特定機能108は、来訪項目61、退社項目64、入室項目66及び退室項目67に記入されたそれぞれの項目記入情報から時間情報を抽出し、記入時刻に基づいて来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻を特定する機能である。
【0091】
イメージデータ取得機能109は、来訪者項目63及び担当者項目68にそれぞれ記入された項目記入情報から、来訪者の直筆サインを来訪者イメージデータとして、担当者の直筆サインを担当者イメージデータとして取得する機能である。
【0092】
受付記録データ作成機能110は、イメージデータ取得機能109が取得した来訪者イメージデータ及び担当者イメージデータと、受付記録票3のフォーマットデータ111とをマージすることで、電子データである受付記録データを作成する機能である。
【0093】
管理DB記憶機能112は、受付ID特定機能106が特定した受付IDをキーとして、時刻特定機能が特定した来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻と、ルームID特定機能が特定したルームIDと、受付記録データ作成機能110が作成した受付記録データとを管理DB9に記憶する機能である。具体的に、管理DB記憶機能112は、図14に示すように、受付IDをキーとして、受付記録票3に記入された情報を管理DB9に記憶する。図14は、管理DB9のデータ構造を模式的に示す図である。このように、受付IDをキーとして、受付管理票3に記入された全ての情報を電子データとして管理DB9に記憶して管理する。
【0094】
(iv)受付処理
次に、受付処理システム100により実行される受付処理について説明する。図15は、受付処理のフローチャートである。
【0095】
来訪者が会社を来訪する場合、担当者は担当者端末51を使用して、予め予約情報をサーバ5へ送信する。サーバ5は、担当者端末51から予約情報を取得すると(ステップS1)、予約情報に含まれる担当者予約情報を取得する。そして、サーバ5は、担当者予約情報に含まれる社員IDを特定し、当該社員IDに基づいて社員DB6を参照することで、担当者に関する情報を確認する(ステップS2)。このとき、担当者予約情報に含まれる情報と、社員DB6に含まれる情報とが一致しない場合には、エラーメッセージを作成して担当者端末51に送信することとしてもよい。さらに、サーバ5は、予約情報に含まれるルーム予約情報を取得する。そして、サーバ5は、ルーム予約情報からルームID及び使用日時情報を抽出し、当該ルームID及び使用日時情報に基づいてルームDBを参照することで、担当者が指定した日時で部屋が空いているか否かを判定する(ステップS3)。部屋が既に予約されていて空いていないと判定した場合(ステップS3;No)、サーバ5は、予約できない旨のメッセージを作成し、担当者端末51へ送信する(ステップS12)。そして、サーバ5は、ステップS1からS3の処理を繰り返し行う。一方、部屋が空いていると判定した場合(ステップS3;Yes)、サーバ5は、受付IDを発行する。そして、サーバ5は、発行した受付IDをキーとして、担当者端末51から取得した予約情報を予約DB8に記憶する(ステップS4)。また、サーバ5は、発行した受付IDを担当者端末51へ送信する。
【0096】
来訪者が会社を来訪した際、受付は、まず、電子ペン10を使用して受付記録票3の来訪項目61にチェックマークを記入する。そして、受付は受付端末52を使用して、来訪者の氏名、来訪者の人数、来訪時間といった検索情報をサーバ5へ送信する。サーバ5は、取得した検索情報に基づいて予約DB8を参照することにより、検索情報と一致する予約情報及び受付IDを受付端末52に送信する(ステップ5)。受付端末52は、サーバ5から取得した予約情報及び受付IDを画面上に表示し、受付は、電子ペン10を使用して当該受付IDを受付記録票3の受付項目62に記入する。また、来訪者は、当該電子ペン10を使用して当該受付記録票3の来訪者項目63に記入を行う。また、担当者は、来訪者と共に予約した部屋へ入室した際、当該電子ペン10を使用して当該受付記録票3の入室項目66にチェックマークを記入すると共に、当該部屋のルームIDをルーム項目65へ記入する。さらに、担当者は、来訪者と共に予約した部屋を退室する際、当該電子ペン10を使用して当該受付記録票3の退室項目67にチェックマークを記入する。また、担当者は、当該電子ペン10を使用して当該受付記録票3の担当者項目87にサインを記入する。
【0097】
受付は、担当者から当該電子ペン10及び当該受付記録票3を返却されると、当該電子ペン10を使用して、当該受付記録票3の退社項目64にチェックマークを記入する。そして、受付は、電子ペン10を使用して送信ボックス39にチェックマークを記入することにより、電子ペン10内に記憶された記入情報を、受付端末52を介してサーバ5へ送信する。
【0098】
サーバ5は、受付端末52から記入情報を取得すると(ステップS6)、まず、座標テーブル105を参照することにより、当該記入情報から各項目へ記入された項目記入情報を抽出する。そして、サーバ5は、受付項目62に記入された項目記入情報からストロークデータを抽出し、文字認識することにより受付IDを特定する(ステップS7)。また、サーバ5は、ルーム項目65に記入された項目記入情報からストロークデータを抽出し、文字認識することによりルームIDを特定する(ステップS8)。また、サーバ5は、来訪項目61、退社項目64、入室項目66及び退室項目67にそれぞれ記入された項目記入情報に基づいてそれぞれの記入時刻を特定することにより、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻を特定する(ステップS9)。さらに、サーバ5は、来訪者項目63に記入された項目記入情報から、来訪者のサインを来訪者イメージデータとして取得する。また、担当者項目68に記入された項目記入情報から、担当者のサインを担当者イメージデータとして取得する(ステップS10)。さらに、サーバ5は、取得した来訪者イメージデータ及び担当者イメージデータと、受付記録票3のフォーマットデータとをマージすることにより、受付記録データを作成する(ステップS11)。
【0099】
そして、サーバ5は、ステップS7で特定した受付IDをキーとして、ステップS8及びS9で特定したルームID、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻と、ステップS11で作成した受付記録データとを管理DB9に記憶する。これにより、受付処理は完了する。
【0100】
なお、本実施形態では、図11に示すようなルームDB7をサーバ5が保有しており、サーバ5がルーム予約情報及びルームDB7に基づいて、担当者が指定した部屋の予約状況を確認することとしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、サーバ5とネットワーク2を介して通信可能な他の端末や他のサーバがルームDB7を保有しており、当該他の端末や他のサーバが、担当者が指定した部屋の予約状況を確認し、確認結果をサーバ5へ送信することとしてもよい。
【0101】
このように、本発明によれば電子ペンで記入した内容が、受付記録票3のフォーマットデータにマージされた形でイメージデータ化されるため、受付記録票3を紙媒体として保存管理する必要がなく、電子データである画像ファイルとして管理することが可能である。よって、過去の受付記録を即座に検索、確認することができる。具体的には、所定の端末装置が受付IDや来訪日時などの情報をサーバ5へ送信すると、サーバ5は当該情報に基づいて管理DB9から該当する受付IDや受付記録データなどの情報を抽出し、当該端末装置へ送信する。
【0102】
また、本発明によれば、受付記録票3にチェックマークを記入するだけで、従来のように来訪時刻及び退社時刻だけではなく、打合せに使用する会議室等への入室時刻及び退室時刻を認識することが可能となる。よって、来訪者が会社を訪問した後の行動をより詳細に取得、管理することができる。
【0103】
また、本発明によれば、電子ペンを使用して記入を行うと、その記入時刻を電子ペン10が管理しているため、数字により利用者が正確な時刻を記入する必要がない。よって、チェックマークやサインなど直接時刻を表す文字列以外の記入であっても、容易に記入時刻を把握することができる。
【0104】
[第2実施形態]
(i)受付処理システム
次に、本発明の第2実施形態における受付処理システムについて説明する。図16に受付処理システム200の概略構成を示す。図16に示す受付処理システム200は、利用者が電子ペン用帳票に記入した情報から、来訪者及び担当者のサインと、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻とを電子データとして取得し、管理することができるものである。
【0105】
第2実施形態と第1実施形態との相違点は、第1実施形態では、受付、来訪者及び担当者が使用する電子ペン10は1本であり、当該電子ペン10に記憶された記入情報は一括してサーバ5へ送信されるのに対し、第2実施形態では、受付及び来訪者が使用する電子ペン10aと担当者が使用する電子ペン10bが異なるものであり、電子ペン10aに記憶された記入情報(以下、「記入情報A」と呼ぶ。)と電子ペン10bに記憶された記入情報(以下、「記入情報B」と呼ぶ。)が別々にサーバ5へ送信される点である。
【0106】
なお、第1実施形態と同様の部分は、便宜上説明を省略する。
【0107】
図16に示すように、受付処理システム200は、担当者端末51、受付端末52及びルーム端末53及びサーバ70がネットワーク2を通じて接続されることにより構成される。ここで、ルーム端末とは、各部屋に設置された端末である。なお、電子ペン10bは、各部屋に設置されており、詳細は後述するが、ペンIDに基づいてルームDB7を参照することでルームIDを特定することが可能であるとする。
【0108】
まず、図17を参照して、本システムにおける受付処理方法の概要を述べておく。図17(a)は、外部の来訪者が会社を訪問した際に、受付及び来訪者が電子ペン10aを、担当者が電子ペン10bを使用して記入する受付記録票の例であり、図8(b)は、実際に記入が行われた受付記録票の例である。
【0109】
外部の来訪者が会社を訪問し、当該会社内で打合せ等を行う場合、当該打合せ等に参加する社員の1人が担当者となる。担当者は、自身の担当者端末51を使用し、担当者予約情報と、来訪者予約情報と、来訪予定時刻情報と、ルーム予約情報とを予約情報として、来訪者が訪問するより前に予めサーバ70へ送信する。担当者端末51から予約情報を取得すると、サーバ70は、当該予約情報に含まれるルーム予約情報に基づいてルームDB7を参照することにより、担当者が指定する部屋が空いているか否かを判定する。そして、サーバ70は、担当者が指定する部屋が空いている場合に、受付IDを発行し、当該受付IDをキーとして予約情報を予約DB8に記憶する。また、サーバ5は、発行した受付IDを担当者に知らせるため、担当者端末51に送信することとしてもよい。
【0110】
外部の来訪者が会社を訪問すると、受付は、まず、電子ペン10aを使用して、図17(a)に示すような受付記録票71の来訪項目81にチェックマークを記入する。さらに、受付は、受付端末52を使用し、来訪時刻、担当者氏名、来訪者氏名等の検索情報を入力することにより、サーバ5から所定の受付IDと予約情報を取得する。さらに、受付端末52は、サーバ5から取得した受付ID及び予約情報を画面上に表示する。受付は、画面上の受付ID及び予約情報を参照し、電子ペン10aを使用して、該当する受付IDを受付記録票71の受付項目82に記入する。次に、受付は、来訪者に当該電子ペン10aを使用して、当該受付記録票71の来訪者項目83に記入をしてもらう。そして、受付は、来訪者にサインしてもらった受付記録票71のみを、担当者に手渡す。
【0111】
担当者は、来訪者と共に予め予約した部屋に入室すると、当該部屋に設置された電子ペン10bを使用して、受付記録票の入室項目85にチェックマークを記入する。また、担当者は、当該電子ペン10bを使用して、受付記録票3の受付項目86に受付IDを記入する。そして、担当者は、打合せが終了して退室する際に、当該電子ペン10bを使用して、受付記録票71の担当者項目87に記入を行う。さらに、担当者は、当該電子ペン10bを使用して、受付記録票71の退室項目88にチェックマークを記入する。このとき、電子ペン10bには、入室項目85に記入したチェックマークから退室項目88に記入したチェックマークまでの記入情報Bがひとまとまりで記憶されている。担当者が、図17には図示されていないが、上述のような送信ボックス39にチェックマークを記入することにより、当該記入情報Bはルーム端末53を介してサーバ70へ送信される。
【0112】
そして、担当者は、当該受付記録票71を受付に返却する。受付は、受付記録票71を取得すると、電子ペン10aを使用して、当該受付記録票71の退社項目84にチェックマークを記入する。なお、退社項目84への記入時刻が、来訪者の退社時刻として管理されるため、来訪者が退社した際、直ちにチェックマークを記入することが望ましい。これにより、受付記録が完了する。受付記録が完了した状態の受付記録票71の例を図17(b)に示す。このとき、電子ペン10bには、来訪項目81に記入したチェックマークから退社項目84に記入したチェックマークまでの記入情報Aがひとまとまりで記憶されている。受付が、図17には図示されていないが、上述のような送信ボックス39にチェックマークを記入することにより、当該記入情報Aは受付端末52を介してサーバ70へ送信される。
【0113】
サーバ70は、座標テーブルに基づいて、記入情報A及びBから、各項目に記入された項目記入情報を抽出する。そして、サーバ70は、受付項目82及び受付項目86に記入された項目記入情報に含まれるストロークデータを文字認識することにより、それぞれの受付IDを特定する。ここで、サーバ70は、同一の受付IDを有する記入情報A及びBを対応付けて認識する。つまり、同一の受付IDを有する記入情報A及びBを紐付け、同一の来訪者に関する情報として取り扱う。
【0114】
さらに、サーバ70は、ルーム端末53から取得した記入情報Bに基づいて、担当者が使用した電子ペン10bのペンIDを特定する。そして、サーバ70は、特定したペンIDに基づいてルームDB7を参照することにより、当該電子ペン10bが設置された部屋のルームIDを特定する。また、サーバ70は、来訪項目81、退社項目84、入室項目85及び退室項目88にそれぞれ記入された項目記入情報から時間情報を抽出し、記入時刻に基づいて来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻を特定する。また、サーバ70は、来訪者項目83に記入された項目記入情報から、来訪者のサインを来訪者イメージデータとして取得する。さらに、サーバ70は、担当者項目87に記入された項目記入情報から、担当者のサインを担当者イメージデータとして取得する。
【0115】
サーバ5は、予め受付記録票71のフォーマットデータを保有している。そのため、サーバ70は、当該フォーマットデータと、抽出した来訪者イメージデータと、抽出した担当者イメージデータとをマージすることにより、デジタルデータである受付記録データを作成することができる。このときの来訪者イメージデータ及び担当者イメージデータは、それぞれ同一の受付IDを有する記入情報A及びBから抽出したものである。そして、サーバ70は、特定した受付IDをキーとして、特定した来訪時刻、退社時刻、入室時刻退室時刻及びルームIDと、作成した受付記録データとを管理DB9に記憶する。
【0116】
本実施形態では、受付は受付記録票71を担当者に手渡すこととしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、来訪者に手渡すこととしてもよい。また、本実施形態では、来訪者項目83及び担当者項目87にそれぞれ記入された項目記入情報から、来訪者イメージデータ及び担当者イメージデータを抽出し、フォーマットデータとマージして受付記録データを作成することとしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、受付記録票71に記入された全ての記入情報から、全イメージデータを抽出し、フォーマットデータとマージして受付記録データを作成することとしてもよい。
【0117】
(ii)受付記録票
受付記録票71は、図17に示すように、来訪項目81、受付項目82、来訪者項目83、退社項目84、入室項目85、受付項目86、担当者項目87及び退室項目88から構成されている。各項目には、それぞれを識別する情報である項目IDが割り当てられている。
【0118】
本発明のシステムでは、図17に示すような受付記録票71は、上述した専用ペーパーとして作成されている。即ち、図5に例示するように台紙30上にドットパターン32が印刷されており、その上に所定の罫線などの図案が印刷されている。先に述べたように、ドットパターン32は電子ペン10が認識することができるように、カーボンを含んだインキにより印刷されている。一方、罫線などの図案34は、通常の(カーボンを含まない)インキにより印刷されているため、電子ペン10がそれを認識することはない。
【0119】
このように、受付記録票71上にはドットパターン32が印刷されており、受付記録票71が細分化された複数の項目から構成されていることで、項目IDとドットパターン32上の位置座標とを対応付けた座標テーブルに基づいて、容易に利用者が記入した情報を特定することが可能となる。
【0120】
(iii)サーバ
次に、サーバ5について詳しく説明する。図18は、受付処理システム200における特にサーバ70の内部構成を示す。図示のように、サーバ70は、受付処理プログラム201、予約情報取得機能202、予約登録機能203、記入情報取得機能204、座標テーブル205、受付ID特定機能206、ルームID特定機能207、時間特定機能208、イメージデータ取得機能209、受付記録データ作成機能210、フォーマットデータ211及び管理DB記憶機能212から構成されている。
【0121】
なお、各機能は、サーバ5が有するCPUが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0122】
受付処理プログラム201は、担当者端末51から取得した予約情報を、受付IDをキーとして予約DB8に記憶することで予約登録を行うプログラムである。また、受付処理プログラム202は、受付端末52から取得した記入情報Aとルーム端末53から取得した記入情報Bとを受付IDに基づいて紐付けした上で、当該受付IDをキーとして、記入情報A及びBから取得したイメージデータ及び各種時刻を管理DB9に記憶することで、受付記録を電子データとして管理するプログラムである。
【0123】
予約情報取得機能202は、担当者端末51から、来訪者予約情報、担当者予約情報、ルーム予約情報及び来訪予定時刻を予約情報として取得する機能である。
【0124】
予約登録機能203は、さらに、社員DB確認機能、ルームDB確認機能、受付ID発行送信機能及び予約DB記憶機能から構成されている。社員DB確認機能は、予約情報に含まれる担当者予約情報から社員IDを特定し、当該社員IDに基づいて社員DB6を参照することで担当者に関する情報を確認する機能である。ルームDB確認機能は、予約情報に含まれるルーム予約情報からルームID及び使用日時情報を特定し、当該ルームIDに基づいてルームDB7を参照することで、担当者が指定した部屋が空いているか否かを確認する機能である。受付ID発行送信機能は、ルームDB確認機能が、担当者が指定する使用したい部屋が空いていると判定した場合に、受付IDを発行し、担当者端末51に当該受付IDを送信する機能である。また、受付ID発行送信機能は、ルームDB確認機能が、担当者が指定する使用したい部屋がすでに予約されていると判定した場合に、予約することができない旨のメッセージを作成し、担当者端末51に当該メッセージを送信する機能である。予約DB記憶機能とは、受付ID発行送信機能が受付IDを発行した場合に、当該受付IDをキーとして、予約情報取得機能102が取得した予約情報を予約DB8に記憶する機能である。
【0125】
予約登録機能203は、社員DB確認機能、ルームDB確認機能、受付ID発行送信機能及び予約DB記憶機能により、受付IDをキーとして予約DB8に予約情報を記憶することで、予約登録を完了する機能である。また、予約登録機能203は、受付端末52から、担当者の氏名、来訪者の氏名、来訪者の人数、来訪日時といった検索情報を取得した場合、当該検索情報に基づいて予約DB8を参照し、当該検索情報に合致する受付ID及び予約情報を受付端末52に送信する。受付端末52は、サーバ5から取得した受付ID及び予約情報を画面上に表示する。これにより、受付は、来訪者が訪問した際に対応する受付IDを確認し、受付記録票71に記入することが可能となる。
【0126】
記入情報取得機能204は、受付処理プログラム201を実行することにより、受付及び来訪者が電子ペン10aを使用して受付記録票71に記入した記入情報Aを、受付端末52から取得する機能である。また、記入情報取得機能204は、受付プログラム201を実行することにより、担当者が電子ペン10bを使用して受付記録票71に記入した記入情報Bを、ルーム端末53から取得する機能である。さらに、記入情報取得機能204は、座標テーブル205を参照することにより、取得した記入情報A及びBから、各項目へ記入された項目記入情報を抽出する機能である。
【0127】
なお、座標テーブル205は、図13に示す座標テーブル105と同様であるため、便宜上説明は省略する。
【0128】
受付ID特定機能206は、受付項目82に記入された項目記入情報からストロークデータを抽出し、文字認識を行うことで受付IDを特定する機能である。また、受付ID特定機能206は、受付項目86に記入された項目記入情報からストロークデータを抽出し、文字認識を行うことで受付IDを特定する機能である。このとき、受付ID特定機能206は、受付IDが一致する記入情報Aと記入情報Bを紐付け、同一の来訪者に関する記入情報として取り扱う。
【0129】
ルームID特定機能207は、ルーム端末53から取得した記入情報Bに基づいて、電子ペン10bのペンIDを特定し、当該ペンIDに基づいてルームDB7を参照することで、担当者が使用した部屋を識別する情報であるルームIDを特定する機能である。なお、図11には記載されていないが、ルームDB7は、ルームIDに対応付けて、対応する部屋に設置された電子ペン10bの識別情報であるペンIDが記憶されているものとする。
【0130】
時刻特定機能208は、来訪項目81、退社項目84、入室項目86及び退室項目88に記入されたそれぞれの項目記入情報から、記入時刻を抽出し、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻を特定する機能である。
【0131】
イメージデータ取得機能209は、来訪者項目83及び担当者項目87にそれぞれ記入された項目記入情報から、来訪者のサインを来訪者イメージデータとして、担当者のサインを担当者イメージデータとして取得する機能である。
【0132】
受付記録データ作成機能210は、同一の受付IDを有する記入情報A及びBからそれぞれ抽出した来訪者イメージデータ及び担当者イメージデータと、受付記録票71のフォーマットデータ211とをマージすることで、電子データである受付記録データを作成する機能である。
【0133】
管理DB記憶機能212は、受付ID特定機能206が特定した受付IDをキーとして、時刻特定機能が特定した来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻と、ルームID特定機能207が特定したルームIDと、受付記録データ作成機能110が作成した受付記録データとを管理DB9に記憶する機能である。このように、本発明によれば受付IDをキーとして、受付管理票3に記入された全ての情報を電子データとして管理DB9に記憶して管理する。
【0134】
(iv)受付処理
次に、受付処理システム200により実行される受付処理について説明する。図19は、受付処理のフローチャートである。
【0135】
来訪者が会社を来訪する場合、担当者は担当者端末51を使用して、予め予約情報をサーバ5へ送信する。サーバ5は、担当者端末51から予約情報を取得すると(ステップS21)、予約情報に含まれる担当者予約情報を取得する。そして、サーバ5は、担当者予約情報に含まれる社員IDを特定し、当該社員IDに基づいて社員DB6を参照することで、担当者に関する情報を確認する(ステップS22)。このとき、担当者予約情報に含まれる情報と、社員DB6に含まれる情報とが一致しない場合には、エラーメッセージを作成して担当者端末51に送信することとしてもよい。さらに、サーバ5は、予約情報に含まれるルーム予約情報を取得する。そして、サーバ5は、ルーム予約情報からルームID及び使用日時情報を抽出し、当該ルームID及び使用時間に基づいてルームDBを参照することで、担当者が指定した日時で部屋が空いているか否かを判定する(ステップS23)。部屋が既に予約されていて空いていないと判定した場合(ステップS23;No)、サーバ5は、予約できない旨のメッセージを作成し、担当者端末51へ送信する(ステップS34)。そして、サーバ5は、ステップS21からS23の処理を繰り返し行う。一方、部屋が空いていると判定した場合(ステップS23;Yes)、サーバ5は、受付IDを発行する。そして、サーバ5は、発行した受付IDをキーとして、担当者端末51から取得した予約情報を予約DB8に記憶する(ステップS24)。また、サーバ5は、発行した受付IDを担当者端末51へ送信する。
【0136】
来訪者が会社を来訪した際、受付は、まず、電子ペン10aを使用して受付記録票71の来訪項目81にチェックマークを記入する。そして、受付は、受付端末52を使用して、来訪者の氏名、来訪者の人数、来訪時間といった検索情報をサーバ70へ送信する。サーバ70は、取得した検索情報に基づいて予約DB8を参照することにより、検索情報と一致する予約情報及びその受付IDを受付端末52に送信する(ステップS25)。受付端末52は、サーバ5から取得した予約情報及び受付IDを画面上に表示し、受付は、電子ペン10aを使用して当該受付IDを受付記録票71の受付項目82に記入する。また、来訪者は、当該電子ペン10aを使用して当該受付記録票71の来訪者項目83に記入を行う。
【0137】
また、担当者は、来訪者と共に予約した部屋へ入室した際、当該部屋に設置された電子ペン10bを使用して当該受付記録票71の入室項目85にチェックマークを記入する。そして、担当者は、当該電子ペン10bを使用して受付IDを受付項目86に記入する。さらに、担当者は、来訪者と共に予約した部屋を退室する際、当該電子ペン10bを使用して当該受付記録票71の担当者項目87にサインを記入する。そして、担当者は、当該電子ペン10bを使用して当該受付記録票71の退室項目88にチェックマークを記入する。最後に、担当者は、当該電子ペン10bを使用して送信ボックス39にチェックマークを記入することにより、電子ペン10b内に記憶された記入情報Bを、ルーム端末53を介してサーバ5へ送信する。これにより、サーバ5は、ルーム端末53から記入情報Bを取得する(ステップS26)。
【0138】
受付は、担当者から当該受付記録票71を返却されると、電子ペン10aを使用して、当該受付記録票71の退社項目84にチェックマークを記入する。最後に、受付は、電子ペン10aを使用して送信ボックス39にチェックマークを記入することにより、電子ペン10a内に記憶された記入情報Aを、受付端末52を介してサーバ5へ送信する。これにより、サーバ5は、受付端末52から記入情報Aを取得する(ステップS27)。記入情報A及びBを取得したサーバ5は、当該記入情報A及びBから各項目へ記入された項目記入情報を抽出する。そして、サーバ70は、受付項目82に記入された項目記入情報からストロークデータを抽出し、文字認識することにより受付IDを特定する。また、サーバ70は、受付項目86に記入された項目記入情報からストロークデータを抽出し、文字認識することにより受付IDを特定する(ステップS28)。このとき、サーバ70は、同一の受付IDのストロークデータを保有する記入情報A及びBを紐付け、同一の来訪者に関する情報として取り扱う。
【0139】
また、サーバ70は、記入情報Bに基づいて、担当者が使用した電子ペン10bのペンIDを特定し、当該ペンIDに基づいてルームDB7を参照することにより、当該電子ペン10bが設置された部屋のルームIDを特定する(ステップS29)。ここで、特定したルームIDが示す部屋とは、担当者及び来訪者が打合せ等で使用した部屋の識別情報である。
【0140】
また、サーバ70は、来訪項目81、退社項目84、入室項目85及び退室項目88にそれぞれ記入された項目記入情報に基づいてそれぞれの記入時刻を特定することにより、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻を特定する(ステップS30)。さらに、サーバ70は、来訪者項目83に記入された項目記入情報から、来訪者のサインを来訪者イメージデータとして取得する。また、サーバ70は、担当者項目87に記入された項目記入情報から、担当者のサインを担当者イメージデータとして取得する(ステップ31)。そして、サーバ70は、取得した来訪者イメージデータ及び担当者イメージデータと、受付記録票71のフォーマットデータとをマージすることにより、受付記録データを作成する(ステップS32)。
【0141】
最後に、サーバ70は、ステップS28で特定した受付IDをキーとして、ステップS29及びS30で特定したルームID、来訪時刻、退社時刻、入室時刻及び退室時刻と、ステップS32で作成した受付記録データとを管理DB9に記憶する。これにより、受付処理は完了する。
【0142】
なお、上記のような第2実施形態では、ルームIDを記入情報Bに含まれる電子ペン10bのペンIDにより特定することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、記入情報Bに含まれるルーム端末53のIPアドレス等により特定することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明は、受付記録票に記入した情報を電子データに変換して保管するとともに、来訪者の来訪時刻、退社時刻等の時間管理を容易に行うことができる受付処理システムとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】電子ペンの使用形態を模式的に示す図である。
【図2】電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。
【図3】専用ペーパーに印刷されたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。
【図4】ドットパターン及びそれに対応する情報の例である。
【図5】専用ペーパーにより構成される帳票の構造を示す。
【図6】電子ペン用帳票の例を示す。
【図7】第1実施形態における受付処理システムの概略構成を示す図である。
【図8】第1実施形態において使用する受付記録票の例である。
【図9】図7に示す受付処理システムに含まれるサーバの機能ブロック図である。
【図10】社員DBのデータ構造を模式的に示す図である。
【図11】ルームDBのデータ構造を模式的に示す図である。
【図12】予約DBのデータ構造を模式的に示す図である。
【図13】座標テーブルのデータ構造を模式的に示す図である。
【図14】管理DBのデータ構造を模式的に示す図である。
【図15】第1実施形態における受付処理のフローチャートである。
【図16】第2実施形態における受付処理システムの概略構成を示す図である。
【図17】第2実施形態において使用する受付記録票の例である。
【図18】図16に示す受付処理システムに含まれるサーバの機能ブロック図である。
【図19】第2実施形態における受付処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0145】
2…ネットワーク
10…電子ペン
11…プロセッサ
12…メモリ
13…データ通信ユニット
14…バッテリー
25…端末装置
26…問い合わせサーバ
27…サービスサーバ
100…受付処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置とネットワークを介して送受信可能に接続され、
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票を使用するサーバであって、
前記帳票は、受付識別情報を認識するための受付項目と、会社への来訪時刻及び退社時刻を認識するための来訪項目及び退社項目と、前記来訪者に関する情報を認識するための来訪者項目と、前記来訪者に対応する担当者に関する情報を認識するための担当者項目と、から構成されており、
担当者が使用する担当者端末から、会社への来訪予定を予約するための予約情報を取得する予約情報取得手段と、
前記予約情報を識別するための受付識別情報を発行する受付識別情報発行手段と、
前記予約情報を、前記受付識別情報に対応付けて記憶する予約情報記憶手段と、
前記帳票を構成する受付項目、来訪項目、退社項目、来訪者項目及び担当者項目と、前記ドットパターン上のそれぞれの位置座標とを対応付けた座標情報を記憶する座標情報記憶手段と、
受付が使用する受付端末に、前記予約情報記憶手段が記憶する受付識別情報及び予約情報を送信する予約情報送信手段と、
前記受付端末から、前記電子ペンにより前記帳票に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記座標情報に基づいて前記記入情報から、各項目に記入された項目記入情報を抽出する項目記入情報抽出手段と、
前記受付項目に記入された項目記入情報に基づいて、受付識別情報を特定する受付識別情報特定手段と、
前記来訪項目に記入された項目記入情報に基づいて、来訪時刻を特定する来訪時刻特定手段と、
前記退社項目に記入された項目記入情報に基づいて、退社時刻を特定する退社時刻特定手段と、
前記来訪者項目に記入された項目記入情報から、来訪者に関する情報をイメージデータとして取得する来訪者イメージデータ取得手段と、
前記担当者項目に記入された項目記入情報から、担当者に関する情報をイメージデータとして取得する担当者イメージデータ取得手段と、
前記帳票のフォーマットデータと、前記来訪者イメージデータと、前記担当者イメージデータとに基づいて、受付記録データを作成する受付記録データ作成手段と、
前記来訪時刻特定手段が特定した来訪時刻と、前記退社時刻特定手段が特定した退社時刻と、前記受付記録データ作成手段が作成した受付記録データとを管理情報として、前記受付識別情報特定手段が特定した受付識別情報に対応付けて記憶する管理情報記憶手段と、を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記帳票は、前記ルーム識別情報を認識するためのルーム項目と、前記部屋への入室時刻及び退室時刻を認識するための入室項目及び退室項目と、をさらに有しており、
前記座標情報記憶手段は、前記帳票を構成する受付項目、来訪項目、退社項目、来訪者項目、担当者項目、ルーム項目、入室項目及び退室項目と、前記ドットパターン上のそれぞれの位置座標とを対応付けた座標情報を記憶したものであって、
前記ルーム項目に記入された項目記入情報に基づいて、ルーム識別情報を特定するルーム識別情報特定手段と、
前記入室項目に記入された項目記入情報に基づいて、入室時刻を特定する入室時刻特定手段と、
前記退室項目に記入された項目記入情報に基づいて、退室時刻を特定する退室時刻特定手段と、をさらに備え、
前記管理情報記憶手段は、前記受付識別情報に対応付けて、さらに前記ルーム識別情報特定手段が特定したルーム識別情報と、前記入室時刻特定手段が特定した入室時刻と、前記退室時刻特定手段が特定した退室時刻と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
端末装置とネットワークを介して送受信可能に接続され、
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票を使用するサーバであって、
前記帳票は、受付識別情報を認識するための第1受付項目及び第2受付項目と、会社への来訪時刻及び退社時刻を認識するための来訪項目及び退社項目と、来訪者に関する情報を認識するための来訪者項目と、前記来訪者に対応する担当者に関する情報を認識するための担当者項目と、前記部屋への入室時刻及び退室時刻を認識するための入室項目及び退室項目と、から構成されており、
担当者が使用する担当者端末から、会社への来訪予定を予約するための予約情報を取得する予約情報取得手段と、
前記予約情報を識別するための受付識別情報を発行する受付識別情報発行手段と、
前記予約情報を、前記受付識別情報に対応付けて記憶する予約情報記憶手段と、
前記帳票を構成する第1受付項目、第2受付項目、来訪項目、退社項目、来訪者項目、担当者項目、入室項目及び退室項目と、前記ドットパターン上のそれぞれの位置座標とを対応付けた座標情報を記憶する座標情報記憶手段と、
前記電子ペンを識別するペン識別情報と、前記部屋を識別するルーム識別情報とを対応付けて記憶するルーム情報記憶手段と、
受付が使用する受付端末に、前記予約情報記憶手段が記憶する受付識別情報及び予約情報を送信する予約情報送信手段と、
前記受付で使用される受付端末装置から、前記受付で使用される第1電子ペンにより前記帳票に記入された第1記入情報を取得する第1記入情報取得手段と、
前記部屋で使用されるルーム端末装置から、前記部屋で使用される第2電子ペンにより前記帳票に記入された第2記入情報を取得する第2記入情報取得手段と、
前記第2記入情報に基づいて、前記部屋で使用される第2電子ペンのペン識別情報を認識するペン識別情報認識手段と、
認識したペン識別情報と、前記ルーム情報記憶手段とに基づいて、前記ルーム識別情報を特定するルーム識別情報特定手段と、
前記座標情報に基づいて前記第1記入情報及び第2記入情報から、各項目に記入された項目記入情報を抽出する項目記入情報抽出手段と、
前記第1受付項目に記入された項目記入情報に基づいて、受付識別情報を特定する第1受付識別情報特定手段と、
前記来訪項目に記入された項目記入情報に基づいて、来訪時刻を特定する来訪時刻特定手段と、
前記退社項目に記入された項目記入情報に基づいて、退社時刻を特定する退社時刻特定手段と、
前記来訪者項目に記入された項目記入情報から、来訪者に関する情報をイメージデータとして取得する来訪者イメージデータ取得手段と、
前記第2受付項目に記入された項目記入情報に基づいて、受付識別情報を特定する第2受付識別情報特定手段と、
前記来室項目に記入された項目記入情報に基づいて、来室時刻を特定する来室時刻特定手段と、
前記退室項目に記入された項目記入情報に基づいて、退室時刻を特定する退室時刻特定手段と、
前記担当者項目に記入された項目記入情報から、担当者に関する情報をイメージデータとして取得する担当者イメージデータ取得手段と、
前記第1受付識別情報特定手段が特定した受付識別情報と、前記第2受付識別情報特定手段が特定した受付識別情報とが一致する場合に、前記帳票のフォーマットデータと、前記来訪者イメージデータと、前記担当者イメージデータとに基づいて、受付記録データを作成する受付記録データ作成手段と、
前記来訪時刻特定手段が特定した来訪時刻と、前記退社時刻特定手段が特定した退社時刻と、前記入室時刻特定手段が特定した入室時刻と、前記退室時刻特定手段が特定した退室時刻と、前記ルーム識別情報特定手段が特定したルーム識別情報と、前記受付記録データ作成手段が作成した受付記録データとを管理情報として、前記受付識別情報に対応付けて記憶する管理情報記憶手段と、を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項4】
前記予約情報は、前記担当者及び前記来訪者が使用する部屋を識別するルーム識別情報と、使用する日時を示す使用日時情報とを有するルーム予約情報を有しており、
前記サーバは、
前記ルーム識別情報と、一定の時間毎の前記部屋の予約状況とを対応付けてルーム情報として記憶するルーム情報記憶手段と、
前記予約情報取得手段が取得した予約情報に含まれるルーム予約情報が有するルーム識別情報及び使用日時情報に基づいて、前記ルーム情報を参照することにより、前記担当者及び前記来訪者が使用する部屋が空いているか否かを判定するルーム判定手段と、をさらに備え、
前記受付識別情報発行手段は、前記ルーム判定手段が前記部屋が空いていると判定した場合にのみ、前記受付識別情報を発行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記予約情報は、前記来訪者に関する来訪者予約情報と、前記担当者に関する担当者予約情報と、来訪予定時刻に関する来訪予定時刻情報とをさらに有しており、
前記受付端末装置から、前記来訪者予約情報、前記担当者予約情報及び前記来訪予定時刻情報のいずれか1つ以上の情報を検索情報として取得する検索情報取得手段と、
前記予約情報送信手段は、前記検索情報に基づいて、前記予約情報記憶手段が記憶する受付識別情報及び予約情報を送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記来訪項目、退社項目、入室項目及び退室項目には、チェックマークが記入されることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項7】
端末装置とネットワークを介して送受信可能に接続され、
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票を使用するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記帳票は、受付識別情報を認識するための受付項目と、会社への来訪時刻及び退社時刻を認識するための来訪項目及び退社項目と、前記来訪者に関する情報を認識するための来訪者項目と、前記来訪者に対応する担当者に関する情報を認識するための担当者項目と、から構成されており、
担当者が使用する担当者端末から、会社への来訪予定を予約するための予約情報を取得する予約情報取得手段、
前記予約情報を識別するための受付識別情報を発行する受付識別情報発行手段、
前記予約情報を、前記受付識別情報に対応付けて記憶する予約情報記憶手段、
前記帳票を構成する受付項目、来訪項目、退社項目、来訪者項目及び担当者項目と、前記ドットパターン上のそれぞれの位置座標とを対応付けた座標情報を記憶する座標情報記憶手段、
受付が使用する受付端末に、前記予約情報記憶手段が記憶する受付識別情報及び予約情報を送信する予約情報送信手段、
前記受付端末から、前記電子ペンにより前記帳票に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段、
前記座標情報に基づいて前記記入情報から、各項目に記入された項目記入情報を抽出する項目記入情報抽出手段、
前記受付項目に記入された項目記入情報に基づいて、受付識別情報を特定する受付識別情報特定手段、
前記来訪項目に記入された項目記入情報に基づいて、来訪時刻を特定する来訪時刻特定手段、
前記退社項目に記入された項目記入情報に基づいて、退社時刻を特定する退社時刻特定手段、
前記来訪者項目に記入された項目記入情報から、来訪者に関する情報をイメージデータとして取得する来訪者イメージデータ取得手段、
前記担当者項目に記入された項目記入情報から、担当者に関する情報をイメージデータとして取得する担当者イメージデータ取得手段、
前記帳票のフォーマットデータと、前記来訪者イメージデータと、前記担当者イメージデータとに基づいて、受付記録データを作成する受付記録データ作成手段、
前記来訪時刻特定手段が特定した来訪時刻と、前記退社時刻特定手段が特定した退社時刻と、前記受付記録データ作成手段が作成した受付記録データとを管理情報として、前記受付識別情報特定手段が特定した受付識別情報に対応付けて記憶する管理情報記憶手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
前記帳票は、前記ルーム識別情報を認識するためのルーム項目と、前記部屋への入室時刻及び退室時刻を認識するための入室項目及び退室項目と、をさらに有しており、
前記座標情報記憶手段は、前記帳票を構成する受付項目、来訪項目、退社項目、来訪者項目、担当者項目、ルーム項目、入室項目及び退室項目と、前記ドットパターン上のそれぞれの位置座標とを対応付けた座標情報を記憶したものであって、
前記ルーム項目に記入された項目記入情報に基づいて、ルーム識別情報を特定するルーム識別情報特定手段と、
前記入室項目に記入された項目記入情報に基づいて、入室時刻を特定する入室時刻特定手段と、
前記退室項目に記入された項目記入情報に基づいて、退室時刻を特定する退室時刻特定手段と、をさらに備え、
前記管理情報記憶手段は、前記受付識別情報に対応付けて、さらに前記ルーム識別情報特定手段が特定したルーム識別情報と、前記入室時刻特定手段が特定した入室時刻と、前記退室時刻特定手段が特定した退室時刻と、を備えることを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
端末装置とネットワークを介して送受信可能に接続され、
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票を使用するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記帳票は、受付識別情報を認識するための第1受付項目及び第2受付項目と、会社への来訪時刻及び退社時刻を認識するための来訪項目及び退社項目と、来訪者に関する情報を認識するための来訪者項目と、前記来訪者に対応する担当者に関する情報を認識するための担当者項目と、前記部屋への入室時刻及び退室時刻を認識するための入室項目及び退室項目と、から構成されており、
担当者が使用する担当者端末から、会社への来訪予定を予約するための予約情報を取得する予約情報取得手段、
前記予約情報を識別するための受付識別情報を発行する受付識別情報発行手段、
前記予約情報を、前記受付識別情報に対応付けて記憶する予約情報記憶手段、
前記帳票を構成する第1受付項目、第2受付項目、来訪項目、退社項目、来訪者項目、担当者項目、入室項目及び退室項目と、前記ドットパターン上のそれぞれの位置座標とを対応付けた座標情報を記憶する座標情報記憶手段、
前記電子ペンを識別するペン識別情報と、前記部屋を識別するルーム識別情報とを対応付けて記憶するルーム情報記憶手段、
受付が使用する受付端末に、前記予約情報記憶手段が記憶する受付識別情報及び予約情報を送信する予約情報送信手段、
前記受付で使用される受付端末装置から、前記受付で使用される第1電子ペンにより前記帳票に記入された第1記入情報を取得する第1記入情報取得手段、
前記部屋で使用されるルーム端末装置から、前記部屋で使用される第2電子ペンにより前記帳票に記入された第2記入情報を取得する第2記入情報取得手段、
前記第2記入情報に基づいて、前記部屋で使用される第2電子ペンのペン識別情報を認識するペン識別情報認識手段、
認識したペン識別情報と、前記ルーム情報記憶手段とに基づいて、前記ルーム識別情報を特定するルーム識別情報特定手段、
前記座標情報に基づいて前記第1記入情報及び第2記入情報から、各項目に記入された項目記入情報を抽出する項目記入情報抽出手段、
前記第1受付項目に記入された項目記入情報に基づいて、受付識別情報を特定する第1受付識別情報特定手段、
前記来訪項目に記入された項目記入情報に基づいて、来訪時刻を特定する来訪時刻特定手段、
前記退社項目に記入された項目記入情報に基づいて、退社時刻を特定する退社時刻特定手段、
前記来訪者項目に記入された項目記入情報から、来訪者に関する情報をイメージデータとして取得する来訪者イメージデータ取得手段、
前記第2受付項目に記入された項目記入情報に基づいて、受付識別情報を特定する第2受付識別情報特定手段、
前記来室項目に記入された項目記入情報に基づいて、来室時刻を特定する来室時刻特定手段、
前記退室項目に記入された項目記入情報に基づいて、退室時刻を特定する退室時刻特定手段、
前記担当者項目に記入された項目記入情報から、担当者に関する情報をイメージデータとして取得する担当者イメージデータ取得手段、
前記第1受付識別情報特定手段が特定した受付識別情報と、前記第2受付識別情報特定手段が特定した受付識別情報とが一致する場合に、前記帳票のフォーマットデータと、前記来訪者イメージデータと、前記担当者イメージデータとに基づいて、受付記録データを作成する受付記録データ作成手段、
前記来訪時刻特定手段が特定した来訪時刻と、前記退社時刻特定手段が特定した退社時刻と、前記入室時刻特定手段が特定した入室時刻と、前記退室時刻特定手段が特定した退室時刻と、前記ルーム識別情報特定手段が特定したルーム識別情報と、前記受付記録データ作成手段が作成した受付記録データとを管理情報として、前記受付識別情報に対応付けて記憶する管理情報記憶手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
前記予約情報は、前記担当者及び前記来訪者が使用する部屋を識別するルーム識別情報と、使用する日時を示す使用日時情報とを有するルーム予約情報を有しており、
前記プログラムは、
前記ルーム識別情報と、一定の時間毎の前記部屋の予約状況とを対応付けてルーム情報として記憶するルーム情報記憶手段、
前記予約情報取得手段が取得した予約情報に含まれるルーム予約情報が有するルーム識別情報及び使用日時情報に基づいて、前記ルーム情報を参照することにより、前記担当者及び前記来訪者が使用する部屋が空いているか否かを判定するルーム判定手段、としてさらに前記コンピュータを機能させ、
前記受付識別情報発行手段は、前記ルーム判定手段が前記部屋が空いていると判定した場合にのみ、前記受付識別情報を発行することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記予約情報は、前記来訪者に関する来訪者予約情報と、前記担当者に関する担当者予約情報と、来訪予定時刻に関する来訪予定時刻情報とをさらに有しており、
前記受付端末装置から、前記来訪者予約情報、前記担当者予約情報及び前記来訪予定時刻情報のいずれか1つ以上の情報を検索情報として取得する検索情報取得手段と、
前記予約情報送信手段は、前記検索情報に基づいて、前記予約情報記憶手段が記憶する受付識別情報及び予約情報を送信することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記来訪項目、退社項目、入室項目及び退室項目には、チェックマークが記入されることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用帳票であって、
受付識別情報を認識するための受付項目と、会社への来訪時刻及び退社時刻を認識するための来訪項目及び退社項目と、来訪者に関する情報を認識するための来訪者項目と、前記来訪者に対応する担当者に関する情報を認識するための担当者項目と、前記来訪者及び前記担当者が使用する部屋を識別するルーム識別情報を認識するためのルーム項目と、前記部屋への入室時刻及び退室時刻を認識するための入室項目及び退室項目と、から構成されていることを特徴とする電子ペン用帳票。
【請求項14】
インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用帳票であって、
受付識別情報を認識するための第1受付項目及び第2受付項目と、会社への来訪時刻及び退社時刻を認識するための来訪項目及び退社項目と、来訪者に関する情報を認識するための来訪者項目と、前記来訪者に対応する担当者に関する情報を認識するための担当者項目と、前記来訪者及び前記担当者が使用する部屋への入室時刻及び退室時刻を認識するための入室項目及び退室項目と、から構成されていることを特徴とする電子ペン用帳票。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−66157(P2007−66157A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−253407(P2005−253407)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】