説明

サーバ間通信システム。

【課題】 アプリケーションサーバにおいて、メッセージを受信するだけで、接続サーバでのシステムダウン障害が発生していたことを自動的に認識でき、接続先サーバ個々のマシン再立上げを把握することができるサーバ間通信システムを提供すること。
【解決手段】 接続サーバ22との通信メッセージヘッダ23に、マシン立上げ時刻を付加することにより、アプリケーションサーバ21において、接続サーバ22個々のシステムダウン障害を認識でき、マシンの信頼性も把握することができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションサーバに対し、複数台の接続サーバが接続されており、前記アプリケーションサーバは、前記各接続サーバから、通信メッセージヘッダを含むメッセージを受信しているサーバ間通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のサーバ間やサーバ−クライアント間を通信回線で接続し、相互にデータを通信し、所定の処理を行うシステムが広く用いられている。このようなシステムでは、各マシンが広範囲にわたって設置されているので、それぞれでタスクが正常に実行されているか、または通信異常がないかなどを的確に把握する必要があり、そのための提案もなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、システム間の情報通信システムとして、図7で示すように、自システムのアプリケーションサーバ11に対し、他システムの接続サーバ12が複数台(A〜N)接続されており、アプリケーションサーバ11は、各接続サーバ12から、通信メッセージヘッダを含むメッセージを受信しているサーバ間通信システムが用いられるようになった。
【0004】
このような構成において、各接続サーバ12からのメッセージに障害が生じた場合、それが接続サーバ12のシステムダウンによる障害aか、或いは、通信上のデータロスト等の回線障害bかの認識が、通信上のメッセージだけで自動的に判断できない。そのため、アプリケーションサーバ12では、接続サーバ12個々のシステムダウン障害による再立上げを、自動的に認識することができない形となっている。
【特許文献1】特開2003−140925号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来のサーバ間通信システムでは、各接続サーバからアプリケーションサーバ11へのメッセージに障害が生じた場合、アプリケーションサーバ11側では、接続サーバ12のシステムダウンによるものか回線障害かの認識ができなかった。
【0006】
本発明の目的は、アプリケーションサーバにおいて、メッセージを受信するだけで、接続サーバでのシステムダウン障害が発生していたことを、自動的に認識でき、接続先サーバ個々のマシン再立上げを把握することができるサーバ間通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるサーバ間通信システムは、アプリケーションサーバに対し、複数台の接続サーバが接続されており、前記アプリケーションサーバは、前記各接続サーバから、通信メッセージヘッダを含むメッセージを受信しているサーバ間通信システムであって、各接続
サーバからの通信メッセージヘッダには、自接続サーバのマシン立上げ時刻を付加し、自接続サーバ立上げ毎の立上げ時刻を含むメッセージを前記アプリケーションサーバに送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、接続サーバとの通信メッセージヘッダに、マシン立上げ時刻を付加することにより、アプリケーションサーバにおいて接続先サーバ個々のシステムダウン障害を認識でき、マシンの信頼性も把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明によるサーバ間通信システムの一実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0010】
図1は、この実施の形態におけるサーバ間通信システムの構成を示している。基本的構成は、図7で示したものと同じであり、自システムのアプリケーションサーバ21に対し、他システムの電文送信元のサーバ(接続サーバ)22が複数台(A〜N)接続されている。そして、アプリケーションサーバ21は、各接続サーバ22から、通信メッセージヘッダ23を含むメッセージを受信している。
【0011】
ここで、通信メッセージヘッダ23は、従来は、A:マシン識別子、B:メッセージ通番で構成されていたが、本発明ではさらに、C:マシン立上げ時刻、を付加している。すなわち、アプリケーションサーバ21は接続サーバ22からメッセージを受信するたびに、該当する接続サーバの立上げ時刻を認識できる。したがって、該当する接続サーバ22がシステムダウンした場合、接続サーバ22からメッセージを受信することにより、システムダウンした接続サーバ22が何時再立上げしたかを把握することができる。
【0012】
例えば、図2で示すように、接続サーバ22(A)のシステムダウン障害が発生した場合、接続先のサーバ22(A)からアプリケーションサーバ21に送られてくる、通信メッセージヘッダ23の、C:マシン立上げ時刻は、図4で示すように変化する。
【0013】
図4において、t1:初期マシン立上げ時刻、t2,t3:システムダウン後のマシン再立上げ時刻、である。
【0014】
図4の例では、接続サーバAは、時刻t1に立ち上げたところ、システム障害が2回発生し、時刻t2において1回目の再立上げが行われ、時刻t3にて2回目の再立ち上げが行われている。このため、メッセージヘッダ23に付加されるマシン立上げ時刻は、時刻t1からt2の間は初期立上げ時刻t1となり、この時刻t1がアプリケーションサーバ21に送られる。1回目の再立上げ以降はその時刻t2がアプリケーションサーバ21に送られ、さらに、2回目の再立上げ以降はその時刻t3がアプリケーションサーバ21に送られる。このため、アプリケーションサーバ21は、接続サーバAが2回システムダウンし、時刻t2、t3で再立上げされたことを把握する。
【0015】
これに対し、図3で示すように、接続サーバ22(A)との間で回線障害が発生した場合は、接続先のサーバ22(A)からアプリケーションサーバ21に送られてくる通信メッセージヘッダ23の、C:マシン立上げ時刻は、図5で示すようになる。
【0016】
図5において、t1:初期マシン立上げ時刻、t2,t3:接続サーバAの回線障害発生時刻、である。
【0017】
図5の例では、接続サーバAは、時刻t1に立ち上げたところ、システム障害は生じなかったが、回線障害が時刻t2及び時刻t3の2回発生したことを表している。この場合、接続サーバAはシステムダウンしていないので、メッセージヘッダ23に付加されたマシン立上げ時刻は、時刻t1のままとなる。
【0018】
上述した図4と図5との違いにより、アプリケーションサーバ21では、通信メッセージヘッダ23の、C:マシン立上げ時刻の変化を認識することにより、各接続サーバA〜Nのシステムダウン障害による、再立上げ発生を判断できる。このことを利用して、システムダウン障害か回線障害かの違いを認識でき、アプリケーションサーバ21で、各々の障害復旧処理に対応することができる。
【0019】
図6のタイミングチャートは、接続サーバA,B,・・・,Nの通信メッセージヘッダのマシン立上げ時間の変化を表している。マシン立上げ時間の変化の回数の比較によって、対象サーバのシステムダウン障害発生回数が把握でき、接続先サーバA,B,・・・,N個々の信頼性をも把握することができる。
【0020】
このように、通信メッセージヘッダ23にマシン立上げ時刻を付加することにより、自システムでは監視できない他システムの接続先サーバ個々の、システムダウン障害を認識でき、さらにマシンの信頼性も把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明によるサーバ間通信システムの一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】同上一実施の形態における接続サーバシステムダウンを説明するブロック図である。
【図3】同上一実施の形態における回線障害を説明するブロック図である。
【図4】同上一実施の形態における接続サーバシステムダウン時のサーバ立ち上げ時刻の変化を説明するタイミングチャートである。
【図5】同上一実施の形態における回線障害時のサーバ立ち上げ時刻の状態を説明するタイミングチャートである。
【図6】同上一実施の形態における各接続サーバシステムのダウン時の回数とこれに対応するサーバ立ち上げ時刻の状態を比較して示すタイミングチャートである。
【図7】従来システムを説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0022】
21 アプリケーションサーバ
22 接続サーバ
23 通信メッセージヘッダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションサーバに対し、複数台の接続サーバが接続されており、前記アプリケーションサーバは、前記各接続サーバから、通信メッセージヘッダを含むメッセージを受信しているサーバ間通信システムであって、
各接続サーバからの通信メッセージヘッダには、自接続サーバのマシン立上げ時刻を付加し、自接続サーバ立上げ毎の立上げ時刻を含むメッセージを前記アプリケーションサーバに送信する
ことを特徴とするサーバ間通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−31237(P2006−31237A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207036(P2004−207036)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】