説明

サービスクーポン管理発行システム

【課題】企業間を横断してサービスクーポンの発行、取得、利用を行うことができるとともに、企業店舗と顧客それぞれの趣向に即したきめ細やかなサービスクーポンの発行を行うことができるシステムを提供する。
【解決手段】会員企業が会員顧客ごとに付与された会員顧客識別子と購買情報を互いに関連付けて管理サーバー1に伝達する手段と、管理サーバー1と接続されるとともに、あらかじめ入力された会員顧客属性情報を会員顧客識別子ごとに関連づけて蓄積する手段と、会員企業より提供された前記購買情報を会員顧客識別子ごとに関連づけて蓄積する手段と、会員企業が提供可能なサービスクーポン情報を蓄積する手段とを有し、購買情報と会員顧客属性情報とに基づいて会員顧客識別子ごとに最適なサービスクーポン表示をサービス情報表示デバイスへ表示させる手段からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービスクーポン管理発行システムに関し、特に、複数の企業店舗間に亘るサービスクーポンの管理発行を一括して行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ある企業店舗で商品またはサービスを購入した場合、当該企業店舗での購入時に、また、その後購入時に顧客が知らせた住所に、当該店舗発行の割引券、金券、サービス券などのサービスクーポンを発行または発送し、このサービスクーポンを顧客が当該企業店舗で使用することのサイクルを利用して、販売促進を図ることは行われてきた。また、このサービスクーポン発行の作業を電子化し、顧客があらかじめ当該企業店舗に知らせたメールアドレスに対して、サービスクーポンを電子メールで発送するシステムがいくつか知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されたシステムは、店舗に関する店舗情報と、該店舗に来店した顧客が携帯する携帯端末の電子メールアドレスとを予め互いに関連づけて、ある一つの企業店舗端末から入力されるサービス企画情報に基づき、当該店舗の店舗情報に関連づけられた全ての電子メールアドレスを読み出して、一律にサービス企画に関する配信情報を生成し、顧客からのクーポン発行要求に応じてクーポン情報を顧客端末の電子メールに送信するものである。
【特許文献1】特開2007−304979号特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に開示されたシステムは、企業店舗と顧客の求めに応じてクーポン情報を発行し、これを紙媒体ではなく電子メールで送信するという点において、企業店舗側はクーポン情報の発行の煩雑さを解消し経費を削減することができるとともに、顧客側は要求に応じたクーポン情報が得られ、且つ、クーポン券を紛失することがなくなるという利点があった。
【0005】
しかしながら特許文献1に開示された従来技術のように、従来のサービスクーポン発行システムは、単一の店舗または、単一の企業店舗のクーポン情報を、登録された顧客の電子メールアドレスに一律に送信するにすぎず、業種の異なる複数の企業店舗間を横断したサービスクーポンの発行を行うことができない、また、個々の顧客の趣向に即したきめ細やかなサービスクーポンの発行をすることができなかった。
【0006】
そこで、本願発明が解決しようとする課題は、業種の異なる複数のアライアンス企業間を横断してサービスクーポンの発行、取得、利用を行うことができるとともに、顧客個人毎の趣向にあった効果的な来店及び購買を促進するために、顧客の購買履歴や属性を元にして、企業店舗と顧客それぞれの趣向に即したきめ細やかなサービスクーポンの発行を行うことができるシステムを提供することを目的とする。また種々のデバイスで自己に個別のサービスクーポンを確認できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明は、コンピュータ読み取り可能なプログラムによって実行され、企業のサービスクーポンを顧客へ発行するサービスクーポン管理発行システムであって、複数の会員企業に備えられ会員企業が会員顧客ごとに付与された会員顧客識別子と購買情報を互いに関連付けて管理サーバーに伝達する手段と、前記管理サーバーと接続されるとともに、あらかじめ入力された会員顧客属性情報を会員顧客識別子ごとに関連づけて蓄積する手段と、前記会員企業より提供された前記購買情報を会員顧客識別子ごとに関連づけて蓄積する手段と、会員企業が提供可能なサービスクーポン情報を蓄積する手段とを有し、前記購買情報と前記会員顧客属性情報とに基づいて前記会員顧客識別子ごとに最適なサービスクーポン表示をサービス情報表示デバイスへ表示させる手段を備えてなることを特徴とする。
【0008】
会員顧客識別子ごとに最適なサービスクーポン表示をサービス情報表示デバイスへ表示させる手段は、サービスクーポン発行対象を抽出すべく購買情報および/または会員顧客属性情報に対してサービスクーポン情報ごとに設定した一定の基準値に基づいて会員顧客を抽出する手段を有し、前記抽出手段により抽出された会員顧客識別子に対応するサービス情報表示デバイスへ前記サービスクーポン表示を表示させる手段を備えてなることを特徴とする。
【0009】
会員顧客識別子ごとに最適なサービスクーポン表示をサービス情報表示デバイスへ表示させる手段は、サービスクーポン発行対象を抽出すべく購買情報および/または会員顧客属性情報に対して一定の基準値に基づいて会員顧客を抽出する手段を有し、前記クーポン情報ごとに前記基準値に基づいて会員顧客の抽出を行い、前記会員顧客が購買した会員企業とは異なる会員企業から提供されたサービスクーポン情報に基づくサービスクーポン表示を前記会員顧客識別子に対応するサービス情報表示デバイスへ表示させる手段を備えてなることを特徴とする。
【0010】
会員顧客識別子ごとに最適なサービスクーポン表示をサービス情報表示デバイスへ表示させる手段は、サービスクーポン発行対象を抽出するべく購買情報および/または会員顧客属性情報に対して一定の基準値に基づいて会員顧客を抽出する手段と、管理サーバに提供されるリアルタイム情報に基づいて前記基準値を変動させる手段と、サービスクーポン情報ごとに前記基準値に基づいて会員顧客の抽出を行い、前記抽出手段により抽出された会員顧客識別子に対応するサービス情報表示デバイスへ前記サービスクーポンを表示させる手段を備えてなることを特徴とする。
【0011】
会員顧客が会員企業においてサービスクーポンを利用したことの利用実績情報を管理サーバーへ送信する手段を備えてなることを特徴とする。
【0012】
管理サーバーは、購買履歴情報、会員顧客属性情報、利用実績情報の全てまたはいずれかに基づき、会員企業ごとに提供すべきサービスクーポン情報を提案する手段を備えてなることを特徴とする。
【0013】
会員顧客がサービスクーポンの発行を要求する部門または会員企業をあらかじめ登録する手段と、前記登録された部門または会員企業に対応するサービスクーポンを抽出して会員顧客識別子に対応するサービス情報表示デバイスへ表示する手段を備えてなることを特徴とする。
【0014】
会員顧客識別子ごとに発行されているサービスクーポンを会員顧客識別子に対応するサービスクーポン表示デバイスに一覧表示する手段を備えてなることを特徴とする。
【0015】
サービスクーポン表示デバイスは、会員企業に備えられたPOS端末表示画面、会員企業で発行されるレシート、会員顧客固定端末、会員顧客移動端末であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
複数の会員企業に備えられ会員企業が会員顧客ごとに付与された会員顧客識別子と購買情報を互いに関連付けて管理サーバーに伝達する手段と、前記管理サーバーと接続されるとともに、あらかじめ入力された会員顧客属性情報を会員顧客識別子ごとに関連づけて蓄積する手段と、前記会員企業より提供された前記購買情報を会員顧客識別子ごとに関連づけて蓄積する手段と、会員企業が提供可能なサービスクーポン情報を蓄積する手段とを有し、前記購買情報と前記会員顧客属性情報とに基づいて前記会員顧客識別子ごとに最適なサービスクーポン表示をサービス情報表示デバイスへ表示させる手段を備えてなることにより、会員企業は、会員顧客属性情報や購買情報に基づいて、会員企業間を横断して、顧客個人毎の趣向にあった効果的な来店促進、販売促進を行うことができる。また、会員顧客は、自己に有益な値引き、ノベルティ獲得などのサービスクーポン情報のみを常時確認することができ、即時使用可能なサービスクーポンの取得が可能であり、効率的な購買活動をすることができる。
【0017】
会員顧客識別子ごとに最適なサービスクーポン表示をサービス情報表示デバイスへ表示させる手段は、サービスクーポン発行対象を抽出すべく購買情報および/または会員顧客属性情報に対してサービスクーポン情報ごとに設定した一定の基準値に基づいて会員顧客を抽出する手段を有し、前記抽出手段により抽出された会員顧客識別子に対応するサービス情報表示デバイスへ前記サービスクーポン表示を表示させる手段を備えてなることにより、自動的に各会員顧客に最適なサービスクーポンを提供することができる。
【0018】
会員顧客識別子ごとに最適なサービスクーポン表示をサービス情報表示デバイスへ表示させる手段は、サービスクーポン発行対象を抽出すべく購買情報および/または会員顧客属性情報に対して一定の基準値に基づいて会員顧客を抽出する手段を有し、前記クーポン情報ごとに前記基準値に基づいて会員顧客の抽出を行い、前記会員顧客が購買した会員企業とは異なる会員企業から提供されたサービスクーポン情報に基づくサービスクーポン表示を前記会員顧客識別子に対応するサービス情報表示デバイスへ表示させる手段を備えてなることにより、ある会員企業における購買情報および会員顧客属性情報を基にして、他の会員企業で利用可能なサービスクーポンを発行することが可能である。したがって、会員企業にあっては、業種の異なる企業間を横断した効果的な来店促進、販売促進を行うことができる。また、会員顧客は、自己の趣向に即し、かつ、自己が未だ商品およびサービスを購入したことのない会員企業の情報を取得することができる。
【0019】
会員顧客識別子ごとに最適なサービスクーポン表示をサービス情報表示デバイスへ表示させる手段は、サービスクーポン発行対象を抽出するべく購買情報および/または会員顧客属性情報に対して一定の基準値に基づいて会員顧客を抽出する手段と、管理サーバに提供されるリアルタイム情報に基づいて前記基準値を変動させる手段と、サービスクーポン情報ごとに前記基準値に基づいて会員顧客の抽出を行い、前記抽出手段により抽出された会員顧客識別子に対応するサービス情報表示デバイスへ前記サービスクーポンを表示させる手段を備えてなることにより、会員企業は天気、道路状況等の変動する外的要因に即したサービスクーポンを発行することができ、リアルタイムでの効果的な来店促進、販売促進を行うことができる。また、会員顧客は、リアルタイムで変動する自己に有益な値引き、ノベルティ獲得などのサービスクーポンを取得してより効率的な購買活動を行うことができる。
【0020】
会員顧客が会員企業においてサービスクーポンを利用したことの利用実績情報を管理サーバーへ送信する手段を備えてなることにより、会員企業が提供したサービスクーポン情報が販売促進に役立ったか否かを知ることができる。
【0021】
管理サーバーは、購買履歴情報、会員顧客属性情報、利用実績情報の全てまたはいずれかに基づき、会員企業ごとに提供すべきサービスクーポン情報を提案する手段を備えてなることにより、会員企業に対してさらに好適なサービスクーポン情報を提案することができる。したがって、効果的な来店促進、販売促進を行うことができる。
【0022】
会員顧客がサービスクーポンの発行を要求する部門または会員企業をあらかじめ登録する手段と、前記登録された部門または会員企業に対応するサービスクーポンを抽出して会員顧客識別子に対応するサービス情報表示デバイスへ表示する手段を備えてなることにより、会員顧客はより自己の趣向に即したサービスクーポンを取得することができる。
【0023】
会員顧客識別子ごとに発行されているサービスクーポンを会員顧客識別子に対応するサービスクーポン表示デバイスに一覧表示する手段を備えてなることにより、会員顧客は、複数の会員企業のサービスクーポンを一度に視認することができる。
【0024】
サービスクーポン表示デバイスは、会員企業に備えられたPOS端末表示画面、会員企業で発行されるレシート、会員顧客固定端末、会員顧客移動端末であることにより、会員顧客は、店舗のレジ画面、レシート、パーソナルコンピュータ、テレビ、移動通信端末など種々のデバイスで自己に発行されたサービスクーポンを確認し、また、利用することができる。また、サービスクーポン紛失のおそれもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は本発明に係るサービスクーポン管理発行システムの概略図、図2はサービスクーポン表示デバイスの表示画面の模式図、図3は会員顧客属性情報および購買情報に関するセグメントを表した模式図、図4および図5はサービスクーポン管理発行システムの概念図である。
【0026】
図1に示すごとく各会員企業に備えられ管理サーバ1と伝達可能な会員企業端末2は、会員企業の店舗に直接設置される磁気ストライプ読み取り機能の付いた会員企業端末、会員番号手入力により照会する会員情報照会端末、その他インターネット上に仮想店舗を置く会員企業にあってはハードディスク、モニター、キーボード等からなる入出力装置等であり、あらかじめ契約した複数の会員企業に備えられている。特に店舗に直接設置される会員企業端末2はその機能にPOS、顧客が視認できる表示画面を付加したものであってもよい。管理サーバー1への通信回線はインターネット網であってもよいし、専用線によるサーバー間伝達回線を敷設してもよく、例えばHULFTやTCP/IP等の伝達方式を使用する。また、伝達機能には例えばセキュリティ確保装置、ネットワーク中継機器を介在させてもよい。
【0027】
管理サーバー1には、いずれかの会員企業端末2または会員顧客からあらかじめ入力された会員顧客属性情報を会員顧客識別子としての会員IDごとに関連づけて蓄積する会員顧客属性データベースと、会員企業より提供された購買情報を会員IDごとに関連づけて蓄積する購買情報データベースと、会員企業が提供可能なサービスクーポン情報を蓄積するサービスクーポン情報データベースが格納されている。尚、これらデータベースは、一つのサーバーマシンに格納してもよいし、それぞれのデータベースを別個に格納したサーバーマシンを回線によりリンクさせて論理付けてもよい。
【0028】
サービスクーポン表示デバイス3は、会員企業に備えられたPOS端末表示画面、会員企業で発行されるレシート、会員顧客固定端末、会員顧客移動端末であって、会員IDに基づきPOS端末表示画面、ハードディスク、モニター、キーボード等からなるパーソナルコンピュータ、双方向送受信テレビ、携帯移動端末に表示される会員顧客専用サイト画面、または電子メールに各会員顧客固有のサービスクーポンが表示されるようになっている。
【0029】
まず、会員企業端末2および管理サーバー1間のシステムおよび動作において説明する。会員企業端末2は、会員顧客が例えば9桁や16桁等の会員IDの載った会員カード等を提示して商品またはサービスを購入した場合、会員企業端末2で会員IDを読み取ると瞬時に管理サーバー1に会員IDと購入物、購入金額などの購買情報を互いに関連付けて、または別個に管理サーバー1に伝達する。また、会員顧客がサービスクーポンを提示して商品またはサービスを購入した場合は、会員企業端末2で会員IDを読み取ると瞬時に管理サーバー1に会員顧客識別子、購入物、購入金額などの購買情報、およびクーポンの利用実績情報を互いに関連付けて、または別個に管理サーバー1に伝達する。一方、管理サーバー1は、伝達された購買情報または利用実績情報を会員IDと関連付けて格納する。
【0030】
次に、管理サーバー1からサービスクーポン表示デバイス3へのサービスクーポン表示のシステムおよび動作について説明する。管理サーバー1は、会員顧客属性データベースと、購買情報データベースと、サービスクーポン情報データベースを論理付けて演算を行い、会員IDごとに最適なサービスクーポン表示データ作成しを、サービス情報表示デバイスへ表示可能にする。
【0031】
具体的には、図3に示すごとく管理サーバー1にセグメント別に格納された保有カード種、性別、年齢、住所、年収、家族構成、勤務先住所、車保有、家保有、関心領域、また必要に応じて提供される顧客現在地情報などからなる会員顧客属性情報データベース、利用企業、ジャンル、購入物の履歴とRFM、デシル、客単価の集計値とからなる購買実績、保有ポイント数と還元回数からなるポイント実績、クレジット利用業種、利用ブランドのクレジット履歴とRFM、利用単価からなるクレジット実績、利用カード種、エリアマーケティング情報、サイト利用情報などからなる購買情報データベースにつき、会員IDごとに最適なサービスクーポン情報を提供すべくサービスクーポン情報ごとに、必要なセグメントを選択するとともにセグメントについて設定された一定の基準値に基づいてAND条件/OR条件/NOR条件による演算を行い、基準値に適合する会員顧客の抽出を行う。サービスクーポン情報と抽出された会員IDとを関連付けて、該会員IDに対応するサービスクーポン表示データ作成しを、サービス情報表示デバイスへ表示可能にする。尚、セグメントの種類、内容はこれらに限られるものではない。
【0032】
また、会員顧客が購買した会員企業とは異なる会員企業から提供されたサービスクーポン情報に基づくサービスクーポン表示を表示させる場合には、会員顧客が購買した会員企業とは異なる会員企業のサービスクーポン情報に対して会員IDを関連付けさせるべく基準値を設定し、会員顧客属性情報および購買情報につき、基準値に基づいてAND条件/OR条件/NOR条件による演算を行い、基準値に適合する会員顧客の抽出を行う。サービスクーポン情報と抽出された会員IDとを関連付けて、該会員IDに対応するサービスクーポン表示データ作成しを、サービス情報表示デバイスへ表示可能にする。
【0033】
また、季節、月日、曜日、時間、天気、気温、道路混雑状況、鉄道運行状況などの随時変動するリアルタイム情報に基づくサービスクーポン表示を表示させる場合には、また、会員顧客が購買した会員企業とは異なる会員企業から提供されたサービスクーポン情報に基づくサービスクーポン表示を表示させる場合には、会員顧客が購買した会員企業とは異なる会員企業のサービスクーポン情報に対して会員IDを関連付けさせるべく基準値を設定するとともに、管理サーバに随時提供されるリアルタイム情報に基づいて基準値を変動させ、リアルタイム情報に合わせて提供可能なサービスクーポン情報ごとに基準値に基づいて適合する会員顧客の抽出を行う。サービスクーポン情報と抽出された会員IDとを関連付けて、該会員IDに対応するサービスクーポン表示データ作成しを、サービス情報表示デバイスへ表示可能にする。
【0034】
また、会員顧客が会員企業においてサービスクーポンを利用したことの利用実績情報を管理サーバーへ送信するシステムを構築してもよい。
【0035】
また、管理サーバーは、購買履歴情報、会員顧客属性情報、利用実績情報の全てまたはいずれかに基づき、会員企業ごとに提供すべきサービスクーポン情報を提案するシステムを構築してもよい。
【0036】
また、会員顧客がサービスクーポンの発行を要求する部門、会員企業などの関心領域をあらかじめ登録するシステムを構築し、登録された関心領域に対応するサービスクーポンを抽出して会員IDに対応するサービス情報表示デバイスへ表示するシステムを構築してもよい。
【0037】
また、会員IDごとに発行されているサービスクーポンを会員IDに対応するサービスクーポン表示デバイスに一覧表示するシステムを構築してもよい。
【0038】
次にシステムフローにつき説明する。業種の異なる複数の会員企業はあらかじめ管理サーバー1に情報を伝達するべく会員企業登録を行うとともに、随時自己の会員企業が提供しうるサービスクーポン情報を伝達し管理サーバー1はサービスクーポン情報データベースに蓄積する。また、会員顧客はいずれかの会員企業における購買の際、または、あらかじめ会員登録を行い会員IDを会員顧客属性情報データベースに蓄積する。本実施の形態においてはA店で会員登録し、会員IDとしての16桁の識別番号が付されたクレジットカードを作成した。
【0039】
例えば、A店の近所に住む50歳代男性会社員の会員顧客aが、会員企業の電気機器販売ショップA店でデジタルカメラを購入したとき(S1)、A店の会員企業端末2は会員IDを読み取ると瞬時に管理サーバー1に会員IDと購入物、購入金額などの購買情報を互いに関連付けて、または別個に管理サーバー1に伝達する(S2)。管理サーバー1はこの情報をセグメント別に購買情報データベースに蓄積する(S3)。管理サーバー1は、例えば、会員企業のフォトプリントショップB店から提供されている「デジカメプリント300円割引」というサービスクーポン情報ごとに会員顧客属性データベースと購買情報データベースのセグメントに対する基準値を作成し、この基準値に適合する会員IDを抽出すべく演算を行う。例えば、A店から3キロメートル以内に在住する40歳以上の男女でデジタルカメラ購入履歴のある者を基準値に選んだ場合、A店でデジタルカメラ購入履歴のある会員顧客aが抽出され(S4)、B店の「デジカメポイント300円割引」のサービスクーポン表示を会員顧客aの会員IDを認識したA店に設置されたPOS端末表示画面、A店で発行されるレシート、会員顧客aのパーソナルコンピュータ、携帯端末に表示される会員顧客専用サイトに表示可能とする。または、会員顧客aの電子メールアドレスへサービスクーポン表示を送信する(S5)。「デジカメポイント300円割引」のサービスクーポンをサービスクーポン表示デバイスにより受領した会員顧客aは、B店へ出向き、当該サービスクーポンを提示してサービスの提供を受けるとB店の会員企業端末2は、当該サービスクーポンの固有番号などの利用実績情報を、会員ID、購買情報とともに管理サーバー1に伝達し(S6)、管理サーバー1は、当該情報を蓄積する。
【0040】
また、例えば、30歳代女性主婦の会員顧客bが、会員企業の幹線道路RにあるガソリンスタンドC店において12時にガソリンを購入したとき(S1)、C店の会員企業端末2は会員IDを読み取ると瞬時に管理サーバー1に会員IDと購入物、購入金額などの購買情報を互いに関連付けて、または別個に管理サーバー1に伝達する(S2)。管理サーバー1はこの情報をセグメント別に購買情報データベースに蓄積する(S3)。また管理サーバー1には、季節、月日、曜日、時間、天気、気温、道路混雑状況、鉄道運行状況などの変動するリアルタイム情報が随時提供されている(S4)。そこで、ファミリーレストランD店の雨天で幹線道路Rの混雑状況が一定以下の平日13時以降に提供可能な適用条件の付いた「ドリンクバー無料」のサービスクーポン情報ごとに会員顧客属性データベースと購買情報データベースのセグメントに対する基準値を作成するとともに、サービスクーポンの適用条件に合わせて基準値を変動させてこの基準値に適合する会員IDを抽出すべく演算を行う。例えば、12時30分現在幹線道路R付近を走行中の20歳以上の女性を基準値に選んだ場合、C店で12時にガソリンの購入履歴がある会員顧客bが抽出され(S5)、D店の「ドリンクバー無料」のサービスクーポン表示を会員顧客bの会員IDを認識したC店におけるPOS端末表示画面、C店から発行されるレシート、会員顧客bのカーナビゲーション画面、携帯端末に表示される会員顧客専用サイトに表示可能とする。または、会員顧客bの電子メールアドレスへサービスクーポン表示を送信する(S6)。「ドリンクバー無料」のサービスクーポンを受領した会員顧客bは、D店へ出向き、当該サービスクーポンを提示してサービスの提供を受けるとD店の会員企業端末2は、当該サービスクーポンの固有番号などの利用実績情報を、会員ID、購買情報とともに管理サーバー1に伝達し(S7)、管理サーバー1は、当該情報を蓄積する。尚、サービスクーポン適用条件の情報提供は会員企業店舗の混雑状況などに合わせて、管理サーバー1に随時提供可能としてもよい。
【0041】
また、会員顧客の会員IDに対応して、いずれかの会員企業におけるPOS端末表示画面、いずれかの会員企業発行されるレシート、会員顧客のカーナビゲーション画面、携帯端末に表示される会員顧客専用サイトには、会員顧客の会員IDにさせて会員顧客が利用可能なサービスクーポンの一覧が表示されるようになっている。
【0042】
また、管理サーバー1は、会員企業端末2から伝達されるサービスクーポンの利用実績情報を集計して、その結果および好適なサービスクーポン情報を会員企業にフィードバックするようにしてもよいし、管理サーバー1において各会員企業のサービスクーポン情報を独自に作成するようにしてもよい。
【0043】
尚、会員企業の数、会員顧客の数および会員企業端末およびサービスクーポン表示デバイスの種類、構成およびセグメント、基準値はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態のサービスクーポン管理発行システムの模式図。
【図2】サービスクーポン表示デバイスの表示画面の模式図。
【図3】会員顧客属性情報および購買情報に関するセグメントを表した模式図。
【図4】サービスクーポン管理発行システムの概念図。
【図5】サービスクーポン管理発行システムの概念図。
【符号の説明】
【0045】
1 管理サーバー
2 会員企業端末
3 サービスクーポン表示デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ読み取り可能なプログラムによって実行され、企業のサービスクーポンを顧客へ発行するサービスクーポン管理発行システムであって、複数の会員企業に備えられ会員企業が会員顧客ごとに付与された会員顧客識別子と購買情報を互いに関連付けて管理サーバーに伝達する手段と、前記管理サーバーと接続されるとともに、あらかじめ入力された会員顧客属性情報を会員顧客識別子ごとに関連づけて蓄積する手段と、前記会員企業より提供された前記購買情報を会員顧客識別子ごとに関連づけて蓄積する手段と、会員企業が提供可能なサービスクーポン情報を蓄積する手段とを有し、前記購買情報と前記会員顧客属性情報とに基づいて前記会員顧客識別子ごとに最適なサービスクーポン表示をサービス情報表示デバイスへ表示させる手段を備えてなることを特徴とするサービスクーポン管理発行システム。
【請求項2】
会員顧客識別子ごとに最適なサービスクーポン表示をサービス情報表示デバイスへ表示させる手段は、サービスクーポン発行対象を抽出すべく購買情報および/または会員顧客属性情報に対してサービスクーポン情報ごとに設定した一定の基準値に基づいて会員顧客を抽出する手段を有し、前記抽出手段により抽出された会員顧客識別子に対応するサービス情報表示デバイスへ前記サービスクーポン表示を表示させる手段を備えてなることを特徴とする請求項1記載のサービスクーポン管理発行システム。
【請求項3】
会員顧客識別子ごとに最適なサービスクーポン表示をサービス情報表示デバイスへ表示させる手段は、サービスクーポン発行対象を抽出すべく購買情報および/または会員顧客属性情報に対して一定の基準値に基づいて会員顧客を抽出する手段を有し、前記サービスクーポン情報ごとに前記基準値に基づいて会員顧客の抽出を行い、前記会員顧客が購買した会員企業とは異なる会員企業から提供されたサービスクーポン情報に基づくサービスクーポン表示を前記会員顧客識別子に対応するサービス情報表示デバイスへ表示させる手段を備えてなることを特徴とする請求項1または2記載のサービスクーポン管理発行システム。
【請求項4】
会員顧客識別子ごとに最適なサービスクーポン表示をサービス情報表示デバイスへ表示させる手段は、サービスクーポン発行対象を抽出するべく購買情報および/または会員顧客属性情報に対して一定の基準値に基づいて会員顧客を抽出する手段と、管理サーバに提供されるリアルタイム情報に基づいて前記基準値を変動させる手段と、サービスクーポン情報ごとに前記基準値に基づいて会員顧客の抽出を行い、前記抽出手段により抽出された会員顧客識別子に対応するサービス情報表示デバイスへ前記サービスクーポンを表示させる手段を備えてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のサービスクーポン管理発行システム。
【請求項5】
会員顧客が会員企業においてサービスクーポンを利用したことの利用実績情報を管理サーバーへ送信する手段を備えてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のサービスクーポン管理発行システム。
【請求項6】
管理サーバーは、購買履歴情報、会員顧客属性情報、利用実績情報の全てまたはいずれかに基づき、会員企業ごとに提供すべきサービスクーポン情報を提案する手段を備えてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のサービスクーポン管理発行システム。
【請求項7】
会員顧客がサービスクーポンの発行を要求する部門または会員企業をあらかじめ登録する手段と、前記登録された部門または会員企業に対応するサービスクーポンを抽出して会員顧客識別子に対応するサービス情報表示デバイスへ表示する手段を備えてなることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載のサービスクーポン管理発行システム。
【請求項8】
会員顧客識別子ごとに発行されているサービスクーポンを会員顧客識別子に対応するサービスクーポン表示デバイスに一覧表示する手段を備えてなることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のサービスクーポン管理発行システム。
【請求項9】
サービスクーポン表示デバイスは、会員企業に備えられたPOS端末表示画面、会員企業で発行されるレシート、会員顧客固定端末、会員顧客移動端末であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のサービスクーポン管理発行システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−163533(P2009−163533A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1013(P2008−1013)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(503342764)カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 (13)
【Fターム(参考)】