説明

シアノジヒドロピリジン化合物の製造方法

【課題】非対称シアノジヒドロピリジン化合物および非対称シアノピリジン化合物の簡便な製造方法の提供。
【解決手段】式(I)〜(II)の化合物およびR−CHO(III)の化合物を反応させることを特徴とする、式(IV)の化合物の製造方法。
【化1】



【化2】



【化3】




[各式中の各記号は明細書に記載の通りである。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品、農薬、食品、化粧品および化学品あるいはそれらの中間体として有用なシアノジヒドロピリジン化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3位にシアノ基を有するジヒドロピリジン化合物およびピリジン化合物(本明細書中、シアノジヒドロピリジン化合物およびシアノピリジン化合物と呼称する。)は医薬品、農薬、食品、化粧品および化学品あるいはそれらの中間体として有用である。
【0003】
例えば、特許文献1には脳虚血性疾患治療薬として有用なシアノピリジン化合物が、特許文献2にはカリウムチャンネルオープナーとして有用なシアノジヒドロピリジン化合物が、非特許文献1にはカルシウム拮抗剤として有用なシアノジヒドロピリジン化合物が、非特許文献2にはアロマターゼ阻害薬として有用なシアノジヒドロピリジン化合物が、各々開示されている。しかしながら、2位に嵩高い置換基(分枝状炭化水素基、環状基)を有する非対称のシアノジヒドロピリジン化合物およびシアノピリジン化合物については、下記式に示す、2位にフェニル基を有する化合物(A)が特許文献1に開示されているのみで、特許文献2および非特許文献1〜2には具体的な開示は全くなされていない。
【0004】
【化1】

【0005】
また、特許文献3〜8および非特許文献3には、高脂血症治療薬として有用な、2位に嵩高い置換基としてイソプロピル、tert−ブチル、シクロペンチル、フェニル基等を有するピリジン化合物が開示されている。また、特許文献9には、糖尿病治療薬として有用な、2位に嵩高い置換基としてイソプロピル、tert−ブチル、シクロペンチル基等を有するピリジン化合物が開示されている。上記特許文献3においては、下記反応式に示す、2位の嵩高い置換基としてフェニル基を有する、シアノジヒドロピリジン化合物(B)、シアノピリジン化合物(C)、ピリジンアルデヒド化合物(D)が合成中間体として開示されている。
【0006】
【化2】

【0007】
しかしながら、特許文献3には、2位に他の嵩高い置換基(分枝状炭化水素基、脂環式炭化水素基)を有するシアノジヒドロピリジン化合物およびシアノピリジン化合物についての記載はなく、下記反応式に示すように、ピリジンアルデヒド化合物(F)を対応するエステル化合物(E)から2工程を経て合成している(下記反応式中、Aは芳香族基、Bはシクロアルキルまたは置換されていてもよいアルキル基、D,Eは同一または異なってシクロアルキル、置換されていてもよいアルキル基である。)。
【0008】
【化3】

【0009】
さらに、上記特許文献4〜9および非特許文献3においては、シアノピリジン化合物についての開示はなく、対応するエステル基を有するピリジン化合物を中間体として、多段階にて目的化合物を製造している。例えば、非特許文献3では、下記反応式に示すように、対応するエステル化合物(H)から2工程を経てピリジンアルデヒド化合物(J)を製造している。
【0010】
【化4】

【0011】
また、例えば、特許文献5では、下記反応式に示すように、対応するエステル化合物(K)から、2工程を経てピリジンアルデヒド化合物(M)を、3工程経て中間体(N)をそれぞれ製造している。
【0012】
【化5】

【0013】
一方、2位に嵩高い置換基として芳香族基を有する非対称のシアノジヒドロピリジン化合物およびシアノピリジン化合物の製造方法としては、例えば、上記特許文献1、3および非特許文献4〜7に記載の方法がある。特許文献1では下記反応式のように、
【0014】
【化6】

【0015】
特許文献3では下記反応式のように、
【0016】
【化7】

【0017】
非特許文献4では下記反応式のように、
【0018】
【化8】

【0019】
非特許文献5では下記反応式のように、
【0020】
【化9】

【0021】
非特許文献6では下記反応式のように、
【0022】
【化10】

【0023】
非特許文献7では下記反応式のように、
【0024】
【化11】

【0025】
それぞれシアノジヒドロピリジン化合物またはシアノピリジン化合物を合成しているが、いずれの方法もアルデヒド化合物から誘導される縮合体(例えば、化合物(O),(P),(Q),(R),(T))もしくはエナミン化合物(例えば、化合物(S))を用いて製造しており、これらの調製工程を必要とする。更に、ピリジン環の2位の嵩高い置換基としては芳香族基のみであり、分枝状炭化水素基および脂環式炭化水素基についての記載はない。
【0026】
また、前述の特許文献2および非特許文献1〜2では、ピリジン環の2位の置換基として、嵩高くないメチル基を有するシアノジヒドロピリジン化合物の合成法を開示している。特許文献2では下記反応式のように、
【0027】
【化12】

【0028】
非特許文献1では下記反応式のように、
【0029】
【化13】

【0030】
非特許文献2では下記反応式のように、
【0031】
【化14】


【0032】
それぞれシアノジヒドロピリジン化合物を製造している。
【0033】
いずれも、ピリジン環の2位の置換基として、メチル基のみ具体的に開示されており、2位に嵩高い置換基を有する化合物を合成する場合には、化合物(U)に相当する中間体の製造工程を必要とすることを示唆する。また、非特許文献1においては、化合物(U)と(V)が反応した対称型シアノジヒドロピリジン化合物(X)が副生するため、目的化合物(W)との分離操作が必要であることが記載されている。
【特許文献1】特開平3−223253号公報
【特許文献2】国際公開第WO02/10164号パンフレット
【特許文献3】米国特許5401746号明細書
【特許文献4】特開平10−67746公報
【特許文献5】特開平10−67751公報
【特許文献6】米国特許5925645号明細書
【特許文献7】国際公開第WO01/96311号パンフレット
【特許文献8】国際公開第WO01/96347号パンフレット
【特許文献9】米国特許6218431号明細書
【非特許文献1】ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(J.Med.Chem.),1991年、34巻、2248頁
【非特許文献2】メディシナル ケミストリー リサーチ(Med.Chem.Res.)、1996年、6:9、611頁
【非特許文献3】ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(J.Med.Chem.),1991年、34巻、2804頁
【非特許文献4】ジャーナル オブ ヘテロサイクリック ケミストリー(J.Heterocyclic Chem.)、1998年、第35巻、65頁
【非特許文献5】コレクション チェコソロバキア ケミストリー コミュニケーション(Collection Czechoslovak Chem. Comm.),1985年、第50巻、1862頁
【非特許文献6】薬学雑誌、1966年、第86巻、815頁
【非特許文献7】ブレティン ケミカル ソサイエティ オブ ジャパン(Bulletin Chemical Society of Japan)、1969年、第42巻、220頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
医薬品、農薬、食品、化粧品および化学品あるいはそれらの中間体として有用な、2位に炭素原子で結合する嵩高い置換基(分枝状炭化水素基および環状基、中でも分枝状炭化水素基および脂環式炭化水素基)を有する非対称シアノジヒドロピリジン化合物および非対称シアノピリジン化合物の簡便な製造方法が望まれている。また、この方法を利用した新規化合物の開発により、前述の有用化合物の効率的製造方法を構築するための新規中間体の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0035】
以上の状況下、本発明者らはジヒドロピリジン環の2位に炭素原子で結合する嵩高い置換基(分枝状炭化水素基、環状基)と、6,5,4位の置換基との関係に着目して、非対称シアノジヒドロピリジン化合物の合成検討を鋭意行った。その結果、後述するケトニトリル化合物(I)、ケトン化合物(II)、アルデヒド化合物(III)およびアンモニウム塩の4成分を、触媒の存在無しに、同時に反応させることにより、非対称シアノジヒドロピリジン化合物(IV)が予想外にも簡便に製造できることを見出した。本製造方法では、従来法のような、ケトニトリル化合物(I)とアルデヒド化合物(III)との縮合体の製造工程や、ケトン化合物(II)とアンモニアを反応させることによるエナミン化合物の製造工程等を必要としないので、短工程かつ廃棄物(溶媒や触媒)の少ない方法により、工業的に有利に非対称シアノジヒドロピリジン化合物(IV)を製造できる。
【0036】
また、本発明の製造方法により得られる非対称シアノジヒドロピリジン化合物(IV)のうち、化合物(IVa),(IVb)および(IVc)は新規化合物であり、そして、当該化合物が公知の高脂血症治療薬の効率的製造方法を構築するための中間体となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0037】
すなわち、本発明は
1) 式(I):
【0038】
【化15】

【0039】
[式中、Rは置換されていてもよい分枝状炭化水素基または置換されていてもよい環状基を示す。]で表される化合物またはその塩(以下、これらをまとめて化合物(I)という)、式(II):
【0040】
【化16】

【0041】
[式中、Rは置換されていてもよい直鎖C1-6アルキル基または置換されていてもよいフェニル基を、Rは水素原子または炭素原子を介して結合する基(シアノ基を除く)を示すか、あるいはRとRとはこれらが結合する炭素原子と共に置換されていてもよい非芳香環を形成する。]で表される化合物またはその塩(以下、これらをまとめて化合物(II)という)、式(III):R−CHO[式中、Rは炭素原子を介して結合する基(シアノ基を除く)を示す。]で表される化合物またはその塩(以下、これらをまとめて化合物(III)という)、およびアンモニウム塩を反応させることを特徴とする、式(IV):
【0042】
【化17】

【0043】
[式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合物またはその塩(以下、これらをまとめて化合物(IV)という)の製造方法;
2) Rが置換されていてもよい分枝状炭化水素基または置換されていてもよい脂環式炭化水素基である上記1)の製造方法;
3) Rが置換されていてもよい直鎖C1-6アルキル基である上記1)の製造方法;
4) アンモニウム塩が酢酸アンモニウムである上記1)の製造方法;
5) アンモニウム塩がギ酸アンモニウムである上記1)の製造方法;
6) 式(IVa):
【0044】
【化18】


【0045】
[式中、R1aは置換されていてもよい分枝状炭化水素基または置換されていてもよい脂環式炭化水素基を、
4aは炭素原子を介して結合する芳香族基を示し、
2aとR3aとはこれらが結合する炭素原子と共に置換されていてもよい5ないし8員非芳香環を形成する。]で表される化合物またはその塩(以下、これらをまとめて化合物(IVa)という);
7) 式(IVb):
【0046】
【化19】

【0047】
[式中、R1aおよびR4aは上記6)と同意義を、R2bは置換されていてもよい直鎖C1-6アルキル基または置換されていてもよいフェニル基を、R3bは炭素原子を介して
結合する芳香族基を示す。]で表される化合物またはその塩(以下、これらをまとめて化合物(IVb)という);
8) 式(IVc):
【0048】
【化20】

【0049】
[式中、R、RおよびRは上記1)と同意義を、R4bは置換されていてもよい分枝状炭化水素基または置換されていてもよい脂環式炭化水素基を示す。]で表される化合物またはその塩(以下、これらをまとめて化合物(IVc)という);
に関する。
【発明の効果】
【0050】
本発明の製造方法によれば、非対称シアノジヒドロピリジン化合物である化合物(IV)を簡便に製造でき、従来法のような、ケトニトリル化合物である化合物(I)とアルデヒド化合物である化合物(III)との縮合体の製造工程や、ケトン化合物である化合物(II)とアンモニアを反応させることによるエナミン化合物の製造工程等を必要としないので、短工程かつ廃棄物(溶媒や触媒)の少ない方法により、工業的に有利に化合物(IV)を製造できる。また、この方法を利用した新規化合物の開発により、公知の高脂血症治療薬の効率的製造方法を構築するための新規中間体が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、式中の各記号の定義について詳述する。
で示される「置換されていてもよい分枝状炭化水素基」における「分枝状炭化水素基」としては、例えば、C3-10分枝状アルキル基、C3-10分枝状アルケニル基、C4-10分枝状アルキニル基等が挙げられる。
【0052】
ここで、C3-10分枝状アルキル基としては、例えば、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、1−メチルペンチル等が挙げられる。
【0053】
3-10分枝状アルケニル基としては、例えば、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチルアリル、3−メチル−2−ブテニル、4−メチル−3−ペンテニル等が挙げられる。
【0054】
4-10分枝状アルキニル基としては、例えば、1−メチル−2−プロピニル、1−エチル−2−プロピニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル、3−メチル−1−ブチニル、3−エチル−1−ブチニル、3,3−ジメチル−1−ブチニル、1−メチル−2−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、1,1−ジメチル−2−ブチニル等が挙げられる。
【0055】
1で示される「置換されていてもよい環状基」における「環状基」としては、例えば、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C4-10シクロアルカジエニル基などの脂環式炭化水素基;C6-14アリール基;複素環基等が挙げられる。なかでも、脂環式炭化水素基が好ましい。
【0056】
ここで、C3-10シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.3.1]デシル等が挙げられる。
【0057】
3-10シクロアルケニル基としては、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル等が挙げられる。
【0058】
4-10シクロアルカジエニル基としては、例えば、2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イル等が挙げられる。
【0059】
6-14アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル、ビフェニリル等が挙げられる。中でもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が好ましい。
【0060】
また、1,2−ジヒドロナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インデニル、インダニル、ジヒドロベンゾシクロヘプテニル、フルオレニル等のように、上記の脂環式炭化水素基(C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C4-10シクロアルカジエニル基)の環および上記のC6-14アリール基の環から選ばれる同一または異なった2〜3個(好ましくは2種以上の環)からなる縮合環から誘導される二または三環式炭化水素基等も、当該脂環式炭化水素基(C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C4-10シクロアルカジエニル基)の例として挙げられる。
【0061】
複素環基としては、例えば、環を構成する原子(環原子)として、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む芳香族複素環基、飽和あるいは不飽和の非芳香族複素環基等が挙げられる。
【0062】
芳香族複素環基としては、芳香族単環式複素環基および芳香族縮合複素環基が挙げられる。芳香族単環式複素環基としては、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等の、5ないし6員の芳香族単環式複素環基が挙げられる。
【0063】
芳香族縮合複素環基としては、例えば、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズインダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、ブテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニル等の、8〜12員の芳香族縮合複素環基が挙げられ、好ましくは、上記の5ないし6員の芳香族単環式複素環基の複素環とベンゼン環とが縮合した環から誘導される基、上記の5ないし6員の芳香族単環式複素環基の同一または異なった複素環2個が縮合した環から誘導される基であり、より好ましくは上記の5ないし6員の芳香族単環式複素環基の複素環とベンゼン環とが縮合した環から誘導される基であり、特に好ましくはベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾ〔b〕チエニル等である。
【0064】
非芳香族複素環基としては、例えば、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等の、3〜8員(好ましくは5〜6員)の飽和あるいは不飽和(好ましくは飽和)の非芳香族複素環基等や、1,2,3,4−テトラヒドロキノリル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル等のように、前記の芳香族単環式複素環基または芳香族縮合複素環基の一部または全部の二重結合が飽和した非芳香族複素環基等が挙げられる。
【0065】
で示される「分枝状炭化水素基」は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、例えば、
(1)C3-10シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロヘキシル);
(2)C6-14アリール基(例、フェニル、ナフチル);
(3)カルボキシル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基およびC1-6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、キノリル、インドリル);
(4)C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)で置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフリル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、ピロリジニル、ピペラジニル、オキソジオキソリル、オキソジオキソラニル、オキソ−2−ベンゾフラニル、オキソオキサジアゾリル);
(5)C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)、C1-6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、イソブタノイル、イソペンタノイル)およびC1-6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル)から選ばれる置換基でモノあるいはジ置換されていてもよいアミノ基;
(6)C1-6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ);
(7)アミジノ基;
(8)C1-6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、イソブタノイル、イソペンタノイル);
(9)C1-6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル);
(10)C1-6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル);
(11)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル)でモノあるいはジ置換されていてもよいカルバモイル基;
(12)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル)でモノあるいはジ置換されていてもよいチオカルバモイル基;
(13)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル)でモノあるいはジ置換されていてもよいスルファモイル基;
(14)カルボキシル基;
(15)ヒドロキシ基;
(16)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ);
(17)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC2-6アルケニルオキシ基(例、エテニルオキシ);
(18)C3-10シクロアルキルオキシ基(例、シクロヘキシルオキシ);
(19)C7-13アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ);
(20)C6-14アリールオキシ基(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシ);
(21)C1-6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ);
(22)チオール基;
(23)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC1-6アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ);
(24)C7-13アラルキルチオ基(例、ベンジルチオ);
(25)C6-14アリールチオ基(例、フェニルチオ、ナフチルチオ);
(26)スルホ基;
(27)シアノ基;
(28)アジド基;
(29)ニトロ基;
(30)ニトロソ基;
(31)ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素);
(32)C1-6アルキルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル);
(33)非芳香族複素環(例えば、モルホリノ)−カルボニル基;
(34)C6-14アリール−カルバモイル基;
(35)オキソ基;
(36)チオキソ基;
等が挙げられる。
【0066】
また、Rで示される「環状基」は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよい。
【0067】
このような置換基としては、例えば、
(1)前記した「分枝状炭化水素基」における置換基として例示した置換基;
(2)ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、カルボキシル基、C1-6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)およびカルバモイル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル);
(3)ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、カルボキシル基、C1-6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)およびカルバモイル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC2-6アルケニル基(例、エテニル、1−プロペニル);
(4)C7-13アラルキル基(例、ベンジル);
等が挙げられる。
【0068】
1は、好ましくは、C3-10分枝状アルキル基(好ましくはイソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル)、C3-10シクロアルキル基(好ましくはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、C6-14アリール基(好ましくは、フェニル、ビフェニリル)、5ないし6員の芳香族単環式複素環基(好ましくはチエニル)であり、さらに好ましくは、C3-10分枝状アルキル基である。
【0069】
2で示される「置換されていてもよい直鎖C1-6アルキル基」における「直鎖C1-6アルキル基」としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等が挙げられる。「直鎖C1-6アルキル基」は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば、R1で示される「置換されていてもよい分枝状炭化水素基」における「分枝状炭化水素基」の置換基として例示したものが挙げられる。
【0070】
2で示される「置換されていてもよい直鎖C1-6アルキル基」の好適な例としては、ハロゲン原子(好ましくはフッ素)およびC1-6アルコキシ−カルボニル基(好ましくはメトキシカルボニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい直鎖C1-6アルキル基が挙げられる。
【0071】
また、R2で示される「置換されていてもよいフェニル基」における「フェニル基」は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば、R1で示される「置換されていてもよい環状基」における「環状基」の置換基として例示したものが挙げられる。
【0072】
2で示される「置換されていてもよいフェニル基」の好適な例としては、(i)1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(好ましくはメチル、トリフルオロメチル)、および(ii)ハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基が挙げられる。
【0073】
は、好ましくは置換されていてもよい直鎖C1-6アルキル基であり、さらに好ましくは、ハロゲン原子(好ましくはフッ素)およびC1-6アルコキシ−カルボニル基(好ましくはメトキシカルボニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい直鎖C1-6アルキル基である。
【0074】
およびRで示される「炭素原子を介して結合する基(シアノ基を除く)」としては、例えば、置換されていてもよい脂肪族鎖式炭化水素基、置換されていてもよい脂環式炭化水素基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい複素環基およびアシル基等が挙げられる。
【0075】
前記「置換されていてもよい脂肪族鎖式炭化水素基」における脂肪族鎖式炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
【0076】
ここで、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−メチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルプロピル、2−エチルブチル、n−ヘプチル、1−メチルヘプチル、1−エチルヘキシル、n−オクチル、1−メチルヘプチル、ノニル等のC1-10アルキル基(好ましくはC1-6アルキル等)等が挙げられる。
【0077】
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、2−メチルアリル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル等のC2-10アルケニル基(好ましくはC2-6アルケニル等)等が挙げられる。
【0078】
アルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等のC2-10アルキニル基(好ましくはC2-6アルキニル等)等が挙げられる。
【0079】
前記「置換されていてもよい脂環式炭化水素基」における脂環式炭化水素基としては、例えば、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C4-10シクロアルカジエニル基等が挙げられ、これらはそれぞれ、R1で示される「置換されていてもよい環状基」における「環状基」として例示したものが挙げられる。
【0080】
前記「置換されていてもよいアリール基」におけるアリール基としては、R1で示される「置換されていてもよい環状基」における「環状基」として例示したC6-14アリール基が挙げられ、中でもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が好ましい。
【0081】
前記「置換されていてもよい複素環基」における複素環基としては、R1で示される「置換されていてもよい環状基」における「環状基」として例示した複素環基のうち炭素原子を介して結合する基が挙げられる。
【0082】
上記の脂肪族鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、アリール基および複素環基は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよい。
ここで、脂肪族鎖式炭化水素基の置換基としては、R1で示される「置換されていてもよい分枝状炭化水素基」における「分枝状炭化水素基」の置換基として例示したものが、脂環式炭化水素基、アリール基および複素環基の置換基としては、R1で示される「置換されていてもよい環状基」における「環状基」の置換基として例示したものがそれぞれ挙げられる。
【0083】
前記アシル基としては、例えば、式:−COR5、−CO−OR5、−CO−NR5a6a、−CS−NR5a6a[式中、R5は、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示す。R5aおよびR6aは、同一または異なって、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示すか、R5aおよびR6aは、隣接する窒素原子とともに、置換されていてもよい含窒素複素環を形成していてもよい]で表される基等が挙げられる。
【0084】
5、R5aまたはR6aで示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」としては、例えば、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C4-10シクロアルカジエニル基、C6-14アリール基、C7-13アラルキル基、C8-13アリールアルケニル基、C3-10シクロアルキル−C1-6アルキル基等が挙げられる。
【0085】
ここで、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基としては、RおよびRで示される「炭素原子を介して結合する基(シアノ基を除く)」の脂肪族鎖式炭化水素基として例示したものが挙げられる。
【0086】
3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C4-10シクロアルカジエニル基、C6-14アリール基としては、R1で示される「置換されていてもよい環状基」における
「環状基」として例示したものが挙げられる。
7-13アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、ビフェニリルメチル等が挙げられる。
8-13アリールアルケニル基としては、例えば、スチリル等が挙げられる。
【0087】
3-10シクロアルキル−C1-6アルキル基としては、例えば、シクロヘキシルメチル等が挙げられる。
【0088】
5、R5aまたはR6aで示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、R1で示される「置換されていてもよい環状基」における「環状基」の置換基として例示したものが挙げられる。
【0089】
5、R5aまたはR6aで示される「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」としては、R1で示される「置換されていてもよい環状基」における「環状基」として例示したものが挙げられる。
【0090】
5、R5aまたはR6aで示される「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、R1で示される「置換されていてもよい環状基」における「環状基」の置換基として例示したものが挙げられる。
【0091】
5aおよびR6aが隣接する窒素原子とともに形成する「置換されていてもよい含窒素複素環」における「含窒素複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含み、さらに酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし2個含有していてもよい5〜7員の含窒素複素環が挙げられる。該含窒素複素環の好適な例としては、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、オキソピペラジン等が挙げられる。
【0092】
該含窒素複素環は、置換可能な位置に1ないし3個(好ましくは1または2個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、
(1)ヒドロキシ基;
(2)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基;
(3)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC7-13アラルキル基(例、ベンジル、ジフェニルメチル);
(4)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC6-14アリール基(例、フェニル);
(5)C1-6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル);
(6)カルボキシル基、C1-6アルコキシ−カルボニル基およびカルバモイル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されたC1-6アルキル基;
(7)カルボキシル基;
(8)カルバモイル基;
等が挙げられる。
【0093】
アシル基としては、
(1)C1-6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、イソブタノイル、イソペンタノイル);
(2)C1-6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル);
(3)C3-10シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル);
(4)C6-14アリール−カルボニル基(例、ベンゾイル);
(5)C7-13アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル);
(6)カルバモイル基;
(7)モノ−またはジ−C1-6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル);
(8)モノ−またはジ−C6-14アリール−カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル);
等が好ましい。
【0094】
で示される「炭素原子を介して結合する基(シアノ基を除く)」は、好ましくは、
(1)カルボキシル基およびC1-6アルコキシ−カルボニル基(好ましくは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(好ましくはメチル);
(2)(i)ヒドロキシ基、
(ii)ニトロ基、
(iii)ハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素)、
(iv)C1-6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ)、
(v)C1-6アルコキシ−カルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ)、
(vi)C1-6アルキル−カルボニルアミノ基、
(vii)1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(好ましくはメチル、トリフルオロメチル)、
(viii)C1-6アルキルチオ基(好ましくはメチルチオ)、および
(ix)1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(好ましくはメトキシ、トリフルオロメトキシ)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、C6-14アリール基(好ましくはフェニル);
(3)C1-6アルキル−カルボニル基(好ましくはアセチル);
(4)C1-6アルコキシ−カルボニル基(好ましくはメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル);
(5)C7-13アラルキルオキシ−カルボニル基(好ましくはベンジルオキシカルボニル);
(6)カルバモイル基;
(7)モノ−またはジ−C6-14アリール−カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル);
である。
【0095】
は、好ましくは
(1)C1-6アルキル基(好ましくはイソプロピル);
(2)(i)1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(好ましくはメチル、トリフルオロメチル)、
(ii)1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(好ましくはメトキシ、トリフルオロメトキシ)、および
(iii)ハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素)から選ばれる1ないし3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、
3-10シクロアルキル基(好ましくはシクロヘキシル)、C6-14アリール基(好ましくはフェニル)、または炭素原子を介して結合する5ないし6員の芳香族単環式複素環基(好ましくは2−または3−フリル;2−または4−イミダゾリル;2−、3−または4−ピリジル);である。
【0096】
は、さらに好ましくは
(i)1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(好ましくはメチル、トリフルオロメチル)、
(ii)1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(好ましくはメトキシ、トリフルオロメトキシ)、および
(iii)ハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素)から選ばれる1ないし3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、
6-14アリール基(好ましくはフェニル)、または炭素原子を介して結合する5ないし6員の芳香族単環式複素環基(好ましくは2−または3−フリル;2−または4−イミダゾリル;2−、3−または4−ピリジル)である。
【0097】
とRとがこれらが結合する炭素原子と共に形成する「置換されていてもよい非芳香環」における「非芳香環」としては、非芳香族炭化水素環、非芳香族複素環が挙げられる。
【0098】
非芳香族炭化水素環としては、R1で示される「置換されていてもよい環状基」における「環状基」として例示したC3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C4-10シクロアルカジエニル基に対応する環等が挙げられる。
【0099】
非芳香族複素環としては、R1で示される「置換されていてもよい環状基」における「環状基」として例示した非芳香族複素環基に対応する環等が挙げられる。
【0100】
これらの「非芳香環」は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば、R1で示される「置換されていてもよい環状基」における「環状基」の置換基として例示したものが挙げられる。
【0101】
とRとがこれらが結合する炭素原子と共に形成する「置換されていてもよい非芳香環」は、好ましくは、
1-6アルキル基(好ましくはメチル)およびオキソ基から選ばれる1ないし3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、
(1)C3-10シクロアルカン(好ましくはシクロペンタン、シクロヘキサン、インダン)、
(2)5ないし6員の非芳香族単環式複素環(好ましくはピロリジン、テトラヒドロフラン)である。
【0102】
前記式(IVa)および(IVb)中、R1aで示される「置換されていてもよい分枝状炭化水素基または置換されていてもよい脂環式炭化水素基」としては、前述Rの定義中、環状基が脂環式炭化水素基であるものが挙げられる。
【0103】
1aは、好ましくは、C3-10分枝状アルキル基(好ましくはイソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル)、C3-10シクロアルキル基(好ましくはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル)であり、さらに好ましくは、C3-10分枝状アルキル基である。
【0104】
前記式(IVa)中、R2aとR3aとがこれらが結合する炭素原子と共に形成する「置換されていてもよい5ないし8員非芳香環」としては、RとRとがこれらが結合する炭素原子と共に形成する「置換されていてもよい非芳香環」のうち、非芳香環が5−8員のものが挙げられる。
【0105】
「置換されていてもよい5ないし8員非芳香環」は、好ましくは、
1-6アルキル基(好ましくはメチル)およびオキソ基から選ばれる1ないし3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、
5-8シクロアルカン(好ましくはシクロペンタン、シクロヘキサン)、
5ないし6員の非芳香族単環式複素環(好ましくはピロリジン、テトラヒドロフラン)である。
【0106】
前記式(IVa)で表される化合物としては、例えば、それぞれ後述する式(IVd)で表される化合物、式(IVe)で表される化合物、式(IVf)で表される化合物、式(IVg)で表される化合物、式(IVh)で表される化合物などが挙げられる。
【0107】
前記式(IVa)中、R4aで示される「炭素原子を介して結合する芳香族基」としては、Rで示される「炭素原子を介して結合する基(シアノ基を除く)」のうち、置換されていてもよいアリール基および置換されていてもよい芳香族複素環基が挙げられる。
【0108】
4aは、好ましくは
(i)1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(好ましくはメチル、トリフルオロメチル)、
(ii)1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(好ましくはメトキシ、トリフルオロメトキシ)、および
(iii)ハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素)から選ばれる1ないし3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、
6-14アリール基(好ましくはフェニル)、または炭素原子を介して結合する5ないし6員の芳香族単環式複素環基(好ましくは2−または3−フリル;2−または4−イミダゾリル;2−、3−または4−ピリジル)である。
【0109】
4aは、特に好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素、特に好ましくはフッ素)でそれぞれ置換されていてもよい、
6-14アリール基(好ましくはフェニル)、または炭素原子を介して結合する6員の芳香族単環式複素環基(好ましくは2−、3−または4−ピリジル)である。
【0110】
前記式(IVb)中、R2bで示される「置換されていてもよい直鎖C1-6アルキル基」および「置換されていてもよいフェニル基」としては、前記R2として例示したものが挙げられる。
【0111】
2bで示される「置換されていてもよい直鎖C1-6アルキル基」の好適な例としては、ハロゲン原子(好ましくはフッ素)およびC1-6アルコキシ−カルボニル基(好ましくはメトキシカルボニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい直鎖C1-6アルキル基が挙げられる。
【0112】
2bで示される「置換されていてもよいフェニル基」の好適な例としては、(i)1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(好ましくはメチル、トリフルオロメチル)、および(ii)ハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基が挙げられる。
【0113】
前記式(IVb)中、R3bで示される「炭素原子を介して結合する芳香族基」としては、Rで示される「炭素原子を介して結合する基(シアノ基を除く)」のうち、置換されていてもよいアリール基および置換されていてもよい芳香族複素環基が挙げられる。
【0114】
3bで示される「炭素原子を介して結合する芳香族基」は、好ましくは、
(i)ヒドロキシ基、
(ii)ニトロ基、
(iii)ハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素)、
(iv)C1-6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ)、
(v)C1-6アルコキシ−カルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ)、
(vi)C1-6アルキル−カルボニルアミノ基、
(vii)1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(好ましくはメチル、トリフルオロメチル)、
(viii)C1-6アルキルチオ基(好ましくはメチルチオ)、および
(ix)1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(好ましくはメトキシ、トリフルオロメトキシ)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、C6-14アリール基(好ましくはフェニル)である。
【0115】
前記式(IVc)中、R4bで示される「置換されていてもよい分枝状炭化水素基または置換されていてもよい脂環式炭化水素基」としては、Rで示される「炭素原子を介して結合する基(シアノ基を除く)」のうち、置換されていてもよい脂肪族鎖式炭化水素基(ただし、該脂肪族鎖式炭化水素基が分枝鎖状のもの)および置換されていてもよい脂環式炭化水素基が挙げられる。
【0116】
4bは、好ましくは
(1)C3-6分枝状アルキル基(好ましくはイソプロピル);
(2)(i)1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(好ましくはメチル、トリフルオロメチル)、および
(ii)ハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、
3-10シクロアルキル基(好ましくはシクロヘキシル);である。
【0117】
本発明の製造方法において使用されるアンモニウム塩としては、種々の無機アンモニウム塩、有機アンモニウム塩を用いることができる。無機アンモニウム塩としては、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム等のハロゲン化水素とアンモニアの塩;硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等の鉱酸とアンモニアとの塩;炭酸アンモニウムが挙げられる。有機アンモニウム塩としては、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム等の有機酸とアンモニアの塩が挙げられる。アンモニウム塩としては、有機アンモニウム塩が好ましく、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウムが特に好ましい。
【0118】
本発明の製造方法は、無溶媒もしくは溶媒中で行うことができるが、使用される溶媒としては反応に影響をおよぼさない限り、特に制限はない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;へキサン、ペンタン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エタン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピペリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、ジメチルイミダゾリジノン、水等が挙げられ、中でも上記のアルコール類、エステル類、芳香族炭化水素類が好ましく、特にメタノール、エタノール、2−プロパノール、酢酸エチル、トルエンが好ましい。
【0119】
本発明の製造方法における溶媒の使用量は、化合物(I)に対して、通常5〜50倍重量、好ましくは5〜30倍重量、特に好ましくは5〜20倍重量である。
【0120】
また、化合物(II)、化合物(III)およびアンモニウム塩の使用量は、化合物(I)1モルに対して、それぞれ、通常1〜5モル、好ましくは1〜1.2モル、特に好ましくは1〜1.05モルである。
【0121】
本発明の製造方法における反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは10〜100℃、特に好ましくは10〜80℃であり、反応時間は、通常1〜100時間、好ましくは1〜50時間、特に好ましくは1〜25時間である。
【0122】
本発明の製造方法で得られる化合物(IV)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
【0123】
化合物(IV)の塩としては、薬理学的に許容される塩が好ましく、このような塩としては、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
また、本発明の製造方法において使用される化合物(I)、化合物(II)および化合物(III)の塩としては、前記化合物(IV)の塩として例示したものが挙げられる。
【0124】
化合物(IV)に立体異性体が存在しうる場合、これら個々の異性体およびそれら混合物のいずれも当然本発明の範囲に包含されるものであり、所望によりこれらの異性体を個別に製造することもできる。
【0125】
また、化合物(IV)は水和物であってもよく、水和物および非水和物のいずれも本発明の範囲に包含されるものである。
【0126】
化合物(IV)のうち、以下の化合物(IVa)、(IVb)および(IVc)は新規化合物である。
【0127】
【化21】


【0128】
【化22】


【0129】
【化23】


【0130】
[各式中の各記号は前記と同意義である。]
【0131】
シアノジヒドロピリジン化合物である化合物(IV)は、自体公知の酸化反応、例えば、希硝酸や硝酸二アンモニウムセリウム等の酸化剤を使用し、1,2−ジメトキシエタンやアセトニトリル等の反応に悪影響をおよぼさない溶媒中で反応させることによって、下式で示されるシアノピリジン化合物である化合物(V)に誘導される。従って、本発明の製造方法により得られる化合物(IV)を分離精製することなく酸化反応に付した後、化合物(V)として分離精製してもよい。また、化合物(IV)の種類によっては、空気中で容易に酸化される化合物もあるので、化合物(V)として分離精製してもよい。また、本発明の製造方法において、反応系中に酢酸銅(II)などの酸化剤あるいは活性炭などの空気酸化を促進させる物質を共存させることにより、化合物(IV)を化合物(V)として分離精製してもよい。
【0132】
【化24】

【0133】
[式中の各記号は前記と同意義である。]
【0134】
また、本発明の製造方法で得られる化合物(IV)および化合物(V)は、以下に示すような、種々の反応に付すことにより様々な化合物に変換することができる。
【0135】
例えば、化合物(V)のシアノ基は、適当な還元剤(例えば、ギ酸水溶液とラネーニッケル触媒)で還元することによりホルミル基に、有機金属試薬(例えばアルキルマグネシウム試薬、アリールマグネシウム試薬、アリールリチウム試薬など)と反応させることによりケトン誘導体に、それぞれ変換することができる。
【0136】
化合物(IV)または(V)のRで示される置換基が直鎖C1−6アルキル基の場合、ピリジン環の隣のメチレン基またはメチル基を、公知文献の方法に準じて、ラクトン環の形成(Synthesis、1984年、617頁に記載)、アリールメルカプト基の導入反応(Tetrahedron Letters、1988年、第52巻、6835頁に記載)、ジメチルアミノメチリデン基の導入反応(Pharmazie、1998年、第53巻、223頁に記載)に付すことにより、他の有用な化合物に変換することもできる。
【0137】
化合物(IV)または(V)のRで示される置換基がアセチル基の場合、Kindler−Willgerodt反応または類似の反応(Synthesis、1975年、358頁に記載)に付すことにより、チオアミド誘導体に変換することもできる。
【0138】
化合物(IV)または(V)のRで示される置換基がカルバモイル基の場合、Hoffmann転移反応または類似の反応に付すことにより、3−アミノピリジン化合物に変換することもできる。
【0139】
化合物(IV)は、例えば、医薬品、農薬、食品、化粧品および化学品あるいはそれらの中間体として有用である。例えば、化合物(IV)中の新規化合物(IVa)が以下の式で示される場合、
【0140】
【化25】

【0141】
[式中、R1aおよびR4aは前記と同意義、Xは酸素原子、NRまたはCR(RおよびRは同一または異なって、それぞれC1−5アルキル基を示す。)、nは1〜3の整数を示す。]
当該化合物は、カリウムチャンネル開口作用を有し、排尿障害、高血圧、心不全の治療薬として有用であり、また前記特許文献3に記載の高脂血症治療薬の新規中間体として有用である。
【0142】
また、化合物(IV)中の新規化合物(IVa)が以下の式で示される場合、
【0143】
【化26】

【0144】
[式中、R1aおよびR4aは前記と同意義、RおよびR10は独立して水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1−10アルキル基またはC1−10アルコキシ基、lは0から3までの整数、mは0または1の整数を示す。]
当該化合物は、例えば前記特許文献5および非特許文献3に記載の高脂血症治療薬の新規中間体として有用である。
【0145】
また、化合物(IV)中の新規化合物(IVa)が以下の式で示される場合、
【0146】
【化27】

【0147】
[式中、R1a、R4a、RおよびR10は前記と同意義、yおよびzは独立して0から4の整数を示す。但し、y=z=Oは除く]
当該化合物は、例えば前記特許文献7および非特許文献3に記載の高脂血症治療薬の新規中間体として有用である。
【0148】
また、化合物(IV)中の新規化合物(IVa)が以下の式で示される場合、
【0149】
【化28】

【0150】
[式中の各記号は前記と同意義である]
当該化合物は、例えば前記特許文献8に記載の高脂血症治療薬の新規中間体として有用である。
【0151】
また、化合物(IV)中の新規化合物(IVa)が以下の式で示される場合、
【0152】
【化29】

【0153】
[式中、R1aおよびR4aは前記と同意義、R2a’とR3a’は一緒になって炭素数が最高7の直鎖アルキレン鎖を形成する]
当該化合物は、例えば前記特許文献4に記載の高脂血症治療薬または前記特許文献9に記載の糖尿病治療薬の新規中間体として有用である。
【0154】
化合物(IV)中の新規化合物(IVb)の場合、例えば前記特許文献3に記載の高脂血症治療薬の新規中間体または前記特許文献9に記載の糖尿病治療薬の新規中間体として有用である。
【0155】
化合物(IV)の中の新規化合物(IVc)が以下の式で示される場合、
【0156】
【化30】

【0157】
[式中の各記号は前記と同意義である。]
例えば前記特許文献3および非特許文献3に記載の高脂血症治療薬の新規中間体または前記特許文献9に記載の糖尿病治療薬の新規中間体として有用である。
【0158】
化合物(IV)の中の新規化合物(IVc)が以下の式で示される場合、
【0159】
【化31】

【0160】
[式中、RおよびRは前記と同意義、R1bおよびR4cは独立して炭素数10以下
の分枝状炭化水素基または炭素数10以下の脂環式炭化水素基を示す。]
当該化合物は、例えば前記特許文献3に記載の高脂血症治療薬の新規中間体として有用である。
【0161】
上記、新規中間体(IVd)、(IVe)、(IVf)、(IVg)、(IVh)、(IVi)および(IVj)は、前述の方法に従い、酸化反応により一般式(V)で表されるピリジン化合物に誘導され、さらにシアノ基をアルデヒド基またはケトン基に変換させることにより、前記特許文献3〜8および非特許文献3に記載の高脂血症治療薬や特許文献9に記載の糖尿病治療薬の公知中間体に効率的に誘導される。
また、化合物(IV)は、WO2005/042488に記載の糖尿病治療薬の中間体としても有用である。
【実施例】
【0162】
実施例1
(1)4-メチル-3-オキソペンタンニトリル
【0163】
【化32】

【0164】
1リットル4頸コルベンに窒素気流中、メチルイソブチレート (200g,1.72mol)、アセトニトリル (108ml、2.06mmol)およびジメチルスルホキシド(300ml)を仕込み、室温下攪拌した。ナトリウムメトキシド(111g, 2.06mmol)、ジメチルスルホキシド(100ml)を加え、上記混合物(微黄色懸濁液)をオイルバスで加熱し、窒素気流中90℃付近で4時間反応させた。反応終了後、反応液を氷冷し、水(200ml)、続いて6規定塩酸(540ml)を加えた。分液ロートに移し、水(200ml)を添加後、トルエン(200ml)で3回抽出した。有機層を合わせ、5%重曹水(400ml)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム(100g)で15分間乾燥後、トルエン(150ml)で洗浄した。濾洗液を減圧濃縮し、さらに減圧乾燥して表題化合物(133g)を得た。(収率70%)
1H-NMR (300MHz , TMS , CDCl3) δ(ppm) :1.19(6H, d, J=6.9Hz) , 2.82(1H, sept, J=6.9Hz) , 3.53(2H, s)
【0165】
(2)5-シアノ-6-イソプロピル-2-メチル-4-(2-トリフルオロメチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0166】
【化33】

【0167】
100mlナス型コルベンに4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(2.22g,20mmol)、アセト酢酸メチル(2.15ml,20mmol)、酢酸アンモニウム(1.60g, 20.8mmol)、2-トリフルオロメチルベンズアルデヒド(3.48g,20mmol)、メタノール(13.5ml)およびトルエン(13.5ml)を仕込み、4時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を約半分に減圧濃縮し、メタノール(13.5ml)を加えて同様に減圧濃縮した。この操作を2回繰り返し、濃縮物に水(1.35ml)を加えて加熱還流後、放冷・氷冷して結晶を濾取した。結晶を冷含水メタノール(1:10,5ml)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(6.02g)を得た。(収率83%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.15(3H,d,J=7.0Hz), 1.19(3H,d,J=7.0Hz), 2.40(3H,s), 3.09(1H,sept,J=7.0Hz), 3.48(3H,s), 5.7(1H,br), 7.2-7.3(1H,m), 7.4-7.5(1H,m), 7.61(1H,d,J=7.9Hz)
【0168】
(3)2-イソプロピル-5-オキソ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,4,5,7-テトラヒドロフロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニトリル
【0169】
【化34】

【0170】
50mlナス型コルベンに5-シアノ-6-イソプロピル-2-メチル-4-(2-トリフルオロメチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(1.82g,5mmol)、N-ブロモスクシイミド(979mg,5.5mmol)およびアセトニトリル(18.2ml)を仕込み、室温下1時間攪拌し、続いて5.5時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を放冷・氷冷して晶出した結晶を濾取し、50℃減圧乾燥して表題化合物(1.31g)を得た。(収率75%)
1H-NMR(DMSO-d6,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.19(6H,d,J=6.9Hz), 3.00(1H,sept,J=7.0Hz), 4.84(1H,s), 4.90(2H,dd,J=23 and 16Hz), 7.4-7.6(2H,m), 7.6-7.8(2H,m), 9.9(1H,br)
質量分析:349[M+H]+
【0171】
実施例2
(1)4-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-5-シアノ-6-イソプロピル-2-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0172】
【化35】

【0173】
2-トリフルオロメチルベンズアルデヒドの代わりに3-ブロモ-4-フルオロベンズアルデヒド(4.06g,20mmol)を用いる以外は、実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(5.91g)を得た。(収率75%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.19(3H,d,J=7.0Hz), 1.20(3H,d,J=7.0Hz), 2.39(3H,s), 3.06(1H,sept,J=7.0Hz), 3.61(3H,s), 4.58(1H,s), 5.7(1H,br), 7.04(1H,t,J=8.4Hz), 7.1-7.2(1H,m), 7.37(1H,dd,J=6.5 and 2.2Hz)
【0174】
(2)4-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-2-イソプロピル-5-オキソ-1,4,5,7-テトラヒドロフロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニトリル
【0175】
【化36】

【0176】
50mlナス型コルベンに4-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-5-シアノ-6-イソプロピル-2-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(1.98g,5mmol)、N-ブロモスクシイミド(979mg,5.5mmol)およびアセトニトリル(18.2ml)を仕込み、室温下1時間攪拌し、続いて7時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を放冷・氷冷して晶出した結晶を濾取し、50℃減圧乾燥して表題化合物(1.48g)を得た。(収率78%)
1H-NMR(DMSO-d6,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.19(6H,d,J=6.9Hz), 3.00(1H,sept,J=6.9Hz), 4.64(1H,s), 4.90(2H,dd,J=29 and 16Hz), 7.2-7.4(2H,m), 7.58(1H,dd,J=6.6 and 2.0Hz), 9.9(1H,br)
【0177】
(3)4-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-5-シアノ-2-[2-(ジメチルアミノ)エテニル]-6-イソプロピルニコチン酸メチル
【0178】
【化37】

【0179】
30mlナス型コルベンに4-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-5-シアノ-6-イソプロピル-2-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(395mg,1mmol)およびトリスジメチルアミノメタン(725mg,5mmol)を仕込み、油浴温度70℃で8.5時間反応させた。反応終了後、反応液に水およびエタノールを加え、結晶を晶出させた。濾取した結晶を50℃で減圧乾燥して表題化合物(250mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.33(6H,d,J=6.7Hz), 3.0(6H,br), 3.45(1H,sept,J=6.7Hz), 3.50(3H,s), 5.14(1H,d,J=12Hz), 7.18(1H,t,J=8.4Hz), 7.2-7.3(1H,m), 7.55(1H,dd,J=6.4 and 2.1Hz), 8.04(1H,d,J=12Hz)
質量分析:446[M+H]+
【0180】
実施例3
(1)4-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-6-tert-ブチル-5-シアノ-2-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0181】
【化38】

【0182】
100mlナス型コルベンに4,4-ジメチル-3-オキソペンタンニトリル(2.50g,20mmol)、アセト酢酸メチル(2.15ml,20mmol)、酢酸アンモニウム(1.60g,20.8mmol)、3-ブロモ-4-フルオロベンズアルデヒド(4.06g,20mmol)、メタノール(15.2ml)およびトルエン(15.2ml)を仕込み、11時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を約半分に減圧濃縮し、メタノール(15ml)を加えて同様に減圧濃縮した。この操作を2回繰り返し、濃縮物に水(1.5ml)を加えて加熱還流後、放冷・氷冷して結晶を濾取した。結晶を冷含水メタノール(1:10,7.5ml)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(5.44g)を得た。(収率67%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.39(9H,s), 2.39(3H,s), 3.63(3H,s), 4.58(1H,s), 5.9(1H,br), 7.03(1H,t,J=8.4Hz), 7.1-7.2(1H,m), 7.37(1H,dd,J=6.5 and 2.2Hz)
【0183】
(2)4-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-2-tert-ブチル-5-オキソ-1,4,5,7-テトラヒドロフロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニトリル
【0184】
【化39】

【0185】
50mlナス型コルベンに4-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-6-tert-ブチル-5-シアノ-2-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(2.04g,5mmol)、N-ブロモスクシイミド(979mg,5.5mmol)およびアセトニトリル(20ml)を仕込み、室温下1時間攪拌し、続いて5.5時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を放冷・氷冷して晶出した結晶を濾取し、50℃減圧乾燥して表題化合物(1.46g)を得た。(収率74%)
1H-NMR(DMSO-d6,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.36(9H,s), 4.60(1H,s), 4.86(2H,dd,J=27 and 16Hz), 7.2-7.4(1H,m), 7.38(1H, t, J=8.6Hz), 7.56(1H,dd,J=6.6 and 2.1Hz), 9.36(1H,br)
【0186】
(3)4-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-6-tert-ブチル-5-シアノ-2-[(ピリジン-4-イルチオ)メチル]-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0187】
【化40】

【0188】
100mlナス型コルベンに4-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-6-tert-ブチル-5-シアノ-2-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(2.04g,5mmol)、N-ブロモスクシイミド(979mg,5.5mmol)およびアセトニトリル(19.8ml)を仕込み、室温下1時間攪拌し、続いて4-メルカプトピリジン(556mg,5mmol)およびトリエチルアミン(0.77ml,5.5mmol)を加えて1時間反応させた。反応終了後、反応液に水(40ml)を加え、加熱後、放冷・氷冷し、晶出した結晶を濾取し、アセトニトリル(5ml)で洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(2.03g)を得た。(収率79%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.26(9H,s), 3.71(3H,s), 4.63(1H,s), 4.66(2H,s), 6.9-7.1(2H,m), 7.13(2H,dd,J=4.6 and 1.6Hz), 7.2-7.3(1H,m), 7.4(1H,br), 8.48(2H,dd,J=4.6 and 1.6Hz)
【0189】
(4)4-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-2-tert-ブチル-6-メチル-5-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピロロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニトリル
【0190】
【化41】

【0191】
100mlナス型コルベンに4-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-6-tert-ブチル-5-シアノ-2-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(407mg,1mmol)、N-ブロモスクシイミド(196mg,1.1mmol)およびアセトニトリル(4.1ml)を仕込み、室温下1時間攪拌し、続いて40%メチルアミン・メタノール溶液(0.52ml)を加えて、5時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を氷冷し、晶出した結晶を濾取し、アセトニトリルで洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(147mg)を得た。(収率36%)
1H-NMR(DMSO-d6,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.36(9H,s), 2.78(3H,s), 4.00(2H,dd,J=33 and 19Hz), 4.51(1H,s), 7.2-7.3(1H,m), 7.35(1H, t, J=8.6Hz), 7.50(1H,dd,J=6.7 and 2.0Hz), 8.99(1H,br)
【0192】
実施例4
5-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0193】
【化42】

【0194】
50mlナス型コルベンに4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(2.22g, 20mmol)、アセト酢酸メチル(2.32g, 20mmol)、酢酸アンモニウム(1.60g, 20.8mmol)、4-フルオロベンズアルデヒド(2.48g, 20mmol)、メタノール(13.4ml)およびトルエン(13.4ml)を仕込み、4時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を約半分に減圧濃縮し、メタノール(13.4ml)を加えて同様に約半量まで減圧濃縮した。この操作をさらに2回繰り返し、濃縮物に水(1.34ml)を加えて加熱還流後、放冷・氷冷して結晶を濾取した。結晶を冷水/メタノール(1/10, 5ml)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して、表題化合物(5.00g)を得た。(収率80%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.19 (6H, t, J = 7.1 Hz), 2.37 (3H, s), 3.05 (1H, sept, J = 7.0 Hz), 3.59 (3H, s), 4.59 (1H, s), 5.66 (1H, s), 6.97 (2H, t, J = 8.7 Hz), 7.15-7.25 (2H, m)
元素分析 (C18H19N2O2F)
理論値 C, 68.77; H, 6.09; N, 8.91
実測値 C, 68.68; H, 6.03; N, 8.95
質量分析 (C18H19N2O2F)
理論値 314.35
実測値 315 [M+H]+
【0195】
実施例5
4-(3-クロロフェニル)-5-シアノ-6-イソプロピル-2-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0196】
【化43】

【0197】
3-クロロベンズアルデヒド(2.81g, 20mmol)、4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(2.22g, 20mmol)、アセト酢酸メチル(2.32g, 20mmol)および酢酸アンモニウム(1.60g, 20.8mmol)から、実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(4.05g)を得た。母液を濃縮し、濃縮物をメタノールで再結晶して、第二結晶(536mg)を得た。(合計収率69%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.19 (3H, d, J = 7.0 Hz), 1.20 (3H, d, J =7.0 Hz), 2.39 (3H, s), 3.06 (1H, sept, J = 7.0 Hz), 3.60 (3H, s), 4.59 (1H, s),5.71 (1H, s), 7.1-7.3 (4H, m)
元素分析(C18H19N2O2Cl)
理論値 C, 65.35; H, 5.79; N, 8.47
実測値 C, 65.31; H, 5.75; N, 8.48
質量分析 (C18H19N2O2Cl)
理論値 330.81
実測値 331 [M+H]+
【0198】
実施例6
5'-シアノ-6'-イソプロピル-2',6-ジメチル-1',4'-ジヒドロ-2,4'-ビピリジン-3'-カルボン酸メチル
【0199】
【化44】

【0200】
6-メチルピリジン-2-アルデヒド(1.21g, 10mmol)、4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(1.11g, 10mmol)、アセト酢酸メチル(1.16g, 10mmol)および酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)から、実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(1.87g)を得た。(収率60%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.17 (3H, d, J = 7.1 Hz), 1.19 (3H, d, J =7.1 Hz), 2.38 (3H, s), 3.08 (1H, sept, J = 7.0 Hz), 3.58 (3H, s), 4.74 (1H, s),5.69 (1H, s), 6.95 (1H, d, J = 3.4 Hz), 6.97 (1H, d, J = 3.4 Hz), 7.47 (1H, t, J = 7.7 Hz)
元素分析 (C18H21N3O2)
理論値 C, 69.43; H, 6.80; N, 13.49
実測値 C, 69.24; H, 6.73; N, 13.52
質量分析 (C18H21N3O2)
理論値 311.38
実測値 312 [M+H]+
【0201】
実施例7
5'-シアノ-6'-イソプロピル-2'-メチル-1',4'-ジヒドロ-3,4'-ビピリジン-3'-カルボン酸メチル
【0202】
【化45】

【0203】
ニコチンアルデヒド(1.07g, 10mmol)、4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(1.11g, 10mmol)、アセト酢酸メチル(1.16g, 10mmol)および酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)から、実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(1.69g)を得た。(収率57%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.17 (3H, d, J = 7.0 Hz), 1.21 (3H, d, J =7.0 Hz), 2.37 (3H, s), 3.06 (1H, sept, J = 7.0 Hz), 3.60 (3H, s), 4.62 (1H, s),6.33 (1H, s), 7.2-7.3 (1H, m), 7.65-7.75 (1H, m), 8.45-8.55 (2H, m)
元素分析 (C17H19N3O2)
理論値 C, 68.67; H, 6.44; N, 14.13
実測値 C, 68.51; H, 6.58; N, 14.12
質量分析 (C17H19N3O2)
理論値 297.35
実測値 298 [M+H]+
【0204】
実施例8
5-シアノ-4-(1H-イミダゾール-4-イル)-6-イソプロピル-2-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0205】
【化46】

【0206】
4-ホルミルイミダゾール(0.96g, 10mmol)、4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(1.11g, 10mmol)、アセト酢酸メチル(1.16g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、2.5時間加熱還流させた。反応液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(2.46g)を得た。(収率86%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.17 (3H, d, J = 7.0 Hz), 1.19 (3H, d, J =7.0 Hz), 2.02 (1H, d, J = 10.5 Hz), 2.17 (3H, s), 3.02 (1H, sept, J = 7.0 Hz), 3.66 (3H, s), 4.72 (1H, s), 6.39 (1H, s), 6.83 (1H, d, J = 0.7 Hz), 7.56 (1H, d,J = 1.0 Hz)
質量分析 (C15H18N4O2)
理論値 286.33
実測値 287 [M+H]+
【0207】
実施例9
5-シアノ-6-イソプロピル-4-(5-メチルフラン-2-イル)-2-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0208】
【化47】

【0209】
5-メチル-2-フルアルデヒド(1.10g, 10mmol)、4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(1.11g, 10mmol)、アセト酢酸メチル(1.16g, 10mmol)および酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)から、実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(1.82g)を得た。母液を濃縮し、濃縮物をメタノールで再結晶して、第二結晶(230mg)を得た。(合計収率68%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.19 (6H, dd, J = 7.0, 1.1 Hz), 2.22 (3H, s), 2.35 (3H, s), 3.10 (1H, sept, J = 7.0 Hz), 3.67 (3H, s), 4.70 (1H, s), 5.74 (1H, s), 5.83 (1H, dd, J = 3.0, 1.0 Hz), 5.90 (1H, d, J = 3.0 Hz)
質量分析 (C17H20N2O3)
理論値 300.35
実測値 300 [M+]
【0210】
実施例10
5-シアノ-4,6-ジイソプロピル-2-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0211】
【化48】

【0212】
イソブチルアルデヒド(0.72g, 10mmol)、4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(1.11g, 10mmol)、アセト酢酸メチル(1.16g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、5時間加熱還流させた。反応液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(1.77g)を得た。(収率64%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.80 (3H, d, J = 6.9 Hz), 0.96 (3H, d, J =6.9 Hz), 1.17 (3H, d, J = 7.0 Hz), 1.21 (3H, d, J = 7.0 Hz), 1.65-1.80 (1H, m),2.31 (3H, s), 3.16 (1H, sept, J = 7.0 Hz), 3.49 (1H, d, J = 4.0 Hz), 3.71 (3H, s), 5.65 (1H, s)
質量分析 (C15H22N2O2)
理論値 262.35
実測値 263 [M+H]+
【0213】
実施例11
5-シアノ-6-(1-エチルプロピル)-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0214】
【化49】

【0215】
(1)2-エチル-n-酪酸エチル(20g, 139mmol)とアセトニトリル(8.7ml, 166mmol)から、実施例1-(1)と同様の方法により4-エチル-3-オキソヘキサンニトリル(13.5g)を得た。(収率70%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.96 (6H, t, J = 7.4 Hz), 1.5-1.7 (4H, m),2.55 (1H, sept, J = 6.7 Hz), 3.48 (2H, s)
【0216】
(2)4-エチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.39g, 10mmol)、アセト酢酸メチル(1.16g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)およびp-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)から、実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(1.98g)を得た。(収率58%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.86 (3H, t, J = 7.4 Hz), 0.93 (3H, t, J =7.4 Hz), 1.3-1.5 (2H, m), 1.5-1.7 (2H, m), 2.30 (3H, s), 2.37 (3H, s), 2.57 (1H, sept, J = 5.0 Hz), 3.58 (3H, s), 4.57 (1H, s), 5.60 (1H, s), 7.0-7.2 (4H, m)
元素分析 (C21H26N2O2)
理論値 C, 74.52; H, 7.74; N, 8.28
実測値 C, 74.48; H, 7.61; N, 8.29
質量分析 (C21H26N2O2)
理論値 338.44
実測値 339 [M+H]+
【0217】
実施例12
5-シアノ-6-tert-ブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0218】
【化50】

【0219】
4,4-ジメチル-3-オキソペンタンニトリル(1.25g, 10mmol)、アセト酢酸メチル(1.16g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)および p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)から実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(2.06g)を得た。(収率64%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.37 (9H, s), 2.30 (3H, s), 2.36 (3H, s), 3.61 (3H, s), 4.56 (1H, s), 5.87 (1H, s), 7.05-7.15 (4H, m).
元素分析 (C20H24N2O2)
理論値 C, 74.04; H, 7.46; N, 8.64
実測値 C, 73.79; H, 7.32; N, 8.48
質量分析 (C20H24N2O2)
理論値 324.42
実測値 325 [M+H]+
【0220】
実施例13
5-シアノ-6-シクロヘキシル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0221】
【化51】

【0222】
(1)シクロヘキサンカルボン酸メチル(10g, 70.3mmol)とアセトニトリル(4.4ml, 84.4mmol)から、実施例1-(1)と同様の方法により、3-シクロヘキシル-3-オキソプロパンニトリル(8.48g)を得た。(収率80%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.1-1.5 (5H, m), 1.6-2.0 (5H, m), 2.45-2.60 (1H, m), 3.53 (2H, s)
【0223】
(2)3-シクロヘキシル-3-オキソプロパンニトリル(1.51g, 10mmol)、アセト酢酸メチル(1.16g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)および p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)から、実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(2.91g)を得た。(収率83%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.1-1.5 (5H, m), 1.7-1.9 (5H, m), 2.30 (3H, s), 2.35 (3H, s), 2.65-2.80 (1H, m), 3.58 (3H, s), 4.55 (1H, s), 5.71 (1H, s),7.05-7.15 (4H, m)
元素分析 (C22H26N2O2)
理論値 C, 75.40; H, 7.48; N, 7.99
実測値 C, 75.23; H, 7.65; N, 7.99
質量分析 (C22H26N2O2)
理論値 350.45
実測値 351 [M+H]+
【0224】
実施例14
5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-フェニル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0225】
【化52】

【0226】
ベンゾイルアセトニトリル(1.45g, 10mmol)、アセト酢酸メチル(1.16g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)および p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)から、実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(3.03g)を得た。(収率88%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 2.33 (3H, s), 2.42 (3H, s), 3.62 (3H, s), 4.72 (1H, s), 6.01 (1H, s), 7.13 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.22 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.3-7.6 (5H, m).
質量分析 (C22H20N2O2)
理論値 344.41
実測値 [M+H]+
【0227】
実施例15
5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-(2-チエニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0228】
【化53】

【0229】
2-テノイルアセトニトリル(1.51g, 10mmol)、アセト酢酸メチル(1.16g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(20.8mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、9.5時間加熱還流させた。反応液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィ-で精製し、含水メタノールで再結晶することにより、表題化合物(1.03g)を得た。(収率29%)
1H-NMR (DMSO-d6, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 2.25 (3H, s), 2.35 (3H, s), 2.48 (1H, m), 3.50 (3H, s), 4.51 (1H, s), 7.0-7.25 (4H, m), 7.53 (1H, dd, J = 3.7, 1.1 Hz), 7.79 (1H, dd, J = 5.0, 1.1 Hz), 9.34 (1H, s)
【0230】
実施例16
6-(1,1'-ビフェニル-4-イル)-5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0231】
【化54】

【0232】
(1)4-ビフェニルカルボン酸メチル(10g, 47.1mmol)とアセトニトリル(2.95ml, 56.5mmol)から、実施例1-(1)と同様の方法により、3-(1,1'-ビフェニル-4-イル)-3-オキソプロパンニトリル(3.39g)を得た。(収率33%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 4.10 (2H, s), 7.40-7.55 (3H, m), 7.63 (2H,dd, J = 8.1, 1.4 Hz), 7.74 (2H, dd, J = 6.8, 1.8 Hz), 8.00 (2H, dd, J = 6.8, 1.8 Hz)
【0233】
(2)3-(1,1'-ビフェニル-4-イル)-3-オキソプロパンニトリル(2.21g, 10mmol)、アセト酢酸メチル(1.16g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(20.8mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)、メタノール(10ml)およびトルエン(10ml)を仕込み、9時間加熱還流させた。反応液を約半量まで減圧濃縮し、メタノール(10ml)を加えて再度約半量まで減圧濃縮した。この操作をさらに2回繰り返し、濃縮物に水(1.0ml)を加えて加熱還流後、放冷・氷冷して結晶をろ取した。結晶を冷精製水/メタノール(1/10, 10ml)でふりかけ洗浄し、表題化合物(3.53g)を得た。(収率84%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 2.34 (3H, s), 2.46 (3H, s), 3.64 (3H, s), 4.75 (1H, s), 6.00 (1H, s), 7.14 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.35-7.55 (4H, m), 7.55-7.70 (7H, m)
質量分析 (C28H24N2O2)
理論値 420.50
実測値 420 [M+]
【0234】
実施例17
5-シアノ-6-シクロヘキシル-4-イソプロピル-2-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0235】
【化55】

【0236】
3-シクロヘキシル-3-オキソプロパンニトリル(1.51g, 10mmol)、イソブチルアルデヒド(0.72g, 10mmol)、アセト酢酸メチル(1.16g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、5時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を約半分に減圧濃縮し、メタノール(6.7ml)を加えて同様に減圧濃縮した。この操作をさらに2回繰り返し、濃縮物に水(1.34ml)を加えて加熱還流後、放冷・氷冷して結晶を濾取した。結晶を冷水/メタノール(1/5, 2mlx2)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物を得た。(収率52%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.79 (3H, d, J = 6.9 Hz), 0.93 (3H, d, J =6.9 Hz), 1.1-1.5 (5H, m), 1.65-1.95 (6H, m), 2.31 (3H, s), 2.7-2.9 (1H, m), 3.48 (1H, d, J = 4.0Hz), 3.70 (3H, s), 5.83 (1H, s)
【0237】
実施例18
5-シアノ-4,6-ジシクロヘキシル-2-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0238】
【化56】

【0239】
3-シクロヘキシル-3-オキソプロパンニトリル(1.51g, 10mmol)、シクロヘキサンカルボアルデヒド(1.12g, 10mmol)、アセト酢酸メチル(1.16g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、5時間加熱還流させた。反応液を減圧濃縮し、濃縮物をヘキサン/酢酸エチルで再結晶して、表題化合物(1.58g)を得た。(収率46%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.8-1.0 (1H, m), 1.05-1.95 (20H, m), 2.30 (3H, s), 2.7-2.9 (1H, m), 3.47 (1H, d, J = 3.9Hz), 3.71 (3H, s), 5.68 (1H, s)
元素分析 (C21H30N2O2)
理論値 C, 73.65; H, 8.83; N, 8.18
実測値 C, 73.89; H, 8.66; N, 8.26
【0240】
実施例19
2-イソプロピル-4-(4-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-3-カルボニトリル
【0241】
【化57】

【0242】
シクロヘキサノン(981mg, 10mmol)、4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(1.11g, 10mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、4時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を約半分に減圧濃縮し、メタノール(6.7ml)を加えて同様に約半量まで減圧濃縮した。この操作をさらに2回繰り返し、濃縮物に水(0.67ml)を加えて加熱還流後、放冷・氷冷して結晶をろ取した。冷水/メタノール(1/10, 2mlx2)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して、白色結晶(1.78g)を得た(ジヒドロピリジン/ピリジン=3.7/1 (1H NMRのプロトン比))。この結晶(1.5g)とアセトニトリル(90ml)を100mlナスフラスコに仕込み、室温で硝酸二アンモニウムセリウム(2.81g, 5.1mmol)を添加し、同温度で0.5時間攪拌した。水(20ml)を添加し、酢酸エチル(50ml+10ml)で抽出した。有機層を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(20ml)および水(20ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して表題化合物(1.48g)を得た。(通算収率61%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.35 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.65-1.79 (2H, m), 1.80-1.95 (2H, m), 2.41 (3H, s), 2.46 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.00 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.52 (1H, sept, J = 6.8 Hz), 7.13 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.29 (2H, d, J = 8.0 Hz)
質量分析 (C20H22N2)
理論値 290.40
実測値 291 [M+H]+
【0243】
実施例20
2-イソプロピル-4-(4-メチルフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-3-カルボニトリル
【0244】
【化58】

【0245】
シクロペンタノン(841mg, 10mmol)、4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(1.11g, 10mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、4時間加熱還流させた。反応終了後、溶媒を留去し、濃縮物にアセトニトリル(60ml)を加え、室温で硝酸二アンモニウムセリウム(2.74g, 5mmol)を添加し、同温度で1時間攪拌した。反応溶液に、水(20ml)を添加し、酢酸エチル(30ml+10ml)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(1.38g)を得た。(通算収率50%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.37 (6H, d, J = 6.8 Hz), 2.10 (2H, quint,J = 7.5 Hz), 2.42 (3H, s), 2.84 (2H, t, J = 7.4 Hz), 3.11 (2H, t, J = 7.7 Hz), 3.62 (1H, sept, J = 6.8 Hz), 7.30 (4H, s).
質量分析 (C19H20N2)
理論値 276.38
実測値 277 [M+H]+
【0246】
実施例21
(1)4-(4-フルオロフェニル)-2-イソプロピル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-インデノ[1,2-b]ピリジン-3-カルボニトリル
【0247】
【化59】

【0248】
100mlナス型コルベンに4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(2.22g,20mmol)、1,3-インダンジオン(2.92g,20mmol)、酢酸アンモニウム(1.60g,20.8mmol)、4-フルオロベンズアルデヒド(2.48g,20mmol)、メタノール(13.5ml)およびトルエン(13.5ml)を仕込み、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、濃縮残さにメタノール(13.5ml)を加えて加熱還流後、放冷・氷冷して結晶を濾取した。結晶を冷メタノール(5ml)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(2.98g)を得た。(収率43%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.32(3H,d,J=6.9Hz), 1.33(3H,d,J=6.9Hz), 3.29(1H,sept,J=6.9Hz), 4.64(1H,s), 6.6(1H,br), 6.9-7.2(3H,m), 7.2-7.4(5H,m)
【0249】
(2)4-(4-フルオロフェニル)-2-イソプロピル-5-オキソ-5H-インデノ[1,2-b]ピリジン-3-カルボニトリル
【0250】
【化60】

【0251】
100mlナス型コルベンに4-(4-フルオロフェニル)-2-イソプロピル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-インデノ[1,2-b]ピリジン-3-カルボニトリル(2.95g,8.57mmol)およびアセトニトリル(29.5ml)を仕込み、硝酸二アンモニウムセリウム(4.70g,8.57mmol)を加えて、室温下10時間反応させた。反応終了後、反応液に水(60ml)を加え、酢酸エチル(60ml)で2回抽出した。有機層を合わせ、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液(4X100ml)および水(100ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して表題化合物(2.04g)を得た。(収率70%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ (ppm):1.45(6H,d,J=6.7Hz), 3.68(1H,sept,J=6.7Hz),7.21(2H,d,J=8.7Hz) 7.4-7.6(2H,m), 7.6-7.8(2H,m), 8.00(2H,d,J=7.4Hz)
【0252】
実施例22
4-(4-フルオロフェニル)-2-イソプロピル-6-フェニルニコチノニトリル
【0253】
【化61】

【0254】
100mlナス型コルベンに4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(2.22g,20mmol)、アセトフェノン(2.33ml,20mmol)、酢酸アンモニウム(1.60g,20.8mmol)、4-フルオロベンズアルデヒド(2.48g,20mmol)、メタノール(13.5ml)およびトルエン(13.5ml)を仕込み、16時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、濃縮残さにメタノール(13.5ml)を加えて加熱還流後、放冷・氷冷して結晶を濾取した。結晶を冷メタノール(5ml)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(1.86g)を得た(ジヒドロピリジン環が反応途中で酸化されてピリジン体として得られた)。結晶母液から第二結晶(0.47g)を取得した。(合計収率37%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ (ppm) :1.46(6H,d,J=6.7Hz), 3.70(1H,sept,J=6.7Hz), 7.2-7.3(2H,m), 7.4-7.6(3H,m), 7.6-7.7(3H,m), 8.1-8.2(2H,m),
【0255】
実施例23
4-(4-フルオロフェニル)-2-イソプロピル-5,6-ジフェニル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル
【0256】
【化62】

【0257】
100mlナス型コルベンに4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(2.22g,20mmol)、デオキシベンゾイン(3.92g,20mmol)、酢酸アンモニウム(1.60g,20.8mmol)、4-フルオロベンズアルデヒド(2.48g,20mmol)、メタノール(13.5ml)およびトルエン(13.5ml)を仕込み、16時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、濃縮残さに酢酸エチル(15ml)を加えて加熱還流後、放冷・氷冷して結晶を濾取した。結晶を冷酢酸エチル(3ml)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(2.86g)を得た。結晶母液から第二結晶(0.97g)を取得した。(合計収率53%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ (ppm) :1.19(6H,d,J=7.0Hz), 1.28(6H,d,J=7.0Hz), 3.13(1H,sept,J=7.0Hz), 4.43(1H,s), 5.78(1H,br), 6.7-6.9(2H,m), 6.9-7.1(5H,m), 7.1-7.4(7H,m)
【0258】
実施例24
2-イソプロピル-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル
【0259】
【化63】

【0260】
50mlナス型コルベンに3,4-ジメトキシフェニルアセトン(1.94g, 10mmol)、4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(1.11g, 10mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、4時間加熱還流させた。反応終了後、実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(2.68g)を得た。(収率69%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.22 (3H, d, J = 7.1 Hz), 1.25 (3H, d, J =7.1 Hz), 1.84 (3H, s), 2.31 (3H, s), 3.10 (1H, sept, J = 7.0 Hz), 3.68 (3H, s),3.83 (3H, s), 4.24 (1H, s), 5.35 (1H, s), 6.40 (1H, s), 6.51 (1H, d, J = 8.3 Hz), 6.71 (3H, d, J = 8.3 Hz), 7.07 (4H, s)
元素分析 (C25H28N2O2)
理論値 C, 77.29; H, 7.26; N, 7.21
実測値 C, 77.09; H, 7.31; N, 7.15
【0261】
実施例25
2-tert-ブチル-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル
【0262】
【化64】

【0263】
4,4-ジメチル-3-オキソペンタンニトリル(1.25g, 10mmol)、3,4-ジメトキシフェニルアセトン(1.94g, 10mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)および酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)から、実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(2.36g)を得た。(収率59%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.40 (9H, s), 1.86 (3H, s), 2.30 (3H, s), 3.68 (3H, s), 3.82 (3H, s), 4.20 (1H, s), 5.57 (1H, s), 6.42 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.51 (1H, dd, J = 8.2, 2.0 Hz), 6.70 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.06 (4H, s).
元素分析 (C26H30N2O2)
理論値 C, 77.58; H, 7.51; N, 6.96
実測値 C, 77.58; H, 7.39; N, 6.93
質量分析 (C26H30N2O2)
理論値 402.53
実測値 402 [M+]
【0264】
実施例26
5-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-2-フェニル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル
【0265】
【化65】

【0266】
ベンゾイルアセトニトリル(1.45g, 10mmol)、3,4-ジメトキシフェニルアセトン(1.94g,10mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)および酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)から、実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(2.67g)を得た。(収率63%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.90 (3H, s), 2.32 (3H, s), 3.69 (3H, s), 3.83 (3H, s), 4.36 (1H, s), 5.67 (1H, s), 6.46 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.56 (1H, d,J = 8.3 Hz), 6.72 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.11 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.17 (1H, d, J= 7.9 Hz), 7.4-7.5 (3H, m), 7.55-7.65 (2H, m)
元素分析 (C28H26N2O2)
理論値 C, 79.59; H, 6.20, N, 6.63
実測値 C, 79.82; H, 6.22; N, 6.61
質量分析 (C28H26N2O2)
理論値 422.52
実測値 422 [M+]
【0267】
実施例27
2-(1-エチルプロピル)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル
【0268】
【化66】

【0269】
4-エチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.39g, 10mmol)、3,4-ジメトキシフェニルアセトン(1.94g, 10mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)および酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)から、実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(2.48g)を得た。(収率60%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.96 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.01 (3H, d, J =6.6 Hz), 1.80 (3H, s), 1.96 (1H, sept, J = 6.8 Hz), 2.19 (1H, dd, J = 14.0, 7.3Hz), 2.29 (3H, s), 2.33 (1H, dd, J = 14.0, 7.8 Hz), 3.65 (3H, s), 3.81 (3H, s),4.23 (1H, s), 5.53 (1H, s), 6.38 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.50 (1H, dd, J = 8.2, 2.0 Hz), 6.69 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.07 (4H, s)
元素分析 (C27H32N2O2)
理論値 C, 77.85; H, 7.74; N, 6.73
実測値 C, 77.92; H, 7.55; N, 6.76
【0270】
実施例28
2-シクロヘキシル-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル
【0271】
【化67】

【0272】
3-シクロヘキシル-3-オキソプロパンニトリル(1.39g, 10mmol)、3,4-ジメトキシフェニルアセトン(1.94g, 10mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、2時間加熱還流させた。反応液を濃縮し、濃縮物をヘキサン/酢酸エチルで再結晶して、表題化合物(3.04g)を得た。(収率71%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.1-1.5 (5H, m), 1.7-2.0 (5H, m), 1.81 (3H, s), 2.29 (3H, s), 2.65-2.80 (1H, m), 3.66 (3H, s), 3.81 (3H, s), 4.22 (1H, s),5.38 (1H, s), 6.38 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.49 (1H, dd, J = 8.2, 2.0 Hz), 6.69 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.05 (4H, s)
元素分析 (C28H32N2O2)
理論値 C, 78.47; H, 7.53; N, 6.54
実測値 C, 78.52; H, 7.44; N, 6.48
【0273】
実施例29
2-イソブチル-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル
【0274】
【化68】

【0275】
5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.25g, 10mmol)、3,4-ジメトキシフェニルアセトン(1.94g, 10mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、2時間加熱還流させた。反応液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(2.78g)を得た。(収率69%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.96 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.01 (3H, d, J =6.6 Hz), 1.80 (3H, s), 1.96 (1H, sept, J = 6.8 Hz), 2.19 (1H, dd, J = 14.0, 7.3Hz), 2.29 (3H, s), 2.33 (1H, dd, J = 14.0, 7.8 Hz), 3.65 (3H, s), 3.81 (3H, s),4.23 (1H, s), 5.53 (1H, s), 6.38 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.50 (1H, dd, J = 8.2, 2.0 Hz), 6.69 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.07 (4H, s).
質量分析 (C26H30N2O2)
理論値 402.53
実測値 402 [M+]
【0276】
実施例30
5-(4-ヒドロキシフェニル)-2-イソプロピル-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチノニトリル
【0277】
【化69】

【0278】
100mlナス型コルベンに4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(3.52g,31.7mmol)、 4-ヒドロキシフェニルアセトン(4.76g,31.7mmol)、酢酸アンモニウム(2.54g,33.0mmol)、 p-トルアルデヒド(3.81g,31.7mmol)、メタノール(21.4ml)およびトルエン(21.4ml)を仕込み、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、濃縮残さにメタノール(10ml)および水(1ml)を加えて加熱還流させた。放冷・氷冷して結晶を濾取し、50℃減圧乾燥して、ジヒドロピリジン環が酸化された表題化合物(1.15g)を得た。
上記結晶母液を減圧濃縮し、残さを1,2-ジメトキシエタン(50ml)に溶解後、2規定硝酸(40ml)および硝酸二アンモニウムセリウム(17.5g)/アセトニトリル(15ml)と反応させた。反応終了後、反応液を4規定水酸化ナトリウム水溶液(25ml)で中和し、酢酸エチル(50mlX3)で抽出した。有機層を合わせ、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液(50ml)および水(100ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残さを含水メタノールで洗浄、減圧乾燥して表題化合物(2.45g)を得た。結晶母液を減圧濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(1:2))で精製し、含水メタノールで洗浄、減圧乾燥して表題化合物(2.66g)を得た。(合計収率57%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.40(6H,d,J=6.8Hz), 2.27(3H,s), 2.41(3H,s), 3.60(1H,sept,J=6.7Hz), 4.9(1H,br), 6.68(1H,d,J=8.6Hz), 6.83(1H,d,J=8.6Hz), 6.94(1H,d,J=8.0Hz), 7.03(1H,d,J=8.0Hz)
【0279】
実施例31
2-tert-ブチル-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-4-(4-フルオロフェニル)-6-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル(無溶媒反応)
【0280】
【化70】

【0281】
50mlナス型コルベンに4,4-ジメチル-3-オキソペンタンニトリル(1.25g, 10mmol)、3,4-ジメトキシフェニルアセトン(1.94g, 10mmol)、p-フルオロベンズアルデヒド(1.24g, 10mmol)および酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)を仕込み、室温で約4時間攪拌した。反応懸濁液にメタノール(6.7ml)を添加すると、一旦結晶が溶解したが、すぐに再度結晶が晶出した。水(0.67ml)を添加して室温で1時間攪拌した後、氷冷下で1時間熟成させた後、結晶をろ取し、冷メタノール/水(10/1, 2mlx2)で洗浄し、50℃減圧乾燥して、表題化合物(2.32g)を得た。(収率57%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.41 (9H, s), 1.85 (3H, s), 3.69 (3H, s), 3.83 (3H, s), 4.25 (1H, s), 5.60 (1H, s), 6.40 (1H, d, J = 1.9 Hz), 6.47 (1H, dd, J = 8.2, 2.0 Hz), 6.71 (1H, d, J = 8.2 Hz), 6.95 (2H, t, J = 8.7 Hz), 7.05-7.20 (2H, m)
【0282】
実施例32
4-シクロヘキシル-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-2-イソプロピル-6-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル
【0283】
【化71】

【0284】
50mlナス型コルベンに3,4-ジメトキシフェニルアセトン(1.94g, 10mmol)、4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(1.11g, 10mmol)、シクロヘキサンカルボアルデヒド(1.12g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、4時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、含水メタノールで再結晶して、表題化合物(776mg)を得た。(収率20%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.80-1.15 (3H, m), 1.20 (3H, d, J = 7.0 Hz), 1.23 (3H, d, J = 7.0 Hz), 1.30-1.75 (8H, m), 1.76 (3H, s), 3.17 (1H, sept, J = 7.0 Hz), 3.22 (1H, s), 3.88 (3H, s), 3.88 (3H, s), 5.23 (1H, s), 6.68 (1H, s),6.70 (1H, d, J = 8.7 Hz), 6.83 (1H, d, J = 8.7 Hz)
質量分析 (C24H32N2O2)
理論値 380.52
実測値 381 [M+H]+
【0285】
実施例33
5-(3,4-ジメトキシフェニル)-2,4-ジイソプロピル-6-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル
【0286】
【化72】

【0287】
50mlナス型コルベンに3,4-ジメトキシフェニルアセトン(1.94g, 10mmol)、4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(1.11g, 10mmol)、イソブチルアルデヒド(721mg, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、4.5時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(283mg)を得た。(収率8%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.78 (3H, d, J = 6.9 Hz), 0.96 (3H, d, J =6.9 Hz), 1.20 (3H, d, J = 7.0 Hz), 1.24 (3H, d, J = 7.0 Hz), 1.65-1.85 (1H, m),1.77 (3H, s), 3.18 (1H, sept, J = 7.0 Hz), 3.28 (1H, s), 3.88 (6H, s), 5.28 (1H, s), 6.6-6.7 (2H, m), 6.82 (1H, d, J = 8.2 Hz)
【0288】
実施例34
(1)5-シアノ-6-イソプロピル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0289】
【化73】

【0290】
1リットル4頸コルベンに4-メチル-3-オキソペンタンニトリル(44.5g,400mmol)、アセト酢酸メチル(46.4g,400mmol)、酢酸アンモニウム(30.8g,400mmol)、p-トルアルデヒド(48.1g,400mmol)、メタノール(271ml)およびトルエン(271ml)を仕込み、4時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を約半分に減圧濃縮し、メタノール(271ml)を加えて同様に減圧濃縮した。この操作を2回繰り返し、濃縮物に水(27ml)を加えて加熱還流後、放冷・氷冷して結晶を濾取した。結晶を冷含水メタノール(1:105ml)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(107g)を得た。(収率86%)
【0291】
(2)5-シアノ-6-イソプロピル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル
【0292】
【化74】

【0293】
1リットル4頸コルベンに5-シアノ-6-イソプロピル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(100g,322mmol)および1,2-ジメトキシエタン(700ml)を仕込み、内温70℃に加熱させた。同温度にて2規定硝酸(161ml)を1時間17分かけて滴下した(反応の進行に伴い、懸濁状態から溶液状態となる)。 同温度にて45分間反応後、放冷・氷冷し、1規定水酸化ナトリウム水溶液(140ml)および水(400ml)を加えた。0-10℃で1時間熟成後、晶出した結晶を濾取し、冷含水1,2-ジメトキシエタン (1:1,100ml)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(91.5g)を得た。(収率93%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.36(6H,d,J=6.8Hz), 2.40(3H,s), 2.61(3H,s), 3.5-3.6(4H,m), 7.2-7.3(4H,m)
【0294】
(3)5-シアノ-2-[2-(ジメチルアミノ)エテニル]-6-イソプロピル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル
【0295】
【化75】

【0296】
300mlナス型コルベンに5-シアノ-6-イソプロピル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル(20g,64.9mmol)、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(17.3ml,130mmol)、ピペリジン(0.64ml,6.5mmmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド(30ml)を仕込み、内温90-100℃で40時間反応させた。反応終了後、反応液に水(30ml)およびメタノール(30ml)を加え、結晶を晶出させた。濾取した結晶を50℃で減圧乾燥して表題化合物(17.3g)を得た。(収率73%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.33(6H,d,J=6.7Hz), 2.38(3H,s), 2.98(6H,s), 3.4-3.5(4H,m), 5.14(1H,d,J=12.3Hz), 7.2-7.3(4H,m), 8.01(1H,d,J=12.3Hz)
【0297】
実施例35
(1)5-シアノ-6-tert-ブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0298】
【化76】

【0299】
4,4-ジメチル-3-オキソペンタンニトリル(50.1g,400mmol)を用い、実施例34-(1)と同様の方法により、表題化合物(81g)を得た。(収率62%)
【0300】
(2)5-シアノ-6-tert-ブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル
【0301】
【化77】

【0302】
1リットル4頸コルベンに5-シアノ-6-tert-ブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(75.7g,220mmol)および1,2-ジメトキシエタン(379ml)を仕込み、内温70℃に加熱させた。同温度にて2規定硝酸(110ml)を1時間17分かけて滴下した。同温度にて1時間20分間反応後、放冷・氷冷し、1規定水酸化ナトリウム水溶液(60ml)および水(209ml)を加えた。0-10℃で1時間熟成後、晶出した結晶を濾取し、冷含水1,2-ジメトキシエタン(1:1,100ml)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(61.1g)を得た。(収率86%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.57(9H,s), 2.40(3H,s), 2.61(3H,s), 3.57(3H,s), 7.2-7.3(4H,m)
【0303】
実施例36
(1)5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリル
【0304】
【化78】

【0305】
1リットル4頸コルベンに窒素気流下室温で、tert-ブチル酢酸エチル(120g, 0.832mol)、ジメチルスルホキシド(240ml)、ナトリウムメトキシド(67.4g, 1.25mol)、アセトニトリル(65.1ml, 1.25mol)およびアニソール(9.00g, 83.2mmol, 内部標準)を仕込み、内温90-95℃で3時間反応させた。反応終了後、氷冷下で反応液に水(120ml)を加え、さらに6規定塩酸(280ml、3.24mol)を加え、pH1-2とした。分液ロートに移し、トルエン(240mlx2)で抽出した。有機層を合わせ、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(240mlx2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(60g)で乾燥して、5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリル(96.7g)のトルエン溶液を得た。(収率83%、HPLC絶対検量線より算出)
【0306】
別途同様の方法にて合成した5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリルを蒸留にて単離し[93-95℃/3mmHg、1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm): 1.05 (9H, s), 2.49 (2H, s), 3.47 (2H, s)]、これを標品としてHPLC分析により上記トルエン溶液中の含量を測定した。
HPLC分析条件 カラム:YMC A-302 (4.6mm I.D. x 150mm)
移動相:0.05M KH2PO4/MeCN = 7/3
流速:1.0ml/min
検出:UV220nm
温度:25℃
【0307】
(2)5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0308】
【化79】

【0309】
2リットル4頸コルベンに5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリル(96.69g, 694mmol)のトルエン溶液、メタノール(347ml)、p-トルアルデヒド(83.46g, 694mmol)およびアセト酢酸メチル(80.66g, 694mmol)を仕込み、室温で酢酸アンモニウム(56.22g)を添加した。内温65-70℃で12時間反応させ、反応終了後、室温まで放冷した後、反応液に10%食塩水(483.5ml)を加えて分液した。水層をトルエン(290ml)で抽出し、有機層をあわせて5%重曹水(484ml)、10%食塩水(484ml)の順で洗浄した。有機層を435gに濃縮し、1,2-ジメトキエタン(676ml)を加えて580gに濃縮し、表題化合物の1,2-ジメトキエタン溶液を得た。
【0310】
(3)5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルニコチン酸メチル
【0311】
【化80】

【0312】
2リットル4頸コルベンに上記5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチルの1,2-ジメトキシエタン溶液を仕込み、内温65-68℃に加熱させた。同温度にて2規定硝酸(174ml)を1時間かけて滴下した。同温度にて30分間反応後、放冷し、40℃にてメタノール(774ml)を添加した。25-30℃にて2規定水酸化ナトリウム水溶液(30ml)を加えてpH=7-8に調整し、水(86ml)を加え、そのまま30分間攪拌した。0-10℃で1時間熟成後、晶出した結晶を濾取し、冷メタノール(145mlX2)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(134.5g)を得た。(5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリルからの収率58%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm): 1.08 (9H, s), 2.42 (3H, s), 2.64 (3H,s), 3.03(2H,s), 3.62 (3H, s), 7.25-7.31(4H,m)
【0313】
実施例37
(1)5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0314】
【化81】

【0315】
1リットル4頸コルベンに5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリル(13.9g, 100mmol)のトルエン溶液(118g)、メタノール(120ml)、p-トルアルデヒド(12.0g, 100mmol)およびアセト酢酸メチル(11.6g, 100mmol)を仕込み、室温でギ酸アンモニウム(9.4g, 150mmol)を添加した。内温65-70℃で6時間反応させ、反応終了後、室温まで放冷し、反応液に水(85ml)およびトルエン(85ml)を加えて分液した。水層をトルエン(85ml)で抽出した。有機層をあわせて5%重曹水(85ml)、10%食塩水(85ml)の順で洗浄し、表題化合物のトルエン溶液を得た。
【0316】
(2)5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルニコチン酸メチル
【0317】
【化82】

【0318】
1リットル4頸コルベンに上記5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチルのトルエン溶液全量を仕込み、室温下攪拌しながら50%硝酸第二アンモニウムセリウム(IV)水溶液(164g, 150mmol)を内温25〜40℃に保って滴下した。滴下終了後、同温度にて1時間反応させた。反応終了後、反応液に水(150ml)およびトルエン(150ml)を加えて分液した。有機層を水(150ml)、5%亜硫酸ナトリウム水溶液(150ml)、10%食塩水(150ml)の順で洗浄し、約半分量に減圧濃縮した。この濃縮液にメタノール(240ml)を加えて再度減圧濃縮し、この操作を2回繰り返してメタノール溶液(210g)を得た。前記メタノール溶液を加熱還流させ、水(12.6ml)を加えた後、室温下放冷した。0〜10℃で1時間攪拌後、結晶を濾取し、冷メタノール/水(97:3)(40ml)で2回洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(19.7g)を得た。(5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリルからの収率58%)
【0319】
実施例38
(1)5-シアノ-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0320】
【化83】

【0321】
2リットル4頸コルベンに5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリル(55.6g, 400mmol)のトルエン溶液(391g)、メタノール(390ml)、p-トルアルデヒド(48.0g, 400mmol)および3-ケト吉草酸メチル(52.0g, 400mmol)を仕込み、室温でギ酸アンモニウム(37.8g, 600mmol)を添加した。内温65-70℃で6時間反応させた後、室温まで放冷した。反応液を2分割し(5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリル(27.8g, 200mmol)に相当)、水(200ml)およびトルエン(200ml)を加えて分液した。水層をトルエン(200ml)で抽出し、有機層をあわせ、アセトン(260ml)を加え、5%重曹水(200ml)で2回、10%食塩水(200ml)の順で洗浄し、表題化合物のトルエン溶液を得た。
【0322】
(2)5-シアノ-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルニコチン酸メチル
【0323】
【化84】

【0324】
1リットル4頸コルベンに上記5-シアノ-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチルのトルエン溶液の半分量(5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリル(27.8g, 100mmol)に相当)を仕込み、室温下攪拌しながら50%硝酸第二アンモニウムセリウム(IV)水溶液(164g, 150mmol)を内温25〜40℃に保って滴下した。滴下終了後、同温度にて2時間反応させた。反応終了後、反応液に水(90ml)およびトルエン(180ml)を加えて分液した。有機層を5%亜硫酸ナトリウム水溶液(180ml)で2回、10%食塩水(180ml)の順で洗浄し、約半分量に減圧濃縮した。この濃縮液にメタノール(240ml)を加えて再度減圧濃縮し、この操作を2回繰り返してメタノール溶液(210g)を得た。前記メタノール溶液を加熱還流させ、水(12.6ml)を加えた後、室温下放冷した。0〜10℃で1時間攪拌後、結晶を濾取し、冷メタノール/水(97:3)(40ml)で2回洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(19.4g)を得た。(5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリルからの収率55%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm): 1.07 (9H, s), 1.33 (3H, t, J=7.5Hz), 2.41 (3H, s), 2.86 (3H,s), 3.03(2H,s), 3.59 (3H, s), 7.2-7.3(4H,m)
元素分析 (C22H26N2O2)
理論値 C, 75.40; H, 7.48; N, 7.99
実測値 C, 75.43; H, 7.51; N, 8.04
【0325】
実施例39
(1)5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル
【0326】
【化85】

【0327】
2リットル4頸コルベンに窒素気流下室温で、イソ吉草酸メチル(200g, 1.72mol)、ジメチルスルホキシド(400ml)、ナトリウムメトキシド(111g, 2.06mol)、アセトニトリル(108ml, 2.06mol)およびアニソール(18.7ml, 172mmol, 内部標準)を仕込み、内温92℃で3時間反応させた。反応終了後、氷冷下で反応液に水(200ml)を加え、さらに6規定塩酸(540ml、3.24mol)を加え、pH1-2とした。分液ロートに移し、水(100ml)を加え、トルエン(200mlx3)で抽出した。有機層を合わせ、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(400mlx2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(100g)で乾燥して、5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(175.9g)のトルエン溶液(888.0g)を得た。(収率82%、HPLC絶対検量線より算出)
【0328】
別途同様の方法にて合成した5-メチル-3-オキソヘキサンニトリルを蒸留にて単離し(77℃/5mmHg、1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm): 0.96 (6H, d, J = 6.7 Hz), 2.18 (1H, sept, J = 6.7 Hz), 2.49 (2H, d, J = 6.9 Hz), 3.44 (2H, s))、これを標品としてHPLC分析によりトルエン溶液中の含量を測定した。
HPLC分析条件 カラム:YMC A-302 (4.6mm I.D. x 150mm)
移動相:0.05M KH2PO4/MeCN = 7/3
流速:1.0ml/min
検出:UV220nm
温度:25℃
【0329】
(2)5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0330】
【化86】

【0331】
(トルエン/メタノール混合溶媒反応)
2リットル4頸コルベンに5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(175.7g, 1.40mol)のトルエン溶液887.0g(トルエン822ml含有)、メタノール(822ml)、p-トルアルデヒド(168.2g, 1.40mol)およびアセト酢酸メチル(162.6g, 1.40mol)を仕込み、室温で酢酸アンモニウム(110.2g, 1.43mol)を添加した(〜26℃)。内温65℃で3.5時間反応させ、反応終了後、室温まで放冷した後、反応溶液中の溶媒を約半量まで減圧留去し、これにメタノール(822ml)を加え、再度約半分量に減圧濃縮した。この操作をさらに2回繰り返したのち、濃縮液に水(82ml)を加え、一旦加熱還流させてから、放冷させて結晶を晶出させ、氷冷下で1時間熟成させた。結晶をろ取し、冷メタノール/水=9/1(200mlx2)でふりかけ洗浄し、50℃で減圧乾燥させ、表題化合物(374.3g)を得た。(収率82%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm): 0.93 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.98 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.90 (1H, sept, J = 6.8 Hz), 2.2-2.3 (2H, m), 2.30 (3H, s), 2.36 (3H, s), 3.58 (3H, s), 4.57 (1H, s), 5.72 (1H, s), 7.05-7.20 (4H, m)
【0332】
(無溶媒反応)
50mlナス型コルベンに5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.25g, 10mmol)、アセト酢酸メチル(1.16g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)およびp-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)を仕込み、室温で約40分攪拌した。徐々に結晶が晶出し、ついには内容物が一塊となった。メタノール(6.7ml)を加えて結晶をほぐし、水(0.67ml)を添加して室温でしばらく攪拌した後、氷冷下で熟成させた。結晶をろ取し、冷メタノール/水(1/1, 2mlx2)で洗浄し、50℃減圧乾燥して、表題化合物(1.93g)を得た。(HPLC面百値98.7%、Lot No. B19081-024-30)。さらに母液中に晶出した結晶を氷冷下で熟成し、第二結晶(425mg)を得た。 (合計収率73%)
【0333】
(3)5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル
【0334】
【化87】

【0335】
3リットル4頸コルベンに5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(290g, 894mmol)および1,2-ジメトキシエタン(1.45リットル)を仕込み、内温65℃まで加熱した。内温65℃で、滴下ロートより2規定硝酸(447ml, 894mmol)をゆっくり滴下した(内温65-68℃)。滴下終了後、放冷し内温20-30℃で2規定水酸化ナトリウム水溶液(225ml, 450mmol)を加え、pH7-8とした。反応液に水(775ml)を加えて結晶を晶出させ、氷冷下1時間熟成させた。結晶をろ取し、冷1,2-ジメトキシエタン/水(1/1、400mlx2)で洗浄し、50℃で減圧乾燥させ、表題化合物(273.0g)を得た(収率95%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm): 1.01 (6H, d, J = 6.7 Hz), 2.27 (1H, sept, J = 6.7 Hz), 2.41 (3H, s), 2.63 (3H, s), 2.95 (2H, d, J = 7.2 Hz), 3.60 (3H, s), 7.20-7.35 (4H, m)
【0336】
(4)5-ホルミル-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル
【0337】
【化88】

【0338】
100ml3頸コルベンに窒素気流下、5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル(3.22g,10mmol)、ギ酸(36.2ml)、純水(12.1ml)および展開Ni(3.2ml)を仕込み、還流下3時間反応させた。反応終了後、反応液に水を加え、次いで水酸化ナトリウムで中和後、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残さをシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(1.27g)を得た。(収率41%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm): 0.96 (6H, d, J = 6.7 Hz), 2.14 (1H, sept, J = 6.7 Hz), 2.40 (3H, s), 2.62 (3H, s), 3.06 (2H, d, J = 7.1 Hz), 3.57 (3H, s), 7.14 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.24 (2H, d, J = 8.0 Hz), 9.80 (1H, s)
【0339】
実施例40
5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸エチル
【0340】
【化89】

【0341】
50mlナス型コルベンに5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.25g, 10mmol)、アセト酢酸エチル(1.30g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、4時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を約半分に減圧濃縮し、メタノール(6.7ml)を加えて同様に約半量まで減圧濃縮した。この操作をさらに2回繰り返し、濃縮物に水(1.34ml)を加えて加熱還流後、放冷・氷冷して結晶をろ取した。結晶を冷水/メタノール(1/5, 4mlx2)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して、表題化合物(2.48)を得た。母液を氷冷下攪拌し、第二結晶(321mg)を得た。(合計収率83%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.94 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.99 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.14 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.91 (1H, sept, J = 6.8 Hz), 2.15-2.4 (2H, m), 2.30 (3H, s), 2.35 (3H, s), 4.02 (2H, q, J = 7.1 Hz), 4.57 (1H, s), 5.69 (1H, s), 7.08 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.13 (2H, d, J = 8.2 Hz)
元素分析 (C21H26N2O2)
理論値 C, 74.52; H, 7.74; N, 8.28
実測値 C, 74.50; H, 7.64; N, 8.31
質量分析 (C21H26N2O2)
理論値 338.44
実測値 339 [M+H]+
【0342】
実施例41
5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸tert-ブチル
【0343】
【化90】

【0344】
アセト酢酸tert-ブチル(3.95g, 25mmol)、5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.25g, 25mmol)、酢酸アンモニウム(1.93g, 26mmol)およびp-トルアルデヒド(3.00g, 25mmol)から実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(7.49g)を得た。(収率82%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.93 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.95 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.29 (9H, s), 1.90 (1H, sept, J = 6.8 Hz), 2.1-2.3 (2H, m), 2.30 (3H, s), 2.31 (3H, s), 4.51 (1H, s), 5.65 (1H, s), 7.05-7.15 (4H, m)
元素分析 (C23H30N2O2)
理論値 C, 75.37; H, 8.25; N, 7.64
実測値 C, 75.55; H, 8.05; N, 7.71
【0345】
実施例42
5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸ベンジル
【0346】
【化91】

【0347】
アセト酢酸ベンジル(1.92g, 10mmol)、5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.25g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)およびp-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)から実施例1-(2)と同様の方法により、表題化合物(3.13g)を得た。(収率78%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.92 (3H, d, J = 6.5 Hz), 0.97 (3H, d, J = 6.5 Hz), 1.89 (1H, sept, J = 6.8 Hz), 2.1-2.3 (2H, m), 2.31 (3H, s), 2.36 (3H, s), 4.59 (1H, s), 5.01 (2H, dd, J = 16.9, 12.7 Hz), 5.74 (1H, s), 7.08 (6H, s), 7.2-7.35 (3H, m)
元素分析 (C26H28N2O2)
理論値 C, 77.97; H, 7.05; N, 6.99
実測値 C, 77.95; H, 6.97; N, 7.04
【0348】
実施例43
5-シアノ-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)-2-トリフルオロメチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸エチル
【0349】
【化92】

【0350】
5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(2.50g, 20mmol)、トリフルオロアセト酢酸エチル(3.68g, 20mmol)、p-トルアルデヒド(2.40g, 20mmol)、酢酸アンモニウム(1.60g, 20.8mmol)、メタノール(13.4ml)およびトルエン(13.4ml)を仕込み、6時間加熱還流させた。反応液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン/酢酸エチルで再結晶して、表題化合物(3.11g)を得た。(収率40%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.86 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.04 (6H, t, J = 6.0 Hz), 1.98 (1H, sept, J = 6.7 Hz), 2.33 (3H, s), 2.3-2.5 (2H, m), 2.93 (1H, d, J = 12.2 Hz), 3.8-4.0 (3H, m), 4.95 (1H, s), 5.37 (1H, s), 7.0-7.2 (4H, m)
【0351】
実施例44
5-シアノ-2-エチル-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
【0352】
【化93】

【0353】
5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(6.26g, 50mmol)、3-オキソ-吉草酸メチル(6.51g, 50mmol)、p-トルアルデヒド(6.01g, 50mmol)、酢酸アンモニウム(4.01g, 52mmol)、メタノール(33.4ml)およびトルエン(33.4ml)を仕込み、4時間加熱還流させた。反応液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(13.0g)を得た。(収率77%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.94 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.98 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.22 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.91 (1H, sept, J = 6.8 Hz), 2.15-2.30 (2H, m), 2.30 (3H, s), 2.70 (1H, q, J = 7.1 Hz), 2.80 (1H, q, J = 7.1 Hz), 3.58 (3H, s), 4.56 (1H, s), 5.79 (1H, s), 7.0-7.2 (4H, m).
【0354】
実施例45
5-シアノ-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)-2-フェニル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸エチル
【0355】
【化94】

【0356】
5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.25g, 10mmol)、ベンゾイル酢酸エチル(1.92g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、10時間加熱還流させた。反応液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(2.00g)を得た。(収率50%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 0.82 (3H, t, J = 7.1 Hz), 0.95 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.00 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.90 (1H, sept, J = 6.8 Hz), 2.27 (2H, dd, J = 7.5, 2.1 Hz), 2.33 (3H, s), 3.79 (2H, q, J = 7.1 Hz), 4.69 (1H, s), 5.81 (1H, s), 7.14 (2H, d, J = 7.8 Hz), 7.2-7.5 (7H, m)
【0357】
実施例46
5-アセチル−2-イソブチル-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル
【0358】
【化95】

【0359】
50mlナス型コルベンに5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.25g,10mmol)、2,4-ペンタンジオン(1.03ml,10mmol)、酢酸アンモニウム(802mg,10.4mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g,10mmol)、メタノール(7.6ml)およびトルエン(7.6ml)を仕込み、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、濃縮物にメタノール(6ml)および水(3ml)を加えて加熱還流後、放冷・氷冷して結晶を濾取した。結晶を冷含水メタノール(1:2,3ml)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して粗結晶(2.61g)を得た。前記粗結晶(2.59g)をメタノール(5ml)および水(1ml)の混液で再結晶して、表題化合物(1.64g)を得た。(通算収率54%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ(ppm) :0.89(3H,d,J=6.6Hz), 0.97(3H,d,J=6.6Hz), 1.88(1H,sept,J=6.8Hz), 2.02(3H,s), 2.1-2.2(1H,m), 2.31(3H,s), 2.35(3H,s), 4.53(1H,s), 5.7(1H,br), 7.1-7.2(4H,m)
【0360】
実施例47
(1)5-シアノ−6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸アミド
【0361】
【化96】

【0362】
50mlナス型コルベンに5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.25g,10mmol)、アセト酢酸アミド(1.01g,10mmol)、酢酸アンモニウム(802mg,10.4mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g,10mmol)、メタノール(7.6ml)およびトルエン(7.6ml)を仕込み、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、濃縮物に酢酸エチル(8ml)を加えて加熱還流後、放冷・氷冷して結晶を濾取した。結晶を冷酢酸エチル(5ml)でふりかけ洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(2.65g)を得た。(収率86%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ(ppm) :0.90(3H,d,J=6.6Hz), 0.97(3H,d,J=6.6Hz), 1.88(1H,sept,J=6.8Hz), 2.0-2.3(1H,m), 2.33(3H,s), 2.34(3H,s), 4.31(1H,s), 5.5(1H,br), 5.69(1H,br), 7.1-7.3(4H,m)
【0363】
(2)5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチンアミド
【0364】
【化97】

【0365】
30mlナス型コルベンに上記ジヒドロピリジン体(928mg,3mmol)およびアセトニトリル(9.3ml)を仕込み、硝酸二アンモニウムセリウム(3mmol)を加えて、室温下10時間反応させた。反応終了後、反応液に水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液および水(100ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して表題化合物(818mg)を得た。(収率89%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz) δ(ppm) :1.01(6H,d,J=6.7Hz), 2.29(1H,sept,J=6.8Hz), 2.42(3H,s), 2.70(3H,s), 2.92(2H, d,J=6.7Hz), 5.26(2H,br), 5.58(1H,br), 7.2-7.4(4H,m)
【0366】
実施例48
2-イソブチル-5,6-ジメチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチノニトリル
【0367】
【化98】

【0368】
5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.25g, 10mmol)とメチルエチルケトン(0.72g, 10mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、2時間加熱還流させた。反応液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し表題化合物(0.95g)を得た(ジヒドロピリジン環が反応途中で酸化されてピリジン体として得られた)。(収率34%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.00 (6H, d, J = 6.6 Hz), 2.07 (3H, s), 2.24 (1H, sept, J = 6.8 Hz), 2.43 (3H, s), 2.60 (3H, s), 2.89 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.1-7.2 (2H, m), 7.25-7.35 (2H, m)
【0369】
実施例49
[5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸
【0370】
【化99】

【0371】
レブリン酸(1.16g, 10mmol)、5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.25g, 10mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、イソプロパノール(15.3ml)を仕込み、70℃で13時間加熱させた。反応終了後、減圧濃縮し、濃縮物をアセトニトリル(2.5ml)で再結晶して表題化合物を得た(744mg) (ジヒドロピリジン環が反応途中で酸化されてピリジン体として得られた)。(収率23%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.00 (6H, d, J = 6.6 Hz), 2.24 (1H, sept, J = 6.7 Hz), 2.42 (3H, s), 2.61 (3H, s), 2.91 (2H, d, J = 7.3 Hz), 3.56 (2H, s), 7.15 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.29 (2H, d, J = 8.0 Hz).
質量分析 (C20H22N2O2)
理論値 322.40
実測値 323 [M+H]+
【0372】
実施例50
[5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸エチル
【0373】
【化100】

【0374】
レブリン酸エチル(1.44g, 10mmol)、5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.25g, 10mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、5時間加熱還流させた。反応終了後、減圧濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(601mg, HPLC面百値79.7%, Lot No. B18838-084-26)を、ヘキサンで再結晶した(527mg) (ジヒドロピリジン環が反応途中で酸化されてピリジン体として得られた)。(合計収率32%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.01 (6H, d, J = 6.7 Hz), 1.22 (3H, t, J = 7.1 Hz), 2.26 (1H, sept, J = 6.8 Hz), 2.42 (3H, s), 2.58 (3H, s), 2.91 (2H, d, J = 7.3 Hz), 4.13 (2H, q, J = 7.1 Hz), 7.14 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.28 (2H, d, J = 8.3 Hz)
質量分析 (C22H26N2O2)
理論値 350.45
実測値 351 [M+H]+
【0375】
実施例51
2-イソブチル-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-5-(2-モルホリノ-2-オキソエチル)ニコチノニトリル
【0376】
【化101】

【0377】
(1)100mlナス型コルベンにモルホリン(2.18ml, 25mmol)、トリエチルアミン(7.0ml, 50mmol)およびテトラヒドロフラン(20ml)を仕込み、室温でレブリン酸(3.02g, 26mmol)/テトラヒドロフラン(10ml)溶液を添加した。さらに室温でWSC(4.79g, 25mmol)を添加し、同温度で2時間攪拌した。ジメチルホルムアミド(3ml)を添加し、さらに4.5時間攪拌した。WSC(2.40g, 12.5mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt, 3.83g, 25mmol)を添加して、終夜攪拌した。不溶物をろ別し、ろ液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1-モルホリノペンタン-1,4-ジオン(3.46g)を得た。(収率75%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 2.22 (3H, s), 2.58 (2H, t, J = 6.3 Hz), 2.80 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.51 (2H, t, J = 4.6 Hz), 3.60 (2H, d, J = 4.9 Hz), 3.6-3.75 (4H, m)
【0378】
(2)50mlナス型コルベンに1-モルホリノペンタン-1,4-ジオン(1.85g, 10mmol)、5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.25g, 10mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、4時間加熱還流させた。反応終了後、減圧濃縮し、濃縮物にアセトニトリル(13.4ml)を加え、室温で硝酸二アンモニウムセリウム(5.48g, 10mmol)を添加し、同温度で1.5時間攪拌した。反応溶液に水(20ml)を加え、酢酸エチル(30ml+15mlx2)で抽出した。有機層を10%チオ硫酸ナトリウム(20ml)および水(20ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、ヘキサン/酢酸エチル(4/1, 5ml)で再結晶して、表題化合物(1.17g)を得た。(収率30%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.01 (6H, d, J = 6.6 Hz), 2.24 (1H, sept, J = 6.8 Hz), 2.42 (3H, s), 2.57 (3H, s), 2.90 (2H, d, J = 7.3 Hz), 3.26 (1H, br s), 3.44 (2H, s), 3.50 (2H, br s), 3.60 (2H, br s), 3.63 (2H, br s), 7.14 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.28 (2H, d, J = 8.0 Hz).
質量分析 (C24H29N3O2)
理論値 391.51
実測値 392 [M+H]+
【0379】
実施例52
2-[5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]-N-フェニルアセトアミド
【0380】
【化102】

【0381】
(1)100mlナス型コルベンにアニリン(2.28ml, 25mmol)、トリエチルアミン(7.0ml, 50mmol)およびテトラヒドロフラン(30ml)を仕込み、室温でレブリン酸(3.02g, 26mmol)およびテトラヒドロフラン(30ml)を添加し、同温度で0.5時間攪拌した。室温でWSC(4.79g, 25mmol)を添加し、同温度で2.5時間攪拌した。ジメチルホルムアミド(6ml)およびWSC(2.40g、12.5mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt, 3.83g, 25mmol)、テトラヒドロフラン(30ml)を添加し、さらに計4.5時間攪拌した。酢酸エチル(250ml)を用いて分液ロートに移し、飽和重曹水(100ml)、1規定塩酸(50ml)、飽和重曹水(50ml)、水(50ml)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ液を濃縮して、4-オキソ-N-フェニルペンタンアミド(2.86g)を得た。(収率60%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 2.20 (3H, s), 2.61 (2H, t, J = 6.3 Hz), 2.87 (2H, t, J = 6.3 Hz), 7.07 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.28 (2H, t, J = 7.8 Hz), 7.49 (2H, d, J = 7.7 Hz), 7.95 (1H, br s)
【0382】
(2)50mlナス型コルベンに4-オキソ-N-フェニルペンタンアミド(1.85g, 10mmol)、5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.25g, 10mmol)、p-トルアルデヒド(1.20g, 10mmol)、酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)、メタノール(6.7ml)およびトルエン(6.7ml)を仕込み、8時間加熱還流させた。反応終了後、減圧濃縮し、濃縮物にアセトニトリル(13.4ml)を加え、室温で硝酸二アンモニウムセリウム(5.48g, 10mmol)を添加し、同温度で2時間攪拌した。反応溶液に水(20ml)を加え、酢酸エチル(50ml+15mlx2)で抽出した。有機層を10%チオ硫酸ナトリウム(50ml)および水(30ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、ヘキサン/酢酸エチル(4/2, 6ml)で再結晶して、表題化合物(765mg)を得た。(収率19%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.01 (6H, d, J = 6.6 Hz), 2.27 (1H, sept, J = 6.9 Hz), 2.41 (3H, s), 2.70 (3H, s), 2.91 (2H, d, J = 7.2 Hz), 3.57 (2H, s), 6.86 (1H, s), 7.11 (1H, t, J = 7.1 Hz), 7.19 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.20-7.45 (6H, m)
【0383】
実施例53
[5-シアノ-6-ネオペンチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸
【0384】
【化103】

【0385】
50mlナス型コルベンに5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリル(1.39g,10mmol),レブリン酸(1.16g,10mmol), p-トルアルデヒド(1.18ml,10mmol),酢酸アンモニウム(802mg,10.4mmol), 2-プロパノール(15.3ml)を仕込み、還流下5時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロマトに付し(溶離液:酢酸エチル)、さらに酢酸エチル(2.8ml)で再結晶した。氷冷下攪拌後結晶を濾取し、冷酢酸エチル洗浄し、50℃減圧乾燥して表題化合物(781mg)を得た。((ジヒドロピリジン環が反応途中で酸化されてピリジン体として得られた)収率23%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz):1.05(9H,s), 2.42(3H,s), 2.61(3H,s), 2.98(2H,s), 3.56(2H,s), 7.15(2H,d,J=8.0Hz), 7.29(2H,d,J=8.0Hz)
【0386】
実施例54
[5-シアノ-6-ネオペンチル-3-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-2-イル]プロピオン酸メチル
【0387】
【化104】

【0388】
50mlナス型コルベンに5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリル(6.95mmol), 4-オキソヘキサン酸(904mg,6.95mmol), p-トルアルデヒド(0.819ml,6.95mmol),酢酸アンモニウム(557mg,7.23mmol), 2-プロパノール(10.6 ml)を仕込み、還流下5時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロマト(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(1:1))に付した。得られた精製物をメタノール(10ml)に溶解し、硫酸(3滴)を加えて3時間加熱還流させてメチルエステル化させた。反応液を減圧濃縮し、残さに飽和重曹水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせて減圧濃縮後、残さをシリカゲルカラムクロマト精製(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(8:2))して表題化合物(551mg)を得た。((ジヒドロピリジン環が反応途中で酸化されてピリジン体として得られた)収率22%)
1H-NMR(CDCl3,TMS, 300MHz):1.02(9H,s), 2.10(3H,s), 2.42(3H,s), 2.90(2H,s), 2.92(2H,t, J=6.9Hz), 3.15(2H,t,J=6.8Hz), 3.69(3H,s), 7.12(2H,d,J=8.0Hz), 7.29(2H,d,J=7.9Hz)
【0389】
実施例55
5-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-4-(4-フルオロフェニル)-2-フェニル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル
【0390】
(無溶媒反応)
【0391】

【0392】
50mlナス型コルベンにベンゾイルアセトニトリル(1.45g, 10mmol)、3,4-ジメトキシフェニルアセトン(1.94g, 10mmol)、p-フルオロベンズアルデヒド(1.24g, 10mmol)および酢酸アンモニウム(0.80g, 10.4mmol)を仕込み、室温で1時間攪拌した。反応懸濁液にメタノール(13.4ml)を添加すると、結晶が晶出した。メタノール(13.4ml)および水(2.68ml)を添加して室温で1時間攪拌した後、氷冷下で1時間熟成させた後、結晶をろ取し、冷メタノール/水(10/1, 4mlx2)で洗浄し、50℃減圧乾燥して、表題化合物(2.59g)を得た。(収率61%)
1H-NMR (CDCl3, TMS, 300MHz) δ(ppm) : 1.89 (9H, s), 3.71 (3H, s), 3.84 (3H, s), 4.41 (1H, s), 5.68 (1H, s), 6.44 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.50-6.55 (1H, m), 6.95-7.05 (2H,m), 7.25-7.30 (2H,m), 7.45-7.50 (3H, m), 7.55-7.65 (2H, m)
【産業上の利用可能性】
【0393】
本発明の製造方法によれば、非対称シアノジヒドロピリジン化合物である化合物(IV)を簡便に製造でき、従来法のような、ケトニトリル化合物である化合物(I)とアルデヒド化合物である化合物(III)との縮合体の製造工程や、ケトン化合物である化合物(II)とアンモニアを反応させることによるエナミン化合物の製造工程等を必要としないので、短工程かつ廃棄物(溶媒や触媒)の少ない方法により、工業的に有利に化合物(IV)を製造できる。また、この方法を利用した新規化合物の開発により、公知の高脂血症治療薬の効率的製造方法を構築するための新規中間体が提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】



[式中、Rは置換されていてもよい分枝状炭化水素基または置換されていてもよい環状基を示す。]で表される化合物またはその塩、式(II):
【化2】



[式中、Rは置換されていてもよい直鎖C1-6アルキル基または置換されていてもよいフェニル基を、Rは水素原子または炭素原子を介して結合する基(シアノ基を除く)を示すか、あるいはRとRとはこれらが結合する炭素原子と共に置換されていてもよい非芳香環を形成する。]で表される化合物またはその塩、式(III):R−CHO[式中、Rは炭素原子を介して結合する基(シアノ基を除く)を示す。]で表される化合物またはその塩、およびアンモニウム塩を反応させることを特徴とする、式(IV):
【化3】


[式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項2】
が置換されていてもよい分枝状炭化水素基または置換されていてもよい脂環式炭化水素基である請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
が置換されていてもよい直鎖C1-6アルキル基である請求項1記載の製造方法。
【請求項4】
アンモニウム塩が酢酸アンモニウムである請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
アンモニウム塩がギ酸アンモニウムである請求項1記載の製造方法。
【請求項6】
式(IVa):
【化4】


[式中、R1aは置換されていてもよい分枝状炭化水素基または置換されていてもよい脂環式炭化水素基を、
4aは炭素原子を介して結合する芳香族基を示し、
2aとR3aとはこれらが結合する炭素原子と共に置換されていてもよい5ないし8員非芳香環を形成する。]で表される化合物またはその塩。
【請求項7】
式(IVb):
【化5】


[式中、R1aおよびR4aは請求項6と同意義を、R2bは置換されていてもよい直鎖C1-6アルキル基または置換されていてもよいフェニル基を、R3bは炭素原子を介して結合する芳香族基を示す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項8】
式(IVc):
【化6】


[式中、R、RおよびRは請求項1と同意義を、R4bは置換されていてもよい分枝状炭化水素基または置換されていてもよい脂環式炭化水素基を示す。]で表される化合物またはその塩。

【公開番号】特開2006−232819(P2006−232819A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−15597(P2006−15597)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】