説明

シスタスハーブ抽出物を含む化粧品

【課題】本発明の目的は、毛髪を身体の一部と考えて、高い抗酸化能を有し、容易に処方でき、ヒトまたは動物の体の一部のケアに必要なさらなる特性を有する、ケア有効成分を提供することである。
【解決手段】本発明は、ヒトまたは動物の体の一部をケアするためのケア有効成分としての、新規な方法で調製されたシスタスからの抽出物の使用、ケア処方物および該ケア処方物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規な方法で調製された、ヘルバ・シスタス亜種(Herba Cistus ssp. L.)からの濃縮化抽出物の、ヒトまたは動物の体の一部をケアするためのケア有効成分としての使用、ケア処方物および該ケア処方物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンニチバナ科(Cistaceae family)の中で、シスタス(cistus)は、18〜20種を含む属を形成する。亜属シスタス・インカヌス(Cistus incanus L.)は、最高1mまでの大きさの芳香常緑灌木として記述されている。その互生の卵形の皮針形葉および放射対称性の5萼片花は、科全体に共通であるが、その花の濃いピンク色、しばしばピンク色ないし淡紫色は、この亜属の特徴である。好適な生育地は、東地中海地域である。
【0003】
民間薬は、様々な様式でこの植物の効果を使用したが、主として局所的な、多くの場合、アレルギー性の掻痒のための補助剤として、また細菌感染症および真菌症の予防および創傷治療のための使用であった。伝統的に、春植物(spring plant)の地上部分の煎じ汁が、この目的に使用されてきた。以前の出版物は、神経皮膚炎、尋常性座瘡の治療のための、さらには口および喉頭(throat cavity)の炎症性疾患においても、シスタス液の成功利用について報告している。
【0004】
変種シスタス・インカヌス亜種クレチカス(Cistus incanus L. ssp. creticus)および変種シスタス・インカヌス亜種タウリカス(Cistus incanus L. ssp. tauricus)のさらに詳細な記載は、特に一般人にはシスタス・インカヌス亜種タウリカス(Cistus incanus L: ssp. tauricus)と区別することができない変種シスタス・インカヌス亜種パンダリス(Cistus incanus L. ssp. Pandalis)(登録商標)という植物育種家権利またはシスタス(Cystus)(登録商標)という商標の観点からの識別の結果として、最近になって不可欠かつ今日的な意義のあるものとなったばかりである。
【0005】
シスタス調製物に関する歴史的に最古の記録は、シスタス ラダニフェラス(Cistus ladaniferus L.)、シスタス モンスプリエンシス(Cistus monspliensis L.)およびシスタス・インカヌス(Cistus incanus L.)の葉および枝から主に得られた樹脂であるラブダナムを扱っている。その心地よい芳香のために、いぶされる傾向が強かったが、気道カタルの場合には去痰剤として、また創傷治療のためのプラスターおよび軟膏としても医学的に使用されていた。
【0006】
シスタス属の植物化学的研究は、必然的に、親油性成分、特に精油および樹脂成分の分析に集中することが多かった。これらは、たとえば、モノテルペン、セスキテルペン、およびジテルペン等の、テルペン代謝の通常の構造物、ならびにアルコールおよびエステルを含む。さらなる研究は、フラボノイドおよびタンニンのポリフェノール画分を取り扱った。これに関連して、主要な基本構造物として、ケンペロール、ケルセチンおよびアピゲニンが分析された。本発明者ら自身の分析は、既知のパターンが、ポリフェノールフィンガープリントで再び見つかることを明らかにした:緑茶エキスと同様に、カテキン誘導体の領域に、エピカテキン(EC)および没食子酸エピガロカテキン(EGCG)を検出することができた。しかし、このシスタスの場合には、オリゴマー画分が著しく大きい。この植物中のポリフェノールの総含有量は一般に4%と示されるが、葉中の割合は著しく高い。
【0007】
ケア化粧品の目的は、たとえば、皮膚および毛髪の、若々しい外観の印象を実現することである。原理的には、この目的を達成するための様々な方法がある。たとえば、既存の皮膚損傷、たとえば不規則な色素沈着やしわ等は、コンシーリングパウダーまたはコンシーリングクリームで補整することができる。もう1つの方法は、永久的な損傷、したがって皮膚の老化につながる環境の影響から皮膚を保護することである。したがってその考えは、予防様式で介入し、それによって老化過程を遅らせることである。その一例は、ある一定の波長領域を吸収することにより、皮膚損傷を回避するかまたは少なくとも減少させる、紫外線(UV)フィルターである。UVフィルターの場合、有害事象、UV放射は皮膚によって遮蔽されるが、別のルートが、有害事象に対する皮膚の自然防御機構および/または修復機構を支援しようとする。最後に、追求されるさらなる方法は、加齢とともに生じる、有害な影響に対する皮膚の衰弱しつつある防御機能を、その減退しつつある防護機能および/または修復機能を補充できる物質を外的に供給することによって補うことである。たとえば、皮膚は、外的ストレス因子または内的ストレス因子により産生されるフリーラジカルを捕獲する能力を有する。この能力は、加齢とともに低下し、その結果として、加齢とともに老化過程が加速する。衰えた、特に老化した、皮膚をケアするための製品は、それ自体周知である。それらは、たとえば、レチノイド(ビタミンA酸および/またはその誘導体)またはビタミンAおよび/またはその誘導体を含む。しかし、構造的損傷に対するそれらの効果は、その程度に限りがある。さらに、製品開発の間に、有効成分を酸化分解に対して十分に安定化することに関連した少なからぬ困難がある。さらに、ビタミンA酸含有製品の使用は、しばしば重度の紅斑性皮膚刺激を引き起こす。したがって、レチノイドは低濃度で使用されるに過ぎない。弱った皮膚はまた、肥満の随伴症状および/またはそれとしばしば関係のあるいわゆるセルライトと関連していることも多い。消費者のボディイメージは、ここ何年かの間にかなり上昇した。これに関連して、クリーニング用途およびケア用途に加えて、身体シルエットを改善するための手段がますます講じられている。セルライト−広範囲におよぶ現象−は、ここで中心的な位置を占める。目に見えるセルライトの外観は、皮下組織中の脂肪体(皮下脂肪組織)の増加、結合組織衰弱、ならびに血液経路とリンパ経路との灌流比の低下に基づく。このように原因は、一つには、過剰体重、偏食、運動不足の結果としての、脂肪細胞室腫大の同時発生を伴う結合組織の内因性衰弱である。セルライトの形成はまた、結合組織内への水の浸透を可能にするような毛細血管壁の透過性上昇に起因する可能性もある。
【0008】
皮膚は数々のストレスに曝される。潜在的皮膚刺激性物質またはアレルギー作用物と定期的に接触することは、特に手では、皮膚バリアの損傷につながり、その結果として湿疹の出現につながる可能性がある。保護手袋を使用するとき、その手袋の材料が、いずれの場合にも存在する有害物質に対する抵抗性について十分に試験されていることが保証されなければならない。透過性の手袋は、保護を提供しないばかりでなく、時には手袋材料の閉塞作用により有害物質の作用を強化する可能性さえある。さらに、ぴったりした手袋を持続的に装着することは、熱および水分の増加をきたし、その結果として皮膚の腫脹および軟化を招き、その後、汗の分解および臭気発生が続いて起こる。好適な皮膚保調製物および皮膚ケア調製物の使用、ならびに優しい皮膚清浄の実現に向けた幾多の作業活動の間ずっと、予防法を使用しなければならない理由は、このことから明白である。
【0009】
同様に、ヒトの毛髪は日々、非常に多様な影響を受ける。ブラシをかける、櫛でとかす、結い上げる、または紐で縛ることによる機械的ストレスに加えて、毛髪はまた環境の影響、たとえば、強烈なUV放射、寒気、風および水等により、攻撃を受ける。しかし、特に、攻撃的な界面活性剤で頻繁に洗うこともまた、毛髪構造に大なり小なり損傷を引き起こす一因となる。
【0010】
毛髪着色剤または毛髪染料による処理、頻繁な洗髪または紫外線暴露の結果として、毛髪は、脆弱で、乾燥し、光沢がなく、多孔質で、梳かしにくくなる。毛髪は水分、弾力性、ならびに特に機械的抵抗および引裂き抵抗を失う。このことは、濡れた毛髪では、応力歪み力および引裂き力が顕著に低下することから明白である。さらに、そのような毛髪は、健康な毛髪より、化学薬品、界面活性剤および環境の影響によるさらなる損傷に対して抵抗性が低い。
【0011】
そのような傷んだ毛髪を処置するための特別な調製物、たとえば、ヘアリンス、ヘアトリートメント、シャンプー、リーブインコンディショナー等々があるが、これらは特に、傷んだ髪の梳かしやすさ、手触りおよびつやを改善することができる。幾つかの植物エキス、たとえば、海藻、イラクサ、ユーカリ、ローズマリーおよびコムギの麦芽からの抽出物等は、それらのヘアケア特性で知られるようになった。
【0012】
記載の問題、特に皮膚の問題を扱う、さらなる既知の方法は、酸化防止剤を化粧品に加えることにある。酸化防止剤の効果は、それらが、自動酸化の間に産生されるフリーラジカルに対してフリーラジカルスカベンジャーの役割を果たすことである。
【0013】
トロロクス当量抗酸化能(Trolox Equivalent Antioxidative Capacity(TEAC))を使用して、試料の抗酸化能を示すことができる。測定中、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(トロロクス(Trolox))は、リファレンスの役割を果たし、そのような理由で、結果はトロロクス当量で示される。測定の原理は、反応容器内で酸化媒体が産生され、添加された酸化防止剤が酸化反応を遅くするということに基づく。酸化防止剤は、たとえば、測定すべき試料中に存在するポリフェノールであってもよい。酸化反応の経時変化を測定し、トロロクスのそれと比較する。その酸化反応の経過は、とりわけ光度計および化学助剤2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)(ABTS)を使用して測定するが、この化学助剤は、酸化媒体中で、測光法により734nmで測定することができる安定した緑色のフリーラジカルカチオンを形成する。
【0014】
酸素ラジカル吸収能(ORAC)は、食品の抗酸化性を特性化するために米国の研究者たちが開発した、使用できる代替測定法である。この方法を使用して、抗酸化作用の親水性画分と親油性画分に区別することが可能である。よりよい比較可能性のために、ここでトロロクス当量(TE)の単位をそのまま使用した。
【0015】
その上、単独で、またはそれぞれの清浄剤および/またはケア剤と組み合わせて、場合により通例のケアおよび生理学的に好ましい有効成分および添加物、たとえばビタミン、セラミド、スフィンゴシド、レシチン、酸化防止剤、UVフィルター等々を補助的に使用して、幅広いケア作用およびコンディショニング作用を有する、美髪用および肌の手入れ用、さらに髪のアフタートリートメント用の、新規な、さらに進んで改良された有効成分の必要性が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、毛髪を身体の一部と考えて、高い抗酸化能を有し、容易に処方でき、ヒトまたは動物の体の一部のケアに必要なさらなる特性を有する、ケア有効成分を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
驚くべきことに、下記のヘルバ・シスタス亜種(Herba Cistus ssp. L.)からの抽出物は、上述の目的を達成することが見出された。
【0018】
したがって、本発明は、請求項1に記載の方法で調製される、ヘルバ・シスタス亜種(Herba Cistus ssp. L.)からの抽出物の、ヒトまたは動物の体の一部をケアするためのケア有効成分としての使用を、ケア処方物およびそのケア処方物の使用に提供する。
【0019】
本発明の1つの利点は、本発明によるケア処方物の予想外に高い抗酸化能である。
【0020】
さらなる利点は、ケア処方物中で煩わしくない、ケア有効成分それ自体の色合いである。
【0021】
本発明のもう1つの利点は、本植物は栽培しやすいため、原材料、すなわち本植物を利用しやすいことである。
【0022】
以下の図は、実施例の一部である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】Teac試験の結果を示すグラフである。
【図2】SDSを用いないLDH放出の結果である。
【図3】SDSを用いたLDH放出の結果ある。
【図4】RT−PCR炎症マーカーの結果である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、工程段階
−水、アルコールおよびそれらの混合物の群から選択される抽出剤を用いたヘルバ・シスタス亜種(Herba Cistus ssp. L.)からの抽出
−抽出残渣の除去
−前記抽出剤の少なくとも部分的な除去
−水性溶媒中での再溶解および不溶成分の除去
−固相抽出による選択的濃縮化
によって調製されるシスタスからの抽出物の、ヒトまたは動物の体の一部をケアするためのケア有効成分としての使用を提供する。
【0025】
ほぼ一定に保たれた植物供給材料の品質は、このような製造方法に望ましい。これは、ポリフェノール含有量の分析(European Pharmacopoeia, chapter PH.EUR.(2.8.14)に記載の方法論と同様に、フォーリン試薬を使用して測定し、没食子酸として計算する)およびバッチの混合によって実現する。
【0026】
茎部分とは対照的に、好ましくは、葉材料の濃縮化を実現するために、薬物を粉砕し、風にさらす。葉はポリフェノールの含有量が高い。この結果として、およそ30%分の改善が達成される。シスタス・インカヌス亜種タウリカス(Cistus incanus L. ssp tauricus)の植物地上部分が好んで使用される。
【0027】
最低12%のポリフェノール含有量が出発物質として好ましい。
【0028】
好適な抽出剤は、特に水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよびそれらの混合物である。水含有抽出剤が好適である。アルコール含有量は、好ましくは50%(v/v)以下である。
【0029】
一実施態様では、抽出は高温で実施される。特に高いポリフェノール収量を実現するためには、40〜80℃の温度が特に好ましい。
【0030】
抽出後、残留薬物が通常除去される;これは、たとえば、濾去かまたは吸引で除去し、次いで残留薬物を絞り出すことにより、実行される。さらなる選択肢は、当業者に周知である。
【0031】
次いで、結果として得られる抽出物から少なくとも部分的に抽出剤を除去する。これは、たとえば、ロータリーエバポレーター内で、またはプレートエバポレーターを使用して、溶媒を除去することにより実行することができる。穏やかな取り扱いが好ましい。
【0032】
除去後、残留抽出物の乾燥物質画分は、好ましくは50%(m/m)超である。
【0033】
次の段階で、残留残渣を再溶解する。再溶解には、とりわけ水または水とアルコールの混合物が特に好適である。好ましくは、再溶解剤は少なくとも50%(m/m)の水を含む。
【0034】
再溶解後、濾過、吸引による除去、デカンテーションなどにより分離される残渣が残り、廃棄することができる。その残渣は、タンニン(生物活性が低いポリフェノール)の少なくとも一部を含む。
【0035】
次いで、固相抽出により濃縮化段階が行われる。吸着樹脂を用いた抽出が特に好適である。代表的な吸着樹脂は、たとえば、非イオン性疎水性ジビニルベンゼンコポリマー、脂肪族エステルポリマーおよびホルモフェノールポリマーである。このような吸着材は、Amberlite(登録商標)という商品名で市販されている。好適な製品は、グレードXAD2、XAD4、XAD7HP、XAD16、XAD761またはXAD1180である。しかし、たとえばDiaion(SPシリーズ)、Bayer(Lewatite(登録商標))またはMiontech(Pシリーズ)からなど、他の製造業者から販売されている、類似した特徴のある樹脂もまた使用することが可能である。
【0036】
本明細書においてAmberlite(登録商標)XAD7HPの樹脂グレードが特に好ましい。
【0037】
シスタス植物は、好ましくはシスタス・インカヌス(Cistus incanus)であり、特に好ましくはシスタス・インカヌス亜種タウリカス(Cistus incanus L. ssp. tauricus)である。
【0038】
工程段階
−水、アルコールおよびそれらの混合物の群から選択される抽出剤を用いたシスタス(Cistus L.)からの植物部分の抽出
−抽出残渣の除去
−抽出剤の少なくとも部分的な除去
−水性溶媒中での再溶解および不溶成分の除去
−固相抽出による選択的濃縮化
により得られる本発明によるケア有効成分は、本ケア有効成分の全質量を基準にして、30カテキン当量パーセント超、好ましくは50カテキン当量パーセント超、特に好ましくは60カテキン当量パーセント超の、ポリフェノール含量を有する。
【0039】
(カテキン当量パーセントで示した)ポリフェノール含量を測定するために、参照物質として(+−)−カテキン水和物を用いたフォーリン・チオカルト(Folin-Ciocalteurs)フェノール試薬に基づく定量的光度測定法を使用する:
参照液
30mgのカテキン水和物を10%濃度のエタノールに溶解し、次いで同一の溶媒で希釈して50mlとする(原液)。
【0040】
この原液7.0mlまたは4.0ml(調査する物質のポリフェノール濃度による)を10%濃度のエタノールで希釈して10mlとし、この溶液が検量線を確定するための参照液の役割を果たす。
【0041】
測定すべき抽出物をエタノール(96%)に溶解し、規定量(たとえば250ml)まで水を注ぎ足す。この試料250μlまたは参照物質((+−)−カテキン水和物(10%エタノール中の、Sigma, Art. C 1788, Ch. 045K1052)250μlを、25ml用メスフラスコに入れ、水5mlで希釈する。次いでフォーリン・チオカルト フェノール試薬(Merck Art. No. 1.09001)1mlおよび30%濃度の炭酸ナトリウム溶液2.5mlを加え、メスフラスコに水を注ぎ足して25mlとする。60分後、水を補償液として、この溶液の吸収を720nmで測定する。
【0042】
検量線の較正機能を用いて、総ポリフェノール含量を決定する。Y=AX+B
X=(Y−B)/A
(+−)−カテキン水和物としての総ポリフェノール(%)=X/C
Y=720nmにおける測定溶液の吸収
C=測定溶液の濃度(mg/ml)
総ポリフェノールは、このように、(+−)−カテキン水和物の%「カテキン当量パーセント」として表すことができる。
【0043】
本発明はさらに、本発明によるケア有効成分を含む局所用ケア処方物を提供する。
【0044】
本発明によるケア処方物は、好ましくは化粧用処方物、皮膚用処方物または医薬処方物を構成することを特徴とする。
【0045】
本発明によるケア処方物は、ケア処方物の全質量を基準にして0.01質量%〜20質量%、好ましくは0.05質量%〜5質量%、特に好ましくは0.1質量%〜2質量%のケア有効成分を含む。
【0046】
本発明によるケア処方物は、たとえば、
皮膚軟化剤、
乳化剤および界面活性剤、
増粘剤/粘度調節剤/安定剤、
UV光防御用フィルター、
酸化防止剤およびビタミン、
ハイドロトロープ(またはポリオール)、
固体およびフィラー、
膜形成剤、
真珠光沢添加物、
消臭有効成分および制汗有効成分、
防虫剤、
セルフタンニング剤、
保存料、
コンディショナー、
香料、
色素、
生体活性成分、
ケア添加物、
過脂肪剤、
溶剤、
の群から選択される少なくとも1つの追加成分を含むことができる。
【0047】
使用できる皮膚軟化剤は、全ての化粧品用油、特に、2〜44個の炭素原子を有する直鎖および/または分岐したモノカルボン酸および/またはジカルボン酸と、1〜22個の炭素原子を有する直鎖および/または分岐した飽和または不飽和のアルコールとの、モノエステルまたはジエステルである。同様に、2〜36個の炭素原子を有する脂肪族、二官能アルコールと、1〜22個の炭素原子を有する一官能脂肪族カルボン酸との、エステル化生成物を使用することができる。長鎖アリール酸エステル、たとえば安息香酸のエステル、たとえば、1〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐した、飽和または不飽和のアルコールの安息香酸エステル、あるいは安息香酸イソステアリルまたは安息香酸オクチルドデシルもまた好適である。皮膚軟化剤および油成分として好適なさらなるモノエステルは、たとえば、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸のメチルエステルおよびイソプロピルエステル、たとえば、ラウリン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、エルカ酸メチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピルなどである。他の好適なモノエステルは、たとえば、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、パルミチン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、およびテクニカルグレードの脂肪族アルコール留分とテクニカルグレードの脂肪族カルボン酸混合物から得られるエステル、たとえば、12〜22個の炭素原子を有する不飽和脂肪アルコールと、動物性脂肪および植物性脂肪から入手できるような12〜22個の炭素原子を有する飽和および不飽和脂肪酸との、エステルである。しかし、たとえばホホバオイル中またはマッコウクジラ油中に存在する、天然のモノエステルおよび/またはワックスエステル混合物もまた好適である。好適なジカルボン酸エステルは、たとえば、アジピン酸ジ−n−ブチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、コハク酸ジ(2−ヘキシルデシル)、アゼライン酸ジイソトリデシルである。好適なジオールエステルは、たとえば、ジオレイン酸エチレングリコール、ジイソトリデカン酸エチレングリコール、ジ(2−エチルヘキサン酸)プロピレングリコール、ジイソステアリン酸ブタンジオール、ジカプリル酸/カプリン酸ブタンジオールおよびジカプリル酸ネオペンチルグリコールである。皮膚軟化剤として使用できるさらなる脂肪酸エステルは、たとえば、C12〜15安息香酸アルキル、炭酸ジカプリリル、炭酸ジエチルヘキシルである。同様に使用することができる皮膚軟化剤および油成分は、より長鎖のトリグリセリド、すなわち、グリセロールと、3つの酸分子(そのうち少なくとも1つは比較的長鎖である)のトリプルエステルである。例として、ここで、脂肪酸トリグリセリドに言及することが可能である;皮膚軟化剤および油成分として使用することが可能なそのような例は、天然の、植物油、たとえばオリーブ油、ひまわり油、大豆油、ピーナッツ油、菜種油、アーモンドオイル、ゴマ油、アボカド油、ヒマシ油、カカオバター、ヤシ油、さらにココナツオイルまたはパーム核油の液体画分、および動物性油、たとえば、サメ肝油、タラ肝油、鯨油、牛脂およびバター脂肪等、ならびに蜜蝋、カルナウバヤシワックス、鯨蝋、ラノリンおよびクローオイル(claw oil)等のワックス、牛脂の液体画分、さらにカプリル酸/カプリン酸混合物の合成トリグリセリド、テクニカルグレードのオレイン酸のトリグリセリド、イソステアリン酸との、またはパルミチン酸/オレイン酸混合物からの、トリグリセリドである。さらに、炭化水素、特に流動パラフィンおよびイソパラフィンも、使用することができる。使用することができる炭化水素の例は、パラフィンオイル、イソヘキサデカン、ポリデセン、ワセリン、流動パラフィン(Paraffinum perliquidum)、スクアラン、セレシンである。さらに、直鎖または分岐した脂肪アルコール、たとえばオレイルアルコールまたはオクチルドデカノール等、およびジカプリリルエーテル等の脂肪アルコールエーテルもまた使用することが可能である。好適なシリコーンオイルおよびシリコーンワックスは、たとえば、ポリジメチルシロキサン、シクロメチルシロキサン、およびアリール−またはアルキル−またはアルコキシ−置換ポリメチルシロキサンまたはシクロメチルシロキサンである。好適なさらなる油体は、たとえば、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするゲルベアルコール、直鎖C6〜C22脂肪酸と直鎖C6〜C22脂肪アルコールとのエステル、分岐したC6〜C13カルボン酸と直鎖C6〜C22脂肪アルコールとのエステル、直鎖C6〜C22脂肪酸と分岐したC8〜C18アルコール、特に2−エチルヘキサノールまたはイソノナノールとのエステル、分岐したC6〜C13カルボン酸と分岐したアルコール、特に2−エチルヘキサノールまたはイソノナノールとのエステル、直鎖および/または分岐した脂肪酸と多価アルコール(たとえば、プロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリマートリオール等)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C6〜C10脂肪酸をベースとするトリグリセリド、C6〜C18脂肪酸をベースとする液体モノ−/ジ−/トリグリセリド混合物、C6〜C22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル、植物油、分岐した第一級アルコール、置換されたシクロヘキサン、直鎖C6〜C22脂肪アルコールカーボネート、ゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分岐したC6〜C22アルコールのエステル(たとえばフィンソルブ(Finsolv)(商標)TN)、ジアルキルエーテル、ポリオール、シリコーンオイルおよび/または脂肪族またはナフテン炭化水素とのエポキシ化脂肪酸エステルの開環生成物である。
【0048】
使用可能な乳化剤または界面活性剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性または両性界面活性剤である。
【0049】
使用できる非イオノゲン性(nonionogenic)乳化剤または界面活性剤は、下記の群の少なくとも1つからの化合物である:
2〜100モルのエチレンオキシドおよび/または0〜5モルのプロピレンオキシドの、8〜22個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸およびアルキル基中に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、付加生成物、
1〜100モルのエチレンオキシドの、グリセロールへの付加生成物の、C12/18−脂肪酸モノエステルおよびジエステル、
6〜22個の炭素原子を有する飽和および不飽和の脂肪酸の、グリセロールモノエステル、グリセロールジエステル、ソルビタンモノエステルおよびソルビタンジエステル、ならびにそれらのエチレンオキシド付加生成物、
アルキル基中に8〜22個の炭素原子を有するアルキルモノグリコシドおよびオリゴグリコシドならびにそれらのエチレンオキシド付加生成物、
2〜200モルのエチレンオキシドの、ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油への付加生成物、
直鎖、分岐した、不飽和または飽和の、C〜C22脂肪酸、リシノール酸、および12−ヒドロキシステアリン酸およびグリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(たとえばソルビトール)、アルキルグルコシド(たとえばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(たとえばセルロース)をベースとする部分エステル、
モノ−、ジ−およびトリアルキルホスフェート、ならびにモノ−、ジ−および/またはトリ−PEGアルキルホスフェートおよびそれらの塩、
ポリシロキサン−ポリエーテルコポリマー(ジメチコンコポリオール)、たとえばPEG/PPG−20/6ジメチコン、PEG/PPG−20/20ジメチコン、ビス−PEG/PPG−20/20ジメチコン、PEG−12またはPEG−14ジメチコン、PEG/PPG−14/4または4/12または20/20または18/18または17/18または15/15等、
ポリシロキサン−ポリアルキル−ポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体、たとえば、ラウリルジメチコンコポリオールまたはセチルジメチコンコポリオール、特にセチルPEG/PPG−10/1ジメチコン(ABIL(登録商標) EM90(Evonik))等、
独国特許第1165574号に記載されているようなペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸と脂肪アルコールの混合エステルおよび/または6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオールの混合エステル、たとえば、グリセロールまたはポリグリセロール等、クエン酸エステル、たとえば、クエン酸ステアリン酸グリセリル、クエン酸オレイン酸グリセリルおよびクエン酸ジラウリル等。
【0050】
陰イオン性乳化剤または陰イオン性界面活性剤は、水溶性化陰イオン性基、たとえば、カルボキシレート基、硫酸基、スルホン酸基またはリン酸基等および親油性基を含むことができる。皮膚適合性陰イオン性界面活性剤は、多数の当業者に周知であり、また市販されている。ここで、これらはアルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアルカノールアンモニウム塩の形のアルキルサルフェートまたはアルキルホスフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルサルコシネート、ならびにアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の形のスルホサクシネートおよびアシルグルタメートであってもよい。
【0051】
陽イオン性乳化剤および陽イオン性界面活性剤を添加することもできる。使用できるものは、特に、第四級アンモニウム化合物、特に8〜22個の炭素原子を有する少なくとも1つの直鎖および/または分岐した、飽和または不飽和のアルキル鎖を備えたもの、たとえば、アルキルトリメチルアンモニウムハライド等、たとえば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミドまたはベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド等、さらにジアルキルジメチルアンモニウムハライド、たとえば、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド等である。
【0052】
さらに、たとえば、パルミトアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等のモノアルキルアミドクアット(amidoquat)、または対応するジアルキルアミドクアットを使用することができる。
【0053】
さらに、易生分解性第四級エステル化合物を使用することができる;これらはモノ−、ジ−またはトリエタノールアミンをベースとする四級化脂肪酸エステルであってもよい。さらに、陽イオン性乳化剤としてアルキルグアニジニウム塩を添加することができる。
【0054】
低刺激性の、すなわち特に皮膚適合性の、界面活性剤の代表例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、モノ−および/またはジアルキルスルホサクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタインおよび/または蛋白質脂肪酸縮合物であり、後者はたとえば小麦蛋白質をベースとする。
【0055】
さらに両性界面活性剤、たとえば、ベタイン、アンホアセテートまたはアンホプロピオネート等、したがって、たとえば、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、たとえばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、たとえばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、およびそれぞれの場合にアルキル基またはアシル基中に8〜18個の炭素原子を有する、2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、さらにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネート等の物質を使用することが可能である。
【0056】
両電界質界面活性剤の中で、分子内のC8/18アルキル基またはC8/18アシル基は別として、少なくとも1つの遊離アミノ基および少なくとも1つの−COOH基または−SOH基を含み、かつ内部塩を形成することができる表面活性化合物を使用することが可能である。好適な両電解質界面活性剤の例は、いずれの場合にもアルキル基中に約8〜18個の炭素原子を有する、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルアミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。両電解質界面活性剤のさらなる例は、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12/18−アシルサルコシンである。
【0057】
好適な増粘剤は、たとえば、多糖類、特にキサンタンガム、グアーグアー、寒天、アルギン酸塩およびチロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、さらに脂肪酸の比較的高分子量のポリエチレングリコールモノエステルおよびジエステル、ポリアクリレート(たとえばCarbopols(商標)またはSynthalens(商標))、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、界面活性剤、たとえば、エトキシル化脂肪酸グリセリド、脂肪酸とポリオールとのエステル、たとえば、ペンタエリスリトールまたはトリメチロールプロパン等、狭いホモログ分布の脂肪アルコールエトキシレートまたはアルキルオリゴグルコシド、さらに塩化ナトリウム等の電解質塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムである。
【0058】
油相の増粘に好適な増粘剤は、当業者に周知の全ての増粘剤である。ここでは、特に、水素化ヒマシ油ワックス、蜜蝋またはマイクロワックス等のワックスに言及する。さらに、シリカ、アルミナまたはシート状ケイ酸塩(たとえば、ヘクトライト、ラポナイト、サポナイト)等の、無機増粘剤も使用することができる。これに関連して、これらの無機油相増粘剤は、疎水的に改質することが可能である。油中水型乳剤の増粘/安定化のために、特にアエロジル、シート状ケイ酸塩および/または脂肪酸の金属塩、たとえば、ステアリン酸亜鉛等を、ここでは使用することができる。
【0059】
存在してもよい水性界面活性剤システム用の粘度調節剤は、たとえば、NaCl、低分子量非イオン性界面活性剤、たとえばココアミド DEA/MEAおよびラウレス−3等、またはポリマー、高分子量、会合性、高エトキシル化脂肪誘導体、たとえばPEG−200水素化グリセリルパルメート等である。
【0060】
使用できるUV光防御用フィルターは、たとえば、紫外線を吸収することができ、また吸収したエネルギーを、より長波の放射、たとえば熱の形で、再び放出する有機物である。UVBフィルターは、油溶性であっても水溶性であってもよい。油溶性UVB光防御用フィルターの例は:
3−ベンジリデンカンファーおよびその誘導体、たとえば3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、
4−アミノ安息香酸誘導体、たとえば、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸、2−エチルヘキシル、および4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミル等、
桂皮酸のエステル、たとえば2−エチルヘキシル 4−メトキシシナメート、イソペンチル 4−メトキシシナメート、2−エチルヘキシル2−シアノ−3−フェニルシナメート(オクトクリレン)等、
サリチル酸のエステル、たとえば、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸4−イソプロピルベンジル、サリチル酸ホモメンチル等、
ベンゾフェノンの誘導体、たとえば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等、
ベンザルマロン酸のエステル、たとえば、ジ−2−エチルヘキシル 4−メトキシベンズマロネート等、
トリアジン誘導体、たとえば、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジンおよびオクチルトリアゾン等、
プロパン−1,3−ジオン、たとえば、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン等
である。
【0061】
好適な水溶性UVB光防御用フィルターは:
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、およびそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩およびグルカンモニウム塩、
ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、たとえば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩等、
3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、たとえば、4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)スルホン酸ならびにそれらの塩等
である。
【0062】
好適な代表的UVA光防御用フィルターは、特に、ベンゾイルメタンの誘導体、たとえば、1−(4’−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオンまたは1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)プロパン−1,3−ジオンである。UV−AフィルターおよびUV−Bフィルターは、当然のことながら混合物で使用することもできる。
【0063】
指定された可溶性物質のほかに、不溶性の色素、すなわち微細分散金属酸化物または塩、たとえば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウムおよびステアリン酸亜鉛等も、この目的に適する。ここで粒子は、100nm未満、たとえば5〜50nm、特に15〜30nmの平均粒径を持たなければならない。この粒子は球形であってもよいが、楕円形かまたは何か他の様式で球形から逸脱している形状を有する粒子を使用することも可能である。比較的新種の光防御用フィルターは、たとえば、<200nmの粒径を有し、たとえば、50%濃度の水性分散液として得られる、2,2’−メチレンビス{6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール}等の、微粉化有機色素である。
【0064】
さらなる好適な紫外光防御用フィルターは、P. Finkelによる概説、SOEFW-Journal 122, 543 (1996)に見出すことができる。
【0065】
前述の2群の一次UV光防御用フィルターに加えて、UV紫外線放射が皮膚に侵入したときに誘発される光化学反応連鎖を中断する酸化防止剤型の二次光防御剤を使用することも可能である。
【0066】
使用できる酸化防止剤およびビタミンは、たとえば、スーパーオキシドジスムターゼ、トコフェロール(ビタミンE)、ソルビン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロールの他のエステル、ジブチルヒドロキシトルエンおよびアスコルビン酸(ビタミンC)およびその塩、さらにそれらの誘導体(たとえばリン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、ソルビン酸アスコルビル)、脂肪酸のアスコルビルエステル、ブチル化ヒドロキシ安息香酸およびその塩、たとえば、過酸化水素等の過酸化物、過ホウ酸塩、チオグリコレート、過硫酸塩、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(TROLOX.RTM)、没食子酸およびそのアルキルエステル、尿酸およびその塩およびアルキルエステル、ソルビン酸およびその塩、リポ酸、フェルラ酸、アミン(たとえばN,N−ジエチルヒドロキシルアミン、アミノグアニジン)、スルフヒドリル化合物(たとえば、グルタチオン)、ジヒドロキシ−フマル酸およびその塩、グリシンピドレート、アルギニンピロレート、ノルジヒドログアイアレチン酸、ビオフラボノイド、クルクミン、リシン、L−メチオニン、プロリン、スーパーオキシドジスムターゼ、シリマリン、茶抽出物、グレープフルーツピール/種子抽出物、メラニン、ローズマリー抽出物、チオオクタン酸、レスベラトロール、オキシレスベラトロール等々である。
【0067】
流動挙動および適用特性を改良するために使用できるハイドロトロープは、たとえば、エタノール、イソプロピルアルコールまたはポリオールである。ここで好適なポリオールは、2〜15個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を有することができる。
【0068】
代表例は:
グリセロールアルキレングリコール、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および100〜1,000ダルトンの平均分子量を有するポリエチレングリコール等、1.5〜10のある一定の自己縮合物とのテクニカルグレードのオリゴグリセロール混合物、たとえば、40〜50重量%のジグリセロール含量を有するテクニカルグレードのジグリセロール混合物、メチロール化合物、特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトール等、低級アルキルグルコシド、特に1〜4個の炭素原子をアルキル基中に有するもの、たとえば、メチルグルコシドおよびブチルグルコシド等、5〜12個の炭素原子を有する糖アルコール、たとえば、ソルビトールまたはマンニトール等、5〜12個の炭素原子を有する糖、たとえば、グルコースまたはスクロース等、アミノ糖、たとえば、グルカミン等である。
【0069】
使用できる固体は、たとえば、酸化鉄色素、二酸化チタン粒子または酸化亜鉛粒子および「UV保護剤」のところで追加明記されるものである。さらに、特殊感覚効果をもたらす粒子、たとえば、ナイロン−12、窒化ホウ素、ポリマー粒子、たとえば、ポリアクリレート粒子またはポリメチルアクリレート粒子等、またはシリコーンエラストマーを使用することも可能である。使用できるフィラーとしては、デンプンおよびデンプン誘導体、たとえばタピオカデンプン、リン酸架橋デンプン(distarch phosphate)、アルミニウムデンプンまたはナトリウムデンプン等、コハク酸オクテニル、および主としてUVフィルター効果も着色作用も持たない色素、たとえばAerosils(登録商標)(CAS No. 7631-86-9)等がある。
【0070】
たとえば、耐水性を改良するために使用できる膜形成剤の例は、ポリウレタン、ジメチコン、コポリオール、ポリアクリレートまたはPVP/VAコポリマー(PVP=ポリビニルピロリドン、VA=酢酸ビニル)である。使用できる脂溶性膜形成剤は、たとえばポリビニルピロリドン(PVP)をベースとするポリマー、ポリビニルピロリドンのコポリマー、PVP/ヘキサデセンコポリマー、またはPVP/エイコセンコポリマーである。
【0071】
使用できる真珠光沢添加物は、たとえば、グリコールジステアレートまたはPEG−3ジステアレートである。
【0072】
好適な消臭有効成分は、たとえば、通例の芳香成分等の臭気コンシーラー、臭気吸収体、たとえば独国公開特許第4009347号に記載のシート状ケイ酸塩等であり、これらの中でも、特にモンモリロナイト、カオリナイト、イライト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト、スメクタイト、またはたとえば、リシノール酸の亜鉛塩である。抗菌剤は同様に、組み入れるのに適する。抗菌物質は、たとえば、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(イルガサン(Irgasan))、1,6−ジ−(4−クロロフェニルビグアニド)ヘキサン(クロルヘキシジン)、3,4,4’−トリクロロカルボニリド、第四級アンモニウム化合物、クローブオイル、ハッカ油、タイムオイル、クエン酸トリエチル、ファルネソール(3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール)、エチルヘキシルグリセリルエーテル、カプリル酸ポリグリセリル−3(TEGO(登録商標) Cosmo P813, Evonik)、および独国公開特許第19855934号、独国公開特許第3740186号、独国公開特許第3938140号、独国公開特許第4204321号、独国公開特許第4229707号、独国公開特許第4229737号、独国公開特許第4238081号、独国公開特許第4309372号、独国公開特許第4324219号および欧州公開特許第666732号に記載の有効な薬剤である。
【0073】
使用可能な制汗有効成分は、収斂剤、たとえばアルミニウムクロロヒドレート(aluminium chlorohydrate)(「ACH」)およびアルミニウムジルコニウムグリシン塩(「ZAG」)等の、塩基性塩化アルミニウムである。
【0074】
使用可能な防虫剤は、たとえば、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1,2−ペンタンジオールまたはInsect Repellent 3535である。
【0075】
使用できるセルフタンニング剤は、たとえば、ジヒドロキシアセトンおよびエリスルロースである。
【0076】
使用できる保存料は、たとえば、フェノキシエタノールとの1つ以上のアルキルパラベンエステルの混合物である。このアルキルパラベンエステルは、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンおよび/またはブチルパラベンであってもよい。フェノキシエタノールの代わりに、他のアルコール、たとえば、ベンジルアルコールまたはエタノール等を使用することも可能である。さらに、他の通例の保存料、たとえば、ソルビン酸または安息香酸、サリチル酸、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、クロロアセトアミド、ジアゾリジニルウレア、DMDMヒダントイン、ヨードプロピニルブチルカルバメート、ヒドロキシメチルグリシンナトリウム、メチルイソチアゾリン、クロロメチルイソチアゾリン、エチルヘキシルグリセロールまたはカプリリルグリコールを使用することも可能である。
【0077】
使用できるコンディショニング剤は、たとえば、有機第四級化合物、たとえば塩化セトリモニウム、塩化ジセチルジモニウム、塩化ベヘントリモニウム、塩化ジステアリルジモニウム、ベヘントリモニウムメトサルフェート、塩化ジステアロイルエチルジモニウム、塩化パルミトアミドプロピルトリモニウム、塩化グアーヒドロキシプロピルトリモニウム、ヒドロキシプロピルグアー、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウム、またはクォタニウム−80等、あるいはアミン誘導体、たとえば、アミノプロピルジメチコンまたはステアラミドプロピルジメチルアミン等である。
【0078】
使用できる香料は、天然または合成の着臭剤またはそれらの混合物である。天然の着臭剤は、花(ゆり、ラベンダー、ばら、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎および葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、実(アニス、コリアンダー、キャラウェー、ジュニパー)、フルーツピール(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(トウモロコシ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスツス(costus)、アイリス、タイム)、針葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、ハイマツ)、樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポポナックス)からの抽出物である。動物原材料は、たとえば、ジャコウネコおよびカストリウム等も好適である。代表的な合成着臭剤化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型の着臭化合物は、たとえば、酢酸ベンジル、フェノキシエチルイソブチレート、酢酸p−tert−ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、プロピオン酸スチラリルおよびサリチル酸ベンジルである。エーテルとしては、たとえば、ベンジルエチルエーテルなどがあり、アルデヒドとしては、たとえば、8〜18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアルおよびブルゲオナールなどがあり、ケトンとしては、たとえば、イオノン、α−イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンなどがあり、アルコールとしてはアネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールなどがあり、また炭化水素としては、主としてテルペンおよびバルサムなどがある。心地よい香のノートを醸し出す異なる着臭剤の混合物を使用することが可能である。芳香成分として主に使用される低揮発性の精油、たとえば、セージオイル、カモミールオイル、クローブオイル、メリッサオイル、ハッカ油、桂皮油、リンデンブロッサムオイル、ジュニパーベリーオイル、ベチバーオイル、オリバナムオイル、ガルバヌムオイル、ラボラナム(labolanum)オイルおよびラバンジン(lavandin)オイルもまた、香料として好適である。ベルガモットオイル、ジヒドロミルセノール、リリアル、ライラル(lyral)、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレン・フォルテ(boisambrene forte)、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリス、レモンオイル、マンダリンオイル、オレンジオイル、アリルアミルグリコレート、シクロバータル(cyclovertal)、ラバンジンオイル、クラリーセージオイル、β−ダマスコン、ゼラニウムオイルバーボン、サリチル酸シクロヘキシル、バートフィックスクール(vertofix coeur)、イソ−E−スーパー、フィキソリド NP、エバーニル、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラット、イロチルおよびフロラマットを、単独でまたは混合して、使用することもできる。
【0079】
使用できる色素は、たとえば、出版物"Cosmetic Colourants" of the Dyes Commission of the German Research Society, Verlag Chemie, Weinheim, 1984, pp. 81〜106に記載されているような、化粧目的に認可されかつ好適な物質である。これらの色素は、全混合物を基準にして0.001〜0.1重量%の濃度で通常使用される。
【0080】
生体活性成分は、たとえば、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、ポリフェノール、デオキシリボ核酸、コエンザイムQ10、レチノール、AHA酸、アミノ酸、ヒアルロン酸、α−ヒドロキシ酸、イソフラボン、ポリグルタミン酸、クレアチン(およびクレアチン誘導体)、グアニジン(およびグアニジン誘導体)、擬似セラミド、精油、ペプチド、蛋白質加水分解物、植物エキス、ビサボロール、アラントイン、パンテノール、フィタントリオール、イデベノン、甘草エキス、グリチルリチンおよびイデベノン、スクレログルカン、β−グルカン、サンタルビン酸およびビタミン複合体を意味すると理解すべきである。植物エキスの例は、セイヨウトチノキエキス、カモミールエキス、ローズマリーエキス、ブラックカラントエキス、レッドカラントエキス、カバノキエキス、ローズヒップエキス、藻エキス、緑茶エキス、アロエエキス、朝鮮人参エキス、イチョウエキス、グレープフルーツエキス、キンセンカエキス、カンファー、タイムエキス、マンゴスチンエキス、ターミナリアアルジュナエキス、オートムギエキス、オレガノエキス、ラズベリーエキス、イチゴエキス等々である。
【0081】
生体活性成分はまた、いわゆるバリア脂質も包含し、その例は、セラミド、フィトスフィンゴシンおよび誘導体、スフィンゴシンおよび誘導体、スフィンガニンおよび誘導体、擬似セラミド、リン脂質、リゾリン脂質、コレステロールおよび誘導体、コレステリルエステル、遊離脂肪酸、ラノリンおよび誘導体、スクアラン、スクアレンおよび関連物質である。
【0082】
本発明の文脈の中で、その生体活性成分はまた、抗アクネ、たとえば、ベンジルペルオキシド、フィトスフィンゴシンおよび誘導体、ナイアシンアミドヒドロキシベンゾエート、ニコチンアルデヒド、レチノール酸および誘導体、サリチル酸および誘導体、シトロネル酸等々、および抗セルライト、たとえばカフェイン、テオフィリン、テオブロミンおよびアミノフィリン等のキサンチン化合物、カルニチン、カルノシン、サリチロイルフィトスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、サンタルビン酸等、ならびにふけ防止剤、たとえば、サリチル酸および誘導体、ジンクピリチオン、硫化セレン、イオウ、シクロピロキソールアミン、ビフォナゾール、クリンバゾール、オクトピロックスおよびアクチロックス等々、ならびに収斂剤、たとえば、アルコール、アルミニウム誘導体、没食子酸、サリチル酸ピリドキシン、たとえば硫酸亜鉛等の亜鉛塩、酢酸塩、塩化物、乳酸塩、クロルヒドロキシジルコニウム等々も含む。コウジ酸、アルブチン、ビタミンCおよび誘導体、ハイドロキノン、ターメリックオイル、クレアチニン、スフィンゴ脂質、ナイアシンアミド等々の漂白剤も同様に、生体活性成分の中に含まれてもよい。
【0083】
存在してもよいケア添加物は、たとえば、PEG−7グリセロールココエート等のエトキシル化グリセロール脂肪酸エステル、または、たとえば、ポリクオタニウム−7またはポリグリセロールエステル等の陽イオン性ポリマーである。
【0084】
使用することができる過脂肪剤は、たとえば、ラノリンおよびレシチン等の物質、さらにポリエトキシル化またはアシル化したラノリン誘導体およびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミドであり、後者は同時にフォーム安定剤の役割を果たす。
【0085】
使用できる溶剤は、たとえば、エタノール、プロパノールまたは1,3−プロパンジオール等の脂肪族アルコール、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、グリセロールカーボネート等の環状炭酸エステル、モノカルボン酸またはポリカルボン酸のエステルたとえば酢酸エチル、乳酸エチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、グリセロールカーボネート等、または水である。
【0086】
本発明によるケア処方物を、スキンケア製品、フェースケア製品、ヘッドケア製品、ボディケア製品、インティメートケア製品、フットケア製品、ヘアケア製品、ネイルケア製品、デンタルケア製品、リップケア製品またはマウスケア製品として使用することができる。ヘアケア製品の例は、毛髪洗浄組成物、ヘアトリートメント、ヘアリンス、ヘアフルイド、ヘアジェル、ヘアトニック、ヘアワックス、ヘアラッカー、ヘアスプレー、ヘアクリーム、ヘアムース、ヘアバーム、ふけ取りシャンプーである。ボディケア製品の例は、シャワーバス、クリームバス、クリームジェル、シャワーオイル、シャワージェル、ウォッシングジェル、ウォッシングスクラブ、クレンジングローション、フェースマスク、フェーシャルトナー、フェーシャルスクラブ、アイクリーム、ナイトクリーム、クレンジングマスク、ローションパッド、クレンジングワイプス、クレンジングローション、クレンジングミルク、クレンジングジェル、アフターシェーブジェル、アフターシェーブバーム、サンミルク、アフターサン製品、セルフタンニング製品、フットローション、フットスプレー、ボディローション、ボディジェル、ボディスプレー、ボディミルク、ボディスクラブ、ボディオイル、ボディバターである。
【0087】
リップケア製品の例は、リップバーム、リップクリーム、リップケアスティックである。
【0088】
本発明によるケア処方物は、水中油型(O/W)乳剤、油中水型(W/O)乳剤またはシリコーン中水型(W/S)乳剤等の乳剤、W/O/WおよびO/W/O乳剤等の多重乳剤の形で使用することができ、また、ハイドロディスパージョンまたはリポディスパージョン、懸濁液、溶液、クリーム、軟膏、ペースト、ジェル、エアロゾル、スプレー、クレンジング用製品、メイクアップ用調製物、サンスクリーン用調製物、フェーシャルトナー、フェーシャルスティック、たとえばグリーススティックまたは含水スティックとも呼ばれる。
【0089】
本発明に対応するケア処方物は、皮膚および毛髪に対するコンディショニング作用を有する。したがって本発明は、皮膚および/または毛髪のコンディショニング用ケア処方物の使用を提供する。
【0090】
皮膚は、間違いなく最大の器官であり、個体と環境との間のバリアの役目をする。この代謝的に極めて活性な保護層は、内的因子および外的因子に起因する酸化的ストレスに絶えずさらされている。これらの因子、特に太陽光線は、有害なラジカル、主に反応性酸素種(ROS)を産生する。各皮膚層(外側から内側に向かって、角質層、表皮、真皮および皮下組織)は、フリーラジカルの攻撃に対して独自の保護システムを有し、またこの層の機能に応じて異なる構成を有する。酸化的ストレス中に、抗酸化的保護システムが捕獲できるより多いフリーラジカルおよびオキシダント(ROS)が皮膚中に生じる。過剰なROSは、皮膚細胞の酸化還元平衡を変える。このことは、遺伝子発現の変化を誘発する酸化還元感受性シグナル経路を活性化する。酸化的ストレスは、たとえばUV暴露またはオゾン暴露の結果としての、過剰なROSにより生じる。しかし、たとえば、抗酸化的防御における抗酸化ビタミンの欠乏または酵素欠損の場合には、内因性フリーラジカル防御不全という例もある。この種の酸化的ストレスは、病態生理学的炎症反応、および細胞の代謝によって増強されることもあり得る。長波UVA放射は、皮膚層深部まで侵入することができる。それ故、長波UVA放射は、表皮細胞とばかりではなく、真皮の線維芽細胞とも反応することができ、その中にフリーラジカルを形成させる。一方、短波UVB放射は、大部分が表皮内で既に吸収されて、表皮のケラチノサイトおよびランゲルハンス細胞内の主にDNAおよび蛋白質を変化させる。程度は低いが、UVB放射はまた、加水分解によりフリーラジカルの生成も刺激する。このように、脂質、蛋白質および核酸は、異なる層内で異なる紫外線波長により損傷を受ける。
【0091】
ヒトの毛髪を恒久的に着色するのであれば、実際には酸化ヘアカラーリング法のみが適する。酸化的ヘアカラーリング中に、前駆物質(フェノール、アミノフェノール、または稀にジアミンも)および塩基(大抵の場合、p−フェニルジアミン)と、酸化剤、大抵の場合、過酸化水素との反応により色素発色団の生成が起こる;ここでは約6%の過酸化水素濃度が通常使用される。着色作用に加えて、過酸化水素による漂白作用も起こると、通常想定される。酸化的に着色されたヒトの毛髪では、漂白した毛髪の場合と同様に、メラニン顆粒が存在する位置に極微な孔を検出することがあり得る。過酸化水素等の酸化剤は、色素前駆物質と反応するばかりではなく、毛髪物質とも反応し、またある一定の環境で毛髪を損傷する結果となる可能性がある。
【0092】
上述の、こうした皮膚および毛髪の損傷過程は、本発明によるケア処方物で妨げることができる。
【0093】
したがって、本発明はさらに、酸化的ストレスに起因する皮膚老化および/または毛髪損傷を処置および/または予防するための、本発明によるケア処方物の使用を提供する。
【0094】
したがって本発明は同様に、環境毒素に起因する毛髪損傷および/または皮膚損傷、あるいはUV誘導性の毛髪損傷および/または皮膚損傷を減少させるための本発明によるケア処方物の使用を提供する。
【0095】
ストレッチマークは、組織の重度伸張の結果として形成される、皮下組織における目に見える現象−委縮性皮膚線条(Striae cutis atrophicaeまたはStriae cutis distensae)(ラテン語でStriae=マーク、cutis=皮膚、atrophicae=委縮性、distensae=過剰伸張)である。妊娠の過程では、ストレッチマークの出現は生理的である;このストレッチマークは妊娠ストレッチマークと呼ばれる(ラテン語でStriae gravidarum(妊娠線))。さらに、ストレッチマークは、肥満等の疾患の症状である可能性もあり、クッシング症候群の間に発症したり、または薬剤の副作用として起こったりすることもある。着色は、透明な血管に起因する。このマークは、腹部、腰部、臀部、上腕および胸部等の、より多量の脂肪が蓄えられる組織に優先的に生じる。素因は、結合組織虚弱およびかなりの量の体重増加である。加えて、妊娠中に、ホルモンの影響の結果として、皮膚の弾力性が低下する。皮膚の弾力性に関与する結合組織は、膠原線維のネットワークで構成される。結合組織の伸び過ぎは、皮下組織に回復不能な引裂きを招き、これが外から見える赤みを帯びた青色のマークにつながる。時間の経過とともに、このマークは薄くなるが、淡色の瘢痕として見え続ける。
【0096】
角質層(Stratum corneum)は薄く(約10μm)、引裂き抵抗性であり、プラスチック膜のように表皮を覆うほぼ完全に不透過性の薄膜である。全体として、角質層はバリア機能の担体である。この角質層は、物理的および化学的病毒に(アルカリにはさほどではないが、酸に)抵抗性があるが、有機溶剤および洗剤に対しては比較的敏感である。蛋白質特性のため、角質層は、吸湿性(親水性)である。水に比較的長時間暴露することにより膨潤し、そのため物理的性質の劇的な変化、たとえば、引裂き強度の低下および不透過性の減弱等を招く。角質層のバリア機能は、より不完全である。生物と環境の間で最小限の物質交換(たとえば、不感蒸散(perspiration insensiblis))をすることができる。一方で、低分子量物質は、皮膚に幾らか浸透することができ、脂溶性物質は水溶性物質より優先される。物質の収斂性により組織を引き締め(tighten)、脈管の透過性は低下し、病原菌による浸透は阻止され、皮膚の抵抗性は上昇する。それらは角質細胞のケラチンとの結合に入り、これらを架橋する。結果として、最上の角質皮膚層の立て直し(pulling together)が達成される。皮膚は機械的により弾力をもち(firm)、またバリア作用は増大する。このことは、炎症性皮膚反応の減少につながる。
【0097】
本発明によるケア処方物は収斂性を有するため、本発明はさらに、皮膚を引き締めるためおよびかつ/または皮膚に弾力をもたせるための、本発明によるケア処方物の使用を提供する。
【0098】
したがって、本発明は同様に、皮膚の抵抗性を高めるための、本発明によるケア処方物の使用を提供する。
【0099】
本発明によるケア処方物は概して、皮膚鎮静作用および消炎作用を有し、したがって本発明はさらに、皮膚上および/または皮膚内の炎症反応の非治療的処置および/または予防のための、本発明によるケア処方物の使用を提供する。
【0100】
本発明によるケア処方物は、皮膚の保湿力の改善を来たすので、本発明はさらに、皮膚の含水量を増加するため、皮膚のしわを減らして滑らかにするため、皮膚を均一に色づけるため、または皮膚表面の一様な外観を生み出すための、本発明によるケア処方物の使用を提供する。
【0101】
本発明によるケア処方物は、毛髪の改良された、引っ張り強さおよび/または持続性および/または弾力性をもたらすため、本発明はさらに、毛髪の引っ張り強さおよび/または持続性および/または弾力性を上昇させるための、本発明によるケア処方物の使用を提供する。
【0102】
本発明、記述全体から生じる適用範囲、および特許請求の範囲を、実施例に明記された実施態様に制限することを意図なしに、本発明を、例として下記の実施例に記述する。
【0103】
特に記載がない限り、記載のパーセンテージ(%)は全て、質量パーセントである。
【実施例】
【0104】
実施例1:本発明による、抽出物の調製
出発含量が14.6カテキン当量パーセントの出発薬物ヘルバ・シスタス・インカヌスL.亜種タウリカス(Herba Cistus incanus L ssp.tauricus)15.5Kgを、40℃のパーコレーター内で2回、エタノール40%(V/V)を用いて1:8まで徹底的に抽出する。上記薬物から分離した溶出液を混合し、濾過して、50℃、真空で、溶剤を穏やかに除去する。乾燥物質画分65%の水性スピッサム抽出物6kg(=ネイティブな抽出画分3.9Kg)が得られる。ネイティブな抽出物を基準に算出されるポリフェノール含量は、31.4カテキン当量パーセントである。
【0105】
スピッサム抽出物5.8Kg(ネイティブな抽出画分3.77Kg)を、脱塩水で再溶解して乾燥物質画分20%とし、60分間撹拌しながら徹底的に均質化する。次いでこの混合物を、10〜15℃で4時間、静置させる。沈降した、不溶性の底相が結果として生じる(総量の5%)。この残渣(タンニン画分)は、ネイティブな抽出物を基準にして22%のポリフェノール含量を示した。
【0106】
上澄(生成物相)を上方から採取し、透き通るまでCP1KS濾板で濾過する(定量的収率95%)。ポリフェノール含量は、ネイティブな抽出物を基準にして32.0カテキン当量パーセントであった。
【0107】
ネイティブな抽出物3.58Kgを含む抽出物溶液を、約20%濃度の溶液として、50リットルの吸着樹脂(Amberlite(登録商標) XAD7HP)を満たしたカラム上に入れる。通過液を分離し、廃棄した。次いで、3床容積(150リットル)の水で、カラムをきれいにすすぐ。吸着した第二次シスタス成分の溶出は、100リットルの96%(V/V)エタノールで行われる。水性エタノール溶出液を集め、透き通るまで濾過し、真空濃縮で溶剤を除去し、同時に、スピッサムを生じるまで蒸気に当てる。乾燥物質画分65%のスピッサム2kg(=ネイティブな抽出物1.3Kg)が得られる。ポリフェノール含量は、ネイティブな抽出物を基準にして65.0%カテキン当量パーセントであった。モノマー画分(テオガリン、エピガロカテキン、カテキン、エピカテキンおよび没食子酸エピガロカテキン)は3.6%である。
【0108】
実施例2:Teac試験
実施例1からの抽出物を以下で使用した;この抽出物は、上述の通りに測定して、60%カテキン当量パーセントのポリフェノール含量を有していたので、以下「シスタス60%」と呼ぶ。
【0109】
シスタス60%の抗酸化潜在力は、Buenger et al. ; International Journal of Cosmetic Science, 2006, 28, 135-146に準拠して実施される、Teac試験を使用して測定した。
【0110】
先行技術との比較用に、ポリフェノール含量が25%カテキン当量パーセントの従来型シスタス水性抽出物(「シスタス25%」)を使用した。これは、抽出物製造業者FinzelbergによりArt. 0 431 100という名で販売されている。
図1から、シスタス60%は、比較抽出物より4倍超高い抗酸化能を有するが、ポリフェノールの含量は2.4倍高いに過ぎないことを示す。
【0111】
実施例3:ORAC法に準拠した抗酸化潜在力
ORAC(酸素ラジカル吸収能:Oxygen Radical Absorption capacity)は、抗酸化潜在力を測定するための国際標準化方法である。この方法を使用して、抗酸化作用の親水性画分および親油性画分に分別することが可能である。よりよい比較可能性のために、全能力をトロロクス当量(TE)の単位でも示す。その手順は、www.orac-europe.comに記載されている。
シスタス抽出物(60%カテキン当量パーセント)
=5.1μmolのTE/mg
シスタス抽出物(25%カテキン当量パーセント、
=1.9μmolのTE/mg
【0112】
本発明に従って濃縮化された60%カテキン当量パーセントのシスタス抽出物は、並はずれて高いORAC潜在能を有し、これは先行技術より2.7倍高い。
【0113】
実施例4:皮膚モデルにおけるLDH放出、炎症マーカー
再生特性を特性化するために、本試験では、SkinEthic RHE, Nice, Franceからの皮膚モデルおよび表皮モデルを、シスタス60%で1時間、局所処理した。次いでこの組織モデルに、SDS(30μl、0.25%、40分)で規定の損傷を受けさせ、シスタス60%をさらに48時間投与した。LDH測定およびRT−PCR測定を参照することによって、皮膚モデルを保護することができたかどうか、また消炎作用が存在するかどうかを、立証することが目的であった。
【0114】
皮膚モデルの処理
インビトロ再構築ヒト表皮モデル(Reconstructed Human Epidermis RHE/S/17, Lot 07022A 0809, Skinethic Nizza, France)は、受け取り後、輸送パッケージから取り出して、いずれの場合にも維持培地300μlが入っている6ウェル細胞培養プレートに移した。37℃および5%COで4時間プレインキュベートした後、細胞培養培地を、用時調製した維持培地1000μlと交換し、さらなる順応期を、37℃および5%COで一晩実施した。試験当日に、シスタス60%の0.2%水溶液100μlおよび/または媒体(水)(両者とも、0.45μmスプレーフィルターを通して濾過)を、3D表皮モデルの乾いた角質層に三重に塗布し、37℃および5%COで1時間にわたってインキュベートした。次いで、再構築した表皮の表面から、過剰の試験物質を除去した。皮膚モデルの損傷は、0.25%濃度のSDS 30μl、40分間で起こる。最後に、この皮膚モデルをPBS緩衝液で20回洗浄した。
【0115】
次いで、全ての皮膚モデルについて、培地交換(維持培地1000μl)を実施した。
【0116】
シスタス60%の0.2%水溶液100μlを、新たに48時間塗布。24時間後、培地交換およびLDH測定用に培地1mlを採取。さらに24時間後、LDH測定用に培地1mlを再度採取。その後、その皮膚モデルを500μlのRNAに入れた。
【0117】
培地交換を実施した:細胞を培地に導入した2.5時間後、試験物質の投与前、SDSによる損傷後および24時間後(生存能を試験するため)。さらに、試験物質の投与前、24時間後および48時間後に、培地中へのLDH放出を測定した:
【0118】
乳酸脱水素酵素放出(LDH放出)
LDHが細胞培養培地に出現することは、細胞の細胞膜への損傷、したがって表皮細胞層への損傷の、確かな証拠である。さらに、この酵素の出現は、細胞にとっての「復帰限界点」を表し、したがって損傷の不可逆性を示すことが分かっている。
【0119】
LDH放出の測定
LDH活性の定量化は、市販の試験キットを使用して実施され、また製造業者の取扱説明書に従って行われた。LDHの活性を測定するとき、LDH希釈系列も標準として同伴した。(*LDH試験キットおよび標準、Roche Diagnostics, Mannheim, Germany)。
【0120】
結果は、図2および図3に示されており、皮膚モデルに損傷を受けた時、シスタス60%は、LDH放出を著しく減少させることがわかる。
【0121】
抗炎症マーカーとして、SKALP−F、IL−1αおよびTNF−αにおける遺伝子の発現を、以下の通りにRT−PCRを用いて測定した:
【0122】
皮膚モデルからのRNAの単離
皮膚モデルからの、完全なRNAの単離は、RNeasyミニキットを使用して実施される。分析のため、冷凍皮膚モデルを室温まで加熱し、キアゾール(Qiazol)溶液1mlで処理する。この皮膚モデルを、組織ライサー内で、5mmの鋼球を使用し、16,000ヘルツで5分間均質化する。この溶液を、室温で5分間静置させ、次いでクロロホルム200μlと混合する。この溶液を15秒間混合し、室温で3分間、再度静置させる。この懸濁液を4℃、12,000rpmで15分間遠心分離して、その上相を新しいエッペンドルフキャップに入れる。採取量を、同一採取体積(約600μl)のエタノール(70%)と混合する。700μlの液体を取ってRNeasyミニカラムに移し、13000rpmで15秒間遠心分離し、その液体は廃棄することができる。溶液の残りに関して、手順は同じである。次いでRW1緩衝液700μlを加え、その混合物を13,000rpmで15秒間遠心分離し、その液体は廃棄することができる。このカラムを新しいチューブ(2.2ml)に載せて、RPE緩衝液500μlで処理し、13000rpmで15秒間、再度遠心分離し、液体を捨てる。次いでRPE緩衝液500μlを加え、この混合物を13,000rpmで2分間遠心分離し、このトランスファーカラムを1.5ml用エッペンドルフキャップ(2ml)上に設置し、RNaseを含まない水50μlを加え、次いで13,000rpmで1分間、遠心分離する。測定のために、RNA溶液10μlを、水90μlと混合し、260nmの波長で、その吸収を測定する。1.00という吸収(A260)は、濃度50μg/mlの二本鎖DNA、33μg/mlの短い、一本鎖DNAまたは40μg/mlのRNAに相当する。残りの40μlの溶液を分け(いずれの場合にも10μl)、−80℃のフリーザー内に保存する。
【0123】
第一鎖合成
RT−PCR用の第一鎖cDNA合成キットを使用して、逆転写を実施する。
【0124】
いずれの場合にも、試料からのRNA 100ngを、1μlのランダムヘキサマー(50μM)および1μlのDEPC水と混合し、水で体積10μlにする。この溶液を65℃で5分間インキュベートし、次いで氷上で1分間保存する。定誤差原因を試験するために、全ての調査で水をブランク試料として使用する。ついで、10μlのcDNA合成ミックスを各溶液に加え、これを混ぜて25℃で10分間、50℃で50分間、および85℃で5分間、加熱処理し、次いで氷上で保存する。1μlのRNase Hを各溶液に加え、これを37℃で20分間インキュベートする。次いでこの溶液を−80℃で冷凍するか、またはPCR測定用に使用する。
【0125】
第一鎖合成のためのcDNA合成ミックス(−20℃で貯蔵)の調製:
10*RT緩衝液[2μl]
25mM MgCl[4μl]
0.1M DTT[2μl]
RNaseOUT(40U/μl)[1μl]
SuperScript III RT(200U/μl)[1μl]
【0126】
PCR
1.5μlの鋳型(cDNA)を採取し、下記の溶液を加える:
PCR用鋳型組成物、プライマー
2* SYBR Green MasterMix 25 [μl]
Primer-F(100pmol/μl)0.15[μl]
Primer-R(100pmol/μl)0.15[μl]
RNaseを含まない水23.2[μl]

初回変性:95℃で15分
増幅:
変性:94℃で15秒
アニーリング:50℃で30秒
伸長:72℃で30秒
その後の融点測定を含む44サイクルでは、完全なPCRの持続時間は2.5時間であった。データは、MJ Researchから販売されているOpticon Monitor Analysis Software, Version 1.05を使用して評価した。

MWGから使用したオリゴヌクレオチド(順方向プライマー)
順方向プライマー配列(5'-3')
GAPDH 5'-GAAGGTGAAGGTCGGAGTCAACG-3'
SKALP 5'-CATGAGGGCCAGCAGCTT-3'
IL−1α 5'-GTCTCTGAATCAGAAATCCTTCTA-3'
TNF−α 5'-CTCTGGCCCAGGCAGTCAGA-3'

MWGから使用したオリゴヌクレオチド(逆方向プライマー)
逆方向プライマー配列(5'-3')
GAPDH 5'-AGTCCTTCCACGATACCAAAGTTG-3'
SKALP−F 5'-TTTAACAGGAACTCCCGTGACA-3'
IL−1α 5'-CATGTCAAATTTCACTGCTTCATC-3'
TNF−α 5'-GGCGTTTGGGAAGGTTGGAT-3'
【0127】
結果は図4に示されており、皮膚モデルに損傷を受けた時、シスタス60%は、炎症マーカーの著減をもたらすことがわかる。
【0128】
実施例5:実施例処方物
実施例処方物を以下に記述する;記載のパーセンテージは質量パーセントであり、また実施例処方物の全質量を基準にしている。本処方物を調製するために、当業者に周知の通例の処方方法を使用した。「シスタス」は、いずれの場合にも、実施例1で得られる抽出物を表現するものである。
【0129】
【表1】

【0130】
【表2】

【0131】
【表3】

【0132】
【表4】

【0133】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
工程段階
−水、アルコールおよびそれらの混合物の群から選択される抽出剤を用いたヘルバ・シスタス亜種(Herba Cistus ssp. L.)からの抽出
−抽出残渣の除去
−前記抽出剤の少なくとも部分的な除去
−水性溶媒中での再溶解および不溶成分の除去
−固相抽出による選択的濃縮化
によって調製される、シスタスからの抽出物の、ヒトまたは動物の体の一部をケアするためのケア有効成分としての使用。
【請求項2】
工程段階
−水、アルコールおよびそれらの混合物の群から選択される抽出剤を用いたヘルバ・シスタス亜種(Herba Cistus ssp. L.)からの抽出
−抽出残渣の除去
−前記抽出剤の少なくとも部分的な除去
−水性溶媒中での再溶解および不溶成分の除去
−固相抽出による選択的濃縮化
により得ることができるケア有効成分を含む局所ケア処方物。
【請求項3】
化粧用処方物、皮膚用処方物または医薬処方物を構成することを特徴とする、請求項2に記載のケア処方物。
【請求項4】
前記ケア処方物の全質量を基準にして0.01質量%〜20質量%のケア有効成分を含むことを特徴とする、請求項2または3に記載のケア処方物。
【請求項5】
皮膚および/または毛髪のコンディショニングのための、請求項2〜4のいずれか1項に記載のケア処方物の使用。
【請求項6】
酸化的ストレスに起因する皮膚老化および/または毛髪損傷を処置および/または予防するための、請求項2〜4のいずれか1項に記載のケア処方物の使用。
【請求項7】
環境毒素に起因する毛髪損傷および/または皮膚損傷、あるいは紫外線誘導性の毛髪損傷および/または皮膚損傷を減少させるための、抗酸化有効成分としての、請求項2〜4のいずれか1項に記載のケア処方物の使用。
【請求項8】
皮膚を引き締めるおよび/または皮膚に弾力をもたせるための、請求項2〜4のいずれか1項に記載のケア処方物の使用。
【請求項9】
皮膚の抵抗性を高めるための、請求項2〜4のいずれか1項に記載のケア処方物の使用。
【請求項10】
皮膚上および/または皮膚内の炎症反応の非治療的処置および/または予防のための、請求項2〜4のいずれか1項に記載のケア処方物の使用。
【請求項11】
皮膚の含水量を増加するため、皮膚のしわを減らして滑らかにするため、皮膚を均一に色づけるため、または皮膚表面の一様な外観を生み出すための、請求項2〜4のいずれか1項に記載のケア処方物の使用。
【請求項12】
毛髪の引っ張り強さおよび/または持続性および/または弾力性を上昇させるための、請求項2〜4のいずれか1項に記載のケア処方物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−519887(P2011−519887A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507858(P2011−507858)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054068
【国際公開番号】WO2009/135739
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(507375465)エヴォニク ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (100)
【Fターム(参考)】