説明

シフトバイワイヤギアシフト装置

【課題】ユーザがノブを操作してシフト操作を行うとき、シフト操作感を持つことができる車両用シフトバイワイヤギアシフト装置。
【解決手段】シフトバイワイヤギアシフト装置は、固定部分10と、ノブ20とを備え、ノブ20は、固定部分10に対して移動されるとシフト操作を可能にするように構成され、装置は更に、ノブ20を操作するときユーザにシフト操作感を与える触覚デバイス30を備える。触覚デバイス30はノブ20と固定部分10との間で機能することができ、且つノブ20の内部に取り付けることができる。触覚デバイス30は、ノブ20内に嵌め込まれる外表面31を備え、追従フィンガ32は固定部分10内で外表面31の方にバネ付勢されるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の序文に記載の固定部分及びノブを備える車両用シフトバイワイヤギアシフト装置に関する。使用時には、固定部分に対してノブを手動で移動させることにより、異なるギアシフト位置の間での変更を可能にする。
【背景技術】
【0002】
ギアシフト制御に用いるシフトバイワイヤ(SbW)システムは公知であり、運転の快適さ、及びシフト性能の点で多数の利点をもたらすので、益々広く利用されるようになっている。SbWシステムは通常、ギアシフト装置(シフトアセンブリ)と、ノブ(ユーザインターフェース)と、ベゼル(切り替わるコンソールの中のレバーギャップカバー及び他の部材を当該ベゼルの中に設けることができる)とを備える。
固定部分を備えるギアシフト装置付きSbWシステムも公知である。このような公知の装置では、ノブに、多数のスイッチ、接点部材、又は他の部品を設けることができる。固定部分に対してノブを移動させることにより、シフト操作を行なうことができる。これらの操作は、ユーザがノブを相対移動させることにより行なわれる。固定部分に対するノブの前記移動によって、複数のスイッチ又は複数の接点のうちの少なくとも1つが閉じ、ギアシフトが行なわれる。
【0003】
このような装置の一例が、米国特許第4183424号に開示されている。この文献に開示されるギアシフト装置は、電流を流す部材を内部に収容する固定部分と、接点が取り付けられたノブとを備える。ノブを固定部分に弾性的に取り付けて、当該固定部分に対してノブを移動させることができるようにする。この場合、すなわちギアチェンジの過程において、ノブの接点が閉じる。
米国特許第6694838号には、シフトノブと、少なくとも1つの軸の回りに回転可能に取り付けられたシフト機構とを有するシフト装置が開示されている。変換装置を設けて、シフト移動を光信号及び/又は電気信号及び/又は油圧信号に変換し、送信装置が信号を送信する。
【0004】
この種のギアシフト装置の別の例が、米国特許第5563388号に開示されるギアシフト装置である。この装置は、固定部分に対して移動可能なノブを備える。ノブ内には、ノブにだけでなく弾性センタリング部材にも接続された少なくとも1つの電気接点が設けられる。ノブを固定部分に対して手動で左右いずれの方向に移動させると、接点部材は半径方向に変位して、固定部分の外部と接触する複数の異なる接点位置のうちの一つに位置する。
シフト操作を指示する可動ノブを有する先行技術によるギアシフト装置は製造が簡単であるが、これらの装置のいずれもが、使用時には機械的シフト装置であるかのようなシフト操作感をユーザに与えないので、その使用は十分に効率的なものではない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、請求項1に記載の車両用シフトバイワイヤギアシフト装置を提供するものであり、ユーザは、ノブを操作してシフト操作を行なうとき、シフト操作感を持つことができる。
本発明による装置のシフト操作感は、この種のギアシフト装置のノブを操作するときにユーザ(後述では運転者)に前記シフト操作感を与えるのに適した触覚デバイスを組み込むことにより、達成可能である。
【0006】
一実施形態では、上記触覚デバイスは、使用時に、ノブと固定部分との間で機能することが好ましい。本発明では、固定部分は、例えば車両に固定されるとすると、直接操作されるか又は車両に固定された他のいずれかの部分を介して操作されるかを問わず、通常のギアシフト装置のギアシフトレバーに対応することができる。
本発明の別の実施形態では、触覚デバイスは、使用時に、ノブの内部に取り付けられる。
【0007】
本発明の一つの特徴によれば、触覚デバイスは、外表面又はパッドと、追従フィンガとを含む。外表面又はパッドは、ノブに接続され、且つノブと一緒に移動することができる適切な平坦でない表面とすることができる。使用時に、外表面はノブ内に嵌め込むことができ、追従フィンガは、固定部分において外表面の方にバネ付勢されるように構成することができる。
具体的には、触覚デバイスの外表面は、ノブを操作したとき、運転者にギアシフト情報を供給して速度変化が生じていることを警告するように適切に設計される。言い換えれば、運転者が固定部分に対してノブを移動させるとき、使用状態において速度変化が生じているという感覚を持つことができる。これは、フルマニュアルギアシフト装置で生じる、又は例えばトリップトロニック(Triptronic)システムなどのP、R、N、D、M((ニュートラルティプトロニック(Tiptronic))、M+、M−、...)位置で生じる労力及び感覚を模擬している。
【0008】
ノブを固定部分に接続する連結手段を更に設けて、ノブを前記固定部分に対して移動可能にする。
一実施形態では、連結手段は、固定部分の一部とすることができるボールを含むボール/ソケットジョイントとすることができ、ボールは使用時に、ノブの下部に形成される凹部内に収容される。他の実施形態では、上部ソケット及び下部ソケットが設けられ、上部ソケットと下部ソケットとの間にはボールが配置される。
【0009】
他の実施形態では、連結手段は、ボールがノブの一部となるボール/ソケットジョイントを含むことができるか、又は別の構成として、各々が固定部分及びノブにそれぞれ接続される互いにヒンジ接続する横材を含むことができる。
連結手段は、ノブが固定部分の長手軸を中心とした回転を行うことを阻止する手段を含むことができる。第1の実施形態では、ノブ回転阻止手段は、ノブに取り付けられるか、又はノブと一体形成されるC−リングのような開放リングを含むことができる。C−リングに形成される隙間は、固定部分に形成される突出ピンを収容するのに適している。C−リング及びノブは、固定部分に対して移動させることができ、且つノブの、固定部分の長手軸を中心とした回転を阻止することができる。第2の実施形態では、ノブ回転阻止手段はブラケットに取り付けられたラウンドピンを含むことができ、ブラケットはノブの内部空間に挿入されて、固定部分の前記長手軸を中心としたノブの回転を阻止する。内部空間の幅は、ラウンドピンのサイズとほぼ同じであることが好ましい。
【0010】
本発明の装置は更に、固定部分に対するノブの位置を検出する検出手段を備えることができる。前記検出手段は、ノブの内部に取り付けることができ、電磁気センサ、誘導センサ、ホールセンサ、及び角度センサから成るグループより選択される少なくとも1つのセンサを含むことができる。
検出手段は、例えばセンサ自体に対する磁石の角度位置を求めることができる単一の3次元センサのような3次元センサを含むことができ、当該磁石は、連結手段のボール/ソケットジョイントのボールの内部に嵌め込まれる。従って、センサは固定部分に固定され、且つ固定部分の下部に近接して配置することができる。
【0011】
本発明のシフトバイワイヤギアシフト装置は更に、固定部分とノブの間で機能する平滑なエンドストップ手段を備えることができる。平滑なエンドストップ手段は、固定部分の周りに嵌め込まれる弾性O−リングを含むことができる。
触覚デバイスを可動ノブタイプのシフトバイワイヤギアシフト装置に設けることにより、複数の利点が得られる。即ち、単純である(ギアシフト移動に十字継手アセンブリを使用しなくて済む)、移動質量が小さくなる、シフター/ノブ/ベゼルアセンブリ(本発明の装置のギアシフトレバー(すなわち、固定部分)は、ギアシフトコンソールに移動させることができず、覆うべき隙間が無い)に含まれる部品の数を少なくすることができることに加え、触覚デバイスによってギアシフト操作感を持たせることができる。
【0012】
他方、ユーザの手でノブを正しく掴むことができるように、ノブを標準的なサイズにすることができるが、触覚デバイスがノブ内に一体化されるので装置サイズ全体は更に小さくなる。これにより、車両内装製品の設計者がギアシフト装置を取り付ける際の、柔軟性及び自由度が増大する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明による車両用シフトバイワイヤギアシフト装置の特定の実施形態ついて、非制限的な例示のみを目的に、添付図面を参照しながら以下に説明する。
【図1】図1は、本発明によるシフトバイワイヤギアシフト装置の一実施例の断面図であり、ノブ回転阻止手段の第1の実施形態が示されている。
【図2】図2は、本発明によるシフトバイワイヤギアシフト装置の別の実施例の断面図であり、ノブが固定部分に対して1つの特定の位置に位置している状態の装置を示している。
【図3】図3は、図2と同様の断面図であり、ノブが固定部分に対して図2とは異なる位置に位置している状態の装置を示している。
【図4】図4は、図2のシフトバイワイヤギアシフト装置の実施形態をラインB−Bに沿って切断した断面図であり、ノブ回転阻止手段の第2の実施形態が図2の相対位置に位置している様子を示す。
【図5】図5は、図3のシフトバイワイヤギアシフト装置の実施形態をラインC−Cに沿って切断した断面図であり、ノブ回転阻止手段の第2の実施形態が、図3の相対位置に位置している様子を示す。
【図6】図6は、図2のシフトバイワイヤギアシフト装置の実施形態の下部を切り開いて内部を見えるようにした斜視図であり、ノブ回転阻止手段の第2の実施形態が、ノブが図2の相対位置に位置している状態で動作する様子を示している。
【図7】図7は、図3のシフトバイワイヤギアシフト装置の実施形態の下部を切り開いて内部を見えるようにした斜視図であり、ノブ回転阻止手段の第2の実施形態が、ノブが図3の相対位置に位置している状態で動作する様子を示している。
【図8】図8は、本発明によるシフトバイワイヤギアシフト装置の更に別の実施形態の立面図である。
【図9】図9は、図8のラインA−Aに沿って切断したシフトバイワイヤギアシフト装置の実施形態の断面図である。
【図10】図10は、図9のラインB−Bに沿って切断したシフトバイワイヤギアシフト装置の実施形態の断面図である。
【図11】図11は、本発明によるシフトバイワイヤギアシフト装置の更に別の実施形態の部分断面図である。 本明細書において使用される同様の参照番号は同様の構成要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面には、本発明の複数の実施例を示す。
本明細書に開示される図示の実施例によるシフトバイワイヤギアシフト装置は、細長い中空ロッドから成る固定部分10を備える。固定部分10は、通常のギアシフト装置のレバーに対応し、当該固定部分は、上側中空部分34と、下側中空部分36とを有する。
【0015】
本発明の装置は、車両のシャーシ又はコンソール(図を分かり易くするために示していない)に支持部材又はブラケット60により取り付けられる。固定部分10は、前記ブラケット60に、この技術分野で公知のいずれかの適切な手段により固定される。
図示のシフトバイワイヤギアシフト装置は更に、上部カバー21を有するノブ20を備える。ノブ20は、固定部分10に対して移動させることによりシフト操作が可能になるように構成される。具体的には、ノブ20は、固定部分10の長手軸11に対し、ニュートラル位置(図1、2、又は7)からギアチェンジ位置に、ノブ20を軸X、Yの回りで動かすことにより移動させることができる。このようなギアチェンジ位置の一例が、図3又は図6に示されており、この位置では、ノブ20は、軸Yを中心に回転されている。従って、固定部分10は、ノブ20を支持して、当該ノブを移動させることができるようにするように機能する。しかしながら、以下に詳細に説明するように、ノブ20は、固定部分10の長手軸11に対応するか、又はほぼ一致する軸を中心として回転することができない。これは、以下に更に説明するノブ回転阻止手段50を設けることにより実現される。
【0016】
本発明のシフトバイワイヤギアシフト装置には更に、ユーザ(すなわち、運転者)にギアシフト情報を伝える触覚デバイス30が設けられる。具体的には、触覚デバイス30は使用時に、運転者が速度変更のためにノブ20を操作するときに、フルマニュアルギアシフト装置、トリップトロニック(Triptronic)装置などで感じられる労力及び感覚に似た感覚を与える働きをする。
この目的のために、以下に詳細に説明される触覚デバイス30は、シフトバイワイヤギアシフト装置のノブ20と固定部分10との間で作用するように構成される。図1に示す実施形態では、例えば触覚デバイス30は、ノブ20の内部に取り付けられる。
【0017】
これらの図に示すように、触覚デバイス30は、外表面又はフィーリングパッド31と、追従フィンガ32とを備える。図示の実施形態では、外表面又はパッド31はノブ20に取り付けられ、ノブ20と一緒に移動することができる。触覚デバイス30の追従フィンガ32は、固定部分10の上部中空部分34にぴったり収まり、当該中空部分内において圧縮バネ33により、バネ付勢される。圧縮バネ33は、フィンガ32と一直線に並んで、やはり固定部分10の上部中空部分34に嵌合する。圧縮バネ33は、フィンガの自由端35が外表面に押し付けられるように、フィンガ32を外表面31の方に付勢し続ける。使用時に、追従フィンガ32は外表面31上をスライドし、ノブ20を移動させると外表面のでこぼこを移動することにより、ノブ20の異なる位置を運転者が感じ取る。図1に示す実施形態では、例えば外表面31はノブ20内に嵌合する。
触覚デバイス30がユーザにノブ20を操作するときに与えることができる感覚パターンは、外表面31を変えることにより変化させることができる。外表面31は、上述の上部カバー21と一体的に形成することができる。従って、同じ装置及び同じ電子部品を使用する場合も、車両ごとに感覚パターンを容易に変えることができる。
【0018】
ノブを固定部分10に対して移動させることができるように、ノブ20を接続する連結手段も設けられる。
図1に示すような連結手段40の第1の実施形態では、当該手段はボール/ソケットジョイント41を備え、この場合、ボールが固定部分10の一部であり、且つノブ20の下部に形成される凹部42の内部に収容される。ノブ20を接続する他の手段を設けてもよく、ノブを固定部分10に対して移動させることができるように、例えば各々がそれぞれ固定部分10及びノブ20に連結する互いにヒンジ接続する横材の各継手を用いてもよい。
【0019】
連結手段90の第2の実施形態では、ボールはノブ20に固定される。これについては図面の図8〜10に関連付けて以下に詳細に説明する。
上述のように、連結手段40は更に、ノブ20が固定部分10の長手軸11を中心に回転することを阻止する手段50を含む。
【0020】
ノブ回転阻止手段50の異なる実施形態は、本発明の範囲内で実現することができる。
図1に示すノブ回転阻止手段50の第1の実施形態では、当該手段は、ノブ20に取り付けられているか又はノブ20と一体形成されるC−リング51のような開放リングを備える。C−リング51の開放部分に形成される隙間は、固定部分10に形成される突出ピン52の収容に適する。従って、C−リング51、従ってノブ20は、固定部分10に対して移動させることができる。すなわち、これらの部分は、水平面内にある少なくとも2つの軸X、Yの回りで回動させることができるが、固定部分10の長手軸11に対応するか又はほぼ一致する直交軸Zを中心に回転させることはできない。
【0021】
図面の図2〜7に示すノブ回転阻止手段50の第2の実施形態では、図4及び5に示すように、ブラケット60に、例えばボルト57によって取り付けられるラウンドピン54を設ける。使用時に、ラウンドピン54は、ノブ内部空間53に挿入される。図面の図4〜7に示すように、ノブ内部空間53は、アーム55、56を画定する2つの平行壁により画定される。これらのアームはU字部分を形成し、このU字部分の間に、ラウンドピン54が嵌め込まれる。このような構成によって、ノブ20の、固定部分10の長手軸11に対応するか又はほぼ一致する垂直軸Z(図6〜7参照)を中心とした回転が阻止される。図4〜5に最も明瞭に示されるように、内部空間53の幅、すなわちアーム55と56の間隔は、ピンR54の大きさとほぼ同じである。
図11に詳細に示すノブ回転阻止手段50の第3の実施形態では、当該手段は、ボール91から反対方向に延びる一対の円筒ピン97を備える。ピン97は、U字形下部ソケット93内で回転することができる。図11に示すように、下部ソケット93はネジにより固定部分10に固定され、ボール91はノブ20に固定される。
【0022】
本発明のシフトバイワイヤギアシフト装置には更に、固定部分10に対するノブ20の位置を検出する検出手段70が設けられる。検出手段70は、一つ以上の磁石71(又は金属プレート)と、センサ素子72とを備え、センサ素子72は、例えば電磁気センサ、誘導センサ、ホールセンサ、角度センサなどの少なくとも1つのセンサと、固定部分10の下部中空部分36内に延びるケーブル73の形態の電気導体手段とを備えることができる。従って、使用時に、センサ72に対する磁石71の位置(図1〜3)が、ノブ20の異なる操作位置に対応して検出される。
センサをブラケット内に設け、磁石(又は、金属プレート)をノブ内に設けてもよい。
【0023】
図1に示す装置の実施形態では、検出手段70はノブ20の内部に取り付けられる。この場合、磁石71はノブ20の内部表面に取り付けられる。しかしながら、検出手段70は、図2及び3に示す装置の実施形態に示すように、ブラケット60とノブ20との間に取り付けてもよい。この場合、センサ素子72及び磁石71と協働する電気回路74がブラケット60の上に取り付けられる。
平滑なエンドストップ手段80も設けられる。図面に示す本発明の実施形態では、前記ストップ手段80は、図1〜3に示すように、固定部分10の上部の周りの、触覚デバイス30の近くに嵌め込まれた弾性O−リング81を備える。使用時に、O−リング81が、図3に示すように、固定部分10とノブ20の間の、ノブの限界位置で機能する位置にある場合、当然ながら、平滑なエンドストップ手段80に他の構造及び位置を使用することができる。
【0024】
次に、図8〜10に示すように、連結手段90は、ボール91を含むボール/ソケットジョインを備え、ボール91はノブ20に固定され、且つ使用時に、上部ソケット92と下部ソケット93の間に形成される凹部内に収容される。上部ソケット92は固定部分10に収容され、下部ソケット93は固定部分10にネジ95により固定される。
この実施形態では、固定部分10に対するノブ20の位置は、ノブ20の下部において検出される。具体的には、磁気信号放出部材(すなわち、ボール91の内部に嵌め込まれた磁石71)に加えて、前記信号を検出する電気回路74が設けられる。このような電気回路74は固定部分10に配置されるので、回路74及び検出手段70の磁石71の両方が、図9〜10に示すように、ノブ20の下部に配置される。
【0025】
固定部分10の上部ソケット92と下部との間には、遊びを小さくするためにO−リング94を設ける。組み立てのために、ボール91は、ソケット92、93にそれぞれ対応する2つの半径を有する。ボール91はネジ96により固定される。
この実施形態では、ノブ回転阻止手段50は、ボール91に形成される2つの突出ピンと、下部ソケット93に形成されるU字形部分とを備える。
この実施形態では又はいずれの実施形態においても、検出手段70は、例えばセンサ自体に対する磁石71の角度位置を求めることができる単一の3次元センサのような3次元センサを備えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部分(10)とノブ(20)とを備えるシフトバイワイヤギアシフト装置であって、前記ノブ(20)は、前記固定部分(10)に対して移動することによりシフト操作が行われるように構成されており、ギアシフト装置が更に、前記ノブ(20)を操作するときにユーザにシフト操作感を与える触覚デバイス(30)を備えることを特徴とする、シフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項2】
使用時に、触覚デバイス(30)が前記ノブ(20)と前記固定部分(10)との間で機能する、請求項1に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項3】
使用時に、触覚デバイス(30)がノブ(20)の内部に取り付けられる、請求項1又は2に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項4】
触覚デバイス(30)が、外表面(31)と追従フィンガ(32)とを含む、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項5】
使用時に、前記外表面(31)がノブ(20)内に嵌め込まれ、追従フィンガ(32)が、固定部分(10)内で外表面(31)の方にバネ付勢されるように構成される、請求項4に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項6】
ノブが前記固定部分(10)に対して移動可能であるように、前記ノブ(20)を接続する連結手段(40)を更に備える、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項7】
連結手段(40)がボール/ソケットジョイント(41)である、請求項6に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項8】
連結手段(40)が、各々固定部分とノブにそれぞれ接続される、互いにヒンジ接続する横材を含む、請求項6に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項9】
連結手段(40)が、前記ノブ(20)の、固定部分(10)の長手軸(11)に対応するか又はほぼ一致する軸を中心とした回転を阻止する手段(50)を含む、請求項6ないし8のいずれか一項に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項10】
前記ノブ回転阻止手段(50)が、ノブ(20)に取り付けられて、固定部分(10)に形成された突出ピン(52)を収容する隙間を画定する開放リング(51)を備えており、これによって、前記ノブ(20)の、固定部分(10)の長手軸(11)を中心とした回転が阻止される、請求項9に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項11】
前記ノブ回転阻止手段(50)が、ラウンドピン(54)が挿入されるノブ内部空間(53)を含み、これによって、ノブ(20)の、固定部分(10)の長手軸(11)を中心とした回転が阻止される、請求項9又は10に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項12】
前記ノブ内部空間(53)の幅が、ピン(54)の大きさとほぼ同じである、請求項9に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項13】
固定部分(10)に対するノブ(20)の位置を検出する検出手段(70)を更に備える、請求項1ないし12のいずれか一項に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項14】
検出手段(70)がノブ(20)の内部に取り付けられる、請求項13に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項15】
検出手段(70)が固定部分の下部に取り付けられる、請求項13に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項16】
検出手段(70)が少なくとも1つのセンサ(72)を含む、請求項13ないし15のいずれか一項に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項17】
前記センサ(72)が3次元センサである、請求項16に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項18】
前記センサ(72)が、電磁気センサ、誘導センサ、ホールセンサ、及び角度センサから成るグループより選択される少なくとも1つのセンサである、請求項16に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項19】
固定部分(10)が車両に固定される、請求項1ないし18のいずれか一項に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項20】
固定部分(10)とノブ(20)の間で機能する平滑なエンドストップ手段(80)を更に備える、請求項1ないし19のいずれか一項に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。
【請求項21】
前記平滑なエンドストップ手段(80)が、固定部分(10)の周りに嵌め込まれる弾性O−リング(81)を含む、請求項20に記載のシフトバイワイヤギアシフト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−116148(P2010−116148A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−257186(P2009−257186)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(509127295)
【Fターム(参考)】