説明

シフトレジスタ及びレベルシフタを有するLEDストリング駆動装置

本発明は、OLED/LEDストリングのOLED/LED要素を個別に駆動させる装置であって、前記ストリングの各OLED/LED要素に関して、−対応するOLED/LED要素14,15と結合される制御可能なシャントスイッチ22,42と、−シャントスイッチ22,42へ結合される制御出力ポート、データ入力ポート及びクロック入力ポートを有し、シャントスイッチ22,42を制御するスイッチ制御手段30,44と、−スイッチ制御器手段30,44へ割り当てられるレベルシフト手段32であって、制御入力データをプログラミングモードにおいてスイッチ制御器手段30,44によって受け入れられるのに十分なレベルへ変更させ、且つ、シャントスイッチ22,42の制御を可能にするように適合されるレベルシフト手段32と、を含む、装置に関する。OLED/LED要素14,15のスイッチ制御器手段30,44は、直列−並列変換器手段31を形成するように設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OLED/LEDストリングのOLED/LED要素を個別に駆動させる駆動装置に関する。本発明は、OLED/LEDストリングのOLED/LED要素を個別に駆動させる駆動装置方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
LED又はOLED(有機発光ダイオードダイオード)を使用する発光装置は、一般照明応用例に関してより多くの関心を得ている。LED及びOLEDは、多くの量の光を発生させるのに使用され得、高速なスイッチングを可能にするという有益な点を有する。これらは、一方で一般的な光源として使用され得るが、他方では、表示又はデザイン要素として使用され得る。発光装置におけるLED/OLEDを制御するために、いわゆる駆動装置が使用される。この分野において、このような駆動装置をいかに設計するかに関していくつかの解決法が存在している。例えば、米国特許出願公報第2006/0038803A1号又は国際特許出願公報第2006/107199A2号は、LEDストリングを形成するように直列に接続されるLEDをいかに制御するかに関しての解決法を開示している。
【0003】
一般的に、走査マトリクスを使用することは、複数のLED(又はOLED)を個別に制御する最も明確な手法である。しかし、欠点は、個々のLEDの低い利用率である。多重化が原因により、各LEDに関する活性化時間として、時間サイクルのうちのほんのわずかのみが使用される。したがって、LEDの光学出力は、定格値よりも低くなり得る。高出力LEDにおけるピーク電流は特定の値に制限されるので、暗い時間をより大きい設定項目により補償することは可能ではない。
【0004】
1つのストリングのみ(すなわち、例えば、行又は列などとして、1次元に接続される複数のLED)が制御される場合において、2つの可能性が従来の技術分野において以下のように提案されている。
【0005】
1つ目としては、全てのLEDが1つの端子で共通の電位に接続され得、他の端子が切り替えをされる。この場合、特定の電流制限手段が各個別のLEDに関して必要とされる。
【0006】
2つ目としては、LEDを直列に接続することが可能である。この場合、1つの電流制限ブロックのみが必要とされるが、ストリング内の浮動参照電位が原因により個別のLEDを切り替えすることは複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
2つ目の可能性に関して、本発明の目的は、上述の課題を解決し、そして、簡単、費用効果的且つスケーラブルである装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この及び他の目的は、OLED/LEDストリングのOLED/LED要素を個別に駆動させる装置であって、前記ストリングの各OLED/LED要素に関して、
−対応する前記OLED/LED要素と結合される制御可能なシャントスイッチと、
−前記シャントスイッチへ結合される制御出力ポート、データ入力ポート及びクロック入力ポートを有し、前記シャントスイッチを制御するスイッチ制御手段と、
−前記スイッチ制御器手段へ割り当てられるレベルシフト手段であって、前記制御入力データをプログラミングモードにおいて前記スイッチ制御器手段によって受け入れられるのに十分なレベルへ変更させ、且つ、前記シャントスイッチの制御を可能にするように適合されるレベルシフト手段と、
を含み、前記OLED/LED要素の前記スイッチ制御器手段が、直列−並列変換器手段を形成するように設けられる、装置によって解決される。
【0009】
言い換えると、本発明の装置は、モジュール的に構築され、ストリングの各OLED/LED要素は、1つのモジュールユニットを割り当てられる。各モジュールユニットは、このモジュールユニットが互いに適切に直列に結合される場合に、直列−並列変換器手段のうちの1つの段を形成するように適合されるスイッチ制御器手段を含む。モジュールユニットのスイッチ制御器手段は、対応するシャントスイッチを制御するためのバイナリ制御値を記憶する。各スイッチ制御器手段は、装置の第1のモジュールユニットへ制御値を直列に供給するとともに、前記直列−並列変換器手段の段を通じて直列データストリームをクロック処理することによって、制御値を受け取る。
【0010】
ストリングの個別のOLED/LED要素が浮動参照電位を有するので、各モジュールユニットは、OLED/LED要素へ並行に結合されるシャントスイッチの参照点及びスイッチ制御器手段出力信号の電位を整合させるように適合されるレベルシフト手段を含むように、構成される。
【0011】
本発明の装置は、例えば、要素をスイッチオフ及びオンにするなどの、ストリングのOLED/LED要素を個別に制御することを可能にさせる。この特徴は、効率に関する欠点を有さない画素化されるLEDランプの使用を可能にする。上述されるように、本発明の装置は、3つの本質的な特徴を含み、すなわち、ストリングを簡単な直列データ源へ接続する直列−並列変換器手段と、直列接続のOLED/LEDを駆動させるのに必要とされるレベルシフト手段と、シャントスイッチと、である。
【0012】
OLED/LED要素の個別の活性化が使用される場合、制御電子機器が原因による何の追加的な損失も存在しない。要するに、本発明の装置は、個別の制御のないOLED/LEDの通常のストリングに関して使用される場合に非常に優れた効率性が達成され得、個別のアドレス指定手段が使用される場合にOLED/LEDの非常に高い利用性が達成されるという有利な点を有する。
【0013】
本文書の文脈において、「LED」又は「LED要素」という表現は、一方で、LED及びOLED要素を意味するが、他方では、1つのLED又はOLEDのみだけでなく、2つ以上のLED又はOLEDの直列若しくは並列接続又は直列及び並列の混合をも意味することを特記されるべきである。
【0014】
好ましい実施例において、前記シャントスイッチが、前記スイッチ制御器手段が、直列データストリームによってプログラムされる場合にスイッチオンされる。好ましい実施例において、LED要素は、プログラミングモードにおいて0又は小さい負の値に供給電流を設定することによって切り替えされ、これにより、制御値が直列−並列変換器の段を通じてシフトされる場合に、LED要素の活性化を防ぐ。
【0015】
好ましい実施例において、前記シャントスイッチが、トランジスタであり、好ましくは電界効果トランジスタである。より好ましくは、前記スイッチ制御器手段が、前記クロック入力ポートを介してトリガされるDラッチ回路である。更に好ましくは、前記レベルシフト手段が、直列に接続され且つ前記ラッチ手段の電位参照点と前記クロック入力ポートとの間に設けられるコンデンサ及び第1ダイオードを含み、前記クロック入力ポートが、前記ラッチ手段によって形成される前記直列−並列変換器手段のプログラミングにおいて第2ダイオードを介してクロック・供給(Clock_and_Supply)信号を供給される。更に好ましくは、抵抗器が前記ラッチ手段の前記クロック入力ポートと前記参照点との間に結合される。
【0016】
好ましい実施例において、ラッチ手段の前記データ入力ポートが、前記直列−並列変換器手段を形成するために、先行するラッチ手段の前記出力ポートと結合される。
【0017】
好ましい実施例において、電流制限抵抗器が、前記ラッチ手段の前記データ入力ポートと、前記先行するラッチ手段の前記データ出力ポートとの間に設けられる。
【0018】
上述の特徴は、実際に有利であることが証明されている。しかし、上述の態様は、本発明の装置を設計することへの1つの好ましい解決法であり、唯一の設計ではないことを特記されるべきである。当然、本発明の概念は、異なるようにも実施化され得る。
【0019】
本発明の目的は、OLED/LEDストリングのOLED/LED要素を個別に駆動させる方法であって、
直列−並列変換器を設けるステップと、
前記ストリングにおける各OLED/LED要素に対して、シャントスイッチを設けるステップであって、各シャントスイッチが前記直列−並列変換器の対応する段へ割り当てられる、ステップと、
直列データストリームを供給することによって前記変換器をプログラミングするステップであって、前記シャントスイッチが、プログラミングにおいてスイッチオンにされる、ステップと、
電力を前記ストリングへ供給することとともに、前記直列−並列変換器の並列出力信号によって前記シャントスイッチを制御することによって、前記ストリングを動作させるステップと、
を含む方法によっても解決される。
【0020】
本発明の方法は、本発明の装置に関して説明されたのと同一の有利な点を達成し、これにより、その説明に関して、対応する上述の説明が参照される。
【0021】
更なる特徴及び有利な点は、以下の説明と添付の図面とから理解され得る。
【0022】
上述の特徴及びまだ説明されていない以下の特徴は、示される対応する組み合わせでのみらならず、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組み合わせ又は単独でも使用され得る。
【0023】
本発明の実施例は、図面に示され、図面を参照にして以下の詳細な説明においてより詳細に説明され得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、好ましい実施例に従うLEDストリングのLED要素を個別に制御する装置を概略的に示す。
【図2−I】図2−Iは、本発明の装置の更なる実施例を示す。
【図2−II】図2−IIは、本発明の装置の更なる実施例を示す。
【図3】図3は、図2の装置のプログラミングシーケンスを示す信号図である。
【図4−I】図4−Iは、本発明の装置の別の更なる実施例である。
【図4−II】図4−IIは、本発明の装置の別の更なる実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1において、駆動装置は、概略的に示され、参照符号10を用いて示される。駆動装置10は、向上された制御可能性を有する一般照明ランプに関して若しくは画素化ランプに関して、又は、バックライト及び看板応用例における空間的若しくは局所的強調を支援するために、使用され得る。
【0026】
特に、駆動装置10は、示される実施例において、ストリング16を形成するために直列に接続される光要素14を制御するように用いられる。光要素14は、発光ダイオード15又は有機発光ダイオードダイオード(OLED)として設けられる。更に、各光要素14は、直列に、並列に又はこれらの組み合わせで接続される1つ以上のLED又はOLEDを含み得ることを特記されるべきである。以下の説明の文脈において、LED15という表現は、上述の種類の光要素14を概して意味する。
【0027】
ストリング16のLED15は、例えば、電流供給源19などの、電源供給源18によって電力供給される。電流供給源は、制御入力部17へ供給される制御信号を介して制御され得る。
【0028】
ストリング16における各LED15は、対応するLED15を制御するように作用するモジュール回路12.1〜12.nを割り当てられる。設けられるモジュール回路12の数は、ストリング16を形成する光要素14の数と対応する。
【0029】
モジュール回路12.1〜12.nは同じように構成されるので、以下の説明は、1つのモジュール回路、すなわちモジュール回路12.2のみを参照する。
【0030】
モジュール回路12.2は、LED15へ並列に結合されるシャントスイッチ22を含む。シャントスイッチ22は、LEDがスイッチオフされる場合にLED15をバイパスするように作用する。LEDが光を発することが望ましい場合、対応するシャントスイッチ22は、開かれる、すなわちスイッチオフにされ、これにより、何のバイパスも存在しないようにされる。供給される電力は、したがって、LED15に達し得、そして光の放射を生じさせる。
【0031】
シャントスイッチ22は、制御信号ライン26を介してシャントスイッチ22へ制御信号を供給する制御ユニット24によって制御される。更に、制御ユニット24は、共通参照電位28を有するために、シャントスイッチ22の1つの側と、及びLED15のカソード側と、電気的に接続される。
【0032】
制御ユニット24は、シャントスイッチ22へ制御信号ラインを介して印加される制御値を記憶するレジスタ30と、レベルシフト要素32と、を含む。
【0033】
レジスタ30は、モジュール回路12.1〜12.nの他のレジスタ30と直列−並列変換器31の1つの段を形成するように適合される。
【0034】
直列−並列変換器を実現するために、各レジスタ30はData_in入力及びクロック(clock)入力を有し、data_out出力は、制御信号ライン26における制御信号である。当業者に知られるように、直列−並列変換器へ供給される直列データストリームは、各クロック信号を用いて段から段へシフトされる。
【0035】
図1に示される実施例に関して、直列データストリームは、第1モジュール回路12.1へ供給され、その後、後続のモジュール回路12.2〜12.nへ転送される。こうして、n個のデータ値の入力は、n個のクロック信号を取得する。
【0036】
直列データストリームを1つのモジュール回路から次のモジュール回路へ渡すために、モジュール回路は、Data_inポート33及びClock_and_Supplyポート35を有する。更に、各モジュール回路12は、Data_outポート43及びClock_and_Supply出力ポート45を有する。
【0037】
図1から明らかであるように、モジュール回路のData_inポート33は、先行モジュール回路のData_outポート43と電気的に接続される。更に、Clock_and_Supply入力ポート35は、先行モジュール回路12のClock_and_Supply出力ポート45と電気的に接続される。
【0038】
図1において、モジュール回路の対応するポートがライン34、36、38及び40のそれぞれを介して接続されることが更に示される。
【0039】
制御ユニット24は、参照点28の電位がストリング16内の対応するモジュール回路の位置及びLEDの状態(オン/オフ)に依存して相違するので、上述のように、必要である、レベルシフト要素32を含む。各モジュール回路12のレベルシフト要素は、対応するLEDの参照電位が浮動していても、シャントスイッチ22がスイッチオン及びオフにされ得ることを保証する。レベルシフト要素32は、参照点28の電位及び前記レジスタ30の制御出力が通常動作において(プログラミングモードにおいてではなく)上げられることを確かなものにする。
【0040】
図1からもあきらかであるように、各モジュール回路は、2つのLEDポート20・21を含み、これらの間において、光要素14が接続され、これらのLEDポート20・21は、ストリング16を形成するn個の光要素14の例示される直列接続を達成するために、連続するモジュール回路及び電源供給源18へ接続される。
【0041】
図2に関して、装置10の好ましい実施例が示され、以下に詳細に説明される。モジュール回路12.1〜12.nは同じように設計されるので、モジュール回路12.2の構造は、以下に詳細に説明される。
【0042】
シャントスイッチ22は、電界効果トランジスタとして設けられ、好ましくは、MOSFET46であり、そのドレインは、LED15のアノードと結合されており、供給源は、カソードと結合されている。
【0043】
レジスタ30は、当業分野において一般的に知られているいわゆるDラッチ44の形式で設けられる。Dラッチ44は、MOSFET46のゲートと結合されるデータ出力Qを有する。Dラッチ44のデータ入力ポートDは、先行する回路(この場合モジュール回路12.1)のデータ出力を受けるために、Data_inポート33と接続される。
【0044】
モジュール回路12.2のClock_and_Supplyポート35及び参照点28の間において、2つのダイオードD1_2及びD2_2並びにコンデンサC1_2の直列接続が設けられる。両方のダイオードD1_2及びD2_2の間におけるブリッジ点は、インバータA2_2へ接続され、インバータA2_2の出力は、Dラッチ44のクロック入力CLKへ接続される。更に、抵抗器R1_2が、ブリッジ点及び参照点28の間において結合される。最終的に、Dラッチ44のCLR入力も参照点28へ接続される。
【0045】
代替として、PRE入力又はCLR入力は、D1_n及びD2_2の間におけるブリッジ点において正電圧が生じると、パルスを導出するパルス形成ネットワークへ接続され得る。このことは、スイッチを自動的に閉じる又は開かせるようにさせ、これにより、全直列接続にわたりこの状態を自動的に伝播させるようにさせ得る。これは、各データ伝送に関する規定の開始状態及び全てのコンデンサC1_nの規定の充電を有するように使用され得る。
【0046】
Clock_and_Supply出力ポート45へ印加されるべき信号は、ダイオードD1_2及びD2_2の間におけるブリッジ点から取得される。
【0047】
モジュール回路12.2のClock_and_Supply入力ポートは、Clock_and_Supplyライン36を介してダイオードD1_2のアノードと結合される。
【0048】
直列−並列変換器を構築するために、Dラッチ44の出力信号、すなわちQ信号は、抵抗器R2_2を介してData_outポート43へ供給され、Data_outポート43は、それ自体、後続のモジュール回路12.3のData_inポート33へ接続される。最終的に、Data_outポート43と参照点28との間において、コンデンサC2_2が設けられる。このコンデンサC2_2は、信号伝播における専用遅延に関して作用する。用いられる論理装置の速度に基づいて、このコンデンサは省略され得る。
【0049】
一般的に、Dラッチ44の出力は、MOSFET42を駆動させる。Dラッチ44の信号(ロー又はハイ)に依存して、MOSFETは、スイッチオン又はオフにされる。コンデンサC1_2は、対応する回路12の供給電圧を安定化させるために設けられる。供給電圧は、LED15のカソード側(参照点28)に参照される。ポート35へ印加されるClock_and_Supply信号のクロック信号部分は、ダイオードD1_2及びD2_2並びにプルダウン抵抗器R1_2との、デカップリングにより、導出される。
【0050】
図2に示される駆動装置10は、以下のように動作する。
【0051】
対応するDラッチ44をプログラミングするのに使用されるプログラミングモードにおいて、負の電流I1<0が、電流供給源の制御入力17における制御信号によって生じられる回路を介して課される。したがって、先立つスイッチ状態に依存して、MOSFETは逆方向に伝導するか、又はモジュール回路12のMOSFET42の本体ダイオードが伝導するかのいずれかになる。いずれかの場合においても、全てのLED15はスイッチオフにされる。(CLR入力を用いて)ラッチをクリアにする上述のパルス形成ネットワークを用いて、以下に説明される状況が達成され得る。正の電圧Vccは、第1モジュール回路12.1のClock_and_Supplyポート35へ印加される。ダイオードD1_1...D2_nを介して、モジュールの供給電圧コンデンサ(C1_n)は、
Vsupply=Vcc-Vf
へ再充電され、ここで、VfはD2_xに関して使用されるダイオードの種類のフォワード電圧である。この供給電圧は、各モジュール回路に関してほとんど等しい。D1_xに関して使用されるダイオードの種類及び負の電流I1の適切な選択により、MOSFET42の本体ダイオードの両端の電圧低下とダイオードD1_xの両端における電圧低下は同一であり、したがって、これらは、互いに相殺する。
【0052】
(R1_xの両端の)各クロック入力CLKにおいて、ハイ・レベルが存在する。
【0053】
その後、データ(制御値)が第1モジュール回路12.1のData_inポート33へ印加される。次に、Clock_and_Supply信号が0Vへ設定される。したがって、各モジュール回路の入力におけるデータ(Data_in)は、各Dラッチ44の出力へ複製される。(RCネットワークR2_x及びC2_xによって表わされる又は意図的に作られた)論理装置の速度に関連する遅延により、各モジュール回路は、Clock_and_Supplyポートの降下縁部において存在するデータを出力Qへ複製する。
【0054】
当然、シフトされたデータを送信及び受信している2つの隣接モジュール回路間において電位差が存在する。しかし、このシフトは、1つの本体ダイオードの電圧低下(〜0.5V)を越え得ない。モジュール回路12.xから出力されるハイ・レベルは、ブロックx+1からハイであると容易に読まれ得る(例えば、Vcc=5V及びCMOS_high=4.95Vは、上方モジュール回路に関する5.45V入力信号を生じさせ得る)。ローレベル(CMOS_low=0.05V)は、上方モジュール回路に関して0.45Vであり得る。通常、全ての論理装置は、信号端子から供給及び参照電位の両方へのクランピングダイオードを有する。簡単な電流制御抵抗器(例えば、図2に示されるR2_x)を用いることは、安全且つ安定的な動作を可能にする。
【0055】
その後、モジュール回路12.1のポート35におけるClock_and_Supply信号は、再びVccへ設定される。新しいデータが、モジュール回路12.1のData_inポート33へ印加される。上述の周期は繰り返され、モジュール回路12.1のData_inポート33における直列データストリームは、他のモジュール回路12.1〜12.nにわたり並列化される。Clock_and_Supply入力信号の各降下縁部において、データは、1つのモジュール回路だけシフトアップされる、すなわち、12.xから12.x+1にされる。
【0056】
全ての所望な情報がラッチ44へクロック処理される場合(通常、nクロック周期の後に、全てのラッチが更新される場合)、Clock_and_Supply入力は0Vに維持される。
【0057】
その後、プログラミングモードは、対応する制御信号を電流供給源18へ印加することによって、そして、電流供給源をLED15の所望なフォワード電流である正の電流I1>0へ設定することによって、そのままにされる。各クロック内において、電流I1は、「0」がラッチ44に記憶されMOSFET42が開である場合にLED15を流れる、又はラッチ44が「1」へプログラミングされていた場合にMOSFET42を流れる。
【0058】
LED15又はMOSFET42におけるフォワード電流により、各モジュール回路の両端において正の電圧低下が存在し得る。データ信号は、この動作において監視されていないが、いずれにしても、許容される入力電圧範囲にある、又は上述の電流制御抵抗器R2_xにより保護される。全ての参照電位28は、GNDに対して正であり、したがって、Clock_and_Supply信号は、各モジュール回路に関してロー(又は負)である。負の電圧は、ダイオードD1_xによってブロックされる。駆動装置のクロック入力において何の遷移も存在せず、ラッチ44におけるラッチされる情報も不変に維持される。
【0059】
LEDの状態における変化に関して、上述の全周期が繰り返され、負の電流の設定から開始し、当該構造への新しいデータのクロック処理が後に続く。
【0060】
上述のプログラミングシーケンスは、7つのモジュール回路12.1〜12.7の例に関して、図3に示される。電流がI1>0に設定される場合、LED_1...LED_nは、反転されたデータD6...D0に従い点灯され得る。クロック間隔の長さは、LEDの数とともにスケール(規模変更)する。データ源は、1つのClock_and_Supply信号及びいくつかのData_in信号を同時に生成する場合に、いくつかのLEDストリング16を制御し得る。このようにして、表示光要素の簡単な制御が可能である。
【0061】
図2に示される駆動装置10のわずかに修正された実施例が図4に例示される。主な差異は、Clock_and_Supply信号が全てのモジュール回路12.1〜12.nと並列に設定されることである。したがって、モジュール回路12は、Clock_and_Supply出力ポート45をもはや有さない。言い換えると、Clock_and_Supply信号は、各モジュール回路へ入るが、D1_xの後にそのモジュール回路を離れない。このことは、プログラミングモードにおける電位のわずかに異なる分布を生じさせる。この場合、LED15の両端のバイパス抵抗器52を配置し、プログラミングにおいて電流供給源を0に(且つ負の電流にではなく)設定する必要があり得る。
【0062】
上述のように、本発明の駆動装置は、一般照明ランプに関する又は画素化ランプに関する向上された制御可能性として、又は、バックライト及び看板応用例における空間的若しくは局所的強調を支援するために、使用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
OLED/LEDストリングのOLED/LED要素を個別に駆動させる装置であって、前記ストリングの各OLED/LED要素に関して、
−対応する前記OLED/LED要素と結合される制御可能なシャントスイッチと、
−前記シャントスイッチへ結合される制御出力ポート、データ入力ポート及びクロック入力ポートを有し、前記シャントスイッチを制御するスイッチ制御手段と、
−前記スイッチ制御器手段へ割り当てられるレベルシフト手段であって、プログラミングモードにおいて前記制御入力データを前記スイッチ制御器手段によって受け入れられるのに十分なレベルへ変更させ、且つ、前記シャントスイッチの制御を可能にするように適合されるレベルシフト手段と、
を含み、
前記OLED/LED要素の前記スイッチ制御器手段が、直列−並列変換器手段を形成するように設けられる、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記シャントスイッチが、前記スイッチ制御器手段が、直列データストリームによってプログラムされる場合にスイッチオフされる、ことを特徴とする、装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置において、前記シャントスイッチが、トランジスタであり、好ましくは電界効果トランジスタである、ことを特徴とする、装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置において、前記スイッチ制御器手段が、前記クロック入力ポートを介してトリガされるDラッチ回路であることを特徴とする、装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置において、前記レベルシフト手段が、直列に接続され且つ前記ラッチ手段の電位参照点と前記クロック入力ポートとの間に設けられるコンデンサ及び第1ダイオードを含み、前記クロック入力ポートが、前記スイッチ制御器手段によって形成される前記直列−並列変換器手段のプログラミングにおいて第2ダイオードを介してクロック・供給信号を供給される、ことを特徴とする、装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置において、ラッチ手段の前記データ入力ポートが、前記直列−並列変換器手段を形成するために、先行するラッチ手段の前記出力ポートと結合される、ことを特徴とする、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、電流制限抵抗器が、前記ラッチ手段の前記データ入力ポートと、前記先行するラッチ手段の前記データ出力ポートとの間に設けられる、ことを特徴とする、装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置において、インバータ手段が、前記クロック入力信号を反転させるために各ラッチ手段の前記クロック入力ポートへ割り当てられる、ことを特徴とする、装置。
【請求項9】
請求項5に記載の装置において、前記クロック・供給信号が、先行する前記レベルシフト手段の前記第2ダイオードによって提供される、ことを特徴とする、装置。
【請求項10】
請求項5に記載の装置において、前記クロック・供給信号が、各レベルシフト手段の前記第2ダイオードへ供給され、各OLED/LED要素が、プログラミングにおいてバイパスとして作用する抵抗器を割り当てられる、ことを特徴とする、装置。

【図1】
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【図2−I】
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【図2−II】
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【図3】
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【図4−I】
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【図4−II】
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【公表番号】特表2010−527459(P2010−527459A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504932(P2010−504932)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【国際出願番号】PCT/IB2008/051520
【国際公開番号】WO2008/129504
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】