説明

シミュレーションシステム

【課題】 実機のセル設備制御装置を使用してシミュレーションする構成であって、センサからの出力をセル設備制御装置へ入力させる処理を容易に実行する。
【解決手段】 本発明のシミュレーションシステム20は、実機のセル設備制御装置3を使用しながら、ロボット制御用のプログラムをシミュレーションする構成において、各種のセンサをそれぞれセンサ用仮想物体として定義し、前記センサ用仮想物体と他の物体との衝突を検出する3Dオブジェクト衝突検出手段29を備えると共に、前記センサ用仮想物体と他の物体との衝突を検出したときに、前記センサ用仮想物体に対応するセンサの出力をオンまたはオフに設定する仮想センサ管理手段28を備えるように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上の工業用ロボットを含む複数の制御対象機器と、これら複数の制御対象機器を統括的に制御するように構成された制御装置とを備えてなる生産設備をシミュレーションするシミュレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
工業用ロボット等のプログラムを開発する場合、実機のロボットがまだ準備されていないことが多いことから、プログラムのデバッグは、最初は、コンピュータ(パソコン等)を使用してシミュレーションを実行することにより行っている。このようなシミュレーションを行う装置の一例として、特許文献1が知られている。この特許文献1に記載された構成においては、ロボット及び組み立て設備の各機器等を全て仮想機器として定義して、コンピュータ上でシミュレーションするようにしている。
【特許文献1】特開平10−143221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記構成の場合、全ての機器を仮想機器として、コンピュータ上でシミュレーションする構成であるので、シミュレーションモデルと実モデルが近似していない場合、良いシミュレーション結果を得ることができなかった。また、組立設備(生産設備)において、設備全体を3Dオブジェクト化し、且つ、実モデルに近似させるには、時間と費用がかかるという問題点がある。更にまた、シミュレーションするときの動作プログラムを、実機と同じプログラム言語を使用して作成できない場合があり、シミュレーションにかかる時間と実機デバッグを短縮できる時間を比較すると、費用対効果の面で実用的でなかった。
【0004】
実際、従来においては、工業用ロボットを含めた機器からなる組立設備を設置(作成)する場合、設計と調整のステップしかなく、シミュレーションはほとんど実施されていなかった。シミュレーションを行うと、設計とシミュレーションと調整の各ステップを順に実行することになるから、全体の工程が長くなる。従って、費用対効果の面で、シミュレーションを有益なものとするためには、シミュレーションを行わない従来構成に比べて、シミュレーションを行う方が、全体の作業時間が短くなる必要がある。
【0005】
ところで、制御装置の制御タイミングの点や、実機と同じプログラム言語を使用できる点等で、実機を使う方が良い。そこで、本出願人は、工業用ロボットを制御するロボットコントローラだけは実機を使用して、シミュレーションを実行する構成を開発し、既に使用している。
上記構成のシミュレーションを実行すると、実機のロボットコントローラが使用されると共に、パソコンのディスプレイに3Dで工業用ロボット及び組立設備の各機器の動作が表示されることから、良好なシミュレーションを実行することができる。このため、プログラムの開発・デバッグが容易になる。ここで、上記シミュレーションを実行する場合、ロボットコントローラから出力される命令等の出力信号は、パソコン(シミュレータ)に入力されて順次処理されていき、3Dでロボット等の動作がシミュレーションされるようになっている。
【0006】
これに対して、ロボットコントローラに入力される信号(例えば、設備に配設された各種のセンサから出力される信号)については、上記構成では、考慮しておらず、上記構成においては、ロボットコントローラの入力に関するシミュレーションを実行することはなかった。
一方、本発明者は、組立設備に配設された複数の機器を制御する機能(従来は、PLCが備えている機能)を、ロボットコントローラに組み込むようにした構成を開発しようとしている。
【0007】
この開発段階の構成では、ロボットコントローラ、即ち、制御装置は、組立設備に配設された複数の制御対象機器(1つ以上の工業用ロボットを含む機器)を統括的に制御する機能を有している。そして、この構成では、ロボットコントローラに入力される信号(取り込まれる信号、例えば、設備に配設された各種のセンサから出力される信号)が多数になると共に、これらの信号の入力が重要になる。
【0008】
このため、上記開発段階の構成のシミュレーションを実行する場合、ロボットコントローラ(即ち、制御装置)の入力に関するシミュレーションを実行する必要がある。
そこで、本発明者は、制御装置の入力に関するシミュレーションを実行するために、次のような構成を考えた。即ち、シミュレーションを実行し、制御装置への入力が必要になったときには、例えば、1つのセンサからのオン(検出)またはオフのデータ(信号)を入力する必要が生じたときには、パソコンのディスプレイとキーボードを使用して作業者により手操作で入力させるように構成した。このように構成すると、制御装置の入力に関するシミュレーションについても、十分に実行することができる。
【0009】
しかし、上記したセンサ出力を手操作で入力する構成の場合、規模が大きいまたは複雑なプログラムをシミュレーションする場合、手操作で入力する回数が非常に多くなり、作業者がパソコンにずっと付いていなければならないという問題点が発生することから、費用対効果の面でほとんど実用化する意味がなかった。
そこで、本発明の目的は、1つ以上の工業用ロボットを含む複数の制御対象機器を統括的に制御する制御装置として実機を使用してシミュレーションするシステムであって、センサからの出力を制御装置へ入力させる処理を容易に実行することができるシミュレーションシステムを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のシミュレーションシステムは、1つ以上の工業用ロボットを含む複数の制御対象機器と、これら複数の制御対象機器を統括的に制御するように構成された制御装置とを備えてなる生産設備をシミュレーションするシステムにおいて、前記制御装置として実機を使用し、前記複数の制御対象機器に設けられた各種のセンサをそれぞれセンサ用仮想物体として定義し、そして、前記センサ用仮想物体と他の仮想物体との衝突を検出する衝突検出手段と、前記センサ用仮想物体と他の仮想物体との衝突を検出したときに、前記センサ用仮想物体に対応するセンサの出力をオンまたはオフに設定するセンサ出力設定手段とを備えたところに特徴を有する。
【0011】
上記構成によれば、シミュレーションを実行しているときに、センサ用仮想物体と他の物体との衝突が検出されると、センサ用仮想物体に対応するセンサの出力がオンまたはオフに自動的に設定されることから、この設定された出力が制御装置へ入力されるようになる。このため、センサからの出力を制御装置へ入力させる処理を自動的に実行することができる。
【0012】
また、上記構成の場合、前記衝突検出手段は、設定された1個のセンサ用仮想物体と、この1個のセンサ用仮想物体と衝突する可能性があるN個の他の仮想物体との衝突をそれぞれ検出するように構成されていることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。まず、図1は、本実施例の組立設備(生産設備)1の全体構成を概略的に示すブロック図である。尚、この組立設備1をロボットセル設備と呼ぶことも好ましい。上記組立設備1は、複数の制御対象機器2と、これら複数の制御対象機器2を統括的に制御するように構成されたセル設備制御装置(制御装置)3とから構成されている。
【0014】
複数の制御対象機器2としては、工業用ロボット4と、搬送装置5と、部品供給装置6と、IDR/W装置7と、加工装置8とが設けられている。このうち、工業用ロボット4は、通信ライン9を介してセル設備制御装置3に接続され、搬送装置5、部品供給装置6、IDR/W装置7及び加工装置8は、ネットワーク(例えばI/Oネットワーク)10を介してセル設備制御装置3に接続されている。
【0015】
この構成の場合、セル設備制御装置3は、工業用ロボット4を制御する機能(即ち、ロボットコントローラとしての機能)と、他の制御対象機器2を制御する機能(即ち、PLCとしての機能)とを備えるように構成されている。
また、セル設備制御装置3には、通信ライン11を介してティーチングペンダント12が接続されている。このティーチングペンダント12は、作業者が操作する操作盤であり、セル設備制御装置3に対して各種の指令を与える機能を有している。
【0016】
ここで、セル設備制御装置3の通信機能について、図2を参照して簡単に説明する。セル設備制御装置3は、図2に示すように、工業用ロボット4と通信ライン9を介して通信するロボット通信機能と、ティーチングペンダント12またはミニペンダント13と通信ライン11を介して通信するマンマシンI/F通信機能と、周辺装置15(制御対象機器2やパソコン14等)とI/Oネットワーク16やEthernet(登録商標)17やRS232C18やUSB19やパラレルI/O(図示しない)やフィールドネットワーク(図示しない)等の各種の通信プロトコルを介して通信する周辺装置通信機能とを備えている。
【0017】
さて、図3は、本実施例のシミュレーションシステム20のシステム構成を概略的に示すブロック図である。このシミュレーションシステム20は、図3に示すように、パソコン14と、このパソコン14に通信ライン21(例えばEthernet17)を介して接続されたセル設備制御装置3とから構成されている。尚、セル設備制御装置3に、ティーチングペンダント12を通信ライン11を介して接続するように構成しても良い。
【0018】
上記パソコン14には、シミュレーションプログラム(シミュレータ)がインストールされており、このシミュレーションプログラムを動作させることが可能になっている。セル設備制御装置3は、実機のセル設備制御装置であり、実際の工場の生産設備に設置されるときには、工業用ロボット4等の制御対象機器2(図1参照)が接続される。尚、セル設備制御装置3にティーチングペンダント12を接続するときには、実機のティーチングペンダント12を使用する。
【0019】
ここで、パソコン14に組み込まれているシミュレーションプログラムついて、図3を参照して説明する。上記シミュレーションプログラムは、セル設備用通信手段22と、I/O情報入出力手段23と、ロボット動作位置指令読込手段24と、3Dオブジェクト作成手段25と、3Dオブジェクト管理手段26と、3Dオブジェクト表示手段27と、仮想センサ管理手段(センサ出力設定手段)28と、3Dオブジェクト衝突検出手段(衝突検出手段)29と、仮想センサパラメータ設定手段30とを備えて構成されている。
【0020】
セル設備用通信手段22は、セル設備制御装置3との間で通信(入出力)する機能を有しており、セル設備制御装置3からI/O情報やロボット動作指令等の情報を取得し、I/O情報をI/O情報入出力手段23へ与え、ロボット動作指令をロボット動作位置指令読込手段24へ与える。3Dオブジェクト作成手段25及び3Dオブジェクト管理手段26は、組立設備1内の種々の装置や機器を3D化する機能を有している。3D化した情報は、3Dオブジェクト表示手段27によりパソコン14のディスプレイに表示されるように構成されている。
【0021】
この場合、例えば工業用ロボット4については、セル設備制御装置3から出力されたロボットの動作指令をロボット動作位置指令読込手段24を介して受けて、その動作指令に従って工業用ロボット(仮想ロボット)4のアーム(及びアームに把持されたワーク等)を動作させ、その動作の様子をパソコン14のディスプレイに3Dで表示するように構成されている。
【0022】
そして、各種のセンサをそれぞれセンサ用仮想物体(仮想センサパラメータ)として定義(登録)した情報は、仮想センサパラメータ設定手段30に記憶されている。また、3Dオブジェクト衝突検出手段29は、組立設備1内の種々の装置や機器等の仮想物体同士の衝突(または干渉)を検出する機能を有していると共に、センサ用仮想物体と他の仮想物体との衝突(または干渉)を検出する機能を有している。
【0023】
仮想センサ管理手段(センサ出力設定手段)28は、3Dオブジェクト衝突検出手段29からのセンサ用仮想物体と他の仮想物体との衝突情報に基づいて、センサ用仮想物体に対応するセンサの出力(センサに割り付けられたI/O番号のデータ)をオンまたはオフに設定する機能を有している。この場合、センサ用仮想物体と他の仮想物体との衝突が検出されたときに、センサ用仮想物体に対応するセンサの出力を例えばオンに設定し、上記衝突が検出されていないときには、センサの出力をオフに設定している。尚、衝突の検出・非検出と、センサの出力のオン・オフの設定との関係を、上述した設定と反対にしても良い。
【0024】
次に、上記構成のシミュレーションシステム20の動作について、図4ないし図8も参照して説明する。
まず、各種のセンサをそれぞれセンサ用仮想物体として予め定義しておく(即ち、センサを擬似的に物体として定義する)。この場合、各センサに対して仮想空間でのセンサ番号をそれぞれ付与すると共に、各センサにI/O番号をそれぞれ割り付けておく(登録しておく)。これにより、センサ番号とI/O番号とこれらに関連するデータとからなるデータを複数(多数)集めて構成されたI/Oテーブルが、パソコン14に登録されるようになっている。
【0025】
さて、パソコン14において、シミュレーションプログラムを動作させてロボット制御用のプログラムのシミュレーションを開始すると、プログラムの各ステップの実行に応じてセル設備制御装置3からロボット4の動作指令(並びに制御対象機器2の動作指令)が出力される。そして、これら動作指令がセル設備用通信手段22を介してロボット動作位置指令読込手段24ひいては3Dオブジェクト管理手段26に与えられることにより、3Dオブジェクト管理手段26及び3Dオブジェクト表示手段27は、上記動作指令に従って仮想ロボット4のアーム(並びに制御対象機器2の各可動部)を動作させ、その動作の様子をパソコン14のディスプレイに3Dで表示するように構成されている(図4のステップS10)。尚、図4のフローチャートには、シミュレーションの動作の途中の一部分が示されている。
【0026】
そして、ステップS20へ進み、所定のセンサである例えばセンサ番号245のセンサ出力(即ち、I/O番号130のデータ)がオンであるか否かの判断が実行される。この場合、図5のフローチャートにて示すサブルーチンの制御が実行されるようになっている。具体的には、まず、図5のステップS110において、センサ番号245のセンサ用仮想物体と他の物体(N個の物体)との衝突を検出する処理を実行する。
【0027】
この1対N衝突検出処理は、3Dオブジェクト衝突検出手段29によって実行されるように構成されている。この場合、3Dオブジェクト衝突検出手段29としては、周知構成(シミュレータ)の衝突検出機能を用いれば良い。
また、例えば、図6に示すように、センサが透過型の光電スイッチ31であるとし、他の物体が工業用ロボット4のアームでチャックされたワーク32であるとすると、ワーク32が光電スイッチ31の検出光31aに衝突(干渉)していないときが、非衝突状態であると検出され、図7に示すように、ワーク32が光電スイッチ31の検出光31aに衝突(干渉)しているときが、衝突状態であると検出される。
【0028】
そして、図8に示すように、ワーク12が光電スイッチ11の検出光11aを通りすぎ、衝突(干渉)していない状態となると、再び非衝突状態であると検出されるようになっている。
続いて、ステップS120へ進み、衝突が検出されたか否かを判断する。ここで、衝突が検出されなかったときには、「NO」へ進み、登録されているI/O番号が130のデータをオフに設定する(ステップS130)。そして、ステップS110へ戻り、衝突検出処理を繰り返し実行するように構成されている。
【0029】
一方、上記ステップS120において、衝突が検出されたときには、「YES」へ進み、仮想センサ管理手段28によって、登録されているI/O番号130のデータをオンに設定する(ステップS140)。続いて、ステップS150へ進み、I/O番号130のデータがオンになったことを、I/O情報入出力手段23へ通知する。そして、ステップS160へ進み、I/O情報入出力手段23は、I/O番号130のデータ(オン)をセル設備制御装置3へ転送するように構成されている。これで、図5のサブルーチンを終了し、図4のステップS20へ戻る。
【0030】
さて、上記ステップS20の判断処理において、I/O番号130のデータがオフのときは、「NO」へ進み、ステップS20の判断処理を繰り返す。これに対して、ステップS20において、I/O番号130のデータがオンのときには、「YES」へ進み、ステップS30へ進み、プログラムの次のステップの処理(シミュレーションの動作)を実行するように構成されている。
【0031】
そして、これ以降、I/O番号が「n」のデータ(即ち、I/O番号nに対応するセンサの出力)がオンであるか否かの判断ステップが実行される毎に、上述した衝突検出処理がほぼ同様に実行されるように構成されている。
尚、上記3Dオブジェクト衝突検出手段29によって、図7に示すように、ワーク32が光電スイッチ31の検出光31aに衝突していることが検出されて、仮想センサ管理手段28によりI/O番号130のデータがオンされた後、図8に示すように、ワーク32が光電スイッチ31の検出光31aを通過して両者が衝突していない状態となると、非衝突状態であることが検出されると共に、I/O番号130のデータがオフに設定されるように構成されている。
【0032】
また、図6、図7、図8においては、2次元の図(上面図)で光電スイッチ31及びワーク32を示したが、パソコン14のディスプレイには、光電スイッチ31及びワーク32等(ロボットアームや設備等の構成を含む)は3Dで(3次元で立体的に)表示されるように構成されている。
このような構成の本実施例においては、実機のセル設備制御装置3を使用しながら、ロボット制御用のプログラムをパソコン14でシミュレーションする構成において、各種のセンサをそれぞれセンサ用仮想物体として定義し、各センサ用仮想物体と他の仮想物体との衝突を検出する3Dオブジェクト衝突検出手段29を備えると共に、各センサ用仮想物体と他の仮想物体との衝突を検出したときに、各センサ用仮想物体に対応するセンサの出力(即ち、I/O番号nのデータ)をオン(またはオフ)に設定する仮想センサ管理手段28を備える構成とした。
【0033】
この構成によれば、実機のセル設備制御装置3を使用すると共に、パソコン14のディスプレイに3Dで工業用ロボット4及び設備の各機器2のシミュレーション動作が表示されることから、良好なシミュレーションを実行することができ、プログラムの開発・デバッグが容易になる。特に、上記実施例においては、各種のセンサをそれぞれセンサ用仮想物体として定義し、シミュレーションを実行しているときに、3Dオブジェクト衝突検出手段29によりセンサ用仮想物体と他の物体との衝突が検出されると、仮想センサ管理手段28によりセンサ用仮想物体に対応するセンサの出力が自動的にオンに設定されることから、この設定された出力がセル設備制御装置3へ自動的に入力されるようになる。従って、上記構成によれば、センサからの出力をセル設備制御装置3へ入力させる処理を自動的に実行し、その結果、セル設備制御装置の実行プログラムを自動的に実行し、シミュレーションにかかる人的工数を飛躍的に削減することができる。
【0034】
また、上記実施例に置いては、3Dオブジェクト衝突検出手段29によって、設定(指定)された1個のセンサ用仮想物体と、この1個のセンサ用仮想物体と衝突する可能性があるN個(即ち、全て)の他の仮想物体との衝突(干渉)をそれぞれ検出するように構成したので、衝突の検出の漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施例を示す組立設備のブロック図
【図2】セル設備制御装置の通信機能を説明するブロック図
【図3】シミュレーションシステムのブロック図
【図4】フローチャート(その1)
【図5】フローチャート(その2)
【図6】光電スイッチにワークが衝突する前の状態を示す図
【図7】光電スイッチにワークが衝突した状態を示す図
【図8】光電スイッチにワークが衝突した後、通過した状態(非衝突状態)を示す図
【符号の説明】
【0036】
図面中、1は組立設備(生産設備)、2は複数の制御対象機器、3はセル設備制御装置(制御装置)、4は工業用ロボット、5は搬送装置、6は部品供給装置、7はIDR/W装置、8は加工装置、9は通信ライン、10はネットワーク、11は通信ライン、12はティーチングペンダント、13はミニペンダント、14はパソコン、15は周辺装置、16はI/Oネットワーク、17はEthernet、18はRS232C、19はUSB、20はシミュレーションシステム、21は通信ライン、22はセル設備用通信手段、23はI/O情報入出力手段、24はロボット動作位置指令読込手段、25は3Dオブジェクト作成手段、26は3Dオブジェクト管理手段、27は3Dオブジェクト表示手段、28は仮想センサ管理手段(センサ出力設定手段)、29は3Dオブジェクト衝突検出手段(衝突検出手段)、30は仮想センサパラメータ設定手段を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の工業用ロボットを含む複数の制御対象機器と、これら複数の制御対象機器を統括的に制御するように構成された制御装置とを備えてなる生産設備をシミュレーションするシミュレーションシステムにおいて、
前記制御装置として実機を使用し、
前記複数の制御対象機器に設けられた各種のセンサをそれぞれセンサ用仮想物体として定義し、
前記センサ用仮想物体と他の仮想物体との衝突を検出する衝突検出手段と、
前記センサ用仮想物体と他の仮想物体との衝突を検出したときに、前記センサ用仮想物体に対応するセンサの出力をオンまたはオフに設定するセンサ出力設定手段とを備えたことを特徴とするシミュレーションシステム。
【請求項2】
前記衝突検出手段は、設定された1個のセンサ用仮想物体と、この1個のセンサ用仮想物体と衝突する可能性があるN個の他の仮想物体との衝突をそれぞれ検出するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のシミュレーションシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−92123(P2006−92123A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−275131(P2004−275131)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.USB
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】