説明

ショートした流体吐出部の軽減

【課題】複数の流体吐出部を備える流体吐出装置において、ショートした流体吐出部の影響を低減すること。
【解決手段】流体吐出装置は、それぞれ電極付のアクチュエータを備える複数の流体吐出部を備える。前記複数の流体吐出部のうちの1以上の流体吐出部が電気的にショートしているか否か判定し、前記ショートした流体吐出部を削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体吐出モジュール中での電気的ショートの緩和に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばインクジェットプリンタに用いられる流体吐出モジュールは、一般に、流体供給部から、液滴(インク)が吐出される複数のノズルを含む流体ノズル集合体までの流路を備える。液滴の吐出は、例えば圧電型吐出素子などのポンプアクチュエータで流路内の流体に加圧することによって制御することができる。様々な構成が可能であるが、一般的な流体吐出装置もしくはプリントヘッドモジュールは、アレイノズル、インク流路及び関連するアクチュエータが付随した流体吐出部の列もしくはアレイを備え、各ノズルからの液滴吐出を独立して制御可能である。プリントヘッドモジュール及び印刷媒体は、印刷処理中、互いに相対的に移動可能である。いわゆる「ドロップ−オン−デマンド」プリントヘッドモジュールでは、各アクチュエータは、印刷媒体上の特定の位置に液滴を選択的に吐出するよう噴射する。
【0003】
一例を挙げると、流体吐出モジュールは、半導体プリントヘッド本体及び圧電型ポンプアクチュエータを備えてもよい。プリントヘッド本体は、エッチングによりポンプチャンバを刻んだシリコン製でもよい。プリントヘッド本体に接続された別の基板(ノズル層など)にノズルを刻んでもよい。圧電型アクチュエータは、加えられた電圧に応じて構造が変化する又は収縮する圧電材料の層を備えてもよい。圧電層が収縮すると、ポンプチャンバの壁面を形成する薄膜が収縮する。薄膜の収縮により、ひいては、インク流路に沿って配置されたポンプチャンバ内のインクを加圧し、インク滴をノズルから吐出速度で吐出する。当分野で知られている流体吐出モジュールの構成及び作用の態様は、例えば、「薄膜を有するプリントヘッド」と題され、ビブル(Bibl)らによって2004年10月8日に出願され、2005年5月12日に公開された特許文献1に記載されており、特許文献1の全内容は、参照により、本願に援用され、本願明細書の一部を構成する。特許文献1は、プリントヘッドモジュールの例及び製造技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開公報第2005/0099467号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
流体吐出モジュールの製造時、特に、流体吐出部のアレイを有するダイの製造時に、特定の流体吐出部のポンプアクチュエータの電極に電気的「ショート(短絡)」が起こることがある。そのような流体吐出部を「ショートした流体吐出部」とも称する。一般的な電気回路構造、例えば、流体吐出モジュール内の個々のジェットの起動に用いられるドライバ回路は、このようなショートした流体吐出部によって障害が発生したり、損傷を受けたりすることがある。したがって、圧電型プリントヘッドで用いられるようなショートした流体吐出部の影響を緩和する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、ショートが発生した導電層の一部は、導電層の残りの部分から切り離される。そのため、ショートした部分を、流体吐出部の残りの部分あるいはドライバ回路から絶縁し、ひいては、流体吐出部を修復又は機能停止する。
【0007】
一態様に係る方法は、前記複数の流体吐出部のうちの1以上の流体吐出部が電気的にショートしているか否か判定するステップと、ショートしている流体吐出部を削除するステップとを含む。各流体吐出部は、電極を有するアクチュエータを備える。
【0008】
実施形態として、以下の1以上を含んでも良い。流体吐出部がショートしているか否かの判定は、キャパシタンス測定、光学顕微鏡法、ショートした流体吐出部の電気刺激中の赤外線画像、電子顕微鏡法又はレーザースキャンによって行うことが出来る。前記削除ステップにおいて、ショートした流体吐出部を電気的に絶縁することにより、ショートした流体吐出部を機能停止してもよい。前記ショートした流体吐出部を削除する削除ステップにおいて、前記ショートした流体吐出部と接合パッドの間の接続を前記流体吐出装置の電気駆動供給部の位置で切断することにより、前記ショートした流体吐出部を機能停止してもよい。前記ショートした流体吐出部を削除する削除ステップにおいて、前記ショートした流体吐出部に対応する接合パッドを前記流体吐出装置の電気駆動供給部の位置で除去することにより、前記ショートした流体吐出部を機能停止してもよい。上記方法は、前記ショートした流体吐出部の位置又は識別情報を記録するステップをさらに含み、前記ショートした流体吐出部を考慮して前記流体吐出装置を制御することとしてもよい。前記ショートした流体吐出部内のショートの位置を、例えば、光学顕微鏡法、又は、前記ショートした流体吐出部に交流又は直流の電気刺激を与えている間の赤外線画像によって、検出することとしてもよい。前記削除ステップにおいて、検出された前記ショートを除去することにより、ショートした流体吐出部の機能をリストア(復帰)してもよい。前記ショートした流体吐出部は、ショートした電極とショートしていない電極を含む複数の電極を有し、前記削除ステップにおいて、前記ショートした電極を切断し、且つ、前記ショートしていない電極を切断しないことにより、前記ショートした流体吐出部の機能を少なくとも部分的にリストアしてもよい。前記削除ステップを、レーザ、エッチング処理、イオンビーム、又は機械的切断によって行うこととしてもよい。ポンプアクチュエータは、圧電吐出素子、熱式インクジェット発生部、又は静電吐出要素でもよい。
【0009】
他の態様によれば、流体吐出装置は、それぞれ、ポンプ要素に接続された電極を有する複数の流体吐出部を備える。そして、前記複数の流体吐出部のうちの1以上の流体吐出部は、機能停止又は少なくとも部分的に機能するようリストアされた、本来ならショートした流体吐出部である。
【0010】
実施形態として、以下の1以上を含んでも良い。ショートした流体吐出部を流体吐出装置から電気的に絶縁することにより、ショートした流体吐出部を機能停止してもよい。前記ショートした流体吐出部と接合パッドの間の接続を前記流体吐出装置の電気駆動供給部の位置で切断することにより、前記ショートした流体吐出部を機能停止してもよい。前記ショートした流体吐出部に対応する接合パッドを前記流体吐出装置の電気駆動供給部の位置で除去することにより、前記ショートした流体吐出部を機能停止してもよい。上記流体吐出装置は、前記ショートした流体吐出部の位置又は識別情報を記録する電子的に読み取り可能なメモリをさらに含み、前記ショートした流体吐出部を考慮して前記流体吐出装置を制御してもよい。前記ショートした流体吐出部中のショートを削除し、前記ショートした流体吐出部の機能をリストアしてもよい。前記ショートした流体吐出部は、ショートしていない電極と、切断された、ショートした電極とを含む複数の電極を有し、前記ショートした流体吐出部の機能を少なくとも部分的にリストアしてもよい。上記流体吐出装置は、前記ショートした流体吐出部及び各切断された電極の、位置又は識別情報を記録する電子的に読み取り可能なメモリを更に備え、これにより、前記ショートした流体吐出部の機能の低下を補うように、前記ショートした流体吐出部以外の流体吐出部を適応させることを可能にしてもよい。ポンプアクチュエータは、圧電吐出素子、熱式インクジェット発生部、又は静電吐出要素でもよい。
【発明の効果】
【0011】
発明の効果は、以下の一以上を含む。ショートした流体吐出部を修復又は機能停止することが可能となる。結果として、その流体吐出部による印刷欠陥を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】図1Aは、流体吐出モジュールのダイ34の側面図である。
【図1B】図1Bは、ダイが複数の流体吐出部を備える場合の流体吐出モジュールのダイ34の平面図又は上面図である。
【図1C】図1Cは、図1Aから編集した、ショートした流体吐出部の側面図であり、種々のショートをもたらす欠陥29、31及び33を示す。
【図1D】図1Dは、流体吐出モジュールのダイ34の平面図又は上面図であり、図1Cに図示した欠陥29、31及び33を示す。
【図1E】図1Eは、流体吐出モジュールのダイ34の平面図又は上面図(その1)であり、図1C及び1Dに例示したショートをもたらす欠陥29、31及び33のうちの1以上を修正するよう削除するステップの例を示す。
【図1F】図1Fは、流体吐出モジュールのダイ34の平面図又は上面図(その2)であり、図1C及び1Dに例示したショートをもたらす欠陥29、31及び33のうちの1以上を修正するよう削除するステップの更なる例を示す。
【図1G】図1Gは、流体吐出モジュールのダイ34の平面図又は上面図(その3)であり、図1C及び1Dに例示したショートをもたらす欠陥29、31及び33のうちの1以上を修正するよう削除するステップの更なる例を示す。
【図1H】図1Hは、流体吐出モジュールのダイ34の平面図又は上面図(その4)であり、図1C及び1Dに例示したショートをもたらす欠陥29、31及び33のうちの1以上を修正するよう削除するステップの更なる例を示す。
【図2A】図2Aは、各々、配線140によって対応する接合パッド137aに接続された電極130を有する複数の流体吐出部の平面図である。図2Aは、図1Eから1Hに示す欠陥29、31及び33に加えて、更なる別のショート(短絡)133を示す。図2Aは、削除ステップにおいて、アクチュエータと接合パッド137aの間の全てのショートした配線140を切断することにより、ショートした流体吐出部の機能を停止する場合を示す。
【図2B】図2Bは、図2Aと同様に、各々、配線140によって対応する接合パッド137aに接続された電極130を有する複数の流体吐出部の平面図であり、図1Eから1Hに示す欠陥29、31及び33に加えて、更なる別のショート133を示す。図2Bは、削除ステップにおいて対応する接合パッド137a除去し、これにより、ショートした流体吐出部の機能を停止する場合を示す。
【図2C】図2Cは、図2Aと同様に、各々、配線140によって対応する接合パッド137aに接続された電極130を有する複数の流体吐出部の平面図であり、図1Eから1Hに示す欠陥29、31及び33に加えて、更なる別のショート133を示す。図2Cは、ショート133自身を削除し、その後ショートした流体吐出部の機能を部分的に又は完全にリストア(復帰)する場合を示す。
【図2D】図2Dは、図2Aと同様に、各々、配線140によって対応する接合パッド137aに接続された電極130を有する複数の流体吐出部の平面図であり、図1Eから1Hに示す欠陥29、31及び33に加えて、更なる別のショート133を示す。図2Dは、配線140の1つを削除することにより、ショートした流体吐出部のうちの1つのショートした流体吐出部の機能を少なくとも部分的にリストアする方法の1つを示す。
【図3A】図3Aは、上記の方法の実施形態の一例を示すフローチャートである(その1)。
【図3B】図3Bは、上記の方法の実施形態の更なる一例を示すフローチャートである(その2)。
【図3C】図3Cは、上記の方法の実施形態の更なる一例を示すフローチャートである(その3)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の1以上の実施例の詳細は、添付の図面と以下の記載によって説明される。本発明の他の特徴及び利点は、明細書、図面、特許請求の範囲から明らかである。図において、同様な要素を示す場合には同じ参照符号を用いる。
【0014】
流体吐出モジュールにおいて、ショートした流体吐出部の影響を緩和する方法及び装置について説明する。手短に言えば、本開示内容によれば、電極のうちでショートを起こしている部分を削除することができ、これにより、ショートを除去し、ショートした流体吐出部をリストア(復帰)する。また、上記電極の削除によって流体吐出部を修復できない場合、ショートした流体吐出部を機能停止させてもよい。
【0015】
図1Aは、流路体として部分的に機能する基板12を有するダイ34を備える流体吐出モジュールの側面図である。基板12は、1以上の流路を備えてもよい(図1Aの断面図では、1つの流路のみが示されている)。その場合、各流路は、流入口14、アセンダ(ascender)16、薄膜20で形成された壁を持つポンプチャンバ18、デセンダ(descender)22及びノズル24等の機構を備えてもよい。流路本体/基板12、薄膜20を形成する薄膜層、及びノズル24が形成されたノズル層は、各々、シリコン、例えば、単結晶シリコンとしてもよい。
【0016】
流体吐出モジュールのダイ34は、また、1以上のポンプアクチュエータ26を備えることとしてもよい。ポンプアクチュエータ26は、圧電吐出素子、熱式インクジェット発生部、又は静電吐出素子であってもよい。一般的には、ポンプアクチュエータは圧電吐出素子であるため、流体吐出モジュールは圧電型流体吐出モジュールである。アクチュエータ26は薄膜20上にあり、アクチュエータ26が起動すると、薄膜20がポンプチャンバ18内に変形し、流体、例えばインクをノズル24から押し出す。このように、アクチュエータが設けられた各流路は、独立して制御可能なMEMS(Micro-Electro-Mechanical system)流体吐出部を形成する。
【0017】
各々の圧電型アクチュエータ26は、薄膜20に隣接する底面電極28(一般的にはアース電極であり、複数のアクチュエータに共通の電極でもよい)、表面電極32(一般的にはドライブ電極)、及び底面電極28と表面電極32の間に挟まれた圧電層27を備える。表面電極32と同じ導電層及び/又は異なる導電層で形成される導電配線40は、ドライブ電極32に加えるドライブ信号を伝える。
【0018】
図1Bは、流体吐出モジュールのダイ34(基板12及び複数のアクチュエータ26を備える)の平面図又は上面図である。ダイ34は、半導体処理技術を用いて製造可能である。例えば、特定用途向け集積回路(ASICs)のような1以上の集積回路チップ42(透視的に示す)を取付けし、ダイ上の2組の接合パッド37a、37bに電気的に接続することとしてもよい。配線40は、ドライブ電極32を第1の接合パッドの組37aに接続し、更なる配線44は、第2の接合パッドの組37bを、ダイ34の端の電気接点46に接続する。フレックス回路48を電気接点46に接続することとしてもよい。これにより、フレックス回路48を介して外部プロセッサからのデータ及び制御信号をASICs42に送ることができ、ひいては、配線40を介してドライブ電極32に加えられる電圧を制御することができる。
【0019】
図1Cは、ショートした流体吐出部の側面図であり、図1Aを基にして種々のショートをもたらす欠陥を示す。図1Aに示すように、アクチュエータ26は、電極28(一般的にはアース電極)、絶縁層30及び1以上の電極32(一般的にはドライブ電極)、並びに、電極32を接合パッドに電気的に接続する1以上の配線40を備える。絶縁層30を形成する過程における欠陥は絶縁層内のボイドの原因となりうるものであり、その結果、導電配線40を集積する場合に導電配線がボイドを介して伸長し、ショート(短絡)29を介してアース電極28に接触してしまう。同様に、圧電層27を形成する過程における欠陥は、圧電層内のボイドの原因となりうるものであり、その結果、ドライブ電極32を集積する場合にドライブ電極32がボイドを介して伸長し、ショート31を介してアース電極28に接触してしまう。ドライブ電極32の一部が圧電層27の端にまで広がった場合、ショート33を介してアース電極28に接触しまうという別の欠陥が起こることもある。ショートが起こると、ドライブ回路、例えば、ASIC42(図1B参照)に障害が発生する、または損傷を受けることがある。
【0020】
図1Dは、流体吐出モジュールのダイの平面図又は上面図であり、図1Cに例示した欠陥を示す。見やすいように、構成要素の大きさは誇張されている。図1A及び1Cに示すように、アクチュエータ26は、外側電極32(一般的にはドライブ電極)、絶縁層(外側電極の下にあるため図1Dでは見えないが、図1A及び1Cの層30を参照)及び下層電極(一般的にはアース電極であり、外側電極の下にあるため図1Dでは見えない)を備える。図1Cに示すように、絶縁層30を形成する際の欠陥はボイドの原因となりうるものであり、このボイドにより電極32がショート29で電極28に接触してしまう。同様に、アクチュエータ層26を形成する際の欠陥はボイドの原因となりうるものであり、このボイドにより電極32がショート31で電極28に接触してしまう。電極32の一部がアクチュエータ層26上を覆い、ショート33で電極28に接触してしまった場合、別の欠陥が起こりうる。
【0021】
製造過程で生じうるこのような欠陥は、例えば、符号30で示されるような絶縁層又は符号26で示されるようなアクチュエータ層の不完全な集積によって起こる可能性があり、符号32で示されるような上層電極層が符号28で示されるような下層電極に接触してしまうことになる。また、このような欠陥は、レジスト層で保護されていない層の不完全な除去等によるリソグラフィー処理での欠陥、例えば、レジスト層のパターニング又は除去での欠陥からも起こりうる。
【0022】
このような欠陥による問題は、1つのショートした流体吐出部によってドライブ回路、例えばASIC42が損傷し、流体吐出モジュール全体が使用不可能になる恐れがあることである。しかし、絶縁された流体吐出部に不具合を限定することによって、隣接する流体吐出部に余分にインクを供給して、機能していない流体吐出部を補うようにすることが可能となる。
【0023】
図1Eから1Hはダイ34の平面図又は上面図であり、図1C及び1Dに例示したショートをもたらす欠陥29、31及び33のうちの1以上を修正するための削除ステップの種々の例を示す。ここで「削除ステップ(trimming)」とは、流体吐出部の1以上の導電部を、電気的に切断する、又はさもなければ、切り離すこと(例えば除去によって)を意味する。ここで、導電部とは、一般的には ドライブ電極及び/又は配線であるが、他の構成要素でもありうる。電極又は配線の削除ステップは、流体吐出部上のショートをもたらす欠陥を電気的に絶縁することでもよい。削除ステップは、欠陥及び削除処理の性質に応じて、ショートした流体吐出部の全体又はその一部を選択的に電気的に絶縁することでもよい。削除ステップの方法に応じて、ショートした流体吐出部を全体的に機能停止させることもあれば、欠陥を絶縁しながらも流体吐出モジュールの一部機能を残すように、ショートした流体吐出部を部分的に機能停止させることもある。さらに、欠陥によっては、削除ステップで、流体吐出部の機能を完全に復帰させることとしてもよい。
【0024】
例えば、図1Eでは、削除ステップ(除去された部分を示す斜線の領域50で表す)を、配線40の幅全体を横切るように切断することとして示す。これにより、電気的に電極32全体をドライブ回路から絶縁し、ショートした流体吐出部を効率的に機能停止させる。ショートが全体に及んでいるか実質的に配線40を横切っている場合、あるいはショートがドライブ電極の広い領域を覆う場合(例えば、ショートした領域を除去するとアクチュエータが適切に機能しないほど十分に広い場合)、この処理を行うこととしてもよい。また、ショートをASICから絶縁するように、いずれのショートよりもASICに近い位置でこの切断を行う。
【0025】
図1Fは、ASICから配線40への電気的接続がなくなるように、対応する接合パッド37aを除去する(斜線の領域52で表す)ことにより、ショートした流体吐出部を削除し、これにより、ショートした流体吐出モジュールを機能停止することができることを示す。
【0026】
様々な実施形態において、削除ステップによりショート自身を除去することができ、これにより、ショートした流体吐出モジュールの機能、少なくとも一部機能をリストア(復帰)することができる。図1Gは、ドライブ電極の残りの部分が影響を受けないようにしつつ、ドライブ電極32のショート31自身を削除し、その後ショートした流体吐出部の機能を部分的に又は完全にリストアすることができることを示す。配線の幅が十分に広い場合、同様にして、配線40中のショートを削除し、流体吐出部の機能を部分的に又は完全にリストアすることができる。
【0027】
様々な実施形態において、削除ステップにより、ショートを絶縁し、これにより、ショートした流体吐出部の機能の少なくとも一部をリストアすることができる。この処理は、ショートがドライブ電極の小さな領域(例えば、ショートした領域が除去されてもアクチュエータが正確に機能するくらい十分に小さい領域)を覆っている場合に行うことができる。切断は、ドライブ信号が加えられる電極32の残りの部分からショートを電気的に絶縁することによって行われる。
【0028】
図1Hに示すように、電極32及び/又はアクチュエータ26の一部を配線40に接続したまま、ショートした流体吐出部を削除して、ショート31のようなショートを絶縁することができ、これにより、ショートした流体吐出部の少なくとも一部の機能をリストアすることができる。削除ステップの処理において、欠陥の周囲を矩形又は楕円形又は他の便宜な形状に切断してもよい。ショートの周囲を完全に囲って切断してもよいし(図1H中で斜線の領域56で表す)、あるいは、電極32の端まで広げて切断してもよい(図1G中で斜線の領域54で表す)。
【0029】
電極32及びアクチュエータの一部を電気的にASICに接続したままにし、かつ、ASIC及びアクチュエータ26の残りの部分からショートを電気的に絶縁するため、図1G及び1Hに示す方法の削除ステップにより、流体吐出部の少なくとも一部機能をリストアすることができる。
【0030】
図1Eから1Hに示す変更処理がいったん行われると、特許請求の範囲の記載との関連において、その処理が行われた流体吐出部は、機能停止又は少なくとも部分的に機能するようリストアされた、本来ならショートした流体吐出部(流体吐出モジュール)となる。言い換えると、図1Eから1Hに示すような変更処理が行われない場合、流体吐出部は、ショート29、31及び33のような1以上のショートによってショートしてしまうが、削除ステップでの変更処理により、流体吐出部を機能停止又は部分的に機能するようリストアすることができる。
【0031】
図2Aから2Dはショートした流体吐出モジュールの平面図であり、流体吐出モジュールは、対応する接合パッド137a又は電気駆動供給部126に、対応する配線140によって接続された多数の電極132を備える。図2Aから2Dは、図1Eから1Hのショート29、31及び33に加えて、別タイプのショートである配線内ショート133を示す。図2Aから2Dは、電極配線140間の配線内ショート133を示す。配線内ショート133は、配線を接続する不完全な金属化(metallization)(例えば、ドライブ電極をアース電極に接続する圧電層や絶縁層を突き抜ける穴というよりも、むしろ、電極配線40を形成する金属層の一部における欠陥)によって起こりうる。
【0032】
様々な実施形態において、削除ステップを行うことによって、ショートした流体吐出部を電気的に絶縁することができ、これにより、ショートした流体吐出部を機能停止することができる。例えば、図1Eと同様に、図2Aは、削除ステップによって、ショートしている接合パッド137aと電極の間の全ての配線を一緒に切断することができ、これにより、ショートした流体吐出部を機能停止することができることを示す。ショートの両側にある配線に関して、この切断を行うことができる。各配線において、ショートよりも接合パッドに近い部分で切断を行う。
【0033】
図1Fと同様に、図2Bは、対応する接合パッド137aを削除することによっても、削除ステップを行うことができ、これにより、ショートした流体吐出部を機能停止できることを示す。
【0034】
様々な実施形態において、ショートした流体吐出モジュールの機能、少なくとも一部機能をリストア(復帰)できるように、削除ステップによってショート自身を除去することとしてもよい。図2Cは、ショート133自身を削除することができ、例えば、ショート133のうちの金属化した部分150(metallization)を横切るように切断して、隣接する電極間の電気的接続を切り離すことが可能であることを示す。これにより、ショートした流体吐出部の一部又は全部の機能をリストアすることができる。
【0035】
図2Dは、ショートした流体吐出部のうちで、1つの流体吐出部の少なくとも一部の機能をリストアする方法の一例を示す。ショート133によって接触してしまった配線のうちの一方の配線をショート133の両側(図2D中の斜線の部分150)で切断し、それに対して、他方の配線は切断しない。電極140は機能停止するが、他の電極に係わる機能はリストアされる。
【0036】
ここで、例えば、図1Cから1H及び図2Aから2Dに示した欠陥の大きさ、形状及び数は、説明のために示されているに過ぎず、限定する趣旨ではない。ショートした流体吐出モジュールは、大きさ及び形状が図示したものと異なる1以上のショートを有することもありうる。このようなショートの形成には任意なバリエーションがあり、このために、ここで図示したものと類似する又は異なる様々な形状、数、大きさ等を有するショートが出来うる。ここで説明する削除ステップは、このような形成されうる様々なショートに対処するように構成することができる。
【0037】
ショートした流体吐出モジュールを機能停止する、又は部分的にリストアする削除ステップにより、不具合のある又は問題のある流体吐出モジュールをリストア又は少なくとも機能停止することができる。よって、製造欠陥のために廃棄しなければならない流体吐出装置の数を減少させることが可能となる。この目的を達成するために、1以上の流体吐出モジュールの位置/識別情報(identity)、及び状態、例えば、どのモジュールがショートし、機能停止し、部分的にリストアし、完全に機能しているのか、等を記録するステップを含むこととしてもよい。流体吐出印刷システム(インクジェット式印刷システム)は、このように記録された情報を格納可能な電子的に読み取り可能なメモリを備えてもよい。例えば、メモリ又はディスクドライブのようなコンピュータで読み取り可能な媒体に有形的に書き込まれたコンピュータプログラムに、流体吐出部の状態に関する記録された情報を利用して、ショート、機能停止、部分的リストア等しているモジュールを少なくとも部分的に補うように、既定のジェット処理(default jetting procedure)を対応させることにしてもよい。例えば、流体吐出部が機能停止している場合、その機能停止している流体吐出部に隣接する流体吐出部による流体の吐出量を増やして、例えば、機能停止している流体吐出部により印刷しようとしていた印刷媒体の領域をカバーすることができる。これにより、印刷された画像に縞(streaking)ができてしまうことを防ぐことができる。また、更なる例として、流体吐出部が部分的にリストアされている場合、流体の液滴が適切な位置に着弾するように、又は適切な大きさ又は速度で吐出されるように、部分的にリストアされた流体吐出部のアクチュエータへ与えるドライブ信号のタイミング又は形状(波形)を、既定値(default)から調整することができる。
【0038】
図3Aから3Cは、本方法に係る様々な実施形態を示すフローチャートである。図3Aに示す方法は、複数の流体吐出部(流体吐出モジュール)を備える流体吐出装置/プリントヘッド(例えば、吐出装置34)を与えることから始まる。ここで、各流体吐出部は、ポンプアクチュエータに接続された電極を備えるという特徴がある(ステップS1)。この方法において、次に、上記複数の流体吐出部のうちの1以上の流体吐出部がショートしているか否か判定する(ステップS2)。続いて、1以上の流体吐出部がショートしている場合(ステップS2の「ショートした流体吐出部が存在」)、ショートした流体吐出部を削除する(ステップS3)。複数の流体吐出部がショートしていると判定された場合、そのような流体吐出部もさらに削除することとしてもよい。
【0039】
図3Bは、図3Aに示す方法において、ショートした流体吐出モジュールの位置又は識別情報を記録するステップ(ステップS11)をさらに行う方法を示す。この方法により、ショートした流体吐出モジュールを考慮するように、流体吐出装置/プリントヘッドの制御を対応させることが可能となる。このステップは、図中では削除ステップの後に記載されているが、判定ステップの後であって削除ステップの前に行うこととしてもよい。
【0040】
図3Cに示す方法は、複数の流体吐出モジュールを備える流体吐出装置/プリントヘッド(例えば、流体吐出装置のダイ34)を与えることから始まる。ここで、各流体吐出モジュールは、ポンプアクチュエータに接続された電極を備えるという特徴がある(ステップS21)。この方法において、次に、複数の流体吐出モジュールうちの1以上の流体吐出モジュールがショートしているか否か判定する(ステップS22)。さらに、ショートしている流体吐出モジュール中のショートの位置を判定する(ステップS23)。図では、これら2つの判定は別々に説明されている。しかし、ショートしている流体吐出モジュール中のショートの位置を判定することにより、必然的に、複数の流体吐出モジュールのうちの1以上の流体吐出モジュールがショートしているか否か先に判定しているため、2つのステップを1つのステップに結合する実施形態も可能である。また、これら2つの判定ステップを別々に行う実施形態、例えば、最初に複数の流体吐出モジュールのうちの1以上の流体吐出モジュールがショートしているか否かをキャパシタンス測定又は漏洩電流測定を用いて判定する実施形態も可能である。この実施形態は、多数の流体吐出モジュールをスキャンする場合により速く又はより簡便に判定を行うことができる。このようにして、ショートした流体吐出モジュールが判定されると、ショートしている流体吐出モジュール中のショートの位置を判定するステップを行うことができる。続いて、1以上の流体吐出モジュールがショートしている場合(ステップS22の「ショートした流体吐出部が存在」)、ショートした流体吐出モジュールを削除する(ステップS24)。さらに、ショートした流体吐出モジュールの位置又は識別情報、及び/又は、削除ステップによって切断されたショートした電極の各々の位置又は識別情報を記録するステップをオプションで行う(ステップS25)。これにより、ショートした流体吐出モジュールの機能の部分的リストアを考慮するように、流体吐出装置の制御を対応させることが可能となる。
【0041】
この方法は、複数の流体吐出部のうちの1以上の流体吐出部がショートしているか否かを判定することを含んでもよい。ショートしている流体吐出部の判定は、キャパシタンス測定、例えば、流体吐出装置の回路を動作させ、機能している流体吐出部のキャパシタンス測定値から逸脱している測定値に基づいて、ショートした流体吐出部を判定することによって行うことにしてもよい。ポンプアクチュエータ26のキャパシタンス(例えば、圧電層の反対側にある電極間)の測定には、どのような技術を用いても良く、例えば、ウエハプローブシステムに接続した容量計を用いて、簡便に測定することができる。また、漏洩電流測定によってショートした流体吐出部を判定することもできる。この場合、アースへの電流漏れを流体吐出部毎に測定し、閾値より大きな漏れを示した流体吐出部をショートしていると判定することとしてもよい。
【0042】
また、ショートを起こしている電極又導電配線自身、例えば、流体吐出部の回路を製作する際に用いられたリソグラフ製造過程から残っている外れた導電配線を観察し、画像化し、又はスキャンすることによって、ショートした流体吐出部を判定することもできる。例えば、ショートを起こしている導電配線自身を検出する技術として、光学顕微鏡法、ショートした流体吐出モジュールに電気的刺激を与えている間の赤外線画像、電子顕微鏡法、レーザースキャン等を用いることが出来る。また、ショートを起こしている導電配線自身を観察することにより、流体吐出モジュールでのショートの特定の位置を決定することができる。さらに、先にキャパシタンス又は漏洩電流測定によってショートした流体吐出部を判定し、その後で、光学的に検査してショートの位置及び形状を判定することとしてもよい。
【0043】
この方法は、ショートした流体吐出部を削除するステップを含む。この削除ステップは、簡便などのような技術を用いて行ってもよい。実施例として、削除するステップを、レーザ、エッチング処理、イオンビーム、又は機械的切断によって行うことも可能である。削除ステップでは、下層にある絶縁層30又は圧電層27が露出するまで、ドライブ電極32又は配線40の厚み全体を断ち切る。また、削除ステップによって、絶縁層30又は圧電層27を切り分ける(cut into)又は断ち切る(cut through)こととしてもよい。
【0044】
削除ステップがレーザで行われ、且つ、ドライブ電極32がポンプアクチュエータ26の圧電層27の表面を金属化することによって形成されている場合、ドライブ電極32を形成する金属化された表面の一部を、レーザを用いたレーザアブレーションによって除去することとしてもよい。このような電極を削除するために、オレゴン州ポートランドにあるエレクトロ サイエンティフィック インダストリーズ社(Electro Scientific Industries, Inc. (ESI))製のレーザ装置を用いてもよい。圧電層上に形成された電極のような構成要素は、レーザに対して相対的に移動可能なステージに載置され、このステージにより構成要素をレーザに対して相対的に移動させることができる。例えば、ステージとして、エレクトログラス社(Electroglas, Inc)製の製品を用いてもよい。ソフトウェアアプリケーション(すなわち、メモリ又はディスクドライブのような、コンピュータで読み取り可能な媒体上のコンピュータプログラムプロダクト)を実行するプロセッサを、削除ステップの処理の間、ステージに対して構成要素を位置決めするために、レーザ装置とステージの両方を制御するために用いてもよい。
【0045】
多くの実施形態について説明したが、本開示の精神と範囲から逸脱することなく、本開示内容の様々な変形が可能である。例えば、図3Bに示す方法で、ステップを図と異なる順序で行っても、望ましい結果を得ることができる。ゆえに、他の実施形態も特許請求の範囲内にある。
【符号の説明】
【0046】
12・・・基板、14・・・流入口、16・・・アセンダ、18・・・ポンプチャンバ、20・・・薄膜、22・・・デセンダ、24・・・ノズル、26・・・アクチュエータ、27・・・圧電層、28、32・・・電極、29、31、33・・・ショート(欠陥)、30・・・絶縁層、34・・・ダイ、37a、37b・・・接合パッド、42・・・ASIC、40、44・・・配線、46・・・電気接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ電極付のアクチュエータを備える複数の流体吐出部を有する流体吐出装置において、前記複数の流体吐出部のうちの1以上の流体吐出部が電気的にショートしているか否か判定するステップと、
ショートした流体吐出部を削除するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記流体吐出部がショートしているか否かの判定は、
キャパシタンス測定、光学顕微鏡法、ショートした流体吐出部の電気刺激中の赤外線画像、電子顕微鏡法又はレーザースキャンによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ショートした流体吐出部を削除するステップは、前記ショートした流体吐出部を電気的に絶縁することにより、前記ショートした流体吐出部を機能停止することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ショートした流体吐出部を削除するステップは、前記ショートした流体吐出部と接合パッドの間の接続を前記流体吐出装置の電気駆動供給部の位置で切断することにより、前記ショートした流体吐出部を機能停止することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ショートした流体吐出部を削除するステップは、前記ショートした流体吐出部に対応する接合パッドを前記流体吐出装置の電気駆動供給部の位置で除去することにより、前記ショートした流体吐出部を機能停止することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ショートした流体吐出部の位置又は識別情報を記録するステップをさらに含み、これにより、前記ショートした流体吐出部を考慮して前記流体吐出装置を制御することを可能にする、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記ショートした流体吐出部内のショートの位置を検出するステップをさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記ショートした流体吐出部内のショートの位置の検出は、光学顕微鏡法によって行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ショートした流体吐出部内のショートの位置の検出は、前記ショートした流体吐出部に、交流又は直流の電気刺激を与えている間の赤外線画像によって行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記ショートした流体吐出部を削除するステップは、検出された前記ショートを除去することにより、ショートした流体吐出部の機能をリストアすることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記ショートした流体吐出部は、ショートした電極とショートしていない電極を含む複数の電極を有し、
前記ショートした流体吐出部を削除するステップにおいて、前記ショートした電極を切断して前記ショートしていない電極を切断しないことにより、前記ショートした流体吐出部の機能を少なくとも部分的にリストアする、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記ショートした流体吐出部及び前記切断された各ショートした電極の、位置又は識別情報を記録するステップをさらに備え、これにより、前記ショートした流体吐出部の部分的リストアを考慮して、前記流体吐出装置を制御することを可能にする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ショートした流体吐出部を削除するステップは、レーザ、エッチング処理、イオンビーム、又は機械的切断によって行われる、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記アクチュエータは、圧電吐出素子、熱式インクジェット発生部、又は静電吐出要素である、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記アクチュエータは圧電吐出素子であり、前記流体吐出装置は圧電型流体吐出装置である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
流体吐出装置であって、
それぞれ、ポンプ要素に接続された電極を有する複数の流体吐出部を備え、
前記複数の流体吐出部のうちの1以上の流体吐出部は、機能停止又は少なくとも部分的に機能するようリストアされた、本来ならショートした流体吐出部である、流体吐出装置。
【請求項17】
前記ショートした流体吐出部は、前記流体吐出装置から電気的に絶縁されることにより、機能停止される、請求項16に記載の流体吐出装置。
【請求項18】
前記ショートした流体吐出部と接合パッドの間の接続を前記流体吐出装置の電気駆動供給部の位置で切断することにより、前記ショートした流体吐出部が機能停止される、請求項17に記載の流体吐出装置。
【請求項19】
前記ショートした流体吐出部に対応する接合パッドを前記流体吐出装置の電気駆動供給部の位置で除去することにより、前記ショートした流体吐出部が機能停止される、請求項17に記載の流体吐出装置。
【請求項20】
前記ショートした流体吐出部の位置又は識別情報を記録する電子的に読み取り可能なメモリを更に備え、これにより、前記ショートした流体吐出部を考慮して前記流体吐出装置を制御することを可能にする、請求項17に記載の流体吐出装置。
【請求項21】
前記ショートした流体吐出部内のショートを削除することにより、前記ショートした流体吐出部の機能がリストアされる、請求項16〜20のいずれかに記載の流体吐出装置。
【請求項22】
前記ショートした流体吐出部は、ショートしていない電極及び切断済みのショートした電極を含む複数の電極を備え、これにより、前記ショートした流体吐出部の機能を少なくとも部分的にリストアする請求項16〜21のいずれかに記載の流体吐出装置。
【請求項23】
前記ショートした流体吐出部及び切断された電極の各々の、位置又は識別情報を記録する電子的に読み取り可能なメモリを更に備え、これにより、前記ショートした流体吐出部の機能の低下を補うように、前記ショートした流体吐出部以外の流体吐出部を制御することを可能にする、請求項17に記載の流体吐出装置。
【請求項24】
前記アクチュエータは、圧電吐出素子、熱式インクジェット発生部、又は 静電吐出要素である、請求項16〜23のいずれかに記載の流体吐出装置。
【請求項25】
前記アクチュエータは圧電吐出素子であり、前記流体吐出装置は圧電型流体吐出装置である、請求項24に記載の流体吐出装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【公開番号】特開2010−241118(P2010−241118A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23555(P2010−23555)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】