説明

シラン修飾尿素誘導体、その製造方法及びレオロジー補助剤としての利用

【課題】ジイソシアネートとアミノシラン、ヒドロキシシラン又はメルカプトシランとの反応により生成する、シラン修飾尿素誘導体を提供すること。
【解決手段】本発明のシラン修飾尿素誘導体は、特にレオロジー補助剤、好ましくはシラン架橋系用のチキソトロピック剤、特に1液型と2液型接着剤やシーラント、塗料、ラッカーやコーティング剤に適しており、実質的に粘度を増やさず、退色せず、反応性であり、機械的性質にプラスの影響を及ぼす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シラン修飾尿素誘導体、その調製方法及びレオロジー補助剤としての用途、すなわち、物質のレオロジー特性を変えるための補助剤としての用途、好ましくはシラン架橋系のためのチキソトロピック剤、すなわち、増粘剤若しくは物質のチキソトロピック特性を維持するための補助剤、特に1液型及び2液型接着剤及びシーラント、塗料、仕上剤及びコーティング剤への補助剤としての用途に関する。
【背景技術】
【0002】
チキソトロピック剤は安定した流動性を有する製品の生産に使用されている。例えば、カーボンブラック、フレイムシリカ若しくは沈降シリカ等の無機充填剤はしばしばチキソトロピック剤として使用される。しかしながら、これらの物質の場合、粘性に増加が見られ、特に製品の機械加工において不都合がある。
【0003】
例えば微結晶ポリアミドワックス(Crayvallac(登録商標))、Disparlon(登録商標))、ヒマシ油加水分解物、若しくは尿素誘導体等の有機チキソトロピック剤を使用することも可能である。通常、尿素誘導体は、例えばポリエーテルポリオール等の反応性キャリア物質中で、若しくは例えば可塑剤等の非反応性キャリア物質中で調製される。尿素誘導体は、例えば古典的な1液型及び2液型ポリウレタン製品に接着用のりとして好んで使用される(DE(ドイツ)−A1805693号公報)。ここでは、例えばMDIすなわち4,4’−ジフェニルメチレンジイソシアネート等の芳香族単量体ジイソシアネート化合物は、好ましいことに例えばn−ブチルアミン等の脂肪族アミン化合物と非常に化学量論的に反応する。この付加反応は非常に発熱するため、キャリア物質中に固体の形で成分を混合した後、尿素誘導体は直ちに形成される。このプロセスを正確に実行することは、生成物の品質を一定にする上で、きわめて重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、先行技術のチキソトロピック剤には、例えば低い耐光性や望ましくない粘性増加等のが欠点がある。
【0005】
少なくとも先行技術の欠点を部分的に克服し、そして性能特性、特に耐光性と粘度安定性に関する性能特性を改良した新規レオロジー補助剤の提供が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一般式(I)のシラン修飾尿素誘導体によって、本発明の目的は達成された。
【化1】

【0007】
前記式(I)において、いずれの場合にも独立に、XはNR、S又はOである。
【0008】
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基であり、例えばフェニル基又はナフチル基等の特に炭素数6〜10のアリール基である。
【0009】
は、炭素数1〜12のアルキレン基であることが可能で、例えばエチレン基又はプロピレン基等の特に炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素数6〜20のシクロアルキレン基であることが可能で、特に、任意に不飽和化され一つ以上の二重結合を有する炭素数1〜10のシクロアルキレン基であることが可能である。さらに、Rは炭素数6〜20のアリーレン基であることが可能で、特に、例えばメチル基、エチル基又はプロピル基等の炭素数1〜4のアルキル置換基を任意に有する炭素数6〜10のアリーレン基でよい。Rは−C−CH−C−でよい。
【0010】
一般式(I)において、Rは、いずれの場合にも独立に水素原子又は例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜4のアルキル基であることが可能である。
【0011】
は、いずれの場合にも独立に炭素数1〜20のアルキル基であり、好ましくは、例えばメチル基、エチル基、若しくはプロピル基等の炭素数1〜4のアルキル基であり、又は炭素数6〜20のアリール基であり、特に炭素数6〜12のアリール基、好ましくはフェニル基又はナフチル基である。
【0012】
さらに、mは1又は3であり、nは0〜10、好ましくは0〜5、特に0〜2であり、xは0〜2、好ましくは0〜1である。
【発明の効果】
【0013】
驚くべきことに、本発明のシラン修飾尿素誘導体は、レオロジー補助剤及び特にチキソトロピック剤として優れた手段に利用可能であり、そして、特にほんのわずかな粘度上昇も生じず、また液体形成による溶出又は移動を一切生じないという点で卓越していることが分かった。
【0014】
その上、本発明のシラン修飾尿素誘導体は、退色せず、反応性を有し、機械的性質にプラスの影響を示すという点で、レオロジー補助剤又はチキソトロピック剤として卓越している。
【0015】
さらに、本発明のシラン修飾尿素誘導体は、不具合なく技術的に調製し取り扱うことが可能である。その上、本発明のチキソトロピック剤は光安定性と反応性を有しており、例えば熱若しくはせん断力を加えることによって本発明のチキソトロピック剤を活性化する必要がない。
【0016】
これらの優れた性能特性のおかげで、本発明のシラン修飾尿素誘導体は工業的用途に特に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のシラン修飾尿素誘導体は、一般式(II)の対応する芳香族及び/又は脂肪族ジイソシアネート類と一般式(III)のシラン化合物とから容易に調製できる。
【0018】
【化2】

【0019】
【化3】

式中、X、R、R、R、m、n及びxは前述の意味を表す。
【0020】
例えば、トルイレン2,4−ジイソシアネート及びこの異性体(TDI)又はジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート及びこの異性体(MDI)等の芳香族化合物や、例えば、3−イソシアナトメチル3,5,5−トリメチルシクロへキシルイソシアネート(IPDI)、ジシクロへキシルメタン4,4’−ジイソシアネート及び異性体(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及び2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及び2,4,4−トリメチルへキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネートが、好適なジイソシアネート類として使用される。
【0021】
一般式(IV)の第一級アミノシランが、シラン化合物として好んで使用される。
【化4】

式中、R、R、m、n及びxは前述の意味を表す。例えば、N−ベータ−アミノエチル−ガンマ−プロピルトリメトキシシラン(DS DAMO)、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシラン(DS AMEO)、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン(DS AMMO)及び/又はガンマ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン(DS 1505)が好んで使用される。しかしながら、例えばオリゴマージアミノ機能性シラン(DS 1146)等の任意の望ましいオリゴマーアミノシラン類を使用することも可能である。
【0022】
さらに、本発明の一実施態様において、用いたシラン化合物は、一般式(V)の第二級アミノシランである。
【0023】
【化5】

式中、R、R、m、xは前述の意味を表す。式(V)の好適な第二級アミノシランの例は、アミノブチル−ガンマ−プロピルトリメトキシシラン(DS 1189)である。
【0024】
さらに、本発明の一実施態様において、一般式(VI)の第二級アミノシランを使用する。
【0025】
【化6】

式中、R、R及びxは前述の意味を表す。式(VI)の好適な第二級アミノシラン類の例は、GEシリコーンズから入手可能なN−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン(Silquest A−Link 15)である。
【0026】
さらに、本発明の一実施態様として、使用したシラン化合物は、一般式(VII)のメルカプトシランである。
【0027】
【化7】

式中、R、m及びxは前述の意味を表す。例えば好適なメルカプトシラン類は、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(DS MTMO)とオリゴマーメルカプトシラン類である。
【0028】
さらに、ヒドロキシシラン、例えばスルホシラン、特にHOSO−CH−CH−CH−Si(OR)をシラン化合物として使用できる。
【0029】
一般式(II)のジイソシアネートと一般式(III)のシラン化合物との反応は、通常約0℃〜約100℃、好ましくは約20℃〜約80℃、特に約40℃〜60℃の温度で達成される。温度は50℃未満が望ましい。
【0030】
本発明の特に好適な実施態様として、反応はキャリア物質と任意の脱水剤存在下で実施する。キャリア物質は反応性又は非反応性化合物から成ることができる。
【0031】
例えばシリコーン類又はポリオール類等の長鎖ポリマー類、特に末端封止(エンドキャップ)化ポリオール類、例えばアジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類等のエステル類、バイオディーゼル、アルキル化ベンゼン類、フタル酸エステル類、脂肪族及び/又は芳香族炭化水素及びこれらの混合物で成る群から選択された化合物は、非反応性キャリア物質として好んで使用される。
【0032】
ポリエーテル類、ポリウレタン類、ポリスルフィド類、シリコーン類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、又はこれらの物質の任意の望ましい混合物を基本とするシリル化ポリマー類は、反応性キャリア物質として好んで使用される。反応性キャリア物質の例はシリル化ポリオール類であり、例えばイソシアナトシラン類、及びポリエーテルポリオール類、又はポリオール類、特にポリエーテル類を基本とするブロック化イソシアネートポリマー類(これらは以下に記載されている。Progress in Organic Coatings,3(1979),73−99、及びProgress in Organic Coatings,9(1981),2−28)であり、例えばカネカ製MS Polymer、MAX Polymer、XMAP、CRX Polymer、旭硝子化学製Excestar、バイエル製Desmoseal、ハンセ−ケミ製Polymer ST、ウィットン製WXP等のシリル化ポリマー(これらは以下に記載されている。 欧州0355426A1号公報、米国3627722B1号公報、独国4029505A1号公報、米国5364955B1号公報、欧州0918062A1号公報、米国5910555B1号公報)であり、及び/又は、例えばアクリル酸エステル基を含み、イソシアネート基を含むプレポリマー類と(メタ)クリル酸ヒドロキシエチルとの反応により調製可能なポリマー類である。これは、欧州0675144号公報に記載されている。上記のキャリア物質の任意の望ましい混合物を使用することももちろん可能である。
【0033】
本発明によると、例えば、ビニルシラン類、CaO、ゼオライト類、ケイ酸エステル類、アルキルシラン類及びこれらの混合物等の適切な脱水剤を用いることも可能である。驚くべきことに、脱水剤の使用により、キャリア物質中の本発明のシラン修飾尿素誘導体の品質保持期限が更に延長することが分かった。
【0034】
脱水剤の濃度は広い範囲で変更ができるが、この濃度をキャリア物質及び尿素誘導体の総重量に基づいて0.01〜40重量%に、好ましくは0.1〜10重量%に、特に好ましくは0.2〜5重量%に調節することが特に有利であることが証明された。
【0035】
キャリア物質中のシラン修飾尿素誘導体の濃度は、好ましくは約5〜約90重量%、特に約10〜約60重量%、特に好ましくは約15重量%〜約50重量%である。
【0036】
好適な実施態様として、本発明のシラン修飾尿素誘導体は結合剤(バインダー)の存在下で調製される。この方法では、反応性シラン修飾尿素誘導体が、結合剤、好ましくはシラン修飾された結合剤の架橋結合の後に、高分子マトリクスに確実に組み込まれるか、若しくは高分子マトリクスと確実に織り交ざることが可能である。この実施態様において、尿素誘導体は機械的性質にプラスに影響を与え、そしてもはや硬化物質から外部に拡散することはない。
【0037】
本発明のシラン修飾尿素誘導体は外部からでも調製することができる。すなわち、結合剤から分離し、好ましくはペーストの形で添加物として結合剤に添加しても調製可能である。
【0038】
さらに、本発明はシラン修飾尿素誘導体のレオロジー補助剤、特にチキソトロピック剤としての使用に関する。これらは、1液型又は2液型硬化性高分子系に好んで使用されており、特に1液型と2液型接着剤やシーラント、塗料、仕上剤やコーティング剤で使用されている。例えば樹脂成分等の結合剤を硬化剤と混合することによって架橋結合させる二成分系がここでは好まれる。樹脂成分には、一つ以上の反応性官能基、例えばアクリレート、エポキシド、イソシアネート、シラン、メルカプト基又はヒドロキシル基等の官能基が含まれる。例えばアミノ基、ヒドロキシル基、シラン基及び/又は硫黄基を含む化合物等の使用可能な硬化剤は、二重結合、水、触媒及び/又は金属酸化物の重合を開始するための反応開始剤である。
【0039】
この架橋可能な系は、硬化性の一成分系であることも可能であり、好ましくは、例えば熱処理又は雰囲気湿度からの水を用いた超音波法、又は例えば紫外線照射等の放射線作用による硬化性の一成分系であることも可能である。
【0040】
本発明のシラン修飾尿素誘導体は結合剤中に存在し、すなわち、樹脂成分中に好ましくは約0.1〜約80重量%、好ましくは約2〜約50重量%で、特に好ましくは約5〜約30重量%の濃度で存在する。
【0041】
本発明のシラン修飾尿素誘導体は結合剤中に存在していてもよいが、例えば充填剤、可塑剤、接着促進剤、乾燥剤、溶剤、触媒及び/又は紫外線安定剤等の他の添加剤と共に、ペースト状の添加剤として結合剤に別々に添加することもできる。
【0042】
以下の実施例で本発明をさらに説明する。
【0043】
本発明のシラン修飾尿素誘導体の調製
【0044】
1.外部からの調製
最初に60gのフタル酸エステル系可塑剤(Jayflex DIUP)と、13.12gのジイソシアネート(Vestanat H12MDI、MG 262.35)とをあわせて容器に入れる。次に、22.14gのアミノシラン(Dynasylan AMEO、重量平均分子量221)を、十分に混合しながら、30分間以上かけて少しずつ添加する。温度は50℃を超えないようにする。無色、乳状、無臭、高粘性のペーストが得られる。ASTM D 1638に準拠した滴定法と赤外分光法の結果から、残存イソシアネート含量はゼロである。最後に、0.5重量%の脱水剤(Dynasylan VTMO)を加える。
【0045】
このようにして得られたペーストを、添加剤としてシリル化ポリウレタンプレポリマー(ハンセ−ケミ製Polymer ST−67)に添加剤として導入し、そしてシーラントを生成するために充填剤及び追加的な添加剤で調合する。
【0046】
2.結合剤中でのIn situ調製
最初に60gのシリル化ポリウレタンプレポリマー(ハンセ−ケミ製Polymer ST−67)と、6.55gのジイソシアネート(Vestanat H12MDI)と13.05gのフタル酸エステル系可塑剤(Jayflex DIUP)とをあわせて混合容器に入れる。次に、8.94gのアミノシラン(Dynasylan AMMO、分子量179)を、十分に混合及び攪拌しながら15分間以上かけて少しずつ添加する。ASTM D 1638に準拠した滴定法と赤外分光法の結果から、残存イソシアネート含量はゼロである。その後すぐに、このようにして得られた結合剤を、シーラントを生成するために充填剤及び追加的な添加剤を用いて調合する。
【0047】
3.使用例
モルテニ ラボマックス(Molteni Labmax)実験室用ミキサーで調合を実施した。調合済シーラントの流動挙動は、材料試験装置 タイプ ズウィック(Zwick) Z2.5/TN 1Sを用いる手法によって、23℃での3mmノズル使用時の吐出力として測定した。機械的特性は打抜き標準試料を用いて測定した。
【0048】
a)実施例1により調製したチキソトロピック剤の添加
本発明のチキソトロピック剤 200g
シリル化結合剤 ST−67、ハンセ (Hanse) 200g
チョーク BLR2充填剤、オムヤ(Omya) 350g
フタル酸エステル系可塑剤 DIUP、エクソン(Exxon) 50g
チヌビン(Tinuvin)327、紫外線吸収剤、チバ(Ciba) 2g
スズ触媒 DBTL、ローム+ハース(Rohm+Haas) 4g
ダインシラン(Dynsylan)VTMO脱水剤、デグサ(Degussa) 6g
【0049】
調合後の均質性 非常によく柔らかくペースト状
吐出力(調製時) 720N
吐出力(60℃で一週間後) 770N
皮膜形成時間 80分
伸張強度 2.9MPa
品質保持期間(60℃で4週間) 満足
【0050】
b)実施例2により調製したチキソトロピック剤のIn situ調製
シリル化結合剤ST−67、ハンセ(Hanse)中の本発明のチキソトロピック剤 400g
チョーク BLR2充填剤、オムヤ(Omya) 350g
フタル酸エステル系可塑剤 DIUP、エクソン(Exxon) 50g
チヌビン(Tinuvin)327、紫外線吸収剤、チバ(Ciba) 2g
スズ触媒 DBTL、ローム+ハース(Rohm+Haas) 4g
ダインシラン(Dynsylan)VTMO脱水剤、デグサ(Degussa) 6g
【0051】
処方後の均質性 非常によくペースト状で柔らかい
吐出力(調製時) 510N
吐出力(60℃で一週間後) 550N
皮膜形成時間 90分
伸張強度 2.3MPa
品質保持期間(60℃で4週間) 満足


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)のシラン修飾尿素誘導体
【化1】

(式中、いずれの場合にも独立に、XはNR、S又はOであり、Rは、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状アルキレン基、任意に不飽和化されてもよい炭素数6〜20のシクロアルキレン基、炭素数1〜4のアルキル置換基を一つ以上任意に有する炭素数6〜20のアリーレン基、又は−C−CH−C−であり、Rは、いずれの場合にも独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは、いずれの場合にも独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基であり、mは1又は3であり、nは0〜10であり、xは0〜2である。)。
【請求項2】
nは0〜2であり、xは0〜1である、請求項1に記載のシラン修飾尿素誘導体。
【請求項3】
は、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基である、請求項1又は2に記載のシラン修飾尿素誘導体。
【請求項4】
一般式(II)
【化2】

のジイソシアネートを一般式(III)
【化3】

(式中、X、R、R、R、m、n及びxは前記の意味を表す。)のシラン化合物と0〜100℃の温度で反応させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシラン修飾尿素誘導体の調製方法。
【請求項5】
使用する前記シラン化合物が、一般式(IV)
【化4】

(式中、R、R、m、n及びxは前記の意味を表す。)の第一級アミノシランである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
使用する前記シラン化合物が、一般式(V)
【化5】

(式中、R、R、m及びxは前記の意味を表す)の第二級アミノシランである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
使用する前記シラン化合物が、一般式(VI)
【化6】

(式中、R、R及びxは前記の意味を表す)の第二級アミノシランである、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
使用する前記シラン化合物が、一般式(VII)
【化7】

(式中、R、m及びxは前記の意味を表す)のメルカプトシランである、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記ジイソシアネートと前記シラン化合物との反応がキャリア物質と任意に脱水剤存在下で行われる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
非反応性キャリア物質が、例えばシリコーン類又はポリオール類等の長鎖ポリマー類、エステル類、アルキル化ベンゼン類、フタル酸エステル類、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素又はこれらの混合物から成る群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ポリエーテル類、ポリウレタン類、ポリスルフィド類、シリコーン類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、又はこれらの物質の混合物を基本とするシリル化ポリマー類が、反応性キャリア物質として使用される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
ビニルシラン類、CaO、ゼオライト類、ケイ酸エステル類、アルキルシラン類及びこれらの混合物が脱水剤として使用される、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記脱水剤の濃度が、キャリア物質及び尿素誘導体の総重量に基づいて0.01〜40重量%に、好ましくは0.1〜10重量%に、特に好ましくは0.2〜5重量%で存在する、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記キャリア物質中の前記シラン修飾尿素誘導体の濃度が5〜90重量%、特に10〜60重量%、特に好ましくは15重量%〜50重量%である、請求項9〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記シラン修飾尿素誘導体が、結合剤の存在下で調製される、請求項4〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のシラン修飾尿素誘導体のレオロジー補助剤、特に1液型又は2液型硬化性高分子系用のチキソトロピック剤としての使用。
【請求項17】
前記シラン修飾尿素誘導体が結合剤中に、0.1〜80重量%、好ましくは2〜50重量%で、特に好ましくは5〜30重量%の濃度で存在する、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
前記シラン修飾尿素誘導体が結合剤中に存在する、請求項16又は17に記載の使用。
【請求項19】
前記シラン修飾尿素誘導体が結合剤中に、充填剤、可塑剤、接着促進剤、乾燥剤、溶剤、触媒及び紫外線安定剤からなる添加剤と共に、ペースト状の添加剤として結合剤に添加される、請求項16〜18のいずれか1項に記載の使用。

【公表番号】特表2008−542416(P2008−542416A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515126(P2008−515126)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005385
【国際公開番号】WO2006/131314
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(503343336)コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー (139)
【氏名又は名称原語表記】Construction Research & Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Dr.−Albert−Frank−Strasse 32, D−83308 Trostberg, Germany
【出願人】(507391638)エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【Fターム(参考)】