説明

シラン官能性ポリマーとアミノシラン付加体とを含有する湿気硬化性組成物

本発明は、式(I)の末端基を有するシラン官能性ポリマーに加えて、第一級アミノ基を有するアミノシランと、シラン基を含まないアルケンとから製造することができる反応生成物を含有する、湿気硬化性組成物に関する。本組成物は、高い反応性、良好な接着性、および高い引裂き強度と共に、向上した伸び性を有すること特徴とし、特に、弾性の接着性物質またはシーラントとしての使用に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シラン官能性ポリマーを含む湿気硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シラン官能性ポリマーに基づく湿気硬化性組成物は知られており、とりわけ弾性接着剤、シーラント、およびコーティングとして使用されている。これらはイソシアネート基を含まず、それ故に、イソシアネート含有ポリウレタン系に対して毒性の見地から好ましい代替物を構成する。
【0003】
例えばシーラントまたは組立て用接着剤として用途のほとんどにおいて、組成物が迅速に硬化し、かつ硬化した状態で良好な力学的性質および良好な接着性を有することが重要である。特に重要なのは、伸び性と高い引張り強度との組み合わせである。しかし、かかる組成物はしばしばこれらの要求を満たさない。
【0004】
シラン官能性ポリマーに基づく湿気硬化性組成物中の添加剤としてのオルガノアルコキシシランの使用が知られている。これらは、典型的には、例えば米国特許第3979344号、米国特許第5147927号、および欧州特許出願公開第0819749号に記載されているように、接着、貯蔵安定性、および反応性などの特性をわずかに引き上げるために使用される。
【0005】
米国特許第6703453号は、成分中にとりわけアミノシランとマレイン酸エステルまたはフマル酸エステルとの付加体を含む、シラン官能性ポリマーに基づく湿気硬化性組成物を開示している。この組成物は向上した力学的性質および向上した貯蔵安定性を示すと言われている。
【特許文献1】米国特許第3979344号
【特許文献2】米国特許第5147927号
【特許文献3】欧州特許出願公開第0819749号
【特許文献4】米国特許第6703453号
【特許文献5】米国特許第3971751号
【特許文献6】米国特許第6207766号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの目的は、下記の式(I)の末端基を有するシラン官能性ポリマーに基づき、
高い反応性、良好な接着性、および高い引張り強度と共に高い伸び性を示し、かつそれ故に、特にシーラント、接着剤またはコーティングとしての用途、さらに特に弾性接着剤またはシーラントとしての用途に適切な、湿気硬化性組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
意外にも、特許請求項1の湿気硬化性組成物がこれらの目的を達成することが見出された。これらの組成物は、先行技術との関連において高められた伸び性を有し、硬化速度および接着性に関して実質的な低下を示さない。
【0008】
本発明の一態様は、本組成物の成分を代表する反応生成物の、式(I)の末端基を有するシラン官能性ポリマーを含む湿気硬化性組成物のための、接着促進剤としての使用に関する。
【0009】
加えて、請求項19に記載の接着された物品またはシールされた物品をもたらす、請求項16および17に記載の接着方法およびシーリング方法を提供する。
【0010】
さらなる実施形態は、従属請求項の主題である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は
a)式(I):
【0012】
【化1】

【0013】
[式中、
R1は、1〜8個のC原子を有するアルキル基、特にメチル基またはエチル基であり、
R2は、1〜5個のC原子を有するアシル基またはアルキル基、特にメチル基またはエチル基またはイソプロピル基であり、
aは、0、1または2、好ましくは0または1であり、
R3は、直鎖または分岐鎖、場合により環状の、2〜12個のC原子を有するアルキレン基であり、芳香族部分を有していてもよく、かつ、1つまたは複数のヘテロ原子、特に窒素原子を有していてもよい]
の末端基を有する少なくとも1種のシラン官能性ポリマーPと、
b)少なくとも1つの第一級アミノ基を有する少なくとも1種のアミノシランA1
および
式(II)または(III)または(IV):
【0014】
【化2】

【0015】
[式中、
R9は、R12または-CNであり、
R10は、-COOR12、-CONHR12、-CON(R12)2、-CN、-NO2、-PO(OR12)2、-SO2R12、および-SO2OR12からなる群から選択される置換基であり、
R11は、-R12、-COOR12、-CH2-COOR12、および-CNからなる群から選択される置換基であり、
R12は、水素原子または一価の、ヘテロ原子を含有していてもよい、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基である]
のシラン基を含まないアルケンMの少なくとも1種から調製される少なくとも1種の反応生成物Rと
を含む湿気硬化性組成物を提供する。
【0016】
本明細書における式中のダッシュ(dashed line)はそれぞれ各置換基への接続を表す。
【0017】
本明細書では「ポリマー」という用語は、一方では、化学的に均質な高分子の集合体ではあるが重合度、分子質量、および鎖長に関しては異なっており、かつ重合化反応(重合、重付加、重縮合)によって調製されたものを包含する。他方ではこの用語は、重合反応からの高分子のかかる集合体の誘導体、言い換えれば、例えば既存の高分子上の官能基の付加反応または置換反応などの反応によって得られ、化学的には均質なことも不均質なこともある化合物をも包含する。この用語はさらに、プレポリマーとして知られているもの、すなわち、反応性のオリゴマー状予備付加体であってその官能基が高分子の構成に関与するものをも包含する。
【0018】
「ポリウレタンポリマー」という用語は、ジイソシアネートの重付加法として知られている方法によって調製されるすべてのポリマーを包含する。この用語は、実質的にまたは完全にウレタン基を含まないポリマーをも包含する。ポリウレタンポリマーの例として、ポリエーテル-ポリウレタン、ポリエステル-ポリウレタン、ポリエーテル-ポリウレア、ポリウレア、ポリエステル-ポリウレア、ポリイソシアヌレート、およびポリカルボジイミドが挙げられる。
【0019】
本明細書では「シラン」という用語は、オルガノアルコキシシラン、言い換えれば、少なくとも1つ、典型的には2つまたは3つの直接ケイ素原子に(Si-O結合によって)結合しているアルコキシ基があり、かつ、他方では、直接ケイ素原子に(Si-C結合によって)結合している少なくとも1つの有機基を有する化合物のことを言うために用いる。これに対応して「シラン基」という用語は、オルガノアルコキシシランの有機基に結合したケイ素含有基のことを言う。シランまたはそれらのシラン基は、湿分と接触したときに加水分解する性質を有する。この加水分解はオルガノシラノール、言い換えれば1つ以上のシラノール基(Si-OH基)を含有するオルガノケイ素化合物の形成、および、続く縮合反応によってオルガノシロキサン、言い換えれば1つ以上のシロキサン基(Si-O-Si基)を含有するオルガノケイ素化合物の形成を伴う。「シラン官能性」という用語は、シラン基を有する化合物、特にポリマー、のことを言う。
【0020】
「アミノシラン」という用語は、有機基上の置換基としてアミノ基を持つシランのことを言う。
【0021】
「イソシアネートシラン」という用語は、有機基上の置換基としてイソシアネート基を持つシランのことを言う。
【0022】
本湿気硬化性組成物は、前述の式(I)の末端基を有する少なくとも1種のシラン官能性ポリマーPを含む。シラン官能性ポリマーPは次のポリマーであってよい:
(i)アミノシランA2と末端イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーとの反応によって得ることができるシラン官能性ポリウレタンポリマーP1、または
(ii)イソシアネートシランISと末端ヒドロキシル基を有するポリマーとの反応によって得ることができるシラン官能性ポリウレタンポリマーP2、または
(iii)末端二重結合を有するポリマーのヒドロシリル化反応によって得ることができるシラン官能性ポリマーP3。
【0023】
最初の一実施態様では、シラン官能性ポリマーPは、アミノシランA2と末端イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーとの反応によって得ることが可能なシラン官能性ポリウレタンポリマーP1である。この反応は、好ましくはアミノ基とイソシアネート基の化学量論比またはアミノ基のわずかな過剰で行い、結果として得られるシラン官能性ポリウレタンポリマーP1はイソシアネート基を全く含まない。
【0024】
アミノシランA2は式(V):
【0025】
【化3】

【0026】
[式中、R1、R2、R3、およびaは、式(I)における定義の通りであり、
R4は、水素原子、または直鎖もしくは分岐の、環状部分を含有していてもよい、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基であるか、あるいは式(VI)の基であり、
【0027】
【化4】

【0028】
[式中、
R5およびR6は、互いに独立に、それぞれ、水素原子、またはR8、-COOR8、および-CNを含む群からの基であり、
R7は、水素原子、または-CH2-COOR8、-COOR8、-CONHR8、-CON(R8)2、-CN、-NO2、-PO(OR8)2、-SO2R8、および-SO2OR8を含む群からの基であり、
R8は、少なくとも1個のヘテロ原子を含有していてもよい、1〜20個のC原子を有する炭化水素基である]
を有する。
【0029】
適切なアミノシランA2の例は、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルジメトキシメチルシランなどの第一級アミノシラン;N-ブチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランなどの第二級アミノシラン;3-アミノプロピルトリメトキシシランまたは3-アミノプロピルジメトキシメチルシランなどの第一級アミノシランと、アクリロニトリル、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、アクリルアミドまたはメタクリルアミド、マレイン酸ジエステルおよびフマル酸ジエステル、クエン酸ジエステル、ならびにイタコン酸ジエステルなどのマイケル受容体とのマイケル様付加反応の生成物(例えば、ジメチルおよびジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシネート);および、前記アミノシランのケイ素上のメトキシ基の代わりにエトキシ基またはイソプロポキシ基を有する類似体である。特に適切なアミノシランA2は、第二級アミノシラン、すなわち、式(V)中のR4がH以外のものであるアミノシランA2である。マイケル様付加物、より特にはジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシネートが好ましい。
【0030】
本明細書において「マイケル受容体」という用語は、それらが含有する、電子受容体基によって活性化されている二重結合に基づいて、第一級アミンノ基(NH2基)と共に、マイケル付加(ヘテロマイケル付加)と類似の様式の求核付加反応に参加し得る化合物を特定する。
【0031】
シラン官能性ポリウレタンポリマーP1を調製するのに適切な末端イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーの例は、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種のポリイソシアネート、特にジイソシアネートとの反応によって得ることができるポリマーである。この反応は、典型的な方法、すなわち、50℃〜100℃の温度で、例えば適切な場合には適切な触媒を使用して、ポリイソシアネートを、そのイソシアネート基がポリオールのヒドロキシル基に対して化学量論的に過剰になるように計量する方法で、ポリオールと反応させることによって行う。
【0032】
ポリイソシアネートの過剰は、特に、ポリオールのヒドロキシル基のすべてが反応した後に得られるポリウレタンポリマーの遊離のイソシアネート含有量が、ポリマー全体に対して0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.25重量%〜2.5重量%、より好ましくは0.3重量%〜1重量%残るように選択する。
【0033】
適切な場合には、ポリウレタンポリマーは可塑剤を添加使用して調製することができ、使用する可塑剤はイソシアネート反応基を含有しない。
【0034】
前記の遊離イソシアネート含有量を有し、かつジイソシアネートと高分子量ジオールとのNCO/OH比が1.5/1〜2/1のである反応から得たポリウレタンポリマーが好ましい。
【0035】
末端にイソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを調製するために用いることができるポリオールには、例えば、次の市販の一般的なポリオール、またはこれらの任意の所望の混合物が含まれる。
− ポリオキシアルキレンポリオール(ポリエーテルポリオールまたはオリゴエーテロールとも呼ばれる)。これらは、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド、1,2-もしくは2,3-ブチレンオキシド、テトラヒドロフランまたはこれらの混合物の重合生成物であり、場合により、2つ以上の活性水素原子を有する開始剤分子(例えば、水、アンモニアまたは2つ以上のOHもしくはNH基を有する化合物、例えば、1,2-エタンジオール、1,2-および1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびポリプロピレングリコールの全異性体、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールおよびヘプタンジオールの全異性体、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3-および1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、グリセリン、アニリン、ならびに前述の化合物の混合物など)によって重合されたものであってよい。使用できるのは、例えば二重金属シアニド錯体触媒(DMC触媒)と呼ばれるものの助けを借りて調製され、低不飽和度〔ASTM D-2849-69に従って測定され、ポリオール1グラム当たりの不飽和のミリ当量(meq/g)で記録される〕を有するポリオキシアルキレンポリオールだけではなく、例えば、NaOH、KOH、CsOHまたはアルカリ金属アルコキシドなどのアニオン性触媒の助けを借りて調製され、より高い不飽和度を有するポリアルキレンポリオールも使用することができる。ポリオキシアルキレンジオールまたはポリオキシアルキレントリオールが特に好適であり、より特に、ポリオキシプロピレンジオールまたはポリオキシプロピレントリオールが好適である。
【0036】
特に好適であるのは、0.02 meq/g未満の不飽和度を有し、1000〜30000 g/molの範囲の分子量を有するポリアルキレンジオールまたはポリアルキレントリオールであり、400〜8000 g/molの分子量を有するポリオキシプロピレンジオールおよびトリオールも好適である。本明細書において「分子量」という用語は、平均分子量Mnのことを言う。
【0037】
同様に特に適当であるのは、エチレンオキシド末端化された(「EOエンドキャップされた」、エチレンオキシドでエンドキャップされた)ポリオキシプロピレンポリオールと呼ばれるものである。後者は、例えば、純粋なポリオキシプロピレンポリオール、特にポリオキシプロピレンジオールおよびトリオールを、ポリプロポキシ化反応の終了後に続けて、エチレンオキシドを用いるアルコキシ化反応させることによって得られる、特殊なポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンポリオールであり、結果的に第一級ヒドロキシル基を有する。
− スチレン-アクリロニトリルまたはアクリロニトリル-メチルメタクリレートでグラフト化したポリエーテルポリオール。
− ポリエステルポリオール(オリゴステロールとも呼ばれる)。例えば、二価〜三価のアルコール(例えば、1,2-エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、1,1,1-トリメチロールプロパン、または前述のアルコールの混合物など)と、有機ジカルボン酸もしくはそれらの無水物もしくはエステル(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびヘキサヒドロフタル酸、または前述の酸の混合物など)とから調製される、ポリエステルポリオール、ならびに、例えばε-カプロラクトンなどのラクトンから形成されるポリエステルポリオール。
− ポリカーボネートポリオール。例えば、上述のアルコール(ポリエステルポリオールを合成するために使用するアルコール)と、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート、またはホスゲンとの反応によって得ることができる種類のもの。
− ポリアクリレートポリオールおよびポリメタクリレートポリオール。
− ポリ炭化水素ポリオール(オリゴヒドロカルボノールとも呼ばれる)。例えば、ポリヒドロキシ官能性のエチレン-プロピレン、エチレン-ブチレン、もしくはエチレン-プロピレン-ジエンコポリマー(例えば、Kraton Polymers社によって製造されている種類のもの等)、または、ジエン(1,3-ブタジエンまたはジエン混合物など)とビニルモノマー(スチレン、アクリロニトリルまたはイソブチレンなど)とのポリヒドロキシ官能性コポリマー、または、ポリヒドロキシ官能性ポリブタジエンポリオール(例えば、1,3-ブタジエンとアリルアルコールとを共重合させることによって調製される種類のもの)。
− ポリヒドロキシ官能性アクリロニトリル/ポリブタジエンコポリマー〔例えば、エポキシドまたはアミノアルコールとカルボキシ末端化されたアクリロニトリル/ポリブタジエンコポリマー(NoveonからHycar(登録商標)CTBNの名称で市販されている)とから調製可能なもの〕。
【0038】
上述したこれらのポリオールは、250〜30000 g/mol、特に1000〜30000 g/molの平均分子量、および1.6〜3の範囲内の平均OH官能性を有する。
【0039】
好ましいポリオールは、ポリオキシアルキレンポリオールである。加えてポリオールとして好ましいのはジオールである。ポリアルキレンジオール、特に0.02 meq/g未満の不飽和度および4000〜30000 g/mol、特に8000〜30000 g/molの範囲の分子量を有するものが特に好ましい。
【0040】
上述したこれらのポリオールに加えて、これらと共に、少量の低分子量の二価または多価アルコール〔例えば、1,2-エタンジオール、1,2-および1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコールの全異性体、ブタンジオールの全異性体、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3-および1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、脂肪アルコール二量体、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、糖アルコール(例えば、キシリトール、ソルビトールまたはマンニトールなど)、蔗糖などの糖類、他の多官能性アルコール、前述の二価または多価アルコールの低分子量アルコキシ化反応生成物、および前述のアルコールの混合物〕を、末端イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを調製する際に用いることができる。
【0041】
末端にイソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを調製するためのポリイソシアネートとしては、例えば、一般的に市販されている以下のポリイソシアネートを用いることができる。
1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2-メチルペンタメチレン-1,5-ジイソシアネート、2,2,4-および2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートおよびリジンエステルジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-および-1,4-ジイソシアネートならびにこれらの異性体の任意の所望の混合物、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(すなわち、イソホロンジイソシネートすなわちIPDI)、パーヒドロ-2,4'-および-4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI)、1,4-ジイソシアナト-2,2,6-トリメチルシクロヘキサン(TMCDI)、1,3-および1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m-およびp-キシレンジイソシアネート(m-およびp-XDI)、m-およびp-テトラメチル-1,3-および-1,4-キシレンジイソシアネート(m-およびp-TMXDI)、ビス(1-イソシアナート-1-メチルエチル(ナフタレン)、2,4-および2,6-トリレンジイソシアネートおよびこれらの異性体の任意の所望の混合物(TDI)、4,4'-、2,4'-、および2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびこれらの異性体の任意の所望の混合物(MDI)、1,3-および1,4-フェニレンジイソシアネート、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-ジイソシアナトベンゼン、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート(NDI)、3,3-ジメチル-4,4'-ジイソシアナトビフェニル(TODI)、前述のイソシアネートのオリゴマーおよびポリマー、ならびに前述のイソシアネートの任意の所望の混合物。MDI、TDI、およびIPDIが好ましい。
【0042】
第二の実施態様では、シラン官能性ポリマーPは、イソシアナトシランISと末端ヒドロキシル基を有するポリマーとの反応によって得ることができるシラン官能性ポリウレタンポリマーP2である。この反応は、イソシアネート基とヒドロキシル基との間の化学量論比において、例えば20℃〜100℃の温度で、適切な場合には触媒を併用して行う。
【0043】
イソシアナトシランISとして好適な化合物は、式(VII)の化合物である。
【0044】
【化5】

【0045】
式中、R1、R2、R3、およびaは、式(I)における定義の通りである。
【0046】
適切な式(VII)のイソシアナトシランISの例は、3-イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナートプロピルジメトキシメチルシラン、およびケイ素上のメトキシ基の代わりにエトキシまたはイソプロポキシ基を有するこれらの類似体である。
【0047】
一方、末端ヒドロキシル基を有するポリマーには、上述した高分子量ポリアルキレンポリオール、好ましくは0.02 meq/g未満の不飽和度を有し、かつ400〜30000 g/molの範囲内の分子量、特に8000〜30000 g/molの範囲内の分子量を有するポリオキシプロピレンジオールが好ましく含まれる。
【0048】
他方、式(VII)のイソシアナトシランISとの反応のための末端ヒドロキシル基を有するポリウレタンポリマーも好ましい。この種のポリウレタンポリマーは、少なくとも1種のポリイソシアネートと少なくとも1種のポリオールとの反応によって得ることができる。この反応は、ポリオールとポリイソシアネートとを典型的な方法、すなわち、50℃〜100℃の温度で、例えば、適切な場合には適切な触媒を併用して、ポリオールをそのヒドロキシル基がポリイソシアネートのイソシアネート基に対して化学量論的に過剰になるように計量しながら反応させることによって行うことができる。ヒドロキシル基対イソシアネート基の比1.3/1〜4/1、特に1.8/1〜2.1/1であることが好ましい。適切な場合には、ポリウレタンポリマーは、可塑剤を併用して調製することができ、イソシアネート反応基を含有しない可塑剤を使用する。この反応には、末端イソシアネート基を含有し、シラン官能性ポリウレタンポリマーP1の調製のために使用するポリウレタンポリマーを調製するために好ましいとして上述したものと同じポリオールおよびポリイソシアネートが好ましい。
【0049】
市販のシラン官能性ポリマーP2の例は、SPUR+(登録商標)1010LM、1015LM、および1050MMの商標を有する製品(すべてGE製)、ならびに、Geniosil(登録商標)STP-E15およびGeniosil(登録商標)STP-E35(共にWacker Chemie AG製)である。
【0050】
第三の実施態様では、シラン官能性ポリマーPは、末端二重結合を有するポリマー〔例えばポリ(メタ)アクリレートポリマーまたはポリエーテルポリマー、特に、アリル末端化されたポリオキシアルキレンポリマー(例えば、米国特許第3971751号および同第6207766号に記載されているもの)〕のヒドロシリル化反応によって得ることができる、シラン官能性ポリマーP3である。
【0051】
市販のシラン官能性ポリマーP3の例は、商標MS-Polymer(登録商標)S203(H)、S303(H)、S227、A810、MA903およびS943、Silyl(登録商標)SAX220、SAX350、SAX400およびSAX725、Silyl(登録商標)SAT350およびSAT400、ならびにXMAP(登録商標)SA100SおよびSA310S(すべてカネカ製);Polymer ST50(Hanse-Chemie製);ならびにExcestar(登録商標)S2410、S2420、S3430、S3630、W2450およびMSX931(すべて旭硝子製)を有する製品である。
【0052】
典型的には、シラン官能性ポリマーPは、湿気硬化性組成物に対して10重量%〜80重量%の量、好ましくは15重量%〜50重量%の量で存在する。
【0053】
本湿気硬化性組成物は、シラン官能性ポリマーPに加えて、少なくとも1つの第一級アミノ基を有するアミノシランA1の少なくとも1種と、前述の式(II)または(III)または(IV)のシラン基を含まないアルケンMの少なくとも1種とから調製された少なくとも1種の反応生成物Rを含む。反応生成物Rは、「アミノシラン付加体」とも呼ばれる。
【0054】
反応生成物Rを調製するのに好適な、少なくとも1つの第一級アミノ基を有するアミノシランA1は、式(VIII)の化合物である。
【0055】
【化6】

【0056】
式中、
R13は、1〜8個のC原子を有するアルキル基、好ましくはメチル基またはエチル基、特にメチル基であり、
R14は、1〜5個のC原子を有するアシル基またはアルキル基、好ましくはメチル基またはエチル基またはイソプロピル基、特にメチル基またはエチル基であり、
R15は、直鎖または分岐鎖の、場合により環状の、1〜20個のC原子を有するアルキレン基であり、芳香族部分を有していてもよく、かつ、ヘテロ原子、特にエーテル酸素または第二級アミン窒素を有していてもよく、
bは、0、1、または2、好ましくは0または1である。
【0057】
特に適切なアミノシランA1は、以下の一般的に市販されているアミノシランである。
3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルジメトキシメチルシラン、3-アミノ-2-メチルプロピルトリメトキシシラン、4-アミノブチルトリメトキシシラン、4-アミノブチルジメトキシメチルシラン、4-アミノ-3-メチルブチルトリメトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジメチルブチルトリメトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、2-アミノエチルトリメトキシシラン、2-アミノエチルジメトキシメチルシラン、アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルジメトキシメチルシラン、アミノメチルメトキシジメチルシラン、7-アミノ-4-オキサヘプチルジメトキシメチルシラン、およびケイ素上のメトキシ基の代わりにエトキシ基またはイソプロポキシ基を有するこれらの類似体。
【0058】
特に好適なアミノシランA1は、ジアミノシランとして知られているもの、言い換えれば、第一級アミノ基だけではなく第二級アミノ基(NH基)、特にケイ素原子に対してγ位にある第二級アミノ基も持つアミノシランである。この種のジアミノシランの例は、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルシラン〔例えば、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、およびN-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリイソプロポキシシランなど〕である。
【0059】
特に適切なアミノシランA1は、加えて、トリアミノシランとして知られているもの、すなわち、第一級アミノ基に加えて2つの第二級アミノ基(NH基)を持つもの、例えばN-(2-アミノエチル)-N'-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンなどである。
【0060】
アミノシランA1としては、式(IX)のアミノシランが好ましい。
【0061】
【化7】

【0062】
式中、n=0、1または2であり、b=0または1であり、R13=メチルであり、R14=メチルまたはエチルまたはイソプロピルである。
【0063】
特に優先的には、アミノシランA1は、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、およびN-(2-アミノエチル)-N'[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N-(2-アミノエチル)-N'-[3-(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、およびN-(2-アミノエチル)-N'-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンからなる群から選択される。
【0064】
特に好ましいのは1分子当たり2つ以上のアミノ基を有するアミノシランA1、特にn=1または2である式(IX)のアミノシランA1である。これらのアミノシランは、1分子当たりに2つ以上のアミノ基を有する反応生成物Rをもたらす。これらのアミノ基は効果、特にシラン基の加水分解を触媒する効果を有するので、反応生成物R中のアミノ基のより高いレベルは組成物の硬化の加速を実現し、それは多くの用途に有利である。
【0065】
特に好ましいのは、ジアミノシラン〔N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、およびN-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン〕、ならびにトリアミノシラン〔N-(2-アミノエチル)-N'-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N-(2-アミノエチル)-N'-[3-(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、およびN-(2-アミノエチル)-N'-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン〕である。
【0066】
反応生成物Rの調製に好適なシラン基を含まないアルケンMは、式(II)または(III)または(IV)の化合物である。
【0067】
【化8】

【0068】
式中、
R9は、R12または-CNであり、
R10は、-COOR12、-CONHR12、-CON(R12)2、-CN、-NO2、-PO(OR12)2、-SO2R12、および-SO2OR12からなる群から選択される置換基であり、
R11は、-R12、-COOR12、-CH2-COOR12、および-CNからなる群から選択される置換基であり、
R12は、水素原子、または一価の、ヘテロ原子を含有していてもよい、1〜20個のC原子を有する炭化水素基である。
【0069】
式(II)または(III)のアルケンMの好適な例は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル〔例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど〕;アクリルアミドまたはメタクリルアミド〔例えば、(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリルアミド、ブチル(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジブチル(メタ)アクリルアミドなど〕;イタコン酸ジエステル(例えばジメチルイタコネートなど);桂皮酸エステル(例えばメチルシンナメートなど);ビニルホスホン酸ジエステル(例えばジメチルビニルホスホネートなど);ビニルスルホン酸エステル(特にアリールビニルスルホネートなど);ビニルスルホン;ビニルニトリル(例えば、アクリロニトリル、クロトニトリル、2-ペンテンニトリル、またはフマロニトリルなど);1-ニトロエチレン(例えばβ-ニトロスチレンなど);クネーフェナーゲル(Knoevenagel)縮合生成物〔例えば、マロン酸ジエステルまたはマロンニトリルと、アルデヒド(例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、またはベンズアルデヒドなど)とのクネーフェナーゲル縮合生成物など〕である。
【0070】
好ましくは、式(II)または(III)のアルケンMは、テトラヒドロフルフリル、イソボルニル、イソデシル、ヘキシル、ラウリル、ステアリル、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテル、2-ヒドロキシエチル、および3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチル、ジエチル、およびジブチルホスホネート、アクリロニトリル、2-ペンテンニトリル、フマロニトリル、およびβ-ニトロスチレン、ならびにこれらの化合物の混合物からなる群から選択される。
【0071】
式(IV)のアルケンMの好適な例は、マレイミド、およびN-アルキルマレイミド(例えば、N-メチル-、N-エチル-、およびN-プロピルマレイミドなど)、および脂肪アミンから誘導されるN-アルキルマレイミド(例えば、N-デシル-、N-ラウリル-、またはN-ステアリルマレイミドなど)、ならびに脂肪アミンから誘導されるこのようなマレイミドの人工混合物である。
【0072】
少なくとも1つの第一級アミノ基を有するアミノシランA1の少なくとも1種と、式(II)、(III)または(IV)のアルケンMの少なくとも1種との反応によって、反応生成物Rが得られる。
【0073】
アルケンMは、アミノシランA1の第一級アミノ基と一緒にマイケル付加と類似の求核付加反応に参加する能力があるマイケル受容体である。アルケンMの重要な特質は、これらがマイケル受容体としてアミノシランA1の第一級アミノ基と共に求核付加反応に参加する能力のある二重結合を1分子当たりにただ1つ含有することである。この結果、反応生成物R は、1分子当たりにただ1つのシラン基を有する。
【0074】
反応の進行は、アミノシランA1の、より特にはアルケンMの種類および構造によって速い場合も遅い場合もある。それはまた不完全にしか進行しないこともあり、その結果、反応生成物Rは、未反応のアミノシランA1および/またはアルケンMの部分を含む場合がある。
【0075】
反応生成物Rは、式(X)または(XI)のアミノシラン付加体を含有する。
【0076】
【化9】

【0077】
式中、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、およびbは、既述の定義を有する。
【0078】
アミノシランA1およびアルケンMを互いに反応させて反応生成物Rを得た後、前記生成物をシラン官能性ポリマーPと混合することが好ましい。代わりの選択肢として、反応を、直接シラン官能性ポリマーP中で、アミノシランA1およびアルケンMを互いに別々にシラン官能性ポリマーPと混合することによって行うこともできる。
【0079】
本湿気硬化性組成物は、典型的には、0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.3重量%〜5重量%の範囲の反応生成物Rの含有率を有する。
【0080】
湿気硬化性組成物中に、未付加のアミノシランA1の代わりに反応生成物Rが存在すると、アミノシランA1の触媒特性および接着促進性が実質的に保持される一方、未付加のアミノシランA1の脆化効果、すなわち硬化した組成物の破断伸びの目立った減少が起こらないという利点を有する。したがって、反応生成物Rを含む本発明の湿気硬化性組成物は、対応する未付加形態のアミノシランA1を含む組成物と実質的に同じ迅速な硬化速度および同じ良好な接着性を有する一方、破断伸びがかなり大きい。
【0081】
本発明の湿気硬化性組成物は、少なくとも1種のシラン官能性ポリマーPおよび少なくとも1種の反応生成物Rに加えて、さらなる成分を含むことができる。存在することができる追加の成分には、以下の助剤および添加剤が含まれる。
− 可塑剤、例えば、有機カルボン酸またはそれらの無水物のエステル、例えばフタレート(例えば、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレートまたはジイソデシルフタレートなど)、アジペート、ジオクチルアジペート(例えばアゼレートおよびセバケート)、ポリオール(例えば、ポリオキシアルキレンポリオールまたはポリエステルポリオールなど)、有機リン酸エステルおよびスルホン酸エステル、またはポリブテン;
− 溶媒;
− 無機および有機充填剤、例えば、粉砕炭酸カルシウムまたは沈降炭酸カルシウム(場合によりステアレートでコートされたもの、特に微粉砕されコートされた炭酸カルシウム)、カーボンブラック〔特に、工業的に製造されたカーボンブラック(以下「カーボンブラック」として記載する)〕、カオリン、酸化アルミニウム、シリカ(特に熱分解法からの高分散シリカ)、PVCの粉末、または中空ビーズ。好ましい充填剤は、カーボンブラック、炭酸カルシウム(特に微粉砕されコーティングされた炭酸カルシウム)、熱分解法高分散シリカ、およびこれらの充填剤の組み合わせ;
− ファイバー、例えばポリエチレンのファイバー;
− 顔料、例えば酸化チタン;
− 触媒、例えば、有機錫化合物の形態の金属触媒(例えば、ジブチル錫ジラウレートおよびジブチル錫ジアセチルアセトネートなど)、有機ビスマス化合物またはビスマス錯体;アミノ含有化合物(例えば、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンおよび2,2'-ジモルホリノジエチルエーテルなど)、およびアミノシラン(特に前述のアミノシランA1またはA2)である。
好ましい触媒は、一つにはアミノシラン、特にアミノシランA1の形態のアミノ含有触媒であり、金属触媒、特に、有機錫化合物(特にジブチル錫ジラウレートおよびジブチル錫ジアセチルアセトネート)、有機ビスマス化合物、またはビスマス錯体、およびチタン触媒、ならびに異なる金属触媒の組み合わせ、
ならびにアミノシランと金属触媒との組み合わせである;
− レオロジー改質剤、例えば増粘剤など(例えば、尿素化合物、ポリアミドワックス、ベントナイト、またはフュームドシリカなど);
− 他の接着促進剤、例えば、エポキシシラン、(メタ)アクリロシラン、アンヒドリドシラン、または前述のシランと第一級アミノシランとの付加体、および尿素シラン;
− 架橋剤、例えば、シラン官能性オリゴマーおよびポリマー;
− 乾燥剤、例えば、ビニルトリメトキシシラン、α-官能性シラン〔例えば、N-(シリルメチル)-O-メチルカーバメート、特にN-(メチルジメトキシシリルメチル)-O-メチルカーバメート〕、(メタクリルオキシメチル)シラン、メトキシメチルシラン、N-フェニル-、N-シクロヘキシル-、およびN-アルキルシラン、オルトギ酸エステル、酸化カルシウム、またはモレキュラーシーブ;
− 熱、光放射、UV放射に対する安定化剤;
− 難燃剤;
− 界面活性物質(例えば湿潤剤、流動性調整剤、揮発防止剤、または脱泡剤);
− 殺生物剤(例えば殺藻剤、殺真菌剤、または真菌増殖抑制物質);
ならびに湿気硬化性組成物中で典型的に使用される他の物質。
【0082】
反応生成物Rだけでなく、いかなる他の成分も組成物の貯蔵安定性に悪影響を及ぼさないことを確実にすること、すなわち貯蔵の間にこれらが組成物中に存在するシラン基の架橋に導く反応をいかなる有意な程度にも開始させることがないことを確実にすることが有利である。特に、これはかかる他の成分が、好ましくは水を含有しないか、最大でも痕跡量の水しか含有しないことを意味する。成分を、本組成物中に混入する前に、化学的にまたは物理的に乾燥することが賢明である。
【0083】
本湿気硬化性組成物は、好ましくは可塑剤、充填剤、および触媒を含む。
【0084】
記載した湿気硬化性組成物は、湿分を含まない条件下に保つ。組成物は、貯蔵するのに安定であり、すなわち、湿分のない条件下、適切な包材または施設、例えばドラム、小袋またはカートリッジ中で、数ヵ月から1年以上にわたる期間中、使用に関連するいかなる範囲においても、その性能特性または硬化後の性質にいかなる変化をも受けることなく保存することができる。典型的には、貯蔵安定性は、粘度、押出し容積、押出し力の測定によって測定する。
【0085】
本組成物は、好ましくは遊離のイソシアネート基を含有しない。この種のイソシアネートを含まない組成物は、毒性の見地から好都合である。
【0086】
記載した反応生成物Rは、式(I)の末端基を有するシラン官能性ポリマー用の接着促進剤として使用することができることが見いだされた。
【0087】
加えて、記載した反応生成物Rは、式(I)の末端基を有するシラン官能性ポリマー用の触媒として使用することができることが見いだされた。
【0088】
記載した湿気硬化性組成物が、少なくとも1つの固体または物品に適用されると、ポリマーおよびシランのシラン基は湿分と接触する。シラン基は湿分と接触したときに加水分解する性質を有する。これはオルガノシラノール(1つ以上のシラノール基、Si-OH基を含有するオルガノケイ素化合物)の形成および、続く縮合反応の結果として、オルガノシロキサン(1つ以上のシロキサン基、Si-O-Si基を含有しているオルガノケイ素化合物)の形成を伴う。これらの、触媒の使用によって加速されうる反応の結末として、組成物は最終的に硬化する(この過程は架橋とも呼ばれる)。硬化反応のために必要とされる水は、空気(大気中の湿分)から来てもよいが、あるいは組成物を、例えば平滑剤と共に塗り広げてコーティングすることによって、またはスプレーすることによって、水含有成分と接触させることができる。あるいは、適用時の組成物に、例えば静止ミキサーによって混入された、例えば含水ペーストの形態で、水含有成分を添加することもできる。
【0089】
記載した組成物は、湿分と接触すると硬化する。硬化は、温度、接触の方法、湿分の量、および何らかの触媒の存在によってさまざまな速度で起こる。大気湿分による硬化の場合は、まず皮膜が組成物の表面に形成される。したがって、皮膜形成時間は、知られている通り、硬化速度の目安を表す。23℃および相対大気湿度50%で、4時間までのこの種の皮膜形成時間が、典型的には望ましい。硬化した状態で組成物は、高い力学的強度を高い伸び性と組み合わせて有し、かつ良好な接着性も有する。これは本組成物を多くの用途、特に弾性接着剤として、弾性シーラントとして、または弾性コーティングとしての用途に適切なものにしている。特に、迅速な硬化を必要とし、かつ伸び性に対する厳格な要求が接着性および強度に対する厳格な要求と合わせて課されている用途に適当である。
【0090】
適切な用途の例には、建設または土木、あるいは工業製品または消費者商品における、特に、窓、家庭用品、または輸送手段(例えば、陸上もしくは水上の乗物、好ましくは自動車、バス、トラック、列車または船など)の製造または修理における部品の接着;工業的製造または修理、あるいは建設または土木における、継手、縫い目もしくは隙間のシール;ペイント、ワニス、プライマー、シーラントまたは保護コーティングの形態での様々な基材のコーティング;または、オフィス、リビングエリア、病院、学校、倉庫、および乗物駐車施設のための床の被覆が含まれる。
【0091】
好ましい一実施形態では、記載した組成物は弾性接着剤または弾性シーラントとして使用される。
【0092】
弾性接着剤としては、本組成物は、典型的には、少なくとも200%の破断伸びを有し、弾性シーラントとしては、少なくとも500%の破断伸びを室温で有する。
【0093】
接着剤としての用途では、本組成物を、基材S1および/または基材S2に適用する。したがって、接着剤を、一方の基剤、他方の基剤、または両方の基材に適用することができる。その後、接合すべき部品を接合するとすぐに、接着剤が湿分との接触によって硬化する。このとき、両方の被着体が互いに確実に接合されることを確実にするためには、部品の接合をオープンタイムとして知られている時間内に行うことを確実にしなければならない。
【0094】
シーラントとしての用途では、組成物を基材S1と基材S2との間に適用し、続いて湿分との接触によって硬化させる。典型的には、シーラントを継ぎ目の中に注入する。
【0095】
両方の用途において、基材S1は、基材S2と同じであっても異なっていてもよい。
【0096】
適切な基材S1および基材S2は、例えば、無機基材(例えば、ガラス、ガラスセラミック、コンクリート、モルタル、レンガ、タイル、石膏など)、および天然石(例えば、花崗岩または大理石など);金属または合金(例えば、アルミニウム、鋼、非鉄金属、メッキされた金属など);有機基材(例えば、木材)、プラスチック(例えば、PVC)、ポリカーボネート、PMMA、ポリエステル、エポキシ樹脂;コーティングした基材(例えば、粉末コーティングした金属または合金);およびペイントおよびワニス、特に自動車のトップコートである。
【0097】
必要であれば基材は、接着剤またはシーラントの適用に先立って前処理しておくことができる。この種の前処理には、特に物理的および/または化学的クリーニング技術(例えば、研磨、サンドブラスティング、ブラッシングなど)、またはクリーナーまたは溶媒を用いる処理、または接着促進剤、接着促進剤溶液またはプライマーの適用が含まれる。
【0098】
基材S1およびS2が本発明の組成物によって接着またはシールされた後、接着されたまたはシールされた物品が得られる。この種の物品は、組立て構造、特に建設または土木における組立て構造であってよく、あるいは輸送手段(例えば、水上または地上の乗物、特に自動車、バス、トラック、列車もしくは船など)、あるいは表面取り付けされるそれらの部品であってよい。
【0099】
建設または土木における継手用のシーラントとしての組成物の用途のために、または例えば乗物の構築などにおける弾性接合のための接着剤としての用途のためには、組成物は、ペースト様のコンシステンシーを有し、好ましくは構造粘性の性質を有する。この種のペースト様シーラントまたは接着剤を、適切な器具を用いて基材に塗布する。適切な塗布の方法は、例えば、手動でもしくは加圧空気によって操作する商業的にありふれたカートリッジからの塗布、あるいは、ドラムもしくはホボック(hobbock)からの、移送ポンプまたはエクストルーダーによる、適切な場合には塗布ロボットによる塗布である。
【0100】
良好な塗布性を有する接着剤またはシーラントは、しっかりしたコンシステンシーおよび短い糸引きを特色とする。すなわち、それは塗布に続いて塗布された形態に留まり(言い換えれば、流れ落ちず)、かつ、塗布器具を置いた後、接着剤またはシーラントは仮に糸引きを形成するとしても非常に短いので基材が汚れない。
【0101】
例えば乗物の構築における弾性接合用の接着剤を、好ましくは、実質的に円または三角形の断面領域を有するビードの形態で適用する。
【0102】
乗物の構築における弾性接合は、例えば、プラスチックカバー、トリムストリップ、フランジ、バンパー、運転室または他の取り付けるべき要素などの部品の、輸送手段の塗装されたボデーへの接着による取り付け、または接着によるガラスのボデーへの設置である。挙げるべき乗物の例には、自動車、トラック、バス、鉄道車両、および船が含まれる。
【0103】
式(I)の末端基を有する少なくとも1種のシラン官能性ポリマーPおよび少なくとも1種の反応生成物Rを含む本発明の湿気硬化性組成物は、迅速に硬化し、かつ非常に高い伸び性を、高い反応性、良好な接着性、および高い引張り強度と共に合わせ持つ。反応生成物Rの代わりに未付加のアミノシランA1を含有する先行技術の系と比較すると、伸び性が顕著に増大している。
【実施例】
【0104】
[試験方法の説明]
粘度はPhysica UMのサーモスタット付コーン/プレート型粘度計(コーン直径20 mm、コーン角1°、コーン先端-プレート距離0.05 mm、せん断速度10〜1000 s-1)で測定した。
硬化速度の目安としての皮膜形成時間(粘着しなくなるまでの時間、不粘着時間)は、23℃および相対湿度50%で測定した。
引張り強度および破断伸びは、DIN 53504(引張り速度: 200 mm/分)に準拠して、14日間標準条件下(23±1℃、相対湿度50±5%)で硬化させた厚さ2 mmのフィルムについて測定した。
接着は以下の通り判定した。
接着は、Rcholl社(Schoenbrunn、Germany)から入手可能なプラックの形態のアルミニウムAlMgSi1およびPVCを使用して試験した。プラックはSika(登録商標)Cleaner 205で清浄にした。10分間のフラッシュオフタイムの後、それぞれの組成物をカートリッジからビードの形態でプラック上に適用した。ついでビードがコートされたプラックを、標準条件下(23±1℃、相対湿度50±5%)で7日間保管し、その後接着を試験した。接着を試験するために、硬化したビードの一端にプラックの表面(接合線)の直上まで切り込みを入れた。ビードの切り込んだ端を手で持って注意深くかつゆっくりプラック表面からビードのもう一方の端の方向へ引っ張った。このはがす過程で、引っ張るとビードの端がちぎれそうになるほど接着が強い場合は、カッターを使用してビードを引っ張る方向と直角にプラックの裸の表面まで切り、こうしてビードの切片を取り除いた。この種の切り取りは、引っ張りを続ける過程で必要な場合は、2〜3mmの間隔で繰り返した。この方法でビード全体をプラックから引張りおよび/または切り取った。接着性は、ビードを取り除いた後で基材表面に残っている硬化したシーラントまたは接着剤(凝集破壊)に基づいて評価した。評価は、接着面の凝集破壊の割合を見積ることによって、次の尺度に従って行った。
1=凝集破壊95%超
2=凝集破壊75%〜95%
3=凝集破壊25%〜75%
4=凝集破壊25%未満
【0105】
75%未満の凝集破壊値、すなわちスコア3および4の試験結果では、不十分と考えられる。
【0106】
a) シラン官能性ポリマーPの調製
〔ポリマー1〕
窒素雰囲気下で、Acclaim(登録商標)12200(Bayer、低モノオールのポリオキシプロピレンジオール、OH価11.0 mg KOH/g、水含有量約0.02重量%)1000g、イソホロンジイソシアネート(IPDI、Vestanat(登録商標)IPDI、Degussa)36.1g、ジイソデシルフタレート(DIDP、Palatinol(登録商標)Z、BASF)292.3g、およびジ-n-ブチル錫ジラウレート0.23gを、絶えず撹拌しながら90℃に加熱し、遊離のイソシアネート基の含有量が0.33重量%の数値に達するまでその温度に保った。次いで、ジエチル-N-(3-トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシネート37.7gを混入し、混合物を90℃で4時間、遊離のイソシアネートがIR分光法によって検出されなくなるまで撹拌した。生成物を室温まで冷却し、湿分のない条件下に保った(理論ポリマー含有率=78.6%)。
【0107】
ジエチル-N-(3-トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシネートを、次のように調製した:3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Silquest(登録商標)A-1110、GE Advanced Materials)51.0gを最初の仕込みとして十分に撹拌しながら導入し、ジエチルマレート49.0gを室温でゆっくり加え、混合物を室温で8時間撹拌した。
【0108】
〔ポリマー2〕
窒素雰囲気下で、Acclaim(登録商標)12200ポリオール(Bayer、低モノオールのポリオキシプロピレンジオール、OH価11.0 mg KOH/g、水含有量約0.02重量%)1000g、イソホロンジイソシアネート(IPDI、Vestanat(登録商標)IPDI、Degussa)43.6g、ジイソデシルフタレート(DIDP、Palatinol(登録商標)Z、BASF)126.4g、およびジ-n-ブチル錫ジラウレート0.12gを、絶えず撹拌しながら90℃に加熱し、遊離のイソシアネート基の含有量が滴定法で測定して0.63重量%の数値に達するまでその温度に保った。次いで、ジエチル-N-(3-トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシネート62.3gを混入し、混合物を90℃で4時間、遊離のイソシアネートがIR分光法によって検出されなくなるまで撹拌した。生成物を室温に冷却し、湿分のない条件下に保った(理論ポリマー含有率=89.7%)。
【0109】
ジエチル-N-(3-トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシネートはポリマー1について記載した通りに調製した。
【0110】
b) 反応生成物Rの調製
〔反応生成物R1〕
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)75.0g(0.34mol)を、十分に撹拌しながら、イソデシルアクリレート(Sartomer(登録商標)SR-395、Sartomer)71.5g(0.34mol)と混合し、混合物を室温で2時間撹拌した。20℃で40mPa・sの粘度を有する淡黄色の液体が得られた。
【0111】
〔反応生成物R2〕
3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Silquest(登録商標)A-1110、GE Advanced Materials)22.0g(0.12mol)を、十分に撹拌しながら、イソデシルアクリレート(Sartomer(登録商標)SR-395、Sartomer)26.0g(0.12mol)と混合し、混合物を室温で2時間撹拌した。淡黄色の粘性のある液体が得られた。
【0112】
〔反応生成物R3〕
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)34.7g(0.16mol)を、十分に撹拌しながら、イソボルニルアクリレート(Sartomer(登録商標)SR-506、Sartomer)32.5g(0.16mol)と混合し、混合物を室温で2時間撹拌した。淡黄色の粘性のある液体が得られた。
【0113】
〔反応生成物R4〕
3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Silquest(登録商標)A-1110、GE Advanced Materials)22.38g(0.125mol)を、十分に撹拌しながら、イソボルニルアクリレート(Sartomer(登録商標)SR-506、Sartomer)26.0g(0.125mol)と混合し、混合物を室温で2時間撹拌した。淡黄色の粘性のある液体が得られた。
【0114】
〔反応生成物R5〕
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)19.5g(0.09mol)を、十分に撹拌しながら、イソボルニルメタクリレート(Sartomer(登録商標)SR-423、Sartomer)19.5g(0.09mol)と混合し、混合物を55℃に3日間保った。淡黄色の粘性のある液体が得られた。
【0115】
〔反応生成物R6〕
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)37.1g(0.17mol)を、十分に撹拌しながら、テトラヒドロフルフリルアクリレート(Sartomer(登録商標)SR-285、Sartomer)26.0g(0.17mol)と混合し、混合物を室温で2時間撹拌した。赤味がかった粘性のある液体が得られた。
【0116】
〔反応生成物R7〕
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)34.0g(0.15mol)を、十分に撹拌しながら、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(Sartomer(登録商標)SR-203、Sartomer)26.0g(0.15mol)と混合し、混合物を55℃に3日間保った。赤味がかった粘性のある液体が得られた。
【0117】
〔反応生成物R8〕
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)24.1g(0.11mol)を、十分に撹拌しながら、ラウリルアクリレート(Sartomer(登録商標)SR-335、Sartomer)26.0g(0.11mol)と混合し、混合物を室温で2時間撹拌した。淡黄色の粘性のある液体が得られた。
【0118】
〔反応生成物R9〕
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)22.8g(0.10mol)を、十分に撹拌しながら、ラウリルメタクリレート(Sartomer(登録商標)SR-313E、Sartomer)26.0g(0.10mol)と混合し、混合物を55℃に3日間保った。淡黄色の粘性のある液体が得られた。
【0119】
反応生成物R10〕
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)23.3g(0.105mol)を、十分に撹拌しながら、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルアクリレート(Aldrich、CAS No.65983-31-5)26.0g(0.105mol)と混合し、混合物を室温で2時間撹拌した。380 mPa・sの粘度を有する淡黄色の液体が得られた。
【0120】
〔反応生成物R11〕
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)22.2g(0.10mol)を、十分に撹拌しながら、アクリロニトリル5.3g(0.10mol)と混合し、混合物を室温で2時間撹拌した。30 mPa・sの粘度を有する淡黄色の液体が得られた。
【0121】
〔反応生成物R12〕
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)22.2g(0.10mol)を、十分に撹拌しながら、(cis)-2-ペンテンニトリル8.1g(0.10mol)と混合し、混合物を45℃で10時間撹拌した。18 mPa・sの粘度を有する淡黄色の液体が得られた。
【0122】
〔反応生成物R13〕
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)22.2g(0.10mol)を、十分に撹拌しながら、N,N-ジメタクリルアミド9.9g(0.10mol)と混合し、混合物を室温で2時間撹拌した。50 mPa・sの粘度を有する淡黄色の液体が得られた。
【0123】
〔反応生成物R14〕
テトラヒドロフラン10ml中のN-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)7.99g(36mmol)を、十分に撹拌しながら、N-プロピルマレイミド5.0g(36mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液と混合し、混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。黄色がかった粘性のある液体12.86gが得られた。
【0124】
〔反応生成物R15(比較例)〕
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)22.2g(0.10mol)を、十分に撹拌しながら、ジエチルマレエート17.2g(0.10mol)と混合し、混合物を室温で2時間撹拌した。淡黄色の粘性のある液体を得た。次の日に、アミン価およびFT-IRスペクトルの測定に基づいて、反応生成物の大部分が、米国特許第6703453号に記載されている式(IV)の通り、環状の1,4-ピペラジン-2-オン誘導体の形態であることを確認した。
【0125】
〔反応生成物R16(比較例)〕
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)24.4g(0.11mol)を、十分に撹拌しながら、トリメチロールプロパントリアクリレート(Sartomer(登録商標)SR-351、Sartomer)32.5g(0.11mol)と混合した。この粘性のある混合物は加熱すると数分以内にゲル化した。結果的に、この材料は湿気硬化性組成物における添加剤として使用することができなかった。
【0126】
〔反応生成物R17(比較例) 〕
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)24.4g(0.11mol)を、十分に撹拌しながら、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート (Sartomer(登録商標)SR-328、Sartomer)24.9g(0.11mol)と混合した。この粘性のある混合物は加熱すると数分以内にゲル化した。結果的に、この材料は湿気硬化性組成物における添加剤として使用することができなかった。
【0127】
c) 尿素増粘剤ペーストの調製
真空ミキサーに、ジイソデシルフタレート1000gおよび4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート160gを仕込み、この最初の仕込みを穏やかに温めた。次いで、モノブチルアミン90gを、激しく撹拌しながらゆっくり滴加した。形成された白いペーストを、減圧下で冷却しながら1時間撹拌した。この尿素増粘剤ペーストは、ジイソデシルフタレート80重量%中に尿素増粘剤20重量%を含有している。
【0128】
d) シーラントの製造
〔ベース配合物1〕
真空ミキサー中で、ポリマー1を2700g、ジイソデシルフタレート(DIDP、Palatinol(登録商標)Z、BASF)1295g、ビニルトリメトキシシラン(Silquest(登録商標)A-171、GE Advanced Materials)100g、尿素増粘剤ペースト1200g、コーティングされた沈降炭酸カルシウム(Socal(登録商標)U1S2、Solvay)4500g、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)20g、およびジブチル錫ラウレート5gを均質なペーストに加工し、これを湿分のない条件下に保った。
【0129】
〔ベース配合物2〕
真空ミキサー中で、MS-Polymer S203H(カネカ製のシラン官能性ポリエーテルポリマー)2700g、ジイソデシルフタレート(DIDP、Palatinol(登録商標)Z、BASF)1250g、ビニルトリメトキシシラン(Silquest(登録商標)A-171、GE Advanced Materials)100g、尿素増粘剤ペースト1200g、コーティングされた沈降炭酸カルシウム(Socal(登録商標)U1S2、Solvay)4500g、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)20g、およびジブチル錫ジアセチルアセトネート50gを均質なペーストに加工し、これを湿分のない条件下に保った。
【0130】
(実施例1〜5)
真空ミキサー中で、ベース配合物1を、表1の通りに、前日に調製した反応生成物RまたはアミノシランA1と、指定した量で、室温で均質に混合し、得られたシーラントを湿分のない条件下でカートリッジに入れた。次の日に、これらのシーラントを使用して試験試料を作成し、記載した通りに試験を行った。結果を表1に示す。
【0131】
【表1】

【0132】
表1より、様々な量の反応生成物R1を含有する実施例1〜3の本発明のシーラントが、迅速に皮膜を形成し、良好な力学的性質、特に高い伸び性を有し、かつ良好な接着性を有することが明らかである。
【0133】
反応生成物R1を含有していない比較例4のシーラントは、同様に良好な力学的性質を有するが、皮膜形成時間が大幅に長く、また接着性がより低い。
【0134】
反応生成物R1の代わりに追加のアミノシランA1を含有している比較例5のシーラントは、短い皮膜形成時間および良好な接着性を示すが、破断伸びが低く不十分である。
【0135】
(実施例6〜18)
真空ミキサー中で、ベース配合物1を、それぞれの事例において表2の通りに、前日に調製した反応生成物Rと、指定した量で、室温で均質に混合し、得られたシーラントを湿分のない条件下でカートリッジに入れた。次の日に、このシーラントを使用して試験試料を作成し、記載した通りに試験を行った。結果を表2に示す。
【0136】
【表2】

【0137】
【表3】

【0138】
表2より、実施例6〜18のシーラントのすべてが短い皮膜形成時間を示し、かつ良好な力学的性質、特に高い伸び性を有することは明らかである。大多数の事例において接着性が良好である。
【0139】
(実施例19〜21)
真空ミキサー中で、ベース配合物2を、表3の通りに、前日に調製した反応生成物RまたはアミノシランA1と、指定した量で、室温で均質に混合し、得られたシーラントを湿分のない条件下でカートリッジに入れた。次の日に、このシーラントを使用して試験試料を作成し、記載した通りに試験を行った。結果を表3に示す。
【0140】
【表4】

【0141】
表3より、実施例19および20の本発明のシーラントが、反応生成物Rの代わりに追加のアミノシランA1を含有する比較例21のシーラントと比較して、高められた伸び性を有することは明らかである。これら3つの例の接着性は同等である。
【0142】
e) 接着剤の製造
ベース配合物3
真空ミキサー中で、ポリマー2を3500g、ジイソデシルフタレート(DIDP、Palatinol(登録商標)Z、BASF)1290g、ビニルトリメトキシシラン(Silquest(登録商標)A-171、GE Advanced Materials)100g、コートされた沈降炭酸カルシウム(Socal(登録商標)U1S2、Solvay)4650g、フュームドシリカ250g、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(登録商標)DAMO、Degussa)20g、およびジブチル錫ジラウレート10gを均質なペーストに加工し、これを湿分のない条件下に保った。
【0143】
(実施例22〜27)
真空ミキサー中で、ベース配合物3を、それぞれの事例において表4の通りに、前日に調製した反応生成物RまたはアミノシランA1と、指定した量で、室温で均質に混合し、得られた接着剤を湿分のない条件下でカートリッジに入れた。次の日に、この接着剤を使用して試験試料を作成し、記載した通りに試験を行った。結果を表4に示す。
【0144】
【表5】

【0145】
表4より、実施例22〜24の本発明の接着剤が、短い皮膜形成時間を示し、良好な力学的性質、特に高い伸び性を有し、かつ良好な接着性を有することが明らかである。
【0146】
比較例25の接着剤は、米国特許第6703453号で開示されている通りの反応生成物R15を含み、本発明の実施例ではない。この接着剤の皮膜形成時間は、実施例22〜24の本発明の実施例と比較して大幅に長く、これは接着剤として実用的に使用するためには非常に不利である。
【0147】
比較例26の接着剤は、反応生成物Rも追加のシランも含有していない。これは皮膜形成時間が長く、また接着性も不満足である。
【0148】
比較例27の接着剤は、反応生成物Rの代わりに追加のアミノシランA1を含有している。皮膜形成時間および接着性は良好であるが、破断伸びが他の接着剤の場合よりもずっと低く、これは弾性接着剤として使用するためには不利である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)式(I):
【化1】

[式中、
R1は、1〜8個のC原子を有するアルキル基、特にメチル基またはエチル基であり、
R2は、1〜5個のC原子を有するアシル基またはアルキル基、特にメチル基またはエチル基またはイソプロピル基であり、
R3は、直鎖または分岐鎖、場合により環状の、2〜12個のC原子を有するアルキレン基であり、芳香族部分を有していてよく、かつ、1つまたは複数のヘテロ原子、特に窒素原子を有していてよく、
aは、0、1または2、好ましくは0または1である]
の末端基を有する少なくとも1種のシラン官能性ポリマーPと、
b)少なくとも1つの第一級アミノ基を有する少なくとも1種のアミノシランA1
および
式(II)または(III)または(IV):
【化2】

[式中、
R9は、R12または-CNであり、
R10は、-COOR12、-CONHR12、-CON(R12)2、-CN、-NO2、-PO(OR12)2、-SO2R12、および-SO2OR12からなる群から選択される置換基であり、
R11は、-R12、-COOR12、-CH2-COOR12、および-CNからなる群から選択される置換基であり、
R12は、水素原子、または一価の、ヘテロ原子を含有していてもよい、1〜20個のC原子を有する炭化水素基である]
のシラン基を含まないアルケンMの少なくとも1種
から調製された少なくとも1種の反応生成物Rと
を含む湿気硬化性組成物。
【請求項2】
前記シラン官能性ポリマーPが、アミノシランA2と、末端イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーとの反応によって調製されるポリマーP1であり、前記アミノシランA2が、式(V):
【化3】

[式中、R4は、水素原子であるか、直鎖もしくは分岐の、環状部分を含有していてもよい、1〜20個のC原子を有する炭化水素基であるか、あるいは式(VI):
【化4】

(式中、
R5およびR6は、互いに独立に、それぞれ、水素原子、または-R8、-COOR8、および-CNを含む群からの基であり、
R7は、水素原子であるか、あるいは-CH2-COOR8、-COOR8、-CONHR8、-CON(R8)2、-CN、-NO2、-PO(OR8)2、-SO2R8、および-SO2OR8を含む群からの基であり、
R8は、少なくとも1個のヘテロ原子を含有していてもよい、1〜20個のC原子を有する炭化水素基である)
の基である]
を有することを特徴とする、請求項1に記載の湿気硬化性組成物。
【請求項3】
前記シラン官能性ポリマーPが、イソシアナトシランISと、末端ヒドロキシル基を有するポリマーとの反応によって得ることができるポリマーP2であることを特徴とする、請求項1に記載の湿気硬化性組成物。
【請求項4】
前記イソシアナトシランISが式(VII):
【化5】

を有することを特徴とする、請求項3に記載の湿気硬化性組成物。
【請求項5】
前記シラン官能性ポリマーPが、末端二重結合を有するポリマーのヒドロシリル化によって得ることができるポリマーP3であることを特徴とする、請求項1に記載の湿気硬化性組成物。
【請求項6】
前記アミノシランA1が、式(VIII):
【化6】

[式中、
R13は、1〜8個のC原子を有するアルキル基、好ましくはメチル基またはエチル基、特にメチル基であり、
R14は、1〜5個のC原子を有するアシル基またはアルキル基、好ましくはメチル基またはエチル基またはイソプロピル基、特にメチル基またはエチル基であり、
R15は、直鎖または分岐鎖の、場合により環状の、1〜20個のC原子を有するアルキレン基であり、芳香族部分を有していてもよく、かつ、ヘテロ原子、特にエーテル酸素または第二級アミン窒素を有していてもよく、
bは、0、1、または2、好ましくは0または1である]
を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の湿気硬化性組成物。
【請求項7】
前記アミノシランA1が、式(IX):
【化7】

[式中、
n=0、1または2であり、b=0または1であり、R14=メチルまたはエチルまたはイソプロピルである]
を有することを特徴とする、請求項6に記載の湿気硬化性組成物。
【請求項8】
前記アミノシランA1の式(IX)において、nが1または2、好ましくは1であることを特徴とする、請求項7に記載の湿気硬化性組成物。
【請求項9】
前記シラン基を含まないアルケンMが、(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の湿気硬化性組成物。
【請求項10】
前記シラン基を含まないアルケンMが、テトラヒドロフルフリル、イソボルニル、イソデシル、ヘキシル、ラウリル、ステアリル、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテル、2-ヒドロキシエチル-、および3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチル-、ジエチル-、およびジブチルホスホネート、アクリロニトリル、2-ペンテンニトリル、フマロニトリル、およびβ-ニトロスチレン、ならびにこれらの化合物の混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の湿気硬化性組成物。
【請求項11】
反応生成物Rの含有率が、0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.3重量%〜5重量%であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の湿気硬化性組成物。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の湿気硬化性組成物の成分として記載した反応生成物Rの、式(I):
【化8】

[式中、
R1は、1〜8個のC原子を有するアルキル基、特にメチル基またはエチル基であり、
R2は、1〜5個のC原子を有するアシル基またはアルキル基、特にメチル基またはエチル基またはイソプロピル基であり、
R3は、直鎖または分岐鎖の、場合により環状の、2〜12個のC原子を有するアルキレン基であり、芳香族部分を有していてもよく、かつ、1つまたは複数のヘテロ原子、特に窒素原子を有していてもよく、
aは、0、1または2、好ましくは0または1である]
の末端基を有するシラン官能性ポリマーを含む湿気硬化性組成物のための、接着促進剤としての使用。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物の、シーラントとしての使用。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物の、接着剤としての使用。
【請求項15】
(i)請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物を、基材S1と基材S2との間に適用する工程と、
(ii)前記組成物を湿分との接触によって硬化させる工程と
を含み、基材S1とS2とは類似しているかまたは互いに異なっている、シーリング方法。
【請求項16】
(i)請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物を、基材S1および/または基材S2に適用する工程と、
(ii)オープンタイム内に部品を接合させる工程と、
(iii)前記組成物を湿分との接触によって硬化させる工程と
を含み、基材S1とS2とは類似しているかまたは互いに異なっている、接着方法。
【請求項17】
基材S1またはS2の少なくとも一方が、ガラス、ガラスセラミック、コンクリート、モルタル、レンガ、タイル、プラスター、天然石(例えば、花崗岩または大理石など);金属または合金(例えば、アルミニウム、鋼、非鉄金属、メッキされた金属など);木材、プラスチック(例えば、PVC、ポリカーボネート、PMMA、ポリエステル、エポキシ樹脂など);粉末コーティング、ペイントのコート、または仕上げ材、特に、自動車の仕上げ材であることを特徴とする、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
請求項15から17のいずれか一項に記載の方法によって製造された、シールまたは接着された物品。
【請求項19】
組立て構造、特に建設または土木における組立て構造またはその部品、あるいは輸送手段、特に水上または陸上の乗物またはその部品であることを特徴とする、請求項18に記載のシールまたは接着された物品。

【公表番号】特表2009−534496(P2009−534496A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505915(P2009−505915)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054085
【国際公開番号】WO2007/122261
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】