説明

シラン混合物

【課題】シリカまたは他のケイ素酸化物を含有する表面をシラン化するために使用される、加水分解に対する十分な安定性を有するシラン化組成物を提供すること。
【解決手段】シラン化組成物であって、このシラン化組成物は、2種以上のシラン化試薬の混合物を含み、ここで少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み(例えば、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトシキシラン)、少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない(例えば、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン)、シラン化組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
シリカ表面のような表面と反応し、それをコーティングするシラン化試薬が、開発されてきた。一官能性シラン化試薬は、単層表面コーティングを形成するために使用されてきたが、他方二官能性シラン化剤および三官能性シラン化試薬は、シリカ表面上に重合したコーティングを形成するために使用されて、その表面への種々の物質の共有結合による結合のための反応部位を提供してきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
しかし、多くのシラン化試薬は、加水分解に対する不安定性およびシリカ表面をマスクする能力の不十分さを含む望ましくない特性を有するコーティングを生成する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の要旨)
本発明は、2種以上のシラン化試薬の混合物を含むシラン化組成物を提供する。少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、そして少なくとも1種のシラン化試薬はポリマー合成を支持し得る官能基を含まない。
【0004】
シラン化試薬組成物(混合物)は、1つの試薬はポリマー合成を支持し得る官能基を含み、そして別のシラン化試薬はポリマー合成を支持し得る官能基を含まず、基材上のポリマーの密度の制御を可能にする。基材上の過剰に高い密度のポリマー、例えば、ガラスチップ上のオリゴヌクレオチド(プローブ)のアレイ(そのアレイは、相補的な核酸または「標的」の結合を決定するために使用されるはずである)は、望ましくない特性を有する。標的の結合は、基材表面上の過剰に密集したプローブ立体的および静電的反発力により、基材表面上の過剰に密なプローブ濃度により阻害される。標的が蛍光分子で標識されている場合、例えば、標的の結合の阻害は、次いでハイブリダイゼーションシグナルの望ましくない減少を導き、これは、今度は擬陰性を生じ得る。
【0005】
本発明に従って、官能化シラン化試薬および非官能化シラン化試薬の混合物でシラン化することにより、加水分解性安定性が向上したシランコーティングが作製されることが見出された。非官能性シランを添加することなく、単に官能性シランの密度を低下させることでは、加水分解性安定性が低下したシランコーティングがもたらされる。
【0006】
1つの好ましい実施形態において、シラン化組成物は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬を含み、それは、以下:
N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド
【0007】
【化41】

N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
【0008】
【化42】

3−((2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン
【0009】
【化43】

N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン
【0010】
【化44】

1,2−ビス((2−ヒドロキシエチル)(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノエタン
【0011】
【化45】

3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0012】
【化46】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0013】
【化47】

3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【0014】
【化48】

からなる群より選択され、そしてポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬は、アルキルトリメトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシランおよびN,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンからなる群より選択される。
【0015】
1つの好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含むシラン化試薬は、マスクされたシラン化試薬である。マスクされたヒドロキシル基を有する多くのシランは、例えば、非常に揮発性である。揮発性のマスクされたシランは、例えば、蒸留により容易に精製され得、そしてシラン化基材表面の蒸着法に容易に採用され得る。浸責方法とは反対に、蒸着は、より効率的な堆積および基材のより均一なコーティングを提供する。モノマーを結合する前に、このマスクされたシラン化試薬は、以下に考察される手順により、マスクを剥がされねばならない。
【0016】
本発明は、2種以上のシラン化試薬の混合物を所定の比率で含むシラン化組成物を提供し、ここで少なくとも1種のシラン化試薬はポリマー合成を支持し得る官能基を含み、そして少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない。好ましい実施形態において、その比は、重量対容積比(W:V)である。別の好ましい実施形態において、この比はモル比である。
【0017】
本発明は、表面をシラン化する方法を提供し、その方法はシリカまたは他のケイ素酸化物含有表面を2種以上のシラン化試薬の混合物を含むシラン化組成物と接触させる工程を包含し、ここで少なくとも1種のシラン化試薬はポリマー合成を支持し得る官能基を含み、そして少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない。
【0018】
さらなる局面では、本発明は、ポリマーのアレイを調製する方法を提供し、その方法は、基材を提供する工程、基材のシリカまたは他のケイ素酸化物含有表面を2種以上のシラン化試薬の混合物を含むシラン化組成物と接触させる工程であって、ここで少なくとも1種のシラン化試薬はポリマー合成を支持し得る官能基を含み、そして少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない、工程;このポリマー合成を支持し得る官能基を保護基で保護する工程、またはこのポリマー合成を支持し得る官能基と保護基により保護された反応性基を有する化合物とを反応させる工程;この表面の選択された領域でこの保護基を除去し、露出された官能基または反応基を提供する工程;この露出された基をモノマーと反応させる工程であって、このモノマーは、この露出された基と連結される、工程;ならびに除去する工程と反応させる工程とを繰り返して、ポリマーのアレイを生成する工程、を包含する。
【0019】
本発明はまた、基材の表面上のポリマーのアレイを提供し、ここでこの基材の表面はシラン化組成物でシラン化されており、このシラン化組成物は、2種以上のシラン化試薬の混合物を含み、ここで少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない。
【0020】
より具体的には、本発明は、以下の手段を提供する。
【0021】
(項目1)
シラン化組成物であって、このシラン化組成物は、2種以上のシラン化試薬の混合物を含み、ここで少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない、シラン化組成物。
【0022】
(項目2)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、
【0023】
【化49】

ならびにマスクされた官能性シラン基:
【0024】
【化50】

【0025】
【化51】

および
【0026】
【化52】

からなる群より選択され、ここでRは、CHまたはC(O)であり;Rは、Hまたは(CH−Si−(O−(CH−CHであり;xは、3〜7であり、nは、1〜5であり;そしてzは、0〜5であり;R、RおよびRは独立にメチルまたはエチルであり;R、R、R、R、R10およびR11は、メチルまたはエチルであり;R12、R13およびR14は、独立にメチルまたはエチルであり、そしてここで上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、アルキルトリメトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、およびN,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンからなる群より選択される、項目1に記載のシラン化組成物。
【0027】
(項目3)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、マスクされたシラン化試薬である、項目1に記載のシラン化組成物。
【0028】
(項目4)
上記マスクされたシラン化試薬が、
3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0029】
【化53】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12)−アルキル)−トリエトキシシラン、
【0030】
【化54】

および3−グリシドオキシプロピルトリエトシキシラン
【0031】
【化55】

からなる群より選択される、項目3に記載のシラン化組成物。
【0032】
(項目5)
2種以上のシラン化試薬の混合物を含み、ここで上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランであり、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタンである、項目1に記載のシラン化組成物。
【0033】
(項目6)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタンである、項目1に記載のシラン化組成物。
【0034】
(項目7)
ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬およびポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬の2種以上のシラン化試薬の混合物を含み、ここでこのポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬とこのポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とが、所定の比で存在する、項目1に記載のシラン化組成物。
【0035】
(項目8)
上記所定の比がモル比である、項目7に記載のシラン化組成物。
【0036】
(項目9)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬および上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬のモル比が、それぞれ、5:1〜500:1の範囲で存在する、項目8に記載のシラン化組成物。
【0037】
(項目10)
上記モル比が、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲にある、項目9に記載のシラン化組成物。
【0038】
(項目11)
上記モル比が、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲にある、項目10に記載のシラン化組成物。
【0039】
(項目12)
上記モル比が、約99:1である、項目11に記載のシラン化組成物。
【0040】
(項目13)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンであり、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトシキシランである、項目8に記載のシラン化組成物。
【0041】
(項目14)
1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトシキシランのW/V比が、ぞれぞれ、約5:1〜500:1である、項目13に記載のシラン化組成物。
【0042】
(項目15)
1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトシキシランのW/V比が、ぞれぞれ、約5:1〜200:1の範囲である、項目14に記載のシラン化組成物。
【0043】
(項目16)
1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトシキシランのW/V比が、ぞれぞれ、約50:1〜100:1の範囲である、項目15に記載のシラン化組成物。
【0044】
(項目17)
1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトシキシランのW/V比が、ぞれぞれ、約99:1である、項目16に記載のシラン化組成物。
【0045】
(項目18)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンであり、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンからなる群より選択される、項目1に記載のシラン化組成物。
【0046】
(項目19)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンであり、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンからなる群より選択され、そしてW:V比が、それぞれ、約5:1〜500:1である、項目8に記載のシラン化組成物。
【0047】
(項目20)
ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン対N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランまたはN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのW:V比が、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲である、項目19に記載のシラン化組成物。
【0048】
(項目21)
ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン対N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランまたはN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのW:V比が、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲である、項目20に記載のシラン化組成物。
【0049】
(項目22)
ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン対N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランまたはN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのW:V比が、それぞれ、約99:1である、項目21に記載のシラン化組成物。
【0050】
(項目23)
上記組成物が、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランおよび1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンの混合物を含まない、項目1に記載の組成物。
【0051】
(項目24)
上記組成物が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンを含まない、項目1に記載の組成物。
【0052】
(項目25)
表面をシラン化する方法であって、この方法は、シリカまたは他のケイ素酸化物含有表面を、2種以上のシラン化試薬の混合物を含むシラン化組成物と接触させる工程を包含し、ここで少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まず、少なくとも1種のシラン化組成物は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む、表面をシラン化する方法。
【0053】
(項目26)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、
N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド
【0054】
【化56】

N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
【0055】
【化57】

3−((2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン
【0056】
【化58】

N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン
【0057】
【化59】

1,2−ビス((2−ヒドロキシエチル)(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノエタン
【0058】
【化60】

3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0059】
【化61】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0060】
【化62】

3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【0061】
【化63】

からなる群より選択され、そしてここで上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、アルキルトリメトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、およびN,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンからなる群より選択される、項目25に記載の表面をシラン化する方法。
【0062】
(項目27)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである、項目25に記載の表面をシラン化する方法。
【0063】
(項目28)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、マスクされたシラン化試薬を含む、項目25に記載の表面をシラン化する方法。
【0064】
(項目29)
上記マスクされたシラン化試薬が、
3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0065】
【化64】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12)−アルキル)−トリエトキシシラン、
【0066】
【化65】

および3−グリシドオキシプロピルトリエトシキシラン
【0067】
【化66】

からなる群より選択される、項目28に記載の表面をシラン化する方法。
【0068】
(項目30)
上記シリカまたは他のケイ素酸化物含有表面を接触させる工程が、上記マスクされたシラン化試薬の蒸着を包含する、項目28に記載の表面をシラン化する方法。
【0069】
(項目31)
上記マスクされたシラン化試薬を脱保護して、ポリマー合成を支持し得る脱保護された官能基を提供する工程、
をさらに包含する、項目28に記載の表面をシラン化する方法。
【0070】
(項目32)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンであり、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンからなる群より選択される、項目25に記載の表面をシラン化する方法。
【0071】
(項目33)
上記組成物が、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランおよび1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンの混合物を含まない、項目25に記載の表面をシラン化する方法。
【0072】
(項目34)
上記組成物が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンを含まない、項目25に記載の表面をシラン化する方法。
【0073】
(項目35)
ポリマーのアレイを調製する方法であって、
基材を提供する工程;
この基材のシリカまたは他のケイ素酸化物を含有する表面を、2種以上のシラン化試薬の混合物を含むシラン化組成物と接触させる工程を包含し、ここで少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、少なくとも1種のシラン化組成物は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない、工程;
このポリマー合成を支持し得る官能基を保護基で保護する工程、またはこのポリマー合成を支持し得る官能基と保護基により保護された反応性基を有する化合物とを反応させる工程;
この表面の選択された領域でこの保護基を除去し、露出された官能基または反応基を提供する工程;
この露出された基をモノマーと反応させる工程であって、このモノマーは、この露出された基と連結される、工程;ならびに
除去する工程と反応させる工程とを繰り返して、ポリマーのアレイを生成する工程、
を包含する、ポリマーのアレイを調製する方法。
【0074】
(項目36)
上記ポリマーが核酸である、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0075】
(項目37)
上記ポリマーがポリペプチドである、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0076】
(項目38)
上記シラン化組成物が、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンと、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのうちの1つとを含む、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0077】
(項目39)
上記シラン化組成物が、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンおよびN−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを含む、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0078】
(項目40)
上記シラン化組成物が、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンを含む、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0079】
(項目41)
上記保護基が、光により除去可能な保護基である、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0080】
(項目42)
上記保護基が、酸不安定性保護基である、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0081】
(項目43)
上記除去する工程が、
所定の波長を有する光の選択的適用により、上記選択された領域において光酸発生剤を活性化し、酸を提供する工程;および
上記保護基をこの酸に暴露する工程、
を包含する、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0082】
(項目44)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、
N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド
【0083】
【化67】

N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
【0084】
【化68】

3−((2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン
【0085】
【化69】

N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン
【0086】
【化70】

1,2−ビス((2−ヒドロキシエチル)(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノエタン
【0087】
【化71】

3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0088】
【化72】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0089】
【化73】

3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【0090】
【化74】

からなる群より選択され、そしてここで上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、アルキルトリメトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、およびN,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンからなる群より選択される、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0091】
(項目45)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、マスクされたシラン化試薬を含む、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0092】
(項目46)
上記マスクされたシラン化試薬が、以下:
3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0093】
【化75】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0094】
【化76】

および
3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【0095】
【化77】

からなる群より選択される、項目45に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0096】
(項目47)
上記シリカまたは他のケイ素酸化物を含有する表面を接触させる工程が、上記マスクされたシラン化試薬の蒸着を包含する、項目45に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0097】
(項目48)
上記マスクされたシラン化試薬を脱保護して、ポリマー合成を支持し得る脱保護された官能基を提供する工程、
をさらに包含する、項目45に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0098】
(項目49)
上記シラン化組成物が、2種以上のシラン化試薬の混合物を含み、ここで上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N,N−ビス(2−ヒドロキシ)−3−アミノプロピルトリエトキシシランであり、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0099】
(項目50)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0100】
(項目51)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とが、所定の比で存在する、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0101】
(項目52)
上記所定の比が、モル比である、項目51に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0102】
(項目53)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とのモル比が、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲で存在する、項目52に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0103】
(項目54)
上記モル比が、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲に存在する、項目53に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0104】
(項目55)
上記比が、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲に存在する、項目54に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0105】
(項目56)
上記比が、それぞれ、約99:1である、項目55に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0106】
(項目57)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンであり、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランである、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0107】
(項目58)
上記ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランに対する1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンの比が、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲にある、項目57に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0108】
(項目59)
上記1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのモル比が、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲にある、項目58に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0109】
(項目60)
上記1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのモル比が、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲にある、項目59に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0110】
(項目61)
上記1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのモル比が、それぞれ、約99:1である、項目60に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0111】
(項目62)
上記組成物が、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランおよび1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンの混合物を含まない、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0112】
(項目63)
上記組成物が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンを含まない、項目35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【0113】
(項目64)
基材の表面上のポリマーのアレイであって、この基材の表面はシラン化組成物でシラン化されており、このシラン化組成物は、2種以上のシラン化試薬の混合物を含み、ここで少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、少なくとも1種のシラン化組成物は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない、基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0114】
(項目65)
上記ポリマーが核酸である、項目64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0115】
(項目66)
上記ポリマーがポリペプチドである、項目64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0116】
(項目67)
上記シラン化組成物が、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンと、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのうちの1つを含む、項目64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0117】
(項目68)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、
N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド
【0118】
【化78】

N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
【0119】
【化79】

3−((2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン
【0120】
【化80】

N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン
【0121】
【化81】

1,2−ビス((2−ヒドロキシエチル)(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノエタン
【0122】
【化82】

3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0123】
【化83】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0124】
【化84】

3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【0125】
【化85】

からなる群より選択され、そしてここで上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、アルキルトリメトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、およびN,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンからなる群より選択される、項目64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0126】
(項目69)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、マスクされたシラン化試薬を含む、項目64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0127】
(項目70)
上記マスクされたシラン化試薬が、
3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0128】
【化86】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12)−アルキル)−トリエトキシシラン、
【0129】
【化87】

および3−グリシドオキシプロピルトリエトシキシラン
【0130】
【化88】

からなる群より選択される、項目69に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0131】
(項目71)
上記マスクされたシラン化試薬が脱保護され、ポリマー合成を支持し得る脱保護された官能基が提供される、項目69に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0132】
(項目72)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランであり、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである、項目64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0133】
(項目73)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである、項目64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0134】
(項目74)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とが、所定の比で存在する、項目64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0135】
(項目75)
上記所定の比が、モル比である、項目74に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0136】
(項目76)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とのモル比が、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲で存在する、項目75に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0137】
(項目77)
上記モル比が、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲に存在する、項目76に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0138】
(項目78)
上記比が、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲に存在する、項目77に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0139】
(項目79)
上記比が、それぞれ、約99:1である、項目78に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0140】
(項目80)
上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンであり、上記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランである、項目64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0141】
(項目81)
上記1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのモル比が、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲にある、項目80に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0142】
(項目82)
上記1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのモル比が、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲にある、項目81に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0143】
(項目83)
上記1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのモル比が、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲にある、項目82に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0144】
(項目84)
上記1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのモル比が、それぞれ、約99:1である、項目83に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0145】
(項目85)
上記組成物が、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランおよび1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンの混合物を含まない、項目64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0146】
(項目86)
上記組成物が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンを含まない、項目64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【0147】
(項目87)
2種以上のシラン化試薬の混合物を用いて基材をシラン化する方法であって、ここで少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まず、少なくとも1種のシラン化組成物は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、この基材はシリカまたは他のケイ素酸化物含有表面を含み、この方法は、
a.基材を提供する工程;
b.この基材を、ある設定期間の間、無水エタノールに浸漬する工程;
c.設定時間の間、この基材をシラン混合物の容器中に移動させる工程であって、このシラン混合物は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬およびポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬を含む、工程;および
d.この基材を2−プロパノールでリンスする工程、
を包含する、方法。
【0148】
(項目88)
上記シラン混合物が、1:99モル%のN−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンおよびビス(トリメトキシシリル)エタンであり、ここでこのシラン混合物は、さらに無水アルコール、脱イオン水をさらに含み、そして上記設定時間が約60分である、項目87に記載の方法。
【発明の効果】
【0149】
シリカまたは他のケイ素酸化物を含有する表面をシラン化するために使用される、加水分解に対する十分な安定性を有するシラン化組成物が提供される。さらに、このシラン化組成物を用いて、シリカまたは他のケイ素酸化物を含有する表面をシラン化する方法、このシラン化組成物を使用して作製された基材の表面上のポリマーのアレイが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0150】
(発明の詳細な説明)
本発明は、多くの好ましい実施形態を有し、当業者に公知の詳細について多くの特許、出願および他の参考文献に頼る。それゆえ、以下で特許、出願、または他の参考文献が引用されるかまたは繰り返される場合、それは、すべての目的および引用されている問題のために、その全体が参考として援用されることが理解されるべきである。
【0151】
本出願で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈がそうではないと明瞭に述べていない限り、複数の指示対象を含む。例えば、用語「1つの試薬(a reagent)」は、複数の試薬を含み、その混合物をも含む。
【0152】
個体は、ヒトに限定されず、また他の生物体でもあり得、それは哺乳動物、植物、微生物、または上記のもののいずれかに由来する細胞を含むが、これらに限定されない。
【0153】
本開示全体を通して、本発明の種々の局面は、範囲の書式で提示され得る。範囲の書式での記載は、単に便宜および簡潔性のためであることが理解されるべきであり、本発明の範囲の不変の限定と解釈されるべきではない。従って、範囲の記載は、すべての可能な部分範囲およびその範囲内の個々の数値を具体的に開示したと考えられるべきである。例えば、1〜6のような範囲の記載は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6などのような部分範囲およびその範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、5および6を具体的に開示したと考えられるべきである。このことは、範囲の幅に関係なく、当てはまる。
【0154】
本発明の実施は、そうではないと示されない限り、有機化学、ポリマー技術、分子生物学(組換え核酸技術を含む)、細胞生物学、生化学および免疫学の、当業者なら理解するような従来技術を採用し得る。そのような従来技術としては、ポリマーアレイ合成、ハイブリダイゼーション、連結反応、および標識を使用するハイブリダイゼーションの検出が挙げられる。適切な技術の具体的な図示は、本明細書中以下の実施例を参照して提示され得る。しかし、他の等価な従来手順はまた、当然、使用され得る。そのような従来技術および記載は、以下のような標準的な実験室マニュアルに見出され得る:Genome Analysis:A Laboratory Manual Series(Vols.I−VI),Using Antibodies:A Laboratory Manual,Cells:A Laboratory Manual,PCR Primer:A Laboratory Manual,およびMolecular Cloning:A Laboratory Manual(これらはすべて、Cold Spring Harbor Laboratory Pressより出版),Stryer,L.(1995)Biochemistry,(第4版)Freeman,New York,Gait,「Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach」 1984,IRL Press,London,NelsonおよびCox(2000),Lehninger,Principles of Biochemistry 第3版,W.H. Freeman Pub.,New York,NYおよびBergら(2002)Biochemistry,第5版,W.H.Freeman Pub.,New York,NY(これらのすべては本明細書中に参考として援用される)。
【0155】
本発明は、固体基材を採用し得、いくつかの実施形態ではアレイを含む。ポリマー(タンパク質を含む)アレイ合成に適用可能な方法および技術は、以下に記載されている:米国特許出願番号第09/536,841号,WO00/58516号、米国特許第5,143,854号,同第5,242,974号,同5,252,743号,同第5,324,633号,同第5,384,261,5,405号,783号,同第5,424,186号,同第5,451,683号,同第5,482,867号,同第5,491,074号,同第5,527,681号,同第5,550,215号,同第5,571,639号,同第5,578,832号,同第5,593,839号,同第5,599,695号,同第5,624,711号,同第5,631,734号,同第5,795,716号,同第5,831,070号,同第5,837,832号,同第5,856,101号,同第5,858,659号,同第5,936,324号,同第5,968,740号,同第5,974,164号,同第5,981,185号,同第5,981,956号,同第6,025,601号,同第6,033,860号,同第6,040,193号,同第6,090,555号,同第6,136,269号,同第6,269,846号および同第6,428,752号,PCT出願番号PCT/US99/00730(国際公開番号第WO99/36760号)およびPCT/US01/04285(国際公開番号第WO01/58593)(これらのすべてはその全体が本明細書中に参考として援用される)。
【0156】
「基材」は、剛性、半剛性またはゼラチン状の表面を有する材料である。代表的な例としては、ガラスまたは適切なポリマー材料が挙げられる。本発明のいくつかの実施形態では、基材の少なくとも1つの表面は、実質的に平坦であるが、いくつかの実施形態では、例えばウェル、隆起した領域、エッチングされた溝などで、異なるポリマーのための合成領域を物理的に分離することが望ましい。いくつかの実施形態では、基材自体が、ウェル、溝、領域を通る流れなどを含み、それらは合成領域のすべてまたはその一部を形成する。他の実施形態によれば、小さいビーズが表面に提供され得、そしてその上に合成された化合物は、必要に応じて合成の完了の際に放出され得る。基材は、当該分野で周知であり、USPG、PPG Industries、AFG Industriesなどのような販売業者を通して容易に商業的に入手可能である。本発明で使用される基材は、好ましくは、ガラス、溶融シリカ、およびシリコンウエハのような容易にシラン化される基材である。
【0157】
特定の実施形態における合成技術を記載する特許としては、米国特許第5,412,087号、同第6,147,205号,同第6,262,216号,同第6,310,189号、同第5,889,165号,および同第5,959,098号が挙げられ、これらはすべてその全体が本明細書中に参考として援用される。核酸アレイは、上記の特許の多くに記載されているが、同じ一般的な方法論がポリペプチドアレイに適用可能である。
【0158】
本発明はまた、基材に結合されたポリマーについての多くの使用を企図する。これらの使用としては、遺伝子発現モニタリング、プロファイリング、ライブラリースクリーニング、遺伝子型決定および診断が挙げられる。遺伝子発現モニタリングおよびプロファイリング方法は、以下に示され得る:米国特許第5,800,992号,同第6,013,449号,同第6,020,135号,同第6,033,860号,同第6,040,138号,同第6,177,248号および同第6,309,822号(これらはすべてその全体が本明細書中に参考として援用される)。遺伝子型決定およびそのための使用は、米国仮特許出願番号第60/319,253号,米国特許出願番号第10/013,598号(米国特許出願第20030036069号明細書)、および米国特許第5,856,092号,同第6,300,063号,同第5,858,659号、同第6,284,460号,同第6,361,947号,同第6,368,799号および同第6,333,179号(これらはすべてその全体が本明細書中に参考として援用される)に示される。他の使用は、以下に具体化される:米国特許出願第5,871,928号,同第5,902,723号,同第6,045,996号,同第5,541,061号,および同第6,197,506号(これらはすべてその全体が本明細書中に参考として援用される)。
【0159】
本発明はまた、特定の好ましい実施形態におけるサンプル調製方法を企図する。遺伝子型決定の前にまたはそれと同時に、ゲノムサンプルは、種々の機構により増幅され得、そのうちのいくつかはPCRを採用し得る。例えば、PCR Technology:Principles and Applications for DNA Amplification(H.A.Erlich編集,Freeman Press,NY,NY:1992);PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications(Innisら編集,Academic Press,San Diego,CA,1990);Mattilaら,Nucleic Acids Res.19,4967(1991);Eckertら、PCR Methods and Applications 1,17(1991);PCR(McPhersonら編集,IRL Press, Oxford);および米国特許第4,683,202号,同第4,683,195号,同第4,800,159号、同第4,965,188号,および同第5,333,675号を参照のこと。そしてこれらの各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。サンプルは、アレイ上で増幅され得る。例えば、米国特許第6,300,070号および米国特許出願第09/513,300号を参照のこと。そしてこれらの各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0160】
他の適切な増幅方法としては、リガーゼ連鎖反応(LCR)(例えば、WuおよびWallace,Genomics 4,560(1989),Landegrenら,Science 241,1077(1988)およびBarringerら、Gene 89:117(1990))、転写増幅(transcription amplification)(Kwohら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,1173(1989)およびWO88/10315)、自己保持型配列複製(self-sustained sequence replication)(Guatelliら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,1874(1990)およびWO90/06995)、標的ポリヌクレオチド配列の選択的増幅(米国特許第6,410,276号)、コンセンサス配列開始ポリメラーゼ連鎖反応(consensus sequence primed polymerase chain reaction)(CP-PCR)(米国特許第4,437,975号)、任意に開始されるポリメラーゼ連鎖反応(arbitrarily primed polymerase chain reaction)(AP-PCR)(米国特許第5,413,909号,同第5,861,245号)ならびに核酸ベースの配列増幅(nucleic acid based sequence amplification)(NABSA)。(米国特許第5,409,818号,同第5,554,517号,および同第6,063,603号を参照のこと。これらの各々は、本明細書中に参考として援用されるe)。使用され得る他の増幅方法は、米国特許第5,242,794号,同第5,494,810号,同第4,988,617号および米国特許出願第09/854,317号に記載されている。上記の参考文献の各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0161】
核酸サンプルの複雑さを低減するためのさらなるサンプル調製方法および技術は、Dongら,Genome Research 11,1418(2001)、米国特許第6,361,947号,同第6,391,592号および米国特許出願第09/916,135号、同第09/920,491号(米国特許出願公開第20030096235号),同第09/910,292号(米国特許出願公開第20030082543号)、および同第10/013,598に記載され、これらの各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0162】
ポリヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイを実施するための多くの方法が、十分に開発されている。ハイブリダイゼーションアッセイ手順および条件は、適用に依存して異なり、そして公知の一般的結合方法に従って選択される。一般的な結合方法としては、Maniatisら、Molecular Cloning.:A Laboratory Manual(第2版、Cold Spring Harbor, N.Y,1989);BergerおよびKimmel Methods in Enzymology,Vol.152,Guide to Molecular Cloning Techniques(Academic Press, Inc.,San Diego,CA,1987);YoungおよびDavism,P.N.A.S,80:1194(1983)で言及される方法が挙げられる。反復かつ制御されたハイブリダイゼーション反応を実施するための方法および装置は、米国特許第5,871,928号,同第5,874,219号,同第6,045,996号および同第6,386,749号,同第6,391,623号に記載されており、これらの各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0163】
本発明は、リガンドとその対応するレセプターとの間のハイブリダイゼーションを、特異的なシグナルの発生により検出することを企図する。米国特許第5,143,854号,同第5,578,832号;同第5,631,734号;同第5,834,758号;同第5,936,324号;同第5,981,956号;同第6,025,601号;同第6,141,096号;同第6,185,030号;同第6,201,639号;同第6,218,803号;および同第6,225,625号,米国特許仮出願番号第60/364,731号ならびにPCT出願PCT/US99/06097(WO99/47964として公開)を参照のこと。これらの各々もまた、その全体が本明細書中に参考として援用される。これらの参考文献の各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0164】
シグナル検出およびその強度データのプロセッシングのための方法および装置は、例えば、米国特許第5,143,854号,同第5,547,839号,同第5,578,832号,同第5,631,734号,同第5,800,992号,同第5,834,758号;同第5,856,092号,同第5,902,723号,同第5,936,324号,同第5,981,956号,同第6,025,601号,同第6,090,555号,同第6,141,096号,同第6,185,030号,同第6,201,639号;同第6,218,803号;および同第6,225,625号,米国特許仮出願番号第60/364,731号ならびにPCT出願PCT/US99/06097(WO99/47964として公開)に開示されており,これらの各々もまた、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0165】
本発明の実施においてはまた、従来の生物学的方法、ソフトウェア、およびシステムが採用され得る。本発明のコンピューターソフトウェア製品は、代表的には、本発明の方法の論理ステップを実施するためのコンピューターで実行可能な命令を有するコンピューター読み取り可能な媒体が挙げられる。適切なコンピューアー読み取り可能な媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM/DVD/DVD−ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリー、ROM/RAM、磁気テープなどが挙げられる。このコンピューターで実行可能な命令は、適切なコンピューター言語またはいくつかの言語の組合わせで書かれ得る。基本的なコンピューターによる生物学的方法は、例えば、以下:SetubalおよびMeidanisら,Introduction to Computational Biology Methods(PWS Publishing Company,Boston,1997);Salzberg, Searles,Kasif編集),Computational Methods in Molecular Biology,Elsevier, Amsterdam,1998);RashidiおよびBuehler,Bioinformatics Basics:Application in Biological Science and Medicine(CRC Press, London,2000)ならびにOueletteおよびBzevanis Bioinformatics: A Practical Guide for Analysis of Gene and Proteins(Wiley & Sons,Inc.,第2版,2001)に記載されている。米国特許第6,420,108号を参照のこと。これらの参考文献の各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0166】
本発明はまた、プローブ設計、データの管理、分析および機器の操作のような種々の目的のための種々のコンピュータープログラム製品およびソフトウェアを利用し得る。米国特許第5,593,839号,同第5,795,716号,同第5,733,729号,同第5,974,164号,同第6,066,454号,同第6,090,555号,同第6,185,561号,同第6,188,783号,同第6,223,127号,同第6,229,911号および同第6,308,170号を参照のこと。これらの参考文献の各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0167】
光パターンはまた、Digital Micromirrors,Light Crystal on Silicon(LCOS),光バルブアレイ,レーザービームパターンおよび直接書き込みのフォトリソグラフィー(direct−write photolithography)に適した他のデバイスを使用して生成され得る。米国特許第6,271,957号および同第6,480,324号を参照のこと。これらは本明細書中に参考として援用される。
【0168】
さらに、本発明は、米国特許出願番号第10/063,559号(米国特許出願公開第20020183936号),米国特許仮出願番号第60/349,546,同第60/376,003,同第60/394,574および同第60/403,381号)に示されるような、インターネットのようなネットワーク上に遺伝子情報を提供するための方法を含む、好ましい実施形態を有し得る。これらの参考文献の各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0169】
本発明は、多数の異なるポリマー配列のアレイの形成のための方法、デバイス、および組成物を提供する。本発明の1つの局面において、本明細書中で提供される方法および組成物には、ポリマー合成において特に有用である化学生成物への放射線シグナルの変換が関与する。本発明はまた、本明細書中に開示される方法および組成物を使用して形成されるアレイを包含する。本発明の1つの局面は、基材の選択され予め規定された領域における異なるポリマーのアレイの合成のための方法、組成物、およびデバイスを包含する。本発明の別の局面は、それらのアレイおよびそれらの種々の使用方法を包含する。
【0170】
そのようなアレイは、例えば、核酸分析において使用される。ポリヌクレオチドアレイまたは核酸アレイは、以前に明らかにされた配列の正確さを確認するため、および変異および多型を検出するために特に適している。ポリマーアレイはまた、例えばペプチドアレイの場合には抗体のようなレセプターとの相互作用、または例えばオリゴヌクレオチドアッセイの場合には核酸との相互作用を評価するためのスクリーニング研究において使用される。例えば、本発明の特定の実施形態は、あるとすれば、多様な組のペプチドのうちのどれがレセプターと強い結合親和性を有するか否かを判定するためのペプチドのスクリーニングを提供する。
【0171】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明により形成されるアレイは、競合アッセイまたは特定の活性を有する化合物についてスクリーニングするための他の周知の技術において使用される。例えば、合成化合物または天然化合物の巨大な集団が、基材の予め規定された領域に固定化される。この固定化された化合物(複数または単数)と種々の試験組成物(例えば、化学ライブラリーのメンバーまたは生物学的抽出物)との反応が、そのライブラリーの各メンバーまたは抽出物の少量のアリコートを異なる領域に分配することにより試験される。1つの実施形態において、ヒトのレセプターの大きな集団が、アレイを形成するための各領域に一つ、基材上に堆積される。次いで、植物および動物の抽出物は、そのアレイの種々のレセプターへの結合についてスクリーニングされる。
【0172】
核酸配列もまた、本発明を用いて、基材の特定の位置または予め規定された位置に固定化され得る。いくつかの実施形態において、そのような固定化された核酸アレイは、遺伝子発現モニタリング、核酸増幅、核酸のコンピューター解析および核酸分析一般におけるハイブリダイゼーションアッセイにおいて使用される。
【0173】
「予め規定された領域」は、基材上の局在化した領域であって、選択されたポリマーの形成のために使用されるか、使用されたか、または使用されることになっている領域であって、そうでなければ本明細書中において、代わりに「反応」領域、「選択された」領域、単に「領域」または「特徴」と称される。予め規定された領域は、例えば、円形、矩形、楕円形、楔型などの任意の形状を有し得る。本発明によれば、本発明のアレイは、10〜100μmのオーダーの特徴、すなわち、ほぼ方形の特徴として10×10μm〜100×100μmの特徴を有する。より好ましくは、その特徴は1〜10μmのオーダーを有する。サブミクロンの寸法を有する特徴を提供することも本発明の目的である。そのような特徴は、好ましくは100〜1000nmのオーダーである。これらの領域内でそこで合成されるポリマーは、好ましくは実質的に純粋な形態で合成される。しかし、本発明の他の実施形態において、予め規定された領域は、実質的に重なり得る。そのような実施形態において、ハイブリダイゼーションの結果は、例えばソフトウェアにより分解される。
【0174】
特徴内の活性部位(すなわち、誘導体化のために利用可能な部位)の密度は、好ましくは少なくとも5pmol/cmであるが、より好ましくは少なくとも10pmol/cmであり、またはさらに20pmol/cmである。代表的には、活性部位の密度は、5〜20pmol/cmである。
【0175】
本発明は、米国特許第5,143,854号(本明細書中に参考として援用される)に考察される放射線主導の方法と共通の特定の特徴を有する。その特許で考察される放射線主導の方法には、基材の予め規定された領域を活性化し、次いでその基材を予め選択されたモノマー溶液と接触させることが関与する。この予め規定された領域は、例えば、マスク(集積回路製造において使用されるフォトリソグラフィー技術の様式においてのように)光源により活性化され得る。その基材の他の領域は、不活性のままである。なぜなら、それらはマスクにより照明から遮断されているからである。従って、光のパターンが、基材のどの領域が与えられたモノマーと反応するかを規定する。異なる組の予め規定された領域を活性化することと、異なるモノマー組成物をそれに提供することを繰り返すことにより、多様なポリマーのアレイが基材上または基材の近くに生成される。
【0176】
本発明の別の局面によれば、マスクの使用の必要性は存在しない。アレイの予め規定された領域は、フォトマスクの使用なしに、(例えば、限定なしに、米国特許第6,271,957号および関連出願(特許および子孫特許)において考察されるように、空間的な光の調節により)活性化され得る。
【0177】
「アルコキシ」基とは、酸素に連結したアルカン、Rがアルキル基であるR−O−をいう。本発明の1つの局面によれば、アルコキシ基がシランに結合している場合、それは、−Si−O−Rの構造を有し、ここでRは、炭素と水素のみを含有する、直鎖、分枝状または環状の化学基を意味する「アルキル」基である。本発明の1つの局面によれば、Rは、限定なしに−C4〜119〜23を含み、限定なしに−(CH3〜10CHおよびその直鎖、分枝状、環状または任意の組合わせを含む。本発明の1つの局面によれば、Rとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、シクロペンチルおよび2−メチルブチルが挙げられる。R基は、非置換であるかまたは1つ以上の置換基(例えば、ハロゲン)で置換され得る。
【0178】
本発明の1つの局面によれば、保護基により保護される反応性官能基は、基材の表面に直接的または間接的に提供される。本発明の1つの好ましい実施形態において、この保護基は、光除去可能(または光不安定性の)保護基である。別の好ましい実施形態において、その保護基は、酸不安定性の保護基である。保護基が間接的に基材の表面に存在するときは、それは一般にリンカーの一部である。リンカーは、基材表面から別の化合物(例えば、ポリマー)に延びる化合物である。有用なリンカー分子は、当業者には周知であり、代表的な例としては、ヘキサエチレングリコールのようなオリゴエーテル、ヌクレオチドのオリゴマー、エステル、カーボネート、アミドなどが挙げられる。
【0179】
「保護基」は、ペプチドもしくはアミノ酸におけるアミノ官能基または核酸もしくはヌクレオチドにおけるヒドロキシル基のような、選択的に除去されて活性部位を露出させ得る部分である。本発明の1つの局面によれば、保護基は、種々の条件下で除去され得る。例えば、「酸不安定性の保護基」は、酸への暴露により除去される。本発明の実施において有用な不安定な保護基の広範囲な一覧表として、Greene、T.W.およびWuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis,(1991)(本明細書中に参考として援用される)も参照のこと。有用な代表的な酸感受性保護基としては、ジメトキシトリチル(DMT)、tert−ブチルカルバメート(tBoc)およびトリフルオロアセチル(tFA)が挙げられる。有用な代表的な塩基感受性保護基としては、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、イソブチリル(iBu)、ベンゾイル(Bz)およびフェノキシアセチル(pac)が挙げられる。光不安定性保護基としては、メチル−6−ニトロピペロニルオキシカルボニル(MeNPOC)、6−ニトロベラトリル(NV)、6−ニトロベラトリルオキシカルボニル(NVOC),6−ニトロピペラニル(NP)、6−ニトロピペロニルオキシカルボニル(NPOC)、メチル−6−ニトロベラトリル(MeNV)、メチル−6−ニトロベラトリルオキシカルボニル(MeNVOC)およびメチル−6−ニトロピペロニル(MeNP)が挙げられる。他の保護基としては、アセトアミドメチル、アセチル、tert−アミルオキシカルボニル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、2−(4−ビフェニル)−2−プロピルオキシカルボニル、2−ブロモベンジルオキシカルボニル、tert−ブチル、tert−ブチルオキシカルボニル、1−カルボベンゾオキサミド−2,2,2−トリフルオロエチル、2,6−ジクロロベンジル、2−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−プロピルオキシカルボニル、2,4−ジニトロフェニル、ジチアスクシニル、ホルミル、4−メトキシベンゼンスルホニル、4−メトキシベンジル、4−メチルベンジル、o−ニトロフェニルスルフェニル、2−フェニル−2−プロピルオキシカルボニル、α−2,4,5−テトラメチルベンジルオキシカルボニル、p−トルエンスルホニル、キサンテニル、ベンジルエステル、N−ヒドロキシスクニンイミドエステル、p−ニトロベンジルエステル、p−ニトロフェニルエステル、フェニルエステル、フェニルエステル、p−ニトロカーボネート、p−ニトロベンジルカーボネート、トリメチルシリルおよびペンタクロロフェニルエステルなどが挙げられる。
【0180】
酸不安定性保護基に対して、光酸発生剤(「PAG」)は、一般に、表面上に、好ましくは酸スカベンジャーとの膜の状態で提供される。例えば、米国特許出願第021700号(20050164258)(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。これはまた、「レジスト混合物」とも呼ばれる。レジスト混合物は、さらに増感剤を含み得る。
【0181】
「光酸発生剤」は、所定の波長を有する光への暴露によって酸(HまたはH)を生成する化合物または物質である。
【0182】
本明細書中で使用される場合、「膜」は、1つ以上の構成物を含み、例えばスピンコーティングにより、ほぼ均一な様式で基材の表面全体に適用される層またはコーティングである。例えば、本発明の1つの局面によれば、膜は溶液、懸濁液、分散液、エマルジョン、または選択されたポリマーの他の受容可能な形態である。例えば、膜は、一般に膜形成ポリマーと組合わせて、光酸発生剤および必要に応じて塩基および増感剤を含み得る。膜形成ポリマーは、融解または相溶性の溶媒への溶解の後に、基材上に均一な膜を形成し得るポリマーである。
【0183】
「酸スカベンジャー」は、酸を中和、吸収、および/または緩衝化するように作用する化合物または物質、例えば、塩基またはアルカリ性化合物である。酸スカベンジャーは、プロトンまたはプロトン化された水(すなわち、HまたはH)の量または濃度を低下させるように作用する。本発明の文脈では、酸スカベンジャーは、光酸発生剤により生成された酸を中和、消滅、または緩衝化するように作用する。好ましくは、酸スカベンジャーは、経時的にまたは熱への暴露の後にフィルム内で層化をほとんど示さないか、またはまったく示さない。米国特許仮出願第60/755,261号(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0184】
「増感剤」は、特定の光酸発生剤(「PAG」)の使用を支援する化合物である。本発明は、いかなる特定の作用機構または提案される作用機構によって限定されないが、この増感剤は、上記PAGの光感受性を拡張する、すなわち光感受性をより長波長の電磁放射線へとシフトさせるものと理解される。増感剤はまた、光増感剤とも呼ばれ、PAGを、例えば、本発明の1つの局面によれば、より長波長の光で活性化し得る。好ましくは、この増感剤の濃度は、1.1倍〜5倍大きいようにPAGの濃度よりも大きく、例えば、PAGの濃度よりも1.1倍〜3倍大きい。本発明において使用するのに適した例示的な増感剤は、イソプロピルチオキサントン(ITX)および10H−フェノキサジン(PhX)が挙げられる。
【0185】
本発明の1つの局面によれば、酸は、所定の波長の光へのPAGの暴露により、選択された領域でこのPAGから生成される。生成された酸は、保護基を除去するに十分長い間、かつ適切な条件下で、保護された基(単数または複数)と接触する。本発明の1つの局面によれば、保護基は好ましくはDMT基であり、それはヒドロキシル基を保護する。ヒドロキシル基は、例えば、基材の一部、リンカーの一部、ヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドの5’−ヒドロキシル基あるいはヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドの3’−ヒドロキシル基であり得る。保護基が除去されるが、いかなるポリマーへの損傷もまったくないかまたは実質的にまったくないように酸に対して保護基が十分に暴露された後で、好ましくは保護された基および未保護の基を残す適切な溶媒中で、そのアレイの表面が剥がされる。本発明の1つの局面では、保護基は、3時間まで、例えば1時間まで、そして代表的には2〜30分間または5〜15分間酸に暴露される。本発明の好ましい実施形態において、酸スカベンジャーは、ポリマー(好ましくは、オリゴヌクレオチド)への損傷を制限するためにPAGと組合わせて採用され、上記PAGから生成される酸からのそのポリマーへの損傷を消失させる。
【0186】
本発明の1つの局面に従って、ポリマー作製の前に、基材表面を、水またはエタノールのいずれかの中のシラン混合物を使用して誘導体化する。基材に適用されるシランは、ポリマー単位の追加のための部位として役立つ反応性官能基を有する。好ましくは、シランはまた、基材に結合したシランの交差ハイブリダイゼーションを可能にする基を有し、シラン層のさらなる安定性を提供する。
【0187】
本発明のさらに好ましい実施形態において、基材の表面とシラン化組成物との接触を、基材表面上へのシラン化組成物の制御された蒸着によって行う。好ましくは、基材は、ガラス基材またはシリコン基材から構成される。組成物の蒸着は、減圧オーブン中での試薬への基材の曝露を含む。本発明の別の局面において、本発明のシラン化組成物はまた、以下にさらに詳細に記載されるように、標準的な浴蒸着(bath deposition)手順またはスピンコーティング手順において使用され得る。
【0188】
本発明の局面に従って、保護されたまたは「マスクされた」反応性官能基を有するシランが提供される。本発明の好ましい実施形態において、反応性官能基は、ヒドロキシル(−OH)(ポリマーが核酸である)およびアミノ(−NH)(ポリマーがペプチドまたはタンパク質である)である。マスクされたヒドロキシル基を有する多くのシランは、非常に揮発性である。揮発性のマスクされたシランは、例えば、蒸留によって容易に精製され得、基材表面をシラン化する気相蒸着法において容易に使用され得る。基材の表面上へのマスクされたシランをコーティングした後に、マスクされた反応性官能基は、保護されていない反応性官能基を提供するように脱保護される。
【0189】
本発明の局面に従って、マスクされたシランは、基材−シラン結合が、脱マスク反応によっても、ポリマー合成において使用される後の工程によっても切断されない構造を有さなければならない。
【0190】
脱マスク後、シランのヒドロキシル基は、基材上でのポリマー合成のための部位として役立ち得る。好ましくは、ポリマーは、ペプチドまたはオリゴヌクレオチドである。
【0191】
好ましいマスク化シランとしては、アセトキシアルキルシランおよびエポキシアルキルシランが挙げられる。好ましいアセトキシアルキルシランは、アセトキシアルキルトリクロロシランである。特に好ましいマスク化シランとしては、以下:
3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0192】
【化89】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0193】
【化90】

3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
【0194】
【化91】

が挙げられる。
【0195】
マスク化シランは、マスク基の構造に依存して、種々の方法で脱保護される。マスク基の構造に依存して、脱保護の好ましい方法としては、蒸気相アンモニアおよびメチルアミン、または液体相水性またはメタノール性アンモニアおよびアルキルアミンが挙げられる。特定の場合において、マスク化シラン試薬は、水性酸での処理によって脱保護され得る。
【0196】
3−アセトキシプロピルトリメトキシシランは、求核剤(例えば、エタノール中のエタノールアミンおよびエチレンジアミン)を用いて、または水性希酸での加水分解によって脱保護され得る(水性塩基加水分解も脱保護するが、シラン−基材結合は、一般的に、塩基性条件化で切断を受けやすい)。
【0197】
(トリメトキシシリルオキシ)−(C−C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)は、希酸水溶液で脱保護され得る。
【0198】
3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランは、酸加水分解(水性酸)により、開環によって脱保護されて、1,2−ジオールを与え得る。
【0199】
本発明の1つの局面に従って、基材のシラン化は、基材をシラン化組成物中に浸す(dipping)かまたはそれ以外で浸漬(immersing)ことを包含する。浸漬後に、基材は、一般的に、基材ストリッピングプロセスに記載されるようにスピンされて(すなわち、側方に)、基材の表面にわたって組成物の均一な分布を提供する。これは、基材の表面上の反応性官能基のさらにより均一な分布を確実にする。シラン層の適用後に、シラン化基材は、基材の表面上にシランを交差重合するようにベーキングされ得る。ベーキングは、代表的に、約1分〜約10分間の間、90℃〜120℃の範囲の温度で行われる。
【0200】
なお他の好ましい実施形態において、上記のように、シラン化組成物は、制御蒸着法または噴霧法を使用して基材の表面と接触される。これらの方法は、シラン化組成物を気相または噴霧に揮発化または霧化させ、通常、基材表面の気相または噴霧への周囲条件での曝露によって、基材の表面に気相または噴霧を蒸着させることを包含する。蒸着は、溶液中への基材の浸漬よりも、溶液のより均一な適用を生じ得る。
【0201】
シラン誘導体化プロセスの効率(例えば、基材表面上の官能基の密度および均一性)は、一般的に、反応性基を結合する発蛍光団(例えば、Pharmacia,Corp.製のFluoreprimeTM、Millipore,Corp.製のFluorediteTM、またはABI製のFAMTM)を添加し、基材の表面にわたる相対的な蛍光を見ることによって評価され得る。
【0202】
シラン化表面の安定性は、上記の発蛍光団を使用して同様に評価され得る。さらに、安定性は、シラン化表面に結合されるポリマーからのハイブリダイゼーションシグナルをモニタリングすることによって、評価され得る(ポリマーは、そのポリマーがアッセイの長さにおいて安定であるように選択されるべきである)。
【0203】
本発明の局面に従って、本発明において使用されるシラン化組成物は、2つ以上のシラン化試薬の混合物(少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を有さない)を含む。
【0204】
本発明の1つの実施形態において、シラン化組成物は、2つ以上のシラン化試薬の混合物(少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を有さない)を含み、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランではなく、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンではない。
【0205】
本発明の別の局面に従って、シラン化組成物は、2つ以上のシラン化試薬の混合物(少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を有さない)を含み、これらのシラン化試薬は、所定の比率で存在する。
【0206】
本発明の1つの局面に従って、官能基を有する種々の密度のシランを有する基材を作製することが望ましい。本発明の1つの局面に従って、官能基を有する種々のシランを有するアレイは、シラン試薬(この試薬の混合物のうちのいくらかは、ポリマー合成のために官能基を有する)と官能基を有さないシランとの混合物で基材を処理し、続いて、混合シランをこの基材に共有結合させることによって達成される。
【0207】
種々の高い密度のプローブ(例えば、基材に結合されたオリゴヌクレオチド)と標的ハイブリダイゼーションの効率との間に負の相関が存在することが、本発明に従って、発見された。標的結合は、基材の表面上の過剰に密なプローブの立体反発の影響および静電反発の影響によって、基材の表面上の過剰に密なプローブ濃度によって阻害される。次に、標的結合の阻害は、ハイブリダイゼーションシグナルの減少を導き、これは、ネガティブな結果(偽ネガティブ)としてスキャナー技術によって読まれる、標的とプローブとの間の完全な一致を生じ得る。プローブ密度を制御するための1つの手段が、反応性官能基を有する基材上のシランの密度によることが、本発明に従って発見されている。本発明の局面に従って、基材の表面上の官能基を有するシランの密度は、ポリマー合成のための官能基を有するシランおよびポリマー合成のための官能基を有さないシランのシラン組成物(混合物)を用いて基材をシラン化することによって制御され得る。
【0208】
基材上の過剰に密なプローブの問題は、ポリマーのインサイチュ作製のための方法がより効率的になるので、より深刻(acute)である。例えば、MeNPOC光保護基を使用するオリゴヌクレオチドのフォトリソグラフィック作製は、追加のヌクレオチドを加えることにおける、オリゴヌクレオチドDNA鎖の作製における工程当たりのヌクレオチド追加の90%未満の効率を有する。光保護基を用いるフォトリソグラフィック合成の再帰的な性質に起因して、10%未満の25マーオリゴヌクレオチドは、全長に達する。プローブ合成のこの不効率さは、高い密度によってもたらされる標的/プローブ結合の阻害を軽減する。
【0209】
しかし、より高い効率的な光保護基の開発、100%効率に近づくこと、および高効率なDMT保護基を使用する光酸発生技術の開発とともに、高密度プローブおよび標的/プローブハイブリダイゼーション阻害は、より問題である。この問題を解決するために、本発明は、基材の表面上の官能基の密度を制限するために、反応性官能基を有するシランおよび官能基を有さないシランを有するシラン組成物を使用することによって、基材上の反応性官能基を有するシランの密度を制限する。
【0210】
本発明の局面に従って、官能基を有するシランの密度は、官能基シランに対する非官能基シランの比較的高いモル比を有するシラン組成物を使用することによって制御される。本発明の好ましい実施形態において、官能基を有さないシラン:官能基を有する試薬のモル比は、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲である。より好ましくは、この比は、それぞれ、約5:1〜200:1である。なお別の好ましい比は、それぞれ約50:1〜100:1である。本発明の特に好ましい局面において、この比は、それぞれ100:1である。本発明の別の特に好ましい実施形態において、この比は、99:1である。
【0211】
本発明の好ましい実施形態において、官能基を有さない少なくとも1種のシラン化試薬は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンであり、官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬としては、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランが挙げられ、このシラン化試薬は、所定の比で存在する。好ましくは、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン:ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン基のW/V比は、それぞれ、5:1〜500:1の範囲である。より好ましくは、この比は、それぞれ、5:1〜200:1である。なお別の好ましい比は、それぞれ、50:1〜100:1である。本発明の特に好ましい局面において、この比は、それぞれ、100:1である。
【0212】
本発明の局面に従って、ポリマー合成を支持し得る官能基は、一般的に、求核性官能基または求電子性官能基(特に、アミノ基、ヒドロキシル基、およびカルボン酸基のようなもの)を含む。ポリマーが核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)である場合、ポリマー合成を支持し得る官能基は、好ましくは、ヒドロキシル基である。ポリマーがポリペプチドである場合、ポリマー合成を支持し得る官能基は、好ましくは、アミノ基である。好ましくは、ポリマー合成を支持し得る官能基を欠くシラン化試薬は、アルキル第3級アミン基またはアリール第3級アミン基のみを有する。好ましくは、アミンは、基材のシラン化に関係する官能基とは別のアルキル第3級アミン基である。
【0213】
1つの実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、以下からなる群より選択される:
【0214】
【化92】

ここで、Rは、CHまたはC(O)であり;Rは、Hまたは(CH−Si−(O−CH−CHであり;xは、3〜7であり、nは、1〜5であり(例えば、特定の実施形態において、RがHである場合、nは、1または2である);そしてzは、0〜5である;
【0215】
【化93】

ここで、R、R、およびRは、独立してメチルまたはエチルである;
【0216】
【化94】

ここで、R、R、R、R、R10、およびR11は、メチルまたはエチルである;ならびに
【0217】
【化95】

ここで、R12、R13、およびR14は、独立して、メチルまたはエチルである。
【0218】
好ましい実施形態において、官能基を有する少なくとも1種のシラン試薬は、以下:
N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド
【0219】
【化96】

N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
【0220】
【化97】

3−((2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン
【0221】
【化98】

N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン
【0222】
【化99】

1,2−ビス((2−ヒドロキシエチル)(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノエタン
【0223】
【化100】

3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0224】
【化101】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0225】
【化102】

3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
【0226】
【化103】

からなる群より選択され、そして官能基を有さない少なくとも1種のシラン試薬は、アルキル−トリメトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、およびN,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンからなる群より選択される。
【0227】
好ましい実施形態において、シラン化組成物は、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン、およびN−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランとN−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンとのうちの1つを含む。好ましい実施形態において、シラン化組成物は、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン、およびN−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを含む。これらの化合物の構造は、以下に示される:
【0228】
【化104】

ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン
【0229】
【化105】

N−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
【0230】
【化106】

N−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン。
【0231】
1つの実施形態において、シラン化試薬は、固体基材の表面に共有結合されて、基材上の誘導体化可能官能基を含むコーティングを提供し、従って、固定化ポリマー(好ましくは、オリゴマーまたはペプチド、より好ましくはオリゴマー)のアレイが、反応性官能基との共有結合反応を介して基材に共有結合され得る。固定化ポリマー(例えば、ポリペプチドまたは核酸)は、種々の結合アッセイ(生物学的結合アッセイを含む)において使用され得る。別の実施形態において、固定化核酸プローブの高密度アレイは、基材上で形成され得、次いで、異なる標的配列を含む1つ以上の標的核酸が、種々の異なる潜在的に相補的なプローブ配列を含む核酸プローブの高密度アレイに対する結合についてスクリーニングされ得る。例えば、ガラス基材上のDNAアレイの光指向(light−directed)合成のための方法は、McGallら、J.Am.Chem.Soc.,119:5081−5090(1997)(この開示は、本明細書中で援用される)に記載される。
【0232】
好ましくは、ポリマーのアレイは、核酸のアレイである。より好ましくは、核酸のアレイは、オリゴヌクレオチドのアレイである。このようなアレイのためのモノマーは、好ましくは、天然のヌクレオチドまたは非天然のヌクレオチドである。より好ましくは、本発明で使用されるヌクレオチドは、G、A、T、およびCからなる群より選択される。
【0233】
本発明の局面に従って、ヌクレオチドは、ジメトキシトリチル(「DMT」)保護基によってその5’ヒドロキシル末端で保護される。最も好ましい実施形態において、ヌクレオチドは、G、A、TおよびCの群から選択され、DMT保護基によってその5’ヒドロキシル基において保護される。本発明の別の局面において、ヌクレオチドは、DMT保護基を用いてその3’ヒドロキシ基において保護される。従って、本発明に従って、ヌクレオチドは、5’→3’方向または3’→5’方向で合成され得る。
【0234】
本発明の1つの局面に従って、酸不安定性保護基によって保護された反応性官能基を有するリンカー分子は、基材の表面上に提供される。本発明の1つの好ましい実施形態において、光酸発生剤(「PAG」)は、基材上に、好ましくは、酸スカベンジャーを用いてフィルムで提供される。これはまた、「レジスト混合物」とも呼ばれる。
【0235】
本発明の別の局面において、レジスト混合物は、さらに、増感剤を含む。基材の表面上の一組の選択された領域を、例えば、Thompson,L.F.;Willson,C.G.;およびBowden,M.J.,Introduction to Microlithography;American Chemical Society.1994,212−232頁(本明細書中においてその全体が参考として援用される)において考察される周知のリソグラフィー法を使用して、放射線に曝露される。
【0236】
本発明の局面に従って、酸は、所定の波長の光に対するPAGの曝露によって、PAGから選択された領域において発生する。生成される酸は、保護基を除去するために、十分長く適切な条件下で保護基と接触する。本発明の局面に従って、保護基は、好ましくは、DMT基であり、ヒドロキシル基を保護する。例えば、ヒドロキシル基は、基材の一部、リンカーの一部、ヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドの5’ヒドロキシル基、あるいは、ヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドの3’ヒドロキシル基であり得る。保護基が除去されるように、酸に対する保護基の十分な曝露の後に、いずれのポリマーに対しても全くまたは実質的に全く損傷を与えないで、アレイの表面は、好ましくは、保護基および非保護基を残す適切な溶媒中で、剥ぎ取られる。本発明の1つの局面において、保護基は、3時間まで、例えば、1時間まで、代表的には2〜30分間または5〜15分間、酸に曝露される。本発明の好ましい実施形態において、酸曝露は、1〜5分である。
【0237】
酸不安定性保護基を有するモノマーは、酸処理からの曝露される基と反応し得る。表面は、再び、上記レジスト混合物のうちの1つでコーティングされる。
【0238】
本発明の特定の実施形態において、酸不安定性保護基を有する1つのヒドロキシル基および反応性基(好ましくは、ホスホルアミダイト基)を他方で有するデオキシヌクレオチドは、酸処理からの曝露されるヒドロキシル基と反応し得、ヌクレオチドをヒドロキシル基に結合させ得る。表面は、再び、上記のレジスト混合物のうちの1つでコーティングされる。
【0239】
従って、第2の組の選択された領域は、放射線に曝露される。放射線開始反応は、第2の組の選択された領域中の分子(すなわち、リンカー分子および第1の結合モノマー)上の保護基を除去する。次いで、基材は、曝露される官能基との反応のために除去可能な保護基を含む第2のモノマーと接触する。このプロセスは、所望の長さのポリマーおよび所望の化学配列が得られるまで、モノマーを選択的に適用するために繰り返される。本発明の1つの局面に従って、モノマーは、好ましくは、ヌクレオチドである。本発明の局面に従って、核酸の成長する鎖は、好ましくは、合成ラウンドにおいてキャップされる。モノマーが加えられるべきであったが、加えられなかった鎖の成長を停止することによって、キャッピングは、正しくないヌクレオチド配列の産生を制限する。例えば、環外アミンのための側鎖保護基はまた、好ましくは、合成の間、当該分野で周知の技術によって保護され、ヌクレオチドアレイの合成の最後において脱保護される。
【0240】
1つの好ましい実施形態に従って、モノマーは、5’ヒドロキシル基において酸不安定性保護基を含む2’−デオキシヌクレオシドホスホルアミダイトである。従って、「モノマー」は、最終ポリマー(例えば、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド)の個々の単位と基材への結合および必要に応じてさらなる反応(例えば、保護基を除去するため、ホスファイトをホスフェートエステルに酸化するため)において最終ポリマーの個々の単位になる化合物との両方を含むことが理解される。先に記載されるように、別の実施形態において、保護基は、ポリヌクレオチドの合成が5’→3’方向である場合、3’ヒドロキシル基に存在する。ヌクレオシドホスホルアミダイトは、以下の式によって本発明の1つの局面に従って示される:
【0241】
【化107】

ここで、この塩基は、アデニン、グアニン、チミン、またはシトシンであり、Rは、5’ヒドロキシル基を反応に対して利用可能にしない保護基であり、ジメトキシトリチル、tert−ブチルオキシカルボニル基または当業者に公知の任意の保護基が挙げられる;Rは、シアノエチル、メチル、t−ブチル、トリメチルシリルなどである;そしてRおよびRは、イソプロピル、シクロヘキシルなどである。塩基上に存在する環外アミンはまた、アシル保護基(例えば、ベンゾイル、イソブチリル、フェノキシアセチルなど)で保護され得る。リンカー分子は、酸除去可能保護基または塩基除去可能保護基を含む。有用なリンカー分子は、当業者に周知であり、代表的な例としては、オリゴエーテル(例えば、ヘキサエチレングリコール)、ヌクレオチドのオリゴマー、エステル、カーボネート、アミドなどが挙げられる。有用な保護基としては、以前に列挙されたもの、および当業者に公知の他のものが挙げられる。
【0242】
本発明のなお別の好ましい実施形態において、ポリマーのアレイは、ペプチドのアレイであり、モノマーはアミノ酸である。適切なアミノ酸としては、天然のアミノ酸および非天然のアミノ酸が挙げられる。好ましくは、アミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンのL形態からなる群から選択される。好ましくは、アミノ酸は、合成の間、tert−ブチルオキシカルボニル(「tBOC」保護基によってそのアミノ末端官能基において保護されている。
【0243】
本発明の別の局面に従って、適切なアミノ酸としては、ペプチド核酸(PNA)が挙げられる。PNAは、ペプチド骨格を含み、窒素塩基がこの骨格に結合され、その結果、これは、核酸(オリゴマーを含む)の模倣物として働き得る。好ましくは、PNAは、類似の天然の核酸よりも相補核酸配列に対してより大きな親和性を有する。適切なPNA繰り返し単位は、以下の構造式によって示される:
【0244】
【化108】

ここで、Bは、塩基、代表的には、アデニン、シトシン、グアニンまたはチミンを表す。他の骨格は、得られるPNAが核酸をハイブリダイズし得る場合、適切である。
【0245】
PNAの合成は、HyrupおよびNielsen,Bioorg.Med.Chem.(1996)4:5−23;ならびにVilaivanおよびLowe,J.Am.Chem.Soc(2002)124:9326−9327に記載されており、これらの内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0246】
本発明の1つの局面において、アレイ内のPNAの密度および任意のリンカー基の密度は、PNA:ハイブリダイズしたDNAまたはRNAの2:1の複合体のサンプルが形成され得るように選択される。本発明の別の局面において、PNAと核酸とのキメラポリマーが調製される。
【0247】
本発明の1つの局面に従って、2種以上のシラン化試薬の混合物を含有するシラン化組成物が提供され、ここで、少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、そして少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない。
【0248】
好ましい実施形態において、このシラン化組成物は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む、少なくとも1種のシラン化試薬を含有し、このシラン化試薬は、以下からなる群より選択される:
N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド
【0249】
【化109】

N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
【0250】
【化110】

3−((2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン
【0251】
【化111】

N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン
【0252】
【化112】

1,2−ビス((2−ヒドロキシエチル)(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノエタン
【0253】
【化113】

3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0254】
【化114】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0255】
【化115】

3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【0256】
【化116】

ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない、少なくとも1種のシラン試薬は、アルキル−トリメトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシランおよびN,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンからなる群より選択される。
【0257】
好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、マスクされたシラン化試薬である。好ましくは、このマスクされたシラン化試薬は、以下からなる群より選択される:
3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0258】
【化117】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0259】
【化118】

および
3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【0260】
【化119】

特に好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランであり、そしてポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである。
【0261】
好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり、そしてポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである。
【0262】
好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、所定の比で存在する。好ましくは、この所定の比は、重量対体積比(W:V)である。別の好ましい実施形態において、この比は、モル比である。
【0263】
好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とのW/V比は、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲に存在する。
【0264】
より好ましくは、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とのW/V比は、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲に存在する。
【0265】
別の好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とのW/V比は、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲に存在する。
【0266】
より好ましくは、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とのW/V比は、それぞれ、約100:1〜99:1の範囲に存在する。
【0267】
好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンであり、そしてポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0268】
好ましくは、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランの比は、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲である。
【0269】
より好ましくは、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのW/V比は、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲である。
【0270】
なおより好ましくは、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのW/V比は、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲である。最も好ましくは、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのW/V比は、それぞれ、約100:1〜99:1の範囲である。
【0271】
別の好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬は、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンであり、そしてポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、N−2−ヒドロキシメチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンからなる群より選択される。
【0272】
別の好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬は、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンであり、そしてポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンからなる群より選択され、そしてそのW:V比は、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲である。
【0273】
より好ましくは、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン対N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランまたはN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのW:V比は、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲である。
【0274】
なおより好ましくは、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン対N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランまたはN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのW:V比は、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲である。
【0275】
最も好ましくは、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン対N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランまたはN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのW:V比は、それぞれ、約100:1〜99:1の範囲である。
【0276】
別の好ましい実施形態において、この組成物は、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランと1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンとの混合物を含有しない。別の好ましい実施形態において、この組成物(例えば、請求項1に記載の組成物)は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンを含有しない。
【0277】
本発明の1つの局面に従って、表面をシラン化する方法が提供され、ここで、シリカまたは他のケイ素酸化物を含有する表面が、2種以上のシラン化試薬の混合物を含有するシラン化組成物と接触され、少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まず、そして少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む。
【0278】
表面をシラン化する方法の好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、以下からなる群より選択され:
N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド
【0279】
【化120】

N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
【0280】
【化121】

3−((2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン
【0281】
【化122】

N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン
【0282】
【化123】

1,2−ビス((2−ヒドロキシエチル)(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノエタン
【0283】
【化124】

3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0284】
【化125】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0285】
【化126】

3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【0286】
【化127】

ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない、少なくとも1種のシラン化試薬は、アルキル−トリメトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシランおよびN,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンからなる群より選択される。
【0287】
本発明の好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり、そしてポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである。
【0288】
好ましい実施形態において、表面をシラン化する方法は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬として、マスクされたシラン化試薬を使用する。
【0289】
好ましくは、このマスクされたシラン化試薬は、以下からなる群より選択される:
3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0290】
【化128】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0291】
【化129】

および
3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【0292】
【化130】

別の好ましい実施形態において、表面をシラン化する方法は、マスクされたシラン化試薬の蒸着によってなされる。
【0293】
好ましくは、マスクされたシラン化試薬で表面をシラン化する方法は、このマスクされたシラン化試薬を脱保護して、ポリマー合成を支持し得る脱保護された官能基を提供する工程をさらに包含する。
【0294】
表面をシラン化する方法の好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬は、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンであり、そしてポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンからなる群より選択される。
【0295】
別の好ましい実施形態において、表面をシラン化する方法において、シラン化組成物は、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランと1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンとの混合物を含有しない。別の好ましい実施形態において、この組成物は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンを含有しない。
【0296】
本発明の別の局面に従って、ポリマーのアレイを調製する方法が提供され、この方法は、以下の工程を包含する:基材を提供する工程;この基材の、シリカまたは他のケイ素酸化物を含有する表面を、2種以上のシラン化試薬の混合物を含有するシラン化組成物と接触させる工程であって、少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、そして少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない、工程;このポリマー合成を支持し得る官能基を保護基で保護するか、またはポリマー合成を支持し得る官能基を、反応性基が保護基によって保護されている化合物と反応させる工程;この表面の選択された領域において保護基を除去して、露出した官能基または反応性基を提供する工程;この露出した基をモノマーと反応させる工程であって、このモノマーが、この露出された基と結合する工程;および除去する工程と反応させる工程とを繰り返して、ポリマーのアレイを生成する工程。
【0297】
好ましくは、ポリマーのアレイは、核酸のアレイである。ポリマーのアレイがポリペプチドアレイであることもまた、好ましい。
【0298】
ポリマーのアレイを調製する方法の好ましい実施形態において、シラン化組成物は、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンと、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのうちの一方とを含有する。
【0299】
ポリマーのアレイを調製する方法の別の好ましい実施形態において、シラン化組成物は、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンと、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランとを含有する。
【0300】
ポリマーのアレイを調製する方法の別の好ましい実施形態において、シラン化組成物は、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンと、N−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンとを含有する。
【0301】
ポリマーのアレイを調製する方法の好ましい実施形態において、保護基は、光除去可能な保護基である。
【0302】
ポリマーのアレイを調製する方法の、なお別の好ましい実施形態において、保護基は、酸不安定性の保護基である。
【0303】
ポリマーのアレイを調製する方法のなお別の好ましい実施形態において、除去する工程は、所定の波長を有する光の選択的な適用によって、選択された領域において、光酸発生剤を活性化させ、酸を提供し、そしてこの酸に対して保護基を曝露する工程を包含する。
【0304】
ポリマーのアレイを調製する方法のなお別の好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、以下からなる群より選択される:
N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド
【0305】
【化131】

N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
【0306】
【化132】

3−((2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン
【0307】
【化133】

N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン
【0308】
【化134】

1,2−ビス((2−ヒドロキシエチル)(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノエタン
【0309】
【化135】

3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0310】
【化136】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0311】
【化137】

3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【0312】
【化138】

ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない、少なくとも1種のシラン試薬は、アルキル−トリメトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシランおよびN,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンからなる群より選択される。
【0313】
ポリマーのアレイを調製する方法の、なお別の好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、マスクされたシラン化試薬を含有する。
【0314】
好ましいマスクされたシラン化試薬としては、以下が挙げられる:
3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0315】
【化139】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0316】
【化140】

および
3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【0317】
【化141】

好ましくは、マスクされたシラン化試薬は、このマスクされたシラン化試薬の蒸着によって適用される。このマスクされたシラン化試薬は、好ましくは、脱保護されて、ポリマー合成を支持し得る脱保護された官能基を提供する。
【0318】
ポリマーのアレイを調製する方法のなお別の好ましい実施形態において、シラン化組成物は、2種以上のシラン化試薬の混合物を含有し、ここで、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランであり、そしてポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである。
【0319】
ポリマーのアレイを調製する方法のなお別の好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり、そしてポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである。
【0320】
ポリマーのアレイを調製する方法のなお別の好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とは、所定の比で存在する。
【0321】
好ましくは、この所定の比は、モル比である。
【0322】
ポリマーのアレイを調製する方法のなお別の好ましい実施形態において、ポリマーの合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と、ポリマーの合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とのW/V比は、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲にある。
【0323】
より好ましくは、このW/V比は、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲である。なおより好ましくは、この比は、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲である。最も好ましくは、この比は、それぞれ、約100:1〜99:1である。
【0324】
ポリマーのアレイを調製する方法のなお別の好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンであり、そしてポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0325】
ポリマーのアレイを調製する方法のなお別の好ましい実施形態において、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランとのW/V比は、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲である。より好ましくは、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランとのW/V比は、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲である。なおより好ましくは、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランとのW/V比は、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲である。最も好ましくは、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランとのW/V比は、それぞれ、約100:1である。
【0326】
ポリマーのアレイを調製する方法の他の好ましい実施形態において、シラン化組成物は、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランと1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンとの混合物を含有しない。別の好ましい実施形態において、この組成物は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンを含有しない。
【0327】
本発明の別の局面によれば、基材の表面にポリマーのアレイが提供され、ここで、この基材の表面は、2種以上のシラン化試薬の混合物を含有するシラン化組成物によって、シラン化され、ここで、少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、そして少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない。
【0328】
好ましくは、このポリマーは、核酸である。このポリマーはまた、好ましくは、ポリペプチドである。
【0329】
基材の表面のポリマーのアレイの好ましい実施形態において、シラン化組成物は、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンと、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのうちの一方とを含有する。
【0330】
基材の表面のポリマーのアレイの好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、以下からなる群より選択され:
N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド
【0331】
【化142】

N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
【0332】
【化143】

3−((2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン
【0333】
【化144】

N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン
【0334】
【化145】

1,2−ビス((2−ヒドロキシエチル)(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノエタン
【0335】
【化146】

3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0336】
【化147】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0337】
【化148】

3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【0338】
【化149】

ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない、少なくとも1種のシラン試薬は、アルキル−トリメトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシランおよびN,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンからなる群より選択される。
【0339】
基材の表面のポリマーのアレイの好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、マスクされたシラン化試薬を含有する。
【0340】
好ましいマスクされたシラン化試薬としては、以下が挙げられる:
3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【0341】
【化150】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【0342】
【化151】

および
3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【0343】
【化152】

好ましくは、マスクされたシラン化試薬は、好ましくは、脱保護されて、ポリマー合成を支持し得る脱保護された官能基を提供する。
【0344】
基材の表面のポリマーのアレイの好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランであり、そしてポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである。
【0345】
基材の表面のポリマーのアレイの好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり、そしてポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである。
【0346】
基材の表面のポリマーのアレイの好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とは、所定の比で存在する。
【0347】
好ましくは、この所定の比は、モル比である。基材の表面のポリマーのアレイの好ましい実施形態において、ポリマーの合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と、ポリマーの合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とのモル比は、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲にある。より好ましくは、このW/V比は、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲である。なおより好ましくは、この比は、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲である。最も好ましくは、この比は、それぞれ、約100:1〜99:1である。
【0348】
基材の表面のポリマーのアレイの好ましい実施形態において、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンであり、そしてポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬は、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0349】
基材の表面のポリマーのアレイの好ましい実施形態において、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランとのW/V比は、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲である。より好ましくは、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランとのW/V比は、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲である。より好ましくは、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランとのW/V比は、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲である。最も好ましくは、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランとのW/V比は、それぞれ、約100:1である。
【0350】
ポリマーのアレイの別の好ましい実施形態において、シラン化組成物は、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランと1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンとの混合物を含有しない。別の好ましい実施形態において、この組成物は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンを含有しない。
【0351】
本発明の1つの局面によれば、基材を、2種以上のシラン化試薬でシラン化する方法が提供され、ここで、少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まず、そして少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、この基材は、シリカまたは他のケイ素酸化物を含有する表面を有し、この方法の工程は、以下を包含する:
a.基材を提供する工程;
b.この基材を、無水エタノール中に、一定時間にわたり浸漬する工程;
c.この基材を、シラン混合物の容器内に移し、一定時間おく工程であって、このシラン混合物は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬、およびポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬を含有する、工程;ならびに
d.この基材を2−プロパノールでリンスする工程。
【0352】
好ましくは、このシラン混合物は、1:99モル%のBisbシランおよびBTSMEシランである。好ましい実施形態において、このBisbシランとBTSMEシランとのシラン混合物は、無水アルコール、脱イオン水をさらに含有し、そして上記一定時間は、約60分間である。
【実施例】
【0353】
(I.1:99モル濃度のBisb:BTMSE混合物を用いる基材のシラン化)
以下の手順を使用して、R&Dおよび実験の目的で、ウエハをシラン化した。
【0354】
(定義)
・Bisb:65%メタノール中のN−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン
・BTMSE:ビス(トリメトキシシリル)エタン
・SRD:スピンリンスドライヤー
・DI HO:脱イオン水
・RPM:1分間あたりの回転数
・基材:ウエハまたはスライド。
【0355】
(手順)
洗浄して乾燥させた、4つの8インチ×8インチのタンクを準備した。これらのタンクを、以下のように指定した:タンク番号1 試薬アルコール、タンク番号2 シラン浴、タンク番号3 2−プロパノール浴リンス番号1、およびタンク4 2−プロパノール浴リンス番号2。
【0356】
タンク番号1を、6.0Lの試薬アルコールをこのタンクに添加することによって、準備した。
【0357】
タンク番号2(1:99モル%のBisb:BTMSEシラン溶液)を、以下のように調製した:5610mLの試薬アルコールを、310mLのDI HOと混合し、そして3分間攪拌した。攪拌後、40mLのBTMSE架橋剤を、100mLのメスシリンダーに量り取り、そしてタンク番号2にゆっくりと添加した。40mLの試薬アルコールを、タンク番号2にゆっくりと注ぎ、そして3分間攪拌した。最後に、780μLのBisbシランを、タンク番号2にゆっくりと添加し、引き続いて、この混合物を、シラン化前に、最低4時間〜最大12時間攪拌した。
【0358】
タンク番号3とタンク番号4との両方を使用して、基材を2−プロパノールでリンスした。各々が、6Lのアルコールを含んだ。
【0359】
最初に、シラン化されるべき基材を、秤量した基材カセットに移すことによって、シラン化を行った。これらのカセットを、タンク番号1「試薬アルコール」に数回、合計約3分間浸漬した。
【0360】
タンク番号1への3分間の浸漬後、これらのカセットをすぐに、タンク番号2「シラン」に移し、基材全体を浸漬した。オービタルシェーカーを使用し、そしてこれらのカセットを、約60分間、タンク番号2に曝露したままにした。
【0361】
60分間の曝露の直後に、これらのカセットを、タンク番号3「2−プロパノール」リンス番号1に移し、5分間おいた。次いで、これらのカセットをタンク番号4「2−プロパノール」リンス番号2に移し、5分間置いた。
【0362】
(II.官能性シランおよび非官能性シラン)
種々の官能性シランおよび非官能性シランを、様々なモル比で調製して、どの混合物が適切なヒドロキシル密度(pmol/cm)を提供するかを試験した。2つの官能性シランおよび2つの非官能性シランを、図1に示す。
【0363】
(III.シラン化のための処方物:R2+Bisb)
非官能性シラン対官能性シランのどのモル比が、望ましいヒドロキシル密度を提供するかを試験するために、種々のモル比のシラン化溶液を調製した。これらを、図2に示す。
【0364】
(IV.R2/Bisbによる官能性ヒドロキシル密度決定)
基材上の官能性ヒドロキシルの密度を、実施例2のシラン混合物を使用して決定した。その結果を、図3に示す。
【0365】
(V.官能性シランと非官能性シランとのモル比)
2つの他の官能性シランと非官能性シランとの適切なモル比を決定するために、3つの異なるモル比のR2/R1(98、50、および10)を有する3つの異なるシラン化溶液を調製した。これらの組成を、図4に示す。
【0366】
(VI.官能性ヒドロキシル密度の決定:R2/R1)
R2/R1溶液によって提供される、基材上のpmol/cmでのヒドロキシル密度を決定した。そのデータを図5に与える。
【0367】
(VII.官能性シランおよび非官能性シランを有する高密度アレイの製造)
官能性シランに対して高い割合の非官能性シランを用いて、非官能性シランおよび官能性シランを有する基材が、改善されたハイブリダイゼーション結果を生じるか否かを決定するために、高密度アレイを構築した。3ミクロンのフィーチャーおよび25マーのプローブを有する1つの高密度アレイを、2つのシラン溶液(Bisb(官能性シラン)を含有する)を使用して、基材上に約60pmol/cmで製造した。
【0368】
第二のアレイを、1:99のBisb:BTMSE(非官能性シラン)を使用して構築した。このシランは、約20pmol/cmの官能性ヒドロキシル密度を提供した。第二のアレイもまた、3ミクロンのフィーチャーおよび25マーのプローブを有した。
【0369】
両方のアレイを、20mM DNA標的/SAPEに16時間ハイブリダイズした。Bisbアレイは、ハイブリダイゼーションの16時間後に、信号を与えず、そして85のバックグラウンド強度を与えた。逆に、Bisb:BTMSE(1:99の比)は、高い信号のハイブリダイゼーション結果、(0,60,000)の表示範囲および良好な信号(強度約60,000)を与えた。
【0370】
Bisbアレイがより良好な信号を、より長いハイブリダイゼーションで与え得るか否かを決定するために、上記のものと同じBisbアレイを、20mM DNA/SAPEに112時間ハイブリダイズした。112時間のハイブリダイゼーション後に、信号は改善されず、0,20,000のみ(16時間のみハイブリダイズしたBisb:BTMSEアレイの3分の1)の表示範囲を与えた。強度も同様に改善されたが、Bisb:BTMSEについての40,000に対して、ほんの16,000であった。
【0371】
従って、Bisb:BTMSE(1:99の比)シラン組成物は、Bisbアレイと比較して、劇的に増加した信号を提供した。ハイブリダイゼーション結果は、Bisbアレイについて、112時間ハイブリダイズすることによって改善され得たが、表示範囲および信号強度は、依然として、ほんの16時間のハイブリダイゼーション後のBisb:BTMSEアレイより低かった。さらに、112時間のハイブリダイゼーションは、高密度アレイを用いる通常の実験に対して実用的ではない。
【0372】
これらの実験の結果を、図6に示す。
【0373】
本明細書中で参照される全ての刊行物、特許および特許出願は、その全体が、本明細書中に参考として援用される。
【0374】
上記説明は、説明であり、限定ではない。本発明の多くのバリエーションが、本開示を再検討すると、当業者に明らかになる。例のみとして、種々の基材、ポリマー、開始剤、合成開始部位、および他の材料が、本発明の範囲から逸脱することなく、使用され得る。
【0375】
(要約)
2種以上のシラン化試薬の混合物を含むシラン化混合物(ここで少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない)は、表面の活性部位密度および加水分解安定性を調節するのに有用である。これらの組成物は、ポリマーアレイの調製の前に表面をシラン化するのに特に有用であり、そして増加したハイブリダイゼーション結果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0376】
【図1】図1は、2種の非官能性シラン化合物(ビス(3−メチルアミノ)プロピル)トリメトキシシラン(R2)およびビス(トリメトキシシリル)エタン(BTMSE))および2種の官能性シラン(N−(ヒドロキシエチル)−N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン(R2)およびN−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン)を描写する。
【図2】図2は、R2+Bisbの種々の混合物の、シラン化のための処方物を描写する。
【図3】図3は、種々のR2およびBisb混合物に対する官能性ヒドロキシル密度定量を描写する。
【図4】図4は、R1およびR2のシラン化のための処方物を描写する。
【図5】図5は、種々のR2/R1混合物に対する官能性ヒドロキシル密度決定を描写する。
【図6】図6は、25マー試験パターンの3μmアレイの高効率PAG/DMT合成および対応するハイブリダイゼーションシグナルを描写する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シラン化組成物であって、該シラン化組成物は、2種以上のシラン化試薬の混合物を含み、ここで少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない、シラン化組成物。
【請求項2】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、
【化1】

ならびにマスクされた官能性シラン基:
【化2】

【化3】

および
【化4】

からなる群より選択され、ここでRは、CHまたはC(O)であり;Rは、Hまたは(CH−Si−(O−(CH−CHであり;xは、3〜7であり、nは、1〜5であり;そしてzは、0〜5であり;R、RおよびRは独立にメチルまたはエチルであり;R、R、R、R、R10およびR11は、メチルまたはエチルであり;R12、R13およびR14は、独立にメチルまたはエチルであり、そしてここで前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、アルキルトリメトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、およびN,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンからなる群より選択される、請求項1に記載のシラン化組成物。
【請求項3】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、マスクされたシラン化試薬である、請求項1に記載のシラン化組成物。
【請求項4】
前記マスクされたシラン化試薬が、
3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【化5】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12)−アルキル)−トリエトキシシラン、
【化6】

および3−グリシドオキシプロピルトリエトシキシラン
【化7】

からなる群より選択される、請求項3に記載のシラン化組成物。
【請求項5】
2種以上のシラン化試薬の混合物を含み、ここで前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランであり、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタンである、請求項1に記載のシラン化組成物。
【請求項6】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタンである、請求項1に記載のシラン化組成物。
【請求項7】
ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬およびポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬の2種以上のシラン化試薬の混合物を含み、ここで該ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と該ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とが、所定の比で存在する、請求項1に記載のシラン化組成物。
【請求項8】
前記所定の比がモル比である、請求項7に記載のシラン化組成物。
【請求項9】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬および前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬のモル比が、それぞれ、5:1〜500:1の範囲で存在する、請求項8に記載のシラン化組成物。
【請求項10】
前記モル比が、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲にある、請求項9に記載のシラン化組成物。
【請求項11】
前記モル比が、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲にある、請求項10に記載のシラン化組成物。
【請求項12】
前記モル比が、約99:1である、請求項11に記載のシラン化組成物。
【請求項13】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンであり、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトシキシランである、請求項8に記載のシラン化組成物。
【請求項14】
1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトシキシランのW/V比が、ぞれぞれ、約5:1〜500:1である、請求項13に記載のシラン化組成物。
【請求項15】
1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトシキシランのW/V比が、ぞれぞれ、約5:1〜200:1の範囲である、請求項14に記載のシラン化組成物。
【請求項16】
1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトシキシランのW/V比が、ぞれぞれ、約50:1〜100:1の範囲である、請求項15に記載のシラン化組成物。
【請求項17】
1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトシキシランのW/V比が、ぞれぞれ、約99:1である、請求項16に記載のシラン化組成物。
【請求項18】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンであり、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンからなる群より選択される、請求項1に記載のシラン化組成物。
【請求項19】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンであり、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンからなる群より選択され、そしてW:V比が、それぞれ、約5:1〜500:1である、請求項8に記載のシラン化組成物。
【請求項20】
ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン対N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランまたはN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのW:V比が、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲である、請求項19に記載のシラン化組成物。
【請求項21】
ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン対N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランまたはN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのW:V比が、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲である、請求項20に記載のシラン化組成物。
【請求項22】
ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン対N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランまたはN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのW:V比が、それぞれ、約99:1である、請求項21に記載のシラン化組成物。
【請求項23】
前記組成物が、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランおよび1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンの混合物を含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンを含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
表面をシラン化する方法であって、該方法は、シリカまたは他のケイ素酸化物含有表面を、2種以上のシラン化試薬の混合物を含むシラン化組成物と接触させる工程を包含し、ここで少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まず、少なくとも1種のシラン化組成物は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含む、表面をシラン化する方法。
【請求項26】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、
N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド
【化8】

N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
【化9】

3−((2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン
【化10】

N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン
【化11】

1,2−ビス((2−ヒドロキシエチル)(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノエタン
【化12】

3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【化13】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【化14】

3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【化15】

からなる群より選択され、そしてここで前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、アルキルトリメトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、およびN,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンからなる群より選択される、請求項25に記載の表面をシラン化する方法。
【請求項27】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである、請求項25に記載の表面をシラン化する方法。
【請求項28】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、マスクされたシラン化試薬を含む、請求項25に記載の表面をシラン化する方法。
【請求項29】
前記マスクされたシラン化試薬が、
3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【化16】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12)−アルキル)−トリエトキシシラン、
【化17】

および3−グリシドオキシプロピルトリエトシキシラン
【化18】

からなる群より選択される、請求項28に記載の表面をシラン化する方法。
【請求項30】
前記シリカまたは他のケイ素酸化物含有表面を接触させる工程が、前記マスクされたシラン化試薬の蒸着を包含する、請求項28に記載の表面をシラン化する方法。
【請求項31】
前記マスクされたシラン化試薬を脱保護して、ポリマー合成を支持し得る脱保護された官能基を提供する工程、
をさらに包含する、請求項28に記載の表面をシラン化する方法。
【請求項32】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンであり、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンからなる群より選択される、請求項25に記載の表面をシラン化する方法。
【請求項33】
前記組成物が、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランおよび1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンの混合物を含まない、請求項25に記載の表面をシラン化する方法。
【請求項34】
前記組成物が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンを含まない、請求項25に記載の表面をシラン化する方法。
【請求項35】
ポリマーのアレイを調製する方法であって、
基材を提供する工程;
該基材のシリカまたは他のケイ素酸化物を含有する表面を、2種以上のシラン化試薬の混合物を含むシラン化組成物と接触させる工程を包含し、ここで少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、少なくとも1種のシラン化組成物は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない、工程;
該ポリマー合成を支持し得る官能基を保護基で保護する工程、または該ポリマー合成を支持し得る官能基と保護基により保護された反応性基を有する化合物とを反応させる工程;
該表面の選択された領域で該保護基を除去し、露出された官能基または反応基を提供する工程;
該露出された基をモノマーと反応させる工程であって、該モノマーは、該露出された基と連結される、工程;ならびに
除去する工程と反応させる工程とを繰り返して、ポリマーのアレイを生成する工程、
を包含する、ポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項36】
前記ポリマーが核酸である、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項37】
前記ポリマーがポリペプチドである、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項38】
前記シラン化組成物が、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンと、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのうちの1つとを含む、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項39】
前記シラン化組成物が、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンおよびN−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを含む、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項40】
前記シラン化組成物が、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンを含む、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項41】
前記保護基が、光により除去可能な保護基である、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項42】
前記保護基が、酸不安定性保護基である、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項43】
前記除去する工程が、
所定の波長を有する光の選択的適用により、前記選択された領域において光酸発生剤を活性化し、酸を提供する工程;および
前記保護基を該酸に暴露する工程、
を包含する、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項44】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、
N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド
【化19】

N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
【化20】

3−((2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン
【化21】

N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン
【化22】

1,2−ビス((2−ヒドロキシエチル)(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノエタン
【化23】

3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【化24】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【化25】

3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【化26】

からなる群より選択され、そしてここで前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、アルキルトリメトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、およびN,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンからなる群より選択される、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項45】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、マスクされたシラン化試薬を含む、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項46】
前記マスクされたシラン化試薬が、以下:
3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【化27】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【化28】

および
3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【化29】

からなる群より選択される、請求項45に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項47】
前記シリカまたは他のケイ素酸化物を含有する表面を接触させる工程が、前記マスクされたシラン化試薬の蒸着を包含する、請求項45に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項48】
前記マスクされたシラン化試薬を脱保護して、ポリマー合成を支持し得る脱保護された官能基を提供する工程、
をさらに包含する、請求項45に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項49】
前記シラン化組成物が、2種以上のシラン化試薬の混合物を含み、ここで前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N,N−ビス(2−ヒドロキシ)−3−アミノプロピルトリエトキシシランであり、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項50】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項51】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とが、所定の比で存在する、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項52】
前記所定の比が、モル比である、請求項51に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項53】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とのモル比が、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲で存在する、請求項52に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項54】
前記モル比が、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲に存在する、請求項53に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項55】
前記比が、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲に存在する、請求項54に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項56】
前記比が、それぞれ、約99:1である、請求項55に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項57】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンであり、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランである、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項58】
前記ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランに対する1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンの比が、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲にある、請求項57に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項59】
前記1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのモル比が、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲にある、請求項58に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項60】
前記1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのモル比が、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲にある、請求項59に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項61】
前記1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのモル比が、それぞれ、約99:1である、請求項60に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項62】
前記組成物が、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランおよび1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンの混合物を含まない、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項63】
前記組成物が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンを含まない、請求項35に記載のポリマーのアレイを調製する方法。
【請求項64】
基材の表面上のポリマーのアレイであって、該基材の表面はシラン化組成物でシラン化されており、該シラン化組成物は、2種以上のシラン化試薬の混合物を含み、ここで少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、少なくとも1種のシラン化組成物は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない、基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項65】
前記ポリマーが核酸である、請求項64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項66】
前記ポリマーがポリペプチドである、請求項64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項67】
前記シラン化組成物が、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンと、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−2−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンのうちの1つを含む、請求項64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項68】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、
N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド
【化30】

N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
【化31】

3−((2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン
【化32】

N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン
【化33】

1,2−ビス((2−ヒドロキシエチル)(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノエタン
【化34】

3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【化35】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12−アルキル)−(トリエトキシシラン)
【化36】

3−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン
【化37】

からなる群より選択され、そしてここで前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、アルキルトリメトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、およびN,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミンからなる群より選択される、請求項64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項69】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、マスクされたシラン化試薬を含む、請求項64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項70】
前記マスクされたシラン化試薬が、
3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
【化38】

(トリメトキシシリルオキシ)−(C〜C12)−アルキル)−トリエトキシシラン、
【化39】

および3−グリシドオキシプロピルトリエトシキシラン
【化40】

からなる群より選択される、請求項69に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項71】
前記マスクされたシラン化試薬が脱保護され、ポリマー合成を支持し得る脱保護された官能基が提供される、請求項69に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項72】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランであり、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである、請求項64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項73】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンである、請求項64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項74】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とが、所定の比で存在する、請求項64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項75】
前記所定の比が、モル比である、請求項74に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項76】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬と、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬とのモル比が、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲で存在する、請求項75に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項77】
前記モル比が、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲に存在する、請求項76に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項78】
前記比が、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲に存在する、請求項77に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項79】
前記比が、それぞれ、約99:1である、請求項78に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項80】
前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンであり、前記ポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬が、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランである、請求項64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項81】
前記1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのモル比が、それぞれ、約5:1〜500:1の範囲にある、請求項80に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項82】
前記1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのモル比が、それぞれ、約5:1〜200:1の範囲にある、請求項81に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項83】
前記1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのモル比が、それぞれ、約50:1〜100:1の範囲にある、請求項82に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項84】
前記1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン対ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのモル比が、それぞれ、約99:1である、請求項83に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項85】
前記組成物が、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランおよび1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンの混合物を含まない、請求項64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項86】
前記組成物が、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンを含まない、請求項64に記載の基材の表面上のポリマーのアレイ。
【請求項87】
2種以上のシラン化試薬の混合物を用いて基材をシラン化する方法であって、ここで少なくとも1種のシラン化試薬は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まず、少なくとも1種のシラン化組成物は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含み、該基材はシリカまたは他のケイ素酸化物含有表面を含み、該方法は、
a.基材を提供する工程;
b.該基材を、ある設定期間の間、無水エタノールに浸漬する工程;
c.設定時間の間、該基材をシラン混合物の容器中に移動させる工程であって、該シラン混合物は、ポリマー合成を支持し得る官能基を含まない少なくとも1種のシラン化試薬およびポリマー合成を支持し得る官能基を含む少なくとも1種のシラン化試薬を含む、工程;および
d.該基材を2−プロパノールでリンスする工程、
を包含する、方法。
【請求項88】
前記シラン混合物が、1:99モル%のN−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンおよびビス(トリメトキシシリル)エタンであり、ここで該シラン混合物は、さらに無水アルコール、脱イオン水をさらに含み、そして前記設定時間が約60分である、請求項87に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−314746(P2007−314746A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−215118(P2006−215118)
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【出願人】(399125757)アフィメトリックス インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】