説明

シリコーンを含有するポリウレタンフォーム

本発明は、発泡性調製物、前記調製物中に含まれる式:V−(NHC(O)R12p-m-n(NHC(O)R14[SiR2O]a−SiR241H)m(NHC(O)NR52n (I)[式中、基及び添え字は、請求項1で示される意味を有する]、低い密度を有するシリコーン含有ポリウレタンフォーム並びにその製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ケイ素化合物を基礎とする発泡性調製物、該調製物中に含まれるシロキサン、低い密度を有するシリコーン含有ポリウレタンフォーム並びにその製造方法に関する。
【0002】
ポリウレタンフォームは、一般的に、ポリイソシアネートと、2個以上の活性水素原子を含有する化合物との反応によって製造される。活性水素原子を含有する化合物は、通常、ポリオール、第一級及び第二級のポリアミン並びに水である。これらの反応物間で、ポリウレタンフォームの製造中に2つの主だった反応が行われる。これらの反応は、所望の物理特性を得るために、処理の間、基本的に同時にかつ競合的平衡速度で進行しなければならない。イソシアネートとポリオール又はポリアミンとの間の、通常、ゲル反応とも呼ばれる反応は、高い分子量を有するポリマーの形成をもたらす。この反応の続行は、混合物の粘度を高め、また一般的に、多官能性ポリオールによる橋架け形成(Quervernetzungsbildung)に寄与する。2つ目の主だった反応は、ポリイソシアネートと水との間で行われる。この反応は、ウレタンポリマー成長に寄与し、かつ発泡を補助する二酸化炭素ガスの形成にとって重要である。それに応じて、この反応は、しばしば発泡反応(Treibreaktion)と呼ばれる。ゲル反応のみならず発泡反応もフォームの形で行われ、それらは部分的に又は完全に二酸化炭素ガスにより発泡される。例えば二酸化炭素発生がゲル反応と比較して速すぎる場合、フォームは崩壊しやすい。代替的に、ゲル膨潤反応が、二酸化炭素を生む発泡反応と比較して速すぎる場合、フォーム増大は限られ、これにより高密度フォームが生み出される。同様に、適合が不十分な橋架け反応が、フォーム安定性に不利に作用する。使用されるポリオールは、一般的にポリプロピレングリコールであり、それらは公知技術に従って多岐にわたるトポロジーで製出されることができ、かつ分子量、分岐度及びOH価の点で互いに区別される。これらのポリオールの幅広い構造ヴァリエーション及びそれと関連して、ほぼ全ての適用のためにポリウレタンフォームの調整が行われているにも関わらず、商業的に入手可能なポリウレタンフォームは、固有燃焼性を深刻な欠点として有している。ここ数十年間においてポリマーフォームの難燃特性を改善する集約的な研究活動が行われていなかったにせよ、多大な労力にも関わらず、絶対的に不燃性の軟質PUフォームを市場に定着させることはこれまで成功していない。
【0003】
難燃化された軟質PUフォームを得るための1つの方法は、シリコーン−ポリウレタン軟質フォームを用いて行われる。この場合、標準PUフォーム中で使用される、良好な可燃性のポリオール成分の代わりに、不燃性のOH末端シロキサンが用いられる。シリコーン−ポリウレタンコポリマー、すなわち、ポリウレタン単位及び/又は尿素単位も含有するポリシロキサンの使用によって、新規の、そのつどの適用を目的にして正確に準備された特性の組み合わせを有する、この種の不燃性のフォーム体を開発することが可能である。これに関して、例えばEP1485419B1が参照され、これには、アルキルアミノ末端又はアルキルヒドロキシ末端のシリコーン油とジイソシアネートから出発する、いわゆる"ワンショット法(One-Shot-Verfahren)"でのシリコーン−ポリウレタンフォーム体の製造が記載されている。さらに、DE102006013416A1は、アルキルアミノ末端又はアルキルヒドロキシ末端のシリコーン油及びジイソシアネートを基礎として、溶媒に基づく処理において製造されるプレポリマーからのシリコーン−PUフォームの製造を記載する。
【0004】
これまでに記載されるシリコーン−ポリウレタンフォームに共通していることは、それらが、線状のシロキサン又は非常に僅かでしかないが、側鎖でランダムに分岐したシロキサンを基礎として製造されることである。この線状シロキサン鎖に基づき、フォーミングに際して、上昇段階中に急速な分子量形成は行われないため、上昇段階中に比較的緩慢な粘度上昇しか生じず、これによってポリマーマトリックスは、発泡反応の完了後も、通例は軽度に流動性であり、それゆえ微細なセル構造は、依然としてフォームの完全な硬化前に崩壊する可能性がある。セル構造の僅かな部分のみが崩れる場合ですら、これは不規則で粗いセル分布をもたらす。線状ポリオール成分を使用した場合のセル崩壊を防止するために、個々のフォームセル間の支え(Verstrebungen)は、上昇段階中に臨界直径を下回ってはならない。そのようにして、なお流動性のポリマーマトリックスは、フォーム構造の差し迫った崩壊に抵抗できる状態に保たれる。しかしながら、所望のフォーム密度の選択が低すぎる場合、セルの支えは上昇段階中にますます希薄となり、最終的には、セル構造を安定化するには柔軟になりすぎてしまう。それに即して、線状シロキサンを用いて、一般的に、100kg/m3より明らかに高い密度を有するシリコーン−PUフォームのみが得られる。
【0005】
超分岐ポリマーは、既に公知であり、例えば、総説:C.GaO.Yan;Prog.Polym.Sci.,2004,24,183−275中に、合成、特性及び適用に関して詳説される。超分岐ポリマーは、樹状高分子に数えられ、かつ線状の主鎖に主として一次分岐又は二次分岐を有する通常の分岐ポリマーより高い分岐度を有する。超分岐ポリマーの合成のために、ダイバージェント合成法がこれまで用いられており、その際、モノマーは、互いに反応するが、それ自体では反応しない、正確には2つの異なる種類の官能基を有し、その際、該モノマーの官能価は、計2より大きい。適したモノマーの例は、1個の官能基Aと2個の官能基Bを有するモノマー、つまりAB2モノマーである。原則的に、x>1の全てのABxモノマーを使用することができる。しかしながら、単分子重合におけるABxモノマーの使用は、A基とB基との反応が、それがポリマー合成において所望されている場合に初めて互いに反応する場合、つまり、触媒の添加後に又は温度上昇によって反応する場合にのみ可能である。それゆえ、これの代替案として、超分岐ポリマーの合成は、そのつど単に1種類の官能基を、しかし、種々の数で有する2つの異なるモノマー型、例えばA3構成単位及びB2構成単位を用いても行うことができる。これらの2つのA3型及びB2型の反応によって、次いでin situでA2B及びAB2モノマーブロックが得られる(二分子重合:一般的にAx及びByを用い、その際、x>1かつy>2である)。かかる方法は、一般的に公知であり、例えばUS−B6,534,600に記載されている。
【0006】
さらに、これまでに記載されるシリコーン−PUフォームでは、低い密度を有するシリコーン−PUフォームが得られるべき場合に、NCO末端シリコーンポリマーが使用されなければならないことが欠点である。相応するプレポリマーの製造は、一方で、付加的な合成工程と結び付いており、他方で、かかるプレポリマーは、殊に、高められた温度で、貯蔵安定性を限られた形でしか有さない。
【0007】
それにより、古典的な"ワンショット法"を、フォーム製造に際して利用することができる方法が望まれる。この方法では、ポリオール成分及びイソシアネート成分が互いに無関係に製造され、フォーミングプロセスにて初めて相互に反応される。
【0008】
本発明の対象は、式
V−(NHC(O)R12p-m-n(NHC(O)R14[SiR2O]a−SiR241H)m(NHC(O)NR52n (I)
[式中、
Vは、ヘテロ原子を含有してよい、p価の炭化水素基を意味し、
Rは、同じであるか又は異なっていてよく、かつ1価の、場合により置換された炭化水素基を意味し、
1は、同じであるか又は異なっていてよく、かつ−O−、−S−又は−NR3−を意味し、
2は、同じであるか又は異なっていてよく、かつ水素原子及び1価の、場合により置換された炭化水素基を表し、
3は、水素原子又は1価の、場合により置換された炭化水素基を意味し、
4は、同じであるか又は異なっていてよく、かつ2価の、場合により置換された炭化水素基を意味し、
5は、同じであるか又は異なっていてよく、かつ水素原子又は場合により置換された炭化水素基を意味し、
aは、1以上の整数、有利には1〜1000、特に有利には5〜500、殊に10〜100を意味し、
pは、2以上の整数、有利には2〜20、特に有利には3又は4を意味し、
mは、1以上の整数、有利には1〜19、特に有利には1〜3を意味し、
nは、1以上の整数、有利には1〜19、特に有利には1〜3を意味する]のシロキサン(A)であり、但し、pはm+n以上である。
【0009】
Rの例は、アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、例えばn−ヘキシル基、ヘプチル基、例えばn−ヘプチル基、オクチル基、例えばn−オクチル基及びイソオクチル基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル基、ノニル基、例えばn−ノニル基、デシル基、例えばn−デシル基、ドデシル基、例えばn−ドデシル基;アルケニル基、例えばビニル基及びアリル基;シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びメチルシクロヘキシル基;アリール基、例えばフェニル基及びナフチル基;アルカリール基、例えばo−、m−、p−トリル基、キシリル基及びエチルフェニル基;アラルキル基、例えばベンジル基、α−フェニルエチル基及びβ−フェニルエチル基である。
【0010】
置換された炭化水素基Rの例は、アルコキシアルケニル基、例えばメトキシメチレン基及びエトキシメチレン基、ヒドロキシアルキレン基、例えば2−ヒドロキシエチレン基、及びアミノアルキレン基、例えばジメチルアミノメチレン基、ジエチルアミノメチレン基、2−アミノエチレン基及びN−メチルアミノエチレン基である。
【0011】
有利には、基Rは、1価の、場合により置換された、炭素原子1〜40個を有する炭化水素基、特に有利には、炭素原子1〜6個を有する炭化水素基、殊にメチル基である。
【0012】
基R3の例は、水素原子及び、基Rについて示された例である。
【0013】
有利には、基R3は、水素原子である。
【0014】
有利には、R1は、−O−である。
【0015】
基R2の例は、水素原子並びに、基Rについて挙げられた例である。
【0016】
有利には、基R2は、炭素原子1〜6個を有する炭化水素基、特に有利にはメチル基である。
【0017】
基R4の例は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキサメチレン基、メチルオキシエチレン基、トリレン基、メチレン−ビス−フェニレン基、フェニレン基、ナフチレン基、シクロヘキシレン基及びイソホロン基である。
【0018】
有利には、R4は、二価の、脂肪族の、ヘテロ原子で中断されていてよい炭化水素基、特に有利にはプロピレン基、メチレン基及びメチルオキシエチレン基、有利にはメチレン基及びメチルオキシエチレン基、殊にメチレン基である。
【0019】
5の例は、基Rについて示された例である。
【0020】
有利には、R5は、水素原子、場合によりヒドロキシル基で置換された炭化水素基、特に有利には、場合によりヒドロキシル基で置換された炭化水素基、殊に、炭素原子1〜6個を有するアルキル基及び炭素原子1〜6個を有するヒドロキシアルキル基である。
【0021】
基Vの例は、任意かつ、これまで公知の多価の、脂肪族又は芳香族の、ヘテロ原子を有してよい炭化水素基、例えば1,3,4−ベンゼン基、1,3,5−シアヌレート基、N,N,N'−ビウレット基、4,4',4''−トリフェニルメタン基及びポリ((4−フェニル)−コ−ホルムアルデヒド)基である。
【0022】
有利には、基Vは、炭素原子1〜50個、特に有利には炭素原子6〜30個を有する多価基である。
【0023】
特に有利には、Vは、多価の、芳香族の、場合によりヘテロ原子を含有する炭化水素基、特に有利には、多価芳香族の、場合により窒素及び酸素を含有する炭化水素基、殊に、多価芳香族の、場合により窒素及び酸素を含有する、炭素原子6〜30個を有する炭化水素基である。
【0024】
本発明による式(I)のシロキサン(A)において、m+nの合計は、有利にはpと同じである。
【0025】
本発明による式(I)のシロキサン(A)は、そのつど25℃で、かつASTM D 4283に従って測定して、有利には100〜10000mPas、特に有利には500〜5000mPasの粘度を有する。
【0026】
本発明によるシロキサン(A)は、有利には超分岐している。
【0027】
本発明によるシロキサン(A)は、ケイ素化学において慣用の方法により製造されることができる。
【0028】
有利には、本発明によるシロキサン(A)は、
(i)線状α,ω−アミノオルガニル官能化された又はα,ω−ヒドロキシオルガニル官能化されたシロキサンと
(ii)ポリイソシアネート及び
(iii)アミン
との反応によって製造可能なものである。
【0029】
本発明のさらなる一対象は、
(i)線状α,ω−アミノオルガニル官能化された又はα,ω−ヒドロキシオルガニル官能化されたシロキサンと
(ii)ポリイソシアネート及び
(iii)アミン
との反応によるシロキサン(A)の製造方法である。
【0030】
成分(i)は、有利には、式
HR14[SiR2O]a−SiR241H (II)、
[式中、R、R1、R4及びaは、そのつどそれらについて上で示された意味を有する]のシロキサンである。
【0031】
成分(i)の例は、
HOCH2−[SiMe2O]2-100−SiMe2CH2OH、
HOCH2−CH2−OCH2−[SiMe2O]2-100−SiMe2CH2O−CH2−CH2OH、
2NCH2−[SiMe2O]2-100−SiMe2CH2NH2
2NCH2−CH2−CH2−[SiMe2O]2-100−SiMe2CH2−CH2−CH2NH2
3C−HNCH2−CH2−CH2−[SiMe2O]2-100−SiMe2CH2−CH2−CH2NH−CH3であり、
その際、Meはメチル基である。前述の線状シロキサンは、製造条件により、全単位の0.1%まで分岐を、例えばMeSiO3/2単位又はSiO4/2単位において有してよい。
【0032】
有利には、成分(i)は、
HOCH2−[SiMe2O]2-100−SiMe2CH2OH、
HOCH2−CH2−OCH2−[SiMe2O]2-100−SiMe2CH2O−CH2−CH2OHであり、その際、HOCH2−[SiMe2O]2-100−SiMe2CH2OHが特に有利である。
【0033】
シロキサン(i)は、市販製品であるか、もしくはケイ素化学において慣用の方法により製造されることができる。
【0034】
本発明により使用されるポリイソシアネート(ii)は、全ての公知のジイソシアネート又はポリイソシアネートである。
【0035】
有利には、ポリイソシアネート(ii)として、一般式
V(NCO)p (III)
のポリイソシアネートが使用され、その際、V及びpは、そのつど上述の意味を有する。
【0036】
ポリイソシアネート(ii)の例は、ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)であり、粗製MDI又は工業用MDIの形態のみならず、純粋な4,4'−もしくは2,4'−異性体の形態でもよく、又はそれらの調製物、種々の位置異性体の形態でのトリレンジイソシアネート(TDI)、ジイソシアナトナフタリン(NDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(TMXDI)又はそれにヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、並びにポリマーMDI(p−MDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート又は上述のイソシアネートのビウレット三量体又はイソシアヌレート三量体である。
【0037】
ポリイソシアネート(ii)は、そのつどシロキサン(i)100質量部に対して、有利には0.1〜30質量部、特に有利には0.1〜20質量部、殊に1〜10質量部の量で使用される。
【0038】
本発明により使用されるアミン(iii)は、有利には、式
HNR52 (IV)、
[式中、R5は、上述の意味の1つを有し、かつ有利には、最大で1個の基R5は、水素原子の意味を有する]のアミン、並びに、付加的な官能基、例えばチオール基、ヒドロキシル基又はさらなるアミノ基を有してよい脂肪族環状アミン及び芳香族環状アミンである。
【0039】
アミンの(iii)の例は、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、アニリン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、イミダゾール、ピペラジン、エチレンジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジアミン、エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、プロパノールアミン、アラニノール、N−メチル(チオエタノール)アミンである。
【0040】
有利には、アミン(iii)は、脂肪族アミン、特に有利にはピロリジン、ジエタノールアミン、エタノールアミン及びN−メチルエタノールアミン、殊にピロリジン、エタノールアミン及びN−メチルエタノールアミンである。
【0041】
本発明により、アミン(iii)は、そのつどシロキサン(i)100質量部に対して、有利には0.1〜20質量部、特に有利には0.1〜10質量部、殊に0.5〜5質量部の量で使用される。
【0042】
出発物質(i)、(ii)及び(iii)の本発明による反応では、有利には、有機溶媒(iv)及び触媒(v)が使用される。
【0043】
有機溶媒(iv)の例は、エーテル、殊に脂肪族エーテル、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン又はテトラヒドロフラン、エステル、殊に脂肪族エステル、例えばエチルアセテート又はブチルアセテート、ケトン、殊に脂肪族ケトン、例えばアセトン又はメチルエチルケトン、立体障害アルコール、殊に脂肪族アルコール、例えばt−ブタノール、アミド、例えばDMF、芳香族炭化水素、例えばトルエン又はキシレン、脂肪族炭化水素、例えばペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、塩素化炭化水素、例えばメチレンクロリド又はクロロホルムである。
【0044】
有利には、有機溶媒(iv)は、脂肪族エーテル、脂肪族ケトン又は脂肪族エステルであり、その際、脂肪族ケトンが特に有利である。
【0045】
有機溶媒(iv)が使用される場合、その量は、そのつどシロキサン(i)100質量部に対して、有利には1〜1000質量部、特に有利には10〜500質量部、殊に30〜200質量部の量である。本発明による反応では、有利には溶媒(iv)が使用される。
【0046】
触媒(v)の例は、スズ化合物、例えばジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズ−ビス−(ドデシルメルカプチド)、スズ−(II)−(2−エチルヘキサノエート)及びスズ化合物、例えばスズ−(II)−(2−エチルヘキサノエート)及びビスマス化合物、例えばビスマス(III)−ネオデカノエート及びジルコニウム化合物、例えばジルコニウム−テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオネート)及びアミン、例えば1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンである。
【0047】
有利には、触媒(v)は、スズ化合物、ジルコニウム化合物又はビスマス化合物であり、その際、ビスマス化合物が特に有利である。
【0048】
触媒(v)が使用される場合、その量は、そのつど反応混合物の全質量に対して、有利には1〜1000質量ppm、特に有利には10〜500質量ppm、殊に50〜150質量ppmの量である。本発明による反応では、有利には触媒(v)が使用される。
【0049】
本発明による反応のために使用される成分は、そのつど、かかる成分の1種類でも、そのつどの成分の少なくとも2種類からの混合物であってもよい。
【0050】
本発明による反応では、有利には、第一の段階において、シロキサン(i)がポリイソシアネート(ii)と、場合により溶媒(iv)の存在下で、かつ場合により触媒(v)の存在下で反応させられ、そのようにして得られた反応混合物が、第二の段階において、アミン(iii)と反応される。
【0051】
本発明による反応は、有利には20〜100℃、特に有利には30〜80℃の温度で実施される。
【0052】
本発明による反応は、有利には周囲雰囲気の圧力、つまり、約900〜1100hPaで実施される。しかし、反応は、より高い圧力、例えば1200〜10000hPaでも実施されることができる。
【0053】
本発明による反応は、有利には不活性ガス雰囲気、例えば窒素及びアルゴンのもとに実施される。
【0054】
本発明による反応の完了後に得られる反応混合物は、任意かつ、これまで公知の方法により後処理されることができる。有利には、その際、場合により使用される有機溶媒が除去され、これは特に有利には蒸留により、かつ−技術的可能性の範囲内で−完全に行われる。反応混合物は、有利には、出発物質をもはや含有しない。反応混合物が、なお未反応の出発物質を含有する場合、これらは有利にはそこに残留する。
【0055】
本発明によるオルガノポリシロキサンは、有利には、発泡性調製物の製造のために使用される。
【0056】
本発明のさらなる一対象は、オルガノポリシロキサン(A)及びポリイソシアネート(B)を含有する発泡性組成物である。
【0057】
本発明により使用されるイソシアネート(B)として、全ての公知のジイソシアネート又はポリイソシアネート、例えば(ii)で列挙された上記イソシアネートを使用することができる。
【0058】
ポリイソシアネート(B)として有利なのは、一般式
Q(NCO)b (V)
[式中、Qは、b−官能性の、場合により置換された炭化水素基を意味し、かつbは、少なくとも2、有利には2〜10、特に有利には2〜4、殊に2〜3の整数を意味する]のポリイソシアネートである。
【0059】
好ましくは、Qは、場合により置換された、炭素原子4〜30個を有する炭化水素基、特に有利には炭素原子6〜25個を有する炭化水素基である。
【0060】
本発明による調製物は、イソシアネート(B)を、そのつどシロキサン(A)100質量部に対して、有利には0.1〜150質量部、特に有利には1〜100質量部、殊に10〜50質量部の量で含有する。
【0061】
シロキサン(A)及びポリイソシアネート(B)に加えて、本発明による調製物は、さらなる物質、例えば充填剤(C)、乳化剤(D)、物理的発泡剤(E)、触媒(F)、化学的発泡剤(G)及び添加剤(H)を含有してよい。
【0062】
充填剤(C)が使用される場合、これは全ての非補強性充填剤、つまり、50m2/gまでのBET表面積を有する充填剤、例えば白亜、又は補強性充填剤、つまり、少なくとも50m2/gのBET表面積を有する充填剤、例えばカーボンブラック、沈降シリカ又はヒュームドシリカであってよい。殊に、疎水性のみならず親水性のヒュームドシリカは、その際、有利な充填剤を表す。本発明の特に有利な一実施形態では、その表面がトリメチルシリル基で変性されている疎水性ヒュームドシリカが使用される。使用される充填剤(C)−殊にヒュームドシリカ−は、様々な機能を担うことができる。そのため、充填剤(C)は、発泡性混合物の粘度の調節のために使用されることができる。なかでもしかし、充填材(C)は、発泡の間、"支援機能"を担うことができ、そのため、より良好な発泡構造を有するフォームをもたらすことができる。最終的に、結果生じるフォームの機械的特性も、充填剤(C)の使用によって−殊にヒュームドシリカの使用によって−決定的に改善されることができる。さらに、充填剤(C)として、膨張性黒鉛(Aufblaetterungsgraphit)も添加されることができる。
【0063】
本発明による調製物が充填剤(C)を含有する場合、その量は、そのつどシロキサン(A)100質量部に対して、有利には0.1〜30質量部、特に有利には0.1〜20質量部、殊に0.1〜15質量部の量である。本発明による調製物は、有利には充填剤(C)を含有する。
【0064】
多くの場合、発泡性調製物に乳化剤(D)を添加することが利点である。発泡安定剤としても用いられる適した乳化剤(D)として、例えば、ポリエーテル側鎖によって変性された市販の全てのシリコーンオリゴマーが使用されることができ、これらは、慣例のポリウレタンフォームの製造にも使用される。
【0065】
乳化剤(D)が使用される場合、その量は、そのつど発泡性調製物の全質量に対して、有利には6質量%まで、特に有利には0.3〜3質量%である。本発明による調製物は、有利には乳化剤(D)を含有しない。
【0066】
そのうえまた、本発明による調製物は、物理的発泡剤として用いられ得る化合物(E)も含有する。構成成分(E)として、有利には、低分子量の炭化水素、例えばプロパン、ブタン又はシクロペンタン、ジメチルエーテル、フッ素化炭化水素、例えば1,1−ジフルオロエタン又は1,1,1,2−テトラフルオロエタン又はCO2が使用される。有利には、フォーム形成は、ポリイソシアネート(B)と、化学的発泡剤としての成分(G)との反応によって行われる。化学的発泡剤としての構成成分(G)との組み合わせにおける物理的発泡剤(E)の使用は、より小さい密度を有するフォームを取得するために利点となり得る。
【0067】
本発明による調製物が構成成分(E)を含有する場合、その量は、そのつどシロキサン(A)100質量部に対して、有利には0.1〜30質量部、特に有利には0.1〜20質量部殊に0.1〜15質量部である。本発明による調製物は、有利には物理的発泡剤(E)を含有する。
【0068】
さらに、本発明による発泡性調製物は、フォーム硬化を促進する触媒(F)を含有してよい。触媒(F)として、なかでも有機スズ化合物が適している。例は、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズ−ビス−(ドデシルメルカプチド)又はスズ(II)−(2−エチルヘキサノエート)である。そのうえまた、スズ不含の触媒(F)、例えば重金属化合物又はアミンも考慮に入れられる。スズ不含の触媒の例として、鉄(III)−アセチルアセトネート、亜鉛(II)−オクトエート、ジルコニウム(IV)−アセチルアセトネート、ビスマス(III)−ネオデカノエートが挙げられる。アミンの例は、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N,N−ビス−(N,N−ジメチル−2−アミノエチル)−メチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルフェニルアミン、ビス−N,N−ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、N,N−ジメチルアミノピリジン、N,N,N,N−テトラメチル−ビス−2−アミノエチルメチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、N−エチルモルホリン又はN,N'−ジメチルアミノピリジンである。
【0069】
触媒(F)は、個々に又は混合物として使用してよい。場合により、シロキサン(A)の製造に際して使用される触媒は、同時に触媒(F)としてフォーム硬化のために用いてもよい。
【0070】
触媒(F)が使用される場合、その量は、そのつど本発明による発泡性調製物の全質量に対して、有利には0.1〜6.0質量%、特に有利には0.1〜3.0質量%である。本発明による調製物は、有利には触媒(F)を含有する。
【0071】
化学的発泡剤(G)として、原則的に、水だけでなく、有利には少なくとも1つのイソシアネート反応性官能基を有する全ての化合物も用いることができる。
【0072】
構成成分(G)の例は、成分(A)とは異なる、アミノアルキル官能性又はヒドロキシ官能性のシロキサン、モノマーアルコール、モノマージオール、例えばグリコール、プロパンジオール及びブタンジオール、モノマーオリゴノール、例えばペンタエリトリトール又はトリヒドロキシメチルエタン、1個、2個又はそれより多くのヒドロキシル基を有するオリゴマー又はポリマーのアルコール、例えばエチレングリコール又はプロピレングリコール、水、1個、2個又はそれより多くのアミン官能基を有するモノマーアミン、例えばエチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン、並びに1個、2個、又はそれより多くのアミン官能基を有するオリゴマー又はポリマーのアミンでもある。
【0073】
成分(G)が使用される場合、それは有利にはヒドロキシ化合物であり、その際、水が特に有利である。
【0074】
成分(G)が使用される場合、その量は、そのつどシロキサン(A)100質量部に対して、有利には0.1〜20質量部、特に有利には0.1〜15質量部、殊に0.1〜10質量部である。好ましくは、本発明による調製物は成分(G)を含有する。
【0075】
場合により使用される添加剤(H)の例は、セル調整剤、チキソトロープ剤、可塑剤、防火剤、例えばリン含有化合物、なかでもホスフェート及びホスホネート、並びにハロゲン化されたポリエステル及びポリオール又はクロロパラフィンでもある。
【0076】
有利には、添加剤(H)は、セル調整剤及び防火剤であり、その際、セル調整が特に有利である。
【0077】
添加剤(H)が使用される場合、その量は、そのつどシロキサン(A)100質量部に対して、有利には0.1〜30質量部、特に有利には0.1〜20質量部、殊に0.1〜15質量部である。本発明による調製物は、有利には添加剤(H)を含有しない。
【0078】
発泡性調製物の本発明により使用される成分は、そのつど、かかる成分の1種類のみならず、そのつどの成分の少なくとも2種類からの混合物であってもよい。
【0079】
有利には、本発明による調製物は、
(A)オルガノポリシロキサン、
(B)ポリイソシアネート、
場合により
(C)充填剤、
場合により
(D)乳化剤、
場合により
(E)物理的発泡剤、
場合により
(F)触媒、
場合により
(G)化学的発泡剤及び
場合により
(H)添加剤
を含有するものであって、その際、本発明による調製物は、成分(E)及び(G)から選択される少なくとも1つの発泡剤、殊に少なくとも(G)を含有する。
【0080】
本発明による調製物は、成分(A)及び(B)並びに場合により1つ以上の成分(C)〜(H)以外には、有利には、さらなる構成成分を含有しない。
【0081】
本発明による調製物は、任意かつ、自体公知の方法、例えば個々成分の単純な混合によって製造することができ、その際、個々の構成成分の予備混合物も製造することができる。その際、有利には2成分系が製造され、その際、本発明による発泡性調製物の2つの成分は、全ての構成成分を、任意の組み合わせ及び混合比において含有し、但し、1成分が同時には、シロキサン(A)及びポリイソシアネート(B)もしくは構成成分(B)及び(G)を含有しない。
【0082】
そのため、例えば、本発明による調製物の製造のために、有利には、構成成分(A)、場合により構成成分(C)、場合により構成成分(D)、場合により構成成分(F)、場合により構成成分(G)及び場合により構成成分(H)を含有する混合物が成分1として、並びに構成成分(B)を含有する成分2が調製され、これらは次いで本発明によるフォームの製造のために互いに混合される。
【0083】
本発明による調製物は、有利には液状〜高粘稠性であり、そのつど25℃で、かつASTM D 4283に従って測定して、有利には250〜10000mPas、特に有利には500〜5000mPasの粘度を有する。
【0084】
本発明による調製物は、有利にはフォーム、特に有利には硬質フォーム又は軟質フォーム、殊に軟質フォームの製造に用いられる。
【0085】
本発明のさらなる一対象は、シリコーン含有ポリウレタンフォームの製造方法において、本発明によるシロキサン(A)、ポリイソシアネート(B)及び少なくとも1つの発泡剤を混合し、かつ反応させることを特徴とする方法である。
【0086】
本発明による方法の有利な一実施態様では、シロキサン(A)、ポリイソシアネート(B)、触媒(F)及び化学的発泡剤(G)並びに場合により成分(C)が混合され、かつ有利には同時に反応させられる。
【0087】
本発明による方法は、有利には0〜100℃、特に有利には10〜40℃、殊に15〜30℃の初期温度で実施される。反応に際して生じる熱は、有利には系に残り続け、フォーム形成に寄与する。本発明による方法では、反応温度は、有利には50〜150℃まで達する。
【0088】
本発明による方法は、有利には、周囲雰囲気の圧力、つまり、約900〜1100hPaで実施される。
【0089】
本発明による方法では、有利には、大部分が本発明によるフォーム構造の構築を担っているCO2が放出される。
【0090】
本発明のさらなる一対象は、本発明によるシロキサン(A)と、ポリイソシアネート(B)及び少なくとも1つの発泡剤との反応によって製造可能なフォームである。
【0091】
本発明によるフォームは、優れた連続気泡構造によって際立つ。それらの機械的特性は、商業的に入手可能なPUフォームに相当する。
【0092】
本発明によるフォームは、そのつど25℃及び1013hPaで測定して、有利には10〜500kg/m3、特に有利には15〜200kg/m3、殊に20〜120kg/m3の密度を有する。
【0093】
本発明によるフォームは、これまでもポリウレタンフォームが使用されてきた、あらゆる所で使用することができる。殊にそれらは、内装品、断熱材及び遮音材に適している。
【0094】
本発明による発泡性調製物は、それらが非常に簡単な方法で、かつPU技術からのこれまで公知の方法を用いて加工され得るという利点を有する。
【0095】
さらに、本発明による調製物は、それらが商業的に容易に入手可能な出発物質を用いて製造され得るという利点を有する。
【0096】
そのうえ、本発明による調製物は、それらが容易に加工可能であり、かつ低粘度で製造され得るという利点を有する。
【0097】
本発明による調製物は、小さい密度を有するシリコーン−ポリウレタンフォームがワンショット法により製造され得るという利点を有する。
【0098】
シリコーン含有PUフォームの本発明による製造方法は、それが実施の点で簡単であるという利点を有する。
【0099】
さらに、本発明によるフォームは、それらが柔軟性であり、かつ極めて難燃性であるという利点を有する。
【0100】
そのうえ、本発明によるフォームは、それらが機械的な強度を、殊に小さいフォーム密度との組み合わせにおいて有するという利点を有する。
【0101】
後続の実施例において、部及びパーセンテージで示される全ての値は、別記しない限り、質量に対する。別記しない場合、以下の実施例は、周囲雰囲気の圧力、つまり、約1000hPaで、かつ室温、つまり、約20℃、もしくは反応物を付加的な加熱又は冷却なしに室温で合一した際に生ずる温度で実施される。実施例で挙げられる全ての粘度データは、25℃の温度に対してのものである。
【0102】
pMDI:2.9の官能価を有するポリマーMDI(Lupranat(R)M70Rの名称で、BASF SE、Ludwigshafen(Germany)にて購買可能);
アミン触媒:ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル("Jeffcat(R)ZF−20"の名称で、Huntsman Corp.,Hamburg(Germany)から購買可能);ジアザビシクロオクタン(DABCO(R)の名称で、Air Products GmbH、Hamburg(Germany)から購買可能)。
【0103】
実施例1
式HO−(CH22−O−(CH2)−[Si(CH32−O]32Si(CH32−(CH)2−O−(CH22−OHの線状オルガノポリシロキサン100.00g及びpMDI7.0gを、アルゴン雰囲気のもとに、無水アセトン100ml中で反応させた。反応を、ビスマス(III)−ネオデカノエート30mgを用いて触媒し、かつ50℃で攪拌した。1時間の反応時間後に、まずアセトン10ml中に溶解したピロリジン1.0gをゆっくりと滴加し、引き続き、そのようにして得られた反応混合物から10hPaの圧力で溶媒を取り除いた。
【0104】
そのようにして得られた超分岐オルガノポリシロキサン33.0gを、まずTDI7.0gと均質な混合物へと加工し、引き続き、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)−エーテル0.10g及びジアザビシクロオクタン0.10gをアミン触媒として並びに水0.58gを、高速回転式攪拌機によって均質な混合物へと乳化した。約10秒後に、フォーム発生をともなって発熱反応が生じた。フォーム形成は、さらなる約40秒後に完了し、その一方で熱の発生は、なお約5分続いた。50kg/m3の密度を有する、無色、柔軟性の、難燃化された軟質フォームが結果生じた。
【0105】
比較例1
式HO−(CH22−O−(CH2)−[Si(CH32−O]32Si(CH32−(CH)2−O−(CH22−OHの線状オルガノポリシロキサン100.00g及びpMDI5.2gを、アルゴン雰囲気のもとに無水アセトン100ml中で反応させた。反応を、ビスマス(III)−ネオデカノエート30mgを用いて触媒し、かつ50℃で1時間、攪拌した。それに続けて、反応混合物から、10hPaの圧力で溶媒を取り除いた。
【0106】
そのようにして得られた超分岐オルガノポリシロキサン32.3gを、まずTDI7.7gと均質な混合物へと加工し、引き続き、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)−エーテル0.10g及びジアザビシクロオクタン0.10gをアミン触媒として並びに水0.68gを、高速回転式攪拌機によって均質な混合物へと乳化した。約10秒後に、フォーム発生をともなって発熱反応が生じた。フォームの上昇段階中、フォーム構造の崩壊が確認され、軟質フォームを得ることはできなかった。
【0107】
実施例2
式HO−(CH22−O−(CH2)−[Si(CH32−O]32Si(CH32−(CH)2−O−(CH22−OHの線状オルガノポリシロキサン100.00g及びpMDI7.0gを、アルゴン雰囲気のもとに無水アセトン100ml中で反応させた。反応を、ビスマス(III)−ネオデカノエート30mgを用いて触媒し、かつ50℃で攪拌した。1時間の反応時間後に、まずアセトン10ml中に溶解したメチルエタノールアミン1.0gをゆっくりと滴加し、引き続き、そのようにして得られた反応混合物から10hPaの圧力で溶媒を取り除いた。
【0108】
そのようにして得られた超分岐オルガノポリシロキサン32.0gを、まずTDI8.0gと均質な混合物へと加工し、引き続き、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)−エーテル0.10g及びジアザビシクロオクタン0.10gをアミン触媒として並びに水0.68gを、高速回転式攪拌機によって均質な混合物へと乳化した。約10秒後に、フォーム発生をともなって発熱反応が生じた。フォーム形成は、さらなる約40秒後に完了し、その一方で熱の発生は、なお約5分続いた。40kg/m3の密度を有する、無色、柔軟性の、難燃化された軟質フォームが結果生じた。
【0109】
実施例3
式HO−(CH22−O−(CH2)−[Si(CH32−O]32Si(CH32−(CH)2−O−(CH22−OHの線状オルガノポリシロキサン80.00g並びに式HO−(CH22−O−(CH2)−[Si(CH32−O]12Si(CH32−(CH)2−O−(CH22−OHの線状オルガノポリシロキサン20.00g及びpMDI8.0gを、アルゴン雰囲気のもとに無水アセトン100ml中で反応させた。反応を、ビスマス(III)−ネオデカノエート30mgを用いて触媒し、かつ50℃で攪拌した。1時間の反応時間後に、まずアセトン10ml中に溶解したN−メチルエタノールアミン1.0gをゆっくりと滴加し、引き続き、そのようにして得られた反応混合物から10hPaの圧力で溶媒を取り除いた。
【0110】
そのようにして得られた超分岐オルガノポリシロキサン31.7gを、まずTDI8.3gと均質な混合物へと加工し、引き続き、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)−エーテル0.10g及びジアザビシクロオクタン0.10gをアミン触媒として並びに水0.68gを、高速回転式攪拌機によって均質な混合物へと乳化した。約10秒後に、フォーム発生をともなって発熱反応が生じた。フォーム形成は、さらなる約40秒後に完了し、その一方で熱の発生は、なお約5分続いた。40kg/m3の密度を有する、無色、柔軟性の、難燃化された軟質フォームが結果生じた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

V−(NHC(O)R12p-m-n(NHC(O)R14[SiR2O]a−SiR241H)m(NHC(O)NR52n (I)
[式中、
Vは、ヘテロ原子を含有してよい、p価の炭化水素基を意味し、
Rは、同じであるか又は異なっていてよく、かつ1価の、場合により置換された炭化水素基を意味し、
1は、同じであるか又は異なっていてよく、かつ−O−、−S−又は−NR3−を意味し、
2は、同じであるか又は異なっていてよく、かつ水素原子及び1価の、場合により置換された炭化水素基を表し、
3は、水素原子又は1価の、場合により置換された炭化水素基を意味し、
4は、同じであるか又は異なっていてよく、かつ2価の、場合により置換された炭化水素基を意味し、
5は、同じであるか又は異なっていてよく、かつ水素原子又は場合により置換された炭化水素基を意味し、
aは、1以上の整数を意味し、
pは、2以上の整数を意味し、
mは、1以上の整数を意味し、
nは、1以上の整数を意味する]の、但し、pがm+n以上である、シロキサン(A)。
【請求項2】
pがm+nに等しいことを特徴とする、請求項1記載のシロキサン。
【請求項3】
Vが、多価芳香族の、場合により窒素及び酸素を含有する、炭素原子6〜30個を有する炭化水素基であることを特徴とする、請求項1又は2記載のシロキサン。
【請求項4】
(i)線状α,ω−アミノオルガニル官能化された又はα,ω−ヒドロキシオルガニル官能化されたシロキサンと
(ii)ポリイソシアネート及び
(iii)アミン
との反応によって製造可能であるシロキサンであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のシロキサン。
【請求項5】
(i)線状α,ω−アミノオルガニル官能化された又はα,ω−ヒドロキシオルガニル官能化されたシロキサンと
(ii)ポリイソシアネート及び
(iii)アミン
との反応による、請求項1から4までのいずれか1項記載のシロキサン(A)の製造方法。
【請求項6】
請求項1から4までのいずれか1項記載のオルガノポリシロキサン(A)及びポリイソシアネート(B)を含有する発泡性組成物。
【請求項7】
(A)オルガノポリシロキサン、
(B)ポリイソシアネート、
場合により
(C)充填剤、
場合により
(D)乳化剤、
場合により
(E)物理的発泡剤、
場合により
(F)触媒、
場合により
(G)化学的発泡剤及び
場合により
(H)添加剤
を含有する請求項6記載の発泡性組成物であって、その際、本発明による調製物が、成分(E)及び(G)から選択される少なくとも1つの発泡剤、殊に少なくとも(G)を含有する、請求項6記載の発泡性組成物。
【請求項8】
請求項1から4までのいずれか1項記載のシロキサン(A)、ポリイソシアネート(B)及び少なくとも1つの発泡剤を混合し、かつ反応させることを特徴とする、シリコーン含有ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項9】
請求項1から4までのいずれか1項記載のシロキサン(A)、ポリイソシアネート(B)、触媒(F)及び化学的発泡剤(G)並びに場合により成分(C)を混合することを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項10】
請求項1から4までのいずれか1項記載のシロキサン(A)とポリイソシアネート(B)及び少なくとも1つの発泡剤との反応によって製造可能なフォーム。

【公表番号】特表2012−512299(P2012−512299A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541326(P2011−541326)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066624
【国際公開番号】WO2010/069821
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】