説明

シリコーン共重合体

【課題】可視光領域の波長における透過性にすぐれ、耐熱性が高く、クラック耐性や耐溶剤性に優れた膜を形成できる特性を有する新規シリコーン共重合体を提供する。
【解決手段】エポキシ基を有するシルセスキオキサン単位と、芳香族炭化水素基を有するシルセスキオキサン単位と、脂肪族炭化水素基を有するシルセスキオキサン単位とからなり、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと1〜99重量%の割合で均一な液体となるシリコーン共重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品の絶縁膜材料として有用なエポキシ基を有するシリコーン共重合体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品に用いられる絶縁膜としては、可視光で透過性が高い高透明性や、素子を製造する際の各種処理工程に耐えられる耐熱性、耐薬品性、クラック耐性などの特性を兼ね備えた樹脂の必要性が高まっている。その中で、シルセスキオキサン骨格を有するシリコーン樹脂は、光学特性や耐熱性等に優れた性能を有し、これらの特性を利用して広く利用されてきた。しかし、その硬化膜は特に1μm以上の膜厚で膜にクラックが入りやすく用途が限定されていた。
【0003】
重要な特性であるクラック耐性を有する材料として、エポキシ基含有シリコーン樹脂の例が開示されている(特許文献1参照)。しかし、クラック耐性は優れているが、300℃以上の熱処理工程には耐えられず、耐熱性が不十分であった。
【0004】
また、LSI素子の高速化、高集積化が進むにつれ、層間絶縁膜としてシルセスキオキサンが使用されている例が報告されている(特許文献2参照)。しかし、ここに記載されている材料では、可視光領域での透過率にすぐれ、かつ耐熱性にすぐれた材料を提供することができるが、1μm以上の膜厚の場合クラックが入りやすく厚膜化できない、また、絶縁膜を形成する工程中に使用される溶剤に対する耐性に課題があった。
【0005】
一方、シリコーン共重合体の例として球状シリコーン微粒子の報告がなされている(特許文献3参照)。しかし、ここで記載されている球状シリコーン微粒子は長径と短径の比が1.2以上、平均粒径が0.1〜0.01μmであることが特徴であり、このようなシリコーン微粒子は一般の有機溶媒、特に樹脂に対する溶解性の大きいグリコール系溶剤(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)にも溶解しないため絶縁膜のような有機膜を形成することはできず、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品の絶縁膜には使用できない。
【0006】
よって、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコール系溶媒に溶解して有機膜を形成し、300℃以上の膜形成で耐熱性が高い膜を形成し、1μm以上の厚膜でクラックが生じないシリコーン樹脂が求められていた。
【特許文献1】特開2001−040094号公報
【特許文献2】特開2000−281904号公報
【特許文献3】特開平4−202325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、グリコール系溶媒に溶解して有機膜を形成し、可視光領域の波長における透過性にすぐれ、耐熱性が高く、クラック耐性や耐溶剤性に優れた厚膜を形成できる特性を有する新規シリコーン共重合体を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、特定の構造をもつエポキシ基を含有するシルセスキオキサン単位と、芳香族炭化水素基を含有するシルセスキオキサン単位と、脂肪族炭化水素基を含有するシルセスキオキサン単位を有し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと1〜99重量%の割合で均一な液体となるシリコーン共重合体である。
【発明の効果】
【0009】
本発明のシリコーン共重合体は、エポキシ基を含有するシルセスキオキサンを含有することにより、可視光領域における透過性にすぐれ、かつ加熱により膜を形成したとき、クラック耐性と耐溶剤性が非常に優れた材料となり、また、芳香族炭化水素基または脂環式炭化水素基を含有するシルセスキオキサン単位を導入することにより、300℃以上の耐熱性が向上した材料になる。
【0010】
また、エポキシ基は、酸によって容易に開環して水酸基を形成し、この水酸基を拠点に反応させることにより別の置換基を有する耐熱性材料となる。よって、本発明のシリコーン共重合体は、電子部品に限らず、塗料や接着剤等、幅広い分野に応用できる。
【0011】
本発明のシリコーン共重合体は、可視光領域の波長における透明性が良く、耐熱性、クラック耐性にすぐれ、かつ耐溶剤性にすぐれている。
【0012】
本発明のシリコーン共重合体は、一般の有機溶媒、特に樹脂に対する溶解性の大きいグリコール系溶剤(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)に溶解し、絶縁膜のような有機膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のシリコーン共重合体は、下記一般式
下記一般式
【0014】
【化1】

【0015】
(式中、Rは、エポキシ基を含む炭化水素基を示す。)
で示されるエポキシ基を有するシルセスキオキサン単位と、
下記一般式
【0016】
【化2】

【0017】
(式中、Aは、芳香族炭化水素基を示す。)
で示されるシルセスキオキサン単位と、
下記一般式
【0018】
【化3】

【0019】
(式中、Bは脂肪族炭化水素基を示す。)
で示されるシルセスキオキサン単位を有し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと1〜99重量%の割合で均一な液体となるシリコーン共重合体である。
【0020】
本発明のシリコーン共重合体のエポキシ基を有するシルセスキオキサン単位のRとして、好ましいエポキシ基を有する炭化水素基としては、下記一般式
【0021】
【化4】

【0022】
(式中、R1は、水素原子または炭化水素基を、R2は、炭化水素基を示す。)
が挙げられ、R1としては、水素原子もしくは炭素数1〜5の直鎖状炭化水素基、分枝状炭化水素基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基がより好ましい。R2としては、炭素数1〜5の直鎖状炭化水素基、分枝状炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基が特に好ましい。
【0023】
また、本発明のシリコーン共重合体のエポキシ基を有するシルセスキオキサン単位のRとしては、下記一般式の
【0024】
【化5】

【0025】
(式中、R3は水素原子または炭化水素基を、R4は炭化水素基を示す。)
グリシジルオキシ基を有するエポキシ基含有炭化水素基が好ましく、R3としては、水素原子もしくは炭素数1〜5の直鎖状炭化水素基、分枝状炭化水素基が、好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基が、より好ましい。R4としては、炭素数1〜5の直鎖状炭化水素基、分枝状炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基が、特に好ましい。
【0026】
本発明のシリコーン共重合体のエポキシ基を有するシルセスキオキサン単位のRとしては、下記一般式
【0027】
【化6】

【0028】
(式中、R5は、炭化水素基を示す。)
で示す環状炭化水素基を有する置換基が好ましく、R5として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基が、特に好ましい。
【0029】
本発明のシリコーン共重合体のエポキシ基を有するシルセスキオキサン単位のRとしては、一般的に原料入手の観点から、下記一般式
【0030】
【化7】

【0031】
の3−グリシジルオキシプロピル基と下記一般式
【0032】
【化8】

【0033】
の2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基が、特に、好ましい。
【0034】
本発明のシリコーン共重合体の芳香族炭化水素基を示すAとして好ましい芳香族炭化水素基は、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ジフェニルメチル基、シンナミル基、スチリル基、トリチル基等のベンゼン環と炭化水素基とを有した置換基、トルイル基、クメニル基、メシル基、キシリル基等のベンゼン環に置換基が結合した芳香族炭化水素基等が挙げられる。4−メチルフェニルエチル基、4−メチルフェニルプロピル基、2,4−ジメチルフェニルエチル基等、ベンゼン環に置換基が結合していても良い。芳香族炭化水素基は、樹脂の耐熱性を向上させることが出来るが、芳香族環とシリコン原子との間に置換基がない場合は、置換基がある場合と比較して一般的に耐熱性が低下しないことから、フェニル基、トルイル基、クメニル基、メシル基、キシリル基等の芳香族炭化水素基が、特に好ましく、一般的に入手が容易なフェニル基が、さらに好ましい。
【0035】
本発明のシリコーン共重合体の脂肪族炭化水素基であるBとして好ましい脂肪族炭化水素基は、炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基、分枝状炭化水素基、環状炭化水素基、架橋環式炭化水素基、2重結合を有する炭化水素基であり、炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等の炭化水素基が挙げられる。分枝状炭化水素基としては、イソプロピル基、イソブチル基等の炭化水素基が好ましい。環状炭化水素基として、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の環状炭化水素基が好ましく、また、ノルボルナン骨格を有するような架橋環式炭化水素基も好ましい。また、2重結合を有するビニル基、アリル基を有する炭化水素基も好ましい。これら炭化水素基の中で、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5の直鎖状炭化水素基が、より好ましく、原料入手の観点からメチル基がさらに好ましい。
【0036】
本発明のシリコーン共重合体は、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が500〜100,000の範囲にあるものが好ましく、500〜10,000の範囲にあるものがさらに好ましい。本発明のシリコーン共重合体は、分散度(重量平均分子量(ポリスチレン換算)を数平均分子量(ポリスチレン換算)で割ったもの)が1.1〜3.5の範囲にあるものが好ましく、1.1〜2.5の範囲にあるものがさらに好ましい。
【0037】
本発明のシリコーン共重合体は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対して常温(25℃)で1〜99重量%の割合で混合させると均一な液体となる。本発明において、均一な液体とは、シリコーン共重合体が溶け残っていたり、シリコーン共重合体がプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと層分離していない状態である。本発明のシリコーン共重合体は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対して常温(25℃)で1〜99重量%の割合で混合させると均一な液体となることにより、樹脂に対する溶解性の大きいプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコール系溶剤に溶解し、絶縁膜のような有機膜を形成が可能となる。本発明のシリコーン共重合体は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対して、好ましくは10〜80重量%の割合で混合させると均一な液体となり、さらにより好ましくは、15〜60重量%の割合で混合させると均一な液体となる。シリコーン共重合体をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコール系溶剤に溶解させる場合、シリコーン共重合体の割合が低いと塗布膜が薄くなり、また、濃度が高いと塗布による膜形成が難しいことから、通常、発明のシリコーン共重合体は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対して、10〜80重量%の割合で混合させると均一な液体とすることが多い。
【0038】
本発明のシリコーン共重合体は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート以外の溶媒でも混合すると均一な液体になる。本発明のシリコーン共重合体を溶解する好ましい有機溶媒として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、シクロへキサノール等の一価のアルコール溶媒、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等のアルコール溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール系溶媒が例示される。
【0039】
本発明のシリコーン共重合体での下記骨格は、
【0040】
【化9】

【0041】
シルセスキオキサン骨格を示し、各ケイ素原子が3個の酸素原子に結合し、各酸素原子が2個のケイ素原子に結合していることを示す。
【0042】
また、本発明のシリコーン共重合体は、好ましくは、下記一般式
【0043】
【化10】

【0044】
(式中、Rは、エポキシ基を含む炭化水素基、Aは、芳香族炭化水素基、Bは、脂肪族炭化水素基を示す。l、m、nは、それぞれモル%を示し、lは、1〜99モル%、mは、1〜99モル%、nは、1〜99モル%を示す。ただし、l+m+n=100である。)
に示す構造式で表すことができる。
【0045】
ここで、l成分は、エポキシ基を含有する置換基を有するシリコーン部位を示し、3−グリシジルオキシプロピル基や2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基を使用することが好ましい。エポキシ基は加熱により硬化し、厚膜を形成したときにクラックの発生を防ぐことができる。耐熱性や薬液耐性を示す部位を減らさないため、lは、10〜50モル%が好ましく、特に、10〜40モル%がより好ましい。
【0046】
また、m成分のAは芳香族炭化水素基を示す。芳香族炭化水素基は耐熱性を有するため、熱的に安定なシリコーン共重合体にするには、mは、20モル%以上が好ましく、さらに、40モル%以上がさらに好ましい。
【0047】
n成分のBは脂肪族炭化水素基を示し、低級アルキル基を使用することが好ましい。脂肪族炭化水素基を入れるとシリコーン共重合体の薬液に対する耐性が向上する。耐熱性を有する芳香族炭化水素基組成を減らさないようにするため、nは、10〜50モル%が好ましく、20〜40モル%がさらに好ましい。
【0048】
また、本発明のシリコーン共重合体は、例えば、下記一般式
【0049】
【化11】

【0050】
(式中、Rはエポキシ基を含む炭化水素基、Aは芳香族炭化水素基、Bは脂肪族炭化水素基を示す。l、m、nはそれぞれモル%を示し、lは1〜99モル%、mは1〜99モル%、nは1〜99モル%を示す。ただしl+m+n=100である。)
に示す構造式で表すことができる。
【0051】
また、本発明のシリコーン共重合体は、例えば、下記一般式
【0052】
【化12】

【0053】
(式中、Rは、エポキシ基を含む炭化水素基、Aは、芳香族炭化水素基、Bは、脂肪族炭化水素基を示す。l、m、nは、それぞれモル%を示し、lは、1〜99モル%、mは、1〜99モル%、nは、1〜99モル%を示す。ただし、l+m+n=100である。)
に示すラダー型シリコーン共重合体でも良い。
【0054】
本発明のシリコーン共重合体は、
下記一般式
【0055】
【化13】

【0056】
(式中、Rは、エポキシ基を含む炭化水素基を示し、Xは、加水分解性基を示す。)
と、下記一般式
【0057】
【化14】

【0058】
(式中、Aは、芳香族炭化水素基を示し、Xは、加水分解性基を示す。)
と、下記一般式
【0059】
【化15】

【0060】
(式中、Bは、炭化水素基を示し、Xは、加水分解性基を示す。)
で示されるモノマーを、アルカリ条件で加水分解して製造することができる。
【0061】
ここで、Xは加水分解性基を示し、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、もしくは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基が好ましく、特に、塩素原子、メトキシ基、エトキシ基が原料入手と反応性が高いことから特に好ましい。
【0062】
加水分解は、水を用いて行い、通常、触媒を加えて行うことが好ましい。エポキシ基は、酸性条件に弱いことから、加水分解は、塩基性条件で行うことが好ましく、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジイソプロピルアミン、ピペラジン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン触媒、テトラブチルアンモニウムフルオライド、ベンジルトリブチルクロライド、ベンジルトリエチルクロライド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩触媒を使用することが特に好ましい。この触媒使用量は原料モノマーのモル数に対して0.01〜1.0当量が好ましく、0.02〜0.5当量がさらに好ましい。
【0063】
本発明のシリコーン共重合体の好ましい形態である下記一般式
【0064】
【化16】

【0065】
(式中、Rはエポキシ基を含む炭化水素基、Aは芳香族炭化水素基、Bは脂肪族炭化水素基を示す。l、m、nはそれぞれモル%を示し、lは1〜99モル%、mは1〜99モル%、nは1〜99モル%を示す。ただしl+m+n=100である。)
で示されるシリコーン共重合体を製造する場合、例えば、下記で示される水を用いた加水分解反応、重縮合反応で合成することができる。
【0066】
【化17】

【0067】
(式中、Rはエポキシ基を含む炭化水素基、Aは芳香族炭化水素基、Bは脂肪族炭化水素基を示す。l、m、nはそれぞれモル%を示し、lは1〜99モル%、mは1〜99モル%、nは1〜99モル%を示す。ただしl+m+n=100である。Xは加水分解性基を示す。)。
【0068】
加水分解条件として、反応温度0〜100℃が好ましく、触媒を使用することにより反応が容易に進行することから、10〜40℃がより好ましい。
【0069】
この加水分解、重縮合反応には水が必要であるが、原料モノマーのモル数に対して3〜100当量使用することが好ましく、5〜50当量使用することが特に好ましい。
【0070】
この反応では、有機溶媒を使用することが好ましく、有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の非プロトン性溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、等の溶媒を使用することができる。
【0071】
反応終了後は、非極性溶媒を添加して反応生成物と水とを分離して、有機溶媒に溶解した反応生成物を回収し、水で洗浄後に溶媒を留去することにより目的の生成物を得ることができる。
【0072】
このようにしてエポキシ基をもつシリコーン共重合体を合成することができる。
【実施例】
【0073】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。
【0074】
以下の実施例において、測定には下記装置を使用し、原料は、試薬メーカー(東京化成品、和光純薬品、ナカライテスク品、アズマックス品、信越化学品)から購入した一般的な試薬を用いた。
【0075】
測定装置
NMR測定・・・日本電子製400MHz NMR測定器
IR測定・・・島津製IR Prestige-21。KBr板に合成品を少量塗布し、別のKBr板に挟んで赤外を透過させて測定した。
【0076】
GPC測定・・・東ソー製HLC-8220
GC測定・・・島津製GC-2010シリーズ 。
【0077】
実施例1
γ−グリシドキシプロピルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体の合成
【0078】
【化18】

【0079】
(構造式中の20:50:30は使用原料のモル比)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、トルエン56.7gと水16.25gを仕込み、26%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を2.12g(0.006モル)を加えた。次にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン14.30g(0.0605モル)、フェニルトリメトキシシラン30.0g(0.151モル)とメチルトリメトキシシラン12.4g(0.0908モル)のトルエン28.35gの溶液を20〜30℃で滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成させた。このときの反応溶液をGCで分析した結果、原料は残っていないことが分かった。次にトルエンと水を追加して抽出し、その後、水で溶液が中性になるまで洗浄した。トルエン油層を回収し、トルエンを除去して、目的の粘性液体状の共重合体34.6gを得た。
【0080】
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
【0081】
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
999-1192cm-1(C-O-C、Si-O)、1271 cm-1(-O-)、2872-3073 cm-1(C-H)、3200-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.15(bs)、0.38-0.91(m)、1.00-1.65(m)、2.55-2.78(m)、2.78-3.70(m)、6.80-7.70(m)
GPC分析データ:Mw=4,590、Mw/Mn=2.36(ポリスチレン換算)。
【0082】
実施例2
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体の合成
【0083】
【化19】

【0084】
(構造式中の20:50:30は使用原料のモル比)
実施例1に記載の原料であるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン14.91g(0.0605モル)に変更した以外は実施例1と同様の操作で目的の共重合体36.07gを得た。
【0085】
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
【0086】
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
855-1192cm-1(C-O-C、Si-O)、1271 cm-1(-O-)、2872-3073 cm-1(C-H)、3200-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.15-0.70(m)、0.70-2.17(m)、2.99-3.23(m)、6.90-7.70(m)
GPC分析データ:Mw=4,710、Mw/Mn=2.33(ポリスチレン換算)。
【0087】
実施例3
γ−グリシドキシプロピルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体の合成
【0088】
【化20】

【0089】
(構造式中の20:30:50は使用原料のモル比)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、トルエン52.87gと水16.25gを仕込み、26%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を2.12g(0.006モル)を加えた。次にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン14.30g(0.0605モル)、フェニルトリメトキシシラン18.00g(0.0908モル)とメチルトリメトキシシラン20.57g(0.151モル)のトルエン26.44gの溶液を20〜30℃で滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成させた。このときの反応溶液をGCで分析した結果、原料は残っていないことが分かった。次にトルエンと水を追加して抽出し、その後、水で溶液が中性になるまで洗浄した。トルエン油層を回収し、トルエンを除去して、目的の粘性液体状の共重合体34.6gを得た。
【0090】
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
【0091】
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
999-1192cm-1(C-O-C、Si-O)、1271 cm-1(-O-)、2872-3073 cm-1(C-H)、3200-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.15(bs)、0.38-0.91(m)、1.00-1.65(m)、2.55-2.78(m)、2.78-3.70(m)、6.80-7.70(m)
GPC分析データ:Mw=4,590、Mw/Mn=2.36(ポリスチレン換算)。
【0092】
実施例4
γ−グリシドキシプロピルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体の合成
【0093】
【化21】

【0094】
(構造式中の10:80:10は使用原料のモル比)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、トルエン56.7gと水16.25gを仕込み、26%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を2.12g(0.006モル)を加えた。次にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン14.30g(0.0605モル)、フェニルトリメトキシシラン30.0g(0.151モル)とメチルトリメトキシシラン12.4g(0.0908モル)のトルエン28.35gの溶液を20〜30℃で滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成させた。このときの反応溶液をGCで分析した結果、原料は残っていないことが分かった。次にトルエンと水を追加して抽出し、その後、水で溶液が中性になるまで洗浄した。トルエン油層を回収し、トルエンを除去して、目的の粘性液体状の共重合体34.6gを得た。
【0095】
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
【0096】
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
999-1192cm-1(C-O-C、Si-O)、1271 cm-1(-O-)、2872-3073 cm-1(C-H)、3200-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.15(bs)、0.38-0.91(m)、1.00-1.65(m)、2.55-2.78(m)、2.78-3.70(m)、6.80-7.70(m)
GPC分析データ:Mw=4,590、Mw/Mn=2.36(ポリスチレン換算)。
【0097】
比較例1
γ−グリシドキシプロピルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合体の合成
【0098】
【化22】

【0099】
(構造式中の50:50は使用原料のモル比)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、トルエン65.69gと水16.25gを仕込み、26%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を2.12g(0.006モル)を加えた。次にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン35.69g(0.151モル)、フェニルトリメトキシシラン30.0g(0.151モル)のトルエン32.85gの溶液を20〜30℃で滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成させた。このときの反応溶液をGCで分析した結果、原料は残っていないことが分かった。次にトルエンと水を追加して抽出し、その後、水で溶液が中性になるまで洗浄した。トルエン油層を回収し、トルエンを除去して、目的の粘性液体状の共重合体43.67gを得た。
【0100】
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
999-1192cm-1(C-O-C、Si-O)、1271 cm-1(-O-)、2872-3073 cm-1(C-H)、3200-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.16(bs)、0.60-1.79(m)、1.79-2.62(m)、6.95-7.49(m)、7.49-7.70(m)
GPC分析データ:Mw=2,690、Mw/Mn=1.47(ポリスチレン換算)。
【0101】
比較例2
下記構造式(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合体)の合成
【0102】
【化23】

【0103】
(構造式中の50:50は使用原料のモル比)
比較例1に記載の原料であるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン14.91g(0.0605モル)に変更した以外は比較例1と同様の操作で目的の共重合体36.07gを得た。
【0104】
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
855-1192cm-1(C-O-C、Si-O)、1271 cm-1(-O-)、2872-3073 cm-1(C-H)、3200-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.16(bs)、0.50-2.32(m)、2.95-3.83(m)、6.95-7.80(m)
GPC分析データ:Mw=2,760、Mw/Mn=1.45(ポリスチレン換算)。
【0105】
比較例3
フェニルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体の合成
【0106】
【化24】

【0107】
(構造式中の50:50は使用原料のモル比)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、トルエン50.57gと水16.25gを仕込み、26%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を2.12g(0.006モル)を加えた。次にフェニルトリメトキシシラン30.00g(0.151モル)、メチルトリメトキシシラン20.57g(0.151モル)のトルエン25.29gの溶液を20〜30℃で滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成させた。このときの反応溶液をGCで分析した結果、原料は残っていないことが分かった。次にトルエンと水を追加して抽出し、その後、水で溶液が中性になるまで洗浄した。トルエン油層を回収し、トルエンを除去して、目的の粘性液体状の共重合体27.33gを得た。
【0108】
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
999-1192cm-1(C-O-C、Si-O)、1271 cm-1(-O-)、2872-3073 cm-1(C-H)、3200-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.16(bs)、0.60-1.79(m)、1.79-2.62(m)、6.95-7.49(m)、7.49-7.70(m)
GPC分析データ:Mw=2,690、Mw/Mn=1.47(ポリスチレン換算)。
【0109】
比較例4
γ−グリシドキシプロピルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体の合成
【0110】
【化25】

【0111】
特開平4−202325記載の実施例1の合成例を元に合成を行った。
【0112】
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた1L4つ口フラスコに、pH12.5(25℃)の水酸化ナトリウム水溶液400g入れ、オイルバスで加熱して内温を50℃まで昇温した。内温50で3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン8.37g(0.0354モル)、フェニルトリメトキシシラン17.6g(0.0885モル)、メチルトリメトキシシラン7.23g(0.0531モル)の均一混合液を2分間で滴下した。滴下終了後、50〜55℃で撹拌を続けた後、冷却して結晶をろ過した。ろ過結晶を水300mLで3回、メタノール100mLで1回洗浄した後、ろ過結晶を取り出し2時間、100℃で乾燥した後、白色粉末を13.3g得た。得られた白色粉末をガラス基板に塗布するためにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させようとしたが、溶解しなかった。また、一般の溶媒(トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メタノール、イソプロピルアルコール等)にも溶解せず、ガラス基板に塗布することが出来なかった。
【0113】
<溶解性試験>
実施例1〜4、及び、比較例1〜4に従って製造されたシリコーン共重合体を200mLの三角フラスコに入れ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、樹脂の割合が5重量%(シリコーン共重合体5gに対してプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート95g)、25重量%(シリコーン共重合体25gに対してプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75g)、50重量%(シリコーン共重合体50gに対してプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50g)、90重量%(シリコーン共重合体90gに対してプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10g)となるように混合した。
【0114】
ついで25℃で30分間撹拌し、均一な液体であるかを目視で確認した。均一な液体となった場合を「○」、均一な液体とならなかった場合を「×」と判定した。
【0115】
<判定結果>
溶解性試験の判定結果を下記の表1に示した。
【0116】
【表1】

【0117】
このように特開平4−202325記載の実施例1の合成法で作られた球状シリコーン微粒子はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解せず微粒子が残った状態になり、均一な液体とならなかった。
【0118】
<絶縁被膜の製造>
実施例1〜4、及び、比較例1〜4に従って製造されたシリコーン共重合体を、それぞれプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解し、固形分濃度が30重量%になるように調整した溶液を得た。その後、当該溶液をPTFE製のフィルタで濾過し、シリコンウエハまたはガラス基板上に、溶媒除去した後の膜厚が5.0μmになるような回転数で30秒回転塗布した。その後150℃/2分かけて溶媒除去し、次いで、O2濃度が1000ppm未満にコントロールされている石英チューブ炉で350℃/30分間かけて被膜を最終硬化し、絶縁被膜とした。
【0119】
<被膜評価>
上記成膜方法により成膜された被膜に対して、以下の方法で膜評価を行った。
【0120】
〔透過率の測定〕
可視光領域に吸収がないガラス基板上に塗布された被膜について、日立製UV3310を用いて300nm〜800nmの透過率を測定した。
【0121】
〔耐熱性の評価〕
シリコンウエハ上に形成された最終硬化被膜について、溶媒除去した後の膜厚と最終硬化後の膜厚が、膜厚減少率として5%未満の場合を「○」、5〜10%の場合を「△」、10%以上の場合を「×」と判定した。なお、膜厚測定は、ガートナー製のエリプソメータL116Bで測定された膜厚であり、具体的には被膜上にHe−Neレーザー照射し、照射により生じた位相差から求められる膜厚を用いた。
【0122】
〔クラック耐性の評価〕
シリコンウエハ上に形成された最終硬化被膜について、金属顕微鏡により10倍〜100倍の倍率による面内のクラックの有無を確認した。クラックの発生がない場合は○、クラックが見られた場合を×と判定した。
【0123】
〔耐溶剤性の評価〕
シリコンウエハ上に形成された最終硬化被膜について、90℃の温度に加温されたジメチルスルホキシドの溶剤中に120分間浸漬して膜表面の荒れ、膜のハガレ、溶解の有無を試験した。膜表面の荒れ、膜のハガレ、溶解が全くない場合を「○」、膜表面の荒れ、膜のハガレ、溶解がないと思われる場合を「△」、膜表面の荒れ、膜のハガレ、溶解のいずれかが確認された場合を「×」と判定した
<評価結果>
絶縁皮膜の評価結果を下記の表2に示した。
【0124】
【表2】

【0125】
このように、本発明のシリコーン共重合体は、5.0μmの厚膜被膜にした場合でも、耐熱性、クラック耐性、耐溶剤性すべてを満足する材料となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式
【化1】

(式中、Rは、エポキシ基を含む炭化水素基を示す。)
で示されるエポキシ基を有するシルセスキオキサン単位と、
下記一般式
【化2】

(式中、Aは、芳香族炭化水素基を示す。)
で示されるシルセスキオキサン単位と、
下記一般式
【化3】

(式中、Bは、脂肪族炭化水素基を示す。)
で示されるシルセスキオキサン単位を有し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと1〜99重量%の割合で均一な液体となるシリコーン共重合体。
【請求項2】
平均重量分子量(Mw)が、500〜100,000である請求項1記載のシリコーン共重合体。
【請求項3】
下記一般式
【化4】

(式中、Rは、エポキシ基を含む炭化水素基、Aは、芳香族炭化水素基、Bは、脂肪族炭化水素基を示す。l、m、nは、それぞれモル%を示し、lは、1〜99モル%、mは、1〜99モル%、nは、1〜99モル%を示す。ただしl+m+n=100モル%である。)
で示される請求項1または2に記載のシリコーン共重合体。
【請求項4】
エポキシ基を有するシルセスキオキサン単位が、下記一般式
【化5】

または、下記一般式
【化6】

で示される請求項1から3のいずれかに記載のシリコーン共重合体。
【請求項5】
下記一般式
【化7】

(式中、Rは、エポキシ基を含む炭化水素基を示し、Xは、加水分解性基を示す。)
と、下記一般式
【化8】

(式中、Aは、芳香族炭化水素基を示し、Xは、加水分解性基を示す。)
と、下記一般式
【化9】

(式中、Bは、脂肪族炭化水素基を示し、Xは、加水分解性基を示す。)
で示されるモノマーを、アルカリ条件で加水分解して製造する請求項1から4のいずれかに記載のシリコーン共重合体の製造方法。

【公開番号】特開2009−120781(P2009−120781A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298977(P2007−298977)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(000187046)東レ・ファインケミカル株式会社 (153)
【Fターム(参考)】