説明

シリコーン含有ポリウレタンフォーム

本発明は、式V−(R2p-m([SiR2O]n−SiR21m (I)〔式中、基および指数は、請求項1記載の意味を有する〕の超分枝化されたシロキサン(A)を含有する発泡性調製物、その中に含有された超分枝化されたシロキサン、低い密度を有するシリコーン含有ポリウレタンフォームならびに該ポリウレタンフォームの製造法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ケイ素化合物を基礎とする発泡性調製物、その中に含有される超分枝化されたシロキサン、低い密度を有するシリコーン含有ポリウレタンフォームならびに該ポリウレタンフォームの製造法に関する。
【0002】
ポリウレタンフォームは、一般にポリイソシアネートを、2個以上の活性水素原子を含有する化合物と反応させることによって製造される。活性水素原子を含有する化合物は、通常、ポリオール、第1級ポリアミンおよび第2級ポリアミンならびに水である。前記反応体の間でポリウレタンフォームの製造中に2つの主要な反応が起こる。この反応は、原則的に同時に競争的にバランスのとれた速度で処理中に進行しなければならず、望ましい物理的性質を有するポリウレタンフォームが得られる。通常、ゲル化反応と呼称される、イソシアネートとポリオールまたはポリアミンとの反応は、高い分子量を有するポリマーの形成を導く。この反応の進行は、混合物の粘度を上昇させ、一般に多価ポリオールでの横方向の架橋の形成に貢献する。第2の主要反応は、ポリイソシアネートと水との間で起こる。この反応は、ウレタンポリマー成長に貢献し、発泡を支持する二酸化炭素ガスの形成にとって重要である。それ故に、この反応は、しばしば発泡反応と呼称される。ゲル化反応ならびに発泡反応は、フォーム中で起こり、これらの反応は、部分的または完全に二酸化炭素ガスで行なわれる。例えば、二酸化炭素の発生がゲル化反応と比較して急速すぎる場合には、フォームは、気泡破壊の傾向を有する。他の選択可能な方法によれば、ゲル化拡張反応が二酸化炭素を形成する発泡反応と比較して急速すぎる場合には、フォームの上昇は、制限され、このことは、高密度のフォームを生じる。同様に、劣悪に調整された横方向の架橋反応は、フォーム安定性に対して不利に作用する。使用されるポリオールは、一般に公知技術水準により種々のトポロジーで製出されることができかつ互いに分子量、枝分かれ度およびOH価で区別されるポリプロピレングリコールである。このポリオールの幅広い構造変形およびそれに関連した、ポリウレタンフォームの殆んど全ての使用に対する調整にも拘わらず、商業的に入手可能なポリウレタンフォームは、固有の燃焼可能性を重大な欠点として有する。多大な努力にも拘わらず、ここ数十年間にポリマーフォームの火炎遅延特性を改善するという強力な研究活動に欠けていたとしても、絶対的に不燃性のPU軟質フォームを市場に確立することに成功しなかった。
【0003】
燃焼抑制されたPU軟質発泡への1つの過程は、シリコーン−ポリウレタン軟質フォームを用いて記載される。この場合、標準PUフォームに使用される、良好に燃焼可能なポリオール成分は、不燃性のOH基を末端に有するシロキサンによって代替される。シリコーン−ポリウレタンコポリマー、即ちポリウレタン単位および/または尿素単位を含有するポリシロキサンを使用することによって、それぞれの使用に対して正確にアレンジされる、性質の新しい組合せを有する、この種の不燃性フォーム材料を開発することが可能である。
【0004】
このために、例えば欧州特許第1485419号明細書B1が指摘され、その中には、アルキルアミノ基またはアルキルヒドロキシ基を末端に有するシリコーン油およびジイソシアネートから出発してシリコーン−ポリウレタンフォーム材料を、所謂「ワンショット法」で製造することが記載されている。更に、ドイツ連邦共和国特許出願公開第102006013416号明細書A1には、シリコーン−PUフォームをプレポリマーから製造することが記載されており、この場合このプレポリマーは、アルキルアミノ基またはアルキルヒドロキシ基を末端に有するシリコーン油およびジイソシアネートを基礎に溶剤ベースの処理で製造される。
【0005】
これまで記載されたシリコーン−ポリウレタンフォームは、これが直鎖状シロキサンまたは極めて僅かではあるがランダムに側鎖中で枝分かれしたシロキサンを基礎にして製造されるものと考えられている。この直鎖状シロキサン鎖のために、発泡の際に上昇段階中に急速な分子量形成は、起こらず、したがって上昇段階中に比較的緩徐な粘度上昇だけが生じ、それによってポリマーマトリックスは、発泡反応の終結後でも一般に弱い流動能を有し、したがって微細なセル構造は、フォームの完全な硬化前に依然として気泡破壊しうる。セル構造の僅かな部分だけが崩壊する場合であっても、その結果、不規則的で粗大なセル分布が生じる。
【0006】
直鎖状のポリオール成分を使用する際にセルの気泡破壊に抵抗するために、個々のフォームセル間での補強は、上昇段階中に臨界的な直径を下廻ってはならない。即ち、なお流動能を有するポリマーマトリックスがフォーム構造の差し迫った崩壊に抵抗しうることは、そのまま維持される。しかし、望ましいフォーム密度が過度に低く選択された場合には、上昇段階中のセルの補強は、最終的に可撓性になるまで常に僅かになり、セル構造が安定化される。それに応じて、直鎖状のシロキサンを用いた場合には、一般に明らかに100kg/m3を上廻る密度を有するシリコーン−PUフォームだけが得られる。
【0007】
超分枝化されたポリマーは、既に公知であり、例えば合成、性質および使用に関連する概要の論説:C. Gao, D. Yan; Prog. Polym. Sei., 2004, 24, 183-275に詳細に議論されている。超分枝化されたポリマーは、デンドリマー状の巨大分子に含まれ、この巨大分子は、線状の主鎖に主に一次分枝または二次分枝を有する通常の分枝鎖状ポリマーよりも著しい枝分かれ度を有する。これまで、超分枝化されたポリマーの多種多様な合成法が使用されてきたが、その際、モノマーは、互いに反応するが自身とは反応しない、厳密に2つの異なる種類の官能基を有し、この場合、前記モノマーの官能価は全体で2より大きい。適当なモノマーの例は、1つの官能基Aと2つの官能基Bとを有するモノマーであり、即ちAB2−モノマーである。原則的に、x>1のABxの全てのモノマーを使用することができる。しかし、単分子重合におけるABx−モノマーの使用は、A基とB基とがポリマー合成において望ましい場合に初めて互いに反応する、即ち触媒の添加後に反応するかまたは温度上昇によって反応する場合にのみ可能である。従って、他の選択可能な方法によれば、超分枝化されたポリマーの合成は、それぞれ1種類の官能基を有するが、例えばA3構成単位およびB2構成単位のような異なる数で官能基を有する、2つの種々のモノマー型を用いて行なうこともできる。更に、前記の2つのA3型およびB2型の反応によって、その場で(in situ)A2BモノマーブロックおよびAB2モノマーブロックは、得ることができる(二分子重合:一般に、x>1およびy>2であるAxおよびByを用いる)。このような方法は一般に公知であり、例えば米国特許第6534600号明細書Bに記載されている。
【0008】
本発明の対象は、式
V−(R2p-m([SiR2O]n−SiR21m (I)
〔式中、
Vは、p価の基を表わし、
Rは、同一でも異なっていてもよく、場合により置換された1価の炭化水素基を表わし、
1は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも1個のイソシアネート基で置換された、ヘテロ原子で中断されていてよい1価の炭化水素基を表わし、
2は、同一でも異なっていてもよく、1価の基を表わし、
nは、1以上、有利に1〜1000、特に有利に5〜500、殊に10〜100の整数を表わし、
pは、3以上、有利に3〜20、特に有利に3または4の整数を表わし、および
mは、3以上、有利に3〜20、特に有利に3または4の整数を表わし、
但し、この場合pは、mより大きいかまたはmと等しい〕で示される超分枝化されたシロキサン(A)を含有する発泡性調製物である。
【0009】
Rの例は、アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、例えばn−ヘキシル基、ヘプチル基、例えばn−ヘプチル基、オクチル基、例えばn−オクチル基およびイソオクチル基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル基、ノニル基、例えばn−ノニル基、デシル基、例えばn−デシル基、ドデシル基、例えばn−ドデシル基;アルケニル基、例えばビニル基およびアリル基;シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基およびメチルシクロヘキシル基;アリール基、例えばフェニル基およびナフチル基;アルカリール基、例えばo−、m−、p−トリル基、キシリル基およびエチルフェニル基;アラルキル基、例えばベンジル基、α−フェニルエチル基およびβ−フェニルエチル基である。
【0010】
置換された炭化水素基Rの例は、メトキシメチレン基、エトキシメチレン基、ジメチルアミノメチレン基およびジエチルアミノメチレン基である。
【0011】
好ましくは、基Rは、場合により置換された、1〜40個の炭素原子を有する1価の炭化水素基、特に有利に1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基、殊に1〜6個の炭素原子を有する炭化水素基である。
【0012】
好ましくは、基R1は、式
−Ya−A−C(O)−NH−Z−NCO (II)
〔式中、
YとZは、互いに独立に、場合により置換された、ヘテロ原子で中断されていてよい2価炭化水素基を表わし、
Aは、−O−または−NR3−を表わし、R3は、水素原子または場合により置換された1価の炭化水素基であり、aは、0または1である〕で示される基である。
【0013】
3の例は、水素原子および基Rについて挙げた例である。
【0014】
好ましくは、基R3は、水素原子である。
【0015】
好ましくは、基Aは、基−NR3−であり、R3は、上記の意味を有する。
【0016】
基YおよびZの例は、それぞれ互いに独立に、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキサメチレン基、メチルオキシエチレン基、トルイレン基、メチレン−ビス−フェニレン基、フェニレン基、ナフチレン基、シクロヘキシレン基およびイソホロン基である。
【0017】
好ましくは、Yは、場合により−NCO−で置換された、ヘテロ原子で中断されていてよい脂肪族の2価炭化水素基、特に有利にプロピレン基およびメチルオキシエチレン基、殊にメチルオキシエチレン基である。
【0018】
好ましくは、Zは、場合により−NCO−で置換された、ヘテロ原子で中断されていてよい芳香族の2価炭化水素基、特に有利にトルオリレン基およびメチレン−ビス−フェニレン基、殊にトルオリレン基である。
【0019】
特に好ましくは、aは1である。
【0020】
基R2の例は、水素原子、オルガニルオキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基およびフェノキシ基、場合により置換された炭化水素基、例えば基Rの際に挙げた例、オルガニルオキシメチレン基、モルホリノメチレン基、ピペラジノメチレン基、アクリルアミドメチレン基、ジメチルアミノメチレン基、ジエチルアミノメチレン基、ジブチルアミノメチレン基、ジエチルアミノメチレン基、ジブチルアミノメチレン基、フェノキシメチレン基およびメチルメルカプトメチレン基ならびに酸素ならびに珪素によりVに結合されていてよいシロキサニル基である。
【0021】
好ましくは、基R2は、オルガニルオキシメチレン基、特に有利にメトキシメチレン基である。
【0022】
基Vの例は、これまで公知の任意の多価基、例えば多価有機基、多価シリル基および硼酸基である。
【0023】
好ましくは、基Vは、多価有機基または多価シリル基、特に有利に多価有機基である。
【0024】
基Vが多価シリル基である場合には、SiO3/2およびSiO4/2が好ましい。
【0025】
基Vが多価有機基である場合には、場合により窒素原子および/または酸素原子で置換された多価の炭化水素基が好ましく、式
W−[R4−R5−C(O)−R6−Rc7−]m (IV)
〔式中、
Wは、ヘテロ原子を含有していてよいp価の炭化水素基を表わし、
4は、同一でも異なっていてもよく、場合により置換された2価炭化水素基であり、
5は、同一でも異なっていてもよく、場合により置換された炭化水素基、−O−または−NR3'−を表わし、R3'は、R3のために上記された意味と同じであり、
6は、同一でも異なっていてもよく、場合により置換された炭化水素基、−O−または−NR3''−を表わし、R3''は、R3のために上記された意味と同じであり、
7は、同一でも異なっていてもよく、場合により置換された2価炭化水素基を表わし、
cは、0または1であり、
pとmは、上記の意味の一方と等しく、
但し、この場合pは、mより大きいかまたはmと等しい〕で示される基が特に好ましい。
【0026】
好ましくは、Wは、場合によりヘテロ原子を含有する、脂肪族または芳香族の3価炭化水素基、特に有利にシアヌレート基およびビウレット基、殊にビウレット基である。
【0027】
基R4およびR7の例は、それぞれ互いに独立に、Yについて記載された基である。
【0028】
好ましくは、場合により置換された、1〜10個の炭素原子を有する2価炭化水素基、特に有利にフェニレン基、トリレン基およびヘキサメチレン基、殊にヘキサメチレン基である。
【0029】
好ましくは、基R5は、−NH−である。
【0030】
好ましくは、基R6は、−O−である。
【0031】
好ましくは、c=1の場合に基([SiR2O]n−SiR21)ならびに場合により式(I)のR2が結合しているR7は、場合により置換された、1〜6個の炭素原子を有する脂肪族の2価炭化水素基、特に有利にプロピレン基およびメチルオキシエチレン基、殊にメチルオキシエチレン基である。cが0である場合、前記基は、直接にR6に結合している。
【0032】
特に好ましくは、cは、1と等しい。
【0033】
本発明により使用される超分枝化されたシロキサン(A)は、有利に0.5〜10質量%、特に有利に1〜5質量%のイソシアネート含量を有する。
【0034】
本発明により使用される超分枝化されたシロキサン(A)は、それぞれ25℃で、有利に100〜10000mPas、特に有利に500〜5000mPasの粘度を有する。
【0035】
更に、本発明の対象は、式
V−(R2p-m([SiR2O]n−SiRR1m (I)
〔式中、
Vは、p価の基であり、
Rは同一でも異なっていてもよく、1価の、場合により置換された炭化水素基であり、
1は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも1個のイソシアネート基で置換された、ヘテロ原子で中断されていてよい1価の炭化水素基を表わし、
2は、同一でも異なっていてもよく、1価の基を表わし、
nは、1以上、有利に1〜1000、特に有利に5〜500、殊に10〜100の整数を表わし、
pは、3以上、有利に3〜20、特に有利に3または4の整数を表わし、および
mは、3以上、有利に3〜20、特に有利に3〜4の整数を表わし、
但し、この場合pは、mより大きいかまたはmと等しい〕で示される超分枝化されたシロキサン(A)である。
【0036】
本発明による超分枝化されたシロキサン(A)は、珪素化学において通常の方法により製造されることができる。
【0037】
本発明の1つの好ましい実施態様において、Vが有機基と等しい式(I)の本発明による超分枝化されたシロキサン(A)は、直鎖状のα,ω−アミノアルキル官能化されたシロキサン、α,ω−ヒドロキシアルキル官能化されたシロキサンまたはα,ω−ヒドロキシ官能化されたシロキサン(A1)をポリイソシアネートと反応させることによって製造される。この反応は、一工程法または多工程法であることができる。二工程法が問題である場合には、第1の工程でポリイソシアネートは、シロキサン(A1)に対して不足量で使用され、その際に超分枝化されたシロキサン(A2)が得られる。更に、直ぐ次の反応工程において、超分枝化されたシロキサン(A2)は、他のポリイソシアネートと反応され、この場合このポリイソシアネートは、過剰量で使用され、したがってアミノアルキル基1モルまたは超分枝化されたシロキサン(A2)のヒドロキシアルキル官能基1モル当たりイソシアネート単位が少なくとも1モル、殊に2〜10モル使用される。モル過剰量のイソシアネートは、特にフォーム形成の際に水との反応のために使用される。
【0038】
更に、本発明の1つの好ましい実施態様において、Vがシリル基と等しい式(I)の本発明による超分枝化されたシロキサン(A)は、二工程法で得られ、この場合には、最初に直鎖状のα,ω−ヒドロキシ末端基を有するシロキサン(A3)が(A3)に対して反応性のシラン、例えばトリメトキシメチルシランと、シロキサン(A3)に対して不足量で反応される。この場合には、超分枝化されたシロキサン(A4)が得られ、これは、さらにポリイソシアネートと反応され、この場合このポリイソシアネートは、過剰量で使用され、したがって超分枝化されたシロキサン(A4)のヒドロキシ基1モル当たりイソシアネート単位が少なくとも1モル、殊に2〜10モル使用される。モル過剰量のイソシアネートは、特にフォーム形成の際に水との反応のために使用される。
【0039】
場合によっては、超分枝化されたシロキサン(A4)は、反応前にポリイソシアネートで官能化されてよい。この場合、好ましくは、式
【化1】

で示されるシラ環式化合物で官能化される。
【0040】
本発明による調製物は、シロキサン(A)以外に、他の物質、例えばイソシアネート(B)、充填剤(C)、乳化剤(D)、物理的発泡剤(E)、触媒(F)、化学的発泡剤(G)および添加剤(H)を含有することができる。
【0041】
場合により使用されるイソシアネート(B)として、公知の全てのジイソシアネートまたはポリイソシアネートが使用されてよい。
【0042】
好ましくは、ポリイソシアネート(B)として、一般式(I)
Q(NCO)b (V)
〔式中、
Qは、b官能価の場合により置換された炭化水素基を表わし、
bは、少なくとも2、有利に2〜10、特に有利に2または4、殊に2〜3の整数を表わす〕で示されるポリイソシアネートが使用される。
【0043】
特に、Qは、場合により置換された、4〜30個の炭素原子を有する炭化水素基、特に有利に6〜25個の炭素原子を有する炭化水素基である。
【0044】
ジイソシアネート(B)の例は、粗製MDIまたは工業用MDIの形ならびに純粋な4,4’−異性体もしくは2,4’−異性体またはこれらの調製物の形のジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、種々の位置異性体の形のトリレンジイソシアネート(TDI)、ジイソシアナトナフタリン(NDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(TMXDI)または更にはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)である。ポリイソシアネート(B)の例は、ポリマーのMDI(p−MDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、または上記イソシアネートのビウレット三量体またはイソシアヌレート三量体である。ジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネート(B)は、単独で使用されてもよいし、混合物で使用されてもよい。
【0045】
イソシアネート(B)は、殊に二工程での製造法が問題である場合に、シロキサン(A)の製造の際に使用されるのと同じイソシアネートであることができる。この場合、望ましい場合には、シロキサン(A)の製造の際に、イソシアネートは、同様に過剰量で使用されることができ、こうして得られた混合物は、有利に本発明による調製物の製造のために同様にさらに使用される。
【0046】
本発明による調製物がイソシアネート(B)を含有する場合には、それぞれ超分枝化されたシロキサン(A)100質量部に対して有利に0.1〜50質量部、特に有利に0.1〜40質量部、殊に0.1〜30質量部の量が重要である。
【0047】
本発明による調製物は、有利にイソシアネート(B)を含有する。
【0048】
充填剤を使用する場合には、全ての非補強性充填剤、即ち50m2/gまでのBET表面積を有する充填剤、例えば白亜、または補強性充填剤、即ち少なくとも50m2/gのBET表面積を有する充填剤、例えばカーボンブラック、沈降珪酸または熱分解法珪酸が重要である。この場合には、殊に疎水性の熱分解法珪酸ならびに親水性の熱分解法珪酸が好ましい充填剤である。本発明の特に好ましい実施態様において、表面がトリメチルシリル基で変性されている疎水性の熱分解法珪酸が使用される。この場合、使用される充填剤(C)、殊に熱分解法珪酸は、種々の機能を知覚することができる。即ち、この熱分解法珪酸は、発泡性混合物の粘度を調節するために使用されることができる。しかし、なかんずく、この熱分解法珪酸は、発泡中に"支持機能"を知覚することができ、こうして良好なフォーム構造を有するフォームを生じることができる。また、最終的に、生じるフォームの機械的性質は、充填剤(C)の使用、殊に熱分解法珪酸の使用によって決定的に改善されてもよい。更に、充填剤(C)として黒鉛層間化合物(Aufblaetterungsgraphit)が添加されてもよい。
【0049】
本発明による調製物がイソシアネート(B)を含有する場合には、それぞれシロキサン(A)100質量部に対して有利に0.1〜30質量部、特に有利に0.1〜20質量部、殊に0.1〜15質量部の量が重要である。
【0050】
本発明による調製物は、好ましくは充填剤(C)を含有する。
【0051】
多くの場合に、発泡性調製物に乳化剤(D)を添加することは、有利である。フォーム安定剤としても使用される適当な乳化剤(D)として、例えばポリエーテル側鎖によって変性された全ての市販のシリコーンオリゴマーが使用されることができ、このシリコーンオリゴマーは、従来のポリウレタンフォームの製造にも使用される。
【0052】
乳化剤(D)を使用する場合には、発泡性調製物の全質量に対して有利に6質量%まで、特に有利に0.3〜3質量%の量が重要である。
【0053】
本発明による調製物は、有利に乳化剤(D)を含有する。
【0054】
その上、この調製物は、物理的発泡剤として使用することができる化合物(E)を含有することもできる。成分(E)として、有利に低分子量炭化水素、例えばプロパン、ブタンまたはシクロペンタン、ジメチルエーテル、弗素化炭化水素、例えば1,1−ジフルオロエタンまたは1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたはCO2が使用される。この場合、フォームの製造は、場合により専ら物理的発泡剤(E)によって行なうことができる。しかし、多くの場合には、フォームの形成は、なかんずくイソシアネート官能性シロキサンを化学的発泡剤としての成分(G)と反応させることによって行なわれる。しかし、この場合も、物理的発泡剤(E)を化学的発泡剤としての成分(G)と組み合わせて使用することは、好ましく、こうして僅かな密度を有するフォームが達成される。
【0055】
本発明による調製物が成分(E)を含有する場合には、それぞれシロキサン(A)100質量部に対して有利に0.1〜30質量部、特に有利に0.1〜20質量部、殊に0.1〜15質量部の量が重要である。
【0056】
本発明による調製物は、有利に物理的発泡剤(E)を含有しない。
【0057】
更に、本発明による発泡性調製物は、フォーム硬化を促進する触媒(F)を含有することができる。触媒(F)としては、なかんずく有機錫化合物が適している。例は、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエートまたはジブチル錫−ビス−(ドデシルメルカプチド)である。その上、錫不含の触媒、例えば重金属化合物またはアミンもこれに該当する。錫不含の触媒の例としては、鉄(III)−アセチルアセトネート、錫(II)−オクトエート、ジルコニウム(IV)−アセチルアセトネートおよびビスマス(III)−ネオデカノエートが挙げられる。アミンの例は、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]−オクタン、N,N−ビス−(N,N−ジメチル−2−アミノエチル)−メチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルフェニルアミン、ビス−N,N−ジメチル−アミノエチルエーテル、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、N,N−ジメチルアミノピリジン、N,N,N,N−テトラメチル−ビス−(2−アミノエチルメチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン、N−エチルモルホリンまたはN,N’−ジメチルアミノピリジンである。
【0058】
触媒(F)は、単独で使用されてもよいし、混合物として使用されてもよい。場合によっては、シロキサン(A)の製造の際に使用される触媒は、同時にフォーム硬化のための触媒(F)として使用されてもよい。
【0059】
触媒(F)を使用する場合には、本発明による発泡性調製物の全質量に対して有利に0.1〜6質量%、特に有利に0.3〜4.0質量%の量が重要である。
【0060】
本発明による調製物は、好ましくは触媒(F)を含有する。
【0061】
化学的発泡剤(G)として、原理的に水ならびに有利にイソシアネートに対して反応性の少なくとも1つの機能を有する全ての化合物が使用されてよい。
【0062】
成分(G)の例は、成分(A)とは異なるアミノアルキル官能性シロキサンまたはヒドロキシ官能性シロキサン、モノマーのアルコール、モノマーのジオール、例えばグリコール、プロパンジオールおよびブタンジオール、モノマーのオリゴオール、例えばペンタエリトリットまたはトリヒドロキシメチルエタン、1個、2個または数個のヒドロキシル基を有するオリゴマーまたはポリマーのアルコール、エチレングリコールまたはプロピレングリコール、水、1個、2個または数個のアミン官能基を有するモノマーのアミン、例えばエチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン、ならびに1個、2個または数個のアミン官能基を有するオリゴマーまたはポリマーのアミンである。
【0063】
成分(G)を使用する場合には、有利にヒドロキシ化合物が重要であり、この場合には、水が特に好ましい。
【0064】
成分(G)を使用する場合には、それぞれシロキサン(A)100質量部に対して有利に0.1〜20質量部、特に有利に0.1〜15質量部、殊に0.1〜10質量部の量が重要である。
【0065】
特に、本発明による組成物は、成分(G)を含有する。
【0066】
更に、添加剤(H)としてセル調整剤、チキソトロピー剤および/または可塑剤の添加も好ましい。その上、燃焼安定性を改善するために、発泡性調製物に防炎剤、例えば燐含有化合物、なかんずくホスフェートおよびホスホネート、ならびにハロゲン化ポリエステルおよびポリオールまたはクロロパラフィンが添加されてよい。
【0067】
添加剤(H)を使用する場合には、それぞれシロキサン(A)100質量部に対して有利に0.1〜30質量部、特に有利に0.1〜20質量部、殊に0.1〜15質量部の量が重要である。
【0068】
本発明による調製物は、好ましくは添加剤(H)を全く含有しない。
【0069】
本発明により使用される成分は、それぞれ、前記成分の1種類ならびにそれぞれの成分の少なくとも2種類からなる混合物であることができる。
【0070】
好ましくは、本発明による調製物は、
(A)式(I)のシロキサン、
場合により
(B)イソシアネート、
場合により
(C)充填剤、
場合により
(D)乳化剤、
場合により
(E)物理的発泡剤、
場合により
(F)触媒、
場合により
(G)化学的発泡剤および
場合により
(H)添加剤を含有する調製物であり、
この場合本発明による調製物は、成分(E)および(G)から選択された少なくとも1つの発泡剤、殊に少なくとも(G)を含有する。
【0071】
本発明による調製物は、成分(A)ならびに場合により成分(B)〜(H)の中の1つ以上を除いて他の成分を全く含有しない。
【0072】
更に、本発明による調製物は、任意の自体公知の方法、例えば個々の成分の簡単な混合により製造されることができ、この場合には、個々の成分のプレミックスが製造されてもよい。この場合には、1成分系ならびに2成分系が製造されることができる。
【0073】
本発明による調製物を2成分系の形で準備し、このことは、有利であり、即ち本発明による発泡性調製物の2つの成分は、全ての成分を任意の組合せおよび量比で含有することができ、但し、この場合1つの成分は、成分(A)と(G)または(B)と(G)を同時に含まない。
【0074】
即ち、例えば本発明による調製物の製造のために、有利に成分(A)、場合により成分(B)、場合により成分(C)、場合により成分(D)および場合により成分(H)を成分1として含有し、ならびに成分(G)、場合により成分(D)および場合により成分(F)を含む成分2を含有する混合物が準備され、次に、この混合物は、本発明によるフォームの製造のために互いに混合される。
【0075】
しかし、望ましい場合には、本発明による調製物の製造のために、全ての成分が1つの工程で互いに混合されてもよい。更に、前記の1成分系の場合、フォーム形成は、有利に物理的発泡剤(E)の使用によって行なわれる。フォームの施与後、このフォームは、さらに空気湿分との反応によって同様に硬化する。
【0076】
本発明による調製物は、有利に液状ないし粘稠であり、25℃で有利に250〜10000mPas、特に有利に500〜5000mPasの粘度を有する。
【0077】
本発明による調製物は、フォーム、特に有利に硬質フォームまたは軟質フォーム、殊に軟質フォームの製造に使用される。
【0078】
更に、本発明の対象は、シリコーン含有ポリウレタンフォームの製造法であり、この方法は、超分枝化されたシロキサン(A)と少なくとも1つの発泡剤とを混合し、反応させることによって特徴付けられる。
【0079】
本発明による方法の1つの好ましい実施態様において、超分枝化されたシロキサン(A)と触媒(F)と化学的発泡剤(G)とは混合され、反応させることができる。
【0080】
本発明による方法は、有利に0〜100℃、特に有利に10〜40℃、殊に15〜30℃の温度で実施される。
【0081】
本発明による方法は、有利に周囲の大気圧、即ち約900〜1100hPaで実施される。
【0082】
本発明による方法の場合には、有利にCO2が放出され、このCO2は、大部分が本発明によるフォーム構造を構成する役割を果たしている。
【0083】
更に、本発明の対象は、超分枝化されたシロキサン(A)を少なくとも1つの発泡剤と反応させることによって製造可能なフォームである。
【0084】
本発明によるフォームは、微細な連続気泡のフォーム構造を示す。この本発明によるフォームの機械的性質は、商業的に使用可能なPUフォームの機械的性質に相当する。
【0085】
本発明によるフォームは、有利に10〜500kg/m3、特に有利に15〜200kg/m3、殊に20〜120kg/m3の密度を有する。
【0086】
本発明によるフォームは、これまでにもポリウレタンフォームが使用されてきたあらゆる所で使用されることができる。殊に、本発明によるフォームは、クッション、断熱および騒音の遮断に適している。
【0087】
本発明による発泡性調製物は、これが極めて簡単に従来の公知方法でPU技術から加工されうるという利点を有する。
【0088】
更に、本発明による調製物は、これが商業的に簡単に使用可能な出発物質を用いて製造されうるという利点を有する。
【0089】
更に、本発明による調製物は、これが簡単に加工可能であり、低粘稠で製造されうるという利点を有する。
【0090】
本発明による調製物は、僅かな密度を有するシリコーン−ポリウレタンフォームを製造することができるという利点を有する。
【0091】
シリコーン含有PUフォームを製造するための本発明による方法は、この方法が簡単に実施されるという利点を有する。
【0092】
更に、本発明によるフォームは、これが可撓性を有し、発火が極めて困難であるという利点を有する。
【0093】
更に、本発明によるフォームは、これが殊に僅かなフォーム密度を組み合わされて高い機械的強度を有するという利点を有する。
【0094】
次の実施例において、部および百分率で示される全ての記載は、別記しない限り、質量に対するものである。別記しない限り、次の実施例は、周囲大気の圧力で、即ち約1000hPaで、かつ室温で、即ち約20℃で、もしくは反応体を室温で付加的な加熱または冷却をせずに合わせる場合に生じる温度で実施される。例に挙げられた全ての粘度の記載は、25℃の温度を基準とするものである。
【実施例】
【0095】
比較例1
無水メチルエチルケトン100ml中の式H2N−(CH23−[Si(CH32−O]129Si(CH32−(CH23−NH2の直鎖状オルガノポリシロキサン50.00gの溶液に、不活性ガスの雰囲気下で0℃で、無水メチルエチルケトン50ml中に溶解されたトリレンジイソシアネート5.2g(TDI)を1時間に亘って徐々に滴加した。次に、こうして得られた、イソシアナトシロキサン51.7gと共になおTDI3.5gを含有する反応混合物を、10ミリバールの圧力で溶剤から遊離した。
【0096】
こうして得られたプレポリマー20.00gに触媒としてのビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル0.20g(Huntsman Corp., D-Hamburgの"Jeffcat(登録商標)ZF-20"の商標で商業的に入手可能)および乳化剤0.15g(Wacker Chemie AG, D-Muenchenで商標Belsil(登録商標)DMC 3071VPで商業的に入手可能)を添加した。こうして得られた混合物を最初に高速KPG攪拌機で均一な乳濁液に加工した。引続き、水0.16gを迅速に添加し、再び高速KPG攪拌機で均一な混合物に乳化した。約5秒後、フォーム発生を有する発熱反応が開始した。フォーム形成は、さらに約40秒後に終結し、熱発生中になお約30秒間保持した。130kg/m3の密度を有する無色で可撓性の不燃性軟質フォームが生じた。
【0097】
比較例2
無水メチルエチルケトン100ml中の式H2N−(CH23−[Si(CH32−O]129Si(CH32−(CH23−NH2の直鎖状オルガノポリシロキサン50.00gの溶液に、不活性ガスの雰囲気下で0℃で、無水メチルエチルケトン50ml中に溶解されたトリレンジイソシアネート8.7g(TDI)を1時間に亘って徐々に滴加した。次に、こうして得られた、イソシアナトシロキサン51.7gと共になおTDI6.9gを含有する反応混合物を、10ミリバールの圧力で溶剤から遊離した。
【0098】
こうして得られたプレポリマー20.00gに触媒としてのビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル0.20g(Huntsman Corp., D-Hamburgの"Jeffcat(登録商標)ZF-20"の商標で商業的に入手可能)および乳化剤0.15g(Wacker Chemie AG, D-Muenchenで商標Belsil(登録商標)DMC 3071VPで商業的に入手可能)を添加した。こうして得られた混合物を最初に高速KPG攪拌機で均一な乳濁液に加工した。引続き、水0.28gを迅速に添加し、再び高速KPG攪拌機で均一な混合物に乳化した。約5秒後、フォーム発生を有する発熱反応が開始し、この発熱反応は、さらに20秒後にフォーム構造の気泡破壊と共に終結した。
【0099】
実施例1
式HO−(CH22−O−(CH2)−[Si(CH32−O]39Si(CH32−(CH2)−O−(CH22−OHの直鎖状オルガノポリシロキサン60.00gおよび三官能価イソシアネート3.4g(Bayer MatrerialScience AG, D-Leverkusenで商標Desmodur(登録商標)N3300で商業的に入手可能)を不活性ガス雰囲気下で無水アセトン100ml中で反応させた。この反応を錫−(II)−(2−エチル−ヘキサノエート)20mgで促進させ、50℃で1時間攪拌した。引続き、トリレンジイソシアネート13.0g(TDI)を反応混合物に添加し、さらに50℃で30分間反応させ、この場合オルガノシロキサンのヒドロキシル基は、完全に反応した。次に、こうして得られた、超分枝化されたイソシアナトシロキサン63.5gと共になおTDI0.5gを含有する反応混合物に塩化ベンゾイル20mgを添加し、10ミリバールの圧力で溶剤から遊離した。
【0100】
こうして得られた混合物20.00gに触媒としてのビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル0.20g(Huntsman Corp., D-Hamburgの"Jeffcat(登録商標)ZF-20"の商標で商業的に入手可能)および乳化剤0.10g(Wacker Chemie AG, D-Muenchenで商標Belsil(登録商標)DMC 3071VPで商業的に入手可能)を添加した。こうして得られた混合物を最初に高速KPG攪拌機で均一な乳濁液に加工した。引続き、水0.32gを迅速に添加し、再び高速KPG攪拌機で均一な混合物に乳化した。約5秒後、フォーム発生を有する発熱反応が開始した。フォーム形成は、さらに約40秒後に終結し、熱発生中になお約30秒間保持した。70kg/m3の密度を有する無色で可撓性の不燃性軟質フォームが生じた。
【0101】
実施例2
式HO−(CH22−O−(CH2)−[Si(CH32−O]39Si(CH32−(CH2)−O−(CH22−OHの直鎖状オルガノポリシロキサン60.00gおよび三官能価イソシアネート3.4g(Bayer MatrerialScience AG, D-Leverkusenで商標Desmodur(登録商標)N3300で商業的に入手可能)を不活性ガス雰囲気下で無水アセトン100ml中で反応させた。この反応を錫−(II)−(2−エチル−ヘキサノエート)20mgで促進させ、50℃で1時間攪拌した。引続き、トリレンジイソシアネート15.0g(TDI)を反応混合物に添加し、さらに50℃で30分間反応させ、この場合オルガノシロキサンのヒドロキシル基は、完全に反応した。次に、こうして得られた、超分枝化されたイソシアナトシロキサン63.5gと共になおTDI11.5gを含有する反応混合物に塩化ベンゾイル20mgを添加し、10ミリバールの圧力で溶剤から遊離した。
【0102】
こうして得られた混合物20.00gに触媒としてのビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル0.20g(Huntsman Corp., D-Hamburgの"Jeffcat(登録商標)ZF-20"の商標で商業的に入手可能)および乳化剤0.10g(Wacker Chemie AG, D-Muenchenで商標Belsil(登録商標)DMC 3071VPで商業的に入手可能)を添加した。こうして得られた混合物を最初に高速KPG攪拌機で均一な乳濁液に加工した。引続き、水0.36gを迅速に添加し、再び高速KPG攪拌機で均一な混合物に乳化した。約5秒後、フォーム発生を有する発熱反応が開始した。フォーム形成は、さらに約40秒後に終結し、熱発生中になお約30秒間保持した。55kg/m3の密度を有する無色で可撓性の不燃性軟質フォームが生じた。
【0103】
実施例3
式HO−[Si(CH32−O]39Si(CH32−OHの直鎖状オルガノポリシロキサン60.00gを、最初にメトキシメチルトリメトキシシラン0.33gと80℃で15分間、触媒としてのリチウムメチラート100ppmの存在下で反応させた。引続き、2,2−ジメチル−2−シラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン0.81gを添加し、さらに80℃で30分間攪拌した。反応の終結後、超分枝化されたシロキサンを酢酸100ppmで中和し、10ミリバールで15分間、真空中で副生成物を取り除いた。引続き、このシロキサンを無水アセトン100ml中に取り込み、トリレンジイソシアネート13.0gを添加した。次に、こうして得られた反応混合物を50℃で30分間、触媒としての錫−(II)−(2−エチルヘキサノエート)20mgの存在下に攪拌し、この場合オルガノシロキサンのヒドロキシル基は、完全に反応した。その後に、反応混合物は、超分枝化されたイソシアナトシロキサン64.5gと共にTDI9.5gをなお含有する。引続き、この反応混合物に塩化ベンゾイル20mgを添加し、10ミリバールの圧力で溶剤を取り除いた。
【0104】
こうして得られた混合物20.00gに触媒としてのビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル0.20g(Huntsman Corp., D-Hamburgの"Jeffcat(登録商標)ZF-20"の商標で商業的に入手可能)および乳化剤0.15g(Wacker Chemie AG, D-Muenchenで商標Belsil(登録商標)DMC 3071VPで商業的に入手可能)を添加した。こうして得られた混合物を最初に高速KPG攪拌機で均一な乳濁液に加工した。引続き、水0.316gを迅速に添加し、再び高速KPG攪拌機で均一な混合物に乳化した。約5秒後、フォーム発生を有する発熱反応が開始した。フォーム形成は、さらに約40秒後に終結し、熱発生中になお約30秒間保持した。70kg/m3の密度を有する無色で可撓性の不燃性軟質フォームが生じた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

V−(R2p-m([SiR2O]n−SiR21m (I)
〔式中、
Vは、p価の基であり、
Rは同一でも異なっていてもよく、1価の、場合により置換された炭化水素基であり、
1は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも1個のイソシアネート基で置換された、ヘテロ原子で中断されていてよい1価の炭化水素基を表わし、
2は、同一でも異なっていてもよく、1価の基を表わし、
nは、1以上の整数を表わし、
pは、3以上の整数を表わし、および
mは、3以上の整数を表わし、
但し、この場合pは、mより大きいかまたはmと等しい〕で示される超分枝化されたシロキサン(A)を含有する発泡性調製物。
【請求項2】
基R1が、式
−Ya−A−C(O)−NH−Z−NCO (II)
〔式中、
YとZは、互いに独立に、場合により置換された、ヘテロ原子で中断されていてよい2価炭化水素基を表わし、
Aは、−O−または−NR3−を表わし、R3は、水素原子または場合により置換された1価の炭化水素基であり、aは、0または1である〕で示される基である、請求項1記載の発泡性調製物。
【請求項3】
aは1と等しい、請求項1または2記載の発泡性調製物。
【請求項4】
基Vが多価の有機基または多価のシリル基である、請求項1から3までのいずれか1項記載の発泡性調製物。
【請求項5】
(A)式(I)のシロキサン、
場合により
(B)イソシアネート、
場合により
(C)充填剤、
場合により
(D)乳化剤、
場合により
(E)物理的発泡剤、
場合により
(F)触媒、
場合により
(G)化学的発泡剤および
場合により
(H)添加剤、
この場合本発明による調製物は、成分(E)および(G)から選択された少なくとも1つの発泡剤を含有するものである、請求項1から4までのいずれか1項記載の発泡性調製物。
【請求項6】

V−(R2p-m([SiR2O]n−SiRR1m (I)
〔式中、
Vは、p価の基であり、
Rは同一でも異なっていてもよく、1価の、場合により置換された炭化水素基であり、
1は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも1個のイソシアネート基で置換された、ヘテロ原子で中断されていてよい1価の炭化水素基を表わし、
2は、同一でも異なっていてもよく、1価の基を表わし、
nは、1以上の整数を表わし、
pは、3以上の整数を表わし、および
mは、3以上の整数を表わし、
但し、この場合pは、mより大きいかまたはmと等しい〕で示される超分枝化されたシロキサン(A)。
【請求項7】
シリコーン含有ポリウレタンフォームを製造する方法において、超分枝化されたシロキサン(A)と少なくとも1つの発泡剤とを混合し、反応させることを特徴とする、シリコーン含有ポリウレタンフォームを製造する方法。
【請求項8】
化学的発泡剤(G)を発泡剤として使用する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
超分枝化されたシロキサン(A)を少なくとも1つの発泡剤と反応させることによって製造可能なフォーム。
【請求項10】
10〜500kg/m3の密度を有する、請求項9記載のフォーム。

【公表番号】特表2011−505482(P2011−505482A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536419(P2010−536419)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066538
【国際公開番号】WO2009/071510
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】