説明

シリンダ位置センサおよびシリンダ位置センサを組み込んだシリンダ

シリンダバレルと、シリンダバレル内に配置されたピストンと、少なくとも1つの磁石が結合されているピストンに結合されたピストンロッドと、ピストンバレルの外側に位置決めされた少なくとも1つの感知素子を備えるシリンダ位置センサシステムを提供する。磁石は、ピストンの位置の指標を提供するために、感知素子によって感知される磁場を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に位置センサ、より具体的にはシリンダとともに使用するための位置センサに関する。
【0002】
本出願は、2008年5月19日に出願した米国仮特許出願第61/054,265号の出願日の利益を主張するものであり、また教示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2006年12月13日に出願した米国仮特許出願第60/869,805号、2006年12月22日に出願した米国仮特許出願第60/871,622号、2007年5月4日に出願した米国仮特許出願第60/916,000号、および2007年9月26日出願した米国仮特許出願第60/975,328号の出願日の利益を主張する、2007年12月13日に出願した米国特許出願第11/956,302号の一部継続出願である。
【背景技術】
【0003】
一方の構成部品の、他方の構成部品に対する位置および移動を制御するためにアクチュエータを使用することはよく知られている。多くのアクチュエータ(油圧シリンダ、空気圧シリンダなど)は、シリンダと、ピストンが結合されているピストンロッドとを備える。シリンダおよびピストン/ロッドは、作動力(限定はしないが、加圧された作動液または圧縮空気など)が導入されたときに互いに対して移動する。
【0004】
多くの用途において、シリンダに関するロッドの位置を知ることが望ましいことがある。ロッドの位置を制御することは、一般に、機械類の動作を制御する場合の基礎である。シリンダに対するロッドの絶対位置または速度を測定することは、従来のフィードバック制御技術を使用してそのような制御を行うために必要になることが多い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示と一致する、ピストンロッドおよびピストンロッドに結合された要素の位置を判定するためのシリンダ位置センサシステムのさまざまな実施形態が図示されている。シリンダは、限定はしないが、油圧および空気圧ピストンアクチュエータなどの当業者に知られている任意のシリンダ設計、およびアクチュエータ流体(例えば、限定はしないが、作動液または圧縮空気)を使って互いに対して移動する少なくとも1つのシリンダバレルおよび少なくとも1つのロッド/ピストンを備える同様のものを含むことができる。当業者であれば、本開示と一致するシリンダ位置センサシステムが、他の用途でも同様に使用されうることを理解するであろう。
【0006】
これからさらに詳しく説明するように、本明細書で説明されているシリンダ位置センサシステムは、シリンダロッドの位置を判定/推定するために使用されうる信号を出力する1つまたは複数の感知素子の使用を伴うものとしてよい。感知素子としては、ホール効果センサ、フラックスゲートセンサ、MRセンサ、GMRセンサ、または他の任意の磁気センサのうちの1つまたは複数が挙げられるが、これらに限られるわけではない。周知のように、デジタルホール効果センサは、デジタル信号を送り出すように構成することができ、出力は所定のレベルの磁束が存在する場合にデジタル「1」出力を含み、所定のレベルの磁束が存在しない場合にデジタル「0」出力を含むことができる。もちろん、出力信号の値は、反転させることも可能である。あるいは、センサの出力は、アナログ信号を含むこともできる。簡潔にし、わかりやすくするために、シリンダ位置センサシステムのシリンダ部分は、全体を示していない場合があるが、当業者の知識の範囲内で考えられるものである。
【0007】
以下の詳細な説明を参照するが、この説明は、類似の番号は類似の部分を表す以下の図に関して読むべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本開示と一致するシステムの例示的な一実施形態を示す図である。
【図2】本開示と一致する永久磁石および感知素子の例示的な一配置構成を含む例示的なピストンロッドを示す図である。
【図3】図2に示されている実施形態に関連付けられているロッドストローク/位置に対する感知された磁場のプロットである。
【図4】本開示と一致する永久磁石、感知素子、および消磁コイルの例示的な一配置構成を含む他の例示的なピストンロッドを示す図である。
【図5】本開示と一致する永久磁石および感知素子の例示的な一配置構成を含む他の例示的なピストンロッドを示す図である。
【図6】図5に例示されている実施形態の断面図である。
【図7】本開示と一致する永久磁石の例示的な一配置構成を含む他の例示的なピストンロッドを示す図である。
【図8】本開示と一致する例示的なシリンダ位置センサに関連付けられているロッドストローク/位置に対する感知された磁場のプロットである。
【図9】本開示と一致する他の例示的なシリンダを示す図である。
【図10】永久磁石の位置決めを示す図9に例示されている実施形態の断面図である。
【図11A】本開示と一致する永久磁石の径方向磁化を図式的に示す図である。
【図11B】本開示と一致する永久磁石の直線磁化を図式的に示す図である。
【図11C】本開示と一致する永久磁石の軸方向磁化を図式的に示す図である。
【図11D】本開示と一致する永久磁石の軸方向磁化を図式的に示す図である。
【図12】本開示と一致する他の例示的なシリンダを示す図である。
【図13】永久磁石の位置決めを示す図12に例示されている実施形態の端面図である。
【図14】本開示と一致する他の例示的なシリンダを示す図である。
【図15】永久磁石の位置決めを示す図14に例示されている実施形態の端面図である。
【図16】本開示と一致する他の例示的なシリンダを示す図である。
【図17】永久磁石の位置決めを示す図16に例示されている実施形態の端面図である。
【図18】図16に例示されているロッドの端部の詳細図である。
【図19】本開示と一致する他の例示的なシリンダを示す図である。
【図20】本開示と一致する例示的なシリンダ内の閉ループ磁束経路を示す図である。
【図21】ロッド内に形成されたキャビティに配設された永久磁石を備える本開示と一致するシリンダの一部を示す図である。
【図22】ピストンをロッドに固定するためナット内に配設された永久磁石を備える本開示と一致するシリンダの一部を示す図である。
【図23】図22に示されているナットの端面図である。
【図24】本開示と一致する他の例示的なシリンダを示す図である。
【図25】図24に示されている実施形態の端面図である。
【図26】本開示と一致する他の例示的なシリンダを示す図である。
【図27】図26に示されている実施形態の端面図である。
【図28】本開示と一致する他の例示的なシリンダを示す図である。
【図29】図28に示されている実施形態の端面図である。
【図30】本開示と一致する他の例示的なシリンダを示す図である。
【図31】本開示と一致する他の例示的なシリンダを示す図である。
【図32】図31に示されている実施形態の端面図である。
【図33】図31に例示されているロッドの端部の詳細図である。
【図34】本開示と一致する他の例示的なシリンダを示す図である。
【図35】本開示と一致するシステム内の感知素子の例示的な一配置構成を図式的に示す図である。
【図36】図35に示されている実施形態の側面図である。
【図37】本開示と一致するシステム内の感知素子の例示的な他の配置構成を図式的に示す図である。
【図38】図37に示されている実施形態の側面図である。
【図39】本開示と一致するシステム内で使用されるセンサ電子回路の例示的な一実施形態を示す図である。
【図40】図39に示されているセンサ電子回路に関連付けられているシリンダ位置に対する出力電圧のプロットである。
【図41】本開示と一致する他の例示的なシリンダの側面図である。
【図42】図41に例示されているシリンダの一部の断面図である。
【図43】本開示と一致する他の例示的なシリンダの側面図である。
【図44】本開示と一致する他の例示的なシリンダの側面図である。
【図45】シールドを含む本開示と一致する他の例示的なシリンダの斜視図である。
【図46】本開示と一致するシリンダ内で使用される例示的なピストンの斜視図である。
【図47】シールド部分を取り外した状態の図46に示されているピストンの斜視図である。
【図48】本開示と一致するシリンダ内で使用される他の例示的なピストンの分解図である。
【図49】図48に例示されているピストンの部分分解図である。
【図50】図48に例示されているピストンの断面図である。
【図51】図48に例示されているピストンの他の断面図である。
【図52】本開示と一致する例示的なシリンダ位置センサに関連付けられているロッドストローク/位置に対する感知された径方向磁場のプロットである。
【図53】本開示と一致する例示的なシリンダ位置センサに関連付けられているロッドストローク/位置に対する感知された軸方向磁場のプロットである。
【図54】本開示と一致するピストン内で使用される磁石アセンブリの分解図である。
【図55】図54に例示されている磁石アセンブリを組み込んだ例示的なピストンの部分分解図である。
【図56】本開示と一致するシリンダ内で使用される他の例示的なピストンの斜視図である。
【図57】本開示と一致するシリンダ内で使用される他の例示的なピストンの斜視図である。
【図58】本開示と一致するシリンダ内で使用される他の例示的なピストンの分解図である。
【図59】図58に例示されているピストンの斜視図である。
【図60】本開示と一致するシステム内で使用されるセンサ電子回路の例示的な他の実施形態を示す図である。
【図61】図60に示されているセンサ電子回路に関連付けられているシリンダ位置に対するセンサ出力のプロットである。
【図62】図60に示されているセンサ電子回路に関連付けられているシリンダ位置に対する出力電圧のプロットである。
【図63】本開示と一致するシステム内の感知素子の例示的な他の配置構成を図式的に示す図である。
【図64】図63と一致する感知素子の一配置構成に関連付けられているシリンダ位置に対する感知された磁場のプロットを含む図である。
【図65】図63と一致する感知素子の一配置構成に関連付けられているサイン/コサイン出力のアークタンジェントのプロットを含む図である。
【図66】図63と一致する感知素子の一配置構成に関連付けられているシリンダ位置に対する感知された磁場のプロットを含む図である。
【図67】図63と一致する感知素子の一配置構成に関連付けられているシリンダ位置に対する感知された磁場の導関数のプロットを含む図である。
【図68】本開示と一致する他の例示的なシリンダの側部斜視図である。
【図69】図68に例示されているシリンダの一部の断面図である。
【図70】図68に示されているシリンダの端面図である。
【図71】図68に例示されているシリンダの感知素子およびPCBアセンブリの斜視図である。
【図72】シールド部分が取り外された状態の本開示と一致するシリンダ内で使用される例示的なピストンの斜視図である。
【図73】図72に例示されているピストンの斜視図である。
【図74】図68に示されているようなシリンダ内の径方向磁場を感知するための第1および第2の感知素子の例示的な一配置構成を示す図である。
【図75】図74に示されている例示的なシリンダ位置センサ配置構成に関連付けられているロッドストローク/位置に対する感知された径方向磁場のプロットを含む図である。
【図76】図74に示されている例示的なシリンダ位置センサ配置構成に関連付けられているロッドストローク/位置に対する感知された径方向磁場のプロットを含む図である。
【図77】図74に示されている例示的なシリンダ位置センサ配置構成に関連付けられているロッドストローク/位置に対する感知された径方向磁場のプロットを含む図である。
【図78】図68に示されているようなシリンダ内の軸方向磁場を感知するための第1および第2の感知素子の例示的な一配置構成を示す図である。
【図79】図78に示されている例示的なシリンダ位置センサ配置構成に関連付けられているロッドストローク/位置に対する感知された軸方向磁場のプロットを含む図である。
【図80】図78に示されている例示的なシリンダ位置センサ配置構成に関連付けられているロッドストローク/位置に対する感知された軸方向磁場のプロットを含む図である。
【図81】図78に示されている例示的なシリンダ位置センサ配置構成に関連付けられているロッドストローク/位置に対する感知された軸方向磁場のプロットを含む図である。
【図82】本開示と一致する他の例示的なシリンダの側部斜視図である。
【図83】図82に示されている実施形態の軸方向部分断面図である。
【図84】直線A-Aに沿った、図83に示されている実施形態の径方向部分断面図である。
【図85】本開示と一致する他の例示的なピストンアセンブリの断面図である。
【図86】本開示と一致する他の磁石ホルダ構成の断面図である。
【図87】図86に例示されている磁石ホルダの断面図である。
【図88】本開示と一致する他の磁石ホルダ構成の断面図である。
【図89】図88に例示されている磁石ホルダの断面図である。
【図90】本開示と一致する他の磁石ホルダ構成の断面図である。
【図91】図90に例示されている磁石ホルダの断面図である。
【図92】本開示と一致する他のピストンアセンブリの断面図である。
【図93】図92に例示されているピストンアセンブリの断面図である。
【図94】本開示と一致する磁石ホルダと磁石の構成の断面図である。
【図95】本開示と一致する磁石ホルダと磁石の構成の断面図である。
【図96】本開示と一致する磁石ホルダと磁石の構成の断面図である。
【図97】本開示と一致する磁石ホルダと磁石の構成の断面図である。
【図98】本開示と一致する磁石ホルダと磁石の構成の断面図である。
【図99】本開示と一致する磁石ホルダと磁石の構成の断面図である。
【図100】本開示と一致する磁石ホルダと磁石の構成の断面図である。
【図101】本開示と一致する磁石ホルダと磁石の構成の断面図である。
【図102】本開示と一致する磁石ホルダと磁石の構成の断面図である。
【図103】本開示と一致する他の例示的なピストンアセンブリの斜視図である。
【図104】図103に例示されているピストンアセンブリの断面図である。
【図105】図103に例示されているピストンアセンブリの他の断面図である。
【図106】本開示と一致する他の例示的なシリンダの軸方向部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、可動要素104を移動するためのシリンダ102、位置センサ106、および制御システム108を備える本開示と一致する例示的なシステムを示している。シリンダ102は、断面図として示されており、シリンダバレル110、ロッド112、ピストン114、およびロッドガイド116を備える。ピストン114は、バレルの長手方向軸に沿って往復運動するようにシリンダバレル110内に配列される。ピストン114は、シリンダバレル110を2つのチャンバ118aおよび118bに分割する。ピストン、ロッド、バレル、および/またはロッドガイドは、鉄または非鉄材料、例えば、鋼鉄から作ることができる。
【0010】
ピストンロッド112の一端は、ピストン114に固定される。ロッドは、運動の軸に沿って伸びる。ピストンロッド112の他端は、ロッドガイド116を通ってバレル110から外へ伸び、可動要素104に直接的にまたは間接的に結合されうる。知られている仕方で、シリンダバレルは、チャンバ118aおよび118bへの流体の導入および抜き出し用に流路(図示せず)を備えることができる。例えば、知られている流体制御機構およびシリンダとの連結部を通じて、チャンバ内に加えられる流体圧力の変化は、シリンダバレルに対してピストンおよびロッドの対応する移動を引き起こし、これにより可動要素を制御しつつ移動させることができる。
【0011】
可動要素の制御された運動を行わせるために、位置センサ106をシリンダ102に結合して、ピストンロッド112の位置を感知するとよい。位置センサは、ピストンロッド112の位置を示す出力を制御システムに供給することができる。制御システムは、位置センサの出力に応答して、例えば、チャンバ118aおよび118b内に導入される流体の量を制御することによって、ピストンロッドの運動を制御することができる。
【0012】
可動要素は、ピストンによって移動されるように構成された任意の要素、例えば、ローダ、エクスカベータなどのバケット部分とすることができる。一実施形態では、例えば、本開示と一致する位置センサは、掘削復帰/積載復帰用途において使用されうる。例えば、土砂の山をダンプトラックまたは他の運搬装置に積み込もうとしているローダまたはエクスカベータの運転者は、バケットを土砂山に入れる掘削点および運搬装置に載せる積載点を設定することができる。掘削点と積載点は、センサ出力から決定することができる。運転者は、制御システム108に供給されるセンサ出力からの決定に従って、油圧システムがバケットを正しい掘削高さまたは積載高さまで移動している間に本機を正しい場所に置くことに集中することができる。
【0013】
他の実施形態では、機能強化されたGPSシステムと連携することで、油圧システムは、センサならびに現場整地計画またはトレンチ計画のコンピュータモデルから入力を受け取ることができる。制御システム108は、二次仕上げなしで勾配を正しく付けるかまたはトレンチを正しく敷設するため入力に応答して器具、例えば、バケットの位置決めを制御することができる。
【0014】
他の実施形態では、トラクタの運転者は、深さ、適用速度、および現場の通過を処理するための他の変数を含むさまざまな器具変数を設定することができる。列の終わりで、ボタンまたは他の制御装置を使用して、すべての器具を地面から抜き去って転回することができる。現場に戻り、運転者は、1回の制御で、制御システム108へのセンサ出力を使用して油圧操作器具設定のすべてを前と同じポイントに戻すことができ、また反対方向の列を処理することができる。
【0015】
他の実施形態では、ハーベスタのそばを通る運搬装置上でオーガの位置決めをすることは、きわめて重要であるが、それは、オーガの置き場所を間違えると、穀物が運搬装置に乗り損ね、台無しになってしまう可能性があるからである。それに加えて、運搬装置に残っている間にオーガを振動させて、運搬装置に目一杯詰め込むと、作業効率がさらに向上する。制御システム108は、オーガを適切な位置に位置決めし、および/または本開示と一致するセンサによって供給されるオーガ位置情報に応答してオーガを振動させることができる。
【0016】
次に図2を参照すると、本開示と一致するシリンダ位置センサの例示的な一実施形態が例示されており、少なくとも1つの永久磁石202(例えば、一対の永久磁石202aおよび202b)がロッド112(例えば、限定はしないが、ロッド112の端部領域206aおよび206b)に取り付けられるか、または他の何らかの形で固定され、ロッド112とともに移動する。1つまたは複数の感知素子920-1,920-2,...920nは、永久磁石202によって生成される磁場の径方向成分および/または接線成分を表す信号を生成することができ、またロッド112の位置を判定するために使用することができる。特に、磁石202aおよび202bが、センサ920に近づくにつれ、センサ出力は、例えば直線的に、増大し、センサから遠ざかると、センサ出力は、例えば直線的に、減少しうる。したがって、センサ出力は、シリンダバレルに対してピストンおよびロッドの位置の指標を与える。
【0017】
一実施形態によれば、シリンダ位置センサシステム200は、ロッド112の端部206aおよび206bのうちの1つまたは複数に取り付けられる1つまたは複数の環状永久磁石202a,202bを備える。本開示の制限はないが、そのようなものとして特に断りのない限り、環状永久磁石202は、ロッド112上のボルト(図示せず)をなくすことができるため好ましい。しかし、永久磁石202は、限定はしないが、円盤型永久磁石などを含む、当業者に知られている任意の他の形状もしくは構成で形成することができる。
【0018】
図3を参照すると、シリンダ位置センサシステム200についてロッドストロークに対する1つまたは複数の感知素子920の径方向出力のプロット300が示されている。図示されているように、システム200のセンサ出力は、ロッドの位置を判定するために使用されうる実質的に直線的な範囲302を呈示しうる。これらの端部に近い非直線的領域304a,304bも、センサ電子回路およびルックアップテーブルで直線化されうる。
【0019】
いくつかの用途では、高分解能に対応できるシリンダ位置センサシステム200(例えば、分解能1mm)が必要であり、および/または望ましい。この要件は、比較的短いロッド112とともに使用されるシリンダ位置センサシステム200については比較的容易に適合できるが、より長いロッド112とともに使用されるシリンダ位置センサシステム200については難しさが増す可能性がある。例えば、シリンダ位置センサ200は、分解能1mmを維持するために長さ2メートル(2000mm)のロッド112に対して1/2000の分解能を呈示する必要がある。より高い分解能の感知素子920(ホールセンサなど)が利用可能であるが、多くの感知素子は、長さ2メートルのロッドに対して十分に高い分解能を持ちえない。例示することのみを目的として、典型的なホールセンサ920は、10ビットの分解能を実現できる(1/1024)。
【0020】
分解能がより高いシリンダ位置センサシステム200が望ましい用途では、シリンダ位置センサシステム200は、2つ以上のセンサ920-1,920-2...920nを備えることができ、各感知素子920-1,920-2...920nは、ロッド112の長さの一部を測定し、次いで、次の感知素子920-1,920-2...920nが引き継ぐ。これらの感知素子920-1,920-2...920nは、異なる利得で動作しうる。
【0021】
シリンダ位置センサシステムの潜在的な課題の1つは、カウマグネットによって生成されるような外部磁場の効果の影響を受けやすいことである。カウマグネットは農業で使用されるもので、牛に給餌されて牛の第一胃に留まる。カウマグネットは、牛の内臓に傷がつかないように釘などの尖った物を回収するものである。このため、農業従事者は、現場で自分のポケットにカウマグネットをしのばせていることが多い。カウマグネットがシリンダ位置センサシステムのロッド112と接触すると、カウマグネットは、感知された磁場を歪ませ、正確な位置感知を乱す。
【0022】
シリンダ位置センサシステム200では、カウマグネットがロッド112(磁石202aおよび202bがいずれかの端部206aまたは206bのところに取り付けられている)と接触したときに、またはロッドが外部磁場内に置かれたときに、カウマグネットまたは外部磁場が取り除かれた後に残留磁場が生じうる。この残留磁場は、位置情報を歪ませる可能性がある。これを解消するために、図4に示されているような、消磁コイル402をセンサ素子ハウジング404内に組み込むか、またはロッド112の周りに配置することができる。感知センサ920-1,920-2が位置決め情報を登録する前にロッド112を消磁するために固定された正弦波周波数の電流を消磁コイル402に流すことができる。位置センサ電子回路は、AC成分を除去することができ、したがって、永久磁石202aおよび202bのみにより生じる磁場のDC部分を読み取ることができる。大半の油圧シリンダは、磁気センサにとって望ましい(しかし必要というわけではない)強磁性体から作られる。あるいは、図24に関して以下で説明されるように、永久磁石は、ロッドが移動すると、センサが磁力発生源の永久磁石から主磁場を拾う前に残留磁場を除去するか、または低減するために、消磁器として使用されうる。
【0023】
シリンダ位置センサシステムの他の潜在的な課題は、ロッド112が、動作中にシリンダに加えられる荷重のせいで曲がる可能性があるという点である。ロッド112が曲がると、感知素子920とロッド112との間の空隙/間隔が変化する可能性があり、ひいては、感知素子920の出力が変化することもある。これを解消するために、複数の感知素子920(例えば、ロッド112の周上に実質的に等間隔で、例えば約180度離して並ぶ複数の感知素子920)を使用することで、ロッド12が曲がることによる効果を実質的に打ち消すことができる。ロッド112が曲がったことで1つの感知素子920-1がロッド112に接近すると、他の感知素子920-2(例えば、第1の感知素子920-1に関して180度)は、ロッド112からさらに離れることになる。これらの感知素子920の出力を加えることができ(例えば、差動接続などを通じて)、その結果、曲がり誤差またはシリンダ内に入り込む一定の外部磁場が実質的に相殺されうる。
【0024】
それに加えて、または代替として、ロッド112の曲がりの効果は、感知素子920を「浮動状態」にすることによって解消されうる。図示されているように、例えば、図5および6では、センサハウジング404はロッド112に結合され、ロッド12とともに径方向に移動することができる。1つまたは複数の感知素子920が、センサハウジング404に結合されうる。センサハウジング404は、ロッド112の外面に接触し、感知素子920とロッド112との間の間隔/距離を実質的に維持/修正する複数のリブ604(例えば、さらに多くのリブ604のうちの3つ)を有する内面602を備えることができる。ロッド12が曲がると、センサハウジング404は、ロッド12とともに移動し、感知素子920とロッド112との間の実効空隙/間隔は、実質的に一定に維持されうる。
【0025】
感知素子920によって感知される磁場を発生するために使用される永久磁石の位置は、用途に応じて変化しうる。例えば、複動式のいくつかのシリンダは、シリンダの中心に磁石を収納することができる。図7に示されているように、例えば、永久磁石700a,700bをロッド112の内側に埋め込み、磁路をさらに閉じ、磁石700a,700bを追加したことで生じるロッド112の伸長の量を最小限に抑えることもできる。例えば、ロッド112は、一般的にはロッド112から外向き径方向に延在する段部または段領域702を備えることができる。1つまたは複数の磁石700a,700b(例えば、限定はしないが、環状磁石)を段部702の各側部/面704aおよび704bに配置することができる。
【0026】
さらに他の実施形態によれば、永久磁石の代わりに、または永久磁石に加えて、ロッドは、外部磁場に対抗してより安定な出力を得るためにシャフト上に硬磁性コーティングを施すとよい。硬磁性コーティングは、外部磁場の存在下では、薄いメッキ材料の下に大きな質量があるため磁力の仕事の大半を鋼鉄が行うので機能せず(例えば、カウマグネットもしくは同様のもの)、メッキの下の鋼鉄を磁化し、センサ出力を変化させる可能性がある。それに加えて、メッキ材料それ自体が、その保磁力(Hc)より大きい磁場の存在下で消磁される可能性がある。
【0027】
一実施形態によれば、本開示では、センサが動作している間にロッドを消磁することによってこれらの問題を解決することができる。反磁場は、鋼鉄を消磁するうえで十分に強く、メッキ材料を消磁しない程度に弱いものとしてよい。そのようなものとして、鋼鉄が磁化される問題は、ロッドの消磁化と組み合わせて十分な硬磁性を持つ(磁気に関して言うと)メッキを有するようにメッキを選択すれば解消される(例えば、上述の消磁コイルまたは消磁器用の永久磁石を使用する)。
【0028】
一般に多くの用途では高分解能が望ましい場合があるが、高分解能は、シリンダの長さに沿った移動のいくつかの領域内でしか必要にならない。したがって、本明細書で説明されているシリンダ位置センサシステムの実施形態はどれも、高い位置感知分解能の1つまたは複数の領域と低分解能の1つまたは複数の領域とを有するものとすることができる。例えば、図8は、本開示と一致する例示的なシリンダ位置センサにおけるロッドストロークに対するセンサ出力のプロット804である。プロット804は、低位置感知分解能領域802と比較して比較的高い勾配を有する第1の高位置感知分解能領域800aと第2の高位置感知分解能領域800bを呈示する。高位置感知分解能は、上述のように、低分解能が望ましい場合と比べて高分解能が必要な場合に、より多くの感知素子をロッドの一部に隣接して配置することによって達成することができる。
【0029】
したがって、本開示と一致するシリンダ位置センサは、シリンダロッドに取り付けられた1つまたは複数の磁石を備え、これにより、ロッド位置を指示するために1つまたは複数の感知素子からの実質的に直線的な出力を確定する磁場を発生することができる。径方向磁場、軸方向磁場、および/または接線方向磁場の成分は、ロッドの位置を識別するために感知素子によって感知されうる。消磁パルスおよび/または永久磁石は、ロッドを磁気的に研磨して残留磁場を除去するために使用されうる。
【0030】
図9は、本開示と一致するシリンダ位置センサの他の実施形態を例示する。図9に示されている例示的な実施形態は、本開示と一致するセンサ構成を伴う油圧シリンダの一部分を示している。ここでもまた、当業者であれば、油圧シリンダは説明を簡単にするために簡素化された形態で例示されていることを理解するであろう。
【0031】
図9および10の実施形態では、磁石906,908がピストン114内に形成されたポケットに入っている。磁石906および908は、半円形であり、ロッド112の周の一部の周りに配設されるピストン内の対応する半円形ポケット内に位置決めされる。しかし、磁石はいくつでも使用できることは理解されるであろう。例えば、複数のさらに小さな磁石がピストンの周の全部または一部の周りに配設されるか、または単一の円形磁石が使用されうる。磁石は、使用時にセンサを通して感知可能な磁束を確定することが十分にできる任意の磁性体上に備えられるものとしてよい。一実施形態では、磁石はネオジム磁石とすることができる。伝統的な焼結磁石も使用できる。
【0032】
これらの磁石は、径方向、直線方向、または軸方向に磁化されうる。例えば、図11Aおよび11Bの矢印は、それぞれ、磁石906および908の径方向磁化および直線磁化を示している。図11Cは、磁石906および908の正面図であり、図11Dの断面図内の矢印は、図11Cの磁石の軸方向磁化を示している。図11Bに例示されているような直線磁化は、従来の焼結磁石の場合により単純なものとしてよい。磁束を感知するための1つまたは複数のセンサ920、例えば、フラックスゲートセンサを、シリンダの端部に隣接して、例えば、シリンダロッドガイド116の関連付けられているスロット内、またはロッドの周りに結合されている分離センサハウジング内に位置決めすることができる。
【0033】
図示されているように、例えば、図20では、磁石906および908からの磁束は、ピストンロッド112、ロッドガイド116(またはセンサを収納する他の要素)、バレル110を通り、ピストン114を通って磁石に戻る閉ループ経路を有するものとすることができる。センサ920は、磁束の少なくとも一部を感知するために磁束経路内に、または磁束経路に隣接して配設され、中を通る磁束のレベルを示す出力を供給することができる。ピストンおよびロッドが、センサ920に近づくにつれ、センサ出力は、例えば実質的に直線的に、増大し、ピストンおよびロッドがセンサから遠ざかるにつれ、センサ出力は、例えば実質的に直線的に、減少しうる。したがって、センサ出力は、シリンダバレルに対してピストンおよびロッドの位置の指標を与える。本明細書で説明されている例示的な実施形態では、センサおよびセンサハウジングもしくはロッドガイドは、わかりやすくするために省かれる場合がある。
【0034】
磁石を任意の位置で、さまざまな構成により直接的にまたは間接的にピストンまたはロッドに結合することができる。図12〜18は、例示的な代替磁石構成を示している。図12〜13は、ピストン114内に位置決めされ、ロッド112と直接接触している複数の磁石908aを例示している。図14〜15は、ピストン114の外面に隣接して位置決めされた単一の環状磁石908bを例示している。
【0035】
図16〜18は、ロッド内に組み立てられた1つまたは複数の磁石908cを例示している。図16および18に示されているように、1つまたは複数の棒状磁石1602,1604を、例えば、シリンダおよびセンサ位置の終端を超えて、ピストンと反対側の端部に隣接するロッド112内にも位置決めできるか、または代替として位置決めできる。図16の実施形態では、磁石は、図18の矢印で示されているように、ロッド112の軸に平行な方向に磁化される。図19に示されているように、棒状磁石1602,1604は、磁石ホルダ1902を使用してロッドに結合することができる。磁石ホルダは、鋼鉄または非鉄材料から製造することができる。図21および22〜23は、追加の磁石取り付け位置を例示している。図21に示されているように、ロッド112内のボア2100内に1つまたは複数の磁石908dを取り付けることができる。図22〜23に示されているように、ピストン114をロッド112に結合するために、ナット2202内に1つまたは複数の磁石908eを取り付けることができる。
【0036】
図24〜25は、シリンダバレル110の端部に隣接する位置にある1つまたは複数の消磁器磁石2402を備える本開示と一致するセンサシステムの例示的な一実施形態を示している。図示されているように、複数の永久磁石2402が、消磁器磁石ホルダ2404によってロッド112の周の適所に保持されうる。消磁器磁石2402は、ロッドが移動すると、センサが磁力発生源の永久磁石から主磁場を拾う前に、残留磁場を除去することができる。例えば、カウマグネットまたは他の永久磁石がロッド上に配置されるか、またはロッドに隣接して配置される結果、消磁器磁石は、センサから離れる方向に磁化され外部磁場に逆らうバイアスを生じうる。
【0037】
ロッド位置を判定するために感知可能磁場を確定する永久磁石を追加位置に、または代替位置に備えることができる。例えば、図26に示されているように、本開示と一致するシリンダ位置センサは、固定磁石2602を使用して動作することができる。例示されている実施形態では、固定磁石は、バレル110の端部から軸方向に延在するシールド延長部2604上に位置決めされ、矢印2606によって示される磁束を供給する。固定磁石2602からの磁束を感知して、シリンダの位置を判定し、また外部磁場に逆らうバイアスを生じることもできる。
【0038】
例えば、図28〜29に示されているように、本開示と一致するシリンダ位置センサ内の永久磁石908fは、例えば、ロッドが回転しない実施形態においてコストを削減するために、ロッド112の周の一部のみに位置決めすることができる。また、図30は、複動式ロッド構成の場合に、例えば、ロッド112の中央位置で、ピストン114aに結合されている磁石3002を備える配置構成を例示している。
【0039】
図31〜33に示されているように、1つまたは複数の棒状磁石3102,3104を、磁石908cからの磁場を感知する1つまたは複数の感知素子920を受け入れるためのボア3106を備えることができる、ロッドガイドの終端を超えて、ピストンと反対側の端部に隣接するロッド112内にも位置決めできるか、または代替として位置決めできる。図31の実施形態では、磁石3102,3104は、図33の矢印で示されているように、ロッド112の軸に平行な方向に磁化される。
【0040】
図34は、ロッド112の周りのコイルホルダ3404上に配設されているコイル3402を備える例示的な一実施形態を示している。コイルを通して供給されるAC電流を使用して、ロッド112内の残留磁気を排除または低減することができる。それに加えて、または代替として、DCバイアス磁場を印加して、望ましくない磁場にバイアスをかけて、望ましい磁場が適切に測定できるようにする。このような構成は、例えば、カウマグネットによって引き起こされる磁場にバイアスをかけるか、または排除するために使用されうる。ロッドが磁気符号化された硬磁性コーティングまたはメッキでコーティングされる実施形態では、コイルを使用して、硬磁性コーティング内に蓄えられる磁場を適切に測定できるようにロッド内の望ましくない磁場を消去するか、またはバイアスをかけることができる。
【0041】
図35〜38は、ロッド112に隣接して、1つまたは複数のセンサ920、例えば、フラックスゲートセンサを位置決めする例示的な実施形態を示している。図示されているように、センサ920は、例えば、ロッドガイド116または別のセンサハウジング内のスロット内の、1つまたは複数のプリント基板(PCB)3502上に位置決めされうる。センサ920は、共通磁場を相殺し、磁石からの磁束によって生成される信号を増強するように差動構成で結合されうる。図35〜36は、ロッド112に垂直な配向の単一のPCB上に配設されている複数のセンサ920を例示している。図35〜36内のセンサは、ロッドの幅の少なくとも一部にわたって、ロッド112の軸に一般的に垂直に、延在するようにPCB上に位置決めされる。図37〜38は、ロッドに垂直に配向された個別のPCB上に配設され、互いからロッドの周上で180度離して位置決めされているセンサ920を示している。図37〜38内のセンサは、ロッド112に対して一般的に径方向に延在するようにPCB上に位置決めされる。他のセンサおよびPCB構成も、所望のセンサ出力に応じて使用されうる。
【0042】
図39は、本開示と一致するシステム内で使用されるロッドの位置を示す出力を供給するために複数のセンサ920に関連付けられている例示的な電子回路を、ブロック図形式で示したものである。例示されている実施形態は、マスタ磁力計3902、制御磁力計3904、およびプロセッサ3906を備える。制御磁力計3902は、例えば、ダイナミックレンジとオフセットを設定するプロセッサからの制御信号に応答して、自動利得制御構成において、センサ、例えば、フラックスゲートコイルを駆動するように構成されうる。この構成を使用して、出力を区分化して画定されたシリンダ位置の範囲内でセンサ出力を線形化することができる。例えば、図40は、画定されたシリンダ位置範囲内でセンサ出力を線形化することを示す、マスタ磁力計3902および制御磁力計3904の出力とシリンダ位置との関係を示す例示的なプロットを含む。
【0043】
図41〜67は、本開示と一致するシリンダ位置センサの追加の実施形態を例示している。一般に、図41〜67に例示されている実施形態は、例えばピストン114に結合されている、1つまたは複数の永久磁石から発生する磁場を感知するためにバレル110に沿って配設される1つまたは複数のセンサ、例えば、フラックスゲートセンサを組み込む。
【0044】
図41〜42は、例えば、本開示と一致する、バレルに対して接線方向に配向された、つまり、バレル軸(運動の軸)に垂直に、またバレルの表面上のバレル幅にわたって延在する感知素子920を受け入れるためにバレルの外面にポケット4102が形成される例示的な実施形態を示している。例示されている実施形態は、単一の感知素子が中に入っている単一のポケット4102を例示しているが、ポケットおよび感知素子はいくつでも備えることができることは理解されるであろう。また、複数の感知装置を単一のポケット内に備えることができ、および/または感知素子を任意の向きに、例えば、接線方向、軸方向、斜角の接線方向などに設けることができる。どのような実施形態においても、感知素子を通る磁束は、ポケット4102のいずれかの側に強磁性磁束集束装置を備え感知素子920を通る磁束を方向付けることによって増大することができる。
【0045】
図43は、感知素子920-1,920-2,920-3,920-4のアレイがバレルの外側の長さに沿って位置決めされている他の例示的な実施形態を示している。ここでもまた、感知素子920は、いくつでも使用することができ、またどのような配向、または配向の組み合わせでも使用することができる。また、例示されている実施形態における感知素子は、一般的にバレルの長さに沿って互いに等間隔で並ぶように示されている。しかし、感知素子は、不均等に並べることも可能である。例えば、感知素子は、高い分解能が注目されているバレルの領域では比較的密集した間隔で並べられ、低い分解能が許容可能であるか、または望ましい領域では間隔を広げて並べられるものとしてよい。
【0046】
図44は、第1の920-1および920-2感知素子が、バレルの周上に、例えば、互いに180度離して、配設される他の例示的な実施形態を示している。本明細書の実施形態のように、感知素子出力は、差動的に組み合わせて外部磁場を相殺することができる。また、感知素子はいくつでも、任意の配向で備えることができる。また、周上の感知素子のグループは、バレルの長さに沿って延在するアレイ内に備えることができる。
【0047】
感知素子がバレル110の外面上に配設される場合、これらは、環境条件の結果として生じる損傷に曝されうる。また、外部磁場は、センサ出力に影響を及ぼし、それによって位置の感知を乱す可能性がある。感知素子を保護するために、感知素子上にシールドを設けることができる。例えば、図45は、例えば図43に示されているようなシールドの下にあるバレル上に配設された感知素子を保護するためにバレル110の外面に固定された細長いシールド4502を例示している。シールドは、用途で使用される感知素子を保護するために必要な任意の形状もしくは構成をとりうる。有利には、シールドは、機械的保護を実現することができ、また、外部磁場から感知素子を少なくとも部分的に遮蔽することもできる。
【0048】
本明細書で説明されているように磁石をピストン、ロッド、またはナットに結合することで、磁石から、例えばピストン、ロッド、およびシリンダを通る磁束の閉ループ磁気経路を画定する。この閉ループ経路内の任意の位置に、またはこの閉ループ経路に隣接して配置されるセンサは、磁石からの磁束を感知してシリンダ/ロッド位置を判定するために使用されうる。したがって、磁石をピストンまたはロッドに結合するための本明細書で説明されている構成はどれも、バレル上に配設されている感知素子とともに使用することができる。
【0049】
図46〜47は、複数の個別磁石908aが中に形成されているポケット内のピストン114の周上に配列される例示的な実施形態を示している。磁石は、ピストン114の端部に固定されているシールド4602によって覆われる。磁石をピストンの周上に設けることは、ピストンロッドが自由に回転する必要があるシリンダ構成において適切な位置センサ出力を維持するうえで有用でありうる。
【0050】
図48〜51は、磁石がピストンの周上に部分的にのみ位置決めされる本開示と一致する例示的な一実施形態を示している。例示されている実施形態では、磁石アセンブリ4804を受け入れるためのアーチ型ポケット4802がピストン114内に形成される。例示されている実施形態では、磁石アセンブリは、3つの個別の磁石層4806,4808,4810を備える。図示されているように、例えば、層4608に関する図51では、例示されている実施形態の各層は、それぞれ3つの磁石908aからなる6つのスタック4812,4814,4816,4818,4820および4822を備える。
【0051】
磁石層は、第1のアーチ型プレート4824と第2のアーチ型プレート4826との間に配設され、磁石アセンブリが、アーチ型ポケット4802内に嵌合されうる。アセンブリ4804は、ピストンの外面内の対応する溝の中に嵌合した保持リング4828によってピストンに結合されうる。例示されている実施形態は、特定の数および配置構成の磁石を示しているが、任意の数の磁石を任意の数のスタックで使用することができることは理解されるであろう。
【0052】
図52および53は、バレル上に配設された感知素子および図48〜51に例示されているような永久磁石を備えるピストンを使用して本開示と一致するシミュレートされたシリンダ位置センサシステムの、ロッド位置(ストローク)に対するそれぞれ径方向磁束密度5200と軸方向磁束密度5300の関係を示すプロットを含む。感知素子と磁石との間の異なる空隙に対するプロットが示されている。図示されているように、感知素子は、シリンダロッド、したがってシリンダロッドに結合されている移動可能要素の位置を判定するために使用できる出力を供給する。
【0053】
永久磁石をピストン114に結合してロッド位置を示す感知可能な磁場を発生するための他の構成も可能である。例えば、図54〜55は、第1のアーチ型プレート4824と第2のアーチ型プレート4826との間に配設された単一のアーチ型磁石908を備える磁石アセンブリ4804aを例示している。アセンブリは、ピストン内のポケット4802内に嵌合し、ピストンの外面内の対応する溝の中に嵌合する保持リング4828によってポケット4802に固定されうる。図56〜57は、環状磁石908g,908hがピストンの外面の周りに配設されている追加の実施形態を例示している。図58〜59は、環状磁石908gが、ピストン114をロッド112に固定するナット5802を使用してピストンに固定されうる他の実施形態を例示している。
【0054】
図60は、1つまたは複数の永久磁石がピストンに結合される一実施形態において、バレル110の外面上に配設されているフラックスゲートセンサ要素920-1,920-2...920-Nからシリンダ位置情報を取得するのに使用される例示的な電子回路を示している。例示されている実施形態は、フラックスゲートセンサ要素に結合されたフラックスゲート磁力計6002および信号処理ユニット6004を備える。磁力計6002は、フラックスゲートのそれぞれを監視し、信号処理ユニットにフラックスゲートに与えられる磁束を表す個別の関連するアナログ出力を供給する。信号処理ユニットは、磁力計からの出力のうちの特定の1つを選択するように構成されうる。
【0055】
各出力は、ロッドストロークの少なくとも一部の上で実質的に正弦波となりうる、つまり、出力はロッドストロークの軸方向長さに対して時間とともに変化するということである。例えば、図61は、センサ要素920-1,920-2...920-Nのうちの1つの出力に関連付けられている磁力計の出力6104と比較した純粋正弦波信号6102を示している。図示されているように、感知素子は、ロッドストロークの一部(伸長部)上でほぼ正弦波の信号を供給する。信号処理ユニット6004は、磁力計出力を受け取り、選択された感知素子に対する正弦/余弦(正弦を余弦で除算)フラックスゲート出力の逆正接を計算して、実質的に直線的である電圧対ストローク(ロッド位置)特性6202をもたらすが、これは図62の例に関して示されている。信号処理ユニットの実質的に直線的な出力特性は、ストローク/伸長において個別の電圧レベルがロッドの各位置と関連付けられているためロッド位置を判定するのに使用されうる。
【0056】
センサ電子回路に対するさまざまな構成が可能である。一般に、これらの電子回路は、以下の態様のうちの1つまたは複数を組み込むことができる。
薄いパッケージを形成するための接線方向磁場上の示差測定。
接線方向/径方向または純粋な径方向の感知素子構成により、示差測定で共通磁場を相殺し、基礎の信号を増強することができる。
複数の感知素子を使用してランアウト、曲がりを解決し、補正することができる。例えば、3つまたは4つの感知素子をロッドの周りに備えて、同じ一組の電子回路を集中させた状態で信号を平均化することができる。
異常な磁場に関する診断。
フラックスゲートコイル感知素子の抵抗は温度とともに変化するので、フラックスゲートコイル感知素子を温度感知に使用することができる。
センサ出力の出力分割と線形化は、例えば、自動利得制御構成の駆動によって実行されうる。
システムは、入力電圧として5Vではなく12Vを使用して、ダイナミックレンジを高め、分解能を向上させることができる。
システムは、示差測定を使用して、シリンダの鋼鉄構造に引きつけられる地球の磁場を減結合することができる。
軸方向および接線方向磁場の出力を組み合わせて正弦波出力を得ることができる。
システムは、正弦/余弦および逆正接アルゴリズムを使用して磁石時効効果を排除することができる。
【0057】
感知素子から正弦波出力を得ることは、正弦/余弦の逆正接を計算して線形出力を求めるのに役立ちうる。図63を参照すると、バレル110に対して接線方向に、バレルの軸に対し斜めの角度θで、感知素子920を向き付けると、感知素子がバレル軸に対して垂直に配設される接線方向感知素子構成と比較して正弦波出力が改善されることがわかった。一実施形態では、感知素子920は、差動対として結合され、角度θは45度とすることができる。一実施形態では、差動接続された感知素子をバレル軸の長さに沿って約25mmの間隔で並べることができる。
【0058】
図64〜67は、45度の角度θの感知素子の1つの差動対を備える図63と一致する構成の性能を示している。図64は、純粋正弦波信号のプロット6404とともにロッド位置/ストロークに対する感知素子出力のプロット6402を含む。図示されているように、45度の角度θの感知素子の差動対に関連付けられている出力は、ロッド位置の広い範囲にわたって実質的に正弦波となる。図65は、正弦/余弦(正弦を余弦で除算)の逆正接6506のプロットとともに、45度の角度θの感知素子の差動対から導かれる正弦波出力6502と余弦波出力6504のプロットを含む。図示されているように、逆正接は、ロッド位置のある範囲では実質的に直線的である。図66は、渦電流の効果を示す異なるロッドストローク速度に関連付けられているロッド位置/ストロークに対する感知素子出力のプロット6600を含み、図67は、渦電流効果を補正するために使用される強い感知信号を示す位置に関する感知された磁場の導関数のプロット6700を含む。
【0059】
バレル110の外側に備えたセンサを含むシステムは、単一のセンサまたは2つ以上のセンサを含むセンサのアレイとともに使用することができる。バレルの長さに沿って位置決めされたセンサのアレイは、単一点測定と比較してより多くの位置情報を供給することができる。また、フラックスゲートセンサが使用される場合には、センサアレイを集中電子回路とともに使用することができる。地球の磁場は、示差測定とバレルシグネチャを使用して管理することができる。この構成は、任意のシリンダ長に合わせて拡張可能であり、シリンダの領域の特定の部分のみを感知するようにセンサを適切に配置することによって修正することができる。ピストンの移動による分解能の変化も、センサの間隔を適切にとることによって対応することができる。また、ピストンが移動する結果生じるセンサによって感知される回転磁場では、正弦/余弦の逆正接を使用して磁石の温度、配置、および時効の変動を相殺することができ、磁石を異なる温度に置き、コストを低減することができる(周囲温度が低いときに作動液が暖まることで、磁石温度の変動が生じうる)。本質的に、正弦および余弦の振幅が磁石および/またはセンサの温度、配置、または時効によって変化する場合、正弦/余弦の比は同じままであり、正弦/余弦の逆正接は、位置決定に使用される同じ値をもたらす。
【0060】
さらに、そのようなシステムは、シリンダ構造、材料、または組み立て方法に依存せず、風袋長が最小限に抑えられる、例えば、風袋長の変化はないものとしてよい。移動による追加の情報によって、追加の診断を行うことが可能であり、システムは、磁気的「突出」の影響を受けやすくはない。ストローク毎に、消磁機能によってカウマグネット問題を解消することができ、空隙管理が適切であれば、鋼鉄または非鉄ピストンを使用することが可能である。また、シールドを使用することで、センサから出るコネクタを保護することができ、コネクタはシリンダ端部から外へ出るので、配線を最小限に済ませ、電線の破損の可能性を小さくすることができ、「千鳥配置」伝達関数に対する追加のコイルは不要になり、油圧侵入もありえない。
【0061】
図68〜81は、本開示と一致するシリンダ位置センサの追加の一実施形態の構造および性能を示しており、ここでは、感知素子920は、例えばピストン114に結合された1つまたは複数の永久磁石から発生する磁場を感知するために長さに沿ってバレル110の外側に備えられる。
【0062】
例示されている実施形態では、プリント基板(PCB)6900上に配設された感知素子920のアレイの上にシールド4502が設けられる。PCBおよび感知素子は、上部ハウジング部分6902と底部ハウジング部分6904を備えるハウジング内に少なくとも部分的に封入される。例示されている実施形態では、感知素子は、単一PCB 6900に結合される。しかし、感知素子ならびに関連する電子回路および/または導電性トレースを配線するために複数の別々のPCBを備えることができる。
【0063】
ここでもまた、感知素子920は、いくつでも使用することができ、またどのような配向、または配向の組み合わせでも使用することができる。また、例示されている実施形態における感知素子は、一般的にバレルの長さに沿って互いに等間隔で並ぶように示されている。しかし、感知素子は、不均等に並べることも可能である。例えば、感知素子は、高い分解能が注目されているバレルの領域では比較的密集した間隔で並べられ、低い分解能が許容可能であるか、または望ましい領域では間隔を広げて並べられるものとしてよい。また、シールド4502は、用途で使用される感知素子を保護するために必要な任意の形状もしくは構成をとりうる。有利には、シールドは、機械的保護を実現することができ、また、外部磁場から感知素子を少なくとも部分的に遮蔽することもできる。
【0064】
本明細書で説明されているように磁石をピストン、ロッド、またはナットに結合することで、磁石から、例えばピストン、ロッド、およびシリンダを通る閉ループ磁気経路を画定する。この閉ループ経路内の任意の位置に、またはこの閉ループ経路に隣接して配置されるセンサは、磁石からの磁束を感知してシリンダ/ロッド位置を判定するために使用されうる。したがって、磁石をピストンまたはロッドに結合するための本明細書で説明されている構成はどれも、バレル上に配設されている感知素子とともに使用することができる。
【0065】
図69および図72〜73は、複数の個別磁石908aがそれらの端部のところでピストン114の周上に配列される例示的な実施形態を示している。磁石は、ピストン114の端部に固定されているシールド4602によって覆われる。磁石をピストンの周上に設けることは、ピストンロッドが自由に回転する必要があるシリンダ構成において適切な位置センサ出力を維持するうえで有用でありうる。それに加えて、シールド4602は、シールドとピストンロッドおよび/またはナットとの間に空間6906を残し、作動液がシールドと磁石が配設されるピストンとの間のキャビティ内に入るように構成することができる。作動液がこのキャビティ内に入ると、この流体中の金属粒子が磁石に引き付けられ、これにより流体から粒子が除去されうる。このようにして、磁石は、流体から金属粒子を取り除き、粒子によるシリンダの潜在的損傷を防ぐための流体用のフィルタとして働きうる。例示されている実施形態は、空間6906を備えているが、シールドとピストンロッドおよび/またはナット5802との間に設けられた空間が存在しない場合には磁石はフィルタ効果をもたらしうる。
【0066】
図74は、径方向磁場を感知するための例示的な配置構成を示しており、図75〜77は、バレル上に配設された感知素子および図68〜73に例示されているような永久磁石を備えるピストンを使用して本開示と一致するシミュレートされたシリンダ位置センサシステムの、ロッド位置(ストローク)に対する径方向磁束密度を示すプロットを含む。図76は、図74に示されている感知素子920のうちの第1の素子(C1)の、ロッド位置に対する径方向磁束密度を示し、図77は、図74に示されている感知素子のうちの第2の素子(C2)の、ロッド位置に対する径方向磁束密度を示している。図75は、C1〜C2を示すプロットである。図示されているように、感知素子は、シリンダロッド、したがってシリンダロッドに結合されている移動可能要素の位置を判定するために使用できる出力を供給する。
【0067】
図78は、径方向磁場を感知するための例示的な配置構成を示しており、図79〜81は、バレル上に配設された感知素子および図68〜73に例示されているような永久磁石を備えるピストンを使用して本開示と一致するシミュレートされたシリンダ位置センサシステムの、ロッド位置(ストローク)に対する軸方向磁束密度を示すプロットを含む。図80は、図78に示されている感知素子920のうちの第1の素子(C1)の、ロッド位置に対する軸方向磁束密度を示し、図81は、図78に示されている感知素子のうちの第2の素子(C2)の、ロッド位置に対する径方向磁束密度を示している。図79は、C1〜C2を示すプロットである。図示されているように、感知素子は、シリンダロッド、したがってシリンダロッドに結合されている移動可能要素の位置を判定するために使用できる出力を供給する。
【0068】
図68〜81に関連して図示され説明されているようなシリンダ位置センサは、例えば次のようないくつかの特徴を備えるものとしてよい。
この構成では、シリンダをよけいに長くすることなくピストンを組み立てられる。
この構成では、既存のピストン材料(鋼鉄)またはステンレスなどの他の材料を使用することができる。
磁石の磁極が向かい合い、これにより、強制的に、集中された大きな磁場をバレルに通し、感知させることができる。
この構成では、感知素子を軸方向に据え付け、全体のサイズを縮小することができる。
この構成では、正弦/余弦を使用し、逆正接関数を介して位置を解決することができる。
この構成では、機械的保護としても働く磁気シールドを使用することができる。
この構成では、永久磁石および陥凹部特徴を使用して、作動液中の微細な金属物体を引き付ける形で、フィルタ機能を実現することができる。
【0069】
図82〜84は、本開示と一致するシリンダ位置センサの他の実施形態8200の構造および性能を示しており、ここでは、感知素子920は、例えばピストンアセンブリ114に結合された1つまたは複数の永久磁石908aから発生する磁場を感知するために長さに沿ってバレル110の外側に備えられる。一実施形態では、バレル110は、鋼鉄から作られ、磁石908aから発せられる磁場は、鋼鉄製のバレルを通じて感知されうる。
【0070】
図示されているように、プリント基板(PCB)6900上に配設された感知素子920-1から920-7のアレイの上にシールド4502を備えることができる。例示されている実施形態では、感知素子は、軸方向構成で単一のPCB 6900に結合されたフラックスゲートセンサである、つまり、フラックスゲートは、バレルの長手方向軸に一般的には平行な長手方向軸を有する。感知素子が載っているPCB 6900は、留め具8202を使用してシールド4502に留められ、エンドキャップ8204は、シールド、バレル、およびエンドキャップの間でPCB 6900を実質的に封入するようにシールド4502の端部の上に位置決めされる。PCBに結合されている電気リードをエンドキャップに通すためのエンドキャップ8204のうちの1つまたは複数に、開口部8206が設けられうる。
【0071】
単一のPCB 6900が示されているが、感知素子ならびに関連する電子回路および/または導電性トレースを配線するために複数の別々のPCBを備えることができる。また、感知素子920は、いくつでも使用することができ、またどのような配向、または配向の組み合わせでも使用することができる。例示されている実施形態における感知素子は、一般的にバレル110の長さに沿って互いに等間隔で並ぶように示されている。しかし、感知素子は、不均等に並べることも可能である。例えば、感知素子は、高い分解能が注目されているバレルの領域では比較的密集した間隔で並べられ、低い分解能が許容可能であるか、または望ましい領域では間隔を広げて並べられるものとしてよい。また、シールド4502は、用途で使用される感知素子を保護するために必要な任意の形状もしくは構成をとりうる。有利には、シールドは、機械的保護を実現することができ、また、外部磁場から感知素子を少なくとも部分的に遮蔽することもできる。
【0072】
例示されている実施形態では、ピストンアセンブリは、第1の磁石ホルダ8210と第2の磁石ホルダ8212との間に配設され、ナット5802によってロッド112に固定される内部ピストン8208を備える。内部ピストン8208は、鋼鉄で製作することができ、シールおよび/または摩耗バンドを受け入れるための円周状溝が外面に形成されている一般的に環状の円筒型部材とすることができる。内部ピストンの中央開口部は、ロッド112を受け入れるようにサイズを決めることができる。
【0073】
各磁石ホルダ8210,8212は、関連する磁石908aを受け入れるための複数のポケットおよびロッドを受け入れるための中央開口部を備える一般的に環状の円筒型プレートとして、非鉄材料、例えばプラスチックから構成されうる。図84の断面図に示されているように、ポケットは、円筒型磁石908aを受け入れるための円筒型ポケットとすることができる。非鉄磁石ホルダの外面8404は、ピストンアセンブリ114が移動するとバレル110の内面8214と接触し、内部ピストン面とバレルとの接触に比べて摩耗を減らす摩耗バンドとして働きうる。
【0074】
磁石ホルダの端面8302,8304は、ポケット8402と交差する中を通る1つまたは複数の開口部8306,8308を備えることができる。開口部は、作動液を受け入れるための空間を形成することができる。作動液がこの開口部内に入ると、この流体中の金属粒子が磁石に引き付けられ、これにより流体から粒子が除去されうる。このようにして、磁石908aは、流体から金属粒子を取り除き、粒子によるシリンダの潜在的損傷を防ぐための流体用のフィルタとして働きうる。図85は、磁石ホルダの外面に開口部を形成することによってフィルタリザーバ8502が画定される代替構成を例示している。図85では、フィルタリザーバは、磁石ポケットと交差するために磁石ホルダ内を貫通しない。磁石は、磁性粒子をフィルタリザーバ内に引き寄せ、流体から粒子を濾過するが、粒子がピストンアセンブリの内部シール領域内に入るのを許さない。
【0075】
磁石ホルダのうちの1つの磁石908aは、ピストンの反対側にある磁石ホルダ内の磁石に関して逆磁場または引き合う(additive)磁場で磁化されうる。例えば、また分かりやすくするために、図84の上部の磁石は、逆磁場(N極がN極に面する)を持つそれぞれの磁石ホルダ内の磁石を示し、図84の底部の磁石は、引き合う(N極がS極に面する)磁場を持つそれぞれの磁石ホルダ内の磁石を示す。通常は、磁石ホルダ内の磁石のすべてが、同じ向きを持つ、つまり、引き合うか、または逆向きとなるように構成される。
【0076】
図82〜85では、磁石ホルダ8208および8210は、磁石を受け入れるためのポケットおよび中央開口部を持つ一般的に一様な円筒型の厚みを有するものとして示されている。図86〜91は、代替磁石ホルダ構成を示している。図86および87は、正方形の磁石を受け入れるための正方形のポケットおよび中央開口部8604の周りに配設されたピンチ段部8602を持つ一般的に環状の形状を有する磁石ホルダ8210aの一実施形態8600を示している。ピンチ段部8602は、ナットがロッド112に固定されたときにナット5802と内部ピストン部分8208との間に圧縮され、これにより、ピストンアセンブリがロッドに固定されうる。図86および87に例示されている構成は、内部ピストン部分の両側に形成されうるか、またはナット5802と直接接触する側にのみ形成されうる。図88および89は、正方形の磁石908aを受け入れるための正方形のポケット8702および大口径の中央開口部8900を持つ一般的に環状の形状を有する磁石ホルダ8210bの他の実施形態8800を示している。磁石ホルダ8210bは、中にある磁石をピストン材料に引きつける磁力によってのみ内部ピストン8208に固定されうる。磁石ホルダ8210bをピストンに固定するために別の留め具は不要である。
【0077】
図90および91は、外面に一般的にU字型のポケット9102を備える一般的に環状の形状を有する磁石ホルダ8210cの他の実施形態9000を示している。磁石908aは、図示されているように、磁石ホルダの外面の上から嵌合する環状摩耗バンド9002によってポケット内に保持される。摩耗バンド9002は、ピストンアセンブリが中で移動するとバレル110の内面と接触し、内部ピストン面とバレルとの接触に比べて摩擦を低くし摩耗を減らすことができる。一実施形態では、摩耗バンド9002は、非金属、例えばプラスチックの材料で製作することができる。摩耗バンド9002では、ピストンとバレルとの間の空隙を減らし、これにより、磁石とバレルとの間に配設された非鉄磁石ホルダの一部を含む設計と比べて信号強度を高め、および/または使用する磁石の個数を減らすことができる。
【0078】
図92および93は、別の磁石ホルダを必要としない、本開示と一致するピストンアセンブリの他の実施形態9200を例示している。例示されている実施形態では、磁石908aを受け入れるためにピストン部分9202の端面に複数のポケット9302が形成される。磁石は、磁石908aとピストン材料との間の磁力によってピストンに保持されうる。ピストン部分は、磁石908aの端面を超えて軸方向に延在するストッパ部分9204を備え、ピストンアセンブリの移動の終わりに磁石が他の要素、例えばナット、ロッドなどと接触するのを防ぐ。実施形態9200は、摩耗バンド9206とシール9208とを受け入れるためピストン部分の外面に形成された円周溝も備える。
【0079】
例示されている実施形態は、円筒型および正方形の磁石を備える構成およびポケット構成を備え、磁石は、磁石ホルダまたはピストンの周上に延在するが、ポケットおよび磁石は任意の形状、または形状の組み合わせとすることができ、磁石ホルダまたはピストンまたはその任意の1つもしくは複数の部分の周全体に延在しうることは理解されるであろう。例えば、図95〜102は、代替磁石およびポケット構成を示している。図95は、単一の環状磁石ホルダポケット内に配設された単一の環状磁石を例示している。図96は、対応する弧状ポケット内に配設された第1の弧状磁石および第2の弧状磁石を示し、図97は、関連付けられているポケット内に配設された4つの弧状磁石を示している。多くの小型磁石とは反対に、図95に示されているような単一磁石または図96および97に示されているような大型磁石セグメントを備えることで、例えば、磁場強度を高め、コストを低減することができる。
【0080】
図97〜100は、磁石ホルダ8210の弧状セグメントが関連する磁石908aを受け入れるための磁石ポケットを備える例示的な実施形態を示している。 図97は、正方形または立方体の磁石908aを備える一実施形態を例示し、図98は、台形の磁石908aを備える一実施形態を例示している。図99は、円筒型ポケット9902内に立方体の磁石908aを備える一実施形態を例示し、図100は、円筒型ポケットの中に円筒型の磁石を備える一実施形態を例示している。組み立て後にシリンダがバレルに対して知られている位置に位置決めされるようにシリンダロッド112をバレル110に合わせた場合、磁石の弧状セグメントを使用して磁石を減らし、コストを低減することができる。さもなければ、シリンダがバレルに対して知られていない回転位置に取り付けられる場合、磁石ホルダまたはピストンの全周上に1つまたは複数の磁石を設けることが有益であることがある。
【0081】
図101および102は、磁石908aが磁石ホルダ8210またはピストンの全周上に位置決めされる追加の代替構成を例示している。図101は、台形の磁石908aを備える一実施形態を例示し、図102は、円筒型ポケット内に位置決めされた正方形の磁石908aを備える一実施形態を例示している。一般に、円筒型磁石は、製造コストが高くつくことがあるが、対応する円筒型ポケットに容易に嵌合できる。立方体の磁石は、大きなブロックを研磨して作れるため製造コストが安いが、隣り合わせで複数の立方体の磁石を組み立てると、磁石の間に大きな間隙が残り、磁場が低下する可能性がある。台形の磁石では、間隙を小さくでき、丸い磁石よりも製造コストが安い。
【0082】
図103〜105は、本開示と一致するピストンアセンブリ10300の他の実施形態を例示している。例示されている実施形態は、磁石ポケットが軸方向に貫通しているピストン本体部10402を備える。指向性磁束について図示されているように、磁石10404は、ポケットのそれぞれの中に位置決めされ、関連するシール10408を備える鋼鉄支柱部10406は、各磁石10404の両側に位置決めされうる。これらのポケットは、本体部の両端部に位置決めされ、ねじなどの留め具10412によって本体部に固定されているエンドキャップ10410によって閉じることができる。摩耗バンド10414およびシール10416は、本体部の外面の対応する溝の中に備えることができる。
【0083】
図106は、代替感知素子構成を除き、図82に示されているようなロッドおよびピストンアセンブリ114を備える本開示と一致するシリンダ位置センサの他の実施形態10600を例示する。例示されている実施形態では、一体型感知素子10602が、バレル110の外側、例えば、バレル上、もしくはバレルに隣接して位置決めされる。一体型感知素子は、例えば、連続ニッケル鉄合金ストリップで作製できる。一体型感知素子10602の上にシールド4502が形成され、シールドの端部にセンサ電子回路10604が設けられ、感知素子を封入する。動作時に、センサ電子回路10604は、一体型感知素子10602上に電気パルスを送ることができる。パルスは、ピストンアセンブリ114内の磁石908aによって反射され電子回路10604に戻されるようにできる。ピストンアセンブリ114の位置は、したがって、電子回路10604からピストンアセンブリ114に伝えられ、そして電子回路へと戻るパルスの伝搬時間を計算するための知られているアルゴリズムによって確定されうる。パルスがピストンに伝えられ、電子回路に戻るのに要する時間(伝搬時間)およびパルスの移動速度がわかれば、ピストンの位置を計算することができる。
【0084】
本開示の一態様によれば、シリンダバレル、シリンダバレルに対して往復運動するようにシリンダバレル内に配設されたピストン、ピストンに結合され、シリンダの往復運動とともにバレルに対して軸方向に移動するように構成されているピストンロッド、シリンダバレル内に配設された少なくとも1つの磁石、バレルの外側に位置決めされ、少なくとも1つの磁石からの磁束に応答して、シリンダバレルに対するロッドの位置とともに変化する出力を供給するように構成されている少なくとも1つの感知素子、およびバレルに結合され、少なくとも1つの感知素子上に延在し、外部磁場から少なくとも1つの感知素子を少なくとも部分的に遮蔽するように構成されているシールドを備えるシリンダシステムが実現される。
【0085】
本開示の他の態様によれば、シリンダ位置センサが実現され、これは、シリンダバレル内に配設され、ピストンロッド、シリンダバレル、およびピストンを貫通する磁束経路内の磁束をもたらす少なくとも1つの磁石、およびシリンダバレルの外側に位置決めされ、磁束に応答して、シリンダバレルに対するピストンの位置とともに変化する出力を供給するように構成されている少なくとも1つの感知素子を備える。
【0086】
本開示のさらに他の態様によれば、シリンダシステムが実現され、これは、シリンダバレル、シリンダバレルに対して往復運動するようにシリンダバレル内に配設されたピストン、ピストンに結合され、シリンダの往復運動とともにバレルに対して軸方向に移動するように構成されているピストンロッド、シリンダバレル内に配設された少なくとも1つの磁石、バレルの外側に位置決めされ、少なくとも1つの磁石からの磁束に応答して、シリンダバレルに対するロッドの位置とともに変化する出力を供給するように構成されている少なくとも1つの感知素子、およびロッドの周りに配設された消磁コイルであって、このコイルに通電した後に外部磁場によって引き起こされるロッド内の残留磁場を減少させるように構成されている消磁コイルを備える。
【0087】
本明細書で説明された実施形態は、本発明を使用する、例として、ただし、限定はしないが、本明細書で説明されているいくつかのうちの一部にすぎない。本明細書で説明されている実施形態の特徴または態様を本明細書で説明されている他の実施形態の他の特徴または態様と組み合わせて、本開示と一致するシステムを実現することができる。当業者には容易に理解される、他の多くの実施形態は、本発明の精神および範囲から著しく逸脱することなく、製作されうることは明らかである。
【符号の説明】
【0088】
12 ロッド
102 シリンダ
104 可動要素
106 位置センサ
108 制御システム
110 シリンダバレル
112 ロッド
114 ピストン
114a ピストン
116 ロッドガイド
118a,118b チャンバ
202 永久磁石
202a,202b 一対の永久磁石
206a,206b 端部領域
302 実質的に直線的な範囲
304a,304b 非直線的領域
402 消磁コイル
404 センサ素子ハウジング
602 内面
604 リブ
694 リブ
700a,700b 永久磁石
702 段部または段領域
802 低位置感知分解能領域
804 プロット
800a 第1の高位置感知分解能領域
800b 第2の高位置感知分解能領域
906,908 磁石
908a 磁石
908b 環状磁石
908c 磁石
908d 磁石
908e 磁石
908f 永久磁石
908g,908h 環状磁石
920 感知素子
920-1,920-2,...920n 感知素子
1602,1604 棒状磁石
1902 磁石ホルダ
2100 ボア
2202 ナット
2402 消磁器磁石
2602 固定磁石
2604 シールド延長部
3002 磁石
3102,3104 棒状磁石
3106 ボア
3402 コイル
3404 コイルホルダ
3502 プリント基板(PCB)
3902 マスタ磁力計
3904 制御磁力計
3906 プロセッサ
4102 ポケット
4502 細長いシールド
4602 シールド
4608 層
4802 アーチ型ポケット
4804 磁石アセンブリ
4804a 磁石アセンブリ
4806,4808,4810 磁石層
4812,4814,4816,4818,4820,4822 スタック
4824 第1のアーチ型プレート
4826 第2のアーチ型プレート
4828 保持リング
5200 径方向磁束密度
5300 軸方向磁束密度
5802 ナット
6002 フラックスゲート磁力計
6004 信号処理ユニット
6102 純粋正弦波信号
6202 電圧対ストローク(ロッド位置)特性
6402 感知素子出力のプロット
6404 純粋正弦波信号のプロット
6502 正弦波出力
6504 余弦波出力
6506 逆正接
6600 感知素子出力のプロット
6700 感知された磁場の導関数のプロット
6900 プリント基板(PCB)
6902 上部ハウジング部分
6904 底部ハウジング部分
6906 空間
8202 留め具
8204 エンドキャップ
8200 他の実施形態
8206 開口部
8208 内部ピストン
8210 第1の磁石ホルダ
8210a 磁石ホルダ
8210b 磁石ホルダ
8210c 磁石ホルダ
8212 第2の磁石ホルダ
8214 内面
8302,8304 磁石ホルダの端面
8306,8308 開口部
8402 ポケット
8404 非鉄磁石ホルダの外面
8502 フィルタリザーバ
8600 一実施形態
8602 ピンチ段部
8604 中央開口部
8702 ポケット
8800 実施形態
8900 中央開口部
9000 実施形態
9002 環状摩耗バンド
9102 U字型のポケット
9200 実施形態
9202 ピストン部分
9204 ストッパ部分
9206 摩耗バンド
9208 シール
10300 ピストンアセンブリ
10402 ピストン本体部
10404 磁石
10406 鋼鉄支柱部
10408 シール
10410 エンドキャップ
10412 留め具
10414 摩耗バンド
10416 シール
10600 実施形態
10602 一体型感知素子
10604 センサ電子回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダバレルと、
前記シリンダバレルに対して往復運動するように前記シリンダバレル内に配置されたピストンと、
前記ピストンに結合され、前記シリンダの前記往復運動とともに前記バレルに対して軸方向に移動するように構成されているピストンロッドと、
前記シリンダバレル内に配置された少なくとも1つの磁石と、
前記バレルの外側に位置決めされ、前記少なくとも1つの磁石からの磁束に応答して、前記シリンダバレルに対する前記ロッドの位置とともに変化する出力を供給するように構成されている少なくとも1つの感知素子と、
前記バレルに結合され、前記少なくとも1つの感知素子上に延在し、外部磁場から前記少なくとも1つの感知素子を少なくとも部分的に遮蔽するように構成されているシールドと、を備えることを特徴とするシリンダシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの磁石が、前記ピストンに結合されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの磁石が、別個の磁石担体に結合され、前記磁石担体が、前記ピストンに結合されることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
複数の前記磁石を備えることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記磁石の前記複数のうちのそれぞれが、別個の磁石担体に結合され、前記磁石担体が、ピストンに結合されることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
複数の前記感知素子を備え、前記複数の感知素子が前記バレルの長さに沿って前記バレルの外面に隣接してアレイ内に位置決めされることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
異なる出力を供給するように結合された、前記感知素子のうちの第1の感知素子および第2の感知素子を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの感知素子が、フラックスゲートセンサを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ロッドに隣接して配置された少なくとも1つの消磁器磁石をさらに備え、前記消磁器磁石が外部磁場によって引き起こされる前記ロッド内の残留磁場を低減するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ロッドの周りに配置された消磁コイルをさらに備え、前記コイルが前記コイルの通電後に外部磁場によって引き起こされる前記ロッド内の残留磁場を低減するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
シリンダバレル内に配置され、ピストンロッド、シリンダバレル、およびピストンを貫通する磁束経路内の磁束をもたらす少なくとも1つの磁石と、
前記シリンダバレルの外側に位置決めされ、前記磁束に応答して、前記シリンダバレルに対する前記ピストンの位置とともに変化する出力を供給するように構成されている少なくとも1つの感知素子と、を備えることを特徴とするシリンダ位置センサ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの磁石が、前記ピストンに結合されることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの磁石が、別個の磁石担体に結合され、前記磁石担体が、前記ピストンに結合されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
複数の前記磁石を備えることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記磁石の前記複数のうちのそれぞれが、別個の磁石担体に結合され、前記磁石担体が、ピストンに結合されることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
複数の前記感知素子を備え、前記複数の感知素子が前記バレルの長さに沿って前記バレルの外面に隣接してアレイ内に位置決めされることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
異なる出力を供給するように結合された、前記感知素子のうちの第1の感知素子および第2の感知素子を備えることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの感知素子が、フラックスゲートセンサを含むことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記バレルに結合され、前記少なくとも1つの感知素子上に延在し、外部磁場から前記少なくとも1つの感知素子を少なくとも部分的に遮蔽するように構成されているシールドをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
シリンダバレルと、
前記シリンダバレルに対して往復運動するように前記シリンダバレル内に配置されたピストンと、
前記ピストンに結合され、前記シリンダの前記往復運動とともに前記バレルに対して軸方向に移動するように構成されているピストンロッドと、
前記シリンダバレル内に配置された少なくとも1つの磁石と、
前記バレルの外側に位置決めされ、前記少なくとも1つの磁石からの磁束に応答して、前記シリンダバレルに対する前記ロッドの位置とともに変化する出力を供給するように構成されている少なくとも1つの感知素子と、
前記ロッドの周りに配置された消磁コイルであって、前記コイルに通電した後に外部磁場によって引き起こされる前記ロッド内の残留磁場を減少させるように構成されている消磁コイルと、を備えることを特徴とするシリンダシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【図93】
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【図94】
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【図95】
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【図96】
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【図97】
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【図98】
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【図99】
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【図100】
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【図101】
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【図102】
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【図103】
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【図104】
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【図105】
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【図106】
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【公表番号】特表2011−521263(P2011−521263A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510661(P2011−510661)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/044573
【国際公開番号】WO2009/143190
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(505269412)ストーンリッジ・コントロール・デバイスィズ・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】