説明

シンボル読取装置及びその制御プログラム

【課題】規格外バーコードに起因するようなコードシンボルの誤読を未然に防止する。
【解決手段】バーコードとともに当該バーコードが意味する文字列が付された商品の画像を結像する撮像部を備え、この撮像部により撮像された商品画像から当該商品に付されているバーコードのデータを認識するとともに、当該商品に付されている文字列のデータを認識する。認識した文字列のデータを、認識したバーコードのデータと比較し、文字列のデータがバーコードのデータの少なくとも一部と一致していると判定されると、バーコードのデータを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードなどのコードシンボルを読取るために、当該コードシンボルが付された商品の画像を結像する撮像部を備えたシンボル読取装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1は、バーコードが付された商品の画像を結像するための撮像部を備えたバーコード読取装置を開示する。この装置は、バーコードが付された商品が配置される撮像領域側に開口部を備えた箱形筐体の内部に撮像装置を備え、この撮像装置に結像した撮像領域の画像からバーコードを抽出し、抽出したバーコードを解析して当該バーコードによって表わされた数字等からなる文字列を認識するものである。
【0003】
特許文献2は、帳票上のバーコードデータと文字データとを読取る光学的読取装置を開示する。この装置は、バーコードデータ及び文字データを光学的に読取る読取手段を備え、この読取手段により読み取られたバーコードデータと文字データとを比較して、不一致のときには文字データを表示させて不一致の部分を外部入力により訂正するようにしたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、商品に付されるバーコードのバーの幅寸法や濃淡などは規格によって定められている。しかし、現実には、規格を満たさないバーコードも存在する。そして、規格外のバーコードでも解析されることによって文字列が認識されてしまい、当該バーコードが意味する本来の文字列とは異なるデータが出力されてしまう場合がある。
【0005】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、規格外バーコードに起因するようなコードシンボルの誤読を未然に防止できるシンボル読取装置及びその制御プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシンボル読取装置は、コードシンボルとともに当該コードシンボルが意味する文字列が付された商品の画像を結像する撮像部と、この撮像部により撮像された商品画像から当該商品に付されているコードシンボルのデータを認識するシンボル認識手段と、前記撮像部により撮像された商品画像から当該商品に付されている文字列のデータを認識する文字列認識手段と、この文字列認識手段により認識した文字列のデータをシンボル認識手段により認識したコードシンボルのデータと比較するデータ比較手段と、この比較の結果、文字列のデータがコードシンボルのデータの少なくとも一部と一致していると判定されると、コードシンボルのデータを出力するシンボル出力手段とを備えたものである。
【0007】
本発明の制御プログラムは、コードシンボルとともに当該コードシンボルが意味する文字列が付された商品の画像を結像するための撮像部を備えたシンボル読取装置に、撮像部により撮像された商品画像から当該商品に付されているコードシンボルのデータを認識させるシンボル認識手順と、撮像部により撮像された商品画像から当該商品に付されている文字列のデータを認識させる文字列認識手順と、文字列認識手順により認識した文字列のデータをシンボル認識手順により認識したコードシンボルのデータと比較させるデータ比較手順と、比較の結果、文字列のデータがコードシンボルのデータの少なくとも一部と一致していると判定されると、コードシンボルのデータを出力させるシンボル出力手順とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0008】
かかる手段を講じた本発明によれば、規格外バーコードに起因するようなコードシンボルの誤読を未然に防止できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態である店舗会計システムの外観図。
【図2】同実施形態におけるバーコード読取装置の概略断面図。
【図3】同実施形態におけるバーコード読取装置の制御回路を示すブロック図。
【図4】同実施形態において使用されるLAN規格のバーコードの一例を示す図。
【図5】同実施形態において、バーコード読取装置に実装された制御プログラムに従いCPUが実行するバーコード読取処理の主要な手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための一形態を、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、スーパーマーケット等の店舗において、各商品に付されるバーコードを読み取るためのバーコード読取装置に、本発明を適用した場合である。バーコードは、JAN(Japanese Article Number)規格のバーコードとする。JAN規格のバーコードは、2桁の国コード(日本は49)と、5桁のメーカコードと、5桁のアイテムコードと、1桁のチェックデジットからなる13桁の商品コードのうち、国コードの上位桁を除く12桁の文字列を、幅が変化する白バーと黒バーとの配列によって表わしたもので、図4に示すように、左ガードバーLGとセンターバーCEとの間、及びセンターバーCEと右カードバーRGとの間に、それぞれ6文字分のハーフセグメントデータCA1,CA2を持った構造となっている。左ガードバーLGとセンターバーCEとの間の、国コードの下位桁とメーカコードとからなる6文字分のハーフセグメントデータCA1を、左ハーフセグメントのデータと称する。センターバーCEと右カードバーRGとの間の、アイテムコードとチェックデジットとからなる6文字分のハーフセグメントデータCA2を、右ハーフセグメントのデータと称する。
【0011】
バーコードの下側近傍には、当該バーコードが意味する12桁の数字列(図4では「901234567890」)と、国コードの上位桁である数字(図4では「4」)とを組み合わせた文字列が付されている。この文字列は、当該バーコードが付される商品を識別するための商品コードに相当する。
【0012】
図1は、本実施形態のバーコード読取装置を含む店舗会計システムの外観図である。店舗会計システムは、登録装置1と決済装置2とで構成されている。登録装置1は、チェックアウトカウンタ3の上に取り付けられている。決済装置2は、レジ台4の上にドロワ5を介して置かれている。登録装置1と決済装置2とは、図示しない通信ケーブルによりデータ通信可能に接続されている。
【0013】
チェックアウトカウンタ3は、その奥側の顧客通路に沿って細長い形状をしている。レジ台4は、チェックアウトカウンタ3に沿って移動する顧客の移動方向に対して下流側のチェックアウトカウンタ3の端部手前側に、チェックアウトカウンタ3に対して略垂直に置かれている。そして、このチェックアウトカウンタ3の手前側とレジ台4の手前側が、会計担当の店員いわゆるキャッシャのスペースとなっている。
【0014】
決済装置2は、決済に必要なデバイスとして、キーボード21、オペレータ用ディスプレイ22、客用ディスプレイ23、レシートプリンタ24等を備えている。既存のPOS(Point Of Sales)端末が、決済装置2として用いられている。
【0015】
登録装置1は、商品の登録に必要なデバイスとしてキーボード11、タッチパネル付のディスプレイ12及びバーコード読取装置13を備えている。バーコード読取装置13は、直方体の箱型形状をなしており、チェックアウトカウンタ3の略中央において、長軸がチェックアウトカウンタ3の面より垂直となるように立設されている。そして、バーコード読取装置13のキャッシャ側の一面に、矩形状の読取枠14が形成されている。また、キーボード11とディスプレイ12は、バーコード読取装置13の上部に、キャッシャ側を向けて取り付けられている。
【0016】
チェックアウトカウンタ3のバーコード読取装置13を挟んで顧客移動方向上流側の荷受面は、顧客が購入する商品Mが収容された買物容器6を置くためのスペースとなっている。また、下流側の荷受面は、登録装置1により登録された商品Mを入れるための買物容器7を置くためのスペースとなっている。キャッシャは、買物容器6に収容された商品Mを1品ずつ取り出し、その商品Mのバーコードが付された面をバーコード読取装置13の読取枠14の枠内にかざす。そして、バーコード読取装置13によりバーコードが読取られたならば、その商品Mを買物容器7に入れる。以上の作業を、買物容器6に収容された商品Mについて1品毎に繰返し行い、完了したならば、決済装置2を操作して決済を行う。
【0017】
図2は、本発明に係るバーコード読取装置13の構造を示す概略断面図である。バーコード読取装置13は、商品Mがかざされる撮像領域A側に配置された表側カバー部材31と、表側カバー部材31の反撮像領域側に組み合わせて配置される裏側カバー部材32とで形成された箱型の筐体30を備えている。そして、この筐体30内に、撮像部40と照明ボード50とメイン制御ボード60とを備えている。
【0018】
表側カバー部材31は、撮像領域A側の面に読取枠14を設けている。読取枠14は、奥に行くほどその断面積が減少する四角錘形の壁面を備えて形成され、読取枠14の最奥部に矩形状の開口部141が開設されていて、この開口部141に透明カバー142が取り付けられている。
【0019】
撮像部40は、筐体30内の裏側カバー部材32側に配置されており、エリアイメージセンサであるCCD撮像素子及びCCD撮像素子の駆動回路を備えたカメラ制御ボード41と、前記CCD撮像素子に前記撮像領域Aの画像を結像する焦点距離を有した撮像レンズ42とを備えている。
【0020】
照明ボード50は、筐体30内における前記開口部141の奥側に配置されており、その略中央部に撮影用の窓51が穿設されている。そして、この窓51の周囲であって前記開口部141の開口内に、複数のLED発光素子52が窓51を囲うように配置されており、これらのLED発光素子52によって、撮像領域Aより広い照射領域Bに光を照射する。
【0021】
メイン制御ボード60は、筐体30内における撮像部40のカメラ制御ボード41と照明ボード50との間に配置されており、図3に示す制御回路が実装されている。すなわち、メイン制御ボード60は、制御部本体を構成するCPU(Central Processing Unit)61、プログラム等の固定的データが予め格納されたROM(Read Only Memory)62、画像メモリ等の可変的なデータを一時的に記憶するためのメモリエリアが形成されるRAM(Random Access Memory)63、前記決済装置2とのデータ通信を司る通信インターフェース64、前記キーボード11を制御するキーボードコントローラ65、前記ディスプレイ12を制御するディスプレイコントローラ66、及びブザー70に対してブザー駆動信号を出力する出力ポート67を備えている。
【0022】
CPU61は、アドレスバス、データバス等のバスライン68を介して、ROM62、RAM63、通信インターフェース64、キーボードコントローラ65、ディスプレイコントローラ66及び出力ポート67を接続している。また、このバスライン68を介して、前記カメラ制御ボード41と照明ボード50を接続している。
【0023】
CPU61は、バスライン68を介して照明ボード50を制御し、各LED発光素子52を点灯させて照射領域Bに光を照射させる。そして、撮像部40のCCD撮像素子に結像した撮像領域Aの二次元画像に相当する電気信号を、カメラ制御ボード41からバスライン68を介して受信する毎に、CPU61は、図5の流れ図に示す手順に従い、商品に付されているバーコードの読取動作を制御する。この制御手順は、ROM62に記憶された制御プログラムによって実現される。
【0024】
なお、バーコード読取処理に必要なメモリエリアとして、バーコード読取装置13は、RAM63に、前記画像メモリのほか、バーコード記憶エリア631と文字列記憶エリア632とを形成している。
【0025】
しかして、カメラ制御ボード41からCCD撮像素子に結像した撮像領域Aの二次元画像に相当する電気信号を受信する毎に、CPU61は、この電気信号に応じて画像メモリに撮像領域Aの二次元画像を展開する(ST1)。そして、この二次元画像を解析して、この画像にバーコードの画像が含まれるか否かを判断する(ST2)。バーコードの画像が含まれない場合には(ST2のNO)、CPU61は、次の電気信号を待機する。
【0026】
バーコードの画像が含まれている場合には(ST2のYES)、CPU61は、このバーコードの画像を切り出し、2値化等を行ってバーコードを認識する(シンボル認識手段)。そして、認識されたバーコードデータをバーコード記憶エリア631に記憶する(ST3)。
【0027】
次に、CPU61は、画像メモリに展開された二次元画像をさらに解析して、この画像にN桁以上の文字列の画像が含まれるか否かを判断する(ST4)。N桁のNは、各商品に付されるJAN規格のバーコードを構成するハーフセグメントデータCA1,CA2の文字数“6”である。N桁以上の文字列の画像が含まれない場合には(ST4のNO)、CPU61は、既存の多数決処理等によって正しいと思われるバーコードデータをバーコード記憶エリア631から取得し、通信インターフェース64を介して決済装置2に送信する(ST5)。
【0028】
N桁以上の文字列の画像が含まれている場合には(ST4のYES)、CPU61は、この文字列の画像が前記バーコード画像の近傍に存在するか否かを判断する(ST6:位置判定手段)。ここで、バーコード画像の近傍とは、図4に示すJAN規格のバーコードを考慮すると、文字列の画像がバーコード画像にほぼ接するか、一部が重なっている状態を示す。文字列の画像がバーコード画像の近傍に存在しない場合(ST6のNO)、CPU61は、次の電気信号を待機する。
【0029】
文字列の画像がバーコード画像の近傍に存在する場合には(ST6のYES)、CPU61は、この文字列の画像を切り出し、2値化等を行って文字列のデータを認識する(文字列認識手段)。そして、認識された文字列のデータを文字列記憶エリア632に記憶する(ST7)。
【0030】
次に、CPU61は、文字列記憶エリア632に記憶した文字列のデータを、前記バーコード記憶エリア631に記憶したバーコードデータと比較し(ST8)、両者が一致するか否かを判断する(ST9:データ比較手段)。ここで、一致とは、図4に示すJAN規格のバーコードを考慮すると、文字列データの最上位桁はバーコードに含まれないので、文字列データの最上位桁を除くデータと、バーコード画像からデコードされたバーコードデータとが完全に一致した場合に、一致したとみなす。一致する場合(ST9のYES)、CPU61は、この一致したバーコードデータをバーコード記憶エリア631から取得し、通信インターフェース64を介して決済装置2に送信する(ST14:シンボル出力手段)。
【0031】
文字列データとバーコードデータとが一致しない場合には(ST9のNO)、CPU61は、文字列記憶エリア632に記憶した文字列のデータを、前記バーコード記憶エリア631に記憶したバーコードデータの左ハーフセグメントデータCA1と比較し(ST10)、両者が一致するか否かを判断する(ST11:データ比較手段)。ここで、一致とは、左ハーフセグメントデータCA1と一致する文字列が文字列記憶エリア632に記憶した文字列のデータに含まれる場合に、一致したとみなす。一致する場合(ST11のYES)、CPU61は、この一致したバーコードデータをバーコード記憶エリア631から取得し、通信インターフェース64を介して決済装置2に送信する(ST14:シンボル出力手段)。
【0032】
文字列データとバーコードデータの左ハーフセグメントデータCA1とが一致しない場合には(ST11のNO)、CPU61は、文字列記憶エリア632に記憶した文字列のデータを、前記バーコード記憶エリア631に記憶したバーコードデータの右ハーフセグメントデータCA2と比較し(ST12)、両者が一致するか否かを判断する(ST13:データ比較手段)。ここで、一致とは、右ハーフセグメントデータCA2と一致する文字列が文字列記憶エリア632に記憶した文字列のデータに含まれる場合に、一致したとみなす。一致する場合(ST13のYES)、CPU61は、この一致したバーコードデータをバーコード記憶エリア631から取得し、通信インターフェース64を介して決済装置2に送信する(ST14:シンボル出力手段)。
【0033】
文字列データとバーコードデータの右ハーフセグメントデータCA2とが一致しない場合には(ST13のNO)、CPU61は、次の電気信号を待機する。
【0034】
このように構成された本実施形態においては、キャッシャが商品Mのバーコードが付された面をバーコード読取装置13の読取枠14の枠内にかざすと、照明ボード50のLED発光素子52によってこの面に光が照射される。そして、この面を含む撮像領域Aの画像が撮像部40のCCD撮像素子に結像する。そうすると、バーコード読取装置13では、図5の流れ図に示す手順の処理が実行される。
【0035】
すなわち、撮像部40により撮像された商品の画像から当該商品に付されているバーコードのデータを認識させるシンボル認識手順(ST2,ST3)、撮像部40により撮像された商品の画像から当該商品に付されている文字列のデータを認識させる文字列認識手順(ST4,ST5,ST6)、文字列認識手順により認識した文字列のデータをシンボル認識手順により認識したバーコードのデータと比較させるデータ比較手順(ST8,ST9,ST10,ST11,ST12,ST13)、及びデータ比較手順による比較の結果、文字列のデータがバーコードのデータの少なくとも一部と一致していると判定されると、コードシンボルのデータを出力させるシンボル出力手順(ST14)の各処理が実行される。
【0036】
したがって、仮に、規格外のバーコードが商品に付されており、バーコード認識手順によって認識されたバーコードのデータが文字列認識手順によって認識された文字列のデータと一致しない場合には、このバーコードのデータは決済装置2に送信されることはない。すなわち、規格外バーコードに起因するようなコードシンボルの誤読を未然に防止できる効果を奏する。
【0037】
ところで、本実施形態では、文字列認識手順により認識した文字列データがシンボル認識手順により認識したバーコードの近傍に付されているか否かを判定する位置判定手順、をさらに備えており、データ比較手順は、位置判定手順によりバーコードの近傍に付されていると判定された文字列のデータをシンボル認識手順により認識したバーコードのデータと比較するようにしている。
【0038】
商品には、バーコードを意味する文字列以外にも商品名や製造年月日などを示す文字列が付されている。しかし、上述した位置判定手順が実行されることによって、これらの文字列を認識しても文字列データとバーコードデータとの比較処理は行われない。したがって、バーコードを意味する文字列以外の文字列によって処理効率が低下する懸念は全くない。
【0039】
また、本実施形態では、データ比較手順は、文字列認識手順により認識した文字列のデータをシンボル認識手順により認識したバーコードの左ガードバーから右ガードバーまでのデータと比較し、一致しない場合には、さらにバーコードの左ガードバーからセンターバーまでの左ハーフセグメントのデータ若しくはセンターバーから右ガードバーまでの右ハーフセグメントのデータと比較するようにしている。したがって、例えば商品のパッケージの汚れなどにより文字列の一部が認識不能であっても、左右いずれかのハーフセグメントのデータに相当する桁数の文字列さえ認識できればバーコードデータの正誤を判定できるので、高い信頼性をもってバーコードデータの正誤を判定することができる。
【0040】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0041】
例えば前記実施形態では、撮像部40により撮像された商品の画像から当該商品に付されているバーコードのデータを認識するとともに、同じく撮像部40により撮像された商品の画像から文字列のデータを認識し、この文字列のデータを、バーコードの左ガードバーから右ガードバーまでのデータと比較し、一致しない場合には、さらにバーコードの左ガードバーからセンターバーまでの左ハーフセグメントのデータ若しくはセンターバーから右ガードバーまでの右ハーフセグメントのデータと比較するようにしたが、最初からバーコードの左ガードバーからセンターバーまでの左ハーフセグメントのデータ若しくはセンターバーから右ガードバーまでの右ハーフセグメントのデータと比較して、一致した場合に、バーコードデータを決済装置20に出力するようにしてもよい。
【0042】
あるいは、ハーフセグメントのデータではなく、バーコードの左ガードバーから右ガードバーまでのデータと文字列データとを比較し、文字列データに一致する文字列の配列がバーコードの左ガードバーから右ガードバーまでのデータに存在する場合は一致するとみなして、バーコードデータを決済装置20に出力してもよい。この場合、N桁のNは、ハーフセグメントデータCA1,CA2の文字数“6”に限定されない。
【0043】
また、前記実施形態では、バーコードデータの出力先を決済装置2としたが、出力先は特に限定されるものではない。例えば、商品のバーコードを読み取ることでその商品の発注を行う発注システムのバーコード読取装置に本発明を適用する場合は、バーコードデータの出力先は発注用コンピュータとなる。
【0044】
また、バーコード読取装置13の構造は、図2に示すものに限定されないのは言うまでもないことである。要は、バーコードとともに当該バーコードが意味する文字列が付された商品の画像を結像するための撮像部40を備えたものであればよい。また、シンボル認識手段が認識するコードシンボルはバーコードに限定されるものではなく、コードシンボルとともに当該コードシンボルが意味する文字列が付されたものであれば、本発明を同様に適用できるものである。
【0045】
また、前記実施形態では装置内部のROM62に発明を実施する機能である制御プログラムが予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様のプログラムをネットワークからバーコード読取装置13にダウンロードしても良いし、同様のプログラムを記録媒体に記憶させたものをバーコード読取装置13にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0046】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…登録装置、2…決済装置、3…チェックアウトカウンタ、13…バーコード読取装置、14…読取枠、40…撮像部、50…証明ボード、60…メイン制御ボード、61…CPU。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】特開2009−075784号公報
【特許文献2】特開平06−348886号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードシンボルとともに当該コードシンボルが意味する文字列が付された商品の画像を結像する撮像部と、
この撮像部により撮像された商品画像から当該商品に付されているコードシンボルのデータを認識するシンボル認識手段と、
前記撮像部により撮像された商品画像から当該商品に付されている文字列のデータを認識する文字列認識手段と、
この文字列認識手段により認識した前記文字列のデータを前記シンボル認識手段により認識した前記コードシンボルのデータと比較するデータ比較手段と、
前記データ比較手段による比較の結果、前記文字列のデータが前記コードシンボルのデータの少なくとも一部と一致していると判定されると、前記コードシンボルのデータを出力するシンボル出力手段と、
を具備したことを特徴とするコードシンボル読取装置。
【請求項2】
前記文字列認識手段により認識した文字列データが前記シンボル認識手段により認識したコードシンボルの近傍に付されているか否かを判定する位置判定手段、をさらに具備し、
前記データ比較手段は、前記位置判定手段により前記コードシンボルの近傍に付されていると判定された文字列のデータを前記シンボル認識手段により認識した前記コードシンボルのデータと比較することを特徴とする請求項1記載のシンボル認識装置。
【請求項3】
前記シンボル認識手段は、前記撮像部により撮像された商品画像から当該商品に付されているバーコードのデータを認識する手段であり、
前記データ比較手段は、前記文字列認識手段により認識した前記文字列のデータを前記シンボル認識手段により認識した前記バーコードの左ガードバーからセンターバーまでの左ハーフセグメントのデータと比較することを特徴とする請求項1または2記載のシンボル認識装置。
【請求項4】
前記シンボル認識手段は、前記撮像部により撮像された商品画像から当該商品に付されているバーコードのデータを認識する手段であり、
前記データ比較手段は、前記文字列認識手段により認識した前記文字列のデータを前記シンボル認識手段により認識した前記バーコードのセンターバーから右ガードバーまでの右ハーフセグメントのデータと比較することを特徴とする請求項1または2記載のシンボル認識装置。
【請求項5】
前記シンボル認識手段は、前記撮像部により撮像された商品画像から当該商品に付されているバーコードのデータを認識する手段であり、
前記データ比較手段は、前記文字列認識手段により認識した前記文字列のデータを前記シンボル認識手段により認識した前記バーコードの左ガードバーから右ガードバーまでのデータと比較し、一致しない場合には、さらに前記バーコードの左ガードバーからセンターバーまでの左ハーフセグメントのデータ若しくはセンターバーから右ガードバーまでの右ハーフセグメントのデータと比較することを特徴とする請求項1または2記載のシンボル認識装置。
【請求項6】
コードシンボルとともに当該コードシンボルが意味する文字列が付された商品の画像を結像するための撮像部を備えたシンボル読取装置の制御プログラムであって、
前記コードシンボル読取装置に、
前記撮像部により撮像された商品画像から当該商品に付されているコードシンボルのデータを認識させるシンボル認識手順、
前記撮像部により撮像された商品画像から当該商品に付されている文字列のデータを認識させる文字列認識手順、
前記文字列認識手順により認識した前記文字列のデータを前記シンボル認識手順により認識した前記コードシンボルのデータと比較させるデータ比較手順、及び
前記データ比較手順による比較の結果、前記文字列のデータが前記コードシンボルのデータの少なくとも一部と一致していると判定されると、前記コードシンボルのデータを出力させるシンボル出力手順、
を実行させるための制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−164934(P2011−164934A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26923(P2010−26923)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】