説明

シートの厚さ判別装置

【課題】簡単な構成でシートの厚さを判別することができるシート厚さ判別装置を提供する。
【解決手段】シートPの先端を搬送ローラ間に導くガイド50と、ガイドから導かれたシートを所定の方向に搬送する一対の搬送ローラと、シートの先端を検出する検出手段60とを有し、搬送ローラは、軸線上に二つ以上配置され、検出手段60を、シートPが搬送される川上側且つ搬送ローラ同士が接触する位置の近傍、またはシートPが搬送される川上側且つシートPを介して搬送ローラ同士が接触する位置の近傍に配置され、検出手段60は、搬送ローラ対に突き当てた時のシートP先端の検出結果により、シートPの厚さを判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙厚判別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙の厚さを判別する装置の構成として特許文献1のようなものがある。この特許文献の構成は、ループ形成ローラにより用紙を搬送して、用紙の先端をレジストローラに突き当てる時に、モータに流れる電流値を測定するものである。
【0003】
【特許文献1】特開2004−18127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし構成は、モータに流れる電流を測定するものであり、測定値や用紙の厚さにばらつきがあるため、測定値のサンプリングを多く取る必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、シートの先端を搬送ローラ間に導くガイドと、ガイドから導かれたシートを所定の方向に搬送する一対の搬送ローラと、一対の搬送ローラに搬送される前記シートの先端を検出する検出手段とを有し、
各搬送ローラは、軸線上に二つ以上配置され、検出手段は、シートが搬送される川上側且つ搬送ローラ同士が接触する位置の近傍、またはシートが搬送される川上側且つシートを介して搬送ローラ同士が接触する位置の近傍に配置され、検出手段は、搬送ローラ対に突き当てた時のシート先端の検出結果により、シートの厚さを判別することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2記載の発明は、検出手段のシートが搬送される側には、前記シートの通過を検出するシート通過検出手段が配置されていることを特徴とする。さらに、請求項3記載の発明は、ガイドは、搬送ローラに向かうに従い徐々に狭くなり、シートを搬送ローラ側にスムーズに搬送する導入部と、所定以上の厚さを持つシートの搬送を規制する規制部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記構成により、本発明によれば、簡単な構成で、シートの厚さを判別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の形態を、図を参照して説明する。図1に本発明のシートの厚さ判別装置を適用した画像読取装置の概略図を示す。この装置は、例えばA0サイズまでの大判用紙サイズのシートを読み取るLEDプリンタ等の印字出力装置に接続可能なイメージスキャナであり、スキャナ部とプリンタ部が一体となった複写機においても利用される。
【0009】
このイメージスキャナは、シートPに記載されたデータを読み取る本体部10と、リンク機構20によりシートPの厚さに対応して上下にシフトする矢印a方向に持ち上げることが可能な蓋30と、シートPを搬送する一対の搬送ローラ40とにより構成される。なお、シートPに記載されたデータとは、イメージや文字、またはこれらが含まれたものをさす。
【0010】
本体部10は、読取手段11と、読取手段11を挟むように配設された送りローラ12と排出ローラ13とからなる。読取手段11は、縮小光学系であり、第1ミラーM1と、第2ミラーM2、第3ミラーM3、第4ミラーM4と、投撮レンズLと、撮像素子がライン状に配設されたイメージセンサSと、二つの光源(L1、L2)と、固定台11とからなる。
【0011】
固定台11には、シートPに反射させた光源の光をイメージセンサSに到達させるために、第1ミラーM1、第2ミラーM2、第3ミラーM3および第4ミラーM4が所定の角度を持って配置されている。このような構成により、シートPに反射させた光源(L1、L2)の光は、第1ミラーM1、第2ミラーM2を介し、第3ミラーM3、第4ミラーM4を介して、それぞれ投撮レンズLで集光し、イメージセンサSで読み込まれる。
【0012】
蓋30は、前部押えローラ31と、プラテンローラ32と、後部押えローラ33からなる。前部押えローラ31は、シート挿入側に配置され、シートPを読み取る位置にセットされた時、送りローラ12と対向する位置に取り付けられている。さらに、後部押えローラ33は、シート排出側に配置され、シートPを読み取る位置にセットされた時、排出ローラ13と対向する位置に取り付けられている。さらに、前部押えローラ31および後部押えローラ33は小ローラ(符号なし)を軸線上に二つ以上配置されている。
【0013】
さらに、図2に示すように、シートPが挿入される蓋30側は、シートPが一対の搬送ローラ40側にスムーズに挿入しやすいように一対の搬送ローラ40側に向かうにしたがって隙間が狭くなる導入部51と、所定以上の厚さを持つシートPの搬送を規制する規制部52が設けられている。また、規制部52と対向する搬送部位(符号なし)には、シートPの通過を検出するシート通過検出手段70が配置されている。
【0014】
プラテンローラ32は、前部押えローラ31から送られたシートPをコンタクトガラス上方に案内し、シートPをコンタクトガラス上、すなわち読み取り位置(読取面)にフィットさせるためのものである。これら、送りローラ12と前部押えローラ31により一対の搬送ローラ40が構成される。
【0015】
送りローラ12と排出ローラ13は、前部押えローラ31および後部押えローラ33と同様に、小ローラ(符号なし)を軸線上に二つ以上配置され、さらに、送りローラ12の小ローラ(符号なし)と前部押えローラ31の小ローラ(符号なし)、排出ローラ13の小ローラと後部押えローラ33の小ローラ(符号なし)が、各々対向するように配置されている。
【0016】
次に、本発明のシートPの厚さ判別装置について説明する。図2に示すように、シートPの厚さ判別装置は、シートPの先端を一対の搬送ローラ40間に導くガイド50と、ガイド50から導かれたシートPと、所定の方向に搬送する一対の搬送ローラ40と、一対の搬送ローラ40に搬送されるシートPの先端を検出する検出手段60とからなる。
【0017】
この実施の形態において、一対の搬送ローラ40は本体部10の送りローラ12と蓋30の前部押えローラ31とからなる。検出手段60は、送りローラ12の小ローラと前部押えローラ31の小ローラとが対向して配置されない位置に設けられている。さらに、具体的に述べると、検出手段60は、シートPが搬送される川上側且つ送りローラ12と前部押えローラ31とが接触する位置の近傍、またはシートPが搬送される川上側且つシートPを介して搬送ローラ同士が接触する位置の近傍に配置されている。
【0018】
次に、動作について説明する。シートPの先端を送りローラ12の小ローラと前部押えローラ31の小ローラとの間に突き当てた時、図3(a)に示すように、シートPの先端をシート通過検出手段70が検出し、さらに、その先端を検出手段60が検出した場合、シートPの厚さが薄いと判断する。なお、この判断は、図示しない制御手段が行う。
【0019】
シートPの先端を送りローラ12の小ローラと前部押えローラ31の小ローラとの間に突き当てた時、図3(b)に示すように、シートPの先端をシート通過検出手段70が検出し、さらに、その先端を検出手段60が検出されない場合、シートPの先端は以下の状態にある。シートPの先端が本来のニップに食い込む部分からから外れ、シートPの先端が送りローラ12の小ローラと前部押えローラ31の小ローラとに挟み込まれている。このことから厚いシートPが搬送されていると判断する。
【0020】
さらに、図3(c)に示すように、シートPの先端がシート通過検出手段70も検出手段60が検出されない場合、画像読取装置で読み取るシートPの厚さが超えていると判別する。
【0021】
このように、簡単な構成で、シートPの先端をシートPの先端を送りローラ12の小ローラと前部押えローラ31の小ローラとの間に突き当てる動作のみで、シートPの厚さを判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のシートの厚さ判別装置を適用した画像読取装置の概略図。
【図2】本発明のシートの厚さ判別装置の概略図。
【図3】本発明のシートの厚さ判別装置の動作を示す図であり、(a)は薄いシートを搬送した状態を示す図、(b)は薄いシートを搬送した状態を示す図、(c)は規定以上の厚さのシートを搬送しようとしている図。
【符号の説明】
【0023】
10 本体部
20 リンク機構
30 蓋
40 一対の搬送ローラ
50 ガイド
60 検出手段
70 シート通過検出手段
P シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの先端を前記搬送ローラ間に導くガイドと、前記ガイドから導かれた前記シートを所定の方向に搬送する一対の搬送ローラと、前記一対の搬送ローラに搬送される前記シートの先端を検出する検出手段とを有し、
各前記搬送ローラは、軸線上に二つ以上配置され、
前記検出手段は、前記シートが搬送される川上側且つ前記搬送ローラ同士が接触する位置の近傍、または前記シートが搬送される川上側且つ前記シートを介して前記搬送ローラ同士が接触する位置の近傍に配置され、
前記検出手段は、前記搬送ローラ対に突き当てた時の前記シート先端の検出結果により、前記シートの厚さを判別することを特徴とするシート厚さ判別装置。
【請求項2】
前記検出手段の前記シートが搬送される側には、前記シートの通過を検出する通過検出手段が配置されていることを特徴とする請求項1記載のシート厚さ判別装置。
【請求項3】
前記ガイドは、前記搬送ローラに向かうに従い徐々に狭くなり、前記シートを前記搬送ローラ側にスムーズに搬送する導入部と、所定以上の厚さを持つ前記シートの搬送を規制する規制部とを有することを特徴とする請求項1または2記載のシート厚さ判別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−105418(P2011−105418A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259962(P2009−259962)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000165136)桂川電機株式会社 (66)
【Fターム(参考)】