シートへのICタグ付テープ貼着方法
【課題】 シート材料の保管時にICタグを破損させず、またシート材料の変形及び破損を生じさせないシートへのICタグ付テープ貼着方法並びに該貼着方法により得られるシート材料並びに該シート材料に貼着されるICタグ付テープを提供すること。
【解決手段】 複数のICタグが所定ピッチで配された細帯状のICタグ付テープが巻回されてなるテープロールを準備する工程と、切断装置へ供給される連続シートの供給量に対する切断装置に作動タイミングを調整設定する工程と、前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、前記連続シート材料に貼着する工程と、前記ICタグ付テープが貼着された連続シート材料を前記切断装置で切断し、シート材料を得る工程を備えるシート材料へのICタグ付テープの貼着方法であって、前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、前記切断装置の作動タイミングを調整設定する工程において、前記テープロールが巻きだし開始されるごとに前記作動タイミングの調整が行われ、切断シート内の所望の位置にICタグを入れるように、前記ICタグの配設ピッチと等しい切断ピッチとなるように切断装置が作動することを可能とされることを特徴とするシート材料へのICタグ付テープの貼着方法である。
【解決手段】 複数のICタグが所定ピッチで配された細帯状のICタグ付テープが巻回されてなるテープロールを準備する工程と、切断装置へ供給される連続シートの供給量に対する切断装置に作動タイミングを調整設定する工程と、前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、前記連続シート材料に貼着する工程と、前記ICタグ付テープが貼着された連続シート材料を前記切断装置で切断し、シート材料を得る工程を備えるシート材料へのICタグ付テープの貼着方法であって、前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、前記切断装置の作動タイミングを調整設定する工程において、前記テープロールが巻きだし開始されるごとに前記作動タイミングの調整が行われ、切断シート内の所望の位置にICタグを入れるように、前記ICタグの配設ピッチと等しい切断ピッチとなるように切断装置が作動することを可能とされることを特徴とするシート材料へのICタグ付テープの貼着方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を格納可能なICタグが取付けられたシートへのICタグ付テープ貼着方法並びに該貼着方法により得られるシート材料並びに該シート材料に貼着されるICタグ付テープに関し、より詳しくは、シート材料が継続する加工を受ける段階で、動的衝撃によって、ICタグが損傷しないように、また、保管される間に積み上げられてもシート材料或いはシート材料に取付けられたICタグが破損することがないシートへのICタグ付テープ貼着方法並びに該貼着方法により得られるシート材料並びに該シート材料に貼着されるICタグ付テープに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子情報機器の技術革新により、薄型且つ小型のICタグが開発され、物流或いは小売にこのICタグが活用され始めている。ICタグは、各種の電子情報が記録可能であり、例えば、ICタグが取付けられる製品のシリアル番号が記録される。
ICタグに格納された電子情報は、物流現場或いは小売現場などにおいて必要に応じて読み取られ、読み取られた情報は物流管理或いは在庫管理に用いられる。
【0003】
このようなICタグの活用は今後更に発展するものと考えられる。日本国内においては2006年以降、UHF電波を使用するICタグが取付けられた物流用段ボール箱が流通現場で使用される予定となっている。
また、欧州においては、流通する全ての段ボール箱にICタグを取付ける内容の基準が欧州標準機構から公表されている。
【0004】
現状において、ICタグを取付ける方法として、特許文献1に開示されるような技術が知られている。特許文献1に開示される技術は、ICタグを離型紙上のICタグ付ラベルを間欠的に段ボール表面に貼着する方法である。
【0005】
また、特許文献2には、連続的にICタグをシート材料に取付ける方法が開示されている。
特許文献2の開示技術は、連続シート材料を巻回してなる一対の原料ロールから連続シート材料を上流から下流へ巻き出し、この連続シート材料間に電子情報を格納可能なICモジュールを供給固着させるものである。
【0006】
【特許文献1】米国特許6667092号公報
【特許文献2】特開2004−54483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記開示技術は、最終的には、連続シート材料を所定寸法に切断してシート材料を得るものである。この切断後のシート材料内において、ICタグは一定位置に固着される。
一般に、切断して得られたシート材料は、出庫されるまで倉庫にて保管される。
図19は、保管されるシート材料の状態を示す図である。
【0008】
図19に示す如く、シート材料(M)は、所定寸法に切断された後、シート材料(M)を積み上げる形態で保管される。
上述の如く、切断後のシート材料中のICタグ(I)の位置は、一定であるので、シート材料(M)を積み上げたときには、一のICタグ(I)の上に他のICタグ(I)が積み上げられることとなる。したがって、多数のシート材料(M)が積み上げられると、シート材料(M)の自重がICタグ(I)に集中して負荷される結果となる。
【0009】
ICタグ(I)は、電子機器の一種であり、シート材料自体の積上荷重によって、ICタグ(I)は損傷を受けやすく、このことは、シート材料の質量が大きい場合に顕著となる。
このような問題を解消するために、保管後のシート材料(M)を出庫する際に、ICタグ(I)の動作チェックを行うことも考えられるが、工程が煩雑となるため、現実的な対処方法とはいえない。
【0010】
更に、特許文献1に示されるような従来の技術において、ICタグは離型紙上に貼着された状態でICタグ貼着工程に供給される。この貼着工程において、まずICタグが離型紙から引き剥がされ、その後対象物に貼り付けられる。
このような従来技術を用いたICタグの貼着方法によれば、ICタグの離型紙からの引き剥がしから対象物への貼着までの工程の間、確実にICタグが平坦な状態である必要がある。平坦な状態を保てないならば、ICタグは貼着対象物上で折り曲がった状態で貼着されることとなる。
したがって、従来において、ICタグは一定以上の剛性を有する必要があり、この剛性を得るために、ICタグは所定以上の厚さを必要とするものである。
対象物表面に厚く形成されたICタグが貼着されると、ICタグは貼着対象物上で突出することとなる。シート材料にこのようなICタグが貼着され、シート材料が積み重ねられると、上述のようなICタグへの荷重集中は顕著になる。更に、この顕著な荷重集中に起因して、ICタグの突出がシート材料の凹み或いは破れを生じせしめることもある。加えて、積み重ねられたシート材料の安定性を著しく損なう原因となり、積上げられたシート材料が崩れやすくなる。更に、積上げられたシート材料の反りなどの変形を生じせしめる原因ともなる。変形したシート材料は、後工程におけるシート材料の加工の生産性を低減させることとなる。
【0011】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであって、シート材料の保管時にICタグを破損させず、またシート材料の変形及び破損を生じさせないシートへのICタグ付テープ貼着方法並びに該貼着方法により得られるシート材料並びに該シート材料に貼着されるICタグ付テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明は、複数のICタグが所定ピッチで配された細帯状のICタグ付テープが巻回されてなるテープロールを準備する工程と、切断装置へ供給される連続シートの供給量に対する切断装置に作動タイミングを調整設定する工程と、前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、前記連続シート材料に貼着する工程と、前記ICタグ付テープが貼着された連続シート材料を前記切断装置で切断し、シート材料を得る工程を備えるシート材料へのICタグ付テープの貼着方法であって、前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、前記切断装置の作動タイミングを調整設定する工程において、前記テープロールが巻きだし開始されるごとに前記作動タイミングの調整が行われ、切断シート内の所望の位置にICタグを入れるように、前記ICタグの配設ピッチと等しい切断ピッチとなるように切断装置が作動することを可能とされることを特徴とするシート材料へのICタグ付テープの貼着方法である。
請求項2記載の発明は、複数のICタグが所定ピッチで配された細帯状のICタグ付テープが巻回されてなるテープロールを準備する工程と、切断装置へ供給される連続シートの供給量に対する切断装置に作動タイミングを調整設定する工程と、前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、前記連続シート材料に貼着する工程と、前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、前記切断装置の作動タイミングを調整設定する工程において、前記ICタグの配設ピッチと等しい切断ピッチとなるように切断装置が作動することを可能とされ、前記切断装置による切断の後に、前記シート材料の前端部或いは後端部が切断され、前記シート材料の切断長さが規格寸法と一致するように調整される工程を備えることを特徴とするシート材料へのICタグ付テープの貼着方法である。
請求項3記載の発明は、複数のICタグが所定ピッチで配された細帯状のICタグ付テープが巻回されてなるテープロールを準備する工程と、切断装置へ供給される連続シートの供給量に対する切断装置に作動タイミングを調整設定する工程と、前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、前記連続シート材料に貼着する工程と、前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、前記切断装置の作動タイミングを調整設定する工程において、前記ICタグの配設ピッチと等しい切断ピッチとなるように切断装置が作動することを可能とされ、前記切断装置による切断の後に、前記シート材料の複数箇所を折り曲げて、該シート材料の前端部と後端部を重ね合わせるとともに該重ね合わせ部分を接着して筒状シートを形成する工程を備え、該重ね合わせ部分を接着する工程において、前記重ね合わせ部分の重ね合わせ長さが筒状シートの規格寸法と一致するように調整されることを特徴とするシート材料へのICタグ付テープの貼着方法である。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記切断装置の上流側に配されたエンコーダが、前記切断装置へ送られる連続シート材料の供給量を測定するとともに、この測定データを制御盤へ送信し、前記切断装置の上流側に配されたリーダライタが、前記切断装置へ送られる連続シート材料に貼着されたICタグの通過を検知するとともに、この検知信号を前記制御盤へ送信し、前記制御盤は、エンコーダから送信された連続シート材料の供給量のデータと、前記リーダライタからのICタグの通過タイミングのデータから、前記ICタグの配設ピッチを算出する段階と、該算出されたICタグの配設ピッチと前記制御盤に予め入力されたシート材料の切断長さに対する下限閾値とを比較する段階と、前記算出されたICタグの配設ピッチが前記下限閾値を下回るならば、前記制御盤が前記リーダライタからの信号を1つおき若しくは複数データおきに処理して、前記切断装置の作動タイミングを決定し、この決定された信号に基づき前記切断装置を作動させる段階を実行することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料へのICタグ付テープの貼着方法である。
請求項5記載の発明は、前記ICタグ付テープが巻き出された後、且つ、前記連続シート材料に貼着される前に前記ICタグ付テープが前記連続シート材料の幅方向に揺動されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料の製造方法である。
請求項6記載の発明は、前記連続シートが複数層の材料からなり、前記ICタグ付テープが前記連続シートの層間で貼着されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料へのICタグ付テープの貼着方法である。
請求項7記載の発明は、前記エンコーダにより測定された供給量を前記リーダライタにより読み取られるICタグのデータの時間間隔で除した値が、前記制御盤に予め入力された設定供給速度に対して所定範囲で一致しない場合には、前記制御盤が対応するシート材料を不良品として識別することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料へのICタグ付テープの貼着方法である。
【0014】
請求項8記載の発明は、シート状の原材料と、該原材料に貼着された細帯状のICタグ付テープからなるシート材料であって、前記ICタグ付テープは、所定ピッチで配された複数のICタグを備えるとともに、前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、前記シート材料は、前記原材料を上流側から下流側へ製造装置に供給するとともに、前記ICタグ付テープをロール状に巻回してなるテープロールから前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、該ICタグ付テープを前記原材料に貼着し、前記ICタグ付テープと前記原材料の積層体を形成した後、該積層体を前記ICタグの配設ピッチと等しい長さに切断することにより形成され、一のシート材料中のICタグの位置に対して、該一のシート材料の次に製造されたICタグの位置が幅方向若しくは軸方向にずれていることを特徴とするシート材料である。
請求項9記載の発明は、前記シート材料は、前記原材料からなる複数の層を備え、前記ICタグ付テープが前記原材料の層間で貼着されることを特徴とする請求項8記載のシート材料である。
請求項10記載の発明は、前記複数のテープロールのうち少なくとも1つのテープロール内のICタグの配設ピッチが所定範囲内で変動してなることを特徴とする請求項8記載のシート材料である。
【0015】
請求項11記載の発明は、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグからなるICタグ付テープであって、該ICタグ付テープがロール状に巻回可能であることを特徴とするICタグ付テープである。
請求項12記載の発明は、前記ICタグの配設ピッチが、所定範囲内で変動してなることを特徴とする請求項11記載のICタグ付テープである。
請求項13記載の発明は、前記ICタグが前記テープ基材上に印刷された集積回路であることを特徴とする請求項12記載のICタグ付テープである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1乃至3記載の発明によれば、所望の位置のICタグを配することが可能となる。継続する工程で行われる加工によって生じる動的な衝撃によってICタグが損傷を受けないようにICタグの固着位置を安全な所望の位置に配することができる。
請求項4記載の発明によれば、規格により定められたシート材料の切断長さより短い配設ピッチで配されたICタグを用いることが可能となる。
請求項5記載の発明によれば、シート材料が保管時に積み上げられても、ICタグの位置が分散するため、ICタグにシート材料の自重が集中せず、ICタグの保管中の破損が防止される。また、積上げられたシート材料の崩れや破損を防止可能となる。更に、シート材料の変形並びに損傷を好適に防止可能となる。結果として、シート材料を用いた後工程の生産効率の低下を防止することができる。
請求項6記載の発明によれば、ICタグがシート材料表面に露出することがなく、シート材料が積上げられたときの荷重が直接ICタグに負荷されることが防止可能であり、ICタグを好適な状態で保管可能となる。更に、シート材料表面に印刷等を施す際にもICタグが印刷によるデザインと干渉することがない。
請求項7記載の発明によれば、作動不良のICタグが貼着されたシート材料を確実に除去することが可能となる。
【0017】
請求項8記載の発明によれば、シート材料が保管時に積み上げられても、ICタグの位置が分散するため、ICタグにシート材料の自重が集中せず、ICタグの保管中の破損が防止されるので、確実に作動するICタグを有するシート材料となる。ICタグを付ける包装基準において、ケースパネル上のICタグの指定位置内でICタグを分散させてICタグの保管中の破損を防止できる。
請求項9記載の発明によれば、ICタグがシート材料表面に露出することがなく、ICタグを好適な状態で保管可能となるので、確実に作動するICタグを有するシート材料となる。更に、シート材料表面に印刷等を施す際にもICタグが印刷によるデザインと干渉することがなく、所望デザインをシート材料表面に施すことが可能となる。
請求項10記載の発明によれば、シート材料が保管時に積み上げられても、ICタグの位置が分散するため、ICタグにシート材料の自重が集中せず、ICタグの保管中の破損が防止されるので、確実に作動するICタグを有するシート材料となる。
【0018】
請求項11記載の発明によれば、ICタグ付テープがロール状に巻回可能な程度の可撓性を有するようにICタグ付テープが可撓性材料から構成されるので、肉薄に形成することが可能であり、ICタグ付テープが貼着による被貼着物上の突出部の発生を防止できる。ICタグが可撓性であるので、テープをロール状にタイトに且つ均一に巻くことができ、メータ数を長くすることができる。また、巻き加工の際に生じるだぶ付き、浮きを防止することにより、ICタグの変形による破損、変形がある状態での巻き圧によるICタグ自体の破損を防止できる。
請求項12記載の発明によれば、連続的に製造されるシート材料に貼着され、製造されたシート材料が積み重ねられたときにICタグの位置を分散させることが可能となる。
請求項13記載の発明によれば、直接的にICタグがテープ基材に印刷されるので、被貼着物上の突出を確実に防止可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係るシート材料に対するICタグ付テープの貼着方法並びにシート材料及びICタグ付テープの実施形態について説明する。
図1は、シート材料に対するICタグ付テープの貼着方法のフローチャートであり、図2は、シート材料に対するICタグ付テープの貼着方法に用いられる製造装置の概略構成図である。尚、以下の説明においてシート材料として段ボール箱に最終的に形成されるシート材料を例に挙げるが、本発明はこれに限られるものではなく、連続して成形されるフィルムや剛性を有する板状部材などを含む他のシート状の材料を製造するためにも好適に適用可能である。
【0020】
シート材料に対するICタグ付テープの貼着方法は、テープロール準備工程、切断位置調整工程、テープ貼着工程及び切断工程からなる。
テープロール準備工程において、テープロール(10)が準備され、準備されたテープロールは、製造装置(100)上流側に取付けられる。切断位置調整工程において、切断装置(101)へ送られる連続シート材料(2)に対する切断装置(101)による切断位置が調整される。テープロール準備工程及び切断位置調整工程を経て、製造装置(100)の設定が行われる。
【0021】
図2に示す例において、最終的に段ボール箱として用いられるシート材料(1)が製造される。したがって、製造装置(100)の上流側には、段ボールの裏面を構成する裏ライナシート(21)を巻き出す裏ライナロール(20)、段ボールの表面を構成する表ライナシート(31)を巻き出す表ライナロール(30)及び裏ライナシート(21)と表ライナシート(31)の間に配され、波形に形成される中しんシート(41)を巻き出す中しんロール(40)が配される。
【0022】
中しんシート(41)は、中しんロール(40)から巻き出された後、波形加工装置(140)へ供給される。
波形加工装置(140)は、ギア形状をした下段ロール(141)と、下段ロール(141)と噛合う上段ロール(142)と、上段ロール(142)の複数の頂部に当接して接着剤を塗布する塗布ロール(143)と、塗布ロール(143)周面に接着剤を塗布する付けロール(144)と、接着剤を収容する容器(145)からなる。付けロール(144)の一部が容器(145)内に沈められ、容器(145)内の接着剤液の液面から接着剤をかき上げ、塗布ロール(143)へ接着剤を付着させる。
【0023】
中しんシート(41)は、上段ロール(142)と下段ロール(141)の間に供給され、上段ロール(142)と下段ロール(141)が高温高圧で噛合うことで、波形に形成される。波形に形成された中しんシート(41)は上段ロール(142)に巻きついた状態で下流側へ送られる。
付けロール(144)の周面には、容器(145)内に収容された接着剤が付着し、付けロール(144)が塗布ロール(143)に接触すると、付けロール(144)上に付着した接着剤が塗布ロール(143)へ移動する。そして、塗布ロール(143)が回転し、塗布ロール(143)が、上段ロール(142)の頂部に位置する波形の中しんシート(41)に接着剤が付着する。
このようにして、中しんシート(41)に接着剤が塗布された後、上段ロール(142)上で中しんシート(41)は、裏ライナシート(21)に接着される。
【0024】
裏ライナシート(21)と波形に形成された中しんシート(41)とが接着されて第1の積層体(22)が形成されると、第1の積層体(22)は下流に配された接着剤塗布機(220)へ供給される。
接着剤塗布機(220)は、第1積層体(22)の中しんシート(41)側に配され、中しんシート(41)側に接着剤を塗布する。
接着剤塗布機(220)は、接着剤を収容する容器(221)と、容器(221)内の接着剤中に一部が沈められた付けロール(222)と、付けロール(222)並びに第1積層体(22)の波形中しんシート(41)に形成された頂部と接触する塗布ロール(223)からなる。
容器(221)内の接着剤は、付けロール(222)及び塗布ロール(223)を経て、中しんシート(41)頂部に塗布される。
【0025】
表ライナロール(30)及びテープロール(10)は、製造装置(100)中の第1積層体(22)の通過経路の下方に配され、それぞれ表ライナシート(31)及びICタグ付テープ(11)を巻き出す。
表ライナシート(31)とICタグ付テープ(11)は、巻き出された後、テープ貼着工程において、略同時に接着剤塗布機(220)により接着剤が塗布された第1の積層体(220)と接着する。
このとき、図2に示す例においては、ICタグ付テープ(11)は、表ライナシート(31)と中しんシート(41)の間に挟まれて、表ライナシート(31)側に接着される。ICタグ付テープ(11)を表ライナシート(31)側に接着させることで、表ライナシート(31)とICタグ付テープ(11)の間の接着剤が存在しない領域を最小限にすることが可能であるが、中しんシート(41)側にICタグ付テープ(11)の接着面を向けてICタグ付テープ(11)を中しんシート(41)に貼着させることも可能である。
【0026】
テープ貼着工程後、ICタグ付テープ(11)と表ライナシート(31)が貼着された第1積層体(22)は、下流に配された押圧板(102)と複数の加熱板(103)の間に形成された狭い隙間を通じて、下流へと送られる。加熱板(103)下方を通過する際に中しんシート(41)に塗布された接着剤は乾燥され、連続シート(2)が形成される。
この後、切断工程において、更に連続シート(2)が下流に配された切断装置(101)に供給される。
切断装置(101)に供給された連続シート(2)は、切断装置(101)により切断され、シート材料(1)となる。
【0027】
図3は、テープロール(10)を示す。
テープロール(10)は、ICタグ付テープ(11)が巻回されてなる。ICタグ付テープ(11)上には、複数のICタグ(12)が所定ピッチで配されている。
図4は、ICタグ付テープ(11)の拡大斜視図である。
ICタグ付テープ(11)は、テープ基材(110)を備える。テープ基材(110)上面には、間欠式に接着剤が塗布され、接着剤が塗布された帯状の領域(111)と接着剤が塗布されていない帯状の領域(112)が交互に配列されている。尚、本発明はこれに限られるものではなく、テープ基材(110)上面全体に接着剤を塗布してもよい。
ICタグ(12)は、テープ基材(110)上面に塗布された接着剤の領域(111)を介してテープ基材(110)上面に固着される。
ICタグ(12)は、平面視略矩形状に形成されたベースフィルム(120)と、ベースフィルム(120)略中央に配されるICチップ(121)から構成される。ベースフィルム(120)一面に薄い銅膜が印刷により設けられており、この印刷が施された部分はICタグ(12)のアンテナ部として機能する。
【0028】
尚、図示されていないが、ICタグ(12)上面に保護コーティング或いは保護フィルムが更に積層されていてもよい。この場合、保護コーティング或いは保護フィルムはICタグ付テープ(11)の剛性を増加させない程度の厚さであり、又は剛性を増加させない樹脂を用いたものであることが好ましい。保護コーティング或いは保護フィルム等の保護層の積層には、ドライラミネートやスキンパックといった方法が適宜使用可能である。
【0029】
図5は、図3及び図4に示すICタグ付テープ(11)の製造装置(200)の概略図である。
製造装置(200)の上流側には、テープ基材(110)を巻回して形成された基材ロール(113)が配され、基材ロール(113)からテープ基材(110)が巻き出されている。テープ基材(110)の材質は、ポリプロピレンやポリエステルの延伸フィルム或いはポリ乳酸樹脂等の生分解性樹脂が好適に使用可能である。また、テープ基材(110)の表面のうち、接着剤が塗布されない側の面に剥離剤が塗布されていることが好ましい。
テープ基材(110)は、基材ロール(113)から巻き出された後、接着剤塗布機(201)に供給される。接着剤塗布機(201)は、テープ基材(110)上面に間欠式に接着剤を塗布し、接着剤塗布領域(111)と非塗布領域(112)が交互に配列された接着剤塗布パターンを形成する(図4参照)。接着剤塗布機(201)から供給される接着剤としては、ポリアクリル系接着剤、ゴム系接着剤等の合成樹脂系接着剤や天然樹脂系接着剤を適宜選択して使用可能である。或いは、ホットメルト接着剤を噴射させる方式も採用可能である。
接着剤が塗布されたテープ基材(110)は、ベースフィルム・アプリケータ(202)へ供給される。
ベースフィルム・アプリケータ(202)には、更に、テープ基材(110)の供給方向に対して直角方向からベースフィルム(120)が供給される。
尚、ベースフィルム(120)をテープ基材(110)の供給方向と一致させることも可能である。これにより、テープ基材(110)とベースフィルム(120)の供給動作を同調して行うことが可能となり、ICタグ付テープ(11)の生産効率を向上させることが可能である。
【0030】
図6は、ベースフィルム・アプリケータ(202)に供給されるベースフィルム(120)を示す。図6(a)は、ベースフィルム(120)の平面図であり、図6(b)は、ベースフィルム(120)の正面図である。
ベースフィルム・アプリケータ(202)に供給されるベースフィルム(120)は、加工前において、連続帯状の形態であり、ロール状に巻回され、ベースフィルム・アプリケータ(202)へ供給される。
ベースフィルム(120)中心軸に沿って、所定間隔をおいて、ICチップ(121)が配される。ICチップ(121)の周辺矩形領域には、印刷により施された、銅膜部分が配されている。
また、ベースフィルム(120)上面には、保護コーティングが施されている。
【0031】
図7は、ベースフィルム・アプリケータ(202)を示す。
ロール状に巻回されたベースフィルム(120)は巻き出された後、打貫刃(221)の下方を通過する。打貫刃(221)は、上下に移動し、打貫刃(221)の移動区間下端において、打貫刃(221)はベースフィルム(120)のうちICチップ(121)が配された周辺領域を所定形状に打貫く。
ベースフィルム(121)を打貫いた後、打貫刃(221)は上方に移動する。打貫刃(221)には、真空ポンプ(図示せず)が接続している。打貫刃(221)により打貫かれたベースフィルム(120)は、打貫刃(221)に接続する真空ポンプにより吸引され、打貫刃(221)側に付着し、打貫刃(221)とともに移動する。
打貫刃(221)により打貫かれたベースフィルム(120)は、その後、巻き取られる。
【0032】
ベースフィルム(120)を打貫いた打貫刃(221)は、その後、ベースフィルム(121)の打貫かれた部分を伴って、上方に移動する。その後、打貫刃(221)は水平移動し、テープ基材(110)の上方に達する。
打貫刃(221)がテープ基材(110)の上方に達した後、打貫刃(221)は下降し、真空ポンプの作動が停止する。これにより、打貫刃(221)により保持されたベースフィルム(120)は、テープ基材(110)上に塗布された接着剤層(111)上に配され、ベースフィルム(120)はテープ基材(110)上に接着される。
【0033】
ベースフィルム・アプリケータ(202)には、複数本のベースフィルム(120)が供給されてもよい。そして、複数個の打貫刃(221)によりそれぞれのベースフィルム(120)を打貫き、各打貫刃(221)がテープ基材(110)上にベースフィルム(120)を接着させてもよい。打貫刃(221)がテープ基材(110)の異なる幅方向位置にベースフィルム(120)を接着させることにより、テープ基材(110)上にベースフィルム(120)の列を複数形成することが可能となる。また、打貫刃(221)の動作サイクルの一周期長さをそれぞれ異なるものとすることで、ベースフィルム(120)の配設ピッチを列ごとに異なるものとすることが可能である。尚、図5及び図7に示す例においては、2本のベースフィルム(120)がベースフィルム・アプリケータ(202)に供給されている。
【0034】
図7において、アンテナ形状をした打貫刃(221)がベースフィルム(120)を打貫いて、ICタグ(12)を形成したが、ベースフィルム(120)上に所望形状のアンテナを印刷した銅膜部分を形成してもよい。
この場合、ベースフィルム(120)の長手方向にアンテナ形状をした銅膜部分が配列される。ベースフィルム・アプリケータ(202)は、直線輪郭を有する切断刃で配列された銅膜部分の間を切断し、銅膜部分をベースフィルム(120)から切り取る。切り取られたアンテナ形状の銅膜部分が順次、テープ基材(110)に貼着される。
このような方法によれば、切断工程により銅膜部分の形状が定められず、印刷により銅膜部分の形状が定まることとなるので、複雑な形状のアンテナ部を有するICタグ(12)の製造に好適に使用可能である。
【0035】
ベースフィルム・アプリケータ(202)により、ベースフィルム(120)がテープ基材(110)上に接着された後、テープ基材(110)は、更に下流側に配されたスリッタ(203)へ供給される。
スリッタ(203)は、テープ基材(110)をベースフィルム(120)の列ごとに分断する。これにより、複数本のICタグ付テープ(11)が形成される。そして、ICタグ付テープ(11)ごとにロール状に巻き取られ、テープロール(10)が形成される。
尚、上記例において、ベースフィルム(120)上にICチップ(12)が載置固定された形態を示したが、ICチップ(12)に代えて、集積回路がベースフィルム(120)上に印刷されていてもよい。
【0036】
上述の如くして得られたICタグ付テープ(11)は、ICタグ(12)上面に接着剤が塗布されていない。したがって、ICタグ付テープが、例えば、段ボール箱成形用のシート材料(1)のような紙材からなるシート材料(1)に貼着されたときに容易にICタグ付テープ(11)を回収可能となる。
シート材料(1)が古紙として回収されたとき、シート材料(1)はパルパー槽内に入れられ撹拌され、繊維成分に分解される。このとき、ICタグ(12)と接着するシート材料(1)部分には接着剤が付着していないので、ICタグ付テープ(11)のシート材料(1)からの分離が容易に促進される。
これにより、ICタグ付テープ(11)は、パルパー槽内での撹拌工程の初期段階で除去可能である。撹拌工程の初期段階でICタグ付テープ(11)が除去されることで、撹拌のために用いられるパルパー槽内の撹拌羽根がICタグ(12)に衝突し、ICタグ(12)を破壊することを防止可能である。したがって、ICタグ(12)の破損から生ずる無機微細物の紙料液への混入を防止可能であり、良質の再生紙を得ることを可能とする。
【0037】
図8は、ICタグ付テープ(11)の製造装置(200)の他の実施形態を示す。
図5に示すものと同様に、製造装置(200)の上流側には、テープ基材(110)を巻回して形成された基材ロール(113)が配され、基材ロール(113)からテープ基材(110)が巻き出されている。
テープ基材(110)は、基材ロール(113)から巻き出された後、集積回路プリンタ(204)へ供給される。集積回路プリンタ(204)は、テープ基材(110)上に集積回路を印刷する。この集積回路は、集積回路内部にアンテナ部分が組み込まれ、図4に示すICタグ(12)と同様の機能を備える。
集積回路は所望のピッチで印刷され、テープ基材(110)上面には、集積回路が所定間隔をおいて印刷された複数の集積回路の列が形成される。
尚、集積回路の外部にアンテナ部分が印刷により設けられてもよい。
【0038】
集積回路プリンタ(204)を通過した後、コーターマシン(205)へテープ基材(110)が送られる。コーターマシン(205)は、テープ基材(110)上面に薄い樹脂膜を形成し、この樹脂膜が印刷により形成された集積回路の保護層として機能する。
その後、テープ基材(110)は接着剤塗布機(201)へ供給され、接着剤塗布機(201)は、保護層上面に接着剤層を形成する。尚、接着剤塗布機(201)は、上述と同様に、接着剤塗布領域(111)と非塗布領域(112)が形成されるように、間欠式に接着剤を塗布することが好ましい。
尚、コーターマシン(205)により形成される保護層自身が接着剤層と同様の働きをするように保護層を形成する樹脂が選択されてもよい。
【0039】
接着剤が塗布された後、テープ基材(110)はスリッタ(203)へ供給され、集積回路の列ごとに分断され、ICタグ付テープ(11)が形成される。各ICタグ付テープ(11)は、それぞれ別個の紙芯により巻き取られ、テープロール(10)となる。
このようにICタグ付テープ(11)を形成すると、ICタグ付テープ(11)は平坦になり、ICタグ付テープ(11)が巻回されてテープロール(10)とされたときや、シート材料(1)が積み重ねられて保管されているときに、ICタグ(12)に加わる荷重が低減され、ICタグ(12)の破損を防止可能となる。
【0040】
図5乃至図8に関連して説明した実施例において、一のICタグ付テープ(11)上に配列されるICタグ(12)の配設ピッチは一定であったが、所定範囲内で配設ピッチをばらつかせてもよい。
上記例においては、一定量のテープ基材(110)をベースフィルム・アプリケータ(202)或いは集積回路プリンタ(204)へ送り込んだ後、テープ基材(110)の送り込みを停止させ、ベースフィルム(120)を貼着或いは集積回路の印刷を行うことを繰り返したが、このテープ基材(110)の送り込み量を所定範囲で変動させることにより、ICタグ(12)の配設ピッチを所定範囲内で変動させることが可能となる。
【0041】
図9は、図2に示すテープロール(10)の巻き出し部分の拡大図である。尚、図2においては、明瞭化のために、図9に示される巻き出し部分は省略して示されている。
図9に示す例において、テープロール(10)は巻き出された後、ダンサ部(300)へ至る。ダンサ部(300)は、上下に配された複数のロールで構成され、テープロール(10)から巻き出されたICタグ付テープ(11)は上下に蛇行する。ダンサ部(300)を構成する複数のロールのうち、下方に配されるロール(301)は上方へ向けて移動可能である。
ダンサ部(300)を通過したICタグ付テープ(11)は、下方に向けて案内され、押えロール(302)へ至る。ICタグ付テープ(11)が下方に案内される途中経路にカッタ(303)が配される。
テープロール(10)下方において、表ライナシート(31)が通過し、表ライナシート(31)の上面近傍に押えロール(302)が配される。押えロール(302)は、楕円形状に形成される。
【0042】
上記構成の巻き出し部分が併設され、一方の巻き出し部分から巻き出されたICタグ付テープ(11)は、表ライナシート(31)に貼着されつつ下流へと流される。他方の巻き出し部分から巻き出されたICタグ付テープ(11)は、押えロール(302)周面上に固定される。
テープロール(10)の径は、センサ(304)によりモニタされる。センサ(304)からの信号は、制御盤(105)へ送信される。制御盤(105)には、テープロール(10)の直径に関する下限閾値が入力されている。制御盤(105)は、センサ(302)からの信号値により換算されたテープロール(10)の径と、予め制御盤(105)に入力されたテープロール(10)の直径に対する下限閾値を比較する。センサ(302)からの信号値により換算されたテープロール(10)の径の値が、この下限閾値を下回ったということを制御盤(105)が判断すると、制御盤(105)は、表ライナシート(31)とともに下流へ流されているICタグ付テープ(11)側にカッタ(303)を作動させ、ICタグ付テープ(11)を切断する。
【0043】
これと同時に、制御盤(105)は、先端部が押えロール(302)に貼着されたICタグ付テープ(11)側の押えロール(302)を回転させる。押えロール(302)は、通常時には、その長軸を地面に対して略平行とし、ICタグ付テープ(11)の先端は、押えロール(302)の長軸端付近に取り付けられている。
押えロール(302)が回転すると、押えロール(302)に先端が取付けられたICタグ付テープ(11)は、表ライナシート(31)へ貼着され、表ライナシート(31)とともに下流へ搬送される。
【0044】
表ライナシート(31)に貼着されたICタグ付テープ(11)は、静止状態から表ライナシート(31)の走行速度と等しい速度まで急加速されることとなる。
この急加速に対応するため、ダンサ部(300)のロール(301)は上昇し、ダンサ部(300)に蓄えられたICタグ付テープ(11)がこの急加速に対応するようにダンサ部(300)下流へと供給される。
また、テープロール(10)の回転も加速され、テープロール(10)からのICタグ付テープ(11)の供給速度は、表ライナシート(31)の走行速度以上に保たれ、必要とされるICタグ付テープ(11)の供給量が確保される。上述の如く、ダンサ部(300)のロール(301)は、ICタグ付テープ(11)の走行加速によって、一時的に上昇するが、テープロール(10)の回転数の増加により、徐々に下降する。ダンサ部(300)のロール(301)が下降し、所定位置に達すると、テープロール(10)からのICタグ付テープ(11)の巻き出し速度が、表ライナシート(31)の走行速度に等しくなるように、テープロール(10)の回転は減速される。
【0045】
再び、図2を参照して、シート材料(1)に対するICタグ付テープの貼着方法について説明する。
図9に関連して説明したように、テープロール(10)を構成するICタグ付テープ(11)の大部分が巻きだされると、予め製造装置(100)に取付けられた他のテープロール(10)に切り替えられる。
テープロール準備工程において、ICタグ付テープ(11)が巻き出された後のテープロール(10)が新たなテープロール(10)と交換される。新たなテープロール(10)は、押えロール(302)まで引き出され、この新たなテープロール(10)から引き出されたICタグ付テープ(11)の先端が押えロール(302)周面に固定される。
ここで、テープロール(10)の交換のために用意される新たなテープロール(10)中のICタグ(12)の配設ピッチは、交換前に製造装置(100)に据付けられていたテープロール(10)或いは走行中のテープロール(10)のICタグ(12)の配設ピッチと異なるものであってもよい。また、ICタグ(12)の配設ピッチは、製造されるシート材料(1)の切断長さに対する規格寸法と異なるものであってもよい。
以下の説明において、新たに取付けられるテープロール(10)中のICタグ(12)配設ピッチを1020mmとし、製造されるシート材料(1)の切断長さに対する規格寸法を1000mmとする。
【0046】
走行中のICタグ付テープ(11)を巻き出すテープロール(10)の径が制御盤(105)に予め設定された最小径のデータよりも小さくなると、新たに準備されたテープロール(10)への切換が行われる。そして、その後、切断位置調整工程が行われる。
押えロール(302)にて、新たに準備されたテープロール(10)から引き出されたICタグ付テープ(11)の先端が走行中の表ライナシート(31)に貼着されると、このICタグ付テープ(11)は、表ライナシート(31)に貼着され、下流へと送出される。そして、上述の如く、表ライナシート(31)と中しんシート(41)の間に固着された後、ICタグ付テープ(11)は切断装置(101)上流側に配された第1のリーダライタ(104)の下方を通過する。
【0047】
第1のリーダライタ(104)は、直下を通過するICタグ(12)の存在を非接触式に検知し、この検知信号をリーダライタ(104)と接続する制御盤(105)へ送る。制御盤(105)は、検知信号の時間間隔とICタグ付テープ(11)の送り出し速度を積算し、ICタグ(12)の配設ピッチを算出する。尚、送り出し速度は、第1のリーダライタ(104)の上流に配される非接触式エンコーダ(900)によって測定され、制御盤(105)へ送られた連続シート材料(2)の速度データが用いられてもよい。 ICタグ(12)の配設ピッチを変動させている場合には、検知信号の時間間隔の平均値とICタグ付テープ(11)の送り出し速度の積算によって、ICタグ(12)の配設ピッチを算出可能である。
使用するテープロール(10)の順序が定まっており、テープロール(10)のICタグ(12)の配設ピッチが予め制御盤(105)に入力されているならば、この入力されたICタグ(12)の配設ピッチを利用してもよい。
或いは、ICタグ付テープ(11)を製造する際に、ICタグ(12)に配設ピッチに関するデータを格納させてもよい。この場合には、リーダライタ(104)がICタグ(12)に格納されたICタグ(12)の配設ピッチに関するデータを読取り、このデータを制御盤(105)へ送る。
【0048】
制御盤(105)は、上記のようにして求められたICタグ(12)の配設ピッチと等しい長さの連続シート材料(2)が切断装置(101)送られたときに1回の切断動作を切断装置(101)が行うように切断装置(101)の動作設定を変更する。このとき、ICタグが所定位置に入るように切断動作を調整する。
このようにして、制御盤(105)により製造装置(100)の設定が変更されると、連続シート材料(2)は切断装置(101)によって、ICタグ(12)の配設ピッチと等しい切断長さで切断される。
本実施例においては、連続シート材料(2)を切断して得られるシート材料(1)の切断長さは、1020mmとなる。
【0049】
切断装置(101)を通過して得られたシート材料(1)は、その後、切断装置(101)下流側に配された第2のリーダライタ(106)の下方を通過する。第2のリーダライタ(106)は、直下を通過するシート材料(1)に貼着されたICタグ(12)の通過を検知し、この検知信号を制御盤(105)へ送る。
図2に示す例においては、切断装置(101)は一対のロールから構成され、ロールに取付けられた刃により連続シート材料(2)を切断する。切断装置(101)には、ロールの回転位置を検出するエンコーダ(図示せず)が取り付けられ、ロールの回転位置が制御盤(105)へ送られる。尚、切断装置(101)に取付けられたエンコーダの代わりに光電管センサを用いて、ロールの回転位置を検出してもよい。
【0050】
図10は、制御盤(105)へ送られる第2リーダライタ(106)からの信号と、切断装置(101)に取付けられたエンコーダから制御盤(105)への信号との関係を示す。図10において、縦軸は切断装置(101)のロールの回転位置を示し、横軸はシート材料(1)の前端縁から第2リーダライタ(106)の直下位置までの距離を示す。
上述の如く、連続シート材料(2)は、切断装置(101)によって、取付けられたICタグ付テープ(11)のICタグ(12)の配設ピッチと等しい長さで切断され、シート材料(1)となる。したがって、第2リーダライタ(106)からの信号と、切断装置(101)のエンコーダからの信号の関係は一定となる。したがって、制御盤(105)は、シート材料(1)の前端縁から第2リーダライタ(106)の直下位置までの距離を、切断装置(101)のエンコーダの信号に基づいて、算出することが可能である。
第2リーダライタ(106)の直下をICタグ(12)が通過すると、第2リーダライタ(106)は制御盤(105)へパルス信号を送り、制御盤(105)は第2リーダライタ(106)からの信号のタイミングと、切断装置(101)のエンコーダの信号において算出されたシート材料(1)の前端縁から第2リーダライタ(106)の直下位置までの距離とを対比する。これにより、ICタグ(12)のシート材料(1)中の位置が割り出される。
図10において、ICタグ(12)は、シート材料(1)の前端縁から1000mm以上1020mm以下の位置にあることが示されている。
【0051】
図2に示す如く、第2リーダライタ(106)の下流側にはトリム装置(107)が配設される。トリム装置(107)は、供給されるシート材料(1)を所望の形状に切断するが、ここでは単純化のためにシート材料(1)の前端部若しくは後端部を切除するものとし、切断装置(101)と同様に一対のロールに刃が取付けられたものとする。
制御盤(105)は、シート材料(1)の切断長さに対して定められた規格寸法と、上記のようにして検出されたシート材料(1)中のICタグ(12)の位置を対比する。尚、シート材料(1)の切断長さに対する規格寸法は制御盤(105)に予め入力記憶されている。
図10に示す例においては、ICタグ(12)は、シート材料(1)の前端縁から1000mm以上1020mm以下の位置にある。したがって、トリム装置(107)がシート材料(1)の後端部を切除すると、ICタグ(12)が切除されてしまうこととなる。したがって、制御盤(105)は、シート材料(1)の前端部を切除するように、トリム装置(107)のロールの回転位相を調整する。この切除は、製函工程において通常の加工機を用いて同様に実施できる。
このようにして、製造装置(100)の製造工程が調節された後、通常の製造速度で製造装置(100)が操作され、シート材料(1)が製造される。
このようにして、規格寸法と一致する切断長さに調整されたシート材料(1)は、積み重ねて保存される。尚、切断装置(101)により前端部或いは後端部を切除するのと同時に連続シート材料(2)の側縁部の一部も切除されてもよい。
【0052】
図11は、上記のようにして規格寸法と等しい切断長さに調整されたシート材料(1)を積み重ねて保存している状態を示す。図11に示す例においては、3つのテープロール(10)を使用して製造されたシート材料(1)が積み重ねられており、下から第1ロット、第2ロット及び第3ロットとされる。
図11に示す如く、上記方法により製造されたシート材料(1)は積み重ねられたときに、使用されたテープロール(10)ごとにICタグ(12)の位置を変えることができる。したがって、ICタグ(12)の位置が一箇所に集中することがなく、ICタグ(12)の突出によるICタグ(12)への荷重の集中を防止することが可能となる。
上述の如く、ICタグ付テープ(11)に貼着されるICタグ(12)の位置を所定範囲で変動させれば、1つのロット間でもICタグ(12)の位置を分散させることが可能となり、ICタグ(12)への荷重の集中を更に好適に防止可能である。
【0053】
上記例において、トリム装置(107)を用いて、シート材料(1)の前端部或いは後端部を切除してシート材料(1)の切断長さを規格寸法と一致させたが、他の方法によって、シート材料(1)の寸法を規格寸法と一致させることも可能である。
図12は、段ボール箱成形用に加工されたシート材料(1)を示す。
図12に示すシート材料(1)は、以下の工程により形成される。
まず、ICタグ付テープ(11)が貼着された連続シート材料(2)が切断装置(101)に供給される。そして、切断装置(101)によって、連続シート材料(2)が、連続シート材料(2)内部に貼着されたICタグ付テープ(11)上のICタグ(12)の配設ピッチに等しい長さに切断される。ここまでの工程は、上記説明と同様の手法で行われる。
【0054】
切断装置(101)により連続シート材料(2)を切断して得られたシート材料(1)は、その後、第2リーダライタ(106)の下方を通過する。第2リーダライタ(106)は、切断位置調整工程において第1リーダライタ(104)が制御盤(105)へ送信したICタグ(12)の配設ピッチのデータを、ICタグ(12)へ無線を介して書き込む。これによりICタグ(12)は、配設ピッチのデータを格納することとなる。
尚、ICタグ(12)が予め配設ピッチのデータを格納しているならば、この工程は不要である。
【0055】
この後、シート材料(1)は、トリム装置(107)へ供給される。このときトリム装置(107)は、上述の例とは異なり、シート材料(1)の前端部或いは後端部を切除せず、シート材料(1)の側縁部の一部を切除し、段ボール箱の天面或いは底面を形成する複数のフラップ部(13)を形成する。
この後、シート材料(1)上の複数箇所に折り曲げ線(図12中点線にて示される)が形成される。
【0056】
テープロール(10)の製造装置(100)に対する取付け位置は、段ボール箱周面を形成するシート材料(1)の領域にICタグ付テープ(11)が貼着されるように調整される。
また、この周面領域を横切る折り曲げ線は、フラップ部(13)の間において、トリム装置(107)により切除されて形成されるノッチ部(130)を接続するように形成される。
周面領域を横切る折り曲げ線の位置とICタグ(12)の位置が一致すると、シート材料(1)が段ボール箱に折り曲げ形成される際に、ICタグ(12)が破損することとなる。
したがって、制御盤(105)は、上記説明と同様に、シート材料(1)前端縁からICタグ(12)の位置を割り出し、ノッチ部(130)を形成するトリム装置(107)のトリム刃がICタグ(12)の位置と一致しないようにトリム装置(107)の動作位相を調整する。
【0057】
この後、シート材料(1)は製函工程に送られる。
製函工程において、ICタグ(12)に格納されたICタグ(12)の配設ピッチのデータが読み取られる。この配設ピッチのデータと、段ボール箱の縦寸法及び横寸法の規格値とが比較され、この比較によりシート材料(1)の前端部と後端部の重ね合せ量(図12中、符号Xで示す)が定められる。このようにして、規格寸法の切断長さ以上の切断長さを有するシート材料(1)を用いて、規格内法寸法に合致する段ボール箱を形成することが可能となる。
【0058】
図12は、上述のようにして、組み立てられる箱の展開図の一例である。この図の中で破線で示しているところは、金属の薄い凸部(図示せず)を用いて入れる罫線部(筋目)である。この箱形成のために入れるこの押圧加工の動的衝撃によってICタグは破損するため、この罫線部を、余裕をもって避けられるエリアにICタグを固着させなければならない。また段ボールの場合には、段を潰す加工をするエリアを設けることもあり、このエリア内をさける必要もある。また手穴、差込穴等の切込みが部分的に入る条件のシートもある。これらのブランク内においてICタグに衝撃を与え、損傷させるエリアについて予めこの情報を制御盤に与えておき、これら損傷が発生しないエリアをICタグを固着する場所、またはエリアとして選択するようにプログラムする。
図12に示す例において、シート材料(1)の前端部と後端部が接着剤により貼着され、前端部と後端部の重ね合わせ部分は、箱の胴部一の面の中央付近に位置する。前端部及び/又は後端部の胴部並びにフラップ部分に接着剤が塗布される。
【0059】
図13は、箱の展開図の他の例を示す。
図13に示す箱の展開図において、シート材料(1)の後端部に重ね合わせ用のフラップ部分(131)が形成され、このフラップ部分(131)がシート材料(1)の前端部に重ね合わされるとともに貼着される。この重ね合せ部分は、組み立てられる箱の角隅部を形成する。フラップ部分(131)の長さは、図12に示す箱展開図と同様に、ICタグ(12)の配設ピッチに応じて変動する。
【0060】
上記例において、ICタグ(12)の位置をシート材料(1)の流れ方向に対して分散させてきたが、シート材料(1)の幅方向に対して分散させてもよい。
図14は、ICタグ(12)の位置をシート材料(1)の幅方向に対して変動させる方法を示し、ICタグ付テープ(11)を表ライナシート(31)に貼着させる工程の平面図である。尚、図14において、明瞭化のために裏ライナシート(21)及び中しんシート(41)は取り除かれている。
【0061】
図14に示す例において、表ライナシート(31)とICタグ付テープ(11)が貼着される貼着点直前に水平に配された水平ロール(108)と、垂直方向に立設する一対の垂直ロール(109)が配される。一対の垂直ロール(109)は隣接して配され、ICタグ付テープ(11)は、垂直ロール(109)の間を通過する。
垂直ロール(109)は表ライナシート(31)幅方向に揺動する。
【0062】
テープロール(10)から巻き出されたICタグ付テープ(11)は、垂直ロール(109)の間を通過し、垂直ロール(109)の幅方向位置の変動に応じて、その流れ位置が変動する。
垂直ロール(109)の間をICタグ付テープ(11)が通過するとき、ICタグ付テープ(11)は90°捩じられることとなるが、垂直ロール(109)の下流に配される水平ロール(108)によって、この捩りは解消される。
水平ロール(108)を通過したICタグ付テープ(11)は、表ライナシート(31)に対する貼着位置を幅方向に変動させながら、表ライナシート(31)上に貼着される。
結果として、ICタグ付テープ(11)は表ライナシート(31)上で蛇行した状態で貼着されることとなり、ICタグ(12)の位置は常に変動し続けることとなる。
尚、図14に示す例において、垂直ロール(109)を連続的に揺動させる形態を示したが、間欠的に揺動させてもよい。これによっても同様の効果を得ることが可能となる。
尚、垂直ロール(109)を揺動させる代わりに、テープロール(10)の取付け位置を幅方向に変動させても同様の効果を奏するものとなる。
【0063】
上記例において、第2リーダライタ(106)を用いて、用いられるICタグ(12)の配設ピッチデータをICタグ(12)に書き込む形態を示したが、シート材料(1)の製造中に他のデータを第1リーダライタ(104)或いは第2リーダライタ(106)を用いてICタグ(12)に書き込むことも可能である。
これらデータとしては、ICタグ(12)の製造社名、ICタグ(12)の型番、仕様、その他製造・品質に関する情報、シート材料(1)の製造日、シート材料(1)を製造した製造装置の装置番号、シート材料(1)の製造に用いられた原材料のロット番号、シート材料(1)に付されるロット番号等が挙げられる。
【0064】
上記例において、テープロール準備工程にて、準備されたテープロール(10)中のICタグ(12)の配設ピッチは、規格寸法の切断長さよりも長いものとして説明してきたが、準備されたテープロール(10)中のICタグ(12)の配設ピッチが、規格寸法の切断長さよりも短いものであってもよい。
例えば、準備されたテープロール(10)中のICタグ(12)の配設ピッチが550mmであるのに対して、シート材料(1)の切断長さに対する規格寸法が1000mmである場合においては、第1リーダライタ(104)或いは第2リーダライタ(106)が1つおきにICタグ(12)に関するデータを制御盤(105)へ送ることで、上述と同様の製造操作を行うことが可能となる。
【0065】
更に、上記例において、切断装置(101)を用いて、連続シート材料(2)を、連続シート材料(2)に貼着されたICタグ(12)の配設ピッチと合致する切断長さで切断し、シート材料(1)を得たが、切断装置(101)による切断工程の代わりに折り畳み装置を用いて、連続シート材料(2)を、連続シート材料(2)に貼着されたICタグ(12)の配設ピッチと等しい折り曲げピッチで折り畳んでもよい。
【0066】
図15は、切断装置(101)の代わりに使用される折り畳み装置(901)の概略図である。
折り畳み装置(901)は、連続シート材料(2)に折り曲げ線を形成する横罫入れ装置(920)と、連続シート材料(2)の走行を支持する支持板(902)と、支持板(902)の下流に配されるとともに上下に往復動するスタッカプレート(903)からなる。
上述の如く、切断位置調整工程において、制御盤(105)は、第1リーダライタ(104)とエンコーダ(900)の信号からICタグ(12)の配設ピッチを算出する。エンコーダ(900)は、エンコーダ(900)の直下を通過した連続シート材料(2)の通過量のデータを制御盤(105)へ送る。算出された配設ピッチと等しい量の連続シート材料(2)の通過をエンコーダ(900)が制御盤(105)に知らせると、制御盤(105)は、横罫入れ装置(920)を構成する一対のシリンダ(921)を作動させる。シリンダ(921)が作動すると、シリンダ(921)の先端が連続シート材料(2)を線状に押し潰し、折り曲げ線を形成する。制御盤(105)は、折り曲げ線が支持板(902)下端縁に達すると、スタッカプレート(903)を下降させ、連続シート材料(2)は支持板(902)の下流端で折り畳まれる。
【0067】
折り曲げられた連続シート材料(2)は、スタッカプレート(903)の下方において、ジグザグに折り曲げられる。このとき、連続シート材料(2)は、ICタグ(12)の配設ピッチと等しい折り曲げピッチで折り曲げられることとなる。
このような方法によれば、テープロール(10)の交換に伴い、連続シート材料(2)の折り曲げピッチが変動することとなるが、同時に折り曲げ後に積み重ねられる連続シート材料(2)のICタグ(12)の位置を分散させることができ、連続シート材料(2)の積み重ねによるICタグ(12)への荷重集中を防止可能となる。
尚、ICタグ(12)の配設ピッチと連続シート材料(2)の折り曲げピッチが一致し、横罫入れ装置(920)による折り曲げ線の形成がICタグ(12)の位置に偶然に一致したときには、連続的にICタグ(12)が横罫入れ装置(920)により破損することとなる。この場合には、折り曲げ工程を一時的に停止し、連続シート材料(2)を若干量送り込み、ICタグ(12)の横罫入れ装置(920)下方の通過タイミングと、横罫入れ装置(920)の作動タイミングをずらせばよい。
【0068】
尚、連続シート材料(2)の折り曲げピッチを、テープロール(10)の交換にかかわらず一定にすることも可能であるが、この場合、ICタグ(12)の配設ピッチと折り曲げピッチは一致しなくなる。したがって、一定の割合で、連続シート材料(2)の折り曲げ部分とICタグ(12)の貼着位置が一致することとなり、ICタグ(12)の破損を招来することとなる。
【0069】
図15に示す例において、横罫入れ装置(920)により形成される連続シート材料(2)上の折り曲げ線からICタグ(12)の位置関係は1つのテープロール(10)を使用している間は一定である。したがって、図10に関連して説明したものと同様に、第1リーダライタ(104)の信号のタイミングと横罫入れ装置(920)の作動信号のタイミングとの関係から、折り曲げ線からICタグ(12)までの距離が算出可能である。
この算出された折り曲げ線からICタグ(12)までの距離のデータを第1リーダライタ(104)からICタグ(12)へ送ってもよい。
【0070】
テープロール(10)の交換によって生ずるICタグ付テープ(11)の始端と終端の接続が、シート材料(1)の製品特性上好ましくない場合がある。このとき、連続シート材料(2)を折り曲げて保管するようなときには、ICタグ付テープ(11)の始端と終端の接続部分のみを、連続シート材料(2)から除去することはできない。
このような場合、テープロール(10)の始端及び終端に位置する複数のICタグ(12)に始端並びに終端に位置することを示すデータが書き込まれていることが好ましい。このようにすれば、後工程において、ICタグ(12)に格納されている始端或いは終端を示すデータを読取り、このようなデータを有するICタグ(12)の部分を排除することが可能となり、ICタグ付テープ(11)の接続部分が最終製品に混入されることを防止可能となる。
【0071】
図16は、ICタグ(12)の配設ピッチと等しい折り曲げピッチで折り曲げて積み上げられた連続シート材料(2)を後工程に供給する形態を示す。
積み上げられた連続シート材料(2)は、送出し用羽根車(904)により下流へ送られる。羽根車(904)の下流側には、制御盤(908)と接続するリーダライタ(905)とエンコーダ(906)が配され、これらリーダライタ(905)とエンコーダ(906)は、図2に示す製造装置(100)に備えられた第1リーダライタ(104)並びにエンコーダ(906)と同様の動作を行い、切断装置(907)への連続シート材料(2)の送り込み量に対する切断装置(907)の作動タイミングを調整するために用いられる。そして、切断装置(907)は、連続シート材料(2)に貼着されたICタグ(12)の配設ピッチと等しい切断長さで連続シート材料(2)を切断し、シート材料(1)を作り出す。
尚、ここで、リーダライタ(905)がICタグ(12)に格納された連続シート材料(2)上の折り曲げ線からICタグ(12)までの距離のデータを読取り、このデータを制御盤(908)へ送り、制御盤(908)が切断装置(907)の動作位相を調整し、折り曲げ線と切断位置を一致させることも可能である。
尚、箱形成のためにシート材料(1)の一部を所定形状に切除するトリム工程において、トリム位置の調整を同様に行うことも可能である。
また、切断装置(907)の下流に更にリーダライタを配し、このリーダライタでICタグ(12)に格納された上記始端或いは終端のデータを読取り、このデータを有するICタグ(12)が貼着されたシート材料(1)を選択的に除去することも可能である。
【0072】
リーダライタ(104)とエンコーダ(900)を用いて、ICタグ(12)の不良を検知することも可能である。
リーダライタ(104)は、リーダライタ(104)の下方を通過するICタグ(12)の存在を検知する。これにより、一のICタグ(12)がリーダライタ(104)の下方を通過してから該一のICタグ(12)の次のICタグ(12)がリーダライタ(104)の下方を通過するまでの時間を、制御盤(105)は算出可能である。そして、エンコーダ(900)は、エンコーダ(900)の下方を通過する連続シート材料(2)の通過量を検知し、この通過量に係る信号を制御盤(105)に送る。
切断位置調整工程で調整された製造装置(100)の原材料送り速度は、一のICタグ(12)がリーダライタ(104)の下方を通過してから該一のICタグ(12)の次のICタグ(12)がリーダライタ(104)の下方を通過するまでの時間で、エンコーダ(900)の下方を通過する連続シート材料(2)の通過量を除して算出される速度に略等しいはずである。
ここで、リーダライタ(104)の下方を通過するICタグ(12)のうち1つが故障している場合には、一のICタグ(12)がリーダライタ(104)の下方を通過してから該一のICタグ(12)の次のICタグ(12)がリーダライタ(104)の下方を通過するまでの時間が長くなり、算出される速度は小さくなり、原材料送り速度に対して大きく異なる数値となる。
したがって、算出される速度が、原材料送り速度に対して所定の範囲を外れているならば、対応するシート材料(1)を排除すれば、作動しないICタグ(12)を最終製品から除去することが可能となる。
このようなICタグ(12)の不良を検知する手段は、切断装置(105)の上流に設けられる以外にも切断装置(105)の下流側に設けられてもよい。
【0073】
上記において、段ボール箱成形用のシート材料(1)を例に挙げて説明してきたが、他の用途に用いられるシート材料(1)にも好適に使用可能である。
図17は、多槽式円網抄紙機の一部を示す。
抄紙機(800)は、第1槽(801)及び第2槽(802)を備える。第1槽(801)内には第1円網シリンダ(803)が配され、第2槽(802)内には第2円網シリンダ(804)が配される。また、第1槽(801)及び第2槽(802)内には、パルプ繊維を含有する水分散液が配され、第1円網シリンダ(803)或いは第2円網シリンダ(804)が回転すると、これらの周面上にパルプ繊維が付着し、紙層が形成される。
第1円網シリンダ(803)及び第2円網シリンダ(804)の上方に押圧ロール(805)がそれぞれ配設され、押圧ロール(805)はこれらシリンダ(803,804)の上端を押圧する。シリンダ(803,804)と押圧ロール(805)の間を、ベルト(806)が通過し、シリンダ(803,804)周面に付着した紙層は、ベルト(806)に転移する。
テープロール(10)は、第1槽(801)と第2槽(802)の間に配される。
【0074】
テープロール(10)から巻き出されたICタグ付テープ(11)は、第1円網シリンダ(803)により形成され、ベルト(806)上に転移した紙層上に貼着される。そして、その後、第2円網シリンダ(804)により形成された紙層がICタグ付テープ(11)及び第1円網シリンダ(803)により形成された紙層上に積層される。
本発明は、円網抄紙機に限らず、長網抄紙機にも適用可能である。この場合には、ICタグ付テープ(11)の巻き出し並びに湿紙上への固定が一層容易となる。
このようにして、本発明は、抄紙工程にも応用可能である。また、他のシート状の材料にICタグ(12)を貼着する様々な工程にも利用することが可能である。
上記説明において、シート材料(1)を構成する複数の層の間にICタグ付テープ(11)を配する形態を示したが、層間に配さずに、シート材料(1)表面上にICタグ付テープ(11)を貼着する形態も本発明に含まれる。
このような段ボール以外のシート材料(1)に、本発明を適用しても、ICタグ(12)の位置を分散させることによる有意な利益を得ることができる。
【0075】
図18は、本発明により得られたシート材料(1)の使用形態の一例を示す図である。図18(a)は、シート材料(1)の平面図であり、図18(b)は図18(a)に示すシート材料(1)を巻回し、紐状体としている形態を示す図であり、図18(c)は、図18(b)に示す紐状体の利用形態である。
図18(a)に示すシート材料(1)は、細幅の樹脂製テープ(700)上面にICタグ付テープ(11)を貼着して形成される。また、ICタグ(12)は樹脂製テープ(700)とテープ基材(110)との間に挟まれている。
シート材料(1)上面に接着剤が塗布された後、シート材料(1)は螺旋状に巻回され、入れ子式に形成された紐状体(701)に形成される。シート材料(1)が巻回されるとき、ICタグ付テープは紐状体(701)の内面に現れるようにされる。
このように形成された紐状体(701)は、図18(c)に示す如く、例えば商品表示タグ(702)に通され、紐状体(701)の両端部同士を熱融着により接続し、環状にされる。このように形成された紐状体(701)は、商品表示タグ(702)を吊下可能となる。ICタグ(12)に商品価格データを書き込むことにより、この紐状体は、値札の機能を発揮し、レジにてICタグ(12)のデータを読み取ることが可能となり、レジへ値段を打ち込む労力を省略可能となる。
【0076】
シート材料(1)を巻回する以外に、ICタグ付テープ(11)自体を巻回してもよい。この場合には、テープ基材(110)上にICタグ(12)を印刷して形成されたICタグ付テープ(11)を用いることが好ましい。このように形成されたICタグ付テープ(11)上に保護層を設けることで、巻回工程において、芯材に巻きつける際のICタグ(12)の損傷を防止可能である。
【0077】
上記例において、ICタグ(12)は、電波を用いてデータのやり取りが可能な形態を示してきたが、赤外線等の光通信技術を用いたICタグ(12)も本発明に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、シート状の材料を用いた加工品並びにその製造に好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法の概略フローチャートである。
【図2】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられる製造装置の概略構成図である。
【図3】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられるテープロールの斜視図である。
【図4】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられるICタグ付テープの斜視図である。
【図5】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられるICタグ付テープの製造工程の概略図である。
【図6】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられるICタグ付テープの製造に使用されるベースフィルムを示す図である。
【図7】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられるICタグ付テープの製造工程のベースフィルム貼着工程を示す図である。
【図8】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられるICタグ付テープの他の製造工程の概略図である。
【図9】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられるICタグ付テープの巻き出し形態を示す図である。
【図10】シート材料中のICタグの位置の算出方法を示す図である。
【図11】切断工程の後、積み上げられたシート材料の状態を示す図である。
【図12】段ボール箱に形成される前のシート材料の一例を示す図である。
【図13】段ボール箱に形成される前のシート材料の他の例を示す図である。
【図14】ICタグ付テープを蛇行させて貼着する形態を示す図である。
【図15】連続シート材料を折り曲げて積み上げた状態を示す図である。
【図16】図15に示す連続シート材料を切断する工程を示す図である。
【図17】本発明に係るシート材料の製造工程を抄紙工程に応用した形態を示す図である。
【図18】本発明に係るシート材料の使用形態の一例を示す図である。
【図19】従来のICタグ付シート材料の保管状態を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
1・・・・・シート材料
10・・・・テープロール
101・・・切断装置
104・・・リーダライタ
11・・・・ICタグ付テープ
110・・・テープ基材
111・・・接着剤層
112・・・接着剤が塗布されない領域
12・・・・ICタグ
2・・・・・連続シート材料
701・・・紐状体
900・・・エンコーダ
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を格納可能なICタグが取付けられたシートへのICタグ付テープ貼着方法並びに該貼着方法により得られるシート材料並びに該シート材料に貼着されるICタグ付テープに関し、より詳しくは、シート材料が継続する加工を受ける段階で、動的衝撃によって、ICタグが損傷しないように、また、保管される間に積み上げられてもシート材料或いはシート材料に取付けられたICタグが破損することがないシートへのICタグ付テープ貼着方法並びに該貼着方法により得られるシート材料並びに該シート材料に貼着されるICタグ付テープに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子情報機器の技術革新により、薄型且つ小型のICタグが開発され、物流或いは小売にこのICタグが活用され始めている。ICタグは、各種の電子情報が記録可能であり、例えば、ICタグが取付けられる製品のシリアル番号が記録される。
ICタグに格納された電子情報は、物流現場或いは小売現場などにおいて必要に応じて読み取られ、読み取られた情報は物流管理或いは在庫管理に用いられる。
【0003】
このようなICタグの活用は今後更に発展するものと考えられる。日本国内においては2006年以降、UHF電波を使用するICタグが取付けられた物流用段ボール箱が流通現場で使用される予定となっている。
また、欧州においては、流通する全ての段ボール箱にICタグを取付ける内容の基準が欧州標準機構から公表されている。
【0004】
現状において、ICタグを取付ける方法として、特許文献1に開示されるような技術が知られている。特許文献1に開示される技術は、ICタグを離型紙上のICタグ付ラベルを間欠的に段ボール表面に貼着する方法である。
【0005】
また、特許文献2には、連続的にICタグをシート材料に取付ける方法が開示されている。
特許文献2の開示技術は、連続シート材料を巻回してなる一対の原料ロールから連続シート材料を上流から下流へ巻き出し、この連続シート材料間に電子情報を格納可能なICモジュールを供給固着させるものである。
【0006】
【特許文献1】米国特許6667092号公報
【特許文献2】特開2004−54483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記開示技術は、最終的には、連続シート材料を所定寸法に切断してシート材料を得るものである。この切断後のシート材料内において、ICタグは一定位置に固着される。
一般に、切断して得られたシート材料は、出庫されるまで倉庫にて保管される。
図19は、保管されるシート材料の状態を示す図である。
【0008】
図19に示す如く、シート材料(M)は、所定寸法に切断された後、シート材料(M)を積み上げる形態で保管される。
上述の如く、切断後のシート材料中のICタグ(I)の位置は、一定であるので、シート材料(M)を積み上げたときには、一のICタグ(I)の上に他のICタグ(I)が積み上げられることとなる。したがって、多数のシート材料(M)が積み上げられると、シート材料(M)の自重がICタグ(I)に集中して負荷される結果となる。
【0009】
ICタグ(I)は、電子機器の一種であり、シート材料自体の積上荷重によって、ICタグ(I)は損傷を受けやすく、このことは、シート材料の質量が大きい場合に顕著となる。
このような問題を解消するために、保管後のシート材料(M)を出庫する際に、ICタグ(I)の動作チェックを行うことも考えられるが、工程が煩雑となるため、現実的な対処方法とはいえない。
【0010】
更に、特許文献1に示されるような従来の技術において、ICタグは離型紙上に貼着された状態でICタグ貼着工程に供給される。この貼着工程において、まずICタグが離型紙から引き剥がされ、その後対象物に貼り付けられる。
このような従来技術を用いたICタグの貼着方法によれば、ICタグの離型紙からの引き剥がしから対象物への貼着までの工程の間、確実にICタグが平坦な状態である必要がある。平坦な状態を保てないならば、ICタグは貼着対象物上で折り曲がった状態で貼着されることとなる。
したがって、従来において、ICタグは一定以上の剛性を有する必要があり、この剛性を得るために、ICタグは所定以上の厚さを必要とするものである。
対象物表面に厚く形成されたICタグが貼着されると、ICタグは貼着対象物上で突出することとなる。シート材料にこのようなICタグが貼着され、シート材料が積み重ねられると、上述のようなICタグへの荷重集中は顕著になる。更に、この顕著な荷重集中に起因して、ICタグの突出がシート材料の凹み或いは破れを生じせしめることもある。加えて、積み重ねられたシート材料の安定性を著しく損なう原因となり、積上げられたシート材料が崩れやすくなる。更に、積上げられたシート材料の反りなどの変形を生じせしめる原因ともなる。変形したシート材料は、後工程におけるシート材料の加工の生産性を低減させることとなる。
【0011】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであって、シート材料の保管時にICタグを破損させず、またシート材料の変形及び破損を生じさせないシートへのICタグ付テープ貼着方法並びに該貼着方法により得られるシート材料並びに該シート材料に貼着されるICタグ付テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明は、複数のICタグが所定ピッチで配された細帯状のICタグ付テープが巻回されてなるテープロールを準備する工程と、切断装置へ供給される連続シートの供給量に対する切断装置に作動タイミングを調整設定する工程と、前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、前記連続シート材料に貼着する工程と、前記ICタグ付テープが貼着された連続シート材料を前記切断装置で切断し、シート材料を得る工程を備えるシート材料へのICタグ付テープの貼着方法であって、前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、前記切断装置の作動タイミングを調整設定する工程において、前記テープロールが巻きだし開始されるごとに前記作動タイミングの調整が行われ、切断シート内の所望の位置にICタグを入れるように、前記ICタグの配設ピッチと等しい切断ピッチとなるように切断装置が作動することを可能とされることを特徴とするシート材料へのICタグ付テープの貼着方法である。
請求項2記載の発明は、複数のICタグが所定ピッチで配された細帯状のICタグ付テープが巻回されてなるテープロールを準備する工程と、切断装置へ供給される連続シートの供給量に対する切断装置に作動タイミングを調整設定する工程と、前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、前記連続シート材料に貼着する工程と、前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、前記切断装置の作動タイミングを調整設定する工程において、前記ICタグの配設ピッチと等しい切断ピッチとなるように切断装置が作動することを可能とされ、前記切断装置による切断の後に、前記シート材料の前端部或いは後端部が切断され、前記シート材料の切断長さが規格寸法と一致するように調整される工程を備えることを特徴とするシート材料へのICタグ付テープの貼着方法である。
請求項3記載の発明は、複数のICタグが所定ピッチで配された細帯状のICタグ付テープが巻回されてなるテープロールを準備する工程と、切断装置へ供給される連続シートの供給量に対する切断装置に作動タイミングを調整設定する工程と、前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、前記連続シート材料に貼着する工程と、前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、前記切断装置の作動タイミングを調整設定する工程において、前記ICタグの配設ピッチと等しい切断ピッチとなるように切断装置が作動することを可能とされ、前記切断装置による切断の後に、前記シート材料の複数箇所を折り曲げて、該シート材料の前端部と後端部を重ね合わせるとともに該重ね合わせ部分を接着して筒状シートを形成する工程を備え、該重ね合わせ部分を接着する工程において、前記重ね合わせ部分の重ね合わせ長さが筒状シートの規格寸法と一致するように調整されることを特徴とするシート材料へのICタグ付テープの貼着方法である。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記切断装置の上流側に配されたエンコーダが、前記切断装置へ送られる連続シート材料の供給量を測定するとともに、この測定データを制御盤へ送信し、前記切断装置の上流側に配されたリーダライタが、前記切断装置へ送られる連続シート材料に貼着されたICタグの通過を検知するとともに、この検知信号を前記制御盤へ送信し、前記制御盤は、エンコーダから送信された連続シート材料の供給量のデータと、前記リーダライタからのICタグの通過タイミングのデータから、前記ICタグの配設ピッチを算出する段階と、該算出されたICタグの配設ピッチと前記制御盤に予め入力されたシート材料の切断長さに対する下限閾値とを比較する段階と、前記算出されたICタグの配設ピッチが前記下限閾値を下回るならば、前記制御盤が前記リーダライタからの信号を1つおき若しくは複数データおきに処理して、前記切断装置の作動タイミングを決定し、この決定された信号に基づき前記切断装置を作動させる段階を実行することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料へのICタグ付テープの貼着方法である。
請求項5記載の発明は、前記ICタグ付テープが巻き出された後、且つ、前記連続シート材料に貼着される前に前記ICタグ付テープが前記連続シート材料の幅方向に揺動されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料の製造方法である。
請求項6記載の発明は、前記連続シートが複数層の材料からなり、前記ICタグ付テープが前記連続シートの層間で貼着されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料へのICタグ付テープの貼着方法である。
請求項7記載の発明は、前記エンコーダにより測定された供給量を前記リーダライタにより読み取られるICタグのデータの時間間隔で除した値が、前記制御盤に予め入力された設定供給速度に対して所定範囲で一致しない場合には、前記制御盤が対応するシート材料を不良品として識別することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料へのICタグ付テープの貼着方法である。
【0014】
請求項8記載の発明は、シート状の原材料と、該原材料に貼着された細帯状のICタグ付テープからなるシート材料であって、前記ICタグ付テープは、所定ピッチで配された複数のICタグを備えるとともに、前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、前記シート材料は、前記原材料を上流側から下流側へ製造装置に供給するとともに、前記ICタグ付テープをロール状に巻回してなるテープロールから前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、該ICタグ付テープを前記原材料に貼着し、前記ICタグ付テープと前記原材料の積層体を形成した後、該積層体を前記ICタグの配設ピッチと等しい長さに切断することにより形成され、一のシート材料中のICタグの位置に対して、該一のシート材料の次に製造されたICタグの位置が幅方向若しくは軸方向にずれていることを特徴とするシート材料である。
請求項9記載の発明は、前記シート材料は、前記原材料からなる複数の層を備え、前記ICタグ付テープが前記原材料の層間で貼着されることを特徴とする請求項8記載のシート材料である。
請求項10記載の発明は、前記複数のテープロールのうち少なくとも1つのテープロール内のICタグの配設ピッチが所定範囲内で変動してなることを特徴とする請求項8記載のシート材料である。
【0015】
請求項11記載の発明は、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグからなるICタグ付テープであって、該ICタグ付テープがロール状に巻回可能であることを特徴とするICタグ付テープである。
請求項12記載の発明は、前記ICタグの配設ピッチが、所定範囲内で変動してなることを特徴とする請求項11記載のICタグ付テープである。
請求項13記載の発明は、前記ICタグが前記テープ基材上に印刷された集積回路であることを特徴とする請求項12記載のICタグ付テープである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1乃至3記載の発明によれば、所望の位置のICタグを配することが可能となる。継続する工程で行われる加工によって生じる動的な衝撃によってICタグが損傷を受けないようにICタグの固着位置を安全な所望の位置に配することができる。
請求項4記載の発明によれば、規格により定められたシート材料の切断長さより短い配設ピッチで配されたICタグを用いることが可能となる。
請求項5記載の発明によれば、シート材料が保管時に積み上げられても、ICタグの位置が分散するため、ICタグにシート材料の自重が集中せず、ICタグの保管中の破損が防止される。また、積上げられたシート材料の崩れや破損を防止可能となる。更に、シート材料の変形並びに損傷を好適に防止可能となる。結果として、シート材料を用いた後工程の生産効率の低下を防止することができる。
請求項6記載の発明によれば、ICタグがシート材料表面に露出することがなく、シート材料が積上げられたときの荷重が直接ICタグに負荷されることが防止可能であり、ICタグを好適な状態で保管可能となる。更に、シート材料表面に印刷等を施す際にもICタグが印刷によるデザインと干渉することがない。
請求項7記載の発明によれば、作動不良のICタグが貼着されたシート材料を確実に除去することが可能となる。
【0017】
請求項8記載の発明によれば、シート材料が保管時に積み上げられても、ICタグの位置が分散するため、ICタグにシート材料の自重が集中せず、ICタグの保管中の破損が防止されるので、確実に作動するICタグを有するシート材料となる。ICタグを付ける包装基準において、ケースパネル上のICタグの指定位置内でICタグを分散させてICタグの保管中の破損を防止できる。
請求項9記載の発明によれば、ICタグがシート材料表面に露出することがなく、ICタグを好適な状態で保管可能となるので、確実に作動するICタグを有するシート材料となる。更に、シート材料表面に印刷等を施す際にもICタグが印刷によるデザインと干渉することがなく、所望デザインをシート材料表面に施すことが可能となる。
請求項10記載の発明によれば、シート材料が保管時に積み上げられても、ICタグの位置が分散するため、ICタグにシート材料の自重が集中せず、ICタグの保管中の破損が防止されるので、確実に作動するICタグを有するシート材料となる。
【0018】
請求項11記載の発明によれば、ICタグ付テープがロール状に巻回可能な程度の可撓性を有するようにICタグ付テープが可撓性材料から構成されるので、肉薄に形成することが可能であり、ICタグ付テープが貼着による被貼着物上の突出部の発生を防止できる。ICタグが可撓性であるので、テープをロール状にタイトに且つ均一に巻くことができ、メータ数を長くすることができる。また、巻き加工の際に生じるだぶ付き、浮きを防止することにより、ICタグの変形による破損、変形がある状態での巻き圧によるICタグ自体の破損を防止できる。
請求項12記載の発明によれば、連続的に製造されるシート材料に貼着され、製造されたシート材料が積み重ねられたときにICタグの位置を分散させることが可能となる。
請求項13記載の発明によれば、直接的にICタグがテープ基材に印刷されるので、被貼着物上の突出を確実に防止可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係るシート材料に対するICタグ付テープの貼着方法並びにシート材料及びICタグ付テープの実施形態について説明する。
図1は、シート材料に対するICタグ付テープの貼着方法のフローチャートであり、図2は、シート材料に対するICタグ付テープの貼着方法に用いられる製造装置の概略構成図である。尚、以下の説明においてシート材料として段ボール箱に最終的に形成されるシート材料を例に挙げるが、本発明はこれに限られるものではなく、連続して成形されるフィルムや剛性を有する板状部材などを含む他のシート状の材料を製造するためにも好適に適用可能である。
【0020】
シート材料に対するICタグ付テープの貼着方法は、テープロール準備工程、切断位置調整工程、テープ貼着工程及び切断工程からなる。
テープロール準備工程において、テープロール(10)が準備され、準備されたテープロールは、製造装置(100)上流側に取付けられる。切断位置調整工程において、切断装置(101)へ送られる連続シート材料(2)に対する切断装置(101)による切断位置が調整される。テープロール準備工程及び切断位置調整工程を経て、製造装置(100)の設定が行われる。
【0021】
図2に示す例において、最終的に段ボール箱として用いられるシート材料(1)が製造される。したがって、製造装置(100)の上流側には、段ボールの裏面を構成する裏ライナシート(21)を巻き出す裏ライナロール(20)、段ボールの表面を構成する表ライナシート(31)を巻き出す表ライナロール(30)及び裏ライナシート(21)と表ライナシート(31)の間に配され、波形に形成される中しんシート(41)を巻き出す中しんロール(40)が配される。
【0022】
中しんシート(41)は、中しんロール(40)から巻き出された後、波形加工装置(140)へ供給される。
波形加工装置(140)は、ギア形状をした下段ロール(141)と、下段ロール(141)と噛合う上段ロール(142)と、上段ロール(142)の複数の頂部に当接して接着剤を塗布する塗布ロール(143)と、塗布ロール(143)周面に接着剤を塗布する付けロール(144)と、接着剤を収容する容器(145)からなる。付けロール(144)の一部が容器(145)内に沈められ、容器(145)内の接着剤液の液面から接着剤をかき上げ、塗布ロール(143)へ接着剤を付着させる。
【0023】
中しんシート(41)は、上段ロール(142)と下段ロール(141)の間に供給され、上段ロール(142)と下段ロール(141)が高温高圧で噛合うことで、波形に形成される。波形に形成された中しんシート(41)は上段ロール(142)に巻きついた状態で下流側へ送られる。
付けロール(144)の周面には、容器(145)内に収容された接着剤が付着し、付けロール(144)が塗布ロール(143)に接触すると、付けロール(144)上に付着した接着剤が塗布ロール(143)へ移動する。そして、塗布ロール(143)が回転し、塗布ロール(143)が、上段ロール(142)の頂部に位置する波形の中しんシート(41)に接着剤が付着する。
このようにして、中しんシート(41)に接着剤が塗布された後、上段ロール(142)上で中しんシート(41)は、裏ライナシート(21)に接着される。
【0024】
裏ライナシート(21)と波形に形成された中しんシート(41)とが接着されて第1の積層体(22)が形成されると、第1の積層体(22)は下流に配された接着剤塗布機(220)へ供給される。
接着剤塗布機(220)は、第1積層体(22)の中しんシート(41)側に配され、中しんシート(41)側に接着剤を塗布する。
接着剤塗布機(220)は、接着剤を収容する容器(221)と、容器(221)内の接着剤中に一部が沈められた付けロール(222)と、付けロール(222)並びに第1積層体(22)の波形中しんシート(41)に形成された頂部と接触する塗布ロール(223)からなる。
容器(221)内の接着剤は、付けロール(222)及び塗布ロール(223)を経て、中しんシート(41)頂部に塗布される。
【0025】
表ライナロール(30)及びテープロール(10)は、製造装置(100)中の第1積層体(22)の通過経路の下方に配され、それぞれ表ライナシート(31)及びICタグ付テープ(11)を巻き出す。
表ライナシート(31)とICタグ付テープ(11)は、巻き出された後、テープ貼着工程において、略同時に接着剤塗布機(220)により接着剤が塗布された第1の積層体(220)と接着する。
このとき、図2に示す例においては、ICタグ付テープ(11)は、表ライナシート(31)と中しんシート(41)の間に挟まれて、表ライナシート(31)側に接着される。ICタグ付テープ(11)を表ライナシート(31)側に接着させることで、表ライナシート(31)とICタグ付テープ(11)の間の接着剤が存在しない領域を最小限にすることが可能であるが、中しんシート(41)側にICタグ付テープ(11)の接着面を向けてICタグ付テープ(11)を中しんシート(41)に貼着させることも可能である。
【0026】
テープ貼着工程後、ICタグ付テープ(11)と表ライナシート(31)が貼着された第1積層体(22)は、下流に配された押圧板(102)と複数の加熱板(103)の間に形成された狭い隙間を通じて、下流へと送られる。加熱板(103)下方を通過する際に中しんシート(41)に塗布された接着剤は乾燥され、連続シート(2)が形成される。
この後、切断工程において、更に連続シート(2)が下流に配された切断装置(101)に供給される。
切断装置(101)に供給された連続シート(2)は、切断装置(101)により切断され、シート材料(1)となる。
【0027】
図3は、テープロール(10)を示す。
テープロール(10)は、ICタグ付テープ(11)が巻回されてなる。ICタグ付テープ(11)上には、複数のICタグ(12)が所定ピッチで配されている。
図4は、ICタグ付テープ(11)の拡大斜視図である。
ICタグ付テープ(11)は、テープ基材(110)を備える。テープ基材(110)上面には、間欠式に接着剤が塗布され、接着剤が塗布された帯状の領域(111)と接着剤が塗布されていない帯状の領域(112)が交互に配列されている。尚、本発明はこれに限られるものではなく、テープ基材(110)上面全体に接着剤を塗布してもよい。
ICタグ(12)は、テープ基材(110)上面に塗布された接着剤の領域(111)を介してテープ基材(110)上面に固着される。
ICタグ(12)は、平面視略矩形状に形成されたベースフィルム(120)と、ベースフィルム(120)略中央に配されるICチップ(121)から構成される。ベースフィルム(120)一面に薄い銅膜が印刷により設けられており、この印刷が施された部分はICタグ(12)のアンテナ部として機能する。
【0028】
尚、図示されていないが、ICタグ(12)上面に保護コーティング或いは保護フィルムが更に積層されていてもよい。この場合、保護コーティング或いは保護フィルムはICタグ付テープ(11)の剛性を増加させない程度の厚さであり、又は剛性を増加させない樹脂を用いたものであることが好ましい。保護コーティング或いは保護フィルム等の保護層の積層には、ドライラミネートやスキンパックといった方法が適宜使用可能である。
【0029】
図5は、図3及び図4に示すICタグ付テープ(11)の製造装置(200)の概略図である。
製造装置(200)の上流側には、テープ基材(110)を巻回して形成された基材ロール(113)が配され、基材ロール(113)からテープ基材(110)が巻き出されている。テープ基材(110)の材質は、ポリプロピレンやポリエステルの延伸フィルム或いはポリ乳酸樹脂等の生分解性樹脂が好適に使用可能である。また、テープ基材(110)の表面のうち、接着剤が塗布されない側の面に剥離剤が塗布されていることが好ましい。
テープ基材(110)は、基材ロール(113)から巻き出された後、接着剤塗布機(201)に供給される。接着剤塗布機(201)は、テープ基材(110)上面に間欠式に接着剤を塗布し、接着剤塗布領域(111)と非塗布領域(112)が交互に配列された接着剤塗布パターンを形成する(図4参照)。接着剤塗布機(201)から供給される接着剤としては、ポリアクリル系接着剤、ゴム系接着剤等の合成樹脂系接着剤や天然樹脂系接着剤を適宜選択して使用可能である。或いは、ホットメルト接着剤を噴射させる方式も採用可能である。
接着剤が塗布されたテープ基材(110)は、ベースフィルム・アプリケータ(202)へ供給される。
ベースフィルム・アプリケータ(202)には、更に、テープ基材(110)の供給方向に対して直角方向からベースフィルム(120)が供給される。
尚、ベースフィルム(120)をテープ基材(110)の供給方向と一致させることも可能である。これにより、テープ基材(110)とベースフィルム(120)の供給動作を同調して行うことが可能となり、ICタグ付テープ(11)の生産効率を向上させることが可能である。
【0030】
図6は、ベースフィルム・アプリケータ(202)に供給されるベースフィルム(120)を示す。図6(a)は、ベースフィルム(120)の平面図であり、図6(b)は、ベースフィルム(120)の正面図である。
ベースフィルム・アプリケータ(202)に供給されるベースフィルム(120)は、加工前において、連続帯状の形態であり、ロール状に巻回され、ベースフィルム・アプリケータ(202)へ供給される。
ベースフィルム(120)中心軸に沿って、所定間隔をおいて、ICチップ(121)が配される。ICチップ(121)の周辺矩形領域には、印刷により施された、銅膜部分が配されている。
また、ベースフィルム(120)上面には、保護コーティングが施されている。
【0031】
図7は、ベースフィルム・アプリケータ(202)を示す。
ロール状に巻回されたベースフィルム(120)は巻き出された後、打貫刃(221)の下方を通過する。打貫刃(221)は、上下に移動し、打貫刃(221)の移動区間下端において、打貫刃(221)はベースフィルム(120)のうちICチップ(121)が配された周辺領域を所定形状に打貫く。
ベースフィルム(121)を打貫いた後、打貫刃(221)は上方に移動する。打貫刃(221)には、真空ポンプ(図示せず)が接続している。打貫刃(221)により打貫かれたベースフィルム(120)は、打貫刃(221)に接続する真空ポンプにより吸引され、打貫刃(221)側に付着し、打貫刃(221)とともに移動する。
打貫刃(221)により打貫かれたベースフィルム(120)は、その後、巻き取られる。
【0032】
ベースフィルム(120)を打貫いた打貫刃(221)は、その後、ベースフィルム(121)の打貫かれた部分を伴って、上方に移動する。その後、打貫刃(221)は水平移動し、テープ基材(110)の上方に達する。
打貫刃(221)がテープ基材(110)の上方に達した後、打貫刃(221)は下降し、真空ポンプの作動が停止する。これにより、打貫刃(221)により保持されたベースフィルム(120)は、テープ基材(110)上に塗布された接着剤層(111)上に配され、ベースフィルム(120)はテープ基材(110)上に接着される。
【0033】
ベースフィルム・アプリケータ(202)には、複数本のベースフィルム(120)が供給されてもよい。そして、複数個の打貫刃(221)によりそれぞれのベースフィルム(120)を打貫き、各打貫刃(221)がテープ基材(110)上にベースフィルム(120)を接着させてもよい。打貫刃(221)がテープ基材(110)の異なる幅方向位置にベースフィルム(120)を接着させることにより、テープ基材(110)上にベースフィルム(120)の列を複数形成することが可能となる。また、打貫刃(221)の動作サイクルの一周期長さをそれぞれ異なるものとすることで、ベースフィルム(120)の配設ピッチを列ごとに異なるものとすることが可能である。尚、図5及び図7に示す例においては、2本のベースフィルム(120)がベースフィルム・アプリケータ(202)に供給されている。
【0034】
図7において、アンテナ形状をした打貫刃(221)がベースフィルム(120)を打貫いて、ICタグ(12)を形成したが、ベースフィルム(120)上に所望形状のアンテナを印刷した銅膜部分を形成してもよい。
この場合、ベースフィルム(120)の長手方向にアンテナ形状をした銅膜部分が配列される。ベースフィルム・アプリケータ(202)は、直線輪郭を有する切断刃で配列された銅膜部分の間を切断し、銅膜部分をベースフィルム(120)から切り取る。切り取られたアンテナ形状の銅膜部分が順次、テープ基材(110)に貼着される。
このような方法によれば、切断工程により銅膜部分の形状が定められず、印刷により銅膜部分の形状が定まることとなるので、複雑な形状のアンテナ部を有するICタグ(12)の製造に好適に使用可能である。
【0035】
ベースフィルム・アプリケータ(202)により、ベースフィルム(120)がテープ基材(110)上に接着された後、テープ基材(110)は、更に下流側に配されたスリッタ(203)へ供給される。
スリッタ(203)は、テープ基材(110)をベースフィルム(120)の列ごとに分断する。これにより、複数本のICタグ付テープ(11)が形成される。そして、ICタグ付テープ(11)ごとにロール状に巻き取られ、テープロール(10)が形成される。
尚、上記例において、ベースフィルム(120)上にICチップ(12)が載置固定された形態を示したが、ICチップ(12)に代えて、集積回路がベースフィルム(120)上に印刷されていてもよい。
【0036】
上述の如くして得られたICタグ付テープ(11)は、ICタグ(12)上面に接着剤が塗布されていない。したがって、ICタグ付テープが、例えば、段ボール箱成形用のシート材料(1)のような紙材からなるシート材料(1)に貼着されたときに容易にICタグ付テープ(11)を回収可能となる。
シート材料(1)が古紙として回収されたとき、シート材料(1)はパルパー槽内に入れられ撹拌され、繊維成分に分解される。このとき、ICタグ(12)と接着するシート材料(1)部分には接着剤が付着していないので、ICタグ付テープ(11)のシート材料(1)からの分離が容易に促進される。
これにより、ICタグ付テープ(11)は、パルパー槽内での撹拌工程の初期段階で除去可能である。撹拌工程の初期段階でICタグ付テープ(11)が除去されることで、撹拌のために用いられるパルパー槽内の撹拌羽根がICタグ(12)に衝突し、ICタグ(12)を破壊することを防止可能である。したがって、ICタグ(12)の破損から生ずる無機微細物の紙料液への混入を防止可能であり、良質の再生紙を得ることを可能とする。
【0037】
図8は、ICタグ付テープ(11)の製造装置(200)の他の実施形態を示す。
図5に示すものと同様に、製造装置(200)の上流側には、テープ基材(110)を巻回して形成された基材ロール(113)が配され、基材ロール(113)からテープ基材(110)が巻き出されている。
テープ基材(110)は、基材ロール(113)から巻き出された後、集積回路プリンタ(204)へ供給される。集積回路プリンタ(204)は、テープ基材(110)上に集積回路を印刷する。この集積回路は、集積回路内部にアンテナ部分が組み込まれ、図4に示すICタグ(12)と同様の機能を備える。
集積回路は所望のピッチで印刷され、テープ基材(110)上面には、集積回路が所定間隔をおいて印刷された複数の集積回路の列が形成される。
尚、集積回路の外部にアンテナ部分が印刷により設けられてもよい。
【0038】
集積回路プリンタ(204)を通過した後、コーターマシン(205)へテープ基材(110)が送られる。コーターマシン(205)は、テープ基材(110)上面に薄い樹脂膜を形成し、この樹脂膜が印刷により形成された集積回路の保護層として機能する。
その後、テープ基材(110)は接着剤塗布機(201)へ供給され、接着剤塗布機(201)は、保護層上面に接着剤層を形成する。尚、接着剤塗布機(201)は、上述と同様に、接着剤塗布領域(111)と非塗布領域(112)が形成されるように、間欠式に接着剤を塗布することが好ましい。
尚、コーターマシン(205)により形成される保護層自身が接着剤層と同様の働きをするように保護層を形成する樹脂が選択されてもよい。
【0039】
接着剤が塗布された後、テープ基材(110)はスリッタ(203)へ供給され、集積回路の列ごとに分断され、ICタグ付テープ(11)が形成される。各ICタグ付テープ(11)は、それぞれ別個の紙芯により巻き取られ、テープロール(10)となる。
このようにICタグ付テープ(11)を形成すると、ICタグ付テープ(11)は平坦になり、ICタグ付テープ(11)が巻回されてテープロール(10)とされたときや、シート材料(1)が積み重ねられて保管されているときに、ICタグ(12)に加わる荷重が低減され、ICタグ(12)の破損を防止可能となる。
【0040】
図5乃至図8に関連して説明した実施例において、一のICタグ付テープ(11)上に配列されるICタグ(12)の配設ピッチは一定であったが、所定範囲内で配設ピッチをばらつかせてもよい。
上記例においては、一定量のテープ基材(110)をベースフィルム・アプリケータ(202)或いは集積回路プリンタ(204)へ送り込んだ後、テープ基材(110)の送り込みを停止させ、ベースフィルム(120)を貼着或いは集積回路の印刷を行うことを繰り返したが、このテープ基材(110)の送り込み量を所定範囲で変動させることにより、ICタグ(12)の配設ピッチを所定範囲内で変動させることが可能となる。
【0041】
図9は、図2に示すテープロール(10)の巻き出し部分の拡大図である。尚、図2においては、明瞭化のために、図9に示される巻き出し部分は省略して示されている。
図9に示す例において、テープロール(10)は巻き出された後、ダンサ部(300)へ至る。ダンサ部(300)は、上下に配された複数のロールで構成され、テープロール(10)から巻き出されたICタグ付テープ(11)は上下に蛇行する。ダンサ部(300)を構成する複数のロールのうち、下方に配されるロール(301)は上方へ向けて移動可能である。
ダンサ部(300)を通過したICタグ付テープ(11)は、下方に向けて案内され、押えロール(302)へ至る。ICタグ付テープ(11)が下方に案内される途中経路にカッタ(303)が配される。
テープロール(10)下方において、表ライナシート(31)が通過し、表ライナシート(31)の上面近傍に押えロール(302)が配される。押えロール(302)は、楕円形状に形成される。
【0042】
上記構成の巻き出し部分が併設され、一方の巻き出し部分から巻き出されたICタグ付テープ(11)は、表ライナシート(31)に貼着されつつ下流へと流される。他方の巻き出し部分から巻き出されたICタグ付テープ(11)は、押えロール(302)周面上に固定される。
テープロール(10)の径は、センサ(304)によりモニタされる。センサ(304)からの信号は、制御盤(105)へ送信される。制御盤(105)には、テープロール(10)の直径に関する下限閾値が入力されている。制御盤(105)は、センサ(302)からの信号値により換算されたテープロール(10)の径と、予め制御盤(105)に入力されたテープロール(10)の直径に対する下限閾値を比較する。センサ(302)からの信号値により換算されたテープロール(10)の径の値が、この下限閾値を下回ったということを制御盤(105)が判断すると、制御盤(105)は、表ライナシート(31)とともに下流へ流されているICタグ付テープ(11)側にカッタ(303)を作動させ、ICタグ付テープ(11)を切断する。
【0043】
これと同時に、制御盤(105)は、先端部が押えロール(302)に貼着されたICタグ付テープ(11)側の押えロール(302)を回転させる。押えロール(302)は、通常時には、その長軸を地面に対して略平行とし、ICタグ付テープ(11)の先端は、押えロール(302)の長軸端付近に取り付けられている。
押えロール(302)が回転すると、押えロール(302)に先端が取付けられたICタグ付テープ(11)は、表ライナシート(31)へ貼着され、表ライナシート(31)とともに下流へ搬送される。
【0044】
表ライナシート(31)に貼着されたICタグ付テープ(11)は、静止状態から表ライナシート(31)の走行速度と等しい速度まで急加速されることとなる。
この急加速に対応するため、ダンサ部(300)のロール(301)は上昇し、ダンサ部(300)に蓄えられたICタグ付テープ(11)がこの急加速に対応するようにダンサ部(300)下流へと供給される。
また、テープロール(10)の回転も加速され、テープロール(10)からのICタグ付テープ(11)の供給速度は、表ライナシート(31)の走行速度以上に保たれ、必要とされるICタグ付テープ(11)の供給量が確保される。上述の如く、ダンサ部(300)のロール(301)は、ICタグ付テープ(11)の走行加速によって、一時的に上昇するが、テープロール(10)の回転数の増加により、徐々に下降する。ダンサ部(300)のロール(301)が下降し、所定位置に達すると、テープロール(10)からのICタグ付テープ(11)の巻き出し速度が、表ライナシート(31)の走行速度に等しくなるように、テープロール(10)の回転は減速される。
【0045】
再び、図2を参照して、シート材料(1)に対するICタグ付テープの貼着方法について説明する。
図9に関連して説明したように、テープロール(10)を構成するICタグ付テープ(11)の大部分が巻きだされると、予め製造装置(100)に取付けられた他のテープロール(10)に切り替えられる。
テープロール準備工程において、ICタグ付テープ(11)が巻き出された後のテープロール(10)が新たなテープロール(10)と交換される。新たなテープロール(10)は、押えロール(302)まで引き出され、この新たなテープロール(10)から引き出されたICタグ付テープ(11)の先端が押えロール(302)周面に固定される。
ここで、テープロール(10)の交換のために用意される新たなテープロール(10)中のICタグ(12)の配設ピッチは、交換前に製造装置(100)に据付けられていたテープロール(10)或いは走行中のテープロール(10)のICタグ(12)の配設ピッチと異なるものであってもよい。また、ICタグ(12)の配設ピッチは、製造されるシート材料(1)の切断長さに対する規格寸法と異なるものであってもよい。
以下の説明において、新たに取付けられるテープロール(10)中のICタグ(12)配設ピッチを1020mmとし、製造されるシート材料(1)の切断長さに対する規格寸法を1000mmとする。
【0046】
走行中のICタグ付テープ(11)を巻き出すテープロール(10)の径が制御盤(105)に予め設定された最小径のデータよりも小さくなると、新たに準備されたテープロール(10)への切換が行われる。そして、その後、切断位置調整工程が行われる。
押えロール(302)にて、新たに準備されたテープロール(10)から引き出されたICタグ付テープ(11)の先端が走行中の表ライナシート(31)に貼着されると、このICタグ付テープ(11)は、表ライナシート(31)に貼着され、下流へと送出される。そして、上述の如く、表ライナシート(31)と中しんシート(41)の間に固着された後、ICタグ付テープ(11)は切断装置(101)上流側に配された第1のリーダライタ(104)の下方を通過する。
【0047】
第1のリーダライタ(104)は、直下を通過するICタグ(12)の存在を非接触式に検知し、この検知信号をリーダライタ(104)と接続する制御盤(105)へ送る。制御盤(105)は、検知信号の時間間隔とICタグ付テープ(11)の送り出し速度を積算し、ICタグ(12)の配設ピッチを算出する。尚、送り出し速度は、第1のリーダライタ(104)の上流に配される非接触式エンコーダ(900)によって測定され、制御盤(105)へ送られた連続シート材料(2)の速度データが用いられてもよい。 ICタグ(12)の配設ピッチを変動させている場合には、検知信号の時間間隔の平均値とICタグ付テープ(11)の送り出し速度の積算によって、ICタグ(12)の配設ピッチを算出可能である。
使用するテープロール(10)の順序が定まっており、テープロール(10)のICタグ(12)の配設ピッチが予め制御盤(105)に入力されているならば、この入力されたICタグ(12)の配設ピッチを利用してもよい。
或いは、ICタグ付テープ(11)を製造する際に、ICタグ(12)に配設ピッチに関するデータを格納させてもよい。この場合には、リーダライタ(104)がICタグ(12)に格納されたICタグ(12)の配設ピッチに関するデータを読取り、このデータを制御盤(105)へ送る。
【0048】
制御盤(105)は、上記のようにして求められたICタグ(12)の配設ピッチと等しい長さの連続シート材料(2)が切断装置(101)送られたときに1回の切断動作を切断装置(101)が行うように切断装置(101)の動作設定を変更する。このとき、ICタグが所定位置に入るように切断動作を調整する。
このようにして、制御盤(105)により製造装置(100)の設定が変更されると、連続シート材料(2)は切断装置(101)によって、ICタグ(12)の配設ピッチと等しい切断長さで切断される。
本実施例においては、連続シート材料(2)を切断して得られるシート材料(1)の切断長さは、1020mmとなる。
【0049】
切断装置(101)を通過して得られたシート材料(1)は、その後、切断装置(101)下流側に配された第2のリーダライタ(106)の下方を通過する。第2のリーダライタ(106)は、直下を通過するシート材料(1)に貼着されたICタグ(12)の通過を検知し、この検知信号を制御盤(105)へ送る。
図2に示す例においては、切断装置(101)は一対のロールから構成され、ロールに取付けられた刃により連続シート材料(2)を切断する。切断装置(101)には、ロールの回転位置を検出するエンコーダ(図示せず)が取り付けられ、ロールの回転位置が制御盤(105)へ送られる。尚、切断装置(101)に取付けられたエンコーダの代わりに光電管センサを用いて、ロールの回転位置を検出してもよい。
【0050】
図10は、制御盤(105)へ送られる第2リーダライタ(106)からの信号と、切断装置(101)に取付けられたエンコーダから制御盤(105)への信号との関係を示す。図10において、縦軸は切断装置(101)のロールの回転位置を示し、横軸はシート材料(1)の前端縁から第2リーダライタ(106)の直下位置までの距離を示す。
上述の如く、連続シート材料(2)は、切断装置(101)によって、取付けられたICタグ付テープ(11)のICタグ(12)の配設ピッチと等しい長さで切断され、シート材料(1)となる。したがって、第2リーダライタ(106)からの信号と、切断装置(101)のエンコーダからの信号の関係は一定となる。したがって、制御盤(105)は、シート材料(1)の前端縁から第2リーダライタ(106)の直下位置までの距離を、切断装置(101)のエンコーダの信号に基づいて、算出することが可能である。
第2リーダライタ(106)の直下をICタグ(12)が通過すると、第2リーダライタ(106)は制御盤(105)へパルス信号を送り、制御盤(105)は第2リーダライタ(106)からの信号のタイミングと、切断装置(101)のエンコーダの信号において算出されたシート材料(1)の前端縁から第2リーダライタ(106)の直下位置までの距離とを対比する。これにより、ICタグ(12)のシート材料(1)中の位置が割り出される。
図10において、ICタグ(12)は、シート材料(1)の前端縁から1000mm以上1020mm以下の位置にあることが示されている。
【0051】
図2に示す如く、第2リーダライタ(106)の下流側にはトリム装置(107)が配設される。トリム装置(107)は、供給されるシート材料(1)を所望の形状に切断するが、ここでは単純化のためにシート材料(1)の前端部若しくは後端部を切除するものとし、切断装置(101)と同様に一対のロールに刃が取付けられたものとする。
制御盤(105)は、シート材料(1)の切断長さに対して定められた規格寸法と、上記のようにして検出されたシート材料(1)中のICタグ(12)の位置を対比する。尚、シート材料(1)の切断長さに対する規格寸法は制御盤(105)に予め入力記憶されている。
図10に示す例においては、ICタグ(12)は、シート材料(1)の前端縁から1000mm以上1020mm以下の位置にある。したがって、トリム装置(107)がシート材料(1)の後端部を切除すると、ICタグ(12)が切除されてしまうこととなる。したがって、制御盤(105)は、シート材料(1)の前端部を切除するように、トリム装置(107)のロールの回転位相を調整する。この切除は、製函工程において通常の加工機を用いて同様に実施できる。
このようにして、製造装置(100)の製造工程が調節された後、通常の製造速度で製造装置(100)が操作され、シート材料(1)が製造される。
このようにして、規格寸法と一致する切断長さに調整されたシート材料(1)は、積み重ねて保存される。尚、切断装置(101)により前端部或いは後端部を切除するのと同時に連続シート材料(2)の側縁部の一部も切除されてもよい。
【0052】
図11は、上記のようにして規格寸法と等しい切断長さに調整されたシート材料(1)を積み重ねて保存している状態を示す。図11に示す例においては、3つのテープロール(10)を使用して製造されたシート材料(1)が積み重ねられており、下から第1ロット、第2ロット及び第3ロットとされる。
図11に示す如く、上記方法により製造されたシート材料(1)は積み重ねられたときに、使用されたテープロール(10)ごとにICタグ(12)の位置を変えることができる。したがって、ICタグ(12)の位置が一箇所に集中することがなく、ICタグ(12)の突出によるICタグ(12)への荷重の集中を防止することが可能となる。
上述の如く、ICタグ付テープ(11)に貼着されるICタグ(12)の位置を所定範囲で変動させれば、1つのロット間でもICタグ(12)の位置を分散させることが可能となり、ICタグ(12)への荷重の集中を更に好適に防止可能である。
【0053】
上記例において、トリム装置(107)を用いて、シート材料(1)の前端部或いは後端部を切除してシート材料(1)の切断長さを規格寸法と一致させたが、他の方法によって、シート材料(1)の寸法を規格寸法と一致させることも可能である。
図12は、段ボール箱成形用に加工されたシート材料(1)を示す。
図12に示すシート材料(1)は、以下の工程により形成される。
まず、ICタグ付テープ(11)が貼着された連続シート材料(2)が切断装置(101)に供給される。そして、切断装置(101)によって、連続シート材料(2)が、連続シート材料(2)内部に貼着されたICタグ付テープ(11)上のICタグ(12)の配設ピッチに等しい長さに切断される。ここまでの工程は、上記説明と同様の手法で行われる。
【0054】
切断装置(101)により連続シート材料(2)を切断して得られたシート材料(1)は、その後、第2リーダライタ(106)の下方を通過する。第2リーダライタ(106)は、切断位置調整工程において第1リーダライタ(104)が制御盤(105)へ送信したICタグ(12)の配設ピッチのデータを、ICタグ(12)へ無線を介して書き込む。これによりICタグ(12)は、配設ピッチのデータを格納することとなる。
尚、ICタグ(12)が予め配設ピッチのデータを格納しているならば、この工程は不要である。
【0055】
この後、シート材料(1)は、トリム装置(107)へ供給される。このときトリム装置(107)は、上述の例とは異なり、シート材料(1)の前端部或いは後端部を切除せず、シート材料(1)の側縁部の一部を切除し、段ボール箱の天面或いは底面を形成する複数のフラップ部(13)を形成する。
この後、シート材料(1)上の複数箇所に折り曲げ線(図12中点線にて示される)が形成される。
【0056】
テープロール(10)の製造装置(100)に対する取付け位置は、段ボール箱周面を形成するシート材料(1)の領域にICタグ付テープ(11)が貼着されるように調整される。
また、この周面領域を横切る折り曲げ線は、フラップ部(13)の間において、トリム装置(107)により切除されて形成されるノッチ部(130)を接続するように形成される。
周面領域を横切る折り曲げ線の位置とICタグ(12)の位置が一致すると、シート材料(1)が段ボール箱に折り曲げ形成される際に、ICタグ(12)が破損することとなる。
したがって、制御盤(105)は、上記説明と同様に、シート材料(1)前端縁からICタグ(12)の位置を割り出し、ノッチ部(130)を形成するトリム装置(107)のトリム刃がICタグ(12)の位置と一致しないようにトリム装置(107)の動作位相を調整する。
【0057】
この後、シート材料(1)は製函工程に送られる。
製函工程において、ICタグ(12)に格納されたICタグ(12)の配設ピッチのデータが読み取られる。この配設ピッチのデータと、段ボール箱の縦寸法及び横寸法の規格値とが比較され、この比較によりシート材料(1)の前端部と後端部の重ね合せ量(図12中、符号Xで示す)が定められる。このようにして、規格寸法の切断長さ以上の切断長さを有するシート材料(1)を用いて、規格内法寸法に合致する段ボール箱を形成することが可能となる。
【0058】
図12は、上述のようにして、組み立てられる箱の展開図の一例である。この図の中で破線で示しているところは、金属の薄い凸部(図示せず)を用いて入れる罫線部(筋目)である。この箱形成のために入れるこの押圧加工の動的衝撃によってICタグは破損するため、この罫線部を、余裕をもって避けられるエリアにICタグを固着させなければならない。また段ボールの場合には、段を潰す加工をするエリアを設けることもあり、このエリア内をさける必要もある。また手穴、差込穴等の切込みが部分的に入る条件のシートもある。これらのブランク内においてICタグに衝撃を与え、損傷させるエリアについて予めこの情報を制御盤に与えておき、これら損傷が発生しないエリアをICタグを固着する場所、またはエリアとして選択するようにプログラムする。
図12に示す例において、シート材料(1)の前端部と後端部が接着剤により貼着され、前端部と後端部の重ね合わせ部分は、箱の胴部一の面の中央付近に位置する。前端部及び/又は後端部の胴部並びにフラップ部分に接着剤が塗布される。
【0059】
図13は、箱の展開図の他の例を示す。
図13に示す箱の展開図において、シート材料(1)の後端部に重ね合わせ用のフラップ部分(131)が形成され、このフラップ部分(131)がシート材料(1)の前端部に重ね合わされるとともに貼着される。この重ね合せ部分は、組み立てられる箱の角隅部を形成する。フラップ部分(131)の長さは、図12に示す箱展開図と同様に、ICタグ(12)の配設ピッチに応じて変動する。
【0060】
上記例において、ICタグ(12)の位置をシート材料(1)の流れ方向に対して分散させてきたが、シート材料(1)の幅方向に対して分散させてもよい。
図14は、ICタグ(12)の位置をシート材料(1)の幅方向に対して変動させる方法を示し、ICタグ付テープ(11)を表ライナシート(31)に貼着させる工程の平面図である。尚、図14において、明瞭化のために裏ライナシート(21)及び中しんシート(41)は取り除かれている。
【0061】
図14に示す例において、表ライナシート(31)とICタグ付テープ(11)が貼着される貼着点直前に水平に配された水平ロール(108)と、垂直方向に立設する一対の垂直ロール(109)が配される。一対の垂直ロール(109)は隣接して配され、ICタグ付テープ(11)は、垂直ロール(109)の間を通過する。
垂直ロール(109)は表ライナシート(31)幅方向に揺動する。
【0062】
テープロール(10)から巻き出されたICタグ付テープ(11)は、垂直ロール(109)の間を通過し、垂直ロール(109)の幅方向位置の変動に応じて、その流れ位置が変動する。
垂直ロール(109)の間をICタグ付テープ(11)が通過するとき、ICタグ付テープ(11)は90°捩じられることとなるが、垂直ロール(109)の下流に配される水平ロール(108)によって、この捩りは解消される。
水平ロール(108)を通過したICタグ付テープ(11)は、表ライナシート(31)に対する貼着位置を幅方向に変動させながら、表ライナシート(31)上に貼着される。
結果として、ICタグ付テープ(11)は表ライナシート(31)上で蛇行した状態で貼着されることとなり、ICタグ(12)の位置は常に変動し続けることとなる。
尚、図14に示す例において、垂直ロール(109)を連続的に揺動させる形態を示したが、間欠的に揺動させてもよい。これによっても同様の効果を得ることが可能となる。
尚、垂直ロール(109)を揺動させる代わりに、テープロール(10)の取付け位置を幅方向に変動させても同様の効果を奏するものとなる。
【0063】
上記例において、第2リーダライタ(106)を用いて、用いられるICタグ(12)の配設ピッチデータをICタグ(12)に書き込む形態を示したが、シート材料(1)の製造中に他のデータを第1リーダライタ(104)或いは第2リーダライタ(106)を用いてICタグ(12)に書き込むことも可能である。
これらデータとしては、ICタグ(12)の製造社名、ICタグ(12)の型番、仕様、その他製造・品質に関する情報、シート材料(1)の製造日、シート材料(1)を製造した製造装置の装置番号、シート材料(1)の製造に用いられた原材料のロット番号、シート材料(1)に付されるロット番号等が挙げられる。
【0064】
上記例において、テープロール準備工程にて、準備されたテープロール(10)中のICタグ(12)の配設ピッチは、規格寸法の切断長さよりも長いものとして説明してきたが、準備されたテープロール(10)中のICタグ(12)の配設ピッチが、規格寸法の切断長さよりも短いものであってもよい。
例えば、準備されたテープロール(10)中のICタグ(12)の配設ピッチが550mmであるのに対して、シート材料(1)の切断長さに対する規格寸法が1000mmである場合においては、第1リーダライタ(104)或いは第2リーダライタ(106)が1つおきにICタグ(12)に関するデータを制御盤(105)へ送ることで、上述と同様の製造操作を行うことが可能となる。
【0065】
更に、上記例において、切断装置(101)を用いて、連続シート材料(2)を、連続シート材料(2)に貼着されたICタグ(12)の配設ピッチと合致する切断長さで切断し、シート材料(1)を得たが、切断装置(101)による切断工程の代わりに折り畳み装置を用いて、連続シート材料(2)を、連続シート材料(2)に貼着されたICタグ(12)の配設ピッチと等しい折り曲げピッチで折り畳んでもよい。
【0066】
図15は、切断装置(101)の代わりに使用される折り畳み装置(901)の概略図である。
折り畳み装置(901)は、連続シート材料(2)に折り曲げ線を形成する横罫入れ装置(920)と、連続シート材料(2)の走行を支持する支持板(902)と、支持板(902)の下流に配されるとともに上下に往復動するスタッカプレート(903)からなる。
上述の如く、切断位置調整工程において、制御盤(105)は、第1リーダライタ(104)とエンコーダ(900)の信号からICタグ(12)の配設ピッチを算出する。エンコーダ(900)は、エンコーダ(900)の直下を通過した連続シート材料(2)の通過量のデータを制御盤(105)へ送る。算出された配設ピッチと等しい量の連続シート材料(2)の通過をエンコーダ(900)が制御盤(105)に知らせると、制御盤(105)は、横罫入れ装置(920)を構成する一対のシリンダ(921)を作動させる。シリンダ(921)が作動すると、シリンダ(921)の先端が連続シート材料(2)を線状に押し潰し、折り曲げ線を形成する。制御盤(105)は、折り曲げ線が支持板(902)下端縁に達すると、スタッカプレート(903)を下降させ、連続シート材料(2)は支持板(902)の下流端で折り畳まれる。
【0067】
折り曲げられた連続シート材料(2)は、スタッカプレート(903)の下方において、ジグザグに折り曲げられる。このとき、連続シート材料(2)は、ICタグ(12)の配設ピッチと等しい折り曲げピッチで折り曲げられることとなる。
このような方法によれば、テープロール(10)の交換に伴い、連続シート材料(2)の折り曲げピッチが変動することとなるが、同時に折り曲げ後に積み重ねられる連続シート材料(2)のICタグ(12)の位置を分散させることができ、連続シート材料(2)の積み重ねによるICタグ(12)への荷重集中を防止可能となる。
尚、ICタグ(12)の配設ピッチと連続シート材料(2)の折り曲げピッチが一致し、横罫入れ装置(920)による折り曲げ線の形成がICタグ(12)の位置に偶然に一致したときには、連続的にICタグ(12)が横罫入れ装置(920)により破損することとなる。この場合には、折り曲げ工程を一時的に停止し、連続シート材料(2)を若干量送り込み、ICタグ(12)の横罫入れ装置(920)下方の通過タイミングと、横罫入れ装置(920)の作動タイミングをずらせばよい。
【0068】
尚、連続シート材料(2)の折り曲げピッチを、テープロール(10)の交換にかかわらず一定にすることも可能であるが、この場合、ICタグ(12)の配設ピッチと折り曲げピッチは一致しなくなる。したがって、一定の割合で、連続シート材料(2)の折り曲げ部分とICタグ(12)の貼着位置が一致することとなり、ICタグ(12)の破損を招来することとなる。
【0069】
図15に示す例において、横罫入れ装置(920)により形成される連続シート材料(2)上の折り曲げ線からICタグ(12)の位置関係は1つのテープロール(10)を使用している間は一定である。したがって、図10に関連して説明したものと同様に、第1リーダライタ(104)の信号のタイミングと横罫入れ装置(920)の作動信号のタイミングとの関係から、折り曲げ線からICタグ(12)までの距離が算出可能である。
この算出された折り曲げ線からICタグ(12)までの距離のデータを第1リーダライタ(104)からICタグ(12)へ送ってもよい。
【0070】
テープロール(10)の交換によって生ずるICタグ付テープ(11)の始端と終端の接続が、シート材料(1)の製品特性上好ましくない場合がある。このとき、連続シート材料(2)を折り曲げて保管するようなときには、ICタグ付テープ(11)の始端と終端の接続部分のみを、連続シート材料(2)から除去することはできない。
このような場合、テープロール(10)の始端及び終端に位置する複数のICタグ(12)に始端並びに終端に位置することを示すデータが書き込まれていることが好ましい。このようにすれば、後工程において、ICタグ(12)に格納されている始端或いは終端を示すデータを読取り、このようなデータを有するICタグ(12)の部分を排除することが可能となり、ICタグ付テープ(11)の接続部分が最終製品に混入されることを防止可能となる。
【0071】
図16は、ICタグ(12)の配設ピッチと等しい折り曲げピッチで折り曲げて積み上げられた連続シート材料(2)を後工程に供給する形態を示す。
積み上げられた連続シート材料(2)は、送出し用羽根車(904)により下流へ送られる。羽根車(904)の下流側には、制御盤(908)と接続するリーダライタ(905)とエンコーダ(906)が配され、これらリーダライタ(905)とエンコーダ(906)は、図2に示す製造装置(100)に備えられた第1リーダライタ(104)並びにエンコーダ(906)と同様の動作を行い、切断装置(907)への連続シート材料(2)の送り込み量に対する切断装置(907)の作動タイミングを調整するために用いられる。そして、切断装置(907)は、連続シート材料(2)に貼着されたICタグ(12)の配設ピッチと等しい切断長さで連続シート材料(2)を切断し、シート材料(1)を作り出す。
尚、ここで、リーダライタ(905)がICタグ(12)に格納された連続シート材料(2)上の折り曲げ線からICタグ(12)までの距離のデータを読取り、このデータを制御盤(908)へ送り、制御盤(908)が切断装置(907)の動作位相を調整し、折り曲げ線と切断位置を一致させることも可能である。
尚、箱形成のためにシート材料(1)の一部を所定形状に切除するトリム工程において、トリム位置の調整を同様に行うことも可能である。
また、切断装置(907)の下流に更にリーダライタを配し、このリーダライタでICタグ(12)に格納された上記始端或いは終端のデータを読取り、このデータを有するICタグ(12)が貼着されたシート材料(1)を選択的に除去することも可能である。
【0072】
リーダライタ(104)とエンコーダ(900)を用いて、ICタグ(12)の不良を検知することも可能である。
リーダライタ(104)は、リーダライタ(104)の下方を通過するICタグ(12)の存在を検知する。これにより、一のICタグ(12)がリーダライタ(104)の下方を通過してから該一のICタグ(12)の次のICタグ(12)がリーダライタ(104)の下方を通過するまでの時間を、制御盤(105)は算出可能である。そして、エンコーダ(900)は、エンコーダ(900)の下方を通過する連続シート材料(2)の通過量を検知し、この通過量に係る信号を制御盤(105)に送る。
切断位置調整工程で調整された製造装置(100)の原材料送り速度は、一のICタグ(12)がリーダライタ(104)の下方を通過してから該一のICタグ(12)の次のICタグ(12)がリーダライタ(104)の下方を通過するまでの時間で、エンコーダ(900)の下方を通過する連続シート材料(2)の通過量を除して算出される速度に略等しいはずである。
ここで、リーダライタ(104)の下方を通過するICタグ(12)のうち1つが故障している場合には、一のICタグ(12)がリーダライタ(104)の下方を通過してから該一のICタグ(12)の次のICタグ(12)がリーダライタ(104)の下方を通過するまでの時間が長くなり、算出される速度は小さくなり、原材料送り速度に対して大きく異なる数値となる。
したがって、算出される速度が、原材料送り速度に対して所定の範囲を外れているならば、対応するシート材料(1)を排除すれば、作動しないICタグ(12)を最終製品から除去することが可能となる。
このようなICタグ(12)の不良を検知する手段は、切断装置(105)の上流に設けられる以外にも切断装置(105)の下流側に設けられてもよい。
【0073】
上記において、段ボール箱成形用のシート材料(1)を例に挙げて説明してきたが、他の用途に用いられるシート材料(1)にも好適に使用可能である。
図17は、多槽式円網抄紙機の一部を示す。
抄紙機(800)は、第1槽(801)及び第2槽(802)を備える。第1槽(801)内には第1円網シリンダ(803)が配され、第2槽(802)内には第2円網シリンダ(804)が配される。また、第1槽(801)及び第2槽(802)内には、パルプ繊維を含有する水分散液が配され、第1円網シリンダ(803)或いは第2円網シリンダ(804)が回転すると、これらの周面上にパルプ繊維が付着し、紙層が形成される。
第1円網シリンダ(803)及び第2円網シリンダ(804)の上方に押圧ロール(805)がそれぞれ配設され、押圧ロール(805)はこれらシリンダ(803,804)の上端を押圧する。シリンダ(803,804)と押圧ロール(805)の間を、ベルト(806)が通過し、シリンダ(803,804)周面に付着した紙層は、ベルト(806)に転移する。
テープロール(10)は、第1槽(801)と第2槽(802)の間に配される。
【0074】
テープロール(10)から巻き出されたICタグ付テープ(11)は、第1円網シリンダ(803)により形成され、ベルト(806)上に転移した紙層上に貼着される。そして、その後、第2円網シリンダ(804)により形成された紙層がICタグ付テープ(11)及び第1円網シリンダ(803)により形成された紙層上に積層される。
本発明は、円網抄紙機に限らず、長網抄紙機にも適用可能である。この場合には、ICタグ付テープ(11)の巻き出し並びに湿紙上への固定が一層容易となる。
このようにして、本発明は、抄紙工程にも応用可能である。また、他のシート状の材料にICタグ(12)を貼着する様々な工程にも利用することが可能である。
上記説明において、シート材料(1)を構成する複数の層の間にICタグ付テープ(11)を配する形態を示したが、層間に配さずに、シート材料(1)表面上にICタグ付テープ(11)を貼着する形態も本発明に含まれる。
このような段ボール以外のシート材料(1)に、本発明を適用しても、ICタグ(12)の位置を分散させることによる有意な利益を得ることができる。
【0075】
図18は、本発明により得られたシート材料(1)の使用形態の一例を示す図である。図18(a)は、シート材料(1)の平面図であり、図18(b)は図18(a)に示すシート材料(1)を巻回し、紐状体としている形態を示す図であり、図18(c)は、図18(b)に示す紐状体の利用形態である。
図18(a)に示すシート材料(1)は、細幅の樹脂製テープ(700)上面にICタグ付テープ(11)を貼着して形成される。また、ICタグ(12)は樹脂製テープ(700)とテープ基材(110)との間に挟まれている。
シート材料(1)上面に接着剤が塗布された後、シート材料(1)は螺旋状に巻回され、入れ子式に形成された紐状体(701)に形成される。シート材料(1)が巻回されるとき、ICタグ付テープは紐状体(701)の内面に現れるようにされる。
このように形成された紐状体(701)は、図18(c)に示す如く、例えば商品表示タグ(702)に通され、紐状体(701)の両端部同士を熱融着により接続し、環状にされる。このように形成された紐状体(701)は、商品表示タグ(702)を吊下可能となる。ICタグ(12)に商品価格データを書き込むことにより、この紐状体は、値札の機能を発揮し、レジにてICタグ(12)のデータを読み取ることが可能となり、レジへ値段を打ち込む労力を省略可能となる。
【0076】
シート材料(1)を巻回する以外に、ICタグ付テープ(11)自体を巻回してもよい。この場合には、テープ基材(110)上にICタグ(12)を印刷して形成されたICタグ付テープ(11)を用いることが好ましい。このように形成されたICタグ付テープ(11)上に保護層を設けることで、巻回工程において、芯材に巻きつける際のICタグ(12)の損傷を防止可能である。
【0077】
上記例において、ICタグ(12)は、電波を用いてデータのやり取りが可能な形態を示してきたが、赤外線等の光通信技術を用いたICタグ(12)も本発明に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、シート状の材料を用いた加工品並びにその製造に好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法の概略フローチャートである。
【図2】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられる製造装置の概略構成図である。
【図3】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられるテープロールの斜視図である。
【図4】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられるICタグ付テープの斜視図である。
【図5】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられるICタグ付テープの製造工程の概略図である。
【図6】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられるICタグ付テープの製造に使用されるベースフィルムを示す図である。
【図7】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられるICタグ付テープの製造工程のベースフィルム貼着工程を示す図である。
【図8】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられるICタグ付テープの他の製造工程の概略図である。
【図9】本発明に係るシート材料へのICタグ付テープの貼着方法に用いられるICタグ付テープの巻き出し形態を示す図である。
【図10】シート材料中のICタグの位置の算出方法を示す図である。
【図11】切断工程の後、積み上げられたシート材料の状態を示す図である。
【図12】段ボール箱に形成される前のシート材料の一例を示す図である。
【図13】段ボール箱に形成される前のシート材料の他の例を示す図である。
【図14】ICタグ付テープを蛇行させて貼着する形態を示す図である。
【図15】連続シート材料を折り曲げて積み上げた状態を示す図である。
【図16】図15に示す連続シート材料を切断する工程を示す図である。
【図17】本発明に係るシート材料の製造工程を抄紙工程に応用した形態を示す図である。
【図18】本発明に係るシート材料の使用形態の一例を示す図である。
【図19】従来のICタグ付シート材料の保管状態を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
1・・・・・シート材料
10・・・・テープロール
101・・・切断装置
104・・・リーダライタ
11・・・・ICタグ付テープ
110・・・テープ基材
111・・・接着剤層
112・・・接着剤が塗布されない領域
12・・・・ICタグ
2・・・・・連続シート材料
701・・・紐状体
900・・・エンコーダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のICタグが所定ピッチで配された細帯状のICタグ付テープが巻回されてなるテープロールを準備する工程と、
切断装置へ供給される連続シートの供給量に対する切断装置に作動タイミングを調整設定する工程と、
前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、前記連続シート材料に貼着する工程と、
前記ICタグ付テープが貼着された連続シート材料を前記切断装置で切断し、シート材料を得る工程を備えるシート材料へのICタグ付テープの貼着方法であって、
前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、
前記切断装置の作動タイミングを調整設定する工程において、前記テープロールが巻きだし開始されるごとに前記作動タイミングの調整が行われ、切断シート内の所望の位置にICタグを入れるように、前記ICタグの配設ピッチと等しい切断ピッチとなるように切断装置が作動することを可能とされることを特徴とするシート材料へのICタグ付テープの貼着方法。
【請求項2】
複数のICタグが所定ピッチで配された細帯状のICタグ付テープが巻回されてなるテープロールを準備する工程と、
切断装置へ供給される連続シートの供給量に対する切断装置に作動タイミングを調整設定する工程と、
前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、前記連続シート材料に貼着する工程と、
前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、
前記切断装置の作動タイミングを調整設定する工程において、前記ICタグの配設ピッチと等しい切断ピッチとなるように切断装置が作動することを可能とされ、
前記切断装置による切断の後に、前記シート材料の前端部或いは後端部が切断され、前記シート材料の切断長さが規格寸法と一致するように調整される工程を備えることを特徴とするシート材料へのICタグ付テープの貼着方法。
【請求項3】
複数のICタグが所定ピッチで配された細帯状のICタグ付テープが巻回されてなるテープロールを準備する工程と、
切断装置へ供給される連続シートの供給量に対する切断装置に作動タイミングを調整設定する工程と、
前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、前記連続シート材料に貼着する工程と、
前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、
前記切断装置の作動タイミングを調整設定する工程において、前記ICタグの配設ピッチと等しい切断ピッチとなるように切断装置が作動することを可能とされ、
前記切断装置による切断の後に、前記シート材料の複数箇所を折り曲げて、該シート材料の前端部と後端部を重ね合わせるとともに該重ね合わせ部分を接着して筒状シートを形成する工程を備え、
該重ね合わせ部分を接着する工程において、前記重ね合わせ部分の重ね合わせ長さが筒状シートの規格寸法と一致するように調整されることを特徴とするシート材料へのICタグ付テープの貼着方法。
【請求項4】
前記切断装置の上流側に配されたエンコーダが、前記切断装置へ送られる連続シート材料の供給量を測定するとともに、この測定データを制御盤へ送信し、
前記切断装置の上流側に配されたリーダライタが、前記切断装置へ送られる連続シート材料に貼着されたICタグの通過を検知するとともに、この検知信号を前記制御盤へ送信し、
前記制御盤は、
エンコーダから送信された連続シート材料の供給量のデータと、前記リーダライタからのICタグの通過タイミングのデータから、前記ICタグの配設ピッチを算出する段階と、
該算出されたICタグの配設ピッチと前記制御盤に予め入力されたシート材料の切断長さに対する下限閾値とを比較する段階と、
前記算出されたICタグの配設ピッチが前記下限閾値を下回るならば、前記制御盤が前記リーダライタからの信号を1つおき若しくは複数データおきに処理して、前記切断装置の作動タイミングを決定し、この決定された信号に基づき前記切断装置を作動させる段階を実行することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料へのICタグ付テープの貼着方法。
【請求項5】
前記ICタグ付テープが巻き出された後、且つ、前記連続シート材料に貼着される前に前記ICタグ付テープが前記連続シート材料の幅方向に揺動されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料へのICタグ付テープの貼着方法。
【請求項6】
前記連続シートが複数層の材料からなり、
前記ICタグ付テープが前記連続シートの層間で貼着されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料へのICタグ付テープの貼着方法。
【請求項7】
前記エンコーダにより測定された供給量を前記リーダライタにより読み取られるICタグのデータの時間間隔で除した値が、前記制御盤に予め入力された設定供給速度に対して所定範囲で一致しない場合には、前記制御盤が対応するシート材料を不良品として識別することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料へのICタグ付テープの貼着方法。
【請求項8】
シート状の原材料と、
該原材料に貼着された細帯状のICタグ付テープからなるシート材料であって、
前記ICタグ付テープは、所定ピッチで配された複数のICタグを備えるとともに、前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、
前記シート材料は、前記原材料を上流側から下流側へ製造装置に供給するとともに、前記ICタグ付テープをロール状に巻回してなるテープロールから前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、該ICタグ付テープを前記原材料に貼着し、前記ICタグ付テープと前記原材料の積層体を形成した後、該積層体を前記ICタグの配設ピッチと等しい長さに切断することにより形成され、
一のシート材料中のICタグの位置に対して、該一のシート材料の次に製造されたICタグの位置が幅方向若しくは軸方向にずれていることを特徴とするシート材料。
【請求項9】
前記シート材料は、前記原材料からなる複数の層を備え、
前記ICタグ付テープが前記原材料の層間で貼着されることを特徴とする請求項8記載のシート材料。
【請求項10】
前記複数のテープロールのうち少なくとも1つのテープロール内のICタグの配設ピッチが所定範囲内で変動してなることを特徴とする請求項8記載のシート材料。
【請求項11】
可撓性のテープ基材と、
可撓性のICタグからなるICタグ付テープであって、
該ICタグ付テープがロール状に巻回可能であることを特徴とするICタグ付テープ。
【請求項12】
前記ICタグの配設ピッチが、所定範囲内で変動してなることを特徴とする請求項11記載のICタグ付テープ。
【請求項13】
前記ICタグが前記テープ基材上に印刷された集積回路であることを特徴とする請求項11記載のICタグ付テープ。
【請求項1】
複数のICタグが所定ピッチで配された細帯状のICタグ付テープが巻回されてなるテープロールを準備する工程と、
切断装置へ供給される連続シートの供給量に対する切断装置に作動タイミングを調整設定する工程と、
前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、前記連続シート材料に貼着する工程と、
前記ICタグ付テープが貼着された連続シート材料を前記切断装置で切断し、シート材料を得る工程を備えるシート材料へのICタグ付テープの貼着方法であって、
前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、
前記切断装置の作動タイミングを調整設定する工程において、前記テープロールが巻きだし開始されるごとに前記作動タイミングの調整が行われ、切断シート内の所望の位置にICタグを入れるように、前記ICタグの配設ピッチと等しい切断ピッチとなるように切断装置が作動することを可能とされることを特徴とするシート材料へのICタグ付テープの貼着方法。
【請求項2】
複数のICタグが所定ピッチで配された細帯状のICタグ付テープが巻回されてなるテープロールを準備する工程と、
切断装置へ供給される連続シートの供給量に対する切断装置に作動タイミングを調整設定する工程と、
前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、前記連続シート材料に貼着する工程と、
前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、
前記切断装置の作動タイミングを調整設定する工程において、前記ICタグの配設ピッチと等しい切断ピッチとなるように切断装置が作動することを可能とされ、
前記切断装置による切断の後に、前記シート材料の前端部或いは後端部が切断され、前記シート材料の切断長さが規格寸法と一致するように調整される工程を備えることを特徴とするシート材料へのICタグ付テープの貼着方法。
【請求項3】
複数のICタグが所定ピッチで配された細帯状のICタグ付テープが巻回されてなるテープロールを準備する工程と、
切断装置へ供給される連続シートの供給量に対する切断装置に作動タイミングを調整設定する工程と、
前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、前記連続シート材料に貼着する工程と、
前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、
前記切断装置の作動タイミングを調整設定する工程において、前記ICタグの配設ピッチと等しい切断ピッチとなるように切断装置が作動することを可能とされ、
前記切断装置による切断の後に、前記シート材料の複数箇所を折り曲げて、該シート材料の前端部と後端部を重ね合わせるとともに該重ね合わせ部分を接着して筒状シートを形成する工程を備え、
該重ね合わせ部分を接着する工程において、前記重ね合わせ部分の重ね合わせ長さが筒状シートの規格寸法と一致するように調整されることを特徴とするシート材料へのICタグ付テープの貼着方法。
【請求項4】
前記切断装置の上流側に配されたエンコーダが、前記切断装置へ送られる連続シート材料の供給量を測定するとともに、この測定データを制御盤へ送信し、
前記切断装置の上流側に配されたリーダライタが、前記切断装置へ送られる連続シート材料に貼着されたICタグの通過を検知するとともに、この検知信号を前記制御盤へ送信し、
前記制御盤は、
エンコーダから送信された連続シート材料の供給量のデータと、前記リーダライタからのICタグの通過タイミングのデータから、前記ICタグの配設ピッチを算出する段階と、
該算出されたICタグの配設ピッチと前記制御盤に予め入力されたシート材料の切断長さに対する下限閾値とを比較する段階と、
前記算出されたICタグの配設ピッチが前記下限閾値を下回るならば、前記制御盤が前記リーダライタからの信号を1つおき若しくは複数データおきに処理して、前記切断装置の作動タイミングを決定し、この決定された信号に基づき前記切断装置を作動させる段階を実行することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料へのICタグ付テープの貼着方法。
【請求項5】
前記ICタグ付テープが巻き出された後、且つ、前記連続シート材料に貼着される前に前記ICタグ付テープが前記連続シート材料の幅方向に揺動されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料へのICタグ付テープの貼着方法。
【請求項6】
前記連続シートが複数層の材料からなり、
前記ICタグ付テープが前記連続シートの層間で貼着されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料へのICタグ付テープの貼着方法。
【請求項7】
前記エンコーダにより測定された供給量を前記リーダライタにより読み取られるICタグのデータの時間間隔で除した値が、前記制御盤に予め入力された設定供給速度に対して所定範囲で一致しない場合には、前記制御盤が対応するシート材料を不良品として識別することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート材料へのICタグ付テープの貼着方法。
【請求項8】
シート状の原材料と、
該原材料に貼着された細帯状のICタグ付テープからなるシート材料であって、
前記ICタグ付テープは、所定ピッチで配された複数のICタグを備えるとともに、前記ICタグ付テープは、可撓性のテープ基材と、可撓性のICタグから構成され、
前記シート材料は、前記原材料を上流側から下流側へ製造装置に供給するとともに、前記ICタグ付テープをロール状に巻回してなるテープロールから前記ICタグ付テープを上流側から下流側へ巻き出し、該ICタグ付テープを前記原材料に貼着し、前記ICタグ付テープと前記原材料の積層体を形成した後、該積層体を前記ICタグの配設ピッチと等しい長さに切断することにより形成され、
一のシート材料中のICタグの位置に対して、該一のシート材料の次に製造されたICタグの位置が幅方向若しくは軸方向にずれていることを特徴とするシート材料。
【請求項9】
前記シート材料は、前記原材料からなる複数の層を備え、
前記ICタグ付テープが前記原材料の層間で貼着されることを特徴とする請求項8記載のシート材料。
【請求項10】
前記複数のテープロールのうち少なくとも1つのテープロール内のICタグの配設ピッチが所定範囲内で変動してなることを特徴とする請求項8記載のシート材料。
【請求項11】
可撓性のテープ基材と、
可撓性のICタグからなるICタグ付テープであって、
該ICタグ付テープがロール状に巻回可能であることを特徴とするICタグ付テープ。
【請求項12】
前記ICタグの配設ピッチが、所定範囲内で変動してなることを特徴とする請求項11記載のICタグ付テープ。
【請求項13】
前記ICタグが前記テープ基材上に印刷された集積回路であることを特徴とする請求項11記載のICタグ付テープ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2007−111843(P2007−111843A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−307817(P2005−307817)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【特許番号】特許第3798804号(P3798804)
【特許公報発行日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(503356967)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【特許番号】特許第3798804号(P3798804)
【特許公報発行日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(503356967)
【Fターム(参考)】
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