説明

シートベルト装置の連結具保持構造

【課題】構造の簡素化を図ることを可能にするとともに、シートベルトの装着時若しくは離脱時の利便性の向上を図ることを可能にする。
【解決手段】シートクッション21の着座面21aに形成した収納凹部23と、この収納凹部23に左右に併設した状態で収納され、シートベルト33を連結する第1の連結具(バックル)36及び第2の連結具(バックル)46とを備えたシートベルト装置の連結具保持構造60Lにおいて、収納凹部23の内壁23aに、少なくとも第1の連結具36若しくは第2の連結具46の一方を保持する保持バンド61が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タングやバックルなどの連結具を自立姿勢にて保持することができるシートベルト装置の連結具保持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シートベルト装置の連結具保持構造として、シートに凹部を形成し、この凹部にタングやバックルなどの連結具を収納するものが知られている。
この種のシートベルト装置の連結具保持構造は、乗員がシートベルト装置を使いやすいように乗員の利便性を向上するものであった。
【0003】
このようなシートベルト装置の連結具保持構造として、タングやバックルなど収納できる専用の袋部が形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−301975公報
【0004】
特許文献1のシートベルト装置の連結具保持構造は、車両用シートのシートクッションに凹部が形成され、この凹部に第1のウェビングで連結されたタング(連結具)若しくはバックル(連結具)が配置されるとともに、凹部に第2のウェビングで連結されたバックル(連結具)が配置され、凹部の内壁にタング若しくはバックルを収納できる袋体が形成されたものである。
【0005】
しかし、シートベルト装置の連結具保持構造では、凹部内にタング若しくはバックルを収納できる袋体を形成するのでは、シートクッションの縫製が煩雑となり、製造コストの高騰を招く。
また、シートベルト装置の連結具保持構造では、袋体は凹部の内壁に形成されたものなので、乗員の着座状態では袋体の存在が解りにくく、利便性を損ねることがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、構造の簡素化を図ることができるとともに、シートベルトの装着時若しくは離脱時の利便性の向上を図ることができるシートベルト装置の連結具保持構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、シートの着座面に形成した収納凹部と、この収納凹部に左右に併設した状態で収納され、シートベルトを連結する第1の連結具及び第2の連結具とを備えたシートベルト装置の連結具保持構造において、収納凹部の内壁に、少なくとも第1の連結具若しくは第2の連結具の一方を保持する保持バンドが設けられたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、保持バンドを、第1の連結具若しくは第2の連結具を収納凹部の左右の内壁に保持することを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、保持バンドを、第1の連結具及び第2の連結具を収納凹部の左右の内壁と直交する前後の内壁に独立して保持することを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、保持バンドが、収納凹部の内壁に第1の連結具を保持する第1の保持バンドと、収納凹部の内壁に第2の連結具を保持する第2の保持バンドとから構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、シートベルト装置の連結具保持構造に、シートの着座面に形成した収納凹部と、この収納凹部に左右に併設した状態で収納され、シートベルトを連結する第1の連結具及び第2の連結具とを備える。
収納凹部の内壁に、少なくとも第1の連結具若しくは第2の連結具の一方を保持する保持バンドが設けられたので、第1の連結具若しくは第2の連結具の他方を使用している場合に、第1の連結具若しくは第2の連結具の一方を収納凹部の内壁に保持しておくことができる。この結果、シートベルトの装着時若しくは離脱時の利便性の向上を図ることができる。
また、収納凹部の内壁に保持バンドを設ける構成なので、シートベルト装置の連結具保持構造の簡素化を図ることができる。
【0012】
請求項2に係る発明では、保持バンドを、第1の連結具若しくは第2の連結具を収納凹部の左右の内壁の一方に保持するようにしたので、第1の連結具若しくは第2の連結具を収納凹部に安定させた姿勢で保持することができる。
【0013】
請求項3に係る発明では、保持バンドを、第1の連結具及び第2の連結具を収納凹部の左右の内壁と直交する前後の内壁に独立して保持するので、第1の連結具及び第2の連結具の双方を収納凹部の前後の内壁に保持する場合に、1本の保持バンドで処理することができ、シートベルト装置の連結具保持構造のさらなる簡素化を図ることができる。
【0014】
請求項4に係る発明では、保持バンドが、収納凹部の内壁に第1の連結具を保持する第1の保持バンドと、収納凹部の内壁に第2の連結具を保持する第2の保持バンドとから構成されたので、第1の連結具及び第2の連結具の双方を独立して収納凹部の内壁に保持することができる。この結果、第1の連結具及び第2の連結具の内の一方を先に使用している場合にも、第1の連結具及び第2の連結具の内の他方を必ず保持しておくことができるので、更にシートベルトの装着時若しくは離脱時の利便性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るシートベルト装置の連結具保持構造を採用する車両の斜視図である。
車両10は、車室12内に、運転席17及び助手席18からなる1列目シート13と、この1列目シート13の後方に設けられる2列目シート14と、この2列目シート14の後方に設けられる3列目シート15とが配列される。
【0016】
図2は本発明に係るシートベルト装置の連結具保持構造を採用したシートの斜視図である。
2列目シート14は、乗員が着座するシートクッション21と、このシートクッション21の後部に設けられたシートバック22とからなる3人掛けのベンチシートであり、車体11との間に設けられる左側のシートベルト装置31と、シートクッション21に設けられる中央のシートベルト装置41と、車体11との間に設けられる右側のシートベルト装置51とを備える。
【0017】
シートクッション21は、左側のシートベルト装置31のバックル36と、中央のシートベルト装置41のバックル46とを収納する左の収納凹部23が設けられるとともに、中央のシートベルト装置41のタング45と、右側のシートベルト装置51のバックル56とを収納する右の収納凹部24が設けられる。
左右の収納凹部23,24は、シートクッション21の着座面21aに形成される。
シートバック22は、上端に乗員の頭部を支えるヘッドレスト26,27が設けられる。
【0018】
左側のシートベルト装置31は、3点式のシートベルト装置であり、車体11の側壁に設けられるリトラクタ32と、このリトラクタ32に一端が巻回され、他端が延出されるシートベルト33と、車体ピラー(不図示)に設けられ、シートベルト33を案内するスルーアンカ34と、シートベルト33の中間に移動可能に設けられ、乗員が装着したシートベルト33を車体11側に固定するタング35と、左の収納凹部23に配置され、タング35と嵌合させるバックル36と、シートベルト33の他端を車体11側に固定する固定アンカ37とから構成される。
【0019】
中央のシートベルト装置41は、2点式のシートベルト装置であり、シートクッション21のフレーム(不図示)に一端が固定されたシートベルト43と、このシートベルト43の他端に設けられ、右の収納凹部24に収納されるタング45と、左の収納凹部23に配置され、タング45に嵌合させるバックル46とから構成される。
【0020】
右側のシートベルト装置51は、3点式のシートベルト装置であり、左側のシートベルト装置31に車体中心に関して対称に設けられ、リトラクタ(不図示)、シートベルト53、スルーアンカ54、タング55、バックル56、固定アンカ(不図示)とから構成される。
【0021】
シートベルト装置の連結具保持構造60Lは、左の収納凹部23内の構造であり、シートベルト装置の連結具保持構造60Rは、右の収納凹部24内の構造であり、以下詳細に説明する。
【0022】
図3は本発明に係る左側の連結具保持構造の平面図であり、図4は図3の4−4線断面図である。
シートベルト装置の連結具保持構造60Lは、シートクッション21の着座面21aに形成された左の収納凹部23と、この収納凹部23に収納される左側のシートベルト装置31のバックル36と、収納凹部23に収納される中央のシートベルト装置41のバックル46と、収納凹部23の左の内壁23aに設けられ、左側のシートベルト装置31のバックル36を保持する保持バンド61とから構成される。
左側のシートベルト装置31のバックル36が第1の連結具に相当し、中央のシートベルト装置41のバックル46が第2の連結具に相当する。
【0023】
収納凹部23は、平面視略矩形の凹状に形成され、左側のシートベルト装置31(図2参照)のバックル36の外側に形成された左の内壁23aと、中央のシートベルト装置41のバックル46の外側に形成された右の内壁23bと、左右の内壁23a,23bと直交する前後の内壁23e,23fとから形成されている。
【0024】
保持バンド61は、弾性を有するゴムバンドなどから形成されており、左側のシートベルト装置31のバックル36を左の内壁23aに向けて付勢して保持する。なお、保持バンド61は、シートクッション21の着座面21aに対して略水平に張られる。
【0025】
左側のシートベルト装置31のバックル(第1の連結具)36は、ウェビング36aを介してシートクッション21のフレーム(不図示)に固定される。中央のシートベルト装置41のバックル(第2の連結具)46は、ウェビング46aを介してシートクッション21のフレーム(不図示)に固定される。
【0026】
左の収納凹部23は、ウェビング36aを貫通するための貫通孔23cが設けられ、ウェビング46aを貫通するための貫通孔23dが設けられる。
【0027】
図5は本発明に係る右側の連結具保持構造の平面図であり、図6は図5の6−6線断面図である。
シートベルト装置の連結具保持構造60Rは、シートクッション21の着座面21aに形成された右の収納凹部24と、この収納凹部24に収納される右側のシートベルト装置51のバックル56と、収納凹部24に収納される中央のシートベルト装置41のタング45と、収納凹部24の右の内壁24bに設けられ、右側のシートベルト装置51のバックル56を保持する保持バンド62とから構成される。
右側のシートベルト装置51のバックル56が第1の連結具に相当し、中央のシートベルト装置41のタング45が第2の連結具に相当する。
【0028】
収納凹部24は、平面視略矩形の凹状に形成され、中央のシートベルト装置41(図2参照)のタング45の外側に形成された左の内壁24aと、右側のシートベルト装置51のバックル56の外側に形成された右の内壁24bと、左右の内壁24a,24bと直交する前後の内壁24e,24fとから形成されている。
【0029】
保持バンド62は、弾性を有するゴムバンドなどから形成されており、右側のシートベルト装置51のバックル56を左の内壁24bに向けて付勢して保持する。なお、保持バンド62は、シートクッション21の着座面21aに対して略水平に張られる。
【0030】
右側のシートベルト装置51のバックル(第1の連結具)56は、ウェビング56aを介してシートクッション21のフレーム(不図示)に固定される。中央のシートベルト装置41のシートベルト43は、シートクッション21のフレーム(不図示)に固定される。
【0031】
右の収納凹部24は、ウェビング56aを貫通するための貫通孔24cが設けられ、シートベルト43を貫通するための貫通孔24dが設けられる。図中、24aは収納凹部24の左の内壁を示す。
【0032】
図7(a)〜(d)は本発明に係る左側の連結具保持構造の比較検討図である。
(a)において、比較例のシートベルト装置の連結具保持構造100が示され、シート101の着座面101aに収納凹部103が形成され、この収納凹部103に一方のバックル105が収納され、収納凹部103に他方のバックル106が収納される。
【0033】
(b)において、比較例のシートベルト装置の連結具保持構造100では、他方のバックル106を矢印a1の如く引き出したときには、一方のバックル105は、矢印a2の如く倒れ込む。従って、一方のバックル105が使用しずらくなる。
【0034】
(c)において、実施例のシートベルト装置の連結具保持構造60Lが示され、シートクッション21の着座面21aに左の収納凹部23が形成され、この収納凹部23に左側のシートベルト装置31のバックル36が収納され、収納凹部23に中央のシートベルト装置41のバックル46が収納され、左側のシートベルト装置31のバックル36は保持ベルト61で収納凹部23の左の壁面23aに向けて付勢された状態で保持されている。
【0035】
従って、(d)において、中央のシートベルト装置41のバックル46を矢印a3の如く引き出したときには、左側のシートベルト装置31のバックル36は、自立姿勢を保つことができる。この結果、シートベルト33(図2参照)の装着時若しくは離脱時の利便性の向上を図ることができる。
【0036】
図3及び図4に示されたように、シートベルト装置の連結具保持構造60Lは、シート14(シートクッション21)の着座面21aに形成した収納凹部23と、この収納凹部23に左右に併設した状態で収納され、シートベルト33を連結する第1の連結具(バックル)36及び第2の連結具(バックル)46とを備える。
【0037】
収納凹部23の内壁23aに、少なくとも第1の連結具36若しくは第2の連結具46の一方を保持する保持バンド61が設けられたので、第1の連結具36若しくは第2の連結具46の他方を使用している場合に、第1の連結具36若しくは第2の連結具46の一方を収納凹部23の内壁23aに保持しておくことができる。この結果、シートベルト33の装着時若しくは離脱時の利便性の向上を図ることができる。
また、収納凹部23の内壁23aに保持バンド61を設ける構成なので、シートベルト装置の連結具保持構造60Lの構造の簡素化を図ることができる。
【0038】
保持バンド61を、第1の連結具36若しくは第2の連結具46を収納凹部23の左の内壁23a若しくは右の内壁23bの一方に保持するようにしたものといえ、第1の連結具36若しくは第2の連結具46を収納凹部23に安定させた姿勢で保持することができる。
【0039】
図8は本発明に係る第2実施例の連結具保持構造の平面図であり、図9は図8の9−9線断面図である。
シートベルト装置の連結具保持構造70は、シート71の着座面71aに形成された収納凹部73と、この収納凹部73に収納される一方のバックル75と、収納凹部73に収納される他方のバックル76と、収納凹部73の左の内壁73aに設けられ、一方のバックル75を保持する第1の保持バンド78と、収納凹部73の右の内壁73bに設けられ、他方のバックル76を保持する第2の保持バンド79とから構成される。
一方のバックル75が第1の連結具に相当し、他方のバックル76が第2の連結具に相当する。
【0040】
収納凹部73は、平面視略矩形の凹状に形成され、一方のバックル75の外側に形成された左の内壁73aと、他方のバックル76の外側に形成された右の内壁73bと、左右の内壁73a,73bと直交する前後の内壁73e,73fとから形成されている。
【0041】
第1の保持バンド78は、弾性を有するゴムバンドなどから形成されており、一方のバックル75を左の内壁73aに向けて付勢して保持する。
第2の保持バンド79は、第1の保持バンド78と同様に、弾性を有するゴムバンドなどから形成されており、他方のバックル76を右の内壁73bに向けて付勢して保持する。
なお、第1・第2の保持バンド78,79は、シート71の着座面71aに対して略略水平に張られる。
【0042】
第2実施例のシートベルト装置の連結具保持構造70では、保持バンド77が、収納凹部73の内壁73aに第1の連結具(バックル)75を保持する第1の保持バンド78と、収納凹部73の内壁73bに第2の連結具(バックル)76を保持する第2の保持バンド79とから構成されたので、第1の連結具78及び第2の連結具79の双方を独立して収納凹部73の内壁73a,73bに保持することができる。この結果、第1の連結具75及び第2の連結具76の内の一方を先に使用している場合にも、第1の連結具75及び第2の連結具76の内の他方を必ず保持しておくことができるので、更にシートベルト(不図示)の装着時若しくは離脱時の利便性の向上を図ることができる。
【0043】
図10は本発明に係る第3実施の連結具保持構造の平面図であり、図11は本発明に係る第4実施例の連結具保持構造の平面図である。
図10に示されたように、シートベルト装置の連結具保持構造80は、シート81の着座面81aに形成された収納凹部83と、この収納凹部83に収納される第1の連結具(第1のバックル)85と、収納凹部に収納される第2の連結具(第2のバックル)86と、収納凹部83の前の内壁83eに設けられ、第1・第2の連結具85,86を保持する1本の保持バンド87とから構成される。
【0044】
収納凹部83は、平面視略矩形の凹状に形成され、第1のバックル85の外側に形成された左の内壁83aと、第2のバックル86の外側に形成された右の内壁83bと、左右の内壁83a,83bと直交する前後の内壁83e,83fとから形成されている。
【0045】
保持バンド87は、弾性を有するゴムバンドなどから形成されており、第1のバックル85及び第2のバックル86をそれぞれ独立して、前の内壁83eに向けて付勢して保持する。なお、保持バンド87の幅方向中央部88aは前の内壁83eに取付けられている。また、保持バンド87は、シート81の着座面81aに対して略水平に張られる。
【0046】
図11に示されたように、シートベルト装置の連結具保持構造90は、シート91の着座面91aに形成された収納凹部93と、この収納凹部93に収納される第1の連結具(第1のバックル)95と、収納凹部93に収納される第2の連結具(第2のバックル)96と、収納凹部93の後の内壁93fに設けられ、第1・第2の連結具95,96を保持する1本の保持バンド97とから構成される。
【0047】
収納凹部93は、平面視略矩形の凹状に形成され、第1のバックル95の外側に形成された左の内壁93aと、第2のバックル96の外側に形成された右の内壁93bと、左右の内壁93a,93bと直交する前後の内壁93e,93fとから形成されている。
【0048】
保持バンド97は、弾性を有するゴムバンドなどから形成されており、第1のバックル95及び第2のバックル96をそれぞれ独立して、後の内壁93fに向けて付勢して保持する。なお、保持バンド97の幅方向中央部88aは前の内壁83eに取付けられている。また、保持バンド97は、シート91の着座面91aに対して略水平に張られる。
【0049】
シートベルト装置の連結具保持構造80,90では、保持バンド87,97が、第1の連結具85,95及び第2の連結具86,96を収納凹部83,93の左右の内壁83a,83b及び左右の内壁93a,93bと直交する前の内壁83e及び後の内壁93fに独立して保持するものといえる。すなわち、第1の連結具85,95及び第2の連結具86,96の双方を収納凹部83,93の前後の内壁83e,93fに保持する場合に、1本の保持バンド87,97で処理することができ、シートベルト装置の連結具保持構造80,90のさらなる簡素化を図ることができる。
【0050】
尚、本発明に係るシートベルト装置の連結具保持構造は、図2に示すように、2列目シート14に構成されたシートベルト装置の連結具保持構造60L,60Rであったが、これに限るものではなく、例えば、第3列目シートに構成される構造であってもよい。
また、第1の連結具36を保持ベルト61で左の内壁23aに保持したが、第2の連結具46を他の保持ベルトで右の内壁23bに保持するものであってもよい。
さらに、本発明に係るシートベルト装置の連結具保持構造は、シートクッションだけでなく、シートバックにも適用できる。
【0051】
シートベルト装置の連結具保持構造60L,60R,70,80,90において、第1・第2の連結具は、バックルでもタングでもどちらでもよい。
また、保持バンド61,62,78,79,87,97は、シートの着座面に対して略水平に張ったものであったが、これに限るものではなく、保持バンドをシートの着座面に対して傾斜させて張るものであってもよい。これにより、連結具の取出し性の向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係るシートベルト装置の連結具保持構造は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係るシートベルト装置の連結具保持構造を採用する車両の斜視図である。
【図2】本発明に係るシートベルト装置の連結具保持構造を採用したシートの斜視図である。
【図3】本発明に係る左側の連結具保持構造の平面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】本発明に係る右側の連結具保持構造の平面図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】本発明に係る左側の連結具保持構造の比較検討図である。
【図8】本発明に係る第2実施例の連結具保持構造の平面図である。
【図9】図8の9−9線断面図である。
【図10】本発明に係る第3実施例の連結具保持構造の平面図である。
【図11】本発明に係る第4実施例の連結具保持構造の平面図である。
【符号の説明】
【0054】
14…2列目シート、21…シートクッション、21a…着座面、23…収納凹部、23a,23b…左右の内壁、36,46…第1・第2の連結具(バックル)、60L…シートベルト装置の連結具保持構造、61…保持バンド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの着座面に形成した収納凹部と、この収納凹部に左右に併設した状態で収納され、シートベルトを連結する第1の連結具及び第2の連結具とを備えたシートベルト装置の連結具保持構造において、
前記収納凹部の内壁に、少なくとも前記第1の連結具若しくは第2の連結具の一方を保持する保持バンドが設けられたことを特徴とするシートベルト装置の連結具保持構造。
【請求項2】
前記保持バンドは、前記第1の連結具若しくは第2の連結具を前記収納凹部の左右の内壁の一方に保持することを特徴とする請求項1記載のシートベルト装置の連結具保持構造。
【請求項3】
前記保持バンドは、前記第1の連結具及び第2の連結具を前記収納凹部の左右の内壁と直交する前後の内壁に独立して保持することを特徴とする請求項1記載のシートベルト装置の連結具保持構造。
【請求項4】
前記保持バンドは、前記収納凹部の内壁に前記第1の連結具を保持する第1の保持バンドと、前記収納凹部の内壁に前記第2の連結具を保持する第2の保持バンドとから構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシートベルト装置の連結具保持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−89686(P2010−89686A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262927(P2008−262927)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】