説明

シート後処理装置

【課題】シート材束がずれることなく積載することが可能で、シート材束を積載性の向上を図るとともに、シート材受け入れ時間を短縮し、生産性の向上を図ることが可能である。
【解決手段】シート後処理装置1は、画像形成装置より排出されるシート材100を積載トレイ3に搬送するシート搬送手段10と、前後進可能であり、シート搬送手段10により排出されるシート材の後端部を前進位置で支持するサポート20と、シート搬送手段により排出されるシート材の先端側部と先端底部とを支持し揃えてスタックする左右一対のジョガー31を有するジョガー・スタック手段30とを有し、左右一対のジョガーを開くことにより、揃えたシート材束110の先端側を積載トレイ上に落し、シート材束の後端部をサポートに載せた状態とし、サポートを後進させて、サポートに載せたシート材束の後端部を積載トレイ上に落して積載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置に接続されるシート後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置から排出されるシート材に対して、ジョガー・スタック処理及びスティプル処理を施すシート後処理装置が知られている。このシート後処理装置として、例えば画像形成装置より排出されるシート材をジョガー・スタック手段のフェンスを開くことにより、スティプル手段によりスティプルされたシート材束を積載トレイ上に落して積載し、この積載されたシート材束上に、シート搬送手段により次のシート材を重ねて排出して、ジョガー・スタック手段により次のシート材束を形成するものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−225227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようにして、シート材束を積載トレイ上に落して積載し、この積載されたシート材束上に、次のシート材を重ねて排出して積載するが、シート材束を積載トレイ上に落すときに、シート材束とシート材束との間の空気の逃げ場がなく、この空気によって積載するシート材束がずれことがある。
【0005】
また、スティプルされたシート材束を積載トレイ上に落して積載する場合に、シート材束のスティプルする針などがジョガー・スタック手段のフェンスに引っかかり、処理のトラブルになったり、引っかかりによって積載するシート材束がずれことがある。
【0006】
この発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、シート材束がずれることなく積載することが可能で、シート材束を積載性の向上を図るとともに、シート材受け入れ時間を短縮し、生産性の向上を図ることが可能なシート後処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0008】
請求項1に記載の発明は、画像形成装置より排出されるシート材を積載トレイに搬送するシート搬送手段と、
前記シート搬送手段により排出されるシート材の先端側部と先端底部とを支持し揃えてスタックする左右一対のジョガーを有するジョガー・スタック手段とを有し、
前記左右一対のジョガーを開くことにより、前記揃えたシート材束を前記積載トレイ上に落して積載することを特徴とするシート後処理装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前後進可能であり、前記シート搬送手段により排出されるシート材の後端部を前進位置で支持するサポートを有し、
前記左右一対のジョガーを開くことにより、前記揃えたシート材束の先端側を前記積載トレイ上に落し、前記シート材束の後端部を前記サポートに載せた状態とし、
前記サポートを後進させて、前記サポートに載せた前記シート材束の後端部を前記積載トレイ上に落して積載することを特徴とする請求項1に記載のシート後処理装置である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記左右一対のジョガーは、シート材排出センター位置に対して左右方向に移動可能であり、
シート材排出センター位置においてシート材束を揃えて左右方向の一方へ移動して積載位置で前記左右一対のジョガーを開き、その後前記サポートを後進させて前記シート材束を前記積載トレイ上に落して積載する動作と、
シート材排出センター位置においてシート材束を揃えて左右方向の他方へ移動して積載位置で前記左右一対のジョガーを開き、その後前記サポートを後進させて前記シート材束を前記積載トレイ上に落して積載する動作とを繰り返し、
前記シート材束を前記積載トレイ上に交互に変位させて積載することを特徴とする請求項2に記載のシート後処理装置である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記左右一対のジョガーは、シート材排出センター位置に対して左右方向に移動可能であり、
シート材排出センター位置においてシート材束を揃えて左右方向の一方へのみ移動して積載位置で前記左右一対のジョガーを開き、その後前記サポートを後進させて前記シート材束を前記積載トレイ上に落して積載する動作を繰り返し、
前記シート材束を前記積載トレイ上に交互に変位させることなく積載することを特徴とする請求項2に記載のシート後処理装置である。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記左右一対のジョガーにより揃えられたシート材束をスティプルするスティプル手段を有し、
前記左右一対のジョガーを開くことにより、前記スティプル手段によりスティプルされたシート材束の先端側を前記積載トレイ上に落し、前記シート材束の後端部のみを前記サポートに載せた状態とし、
前記サポートを後進させて、前記サポートに載せた前記シート材束の後端部を前記積載トレイ上に落して積載することを特徴とする請求項2に記載のシート後処理装置である。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記左右一対のジョガーは、シート材排出センター位置に対して左右方向に移動可能であり、
シート材排出センター位置においてシート材束を揃えて左右方向の一方へ移動してスティプル位置で前記スティプル手段によりスティプルする動作と、
その後移動して一方の積載位置で前記左右一対のジョガーを開き、前記サポートを後進させて前記シート材束を前記積載トレイ上に落して積載する動作と、
シート材排出センター位置においてシート材束を揃えて左右方向の一方へ移動してスティプル位置で前記スティプル手段によりスティプルする動作と、
その後移動して他方の積載位置で前記左右一対のジョガーを開き、前記サポートを後進させて前記シート材束を前記積載トレイ上に落して積載する動作とを繰り返し、
前記シート材束を前記積載トレイ上に交互に変位させて積載することを特徴とする請求項5に記載のシート後処理装置である。
【0014】
請求項7に記載の発明は、前記左右一対のジョガーは、シート材排出センター位置に対して左右方向に移動可能であり、
シート材排出センター位置においてシート材束を揃えて左右方向の一方へのみ移動してスティプル位置で前記スティプル手段によりスティプルする動作と、
その後移動して一方の積載位置で前記左右一対のジョガーを開き、前記サポートを後進させて前記シート材束を前記積載トレイ上に落して積載する動作とを繰り返し、
前記シート材束を前記積載トレイ上に交互に変位させることなく積載することを特徴とする請求項5に記載のシート後処理装置である。
【0015】
請求項8に記載の発明は、前記左右一対のジョガーにより揃えられたシート材束をスティプルする位置にシート材束ホルダを配置し、
前記シート材束ホルダは、スティプルするシート材束の押さえ、スティプル手段を覆うカバーとして機能することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載されたシート後処理装置である。
【発明の効果】
【0016】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0017】
請求項1に記載の発明では、左右一対のジョガーを開くことにより、左右一対のジョガーにより揃えたシート材束を積載トレイ上に落すことで、シート材束がずれことがなく積載することができる。また、積載トレイ上に左右一対のジョガーを配置することで、シート材束を左右一対のジョガーから短時間に積載トレイ上に落して積載し、次のシート材を左右一対のジョガーを受け入れることができ、受け入れ時間を短縮し、生産性を向上することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明では、左右一対のジョガーを開くことにより、左右一対のジョガーにより揃えたシート材束の先端側を積載トレイ上に落し、シート材束の後端部のみをサポートに載せた状態にし、その後サポートを後進させて、サポートに載せたシート材束の後端部を積載トレイ上に落して積載することで、シート材束を積載トレイ上に落すときに、空気がシート材束の先端側から後端側に逃げることから、空気によって積載するシート材束がずれことがない。
【0019】
請求項3に記載の発明では、シート材束を積載トレイ上に交互に変位させて積載するが、シート材束を積載トレイ上に落して積載するときに、空気によって積載するシート材束がずれことがない。
【0020】
請求項4に記載の発明では、シート材束を積載トレイ上に交互に変位させることなく積載するが、シート材束を積載トレイ上に落して積載するときに、空気によって積載するシート材束がずれことがない。
【0021】
請求項5に記載の発明では、左右一対のジョガーを開くことにより、スティプル手段によりスティプルされたシート材束の先端側を積載トレイ上に落し、シート材束の後端部のみをサポートに載せた状態で、サポートを後進させて、サポートに載せたシート材束の後端部を積載トレイ上に落して積載することで、シート材束のスティプルする針などが左右一対のジョガーに引っかかることを防止でき、引っかかりによって積載するシート材束がずれことがない。
【0022】
請求項6に記載の発明では、スティプルしたシート材束を積載トレイ上に交互に変位させて積載するが、シート材束のスティプルする針などが引っかかることを防止でき、引っかかりによって積載するシート材束がずれことがない。
【0023】
請求項7に記載の発明では、シート材束を積載トレイ上に交互に変位させることなく積載するが、シート材束のスティプルする針などが引っかかることを防止でき、引っかかりによって積載するシート材束がずれことがない。
【0024】
請求項8に記載の発明では、左右一対のジョガーにより揃えられたシート材束をスティプルする位置にシート材束ホルダを配置し、シート材束ホルダによってスティプルするシート材束の押さえ、シート材束がずれることなくスティプルすることができる。また、シート材束ホルダによってスティプル手段を覆うカバーすることで、指などがスティプルする位置に入ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】シート後処理装置を示す図である。
【図2】シート後処理装置の断面図である。
【図3】サポートの作動を示す図である。
【図4】スタック及びジョガーを示す図である。
【図5】シート材束の積載を示す図である。
【図6】ジョガー及びスタックの状態を示す図である。
【図7】スティプルの状態を示す図である。
【図8】スティプルしない場合の作動を説明する図である。
【図9】スティプルしない場合の作動を説明する図である。
【図10】スティプルする場合の作動を説明する図である。
【図11】スティプルする場合の作動を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明のシート後処理装置の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
【0027】
(シート後処理装置の構成)
図1はシート後処理装置を示し、図1(a)は正面図、図1(b)平面図、図1(c)右側面図である。
【0028】
この実施の形態のシート後処理装置1は、装置本体2に、積載トレイ3、サポート20、ジョガー・スタック手段30、スティプル手段40などを有する。このシート後処理装置1は、複写機やプリンタ等の画像形成装置の上部に配置され、この画像形成装置から排出されるシート材が下方から搬入され、ジョガー・スタック処理及びスティプル処理を施し、処理されたシート材束は積載トレイ3上に積載される。
【0029】
図2はシート後処理装置の断面図、図3はサポートの作動を示し、図3(a)はサポートが後進した状態を示す図、図3(b)はサポートが前進した状態を示す図、図4はスタック及びジョガーを示す図、図5はシート材束の積載を示し、図5(a)は揃えたシート材束の先端側を積載トレイ上に落す状態を示す図、図5(b)は揃えたシート材束の後端側を積載トレイ上に落す状態を示す図である。
【0030】
この実施の形態の装置本体2には、シート搬送手段10と、サポート20と、ジョガー・スタック手段30と、スティプル手段40などが配置される。シート搬送手段10は、搬送ガイド11と、搬送ローラ12から構成され、画像形成装置より排出されるシート材100を、装置本体2の下方位置から積載トレイ3上に搬送する。搬送ローラ12は、例えばモータ、ベルト、ギヤなどの動力伝達手段などで構成される搬送駆動手段200によって駆動され、この搬送駆動手段200によって搬送ローラ12を駆動してシート材100が搬送される。
【0031】
サポート20は、積載トレイ3の上方位置に例えば3個横方向に並べて配置される。このサポート20は、装置本体2にシート材排出方向に前後進可能であり、シート搬送手段10により排出されたシート材100の後端部を、サポート20の前進位置で支持し、後進位置で落下させる。サポート20は、例えばモータ、カムなどの動力伝達手段などで構成されるサポート駆動201によって駆動され、このサポート駆動201によってサポート20を前後進する。
【0032】
ジョガー・スタック手段30は、スタック及びジョガーする左右一対のジョガー31を有する。この左右一対のジョガー31は、装置本体2にシート材排出センター位置に対して左右方向に移動可能である。この左右一対のジョガー31は、下ガイド31aと、上ガイド31bと、連結ガイド31cからなる断面コ字状であり、シート搬送手段10により排出されたシート材の先端両側端部と先端両側底部とを支持してスタック及びジョガーする。
【0033】
左右一対のジョガー31は、スライドレバー32によって移動体38に設けられ、左右一対のジョガー31の揃えや開閉には、モータ、作動軸などの動力伝達手段などで構成されるジョガー駆動手段202によって駆動され、左右方向の移動はモータ、ギヤ、ベルトなどの動力伝達手段などで構成されるジョガー移動駆動手段203によって駆動される。左右一対のジョガー31によりシート材100を揃え、この左右一対のジョガー31を開くことにより、揃えたシート材束110の先端側を積載トレイ3上に落し、シート材束110の後端部のみをサポート20に載せた状態とし、そしてサポート20を後進させて、サポート20に載せたシート材束110の後端部を積載トレイ3上に落して積載する。
【0034】
この積載するとき、左右一対のジョガー31は、下ガイド31aと、上ガイド31bと、連結ガイド31cからなる断面コ字状であり、シート材100の先端両側端部と先端両側底部とを支持していることから、左右一対のジョガー31を開くことにより、揃えたシート材束110の先端側が積載トレイ3上に落ちる。シート材束110の後端部はサポート20に載っており、このサポート20を後進させて、サポート20に載せたシート材束110の後端部を積載トレイ3上に落して積載することで、シート材束110を積載トレイ3上に落すときに、シート材束110の先端側から後端側に空気が逃げることから、空気によって積載するシート材束110がずれことがない。また、積載トレイ3上に左右一対のジョガー31を配置することで、シート材束110を左右一対のジョガー31から短時間に積載トレイ3上に落して積載し、次のシート材100を左右一対のジョガー31を受け入れることができ、受け入れ時間を短縮し、生産性を向上することができる。
【0035】
スティプル手段40は、装置本体2の右側に内臓して配置され、ジョガー・スタック手段30により揃えられたシート材束110をスティプルする。このスティプル手段40は、シート材束110の後端の隅部を針によって閉じる構成であり、従来公知のものが用いられている。
【0036】
図6はジョガー及びスタックの状態を示す図、図7はスティプルの状態を示す図である。装置本体2の右側には、ジョガー・スタック手段30により揃えられたシート材束110をスティプルする位置にシート材束ホルダ50を配置する。このシート材束ホルダ50は、スティプルするシート材束110の押さえ、またスティプル手段40を覆うカバーとして機能する。
【0037】
図6では、ジョガー・スタック手段30の左右一対のジョガー31は、ジョガー・スタックの位置にあり、シート材束ホルダ50はスティプル手段40を覆うカバーとして機能し、指などがスティプルする位置に入ることを防止している。この状態では、右側のジョガー31を支持するスライドレバー32に形成した突起33がアーム34を作動させない位置にある。アーム34は、補助レバー35を介してリンク36の一方の端部36aを押すと、他方の端部36bが安全スイッチ37の接点37aを押して安全スイッチ37をオフ状態とする。
【0038】
ジョガー・スタック手段30の左右一対のジョガー31が、ジョガー・スタックの位置にあるときは、右側のジョガー31を支持するスライドレバー32に形成した突起33がアーム34を作動させない位置にあることから、アーム34は、補助レバー35を介してリンク36の一方の端部36aを押すことがなく、リンク36が作動しないから安全スイッチ37は非通電のオフ状態でスティプル手段40の作動を禁止している。
【0039】
図7では、ジョガー・スタック手段30の左右一対のジョガー31がスティプルの位置に移動し、スティプルするがこのスティプル位置では、右側のジョガー31を支持するスライドレバー32に形成した突起33がアーム34を作動させることから、アーム34は、補助レバー35を介してリンク36の一方の端部36aを押し、リンク36が作動して他方の端部36bが安全スイッチ37の接点37aを押して安全スイッチ37を通電のオン状態とし、スティプル手段40が作動してスティプルする。
【0040】
(シート後処理装置の作動)
制御装置300は、シート材100の揃えの枚数の指令を画像形成装置の制御装置から受け、搬送駆動手段200、サポート駆動201、ジョガー駆動手段202、ジョガー移動駆動手段203を駆動して、スティプルしない場合のシフト積作動及び棒積作動、スティプルする場合のシフト積作動及び棒積作動を行う。
【0041】
[スティプルしない場合のシフト積作動]
スティプルしない場合の作動を、図8及び図9に基づいて説明する。左右一対のジョガー31は、シート材排出センター位置K1に対して左右方向に移動可能であり、シート材100は搬送されてきたシート材排出センター位置K1を基準とし、シート材100の右側端面と左側端面を左右一対のジョガー31の作動で揃える。シート材100の後端部は、前進位置のサポート20によって支持する(ステップa11)。
【0042】
シート材100の右側端面と左側端面を揃えた後に、シート材束110の右側端面と左側端面を左右一対のジョガー31によって挟みながらシート材排出センター位置K1から右方向へ移動し、距離L1離れた積載位置K2とする(ステップa12)。
【0043】
この積載位置K2で、左右一対のジョガー31を開き、揃えたシート材束110の先端側を積載トレイ3上に落し、シート材束110の後端部のみをサポート20に載せた状態となる。この状態で、次にサポート20を後進させて、サポート20に載せたシート材束110の後端部を積載トレイ3上に落して積載する(ステップa13)。このシート材束110を積載トレイ3上に落すときに、落とすシート材束110の先端側から後端側に空気が逃げることから、空気によって積載するシート材束110がずれことがない。
【0044】
次に、左右一対のジョガー31をシート材排出センター位置K1へ移動し、次に送られてくるシート材100はシート材排出センター位置K1を基準とし、シート材100の右側端面と左側端面を左右一対のジョガー31の作動で揃え、シート材100の後端部は、前進位置のサポート20によって支持する(ステップa14)。
【0045】
シート材100の右側端面と左側端面を揃えた後に、シート材束110の右側端面と左側端面を左右一対のジョガー31によって挟みながらシート材排出センター位置K1から左方向へ移動し、距離L2離れた積載位置K3とする(ステップa15)。
【0046】
この積載位置K3で、左右一対のジョガー31を開き、揃えたシート材束110の先端側を積載トレイ3上に落し、シート材束110の後端部のみをサポート20に載せた状態となる。この状態で、次にサポート20を後進させて、サポート20に載せたシート材束110の後端部を積載トレイ3上に落して積載する(ステップa16)。このシート材束110を積載トレイ3上に落すときに、落とすシート材束110の先端側から後端側に空気が逃げることから、空気によって積載するシート材束110がずれことがない。
【0047】
このように、シート材排出センター位置K1においてシート材束110を揃えて左右方向の一方へ移動して積載位置K2で左右一対のジョガー31を開き、サポート20を後進させてシート材束110を積載トレイ3上に落して積載する動作と、シート材排出センター位置K1においてシート材束110を揃えて左右方向の他方へ移動して積載位置K3で左右一対のジョガー31を開き、サポート20を後進させてシート材束110を積載トレイ3上に落して積載する動作とを繰り返し、シート材束110を積載トレイ3上に交互に変位L3させて積載する(ステップa17)。
【0048】
[スティプルしない場合の棒積作動]
スティプルしない場合のシフト積作動で説明したステップa11乃至ステップa13を繰り返して行い、ステップa14以降の作動はしない。このように、シート材排出センター位置K1においてシート材束110を揃えて左右方向の一方へのみ移動して積載位置K2で左右一対のジョガー31を開き、サポート20を後進させてシート材束110を積載トレイ3上に落して積載する動作を繰り返し、シート材束110を積載トレイ3上に交互に変位させることなく積載する。
【0049】
[スティプルする場合のシフト積作動]
スティプルする場合の作動を、図10及び図11に基づいて説明する。左右一対のジョガー31をシート材排出センター位置K1に対して左右方向に移動可能であり、シート材100は搬送されてきたシート材排出センター位置K1を基準とし、シート材100の右側端面と左側端面を左右一対のジョガー31の作動で揃える。シート材100の後端部は、前進位置のサポート20によって支持される(ステップa21)。
【0050】
シート材100の右側端面と左側端面を揃えた後に、シート材束110の右側端面と左側端面を左右一対のジョガー31によって挟みながら右方向へ移動してスティプル位置K4でスティプル手段によりスティプルする(ステップa22)。スティプル後、シート材束110の右側端面と左側端面を左右一対のジョガー31によって挟みながら左方向へ移動して戻し積載位置K2とする(ステップa23)。
【0051】
この積載位置K2で、左右一対のジョガー31を開き、スティプルしたシート材束110の先端側を積載トレイ3上に落し、シート材束110の後端部のみをサポート20に載せた状態とする。この状態で、次にサポート20を後進させて、サポート20に載せたシート材束110の後端部を積載トレイ3上に落して積載する(ステップa24)。
【0052】
次に、左右一対のジョガー31をシート材排出センター位置K1へ移動し、次に送られてくるシート材100はシート材排出センター位置K1を基準とし、シート材100の右側端面と左側端面を左右一対のジョガー31の作動で揃え、シート材束110の後端部は、前進位置のサポート20によって支持される(ステップa25)。
【0053】
シート材の右側端面と左側端面を揃えた後に、シート材束110の右側端面と左側端面を左右一対のジョガー31によって挟みながら右方向へ移動してスティプル位置K4でスティプル手段によりスティプルする(ステップa26)。スティプル後、シート材束110の右側端面と左側端面を左右一対のジョガー31によって挟みながら左方向へ移動して戻し積載位置K3とする(ステップa27)。
【0054】
この積載位置K3で、左右一対のジョガー31を開き、スティプルしたシート材束110の先端側を積載トレイ3上に落し、シート材束110の後端部のみをサポート20に載せた状態とする。この状態で、次にサポート20を後進させて、サポート20に載せたシート材束110の後端部を積載トレイ3上に落して積載する(ステップa28)。
【0055】
このように、シート材排出センター位置K1においてシート材束110を揃えて左右方向の一方へ移動してスティプル位置K4でスティプル手段40によりスティプルする動作と、その後移動して一方の積載位置K2で左右一対のジョガー31を開き、サポート20を後進させてシート材束110を積載トレイ3上に落して積載する動作と、シート材排出センター位置K1においてシート材束110を揃えて左右方向の一方へ移動してスティプル位置K4でスティプル手段40によりスティプルする動作と、その後移動して他方の積載位置K3で左右一対のジョガー31を開き、サポート20を後進させてシート材束110を積載トレイ3上に落して積載する動作とを繰り返し、シート材束110を積載トレイ3上に交互に変位L3させて積載する(ステップa29)。
【0056】
[スティプルする場合の棒積作動]
スティプルする場合のシフト積作動で説明したステップa21乃至ステップa24を繰り返して行い、ステップa25以降の作動はしない。このように、シート材排出センター位置K1においてシート材束110を揃えて左右方向の一方へのみ移動してスティプル位置K4でスティプル手段40によりスティプルする動作と、その後移動して一方の積載位置K2で左右一対のジョガー31を開き、サポート20を後進させてシート材束110を積載トレイ3上に落して積載する動作とを繰り返し、シート材束110を積載トレイ3上に交互に変位させることなく積載する。
【産業上の利用可能性】
【0057】
この発明は、従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置に接続されるシート後処理装置に適用され、シート材束がずれることなく積載することが可能で、シート材束を積載性の向上を図るとともに、シート材受け入れ時間を短縮し、生産性の向上を図ることが可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 シート後処理装置
2 装置本体
3 積載トレイ
10 シート搬送手段
11 搬送ガイド
12 搬送ローラ
20 サポート
30 ジョガー・スタック手段
31 左右一対のジョガー
31a下ガイド
31b上ガイド
31c 連結ガイド
32 スライドレバー
33 突起
34 アーム
35 補助レバー
36 リンク
37 安全スイッチ
38 移動体
40 スティプル手段
50 シート材束ホルダ
100 シート材
110 シート材束
200 搬送駆動手段
201 サポート駆動手段
202 ジョガー駆動手段
203 ジョガー移動駆動手段
300 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置より排出されるシート材を積載トレイに搬送するシート搬送手段と、
前記シート搬送手段により排出されるシート材の先端側部と先端底部とを支持し揃えてスタックする左右一対のジョガーを有するジョガー・スタック手段とを有し、
前記左右一対のジョガーを開くことにより、前記揃えたシート材束を前記積載トレイ上に落して積載することを特徴とするシート後処理装置。
【請求項2】
前後進可能であり、前記シート搬送手段により排出されるシート材の後端部を前進位置で支持するサポートを有し、
前記左右一対のジョガーを開くことにより、前記揃えたシート材束の先端側を前記積載トレイ上に落し、前記シート材束の後端部を前記サポートに載せた状態とし、
前記サポートを後進させて、前記サポートに載せた前記シート材束の後端部を前記積載トレイ上に落して積載することを特徴とする請求項1に記載のシート後処理装置。
【請求項3】
前記左右一対のジョガーは、シート材排出センター位置に対して左右方向に移動可能であり、
シート材排出センター位置においてシート材束を揃えて左右方向の一方へ移動して積載位置で前記左右一対のジョガーを開き、その後前記サポートを後進させて前記シート材束を前記積載トレイ上に落して積載する動作と、
シート材排出センター位置においてシート材束を揃えて左右方向の他方へ移動して積載位置で前記左右一対のジョガーを開き、その後前記サポートを後進させて前記シート材束を前記積載トレイ上に落して積載する動作とを繰り返し、
前記シート材束を前記積載トレイ上に交互に変位させて積載することを特徴とする請求項2に記載のシート後処理装置。
【請求項4】
前記左右一対のジョガーは、シート材排出センター位置に対して左右方向に移動可能であり、
シート材排出センター位置においてシート材束を揃えて左右方向の一方へのみ移動して積載位置で前記左右一対のジョガーを開き、その後前記サポートを後進させて前記シート材束を前記積載トレイ上に落して積載する動作を繰り返し、
前記シート材束を前記積載トレイ上に交互に変位させることなく積載することを特徴とする請求項2に記載のシート後処理装置。
【請求項5】
前記左右一対のジョガーにより揃えられたシート材束をスティプルするスティプル手段を有し、
前記左右一対のジョガーを開くことにより、前記スティプル手段によりスティプルされたシート材束の先端側を前記積載トレイ上に落し、前記シート材束の後端部のみを前記サポートに載せた状態とし、
前記サポートを後進させて、前記サポートに載せた前記シート材束の後端部を前記積載トレイ上に落して積載することを特徴とする請求項2に記載のシート後処理装置。
【請求項6】
前記左右一対のジョガーは、シート材排出センター位置に対して左右方向に移動可能であり、
シート材排出センター位置においてシート材束を揃えて左右方向の一方へ移動してスティプル位置で前記スティプル手段によりスティプルする動作と、
その後移動して一方の積載位置で前記左右一対のジョガーを開き、前記サポートを後進させて前記シート材束を前記積載トレイ上に落して積載する動作と、
シート材排出センター位置においてシート材束を揃えて左右方向の一方へ移動してスティプル位置で前記スティプル手段によりスティプルする動作と、
その後移動して他方の積載位置で前記左右一対のジョガーを開き、前記サポートを後進させて前記シート材束を前記積載トレイ上に落して積載する動作とを繰り返し、
前記シート材束を前記積載トレイ上に交互に変位させて積載することを特徴とする請求項5に記載のシート後処理装置。
【請求項7】
前記左右一対のジョガーは、シート材排出センター位置に対して左右方向に移動可能であり、
シート材排出センター位置においてシート材束を揃えて左右方向の一方へのみ移動してスティプル位置で前記スティプル手段によりスティプルする動作と、
その後移動して一方の積載位置で前記左右一対のジョガーを開き、前記サポートを後進させて前記シート材束を前記積載トレイ上に落して積載する動作とを繰り返し、
前記シート材束を前記積載トレイ上に交互に変位させることなく積載することを特徴とする請求項5に記載のシート後処理装置。
【請求項8】
前記左右一対のジョガーにより揃えられたシート材束をスティプルする位置にシート材束ホルダを配置し、
前記シート材束ホルダは、スティプルするシート材束の押さえ、スティプル手段を覆うカバーとして機能することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載されたシート後処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−52937(P2013−52937A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190529(P2011−190529)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【特許番号】特許第5028666号(P5028666)
【特許公報発行日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【出願人】(391063352)グラドコジャパン株式会社 (23)
【Fターム(参考)】