説明

シールド効果を有するコネクタ装置

【課題】コネクタ装置のシールド効果を向上させること、また、帰還電流のループを小さくして放射ノイズの影響を小さくすること。
【解決手段】第1部材と、これと嵌合可能な第2部材を有する。第1部材は、第1ハウジングと、複数の第1信号端子と、第1シールド部材を有する。第1シールド部材は、複数の第1信号端子の配列方向に沿って幅広に形成され、複数の第1信号端子に隣接して配置されて複数の第1信号端子を外部から遮蔽する、第1シールド板を有する。第2部材は、第2ハウジングと、複数の第2信号端子と、第2シールド部材を有する。第2シールド部材は、複数の第2信号端子の配列方向に沿って幅広に形成され、複数の第2信号端子に隣接して配置されて複数の第2信号端子を外部から遮蔽する、第2シールド板を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
プラグコネクタと、これと嵌合可能なレセプタクルコネクタと、を有するコネクタ装置であって、これらのプラグコネクタとレセプタクルコネクタにシールド構造を設けたコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図23に、従来技術によるコネクタ装置の一例を示す。このコネクタ装置は、図中(a)に示したプラグコネクタ121と、図中(b)に示したレセプタクルコネクタ111の対から成る。
【0003】
プラグコネクタ121には、絶縁性のハウジング123と、このハウジング123に固定された複数の信号端子125が含まれる。ハウジング123の一部は、外部に突出し、この突出部の側面に複数の信号端子125が露出した状態で配列されている。
【0004】
レセプタクルコネクタ111には、絶縁性のハウジング113と、このハウジング113に固定された複数の信号端子115、更に、少なくともハウジング113の外部を取り巻くシールド部材117が含まれる。ハウジング113の中央には、プラグコネクタ121の突出部が挿入される嵌合穴118が設けられており、シールド部材117の一部は、この嵌合穴118の内部に延長部116として延びている。
【0005】
レセプタクルコネクタ111の嵌合穴118に、プラグコネクタ121の突出部を挿入することにより、両者が嵌合されたとき、レセプタクルコネクタ111側の信号端子115と、プラグコネクタ121の信号端子125が接触し、信号伝達が行われる。更に、このとき、レセプタクルコネクタ111側に設けられたシールド部材117により、レセプタクルコネクタ111とプラグコネクタ121の全体が、シールドされるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−71769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の従来構成においては、シールド部材117が、レセプタクルコネクタ111側にのみ設けられていることから、レセプタクルコネクタ111とプラグコネクタ121の嵌合時において、シールド効果を十分に得ることができないという問題があった。
【0008】
また、よく知られているように、信号電流が流れれば、これに対応する帰還電流(リターン電流)が流れるが、上記の従来構成では、信号電流と帰還電流によって形成される電流ループが大きく、この結果、大きな放射ノイズが生じる危険が高かった。
【0009】
本発明はこれら従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、シールド効果を向上させること、また、帰還電流のループを小さくして放射ノイズの影響を小さくすることを課題とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シールド効果を向上させ、また、帰還電流のループを小さくして放射ノイズの影響を小さくすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1部材と、前記第1部材と嵌合可能な第2部材と、を有するコネクタ装置において、前記第1部材は、第1ハウジングと、前記第1ハウジングに配列された複数の第1信号端子であって、それぞれの一端に、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第2部材の対応端子の所定部分と接触し得る第1端子接触部を有する、前記複数の第1信号端子と、前記第1ハウジングに設けられた第1シールド部材と、を有し、前記第1シールド部材は、前記複数の第1信号端子の配列方向に沿って幅広に形成され、前記複数の第1信号端子を外部から遮蔽する、第1シールド板と、前記第1シールド板の一端を形成し、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第2部材の対応部分と接触し得る、第1グランド接触部と、前記第1シールド板の他端を形成する、複数の第1グランド固定部と、を備え、前記第2部材は、第2ハウジングと、前記第2ハウジングに配列された複数の第2信号端子であって、それぞれの一端に、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第1部材の前記複数の第1信号端子の対応する前記第1端子接触部と接触し得る第2端子接触部を有する、前記複数の第2信号端子と、前記第2ハウジングに設けられた第2シールド部材と、を有し、前記第2シールド部材は、前記複数の第2信号端子の配列方向に沿って幅広に形成され、前記複数の第2信号端子を外部から遮蔽する、第2シールド板と、前記第2シールド板の一端を形成し、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第1部材の対応する第1グランド接触部と接触し得る、第2グランド接触部と、前記第2シールド板の他端を形成する、複数の第2グランド固定部と、を有し、前記複数の第1信号端子の複数の第1端子接触部と、前記第1シールド部材の複数の第1グランド接触部は、前記配列方向に沿って略等ピッチで配列されており、また、前記複数の第2信号端子の複数の第2端子接触部と、前記第2シールド部材の複数の第2グランド接触部は、前記配列方向に沿って略等ピッチで配列されているコネクタ装置を特徴としている。
【0012】
上記コネクタ装置において、前記複数の第1信号端子の複数の第1端子接触部と、前記第1シールド部材の複数の第1グランド接触部は、前記配列方向に沿って略等ピッチで配列されており、また、前記複数の第2信号端子の複数の第2端子接触部と、前記第2シールド部材の複数の第2グランド接触部は、前記配列方向に沿って略等ピッチで配列されていてもよい。
【0013】
また、上記コネクタ装置において、前記複数の第1信号端子は、それぞれの他端に、第1端子固定部を有し、前記複数の第1端子固定部と、前記第1シールド部材の複数の第1グランド固定部は、前記配列方向に沿って略等ピッチで配列されており、また、前記複数の第2信号端子は、それぞれの他端に、第2端子固定部を有し、前記複数の第2端子固定部と、前記第2シールド部材の複数の第2グランド固定部は、前記配列方向に沿って略等ピッチで配列されていてもよい。
【0014】
更に、上記コネクタ装置において、前記第1シールド部材の複数の第1グランド接触部と、前記第1シールド部材の複数の第1グランド固定部は、前記嵌合方向に沿って対応的に設けられており、また、前記第2シールド部材の複数の第2グランド接触部と、前記第2シールド部材の複数の第2グランド固定部は、前記嵌合方向に沿って対応的に設けられているのが好ましい。
【0015】
更にまた、上記コネクタ装置において、前記第1グランド接触部同士の間に、2つの前記第1端子接触部が、及び、前記第1グランド固定部同士の間に、2つの前記第1端子固定部が、配置されており、また、前記第2グランド接触部同士の間に、2つの前記第2端子接触部が、及び、前記第2グランド固定部同士の間に、2つの前記第2端子固定部が、配置されていてもよい。
【0016】
また、上記コネクタ装置において、前記第1部材の第1ハウジングに、前記複数の第1信号端子と前記第1シールド部材が上下段に一つずつ設けられており、また、前記第2部材の第2ハウジングに、前記複数の第2信号端子と前記第2シールド部材が上下段に一つずつ設けられていてもよい。
【0017】
また、上記コネクタ装置において、上段に含まれる前記第1グランド固定部及び前記第1グランド接触部と下段に含まれる前記第1グランド固定部及び前記第1グランド接触部、又は、上段に含まれる前記第2グランド固定部及び前記第2グランド接触部と下段に含まれる前記第2グランド固定部及び前記第2グランド接触部は、それぞれ、前記配列方向においてずらされていてもよい。
【0018】
また、上記コネクタ装置において、前記第2部材は、嵌合穴を形成し、前記第1部材は、前記嵌合穴に挿入される突出部を形成してもよい。
【0019】
また、上記コネクタ装置において、前記嵌合穴は、基板に対して垂直に設けられていてもよい。上記コネクタ装置において、前記嵌合穴は、基板に対して水平に設けられていてもよい。上記コネクタ装置において、前記突出部は、基板に対して垂直に設けられていてもよい。
【0020】
更に、上記コネクタ装置において、前記突出部は、基板とは独立した状態で設けられていてもよい。この場合、前記第1部材の前記突出部に対して、前記第2部材が2つ固定される。
【0021】
更に、上記コネクタ装置において、前記第1シールド部材の前記第1グランド接触部の先端は、前記第2部材側に向って略直線状に固定されていてもよい。
【0022】
また、上記コネクタ装置において、前記第2シールド部材の前記第2グランド接触部の先端は、前記2シールド板との接続部付近に設けた曲部において略180°折り曲げられることにより前記第2部材側に向いた状態でバネ性を発揮するようになっていてもよい。
【0023】
また、上記コネクタ装置において、前記第2シールド部材の前記第2グランド接触部の先端は、前記2シールド板との接続部付近に設けた曲部において略180°折り曲げられることにより前記第1部材側に向いた状態でバネ性を発揮するようになっていてもよい。
また、本発明は、第1部材と、前記第1部材と嵌合可能な第2部材と、を有するコネクタ装置において、前記第1部材は、第1ハウジングと、前記第1ハウジングに前記嵌合方向に沿って並列に配列された複数の第1信号端子であって、それぞれの一端に、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第2部材の対応端子の所定部分と接触し得る第1端子接触部を有する、前記複数の第1信号端子と、前記第1ハウジングに設けられた第1シールド部材と、を有し、前記第1シールド部材は、前記複数の第1信号端子の配列方向に沿って幅広に形成され、前記複数の第1信号端子に隣接して配置されて前記複数の第1信号端子を外部から遮蔽する、第1シールド板と、前記第1シールド板から前記嵌合方向に沿って並列に延びて前記第1シールド板の一端を形成し、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第2部材の対応部分と接触し得る、第1グランド接触部と、前記第1シールド板から前記嵌合方向に沿って並列に延びて前記第1シールド板の他端を形成する、複数の第1グランド固定部と、を備え、前記第2部材は、第2ハウジングと、前記第2ハウジングに前記嵌合方向に沿って並列に配列された複数の第2信号端子であって、それぞれの一端に、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第1部材の前記複数の第1信号端子の対応する前記第1端子接触部と接触し得る第2端子接触部を有する、前記複数の第2信号端子と、前記第2ハウジングに設けられた第2シールド部材と、を有し、前記第2シールド部材は、前記複数の第2信号端子の配列方向に沿って幅広に形成され、前記複数の第2信号端子に隣接して配置されて前記複数の第2信号端子を外部から遮蔽する、第2シールド板と、前記第2シールド板から前記嵌合方向に沿って並列に延びて前記第2シールド板の一端を形成し、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第1部材の対応する第1グランド接触部と接触し得る、第2グランド接触部と、前記第2シールド板から前記嵌合方向に沿って並列に延びて前記第2シールド板の他端を形成する、複数の第2グランド固定部と、を有するコネクタ装置を特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本願発明の第一実施形態によるコネクタ装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】プラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合時における、信号端子やシールド部材の接触状態を示す斜視図である。
【図3】プラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合時における、信号端子やシールド部材の接触状態を示す横面図である。
【図4】プラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合時における、レセプタクルコネクタの背面図である。
【図5】図4におけるA−A線断面図である。
【図6】図4におけるB−B線断面図である。
【図7】図4におけるC−C線断面図である。
【図8】本構成による放射ノイズの低減効果を説明する図である。
【図9】本発明の第二実施形態によるコネクタ装置を示す図であり、第一実施形態の図1に相当する図である。
【図10】本発明の第二実施形態によるコネクタ装置を示す図であり、第一実施形態の図2に相当する図である。
【図11】本発明の第二実施形態によるコネクタ装置を示す図であり、第一実施形態の図3に相当する図である。
【図12】本発明の第二実施形態によるコネクタ装置を示す図であり、第一実施形態の図4に相当する図である。
【図13】本発明の第二実施形態によるコネクタ装置を示す図であり、第一実施形態の図5に相当する図である。
【図14】本発明の第二実施形態によるコネクタ装置を示す図であり、第一実施形態の図6に相当する図である。
【図15】本発明の第二実施形態によるコネクタ装置を示す図であり、第一実施形態の図7に相当する図である。
【図16】本発明の第三実施形態によるコネクタ装置を示す図であり、第一実施形態の図1に相当する図である。
【図17】本発明の第三実施形態によるコネクタ装置を示す図であり、第一実施形態の図10に相当する図である。
【図18】本発明の第三実施形態によるコネクタ装置を示す図であり、第一実施形態の図11に相当する図である。
【図19】本発明の第三実施形態によるコネクタ装置を示す図であり、第一実施形態の図12に相当する図である。
【図20】本発明の第三実施形態によるコネクタ装置を示す図であり、第一実施形態の図13に相当する図である。
【図21】本発明の第三実施形態によるコネクタ装置を示す図であり、第一実施形態の図14に相当する図である。
【図22】本発明の第三実施形態によるコネクタ装置を示す図であり、第一実施形態の図15に相当する図である。
【図23】従来例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しつつ、本願発明の好ましい実施形態によるコネクタ装置の一例を説明する。
【0026】
1.全体構造
図1に、本願発明の第一実施形態によるコネクタ装置10の使用状態を斜視図で示す。このコネクタ装置10は、プラグコネクタ20”と、これと嵌合可能なレセプタクルコネクタ60’を含む。プラグコネクタ20”とレセプタクルコネクタ60’は、それぞれ、基板11、11’に固定して使用することもできる。
【0027】
第一実施形態におけるプラグコネクタ20”は、基板11に対して垂直に設置される、いわゆるストレートタイプのコネクタ20”である。これに対して、レセプタクルコネクタ60’は、基板11’に対して水平に設置される、いわゆるライトアングルタイプのコネクタである。結果として、これらプラグコネクタ20”とレセプタクルコネクタ60’は、垂直嵌合を行うことになる。尚、以下の記載では、特に意味をなすと思われる場合を除き、プラグコネクタ20やレセプタクルコネクタ60に付すべき「”」や「’」は省略して説明している。
【0028】
プラグコネクタ20は、絶縁性のハウジング30と、このハウジング30に固定された信号端子(22等)、更に、ハウジング30に固定されたシールド部材(32等)を含む。シールド部材(32等)は、信号端子22等からは電気的にも物理的にも離間されている。ハウジング30は、両端に設けた支柱21と、これら支柱21の間に設けた挿入基板31を含む。信号端子(22等)は、挿入基板31に固定されている。
一方、レセプタクルコネクタ60は、絶縁性のハウジング70と、このハウジング70に固定された信号端子(62等)、更に、ハウジング70に固定されたシールド部材(72等)を含む。シールド部材(72等)は、信号端子(62等)からは電気的にも物理的にも離間されている。
【0029】
プラグコネクタ20は、支柱21と挿入基板31によって突出部を形成する。これに対応して、レセプタクルコネクタ60には、嵌合方向に窪んだ嵌合穴61が設けられている。嵌合時には、レセプタクルコネクタ60に設けた嵌合穴61に、プラグコネクタ20のこれら突出部21、31が挿入される。挿入時、プラグコネクタ20の信号端子22とレセプタクルコネクタ60の対応する信号端子62がそれぞれ接続され、これらの端子間で信号伝達が行われる。同時に、プラグコネクタ20のシールド部材(32等)とレセプタクルコネクタ60のシールド部材(72等)が接続され、グランド接続が行われる。
【0030】
2.プラグコネクタの信号端子等
図2は、プラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合時における、信号端子やシールド部材の接触状態を、それら信号端子やシールド部材だけを抜き出して示した斜視図、また、図3は、その横面図、図4は、プラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合時における、レセプタクルコネクタの背面図、更に、図5乃至図7は、図4に示した背面図におけるA−A線、B−B線、C−C線断面図である。
【0031】
プラグコネクタの信号端子には、上段の信号端子22と、下段の信号端子26が含まれる。これら上段の信号端子22と下段の信号端子26は、挿入基板(図1に示す挿入基板31)を介して互いに分離されており、上段及び下段のそれぞれにおいて、嵌合方向(図示矢印「ア」方向)に沿って並列に配列されている。
【0032】
上段の信号端子22の基部48の一端(先端)、或いは、下段の信号端子26の基部58の一端(先端)は、それぞれ、プラグコネクタ20とレセプタクルコネクタ60の嵌合時にレセプタクルコネクタ60の対応端子の所定部分と接触し得る、端子接触部24、28を形成する。これらの端子接触部24、28は、基部48、58を含め、レセプタクルコネクタ60側に向って略直線状に延びており、それらの全体が挿入基板(図1に示す挿入基板31)に固定されている。
一方、基部48、58の他端は、基板11に固定される端子固定部23、27を形成する。これらの端子固定部23、27は、基部48、58等に対して垂直上方又は下方に折り曲げられた状態で基板11に固定される。
尚、基部48、58には、ハウジング30に固定するための圧入突起48A、58Aが設けられていてもよい。
【0033】
プラグコネクタ20のシールド部材には、一体的に形成された、上段のシールド板32、複数のグランド接触部34、及び、複数のグランド固定部33が含まれる。更に、一体的に形成された、下段のシールド板36、複数のグランド接触部38、及び、複数のグランド固定部37をも含む。信号端子と同様に、上段のシールド板32等と下段のシールド板36等は、挿入基板(図1に示す挿入基板31)を介して互いに分離されている。
【0034】
上段及び下段のそれぞれに設けたシールド板32、36は各々、シールド部材の基部を成し、複数の信号端子22、26の配列方向(図示矢印「イ」方向)に沿って幅広に形成されている。また、これら上段及び下段のシールド板32、36は、複数の信号端子22、26に隣接してそれらと略並行に配置され、複数の信号端子22、26の少なくとも一部を外部から遮蔽する。このような構成により、プラグコネクタ20単独でも、クロストーク等の影響を効果的に防止することができるようになっている。尚、遮蔽をより確実にするため、シールド板32、36は、図示実施形態のように、基板付近まで設けられているのが好ましい。
【0035】
上段及び下段のそれぞれに設けた複数のグランド接触部34、38は各々、シールド板32、36の一端を形成し、配列方向(図示矢印「イ」方向)に沿って、信号端子22等と同幅で形成されている。これらのグランド接触部34、38は、挿入基板(図1の挿入基板31)に固定されており、シールド板32、36から嵌合方向に沿って並列に、且つ、シールド板32、36との境目付近に設けた段部44、44’を介して、レセプタクルコネクタ60側に向って略直線状に延びている。グランド接触部34、38は、プラグコネクタ20とレセプタクルコネクタ60の嵌合時には、レセプタクルコネクタ60の対応部分と接触し得る。
一方、上段及び下段のそれぞれに設けた複数のグランド固定部33、37は各々、シールド板32、36の他端を形成し、配列方向(図示矢印「イ」方向)に沿って、信号端子22やグランド接触部34等と同幅で形成されている。また、これらのグランド固定部33、37は、シールド板32、36から嵌合方向に沿って並列に、且つ、シールド板32、36に対して垂直上方又は下方に折り曲げられた状態で、基板11に固定されている。
【0036】
グランド接触部34(38)とグランド固定部33(37)は、嵌合方向に沿って対応的に設けられている点に注意していただきたい。例えば、図2において、配列方向(図示矢印「イ」方向)において最も手前に位置するグランド接触部34と、最も手前に位置するグランド固定部33は、嵌合方向(図示矢印「ア」方向)に沿って同一直線上に配置されている。また、図2において、配列方向の手前から3番目に位置するグランド接触部38と、同図において手前から3番目に位置するグランド固定部37は、嵌合方向(図示矢印「ア」方向)に沿って同一直線上に配置されている。
【0037】
更に、信号端子22の複数の端子接触部24とシールド部材の複数のグランド接触部34は、配列方向に沿って略一直線状に略等ピッチで、信号端子26の複数の端子接触部28とシールド部材の複数のグランド接触部38は、配列方向に沿って略一直線状に略等ピッチで、それぞれ配列されている点に注意していただきたい。同様に、信号端子22の複数の端子固定部23とシールド部材の複数のグランド固定部33は、配列方向に沿って略一直線状に略等ピッチで、信号端子26の複数の端子固定部27とシールド部材の複数のグランド固定部37は、配列方向に沿って略一直線状に略等ピッチで、それぞれ配列されている。このような配列とすることにより、基板への固定も容易となる。
【0038】
クロストークを効果的に防止するため、グランド接触部34同士の間に、2つの端子接触部24が、また、グランド接触部38同士の間に、2つの端子接触部28が、それぞれ配置されている。同様に、グランド固定部33同士の間に、2つの端子固定部23が、グランド固定部37同士の間に、2つの端子固定部27が、それぞれ配置されている。結果として、端子配列は、例えば、GSSGSSGSSG...(ここで、「S」は信号端子、「G」はグランド端子を示す)となる。このように、信号端子とグランド端子の比を2:1とし、また、多点シールド接触構造を採用することにより、シールド接点箇所と基板への接続ポイントを増やし、シールド効果が向上すると共に低インダクタンス化を図ることができる。
【0039】
また、上段に含まれるグランド固定部33及びグランド接触部34と、下段に含まれるグランド固定部37及びグランド接触部38は、配列方向(図示矢印「イ」方向)においてずらされている点に注意していただきたい。例えば、上段に含まれるグランド固定部33及びグランド接触部34は、図2において、配列方向(図示矢印「イ」方向)において最も手前に位置するのに対し、下段に含まれるグランド固定部37及びグランド接触部38は、手前から3番目に配置されている。例えば、上段の端子配列が、GSSGSSGSSG...であるとすれば、下段の端子配列は、SSGSSGSSGSSG...である。このような配列とすることにより、グランド同士を引き離し、クロストークをより効果的に低減するものとなっている。
【0040】
3.レセプタクルコネクタの信号端子等
プラグコネクタの信号端子に対応して、レセプタクルコネクタの信号端子にも、上段の信号端子62と、下段の信号端子66が含まれる。これら上段の信号端子62と下段の信号端子66は、嵌合穴(図1の嵌合穴61)を介して互いに分離されており、上段及び下段のそれぞれにおいて、嵌合方向(図示矢印「ア」方向)に沿って並列に配列されている。
【0041】
上段の信号端子62の基部49は、中間49B付近で90度折り曲げられ、水平部分と垂直部分に分離されている。
水平部分の一端(先端)は、端子接触部64を形成する。端子接触部64は、プラグコネクタ20とレセプタクルコネクタ60の嵌合時に、プラグコネクタ20の信号端子22の対応する端子接触部24と接触する。これらの端子接触部64は、基部49の水平部分を含め、レセプタクルコネクタ60側に向って略直線状に延びており、信号端子22との接点65付近を除いて、挿入基板(図1の挿入基板31)に固定されている。尚、基部49には、ハウジング70に固定するための圧入突起49Aが設けられていてもよい。プラグコネクタ20とレセプタクルコネクタ60の嵌合及び端子接触部24,64の接触を容易にするため、接点65付近は、下方に向って多少折り曲げられている。
一方、垂直部分の一端(他端又は後端)は、基板11に固定される端子固定部63を形成する。端子固定部63は、基部49の垂直部分に対して水平に折り曲げられた状態で基板11に固定される。
【0042】
下段の信号端子66の一端(先端)は、端子接触部68を形成する。端子接触部68は、プラグコネクタ20とレセプタクルコネクタ60の嵌合時に、プラグコネクタ20の信号端子26の対応する端子接触部28と接触する。端子接触部68の先端部は、基部59との接続部付近に設けた曲部56において略180°折り曲げられることにより、プラグコネクタ20側に向いた状態でバネ性を発揮する。尚、基部59には、ハウジング70に固定するための圧入突起59Aが設けられていてもよい。プラグコネクタ20とレセプタクルコネクタ60の嵌合及び端子接触部28,68の接触を容易にするため、接点69付近は、上方に向って多少折り曲げられている。
一方、下段の信号端子66の他端は、基板11に固定される端子固定部67を形成する。この端子固定部67は、段部54を介し、基部59と水平に延びた状態で基板11に固定される。
【0043】
レセプタクルコネクタ60のシールド部材には、一体的に形成された、上段のシールド板72、複数のグランド接触部74、及び、複数のグランド固定部73が含まれる。更に、一体的に形成された、下段のシールド板76、グランド接触部78、及び、複数のグランド固定部77をも含む。信号端子と同様に、上段のシールド板72等と、下段のシールド板76等は、嵌合穴(図1に示す嵌合穴61)を介して互いに分離されている。
【0044】
上段のシールド板72は、該シールド部の基部を成し、中間付近で90度折り曲げられるとともに、複数の信号端子62の配列方向(図示矢印「イ」方向)に沿って幅広に形成されている。また、上段のシールド板72は、複数の信号端子62に隣接してそれらと略並行に配置され、複数の信号端子62の一部を外部から遮蔽する。このような構成により、レセプタクルコネクタ60単独でも、クロストーク等の影響を効果的に防止することができるようになっている。尚、遮蔽をより確実にするため、シールド板72は、図示実施形態のように、基板付近まで設けられているのが好ましい。
【0045】
上段のグランド接触部74は、シールド板72の一端を形成する。グランド接触部74は、配列方向(図示矢印「イ」方向)に沿って、信号端子62等と同幅で形成されている。また、グランド接触部74の先端は、シールド板72から嵌合方向に沿って並列に、且つ、シールド部72との接続部付近に設けた曲部42において略180°折り曲げられることにより、レセプタクルコネクタ60側に向いた状態でバネ性を発揮する。グランド接触部74は、プラグコネクタ20とレセプタクルコネクタ60の嵌合時には、プラグコネクタ20の対応部分、即ち、プラグコネクタ20の対応するグランド接触部34と接触する。プラグコネクタ20とレセプタクルコネクタ60の嵌合及びグランド接触部34,74の接触を容易にするため、接点75付近は、下方に向って多少折り曲げられている。
【0046】
一方、上段のグランド固定部73は、シールド板72の他端を形成する。グランド固定部73は、配列方向(図示矢印「イ」方向)に沿って、信号端子62やグランド接触部74等と同幅で形成されている。また、グランド固定部73は、シールド板72から嵌合方向に沿って並列に、基板11に固定される。
【0047】
下段のシールド板76は、シールド部材の基部を成し、複数の信号端子66の配列方向(図示矢印「イ」方向)に沿って幅広に形成されている。また、下段のシールド板76は、複数の信号端子66に隣接してそれらと略並行に配置され、複数の信号端子66の一部を外部から遮蔽する。このような構成により、レセプタクルコネクタ60単独でも、クロストーク等の影響を効果的に防止することができる。
【0048】
下段のグランド接触部78は、シールド板76の一端を形成する。グランド接触部78は、配列方向(図示矢印「イ」方向)に沿って、信号端子66等と同幅で形成されている。また、グランド接触部78は、シールド板76から嵌合方向に沿って並列に、且つ、端子接触部78の先端部は、シールド板76との接続部付近に設けた曲部46において略180°折り曲げられることにより、プラグコネクタ20側に向いた状態でバネ性を発揮する。グランド接触部78は、プラグコネクタ20とレセプタクルコネクタ60の嵌合時には、プラグコネクタ20の対応部分、即ち、プラグコネクタ20の対応するグランド接触部38と接触する。プラグコネクタ20とレセプタクルコネクタ60の嵌合及びグランド接触部38,78の接触を容易にするため、接点79付近は、上方に向って多少折り曲げられている。
【0049】
一方、下段のグランド固定部77は、シールド板76の他端を形成する。グランド固定部77は、配列方向(図示矢印「イ」方向)に沿って、信号端子66やグランド接触部78等と同幅で形成されている。また、グランド固定部77は、シールド板76から嵌合方向に沿って並列に、基板11に固定される。
【0050】
尚、グランド接触部74(78)と、グランド固定部73(77)は、嵌合方向に沿って対応的に設けられている点に注意していただきたい。例えば、図2において、配列方向(図示矢印「イ」方向)において最も手前に位置するグランド接触部74と、最も手前に位置するグランド固定部73は、嵌合方向(図示矢印「ア」方向)に沿って略一直線上に配置されている。また、図2において、配列方向の手前から3番目に位置するグランド接触部78と、同図において手前から3番目に位置するグランド固定部77は、嵌合方向(図示矢印「ア」方向)に沿って略一直線上に配置されている。
【0051】
更に、信号端子62の複数の端子接触部64とシールド部材の複数のグランド接触部74は、配列方向に沿って略一直線状に略等ピッチで、信号端子66の複数の端子接触部68とシールド部材の複数のグランド接触部78は、配列方向に沿って略一直線状に略等ピッチで、それぞれ配列されている点に注意していただきたい。同様に、信号端子62の複数の端子固定部63とシールド部材の複数のグランド固定部73は、配列方向に沿って略一直線状に略等ピッチで、信号端子66の複数の端子固定部67とシールド部材の複数のグランド固定部77は、配列方向に沿って略一直線状に略等ピッチで、それぞれ配列されている。このような配列とすることにより、基板への固定も容易となる。
【0052】
クロストークを効果的に防止するため、グランド接触部74同士の間に、2つの端子接触部64が、また、グランド接触部78同士の間に、2つの端子接触部68が、それぞれ配置されている。同様に、グランド固定部73同士の間に、2つの端子固定部63が、グランド固定部77同士の間に、2つの端子固定部67が、それぞれ配置されている。結果として、端子配列は、例えば、GSSGSSGSSG...(ここで、「S」は信号端子、「G」はグランド端子を示す)となる。このように、信号端子とグランド端子の比を2:1とし、また、多点シールド接触構造を採用することにより、シールド接点箇所と基板への接続ポイントを増やし、低インダクタンス化を図ることができる。
【0053】
また、上段に含まれるグランド固定部73及びグランド接触部74と、下段に含まれるグランド固定部73及びグランド接触部78は、配列方向(図示矢印「イ」方向)においてずらされている点に注意していただきたい。例えば、上段に含まれるグランド固定部73及びグランド接触部74は、図2において、配列方向(図示矢印「イ」方向)において最も手前に配置されているのに対し、下段に含まれるグランド固定部77及び第7グランド接触部78は、手前から3番目に配置されている。例えば、上段の端子配列が、GSSGSSGSSG...であるとすれば、下段の端子配列は、SSGSSGSSGSSG...である。このような配列とすることにより、グランド同士を引き離し、クロストークをより効果的に低減するものとなっている。
【0054】
4.放射ノイズの低減
図8を参照して、本構成によって得られる1つの効果を説明する。
図8の(a)は、図2におけるレセプタクルコネクタ60側の下段端部付近の部分拡大図を、(b)は、図2におけるプラグコネクタ20側の上段端部付近の部分拡大図を、それぞれ示す。
よく知られているように、信号電流が流れれば、これに対応する帰還電流(リターン電流)が流れる。例えば、(a)に示すように端子固定部63a、63bや信号端子62を通じて、更に、信号端子62と信号端子22の接触(65)を通じて、(b)に示すように、信号端子22や端子固定部23a、23bを通じて、図示矢印「カ」に示す信号が流れた場合、これとは逆方向に、(b)に示すように、グランド固定部33a、33bやシールド板32を通じて、更に、グランド接触部34とグランド接触部74の接触(75)を通じて、(a)に示すように、シールド板72やグランド固定部73a、73bを通じて、図示矢印「キ」に示すような帰還電流が流れる。この帰還電流は、信号電流との間に電流ループを形成し、この電流ループは放射ノイズを生じさせる要因となる。従って、電流ループは可能な限り小さくするのが好ましい。帰還電流は、信号「カ」に近接した位置に流れることから、電流ループを小さくするには、信号「カ」にできるだけ接近させた状態で、電流経路を設けることが必要である。
この点、本発明の構成によれば、基板付近まで設けられているシールド板32(36)、72(76)が、配列方向(図示矢印「イ」方向)に沿って幅広に、且つ、それらに隣接してそれらと略並行に配置されていることから、このような電流ループを小さくすることができる。このような本発明の構成によれば、例えば、信号電流「カ」に対応する帰還電流は、シールド板32、72において、「カ」と略同じ経路を通じて帰還し、シールド板72から帰還電流が取り出されるときにのみ、「カ」の経路から離れたグランド固定部73a、73bを通じて外部に取り出されることになる。このような構成により、放射ノイズを小さくすることができる。
【0055】
5.第二実施形態
図9乃至図15に、本発明の第二実施形態によるコネクタ装置10Aを示す。ここで図9は、第一実施形態の図1に、図10乃至図15は、第一実施形態の図2乃至図7に、それぞれ相当する。尚、第一実施形態と同様の部材には、同様の参照番号を付している。
【0056】
第一実施形態との相違は、レセプタクルコネクタの向きのみである。プラグコネクタについては、第一実施形態におけるプラグコネクタ20”と同様のものを用いた。この第二実施形態のレセプタクルコネクタには、第一実施形態におけるプラグコネクタ20”と同様に、基板に対して垂直に設置される、いわゆるストレートタイプを用いている。このレセプタクルコネクタ60”の嵌合穴61は、基板11に対して垂直に設けられている。結果的に、これらプラグコネクタ20”とレセプタクルコネクタ60”との間では、スタッキング嵌合が行われる。
【0057】
嵌合向きに相違により、第二実施形態における端子、特に、レセプタクル側の端子形状は、第一実施形態における端子とは多少相違するものとなっている。但し、その基本構成は、第一実施形態におけるものと全く同じである。故に、詳細な説明はここでは省略する。
【0058】
6.第三実施形態
図16乃至図22に、本発明の第三実施形態によるコネクタ装置10Bを示す。ここで図16は、第一実施形態の図1に、図17乃至図22は、第一実施形態の図2乃至図7に、それぞれ相当する。尚、第一実施形態や第二実施形態と同様の部材には、同様の参照番号を付している。
【0059】
第三実施形態の構成によれば、1つのプラグコネクタに対して、2つのレセプタクルコネクタを接続することができる。尚、レセプタクル側については、第一実施形態における構成と全く同じである。プラグ側の構成は、第二実施形態や第三実施形態における嵌合側の構成を左右両側に設けたものと考えればよい。この構成では、プラグ側に関して、基板は特に設けられていない。図16に示すように、このプラグコネクタ20’には、突出部21、31が左右の両側に設けられており、この結果、プラグコネクタ20’の両側に、レセプタクルコネクタ60を固定することができる。
【0060】
嵌合向きに相違により、第二実施形態における端子、特に、レセプタクル側の端子形状は、第一実施形態における端子とは多少相違するものとなっている。但し、その基本構成は、第一実施形態におけるものと全く同じである。
【0061】
7.まとめ
明らかなように、プラグコネクタ20やレセプタクルコネクタ60に設けたシールド部材は、シールド機能を発揮する他、グランド端子としても機能する。このように、シールドとグランド(グランド端子)を一体構造とすることにより、本構成では、グランド機能を強化し、また、グランド機能を安定化させ共振を減少させるものとなっている。尚、一般に、グランド端子をこのようにシールドとして機能させた場合は、信号間にグランド端子を配置することができなくなるが、本構成では、グランド端子として使用するグランド固定部を信号端子間にグランド端子を延出させる構造として、この問題を解決している。
【0062】
更に、本構成では、プラグコネクタ20に設けたシールド板32(36)と、レセプタクルコネクタ60に設けたシールド板72(76)の双方が、嵌合方向に沿って、信号端子22(26)や信号端子62(66)を外部から遮蔽するものとなる。故に、嵌合時には、プラグコネクタ20及びレセプタクルコネクタ60の双方によって、信号端子が外部から遮蔽されることとなり、プラグコネクタ20やレセプタクルコネクタ60の一方のみを遮蔽する従来の構成に比して、より効果的に、クロストークの低減等を図ることができる。
【符号の説明】
【0063】
10 コネクタ装置
11 基板
20 プラグコネクタ
22 信号端子
26 信号端子
30 ハウジング
32 シールド板
33 グランド固定部
34 グランド接触部
36 シールド板
37 グランド固定部
38 グランド接触部
60 レセプタクルコネクタ
62 信号端子
66 信号端子
70 ハウジング
72 シールド板
73 グランド固定部
74 グランド接触部
76 シールド板
77 グランド固定部
78 グランド接触部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と、前記第1部材と嵌合可能な第2部材と、を有するコネクタ装置において、
前記第1部材は、
第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに配列された複数の第1信号端子であって、それぞれの一端に、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第2部材の対応端子の所定部分と接触し得る第1端子接触部を有する、前記複数の第1信号端子と、
前記第1ハウジングに設けられた第1シールド部材と、を有し、
前記第1シールド部材は、
前記複数の第1信号端子の配列方向に沿って幅広に形成され、前記複数の第1信号端子を外部から遮蔽する、第1シールド板と、
前記第1シールド板の一端を形成し、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第2部材の対応部分と接触し得る、第1グランド接触部と、
前記第1シールド板の他端を形成する、複数の第1グランド固定部と、
を備え、
前記第2部材は、
第2ハウジングと、
前記第2ハウジングに配列された複数の第2信号端子であって、それぞれの一端に、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第1部材の前記複数の第1信号端子の対応する前記第1端子接触部と接触し得る第2端子接触部を有する、前記複数の第2信号端子と、
前記第2ハウジングに設けられた第2シールド部材と、を有し、
前記第2シールド部材は、
前記複数の第2信号端子の配列方向に沿って幅広に形成され、前記複数の第2信号端子を外部から遮蔽する、第2シールド板と、
前記第2シールド板の一端を形成し、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第1部材の対応する第1グランド接触部と接触し得る、第2グランド接触部と、
前記第2シールド板の他端を形成する、複数の第2グランド固定部と、
を有し、
前記複数の第1信号端子の複数の第1端子接触部と、前記第1シールド部材の複数の第1グランド接触部は、前記配列方向に沿って略等ピッチで配列されており、また、
前記複数の第2信号端子の複数の第2端子接触部と、前記第2シールド部材の複数の第2グランド接触部は、前記配列方向に沿って略等ピッチで配列されていることを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
前記複数の第1信号端子は、それぞれの他端に、第1端子固定部を有し、前記複数の第1端子固定部と、前記第1シールド部材の複数の第1グランド固定部は、前記配列方向に沿って略等ピッチで配列されており、
また、
前記複数の第2信号端子は、それぞれの他端に、第2端子固定部を有し、前記複数の第2端子固定部と、前記第2シールド部材の複数の第2グランド固定部は、前記配列方向に沿って略等ピッチで配列されている請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記第1シールド部材の複数の第1グランド接触部と、前記第1シールド部材の複数の第1グランド固定部は、前記嵌合方向に沿って対応的に設けられており、
また、
前記第2シールド部材の複数の第2グランド接触部と、前記第2シールド部材の複数の第2グランド固定部は、前記嵌合方向に沿って対応的に設けられている請求項1又は2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記第1グランド接触部同士の間に、2つの前記第1端子接触部が、及び、前記第1グランド固定部同士の間に、2つの前記第1端子固定部が、配置されており、また、
前記第2グランド接触部同士の間に、2つの前記第2端子接触部が、及び、前記第2グランド固定部同士の間に、2つの前記第2端子固定部が、配置されている請求項3に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記第1部材の第1ハウジングに、前記複数の第1信号端子と前記第1シールド部材が上下段に一つずつ設けられており、
また、
前記第2部材の第2ハウジングに、前記複数の第2信号端子と前記第2シールド部材が上下段に一つずつ設けられている
請求項1乃至4のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項6】
上段に含まれる前記第1グランド固定部及び前記第1グランド接触部と下段に含まれる前記第1グランド固定部及び前記第1グランド接触部、又は、上段に含まれる前記第2グランド固定部及び前記第2グランド接触部と下段に含まれる前記第2グランド固定部及び前記第2グランド接触部は、それぞれ、前記配列方向においてずらされている請求項5に記載のコネクタ装置。
【請求項7】
前記第2部材は、嵌合穴を形成し、前記第1部材は、前記嵌合穴に挿入される突出部を形成している請求項1乃至6のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項8】
前記嵌合穴は、基板に対して垂直に設けられている請求項7に記載のコネクタ装置。
【請求項9】
前記嵌合穴は、基板に対して水平に設けられている請求項7に記載のコネクタ装置。
【請求項10】
前記突出部は、基板に対して垂直に設けられている請求項7乃至9のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項11】
前記突出部は、基板とは独立した状態で設けられている請求項7乃至9のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項12】
前記第1部材の前記突出部に対して、前記第2部材が2つ固定される請求項11に記載のコネクタ装置。
【請求項13】
前記第1シールド部材の前記第1グランド接触部の先端は、前記第2部材側に向って略直線状に固定されている請求項1乃至12のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項14】
前記第2シールド部材の前記第2グランド接触部の先端は、前記2シールド板との接続部付近に設けた曲部において略180°折り曲げられることにより前記第2部材側に向いた状態でバネ性を発揮する請求項1乃至13のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項15】
前記第2シールド部材の前記第2グランド接触部の先端は、前記2シールド板との接続部付近に設けた曲部において略180°折り曲げられることにより前記第1部材側に向いた状態でバネ性を発揮する請求項1乃至13のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項16】
第1部材と、前記第1部材と嵌合可能な第2部材と、を有するコネクタ装置において、
前記第1部材は、
第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに前記嵌合方向に沿って並列に配列された複数の第1信号端子であって、それぞれの一端に、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第2部材の対応端子の所定部分と接触し得る第1端子接触部を有する、前記複数の第1信号端子と、
前記第1ハウジングに設けられた第1シールド部材と、を有し、
前記第1シールド部材は、
前記複数の第1信号端子の配列方向に沿って幅広に形成され、前記複数の第1信号端子に隣接して配置されて前記複数の第1信号端子を外部から遮蔽する、第1シールド板と、
前記第1シールド板から前記嵌合方向に沿って並列に延びて前記第1シールド板の一端を形成し、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第2部材の対応部分と接触し得る、第1グランド接触部と、
前記第1シールド板から前記嵌合方向に沿って並列に延びて前記第1シールド板の他端を形成する、複数の第1グランド固定部と、
を備え、
前記第2部材は、
第2ハウジングと、
前記第2ハウジングに前記嵌合方向に沿って並列に配列された複数の第2信号端子であって、それぞれの一端に、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第1部材の前記複数の第1信号端子の対応する前記第1端子接触部と接触し得る第2端子接触部を有する、前記複数の第2信号端子と、
前記第2ハウジングに設けられた第2シールド部材と、を有し、
前記第2シールド部材は、
前記複数の第2信号端子の配列方向に沿って幅広に形成され、前記複数の第2信号端子に隣接して配置されて前記複数の第2信号端子を外部から遮蔽する、第2シールド板と、
前記第2シールド板から前記嵌合方向に沿って並列に延びて前記第2シールド板の一端を形成し、前記第1部材と前記第2部材の嵌合時に前記第1部材の対応する第1グランド接触部と接触し得る、第2グランド接触部と、
前記第2シールド板から前記嵌合方向に沿って並列に延びて前記第2シールド板の他端を形成する、複数の第2グランド固定部と、
を有することを特徴とするコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−54173(P2012−54173A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197306(P2010−197306)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(390005049)ヒロセ電機株式会社 (383)
【Fターム(参考)】