説明

シール付きタグラベル作成装置及びラベル作成処理プログラム

【課題】使用者が誤って無線タグラベルを別の物品に貼り付けるのを防止することができるシール付きタグラベル作成装置を提供する。
【解決手段】第1カートリッジホルダ314にタグカートリッジ313が装着されるとともに、第2カートリッジホルダ324に補助カートリッジ323が装着される。そして、タグカートリッジ313から供給されたタグラベル用テープ311は、第1印字ヘッド317によって所望の印字が行われ、無線タグ回路素子Toには装置アンテナ301によって無線通信が行われて所望の情報送受信が行われ、印字付きの無線タグラベルTが生成される。一方、補助カートリッジ323から供給された補助シール用テープ321は、第2印字ヘッド327によって印字が行われ、補助シールSが生成される。これら無線タグラベルTと補助シールSとが、再剥離可能に互いに貼り合わされた状態でシール付きタグラベルSTとして生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた無線タグ回路素子を有する無線タグラベルを、シールと貼り合わせた状態で生成するシール付きタグラベル作成装置及びラベル作成処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報を記憶する無線タグと無線タグ通信装置との間で非接触で情報の送受信を行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが様々な分野において実用化されている。無線タグの一例である無線タグラベルに備えられた無線タグ回路素子は、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えており、無線タグラベルが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、無線タグ通信装置よりアクセスが可能である。
【0003】
無線タグラベルは、通常、ラベル状の素材上に無線タグ回路素子を設けて形成され、管理対象である物品等に貼り付けられる。またこのとき、内部に記憶された情報に関連した情報をラベルに印字しておけば、使用者はその情報をラベル上で視認できるので何かと便利である。このため、従来、そのような観点からのタグラベル作成装置が提唱されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この従来技術のタグラベル作成装置(記録装置)では、無線タグ回路素子(RF−ID素子)を備えたラベルをテープ状の台紙(ラベル紙)に貼り付けたものをロール状(記録媒体)とし、このロールから台紙を繰り出して搬送しつつラベルの表面に印字を行った後、搬送状態において装置側アンテナ(通信アンテナ)から無線タグ回路素子へ情報を送信して所定の情報書き込みを行い、これにより印字済みの無線タグラベルを連続的に生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−82432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、物品管理等に用いられる無線タグラベルでは、ラベル上に印字される内容は、貼り付け対象である物品の名称やその物品の管理者名等であることが多い。このため、例えば倉庫や書庫等において同名称の物品や同一人物が管理する物品が多数並べられているような状況では、使用者が無線タグラベルを対応する物品に貼り付ける際に、ラベル上の印字を視認するだけでは明確に貼り付け対象を認識することができず、誤って別の物品に貼り付けてしまうおそれがあった。
【0007】
本発明の目的は、使用者が誤って無線タグラベルを別の物品に貼り付けるのを防止することができるシール付きタグラベル作成装置及びラベル作成処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1発明のシール付きタグラベル作成装置は、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた無線タグ回路素子と無線通信を行うための通信手段と、複数の前記無線タグ回路素子が配置されたタグラベル用テープを連続的に供給可能に収納したタグカートリッジを着脱可能な、第1カートリッジホルダと、前記タグカートリッジから供給される前記タグラベル用テープを搬送する第1搬送手段と、前記第1搬送手段により搬送される前記タグラベル用テープに対し所望の印字を行う第1印字手段と、前記タグカートリッジより供給された前記タグラベル用テープに貼り合わせる補助シール用テープを連続的に供給可能に収納した補助カートリッジを着脱可能な、第2カートリッジホルダと、前記補助カートリッジから繰り出される前記補助シール用テープを搬送する第2搬送手段と、前記補助カートリッジから供給される前記補助シール用テープに対し、前記通信手段による前記無線タグ回路素子との情報送受信内容に対応した補足情報の印字を行う第2印字手段と、前記第1印字手段により前記タグラベル用テープに前記所望の印字がなされ、前記通信手段により前記無線タグ回路素子に情報送受信が行われた無線タグラベルと、前記無線タグラベルに対応して前記第2印字手段により前記補助シール用テープに前記補足情報の印字がなされた補助シールとを、再剥離可能に貼り合わされた状態で生成するように、前記第1搬送手段、前記第1印字手段、前記第2搬送手段、及び前記第2印字手段を連携して制御する連携制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本願第1発明においては、無線タグラベルの作成時には、第1カートリッジホルダにタグカートリッジが装着されるとともに、第2カートリッジホルダに補助カートリッジが装着される。そして、タグカートリッジから供給されたタグラベル用テープは、第1搬送手段で搬送され、第1印字手段によって所望の印字が行われる。また、タグラベル用テープに備えられた無線タグ回路素子には、通信手段によって無線通信が行われ、所望の情報送受信が行われ、これによって(印字付きの)無線タグラベルが生成される。一方、補助カートリッジから供給された補助シール用テープは第2搬送手段で搬送され、第2印字手段によって印字が行われ、補助シールが生成される。このときの印字としては、上記した通信手段による無線タグ回路素子との情報送受信内容に対応した、補足情報の印字が行われる。このとき、連携制御手段の制御によって、無線タグラベルと補助シールとが、再剥離可能に互いに貼り合わされた状態で生成される。
【0010】
以上のようにして、本願第1発明においては、無線タグラベル作成時に、無線タグラベルのみを単独で作成するのではなく、無線タグ回路素子との情報送受信内容(言い換えれば無線タグ回路素子の記憶内容)に対応する補足情報を印字した補助シールを、併せて作成する。そして、そのような補助シールを、対応する無線タグラベルと貼り合わせた状態で生成する。これにより、無線タグラベルに印字された情報だけでは貼り付け対象が不明の場合であっても、補助シールに印刷された補足情報を手がかりに使用者が貼り付け対象を認識した後、無線タグラベルから補助シールを剥離させて無線タグラベルのみを確実に貼り付け対象に貼り付けることができる。この結果、使用者が誤って無線タグラベルを別の物品に貼り付けるのを、確実に防止することができる。
【0011】
第2発明のシール付きタグラベル作成装置は、上記第1発明において、前記補足情報と前記情報送受信内容とを関連付けて記憶するデータベースより、前記補足情報を取得する補足情報取得手段を有し、前記第2印字手段は、前記補助シール用テープに対し、前記補足情報取得手段で取得した前記補足情報の印字を行うことを特徴とする。
【0012】
これにより、通信手段による無線タグ回路素子との情報送受信内容に確実に対応した補足情報の印字を行うことができる。その結果、互いに貼り合わす無線タグラベルと補助シールとを確実に対応付けることができる。
【0013】
第3発明のシール付きタグラベル作成装置は、上記第1又は第2発明において、前記タグカートリッジから供給された前記タグラベル用テープの前記第1印字手段による印字面側に対し、前記補助カートリッジから供給された前記補助シール用テープを貼り合わせる貼り合わせ手段を有することを特徴とする。
【0014】
これにより、第1搬送手段によるタグカートリッジからのタグラベル用テープの搬送経路と第2搬送手段による補助カートリッジからの補助シール用テープの搬送経路との合流点に貼り合わせ手段を設けることで、搬送の流れに沿って円滑にタグラベル用テープと補助シール用テープとの貼り合わせを行うことができる。また、貼り合わせ手段でタグラベル用テープの印字面側に補助シール用テープを貼り合わせることにより、補助シールを対応する無線タグラベルの印字面側(すなわち表面側)に貼り合わせた状態で生成することができる。これにより、これにより、無線タグラベルを使用する際に、使用者は確実に補助シールを視認することができる。
【0015】
第4発明のシール付きタグラベル作成装置は、上記第3発明において、前記第1搬送手段による前記タグラベル用テープの搬送経路において前記貼り合わせ手段より搬送方向上流側に設けられ、前記タグラベル用テープを切断する第1切断手段と、前記第2搬送手段による前記補助シール用テープの搬送経路において前記貼り合わせ手段より搬送方向上流側に設けられ、前記補助シール用テープを切断する第2切断手段とを有することを特徴とする。
【0016】
タグラベル用テープ及び補助シール用テープを第1切断手段及び第2切断手段で所定の長さに切断することで、無線タグラベル及び補助シールを作成することができる。このとき、タグラベル用テープ側の搬送経路の第1切断手段と、補助シール用テープ側の搬送経路の第2切断手段とを、別々に設置することにより、無線タグラベルと補助シールとで互いにテープ長手方向の長さを異ならせることが可能となる。
【0017】
第5発明のシール付きタグラベル作成装置は、上記第4発明において、前記連携制御手段は、前記補助シールのテープ長手方向の長さが、前記無線タグラベルのテープ長手方向長さよりも長くなるように、前記第1搬送手段、前記第2搬送手段、前記第1切断手段、及び前記第2切断手段を連携して制御することを特徴とする。
【0018】
補助シールの長さを無線タグラベルより長くすることにより、設置対象物への無線タグラベルの貼り付け時に補助シールを無線タグラベルから剥がす際に、補助シールを手でつまみやすくして容易に剥がせるようにすることができる。この結果、使用者の利便性を向上することができる。
【0019】
第6発明のシール付きタグラベル作成装置は、上記第3発明において、前記第1搬送手段による前記タグラベル用テープの搬送経路と前記第2搬送手段による前記補助シール用テープの搬送経路とが合流した、前記貼り合わせ手段より搬送方向下流側に設けられ、貼り合わされた前記タグラベル用テープ及び前記補助シール用テープを切断する第3切断手段を有することを特徴とする。
【0020】
タグラベル用テープ及び補助シール用テープを第3切断手段で所定の長さに切断することで、無線タグラベル及び補助シールを作成することができる。このとき、それぞれ別の搬送経路から搬送されたタグラベル用テープと補助シール用テープとが貼り合わせ手段で貼り合わせれた後に切断することにより、共通の1つの切断手段とすることができるので、部品点数を削減し装置構造を簡素化することができる。
【0021】
第7発明のシール付きタグラベル作成装置は、上記第6発明において、前記第1カートリッジホルダに装着される前記タグカートリッジの前記タグラベル用テープのテープ幅を、前記第2カートリッジホルダに装着される前記補助カートリッジの前記補助シール用テープのテープ幅よりも大きくしたことを特徴とする。
【0022】
これにより、作成される無線タグラベルの幅方向寸法を補助シールより広くすることができる。この結果、設置対象物への無線タグラベルの貼り付け時に、無線タグラベルを手でつまみやすくして補助シールから容易に剥がせるようにすることができる。したがって、使用者の利便性を向上することができる。
【0023】
第8発明のシール付きタグラベル作成装置は、上記第3乃至第7発明のいずれかにおいて、前記第2搬送手段による前記補助シール用テープの搬送経路において前記貼り合わせ手段より搬送方向上流側に設けられ、前記補助シール用テープの貼り合わせ側の面に貼り合わせ用の粘着剤を塗布する粘着剤塗布手段を有することを特徴とする。
【0024】
これにより、補助カートリッジから供給されて搬送される補助シール用テープが、貼り合わせ手段で貼り合わされる前に、当該貼り合わせの粘着力を与えるための粘着剤を塗布することができる。また貼り合わせ直前に粘着剤を塗布する構成とすることで、補助カートリッジ内に例えばロール形状で収納されている状態では、補助シール用テープに粘着力が存在しないようにすることができる。したがって、補助カートリッジ内での収納状態で粘着剤が備えられている場合に比べ、補助カートリッジから補助シール用テープを引き出すための搬送駆動力が小さくて済むという効果もある。さらに、粘着剤塗布手段による粘着剤の塗布タイミングを適宜制御することで、補助シール用テープの貼り合わせ側の全面ではなく一部領域に対し粘着剤を塗布することが可能である。これにより、補助シールを無線タグラベルから剥がす際に、補助シールの粘着剤が塗布されていない側を手でつまみやすくしてさらに容易に剥がせるようにすることができると共に、粘着剤の使用量を節減できる。
【0025】
上記目的を達成するために、第9発明のラベル作成処理プログラムは、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた無線タグ回路素子と無線通信を行うための通信手段と、複数の前記無線タグ回路素子が配置されたタグラベル用テープに対し所望の印字を行って無線タグラベルを生成する第1印字手段と、前記タグラベル用テープに貼り合わせるための補助シール用テープに対し、前記通信手段による前記無線タグ回路素子との情報送受信内容に対応した補足情報の印字を行い、補助シールを生成する第2印字手段とを有するシール付きタグラベル作成装置において、前記無線タグラベルと前記補助シールとが再剥離可能に貼り合わされた状態で生成されるように、前記通信手段、前記第1印字手段、前記第2印字手段を制御するための処理制御手段に対して、前記無線タグラベルを設置する物品に関する物品情報を格納したデータベースにアクセスし、前記物品情報を構成する複数項目のうち、前記第1印字手段により前記無線タグラベルに印刷するラベル印刷項目と、前記通信手段により前記無線タグ回路素子に書き込む書き込み項目とを、選択可能に表示手段に表示し、操作者の選択入力を促す第1手順と、前記データベースにアクセスし、前記物品情報を構成する前記複数項目のうち、前記第2印字手段により前記補足情報として前記補助シールに印刷するシール印刷項目を、選択可能に前記表示手段に表示し、操作者の選択入力を促す第2手順と、前記第1手順及び前記第2手順での操作者の選択入力結果に応じた印字データを前記第1印字手段及び前記第2印字手段に出力し、対応する印字を実行させる第3手順とを、実行させる。
【0026】
本願第9発明においては、予め、データベースに、当該無線タグラベルの設置対象となる物品の物品情報が格納されている。そして、無線タグラベルを作成するに際しては、第1手順で、データベースへのアクセスに基づき、無線タグラベルへのラベル印刷項目と無線タグ回路素子への書き込み項目とが表示手段に表示される。また、第2手順で、データベースへのアクセスに基づき、補助シールへのシール印刷項目(=補足情報に対応)が、表示手段に表示される。そして、操作者がそれら表示手段における表示に従って各項目を選択すると、第3手順で、その選択入力結果に応じた印字データが、第1印字手段及び第2印字手段へ出力される。これにより、無線タグラベル作成時に、無線タグ回路素子との情報送受信内容に対応する補足情報を印字した補助シールを、対応する無線タグラベルと貼り合わせた状態で生成することができる。
【0027】
この結果、無線タグラベルに印字された情報だけでは貼り付け対象が不明の場合であっても、補助シールに印刷された補足情報を手がかりにすることで、使用者が誤って無線タグラベルを別の物品に貼り付けるのを、確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、使用者が誤って無線タグラベルを別の物品に貼り付けるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施形態のシール付きタグラベル作成装置を有するタグラベル作成システムの全体構成を表すシステム構成図である。
【図2】タグラベル作成システムのシステム全体の機能構成を概念的に表す機能ブロック図である。
【図3】シール付きタグラベル作成装置の機能構成を表す機能ブロック図である。
【図4】高周波回路の詳細構成を表す機能ブロック図である。
【図5】タグラベル用テープに備えられる無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。
【図6】記憶部に登録されたデータベースの一例を表す図である。
【図7】シール付きタグラベルの作成時に操作端末の表示部に表示されるラベル作成画面の一例を表す図である。
【図8】第1印字領域設定部、第2印字領域設定部、第3印字領域設定部、及び無線タグ情報設定部におけるプルダウンメニュー項目を表す図である。
【図9】シール付きタグラベル作成装置で作成されたシール付きタグラベルの外観の一例を表す平面図、その側面図、及び無線タグラベルから補助シールを剥離させる様子を表す平面図である。
【図10】シール付きタグラベルの作成時に、操作端末の制御回路によって実行される制御内容を表すフローチャートである。
【図11】シール付きタグラベルの作成時に、シール付きタグラベル作成装置の制御回路によって実行される制御内容を表すフローチャートである。
【図12】ステップS200のシール付きタグラベル作成処理の詳細内容を表すフローチャートである。
【図13】ステップS300のタグラベル作成処理の詳細内容を表すフローチャートである。
【図14】単一のカッタで切断を行う変形例における、シール付きタグラベル作成装置の機能構成を表す機能ブロック図である。
【図15】単一のカッタで切断を行う変形例における、シール付きタグラベル作成装置で作成されたシール付きタグラベルの外観の一例を表す平面図、その側面図、及び無線タグラベルから補助シールを剥離させる様子を表す平面図である。
【図16】単一のカッタで切断を行う変形例における、ステップS200Aのシール付きタグラベル作成処理の詳細内容を表すフローチャートである。
【図17】シール付きタグラベルの形態のバリエーションを表す平面図である。
【図18】シール付きタグラベルの形態のバリエーションを表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0031】
図1は、本実施形態のシール付きタグラベル作成装置を有するタグラベル作成システム1の全体構成を表すシステム構成図である。
【0032】
図1において、タグラベル作成システム1は、PC等の操作端末100と、サーバ200と、シール付きタグラベルSTを作成するシール付きタグラベル作成装置300とを有している。上記操作端末100、サーバ200、及びシール付きタグラベル作成装置300は、有線あるいは無線のネットワークNW(例えばLAN、無線LAN等)を介して情報入出力可能に接続されている。
【0033】
操作端末100は、シール付きタグラベル作成装置300でシール付きタグラベルSTを作成する際の各種設定及び作成指令等を行うための端末であり、液晶ディスプレイ等の表示部101及びマウスやキーボード等で構成される操作部102を備えている。詳細は後述するが、この操作端末100には、シール付きタグラベルSTを作成する際の各種設定を行うためのアプリケーションがインストールされており、表示部101にそのアプリケーションによるラベル作成画面を表示し、操作者に各種設定入力を促すようになっている(後述の図7参照)。
【0034】
シール付きタグラベルSTは、情報を記憶するIC回路部150と情報の送受信を行うタグアンテナ151とを備えた無線タグ回路素子To(後述の図5等参照)を有する無線タグラベルTと、この無線タグラベルTに対応して作成される補助シールSとが、再剥離可能に貼り合わされたものである。シール付きタグラベル作成装置300では、上記無線タグラベルTと対応する補助シールSとが同時に作成され、貼り合わされた状態でシール付きタグラベルSTとして生成される。補助シールSの表面には、無線タグラベルTの作成時に無線タグ回路素子Toに対する情報送受信内容に対応した補足情報が印字されている。この補足情報としては、例えば無線タグラベルTの貼り付け対象である物品の保管場所等、当該物品を特定するための手がかりとなる内容である情報や、無線タグラベルTの物品に対する貼り付け作業の期限や貼り付け時の注意事項等、貼り付け作業を補助する内容である情報等が一例として挙げられる。
【0035】
図2は、タグラベル作成システム1のシステム全体の機能構成を概念的に表す機能ブロック図である。
【0036】
図2において、操作端末100は、各種操作画面や入力画面等の表示を行うための上記表示部101と、操作者が操作入力を行うための上記操作部102と、サーバ200及びシール付きタグラベル作成装置300との間でネットワークNWを介して行われるネットワーク通信の制御を行うネットワーク通信制御部103と、上記表示部101及びネットワーク通信制御部103を含む操作端末100全体の動作を制御する制御回路104とを有する。
【0037】
上記制御回路104は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラム(例えば後述の図9に示すラベル作成処理プログラム)に従って、信号処理を行う。
【0038】
サーバ200は、無線タグラベルTを設置する物品に関する物品情報等が登録された複数のデータベースを格納する記憶部201と、操作端末100等との間でネットワークNWを介して行われるネットワーク通信の制御を行うネットワーク通信制御部202と、上記記憶部201に対し情報を読み書き可能に接続され、サーバ200全体の制御を行う制御回路203とを有する。
【0039】
記憶部201は、例えばHDD(ハードディスクドライブ)や大容量メモリ等で構成されており、無線タグラベルTの貼り付け対象となる物品の種別ごとにデータベース(後述の図6参照)が格納されている。各データベースには、対応する物品に関する物品情報(物品名、保管場所等。図6参照)が予め登録されている。そして、シール付きタグラベル作成装置300において所定の物品に貼り付けるためのシール付きタグラベルSTが作成されると、当該シール付きタグラベルSTに対応するタグID(無線タグラベルTに備えられる無線タグ回路素子ToのタグID)が上記データベースの対応する物品情報に関連付けられて登録される。すなわち、データベースにおいては、シール付きタグラベルSTが作成されるまでは各物品のタグID欄は空白となっており、シール付きタグラベルSTが作成されて初めてタグID欄にタグIDが登録される。
【0040】
図3は、シール付きタグラベル作成装置300の機能構成を表す機能ブロック図である。なお、この図3においては信号線を破線にて図示している。
【0041】
シール付きタグラベル作成装置300は、上述したように無線タグラベルTと対応する補助シールSとを同時に作成し、貼り合わせた状態でシール付きタグラベルSTとして生成する機能を備えている。図3に示すように、このシール付きタグラベル作成装置300は2つのカートリッジを着脱可能な構成となっている。すなわち、所定間隔で複数の無線タグ回路素子Toが配置されたタグラベル用テープ311を巻回したタグテープロール312(本来は渦巻状であるが簡略化して同心円で図示している)を収納し、タグラベル用テープ311を連続的に供給可能なタグカートリッジ313を着脱可能な第1カートリッジホルダ314(図中一点鎖線で示す)と、タグカートリッジ313より供給されたタグラベル用テープ311に貼り合わせる補助シール用テープ321を巻回した補助テープロール322(本来は渦巻状であるが簡略化して同心円で図示している)を収納し、補助シール用テープ321を連続的に供給可能な補助カートリッジ323を着脱可能な第2カートリッジホルダ324とを有している。
【0042】
またシール付きタグラベル作成装置300は、タグカートリッジ313から供給されるタグラベル用テープ311を搬送する第1搬送ローラ315(第1搬送手段)と、この搬送ローラ315により搬送されるタグラベル用テープ311に対しインクリボン316を用いて所望の印字を行う第1印字ヘッド317(第1印字手段)と、補助カートリッジ323から供給される補助シール用テープ321を搬送する第2搬送ローラ325(第2搬送手段)と、この搬送ローラ325により搬送される補助シール用テープ321に対し、装置アンテナ301(後述)によるタグラベル用テープ311の無線タグ回路素子Toとの情報送受信内容に対応した上記補足情報の印字をインクリボン326を用いて行う第2印字ヘッド327(第2印字手段)とを有している。
【0043】
またシール付きタグラベル作成装置300は、タグカートリッジ313から供給されたタグラベル用テープ311の第1印字ヘッド317による印字面側(図3中上側)に対し、補助カートリッジ323から供給された補助シール用テープ321を貼り合わせる貼り合わせローラ303(貼り合わせ手段)と、第1搬送ローラ315によるタグラベル用テープ311の搬送経路において貼り合わせローラ303より搬送方向上流側(図3中左側)に設けられ、タグラベル用テープ311を切断する第1カッタ318(第1切断手段)と、第2搬送ローラ325による補助シール用テープ321の搬送経路において貼り合わせローラ303より搬送方向上流側(図3中左側)に設けられ、補助シール用テープ321を切断する第2カッタ328(第2切断手段)とを有している。
【0044】
またシール付きタグラベル作成装置300は、タグラベル用テープ311に備えられる無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行うための装置アンテナ301(通信手段)及び高周波回路302と、操作端末100との間でネットサークNWを介して行われるネートワーク通信の制御を行うネットワーク通信制御部304と、第2搬送ローラ325による補助シール用テープ321の搬送経路において貼り合わせローラ303より搬送方向上流側(図3中左側)に設けられ、補助シール用テープ321の貼り合わせ側(図3中下側)の面に貼り合わせ用の粘着剤を(例えば噴出により)塗布する粘着剤塗布装置305(粘着剤塗布手段)と、以上の第1搬送ローラ315、第1印字ヘッド317、第2搬送ローラ325、第2印字ヘッド327、高周波回路302、第1カッタ318、第2カッタ328、及び粘着剤塗布装置305を連携して制御することにより、第1印字ヘッド317によりタグラベル用テープ311に所望の印字がなされ、装置アンテナ301により無線タグ回路素子Toに情報送受信が行われた無線タグラベルTと、無線タグラベルTに対応して第2印字ヘッド327により補助シール用テープ321に補足情報の印字がなされた補助シールSとを、再剥離可能に貼り合わされた状態で生成する制御回路306(連携制御手段)とを有する。
【0045】
上記粘着剤塗布装置305によって塗布される粘着剤は弱粘着剤であり、貼り合わされた状態で生成されたシール付きタグラベルSTにおいて、無線タグラベルTから補助シールSを損傷等生じることなく剥離することが可能となっている。
【0046】
図4は、上記高周波回路302の詳細構成を表す機能ブロック図である。
【0047】
この図4において、高周波回路302は、装置アンテナ301を介しタグラベル用テープ311の無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報へアクセスするものであり、また制御回路306は無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すと共に無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスするための各種コマンドを生成するものである。
【0048】
高周波回路302は、装置アンテナ301を介しタグラベル用テープ311の無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部142と、装置アンテナ301により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部143と、送受分離器144とから構成される。
【0049】
送信部142は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスするための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部142は、周波数の基準信号を出力する水晶振動子145Aと、制御回路133の制御により水晶振動子145Aの出力を分周/遁倍して所定周波数の搬送波を発生させるPLL(Phase Locked Loop)145B及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)145Cと、上記制御回路306から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では制御回路306からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路146(振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路146により変調された変調波を増幅(この例では制御回路306からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)して所望の質問波を生成するゲイン制御送信アンプ147とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯(又はマイクロ波帯、あるいは短波帯でもよい)の周波数を用いており、上記送信アンプ147の出力は、送受分離器144を介し装置アンテナ301に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0050】
受信部143は、装置アンテナ301で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路148と、そのI相受信乗算回路148の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ149と、このI相バンドパスフィルタ149の出力を増幅するI相受信アンプ162と、このI相受信アンプ162の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ163と、上記装置アンテナ301で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波が移相器167により位相を90°遅らせた信号とを乗算するQ相受信乗算回路172と、そのQ相受信乗算回路172の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ173と、このQ相バンドパスフィルタ173の出力を増幅するQ相受信アンプ175と、このQ相受信アンプ175の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ176とを備えている。そして、上記I相リミッタ163から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ176から出力される信号「RXS−Q」は、上記制御回路306に入力されて処理される。
【0051】
また、I相受信アンプ162及びQ相受信アンプ175の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路178にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が制御回路306に入力される。これにより、制御回路306では、無線タグ回路素子Toとの通信時における当該無線タグ回路素子Toからの信号の受信強度を検出することが可能となっている。
【0052】
図5は、タグラベル用テープ311(無線タグラベルT)に備えられる無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。
【0053】
この図5において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにシール付きタグラベル作成装置300の装置アンテナ301と非接触で信号の送受信を行う上記タグアンテナ151と、このタグアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0054】
IC回路部150は、タグアンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグアンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグアンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
【0055】
変復調部156は、タグアンテナ151により受信されたシール付きタグラベル作成装置300の装置アンテナ301からの質問波の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグアンテナ151より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
【0056】
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出し、当該クロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0057】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグアンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0058】
以上のような構成であるタグラベル作成システム1においては、次のような手順でシール付きタグラベルSTが作成される。すなわち、操作者は、操作端末100において無線タグラベルTの貼り付け対象である物品に対応するデータベース及び作成する無線タグラベルTの印字デザインとなるテンプレートを選択し、データベースに登録された物品情報に基づき印字情報及びタグ書き込み情報の設定を行う。対応する補助シールSを作成する場合には、同様に補助シールSのテンプレートを選択し、データベースに登録された物品情報に基づき印字情報の設定を行う。そして、シール付きタグラベルSTの作成指令を行うと、シール付きタグラベル作成装置300においてシール付きタグラベルSTが作成されると共に、作成された無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToのタグIDがシール付きタグラベル作成装置300より操作端末100に送信され、当該操作端末100を介してサーバ200の記憶部201のデータベースに対応する物品情報と関連付けて登録される。
【0059】
図6は、記憶部201に登録されたデータベースの一例を表す図である。
【0060】
図6に示すデータベースは、無線タグラベルTの貼り付け対象が例えば書籍である場合の一例を示している。この書籍データベースでは、各書籍ごとに、タグIDと物品情報とが関連付けられて登録されるようになっている。この例では、物品情報は、「物品名」、「保管場所」、当該物品を管理する「部門」、無線タグラベルTをその物品に貼り付ける作業の「作業期限」、及び無線タグラベルTを物品に貼り付ける際の「注意事項」から構成されている。なお、物品情報として上記とは別の項目を含めてもよい。また前述したように、書籍データベースにおいては、シール付きタグラベルSTが作成されるまでは各物品のタグID欄は空白となっており、シール付きタグラベルSTが作成されて初めてタグIDが対応する物品情報と関連付けて登録される。すなわちこの例では、物品名が「BOOK−100」、「BOOK−102」である書籍についてはシール付きタグラベルSTの作成が既になされており、物品名が「BOOK−101」、「BOOK−103」である書籍については未だシール付きタグラベルSTの作成がなされていないことになる。
【0061】
図7は、シール付きタグラベルSTの作成時に操作端末100の表示部101(表示手段)に表示されるラベル作成画面10の一例を表す図である。なお、この図7は、上記図6に示す書籍データベースにおける2段目の書籍(物品名「BOOK−101」)に対応するシール付きタグラベルSTを作成する場合を示している。
【0062】
図7に示すように、ラベル作成画面10は、シール付きタグラベルSTのうちの無線タグラベルTに関する設定入力を行うためのラベル作成部20と、補助シールSに関する設定入力を行うためのシール作成部30とを有している。ラベル作成部20は、貼り付け対象である物品に対応するデータベースを選択するためのデータベース選択部21、作成する無線タグラベルTの印字デザインであるテンプレートを選択するためのタグラベル用テンプレート選択部22、選択されたテンプレート中の第1オブジェクト領域24に対応するテキスト情報を設定するための第1印字領域設定部25、テンプレート中の第2オブジェクト領域26に対応するテキスト情報を設定するための第2印字領域設定部27、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に書き込む情報を設定するための無線タグ情報設定部28、以上の設定に基づいて作成される無線タグラベルTの外観イメージを表示するプレビュー部23、補助シールSの作成を行うか否かを設定する補助シール有無設定部29、及びシール付きタグラベル作成装置300に対し、シール付きタグラベルST(補助シールSの作成を行わない場合には無線タグラベルT)の作成指令を行うための印刷ボタン40を有している。
【0063】
上記第1印字領域設定部25、第2印字領域設定部27、及び無線タグ情報設定部28では、いずれも図8に示すプルダウンメニュー50の中から所望の項目を選択することにより、各情報がそれぞれ設定される。この例では、プルダウンメニューの項目は前述の図6に示す物品情報の項目に対応しており、第1印字領域設定部25では「部門」が選択されているため、物品名「BOOK−101」に対応する書籍の部門情報である「営業部」(図6参照)が第1オブジェクト領域24に入力されてプレビュー部23に表示されている。また、第2印字領域設定部27では「物品名」が選択されているため、対応する物品名である「BOOK−101」(図6参照)が第2オブジェクト領域26に入力されてプレビュー部23に表示されている。また、無線タグ情報設定部28では「物品名」が選択されているため、対応する物品名である「BOOK−101」が無線タグ回路素子ToのIC回路部150に書き込まれる。なお、プルダウンメニュー50中の「直接入力」を選択すると、操作者がテキスト情報を直接入力して各情報を設定することが可能となっている。
【0064】
なお上記において、第1印字領域設定部25及び第2印字領域設定部27におけるプルダウンメニュー50中の項目が、特許請求の範囲に記載のラベル印刷項目に相当し、無線タグ情報設定部28におけるプルダウンメニュー50中の項目が、書き込み項目に相当する。
【0065】
シール作成部30は、補助シール有無設定部29のチェックボックスにチェックがされた場合に限り表示され、チェックボックスにチェックがされなかった場合には表示されないようになっている。このシール作成部30は、作成する補助シールSの印字デザインであるテンプレートを選択するための補助シール用テンプレート選択部31、選択されたテンプレート中の第1オブジェクト領域33に対応するテキスト情報を設定するための第1印字領域設定部34、テンプレート中の第2オブジェクト領域35に対応するテキスト情報を設定するための第2印字領域設定部36、テンプレート中の第3オブジェクト領域37に対応するテキスト情報を設定するための第3印字領域設定部38、以上の設定に基づいて作成される補助シールSの外観イメージを表示するプレビュー部32を有している。
【0066】
なお上記において、第1印字領域設定部34、第2印字領域設定部36、及び第3印字領域設定部38におけるプルダウンメニュー50中の項目が、特許請求の範囲に記載のシール印刷項目に相当する。
【0067】
第1印字領域設定部34、第2印字領域設定部36、及び第3印字領域設定部38では、上述と同様にいずれも図8に示すプルダウンメニュー50の中から所望の項目を選択することにより、各情報がそれぞれ設定される。この例では、第1印字領域設定部34では「保管場所」が選択されているため、物品名「BOOK−101」に対応する書籍の保管場所情報である「書庫A」(図6参照)が第1オブジェクト領域33に入力されてプレビュー部32に表示されている。また、第2印字領域設定部36では「作業期間」が選択されているため、対応する作業期間情報である「2008/08/08」(図6参照)が第2オブジェクト領域35に入力されてプレビュー部32に表示されている。また、第3印字領域設定部38では「注意事項」が選択されているため、対応する注意事項情報である「金属貼付け禁止」が第3オブジェクト領域37に入力されてプレビュー部32に表示されている。なお、上述と同様にプルダウンメニュー50中の「直接入力」を選択すると、テキスト情報を直接入力して各項目を設定することが可能となっている。
【0068】
なお、上記図7において、無線タグ情報設定部28で設定された物品名「BOOK−101」が、特許請求の範囲に記載の情報送受信内容に相当し、第1印字領域設定部34、第2印字領域設定部36、及び第3印字領域設定部38で設定された保管場所「書庫A」、作業期限「2008/08/08」、及び注意事項「金属貼付け禁止」が補足情報に相当する。
【0069】
図9(a)は、以上のようにラベル作成画面10において設定されることにより、シール付きタグラベル作成装置300で作成されたシール付きタグラベルSTの外観の一例を表す平面図であり、図9(b)はその側面図、図9(c)は無線タグラベルTを貼り付け対象に貼り付ける際に、無線タグラベルTから補助シールSを剥離させる様子を表す平面図である。なお、図9(b)では貼り合わせ構成を明確にするために、無線タグラベルT及び補助シールSの厚みを誇張して図示している。また、この図9に示す無線タグラベルT及び補助シールSの印字内容は、上述の図7にそれぞれ対応したものである。
【0070】
これら図9(a)乃至図9(c)に示すように、シール付きタグラベルSTは、無線タグ回路素子To(この図9では図示省略)を有する無線タグラベルTと、この無線タグラベルTに対応して作成される補助シールSとが、再剥離可能に貼り合わされて構成されている。すなわち、シール付きタグラベル作成装置300において、無線タグラベルTと対応する補助シールSとが同時に作成されると共に、補助シールSの貼り合わせ側の面の一部領域に粘着剤塗布装置305によって粘着剤が塗布されることにより結合粘着部60が形成され、この結合粘着部60により無線タグラベルTと補助シールSとが互いの一方側端部(図9中右端部)を貼り合わされた状態で、シール付きタグラベルSTとして生成される。
【0071】
またシール付きタグラベルSTは、補助シールSのテープ長手方向の長さLsが、無線タグラベルTのテープ長手方向長さLtよりもΔLだけ長くなるように構成されている。このΔLは、補助シール用テープ321の搬送経路における第2カッタ328から貼り合わせローラ303までの距離と、タグラベル用テープ311の搬送経路における第1カッタ318から貼り合わせローラ303までの距離との差に相当する(図3参照)。すなわち、詳細は後述するが、シール付きタグラベルSTの作成の際に、補助シール用テープ321及びタグラベル用テープ311は第2カッタ328及び第1カッタ318によってそれぞれ同時に切断されるため、生成された補助シールSと無線タグラベルTのテープ長手方向の長さに上記ΔLだけの差が形成されるようになっている。
【0072】
そして、無線タグラベルTの使用者は、補助シールSに印刷された補足情報(この例では「書庫A」、「2008/08/08」、「金属貼付け禁止」)を手がかりに貼り付け対象の保管場所等を認識した後、図9(c)に示すように無線タグラベルTから補助シールSを剥離させて無線タグラベルTのみを貼り付け対象に貼り付ける。
【0073】
なお、ここでは補助シールSの貼り合わせ側の面の一部の領域にのみ結合粘着部60が形成された場合を例示したが、これに限られず、補助シールSの貼り合わせ側の面の無線タグラベルTと当接する全領域について結合粘着部60を形成してもよい。また、例えば一方側端部と他方側端部に形成する等、複数箇所に結合粘着部60を形成してもよい。
【0074】
図10は、シール付きタグラベルSTの作成時に、操作端末100の制御回路104によって実行される制御内容を表すフローチャートである。このフローチャートは、前述したように、制御回路104のCPU(図示せず)がROM(図示せず)に予め記憶されたラベル作成処理プログラムに従って信号処理を行うことにより実行されるものであり、当該ラベル作成処理プログラムに対応するアプリケーションが起動された際に開始される(START位置)。
【0075】
ステップS3では、制御回路104は、表示部101に表示信号を出力し、前述したラベル作成画面10を表示させる。
【0076】
ステップS5では、制御回路104は、ラベル作成画面10のデータベース選択部21での操作者による選択入力に基づき、貼り付け対象である物品に対応するデータベースを選択する。
【0077】
ステップS10では、制御回路104は、ネットワークNWを介してサーバ200の記憶部201に格納された、上記ステップS5で選択したデータベースにアクセスし、タグIDが登録されていない(言い換えれば未だシール付きタグラベルSTの作成がなされていない)物品のレコードが存在するか否かを判定する。タグIDが登録されていない物品のレコードが存在しない場合には、判定が満たされずに本フローを終了する。一方、タグIDが登録されていない物品のレコードが存在する場合には、判定が満たされてステップS15に移る。
【0078】
ステップS15では、制御回路104は、上記タグIDが登録されていない物品のレコードのうち、データベースにおける最上位位置(例えば登録日時が最も古いもの等)である物品のレコードを特定し、入力済みのデータを取得する。なお、タグIDが登録されていない物品のレコードが単数である場合には、当該レコードが特定される。
【0079】
ステップS20では、制御回路104は、ラベル作成画面10のタグラベル用テンプレート選択部22での操作者による選択入力に基づき、作成する無線タグラベルTの印字デザインであるテンプレートを選択する。
【0080】
ステップS25では、制御回路104は、上記選択されたテンプレートと、ラベル作成画面10の第1印字領域設定部25及び第2印字領域設定部27での操作者による設定入力に基づき、作成する無線タグラベルTの印字情報を設定する。
【0081】
ステップS30では、制御回路104は、ラベル作成画面10の無線タグ情報設定部28での操作者による選択入力に基づき、作成する無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に書き込む情報を設定する。
【0082】
ステップS35では、制御回路104は、補助シールSを作成するか否かを、ラベル作成画面10の補助シール有無設定部29での操作者による入力結果に基づき判定する。すなわち、補助シール有無設定部29のチェックボックスにチェックがされた場合には、補助シールSを作成するとみなし、判定が満たされてステップS40に移る。
【0083】
ステップS40では、制御回路104は、制御回路104は、ラベル作成画面10の補助シール用テンプレート選択部31での操作者による選択入力に基づき、作成する補助シールSの印字デザインであるテンプレートを選択する。
【0084】
ステップS45では、制御回路104は上記選択されたテンプレートと、ラベル作成画面10の第1印字領域設定部34、第2印字領域設定部36、及び第3印字領域設定部38での操作者による設定入力に基づき、作成する補助シールSの印字情報を設定する。
【0085】
ステップS50では、制御回路104は、シール付きタグラベルSTの作成を行うか否かを、ラベル作成画面10の印刷ボタン40の操作結果に基づき判定する。すなわち、印刷ボタン40が操作されるまで本ステップを繰り返し、印刷ボタン40が操作されると判定が満たされてステップS55に移る。
【0086】
ステップS55では、制御回路104は、シール付きタグラベルSTの作成指令信号をシール付きタグラベル作成装置300に対しネットワークNWを介して出力する。なお、この作成指令信号には、上記ステップS25,S30,S45で設定した無線タグラベルTの印字情報、無線タグ回路素子Toへのタグ書き込み情報、及び補助シールSの印字情報が含まれる。
【0087】
ステップS60では、制御回路104は、シール付きタグラベルST(すなわち無線タグラベルTと補助シールS)の作成が完了したことを表す作成完了信号がシール付きタグラベル作成装置300よりネットワークNWを介して受信されたか否かを判定する。作成完了信号を受信するまで本ステップを繰り返し、受信したら判定が満たされて後述のステップS80に移る。なおこのとき、作成完了信号と共に作成された無線タグラベルTに対応するタグIDについても受信する。
【0088】
一方、先のステップS35において、補助シール有無設定部29のチェックボックスにチェックがされていない場合には、補助シールSを作成しないとみなし、判定が満たされずにステップS65に移る。
【0089】
ステップS65では、制御回路104は、無線タグラベルTの作成を行うか否かを、ラベル作成画面10の印刷ボタン40の操作結果に基づき判定する。すなわち、印刷ボタン40が操作されるまで本ステップを繰り返し、印刷ボタン40が操作されると判定が満たされてステップS70に移る。
【0090】
ステップS70では、制御回路104は、無線タグラベルTの作成指令信号をシール付きタグラベル作成装置300に対しネットワークNWを介して出力する。なお、この作成指令信号には、上記ステップS25,S30で設定した無線タグラベルTの印字情報及び無線タグ回路素子Toへのタグ書き込み情報が含まれる。
【0091】
ステップS75では、制御回路104は、無線タグラベルTの作成が完了したことを表す作成完了信号がシール付きタグラベル作成装置300よりネットワークNWを介して受信されたか否かを判定する。作成完了信号を受信するまで本ステップを繰り返し、受信したら判定が満たされてステップS80に移る。なおこのとき、作成完了信号と共に作成された無線タグラベルTに対応するタグIDについても受信する。
【0092】
ステップS80では、制御回路104は、ネットワークNWを介してサーバ200の記憶部201に格納された上記選択したデータベースにアクセスし、上記受信したタグIDを上記ステップS15で特定した物品の物品情報に関連付けて登録する。これにより、作成されたシール付きタグラベルST(無線タグラベルT)に対応する物品のタグID欄にタグIDが登録される。以上により、本フローを終了する。
【0093】
上記において、ステップS3、ステップS25、及びステップS30は、特許請求の範囲に記載の第1手順に相当し、ステップS3及びステップS45は、第2手順に相当し、ステップS55は、第3手順に相当する。
【0094】
また、上記ラベル作成処理プログラムに従って上述した制御内容を実行する制御回路104は、特許請求の範囲に記載の、シール付きタグラベル作成装置において、無線タグラベルと補助シールとが再剥離可能に貼り合わされた状態で生成されるように、通信手段、第1印字手段、第2印字手段を制御するための処理制御手段を構成する。
【0095】
図11は、シール付きタグラベルSTの作成時に、シール付きタグラベル作成装置300の制御回路306によって実行される制御内容を表すフローチャートである。このフローチャートは、操作端末100よりラベル作成指令信号を受信した際に開始される(START位置)。
【0096】
ステップS110では、制御回路306は、補助シールSを作成するか否か(言い換えればシール付きタグラベルSTを作成するか無線タグラベルTのみを作成するか)を、操作端末100より受信したラベル作成指令信号に基づき判定する。シール付きタグラベルSTに対応する作成指令信号である場合には(図10のステップS55参照)、判定が満たされてステップS200に移り、シール付きタグラベル作成処理を実行する。一方、無線タグラベルTに対応する作成指令信号である場合には(図10のステップS70参照)、判定が満たされずにステップS300に移り、タグラベル作成処理を実行する。以上により、本フローを終了する。
【0097】
図12は、上記ステップS200のシール付きタグラベル作成処理の詳細内容を表すフローチャートである。
【0098】
ステップS205では、制御回路306は、操作端末100より受信した作成指令信号に基づき、無線タグラベルT(タグラベル用テープ311)の印字情報、無線タグ回路素子Toへのタグ書き込み情報、及び補助シールS(補助シール用テープ321)の印字情報を取得する(図10のステップS55参照)。
【0099】
ステップS210では、制御回路306は、粘着剤塗布装置305に制御信号を出力し、補助シール用テープ321の貼り合わせ側の面に対する粘着剤の噴出を開始する。
【0100】
ステップS215では、制御回路306は、第2印字ヘッド327及び第2搬送ローラ325に制御信号を出力し、補助シール用テープ321への上記印字情報に基づく印字及びテープ搬送を開始する。
【0101】
ステップS220では、制御回路306は、補助シール用テープ321を所定量(前述したΔLに相当する距離)搬送したか否かを公知の方法により判定する。公知の方法としては、例えば第2搬送ローラ325を駆動する搬送用モータ(図示せず)をパルスモータで構成し、当該搬送用モータを駆動する搬送用モータ駆動回路(図示せず)の出力するパルス数のカウント値に基づき、所定量搬送が行われたかどうかを判定すればよい。補助シール用テープ321が所定量搬送されるまで本ステップを繰り返し、所定量搬送されたら判定が満たされてステップS225に移る。
【0102】
ステップS225では、制御回路306は、第1印字ヘッド317及び第1搬送ローラ315に制御信号を出力し、タグラベル用テープ311への上記印字情報に基づく印字及びテープ搬送を開始する。これにより、第1搬送ローラ315によるタグラベル用テープ311の搬送経路と第2搬送ローラ325による補助シール用テープ321の搬送経路との合流点では、貼り合わせローラ303によってタグラベル用テープ311と補助シール用テープ321とが貼り合わせられつつ、両テープの搬送が行われる。
【0103】
ステップS230では、制御回路306は、高周波回路302に制御信号を出力し、装置アンテナ301の通信範囲内に存在する無線タグ回路素子Toに対するタグIDを指定しないタグ読み取り信号の送信を行う。
【0104】
ステップS235では、制御回路306は、上記タグ読み取り信号に対応して無線タグ回路素子Toから返信されたリプライ信号を、装置アンテナ301を介し受信する。そして、受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子ToのタグID(ここではUID。予め無線タグ回路素子Toに書き換え不能に記憶されている)が正常に読み取れたか否かを判定する。タグIDを正常に読み取れなかった場合には、判定が満たされずに上記ステップS230に戻り、再度タグ読み取り信号の送信を行う。一方、タグID正常に読み取れた場合には、判定が満たされてステップS240に移る。
【0105】
ステップS240では、制御回路306は、第2印字ヘッド327及び第2搬送ローラ325に制御信号を出力し、補助シール用テープ321への印字及びテープ搬送を停止するとともに、第1印字ヘッド317及び第1搬送ローラ315に制御信号を出力し、タグラベル用テープ311への印字及びテープ搬送を停止する。
【0106】
ステップS245では、制御回路306は、粘着剤塗布装置305に制御信号を出力し、補助シール用テープ321の貼り合わせ側の面に対する粘着剤の噴出を停止する。これにより、前述の図9に示すように、補助シールSの貼り合わせ側の面の一部領域に対し結合粘着部60が形成される。
【0107】
ステップS250では、制御回路306は、高周波回路302に制御信号を出力し、装置アンテナ301の通信範囲内に存在する書き込み対象である無線タグ回路素子Toに対し、上記ステップS235で読み取ったタグIDを指定したタグ書き込み信号の送信を行い、上記タグ書き込み情報を無線タグ回路素子ToのIC回路部150に書き込む。
【0108】
ステップS255では、制御回路306は、第2印字ヘッド327及び第2搬送ローラ325に制御信号を出力し、補助シール用テープ321への印字及びテープ搬送を再開するとともに、第1印字ヘッド317及び第1搬送ローラ315に制御信号を出力し、タグラベル用テープ311への印字及びテープ搬送を再開する。
【0109】
ステップS260では、制御回路306は、補助シール用テープ321への印字及びタグラベル用テープ311への印字が両方とも終了したか否かを判定する。この判定は、例えば補助シール用テープ321及びタグラベル用テープ311に対する印字情報に基づきそれぞれの印刷終了位置を算出しておき、補助シール用テープ321及びタグラベル用テープ311がそれぞれ当該印刷終了位置まで搬送されたか否かを前述と同様の公知の方法で検出すればよい。両方の印字が終了するまで本ステップを繰り返し、印字が終了した場合には判定が満たされてステップS265に移る。
【0110】
ステップS265では、制御回路306は、補助シール用テープ321及びタグラベル用テープ311が切断位置まで搬送されたか否かを前述と同様の公知の方法で判定する。なおこの切断位置は、タグラベル用テープ311内における無線タグ回路素子Toの配置間隔に応じ、補助シール用テープ321及びタグラベル用テープ311に対して予め設定されている。補助シール用テープ321及びタグラベル用テープ311が切断位置まで搬送されるまで本ステップを繰り返し、切断位置まで搬送されたら判定が満たされてステップS270に移る。
【0111】
ステップS270では、制御回路306は、第2搬送ローラ325に制御信号を出力して補助シール用テープ321のテープ搬送を停止するとともに、第1搬送ローラ315に制御信号を出力してタグラベル用テープ311のテープ搬送を停止する。
【0112】
ステップS275では、制御回路306は、第2カッタ328及び第1カッタ318に制御信号を出力し、補助シール用テープ321及びタグラベル用テープ311を切断する。このように補助シール用テープ321及びタグラベル用テープ311を同時に切断することにより、前述したように、補助シール用テープ321の搬送経路における第2カッタ328から貼り合わせローラ303までの距離と、タグラベル用テープ311の搬送経路における第1カッタ318から貼り合わせローラ303までの距離との差に相当するΔLの長さだけ、生成された補助シールSと無線タグラベルTのテープ長手方向の長さに差が生じるようになっている。
【0113】
ステップS280では、制御回路306は、補助シール用テープ321及びタグラベル用テープ311を切断し貼り合わせローラ303で貼り合わせることにより生成されたシール付きタグラベルSTを、装置外に排出する。
【0114】
ステップS285では、制御回路306は、シール付きタグラベルST(すなわち無線タグラベルTと補助シールS)の作成を完了したことを表す作成完了信号を、上記ステップS235で読み取ったタグIDと共に、ネットワークNWを介して操作端末100に対し送信する。以上により、本ルーチンを終了する。
【0115】
上記において、ステップS205〜ステップS280は、特許請求の範囲に記載の連携制御手段を構成し、そのうちのステップS205は、補足情報と情報送受信内容とを関連付けて記憶するデータベースより(操作端末100を介して)補足情報を取得する補足情報取得手段を構成する。
【0116】
図13は、上記ステップS300のタグラベル作成処理の詳細内容を表すフローチャートである。
【0117】
ステップS305では、制御回路306は、操作端末100より受信した作成指令信号に基づき、無線タグラベルT(タグラベル用テープ311)の印字情報及び無線タグ回路素子Toへのタグ書き込み情報を取得する(図10のステップS70参照)。
【0118】
ステップS310では、制御回路306は、第1印字ヘッド317及び第1搬送ローラ315に制御信号を出力し、タグラベル用テープ311への上記印字情報に基づく印字及びテープ搬送を開始する。なおここでは、補助シール用テープ321への印字及びテープ搬送については行わない。したがって、貼り合わせローラ303によるタグラベル用テープ311と補助シール用テープ321との貼り合わせも行われないようになっている。
【0119】
ステップS315では、制御回路306は、高周波回路302に制御信号を出力し、装置アンテナ301の通信範囲内に存在する無線タグ回路素子Toに対するタグIDを指定しないタグ読み取り信号の送信を行う。
【0120】
ステップS320では、制御回路306は、上記タグ読み取り信号に対応して無線タグ回路素子Toから返信されたリプライ信号を、装置アンテナ301を介し受信する。そして、受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子ToのタグIDが正常に読み取れたか否かを判定する。タグIDを正常に読み取れなかった場合には、判定が満たされずに上記ステップS315に戻り、再度タグ読み取り信号の送信を行う。一方、タグID正常に読み取れた場合には、判定が満たされてステップS325に移る。
【0121】
ステップS325では、制御回路306は、第1印字ヘッド317及び第1搬送ローラ315に制御信号を出力し、タグラベル用テープ311への印字及びテープ搬送を停止する。
【0122】
ステップS330では、制御回路306は、高周波回路302に制御信号を出力し、装置アンテナ301の通信範囲内に存在する書き込み対象である無線タグ回路素子Toに対し、上記ステップS320で読み取ったタグIDを指定したタグ書き込み信号の送信を行い、上記タグ書き込み情報を無線タグ回路素子ToのIC回路部150に書き込む。
【0123】
ステップS335では、制御回路306は、第1印字ヘッド317及び第1搬送ローラ315に制御信号を出力し、タグラベル用テープ311への印字及びテープ搬送を再開する。
【0124】
ステップS340では、制御回路306は、タグラベル用テープ311への印字が両方とも終了したか否かを判定する。印字が終了するまで本ステップを繰り返し、印字が終了した場合には判定が満たされてステップS345に移る。
【0125】
ステップS345では、制御回路306は、タグラベル用テープ311が切断位置まで搬送されたか否かを前述と同様の公知の方法で判定する。タグラベル用テープ311が切断位置まで搬送されるまで本ステップを繰り返し、切断位置まで搬送されたら判定が満たされてステップS350に移る。
【0126】
ステップS350では、制御回路306は、第1搬送ローラ315に制御信号を出力してタグラベル用テープ311のテープ搬送を停止する。
【0127】
ステップS355では、制御回路306は、第1カッタ318に制御信号を出力し、タグラベル用テープ311を切断する。
【0128】
ステップS360では、制御回路306は、上記タグラベル用テープ311の切断により生成された無線タグラベルTを、装置外に排出する。
【0129】
ステップS365では、制御回路306は、無線タグラベルTの作成を完了したことを表す作成完了信号を、上記ステップS235で読み取ったタグIDと共に、ネットワークNWを介して操作端末100に対し送信する。以上により、本ルーチンを終了する。
【0130】
以上説明した実施形態においては、無線タグラベルTの作成時には、第1カートリッジホルダ314にタグカートリッジ313が装着されるとともに、第2カートリッジホルダ324に補助カートリッジ323が装着される。そして、タグカートリッジ313から供給されたタグラベル用テープ311は、第1搬送ローラ315で搬送され、第1印字ヘッド317によって所望の印字が行われる。また、タグラベル用テープ311に備えられた無線タグ回路素子Toには、装置アンテナ301によって無線通信が行われ、所望の情報送受信が行われ、これによって印字付きの無線タグラベルTが生成される。一方、補助カートリッジ323から供給された補助シール用テープ321は第2搬送ローラ325で搬送され、第2印字ヘッド327によって印字が行われ、補助シールSが生成される。このときの印字としては、上記した装置アンテナ301による無線タグ回路素子Toとの情報送受信内容に対応した、補足情報の印字が行われる。このとき、制御回路306の制御によって、無線タグラベルTと補助シールSとが、再剥離可能に互いに貼り合わされた状態でシール付きタグラベルSTとして生成される。
【0131】
以上のようにして、本実施形態においては、無線タグラベルTの作成時に、無線タグラベルTのみを単独で作成するのではなく、無線タグ回路素子Toとの情報送受信内容(言い換えれば無線タグ回路素子Toの記憶内容)に対応する補足情報を印字した補助シールSを、併せて作成する。そして、そのような補助シールSを、対応する無線タグラベルTと貼り合わせた状態で生成する。これにより、無線タグラベルTに印字された情報だけでは貼り付け対象が不明の場合であっても、補助シールSに印刷された補足情報を手がかりに使用者が貼り付け対象を認識した後、無線タグラベルTから補助シールSを剥離させて無線タグラベルTのみを確実に貼り付け対象に貼り付けることができる。この結果、使用者が誤って無線タグラベルTを別の物品に貼り付けるのを、確実に防止することができる。
【0132】
また、本実施形態では特に、補助シール用テープ321に印字する補足情報(保管場所、作業期限、注意事項等)とタグラベル用テープ311の無線タグ回路素子Toに対し書き込む無線タグ情報(物品名等)とを、サーバ200の記憶部201のデータベースに関連付けて登録しておく。そして、第2印字ヘッド327は、当該データベースより操作端末100を介して取得した補足情報を、補助シール用テープ321に対し印字する。これにより、補助シール用テープ321に対し無線タグ回路素子Toに対し書き込む無線タグ情報に確実に対応した補足情報の印字を行うことができる。その結果、互いに貼り合わす無線タグラベルTと補助シールSとを確実に対応付けることができる。
【0133】
また、本実施形態では特に、シール付きタグラベル作成装置300は、タグカートリッジ313から供給されたタグラベル用テープ311の第1印字ヘッド317による印字面側に対し、補助カートリッジ323から供給された補助シール用テープ321を貼り合わせる貼り合わせローラ303を有する。これにより、第1搬送ローラ315によるタグカートリッジ313からのタグラベル用テープ311の搬送経路と第2搬送ローラ325による補助カートリッジ323からの補助シール用テープ321の搬送経路との合流点に貼り合わせローラ303を設けることで、搬送の流れに沿って円滑にタグラベル用テープ311と補助シール用テープ321との貼り合わせを行うことができる。また、貼り合わせローラ303でタグラベル用テープ311の印字面側に補助シール用テープ321を貼り合わせることにより、補助シールSを対応する無線タグラベルTの印字面側(すなわち表面側)に貼り合わせた状態で生成することができる。これにより、無線タグラベルTを使用する際に、使用者は確実に補助シールSを視認することができる。
【0134】
また、本実施形態では特に、タグラベル用テープ311及び補助シール用テープ321を第1カッタ318及び第2カッタ328で所定の長さに切断することで、無線タグラベルT及び補助シールSを作成することができる。このとき、タグラベル用テープ311側の搬送経路の第1カッタ318と、補助シール用テープ321側の搬送経路の第2カッタ328とを、別々に設置することにより、無線タグラベルTと補助シールSとで互いにテープ長手方向の長さを異ならせることができる。
【0135】
また、本実施形態では特に、補助シールSのテープ長手方向の長さLsが、無線タグラベルTのテープ長手方向長さLtよりもΔLだけ長くなるように構成されている。このように補助シールSの長さを無線タグラベルTより長くすることにより、設置対象物への無線タグラベルTの貼り付け時に補助シールSを無線タグラベルTから剥がす際に、補助シールSを手でつまみやすくして容易に剥がせるようにすることができる。この結果、使用者の利便性を向上することができる。
【0136】
また、本実施形態では特に、第2搬送ローラ325による補助シール用テープ321の搬送経路において貼り合わせローラ303より搬送方向上流側に、補助シール用テープ321の貼り合わせ側の面に貼り合わせ用の粘着剤を塗布する粘着剤塗布装置305を設ける。これにより、補助カートリッジ323から供給されて搬送される補助シール用テープ321が、貼り合わせローラ303で貼り合わされる前に、当該貼り合わせの粘着力を与えるための粘着剤を塗布することができる。また貼り合わせ直前に粘着剤を塗布する構成とすることで、補助カートリッジ323内において補助テープロール322としてロール形状で収納されている状態では、補助シール用テープ321に粘着力が存在しないようにすることができる。したがって、補助カートリッジ323内での収納状態で粘着剤が備えられている場合に比べ、補助カートリッジ323から補助シール用テープ321を引き出すための搬送駆動力が小さくて済むという効果もある。さらに、粘着剤塗布装置305による粘着剤の塗布タイミングを適宜制御することで、補助シール用テープ321の貼り合わせ側の全面ではなく一部領域に対し粘着剤を塗布することができる。これにより、設置対象物への無線タグラベルTの貼り付け時に補助シールSを無線タグラベルTから剥がす際に、補助シールSの粘着剤が塗布されていない側を手でつまみやすくしてさらに容易に剥がせるようにすることができると共に、粘着剤の使用量を節減できる。
【0137】
また、以上説明した実施形態においては、予め、サーバ200の記憶部201に格納されたデータベースに、当該無線タグラベルTの設置対象となる物品の物品情報が登録されている。そして、無線タグラベルTを作成するに際しては、ラベル作成処理プログラムに従って信号処理を実行する制御回路104の制御により、データベースへのアクセスに基づき、無線タグラベルTへのラベル印刷項目と無線タグ回路素子Toへの書き込み項目、及び補助シールSへのシール印刷項目とを含むラベル作成画面10が表示部101に表示される。そして、操作者がそれら表示部101におけるラベル作成画面10に従って各項目を選択すると、その選択入力結果に応じた印字データが、第1印字ヘッド317及び第2印字ヘッド327を有するシール付きタグラベル作成装置300(の制御回路306)へ出力される。これにより、無線タグラベルT作成時に、無線タグ回路素子Toへのタグ書き込み情報に対応する補足情報を印字した補助シールSを、対応する無線タグラベルTと貼り合わせた状態で生成することができる。
【0138】
この結果、無線タグラベルTに印字された情報だけでは貼り付け対象が不明の場合であっても、補助シールSに印刷された補足情報を手がかりにすることで、使用者が誤って無線タグラベルTを別の物品に貼り付けるのを、確実に防止することができる。
【0139】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0140】
(1)単一のカッタで切断を行う場合
上記実施形態では、シール付きタグラベル作成装置300が、タグラベル用テープ311を切断する第1カッタ318と、補助シール用テープ321を切断する第2カッタ328との2つのカッタを有する構成としたが、これに限られず、貼り合わせ後のタグラベル用テープ311及び補助シール用テープ321を単一のカッタで切断する構成としてもよい。
【0141】
図14は、本変形例のシール付きタグラベル作成装置300の機能構成を表す機能ブロック図である。この図14において、前述の図3と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
【0142】
この図14において、本変形例のシール付きタグラベル作成装置300は、前述の第1カッタ318及び第2カッタ328の代わりに、第1搬送ローラ315によるタグラベル用テープ311の搬送経路と第2搬送ローラ325による補助シール用テープ321の搬送経路とが合流した、貼り合わせローラ303より搬送方向下流側に設けられ、貼り合わされたタグラベル用テープ311及び補助シール用テープ321を切断する第3カッタ338(第3切断手段)を有している。その他の構成については前述の実施形態と同様である。
【0143】
図15(a)は、上記構成である本変形例のシール付きタグラベル作成装置300で作成されたシール付きタグラベルSTの外観の一例を表す平面図であり、図15(b)はその側面図、図15(c)は無線タグラベルTを貼り付け対象に貼り付ける際に、無線タグラベルTから補助シールSを剥離させる様子を表す平面図である。なお、前述の図9と同様に、この図15に示す無線タグラベルT及び補助シールSの印字内容は、前述の図7にそれぞれ対応したものである。
【0144】
これら図15(a)乃至図15(c)に示すように、本変形例におけるシール付きタグラベルSTは、前述の実施形態と異なり、補助シールSのテープ長手方向の長さLsが、無線タグラベルTのテープ長手方向長さLtと等しくなるように構成されている。これは、上述したように、貼り合わされたタグラベル用テープ311及び補助シール用テープ321が単一の第3カッタ338により一緒に切断されるからである。一方で、無線タグラベルTのラベル幅(言い換えればタグラベル用テープ311のテープ幅)Htが、補助シールSのラベル幅(言い換えれば補助シール用テープ321のテープ幅)Hsより大きくなるように構成されている。これは、第1カートリッジホルダ314に、第2カートリッジホルダ324に装着される補助カートリッジ323の補助シール用テープ321のテープ幅よりも大きなテープ幅である、タグラベル用テープ311を供給可能なタグカートリッジ313を装着することにより、実現される。
【0145】
図16は、シール付きタグラベルSTの作成時に、本変形例のシール付きタグラベル作成装置300の制御回路306によって実行されるステップS200Aのシール付きタグラベル作成処理の詳細内容を表すフローチャートである。この図16において、前述の図12と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。
【0146】
ステップS205及びステップS210は前述の図12と同様である。
【0147】
次のステップS219では、制御回路306は、第2印字ヘッド327及び第2搬送ローラ325に制御信号を出力し、補助シール用テープ321への印字及びテープ搬送を開始するとともに、第1印字ヘッド317及び第1搬送ローラ315に制御信号を出力し、タグラベル用テープ311への印字及びテープ搬送を開始する。
【0148】
その後のステップS230〜ステップS270は前述の図12と同様である。
【0149】
次のステップS279では、制御回路306は、制御回路306は、第3カッタ338に制御信号を出力し、貼り合わせローラ303によって貼り合わされた補助シール用テープ321及びタグラベル用テープ311を切断する。これにより、補助シールSのテープ長手方向の長さLsと、無線タグラベルTのテープ長手方向長さLtとは等しくなる。
【0150】
その後のステップS280及びステップS285は前述の図12と同様である。
【0151】
なお、上述のシール付きタグラベル作成処理以外の制御内容は、前述の実施形態における図11及び図13と同様であるので説明を省略する。
【0152】
以上説明した変形例によれば、タグラベル用テープ311及び補助シール用テープ321を第3カッタ338で所定の長さに切断することで、無線タグラベルT及び補助シールSを作成することができる。このとき、それぞれ別の搬送経路から搬送されたタグラベル用テープ311と補助シール用テープ321とが貼り合わせローラ303で貼り合わせれた後に切断することにより、共通の1つのカッタとすることができるので、シール付きタグラベル作成装置300の部品点数を削減し装置構造を簡素化することができる。
【0153】
また、本変形例では特に、第1カートリッジホルダ314に装着されるタグカートリッジ313のタグラベル用テープ311のテープ幅を、第2カートリッジホルダ324に装着される補助カートリッジ323の補助シール用テープ321のテープ幅よりも大きくする。これにより、作成される無線タグラベルTの幅方向寸法Htを補助シールSの幅方向寸法Hsより広くすることができる。この結果、設置対象物への無線タグラベルTの貼り付け時に、無線タグラベルTを手でつまみやすくして補助シールSから容易に剥がせるようにすることができる。したがって、使用者の利便性を向上することができる。
【0154】
(2)シール付きタグラベルSTの形態のバリエーション
以上説明した以外にも、第1カッタ318と第2カッタ328との切断タイミングや、第1カートリッジホルダ314に装着されるタグカートリッジ313と第2カートリッジホルダ324に装着される補助カートリッジ323とのテープ幅を調整することにより、シール付きタグラベルSTの形態のバリエーションが種々考えられる。以下、そのバリエーションについて説明する。
【0155】
例えば図17(a)に示すように、補助シールSの長手方向両端が無線タグラベルTの両端よりそれぞれ突出するように、シール付きタグラベルSTを構成してもよい。また図17(b)に示すように、補助シールSの長手方向一端側(この例では左端側)については無線タグラベルTの端部より突出するが、補助シールSの長手方向他端側(この例では右端側)については無線タグラベルTの端部より引き込むように、シール付きタグラベルSTを構成してもよい。また図17(c)に示すように、上記図17(a)とは反対に無線タグラベルTの長手方向両端が補助シールSの両端よりそれぞれ突出するように、シール付きタグラベルSTを構成してもよい。また図17(d)に示すように、前述した変形例(1)の図15に示す構成とは反対に、補助シールSの幅が無線タグラベルTの幅よりも大きくなるように構成してもよい。
【0156】
さらに図18(a)に示すように、長手方向寸法及び幅方向寸法の両方について、補助シールSの方が無線タグラベルTよりも大きくなるように構成してもよいし、その反対に、図18(b)に示すように、長手方向寸法及び幅方向寸法の両方について、無線タグラベルTの方が補助シールSよりも大きくなるように構成してもよい。また図18(c)に示すように、長手方向寸法については補助シールSの方が無線タグラベルTよりも大きいが、幅方向寸法については無線タグラベルTの方が補助シールSよりも大きくなるように構成してもよいし、その反対に、図18(d)に示すように、長手方向寸法については無線タグラベルTの方が補助シールSよりも大きいが、幅方向寸法については補助シールSの方が無線タグラベルTよりも大きくなるように構成してもよい。
【0157】
(3)その他
以上においては、無線タグラベルTのラベル印刷項目及び書き込み項目と、補助シールSのシール印刷項目とについて、操作者がラベル作成画面10において手動にて選択入力するようにしたが、これに限られず、予め各項目を設定しておき、操作者が選択入力しなくとも自動的に設定されるようにしてもよい。
【0158】
また以上においては、シール付きタグラベル作成装置300とは別の操作端末100においてアプリケーションを起動させ、ラベル作成画面を表示して操作者が各種設定を行うようにしたが、これに限られず、シール付きタグラベル作成装置300自体に表示部及び操作部を設けるとともにアプリケーションをインストールし、当該表示部にラベル作成画面を表示して、操作者が各種設定を行うようにしてもよい。
【0159】
また以上においては、タグラベル用テープ311のテープ搬送を所定位置で停止させて、無線タグ回路素子Toに対して無線タグ情報の書き込みを行うようにしたが、これに限られず、移動中のタグラベル用テープ311に対して無線タグ情報の書き込みを行うようにしてもよい。
【0160】
また、以上においては、タグラベル用テープ311に対し直接印字を行う方式(貼りあわせを行わないいわゆるノンラミネートタイプ)のタグカートリッジ313を用いる場合を説明したが、これに限られず、無線タグ回路素子Toを備えたタグラベル用テープ311とは別のカバーフィルムに印字を行ってこれらを貼り合わせる方式のタグカートリッジ(貼りあわせを行ういわゆるラミネートタイプ)を用いてもよい。さらに、タグラベル用テープ311及び補助シール用テープ321に対しインクリボン316,326を用いて印刷する場合を説明したが、これに限られず、例えばタグラベル用テープ311及び補助シール用テープ321を感熱テープとして熱により発色し印字形成してもよいし、インクを塗布することで印字形成してもよい。
【0161】
さらに、以上は、タグラベル用テープ311及び補助シール用テープ321がリール部材の周りに巻回されてロール312,322を構成し、カートリッジ313,323内にそのロールが配置されてタグラベル用テープ311及び補助シール用テープ321が繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをカートリッジホルダ314,324に装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び情報書き込みを行いタグラベルT及び補助シールSを作成するようにしてもよい。
【0162】
さらには上記ロール312,322を直接シール付きタグラベル作成装置300に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをシール付きタグラベル作成装置300外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送し装置内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ313,323のようなシール付きタグラベル作成装置300本体側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型としてロール312,322を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0163】
なお、以上において、図2、図3、図4、図5等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0164】
また、図10、図11、図12、図13等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0165】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0166】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0167】
101 表示部(表示手段)
104 制御回路(処理制御手段)
150 IC回路部
151 タグアンテナ
300 シール付きタグラベル作成装置
301 装置アンテナ(通信手段)
303 貼り合わせローラ(貼り合わせ手段)
305 粘着剤塗布装置(粘着剤塗布手段)
311 タグラベル用テープ
313 タグカートリッジ
314 第1カートリッジホルダ
315 第1搬送ローラ(第1搬送手段)
317 第1印字ヘッド(第1印字手段)
318 第1カッタ(第1切断手段)
321 補助シール用テープ
323 補助カートリッジ
324 第2カートリッジホルダ
325 第2搬送ローラ(第2搬送手段)
327 第2印字ヘッド(第2印字手段)
328 第2カッタ(第2切断手段)
338 第3カッタ(第3切断手段)
S 補助シール
T 無線タグラベル
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた無線タグ回路素子と無線通信を行うための通信手段と、
複数の前記無線タグ回路素子が配置されたタグラベル用テープを連続的に供給可能に収納したタグカートリッジを着脱可能な、第1カートリッジホルダと、
前記タグカートリッジから供給される前記タグラベル用テープを搬送する第1搬送手段と、
前記第1搬送手段により搬送される前記タグラベル用テープに対し所望の印字を行う第1印字手段と、
前記タグカートリッジより供給された前記タグラベル用テープに貼り合わせる補助シール用テープを連続的に供給可能に収納した補助カートリッジを着脱可能な、第2カートリッジホルダと、
前記補助カートリッジから繰り出される前記補助シール用テープを搬送する第2搬送手段と、
前記補助カートリッジから供給される前記補助シール用テープに対し、前記通信手段による前記無線タグ回路素子との情報送受信内容に対応した補足情報の印字を行う第2印字手段と、
前記第1印字手段により前記タグラベル用テープに前記所望の印字がなされ、前記通信手段により前記無線タグ回路素子に情報送受信が行われた無線タグラベルと、前記無線タグラベルに対応して前記第2印字手段により前記補助シール用テープに前記補足情報の印字がなされた補助シールとを、再剥離可能に貼り合わされた状態で生成するように、前記第1搬送手段、前記第1印字手段、前記第2搬送手段、及び前記第2印字手段を連携して制御する連携制御手段と
を有することを特徴とするシール付きタグラベル作成装置。
【請求項2】
前記補足情報と前記情報送受信内容とを関連付けて記憶するデータベースより、前記補足情報を取得する補足情報取得手段を有し、
前記第2印字手段は、前記補助シール用テープに対し、前記補足情報取得手段で取得した前記補足情報の印字を行う
ことを特徴とする請求項1記載のシール付きタグラベル作成装置。
【請求項3】
前記タグカートリッジから供給された前記タグラベル用テープの前記第1印字手段による印字面側に対し、前記補助カートリッジから供給された前記補助シール用テープを貼り合わせる貼り合わせ手段を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシール付きタグラベル作成装置。
【請求項4】
前記第1搬送手段による前記タグラベル用テープの搬送経路において前記貼り合わせ手段より搬送方向上流側に設けられ、前記タグラベル用テープを切断する第1切断手段と、
前記第2搬送手段による前記補助シール用テープの搬送経路において前記貼り合わせ手段より搬送方向上流側に設けられ、前記補助シール用テープを切断する第2切断手段と
を有することを特徴とする請求項3記載のシール付きタグラベル作成装置。
【請求項5】
前記連携制御手段は、
前記補助シールのテープ長手方向の長さが、前記無線タグラベルのテープ長手方向長さよりも長くなるように、前記第1搬送手段、前記第2搬送手段、前記第1切断手段、及び前記第2切断手段を連携して制御する
ことを特徴とする請求項4記載のシール付きタグラベル作成装置。
【請求項6】
前記第1搬送手段による前記タグラベル用テープの搬送経路と前記第2搬送手段による前記補助シール用テープの搬送経路とが合流した、前記貼り合わせ手段より搬送方向下流側に設けられ、貼り合わされた前記タグラベル用テープ及び前記補助シール用テープを切断する第3切断手段を有する
ことを特徴とする請求項3記載のシール付きタグラベル作成装置。
【請求項7】
前記第1カートリッジホルダに装着される前記タグカートリッジの前記タグラベル用テープのテープ幅を、前記第2カートリッジホルダに装着される前記補助カートリッジの前記補助シール用テープのテープ幅よりも大きくした
ことを特徴とする請求項6記載のシール付きタグラベル作成装置。
【請求項8】
前記第2搬送手段による前記補助シール用テープの搬送経路において前記貼り合わせ手段より搬送方向上流側に設けられ、前記補助シール用テープの貼り合わせ側の面に貼り合わせ用の粘着剤を塗布する粘着剤塗布手段を有する
ことを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれか1項記載のシール付きタグラベル作成装置。
【請求項9】
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた無線タグ回路素子と無線通信を行うための通信手段と、複数の前記無線タグ回路素子が配置されたタグラベル用テープに対し所望の印字を行って無線タグラベルを生成する第1印字手段と、前記タグラベル用テープに貼り合わせるための補助シール用テープに対し、前記通信手段による前記無線タグ回路素子との情報送受信内容に対応した補足情報の印字を行い、補助シールを生成する第2印字手段とを有するシール付きタグラベル作成装置において、前記無線タグラベルと前記補助シールとが再剥離可能に貼り合わされた状態で生成されるように、前記通信手段、前記第1印字手段、前記第2印字手段を制御するための処理制御手段に対して、
前記無線タグラベルを設置する物品に関する物品情報を格納したデータベースにアクセスし、前記物品情報を構成する複数項目のうち、前記第1印字手段により前記無線タグラベルに印刷するラベル印刷項目と、前記通信手段により前記無線タグ回路素子に書き込む書き込み項目とを、選択可能に表示手段に表示し、操作者の選択入力を促す第1手順と、
前記データベースにアクセスし、前記物品情報を構成する前記複数項目のうち、前記第2印字手段により前記補足情報として前記補助シールに印刷するシール印刷項目を、選択可能に前記表示手段に表示し、操作者の選択入力を促す第2手順と、
前記第1手順及び前記第2手順での操作者の選択入力結果に応じた印字データを前記第1印字手段及び前記第2印字手段に出力し、対応する印字を実行させる第3手順と
を、実行させるためのラベル作成処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−191919(P2010−191919A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38522(P2009−38522)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】