シール装置,シール装置を備えたガスタービン及びガスタービンの運転方法
【課題】
セグメント間の熱伸び量に偏差が生じた場合でも柔軟に対応可能な信頼性の高いシール装置を提供する。
【解決手段】
互いに隣接するセグメントの対向端面63a,63bにそれぞれシール溝61a,61bが設けられ、このシール溝にシール部材90が挿入されたシール装置において、隣接するセグメントのいずれか一方側のシール溝61aは、溝の深さ方向に突起部80を有し、シール部材90は、突起部80を挟み込むよう構成することにより、流体の漏れを抑制する。
セグメント間の熱伸び量に偏差が生じた場合でも柔軟に対応可能な信頼性の高いシール装置を提供する。
【解決手段】
互いに隣接するセグメントの対向端面63a,63bにそれぞれシール溝61a,61bが設けられ、このシール溝にシール部材90が挿入されたシール装置において、隣接するセグメントのいずれか一方側のシール溝61aは、溝の深さ方向に突起部80を有し、シール部材90は、突起部80を挟み込むよう構成することにより、流体の漏れを抑制する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接するセグメント間のシール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に火力発電プラントにおけるガスタービンは、大気を吸入し所定の圧力まで昇圧する圧縮機、圧縮機で昇圧された空気を燃料と混合し燃焼させ燃焼ガスを生成する燃焼器、高温高圧燃焼ガスが膨張することで動力を発生させるタービン、さらにタービンで発生した動力を電気的エネルギーに変換する発電機から構成されている。
【0003】
このタービン部の構成において、高温燃焼ガスがタービンの動静翼の配置された燃焼ガス流路を流れることによりタービンロータが高速回転して動力(軸回転力)を発生する。従って、ガスタービンで高出力を得るためには、タービン部入口における燃焼ガス温度の高温化とガスタービンの高効率化が重要な点となる。
【0004】
こういったガスタービンの高温化に伴い、タービンの動静翼においては、高温の燃焼ガスの熱から翼部材を保護するために翼内部に冷却媒体を供給できるような構造にしている。一般的には、圧縮機から所定圧力で抽出した空気を冷却媒体として、ケーシングやタービンロータ内部に導入し、翼内部を冷却した後の冷却媒体を翼に設けられた細孔やスリットから燃焼ガス流路へ直接放出する方式がある。また、静翼冷却用に導入された冷却媒体の一部は、タービンホイールスペースのシールとして利用され、燃焼ガス流路に排出される。
【0005】
静翼やダイアフラムなどの構成部材はセグメント構造として環状に周方向に配置されるが、熱伸び量を考慮して周方向に隣接するセグメント間に間隙を設けている。この間隙は、ガスタービン定格運転時においてもゼロにならないように設計される。ケーシングやタービンロータ内部に形成された冷却媒体の流路は、セグメント間の間隙を介して燃焼ガス流路に連通し、翼の冷却やホイールスペースのシールのために導入した冷却媒体の一部がセグメント間の間隙を通過して燃焼ガス流路中に漏洩する。このような冷却媒体の漏洩は、それ自体が損失であるとともに、燃焼ガス流路内のガス温度の低下や、冷却媒体と燃焼ガスとの混合損失が生じてタービンの性能低下を招き、ガスタービンの効率と出力を低下させる。
【0006】
そこで、周方向に間隙を介して隣接するセグメント間の対向面にシール溝を設けて、その溝にバネ効果を有するシール部材を挿入することで、セグメント間の間隙を塞いで、冷却媒体の漏洩を抑制する方法がある(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平11−50805号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
〔特許文献1〕に記載の従来技術は、周方向に互いに隣接する静翼シュラウドの対向する軸方向面にシール溝を設け、両シール溝内に薄板状のシール板を挿入し、そのシール板のバネ効果によりシュラウドの熱変形によりシール溝が変形してもシール板との間の間隙を小さくシール性能を向上させている。しかし、熱変形によるシール溝の変形以外に、隣接するセグメント間には半径方向の熱伸び量に偏差が発生するため、対向する両シール溝の半径方向に位置ずれが生じることがある。従って、上記シール板では、シール溝の位置ずれが生じた場合に、シール板とシール溝との接触状態が面接触から線接触に変化し、シール性能が低下する可能性がある。また、シール溝の位置ずれが大きい場合に、シール溝端面のエッジ部でシール板が干渉して、シール板に必要以上の応力が発生し、シール板の信頼性を低下させる可能性がある。
【0009】
本発明の目的は、セグメント間の熱伸び量に偏差が生じた場合でも柔軟に対応可能な信頼性の高いシール装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
互いに隣接するセグメントの対向端面にそれぞれシール溝が設けられ、該シール溝にシール部材が挿入されたシール装置において、前記隣接するセグメントのいずれか一方側のシール溝は、溝の深さ方向に突起部を有し、前記シール部材は、前記突起部を挟み込むよう構成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、セグメント間の熱伸び量に偏差が生じた場合でも柔軟に対応可能な信頼性の高いシール装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0013】
はじめに、図1のガスタービン系統図を用いて、ガスタービンの構成について説明する。火力発電プラント等に用いられるガスタービン00は、大気101を吸入し所定の圧力まで昇圧する圧縮機1、圧縮機1で昇圧された空気102を燃料103と混合し燃焼させ燃焼ガス104を生成する燃焼器2,高温高圧燃焼ガス104が膨張することで動力を発生させるタービン3、さらにタービン3で発生した動力を電気的エネルギーに変換する発電機4から構成され、圧縮機1,タービン3,発電機4は回転軸5を中心に回転している。
【0014】
また、タービン3の動静翼では、高温の燃焼ガス104の熱から翼部材を保護するために翼内部に冷却媒体を供給できるような構造としている。圧縮機1から所定圧力で抽出した空気(冷却媒体)は、静翼冷却空気流路201、および動翼冷却空気流路202を経て、動静翼内部を熱交換により冷却した後、翼に設けられた細孔やスリットから燃焼ガス流路へ直接放出される。なお、本実施例では、火力発電プラント用ガスタービンとして1軸式で構成されたものを用いているが、発電機4の代わりに負荷機器としてポンプやプロセス圧縮機を駆動できる、2軸式のタービンで構成されたものを用いてもよい。
【0015】
図2に圧縮機1後段付近、燃焼器2およびタービン3高圧部付近の断面図を示す。図2は、回転軸5に対する上半部構造を示している。タービン3は、燃焼ガス104の流路内に交互に配置された静翼11a,12a及び動翼11b,12b,ロータディスク13a,13b,スペーサディスク14およびスタッキングボルト15等から構成され、高温燃焼ガス104が動静翼の配置された燃焼ガス流路を流れることによりロータが高速回転して動力を発生する。
【0016】
次に、図2を用いて、タービン静翼12aを例にして、翼を冷却する際の冷却媒体の流れについて説明する。圧縮機1からタービン翼のガスパス圧力に応じた所定の圧力で抽出した冷却媒体である空気201(以後、冷却媒体は空気として説明する。)は、ケーシング25に設けた導入孔(図示しない)を通過して、第2段静翼冷却空気供給キャビティ31へ導入される。供給キャビティ31に供給された冷却空気は、ケーシング25の内周側に周方向に環状に配設された第2段静翼体21に供給される。第2段静翼体21に供給された冷却空気の一部は、第2段静翼体21内部の冷却パスを通過するときに熱交換して静翼12aを冷却しながら温度上昇して、静翼12a表面に形成されたフィルム孔や翼後縁噴出し孔を介してガスパス6に排出され、第1段動静翼11a,11bを通過した燃焼ガス104と混合され第2段動翼12bの作動ガスとなる。
【0017】
一方、第2段静翼体21に供給された冷却空気の他の一部は、第2段静翼体21の内周側に周方向に環状に配設されたダイアフラム22のキャビティ32へ供給される。キャビティ32へ導入された冷却空気は、第1段ロータディスク13a,スペーサディスク14及びダイアフラム22で形成される第1段動翼後側ホイールスペース35に供給される。その後、ダイアフラム22とスペーサディスク14の間に設けられたシールフィン23を介して、第2段ロータディスク13b,スペーサディスク14及びダイアフラム22で形成される第2段動翼前側ホイールスペース36に分岐され、ホイールスペース35,36への作動燃焼ガス104の侵入を抑制するためのシール空気として使用される。
【0018】
図3に第2段静翼体21の拡大図を示す。第2段静翼体21はタービン周方向に環状に配置したセグメント構造をしている。周方向に隣接した第2段静翼体21のセグメント端面では、静翼12aの外周側エンドウォール42側のシュラウド内にタービン軸方向に延びるシール溝62が設けられている。また、静翼12aの内周側エンドウォール41側のシュラウド内にタービン軸方向に延びるシール溝61が設けられている。この周方向に隣接したセグメント端面では、熱伸び量を考慮してセグメント間に間隙を設けており、この間隙値は、タービン定格運転時においてもゼロにならないように設計されている。従って、第2段静翼体21へ供給される冷却空気は、セグメント間の周方向の間隙を介してガスパス6中に漏れ空気301として排出される。この漏洩を抑制するために、セグメント間のシール溝61,62にシール装置を装着している。
【0019】
図4に、隣接する第2段静翼体セグメント21a,21bの内周側の一般的なシール構造の斜視図を示す。第2段静翼体セグメント21aの端面63aと隣り合う静翼体セグメント21bの対向端面63bの間では、冷却空気がセグメント間の周方向間隙を介してガスパス中に漏洩するのを抑制するために、それぞれタービン軸方向に延び、周方向に深さをもつシール溝61a,61bを設け、セグメント間のシール溝61a,61bに装着することが可能なシール装置52を備えている。これによって静翼体セグメント21a,21b間の間隙が遮断されて、セグメント間隙がシールされるよう構成できる。
【0020】
図5は、静翼体セグメント21a,21b間のシール装置の構造を表すタービン軸方向断面図である。図5(a)はシール装置の組立時、図5(b)はガスタービン運転時におけるシール装置の断面図をそれぞれ示す。
【0021】
図5(a)に示すように、組立時には、2つの静翼体セグメント21a,21bは、対向する端面63a,63bにおいて周方向に間隙δcを持って、静翼体セグメント21aにはシール溝61a、静翼体セグメント21bにはシール溝61bが設けられ、そのシール溝間に周方向間隙を塞ぐようにシール装置52が架け渡されて装着されている。この組立時の状態が、ガスタービン運転時にも理想的に保持されたとすれば、冷却空気が供給されたキャビティ32と燃焼ガス104の流路の圧力差によって、シール装置52は冷却空気流路201の矢印方向へ押し付けられる。これにより、シール装置52と各セグメントにおけるシール溝の接触面は面71a,71bにおける面接触状態となり、冷却空気がシール溝内部を周り込んで燃焼ガス流路へ漏洩する流れを遮断して、静翼体セグメント21a,21b間の間隙がほぼシールされる。
【0022】
しかし、ガスタービン運転時には、図5(b)に示すように、作動ガスや冷却空気からの流入熱によって各部材の温度は上昇する。その結果、静翼体セグメント21a,21bには熱伸びが発生し、それぞれの熱伸びの偏差量によって、組立時のセグメント間の周方向間隙δcがδh(<δc)まで狭くなる。静翼体セグメント21aと21bはガスタービン定格運転時においても接触しないように設計されているため、間隙値δhがゼロになることはない。また、熱伸びは周方向だけでなく、タービン半径方向にも発生する。静翼体セグメント21a,21bに熱流動上の熱偏差により、シール溝61a,61bには半径方向の位置ずれδrが生じる。これにより、シール装置52と各セグメントにおけるシール溝の接触面は、面接触状態から軸方向の線72a,72bにおける線接触状態72に変化する。そうなることでシール性能が低下し、冷却空気がシール溝内部を周り込み、燃焼ガス104の流路への漏洩301が発生する。この冷却媒体の漏洩は、それ自体が損失であるとともに、燃焼ガス流路内のガス温度の低下や、冷却媒体と燃焼ガスとの混合損失が生じることによりタービンの性能低下を招き、ガスタービンの効率と出力を低下させる。
【0023】
図6に本発明の第一実施の形態であるシール装置の隣接する第2段静翼体セグメント構造の斜視図を示す。第2段静翼体セグメント21aの端面63aと隣り合う静翼体セグメント21bの対向端面63bの間を、冷却空気がセグメント間の周方向間隙を介してガスパス中に漏洩するのを抑制するために、それぞれタービン軸方向に延び、周方向に深さを持つシール溝61a,61bを設け、片側の静翼体セグメント21aのシール溝61aの内部に突起部80を備えている。
【0024】
図7は、図6に示した本発明の第一実施の形態であるシール装置のタービン軸方向の断面図である。図7(a)はシール装置の組立時、図7(b)はガスタービン運転時に静翼体セグメントの間隙が小さくなったときのシール装置の詳細構造を示す。
【0025】
図7(a)に示すように、隣接する静翼体セグメント21a,21bの対向する端面63a,63bには、それぞれシール溝61a,61bが形成されている。静翼体セグメント21aのシール溝61a内部には、突起部80が備えられ、セグメント間の間隙δcを遮断するように、両シール溝および突起部80から形成される間隙間にシール部材90が架け渡されて装着された構造となっている。突起部80は、静翼体セグメント21aの端面63aと平行した端面81と、シール溝61aの深さ方向に傾斜面82を持つ、断面が台形の形状から構成されている。また、シール部材90は、薄板形状のバネ作用を有する弾性体であり、静翼体セグメント21bのシール溝61b側はシール溝61bの深さ方向に対して平行になるように直線部91を有し、シール溝61bの最深部で接触するように、折り曲げ部92から構成されている。一方、シール部材90の静翼体セグメント21aのシール溝61a側では、シール溝61a内に形成された突起部80を挟み込むように、径方向に一定の傾き角度を持った傾斜部93を有し、その端部は開口した形状であり、突起部80を形成する傾斜部82とシール部材90が接触するように構成されている。シール部材90のシール溝61b側の直線部91におけるシール溝幅方向の寸法は、シール溝61bの溝幅の寸法と同程度か、それよりも僅かに小さく設定させることで、シール溝61bとシール部材90の直線部91の接触面を、面接触状態にすることができる。また、シール部材90のシール溝61a側の傾斜部93の傾斜角度は、シール溝61a内に形成された突起部80の傾斜面82の傾斜角度82と同程度かそれよりも小さく設定されていることが望ましい。なお、シール溝61a内部に形成された突起部80の傾斜角度82と、シール部材90の傾斜部93角度の設定は、静翼体セグメント21a,21b間の間隙変化量δc−δhとシール溝61a,61bの径方向の位置ずれ量δrを考慮して設定する必要がある。
【0026】
図7(b)を用いて、ガスタービン運転時において、隣接する静翼体セグメント21a,21b間の間隙δhになったときのシール装置の作動状態について説明する。
【0027】
ガスタービン運転時には、図7(b)に示すように、作動ガスや冷却空気からの流入熱によって各部材の温度は上昇する。その結果、静翼体セグメント21a,21bには熱伸びが発生し、それぞれの熱伸びの偏差量によって、組立時のセグメント間の周方向間隙δcがδh(<δc)まで狭くなる。このとき、シール溝61a側に位置するシール部材90の開口端部では、シール溝61aに形成された突起部80の傾斜部82の傾斜角度によって、開口端部の径方向長さLが組立時より拡大する。これにより、静翼体セグメント21bのシール溝61b内に挿入されたシール部材90の直線部91における静翼体セグメント21bの端面63b付近では、径方向に押し付ける力が発生し、シール部材90の直線部91とシール溝61bの溝深さ方向の面接触状態は強化される。その結果、シール性能が向上し、セグメント間の間隙における冷却空気の漏洩を抑制することができる。
【0028】
本発明のシール装置は、隣接するセグメントの一方側のシール溝に、溝の深さ方向の突起部を有し、シール部材が突起部を挟み込むよう構成されているため、セグメント間の熱伸び量に偏差が生じた場合でも柔軟に対応可能な信頼性の高いシール装置を提供できる。
【0029】
図8は、本発明の第二実施の形態であるシール装置のタービン軸方向の断面図である。静翼体セグメント21a,21bのシール溝61a,61b及びシール溝61a内に形成された突起部80から構成される隣接する静翼体セグメント間の間隙に挿入されたシール部材90において、静翼体セグメント21aのシール溝61a側のシール部材90の開口端部94の形状を、径方向に対して外向きに折り曲げた形状としている。これにより、ガスタービン運転時における静翼体セグメント21a,21bの熱伸びの偏差量によるセグメント間の周方向間隙が狭くなったときに、シール溝61aとシール溝61a内に形成される突起部80からなるシール挿入溝において、シール部材90の接触状態が合計4箇所の線接触状態72となる。その結果、シール性能を向上させることが出来る。さらに、シール部材90の開口端部の折り曲げ部である開口端部94の先端部に直線部を設けることで、静翼体セグメント21aのシール溝61aの溝深さ方向に面接触させることができ、更なるシール性能向上を望める。
【0030】
また、静翼体セグメント21aのシール溝61a側のシール部材90の開口端部94を、径方向に対して外向きに折り曲げた形状とすることにより、突起部80を有するシール溝61aへシール部材90を挿入するための案内となることで、シール部材の挿入が容易になり、組立性も向上できる。
【0031】
次に、図8に示すシール装置に関し、ガスタービン運転時の作用について説明する。図9は、図8に示すシール装置のガスタービン運転中の作用を示す。
【0032】
ガスタービン運転とともに、静翼体セグメント21a,21bには熱伸びが生じ、それぞれの熱伸びの偏差量によって周方向及びタービン半径方向に位置ずれが発生する。そして、図9(a)に示すような、シール溝61aと61bにおける相対的な半径方向の位置ずれδrが生じる。図9(a)では、静翼体セグメント21aの径方向の熱伸び量の方が静翼体セグメント21bより大きい場合について説明する。シール部材90の静翼体セグメント21bのシール溝61b側はシール溝61bの溝幅方向に拘束されているため、シール溝61bに対して相対移動することはなく、シール溝がタービン径方向に変位してもシール部材90とシール溝61bの面接触状態に変化は生じない。それに対し、静翼体セグメント21aのシール溝61a側は、タービン径方向に移動するシール溝61aとともに、シール溝61a内に形成された突起部80も径方向に移動するので、シール部材90が径方向へ押し上げられる。このときシール部材90は薄板の弾性体で構成されているため、シール溝61a(突起部80を含む)の移動に対して柔軟に変形することが可能である。その結果、シール部材90は、シール溝61a内の突起部80の図中上側の内壁面へ強く押し付けられ、その接触面71cは面接触状態を形成することができる。
【0033】
また、シール溝61a内の突起部80の傾斜部82の傾斜角度は、シール部材90の傾き角度より大きくしているため、組立時には、突起部80とシール部材90間に間隙が設けてあり、ガスタービン運転時にシール溝61aの径方向の移動によるシール部材90との接触で過大な応力が発生することを抑制でき、シール部材の信頼性を確保できる。図示していないが、静翼体セグメント21bのシール溝61bの端面63bのエッジ部にテーパ構造を備えることで、シール溝の径方向の位置ずれに対して、シール溝61bの端面のエッジ部とシール部材90との接触面で過大な応力が発生することを抑制できる。
【0034】
図9(a)とは反対に、静翼体セグメント21bの径方向の熱伸び量の方が、静翼体セグメント21aよりも大きい場合を図9(b)に示す。この場合、シール溝61bはシール溝61aに対し相対的にタービン径方向に移動する。シール部材90の静翼体セグメント21bのシール溝61b側はシール溝61bの面接触状態は維持された状態で、タービン径方向に移動することになる。そのため、弾性体であるシール部材90も同時に静翼体セグメント21aに対して相対的に径方向へ移動する。これにより、静翼体セグメント21aのシール溝61a側では、シール溝61a内の突起部80の図面下側の傾斜部82でシール部材90と接触し、シール部材90は突起部80の内壁面に強く押し付けられる。その結果、接触面は面接触状態71を形成し、シール性能が向上される。図5(b)に示したように、一般的なシール構造の静翼体セグメント間の熱伸び量の偏差によって、シール溝に径方向の位置ずれが発生した場合と比較して、本実施の形態では、位置ずれが生じた場合でもシール溝内で面接触状態を確保することができるので、冷却空気の漏れ量を約20%以上低減することが可能である。
【0035】
また、ガスタービン運転時において、燃焼器で発生する高温高圧の燃焼ガスは、一般的に圧力が12ata程度、温度が1300℃程度である。そしてタービン内部で熱膨張仕事をして圧力と温度を低下させ、600℃以下の温度で排気される。従って、静翼体セグメント21a,21bやシール部材90のメタル温度は500℃〜600℃程度になる可能性がある。そのため、シール部材の高温酸化を抑制するためにシール部材90の表面に酸化防止コーティングを施工した構成にすることが有効である。高温酸化が問題にならない場合には、シール部材90と静翼体セグメント21a,21bの接触による摩耗を抑制するために耐摩耗コーティングを施工する構成にすることが有効である。これにより、シール部材90の信頼性を確保することができる。
【0036】
以上のように本実施の形態によれば、隣接する静翼体セグメント21a,21bに熱伸び量の偏差が発生しても、シール部材90が柔軟に変形することで、シール溝61a内の突起部の内壁面と、シール溝61bの内壁面では、シール部材90との接触状態を常に面接触状態に保持することができる。これにより、静翼体セグメント間の間隙からの冷却空気の漏洩の発生を効果的に抑制し、良好なシール性能を維持することができ、ガスタービンの信頼性及び効率を向上させることができる。
【0037】
図10を用いて、本発明のシール装置の装着方法について説明する。シール部材90は、薄板状の弾性体から構成されており、静翼体セグメント21aに装着する側の開口端部のタービン径方向の幅寸法は、装着後にシール溝61a内で接触させる必要があるため、図10で示すようなL1とL2の2種類が考えられる。例えば、シール部材90の静翼体セグメント21aに装着する側の開口端部における外径側の幅寸法をL2とした場合、このL2は、シール溝61aの径方向の幅寸法D2(<L2)より大きくしている。シール部材90をシール溝61a内に装着する際に、シール部材90の開口端部の幅をL2より縮小させて、シール溝へ挿入し、挿入後にシール溝61aの径方向の内側でシール部材と接触させる。この場合、静翼体セグメントの径方向の位置ずれが発生したとき、静翼体セグメント21a側のシール溝61a内で、シール部材90が確実に面接触を維持することは難しい。
【0038】
一方、シール部材90の静翼体セグメント21aに装着する側の開口端部における内径側の幅寸法をL1とした場合、このL1は、シール溝61a内に形成された突起部80の端面の幅寸法D1(>L1)よりも小さくする必要がある。これにより、シール部材90をシール溝61a内に装着する際に、シール部材90の開口端部の幅をL1より拡大して、シール溝61aへ挿入し、挿入後に突起部80の傾斜面82にシール部材90を接触させる。このように構成することで、静翼体セグメントの径方向の位置ずれが発生しても、両端の静翼体セグメントのシール溝内でシール部材90が確実に面接触を維持させることが可能となる。
【0039】
図11に、本発明のシール装置を装着するシール溝を示す。図11で示したシール溝は、静翼体セグメント21aのシール溝61a内に形成される突起部85が、静翼体セグメント21aと別部材で構成されている。突起部85を構成する突起部構成材は、シール溝61aの深さ方向の端面で面接触した箱型形状をしており、静翼体セグメント21aの端面63aと突起部構成材の径方向端部86とを接続させた構成である。接続方法は、カシメや溶接,ボルトによる接続が考えられる。このように構成することにより、突起部の制作性を向上させることができる。
【0040】
各実施の形態では、第2段静翼体セグメントについて本発明を適用した例を説明したが、当該部分のみならず、例えば、他の段落の静翼セグメント,動翼シュラウドや静翼ダイアフラムなどといった、間隙を介して複数の構成部材が隣接し構成部材間の間隙から冷却空気がリークする可能性がある他の箇所にも本発明は適用可能であり、その効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】ガスタービンの系統図を示す。
【図2】ガスタービンの圧縮機後段付近、燃焼器およびタービン高圧部付近の断面図を示す。
【図3】ガスタービンの第2段静翼体の拡大図を示す。
【図4】ガスタービンの隣接する第2段静翼体セグメントの内周側の一般的なシール構造の斜視図を示す。
【図5】ガスタービンの隣接する静翼体セグメント21a,21b間のシール装置の構造を表すタービン軸方向断面図を示す。
【図6】本発明の第一実施の形態であるシール装置の隣接する第2段静翼体セグメント構造の斜視図を示す。
【図7】図6に示した本発明の第一実施の形態であるシール装置のタービン軸方向の断面図を示す。
【図8】本発明の第二実施の形態であるシール装置のタービン軸方向の断面図を示す。
【図9】図8に示すシール装置のガスタービン運転中の作用を示す。
【図10】本発明の本発明のシール装置の装着方法について示す。
【図11】本発明の第三実施例のシール装置の突起部の断面図。
【符号の説明】
【0042】
12a 静翼
21a,21b 静翼体セグメント
31,32 キャビティ
61a,61b シール溝
71 面接触状態
72 線接触状態
80,85 突起部
90 シール部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接するセグメント間のシール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に火力発電プラントにおけるガスタービンは、大気を吸入し所定の圧力まで昇圧する圧縮機、圧縮機で昇圧された空気を燃料と混合し燃焼させ燃焼ガスを生成する燃焼器、高温高圧燃焼ガスが膨張することで動力を発生させるタービン、さらにタービンで発生した動力を電気的エネルギーに変換する発電機から構成されている。
【0003】
このタービン部の構成において、高温燃焼ガスがタービンの動静翼の配置された燃焼ガス流路を流れることによりタービンロータが高速回転して動力(軸回転力)を発生する。従って、ガスタービンで高出力を得るためには、タービン部入口における燃焼ガス温度の高温化とガスタービンの高効率化が重要な点となる。
【0004】
こういったガスタービンの高温化に伴い、タービンの動静翼においては、高温の燃焼ガスの熱から翼部材を保護するために翼内部に冷却媒体を供給できるような構造にしている。一般的には、圧縮機から所定圧力で抽出した空気を冷却媒体として、ケーシングやタービンロータ内部に導入し、翼内部を冷却した後の冷却媒体を翼に設けられた細孔やスリットから燃焼ガス流路へ直接放出する方式がある。また、静翼冷却用に導入された冷却媒体の一部は、タービンホイールスペースのシールとして利用され、燃焼ガス流路に排出される。
【0005】
静翼やダイアフラムなどの構成部材はセグメント構造として環状に周方向に配置されるが、熱伸び量を考慮して周方向に隣接するセグメント間に間隙を設けている。この間隙は、ガスタービン定格運転時においてもゼロにならないように設計される。ケーシングやタービンロータ内部に形成された冷却媒体の流路は、セグメント間の間隙を介して燃焼ガス流路に連通し、翼の冷却やホイールスペースのシールのために導入した冷却媒体の一部がセグメント間の間隙を通過して燃焼ガス流路中に漏洩する。このような冷却媒体の漏洩は、それ自体が損失であるとともに、燃焼ガス流路内のガス温度の低下や、冷却媒体と燃焼ガスとの混合損失が生じてタービンの性能低下を招き、ガスタービンの効率と出力を低下させる。
【0006】
そこで、周方向に間隙を介して隣接するセグメント間の対向面にシール溝を設けて、その溝にバネ効果を有するシール部材を挿入することで、セグメント間の間隙を塞いで、冷却媒体の漏洩を抑制する方法がある(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平11−50805号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
〔特許文献1〕に記載の従来技術は、周方向に互いに隣接する静翼シュラウドの対向する軸方向面にシール溝を設け、両シール溝内に薄板状のシール板を挿入し、そのシール板のバネ効果によりシュラウドの熱変形によりシール溝が変形してもシール板との間の間隙を小さくシール性能を向上させている。しかし、熱変形によるシール溝の変形以外に、隣接するセグメント間には半径方向の熱伸び量に偏差が発生するため、対向する両シール溝の半径方向に位置ずれが生じることがある。従って、上記シール板では、シール溝の位置ずれが生じた場合に、シール板とシール溝との接触状態が面接触から線接触に変化し、シール性能が低下する可能性がある。また、シール溝の位置ずれが大きい場合に、シール溝端面のエッジ部でシール板が干渉して、シール板に必要以上の応力が発生し、シール板の信頼性を低下させる可能性がある。
【0009】
本発明の目的は、セグメント間の熱伸び量に偏差が生じた場合でも柔軟に対応可能な信頼性の高いシール装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
互いに隣接するセグメントの対向端面にそれぞれシール溝が設けられ、該シール溝にシール部材が挿入されたシール装置において、前記隣接するセグメントのいずれか一方側のシール溝は、溝の深さ方向に突起部を有し、前記シール部材は、前記突起部を挟み込むよう構成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、セグメント間の熱伸び量に偏差が生じた場合でも柔軟に対応可能な信頼性の高いシール装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0013】
はじめに、図1のガスタービン系統図を用いて、ガスタービンの構成について説明する。火力発電プラント等に用いられるガスタービン00は、大気101を吸入し所定の圧力まで昇圧する圧縮機1、圧縮機1で昇圧された空気102を燃料103と混合し燃焼させ燃焼ガス104を生成する燃焼器2,高温高圧燃焼ガス104が膨張することで動力を発生させるタービン3、さらにタービン3で発生した動力を電気的エネルギーに変換する発電機4から構成され、圧縮機1,タービン3,発電機4は回転軸5を中心に回転している。
【0014】
また、タービン3の動静翼では、高温の燃焼ガス104の熱から翼部材を保護するために翼内部に冷却媒体を供給できるような構造としている。圧縮機1から所定圧力で抽出した空気(冷却媒体)は、静翼冷却空気流路201、および動翼冷却空気流路202を経て、動静翼内部を熱交換により冷却した後、翼に設けられた細孔やスリットから燃焼ガス流路へ直接放出される。なお、本実施例では、火力発電プラント用ガスタービンとして1軸式で構成されたものを用いているが、発電機4の代わりに負荷機器としてポンプやプロセス圧縮機を駆動できる、2軸式のタービンで構成されたものを用いてもよい。
【0015】
図2に圧縮機1後段付近、燃焼器2およびタービン3高圧部付近の断面図を示す。図2は、回転軸5に対する上半部構造を示している。タービン3は、燃焼ガス104の流路内に交互に配置された静翼11a,12a及び動翼11b,12b,ロータディスク13a,13b,スペーサディスク14およびスタッキングボルト15等から構成され、高温燃焼ガス104が動静翼の配置された燃焼ガス流路を流れることによりロータが高速回転して動力を発生する。
【0016】
次に、図2を用いて、タービン静翼12aを例にして、翼を冷却する際の冷却媒体の流れについて説明する。圧縮機1からタービン翼のガスパス圧力に応じた所定の圧力で抽出した冷却媒体である空気201(以後、冷却媒体は空気として説明する。)は、ケーシング25に設けた導入孔(図示しない)を通過して、第2段静翼冷却空気供給キャビティ31へ導入される。供給キャビティ31に供給された冷却空気は、ケーシング25の内周側に周方向に環状に配設された第2段静翼体21に供給される。第2段静翼体21に供給された冷却空気の一部は、第2段静翼体21内部の冷却パスを通過するときに熱交換して静翼12aを冷却しながら温度上昇して、静翼12a表面に形成されたフィルム孔や翼後縁噴出し孔を介してガスパス6に排出され、第1段動静翼11a,11bを通過した燃焼ガス104と混合され第2段動翼12bの作動ガスとなる。
【0017】
一方、第2段静翼体21に供給された冷却空気の他の一部は、第2段静翼体21の内周側に周方向に環状に配設されたダイアフラム22のキャビティ32へ供給される。キャビティ32へ導入された冷却空気は、第1段ロータディスク13a,スペーサディスク14及びダイアフラム22で形成される第1段動翼後側ホイールスペース35に供給される。その後、ダイアフラム22とスペーサディスク14の間に設けられたシールフィン23を介して、第2段ロータディスク13b,スペーサディスク14及びダイアフラム22で形成される第2段動翼前側ホイールスペース36に分岐され、ホイールスペース35,36への作動燃焼ガス104の侵入を抑制するためのシール空気として使用される。
【0018】
図3に第2段静翼体21の拡大図を示す。第2段静翼体21はタービン周方向に環状に配置したセグメント構造をしている。周方向に隣接した第2段静翼体21のセグメント端面では、静翼12aの外周側エンドウォール42側のシュラウド内にタービン軸方向に延びるシール溝62が設けられている。また、静翼12aの内周側エンドウォール41側のシュラウド内にタービン軸方向に延びるシール溝61が設けられている。この周方向に隣接したセグメント端面では、熱伸び量を考慮してセグメント間に間隙を設けており、この間隙値は、タービン定格運転時においてもゼロにならないように設計されている。従って、第2段静翼体21へ供給される冷却空気は、セグメント間の周方向の間隙を介してガスパス6中に漏れ空気301として排出される。この漏洩を抑制するために、セグメント間のシール溝61,62にシール装置を装着している。
【0019】
図4に、隣接する第2段静翼体セグメント21a,21bの内周側の一般的なシール構造の斜視図を示す。第2段静翼体セグメント21aの端面63aと隣り合う静翼体セグメント21bの対向端面63bの間では、冷却空気がセグメント間の周方向間隙を介してガスパス中に漏洩するのを抑制するために、それぞれタービン軸方向に延び、周方向に深さをもつシール溝61a,61bを設け、セグメント間のシール溝61a,61bに装着することが可能なシール装置52を備えている。これによって静翼体セグメント21a,21b間の間隙が遮断されて、セグメント間隙がシールされるよう構成できる。
【0020】
図5は、静翼体セグメント21a,21b間のシール装置の構造を表すタービン軸方向断面図である。図5(a)はシール装置の組立時、図5(b)はガスタービン運転時におけるシール装置の断面図をそれぞれ示す。
【0021】
図5(a)に示すように、組立時には、2つの静翼体セグメント21a,21bは、対向する端面63a,63bにおいて周方向に間隙δcを持って、静翼体セグメント21aにはシール溝61a、静翼体セグメント21bにはシール溝61bが設けられ、そのシール溝間に周方向間隙を塞ぐようにシール装置52が架け渡されて装着されている。この組立時の状態が、ガスタービン運転時にも理想的に保持されたとすれば、冷却空気が供給されたキャビティ32と燃焼ガス104の流路の圧力差によって、シール装置52は冷却空気流路201の矢印方向へ押し付けられる。これにより、シール装置52と各セグメントにおけるシール溝の接触面は面71a,71bにおける面接触状態となり、冷却空気がシール溝内部を周り込んで燃焼ガス流路へ漏洩する流れを遮断して、静翼体セグメント21a,21b間の間隙がほぼシールされる。
【0022】
しかし、ガスタービン運転時には、図5(b)に示すように、作動ガスや冷却空気からの流入熱によって各部材の温度は上昇する。その結果、静翼体セグメント21a,21bには熱伸びが発生し、それぞれの熱伸びの偏差量によって、組立時のセグメント間の周方向間隙δcがδh(<δc)まで狭くなる。静翼体セグメント21aと21bはガスタービン定格運転時においても接触しないように設計されているため、間隙値δhがゼロになることはない。また、熱伸びは周方向だけでなく、タービン半径方向にも発生する。静翼体セグメント21a,21bに熱流動上の熱偏差により、シール溝61a,61bには半径方向の位置ずれδrが生じる。これにより、シール装置52と各セグメントにおけるシール溝の接触面は、面接触状態から軸方向の線72a,72bにおける線接触状態72に変化する。そうなることでシール性能が低下し、冷却空気がシール溝内部を周り込み、燃焼ガス104の流路への漏洩301が発生する。この冷却媒体の漏洩は、それ自体が損失であるとともに、燃焼ガス流路内のガス温度の低下や、冷却媒体と燃焼ガスとの混合損失が生じることによりタービンの性能低下を招き、ガスタービンの効率と出力を低下させる。
【0023】
図6に本発明の第一実施の形態であるシール装置の隣接する第2段静翼体セグメント構造の斜視図を示す。第2段静翼体セグメント21aの端面63aと隣り合う静翼体セグメント21bの対向端面63bの間を、冷却空気がセグメント間の周方向間隙を介してガスパス中に漏洩するのを抑制するために、それぞれタービン軸方向に延び、周方向に深さを持つシール溝61a,61bを設け、片側の静翼体セグメント21aのシール溝61aの内部に突起部80を備えている。
【0024】
図7は、図6に示した本発明の第一実施の形態であるシール装置のタービン軸方向の断面図である。図7(a)はシール装置の組立時、図7(b)はガスタービン運転時に静翼体セグメントの間隙が小さくなったときのシール装置の詳細構造を示す。
【0025】
図7(a)に示すように、隣接する静翼体セグメント21a,21bの対向する端面63a,63bには、それぞれシール溝61a,61bが形成されている。静翼体セグメント21aのシール溝61a内部には、突起部80が備えられ、セグメント間の間隙δcを遮断するように、両シール溝および突起部80から形成される間隙間にシール部材90が架け渡されて装着された構造となっている。突起部80は、静翼体セグメント21aの端面63aと平行した端面81と、シール溝61aの深さ方向に傾斜面82を持つ、断面が台形の形状から構成されている。また、シール部材90は、薄板形状のバネ作用を有する弾性体であり、静翼体セグメント21bのシール溝61b側はシール溝61bの深さ方向に対して平行になるように直線部91を有し、シール溝61bの最深部で接触するように、折り曲げ部92から構成されている。一方、シール部材90の静翼体セグメント21aのシール溝61a側では、シール溝61a内に形成された突起部80を挟み込むように、径方向に一定の傾き角度を持った傾斜部93を有し、その端部は開口した形状であり、突起部80を形成する傾斜部82とシール部材90が接触するように構成されている。シール部材90のシール溝61b側の直線部91におけるシール溝幅方向の寸法は、シール溝61bの溝幅の寸法と同程度か、それよりも僅かに小さく設定させることで、シール溝61bとシール部材90の直線部91の接触面を、面接触状態にすることができる。また、シール部材90のシール溝61a側の傾斜部93の傾斜角度は、シール溝61a内に形成された突起部80の傾斜面82の傾斜角度82と同程度かそれよりも小さく設定されていることが望ましい。なお、シール溝61a内部に形成された突起部80の傾斜角度82と、シール部材90の傾斜部93角度の設定は、静翼体セグメント21a,21b間の間隙変化量δc−δhとシール溝61a,61bの径方向の位置ずれ量δrを考慮して設定する必要がある。
【0026】
図7(b)を用いて、ガスタービン運転時において、隣接する静翼体セグメント21a,21b間の間隙δhになったときのシール装置の作動状態について説明する。
【0027】
ガスタービン運転時には、図7(b)に示すように、作動ガスや冷却空気からの流入熱によって各部材の温度は上昇する。その結果、静翼体セグメント21a,21bには熱伸びが発生し、それぞれの熱伸びの偏差量によって、組立時のセグメント間の周方向間隙δcがδh(<δc)まで狭くなる。このとき、シール溝61a側に位置するシール部材90の開口端部では、シール溝61aに形成された突起部80の傾斜部82の傾斜角度によって、開口端部の径方向長さLが組立時より拡大する。これにより、静翼体セグメント21bのシール溝61b内に挿入されたシール部材90の直線部91における静翼体セグメント21bの端面63b付近では、径方向に押し付ける力が発生し、シール部材90の直線部91とシール溝61bの溝深さ方向の面接触状態は強化される。その結果、シール性能が向上し、セグメント間の間隙における冷却空気の漏洩を抑制することができる。
【0028】
本発明のシール装置は、隣接するセグメントの一方側のシール溝に、溝の深さ方向の突起部を有し、シール部材が突起部を挟み込むよう構成されているため、セグメント間の熱伸び量に偏差が生じた場合でも柔軟に対応可能な信頼性の高いシール装置を提供できる。
【0029】
図8は、本発明の第二実施の形態であるシール装置のタービン軸方向の断面図である。静翼体セグメント21a,21bのシール溝61a,61b及びシール溝61a内に形成された突起部80から構成される隣接する静翼体セグメント間の間隙に挿入されたシール部材90において、静翼体セグメント21aのシール溝61a側のシール部材90の開口端部94の形状を、径方向に対して外向きに折り曲げた形状としている。これにより、ガスタービン運転時における静翼体セグメント21a,21bの熱伸びの偏差量によるセグメント間の周方向間隙が狭くなったときに、シール溝61aとシール溝61a内に形成される突起部80からなるシール挿入溝において、シール部材90の接触状態が合計4箇所の線接触状態72となる。その結果、シール性能を向上させることが出来る。さらに、シール部材90の開口端部の折り曲げ部である開口端部94の先端部に直線部を設けることで、静翼体セグメント21aのシール溝61aの溝深さ方向に面接触させることができ、更なるシール性能向上を望める。
【0030】
また、静翼体セグメント21aのシール溝61a側のシール部材90の開口端部94を、径方向に対して外向きに折り曲げた形状とすることにより、突起部80を有するシール溝61aへシール部材90を挿入するための案内となることで、シール部材の挿入が容易になり、組立性も向上できる。
【0031】
次に、図8に示すシール装置に関し、ガスタービン運転時の作用について説明する。図9は、図8に示すシール装置のガスタービン運転中の作用を示す。
【0032】
ガスタービン運転とともに、静翼体セグメント21a,21bには熱伸びが生じ、それぞれの熱伸びの偏差量によって周方向及びタービン半径方向に位置ずれが発生する。そして、図9(a)に示すような、シール溝61aと61bにおける相対的な半径方向の位置ずれδrが生じる。図9(a)では、静翼体セグメント21aの径方向の熱伸び量の方が静翼体セグメント21bより大きい場合について説明する。シール部材90の静翼体セグメント21bのシール溝61b側はシール溝61bの溝幅方向に拘束されているため、シール溝61bに対して相対移動することはなく、シール溝がタービン径方向に変位してもシール部材90とシール溝61bの面接触状態に変化は生じない。それに対し、静翼体セグメント21aのシール溝61a側は、タービン径方向に移動するシール溝61aとともに、シール溝61a内に形成された突起部80も径方向に移動するので、シール部材90が径方向へ押し上げられる。このときシール部材90は薄板の弾性体で構成されているため、シール溝61a(突起部80を含む)の移動に対して柔軟に変形することが可能である。その結果、シール部材90は、シール溝61a内の突起部80の図中上側の内壁面へ強く押し付けられ、その接触面71cは面接触状態を形成することができる。
【0033】
また、シール溝61a内の突起部80の傾斜部82の傾斜角度は、シール部材90の傾き角度より大きくしているため、組立時には、突起部80とシール部材90間に間隙が設けてあり、ガスタービン運転時にシール溝61aの径方向の移動によるシール部材90との接触で過大な応力が発生することを抑制でき、シール部材の信頼性を確保できる。図示していないが、静翼体セグメント21bのシール溝61bの端面63bのエッジ部にテーパ構造を備えることで、シール溝の径方向の位置ずれに対して、シール溝61bの端面のエッジ部とシール部材90との接触面で過大な応力が発生することを抑制できる。
【0034】
図9(a)とは反対に、静翼体セグメント21bの径方向の熱伸び量の方が、静翼体セグメント21aよりも大きい場合を図9(b)に示す。この場合、シール溝61bはシール溝61aに対し相対的にタービン径方向に移動する。シール部材90の静翼体セグメント21bのシール溝61b側はシール溝61bの面接触状態は維持された状態で、タービン径方向に移動することになる。そのため、弾性体であるシール部材90も同時に静翼体セグメント21aに対して相対的に径方向へ移動する。これにより、静翼体セグメント21aのシール溝61a側では、シール溝61a内の突起部80の図面下側の傾斜部82でシール部材90と接触し、シール部材90は突起部80の内壁面に強く押し付けられる。その結果、接触面は面接触状態71を形成し、シール性能が向上される。図5(b)に示したように、一般的なシール構造の静翼体セグメント間の熱伸び量の偏差によって、シール溝に径方向の位置ずれが発生した場合と比較して、本実施の形態では、位置ずれが生じた場合でもシール溝内で面接触状態を確保することができるので、冷却空気の漏れ量を約20%以上低減することが可能である。
【0035】
また、ガスタービン運転時において、燃焼器で発生する高温高圧の燃焼ガスは、一般的に圧力が12ata程度、温度が1300℃程度である。そしてタービン内部で熱膨張仕事をして圧力と温度を低下させ、600℃以下の温度で排気される。従って、静翼体セグメント21a,21bやシール部材90のメタル温度は500℃〜600℃程度になる可能性がある。そのため、シール部材の高温酸化を抑制するためにシール部材90の表面に酸化防止コーティングを施工した構成にすることが有効である。高温酸化が問題にならない場合には、シール部材90と静翼体セグメント21a,21bの接触による摩耗を抑制するために耐摩耗コーティングを施工する構成にすることが有効である。これにより、シール部材90の信頼性を確保することができる。
【0036】
以上のように本実施の形態によれば、隣接する静翼体セグメント21a,21bに熱伸び量の偏差が発生しても、シール部材90が柔軟に変形することで、シール溝61a内の突起部の内壁面と、シール溝61bの内壁面では、シール部材90との接触状態を常に面接触状態に保持することができる。これにより、静翼体セグメント間の間隙からの冷却空気の漏洩の発生を効果的に抑制し、良好なシール性能を維持することができ、ガスタービンの信頼性及び効率を向上させることができる。
【0037】
図10を用いて、本発明のシール装置の装着方法について説明する。シール部材90は、薄板状の弾性体から構成されており、静翼体セグメント21aに装着する側の開口端部のタービン径方向の幅寸法は、装着後にシール溝61a内で接触させる必要があるため、図10で示すようなL1とL2の2種類が考えられる。例えば、シール部材90の静翼体セグメント21aに装着する側の開口端部における外径側の幅寸法をL2とした場合、このL2は、シール溝61aの径方向の幅寸法D2(<L2)より大きくしている。シール部材90をシール溝61a内に装着する際に、シール部材90の開口端部の幅をL2より縮小させて、シール溝へ挿入し、挿入後にシール溝61aの径方向の内側でシール部材と接触させる。この場合、静翼体セグメントの径方向の位置ずれが発生したとき、静翼体セグメント21a側のシール溝61a内で、シール部材90が確実に面接触を維持することは難しい。
【0038】
一方、シール部材90の静翼体セグメント21aに装着する側の開口端部における内径側の幅寸法をL1とした場合、このL1は、シール溝61a内に形成された突起部80の端面の幅寸法D1(>L1)よりも小さくする必要がある。これにより、シール部材90をシール溝61a内に装着する際に、シール部材90の開口端部の幅をL1より拡大して、シール溝61aへ挿入し、挿入後に突起部80の傾斜面82にシール部材90を接触させる。このように構成することで、静翼体セグメントの径方向の位置ずれが発生しても、両端の静翼体セグメントのシール溝内でシール部材90が確実に面接触を維持させることが可能となる。
【0039】
図11に、本発明のシール装置を装着するシール溝を示す。図11で示したシール溝は、静翼体セグメント21aのシール溝61a内に形成される突起部85が、静翼体セグメント21aと別部材で構成されている。突起部85を構成する突起部構成材は、シール溝61aの深さ方向の端面で面接触した箱型形状をしており、静翼体セグメント21aの端面63aと突起部構成材の径方向端部86とを接続させた構成である。接続方法は、カシメや溶接,ボルトによる接続が考えられる。このように構成することにより、突起部の制作性を向上させることができる。
【0040】
各実施の形態では、第2段静翼体セグメントについて本発明を適用した例を説明したが、当該部分のみならず、例えば、他の段落の静翼セグメント,動翼シュラウドや静翼ダイアフラムなどといった、間隙を介して複数の構成部材が隣接し構成部材間の間隙から冷却空気がリークする可能性がある他の箇所にも本発明は適用可能であり、その効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】ガスタービンの系統図を示す。
【図2】ガスタービンの圧縮機後段付近、燃焼器およびタービン高圧部付近の断面図を示す。
【図3】ガスタービンの第2段静翼体の拡大図を示す。
【図4】ガスタービンの隣接する第2段静翼体セグメントの内周側の一般的なシール構造の斜視図を示す。
【図5】ガスタービンの隣接する静翼体セグメント21a,21b間のシール装置の構造を表すタービン軸方向断面図を示す。
【図6】本発明の第一実施の形態であるシール装置の隣接する第2段静翼体セグメント構造の斜視図を示す。
【図7】図6に示した本発明の第一実施の形態であるシール装置のタービン軸方向の断面図を示す。
【図8】本発明の第二実施の形態であるシール装置のタービン軸方向の断面図を示す。
【図9】図8に示すシール装置のガスタービン運転中の作用を示す。
【図10】本発明の本発明のシール装置の装着方法について示す。
【図11】本発明の第三実施例のシール装置の突起部の断面図。
【符号の説明】
【0042】
12a 静翼
21a,21b 静翼体セグメント
31,32 キャビティ
61a,61b シール溝
71 面接触状態
72 線接触状態
80,85 突起部
90 シール部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接するセグメントの対向端面にそれぞれシール溝が設けられ、該シール溝にシール部材が挿入されたシール装置において、
前記隣接するセグメントのいずれか一方側のシール溝は、溝の深さ方向に突起部を有し、
前記シール部材は、前記突起部を挟み込むよう構成されていることを特徴とするシール装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシール装置において、
前記シール部材の前記一方側のシール溝に設置される端部は前記突起部を挟み込むよう構成され、
前記シール部材の他方側のシール溝に設置される端部はシール溝に底部で接触するよう構成され、
前記シール部材は、他方側のシール溝の深さ方向に対して平行な直線部を有する
ことを特徴とするシール装置。
【請求項3】
互いに隣接するセグメントの対向端面にそれぞれシール溝が設けられ、該シール溝にシール部材が挿入されたシール装置において、
前記隣接するセグメントのいずれか一方側のシール溝は、溝の深さ方向に断面が台形状の突起部を有し、
前記シール部材は薄板形状の弾性体であり、
前記シール部材の他方側のシール溝に挿入される側は、前記他方側のシール溝と最深部で接触可能な折り曲げ部と、前記他方側のシール溝の深さ方向に対して平行で溝幅方向の寸法が前記他方側のシール溝と同程度かそれより僅かに小さく設定された直線部とを有し、
前記シール部材の前記一方側のシール溝に挿入される側は前記突起部を有するシール溝へ向かって前記直線部に対して一定の傾き角度を有しながら開口した形状である
ことを特徴とするシール装置。
【請求項4】
請求項3に記載のシール装置において、
突起部の傾斜角度は、前記シール部材の開口部の傾き角度と同程度かそれよりも大きく設定されていることを特徴とするシール装置。
【請求項5】
請求項3に記載のシール装置において、
前記シール部材の開口部側の端部が、前記突起部に対して外向きに折り曲げた形状であることを特徴とするシール装置。
【請求項6】
請求項1に記載のシール装置であって、
前記突起部が前記セグメントと別部材で構成されたことを特徴とするシール装置。
【請求項7】
請求項1に記載のシール装置であって、
前記シール部材は耐酸化コーティング、もしくは、耐摩耗コーティングを施されたものであることを特徴とするシール装置。
【請求項8】
空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された空気と燃料とを混合燃焼する燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスにより回転駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
周方向に互いに隣接するセグメントの対向端面にそれぞれシール溝が設けられ、いずれか一方側のシール溝に深さ方向の突起部が設けられ、前記それぞれのシール溝に前記突起部を挟み込むようなシール部材が挿入されたシール装置を備えたことを特徴とするガスタービン。
【請求項9】
空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された空気と燃料とを混合燃焼する燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスにより回転駆動されるタービンとを備えたガスタービンの運転方法において、
周方向に互いに隣接するセグメントの対向端面にそれぞれシール溝が設けられ、いずれか一方側のシール溝に深さ方向の突起部が設けられ、前記それぞれのシール溝に前記突起部を挟み込むようなシール部材が挿入されたシール装置を用いることを特徴とするガスタービンの運転方法。
【請求項1】
互いに隣接するセグメントの対向端面にそれぞれシール溝が設けられ、該シール溝にシール部材が挿入されたシール装置において、
前記隣接するセグメントのいずれか一方側のシール溝は、溝の深さ方向に突起部を有し、
前記シール部材は、前記突起部を挟み込むよう構成されていることを特徴とするシール装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシール装置において、
前記シール部材の前記一方側のシール溝に設置される端部は前記突起部を挟み込むよう構成され、
前記シール部材の他方側のシール溝に設置される端部はシール溝に底部で接触するよう構成され、
前記シール部材は、他方側のシール溝の深さ方向に対して平行な直線部を有する
ことを特徴とするシール装置。
【請求項3】
互いに隣接するセグメントの対向端面にそれぞれシール溝が設けられ、該シール溝にシール部材が挿入されたシール装置において、
前記隣接するセグメントのいずれか一方側のシール溝は、溝の深さ方向に断面が台形状の突起部を有し、
前記シール部材は薄板形状の弾性体であり、
前記シール部材の他方側のシール溝に挿入される側は、前記他方側のシール溝と最深部で接触可能な折り曲げ部と、前記他方側のシール溝の深さ方向に対して平行で溝幅方向の寸法が前記他方側のシール溝と同程度かそれより僅かに小さく設定された直線部とを有し、
前記シール部材の前記一方側のシール溝に挿入される側は前記突起部を有するシール溝へ向かって前記直線部に対して一定の傾き角度を有しながら開口した形状である
ことを特徴とするシール装置。
【請求項4】
請求項3に記載のシール装置において、
突起部の傾斜角度は、前記シール部材の開口部の傾き角度と同程度かそれよりも大きく設定されていることを特徴とするシール装置。
【請求項5】
請求項3に記載のシール装置において、
前記シール部材の開口部側の端部が、前記突起部に対して外向きに折り曲げた形状であることを特徴とするシール装置。
【請求項6】
請求項1に記載のシール装置であって、
前記突起部が前記セグメントと別部材で構成されたことを特徴とするシール装置。
【請求項7】
請求項1に記載のシール装置であって、
前記シール部材は耐酸化コーティング、もしくは、耐摩耗コーティングを施されたものであることを特徴とするシール装置。
【請求項8】
空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された空気と燃料とを混合燃焼する燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスにより回転駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
周方向に互いに隣接するセグメントの対向端面にそれぞれシール溝が設けられ、いずれか一方側のシール溝に深さ方向の突起部が設けられ、前記それぞれのシール溝に前記突起部を挟み込むようなシール部材が挿入されたシール装置を備えたことを特徴とするガスタービン。
【請求項9】
空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された空気と燃料とを混合燃焼する燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスにより回転駆動されるタービンとを備えたガスタービンの運転方法において、
周方向に互いに隣接するセグメントの対向端面にそれぞれシール溝が設けられ、いずれか一方側のシール溝に深さ方向の突起部が設けられ、前記それぞれのシール溝に前記突起部を挟み込むようなシール部材が挿入されたシール装置を用いることを特徴とするガスタービンの運転方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−203947(P2009−203947A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49001(P2008−49001)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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