説明

ジアセチレン物質から構築される比色分析センサー

ポリジアセチレンアセンブリー内に組み込まれて、分析物と接触した際に色変化を示すことができるトランスデューサーを形成する受容体を含んで成る比色分析センサーが開示される。分析物の比色分析検出のために、比色分析センサーおよびキットを使用する方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリジアセチレンアセンブリーにおいて観察可能なスペクトル変化を使用した分析物検出のための技術に関する。より具体的には、本発明は、ポリジアセチレンアセンブリーを含んで成る比色分析センサー、およびセンサーを使用して分析物を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジアセチレンは典型的に無色であり、熱的にまたは化学線のどちらかによって付加重合を被る。重合が進行すると、これらの化合物は、青または紫への対照的な色変化を被る。熱、物理的応力、または溶剤または対イオンの変化などの外部刺激に暴露すると、ポリジアセチレンは、平面の主鎖立体配座の歪みによって生じるさらなる色変化を示す。ミノ(Mino)ら、Langmuir、第8巻、p.594、1992;チャンス(Chance)ら、Journal of Chemistry and Physics、第1巻、71、206、1979;シブタグ(Shibutag)、Thin Solid Films、第179巻、p.433、1989;カネコ(Kaneko)ら、Thin Solid Films、第210巻、548、1992;および米国特許第5,672,465号明細書で述べられるように、ポリジアセチレンアセンブリーは、温度の増大またはpH変化と共に、共役主鎖における立体配座変化のために、色を青から赤に変化することが知られている。米国特許第5,622,872号明細書および国際公開第02/00920号パンフレットで述べられるように、生体色素指標として使用するためのこのクラスの化合物の利用は既知である。
【0003】
分析物検出のためのポリジアセチレンの提案される応用は、米国特許第6,395,561 B1号明細書、同第6,306,598 B1号明細書、同第6,277,652号明細書、同第6,183,22号明細書、同第6,080,423号明細書、および国際公開第01/71317号パンフレットで考察されている。特に、ポリジアセチレン膜内に組み込まれて、受容体がそれらの特異的分析物(病原菌、ウィルス、毒素など)に結合すると色変化(青から赤)が誘発される、病原菌、ウィルス、毒素などと特異的に反応する受容体があるバイオセンサーを構築することが試みられている。このような方法では、受容体および分析物の結合構造体が知られており、受容体が同定されていることが必要である。受容体およびポリジアセチレン膜双方の合成は、複雑で困難であることがある。ポリジアセチレン膜は、分析物との結合時に不十分な色変化を示すことができ、構造的な変化を促進し、あるいは分析装置を増進して色変化を観察するために、その他の物質を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ジアセチレンを用いた検出装置をより正確で、特定用途に対してより適合し、多種多様な環境においてより単純で非技術系作業者が利用できようにする必要性がなおも存在し続けている。都合良く持ち運ばれて、特定用途のために個々に使用され、次に廃棄することができる装置が特に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ポリジアセチレンアセンブリーに対する分析物の特異的結合の結果として生じるスペクトル変化(肉眼で見えるまたは比色計による色変化)によって、分析物の存在を検出する比色分析センサーを提供する。ポリジアセチレンアセンブリーは、単純であるが高感度の様式で分析物の存在を示唆する。
【0006】
本発明は、受容体および
式、
【化1】

(式中、R1
アルキル、
【化2】

であり、
2
【化3】

であり、
3、R8、R13、R21、R24、R31およびR33は独立してアルキルであり、R4、R5、R7、R14、R16、R19、R20、R22、R25、およびR32は独立してアルキレンであり、R6、R15、R18、およびR26は独立してアルキレン、アルケニレン、またはアリーレンであり、R9はアルキレンまたは−NR34−であり、R10、R12、R27、およびR29は独立してアルキレンまたはアルキレン−アリーレンであり、R11およびR28は独立してアルキニルであり、R17はエステル−活性化基であり、R23はアリーレンであり、R30はアルキレンまたは−NR36−であり、R34およびR36は独立してHまたはC1〜C4アルキルであり、pは1〜5であり、nは1〜20であり、R1およびR2は同一でない)の少なくとも1つの化合物を含む重合反応生成物を含む、比色分析センサーを提供する。
【0007】
溶液中のポリジアセチレンアセンブリーのより簡単な調製と使用、および基材上への付着もまた提供される。
【0008】
小型分子、病原性および非病原性生物体、毒素、膜受容体および断片、揮発性有機化合物、酵素および酵素基質、抗体、抗原、タンパク質、ペプチド、核酸、およびペプチド核酸の検出のための装置および方法もまた提供される。
【0009】
幅広い環境条件において、そして分析物がいくつかのその他の物質と混合されている場合に、信頼性が比較的安定しており、使用が簡単で安価な試験キットもまた提供される。
【0010】
比色分析センサーを分析物に接触させて色変化を観察することで、比色分析センサーを使用して分析物を検出する方法もまた提供される。
【0011】
分析物および受容体の双方に対して親和力を有するプローブと比色分析センサーとを接触させて、色変化がないことを観察することによる、分析物の間接的検出のための方法もまた提供される。
【0012】
上の本発明の要約は、それぞれの開示される実施態様、または本発明の各実行について述べることを意図しない。続く詳細な説明は、これらの実施態様をより詳しく例証する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、ジアセチレン物質を含んで成る比色分析センサー、およびセンサーを使用して分析物を検出する方法を提供する。本発明はあまり限定されないが、発明の様々な態様の理解は、下に提供される実施例の考察を通じて得られるであろう。
【0014】
以下の定義された用語については、請求項または本明細書中の別の場所で異なる定義が与えられない限り、これらの定義が適用される。
【0015】
ここでの用法では、「アルキル」という用語は、規定のいくつかの炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖または環式の一価の炭化水素ラジカルを指す。アルキル基としては、1〜20個の炭素原子があるものが挙げられる。ここでの用法では「アルキル」の例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、イソブチル、およびイソプロピルなどを含むが、これに限定されるものではない。環式部分が意図される場合、前記アルキル中に少なくとも3個の炭素が存在しなくてはならないものと理解される。このような環式部分としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルが挙げられる。
【0016】
ここでの用法では「アルキレン」という用語は、規定のいくつかの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖または環式二価炭化水素ラジカルを指す。アルキレン基としては、1〜14個の炭素原子があるものが挙げられる。ここでの用法では「アルキレン」の例としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。環式部分が意図される場合、前記アルキレン中に少なくとも3個の炭素が存在すべきものと理解される。このような環式部分としては、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、およびシクロヘプチレンが挙げられる。
【0017】
ここでの用法では「アルケニレン」という用語は、規定のいくつかの炭素原子および1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖または環式二価炭化水素ラジカルを指す。アルケニレン基としては、2〜8個の炭素原子があるものが挙げられる。ここでの用法では「アルケニレン」の例としては、エテン−1,2−ジイル、プロペン−1,3−ジイルなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0018】
ここでの用法では「アリーレン」という用語は、フェニレンなどの単環、またはナフチレンまたはアントリレンなどの複数縮合環を有する、二価不飽和芳香族カルボキシルラジカルを指す。アリーレン基としては、6〜13個の炭素原子があるものが挙げられる。ここでの用法では「アリーレン」の例としては、ベンゼン−1,2−ジイル、ベンゼン−1,3−ジイル、ベンゼン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイルなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0019】
ここでの用法では「アルキレン−アリーレン」という用語は、上で定義されるようなアリーレン部分に結合した、上で定義されるようなアルキレン部分を指す。ここでの用法では「アルキレン−アリーレン」の例しては、−CH2−フェニレン、−CH2CH2−フェニレン、および−CH2CH2CH2−フェニレンが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0020】
ここでの用法では「アルキニル」という用語は、2〜30個の炭素および少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖または環式一価炭化水素ラジカルを指す。ここでの用法では「アルキニル」の例としては、エチニル、プロピニル、およびブチニルが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0021】
ここでの用法では「分析物」という用語は、本発明のセンサーによって検出されることができるあらゆる物質を指す。このような物質としては、小型分子、病原性および非病原性生物体、毒素、膜受容体および断片、揮発性有機化合物、酵素および酵素基質、抗体、抗原、タンパク質、ペプチド、核酸、およびペプチド核酸が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0022】
ここでの用法では「細菌」という用語は、球菌、杆菌、スピロヘータ、シェロプラスト、プロトプラストなどをはじめとする、細菌と見なされるあらゆる形態の微生物を指す。
【0023】
ここでの用法では「受容体」という用語は、関心がある分析物に対する結合親和力があるあらゆる分子を指す。受容体としては、表面膜タンパク、酵素、レクチン、抗体、組み換えタンパク質などの自然発生的受容体と、合成タンパク質と、核酸と、c−グリコシドと、炭水化物と、ガングリオシドと、キレート剤とが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0024】
ここでの用法では「アセンブリー」または「自己−アセンブリー」という用語は、重合に先立つジアセチレン分子のあらゆる自己−秩序化を指す。J.イズラエラックビリ(Israelachvili)、分子間および表面力(Intermolecular and Surface Forces)(第2版)、Academic Press、New York(1992)pp.321〜427。
【0025】
ここでの用法では「自己−組織化単層」(SAM)という用語は、自然発生的自己−秩序化によって特定基材上に形成されるあらゆる秩序ある極薄有機フィルムを指す。A.ウルマン(A.Ulman)、「極薄有機フィルム序論(An Introduction to Ultrathin Organic Films)」、Academic Press、New York(1991)、pp.237〜301。
【0026】
ここでの用法では「トランスデューサー」という用語は、分子レベルの認知事象を観察可能な信号に変化できる物質について述べる。
【0027】
ここではあらゆる数値は、「約」という用語によって変更されるものとみなされる。終点による数値範囲の記述は、その範囲内に包含される全ての数値を含む(例えば1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
【0028】
本発明は、分析物の検出のために受容体に組み込まれた新しいポリジアセチレンアセンブリーを含んで成る比色分析センサーを提供する。ポリジアセチレンアセンブリーは、
式、
【化4】

(式中、R1
アルキル、
【化5】

であり、
2
【化6】

であり、
3、R8、R13、R21、R24、R31およびR33は独立してアルキルであり、R4、R5、R7、R14、R16、R19、R20、R22、R25、およびR32は独立してアルキレンであり、R6、R15、R18、およびR26は独立してアルキレン、アルケニレン、またはアリーレンであり、R9はアルキレンまたは−NR34−であり、R10、R12、R27、およびR29は独立してアルキレンまたはアルキレン−アリーレンであり、R11およびR28は独立してアルキニルであり、R17はエステル−活性化基であり、R23はアリーレンであり、R30はアルキレンまたは−NR36−であり、R34およびR36は独立してHまたはC1〜C4アルキルであり、pは1〜5であり、nは1〜20である)の重合化合物であり、R1およびR2は同一でない。
【0029】
1がアルキルである場合のR1の例としては、C1〜C20アルキル、C6〜C18アルキル、およびC12〜C16アルキルが挙げられる。R1がアルキルである場合のR1の追加的な例としては、ドデシルおよびヘキサデシルが挙げられる。
【0030】
3の例としては、C1〜C20アルキルおよびC6〜C18アルキルが挙げられる。R3の追加的な例としては、ウンデシルおよびペンタデシルが挙げられる。
【0031】
4の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC1〜C4アルキレンが挙げられる。R4の追加的な例としては、メチレン(−CH2−)、トリメチレン、(−CH2CH2CH2−)、およびテトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)が挙げられる。
【0032】
5の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC1〜C3アルキレンが挙げられる。R5の追加的な例としては、エチレン(−CH2CH2−)およびトリメチレン(−CH2CH2CH2−)が挙げられる。
【0033】
6がアルキレンである場合のR6の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC1〜C3アルキレンが挙げられる。R6がアルキレンである場合のR6の追加的な例としては、エチレン(−CH2CH2−)およびトリメチレン(−CH2CH2CH2−)が挙げられる。R6がアルケニレンである場合のR6の例としては、C2〜C8アルケニレンおよびC2〜C4アルケニレンが挙げられる。R6がアルケニレンである場合のR6の追加的な例としては、エテニレン(−C=C−)が挙げられる。R6がアリーレンである場合のR6の例としては、C6〜C13アリーレンおよびフェニレンが挙げられる。R6がアリーレンである場合のR6の追加的な例としては、ベンゼン−1,2−ジイルである。
【0034】
7の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC2〜C9アルキレンが挙げられる。R7の追加的な例としては、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、ペンタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘキサメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘプタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、オクタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、およびノナメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)が挙げられる。
【0035】
8の例としては、C1〜C16アルキルおよびC1〜C8アルキルが挙げられる。R8の追加的な例としては、ブチル、ペンチル、およびヘキシルが挙げられる。
【0036】
9は独立してアルキレンまたは−NR34−であり、R34はHまたはC1〜C4アルキルである。
【0037】
9がアルキレンである場合のR9の例としては、C1〜C14アルキレン、および例えばメチレン(−CH2−)などのC1〜C3アルキレンが挙げられる。R9が−NR34−である場合のR9の例としては、−NH−、−N(CH2CH3)−、および−N(CH3)−が挙げられる。
【0038】
10がアルキレンである場合のR10の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC1〜C8アルキレンが挙げられる。R10がアルキレンである場合のR10の追加的な例としては、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、−C(CH32−、および−CH((CH21~4CH3)−が挙げられる。R10がアルキレン−アリーレンである場合のR10の例としては、(C1〜C14アルキレン)−アリーレンおよび(C1〜C14アルキレン)−フェニレンが挙げられる。R10がアルキレン−アリーレンである場合のR10の追加的な例としては、−CH2−フェニレンが挙げられる。
【0039】
11の例としては、C2〜C30アルキニルおよびC20〜C25アルキニルが挙げられる。R11の追加的な例としては、少なくとも2個の炭素−炭素三重結合(−C≡C−)を有するC2〜C30アルキニル、および少なくとも2個の炭素−炭素三重結合を有するC20〜C25アルキニルが挙げられる。R11のさらなる例としては、少なくとも2個の炭素−炭素三重結合を有するC22アルキニル、少なくとも2個の炭素−炭素三重結合を有するC24アルキニルが挙げられる。R11のさらに別の例としては、−(CH28−C≡C−C≡C−(CH29CH3および−(CH28−C≡C−C≡C−(CH211CH3が挙げられる。
【0040】
12がアルキレンである場合のR12の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC1〜C8アルキレンが挙げられる。R12がアルキレンである場合のR12の追加的な例としては、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、−C(CH32−、および−CH((CH21~4CH3)−が挙げられる。R12がアルキレン−アリーレンである場合のR12の例としては、(C1〜C14アルキレン)−アリーレンおよび(C1〜C14アルキレン)−フェニレンが挙げられる。R12がアルキレン−アリーレンである場合のR12の追加的な例としては、−CH2−フェニレンが挙げられる。
【0041】
13の例としては、例えばメチルなどのC1〜C4アルキルが挙げられる。
【0042】
14の例としては、例えばエチレン(−CH2CH2−)などのC1〜C4アルキレンが挙げられる。
【0043】
15がアルキレンである場合のR15の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC1〜C3アルキレンが挙げられる。R15がアルキレンである場合のR15の追加的な例としては、エチレン(−CH2CH2−)およびトリメチレン(−CH2CH2CH2−)が挙げられる。R15がアルケニレンである場合のR15の例としては、C2〜C8アルケニレンおよびC2〜C4アルケニレンが挙げられる。R15がアルケニレンである場合のR15の追加的な例としては、エテニレン(−C=C−)が挙げられる。R15がアリーレンである場合のR15の例としては、アリーレンおよびフェニレンが挙げられる。R15がアリーレンである場合のR15の追加的な例は、ベンゼン−1,4−ジイルである。
【0044】
16の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC2〜C9アルキレンが挙げられる。R16の追加的な例としては、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、ペンタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘキサメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘプタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、オクタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、およびノナメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)が挙げられる。
【0045】
17の例としては、隣接するエステル基をアシル転移に向けて活性化する基が挙げられる。このようなエステル活性化基としては、例えばペンタフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール、3−ニトロフェノール、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、およびM.ボダンスキー(Bodanszky)、「ペプチド合成の原理(Principles of Peptide Synthesis)」(Springer−Verlag、1984)で開示されるものが挙げられる。R17の追加的な例は2,5−ジオキソ−1−ピロリジニルである。
【0046】
18がアルキレンである場合のR18の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC1〜C3アルキレンが挙げられる。R18がアルキレンである場合のR18の追加的な例としては、エチレン(−CH2CH2−)およびトリメチレン(−CH2CH2CH2−)が挙げられる。R18がアルケニレンである場合のR18の例としては、C2〜C8アルケニレンおよびC2〜C4アルケニレンが挙げられる。R18がアルケニレンである場合のR18の追加的な例としては、エテニレン(−C=C−)が挙げられる。R18がアリーレンである場合のR18の例としては、C6〜C13アリーレンおよびフェニレンが挙げられる。R18がアリーレンである場合のR18の追加的な例は、ベンゼン−1,2−ジイルである。
【0047】
19の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC2〜C9アルキレンが挙げられる。R19の追加的な例としては、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、ペンタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘキサメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘプタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、オクタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、およびノナメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)が挙げられる。
【0048】
20の例としては、C1〜C14アルキレン、C1〜C9アルキレン、およびC1〜C4アルキレンが挙げられる。R20の追加的な例としては、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、ペンタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘキサメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘプタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、オクタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、およびノナメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)が挙げられる。
【0049】
21がアルキルである場合のR21の例としては、C1〜C20アルキル、C6〜C18アルキル、およびC10〜C17アルキルが挙げられる。R21がアルキルである場合のR21の追加的な例としては、デシル、ウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘプタデシルが挙げられる。
【0050】
22の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC2〜C9アルキレンが挙げられる。R22の追加的な例としては、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、およびテトラメチレンが挙げられる。
【0051】
23の例としては、C6〜C13アリーレンおよびフェニレンが挙げられる。R23がアリーレンである場合のR23の追加的な例は、ベンゼン−1,4−ジイルである。
【0052】
24の例としては、C1〜C20アルキルおよびC6〜C18アルキルが挙げられる。R24の追加的な例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびドデシルが挙げられる。
【0053】
25の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC2〜C9アルキレンが挙げられる。R25の追加的な例としては、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、ペンタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘキサメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘプタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、オクタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、およびノナメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)が挙げられる。
【0054】
26がアルキレンである場合のR26の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC1〜C3アルキレンが挙げられる。R26がアルキレンである場合のR26の追加的な例としては、エチレン(−CH2CH2−)およびトリメチレン(−CH2CH2CH2−)が挙げられる。R26がアルケニレンである場合のR26の例としては、C2〜C8アルケニレンおよびC2〜C4アルケニレンが挙げられる。R26がアルケニレンである場合のR26の追加的な例としては、エテニレン(−C=C−)が挙げられる。R26がアリーレンである場合のR26の例としては、C6〜C13アリーレンおよびフェニレンが挙げられる。R26がアリーレンである場合のR26の追加的な例は、ベンゼン−1,2−ジイルである。
【0055】
27がアルキレンである場合のR27の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC1〜C8アルキレンが挙げられる。R27がアルキレンである場合のR27の追加的な例としては、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、−C(CH32−、および−CH((CH21~4CH3)−が挙げられる。R27がアルキレン−アリーレンである場合のR27の例としては、(C1〜C14アルキレン)−アリーレンおよび(C1〜C14アルキレン)−フェニレンが挙げられる。R27アルキレン−アリーレンである場合のR27の追加的な例としては、−CH2−フェニレンが挙げられる。
【0056】
28の例としては、C2〜C30アルキニルおよびC20〜C25アルキニルが挙げられる。R28の追加的な例としては、少なくとも2個の炭素−炭素三重結合(−C≡C−)を有するC2〜C30アルキニル、および少なくとも2個の炭素−炭素三重結合を有するC20〜C25アルキニルが挙げられる。R28のさらなる例としては、少なくとも2個の炭素−炭素三重結合を有するC22アルキニル、少なくとも2個の炭素−炭素三重結合を有するC24アルキニルが挙げられる。R28のさらに別の例としては、−(CH28−C≡C−C≡C−(CH29CH3および−(CH28−C≡C−C≡C−(CH211CH3が挙げられる。
【0057】
29がアルキレンである場合のR29の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC1〜C8アルキレンが挙げられる。R29がアルキレンである場合のR29の追加的な例としては、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、−C(CH32−、および−CH((CH21~4CH3)−が挙げられる。R29がアルキレン−アリーレンである場合のR29の例としては、(C1〜C14アルキレン)−アリーレンおよび(C1〜C14アルキレン)−フェニレンが挙げられる。R29がアルキレン−アリーレンである場合のR29の追加的な例としては、−CH2−フェニレンが挙げられる。
【0058】
30は独立してアルキレンまたは−NR36−であり、R36はHまたはC1〜C4アルキルである。
【0059】
30がアルキレンである場合のR30の例としては、C1〜C14アルキレン、および例えばメチレン(−CH2−)などのC1〜C3アルキレンが挙げられる。R30が−NR36−である場合のR30の例としては、−NH−、−N(CH2CH3)−、および−N(CH3)−が挙げられる。
【0060】
31の例としては、C1〜C16アルキルおよびC1〜C8アルキルが挙げられる。R31の追加的な例としては、ブチル、ペンチル、およびヘキシルが挙げられる。
【0061】
32の例としては、C1〜C14アルキレンおよびC2〜C9アルキレンが挙げられる。R32の追加的な例としては、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、ペンタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2−)、およびヘキサメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)が挙げられる。
【0062】
33の例としては、C1〜C20アルキル、C6〜C18アルキル、およびC10〜C16アルキルが挙げられる。R33の追加的な例としては、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、およびオクタデシルが挙げられる。
【0063】
本発明の化合物はまた、pが1または2であることができ、nが1〜20、3〜17、6〜14、または9〜11であることができるものを含む。
【0064】
発明は、構造異性体および幾何学異性体などの異性体、塩、溶媒化合物、同質異像などをはじめとするここで述べられる化合物を含む。
【0065】
ジアセチレン化合物の調製
式XXIIIのジアセチレンは、nが典型的に1〜4であり、mが典型的に10〜14である模式図1で概説したようにして調製できる。
【化7】

【0066】
模式図1
式XXIIIの化合物は、例えばDMFなどの適切な溶剤中での適切な酸化剤との反応によって、式XXIIの化合物からの酸化を通じて調製できる。適切な酸化剤としては、例えばジョーンズ試薬および二クロム酸ピリジニウムが挙げられる。上記反応は典型的に、0℃〜40℃、概して0℃〜25℃の温度で、1時間〜48時間、概して8時間進行する。
【0067】
式XXIIの化合物は、適切な酸塩化物との反応によって式XXIの化合物から調製できる。適切な酸塩化物としては、例えば塩化ラウロイル、1−ドデカノイルクロライド、1−テトラデカノイルクロライド、1−ヘキサデカノイルクロライド、および1−オクタデカノイルクロライドなどの所望の生成物を与えるあらゆる酸塩化物が挙げられる。適切な溶剤としては、例えばエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、およびクロロホルムが挙げられる。上記反応は典型的に、トリアルキルアミンまたはピリジン塩基などの塩基の存在下で、0℃〜40℃、概して0℃〜25℃の温度で、1時間〜24時間、概して3時間進行する。
【0068】
式XXIの化合物は、市販され(例えばnが1〜4である場合)、あるいは例えば模式図1に概説され、エイブラムズ,スザンヌR(Abrams,Suzanne R.)、ショウ,アンジェラC.(Shaw,Angela C.)「三重結合異性化(Triple−bond isomerizations:2−から9−デシン−ル−オール)」Org.Synth.(1988)、66、127〜31;およびブランズマ,L.(Brandsma,L.)「調製用アセチレン化学(Preparative Acetylenic Chemistry)」、(Elsevier Pub.Co.:New York,1971)で開示されるように、式XVIIIの化合物から化合物XIXおよびXXを経由して調製できる。
【0069】
ここで開示されるジアセチレン化合物はまた、トルエンなどの適切な溶剤の存在下、式XXIIの化合物と、無水コハク酸、グルタル酸、またはフタル酸などの無水物とを反応させて調製できる。上記反応は典型的に、50℃〜125℃、概して100℃〜125℃の温度で、1時間〜24時間、概して15時間進行する。
【0070】
ここで開示されるジアセチレン化合物は、溶液中で自己組織化して秩序化されたアセンブリーを形成でき、それは例えば電磁スペクトルのUVまたは可視範囲内の電磁放射線などのあらゆる化学線を使用して重合できる。ジアセチレン化合物の重合は、それらの立体配座および外的要因への曝露次第で、570nm未満、570nm〜600nm、または600nmを超える可視スペクトル内に色を有する重合反応生成物をもたらす。典型的にここで開示されるジアセチレン化合物の重合は、ポリジアセチレン主鎖を含む準安定の青色相ポリマー網目状組織をもたらす。これらの準安定青色相ポリマー網目状組織は、例えば熱、利用できる場合は溶剤または対イオンの変化、または物理的応力などの外的要因に曝露すると、青味がかった色から赤味がかったオレンジへ色の色変化を被る。
【0071】
ここで開示されるいくつかのジアセチレン化合物の重合生成物は、可逆的色変化および/または三態色変化を示すことができる。例えば重合後に得られる青色相ポリマー網目状組織は、熱、溶剤または対イオンの変化、または物理的応力に曝露すると赤味がかったオレンジ色状態に色を変化できる。この赤味がかったオレンジ色ポリマー網目状組織は、次に熱、溶剤または対イオンの変化、または物理的応力にさらに曝露すると、色を黄色味がかったオレンジ色状態に変化できる。さらにここで開示されるポリマー網目状組織は、これらの赤味がかったオレンジ色と黄色味がかったオレンジ色状態の間を可逆的に循環できる。
【0072】
ここで開示されるジアセチレン化合物およびそれらの重合生成物が物理的応力に曝露すると可視色変化を被る能力は、それらを分析物検出のための検出装置調製のための理想的な候補にする。開示されるジアセチレン化合物から形成されるポリジアセチレンアセンブリーは、生物検出用途においてトランスデューサーとして機能できる。
【0073】
特定検出用途ためのジアセチレン分子の構造的な要件は、典型的に用途特異的である。全体的鎖長、溶解性、極性、結晶化度などの特徴、およびさらなる分子変性のための官能基の存在は、全て、ジアセチレン分子が有用な検出物質としての役割を果たす能力を協調的に決定する。例えば水性媒体中での分析物の生物検出の場合、ジアセチレン化合物の構造は水中で安定分散体を形成し、効率的に重合して着色物質になり、分析物への結合のために適切な受容体の化学的性質が組み込まれ、その結合相互作用を色変化の手段によって変換できなくてはならない。これらの能力は、ジアセチレン化合物の構造的な特徴に依存する。
【0074】
本発明のジアセチレン化合物は、上述の能力を有し、容易にかつ効率的に重合して、所望の色変化を被るポリジアセチレンアセンブリーになることができる。さらにジアセチレン化合物は、安定している重合性溶液を形成しながら、下で述べる受容体などの大きく過剰な非重合性物質の組み込みを許す。
【0075】
開示されるジアセチレン化合物は、高処理合成法をはじめとする迅速な多収性様式で合成できる。例えばヘテロ原子などのジアセチレン化合物主鎖中の官能基の存在は、特定検出用途の要件を満たすために、容易な構造的精緻化の可能性を提供する。ジアセチレン化合物は、例えば水などの適切な溶剤にジアセチレンを添加して、混合物を超音波分解し、次に溶液を典型的に254nmの波長において紫外線で照射することで重合させて、網目状組織を含有する所望のポリジアセチレン主鎖にできる。重合すると溶液は青味がかった紫への色変化を被る。
【0076】
ポリジアセチレンアセンブリーを含んで成る比色分析センサー
開示されるジアセチレン化合物を含んで成る本発明の比色分析センサーは、溶液中で、あるいは基材上に被覆されて、分子認知事象の比色分析検出の土台の役割を果たすことができる。このような分子認知装置は、重合の前または後のどちらかに、受容体をジアセチレンモノマー系に添加して調製できる。受容体は、重合時、またはその後、受容体と分析物との相互作用が、共役エン−インポリマー主鎖の撹乱による可視的色変化に帰結するように、ポリマーの網目状組織内に効果的に組み込まれる。
【0077】
一実施態様では、受容体は、ポリジアセチレンアセンブリー中に物理的に混合され分散される。代案の実施態様では、受容体はポリジアセチレンアセンブリーに共有結合する。有用な受容体の例としては、表面膜タンパク質、酵素、レクチン、抗体、組み換えタンパク質など、合成タンパク質、核酸、c−グリコシド、炭水化物、ガングリオシド、およびキレート剤が挙げられるが、これに限定されるものではない。一実施態様では、受容体はリン脂質である。代案の実施態様では、受容体は、アルカラッズ,マリー・リン(Alcaraz,Marie−Lyne)、ペング,リング(Peng,Ling)、クロッツ,フィリッペ(Klotz,Phillipe)、ゴルドナー,モーリス(Goeldner,Maurice)、J.Org.Chem.1996、61、192〜201で考察されているものなどの既知の方法によって、ジアセチレンアセンブリー内に組み込まれたグリセリンである。
【0078】
開示されるジアセチレン化合物から形成される本発明の比色分析センサーは、実験室外の環境において対費用効果が高く安定しており、正確で一貫性がある、迅速診断を要求する多様な用途に適用できる。用途としては、病院診療現場検査、家庭用試験診断、空気または水によって運ばれる病原体およびVOCの軍事的および工業的検出、および食物加工が挙げられる。
【0079】
一実施態様では、比色分析センサーを生物学的流体中のグラム陰性細菌検出のために使用して、感染症の存在を診断できる。例えば尿中のグラム陰性細菌の存在は、尿感染症の徴候である。本発明のポリジアセチレンアセンブリーを含んで成る比色分析センサーは、溶液中で、あるいは基材上のコーティングとしての色変化を通じて、尿またはその他の生物学的流体中のグラム陰性細菌の存在を示唆できる。
【0080】
特定の実施態様では、本発明の比色分析センサーは、その他の既知の診断用方法と組み合わせて、細菌またはその他の分析物の存在の多面的な判定を提供できる。例えば米国特許第4,299,917号明細書で述べられるように、尿サンプルの試験において白血球(白色球またはWBC)エステラーゼ活性を検出した比色分析試験は、膿尿(尿中の膿)を示唆し、感染症の存在の徴候として解釈できる。完全なまたは溶解された形態での白血球の試験、ならびに本発明のポリジアセチレンアセンブリーに基づくグラム陰性細菌の試験を組み合わせたセンサーは、感染症の存在のみならず、感染症がグラム陰性またはグラム陽性細菌によって引き起こされているかどうかを推測するために使用できる。センサーのポリジアセチレン部分上で観察される、この組み合わせセンサー上のグラム陰性検出に関する負の結果は、センサーの白血球部分での正の結果との組み合わせで、グラム陽性細菌感染症の存在として解釈できる。反対にグラム陰性試験における正の結果は、グラム陰性細菌感染症の徴候であろう。白血球を検出するためのその他の可能な方法は、蛍光分析を使用して、例えば、ペイマン,クーベイB.(Peyman,Khoobehi B.)「網膜および脈絡叢循環の評価のための血液細胞の蛍光標識(Fluorescent labeling of blood cells for evaluation of retinal and choroidal circulation)」Ophthaalmic Surg.Lasers(1999年2月)、30(2):140〜5で述べられるような細胞の存在を直接に評価でき、あるいは、モハンティ,J.G.(Mohanty,J.G.)、ジャフェ,ジョナサンS.(Jaffe,Jonathan S.)、シュルマン,エドワードS.(Schulman,Edward S.)、ライブル,ドナルド G.(Raible,Donald G.)、「ジヒドロキシフェノキサジン誘導体を使用した活性化ヒト白血球からのH22放出の高度に敏感な蛍光マイクロアッセイ(A highly sensitive fluorescent micro−assay of H22 release from activated human leukocytes using a dihydroxyphenoxazine derivative)」J.Immunological Methods(1997)、202、133〜141で開示されるように、活性化された白血球から放出される過酸化物を検出できる。
【0081】
尿サンプル分析における現行の迅速な診断能力、すなわち15分間未満は、白血球試験と、米国特許第5,434,235号明細書で述べられるような硝酸塩試験などの硝酸塩試験との組み合わせを使用し、細菌検出に限定される。硝酸塩試験は、細菌代謝の副産物として硝酸塩を検出することができる比色分析に基づく。試験は、細菌の存在を直接に検出できないこと、また全ての細菌が硝酸塩を生じるわけではないのでいくつかの細菌群は検出されないという事実によって極度に制限される。
【0082】
グラム陰性およびグラム陽性細菌双方の迅速な診断のためには、上述のように、本発明の比色分析センサーと白血球試験を同一基材上にコーティングして、グラム陰性およびグラム陽性細菌の存在または不在を判定できる。これによって抗生剤治療を開始する前に、細菌のクラスを同定するために尿サンプル培養の結果を16〜24時間待つ必要性が最小化できる。培養結果が得られる前に抗生剤が処方されるような場合、抗生剤は、センサー試験結果に基づく細菌クラスをターゲットにできる。
【0083】
代案の実施態様では、本発明の比色分析センサーを創傷包帯との組み合わせで使用して、感染症の存在を検出できる。センサーは、創傷と直接または間接的に接する層として、包帯内に組み入れることができる。センサーはまた、使用中に包帯内に挿入できる。代案としては、米国特許第6,420,622 B1号明細書で述べられるような微小流体溝を通じて、創傷浸出液が、創傷から、センサーが位置する創傷に接触しない包帯部分に方向づけられる包帯構造体を考案できる。センサーはまた、創傷ぬぐい液から採取された分析物を分析することで、創傷感染症アセスメントにおける独立型診断として使用できる。
【0084】
ポリジアセチレンアセンブリーを含んで成るセンサーは、それを適切な担体に転移させる前に、従来のLB(ラングミュア−プロジェット)工程によってフィルムを形成する必要なしに得ることができる。代案としては、A.ウルマン(A.Ulman)、「極薄有機フィルム序論(An Introduction to Ultrathin Organic Films)」、Academic Press、New York(1991)、pp.101〜219で述べられるような既知のLB工程を使用して基材上にポリジアセチレンアセンブリーを形成することができる。
【0085】
本発明は、使い捨て接着剤製品に生物検出能力を提供する。センサーは自給式であり、測定可能な結果を伝えるのに追加的な機器類を必要としない。代案としては、その他の分析機器類と共に使用して、分析物の検出後に発現する蛍光「赤色」相などの蛍光に対する感度をさらに向上させることも可能である。特異的分析物の閾値存在の検出が所望される場合、センサーは機能して、迅速な、すなわち30分未満、好ましくは15分未満のスクリーニング装置を提供する。さらに本発明のセンサーは、使い捨てで比較的安価である。
【0086】
発明の一実施態様では、比色分析センサーは、溶液中のポリジアセチレンアセンブリー内に組み込まれた受容体から形成されるトランスデューサーを含んで成る。溶液は単純なバイアルシステムで提供することができ、対象の分析物に対する特異的なトランスデューサーと共に溶液を含有するバイアルに、分析物が直接添加される。代案としては、比色分析センサーはキット内の複数バイアルを含んで成ることができ、トランスデューサーを含有する各バイアルは、異なる分析物に特定的な組み込まれた受容体があるポリジアセチレンアセンブリーを含んで成る。分析物がポリジアセチレントランスデューサーに直接添加できない用途のためには、二部バイアルシステムを使用することもできる。バイアルの1つの区画は分析物のサンプル調製のための試薬を含有でき、ポリジアセチレンアセンブリーから形成されたトランスデューサーを含有する第2の区画から物理的に分離される。ひとたびサンプル調製が完了すると、区画を隔てる物理的バリアが取り除かれて、検出のために分析物がトランスデューサーに混合される。
【0087】
本発明の別の実施態様では、比色分析センサーは、図1に描写されるようなテープまたはラベル型式の迅速な指示計である。図1は、感圧接着剤20で被覆されたテープまたはラベル10、および基材40上に被覆されたトランスデューサー30を示す。感圧接着剤20は、分析物の直接的検出ために、テープまたはラベル10を表面に貼り付けることができる。感圧接着剤20は、ポリジアセチレンアセンブリーを含有するトランスデューサー30から隔離されて、悪影響が潜在的に最小化される。図1では、感圧接着剤20がテープまたはラベル10の中央に位置するトランスデューサー30を取り囲む。代案の実施態様(図示せず)では、感圧接着剤およびトランスデューサーが組み合わされる。
【0088】
任意に、テープまたはラベル10は、感圧接着剤20を含有しないテープまたはラベル10の側面に、透明な窓を含む。窓はトランスデューサー30の下で中心に位置し、ユーザーが分析物を含有する表面からテープまたはラベル10を取り除くことなしに、色変化を見られるようにする。
【0089】
図2では、テープまたはラベル110は、複数トランスデューサー112、113、114、115、および116から構成される配列111として示される。各トランスデューサー112、113、114、115、および116は、同一または異なるポリジアセチレンアセンブリーから形成でき、各ポリジアセチレンアセンブリーには、同一または異なる受容体が組み込まれる。トランスデューサー112、113、114、115、および116を変化させることで、配列111を様々な濃度レベルの複数分析物を検出するようにデザインできる。代案としては、いずれかの1つのトランスデューサー112、113、114、115を白血球試験などの代案の診断用試験で置き換えることができる。
【0090】
図3に示す別の実施態様では、テープまたはラベル100は折り畳み式基材101を含んで成り、感圧接着剤102が折り畳み式基材101の一面にあり、トランスデューサー103は、折り畳み式基材101の対向面に位置して感圧接着剤102に面する。目的分析物を含有する表面を感圧接着剤102に接触させてサンプルが収集できる。ひとたび分析物を含有するサンプルが収集されると、図4に示すように折り畳み式基材101が折りたたまれて、感圧接着剤102をトランスデューサー103に接触させる。任意に、折り畳み式基材101はミシン目付きであり、1つの部分が感圧接着剤102を含有し、別の部分がトランスデューサー103を含有する2つ以上の部分に、折り畳み式基材101が分離できるようにする。折り畳み式基材101の折り畳み式特徴および/またはミシン目の双方によって、ユーザーは、その機能性を要する用途では、分析物を含有するサンプル表面にトランスデューサーが接触することを防止できるようになる。
【0091】
任意に、図3の折り畳み式基材101はまた、図2に示して上述するように、複数トランスデューサーを含むことができる。さらに折り畳み式基材101は、折り畳み式基材101が折りたたまれて、トランスデューサー103が感圧接着剤102に接触した後のあらゆる色変化を見るために、トランスデューサー103と反対側の面に透明窓を含むことができる。
【0092】
米国特許第6,375,871号および同第6,451,191号明細書で述べられるような微小流体要素を経由した、流体サンプルのトランスデューサーへのデリバリを可能にする図5および6に代案の実施態様を示す。図5では、テープまたはラベル301は、分析物をトランスデューサー303にデリバリする微小流体要素302を含有する。一用途では、感圧接着剤をトランスデューサー303と反対側の面でテープまたはラベル301上に提供でき、保管目的、あるいは壁または容器への付着などの固着目的のために、テープまたはラベルが表面に付着できるようにする。
【0093】
図6では微小流体要素401は、テープまたはラベル402上に提供される。微小流体要素401は、同一または異なるトランスデューサーを含有する複数ウェル403、404、405、および406に分析物をデリバリする。複数ウェル403、404、405、および406内の各トランスデューサーは、同一または異なるポリジアセチレンアセンブリーから形成でき、各ポリジアセチレンアセンブリーには、同一または異なる受容体か組み込まれる。トランスデューサーを変化させることで、複数ウェル403、404、405、および406は、様々な濃度レベルの複数分析物の検出を提供するようにデザインできる。
【0094】
分析物のサンプル調製を必要とする用途では、キットは、試薬保管のため、そして二次元の基材上に被覆された比色分析センサーに接触させる前の分析物の混合のためのバイアルを含有できる。一実施態様では、キットは、基材上に被覆された本発明のトランスデューサーを含有するキャップシステムがある、試薬保管および分析物調製のためのバイアルを含んで成ることができる。
【0095】
本発明はまた、上述の比色分析センサーと溶液サンプルまたは分析物を含有する表面とを接触させるステップと、吸光度測定または肉眼での視覚的観察を使用して、比色分析センサーの色変化を検出するステップとを含んで成る、分析物の分析のための方法を提供する。
【0096】
代案の実施態様では、本発明は、ポリジアセチレンアセンブリーに組み込まれた受容体および分析物の双方と結合する親和力があるプローブを選択することで、分析物の間接的検出のための方法を提供する。選択されたプローブは、分析物に対する競合的親和力を実証するであろう。対象の分析物が存在すると、プローブはポリジアセチレン主鎖上の受容体よりも分析物に結合し、色変化は起きない。分析物が不在であれば、プローブはポリジアセチレン主鎖上に組み込まれた受容体に結合して、青から赤への色変化が起きる。プローブは、分析物がトランスデューサーに接触した後にトランスデューサーに接触でき、または混合物がトランスデューサーに接触するのに先だって分析物と混合できる。
【0097】
プローブは、溶液中のまたは基材上に被覆されたトランスデューサーと接触できる。プローブは、目的分析物および受容体の双方に対する親和力があるあらゆる分子である。本発明で使用するのに可能なプローブとしては、アラメチシン、マガイニン、グラミシジン、硫酸ポリミキシンB、およびメリチンなどの膜崩壊ペプチドが挙げられる。
【0098】
間接的検出法を使用して、使用するプローブ濃度に基づいて、低レベルの検出を提供する高感度が可能である。検出ストラテジーとして、プローブ濃度は、所望の検出濃度レベルに対応するように選択できる。プローブを使用した間接的検出法は、特定用途における所望の感度のためのプローブタイプおよび濃度を取り巻くシステムデザインを可能にする。これによってトランスデューサーを関心がある複数分析物に対して普遍的にすることができる。例えば単一トランスデューサー(ポリジアセチレン/受容体の組み合わせ)は、分析物に対するプローブの親和力に従って、トランスデューサーと接するプローブを変化させることで、複数分析物を検出する役割を果たせる。
【0099】
基材特性
本発明の基材は、milli−Q(ミリポア(Millipore))水およびヨウ化メチレン(アルドリッチ(Aldrich))プローブ液体を使用して、接触角測定によって特徴づけることができる。接触角測定のためにはレームハート(Rame−Hart)からの角度計が使用されて、プローブ液体の液滴を基材上に載せたときに形成される接触角が測定される。液滴は基材の肉眼的領域をカバーするが、液体と表面の相互作用は、表面の最外面1〜5Åのみをプローブする。したがって接触角分析は、A.ウルマン(A.Ulman)、「極薄有機フィルム序論(An Introduction to Ultrathin Organic Films)」、Academic Press、New York(1991)、48〜58で述べられるように、表面エネルギーを特徴付けるための正確で高感度の技術を提供する。
【0100】
本発明で使用されるコーティング基材は2つの幅広いカテゴリーを包含するとみなすことができる。これらの第1のカテゴリーとしては、ベアであり、自己−組織化単層(SAM)で変性されて、それらの表面エネルギーが系統だった様式で変化した、原子的に平らなシリコン(111)ウエハ上の蒸着金、原子的に平らなシリコン(111)ウエハ、またはフロートガラスなどの高度に平らな基材が挙げられる。第2のクラスの表面は、紙基材からポリマーインク受容性コーティングから構造化ポリマーフィルム、マイクロポーラスフィルム、および膜物質にわたる多くの異なるクラスの物質を含む、高度にテクスチャー加工された微細構成を有する表面を含んで成る。これらの基材の一般的特性は、大きな表面粗面度および/または多孔度である。これらの高度にテクスチャー加工された表面では、接触角測定、およびこれらの接触角測定からの極性および分散的表面エネルギーの判定は、それらの真の熱力学的エネルギーの平衡状態性質決定とみなすことはできない。本発明の目的のためには、接触角は、これらの基材を比較目的で分類するのに使用できる「有効」または「実効」表面エネルギーを示唆する。
【0101】
表1に、本発明の比色分析センサーとして使用するためのポリジアセチレンアセンブリーで被覆された基材をまとめる。使用する場合、基材を変性するのに使用されるSAMを基材と共に列挙する。水およびヨウ化メチレンで測定される基材接触角、ならびにS.ウ(S.Wu)、「ポリマー界面および付着(Polymer Interface and Adhesion)」、Marcel Dekker、New York(1982)で示されるような幾何平均法によって計算される、表面エネルギーの分散的および極性構成要素が示される。最後の列には、乾燥PDAコーティングの色を記載する。
【0102】
【表1】

【0103】
【表2】

【0104】
図6および7は、乾燥したコーティングの比色分析観察、および被覆された基材の接触角分析に基づく状態図を示す。図6はヨウ化メチレンの前進接触角に対する水の前進接触角の関数として、被覆された基材に生じる色を示す。図7は、S.ウ(S.Wu)、「ポリマー界面および付着(Polymer Interface and Adhesion)」、Marcel Dekker、New York(1982)で提供されるように、幾何平均法によって水およびヨウ化メチレンの前進接触角から計算された、表面エネルギーの分散的構成要素に対する基材表面エネルギーの極性構成要素の関数として、被覆された基材に生じる色を示す。ポリジアセチレンコーティングが最初の青色のままに残る表面は、各プロット上の黒丸によって示される。丸で示される表面は、乾燥時に最初の「青色」相が、赤色相に転換したものである。最後に三角形は、その上で乾燥コーティングが青および赤色相の混合を示した表面を示す。
【0105】
様々な基材に割り当てられる表1の番号は、図6および7の記号に関連する。
【0106】
乾燥時にポリジアセチレンアセンブリーの元の「青色」相を維持する発明の一実施態様では、図6で描写されるように、被覆された基材がヨウ化メチレンで50°未満の前進接触角を示す。この条件は、図7で40ダイン/cmを超えるそれらの表面エネルギーの分散的構成要素によって特徴づけられる基材に対応する。元の「青色」相の維持を要する用途では、微細構成および表面エネルギーが、検出時の色対比および貯蔵寿命などの特性において、基材上のトランスデューサーの有効性に影響を与える。
【0107】
代案の実施態様では、水で90°未満の前進接触角を有する特性がある基材が、図6で描写されるように、青および赤色相の混合物を含有する乾燥コーティングをもたらす。この条件は、図7で分散的表面エネルギー構成要素が40ダイン/cm未満であるが、極性表面エネルギー構成要素が少なくとも10ダイン/cmを超える表面に対応する。
【実施例】
【0108】
本発明は、以下で述べる特定の実施例に限定されるものではなく、添付請求項で適切に提示されるように、発明の全ての態様をカバーするものと理解される。本願明細書を検討すれば、本発明が向けられた技術分野の当業者には、様々な修正、同等プロセス、ならびに本発明が適用できる無数の構造体が容易に明らかになる。実施例および明細書の残りの部分のあらゆる部、百分率、比率、その他は、特に断りのない限りモルによる。供給元が記載されていないあらゆる溶剤および試薬は、ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル(Aldrich Chemical(Milwaukee.WI))から購入された。水は、抵抗率18.2MΩ/cmのU−V Milli−Q水清浄器を使用して精製された。マサチューセッツ州ベッドフォードのミリポア(Millipore,Bedford MA)。
【0109】
プローブ超音波分解されたジアセチレン混合物のためには、一連の出力および時間をかけたプローブ超音波分解のために、最初のジアセチレン溶液をいくつかのバイアルに分けて一連のサンプルを調製し、ジアセチレンモノマー中に自己−アセンブリーを成功裏に誘発する設定を求めた。以下の例では、プローブ超音波処理は出力設定5で1分間実施されたが、当業者は、出力および時間の適切な調節が、経験的に同一結果を生じることを理解するであろう。
【0110】
比色分析応答(CR)は、式、CR=[(PB初期−PBサンプル/PB初期]×100によって表される青色の%変化によって判定し、ここでPBは、画像処理ソフトであるアドビフォトショップ(Adobe Photoshop)バージョン5を使用して求めたサンプル中の青色である。
【0111】
【表3】

【0112】
実施例1
HO(O)C(CH23C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH210CH3の調製
ステップ1:HO(CH24C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH210CH3の調製
ガラス反応容器内で、600mgの5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール(HO(CH24C≡C−C≡C(CH24OH)、0.275mLのピリジンおよび10mLのTHFを混合した。この溶液に676mgの塩化ラウロイルを添加して、得られた混合物を15時間撹拌した。次に混合物をジエチルエーテルで希釈し、0.1NのHClおよび鹹水で洗浄した。有機層を分離してMgSO4上で乾燥させ、濾過して溶剤を除去し白色固形物を得た。固形物をシリカゲル(ヘキサン中の酢酸エチル容積による25%から50%への勾配)上で精製して、570mgのHO(CH24C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH210CH3を白色固形物として得た。
【0113】
ステップ2:HO(O)C(CH23C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH210CH3の調製
ガラス反応容器内で、ステップ1で調製した377mgのHO(CH24C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH210CH3を3mLのDMFに溶解し、1.32gのPDCを添加した。得られた混合物を8時間撹拌し、次に水およびジエチルエーテルを混ぜ合わせた。合わせたエーテル層をMgSO4上で乾燥させて濾過し、溶剤を除去して白色固形物を得た。固形物をシリカゲル上で精製し、容積比25/74/1の酢酸エチル/ヘキサン/ギ酸で溶出して0.21gのHO(O)C(CH23C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH210CH3を白色固形物として得た。
【0114】
実施例2〜5
HO(O)C(CH2a-1C≡C−C≡C(CH2aO(O)C(CH2bCH3の調製
実施例1で述べられるのと同一の手順に従い、表2に示すジオールおよび酸塩化物をステップ1で使用して、一般構造HO(O)C(CH2a-1C≡C−C≡C(CH2aO(O)C(CH2bCH3(aおよびbは表2で定義される)を有する化合物を得た。
【0115】
【表4】

【0116】
実施例6
HO(O)C(CH22C(O)O(CH24C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH212CH3の調製
ステップ1:HO(CH24C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH212CH3の調製
ガラス反応容器内で、4.99gの5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール(HO(CH24C≡C−C≡C(CH24OH)、2.2gのピリジン、および50mLのTHFを混合した。この溶液に6.34gの塩化ミリストールを添加し、得られた混合物を15時間撹拌した。次に混合物をジエチルエーテルで希釈し、0.1NのHClおよび鹹水で洗浄した。有機層を分離し、MgSO4上で乾燥させて濾過し、溶剤を除去して白色固形物を得た。固形物をシリカゲル(ジクロロメタン中の酢酸エチル容積による15%から100%への酢酸エチル勾配)上で精製して、5.0gのHO(CH24C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH212CH3を白色固形物として得た。
【0117】
ステップ2:HO(O)C(CH22C(O)O(CH24C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH212CH3の調製
密封できる試験管内で、ステップ1で調製された1.41gのHO(CH23C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH212CH3、0.435gの無水コハク酸、13mLのトルエン、および0.106gのDMAPを合わせて試験管を密封した。混合物を105℃で14.5時間加熱して反応を室温に冷却し、0.15mLの水を添加して試験管を再度密封し、再度105℃で30分間加熱した。次に混合物をジエチルエーテルで希釈して、0.1NのHClおよび鹹水で洗浄した。有機層を分離してMgSO4上で乾燥させ、濾過して溶剤を除去して白色固形物を得た。固形物をシリカゲル上で精製し、容積比10/89/1の酢酸エチル/ジクロロメタン/ギ酸で溶出して、1.70gのHO(O)C(CH22C(O)O(CH24C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH212CH3を白色固形物として得た。
【0118】
実施例7〜17
HO(O)C(CH22C(O)O(CH2aC≡C−C≡C(CH2aO(O)C(CH2bCH3の調製
実施例6で述べられるのと同一手順に従い、表3に示すジオールおよび酸塩化物をステップ1で使用して、一般構造HO(O)C(CH22C(O)O(CH2aC≡C−C≡C(CH2aO(O)C(CH2bCH3(aおよびbは表3で定義される)を有する化合物を得た。
【0119】
【表5】

【0120】
実施例18
HO(O)C(CH22C(O)O(CH25C≡C−C≡C(CH25O(O)C(CH210CH3の調製
ステップ1:HO(CH25C≡C−C≡C(CH25OHの調製
ミラー,J.G.(Miller,J.G.)、オールシュラガー,A.C.(Oehlschlager,A.C.)、J.Org.Chem.1984、49、2332〜2338に従って調製されたHOCH2C≡C(CH23CH3、またはO(CH22C≡C(CH22CH3(オハイオ州パウエルのGFSケミカルズ(GFS Chemicals(Powell,OH))から市販される)のKAPA−促進異性化によって、HO(CH25C≡CHを調製した。6.95gのHO(CH25C≡CHをピリジン/メタノール(2.0mL/6.2mL)中に溶解し、307gのCuClを添加して、続いて全ての開始物質が消費されるまで酸素存在下で撹拌して、HO(CH25C≡CHの酸化カップリングをガラス反応器内で実施した。反応混合物にジエチルエーテルおよび4NのHClを混ぜ合わせて、合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過して濃縮した。1/1ヘキサン/tert−ブチルメチルエーテルからの残基の再結晶化によって、5.35gのHO(CH25C≡C−C≡C(CH25OHが得られた。
【0121】
ステップ2:HO(CH25C≡C−C≡C(CH25O(O)C(CH210CH3の調製
5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールの代わりに、上のステップ1で調製されたジオールを使用したこと以外は、実施例6のステップ1で述べられるのと同一手順に従った。
【0122】
ステップ3:HO(O)C(CH22C(O)O(CH25C≡C−C≡C(CH25O(O)C(CH210CH3の調製
実施例6のステップ2で述べられるのと同一手順に従った。
【0123】
実施例19〜21
HO(O)C(CH22C(O)O(CH25C≡C−C≡C(CH25O(O)C(CH2bCH3の調製
実施例18で述べられるのと同一手順に従い、表4に示すジオールおよび酸塩化物をステップ2で使用して、一般構造HO(O)C(CH22C(O)O(CH25C≡C−C≡C(CH25O(O)C(CH2bCH3(bは表4で定義される)の化合物を得た。
【0124】
【表6】

【0125】
実施例22〜25
HO(O)C(CH22C(O)O(CH26C≡C−C≡C(CH26O(O)C(CH2bCH3の調製
実施例18ステップ1で述べられるのと同一手順に従い、1−ヘプチンから出発してジオールHO(CH26C≡C−C≡C(CH26OHを調製した。実施例18の残りの手順に従い、表5に示すジオールおよび酸塩化物をステップ2で使用して、一般構造HO(O)C(CH22C(O)O(CH26C≡C−C≡C(CH26O(O)C(CH2bCH3(bは表5で定義される)の化合物を得た。
【0126】
【表7】

【0127】
実施例26〜29
HO(O)C(CH22C(O)O(CH27C≡C−C≡C(CH27O(O)C(CH2bCH3の調製
実施例18のステップ1で述べられるのと同一手順に従い、1−オクチンから出発してジオールHO(CH27C≡C−C≡C(CH27OHを調製した。実施例18の残りの手順に従い、表6に示すジオールおよび酸塩化物をステップ2で使用して、一般構造HO(O)C(CH22C(O)O(CH27C≡C−C≡C(CH27O(O)C(CH2bCH3(bは表6で定義される)の化合物を得た。
【0128】
【表8】

【0129】
実施例29〜32
HO(O)C(CH22C(O)O(CH29C≡C−C≡C(CH29O(O)C(CH2bCH3の調製
実施例18のステップ1で述べられるのと同一手順に従い、1−デシンから出発してジオールHO(CH29C≡C−C≡C(CH29OHを調製した。実施例18の残りの手順に従い、表7に示すジオールおよび酸塩化物をステップ2で使用して、一般構造HO(O)C(CH22C(O)O(CH29C≡C−C≡C(CH29O(O)C(CH2bCH3(bは表7で定義される)の化合物を得た。
【0130】
【表9】

【0131】
実施例33
HO(O)C(CH23C(O)O(CH24C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH212CH3の調製
ステップ2で無水コハク酸の代わりに無水グルタル酸を使用したこと以外は、実施例6で述べられる同一手順に従った。
【0132】
実施例34
HO(O)CHC=CHC(O)O(CH24C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH214CH3の調製
ステップ1でCH3(CH212C(O)Clの代わりにCH3(CH214C(O)Cl、ステップ2で無水コハク酸の代わりに無水マレイン酸を使用したこと以外は、実施例6で述べられるのと同一手順に従った。
【0133】
実施例35
HO(O)C(1,2−C64)C(O)O(CH24C≡C−C≡C(CH24O(O)C(CH212CH3の調製
ステップ2で無水コハク酸の代わりに無水フタル酸を使用したこと以外は、実施例6で述べられるのと同一手順に従った。
【0134】
実施例36
HO(O)C(CH22C(O)O(CH24C≡C−C≡C(CH24O(CH211CH3の調製
ステップ1:HO(CH24C≡C−C≡C(CH24O(CH211CH3の調製
ガラス反応容器内で、10mLの乾燥DMF中の120mgの水素化ナトリウム懸濁液を調製し、972mgの5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール(HO(CH24C≡C−C≡C(CH24OH)を添加した。5分間の撹拌後、1.31gのCH3(CH211Brを添加して、得られた混合物を15時間撹拌した。次に混合物を飽和NH4Cl溶液の添加によってクエンチし、100mLのジエチルエーテルで希釈した。有機層を分離して鹹水で3回洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過して溶剤を除去し黄色油を得た。油をシリカゲル(ヘキサン勾配中の酢酸エチル容積による25%〜35%)上で精製して、606mgのHO(CH24C≡C−C≡C(CH24O(CH211CH3を白色固形物として得た。
【0135】
ステップ2:HO(O)C(CH22C(O)O(CH24C≡C−C≡C(CH24O(CH211CH3の調製
密封できる試験管内で、ステップ1で調製した181mgのHO(CH24C≡C−C≡C(CH24O(CH211CH3、63mgの無水コハク酸、2mLのトルエン、および15mgのDMAPを合わせて試験管を密封した。混合物を110℃で16時間加熱して反応を室温に冷却し、3滴の水を添加して試験管を再度密封し、110℃で30分間加熱した。次に混合物をジエチルエーテルで希釈して、0.1NのHClおよび鹹水で洗浄した。有機層を分離してMgSO4上で乾燥させ、濾過して溶剤を除去して白色固形物を得た。固形物をシリカゲル上で精製し容積比10/89/1の酢酸エチル/ジクロロメタン/ギ酸で溶出して、HO(O)C(CH22C(O)O(CH24C≡C−C≡C(CH24O(CH211CH3を白色固形物として得た。
【0136】
実施例37〜41
HO(O)C(CH22C(O)O(CH2aC≡C−C≡C(CH2aO(CH2bCH3の調製
実施例37で述べられるのと同一手順に従い、表8に示すジオールおよび臭化アルキルをステップ1で使用して、一般構造HO(O)C(CH22C(O)O(CH2aC≡C−C≡C(CH2aO(CH2bCH3(aおよびbは表8で定義される)の化合物を得た。
【0137】
【表10】

【0138】
実施例42
実施例6で調製された10.1mgの化合物サンプルをガラス容器内に入れて、5mLのイソプロパノール中に懸濁した。混合物を加熱して沸騰させ、10mLの70℃の水を添加した。ほとんど全てのイソプロパノールが蒸発したことを示す温度95℃に達するまで、得られた溶液を沸騰させた。溶液を室温、次に4℃に16時間冷却した。溶液の2mLのアリコートを254nmの光に10分間暴露して、重合が起きたことを示す濃青色を生じさせた。
【0139】
実施例43
溶液中の膜ペプチドの検出
実施例6のようにして調製されたジアセチレンモノマーの1.0ミリモル濃度サンプル、およびトリス緩衝液(2mM、pH=8.5)中のDMPC(6:4)をガラス容器内で調製し、ブロンソン(Bronson)モデル♯1510槽超音波処理器(ペンシルベニア州ウェストチェスターのVWRサイエンティフィック・プロダクツ(VWR Scientific Products(West Chester,PA)から市販される)内で30分間槽超音波処理して、4℃の冷蔵庫内に約16時間入れた。次にサンプルを1.2μmのシリンジフィルターを通して濾過し、サンプルを3cmの距離で10分間、254nmのUV灯(ペンシルベニア州ウェストチェスターのVWRサイエンティフィック・プロダクツ(VWR Scientific Products(West Chester,PA)から市販される)の下で照射して重合した。重合の結果、明確な青味がかった紫色が観察された。
【0140】
溶液の検出特性は、サンプルへの〜80μLの硫酸ポリミキシンB溶液(10,050単位/mL)の添加によって判定した。この結果、青から赤への変化として視覚的に容易に判定でき、UV−vis分光法によって、室温で1時間後に採取したスペクトルにおいて640nmでのピーク吸光度から540nmでのピーク吸光度へのシフトとして定量化される、迅速な比色分析応答が得られた。
【0141】
実施例44
基材上の膜ペプチドの検出
実施例43で調製された重合PDA/DMPC混合物を1片の逆相C−18シリカゲルプレート上にコーティングした。溶液をプレート上にスポッティングし、室温で乾燥させたところ試験プレート上に青いスポットが得られた。この固体形態のセンサーを試験するために、硫酸ポリミキシンB(10,050単位/mL)の試験溶液(40μL)をサンプルスポットに添加した。これによって青からピンクへの即時の(<15秒)色変化を生じた。milli−Q水(50μL)のみを使用した対照試験は、色変化を示さなかった。
【0142】
実施例45
溶液中のペプチド−膜相互作用の検出
実施例6からのジアセチレンモノマーとDMPC(6:4)の混合物をバイアル中にはかり入れて、トリス緩衝液(2mM、pH=8.5)中に懸濁し、1mM濃度の溶液を製造し、重合された検出溶液を実施例43のようにして調製した。
【0143】
溶液の検出特性は、サンプルへの〜50μLの1mMのメリチン溶液の添加によって判定した。この結果、青から赤への変化として視覚的に容易に判定でき、UV−vis分光法によって、室温で1時間後に採取したスペクトルにおいて640nmでのピーク吸光度から540nmでのピーク吸光度へのシフトとして定量化される、迅速な比色分析応答が得られた。
【0144】
実施例46
基材上のペプチド−膜相互作用の検出
実施例44と同一の手順を使用して、実施例45の重合された検出溶液を使用して、試験プレートを製造した。重合された溶液のいくつかのスポット(各40μl)を1片の逆相C−18シリカゲルプレートに載せた。溶液を室温で乾燥させたところ青いスポットが得られた。ペプチドを検出する基材の能力試験するために、それぞれ15および30ナノモルのメリチンを含有する2個のサンプルを試験プレート上の異なるスポットに添加した。これによって青から赤への即時の(<15秒)色変化を生じた。別個の試験スポットにスポッティングしたmilli−Q水の対照サンプルは、色変化を示さなかった。
【0145】
実施例47
溶液中のホスホリパーゼA2による界面の酵素的触媒作用の検出
実施例45のようにして検出溶液を調製した。溶液の検出特性は、各サンプルへの〜50μLの75μMホスホリパーゼA2溶液の添加によって判定した。この結果、青から赤への変化として視覚的に容易に判定でき、UV−vis分光法によって、室温で1時間後に採取したスペクトルにおいて640nmでのピーク吸光度から540nmでのピーク吸光度へのシフトとして定量化される、迅速な比色分析応答が得られた。
【0146】
実施例48
基材上の市販されるジアセチレンモノマーを使用したペプチド−膜相互作用の検出の試み
市販される10,12−トリコサジイン酸(オハイオ州パウエルのGFSケミカルズ(GFS Chemicals(Powell,OH))から入手できる)とDMPC(6:4)の混合物を使用して、実施例44のようにして検出溶液および試験プレートを製造した。重合の結果、明確な青味がかった紫色が観察された。検出溶液を試験プレート上にスポッティングしたところ、溶液のいくつかは乾燥して赤色スポットに色変化したのに対し、その他のサンプルは乾燥して青色スポットになった。
【0147】
基材上の重合されたアセンブリーのペプチド−膜相互作用検出特性を試験するために、30ナノモルのメリチン(ミズーリ州セントルイスのシグマアルドリッチ(Sigma Aldrich(St.Louis,MO))から市販される)を乾燥して青色になったスポットに添加した。この結果、溶液の調製次第で5%未満のCRを反映する、色変化または斑点のある外観のどちらも生じなかった。
【0148】
実施例49
2−D基材上の市販されるジアセチレンモノマーを使用したペプチド−膜相互作用の検出の試み
基材上の重合されたアセンブリーのペプチド−膜相互作用検出特性を試験するために、試験プレート上の各スポットに50μLの硫酸ポリミキシンB溶液(10,050単位/mL)を添加したこと以外は、実施例48を繰り返した。この結果、溶液の調製次第で、色変化5%未満のCRを反映する斑点のある外観が生じた。
【0149】
実施例50
基材上のE.coliの間接的検出
実施例46のようにして試験プレートを製造した。
【0150】
E.coliの検出を試験するために、milli−Q水のみを含有するバイアル、およびE.coli懸濁液[ATCC25922、milli−Q水中〜109個の細菌/mL]を含有するバイアルに、硫酸ポリミキシンB溶液(10,050単位/mL)を添加した。2個のサンプルを30分間静置した後、0.45μmのシリンジフィルターを通して濾過し、各溶出液40μLを乾燥させたセンサー混合物のスポットに載せた。15分後、液体を除去してプレートを調べた。E.coliなしでポリミキシンBのみのサンプルが赤への色変化を示したのに対し、E.coliおよびポリミキシンBの双方があるサンプルは劇的な色変化は示さなかった。
【0151】
実施例51
基材上の生物学的流体中のE.coliの検出
実施例6で調製されたジアセチレンモノマーとDMPC(6:4)の混合物をバイアル中にはかり入れて、HEPES緩衝液(5mM、pH=7.2)中に中に懸濁し、1mMの溶液を製造した。次に溶液をモデルXL2020プローブ超音波処理器(ニューヨーク州ファーガソンのミソニクス(Misonix,Inc.(Farmington,NY)から市販される)を使用して、出力設定5で1分間プローブ超音波分解し、4℃の冷蔵庫に一晩(〜16時間)入れた。サンプルを1.2μmのシリンジフィルターを通して濾過し、サンプルを3cmの距離で20分間、254nmのUV灯下で照射して、撹拌される溶液の重合を達成したところ、青色が観察された。シリンジを使用して、重合された溶液のいくつかのスポット(各40μl)を1片の逆相C−18シリカゲルプレートに載せた。溶液を室温で乾燥させたところ青いスポットが得られた。E.coliの検出を試験するために、人尿溶液、およびE.coli[ATCC25922、milli−Q水中〜109個の細菌/mL]で汚染された人尿溶液に、硫酸ポリミキシンB溶液(10,050単位/mL)を添加した。サンプルを37℃で30分間インキュベートした後、サンプルを室温に冷却して、各溶出液40μLを乾燥PDA/DMPC溶液スポットに載せた。40分後、液体を除去してプレートを調べた。E.coliなしでポリミキシンBのみが存在するサンプルではスポットがかなりの色変化を示したのに対し、E.coliおよびポリミキシンBが存在するサンプルは、色変化をほとんど示さなかった。
【0152】
実施例52
基材上のリポ多糖類の検出
実施例6で調製されたジアセチレンモノマーとDMPC(6:4)の混合物をバイアル中にはかり入れて、HEPES緩衝液(5mM、pH=7.2)中に懸濁し、1mMの溶液を製造した。次に実施例43のようにして、逆相C−18シリカゲルプレート上の試験プレートを調製した。リポ多糖類の検出を試験するために、1mLの菌体内毒素フリー水溶液、およびリポ多糖類(10,000単位/mL)で汚染された1mLの菌体内毒素フリー水溶液に、1000μLの硫酸ポリミキシンB溶液(628単位/mL)を添加した。サンプルを37℃で30分間インキュベートした後、サンプルを室温に冷却して、各溶液40μLを乾燥したPDA/DMPC溶液のスポットに載せた。60分後、液体を除去してプレートを調べた。リポ多糖類がないサンプルが赤への色変化を示したのに対し、リポ多糖類およびポリミキシンBがある溶液は色変化を示さなかった。
【0153】
実施例53
グリセロールを使用した2−D基材上でのリポ多糖類の検出
実施例6で調製されたジアセチレンモノマーとテトラデカン酸酸12−(4,4,−ジヒドロキシ−ブチロオキシ)−ドデカ−5,7−ジイニルエステル(1:1)の混合物をバイアル中にはかり入れて、HEPES緩衝液(5mM、pH=7.2)中に中に懸濁し、1mMの溶液を製造した。次に溶液をモデルXL2020プローブ超音波処理器(ニューヨーク州ファーガソンのミソニクス(Misonix,Inc.(Farmington,NY)から市販される)を使用して、出力設定5で1分間プローブ超音波分解し、4℃の冷蔵庫に一晩(〜16時間)入れた。サンプルを1.2μmのシリンジフィルターを通して濾過し、サンプルを3cmの距離で60秒間、254nmのUV灯下で照射して、撹拌される溶液の重合を達成したところ、濃青色が観察された。シリンジを使用して、重合された溶液のいくつかのスポット(各40μl)を1片の逆相C−18シリカゲルプレートに載せた。溶液を室温で乾燥させたところ青いスポットが得られた。リポ多糖類検出を試験するために、菌体内毒素フリー水溶液、およびリポ多糖類で汚染された菌体内毒素フリー水溶液に、硫酸ポリミキシンB溶液(5025単位/mL)を添加した。サンプルを37℃で30分間インキュベートした後、サンプルを室温に冷却して、各溶液500μLを乾燥PDA/DMPC溶液のスポットに載せた。15分間の緩やかな振盪後、液体を除去してプレートを調べた。その結果リポ多糖類不在下で青から赤への変化として視覚的に容易に判定できる、迅速な比色分析応答が得られた。
【0154】
実施例54
ポリジアセチレンアセンブリーの活性相を維持するのに適した基材の性質決定
表1で特定された基材特性を判定するために、評価のために以下の様式で表面を調製した。クロムでプライムした磨きシリコンウエハ上への金の蒸着によって、金表面を調製した。得られた表面は、ナノスコープコマンド参考マニュアル(Nanoscope Command Reference Manual)バージョン4.42;デジタル機器(Digital Instruments);12.5および12.6節を使用した原子力検鏡法(AFM)測定でrms表面粗面度が15Å未満であり、高度に反射性であった。乾燥窒素流を使用して、使用に先だって金表面のほこりをはらった。
【0155】
酸化槽中(ノクロミックス(Nochromix)から市販される)で一晩の浄化と、それに続いてすすぎ水がディウェッティングなしにガラス表面に均一のシートを維持できるまでのmilli−Q水でのおびただしい洗浄によって、ガラス表面を調製した。乾燥窒素流を使用して、使用に先だってガラス表面のほこりをはらった。
【0156】
シリコンウエハ表面は受け取ったそのままで、使用に先だってほこりをはらって使用した。名目上1mMのSAM濃度の溶液中への表面の浸漬によって、SAMで変性された表面を形成した。エタノールまたはクロロホルムのどちらかを溶剤として使用した。浸漬時間は少なくとも24時間であり、自己−アセンブリー中に無希釈の溶剤使用による多数回のすすぎが続いた。次に接触角測定に先だって、サンプルを乾燥ボックス中で一晩乾燥させた。
【0157】
その他のあらゆる表面は、受け取ったそのままで使用した。調製および処理後、各サンプルをいくつかの小型片に切断し、そのいくつかを接触角測定に使用し、いくつかはPDA溶液でのコーティングに使用した。基材にコーティングするために、実施例6で調製されたジアセチレンモノマーとDMPC(6:4)の混合物をバイアル中にはかり入れて、HEPES緩衝液(5mM、pH=7.2)中に中に懸濁し、1mMの溶液を製造した。次に溶液をモデルXL2020プローブ超音波処理器(ニューヨーク州ファーガソンのミソニクス(Misonix,Inc.(Farmington,NY)から市販される)を使用して、出力設定5で1分間プローブ超音波分解し、4℃の冷蔵庫に一晩(〜16時間)入れた。サンプルを1.2μmのシリンジフィルターを通して濾過し、サンプルを3cmの距離で20分間、254nmのUV灯下で照射して、撹拌される溶液の重合を達成したところ、青色が観察された。シリンジを使用して、重合された溶液のいくつかのスポット(各40μl)を表1で特定される一連の基材に載せた。溶液を室温で乾燥させ、得られたスポットの色を記録した。
【0158】
本発明の範囲と精神を逸脱することなく、本発明の様々な修正と変更ができることは当業者には明らかである。本発明はここで述べる例証的な実施態様によって不当に制限されず、このような実施態様は例としてのみ提示され、発明の範囲は請求項によってのみ制限されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明の比色分析センサーの略図を示す。
【図2】本発明の比色分析センサー配列の略図を示す。
【図3】センサーを分析物と接触させるための比色分析センサーの略図を示す。
【図4】センサーを分析物と接触させるための折り畳み式比色分析センサーの略図を示す。
【図5】1つのタイプの分析物のデリバリがある本発明の比色分析センサーの略図を示す。
【図6】1つのタイプの分析物のデリバリがある本発明の比色分析センサー配列の略図を示す。
【図7】被覆され乾燥されたポリジアセチレンフィルムの色を基材の接触角の関数として示す状態図である。
【図8】被覆され乾燥されたポリジアセチレンフィルムの色を基材の表面張力の関数として示す状態図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受容体および
式、
【化1】

(式中、R1
1〜C20アルキル、
【化2】

を含み、
2
【化3】

を含み、
3、R8、R13、R21、R24、R31、およびR33は独立してC1〜C20アルキルであり、
4、R5、R7、R14、R16、R19、R20、R22、R25、およびR32は独立してC1〜C14アルキレンであり、
6、R15、R18、およびR26は独立してC1〜C14アルキレン、C2〜C8アルケニレンまたはC6〜C13アリーレンであり、
9はC1〜C14アルキレンまたは−NR34−であり、
10、R12、R27、およびR29は独立してC1〜C14アルキレンまたは(C1〜C14アルキレン)−(C2〜C8アリーレン)であり、
11およびR28は独立してC2〜C30アルキニルであり、
17はエステル−活性化基であり
23はC6〜C13アリーレンであり、
30はC1〜C14アルキレンまたは−NR36−であり、
34およびR36はC1〜C4アルキルであり、
pは1〜5であり、
nは1〜20である)
の少なくとも1つの化合物を含む重合組成物
を含み、
1およびR2が同一でなく、
前記受容体が前記重合組成物内に組み込まれてトランスデューサーを形成し、
前記トランスデューサーが分析物に接触すると色変化を示す、
分析物を検出するための比色分析センサー。
【請求項2】
1がドデシルまたはヘキサデシルである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項3】
3がウンデシルまたはペンタデシルである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項4】
24がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、またはドデシルである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項5】
33がドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、またはオクタデシルである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項6】
4がメチレン、トリメチレン、またはテトラメチレンである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項7】
5がエチレンまたはトリメチレンである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項8】
7、R16、R19、R20およびR25が独立してエチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、またはノナメチレンである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項9】
20がメチレン、トリメチレン、またはテトラメチレンである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項10】
22がエチレン、トリメチレン、またはテトラメチレンである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項11】
32がエチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、またはヘキサメチレンである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項12】
6、R15、R18、およびR26が独立してエチレン、トリメチレン、エテニレン、またはフェニレンである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項13】
8およびR31が独立してC1〜C14アルキルである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項14】
8およびR31が独立してブチル、ペンチル、またはヘキシルである、請求項15に記載のセンサー。
【請求項15】
9およびR30が独立してメチレン、−NH−、−N(CH2CH3)−、または−N(CH3)−である、請求項1に記載のセンサー。
【請求項16】
10、R12、R27、およびR29が独立してメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、−C(CH32−、−CH((CH21~4CH3)−、または−CH2−フェニレンである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項17】
11およびR28が独立して少なくとも2個の炭素−炭素三重結合を有するC2〜C30アルキニルである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項18】
11およびR28が独立して−(CH28−C≡C−C≡C−(CH29CH3、または−(CH28−C≡C−C≡C−(CH211CH3である、請求項19に記載のセンサー。
【請求項19】
13がC1〜C4アルキルである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項20】
14がC1〜C4アルキレンである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項21】
17が2,5−ジオキソ−1−ピロリジニルである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項22】
23がフェニレンである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項23】
nが1〜20、3〜17、6〜14、または9〜11である、請求項1に記載のセンサー。
【請求項24】
pが1または2である、請求項1に記載のセンサー。
【請求項25】
1
【化4】

(式中、R7はエチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、またはノナメチレンであり、R6はエチレン、トリメチレン、エテニレン、またはフェニレンである)であり、
2
【化5】

(式中、R20はエチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、またはノナメチレンであり、R21はウンデシル、トリデシル、ペンタデシル、ヘプタデシルである)であり、
pが1である、
請求項1に記載のセンサー。
【請求項26】
1
【化6】

であり、
7がエチレンであり、
2
【化7】

であり、
20がテトラメチレンであり、R21がトリデシルであり、
pが1である、
請求項25に記載のセンサー。
【請求項27】
前記受容体がリン脂質およびグリセロールより成る群から選択される、請求項1に記載のセンサー。
【請求項28】
前記トランスデューサーが水溶液中に分散する、請求項1に記載のセンサー。
【請求項29】
前記トランスデューサーが基材上にコーティングされる、請求項1に記載のセンサー。
【請求項30】
前記基材がヨウ化メチレンを使用して50度未満の接触角を示す、請求項29に記載のセンサー。
【請求項31】
前記基材がシリカゲルプレート、紙、ガラス、テクスチャー加工印画紙、光沢印画紙、およびマイクロポーラスフィルムより成る群から選択される、請求項30に記載のセンサー。
【請求項32】
前記受容体が物理的混合によって重合組成物中に組み入れられる、請求項1に記載のセンサー。
【請求項33】
前記受容体が重合組成物に共有結合する、請求項1に記載のセンサー。
【請求項34】
受容体および
式、
【化8】

(式中、R1
1〜C20アルキル、
【化9】

を含み、
2
【化10】

を含み、
3、R8、R13、R21、R24、R31およびR33は独立してC1〜C20アルキルであり、
4、R5、R7、R14、R16、R19、R20、R22、R25、およびR32は独立してC1〜C14アルキレンであり、
6、R15、R18およびR26は独立してC1〜C14アルキレン、C2〜C8アルケニレン、またはC6〜C13アリーレンであり、
9はC1〜C14アルキレンまたは−NR34−であり、
10、R12、R27、およびR29は独立してC1〜C14アルキレンまたは(C1〜C14アルキレン)−(C2〜C8アリーレン)であり、
11およびR28は独立してC2〜C30アルキニルであり、
17はエステル−活性化基であり、
23はC6〜C13アリーレンであり、
30はC1〜C14アルキレンまたは−NR36−であり、
34およびR36はC1〜C4アルキルであり、
pは1〜5であり、
nは1〜20である)
の重合組成物を含み、
1およびR2が同一でなく、
前記受容体が前記重合組成物内に組み込まれて色変化を示すことができるトランスデューサーを形成する、
比色分析センサーを形成するステップと、
前記センサーを分析物に接触させるステップと、
前記分析物が存在する場合に色変化を観察するステップと
を含む分析物検出方法。
【請求項35】
前記トランスデューサーが水溶液中に分散する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記トランスデューサーが基材上にコーティングされる、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記基材がヨウ化メチレンを使用して50度未満の接触角を示す、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記基材がシリカゲルプレート、紙、ガラス、テクスチャー加工印画紙、光沢印画紙、およびマイクロポーラスフィルムより成る群から選択される、請求項30に記載のセンサー。
【請求項39】
前記受容体が物理的混合によって前記重合組成物中に組み入れられる、請求項34に記載のセンサー。
【請求項40】
前記受容体が前記重合組成物に共有結合する、請求項34に記載のセンサー。
【請求項41】
受容体および
式、
【化11】

(式中、R1
1〜C20アルキル、
【化12】

を含み、
2
【化13】

を含み、
3、R8、R13、R21、R24、R31およびR33は独立してC1〜C20アルキルであり、
4、R5、R7、R14、R16、R19、R20、R22、R25、およびR32は独立してC1〜C14アルキレンであり、
6、R15、R18、およびR26は独立してC1〜C14アルキレン、C2〜C8アルケニレン、またはC6〜C13アリーレンであり、
9はC1〜C14アルキレンまたは−NR34−であり、
10、R12、R27、およびR29は独立してC1〜C14アルキレンまたは(C1〜C14アルキレン)−(C2〜C8アリーレン)であり、
11およびR28は独立してC2〜C30アルキニルであり、
17はエステル−活性化基であり、
23はC6〜C13アリーレンであり、
30はC1〜C14アルキレンまたは−NR36−であり、
34およびR36はC1〜C4アルキルであり、
pは1〜5であり、
nは1〜20である)
の重合組成物を含み、
1およびR2は同一でなく、
前記受容体が前記重合組成物中に組み込まれて色変化を示すことができるトランスデューサーを形成する、
比色分析センサーを形成するステップと、
前記トランスデューサーと分析物とを接触させるステップと、
前記トランスデューサーと前記分析物および前記受容体の双方に対して親和力を有するプローブとを接触させるステップと、
前記分析物が存在する場合に色変化が起きないことを観察するステップと
を含む分析物検出方法。
【請求項42】
前記トランスデューサーに接触する前に、前記プローブおよび分析物が合わせられて混合物を形成する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記トランスデューサーが水性溶液中に分散する、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記トランスデューサーが基材上にコーティングされる、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記基材がヨウ化メチレンを使用して50度未満の接触角を示す、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記基材がシリカゲルプレート、紙、ガラス、テクスチャー加工印画紙、光沢印画紙、およびマイクロポーラスフィルムより成る群から選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記受容体が物理的混合によって前記重合組成物中に組み入れられる、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記受容体が前記重合組成物に共有結合する、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記プローブが膜崩壊ペプチドを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
前記プローブがアラメチシン、マガイニン、グラミシジン、硫酸ポリミキシンB、およびメリチンより成る群から選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記分析物がグラム陰性細菌および菌体内毒素より成る群から選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項52】
受容体および
式、
【化14】

(式中、R1
1〜C20アルキル、
【化15】

を含み、
2
【化16】

を含み、
3、R8、R13、R21、R24、R31およびR33は独立してC1〜C20アルキルであり、
4、R5、R7、R14、R16、R19、R20、R22、R25、およびR32は独立してC1〜C14アルキレンであり、
6、R15、R18、およびR26は独立してC1〜C14アルキレン、C2〜C8アルケニレン、またはC6〜C13アリーレンであり、
9はC1〜C14アルキレンまたは−NR34−であり、
10、R12、R27、およびR29は独立してC1〜C14アルキレンまたは(C1〜C14アルキレン)−(C2〜C8アリーレン)であり、
11およびR28は独立してC2〜C30アルキニルであり、
17はエステル−活性化基であり、
23はC6〜C13アリーレンであり、
30はC1〜C14アルキレンまたは−NR36−であり、
34およびR36はC1〜C4アルキルであり、
pは1〜5であり、
nは1〜20である)
の重合組成物を含み、
1およびR2が同一でなく、前記受容体が前記重合組成物に組み合わされて色変化を示すことができるトランスデューサーを形成する、
1つ以上のトランスデューサー、および
前記トランスデューサーを分析物に接触させる手段
を含む分析物の存在を検出するための使い捨てキット。
【請求項53】
前記受容体および1つ以上の分析物に対する親和力がある1つ以上のプローブをさらに含み、前記プローブが前記キットが使用されるまで前記トランスデューサーから物理的に隔離される、請求項52に記載のキット。
【請求項54】
1つ以上のトランスデューサーが水性溶液中に分散する、請求項52に記載のキット。
【請求項55】
1つ以上のトランスデューサーが基材上にコーティングされて配列を形成する、請求項52に記載のキット。
【請求項56】
前記基材がヨウ化メチレンを使用して50度未満の接触角を示す、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記基材がシリカゲルプレート、紙、ガラス、テクスチャー加工印画紙、光沢印画紙、およびマイクロポーラスフィルムより成る群から選択される、請求項56に記載のセンサー。
【請求項58】
前記受容体が物理的混合によって前記重合組成物に組み入れられる、請求項52に記載のキット。
【請求項59】
前記受容体が前記重合組成物に共有結合する、請求項52に記載のキット。
【請求項60】
請求項1に記載のセンサーと体液を接触させるステップを含む、体液中の細菌の存在を検出する方法。
【請求項61】
前記体液が、尿、粘液、創傷浸出液、および血液より成る群から選択される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
白血球を検出するための診断用試験をさらに含む、請求項1に記載の比色分析センサー。
【請求項63】
請求項62に記載のセンサーと体液を接触させるステップを含む、体液中の細菌の存在を検出する方法。
【請求項64】
前記体液が尿、粘液、創傷浸出液、および血液より成る群から選択される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
創傷包帯および請求項1に記載の比色分析センサーを含む医療用品。
【請求項66】
前記比色分析センサーが流体制御システムによって創傷床に接続される、請求項65に記載の医療用品。
【請求項67】
前記流体制御システムが微小流体システムである、請求項66に記載の医療用品。
【請求項68】
請求項1に記載の比色分析センサーを創傷包帯中に挿入するステップを含む、細菌の存在を検出する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−510907(P2006−510907A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−562334(P2004−562334)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/040714
【国際公開番号】WO2004/057331
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】