説明

ジッタを低減させて信号を多重化する回路、システム、方法

本明細書では、マルチプレクサ回路内でのすべてのクロストークや電源ノイズの注入を除去することにより、ジッタを低減させて信号を多重化する、マルチプレクサ回路、システム、及び方法が提供される。例えば、クロストークや電源ノイズの注入は、(i)多重化機能を3つの別々の論理ゲートに分離すること、及び(ii)論理ゲート当たりただ1つのスイッチング入力を許可することによって、除去される。場合によっては、論理ゲートを、3つの互いに異なる電源領域にわたって分散させることにより、ジッタをさらに低減することができる。言い換えれば、論理ゲート入力端は、各信号をそれ自体の電源領域内でゲートすることによって、さらに隔離することができる。さらに、マルチプレクサ回路は、3つのほぼ同一の論理ゲートを使用することによって固有遅延の整合をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路に関し、より詳細には、クロック源又はデータ源からの信号を多重化するための回路に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の説明及び例は、背景としてのみ述べるものである。
【0003】
多くの電子システムは、電子システムの適切な動作特性を維持するためには、関係する信号をほぼ同時に受け取ることを前提としている1つ又は複数の同期構成要素を含む。コンピュータ・システムは、それぞれがクロック信号に応答して特定の動作を行うように設計された、多数の相互に関係するシステム構成要素を含むる同期システムの一例である。場合によっては、システム構成要素間のデータ転送は、共通の供給源から生ずる1つ又は複数のクロック信号によって、同期させることができる。システム構成要素は、クロック発生回路や分配回路を含むクロック回路網を通じて、クロック信号を受け取ることができる。
【0004】
場合によっては、クロックの発生は、コンピュータ・システム内の様々な構成要素の必要に応じて複数のクロック信号が発生するように、水晶発振器などの供給源の出力を処理することによって行っている。発生されたクロック信号は次いで、クロック分配回路網を通じてシステム構成要素へ分配される。理想的な状況では、発生されたクロック信号は、システム構成要素のそれぞれによってほぼ同時に受け取られる。しかし実際には、タイミング遅延や、クロック信号の発生と分配の不確定性により、1つ又は複数のシステム構成要素がわずかに異なる時点でクロック信号を受け取ることが起こる。場合によっては、データ信号遷移に対するクロック信号遷移の到着の最小の変動さえも、システム性能及び/又は信頼性に重大な影響を及ぼすことがある。この理由から、良好なクロック分配は、電子システムの全体的な性能と信頼性にとって非常に重要である。望ましくないクロック・スキューやジッタは、不十分なクロック分配の結果生じ、電子システムの設計や動作に問題を引き起こす2つの現象である。
【0005】
本明細書の用語によれば、「スキュー」という用語は、同時に到着するように規定された、2つの関係する信号の到着時間の変動であると説明することができる。例えば「クロック・スキュー」は、クロック信号のアクティブな「遷移」又は「エッジ」が、システム構成要素によって受け取られるデータ信号遷移より「遅れる」(すなわち、ある時間後に到着する)又は「進む」(すなわち、ある時間前に到着する)ときに生じる。クロック・スキューは、負荷不整合、経路指定の寄生的要素(すなわち、層間誘電体厚さ、相互接続部の厚さ、チャネル長の不整合)、及び/又は温度、電圧、プロセス(すなわち、トレース導体長、幅、及び組成の不整合、容量性負荷など)などの変動を通じて、クロック回路網に導入される。
【0006】
残念ながらクロック・スキューは、同期システム内の1つ又は複数の構成要素のタイミング・マージンに悪影響を与えることがある。例えば、同期動作を達成するために、システム構成要素の入力ラッチでサンプルされるデータに、クロック信号を適切にそろえることがしばしば必要となる。このような整合により、クロック信号のエッジすなわちアクティブ遷移の間の適切な時点で、データ遷移が確実に起こる。したがって一般に同期システムは、データが、クロック遷移の少なくとも「セットアップ時間」前に遷移し、かつクロック遷移の少なくとも「ホールド時間」後まで安定にそのままでいることを前提としている。大部分の同期システム構成要素は、厳密なセットアップとホールドのタイミング要件を有し、それらは通常、システム構成要素の製造業者によって規定される。
【0007】
動作速度が増加するにつれて、クロックのアクティブ遷移とデータ信号との間のセットアップ及びホールドのタイミング・マージンが減少し、それにより、データ遷移をクロック遷移によって正しくラッチすることができるウィンドウが減少する。例えば、システム構成要素によって受け取られたデータ信号をサンプルするために、エッジセンシティブなフリップフロップを用いることができる。そのような例では、フリップフロップは、クロック遷移のどちらかの側でのクリティカルなセットアップ及びホールド期間においてデータ信号が安定な場合は、データ信号を正しくラッチすることができる。しかし、クロック・スキューが生じると、それにより、データがサンプルされるときにビット・エラーを引き起こすのに十分なほど、クロック遷移を時間的にシフトさせる。本明細書で述べるように、「ビット・エラー」は、クロック遷移によってデータ信号が誤ってサンプルされるときに生ずる、サンプリング・エラーである。
【0008】
一方、ジッタは、一般にノイズ源の時間的に変化する成分の結果として生じ、しばしば、データ信号のしきい値交差におけるサイクルごとの変動として定義される。言い換えれば、ジッタは、サンプルが、通常短いが未知の期間(例えば実質上、1クロック・サイクルより短いか、それに等しい期間)に一時的に変位させられるように、個々のデータ信号の所望のサンプル位置の近くではあるが、正確にそうではない位置で取得された、データ・サンプルにおいて生じ得る。クロック・スキューと同様に、ジッタは、データ信号がクロック信号によって誤ってサンプルされると、ビット・エラーを生じるのに十分なほどデータ信号を時間的にシフトさせる。
【0009】
同期システムの性能と信頼度を低下させる、クロック・スキューやジッタなどのタイミング遅延の影響を最小にするために、いくつかの技法が開発されてきている。しかし、現在用いられているほとんどの技法は、すべての条件においてデータ信号遷移が、クロック信号エッジの間のクリティカルな時点で生じることを保証することはできない。例えば、一部の技法は、クロック・パスに、多少変化するが極めて一貫性のある遅延量を加えるための位相ロックループ(PLL)又は遅延ロックループ(DLL)を使用する。追加する遅延は、データ信号をサンプルするために用いられる前に、クロック信号のアクティブ・エッジを調整するために用いることができる。したがって、PLL又はDLLデバイスは、クロック信号のタイミングを調整することによってクロック・スキューを減少させるために用いることができ、それによりそれがシステム構成要素のデータ・セットアップやホールドの時間要件内に起こるようになる。しかし、現在の技法には、いくつかの不都合が伴う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
場合によっては、クロック・パスのタイミングを調整するために、クロック回路網内に2つ以上のPLL又はDLLデバイスを含ませることがある。複数のPLL/DLLデバイスにより、システムが、異なるPLL/DLLからのクロック信号を多重化することを可能にする。例えば、クロック・パスに、PLL/DLL出力信号の1つを選択的に印加するために、マルチプレクサ回路を含む。しかし、従来のマルチプレクサ設計では、PLL/DLLからの信号を多重化する(すなわち、2つ以上の信号から選ぶ)ときに、クロック・パスにクロストークや電源ノイズが加わる。
【0011】
クロストークや電源ノイズが加わることで、クロック・パス上のジッタ量が増加し、したがってクロック回路網には非常に望ましくない。場合によっては、発生されるクロック信号がデータをサンプルするために用いられる場合は、クロック・パスに加えられたジッタ量によってビット・エラーを引き起こす。したがって、クロストーク又は電源ノイズの注入の影響を受けない改良型のクロック回路網が必要である。そのようなクロック回路網が受けるジッタは、従来の回路網より大幅に小さくなり、それによってクロック回路網を使用する電子デバイスの全体的なタイミングが改善される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下の回路、システム、方法の様々な実施態様の説明は、添付の特許請求の範囲の主題をいかなる形においても限定すると理解されるものではない。
【0013】
本明細書では、一実施態様によれば、複数の論理ゲートと、論理ブロックとを備える改良型マルチプレクサ回路が企図されている。例えば、改良型マルチプレクサ回路は、第1の信号を受け取るように結合された第1の論理ゲートと、第2の信号を受け取るように結合された第2の論理ゲートと、第1の信号又は第2の信号のどちらかを送出するように第1と第2の論理ゲートの出力端に結合された第3の論理ゲートを含むことができる。例えば、論理ブロックは、静的制御信号を第1と第2の論理ゲートに供給することによって、第1と第2の信号の1つを非活動化するように構成される。論理ブロックは、ただ1つのアクティブな信号(例えば、第1の信号又は第2の信号のどちらか)が、第1、第2、第3の論理ゲートの入力端に供給されることを確実にする。これにより、論理ゲートの入力端でのクロストークや電源ノイズの注入を除去することによって、送出される信号内のジッタ量が低減する。
【0014】
場合によっては、論理ゲート入力端をさらに隔離するために、論理ゲートを別々の電源領域内に配置することにより、ジッタをさらに低減させることができる。例えば、第1、第2、第3の論理ゲートは、それぞれが異なる電源バスに結合された異なる電源「アイランド」内に論理ゲートを配置することによって、互いに分離することができる。共通基板は、追加の分離量を与える。例えば、比較的高い基板抵抗も、電源アイランド間を分離するように機能する。
【0015】
場合によっては、第1、第2、第3の論理ゲートは、NANDゲートを用いて実装される。しかし第1、第2、第3の論理ゲートは、NANDゲートに限定されず、本発明の他の実施態様では、大幅に異なる論理ゲート(例えば、NORゲート)の組合せを用いて実装することができる。場合によっては、第1と第2の信号は、クロック信号とすることができる。しかし、第1と第2の信号はクロック信号に限定されず、本発明の他の実施態様では、データ信号を含むことができる。
【0016】
本明細書ではまた、改良型マルチプレクサ回路と、少なくとも1つのシステム構成要素とを備えるシステムが企図されている。上記のように、マルチプレクサ回路は、それぞれが別々の電源領域内に配置された、少なくとも3つの論理ゲートと、論理ブロックとを含む。例えば、第1の論理ゲートは第1の信号を受け取るように結合され、第2の論理ゲートは第2の信号を受け取るように結合される。しかし、第3の論理ゲートは、論理ブロックから第1と第2の論理ゲートに供給される制御信号の状態に応じて、第1と第2の信号の1つだけを受け取るように結合される。このようにして、少なくとも1つのシステム構成要素は、第1と第2の信号の1つだけを受け取るように、第3の論理ゲートの出力端に結合されることができる。
【0017】
場合によっては、マルチプレクサ回路は、クロック・パスのタイミングを調整するためにシステム内に含まれた、クロック回路網の一部とすることができる。例えば、第1と第2の信号は、例えば内部システム・クロックから供給されるクロック信号を含む。場合によっては、クロック回路網は、第1と第2の信号をマルチプレクサ回路に供給するための、1つ又は複数の位相シフト装置を含んでもよい。例えば、システム・クロック信号の位相をシフトさせることによって、クロック・スキューを低減させるために、位相ロックループ(PLL)又は遅延ロックループ(DLL)デバイスをクロック回路網内に含んでもよい。しかし本発明のすべての実施態様において、位相シフト装置を含まなくてもよい。
【0018】
また、本明細書では、ジッタを低減させて信号を多重化する方法が企図されている。例えば、方法は、第1の信号を第1の論理ゲートに供給し、第2の信号を第2の論理ゲートに供給するステップを含む。次に、制御信号を第1と第2の論理ゲートに供給することによって、第1又は第2の信号の1つを非活動化する。最後に、方法は、第1又は第2の信号のアクティブな1つを、第3の論理ゲートへ転送するステップを含む。論理ゲートのそれぞれにただ1つのアクティブな信号を供給することによって、非活動化するステップと転送するステップは、ジッタを低減させて第1と第2の信号を多重化することを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の他の目的及び利点は、以下の詳細な説明を読み、添付の図面を参照すれば明らかとなるであろう。
【0020】
本発明は様々な変更形態及び代替形が可能であるが、本明細書では、その特定の実施形態を図面で例として示し、以下に詳細に説明する。しかし図面及びその詳細な説明は、本発明を、開示された具体的な形に限定するものではなく、これに反してすべての変更形態、等価形態、及び代替形態は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨及び範囲に含まれるものとすることが理解されるべきである。
【0021】
図1には、例示のクロック回路網100が示される。図示の実施形態では、クロック回路網は、第1のPLL 110、第2のPLL 120、マルチプレクサ130、論理ブロック140、出力バッファ150を含む。場合によっては、第1と第2のPLLはそれぞれ、(例えば、CLKoutに結合された)クロック・パスのタイミングを調整するために、1つ又は複数のクロック信号(例えば、信号A及びB)を発生するように構成させることができる。図1では、PLLによって発生されたクロック信号は、マルチプレクサ(130)の入力端に供給される。論理ブロックは、マルチプレクサから出力されるべきクロック信号の1つを選択するために、マルチプレクサに制御信号を供給する。ほとんどの場合、選ばれたクロック信号(out)は、クロック・パスに印加される前に、出力バッファに供給される。
【0022】
図1に示されるクロック回路網では、PLLからの信号を多重化する(すなわち、2つ以上の信号から選択する)ときに、クロック・パスにクロストークや電源ノイズが加わる。より詳しく以下で述べるように、クロストークと電源ノイズが加わることにより、クロック・パス上のジッタ量が増加し、したがって非常に望ましくない。
【0023】
場合によっては、2つ以上のPLL信号がマルチプレクサの入力端で近接する場合、クロック・パスにクロストークや電源ノイズが加わり得る。例えば、第1のPLLからのクロック信号(A)は、マルチプレクサ入力端の金属線と共通シリコン基板の間の容量性結合を経由して、第2のPLLからのクロック信号(B)と干渉する。この干渉(すなわち「クロストーク」)は、マルチプレクサ入力端が近接しているので、現在のマルチプレクサ設計では回避できない。本明細書で述べるように、「近接」して配置された回路構成要素は、同じ「電源領域」内に位置し、かつ/又は同じ電源バスに結合される。
【0024】
例えば、図2は、図1のクロック回路網(100)内に含まれるマルチプレクサ回路(130)の一実施形態を示す。図示の実施形態では、マルチプレクサ130は、1対の2入力ANDゲート(200、210)、2入力NORゲート(220)、1対2デコーダ(230)を含む。ANDゲートのそれぞれは、第1と第2のPLL(110、120)からのクロック信号(例えばA又はBのどちらか)と、1対2デコーダ(230)からの選択信号(例えば、S1又はS2のどちらか)を受け取るように結合される。ANDゲートの出力端は、マルチプレクサ出力信号(out)を発生するようにNORゲートの入力端に結合される。それぞれのマルチプレクサ構成要素は、同じ電源バス(例えば、pwr2)から供給される。
【0025】
図2に示されるマルチプレクサ回路では、クロック信号A及びBを多重化するとき、マルチプレクサの入力端でクロック信号が近接することにより、クロック・パスにクロストークが加わる。言い換えれば、ANDゲート200、210はそれぞれ、PLLからのアクティブなクロック信号を受け取るように構成されている。ANDゲートは互いに近くに配置されるので、クロック信号は、ANDゲート入力端と共通基板の間の容量性結合を経由して互いに干渉する。
【0026】
クロック回路網構成要素からの電源ノイズも、マルチプレクサの入力端において共有される。例えば、図1に示すように、1つ又は複数のクロック回路網構成要素は、別々の電源バスから供給される。図示の特定の実施形態では、第1のPLLは第1の電源バス(pwr1)から供給され、第2のPLLとマルチプレクサは第2の電源バス(pwr2)から供給され、論理ブロックは第3の電源バス(pwr3)から供給され、出力バッファは第4の電源バス(pwr4)から供給される。このようにして、第1のPLL、第2のPLL、論理ブロック、出力バッファのそれぞれを、別々の「電源領域」、「電源アイランド」、又は「電源ブロック」内に実装することができる。マルチプレクサ130は第2の電源ブロックに配置されており、これを、任意の電源ブロック内に配置することができるが、それでも以下の問題を生ずることに留意すべきである。
【0027】
すべての電源は、ある大きさのノイズを発生し、それは「電源ノイズ」として電源バスに沿って伝搬する。電源ノイズは、回路構成要素によって発生される出力信号の全体的なノイズ・レベルに寄与することによって構成要素に影響を及ぼす。場合によっては、複数の回路構成要素からの出力信号が互いに近接する場合(例えば、信号を多重化するとき)、各電源領域からのノイズの寄与が混合される。図1の実施形態では、第1と第2のPLLからのクロック信号、及び論理ブロックからの制御信号は、電源バス1、2、3からの電源ノイズを含む。より詳しく以下で述べるように、電源バス1、2、3からの電源ノイズは、マルチプレクサ内で混合され、第4の電源領域内の出力バッファへ直接通過する。第4の電源領域はそれ自体のノイズ量を与へ、それにより出力バッファからの最終信号(CLKout)は4つすべての電源領域からのノイズ成分を含むことになる。
【0028】
図2に示されるマルチプレクサ回路では、マルチプレクサ構成要素が互いに近接して配置され、狭い間隔で置かれている構成要素にアクティブなクロック信号と制御信号を供給することにより、クロック・パスに電源ノイズが加わる。これによって1つの信号のノイズ成分が、他の信号のノイズ成分と干渉(又は混合)する。アクティブなクロック信号と制御信号は、電源領域1、2、3からの電源ノイズを含むので、それらの各領域からの電源ノイズは、マルチプレクサ出力信号(out)内で混合される。出力信号が、(図1に示すように)別の電源領域内に位置するバッファに転送される場合は、最終信号(CLKout)は、4つの互いに異なる電源領域からのノイズ成分を含むことになる。
【0029】
場合によっては、クロック・パスに加えられたクロストークや電源ノイズの大きさにより、最終信号(CLKout)がデータをサンプルするために使用されるときに、ビット・エラーを引き起こすことがある。したがって、クロストーク又は電源ノイズの注入の影響を受けない改良型のクロック回路網が必要である。そのようなクロック回路網が受けるジッタは、現在利用可能なクロック回路網より大幅に小さく、それによってクロック回路網を使用する電子デバイスの全体的なタイミングが改善される。
【0030】
改良型のクロック回路網300の一実施形態が、図3に示される。より詳しく以下で述べるように、図示の実施形態は、多重化される信号間のクロストークと電源ノイズの注入を除去することにより、多重化された(「muxed」)クロック出力のサイクルごとのジッタを低減させるための解決策を実現する。
【0031】
図3に示されるように、改良型のクロック回路網(300)は、第1の電源領域(PSD 1)内の第1の位相シフト装置(PS1)310及び第1のNANDゲートと、第2の電源領域(PSD 2)内の第2の位相シフト装置(PS2)320及び第2のNANDゲートと、第3の電源領域(PSD 3)内の論理ブロック340と、第4の電源領域(PSD 4)内の第3のNANDゲート及び出力バッファ350とを含む。場合によっては、位相シフト装置は、位相ロックループ(PLL)又は遅延ロックループ(DLL)デバイスを用いて実装することができる。したがって、供給されるクロック信号(CLKin1、CLKin2)に、変化し得るが極めて一貫性のある遅延量(すなわち位相シフト)を加えるために、位相シフト装置を含むことができる。しかし、本発明のすべての実施形態において、PS1及びPS2は含まなくてもよいことに留意されたい。場合によっては、(例えば、水晶発振器又は外部クロック源などの)クロック源からのクロック信号(CLKin1、CLKin2)を、第1と第2のNANDゲートの入力端に直接供給することができる。
【0032】
本明細書の用語によれば、構成要素はそれ自体の電源バスから供給され、他の電源領域内に配置された構成要素から物理的に分離されていれば、その構成要素は別個の「電源領域」内に配置されているとすることできる。例えば、NANDゲート1、2、3はそれぞれ、異なる電源領域内に配置される。図3に示すように、NANDゲート1、2、3は、互いに離され、異なる電源バス(例えば、pwr1、pwr2、又はpwr3)から供給される。場合によっては、NANDゲートは、物理的な間隔によって互いに分離された、異なる電源アイランド内に配置させることができる。場合によっては、電源アイランドは、さらに隔離するための電源ガード・リングを含んでもよい。
【0033】
場合によっては、図3に示されるように、論理ゲートを、2入力NANDゲートを用いて実装することができる。図示の実施形態では、第1の位相シフト装置の出力端は、NANDゲート1の第1の入力端に、位相シフトされたクロック信号(A)を供給するように結合される。第2の位相シフト装置は、同様に、NANDゲート2の第1の入力端に、もう1つの位相シフトされたクロック信号(B)を供給するように結合される。第1と第2のNANDゲートは、第3の電源領域内の論理ブロック(340)によって制御される。例えば、論理ブロックは、NANDゲート1と2の第2の入力端に、1対の制御信号(cntl 1、cntl 2)を供給するように結合される。より詳しく以下で述べるように、制御信号は、NANDゲート1と2に供給されるクロック信号の1つを非活動化することによって、クロストークや電源ノイズの注入を除去することができる。NANDゲート1と2の出力端は、第4の電源領域内のNANDゲート3の入力端に結合される。場合によっては、第3のNANDゲートの出力(out)は、やはり第4の電源領域内に配置することができるバッファ回路(350)に結合されてもよい。しかし本発明のすべての実施形態において、バッファ回路を含まなくてもよい。場合によっては、第3のNANDゲートの出力端は、内部システム・クロック・パスに直接結合してもよい(図5を参照されたい)。
【0034】
図3に示されるように、マルチプレクサの機能は、互いに隔置され別々の電源領域内に配置された3つのNANDゲートに分割することができることである。他の電源領域内に配置された論理ブロック(340)は、通常のマルチプレクサ回路内で生じるクロストークや電源ノイズを除去するために、第1と第2のNANDゲートに結合される。例えば、論理ブロックは、第1と第2のNANDゲートに、静的制御信号(論理1又は、論理0のどちらか)を供給するように構成される。アクティブにスイッチングするクロック信号(AとB)がNANDゲート1、2の第1の入力端に供給されるが、NANDゲートの出力は、論理ゲートの第2の入力端に論理1の制御信号が供給されるときだけスイッチングされる。クロストークや電源ノイズを除去するために、第1と第2のNANDゲートの1つだけが、アクティブにスイッチングするクロック信号を通過させることができる。他方のNANDゲートの出力端は、その論理ゲートの第2の入力端に論理0の制御信号を供給することによって静的状態にされる。静的信号はスイッチング・ノイズを注入しないので、NANDゲートの入力端は互いに隔離される。
【0035】
したがって、図3の改良された解決策は、多重化(MUX)機能を3つの別々の論理ゲートに分離し、それらを3つの互いに異なる電源領域にわたって分散させることによって動作する。動作原理は、論理ゲート当たりただ1つのスイッチング入力を許可することである。第1と第2の論理ゲートに供給される制御信号は、一方がハイで、他方がローの静的信号である。第3の論理ゲートに、2つのアクティブにスイッチングするクロック信号を供給する代わりに、クロック信号の1つをそれ自体の電源領域内で非活動化するために、制御信号が用いられる。これにより本発明は、論理ゲートの入力端でのすべてのクロストークや電源ノイズの注入を除去することが可能になる。
【0036】
図3の改良された解決策によって、様々な利点がもたらされる。例えば、(i)多重化(MUX)機能を、3つの互いに異なる電源領域にわたって分散された、3つの別々の論理ゲートに分離すること、及び(ii)論理ゲート当たりただ1つのスイッチング入力を許可することによって、クロストークや電源ノイズの注入が除去される。言い換えれば、各クロック信号がそれ自体の電源領域内でゲートされるので、クロストークや電源ノイズの注入が除去される。改良された解決策は、クロストークや電源ノイズの注入を低減させることによって、多重化されたクロック出力のサイクルごとのジッタを改善する。さらに、改良された解決策は、3つのほぼ同一の論理ゲート(例えば、NANDゲート1、2、3)を使用することによって固有遅延の整合をもたらす。これらの特徴は、一般に、顧客/ユーザにとって望ましい。
【0037】
場合によっては、図3の改良された解決策は、クロック又はその他のタイミング発生デバイス内に用いることができる。このようなデバイスは、パーソナル・コンピュータや通信機器内、及び携帯電話、デジタル・カメラ、MP3プレーヤ、その他の多くの家庭用と娯楽製品などの民生用デバイス内のマザーボードを含む、多くのタイプの電子デバイスに広く用いられる。
【0038】
場合によっては、改良された解決策は、クロック信号が第1と第2の論理ゲートに供給される前に、クロック・スキューを除去するために、(PLL又はDLLなどの)位相シフト装置を含むことができる。例えば、位相ロックループは、周波数シンセサイザなどの一部の用途で、ロック時間を短縮するために用いられる。例えば、現代の無線ネットワーク(例えば、3Gセルラ、WCDMA、WLAN、ブルートゥース)において、周波数ホッピングが用いられる場合、整定するための時間は、情報が送信されない「デッド・タイム」と見なされ、したがって時間が浪費される。ロック時間を高速化することにより実効データ・レートが向上し、したがってそのようなネットワークの価値が向上する。別の例としては無線ネットワークにおけるものが考えられ、ロック時間の短縮が損失データ量を最小にするのに役立つ。すなわち、データ・パス内に、長い一続きの0又は1があり、PLLがロックから外れた場合、ロックの再獲得が早くいほど、より多くのデータがCDR回路によって回復される。全体として、位相ロックループは、現代の電子システムの非常に重要なビルディング・ブロックである。しかし、本明細書に記載の改良型マルチプレクサ回路は、上述の利点を利用するには、PLLを使用する必要はないことに留意すべきである。図3に示される位相シフト装置は、クロック・スキューを低減させることによってクロック・パスのタイミングをさらに改善することができるが、それらは本発明のオプションでの特徴と見るべきである。
【0039】
さらに、図3に示されるマルチプレクサ回路は、ジッタを低減させて信号を多重化する1つのやり方を表すに過ぎない。当業者には、他の実施形態があることが理解されよう。例えば、図3に示すクロック信号は、大幅に異なる論理ゲートの組合せを用いて多重化することができる。一実施形態では、図3に示されるNANDゲートは、NORゲートで置き換えることができる。ここで具体的に述べられていない論理ゲートの他の組合せも可能となる。本明細書ではクロック信号に加えて、サイクルごとのジッタを低減させて、システムにクリティカルなその他の信号(データ信号など)を多重化するための、もう1つのマルチプレクサ回路が提供される。そのような回路の一実施形態が、図4に示され、より詳しく以下に述べる。
【0040】
一実施形態によれば、マルチプレクサ回路400は、第1の電源領域(PSD 1)内の第1のNANDゲートと、第2の電源領域(PSD 2)内の第2のNANDゲートと、第3の電源領域(PSD 3)内の論理ブロック440と、第4の電源領域(PSD 4)内の第3のNANDゲート及び(オプションの)出力バッファ450とを含むことができる。したがって、図4に示されるマルチプレクサ回路(400)は、位相シフト装置を外し、1対のデータ信号(DATAin1、DATAin2)を第1と第2のNANDゲートに供給することで、図3に示される回路(300)と異なっている。図4に示されるマルチプレクサ回路(400)は、上述のように、クロストークや電源ノイズの注入を除去することによって、多重化されたデータ信号のサイクルごとのジッタを低減させる。上記のように、別法として、多重化機能は、別々の電源領域内に配置され、ただ1つのアクティブにスイッチングする入力が供給される、NORゲート又はその他の任意の論理ゲートの組合せによって実現することができる。
【0041】
本明細書ではまた、改良型マルチプレクサ回路を備えるシステムが企図されている。図5に示されるように、システムは、他の回路に加えて、マルチプレクサ回路500と、1つ又は複数のシステム構成要素510とを含む。一般に、マルチプレクサ回路500は、それに供給される1つ又は複数の入力信号(IN)を多重化することによって、出力信号(out)を発生するように結合される。ほとんどの場合、入力信号は、クロック又はデータ信号とすることができる。したがって、マルチプレクサ回路500を、図3又は図4に示される回路の1つを用いて実装することができる。上記のように、マルチプレクサ回路は、多重化機能を、3つの互いに異なる電源領域にわたって分散された3つの論理ゲートに分離することにより、出力信号内のジッタ量を低減させることができる。したがって、マルチプレクサ回路500は、少なくとも3つの異なる電源バスに結合される。場合によっては、図5に示されるように、多重化された出力信号(OUT)を、1つ又は複数のシステム構成要素510に分配することができる。クロック・パスに沿って分配される場合は、マルチプレクサ回路は、改良型のクロック回路網内に含むことができる。
【0042】
本明細書では、ジッタを低減させて信号を多重化する方法が企図されている。例えば、図6に示されるように、方法(600)は、(ステップ610にて)第1の信号を第1の論理ゲートに供給するステップと、(ステップ620にて)第2の信号を第2の論理ゲートに供給するステップを含む。上記のように、第1と第2の信号は、クロック又はデータ信号とすることができる。さらに、方法は、(ステップ630にて)第1又は第2の信号の1つを非活動化するステップを含む。例えば、第1と第2の論理ゲートに、論理ローの制御信号を供給することにより(NAND実装)、又は論理ハイの制御信号を供給することにより(NOR実装)、信号の1つを非活動化することができる。次に、方法は、(ステップ640にて)第1と第2の信号のアクティブな1つを出力するように構成された第3の論理ゲートに、第1又は第2の信号のアクティブな1つを転送するステップを含む。
【0043】
非活動化するステップと転送するステップにより、ジッタを低減させて、第1と第2の信号を多重化することが可能になる。例えば、方法は、ただ1つのアクティブな信号が、第1、第2、第3の論理ゲートのそれぞれに供給されることを可能にする。上記のように、第1と第2の論理ゲートはそれぞれ、アクティブなクロック(又はデータ)信号と、静的制御信号とを受け取るように構成される。第3の論理ゲートは、ただ1つの入力信号を受け取るように構成され、他方の入力は非活動化のステップでディスエーブルされる。このようにして、本明細書に記載の方法は、論理ゲートの入力端でのクロストークや電源ノイズの注入を除去することによって、ジッタを低減させる。一部の実施形態では、異なる電源領域内に論理ゲートを分離することにより、論理ゲート入力端をさらに隔離することができる。言い換えれば、論理ゲートは、それらの間の分離をさらに改善するために、物理的に分離し、異なる電源バスから供給することができる。
【0044】
本発明の実施形態は、その他の様々なステップ、又は本明細書に記載のステップの変形や、本明細書で示されかつ/又は述べられたものとは別のシーケンスで実行するのにも適している。一実施形態では、複数のクロック源から1つのクロック源を選択するプロセスを、プロセッサや、その他の電気的及び電子的構成要素によって実行することができる。例えば、プロセッサは、1つのピンをCPUクロック又はPCI Expressクロックとするように選択することができる。
【0045】
分かりやすいように、広く知られており本発明に該当しない、改良型マルチプレクサ回路及びその設計及び製造方法の詳細の多くは、以下の説明から省いている。
【0046】
本明細書全体にわたって「一実施形態」とは、実施形態に関連して説明される特定の機能、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって本明細書の様々な部分での2箇所以上で「一実施形態」又は「代替実施形態」と呼ぶものは、必ずしもすべて同じ実施形態を指すものではないことが強調され、理解されるべきである。さらに特定の機能、構造、又は特性は、本発明の1つ又は複数の実施形態において適当に組み合わせることができる。
【0047】
同様に、本発明の例示的実施形態の上記の説明において、開示を能率的にし、本発明の様々な態様の理解を助けるために、本発明の様々な特徴は、単一の実施形態、図、又はその説明にまとめられる場合もあることが理解されるべきである。しかしこの開示方法は、請求される本発明が、各請求項に明示的に記載されるより多くの特徴を必要とするものと解釈されるべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲に反映されるように、本発明の態様は、上記に開示された単一の実施形態のすべての特徴よりも少ないものにあるとすることができる。したがって、詳細な説明に添付された特許請求の範囲は、各請求項が本発明の別々の実施形態として自立して、この詳細な説明に組み込まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】例示のマルチプレクサ回路を備える回路のブロック図である。
【図2】例示のマルチプレクサ回路の回路図である。
【図3】本発明の一実施形態による、クロストークや電源ノイズが低減された改良型マルチプレクサ回路を備える回路のブロック図である。
【図4】本発明のもう1つの実施形態による、クロストークや電源ノイズが低減された改良型マルチプレクサ回路を備える回路のブロック図である。
【図5】図3又は図4の改良型マルチプレクサと、複数のシステム構成要素とを備えるシステムのブロック図である。
【図6】クロストークや電源ノイズを低減して、信号を多重化する方法のフローチャート図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電源領域内に配置され、第1の信号を受け取るように結合された第1の論理ゲートと、
第2の電源領域内に配置され、第2の信号を受け取るように結合された第2の論理ゲートと、
第3の電源領域内に配置され、前記第1と第2の信号の1つを非活動化するために、前記第1と第2の論理ゲートに制御信号を供給するように結合された論理ブロックと、
第4の電源領域内に配置され、前記第1の信号又は前記第2の信号のうちのどちらか前記論理ブロックによって非活動化されていない方を送出するように、前記第1と第2の論理ゲートの出力端に結合された第3の論理ゲートと
を備える回路。
【請求項2】
前記第1、第2、第3の論理ゲートがそれぞれ2入力NANDゲートを備える請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記第1、第2、第3の論理ゲートがそれぞれ2入力NORゲートを備える請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記制御信号が、前記第1の論理ゲートの第1の入力端に結合され、かつ前記第2の論理ゲートの第1の入力端に結合された請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記第1の信号が前記第1の論理ゲートの第2の入力端に結合され、前記第2の信号が前記第2の論理ゲートの第2の入力端に結合された請求項4に記載の回路。
【請求項6】
前記第1と第2の信号がクロック信号を含む請求項5に記載の回路。
【請求項7】
前記第1と第2の信号がデータ信号を含む請求項5に記載の回路。
【請求項8】
前記第1と第2の論理ゲートの出力端がそれぞれ前記第3の電源領域内の前記第3の論理ゲートの第1と第2の入力端に結合された請求項5に記載の回路。
【請求項9】
前記第3の論理ゲートの出力端が、前記回路の第4の電源領域内に配置されたバッファ回路に結合される請求項8に記載の回路。
【請求項10】
それぞれが別々の電源領域内配置された、3つの論理ゲートと論理ブロックとを備えた回路であって、
前記3つの論理ゲートの第1の論理ゲートは第1の信号を受け取るように結合され、
前記3つの論理ゲートの第2の論理ゲートは第2の信号を受け取るように結合され、
前記3つの論理ゲートの第3の論理ゲートは前記論理ブロックから前記第1と第2の論理ゲートに供給される制御信号の状態に応じて、前記第1と第2の信号の1つだけを受け取るように結合された回路と、
前記第1と第2の信号の前記1つだけの信号を受け取るように、前記第3の論理ゲートの出力端に結合された少なくとも1つのシステム構成要素と
を備えるシステム。
【請求項11】
前記第1、第2、第3の論理ゲートがそれぞれNANDゲートを備える請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1、第2、第3の論理ゲートがそれぞれNORゲートを備える請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1、第2、第3の論理ゲートがそれぞれ同一の論理ゲートを備える請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1と第2の信号がクロック信号を含む請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記回路に前記第1と第2の信号を供給するように前記回路に結合された、1つ又は複数の位相シフト装置をさらに備える請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ又は複数の位相シフト装置がそれぞれ、位相ロックループ(PLL)デバイスと遅延ロックループ(DLL)デバイスを含む群から選ばれるデバイスを備える請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
ジッタを低減させて信号を多重化する方法であって、
第1の信号を第1の論理ゲートに供給し、第2の信号を第2の論理ゲートに供給するステップと、
前記第1と第2の論理ゲートに制御信号を供給することによって、前記第1又は第2の信号の1つを非活動化するステップと、
前記第1又は第2の信号のアクティブな1つを第3の論理ゲートに転送するステップと
を含み、前記非活動化するステップ及び転送するステップが、ジッタを低減させて前記第1と第2の信号が多重化されるのを可能にする方法。
【請求項18】
前記第1、第2、第3の論理ゲートが互いに隔置され、それぞれ第1、第2、第3の電源領域内に配置される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1と第2の信号がクロック信号を含む請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1と第2の信号がデータ信号を含む請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−507425(P2009−507425A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529256(P2008−529256)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/033947
【国際公開番号】WO2007/027833
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(301020237)サイプレス セミコンダクター コーポレイション (18)
【Fターム(参考)】