説明

ジヒドロピリジン類カルシウム拮抗剤化合物及びその調製方法と医薬用途

ジヒドロピリジン類カルシウム拮抗剤化合物及びその調製方法と医薬用途は、具体的には一般式(I)、(II)の化合物及びその薬用塩の調製方法とそれらの心血管疾病治療における応用に関し、Rは1置換の或いは無置換の複素環、芳香環或いはアラルキルを表し、置換基はC1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチルチオ基、ナイトロ基、アミノ基、ヒドロキシで、R2はC1-C8アルキルを表し、R3とR4は同一或いは非同一で、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチルチオ基、ナイトロ基、アミノ基、或いはC1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、C1-C4アルケニル基、C1-C4アルキニル基を表し、R5とR6は同一或いは非同一で、C1-C4アルキルを表し、XはO、S或いは単結合を表し、m=0-6、n=1-6で、しかもm とnは同一或いは非同一である。
【化5】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジヒドロピリジン類カルシウム拮抗剤化合物に関し、特にその調製方法、及びその心血管疾病治療に関する応用を提供するジヒドロピリジン類カルシウム拮抗剤化合物及びその調製方法と医薬用途に関する。
【背景技術】
【0002】
カルシウム拮抗剤は、カルシウムチャンネルブロッカーとも呼ばれ、細胞膜からのカルシウムの出入りを抑制し、細胞内のカルシウムイオン濃度とその利用率を低下させる。これにより、ATP酵素の活性を低下させ、心筋の收縮力を低下させる。こうして、平滑筋細胞を緩め、血管を拡張させ、外周血管の抵抗力を低下させる。カルシウム拮抗剤は主に臨床においては、高血圧、狭心症、不整脈、うっ血性心筋病、及び虚血性心疾患等の治療に用いられ、幅広く応用されている心血管薬物である。
【0003】
一方、多くの新薬が開発される中で、高い注目を集めているのが、ジヒドロピリジン類で、それは降圧効果が高く、副作用が小さく、価格が低廉であるため、臨床の第一線で使用されている。
市販可能なジヒドロピリジン類カルシウム拮抗剤とするためには、ニフェジピンは(1)その側鎖エステル構造が電気的に中性を呈するため、水溶性が不良で、吸收されにくく、ニカルジピンは(2)エステルに水溶性が良好なアミノ側鎖を導入し、吸收効果を高めたが、肝臓の初回通過効果のため、或いは体内における代謝が速過ぎるために、長時間のカルシウム拮抗作用を備えない。
【0004】
よって、新たなジヒドロピリジン類薬物の開発を行うにあたり、芳香族分岐鎖に置換したピペラジンを用い、ニカルジピン類薬物構造中のエステル側鎖のアミノ構造に代替し、芳香族分岐鎖の脂溶性と大きい置換グループ空間立体障害を通して、薬物とレセプターの結合に影響を及ぼし、こうして薬物の薬物動態性質を変え、代謝を遅らせる方式を考察した。この考察に基づき、本発明は以下の、ピペラジンアルキルエステルのジヒドロピリジン類化合物を合成した。
【0005】
【化6】

【0006】
本発明は、従来のジヒドロピリジン類カルシウム拮抗剤の上記した欠点に鑑みてなされたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする第一の課題は、ジヒドロピリジン類カルシウム拮抗剤化合物を調製する方法を提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとする第二の課題は、心血管疾病治療へのジヒドロピリジン類カルシウム拮抗剤化合物の応用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は下記のジヒドロピリジン類カルシウム拮抗剤化合物及びその調製方法と医薬用途を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明ジヒドロピリジン類カルシウム拮抗剤化合物及びその調製方法と医薬用途では、ジヒドロピリジン類カルシウム拮抗剤化合物及びその調製方法は、薬物設計の基本理論を応用し、コンピューターによる薬物設計補助の手段を組合せて、より良いカルシウム拮抗活性を備える新型ジヒドロピリジン類化合物を設計、合成し、それに対して抗高血圧活性スクリーニングを行い、抗高血圧活性が、従来の薬物より優れた新型抗高血圧薬物を調製し、高血圧疾病への治療に応用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【実施例】
【0012】
一般式(I)化合物或いはその薬用塩は、以下の通りである。
【0013】
【化7】

【0014】
内、R1は置換の或いは無置換の複素環、芳香環或いはアラルキルを表し、置換基は、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチルチオ基、ナイトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基である。
R2はC1-C8アルキル基を表し、アルキル基は任意に、ヒドロキシ基、或いはC1-C6アルコキシ基置換基を帯びることができる。
R3とR4は同一或いは非同一で、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチルチオ基、ナイトロ基、アミノ基、或いはC1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、C1-C4アルケニル基、C1-C4アルキニル基を表す。
R5とR6は同一或いは非同一で、C1-C4アルキル基を表し、アルキルは任意に、ヒドロキシ基或いはC1-C4アルコキシ基置換基を帯びることができる。
XはO、S或いは単結合を表す。
m=0-6、n=1-6で、しかもm とnは同一或いは非同一である。
【0015】
一般式(II)の化合物或いはその薬用塩は、以下の通りである。
【0016】
【化8】

【0017】
内、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X、nは同上に定義する。
本発明に基づき、R1は、2-メトキシフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、ニトロフェニル基、メチルフェニル基、ジフェニルメタン基を優先的に選択する。
R2はメチル基、エチル基を優先的に選択し、R3は水素を優先的に選択し、R4は3-ナイトロ基を優先的に選択し、R5とR6は共にメチル基を優先的に選択し、XはO或いは単結合を優先的に選択し、mは0、1、2、3を優先的に選択し、nは2、3、4を優先的に選択する。
【0018】
本発明に基づき、その薬用塩は、一般式(I)化合物、一般式(II)化合物と、以下の酸形成の加成塩を含む。
硫酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸、燐酸、ギ酸、酢酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ピルビン酸、フマル酸エステル。
内、優選される薬用塩は、一般式(I) 、一般式(II)化合物の一塩酸塩或いは二塩酸塩である。
優選される一般式(I)化合物、一般式(II)化合物或いはその薬用塩は、以下を含む。
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)エチルエステル(I1)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)プロピルエステル(I2)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル4-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)ブチルエステル(I3)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(2-(2-メトキシフェノキシ)エチル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩(I4)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル4-(N-4-(2-(2-メトキシフェノキシ)エチル)ピペラジン)ブチルエステル塩酸塩(I5)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(ジフェニルメチルエチルケトン)ピペラジン)エチルエステル塩酸塩(I6)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(ジフェニルメチルエチルケトン)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩(I7)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(4-ニトロベンジル)ピペラジン)エチルエステル塩酸塩(I8)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(4-ニトロベンジル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩(I9)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(4-メチルベンジル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩(I10)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン)エチルエステル(I11)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩(I12)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル4-(N-4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン)ブチルエステル塩酸塩(I13)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(2-(2-メトキシフェノキシ)エチル)ピペラジン)エチルエステル塩酸塩(I14)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸エチル2-(N-4-(2-(2-メトキシフェノキシ)エチル)ピペラジン)エチルエステル(I15)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸エチル3-(N-4-(2-(2-メトキシフェノキシ)エチル)ピペラジン)プロピルエステル(I16)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸エチル2-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)エチルエステル(I17)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸エチル3-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)プロピルエステル(I18)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル)ピペラジン)エチルエステル塩酸塩(II1)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩(II2)、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル4-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル)ピペラジン)ブチルエステル塩酸塩(II3)。
【0019】
一般式化合物(I)の調製方法は、一般式Ibと一般式Icに置換反応を発生し、或いは一般式Iaと一般式Idに置換反応を発生するものである。
具体的には、一般式Ibは、NaOH触媒下で、一般式Icと置換反応を発生し、或いは一般式Ibはトリエチルアミン触媒下で、一般式Icと置換反応を発生し、或いは一般式Ibは一般式Icと直接置換反応を発生する。
【0020】
【化9】

【0021】
一般式Iaは、NaOH触媒下で、一般式Idと置換反応を発生し、或いは一般式Iaはトリエチルアミン触媒下で、一般式Idと置換反応を発生し、或いは一般式Iaは一般式Idと直接置換反応を発生するものである。
【0022】
【化10】

【0023】
内、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X、mは同上に定義し、Yはハロゲン原子である。
【0024】
一般式化合物(II)の調製方法は、一般式Ib はトリエチルアミン触媒下で、一般式IIaと加成反応を発生するものである。
【0025】
【化11】

【0026】
内、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X、nは同上に定義する。
【0027】
一般式化合物Ibの調製方法は、一般式Iaとピペラジンに置換反応を発生するものである。
【0028】
本発明が関連する一部の化合物の構造式は、以下の通りである。
【0029】
【化12】







【0030】
その薬用塩を得るために、一般式(I)化合物或いは一般式(II)化合物と酸反応形成加成塩を用いることができる。
【0031】
本発明はさらに、一般式(I)化合物或いは一般式(II)化合物或いはその薬用塩を活性成分として含む抗心血管薬物合成物を提供する。
薬物合成物中には、薬物活性成分と薬物が受け入れ可能なベクターを含み、その内の活性成分の合成物中の重量比は、0.01-99.99%で、薬物が受け入れ可能なベクターの合成物中の重量比は、0.01-99.99%である。
【0032】
薬物合成物は、薬用に適した製剤形式で存在する。
薬用の製剤は、タブレット、カプセル、経口液、混合物、経口剤、顆粒剤、細粒剤、ピル、パウダー剤、ペースト剤、丸薬、サスペンション剤、溶液剤、注射剤、粉末注射剤、フリーズドライ粉末注射剤、座薬、ソフトペースト剤、ハードペースト剤、クリーム剤、噴霧剤、エアロゾル剤、点滴剤、パッチ等の製剤形式とする。
【0033】
本発明の薬物合成物を、単位剤量の製剤形式とし、各剤中に含む本発明薬物活性成分の量は、0.1mg-1000mgで、各剤は、タブレットの一枚、カプセルの一粒など各一製剤を単位とし、つまり一回に100mg服用するなど、一回の服用剤量をいう。
【0034】
本発明の薬物合成物を、粉剤、タブレット、カプセル、座薬、軟膏形式の固体或いは半固体薬物製剤に調整する時、固体ベクターを使用することができる。
使用可能な固体ベクターは、希釈剤、崩解剤、調味剤、可溶化剤、潤滑剤、サスペンション剤、接着剤、膨脹剤の内の一種或いは多種の物質、或いは封入物質から選択する。
適した固体ベクターは、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルカムパウダー、ショ糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース、カルボシキメチルセルロースナトリウム、低沸点蝋、カカオマス等である。
これらは薬として飲ませ易いため、タブレット、粉剤、カプセルは、経口固体製剤として最適である。
【0035】
本発明の液体製剤は、溶液、サスペンション液、乳液を含む。
例えば、胃腸投与ではない注射製剤は、水或いは水-プロピレングリコール溶液形式で、それらの浸透度、pH等を調節し、生体の生理条件に適合させる。
液体製剤はさらに、ポリエチレングリコール、水溶液中の溶液形式に調製することができる。
活性成分を水中に溶解させ、さらに適量の著色剤、調味剤、安定剤、増粘剤を加え、経口水溶液を調製する。
微粒化した活性成分を天然及び合成ゴム、メチルセルロース、カルボシキメチルセルロースナトリウム、及び他の既知のサスペンション剤等の粘性物質中に分散させ、経口に適した水サスペンション液に調製する。
【0036】
投薬の利便を図り、及び剤量を均一にするため、上記した薬物製剤を剤量単位形式に調整すれば、非常に有利である。
製剤の剤量単位形式とは、単一剤量とするのに適している物理分離単位を指す。
各単位は、期待される治療効果を生じると計算された予定量の活性成分を含む。
この種の剤量単位形式は、タブレット、カプセル、或いは小管または小瓶中に充填する粉剤、或いは管或いは瓶中に充填する軟膏、ジェル或いはクリーム剤等の包装形式とすることができる。
【0037】
剤量単位形式中に含む活性成分の量は、変化させられるが、一般的には、選択した活性成分の効力に基づき、1-800mgの範囲内に調節する。
本発明の投薬剤量は、病人のニーズ、治療の深刻性、選択した化合物等に応じて変えることができる。
本領域に習熟した技術人員は、一般的な方法に従い、ある種の状況に適した優選剤量を確定することができる。
一般的には、治療開始時の量は、活性成分の最適剤量より少なく、最良の治療効果を達成するまで、徐々に投薬剤量を増やして行く。
投薬の便のため、毎日1-4回、一回に1-10個服用するなど、一日当たりの合計剤量をいくつかに分け、回数を分けて投薬することができる。
【0038】
以下に、試験データを通して本発明の効果について説明する。
本発明化合物の、KClにより誘導される試験管内ラット主動脈環收縮への影響:
本発明は、21の新しいジヒドロピリジン類化合物を合成した。
先ず、その内の一部の化合物を選択し、薬理活性試験を行う。
実施方法は、周新妹氏、姚泰氏、夏満莉氏による「ケルセチンとルチンのラット主動脈環に対する拡張作用及びメカニズム(浙江大学学報「医学版」2006、35(1),29-33)」を参照されたい。
【0039】
1.実験材料
1.1薬物と試剤
対照品であるベンゼンスルホン酸レバムロジピン、化合物I4、I5、I6、I14、II2はすべて、中国薬科大学薬物化学教研室により提供する。
ノルアドレナリン(上海禾豊製薬有限公司)とアセチルコリン(上海試剤二廠)、他の試剤はすべて純を分析する。
1.2 主要器具
BL−410生物機能実験システムとHW-400S恒温平滑筋槽は共に、成都泰盟科技有限公司の生産である。
1.3 実験動物
オスのSDラット(240〜260g)は、江寧青龍山動物繁殖場提供の提供で、その合格証号Jは、SCXK(蘇)2002-0018である。
【0040】
2.実験方法
2.1 Krebs Henseleit(K-H)栄養液の調製
NaCl:118.3 mmol/L,KCl:4.7 mmol/L ,CaCl2:2.5 mmol/L,MgSO47H2O:1.2 mmol/L,KH2PO4:1.2 mmol/L,NaHCO3:25 mmol/L,glucose:11.1 mmol/L。
2.2 胸主動脈環の調製及び張力測定
オスのラットの頭を打撃し昏睡状態に陥らせ、迅速に胸主動脈を取り、95%O2+5%CO2混合気体を通すK-H液中に置く。
周囲の結締組織を慎重に除去後、血管を約3mm幅の血管環に切断し、過度な引張りにより、内皮を損傷しないように注意する。
血管環を、30mlK-H液を含む浴槽内にオーバーハングし、95%O2+5%CO2の混合気体を持続して通し、温度を保持(37±0.5℃)し、静止張力を至2.0gに調整し、バランス2hで、15min毎に液を1回交換する。
血管内皮活性を調べる:動脈環の安定を待ち、液を1回換える。
浴槽中に1μmol/LのNAを加え、收縮がピーク値に達した15min後に、1μmol/LのAchを加える。
もし、Achを加えた後、NA予收縮の血管拡張が60%以上であるなら、内皮が完全であると認められる。
反対であれば、内皮が破壊されたと考えられる。
【0041】
内皮が完全な胸主動脈環を選択し実験を行い、液を換え安定後、80mmol/Lを加え、KCl誘発最大收縮幅に達した後、順番に投薬を増やしていく。
これにより薬物濃度をそれぞれ0.05μmol/L,0.1μmol/L,0.5μmol/L,1μmol/L,2μmol/L,4μmol/L,10μmol/Lとし、張力変化を記録する。
血管拡張程度に対して、KCl誘発收縮最大張力と異なる濃度の薬物を加えた後の血管張力との間の差値を、抑制率により表示する。
差値とKCl誘発最大收縮幅の比較値は、血管拡張程度を反映している。
各薬物組の動脈環標本数は6例で、すなわち実験を6回繰り返した。
【0042】
3.実験結果:
表1に示すように、化合物I4、I5、I6、I14、II2は、KClにより誘導される完全内皮血管環收縮に対して抑制作用を備える。
IC50は、それぞれ2.0、0.5、1.9、0.2、0.8μmol/Lで、すべて対照品であるベンゼンスルホン酸レバムロジピンのIC50値4.1μmol/Lより小さく、I4、I5、I614、II2の活性が、対照品であるベンゼンスルホン酸レバムロジピンより強いことを現している。
内、I5とI14の活性が最強である。
【0043】
【表1】

【0044】
他の化合物はすべて、相同或いは類似の生物活性を備えるため、ここでは一つ一つ列挙しない。
本発明の化合物或いはその薬用塩は、心血管疾病の治療において、優良なレセプター結合力を示しており、これにより代謝は延長され、生物利用度は上がり、副作用は減少し、幅広い応用価値を備える。
【0045】
実施形態
以下に実施例を通して、さらに本発明を説明するが、以下の実施玲は本発明に対して制限を加えるものではない。
(実施例1)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-1-ピペラジン)エチルエステル (Ib1)
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-クロロエチルエステル(Ia1)
11.84g(30mmol)の無水ピペラジン7.76g(90mmol)、アセトニトリル60mlを撹拌し、3h回流させ、減圧濃縮し、
ジクロロメタン40mlを加え、撹拌し、水洗し、無水硫酸ナトリウムを乾燥させ、ろ過し、ろ過液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより(酢酸エチル:アセトン=3:1)分離し淡黄色固体8.66gを得る。その收率は65%で、mp166〜169℃である。
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-1-ピペラジン)プロピルエステル(Ib2)、1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル4-(N-1-ピペラジン)ブチルエステル(Ib3)は、合成Ib1方法を参照して合成する。
【0046】
(実施例2)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)エチルエステル(I1)
化合物Ib1
1.33g(0.003mol)、Ic2
0.602g(0.003mol)、水酸化ナトリウム0.12g(0.003mol)、トルエン10mlを撹拌し、2h回流させ、減圧濃縮し、ジクロロメタン10mlを加えて撹拌し、水洗し、有機層無水硫酸ナトリウムを乾燥させ、ろ過し、ろ過液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (石油エーテル:酢酸エチル=7:1) により分離し黄色油状物1.30gを得る。その收率は71%である。
ESI-MS (m/z):609.3
[M+H]+
IR(cm-1):3550,3340,3085,2961,2924,2852,2816、1700,1528,1503,1457,
1348,1260,1212,1095,1020,802,704,702,678
1H-NMR(CDCl3):d1.99(2H,m,-NCH2CH2CH2O),2.34(6H,s,C2,6-CH3),2.46-2.58(12H,m,-COOCH2CH2N,piperazidine-H,-NCH2CH2CH2O),3.61(3H,s,-COOCH3),3.82(3H,s,-OCH3),4.02-4.16
(4H,m,-COOCH2,-CH2O),5.07(1H,s,C4-H),5.75(1H,brs,-NH),6.87(4H,m,methoxyphenyl-H),7.33(1H,t,Nitrophenyl
5-H),7.6(1H,d,Nitrophenyl 6-H),7.98(1H,d,Nitrophenyl
4-H),8.06(1H,m,Nitrophenyl 2-H)
【0047】
(実施例3)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)プロピルエステル(I2)
I1合成方法を参照し、Ib2とIc2により合成し、その收率は65.5%である。
ESI-MS (m/z):623.3 [M+H]+
IR(cm-1):3344,2963,2815,1700,1528,1504,1348,1261,1069,1020,800,742,
703
1H-NMR(CDCl3):d1.79(2H,m,-COOCH2CH2CH2N),2.04(2H,m,-NCH2CH2CH2O),2.27(2H,t,-COOCH2CH2CH2N),2.32(6H,s,C2,6-CH3),2.46-2.58(10H,m,piperazidine-H,-NCH2CH2CH2O),3.64(3H,s,-COOCH3),3.85(3H,s,-OCH3),4.02-4.16(4H,m,-COOCH2,-CH2O),5.07(1H,s,C4-H),5.86
(1H,brs,-NH),6.89(4H,m,methoxyphenyl-H),7.33(1H,t,Nitrophenyl
5-H),7.6(1H,d,
Nitrophenyl
6-H),7.98(1H,d,Nitrophenyl 4-H),8.09(1H,m,Nitrophenyl
2-H)
【0048】
(実施例4)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル4-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)ブチルエステル(I3)
I1合成方法を参照し、Ib3とIc2により合成し、その收率は69.7%である。
ESI-MS (m/z):637.3 [M+H]+
IR(cm-1):3344,3080,2963,2814,1701,1530,1506、1350,1262,1213,1020,805,
741,703
1H-NMR(CDCl3):d1.48(2H,m,-COOCH2CH2CH2CH2N),1.61(2H,m,-COOCH2CH2CH2CH2N),2.02(2H,m,-NCH2CH2CH2O),2.29(2H,t,-COOCH2CH2CH2CH2N),2.36(6H,s,C2,6-CH3),2.50-2.60(10H,m,
piperazidine-H,-NCH2CH2CH2O),3.64(3H,s,-COOCH3),3.85(3H,s,-OCH3),4.02-4.16(4H,m,
-COOCH2,-CH2O),5.08(1H,s,C4-H),5.86(1H,brs,-NH),6.90(4H,m,methoxyphenyl-H),
7.37(1H,t,Nitrophenyl 5-H),7.6(1H,d,Nitrophenyl
6-H),7.98(1H,d,Nitrophenyl4-H),8.09(1H,m,Nitrophenyl
2-H)
【0049】
(実施例5)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(2-(2-メトキシフェノキシ)エチル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩(I4)
化合物Ib2
1.37g(0.003mol)、Ic1
0.693g(0.003mol)、水酸化ナトリウム0.12g(0.003mol)、トルエン10mlを撹拌し、60℃で1h反応させ、減圧濃縮し、ジクロロメタン10mlを加えて撹拌し、水洗し、有機層無水硫酸ナトリウムを乾燥させ、ろ過し、ろ過液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (石油エーテル:酢酸エチル=8:1) により分離し黄色油状物を得て、無水エーテル5mlに溶解させ、室温下で乾燥HCl気体を通し、溶液をPH=2とし、ろ過し、乾燥させて淡黄色粉末1.53gを得る。その收率は75%で、mpは173〜175℃である。
ESI-MS(m/z):609.3 [M+H]+
IR(cm-1):3424,2950,2837,1693,1527,1503,1349,1254,1213,1120,1095,1018,745,705
1H-NMR(CDCl3):d1.81(2H,m,-COOCH2CH2CH2N),2.31(2H,t,-COOCH2CH2CH2N),2.37(6H,s,C2,6-CH3),2.44(4H,brs,-CH2NCH2),2.61(4H,brs,-CH2NCH2),2.84(2H,t,-NCH2CH2O),3.64(3H,s,
-COOCH3),3.85(3H,s,-OCH3),4.12(4H,m,-COOCH2,-CH2O),5.08(1H,s,C4-H),5.73(1H,brs,-NH),6.90(4H,m,methoxyphenyl-H),7.37(1H,t,Nitrophenyl
5-H),7.62(1H,d,Nitrophenyl 6-H),7.98(1H,d,Nitrophenyl 4-H),8.09(1H,m,Nitrophenyl 2-H)
【0050】
(実施例6)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル4-(N-4-(2-(2-メトキシフェノキシ)エチル)ピペラジン)ブチルエステル塩酸塩(I5)
I4合成方法を参照し、Ib3とIc1より合成し、その收率は73%で、mp163〜166℃である。
ESI-MS(m/z):623.3 [M+H]+
IR(cm-1):3426、2949,1692,1502,1348,1254,1215,1122,1020,746
1H-NMR(CDCl3):d1.45(2H,m,-COOCH2CH2CH2CH2N),1.61(2H,m,-COOCH2CH2CH2CH2N),2.31(2H,
t,-COOCH2CH2CH2CH2N),2.36(6H,s,C2,6-CH3),2.45(4H,brs,-CH2NCH2),2.61(4H,brs,-CH2NCH2),2.85(2H,t,-NCH2CH2O),3.64(3H,s,-COOCH3),3.85(3H,s,-OCH3),4.05(2H,m,-COOCH2),
4.15(2H,t,-CH2O),5.08(1H,s,C4-H),5.74(1H,brs,-NH),6.90(4H,m,methoxyphenyl-H), 7.36(1H,t,Nitrophenyl
5-H),7.61(1H,d,Nitrophenyl 6-H),7.98(1H,d,Nitrophenyl
4-H),8.09(1H,m,Nitrophenyl 2-H)
【0051】
(実施例7)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(ジフェニルメチルエチルケトン)ピペラジン)エチルエステル塩酸塩(I6)
化合物Ib1 1.33g(0.003mol)、Ic3 0.738g(0.003mol)、トルエン10mlを撹拌し、6N NaOH溶液0.5mlを加え、80℃で2h反応させ、減圧濃縮し、ジクロロメタン10mlを加えて撹拌し、水洗し、有機層無水硫酸ナトリウムを乾燥させ、ろ過し、ろ過液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (石油エーテル:酢酸エチル=8:1) により分離し黄色油状物を得て、無水エーテル5mlに溶解させ、室温下で乾燥HCl気体を通し、溶液をPH=2とし、ろ過し、乾燥させて淡黄色粉末0.63gを得る。その收率は31.9%で、mp170〜173℃である。
ESI-MS(m/z):655.3[M+H]+
IR(cm-1):3402,3198,2949,2422,1694,1526、1490,1348,1213,1019,744,703
1H-NMR(CDCl3):d2.30-2.70(18H,m,-COOCH2CH2N,C2,6-CH3,2×-NCH2CH2N,-NCH2CH2O),3.58(2H,
t,-CH2O),3.63(3H,s,-COOCH3),4.13(2H,m,-COOCH2CH2N),5.09(1H,s,C4-H),5.37(1H,s,
-CHO),5.70(1H,brs,-NH),7.20-7.40(11H,t,m-Nitrophenyl 5-H,Diphenylmethyl-H),
7.65(1H,d,m-Nitrophenyl
6-H),7.98(1H,d,m-Nitrophenyl 4-H),8.09(1H,s,m-Nitrophenyl 2-H)
【0052】
(実施例8)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(ジフェニルメチルエチルケトン)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩(I7)
I6合成方法を参照し、Ib2とIc3より合成し、その收率は32.2%で、mp159〜162℃である。
ESI-MS(m/z):669.3 [M+H]+
IR(cm-1):3408,3201,3064,2949,2837,2442,1692,1526、1491,1348,1214,1118,1019,745,704
1H-NMR(CDCl3):d1.79(2H,m,-COOCH2CH2CH2),2.30-2.64(16H,m,-COOCH2CH2CH2,C2,6-CH3,
2×-NCH2CH2N),2.71(2H,t,-NCH2CH2O),3.59(2H,t,-CH2O),3.64(3H,s,-COOCH3),4.07(2H,m,-COOCH2CH2CH2),5.08(1H,s,C4-H),5.37(1H,s,-CHO),5.82(1H,br,-NH),7.20-7.40(11H,m,m-Nitrophenyl
5-H,Diphenylmethyl-H),7.61(1H,d,m-Nitrophenyl 6-H),7.99(1H,d,m-Nitrophenyl 4-H),8.09(1H,s,m-Nitrophenyl 2-H)
【0053】
(実施例9)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(4-ニトロベンジル)ピペラジン)エチルエステル塩酸塩(I8)
化合物Ib1 2.22g(0.005mol)、Ic4 1.08g(0.005mol)、水酸化ナトリウム0.2g(0.005mol)、ジクロロメタン10mlを撹拌し、1h回流させ、反応液を水洗し、無水硫酸ナトリウムを乾燥させ、ろ過し、ろ過液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (石油エーテル:酢酸エチル=8:1) により分離し黄色油状物を得て、無水エーテル5mlに溶解させ、室温下で乾燥HCl気体を通し、溶液をPH=2とし、ろ過し、乾燥させて淡黄色粉末1.70gを得る。その收率は52.3%で、mp182〜185℃である。
ESI-MS(m/z):580.3
[M+H]+
IR(cm-1):3373,2956、2874,2815,2773,1698,1528,1513,1340,1210,1094,1010,742,709
1H-NMR(CDCl3):d2.36-2.60(16H,m,-COOCH2CH2N,C2,6-CH3,piperazidine-H),3.57(2H,s,-CH2-p-Nitrophenyl),3.65(3H,s,-COOCH3),4.12-4.19(2H,m,-COOCH2CH2N),5.10(1H,s,C4-H),
5.72(1H,brs,-NH),7.36(1H,t,m-Nitrophenyl 5-H,Diphenylmethl-H),7.49(2H,d,p-Nitrophenyl 2-H,6-H),7.64(1H,d,m-Nitrophenyl 6-H),7.98(1H,d,m-Nitrophenyl 4-H),
8.01
(1H,s,m-Nitrophenyl 2-H),8.17(2H,d,p-Nitrophenyl
3-H,5-H)
【0054】
(実施例10)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(4-ニトロベンジル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩(I9)
I8合成方法を参照し、Ib2とIc4より合成し、その收率は42.3%で、mp170〜171℃である。
ESI-MS(m/z):616.2[M+Na]+
IR(cm-1):3424,2954,1690,1525,1487,1349,1215,807,742
1H-NMR(CDCl3):d1.78(2H,q,-COOCH2CH2CH2N),2.31-2.60(16H,m,-COOCH2CH2CH2N,C2,6-CH3,2×-NCH2CH2N),3.58(2H,s,-CH2-p-Nitrophenyl),3.65(3H,s,-COOCH3),4.09(2H,m,-COOCH2CH2CH2N),5.08(1H,s,C4-H),5.85(1H,brs,-NH),7.37(1H,t,m-Nitrophenyl 5-H),7.49(2H,d,p-Nitrophenyl
2-H,6-H),7.62(1H,d,m-Nitrophenyl 6-H),7.98(1H,d,m-Nitrophenyl 4-H),8.10(1H,s,m-Nitrophenyl 2-H),8.16(2H,d,p-Nitrophenyl 3-H,5-H)
【0055】
(実施例11)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(4-メチルベンジル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩(I10)
I8合成方法を参照し、Ib2とIc5より合成し、その收率は32.7%で、mp163〜165℃である。
ESI-MS(m/z):563.3[M+H]+
IR(cm-1):3424,2954,1690,1525,1487,1349,1215,807,742
1H-NMR(CDCl3):d1.56(3H,s,-CH3),1.77(2H,q,-COOCH2CH2CH2N),2.30-2.60(16H,m,-COOCH2CH2CH2N,C2,6-CH3,2×-NCH2CH2N),3.45(2H,s,-CH2-p-Methylphenyl),3.65(3H,s,-COOCH3),
4.10(2H,m,-COOCH2CH2CH2N),5.09(1H,s,C4-H),5.68(1H,brs,-NH),7.15(4H,m,p-Methylphenyl 2-H,3-H,5-H,6-H),7.43(1H,s,m-Nitrophenyl 5-H),7.62(1H,d,m-Nitrophenyl
6-H),8.00(1H,d,m-Nitrophenyl 4-H),8.09(1H,s,m-Nitrophenyl 2-H)
【0056】
(実施例12)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン)エチルエステル(I11)
化合物Ia1 1.97g(0.005mol)、Id1 塩酸塩1.52g(0.005mol)、トリエチルアミン0.2mlをトルエン中で2h回流させ、減圧濃縮し、ジクロロメタン20mlを加え、1N NaOH溶液10mlを撹拌し、有機層を水洗して中性とし、無水硫酸ナトリウムを乾燥させ、ろ過し、ろ過液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (石油エーテル:酢酸エチル=6:1) により分離し黄色固体1.80gを得る。その收率は61.0%で、mp115〜120℃である。
ESI-MS(m/z):589.2
[M+H]+
IR(cm-1):3441,3258,3221,3100,2953,1704,1681,1529,906、710
1H-NMR(CDCl3):d2.39(6H,d,C2,6-CH3),2.67(6H,m,-COOCH2CH2N,-CH2NCH2),3.01(4H,s,-CH2NCH2),3.65(3H,s,-COOCH3),4.20(2H,m,-COOCH2),5.12(1H,s,C4-H),5.71(1H,brs,-NH),
6.93(1H,m,Dichlorophenyl
5-H),7.14(2H,m,Dichlorophenyl 4-H,6-H),7.38(1H,t,m-Nitrophenyl 5-H),7.66(1H,d,m-Nitrophenyl 6-H),7.99(1H,d,m-Nitrophenyl 4-H),8.11(1H,m,m-Nitrophenyl 2-H)
【0057】
(実施例13)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩(I12)
化合物Ia2 2.04g(0.005mol)、Id1塩酸塩1.52g(0.005mol)、トリエチルアミン0.2mlを、トルエン20ml中で2h回流させ、減圧濃縮し、ジクロロメタン20mlを加え、1N NaOH溶液10mlを撹拌し、有機層を水洗して中性とし、無水硫酸ナトリウムを乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=6:1) により分離し黄色固体を得る。無水エーテル10mlに溶解させ、室温下で乾燥HCl気体を通し、溶液をPH=2とし、ろ過し、乾燥させて淡黄色粉末1.79gを得る。その收率は53.1%で、mp178〜180℃である。
ESI-MS(m/z):603.2[M+H]+
IR(cm-1):3416、2950,1693,1526、1348,1213,956、699
1H-NMR(CDCl3):d2.36(6H,d,C2,6-CH3),2.45(2H,m,-COOCH2CH2CH2N),2.65(4H,s,-CH2NCH2CH2),3.09(4H,s,-CH2NCH2),3.65(3H,s,-COOCH3),4.12(2H,m,-COOCH2),5.10(1H,s,C4-H),5.85(1H,brs,-NH),6.93(1H,m,2,3-Dichlorophenyl 5-H),7.14(2H,m,2,3-Dichlorophenyl 4-H&6-H),7.38(1H,t,m-Nitrophenyl 5-H),7.63(1H,d,m-Nitrophenyl
6-H),7.99(1H,d,m-Nitrophenyl 4-H),8.11(1H,m,m-Nitrophenyl 2-H)
【0058】
(実施例14)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル4-(N-4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン)ブチルエステル塩酸塩(I13)
I12合成方法を参照し、Ia3とId1塩酸塩より合成し、その收率は66.0%で、mp170〜173℃である。
ESI-MS(m/z):617.3 [M+H]+
IR(cm-1):3363,2954,2827,1702,1652,1527,1348,1215,949,781,709
1H-NMR(CDCl3):d1.49(2H,m,-COOCH2CH2CH2CH2N),1.65(2H,m,-COOCH2CH2CH2CH2N),2.38(8H,m,C2,6-CH3,-COOCH2CH2CH2CH2N),2.58(4H,s,-CH2NCH2),3.05(4H,brs,-CH2NCH2),3.65(3H,s,
-COOCH3),4.06(2H,m,-COOCH2CH2CH2CH2N),5.10(1H,s,C4-H),5.72(1H,brs,-NH),6.95(1H,m,Dichlorophenyl 5-H),7.14(2H,m,Dichlorophenyl
4,6-H),7.37(1H,t,m-Nitrophenyl
5-H),7.64(1H,d,m-Nitrophenyl 6-H),7.99(1H,d,m-Nitrophenyl
4-H),8.11(1H,m,m-Nitrophenyl 2-H)
【0059】
(実施例15)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(2-(2-メトキシフェノキシ)エチル)ピペラジン)エチルエステル塩酸塩(I14)
化合物Ia1
1.97g(0.005mol)、Id2
1.19g(0.005mol)、水酸化ナトリウム0.2g(0.005mol)、アセトニトリル15mlを撹拌し、60℃で1h反応させ、減圧濃縮し、ジクロロメタン15ml、水15mlを加え撹拌し、有機層無水硫酸ナトリウムを乾燥させ、ろ過し、ろ過液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=8:1)により分離し黄色油状物を得て、無水エーテル5mlに溶解させ、室温下で乾燥HCl気体を通し、溶液をPH=2とし、ろ過し、乾燥させて淡黄色粉末1.25gを得る。その收率は37.6%で、mp112〜115℃である。
ESI-MS(m/z):595.3
[M+H]+
IR(cm-1):3409,3197,2951,1696、1503,1215,1123,748
1H-NMR(CDCl3):d1.99(2H,m,-COOCH2CH2N),2.37(6H,s,C2,6-CH3),2.59(8H,m,2×-NCH2CH2N),2.83(2H,t,-NCH2CH2O),3.64(3H,s,-COOCH3),3.85(3H,s,-OCH3),4.14(4H,m,-COOCH2,-CH2O),5.10(1H,s,C4-H),5.86(1H,brs,-NH),6.91(4H,m,methoxyphenyl-H),7.36(1H,t,Nitrophenyl
5-H),7.64(1H,d,Nitrophenyl 6-H),7.97(1H,d,Nitrophenyl
4-H),8.09(1H,m,Nitrophenyl 2-H)
【0060】
(実施例15)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(2-(2-メトキシフェノキシ)エチル)ピペラジン)エチルエステル塩酸塩(I14)
化合物Ia1
1.97g(0.005mol)、Id2
1.19g(0.005mol)、水酸化ナトリウム0.2g(0.005mol)、アセトニトリル15mlを撹拌し、60℃で1h反応させ、減圧濃縮し、ジクロロメタン15ml、水15mlを加え撹拌し、有機層無水硫酸ナトリウムを乾燥させ、ろ過し、ろ過液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=8:1)により分離し黄色油状物を得て、無水エーテル5mlに溶解させ、室温下で乾燥HCl気体を通し、溶液をPH=2とし、ろ過し、乾燥させて淡黄色粉末1.25gを得る。その收率は37.6%で、mp112〜115℃である。
ESI-MS(m/z):595.3
[M+H]+
IR(cm-1):3409,3197,2951,1696、1503,1215,1123,748
1H-NMR(CDCl3):d1.99(2H,m,-COOCH2CH2N),2.37(6H,s,C2,6-CH3),2.59(8H,m,2×-NCH2CH2N),2.83(2H,t,-NCH2CH2O),3.64(3H,s,-COOCH3),3.85(3H,s,-OCH3),4.14(4H,m,-COOCH2,-CH2O),5.10(1H,s,C4-H),5.86(1H,brs,-NH),6.91(4H,m,methoxyphenyl-H),7.36(1H,t,Nitrophenyl
5-H),7.64(1H,d,Nitrophenyl 6-H),7.97(1H,d,Nitrophenyl
4-H),8.09(1H,m,Nitrophenyl 2-H)
【0061】
(実施例17)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸エチル3-(N-4-(2-(2-メトキシフェノキシ)エチル)ピペラジン)プロピルエステル(I16)
I15合成方法を参照し、Ia5とId2より合成し、その收率は32.1%である。
ESI-MS(m/z):623.3[M+H]+
IR(cm-1):3343,3082,2945,2818,1697,1528,1504,1348,1307,1253,1211,
1121,1096、1021,804,742,705,679
1H-NMR(CDCl3):d1.22(3H,t,-COOCH2CH3),1.77(2H,m,-COOCH2CH2CH2N),2.27(2H,m,-COOCH2CH2CH2N),2.36(6H,s,C2,6-CH3),2.44(4H,brs,-CH2NCH2),2.61(4H,br,-CH2NCH2),2.86(2H,t,-NCH2CH2O),3.84(3H,s,-OCH3),4.06-4.16(6H,m,-COOCH2CH3,-COOCH2,-CH2O),5.08(1H,s,C4-H),5.92(1H,brs,-NH),6.90(4H,m,methoxyphenyl-H),7.36(1H,t,Nitrophenyl
5-H),
7.62(1H,d,Nitrophenyl 6-H),8.00(1H,d,Nitrophenyl
4-H),8.11(1H,m,Nitrophenyl 2-H)
【0062】
(実施例18)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸エチル2-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)エチルエステル(I17)
I15合成方法を参照し、Ia4とId3より合成し、その收率は38.2%である。
ESI-MS(m/z):623.4[M+H]+
IR(cm-1):2963,2927,1689,1528,1504,1348,1261,1209,1020,801,706
1H-NMR(CDCl3):d1.23(3H,t,-COOCH2CH3),2.04(2H,m,-NCH2CH2CH2O),2.28(2H,t,-COOCH2CH2N),2.35(6H,s,C2,6-CH3),2.50-2.65(10H,m,-NCH2CH2O,piperazidine-H),3.85(3H,s,-OCH3),4.05-4.18(4H,m,-COOCH2CH3,-COOCH2,-CH2O),5.10(1H,s,C4-H),5.73(1H,brs,-NH),6.89(
4H,m,methoxyphenyl-H),7.39(1H,t,Nitrophenyl
5-H),7.67(1H,d,Nitrophenyl 6-H),
8.00(1H,d,Nitrophenyl 4-H),8.11(1H,m,Nitrophenyl
2-H)
【0063】
(実施例19)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸エチル3-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)プロピルエステル(I18)
I15合成方法を参照し、Ia5とId3より合成し、その收率は32.7%である。
ESI-MS(m/z):637.4[M+H]+
IR(cm-1):3342,3069,2963,2814,1698,1528,1504,1348,1261,1094,1020,800,
742,703
1H-NMR(CDCl3):d1.19(3H,t,-COOCH2CH3),1.75(2H,m,-COOCH2CH2CH2N),1.99(2H,m,-NCH2CH2CH2O),2.27(2H,t,-COOCH2CH2CH2N),2.32(6H,s,C2,6-CH3),2.40-2.50(10H,m,-NCH2CH2CH2O,piperazidine-H),3.82(3H,s,-OCH3),4.05(6H,m,-COOCH2CH3,-COOCH2,-CH2O),5.03(1H,s,C4-H),5.74(1H,brs,-NH),6.89(4H,m,methoxyphenyl-H),7.34(1H,t,Nitrophenyl
5-H),
7.59(1H,d,Nitrophenyl 6-H),7.95(1H,d,Nitrophenyl
4-H),8.08(1H,m,Nitrophenyl 2-H)
【0064】
(実施例20):1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル)ピペラジン)エチルエステル塩酸塩(II1)
化合物Ib1
1.34g(0.003mol)、IIa 0.54g(0.003mol)、トリエチルアミン0.5ml、アセトニトリル10mlを撹拌し、60℃で1h反応させ、減圧濃縮し、ジクロロメタン10mlを加えて撹拌し、水洗し、有機層無水硫酸ナトリウムを乾燥させ、ろ過し、ろ過液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (石油エーテル:酢酸エチル=6:1) により分離し黄色油状物を得て、無水エーテル5mlに溶解させ、室温下で乾燥HCl気体を通し、溶液をPH=2とし、ろ過し、乾燥して淡黄色粉末1.20gを得る。その收率は56.3%で、mp175〜177℃である。
ESI-MS(m/z):625.3
[M+H]+
IR(cm-1):3349,3074,2950,2837,2440,1692,1527,1503,1349,1254,1214,1121,1099,1021,747,706
1H-NMR(CDCl3):d2.36(6H,s,C2,6-CH3),2.45-2.65(13H,m,2×-NCH2CH2N,-COOCH2CH2N,-NCH2CH(OH)),3.65(3H,s,-COOCH3),3.85(3H,s,-OCH3),4.03(2H,d,-CH2O),4.15(3H,m,-COOCH2CH2N,-OH),5.10(1H,s,C4-H),5.75(1H,brs,-NH,),6.88-6.96(4H,m,methoxypheny -H),7.37( 1H,t,m-Nitrophenyl
5-H),7.64(1H,d,m-Nitrophenyl 6-H),8.00(1H,d,m-Nitrophenyl 4-H),8.09(1H,s,m-Nitrophenyl
2-H)
【0065】
(実施例21)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩(II2)
II1合成方法を参照し、Ib2とIIaより合成し、その收率は52.1%で、mp168〜171℃である。
ESI-MS(m/z):639.2[M+H]+
IR(cm-1):3389,3078,2950,2839,2642,2439,1689,1527,1503,1349,1253,1216、1122,1097,1019,957,747,706
1H-NMR(CDCl3):d2.29(2H,t,-COOCH2CH2CH2N),2.36(6H,s,C2,6-CH3),2.58(12H,m,2×-NCH2CH2N,-COOCH2CH2CH2N,-NCH2CH(OH)),3.65(3H,s,-COOCH3),3.85(3H,s,-OCH3),4.03(2H,d,-CH2O),4.10(3H,m,-COOCH2,-CHOH
),5.08(1H,s,C4-H),5.71(1H,brs,-NH),6.92(4H,m,methoxyphenyl-H),7.37(1H,t,Nitrophenyl
5-H),7.64(1H,d,Nitrophenyl 6-H),7.99(1H,d,Nitrophenyl
4-H),8.10(1H,s,Nitrophenyl 2-H)
【0066】
(実施例22)1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル4-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル)ピペラジン)ブチルエステル塩酸塩(II3)
II1合成方法を参照し、Ib3とIIaより合成し、その收率は48.7%で、mp142〜145℃である。
ESI-MS(m/z):653.4 [M+H]+
IR(cm-1):3341,3073,2949,2836、2580,1692,1527,1503,1348,1253,1215,
1122,1097,1020,746、705
1H-NMR(CDCl3):d1.37(2H,m,-COOCH2CH2CH2CH2N),1.55(2H,m,-COOCH2CH2CH2CH2N),2.10-2.60(19H,m,-COOCH2CH2CH2CH2N,C2,6-CH3,2×-NCH2CH2N,-NCH2CH(OH)),3.57(3H,s,-COOCH3),3.77(
3H,s,-OCH3),3.95-4.05(2H,d,-CH2O),4.05(3H,m,-COOCH2,-CHOH),5.02(1H,s,C4-H),5.89(1H,brs,-NH),6.80-6.90(4H,m,methoxypheny-H),7.29(1H,t,m-Nitrophenyl
5-H),7.56(1H,d,m-Nitrophenyl 6-H),7.93(1H,d,m-Nitrophenyl 4-H),8.02(1H,s,m-Nitrophenyl 2-H)
【0067】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は特許請求の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩性を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物或いはその薬用塩は以下の通りで、
【化1】

内、R1は置換の或いは無置換の複素環、芳香環或いはアラルキルを表し、置換基は、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチルチオ基、ナイトロ基、アミノ基、或いはヒドロキシから選択し、
R2は、C1-C8アルキル基を表し、前記アルキル基は、ヒドロキシ基或いはC1-C6アルコキシ基置換基を任意に選択して帯び、
R3とR4は同一或いは非同一で、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチルチオ基、ナイトロ基、アミノ基、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、C1-C4アルケニル基或いはC1-C4アルキニル基を表し、
R5とR6は同一或いは非同一で、C1-C4アルキル基を表し、前記アルキルは、ヒドロキシ基或いはC1-C4アルコキシ基置換基を任意に選択して帯び、
XはO、S或いは単結合を表し、
m=0-6、n=1-6で、しかもm とnは同一或いは非同一であることを特徴とする一般式(I)の化合物或いはその薬用塩。
【請求項2】
一般式(II)の化合物或いはその薬用塩は以下の通りで、
【化2】

内、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X、nは、請求項1と相同に定義することを特徴とする一般式(II)の化合物或いはその薬用塩。
【請求項3】
前記R1は、2-メトキシフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、ニトロフェニル基、メチルフェニル基或いはジフェニルメタン基を表し、
前記R2は、メチル基、エチル基を表し、
前記R3は、水素或いは3-ナイトロ基を表し、
前記R4は、水素或いは3-ナイトロ基を表し、
前記R5と前記R6とは、同時にメチル基を表し、
前記XはO或いは単結合を表し、
m=0、1、2或いは3;n=2、3或いは4であることを特徴とする請求項1或いは2に記載の化合物或いはその薬用塩。
【請求項4】
前記薬用塩は、一般式(I)化合物、一般式(II)化合物と、硫酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸、燐酸、ギ酸、酢酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ピルビン酸或いはフマル酸エステル等の酸形成の加成塩を含むことを特徴とする請求項1或いは2に記載の化合物或いはその薬用塩。
【請求項5】
前記薬用塩は、一般式(I) 、一般式(II)化合物の一塩酸塩或いは二塩酸塩であることを特徴とする請求項1或いは2に記載の化合物或いはその薬用塩。
【請求項6】
前記化合物或いはその薬用塩は、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)エチルエステル、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)プロピルエステル、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル4-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)ブチルエステル、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(2-(2-メトキシフェノキシ)エチル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル4-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)ブチルエステル塩酸塩、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(ジフェニルメチルエチルケトン)ピペラジン)エチルエステル塩酸塩、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(ジフェニルメチルエチルケトン)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(4-ニトロベンジル)ピペラジン)エチルエステル塩酸塩、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(4-ニトロベンジル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(4-メチルベンジル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン)エチルエステル、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル4-(N-4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン)ブチルエステル塩酸塩、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(2-(2-メトキシフェノキシ)エチル)ピペラジン)エチルエステル塩酸塩、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸エチル2-(N-4-(2-(2-メトキシフェノキシ)エチル)ピペラジン)エチルエステル、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸エチル3-(N-4-(2-(2-メトキシフェノキシ)エチル)ピペラジン)プロピルエステル、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸エチル2-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)エチルエステル、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸エチル3-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)プロピル)ピペラジン)プロピルエステル、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル2-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル)ピペラジン)エチルエステル塩酸塩、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル3-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル)ピペラジン)プロピルエステル塩酸塩、
1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸メチル4-(N-4-(3-(2-メトキシフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル)ピペラジン)ブチルエステル塩酸塩より選択することを特徴とする請求項1或いは2に記載の化合物或いはその薬用塩。
【請求項7】
前記化合物或いはその薬用塩の調製方法は、一般式Ibと一般式Icに置換反応を発生し、或いは一般式Iaと一般式Idに置換反応を発生するステップを含み、
【化3】

内、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X、m、nは、請求項1と相同の定義で、Yはハロゲン原子を表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物或いはその薬用塩の調製方法。
【請求項8】
前記一般式Ibは、NaOH触媒下で、一般式Icと置換反応を発生し、
或いは一般式Ibはトリエチルアミン触媒下で、一般式Icと置換反応を発生し、
或いは一般式Ibと一般式Icは直接置換反応を発生し、
一般式Iaは、NaOH触媒下で、一般式Idと置換反応を発生し、
或いは一般式Iaはトリエチルアミン触媒下で、一般式Idと置換反応を発生し、
或いは一般式Iaは一般式Idと直接置換反応を発生することを特徴とする請求項7に記載の調製方法。
【請求項9】
前記化合物或いはその薬用塩の調製方法は、一般式Ib はトリエチルアミン触媒下で、一般式IIaと加成反応のステップを発生し、
【化4】

内、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X、nは請求項1と相同に定義することを特徴とする請求項2に記載の化合物或いはその薬用塩の調製方法。
【請求項10】
前記化合物或いはその薬用塩は、心血管疾病を治療する薬物の調整に応用することを特徴とする請求項1或いは2に記載の化合物或いはその薬用塩。

【公表番号】特表2011−509948(P2011−509948A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542502(P2010−542502)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【国際出願番号】PCT/CN2009/070031
【国際公開番号】WO2009/092301
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(510198549)福建広生堂薬業有限公司 (1)
【Fターム(参考)】