説明

ジョイントコネクタ

【課題】大型化することなく、負荷が予期せぬ回路の増設をされたとしても基板の焼損を防止することができるジョイントコネクタを提供する。
【解決手段】電源と負荷との間に設けられ基板5を介して電源から負荷に電力が供給され、基板5は、電源と基板5との間を流れる過電流によって電力供給を遮断する電源側に設けられた電源側遮断部が作動する定格電流値よりも低い許容電流値を有するジョイントコネクタ1において、基板5には、負荷を流れる電流が作動電流値となったときに基板5と負荷との間の電力供給を遮断する負荷側遮断部7を設け、作動電流値の上限を、許容電流値未満に設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に適用されるジョイントコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ジョイントコネクタとしては、コネクタハウジングと、回路がプリント配索された基板が複数積層された多層基板とを備え、電源からの電力を多層基板を介して複数の負荷に分岐して供給するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このジョイントコネクタでは、多層基板の各基板間に接続される接続端子が差し込まれて所望の層の回路を導通させるプレスフィット部を有している。このような接続端子を適用することにより、これまでにバスバーなどで端子間接続を行っていた場合よりも省スペース化でき、回路の自由度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−160235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなジョイントコネクタでは、ジャンクションボックスなどの電源から基板に電力が供給されており、負荷に流れる過電流を防止するヒューズなどがジャンクションボックス内に設けられている。このようなヒューズは、基板を介して負荷に供給される電流が定格電流値となったときに、電源と基板との間の電力供給を遮断し、負荷への電力供給を遮断する。
【0006】
このような電源と基板との間に設けられたヒューズの電力供給を遮断する定格電流値は、基板に最大で流すことができる容量である許容電流値よりも高く設定されている場合がある。これは、負荷に流れる通常電流値の最大値が許容電流値未満に設定されており、通常の状態では基板に許容電流値以上の電流が流れることがないと考えられるためである。
【0007】
しかしながら、負荷に通常電流値よりも大きな電流が流れる場合、例えば、室内灯、車幅灯、シガーライターなどのアクセサリソケットなどのユーザが任意に増設する可能性のある回路が、任意に増設されることにより通常電流値よりも大きな電流が流れる場合、電源と基板との間のヒューズが電力供給を遮断する前に、基板に許容電流値以上の電流が流されてしまい、基板が焼損してしまう恐れがあった。
【0008】
そこで、電源と基板との間のヒューズが作動する定格電流値を基板の許容電流値未満にすることが考えられるが、このヒューズが設けられた回路(電源と基板との間の回路)に他の負荷や他の負荷が接続された基板が分岐して接続される可能性がある。
【0009】
このように他の負荷や基板が分岐して接続された場合、電源と基板との間のヒューズを基板の許容電流値未満で作動させようとすると、過電流ではない通常電流値の電流が流れる通常使用時にも遮断してしまう恐れがある。また、他の基板を分岐させずに単独で設ける場合には、他の基板専用の電源が必要となり、部品点数や配置スペースの増大を引き起こしてしまう。このため、安易に電源と基板との間のヒューズが作動する定格電流値を低下させることができなかった。
【0010】
また、基板の許容電流値を上げることも考えられるが、基板のパターン幅を広くしなければならず、ジョイントコネクタが大型化してしまう。
【0011】
そこで、この発明は、ジョイントコネクタが大型化することなく、負荷が予期せぬ回路の増設をされたとしても基板の焼損を防止することができるジョイントコネクタの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明は、電源と負荷との間に設けられ基板を介して前記電源から前記負荷に電力が供給され、前記基板は、前記電源と前記基板との間を流れる過電流によって電力供給を遮断する前記電源側に設けられた電源側遮断部が作動する定格電流値よりも低い許容電流値を有するジョイントコネクタであって、前記基板には、前記負荷を流れる電流が作動電流値となったときに前記基板と前記負荷との間の電力供給を遮断する負荷側遮断部が設けられ、前記作動電流値の上限は、前記許容電流値未満に設定されていることを特徴とする。
【0013】
このジョイントコネクタでは、基板に負荷を流れる電流値が作動電流値となったときに基板と負荷との間の電力供給を遮断する負荷側遮断部が設けられているので、電源と基板との間に設けられた電源側遮断部と負荷側遮断部とが作動する電流値を異ならせて設定させることができ、電源側遮断部が作動する定格電流値を変更する必要がない。このため、電源側遮断部が通常使用時に作動することがなく、電源と基板との間に他の負荷や基板を分岐して増設させることができる。
【0014】
また、負荷側遮断部が作動する作動電流値の上限は、許容電流値未満に設定されているので、負荷が通常電流値よりも大きな電流を必要とする回路に増設されたとしても、電源側遮断部が作動する前に負荷側遮断部が作動し、基板に許容電流値以上の電流が流れることがない。このため、負荷が予期せぬ回路の増設をされたとしても、基板が焼損することがない。加えて、基板のパターン幅を広くする必要もない。
【0015】
従って、このようなジョイントコネクタでは、ジョイントコネクタが大型化することなく、負荷が予期せぬ回路の増設をされたとしても基板の焼損を防止することができる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のジョイントコネクタであって、前記負荷は、前記基板に複数接続され、前記負荷側遮断部は、前記複数の負荷を流れる電流の合計電流値が前記作動電流値になったときに作動されることを特徴とする。
【0017】
このジョイントコネクタでは、基板と複数の負荷との間に設けられた負荷側遮断部は、複数の負荷を流れる電流の合計電流値が作動電流値になったときに作動されるので、増設される可能性がある全ての負荷が通常電流値よりも大きな電流を必要とする回路に増設された場合でも、基板に許容電流値以上の電流が供給されることがなく、基板の焼損を防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ジョイントコネクタが大型化することなく、負荷が予期せぬ回路の増設をされたとしても基板の焼損を防止することができるジョイントコネクタを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るジョイントコネクタの断面図である。
【図3】(a)は本発明の実施の形態に係るジョイントコネクタの基板の斜視図である。(b)は本発明の実施の形態に係るジョイントコネクタの基板の拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るジョイントコネクタの負荷側遮断部の回路図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るジョイントコネクタの基板と負荷との間に負荷側遮断部を設けたときの回路図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るジョイントコネクタの基板と複数の負荷との間に負荷側遮断部を設けたときの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜図6を用いて本発明の実施の形態に係るジョイントコネクタについて説明する。
【0021】
本実施の形態に係るジョイントコネクタ1は、電源としてのジャンクションボックスBと負荷3,3nとの間に設けられ基板5を介してジャンクションボックスBから負荷3,3nに電力が供給される。
【0022】
また、基板5は、ジャンクションボックスBと基板5との間を流れる過電流によって電力供給を遮断するジャンクションボックスB側に設けられた電源側遮断部6が作動する定格電流値よりも低い許容電流値を有する。
【0023】
そして、基板5には、負荷3,3nを流れる電流が作動電流値となったときに基板5と負荷3,3nとの間の電力供給を遮断する負荷側遮断部7,7nが設けられ、作動電流値の上限は、許容電流値未満に設定されている。
【0024】
また、基板5と複数の負荷3nとの間に設けられた負荷側遮断部7nは、複数の負荷3nを流れる電流の合計電流値が作動電流値になったときに作動される。
【0025】
図1〜図6に示すように、基板5は、複数の基板5n(ここでは4枚)が積層された多層基板からなる。これらの各基板5nには、表面に所望の回路パターンCがプリントによって複数配索されている。また、各基板5nは、接着や固定部材などによる固定手段によって固定される。このような各基板5nの回路パターンCは、電源端子11と出力端子13との間を接続する出入力回路Cdと、複数の接続端子9によって接続されて所望の回路が形成されるジョイント回路Cjとを有する。なお、基板5は、多層基板に限らず、表裏面に回路パターンCが配索された単板であってもよい。
【0026】
接続端子9は、導電性材料からなり、複数の端子群からなる。この複数の接続端子9は、所望の回路を形成するために、基板5の表面から基板5に差し込まれ、各基板5n間のジョイント回路Cjを導通させる。このような接続端子9によって所望の回路が形成された基板5には、ジャンクションボックスBから電力が供給される。
【0027】
ジャンクションボックスBは、バッテリ(不図示)からの電源が供給される分岐接続箱となっており、バッテリから供給された電源を基板5に接続される電源端子11を介して基板5に供給する。このジャンクションボックスB内には、電源端子11から基板5に電源を供給する回路上に電源側遮断部6が設けられている。
【0028】
電源側遮断部6は、大容量ヒューズからなり、ジャンクションボックスBから基板5に供給される電流値が定格電流値に達するような過電流によって作動する。この電源側遮断部6が作動すると、基板5とジャンクションボックスBとの間の電力供給が遮断され、ジャンクションボックスBから基板5を介した負荷3,3nへの電力供給が遮断される。
【0029】
このような電源側遮断部6が設けられたジャンクションボックスBに接続された基板5には、負荷3,3nに電源を出力する出力端子13が接続されると共に、車両ボディなどに接地される接地端子15が接続される。また、基板5には、負荷3,3nを制御する制御手段(不図示)が発信する制御信号としての多重信号を基板5に入力させる多重通信端子17が接続されている。なお、基板5には、故障診断機能と通信回路を有する通信機能付きのドライバIC19が設けられており、負荷3,3nや基板5における万一の故障時にも対応が可能となっているが、負荷3,3nへ流れる過電流の対応のみとする場合には必ずしもこのドライバIC19を基板5に設けなくともよい。このような各部品が組み付けられた基板5は、ハウジング21に収容される。
【0030】
ハウジング21は、アッパーケース23と、ロアケース25とからなる。アッパーケース23は、基板収容部27と、電源側嵌合部29と、負荷側嵌合部31とを備えている。基板収容部27は、ロアケース25との嵌合面側に設けられ、複数の接続端子9や電子部品などが搭載された基板5が収容される。
【0031】
電源側嵌合部29は、基板5の電源端子11や出力端子13などが位置する部分に設けられ、電源端子11、出力端子13、接地端子15及び多重通信端子17の基板5に接続された部分と反対側の接続部が内部に配置されている。この電源側嵌合部29には、ジャンクションボックスや制御手段などに接続された相手側コネクタ(不図示)が嵌合され、各端子の接続部に導通される。また、この電源側嵌合部29に嵌合される相手側コネクタには、出力端子13に導通される負荷3が接続されている。このため、負荷3は、基板5の出入力回路Cdを介してジャンクションボックスBから電力が供給される。
【0032】
負荷側嵌合部31は、基板5の複数の接続端子9が位置する部分に設けられ、接続端子9の基板5に接続された部分と反対側の接続部が内部に配置されている。この負荷側嵌合部31には、複数の負荷3nに接続された相手側コネクタ(不図示)が嵌合され、各接続端子9の接続部に導通される。このため、複数の負荷3nは、基板5のジョイント回路Cjを介してジャンクションボックスBから電力が供給される。
【0033】
ロアケース25は、アッパーケース23の基板収容部27を閉塞するようにアッパーケース23に組み付けられる。このロアケース25は、アッパーケース23の基板収容部27に基板5を収容した後、アッパーケース23に組み付けられる。このように負荷3,3nは、ハウジング21を介して基板5に接続される。
【0034】
負荷3,3nは、例えば、車両に設けられた室内灯、車幅灯、シガーライターなどのアクセサリソケットなどの電子装置に接続されている。負荷3には、ジャンクションボックスBからの電源が電源端子11と基板5の出入力回路Cdと出力端子13とを介して入力される。複数の負荷3nには、ジャンクションボックスBからの電源が電源端子11と基板5のジョイント回路Cjと接続端子9とを介して入力される。このような負荷3,3nに接続された電子装置は、ユーザが任意に回路を増設可能であり、増設された回路によって負荷3,3nに供給される電力が決定される。
【0035】
このようにジャンクションボックスBと負荷3,3nとの間に配置された基板5の回路パターンCは、電源側遮断部6が作動する定格電流値よりも低い許容電流値となっている。このため、負荷3,3nに通常電流値よりも大きな電流を必要とする回路が増設された場合、電源側遮断部6が作動する前に許容電流値以上の電流が基板5に流れてしまう可能性があり、最悪の場合、基板5が焼損してしまう場合がある。そこで、基板5には、負荷3及び複数の負荷3nとの間に負荷側遮断部7,7nがそれぞれ設けられている。
【0036】
負荷側遮断部7,7nは、インテリジェントパワースイッチ(IPS)からなり、図4に示すように、負荷3,3n側に接続された出力トランジスタ33を断続するスイッチ回路35と、検出回路37とを備えている。これらの出力トランジスタ33、スイッチ回路35及び検出回路37は、電源端子11から作動するための電源(Vb)が供給される。スイッチ回路35は、多重通信端子17(ドライバIC19)から信号INが入力される。この信号INが負荷3,3nを駆動させる指令であるときには、ON状態となり出力トランジスタ33を介して信号OUTを負荷3,3nに出力する。信号INが負荷3,3nを停止させる指令であるときには、OFF状態となり、出力トランジスタ33から信号OUTが負荷3,3nに出力されない。このようなスイッチ回路35は、検出回路37で検出された負荷3,3nを流れる電流値によってもその作動が制御される。
【0037】
検出回路37は、まず、基板5から負荷3,3nに流れる電流値を検出する。次に、検出回路37は、検出した電流値が基板5の許容電流値未満であるか、否かを判断する。このとき、検出した電流値が基板5の許容電流値未満である場合には、そのままスイッチ回路35のON状態を継続させる。検出した電流値が基板5の許容電流値に非常に近似する場合には、スイッチ回路35を強制的にOFF状態にさせ、基板5と負荷3,3nとの間の電力供給を遮断する。
【0038】
ここで、基板5と負荷3との間に設けられた負荷側遮断部7と、基板5と複数の負荷3nとの間に設けられた負荷側遮断部7nとは、基本的に作動する条件は同じで、作動する上限が基板5の許容電流値未満に設定されている。すなわち、負荷側遮断部7,7nが作動する作動電流値の上限は、基板5の回路パターンCの許容電流値未満に設定されている。詳細には、負荷側遮断部7の作動電流値の上限は、出入力回路Cdの許容電流値未満に設定され、負荷側遮断部7nの作動電流値の上限は、ジョイント回路Cjの許容電流値未満に設定されている。
【0039】
基板5と負荷3との間に設けられた負荷側遮断部(IPS)7は、図5に示すように、ジャンクションボックスBからの電源(+B)が出入力回路Cdを介して出力端子13から負荷3に出力(OUT)される回路上に設けられている。また、負荷側遮断部7は、接地(GND)されている。また、電源(+B)と負荷側遮断部7との回路上には、ドライバIC19が設けられている。また、ドライバIC19には、多重通信端子17からの多重信号(MPX)が入力されると共に、接地端子15に接続されて接地(GND)されている。このドライバIC19に入力された情報は、負荷側遮断部7に信号INとして入力され、負荷3側に信号OUTとして出力される。
【0040】
このような基板5と負荷3との間に設けられた負荷側遮断部7は、出入力回路Cdを介して負荷3のみに供給される電流値を検出しており、負荷3に通常電流値よりも大きな電流を必要とする回路が増設された場合に作動して、基板5と負荷3との間の電力供給を遮断する。このため、出入力回路Cdに許容電流値以上の電流が流されることがなく、基板5の出入力回路Cdにおける焼損を防止することができる。
【0041】
基板5と複数の負荷3nとの間に設けられた負荷側遮断部(IPS)7nは、図6に示すように、ジャンクションボックスBからの電源(+B)がジョイント回路Cjを介して接続端子9から複数の負荷3nに出力される回路において、電源(+B)とジョイント回路Cjとの間の回路上に設けられている。なお、その他の構成は、図5に示す回路と同様であるので、説明を省略する。
【0042】
このような基板5と複数の負荷3nとの間に設けられた負荷側遮断部7nは、ジョイント回路Cjよりも上流に配置されているので、ジョイント回路Cjを介して複数の負荷3nに供給される電流の合計電流値を検出していることになる。このため、複数の負荷3nのうちいずれか1つの負荷3nに通常電流値よりも大きな電流を必要とする回路が増設された場合や、複数の負荷3nに供給される合計電流値が基板5(ジョイント回路Cj)の許容電流値に非常に近似してしまう場合には、負荷側遮断部7nが作動して基板5と負荷3nとの間の電力供給を遮断する。このため、ジョイント回路Cjに許容電流値以上の電流が流されることがなく、基板5のジョイント回路Cjにおける焼損を防止することができる。
【0043】
このように負荷側遮断部7,7nは、作動する作動電流値の上限が基板5の回路パターンCの許容電流値未満に設定されているので、負荷3,3nに通常電流値よりも大きな電流を必要とする回路が増設されたとしても、基板5に許容電流値以上の電流が流れることがなく、基板5の焼損を防止することができる。
【0044】
このようなジョイントコネクタ1では、基板5に負荷3,3nを流れる電流値が作動電流値となったときに基板5と負荷3,3nとの間の電力供給を遮断する負荷側遮断部7,7nが設けられているので、ジャンクションボックスBと基板5との間に設けられた電源側遮断部6と負荷側遮断部7,7nとが作動する電流値を異ならせて設定させることができ、電源側遮断部6が作動する定格電流値を変更する必要がない。このため、電源側遮断部6が通常使用時に作動することがなく、ジャンクションボックスBと基板5との間に他の負荷や基板を分岐して増設させることができる。
【0045】
また、負荷側遮断部7,7nが作動する作動電流値の上限は、基板5の許容電流値未満に設定されているので、負荷3,3nが通常電流値よりも大きな電流を必要とする回路に増設されたとしても、電源側遮断部6が作動する前に負荷側遮断部7,7nが作動し、基板5に許容電流値以上の電流が流れることがない。このため、負荷3,3nが予期せぬ回路の増設をされたとしても、基板5が焼損することがない。加えて、基板5のパターン幅を広くする必要もない。
【0046】
従って、このようなジョイントコネクタ1では、ジョイントコネクタ1が大型化することなく、負荷3,3nが予期せぬ回路の増設をされたとしても基板5の焼損を防止することができる。
【0047】
また、基板5と複数の負荷3nとの間に設けられた負荷側遮断部7nは、複数の負荷3nを流れる電流の合計電流値が作動電流値になったときに作動されるので、増設される可能性がある全ての負荷3nが通常電流値よりも大きな電流を必要とする回路に増設された場合でも、基板5に許容電流値以上の電流が流れることがなく、基板5の焼損を防止することができる。
【0048】
なお、本発明の実施の形態に係るジョイントコネクタでは、電源としてジャンクションボックスを適用しているが、これに限らず、電源としてバッテリを適用し、バッテリから直接基板に電源が供給される構成としてもよい。この場合、電源側遮断部は、バッテリと基板との間に設けられたヒュージブルリンク(FL)などのヒューズが好ましい。
【符号の説明】
【0049】
1…ジョイントコネクタ
3,3n…負荷
5…基板
6…電源側遮断部
7,7n…負荷側遮断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と負荷との間に設けられ基板を介して前記電源から前記負荷に電力が供給され、前記基板は、前記電源と前記基板との間を流れる過電流によって電力供給を遮断する前記電源側に設けられた電源側遮断部が作動する定格電流値よりも低い許容電流値を有するジョイントコネクタであって、
前記基板には、前記負荷を流れる電流が作動電流値となったときに前記基板と前記負荷との間の電力供給を遮断する負荷側遮断部が設けられ、前記作動電流値の上限は、前記許容電流値未満に設定されていることを特徴とするジョイントコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のジョイントコネクタであって、
前記負荷は、前記基板に複数接続され、前記負荷側遮断部は、前記複数の負荷を流れる電流の合計電流値が前記作動電流値になったときに作動されることを特徴とするジョイントコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−129063(P2012−129063A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279233(P2010−279233)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】