説明

ジョブ実行装置

【課題】USBメモリ等の外部記憶装置を解除可能に接続して、外部記憶装置に関するジョブを実行する場合のユーザの操作を簡易にして、操作性を向上したジョブ実行装置を提供する。
【解決手段】外部記憶装置320〜322を解除可能に接続するための第1及び第2の接続手段20〜22と、前記外部記憶装置の前記接続手段への接続を検知する検知手段311aと、ジョブの操作モードを表示する操作モード表示手段12と、検知手段により前記第1の接続手段への外部記憶装置の接続が検出されたときは、前記表示手段に第1の操作モードを表示させ、前記第2の接続手段への外部記憶装置の接続が検出されたときは、前記表示手段に前記第1の操作モードとは異なる第2の操作モードを表示させる制御手段311と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、解除自在に接続されるUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部記憶装置の記憶情報についてのジョブを実行可能なジョブ実行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、ジョブ実行装置である画像形成装置の1つであり、プリンタ機能、コピー機能、FAX機能、スキャナ機能などを有するMFP(Multi Function Peripherals)として、差込口が他の周辺機器と共通規格で対応できる複数のUSBメモリを外部記憶装置として装着・接続できるようにしたものが提案されている。
【0003】
このような画像形成装置では、差込口に差し込まれたUSBメモリ内の記憶情報をコピーしたり、電子メール送信やFTP( File Transfer Protocol)送信等によりファイルとして送信したり、ファクシミリ送信する等、各種のジョブを実行することが可能である。
【0004】
しかし、USBメモリ内の記憶情報についてジョブを実行するためには、ユーザは操作パネル等を操作してジョブの操作モードの画面、例えばコピーモードやファクシミリ送信モードの画面を表示部に表示させたのち、所定の設定を行う必要があり、面倒であった。
【0005】
なお、特許文献1には、USB等の複数のインターフェースを有し、原稿画像の読み取り中に、ホストコンピュータから前記インターフェースを通して自動プリントする技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−337664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1には、USBメモリに関するジョブを実行するためにユーザが操作パネル等を操作してジョブの操作モードの画面を表示部に表示させなければならない煩わしさの回避については、何らの開示もなされていない。
【0007】
この発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、USBメモリ等の外部記憶装置を解除可能に接続して、外部記憶装置に関するジョブを実行する場合のユーザの操作を簡易にして、操作性を向上したジョブ実行装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)外部記憶装置を解除可能に接続するための第1及び第2の接続手段と、前記外部記憶装置の前記接続手段への接続を検知する検知手段と、ジョブを実行するための操作モードを表示する操作モード表示手段と、前記検知手段により前記第1の接続手段への外部記憶装置の接続が検出されたときは、前記表示手段に第1の操作モードを初期表示させ、前記第2の接続手段への外部記憶装置の接続が検出されたときは、前記表示手段に前記第1の操作モードとは異なる第2の操作モードを初期表示させる制御手段と、を備えたことを特徴とするジョブ実行装置。
(2)外部記憶装置の記憶情報をコピーするコピー機能を有し、前記第1の操作モードはコピーモードである前項1に記載のジョブ実行装置。
(3)外部記憶装置の記憶情報をファイルとして送信するスキャン送信機能を有し、前記第1の操作モードはスキャン送信モードである前項1に記載のジョブ実行装置。
(4)外部記憶装置の記憶情報をファクシミリ送信するファクシミリ送信機能を有し、前記第1の操作モードはファクシミリ送信モードである前項1に記載のジョブ実行装置。
(5)外部記憶装置の記憶情報をコピーするコピー機能、外部記憶装置の記憶情報をファイルとして送信するスキャン送信機能、外部記憶装置の記憶情報をファクシミリ送信するファクシミリ送信機能を有し、前記第1の操作モードとしてコピーモード、スキャン送信モード、ファクシミリ送信モードのいずれかを選択する選択手段を備えている前項1に記載のジョブ実行装置。
(6)前記第1、第2の接続手段はUSB規格によるものである前項1に記載のジョブ実行装置。
(7)所定のジョブ操作モードが設定された前記外部記憶装置の前記第1または第2の接続手段への接続が検出されたときは、前記制御手段は、前記第1または第2の操作モードよりも優先して、前記外部記憶装置に設定された所定の操作モードを表示手段に初期表示する前項1に記載のジョブ実行装置。
【発明の効果】
【0009】
前項(1)に記載の発明によれば、外部記憶装置が第1の接続手段に接続されたときは表示手段に第1の操作モードが初期表示され、第2の接続手段に接続されたときは第1の操作モードとは異なる第2の操作モードが初期表示されるから、外部記憶装置を第1,第2の接続手段に接続すると、各接続手段に応じたジョブの操作モードが表示手段に自動的に初期表示されることになる。従って、外部記憶装置に関するジョブを実行する場合に、ユーザはジョブの操作モードを選択してその画面を表示手段に表示させる必要がなくなり、表示された操作モード画面で所定の設定操作をスタートすれば良く、操作が簡易になり操作性が向上する。
【0010】
前項(2)に記載の発明によれば、第1の操作モードとして、外部記憶装置の記憶情報をコピーするためのコピーモードが表示されるから、ユーザは直ちにコピー枚数の設定等の具体的な設定を行うことができる。
【0011】
前項(3)に記載の発明によれば、第1の操作モードとして、外部記憶装置の記憶情報をファイルとして送信するためのスキャン送信モードが表示されるから、ユーザは直ちに送信宛先の設定等の具体的な設定を行うことができる。
【0012】
前項(4)に記載の発明によれば、第1の操作モードとして、外部記憶装置の記憶情報をファクシミリ送信するためのファクシミリ送信モードが表示されるから、ユーザは直ちに送信宛先の設定等の具体的な設定を行うことができる。
【0013】
前項(5)に記載の発明によれば、第1の操作モードとしてコピーモード、スキャン送信モード、ファクシミリ送信モードのいずれかを選択する選択手段を備えているから、第1の接続手段に対し、初期表示される操作モードを自由に設定することができる。
【0014】
前項(6)に記載の発明によれば、第1、第2の接続手段はUSB規格によるものであるから、USBメモリ等のUSB規格による外部記憶装置の使用が可能となる。
【0015】
前項(7)に記載の発明によれば、所定のジョブ操作モードが設定された前記外部記憶装置の前記第1または第2の接続手段への接続が検出されたときは、前記第1または第2の操作モードよりも優先して、前記外部記憶装置に設定された所定の操作モードが表示手段に初期表示されるから、ユーザは第1,第2の接続手段に対応する操作モードにかかわらず、自己が設定した外部記憶装置の操作モードを初期表示させることができ、さらに使い勝手が良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔MFP全体構成〕
図1は、この発明の一実施形態に係る記憶情報処理装置が適用された画像形成装置としてのMFPを示す斜視図である。
【0017】
図1において、MFP1は、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能等を有するデジタル複合機であり、ネットワークNW(図2)を介してユーザ端末等との間でデータの送受信が可能である。
【0018】
MFP1は、複数(この実施形態では3個)のUSB規格の外部機器を着脱可能な接続手段としての第1〜第3の3個の差込口20,21,22を有しており、この差込口20,21,22にUSBインターフェイスを有する外部機器、例えば外部記憶装置であるUSBメモリ320,321,322(図3)を接続することにより、外部機器とMFP1の間で、双方のデータ送受信が可能となされている。以下、差込口20,21,22をUSB差込口あるいはUSBコネクタという。
【0019】
MFP1は操作パネル10を備えており、この操作パネル10は、複数のキー11aと、当該キー11aに対するユーザの操作による各種の指示や、文字、数字などのデータの入力を受付ける操作部11と、ユーザに対する指示メニューや取得した画像に関する情報などの表示を行なう液晶等からなるディスプレイ12を有している。
【0020】
また、MFP1は、原稿を光学的に読取って画像データを得るスキャナ部13と、画像データに基づいて記録シート上に画像を印刷するプリンタ部14とを備えている。
【0021】
またMFP1の本体上面には、原稿をスキャナ部13に送るフィーダ部17が、下部にはプリンタ部14に記録シートを供給する給紙部18が、中央部にはプリンタ部14によって画像を印刷された記録シートが排出されるトレイ19がそれぞれ配備されている。さらにMFP1の本体の内部には、ネットワークNWを介して外部機器との間で画像データなどの送受信を行なう通信部16、および画像データなどを記憶する記憶部312などが備えられている。
【0022】
なお、MFP1は、ネットワーク・インターフェイスを有し、前記通信部16は外部機器との間で各種データの送受信が可能なように、前記ネットワーク・インターフェイスを介してネットワークNWに接続されている。
【0023】
前記ディスプレイ12は、データ送信の宛先の一覧表示を含む種々の表示に使用される。また、前記操作部11は、ユーザによる送信先の選択を含む種々の入力に用いられるものである。これらがユーザインターフェイスの要部として機能する。
【0024】
前記スキャナ部13は、写真、文字、絵などの画像情報を原稿から光電的に読取って画像データを取得する。取得された画像データ(濃度データ)は、図示しない画像処理部においてデジタルデータに変換され、周知の各種画像処理を施された後、プリンタ部14や通信部16に送られ、画像の印刷やデータの送信に供されるか、または、後の利用のために記憶部23に格納される。
【0025】
前記プリンタ部14は、スキャナ部13により取得された画像データ、通信部16により外部機器から受信した画像データ、または記憶部23に格納されている画像データに基づいて記録シート上に画像を印刷するものである。
【0026】
前記通信部16は、公衆電話回線を介してファクシミリデータの送受信を行なう他、LAN、インターネットなどのネットワークNWを介して、該ネットワークNWに接続される外部機器との間で電子メールなどを用いてデータの送受信を行なう。
【0027】
これにより、MFP1は、通常のファクシミリ通信を行なうファクシミリ装置としての機能のみならず、電子メールの送受信端末としての機能も有する。したがって、電子メールの添付ファイルとして、各種画像データを送受信することもできる。なお、MFP1が行なうネットワーク通信は有線でもよく無線でもよいが、図示の例では有線による通信方式が採用されている。
〔ネットワークの概要〕
図2は、この発明の一実施形態を説明するためのネットワーク接続例を示すものである。
【0028】
図2において、ネットワークNWは、ジョブとしての印字処理を要求する複数台の外部機器(端末)としてのパーソナルコンピュータ(以下PCともいう)2(2A,2B・・・)と、 このジョブを実行する複数台のMFP1(1A,1B,1C・・・)によって構成されている。ここで、各MFP1は、マルチジョブ機能を有するものとする。
【0029】
マルチジョブ機能とは、デジタル化された画像データを用いて画像形成を行うデジタル複写機やプリンタ等の画像形成装置において、イメージリーダ等を用いて読み取った画像データをデジタル処理して画像形成に用いるものや、画像形成装置に接続された前記PC2等の外部端末から送信されてきた画像データを用いて画像形成を行うことができる機能である。また、画像形成を行いながら画像データの取得を行うことができる機能もマルチジョブ機能の一環である。
【0030】
マルチジョブ機能を備える画像形成装置では、イメージリーダにより読み取られた一塊の原稿から得られた画像データを用いた画像形成や、PCから送信された画像データを用いた画像形成を、それぞれ一つのジョブとして取り扱い、ジョブ単位で順次画像形成を行っていく。
【0031】
すなわち、原稿を読み取って得た画像データや、PCから送信された画像データは、それぞれのジョブの識別子(以下、「ジョブID」という。)と対応付けられて画像メモリに蓄積される一方、ジョブIDはそれぞれのジョブが画像形成装置に対して発行された順に所定の管理テーブルに登録されることになる。そして、テーブルに登録されたジョブIDの順に画像形成が行われる。
[MFP1の電気的構成]
図3は、MFP1の電気的構成を示すブロック図である。
【0032】
図3において、このMFP1は、情報処理部301、ファクシミリ(以下FAXともいう)部302、通信制御部303、給紙手段304、前記スキャナ部13を構成する画像読み取り部305、前記プリンタ部14を構成する画像形成手段306、およびフィニッシャ部307を有している。
【0033】
前記ファクシミリ部302,通信制御部303,画像形成手段306等がジョブ実行手段を構成する。
【0034】
この情報処理部301は、情報処理手段の一例であり、データ入出力手段308、データ通信制御部309、操作部11、制御装置311、記憶部312、画像メモリ313およびディスプレイ12を有している。情報処理部301では画像メモリ313に格納されたジョブの削除、出力等の制御が行えるようになっている。
【0035】
前記制御装置311は、CPU3111、RAM3112等を有している。この前記制御装置311には、データ入出力手段308が接続され、ジョブを入出力する際に使用される。
【0036】
この制御装置311は、プリント動作、コピー動作、スキャン動作、ファクシミリ送信動作、メール送信動作、FTP( File Transfer Protocol)送信動作等、MFP1の全体を統括的に制御するほか、この実施形態では以下の機能を有している。
【0037】
すなわち、USBメモリ320(321)(322)がUSB差込口20(21)(22)に接続された(装着された)こと、及び/または接続状態が解除された(差込口から抜かれた)ことを検知する検知部311aとして機能する。
【0038】
また、USBメモリ320(321)(322)に記憶されている記憶情報について処理すべきジョブの種類が、USBメモリ320(321)(322)内で予め設定されているか否かを判断したり、その他の判断を行う判断部311bとして機能する。
【0039】
また、検知部311aの検知結果や判断部311bの判断結果に基づいて、操作パネル10のディスプレイ12に、ジョブの操作モード画面を表示させる表示制御部311cとして機能する。
【0040】
上記のような制御装置311による各機能の具体的な動作については後述する。
【0041】
前記データ入出力手段308には、TCP/IPベースのネットワークのLAN(Local Aria Network)端子315、USB端子316、セントロニクス端子317、シリアルインタフェイス端子318および/またはJTAG端子319等のインタフェイス(I/F)端子が複数設けられている。
【0042】
前記データ入出力手段308では、ネットワーク端子315、USB端子316、セントロニクス端子317、シリアルインタフェイス端子318またはUTAG端子319に接続された場合、制御装置311によりデータの読み出し、書き込み、削除ができるようになっている。
【0043】
前記記憶部312は、例えばハードディスク等の不揮発メモリからなり、画像データ等を保存するための前述した専用記憶領域(ボックス)3120を有している。また、記憶部312には、第1〜第3のUSB差込口20〜22と操作パネル10のディスプレイ12に初期画面として表示されるジョブの操作モードとの関係が記憶されている。この点については後述する。
【0044】
また、前記画像メモリ313においては、メモリ間でのコピーが可能である。
【0045】
前記CPU3111は、制御装置311を上述したような制御及び機能を発揮させるように動作させるためのものであり、CPU3111が図示しないプログラム格納部に格納されたプログラムを実行することにより、制御装置311が動作する。前記RAM3112はCPU3111がプログラムを実行する際の作業領域となるものである。
【0046】
この実施形態では、前述したように、USB端子316として複数の差込口があり、それぞれにUSBメモリ320,321,322を接続可能である。さらに、制御装置311はこれら複数のUSBメモリ320,321,322に対する各記憶情報の読み込み、および各USBメモリ320,321,322に対する情報の書き込みが実行可能である。記憶情報の読み込みは制御装置311のデータ読み込み部311gにより行われ、情報の書き込みはデータ書き込み部311hにより行われる。
〔操作パネル〕
図4は、MFP1における操作パネル10の構成を示す平面図である。
【0047】
図4において、スタートキー201は、コピー/プリント/ファクシミリ送信/電子メール、FTP送信等の動作を開始させるために用いられる。テンキー202は、コピー枚数等の数値を入力するために用いられる。クリアキー203は、入力された数値のクリア、および蓄積された画像記憶部の画像データを破棄するために用いられる。
【0048】
ストップキー204は、コピー/スキャン動作の停止を指示するために用いられる。パネルリセットキー205は、設定されている操作モードおよびジョブを破棄するために用いられる。
【0049】
また、ディスプレイ12は、各種モードの表示やUSBメモリ320、321、322の抜き忘れに対する警告表示やその他の表示を行い、表面にはタッチパネル206が取り付けられている。このタッチパネル206によって、ユーザはディスプレイ12内の表示内容に従った各種設定を行うことができる。例えば、ディスプレイ12にユーザの識別情報であるユーザIDの設定画面が表示された場合には、ユーザは前記操作部11の各種キーやディスプレイ12に表示されたタッチボタン等を用いてユーザIDを設定する。
【0050】
前記タッチパネル206における設定画面領域207には、通常は、コピー動作やファックス送信動作を実行する際に行う基本的/応用的な設定のためのボタンが配置されている。各ボタンを挿下すると、その詳細設定を行うための階層画面が表示される。
【0051】
タッチパネル206のジョブ情報画面領域208は、その時点でMFP1に投入されているジョブ情報が表示される。表示は、実行されるべきジョブの順序で並んでいる。特定のジョブに対して消去や変更等の操作を行う場合は、ジョブ操作ボタン209を選択した後、操作対象となるジョブ番号ボタンを押下する。それらの操作によってジョブ操作画面が表示され、特定のジョブに対する操作が可能となる。
【0052】
コピーキー210、およびスキャンキー211はMFP1をコピー/スキャナの何れの操作モードで動作させるかを設定するための選択キーである。
【0053】
コピーキー210を押下した場合、MFP1はコピー機として使用可能となる。この状態では、スキャナ動作、およびファックス送信動作を実行することはできない。
【0054】
この時、タッチパネル206の設定画面領域207には、コピー動作に対する各種設定を行うためのコピーモード表示が行われる。諸設定を終了後、原稿をセットしてスタートキー201を押下することにより、コピー動作が開始される。またスキャンキー211を押下した場合、MFP1はスキャナ、およびファクシミリとなる。この状態では、コピー動作を実行することはできない。
【0055】
この時、タッチパネル206の設定画面領域207には、スキャン動作(スキャンした原稿の送信も含む)/ファックス送信に対する各種設定を行うための操作モード表示が行われる。諸設定を終了後、原稿をセットしてスタートキー201を押下することにより、スキャン動作/ファックス送信動作が開始される。
【0056】
なお、コピーキー210とスキャンキー211は排他的動作となり、一方を選択すると自動的に他方は非選択状態となる。
【0057】
また、PC2からMFP1を使用してプリントする場合、PC2にこのプリンタ制御用ドライバソフトをインストールし、プリントの際の各種設定はそのドライバ画面にて行う。従って、MFP1の操作パネル10上にプリント用設定画面、およびプリント切り換えキーは不要である。
〔操作パネル(USBメモリ内のファイル選択)〕
図5は、MFP1がUSBメモリ320,321,322から画像データを読み込む場合のユーザ確認画面を示す図である。
【0058】
図5において、MFP1のUSB差込口20(21)(22)にUSBメモリ320(321)(322)が接続されており、USBメモリ読み込みキー(USBチョイスキーともいう)221を押下すると、設定画面領域207はUSBメモリ読み込み確認画面の階層へ移行する。
【0059】
この画面において、USBメモリ320(321)(322)の内容を読み込む選択「Yes」を押下(タッチ)した場合、MFP1は、USBメモリ320(321)(322)にアクセスをし、USBメモリ320(321)(322)の内容を読み込む処理を行う。
【0060】
なお、223,225は、他のUSB差込口にUSBメモリが装着された場合に操作が有効になる読み込みキーであり、220、222、224は前記読み込みキー221、223,225に対応して設けられた発光ダイオード(LED)である。
【0061】
前記USBメモリ320(321)(322)内に記憶情報(例えば画像データ)が存在した場合、パネル表示は、図6に示すように、メモリ内に存在する画像データを列挙し、ユーザが所望する画像データを選択可能にする。また、メモリ内に存在するデータがこの階層画面表示を越える個数の場合、「次頁」キーの押下により残りのデータが表示される。
【0062】
この画面で「OK」が押下されると、MFP1は指定されたファイルを読み込む処理を開始し、正常にデータが読み込まれるとUSBメモリ読み込みキー221に対応するLED220が点灯し、画像データがUSBメモリ320(321)(322)より読み込まれた状態であることをユーザに通知する。
【0063】
ユーザが所望の画像データを選択した後、スタートキー201を押下すると、コピー機能(コピーキー210)が選択されている場合、画像読み取り部による原稿台上の原稿を走査する制御は実施されず、USBメモリ320(321)(322)から読み込まれ、ユーザによって選択された画像データが出力部へ出力される。
【0064】
また、スキャンキー211が選択されている場合も、画像読み取り部による原稿台上の原稿を走査する制御は実施されず、USBメモリ320(321)(322)から読み込まれ、ユーザによって選択された画像データが、設定された宛先へファクシミリ送信され、あるいは電子メールやFTP送信等によりファイル送信される。
【0065】
図6において、「キャンセル」が押下された場合、指定されたファイルの読み込みは行わず、前階層画面である図5に戻る。
【0066】
また、図5において、USBメモリ320(321)(322)の内容を読み込まない選択「No」を押下(タッチ)した場合は、USBメモリ320(321(322)へのアクセスは行われず、USBメモリ読み込みキー221に対応するLED220は消灯した状態となる。この場合のコピー機能におけるスタートキー201の押下では、通常のコピーと同様、原稿の走査制御を行って、画像を読み取り、その読み取った画面が出力部に出力される。
[操作モード自動表示制御]
図7は、前記USBメモリ320,321,322のいずれかを第1〜第3のUSB差込口20、21、22に装着したときに、制御装置311が行う、ジョブの操作モードを初期画面としてディスプレイ12に自動的に表示する処理を示すフローチャートである。なお、以下の説明ならびに図面では、ステップをSと略記する。
【0067】
S500で、制御装置311はいずれかのUSBメモリ(例えばUSBメモリ320)が第1のUSB差込口20に接続されたか否かを判断する。USBメモリ320が第1のUSB差込口20に接続(装着)された場合には(S500の判断がYES)、S502で、接続されたUSBメモリ320に初期表示設定がなされているか否かを判断する。
【0068】
USBメモリ320に初期表示設定がなされていれば(S502の判断がYES)、S506で、その設定されている操作モードをディスプレイ12に初期画面として表示する。USBメモリ320に初期表示設定がなされていなければ(S502の判断がNO)、S504で、第1の差込口20に対して設定されている操作モードを記憶部312から読み出してディスプレイ12に初期画面として表示する。
【0069】
S500で、USBメモリ320が第1のUSB差込口20に接続されていない場合には(S500の判断がNO)、S508で、いずれかのUSBメモリ(例えばUSBメモリ321)が第2のUSB差込口21に接続されたか否かを判断する。
【0070】
USBメモリ321が第2のUSB差込口21に接続された場合には(S508の判断がYES)、S510で、接続されたUSBメモリ321に初期表示設定がなされているか否かを判断する。
【0071】
USBメモリ321に初期表示設定がなされていれば(S510の判断がYES)、S518で、その設定されている操作モードをディスプレイ12に初期表示する。USBメモリ321に初期表示設定がなされていなければ(S510の判断がNO)、S512で、第2の差込口21に対して設定されている操作モードを記憶部312から読み出してディスプレイ12に初期画面として表示する。
【0072】
S508で、USBメモリ321が第2のUSB差込口21に接続されていない場合には(S508の判断がNO)、S514で、いずれかのUSBメモリ(例えばUSBメモリ322)が第3のUSB差込口22に接続されたか否かを判断する。
【0073】
USBメモリ322が第3のUSB差込口22に接続された場合には(S514の判断がYES)、S516で、接続されたUSBメモリ322に初期表示設定がなされているか否かを判断する。
【0074】
USBメモリ322に初期表示設定がなされていれば(S516の判断がYES)、S518で、その設定されている操作モードをディスプレイ12に初期画面として表示する。USBメモリ322に初期表示設定がなされていなければ(S516の判断がNO)、S520で、第3の差込口22に対して設定されている操作モードを記憶部312から読み出してディスプレイ12に初期画面として表示する。
【0075】
このように、USB差込口20〜22にUSBメモリ320〜322を接続するだけで、USBメモリ322に予め設定されている操作モードの画面や、USB差込口20〜22に対して予め設定されている操作モードの画面がディスプレイ12に初期画面として自動的に表示されるから、ユーザはUSBメモリ320〜322に関するジョブを実行するために、操作モードの画面を表示させる操作は不要となり、直ちに初期表示画面上で詳細な設定を行うことができる。
【0076】
また、この実施形態では、USBメモリ320〜322に初期表示設定がなされている場合には、USB差込口20〜22に対して予め設定されている操作モードよりも優先して、USBメモリ320〜322に設定されている操作モードが初期画面として表示されるから、ユーザは自己が設定した操作モードを表示させることができ、ユーザの意思を反映させることができ、使い勝手が良くなる。
【0077】
図8は、USB差込口20〜22に対して行われる、操作モードの初期画面を自動的に表示させるための初期表示設定処理を示すフローチャートである。
【0078】
S600で制御装置311は、初期表示設定キーが押されたか否かを判断する。具体的には図5及び図6に示すUSBメモリキー221が押されたか否かを判断し、押された場合には(S600の判断がYES)、S602に進む。押されなければ(S600の判断がNO)、S608に進む。
【0079】
S602では、既に初期表示設定を行うための設定モードであるか否かを判断し、設定モード中であれば(S602の判断がYES)、S604で設定モードを解除したのちS608に進み、設定モード中でなければ(S602の判断がNO)、S606で設定モードとしたのち608に進む。
【0080】
S608では、再度、初期表示設定を行うための設定モード中であるか否かを判断し、設定モード中でなければ(S608の判断がNO)、本ルーチンを完了してリターンする。
【0081】
設定モード中であれば(S608の判断がYES)、第1〜第3USB差込口20〜22に対する初期表示設定、及びUSB差込口20〜22に接続されたUSBメモリ320〜322自体への初期表示設定を行う。
【0082】
具体的には、図4に示すテンキー202の中の1、2、3、9の各キー入力が、それぞれ第1〜第3USB差込口20〜22に対する初期表示設定、及びUSB差込口20〜22に接続されたUSBメモリ320〜322自体への初期表示設定のトリガとなっている。
【0083】
例えば、S610で、制御装置311は1キーがオンされたか否かを判断し、1キーがオンされた場合には(S610の判断がYES)、S612でUSBメモリ接続時に初期画面として表示される操作モードの選択処理を行う。この処理については後述する。
【0084】
次いで、S614で、選択された操作モードを、第1差込口20にUSBメモリが接続されたときに初期表示される操作モードとして設定する。
【0085】
S610で、1キーがオンされていなければ(S610の判断がNO)、S616で、制御装置311は2キーがオンされたか否かを判断し、2キーがオンされた場合には(S616の判断がYES)、S618でUSBメモリ接続時に初期画面として表示される操作モードの選択処理を行う。
【0086】
次いで、S620で、選択された操作モードを、第2差込口21にUSBメモリが接続されたときに初期表示される操作モードとして設定する。
【0087】
S616で、2キーがオンされていなければ(S616の判断がNO)、S622で、制御装置311は3キーがオンされたか否かを判断し、3キーがオンされた場合には(S622の判断がYES)、S624でUSBメモリ接続時に初期画面として表示される操作モードの選択処理を行う。
【0088】
次いで、S626で、選択された操作モードを、第3差込口22にUSBメモリが接続されたときの初期表示される操作モードとして設定する。
【0089】
S622で、3キーがオンされていなければ(S622の判断がNO)、S628で、制御装置311は9キーがオンされたか否かを判断し、9キーがオンされた場合には(S628の判断がYES)、S630でUSBメモリ接続時に初期画面として表示される操作モードの選択処理を行う。
【0090】
次いで、S632で、選択された操作モードを、USB差込口20〜22に接続されたUSBメモリ自体に対して初期表示される操作モードとして設定し、そのUSBメモリにその情報を書き込む。
【0091】
S628で、9キーがオンされていなければ(S628の判断がNO)、何もすることなくリターンする。
【0092】
図9は、図8のS612、S618、S624、S630の初期表示される操作モードの選択処理のルーチンを示すフローチャートである。このルーチンは、S612、S618、S624、S630を起点として1ms毎に起動する割り込みルーチンであり、S702、S706、S710の何れかの処理がなされるまで割り込みが入るよう設計されているものとする。また、この実施形態では、初期表示される操作モードが、コピーモード、ファクシミリ送信モード、スキャン送信モードの何れかである場合を示している。
【0093】
本ルーチンでは、図4に示したテンキーのうち4キー、5キー、6キーの何れかがオンされると処理を行い、それぞれ、コピーモード、ファクシミリ送信モード、スキャン送信モードの何れかが設定される。
【0094】
S700で、制御装置311は、4キー(コピーモード用)が押されたか否かを判断する。4キーが押された場合には(S700の判断がYES)、S702で、初期表示される操作モードとしてコピーモードを選択する。ここで、コピーモードの表示画面では、図4のコピーキー210が点灯し、ディスプレイ12に「コピーできます」の表示が行われる。
【0095】
S700で4キーがオンでなければ(S700の判断がNO)、S704で、5キー(FAX送信モード用)が押されたか否かを判断する。5キーが押された場合には(S704の判断がYES)、S706で、初期表示される操作モードとしてFAX送信モードを選択する。FAX送信モードの表示画面では、図4のスキャンキー211が点灯し、ディスプレイ12に「FAX送信できます」の表示が行われる。
【0096】
S704で5キーがオンでなければ(S704の判断がNO)、S708で、6キー(スキャン送信用表示画面)が押されたか否かを判断する。6キーが押された場合には(S708の判断がYES)、S710で、初期表示される操作モードとしてスキャン送信モードを選択する。スキャン送信モードの表示画面では、図4のスキャンキー211が点灯し、ディスプレイ12に「スキャン送信できます」の表示が行われる。
【0097】
S708で5キーがオンでなければ(S704の判断がNO)、S700に戻る。
【0098】
このようにこの実施形態では、各USB差込口20〜22、あるいはUSBメモリ320〜322に対して初期表示される操作モードを自在に設定できるから、ユーザの使用状態に応じて最適な操作モードを設定することができる。
【0099】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。例えば、初期表示される操作モードがコピーモード、FAX送信モード、スキャン送信モードである場合を示したが、初期表示される操作モードはこれに限定されることはなく、MFP1において存在する全ての操作モードに適用できる。例えば、片面コピーモード/両面コピーモード/2in1コピーモード(2枚の画像を1枚の用紙に印字するモード)の設定画面を初期画面として表示したり、、第1の給紙口/第2の給紙口/第3の給紙口の各給紙口の設定モードを初期画面として表示したり、第1の排出ビン/第2の排出ビン/第3の排出ビンの各排出ビンの設定モードを初期画面として表示させても良い。
【0100】
また、原稿をスキャナ部によりスキャンしてUSBメモリに書き込むスキャン書込みモードの画面を初期画面として表示させても良い。
【0101】
また、上記実施形態では、外部記憶装置320〜322として、USBメモリを例にして説明したが、可搬性ハードディスク装置、光ディスク、メモリカード等の外部記憶装置についても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】この発明の一実施形態に係るジョブ実行装置が適用されたMFPの外観斜視図である。
【図2】同じくMFPのネットワーク環境を示すブロック図である。
【図3】同じくMFPの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】操作パネルの表示画面の説明図である。
【図5】外部記憶装置の記憶情報を読み込む際のユーザ確認画面である。
【図6】同じく外部記憶装置の記憶情報をユーザが選択する際の画面である。
【図7】USBメモリがUSB差込口に接続されたときのは初期表示モードの表示処理を示すフローチャートである。
【図8】初期表示モードの設定処理を示すフローチャートである。
【図9】図8のS612、S618、S624、S630に示す初期表示モードの選択処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0103】
10 操作パネル
12 ディスプレイ(表示手段)
20〜22 USB差込口(接続手段)
311 制御装置
311a 検知部
311b 判断部
311c 表示制御部
311g データ読み込み部
311h データ書き込み部
312 記憶部
313 画像メモリ
320〜322 USBメモリ(外部記憶装置)
302 ファクシミリ部(ジョブ実行手段)
303 通信制御部(ジョブ実行手段)
306 画像形成手段(ジョブ実行手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部記憶装置を解除可能に接続するための第1及び第2の接続手段と、
前記外部記憶装置の前記接続手段への接続を検知する検知手段と、
ジョブを実行するための操作モードを表示する表示手段と、
前記検知手段により前記第1の接続手段への外部記憶装置の接続が検出されたときは、前記表示手段に第1の操作モードを初期表示させ、前記第2の接続手段への外部記憶装置の接続が検出されたときは、前記表示手段に前記第1の操作モードとは異なる第2の操作モードを初期表示させる制御手段と、
を備えたことを特徴とするジョブ実行装置。
【請求項2】
外部記憶装置の記憶情報をコピーするコピー機能を有し、前記第1の操作モードはコピーモードである請求項1に記載のジョブ実行装置。
【請求項3】
外部記憶装置の記憶情報をファイルとして送信するスキャン送信機能を有し、前記第1の操作モードはスキャン送信モードである請求項1に記載のジョブ実行装置。
【請求項4】
外部記憶装置の記憶情報をファクシミリ送信するファクシミリ送信機能を有し、前記第1の操作モードはファクシミリ送信モードである請求項1に記載のジョブ実行装置。
【請求項5】
外部記憶装置の記憶情報をコピーするコピー機能、外部記憶装置の記憶情報をファイルとして送信するスキャン送信機能、外部記憶装置の記憶情報をファクシミリ送信するファクシミリ送信機能を有し、前記第1の操作モードとしてコピーモード、スキャン送信モード、ファクシミリ送信モードのいずれかを選択する選択手段を備えている請求項1に記載のジョブ実行装置。
【請求項6】
前記第1、第2の接続手段はUSB規格によるものである請求項1に記載のジョブ実行装置。
【請求項7】
所定のジョブ操作モードが設定された前記外部記憶装置の前記第1または第2の接続手段への接続が検出されたときは、前記制御手段は、前記第1または第2の操作モードよりも優先して、前記外部記憶装置に設定された所定の操作モードを表示手段に初期表示する請求項1に記載のジョブ実行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−140644(P2006−140644A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−327002(P2004−327002)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】