説明

ジョブ投入装置及びプログラム

【課題】
的確なジョブ投入の実現を図ることができるジョブ投入装置等を提供する。
【解決手段】
データ取得部322は、ネットワーク500を介して接続されたMFPから、ジョブ処理に利用される情報(メールアドレスや、アプレットなど)を取得する。取得した情報は、表示部312に表示され、ユーザは操作部311を介して情報を編集することができる。ジョブ投入指示があった場合には、編集された情報を利用してジョブが生成され、ネットワーク500を介して接続されたMFPなどの画像処理装置にジョブが投入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョブ投入装置に関し、特に画像処理装置に画像処理ジョブを投入するジョブ投入装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル)等の画像処理装置においては、当該画像処理装置内に画像処理ジョブに用いられるデータを格納し、格納されたデータをパーソナルコンピュータ(PC)等の外部装置から遠隔的に更新することがある。例えば特許文献1には、ファクシミリ装置に格納された音量設定や着信ベルに関する設定、自動ダイヤルの設定情報を外部装置から登録する技術が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、画像処理装置内にJAVA(登録商標)仮想マシンを備え、JAVA(登録商標)アプリケーションを実行するようにした技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−298572号公報
【0005】
【特許文献2】特開2004−312711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の技術では、画像処理装置内に格納されるデータをPC等の外部装置から登録することができるが、例えばFAX送信などの画像処理ジョブをPCから投入する際にはPC側で新たにジョブ投入プログラムを立ち上げる必要がある。また、PCに複数の画像処理装置が接続されている場合、登録内容の変更の場合に全ての画像処理装置に対してデータの更新処理を行うことは意外に煩雑である。
【0007】
さらに、ジョブ投入先の画像処理装置内のデータが適切に更新されているか否かを常時管理していくことは、接続された画像処理装置の台数が増加した場合の他、画像処理ジョブの処理内容の高度化、複雑化に伴って画像処理装置内に格納されるデータが増加した場合などには、もはや極めて困難なことになる可能性もある。
【0008】
本発明は上記のような諸点に鑑みてなされたものであって、画像処理装置に格納されたデータが必ずしも適切に更新等されていない場合でも、容易に的確なジョブ投入の実現を図ることができるジョブ投入装置及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の問題点を解決するために、本発明に係るジョブ投入装置は、接続された画像処理装置に格納されている、画像処理ジョブに利用されるデータを取得するデータ取得手段と、必要に応じて、取得したデータの少なくとも一部を編集する編集手段と、取得したデータ又は編集後のデータを含むジョブ処理要求を送信するジョブ処理要求送信手段とを備えることを特徴としている。
【0010】
本発明の構成では、画像処理装置に格納されているデータを取得した後、必要に応じて編集して、ジョブを投入するため、画像処理装置に格納されたデータが必ずしも適切に更新等されていない場合でも、容易に的確なジョブ投入の実現を図ることができる。なお、ジョブの投入先は、データを取得した取得先と同じでもよいが、異なる画像処理装置にジョブを投入することもできる。
【0011】
なお、前記ジョブ投入装置は、取得したデータの少なくとも一部をユーザに提示する提示手段と、提示したデータの編集入力をユーザから受け付ける編集入力受付手段とを備え、前記編集手段は、ユーザからの編集入力に従ってデータを編集する構成とすれば、ユーザが自在にデータを編集することができ、より操作の自在性が増加する。もっとも、設定により、編集手段による編集処理を自動化することは可能である。
【0012】
前記提示手段は、さらに、取得したデータの置き換え対象として、当該ジョブ投入装置内に格納されているデータを提示し、前記編集入力受付手段は、提示された、前記ジョブ投入装置内に格納されているデータのいずれかを選択する入力を受け付け、前記編集手段は、選択されたデータを、対応する取得したデータと置き換える構成とすれば、例えばメールアドレスなど、ジョブを投入する側では最新の情報を保持していても、画像処理装置側で情報が更新される頻度が少ない場合などに特に好適である。
【0013】
前記ジョブ投入装置は、さらに、前記編集手段による編集内容を、前記データ取得手段によるデータ取得先の画像処理装置の格納内容に反映させる旨の指示を受け付ける更新指示入力受付手段を備える構成とすれば、画像処理装置側の情報更新を容易に行うことができる。
【0014】
前記ジョブ投入装置は、ジョブ処理要求の送信先が、前記データ取得手段によるデータ取得先の画像処理装置と異なる場合に、前記更新指示入力受付手段が反映させる旨の指示を受け付けた場合には、前記データ取得先の画像処理装置に更新指示を送信することにより、データ取得先のデータ更新を実現することが可能となる。
【0015】
前記ジョブ投入装置は、ジョブ処理要求の送信先が、前記データ取得手段によるデータ取得先の画像処理装置と同じである場合に、前記更新指示入力受付手段が反映させる旨の指示を受け付けた場合には、更新指示をジョブに含めて送信することで、データ取得先のデータ更新を図ることができる。
【0016】
前記ジョブ投入装置は、さらに、データ取得先の画像処理装置から、画像処理ジョブの処理機能を実現するプログラムを取得する機能取得手段を備え、前記ジョブ処理要求送信手段は、ジョブ処理要求の送信先が、前記データ取得手段のデータ取得先の画像処理装置と異なる場合であって、ジョブ処理に必要な場合に、ジョブ処理要求の送信先の画像処理装置に対して前記プログラムを送信する構成とすることが好ましい。
【0017】
前記ジョブ投入装置は、さらに、前記機能取得手段により取得したプログラムを記憶するプログラム記憶手段を備え、前記編集手段は、前記プログラム記憶手段に記憶されたプログラムを使用するように、取得したデータの少なくとも一部を編集し、前記ジョブ処理要求送信手段は、前記編集手段による編集を経た編集後のデータを含むジョブ処理要求を送信する構成とすれば、ジョブの内容編集の自由度が増す。
【0018】
例えば、前記ジョブ処理要求送信手段は、ジョブ処理要求の送信先の画像処理装置にJAVA(登録商標)仮想マシンがインストールされているが、必要なJAVA(登録商標)アプリケーションが存在しない場合に、前記プログラムとしてJAVA(登録商標)アプリケーションを送信する構成とすることができるが、プログラムの形態はJAVA(登録商標)アプリケーションに限定されず、スクリプト、COM(コンポーネント・オブジェクト・モデル)コンポーネントなどを送信する構成も可能である。
【0019】
本発明に係るプログラムは、画像処理装置にジョブを投入する装置にインストールされるプログラムであって、接続された画像処理装置に格納されている、画像処理ジョブに利用されるデータを取得するデータ取得処理と、必要に応じて、取得したデータの少なくとも一部を編集する編集処理と、取得したデータ又は編集後のデータを含むジョブ処理要求を送信するジョブ処理要求送信処理とを、前記ジョブを投入する装置に実行させることを特徴としている。
【0020】
なお、上記にいうプログラムは、CPU等のプロセッサにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。なお、本発明に係るプログラムは、各種記録媒体に記録された状態で市場に流通するほか、インターネット等の各種ネットワークを介して市場に供給される場合も有る。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るジョブ投入装置等によると、容易に的確なジョブ投入の実現を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
(1)ジョブ処理システムの構成
図1は、本実施の形態のジョブ処理システムの全体的な構成の一例を示す図である。ジョブ処理システムは、画像処理ジョブを実行する画像処理装置の一例としてのMFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル)100A、MFP100B、及びジョブ投入装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)31が、LAN等のネットワーク500を介して接続されて構成される。
【0023】
なお、MFPとは、コピー、ネットワークプリンティング、スキャナ、FAX、またはドキュメントサーバなどの機能を集約した画像形成装置である。複合機などと呼ばれることもある。MFP及びPCの接続台数は任意である。ネットワーク500の通信規約または通信規格として、例えばTCP/IP、FTP、有線LANの規格であるIEEE802.3、無線LANの規格であるIEEE802.11などが適用される。ネットワーク500は、LANの他、インターネットなどの広域ネットワークであってもよい。
【0024】
PC31には本実施の形態のジョブ投入プログラムがインストールされてジョブ投入装置を構成している。ジョブ投入プログラムは、MFP100A、100Bに、プリント、スキャン等の画像処理ジョブを投入するプログラムである。なおPC31の代わりに、ワークステーション、携帯情報端末などを用いることもできる。
【0025】
(2)MFPの構成
以下、MFPの構成について説明する。なお、本実施の形態ではMFP100A及び100Bは同様の構成を備えるものとし、以下の説明ではMFP100Aを例として説明する。図2は、MFP100Aの外観の一例を示す図である。また、図3は、MFP100Aのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0026】
MFP100Aは、操作部11、ディスプレイ部12、スキャナ部13、プリンタ部14、通信インタフェース16、ドキュメントフィーダ17、給紙装置18、トレイ19(図2参照)、CPU20、ROM21、RAM22、およびハードディスク23などによって構成される。
【0027】
操作部11は、数字、文字、および記号などを入力するための複数のキー、押下されたキーを認識するセンサ、および認識したキーを示す信号をCPU20に送信する送信用回路などによって構成される。
【0028】
ディスプレイ部12は、ユーザに対してメッセージを表示する画面、ユーザが設定内容や処理内容を入力するための画面、およびMFP100Aで実行された処理の結果を示す画面などを表示する。本実施の形態では、ディスプレイ部12にタッチパネルが用いられている。タッチパネルは、ユーザが指で触れたタッチパネル上の位置を検知し、検知結果を示す信号をCPU20に送信する機能を備えており、これは操作部11に含まれる。
【0029】
スキャナ部13は、原稿に描かれている画像を所定の読み取り解像度で光電的に読み取って、デジタルの画像データ(ここでは、RGBまたはブラックの濃度を表す濃度データ)を生成する。このようにして得られた画像データは、プリンタ部14において印刷のために用いられるほか、TIFF、PDF、JPEGなどの形式のファイルに変換されてハードディスク23に記憶される。FAXデータに変換されてFAX送信に供されることもある。ドキュメントフィーダ17は、MFP100Aの本体の上部に設けられており(図2参照)、1枚または複数枚の原稿をスキャナ部13に順次送るために用いられる。
【0030】
プリンタ部14は、スキャナ部13にて読み取られた画像、PC31等の外部装置から送信されてきたデータの画像、またはFAX受信したFAXデータの画像を、用紙またはフイルムなどの記録シートに印刷する。給紙装置18は、MFP100A本体の下部に設けられており、印刷対象の画像に適した記録シートをプリンタ部14に供給するために用いられる。プリンタ部14によって画像が印刷された記録シートはトレイ19(図2参照)に排出される。
【0031】
通信インタフェース16は、PC31等の外部装置とネットワーク500を介して通信を行ったり、電話回線を通じてFAX送受信等を行うための装置である。通信インタフェース16として、NIC(ネットワーク・インタフェース・カード)、モデム、TA(ターミナル・アダプタ)などが用いられる。
【0032】
ROM21には、画像の読取(スキャン)、原稿の複写(コピー)、FAXデータの送受信、ネットワークプリンティング、およびドキュメントサーバ(ボックス機能)などのMFP100Aの基本機能を実現するためのプログラム、データが記憶されている。これらのプログラムまたはデータの一部または全部を、ハードディスク23にインストールしておいてもよい。この場合は、ハードディスク23にインストールされているプログラムまたはデータは、必要に応じてRAM22にロードされる。なお、本実施の形態のMFP100A、100Bには、JAVA(登録商標)仮想マシンがインストールされており、外部からJAVA(登録商標)アプリケーションを受信した場合には、当該アプレットをCPU20上で動作させることができる。
【0033】
ハードディスク23には、スキャナ部13で原稿を読み取って得た画像データのファイルや、PC31等の外部装置から送信されてきた画像データのファイルなどが格納されるほか、本実施の形態では、画像処理ジョブの際に参照されるパラメータや、上記アプレット、ディスプレイ部12に表示されるワンタッチキーの処理を実現するデータなどが格納されている。以下、ワンタッチキーについて説明する。
【0034】
図4は、ワンタッチキーについて説明するための図であり、本実施の形態の操作部11及びディスプレイ部12の外観の一例を示すものである。操作部11には、スタートボタン301、テンキー302、クリアキー303、ストップボタン304、パネルリセットボタン305、コピーボタン306、スキャンボタン307、FAXボタン308が配されている。ディスプレイ部12には、設定画面領域121が表示される。
【0035】
スタートボタン301は、コピー、FAX送信等の動作を開始させる際に用いられる。テンキー302は、コピー枚数等の数値を入力する際に用いられる。クリアキー303は、入力された数値のクリア等に用いる。ストップボタン304は、コピー、スキャン動作などの停止を指示する際に用いられる。パネルリセットボタン305は、設定されている動作モードをキャンセルし、ディスプレイ部12の表示を初期画面に戻す場合に用いられる。
【0036】
コピーボタン306、スキャンボタン307、FAXボタン308は、MFP100Aをコピー、スキャン、FAXのいずれの動作モードで動作させるかを設定するための選択ボタンである。コピーボタン306を押下した場合、MFP100Aは複写機として使用可能となる。スキャンボタン307を押下した場合、MFP100Aはスキャナとして使用可能となる。FAXボタン308を押下した場合、MFP100AはFAX送信機として使用可能となる。
【0037】
さて、本実施の形態のMFP100Aでは、設定領域121に表示される中の応用タブが選択された場合に、設定画面領域121にワンタッチキー121A〜121Dが表示される。ワンタッチキー121A〜121Dのいずれかが選択され、スターとボタン310が押下された場合に、選択されたボタンに予め登録された処理が実行される。図4の例では、「A氏へFAX送信」すべき旨が登録されたボタン121Bが選択されており、この状態でスタートボタン301が押下されると、スキャナ部13にセットされた原稿を読み取って予め登録されたA氏のFAX番号にFAX送信ジョブが実行される。
【0038】
ハードディスク23には、上記のようなワンタッチキーを実現するためのデータ、具体的には、ボタンとジョブの種別(FAX送信、メール送信等)との関係、FAX番号、メールアドレスといったデータが格納される。また、本実施の形態では、それらの情報を、PC31等の外部装置とやりとりすることが可能であるように管理している。
【0039】
図5は、ハードディスク23に格納される管理データの一例を示す図である。本実施の形態では、ワンタッチキーに登録されたジョブの種別、当該ジョブの実行に際して参照されるパラメータ、及びアプレットの識別子が管理されている。この情報は、PC31等の外部装置から登録することもできるし、MFP100Aにて登録することもできる。MFP100Aで登録するとすれば、例えば、まず図4の画面の状態(ボタン121Bが選択された状態)で、テンキー302の中の「9」番のキーが押下された場合(この操作が「9」番キーの押下に限定されないことは勿論である。)に、図6に一例が示されるような画面をディスプレイ部12に表示する。
【0040】
ユーザは、設定画面領域121に表示された「見出し」、「種別」、「番号」の各入力ボックスに、ワンタッチキーの見出し、ジョブ種別、及びFAX番号(このボックスは、ジョブ種別に応じて、例えばジョブ種別がメール送信の場合にはメールアドレス入力ボックス等に変化する。)を入力することができる。この際に、JAVA(登録商標)アプリケーションを利用するような場合にはアプリケーションの識別子を登録することができるし、当該アプリケーションがMFP100A内に無い場合には、アプリケーションの新規登録を行うようにすることもできる。図6のような画面で登録された内容は、ハードディスク23に格納される。
【0041】
(3)ジョブ投入装置の構成
次に、PC31にプログラムがインストールされて実現されるジョブ投入装置の構成の一例について説明する。図7は、ジョブ投入装置の構成の一例について説明するための機能ブロック図である。
【0042】
ジョブ投入装置は、操作部311、表示部312、通信インタフェース部316、ジョブ投入制御部320、データ格納部330を備える。ジョブ投入制御部320は、機能的にデータ取得指示受付部321、データ取得部322、データ編集部323、ジョブ投入指示受付部324、ジョブ生成部325、ジョブ投入部326を含んでいる。
【0043】
操作部311としては、例えばキーボード、マウス、マイク(音声入力の場合)などを用いることができる。表示部312としては、例えばCRT(陰極線管)、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置を備えることができる。通信インタフェース部316は、MFP100A、100B等とネットワーク500を介するデータの送受信を制御する部分であって、例えばNIC(ネットワーク・インタフェース・カード)を備えることができる。データ格納部330としては、例えばハードディスクドライブを用いることができるが、メモリカード、USBメモリ等の各種半導体メモリ、各種光ディスク装置などを用いることもできる。
【0044】
ジョブ投入制御部320は、CPU(不図示)を中心として構成され、CPU上でプログラムが動作すること等によって各部の機能が実現される。データ取得指示受付部321、データ編集部323、ジョブ投入指示受付部324は、操作部311を介するユーザからの入力を受け付ける。
【0045】
以下、ジョブ投入装置の処理内容について説明する。図8は、ジョブ投入装置の処理内容の一例について説明するためのフローチャートである。処理の開始後(ジョブ投入プログラムの立ち上げ後)、ジョブ投入制御部320では、データ取得要求受付部321が、操作部311を介するユーザのデータ取得要求入力を待つ状態にある(S101)。このデータ取得要求は、例えば図9に一例が示されるようなウィンドウ画面を表示部312に表示し、取得先MFP指定ボックス341にMFPの識別子を入力して「OK」ボタンがオンされた場合に、取得要求があったと判定することができる(S101:YES)。
【0046】
データ取得要求があった場合、データ取得部322が、指定されたMFPからデータを取得する(S102)。本実施の形態では、指定されたMFPに設定されたワンタッチキーのデータを取得する場合を例として説明するが、他のデータを取得する構成も可能である。データ取得部322は、通信インタフェース部316を介して、指定されたMFPに対して、当該データを送信するように指示のメッセージを送信する。それに対してMFP側から送信されるデータを順次受信する(S103)。
【0047】
データの取得を完了すると(S103:YES)、取得したデータを表示部312に表示する。図10は、取得したデータを表示部312に表示した状態の一例を示す図である。同図に示されるように、図5に示したMFP100Aに設定されたワンタッチキーの情報がPC31の表示部312に表示される。
【0048】
図8のフローチャートに戻って、データ表示の後は、情報編集処理を行う(S105)。図11は情報編集処理の内容の一例について説明するためのフローチャートである。図10のようにワンタッチキーを表示部312に表示した状態において、ユーザは、ワンタッチキーのうち、いずれかを選択することができる。図10の例では、ワンタッチキー「C」の状態が選択されており、いずれかが選択された状態では、「内部情報表示」ボタン342をオンすることが可能な状態となる。
【0049】
情報編集処理では、まず図10のような画面でワンタッチキーのいずれかが選択されたか否かを判定し(S201)、選択された状態で内部情報表示ボタン342がオンされたか否かを判定する(S202)。内部情報表示ボタン342とは、ユーザが、ジョブ投入装置がインストールされたPC31の内部、例えばデータ格納部330に格納されたデータを編集に利用する場合にオンするボタンである。
【0050】
図10の例では選択されたワンタッチキーのジョブ種別が「メール送信」であることから、内部情報表示ボタン342がオンされた場合には、例えばPC31内のアドレス帳に格納されているメールアドレスを表示部312に一覧表示する。即ち、例えばデータ格納部330からアドレス帳データを取り出し(S203)、表示する(S204)。
【0051】
図12は、PC31内のデータが一覧表示された状態の一例を示す図である。ユーザは一覧表示されたアドレスのいずれかを選択することができる。図12の例では、C氏のアドレスが選択されており、この状態で選択ボタン343がオンされた場合に選択があったとして(図11のS205:YES)、選択された情報であるC氏のアドレスをジョブに設定する(S206)。具体的には、データ編集部323が、メール送信ジョブの宛先アドレスとして、C氏のアドレスを設定する。
【0052】
さて、内部情報表示ボタン342がオンされない場合でも、情報の編集は可能であり、図10の画面でOKボタンがオンされた場合には(S202:NO、S207:YES)、メールアドレスの編集画面に遷移する(S208)。図13は、編集画面の一例を示す図である。ユーザは、アドレス設定ボックス344にアドレスを入力することで、メール送信ジョブの宛先アドレスを自由に入力することができ、OKボタンがオンされた場合に(S209:YES)、編集されたアドレスをジョブに設定する(S210)。
【0053】
以上に説明したような処理は、ジョブ種別がメール送信でない場合でも同様に可能であることは勿論であり、例えばFAX送信ジョブであればFAX番号を編集する構成とすることができる。なお、情報編集処理の最後に、ジョブに使用する画像データファイルの指定を受け付ける(S211)。これは、PC31のデータ格納部330に格納された画像データを使用してFAX送信ジョブを実行する場合など、PC31側の画像データファイルを使用する場合に、どのファイルを使用するかの指定を受け付ける処理である。この指定があった場合、ジョブ生成部325がジョブを生成する際に当該画像データファイルが添付されたジョブが投入される。
【0054】
情報編集処理を終了すると、図8のフローチャートへと戻って、ユーザからのジョブ投入指示を待つ(S106)。なお、ユーザは、ジョブの投入指示を行うまでは、再度上記の情報編集処理を行うことができる。
【0055】
ユーザは、例えば操作部311を介してジョブ投入指示を行うことができる。具体的には、図12の画面で送信先メールアドレスが選択されOKボタンがオンされた場合、あるいは図13の画面で送信先メールアドレスが入力されOKボタンがオンされた場合に、図14に一例が示されるようなジョブ投入画面を表示部312に表示する。図14のジョブ投入先MFP指定ボックス345に投入先MFPの識別子を入力し、ジョブ投入ボタン346をオンした場合に、ジョブ投入指示があったと判定することができる。
【0056】
ジョブ投入指示があった場合(S106:YES)、編集情報の更新指示があるか否かを判別する(S107)。編集情報の更新指示は、例えば図14のジョブ投入画面で、ラジオボタン347をオン状態とするか否かで設定することができる。このラジオボタン347は、同図の例であれば、MFP100Aから取得したアドレスの編集がされ、修正された場合にオンに設定することが可能となる。その修正を、データ取得元MFPの格納データに反映されるか否かを指定するものである。
【0057】
編集情報の更新指示がない場合には、データ取得先であるMFP100Aにおけるデータ格納内容を修正する必要がないため、図14の画面で指定されたMFPにジョブを投入して(S108)、処理を終了する。編集内容更新指示が設定されている場合には(S107:YES)、ジョブ投入先のMFPとデータ取得先のMFPとが同一であるか否かを判定し(S109)、両者が同一である場合には(S109:YES)、ジョブのヘッダとして更新フラグをオンに設定してジョブを投入する(S110)。なお、この結果、ジョブが投入されたMFP100Aでは、ワンタッチキーのデータを更新する。具体的には、それまでメールアドレス「B@abc.co.jp」が格納されていたワンタッチキーの規定を、図14のように編集されたアドレスである「C@abc.co.jp」に更新する。
【0058】
データ取得先と異なるMFPにジョブを投入する場合には(S109:NO)データ取得先のMFP100Aにデータ更新指示の通知を送信して(S111)、ジョブ投入先であるMFP100Bにジョブを投入する(S108)。MFP100Aの更新指示より、MFP100Bへのジョブ投入を先に実行してもよい。更新指示の通知を受けたMFP100Aは、先の説明と同様にワンタッチキーのデータを更新する。
【0059】
なお上記の実施の形態では、データ更新指示の際に、MFP内に格納されているワンタッチキーの設定を更新するようにしたが、併せて、例えばMFP内のアドレス帳のデータを更新することもできる。即ち、例えば、MFP側のワンタッチキーで「B氏にメール送信」として設定されているB氏のメールアドレスが最新のアドレスでない場合、PC31からの更新指示によって、MFP内のアドレス帳に格納されたB氏のアドレスを更新するような構成も可能である。このような更新機能は、PC等のジョブ投入側の装置ではデータが頻繁に最新の状態に更新されるのと比較して、MFPなどでは更新が充分でないような状況において、実用的な効果が非常に大きい。
【0060】
(実施の形態2)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態で説明したように、MFP100A、100BにはJAVA(登録商標)仮想マシンがインストールされており、他の画像処理装置やジョブ投入装置から送信されてきたJAVA(登録商標)アプリケーションを動作させることが可能な環境となっている。本実施の形態では、メールアドレス、FAX番号等のジョブ処理に利用されるパラメータの他に、機能を転送する場合について説明する。
【0061】
本実施の形態では、第1の実施の形態で説明したような処理を実行するに先立ち、まずジョブ投入先の画像処理装置を指定する。そして、当該ジョブ投入先の画像処理装置、例えばMFP100Bから、当該MFPの機能に関する情報を取得する。具体的には、上記したJAVA(登録商標)仮想マシンがインストールされているか否か、インストールされているとして、どのようなJAVA(登録商標)アプリケーションが格納されており、どのような機能を用いた処理を実行することが可能か、などの情報を取得する。
【0062】
それ以降は、図8に示した処理が実行されるが、ジョブを投入する前に、当該ジョブを投入先のMFPで処理することが可能か否かの判定を行う。そして、JAVA(登録商標)仮想マシンはインストールされているが、JAVA(登録商標)アプリケーションが存在しないために投入先のMFPでジョブを処理することができない場合に、データ取得先のMFPからJAVA(登録商標)アプリケーションを取得し、取得したJAVA(登録商標)アプリケーションを投入されるジョブとともに送信する。受信した側では、送信されたJAVA(登録商標)アプリケーションを用いて、ユーザに指定された内容のジョブを実行することができる。
【0063】
このような処理を行うことにより、ジョブ投入先MFPの指定の自由度が増加する。特にネットワークとしてインターネットなどの広域ネットワークを用いる場合に、実用的な効果が大きい。また、ワンタッチキーの処理内容の指定が、より詳細である場合(例えばファイル形式の指定や、用紙とじ代の設定などの指定を含むような場合)に対応する場合にも、より好適となる。
【0064】
もっとも、JAVA(登録商標)アプリケーションを受信した側では、投入されたジョブが終了した場合には当該JAVA(登録商標)アプリケーションを消去する手段を設けることが好ましい。また、機能送信の手段はJAVA(登録商標)アプリケーションの送信に限らず、スクリプトやCOM(コンポーネント・オブジェクト・モデル)コンポーネントなどを送信する構成も可能である。なお、JAVA(登録商標)アプリケーション等を送信することにより、MFPに送信可能な機能の例として、ファイルの形式変換、用紙とじ代作成、スタンプ機能、OCR機能、天地判断、プレビュー作成、画像編集などがある。
【0065】
さらに、ジョブ投入装置において、例えばデータ格納部330内に上記JAVA(登録商標)アプリケーション等のプログラムを記憶するプログラム記憶手段を設け、また、ジョブの投入に先立ち、情報編集処理において、記憶しているJAVA(登録商標)アプリケーション等を用いた処理内容へ編集することが可能な構成とすることが好ましい。プログラムの処理内容を編集することが可能な構成とすることで、ジョブの内容編集の自由度が増す。
【0066】
JAVA(登録商標)アプリケーションの場合、ジョブに含めて送信するデータは実行形式のバイトコードとしてもよいし、ソースプログラムを送信することもできる。ソースプログラムを送信する場合、ジョブが投入された画像処理装置の側でソースプログラムをコンパイルしてバイトコードを生成することができる。また、プログラム記憶手段にバイトコードの他にソースプログラムを記憶しておき、ソースプログラムを編集した後でコンパイルし、バイトコードをジョブに含めて投入する構成とすることもできる。なお、プログラム記憶手段にはバイトコードなどの実行形式のファイルのみを記憶する構成でも良い。
【0067】
(変形例)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の内容が上記実施の形態において説明された具体例によって限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例も考えられる。
【0068】
(1)上記実施の形態では、ジョブ投入装置をPC31にインストールした場合について説明したが、本発明のジョブ投入装置の適用対象はPC等の情報処理装置に限らず、例えば携帯電話機などに搭載することもできる。この場合、無線LAN等のネットワーク接続機能が無い場合でも、携帯電話ネットワークを介して情報のやり取りを行うこともできる。
【0069】
例えば、携帯電話機からMFPに対して、データ取得要求の携帯電話メールを送信する。当該メールに対する返信で、例えばワンタッチキーの情報を送信する。その後、携帯電話機上でデータの編集を行い、ジョブ種別などを指定したジョブ実行指示メールを返信することにより、携帯電話機からジョブを投入するような実施形態が可能である。
【0070】
(2)上記実施の形態では、PC31がMFP100Aから取得したデータを、一度表示部312によりユーザに提示し、編集入力を受け付ける構成について説明したが、例えば、編集処理を自動化することも可能である。例えば、PC31の側でデータ取得要求を行う際に、「取得されたメールアドレス等のデータが、PC31に格納されたデータと異なる場合には自動的に更新処理してジョブを投入する」旨の指示設定を含めておき、それ以降の処理を自動化することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、例えばMFP等の画像処理装置にジョブを投入するジョブ投入装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】ジョブ処理システムの全体的な構成の一例を示す図である。
【図2】MFP100Aの外観の一例を示す図である。
【図3】MFP100Aのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】ワンタッチキーについて説明するための図である。
【図5】管理データの一例を示す図である。
【図6】ワンタッチキー設定画面の一例について説明するための図である。
【図7】ジョブ投入装置の構成の一例について説明するための機能ブロック図である。
【図8】ジョブ投入装置の処理内容の一例について説明するためのフローチャートである。
【図9】取得先MFP指定画面の一例を示す図である。
【図10】MFP100Aから取得した、ワンタッチキーのデータを表示部312に表示した状態の一例を示す図である。
【図11】情報編集処理の内容の一例について説明するためのフローチャートである。
【図12】PC31内のデータが一覧表示された状態の一例を示す図である。
【図13】データ編集画面の一例を示す図である。
【図14】ジョブ投入画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
11 操作部
12 ディスプレイ部
13 スキャナ部
14 プリンタ部
16 通信インタフェース
17 ドキュメントフィーダ
18 給紙装置
19 トレイ
20 CPU
21 RAM
22 ROM
23 ハードディスクドライブ
31 パーソナルコンピュータ(PC)
100A、100B MFP
311 操作部
312 表示部
316 通信インタフェース部
320 ジョブ投入制御部
321 データ取得指示受付部
322 データ取得部
323 データ編集部
324 ジョブ投入指示受付部
325 ジョブ生成部
326 ジョブ投入部
330 データ格納部
500 ネットワーク(LAN)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続された画像処理装置に格納されている、画像処理ジョブに利用されるデータを取得するデータ取得手段と、
必要に応じて、取得したデータの少なくとも一部を編集する編集手段と、
取得したデータ又は編集後のデータを含むジョブ処理要求を送信するジョブ処理要求送信手段とを備える
ことを特徴とするジョブ投入装置。
【請求項2】
前記ジョブ投入装置は、
取得したデータの少なくとも一部をユーザに提示する提示手段と、
提示したデータの編集入力をユーザから受け付ける編集入力受付手段とを備え、
前記編集手段は、
ユーザからの編集入力に従ってデータを編集する
ことを特徴とする請求項1に記載のジョブ投入装置。
【請求項3】
前記提示手段は、さらに、
取得したデータの置き換え対象として、当該ジョブ投入装置内に格納されているデータを提示し、
前記編集入力受付手段は、
提示された、前記ジョブ投入装置内に格納されているデータのいずれかを選択する入力を受け付け、
前記編集手段は、
選択されたデータを、対応する取得したデータと置き換える
ことを特徴とする請求項2に記載のジョブ投入装置。
【請求項4】
前記ジョブ投入装置は、さらに、
前記編集手段による編集内容を、前記データ取得手段によるデータ取得先の画像処理装置の格納内容に反映させる旨の指示を受け付ける更新指示入力受付手段を備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のジョブ投入装置。
【請求項5】
前記ジョブ投入装置は、
ジョブ処理要求の送信先が、前記データ取得手段によるデータ取得先の画像処理装置と異なる場合に、前記更新指示入力受付手段が反映させる旨の指示を受け付けた場合には、前記データ取得先の画像処理装置に更新指示を送信する
ことを特徴とする請求項4に記載のジョブ投入装置。
【請求項6】
前記ジョブ投入装置は、
ジョブ処理要求の送信先が、前記データ取得手段によるデータ取得先の画像処理装置と同じである場合に、前記更新指示入力受付手段が反映させる旨の指示を受け付けた場合には、更新指示をジョブに含めて送信する
ことを特徴とする請求項4に記載のジョブ投入装置。
【請求項7】
前記ジョブ投入装置は、さらに、
データ取得先の画像処理装置から、画像処理ジョブの処理機能を実現するプログラムを取得する機能取得手段を備え、
前記ジョブ処理要求送信手段は、
ジョブ処理要求の送信先が、前記データ取得手段のデータ取得先の画像処理装置と異なる場合であって、ジョブ処理に必要な場合に、ジョブ処理要求の送信先の画像処理装置に対して前記プログラムを送信する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のジョブ投入装置。
【請求項8】
前記ジョブ投入装置は、さらに、
前記機能取得手段により取得したプログラムを記憶するプログラム記憶手段を備え、
前記編集手段は、
前記プログラム記憶手段に記憶されたプログラムを使用するように、取得したデータの少なくとも一部を編集し、
前記ジョブ処理要求送信手段は、
前記編集手段による編集を経た編集後のデータを含むジョブ処理要求を送信する
ことを特徴とする請求項7に記載のジョブ投入装置。
【請求項9】
前記ジョブ処理要求送信手段は、
ジョブ処理要求の送信先の画像処理装置にJAVA(登録商標)仮想マシンがインストールされているが、必要なJAVA(登録商標)アプリケーションが存在しない場合に、前記プログラムとしてJAVA(登録商標)アプリケーションを送信する
ことを特徴とする請求項7又は8に記載のジョブ投入装置。
【請求項10】
画像処理装置にジョブを投入する装置にインストールされるプログラムであって、
接続された画像処理装置に格納されている、画像処理ジョブに利用されるデータを取得するデータ取得処理と、
必要に応じて、取得したデータの少なくとも一部を編集する編集処理と、
取得したデータ又は編集後のデータを含むジョブ処理要求を送信するジョブ処理要求送信処理とを、前記ジョブを投入する装置に実行させる
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−194752(P2007−194752A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−9319(P2006−9319)
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】