説明

スイッチの自動切断構造

【課題】 スイッチの任意角度の取付可能でオンオフ操作が順調で、過熱時の自動回路切断と押しボタンの原始使用位置への即時回復可能なスイッチの自動切断構造の提供。
【解決手段】 押しボタンがハウジングに枢設され、押しボタンとハウジングの間に弾性部品が装着され、該弾性部品が押しボタンに付勢し、押しボタンの延伸部の折曲状の溝中に連動部品の一端の棒体が嵌設され、別にケーシングに取り付けられた位置決め部品が該連動部品の一側に弾性接触し、連動部品の棒体を延伸部の溝中で往復、位置決め可能とし、連動部品の別端の挟持部が接触片の自由端を挟持する。押しボタンがオン位置にあるとき、該連動部品の棒体が押しボタンの延伸部の溝中で自由移動空間を具備し、電流過負荷時に、接触片が加熱され変形し自由に反対方向に弾性脱出し、連動部品或いは押しボタンによる阻止を受けず、電気回路の切断を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の制御回路のスイッチに係り、特に電流過負荷時の自動切断機能を具備すると共に、任意の角度、方向での取付可能であるスイッチ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電源制御スイッチの操作は、電流回路のオン(ON;通電)とオフ(OFF;切断)の二種類の作動行程の実行にある。オンとオフの二種類の機能の実行のほか、既存の多くのスイッチ構造は電流過負荷時の自動回路切断(以下自動切断と称する)機能を具備し、電流過負荷時の電流回路のヒューズ或いは回路切断機が即時反応して回路切断できない危険を回避している。
【0003】
すでに各種の電源制御スイッチの特許があり、例えば本件出願人による特許文献1−6等がある。しかし、これらの特許には共通の欠点があった。
(1)連動する部品が多く、連動の行程が複雑で、押しボタンと末端部品間が非即時動作関係とされ、製造コストも高い。
(2)作動関係が不確実で、故障の確率が高く、消費者の使用と電力使用の安全において不利である。
(3)電流過負荷で回路が過熱する時、接触弾性片が即時跳動して回路切断することが不可能であるか或いは脱出不完全で、回路が電流導通状態或いは局部電流導通状態とされ、電気回路が続けて過熱されて危険を形成する。
(4)電流過負荷で回路が過熱する時、接触弾性片が半離脱状態とされ、接触弾性片が冷却される時にまた通電状態に弾性により回復する。しかし続けて通電、切断を繰り返すと火花が形成されて危険である。且つ電流回路中の電子、電気設備は通電、切断の反復により停止したり正常運転不能となったりし、使用寿命が短縮され、ときには損傷して使用不能となる。
【0004】
電源制御スイッチ内部の部品の連動作動関係を有効に実行し、電源制御スイッチ部品を簡易化して製造コストを削減し、電流過負荷状態での即時反応を確保して回路切断し電力使用の安全を強化するため、電源制御スイッチの研究改良を続けることは製造業者にとって重要な課題である。
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,262,748号明細書
【特許文献2】米国特許第4,167,720号明細書
【特許文献3】米国特許第4,937,548号明細書
【特許文献4】米国特許第5,223,813号明細書
【特許文献5】米国特許第5,451,729号明細書
【特許文献6】米国特許第5,558,211号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は周知の各種の電源制御スイッチの連動構造の部品が複雑で、製造コストが高く、連動関係が間接的で、連動行程反応が遅く、電源制御スイッチが操作上、故障が多いという欠点に対して、特に周知の電源制御スイッチの、電流過負荷時に、即時跳動切断(オフ)不能であるか或いは切断不完全となるために、回路に続けて電流が流れて過熱状態が続くという問題、及び、過負荷過熱時に、接触弾性片が半離脱状態となり、接触弾性片が冷却時に通電状態に回復する時、通電、切断の反復により火花を形成し、危険をもたらすという問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、ハウジング(1)、押しボタン(2)、連動部品(3)、及び接触片(4)を包含し、
該ハウジング(1)は中空状とされ、その上方に開口(10)が設けられ、ハウジング(1)の底面に少なくとも二つの接触端子が組付けられ、そのうち一つの接触端子の上方に第2接点(121)が結合され、該ハウジング(1)に位置決め部品(17)が組み合わされ、
該押しボタン(2)はキャップ状を呈し、該押しボタン(2)は該ハウジング(1)の開口(10)に枢設され、該押しボタン(2)はその枢設部を中心として揺動可能で、押しボタン(2)の一端に延伸部(21)が設けられ、該延伸部(21)と該連動部品(3)の一端が相互に嵌合されて連動し、該押しボタン(2)の左側と右側がそれぞれ押し下げられることで、該延伸部(21)が該連動部品(3)を駆動して上下に作動させ、
該連動部品(3)は、その一端が前述の押しボタン(2)の延伸部(21)と相互に嵌合されて連動し、該連動部品(3)の別端に接触片(4)の自由端が連結され、前述のハウジング(1)の位置決め部品(17)が該連動部品(3)の一側を弾性押圧し、該連動部品(3)を確実に該押しボタン(2)の該延伸部(21)の設定位置に位置決めし、該連動部品(3)が押しボタン(2)に対する押圧動作に伴いオンオフ(ON/OFF)の動作を達成し、
該接触片(4)が弾性を具備する金属片体とされ、該接触片(4)の一端が一つの前記接触端子に接続され、該接触片(4)の片体が二側面に向けて跳動可能とされ、該接触片(4)の片体に接触部(41)が形成され、該接触部(41)の一辺は該接触片(4)に接続され、該接触部(41)のもう一辺は自由端とされ、該接触部(41)の自由端に前述の第2接点(121)に対応する第1接点(411)が設置され、該接触部(41)の自由端と該接触片(4)の自由端が相互に反対方向に弾性跳動する状態を保持し、接触片(4)と接触部(41)が熱を受ける時、それぞれ変形して反対方向に湾曲し並びにもう一側に向けて弾性跳動することを特徴とする、スイッチの自動切断構造としている。
請求項2の発明は、請求項1記載のスイッチの自動切断構造において、該ハウジング(1)に設置された少なくとも二つの接触端子が、それぞれ第1接触端子(11)、第2接触端子(12)とされ、第1接触端子(11)の上方の折曲部が接触片(4)の一端に組付けられ、第2接触端子(12)の上方に第2接点(121)が結合されたことを特徴とする、スイッチの自動切断構造としている。
請求項3の発明は、請求項1記載のスイッチの自動切断構造において、該位置決め部品(17)が弾性体とされたことを特徴とする、スイッチの自動切断構造としている。
請求項4の発明は、請求項3記載のスイッチの自動切断構造において、該位置決め部品(17)が略L形を呈することを特徴とする、スイッチの自動切断構造としている。
請求項5の発明は、請求項1記載のスイッチの自動切断構造において、該ハウジング(1)に嵌合孔(16)が設けられ、該位置決め部品(17)の下方は横棒(171)とされ、該位置決め部品(17)の該横棒(171)の端部が折り曲げられてフックが形成され、位置決め部品(17)の上方は縦棒(172)とされ、該位置決め部品(17)の下方の該横棒(171)が該ハウジング(1)の嵌合孔(16)に嵌合され、横棒(171)端部のフックが嵌合孔(16)の別側の開口に係合されて該ハウジング(1)に位置決め部品(17)が組付けられたことを特徴とする、スイッチの自動切断構造としている。
請求項6の発明は、請求項1記載のスイッチの自動切断構造において、該押しボタン(2)の延伸部(21)に溝(22)が設けられ、該溝(22)中に摺動可能に該連動部品(3)の一端が嵌合され、該連動部品(3)の一端に棒体(31)が設けられ、該棒体(31)が摺動可能に該押しボタン(2)の該延伸部(21)の該溝(22)中に嵌合され、且つ該棒体(31)が該溝(22)中で往復移動、位置決め可能とされたことを特徴とする、スイッチの自動切断構造としている。
請求項7の発明は、請求項6記載のスイッチの自動切断構造において、該押しボタン(2)の延伸部(21)の溝(22)が水平溝と、下向きに延伸された直立溝からなり、略逆L形の折曲状を呈し、回路導通(ON)の位置の時、該連動部品(3)の棒体(31)が該押しボタン(2)の延伸部(21)の溝(22)の直立溝中で一段の自由移動空間△S1を具備することを特徴とする、スイッチの自動切断構造としている。
請求項8の発明は、請求項1記載のスイッチの自動切断構造において、該押しボタン(2)と該ハウジング(1)の間に弾性部品(13)が設けられ、該弾性部品(13)が該押しボタン(2)の一端に上向きの弾性力を付与し、電流過負荷における回路切断(OFF)状態下で、該連動部品(3)上端の棒体(31)が該押しボタン(2)の延伸部(21)の溝(22)の下端に位置し、一段の自由移動空間△S2を形成し、該自由移動空間△S2が該押しボタン(2)の延伸部(21)の溝(22)に沿って該棒体(31)を下方に移動させる自由移動経路を提供し、すなわち、該押しボタン(2)の右端及び延伸部(21)の下向きの移動が該連動部品(3)の棒体(31)の制限を受けず、該押しボタン(2)の右端の延伸部(21)が該連動部品(3)の棒体(31)の上向きの押圧、制限を受けず、且つ該押しボタン(2)の左端が該弾性部品(13)の上向きの弾性押圧を受け、押しボタン(2)の左端が上向きに、右端が下向きに回転させられ、押しボタン(2)が一般の切断(OFF)の再使用状態に回復することを特徴とする、スイッチの自動切断構造としている。
請求項9の発明は、請求項8記載のスイッチの自動切断構造において、該弾性部品(13)はねじりバネとされ、ねじりバネの中段がコイルとされ、二端が延伸された自由端とされ、該ハウジング(1)の内側面に横向きの軸棒(14)と凸棒(15)が設けられ、ねじりバネのコイルが該軸棒(14)に嵌合され、ねじりバネの一つの自由端が前述の押しボタン(2)の下方を押圧し、もう一つの自由端が圧縮された後に該凸棒(15)を押圧し、ねじりバネの圧縮後の弾性回復力により該押しボタン(2)に弾性力が付与されたことを特徴とする、スイッチの自動切断構造としている。
請求項10の発明は、請求項1記載のスイッチの自動切断構造において、該連動部品(3)の該接触片(4)と連結される一端に挟持部(32)が設けられ、該挟持部(32)が該接触片(4)の自由端を活動挟持することを特徴とする、スイッチの自動切断構造としている。
請求項11の発明は、請求項10記載のスイッチの自動切断構造において、該挟持部(32)は該連動部品(3)の下端のフックと該フック上方の湾曲状片体が形成する挟持空間とされ、該挟持空間の幅が該接触片(4)の厚さより大きいことを特徴とする、スイッチの自動切断構造としている。
請求項12の発明は、請求項1記載のスイッチの自動切断構造において、該接触片(4)が複合金属薄片とされたことを特徴とする、スイッチの自動切断構造としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は一種のスイッチの自動切断構造を提供し、それは押しボタンの一端の延伸部と連動部品の活動嵌合を利用し、並びに延伸部の嵌合部分に活動移動可能な溝を形成し、押しボタンが該押しボタンが回路の通電(ON)の位置にある時、該連動部品の棒体は該押しボタンの延伸部の溝中で一段の自由移動空間を具備し、電流過負荷時に、接触片が熱で変形して自由に反対方向に跳動可能で、該連動部品或いは押しボタンの阻止を受けず、電気回路の切断(OFF)を形成し、且つ完全に跳動して回路切断状態を形成し、電気使用の安全を達成する。
【0009】
本発明はまた、位置決め部品により連動部品の一側を押圧することで、連動部品の棒体を延伸部の溝中の設定位置に確実に位置決めできるようにし、スイッチを任意の角度或いは方向に取付可能とし、スイッチのオンオフ操作を順調に行なえるようにし、過負荷過熱時に自動跳動して回路を切断し、並びに押しボタンをもとの電力使用の位置に即時回復させることができる。
【0010】
本発明はさらに、電流の過負荷による回路切断の後、スイッチの押しボタンが自動的に一般の電力切断(オフ)の再使用状態に回復し、使用者は押しボタンの位置によりスイッチがすでに跳動し回路切断したことを明らかに知ることができ、使用の便利性を有する。
【0011】
本発明はまた、押しボタンを利用して連動部品を駆動し、該接触片の自由端を押し引きし、直接的に接触片の跳動を制御して電気回路の導通と切断を制御し、電源制御スイッチの連動部品を有効に簡易化し、スイッチの連動を更に直接的、迅速とし、部品連動タイミングの遅延の問題を減らし、さらに電源制御スイッチの故障を減らし、組立を容易とし、有効に製造コストを減らし、電源制御スイッチ構造の使用寿命を延長する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は一種のスイッチの自動切断構造を提供する。それは、押しボタンがハウジングに枢設され、押しボタンの一端に下向きに延伸された延伸部が設けられ、該延伸部に折曲状の溝が設けられ、押しボタンとハウジングの間に弾性部品が組付けられ、該弾性部品が該押しボタンに付勢し、前述の押しボタンの延伸部の溝中に連動部品の一端の棒体が嵌設され、別に該ハウジングに位置決め部品が組付けられ、該位置決め部品が該連動部品の一側を押圧し、該連動部品の棒体が該延伸部の該溝中で往復移動、位置決め可能とされ、該連動部品の別端が挟持部とされ、該挟持部が接触片の自由端を活動挟持する。
【0013】
該押しボタンの揺動により、該連動部品が駆動されて該接触片の自由端を押し引きし、該接触片の自由端を上下に跳動させ、電気回路の通電(ON)或いは切断(OFF)状態を形成する。該押しボタンが回路の通電(ON)の位置にある時、該連動部品の棒体は該押しボタンの延伸部の溝中で一段の自由移動空間を具備し、電流過負荷時に、接触片が熱で変形して自由に反対方向に跳動可能で、該連動部品或いは押しボタンの阻止を受けず、電気回路の切断(OFF)を形成する。
【実施例1】
【0014】
図1から図3は本発明の実施例の立体分解図、切断(OFF)状態の組合せ断面図、通電(ON)状態の組合せ断面図である。それは、ハウジング1、押しボタン2、連動部品3及び接触片4を包含する。
【0015】
該ハウジング1は中空状とされ、その上方に開口10が設けられ、ハウジング1の底面に少なくとも二つの接触端子が組付けられ、本実施例では二つの接触端子とされ、それぞれ第1接触端子11、第2接触端子12とされる。該第1接触端子11の上方の折曲部は前述の接触片4の固定端に組み合わされ、第2接触端子12の上方には第2接点121が結合されている。ハウジング1と前述の押しボタン2の間に弾性部品13が組付けられ、該弾性部品13は押しボタン2に弾性力を付与する。本実施例では、該弾性部品13はねじりバネとされ、ねじりバネの中段はコイルとされ、二端は延伸された自由端とされ、ハウジング1の内側面に横向きの軸棒14と凸棒15が設置され、ねじりバネのコイルが軸棒14に嵌合され、ねじりバネの自由端が前述の押しボタン2の一端(左端)の下方を押圧し、もう一つの自由端は圧縮された後に凸棒15を押圧し、ねじりバネの圧縮後の弾性回復力が押しボタン2に弾性力を付与し、これについては図2、3を参照されたい。また、ハウジング1に位置決め部品17が組み合わされ、本実施例ではハウジング1に嵌合孔16が設けられ、該嵌合孔16中に前述の位置決め部品17が組み合わされ、該位置決め部品17は略L形を呈するが、ただしL形の弾性体に限定されるわけではなく、下方の横棒171の端部が折り曲げられてフックが形成され、縦棒172が僅かな幅で湾曲させられ、位置決め部品17の下方の横棒171が嵌合孔16中に嵌合され、横棒171の端部のフックが嵌合孔16のもう一側の開口に係合して位置決め部品17と嵌合孔16との組合せが完成する。
【0016】
該押しボタン2はキャップ状体とされ、押しボタン2の両側面が活動可能にハウジング1の開口10に枢設され、押しボタン2が枢設部を中心として揺動可能とされる。押しボタン2の一端(右端、前述の弾性部品13(ねじりバネ)の一端を押圧する端部とは異なる)に下向きに延伸部21ガも、該延伸部21と連動部品3の一端が相互に嵌合し連動し、押しボタン2が下向きに左右に押圧される時、延伸部21が対応して連動部品3を駆動して上下に作動させる。本実施例では、該延伸部21に溝22が設けられ、該溝22は水平溝と下向きに延伸された直立溝からなる逆L形の折曲状を呈する。溝22中に連動部品3の一端(上端)が摺動可能に嵌合される。押しボタン2が下向きに、左右に押圧されることで連動部品3が駆動されて上下に作動する。
【0017】
該連動部品3の一端は前述の押しボタン2の延伸部21と相互に嵌合し押しボタン2により駆動される。本実施例では、該連動部品3の一端(上端)に横向きの棒体31が設けられ、該棒体31が前述の押しボタン2の延伸部21の溝22中に摺動可能に嵌合され、且つ該棒体31が該溝22中で往復移動、位置決め可能とされる。該連動部品3のもう一端は活動可能に接触片4の自由端に連結され、本実施例では、連動部品3の別端(下端)に挟持部32が設けられ、該挟持部32が活動可能に該接触片4の自由端に挟持され、挟持部32は連動部品3の下端のフック33とフック33上方の折曲状片体34の形成する挟持空間とされ、該挟持空間の幅は接触片4の厚さよりやや大きい。
【0018】
本発明は前述のハウジング1中の位置決め部品17により連動部品3の一側が弾性的に押圧され、すなわち、位置決め部品17の縦棒172が弾性的に連動部品3の棒体31の一側を押圧し、これにより連動部品3が確実に押しボタン2の延伸部21の設定位置に位置決めされ、連動部品3が押しボタン2に対する押圧動作によりオンオフ(ON/OFF)の作動を達成できるものとされる。具体的には、該位置決め部品17の作用は以下のとおりである。すなわち、連動部品3を地球重力の影響を受けないようにし、どのような角度、方向でも、該連動部品3の棒体31を押しボタン2の延伸部21の溝22中の設定位置に位置決めできるようにし、これにより連動部品3を押しボタン2に対する押圧動作に合わせて完全に動作させてオンオフ(ON/OFF)操作を順調に行なえるようにする。
【0019】
該接触片4は弾性を有する金属片体とされ、その一端が第1接触端子11の折曲状部分に組付けられ、接触片4の片体は二側面に向けて跳動可能である。接触片4の別端は自由端とされる。接触片4の片体にコ形溝が設けられてその中央部分に接触部41が形成され、該接触部41の固定端は接触片4の片体と接続され、接触部41の別端は自由端とされ、接触部41の自由端が第1接点411に組み合わされ、接触部41の自由端は接触片4の片体の平面に対して突出し、図2、3に示されるように、接触片4の自由端が下向きに湾曲跳動する時、接触部41の自由端は上向きに湾曲跳動する。接触片4の自由端が上向きに湾曲跳動する時、接触部41の自由端は下向きに湾曲跳動し、すなわち、接触片4の自由端と接触部41の自由端は相互に反対方向に湾曲するよう弾性跳動する状態を保持する。
【0020】
本発明の一般の切断(OFF)と通電(ON)の実施状態は以下のとおりである。図2に示されるように、押しボタン2の右端が押し下げられる時、連動部品3が駆動され下向きに移動し、連動部品3の挟持部32が接触片4の自由端を挟持して下に移動するため、接触片4の接触部41の自由端を上向きに反対方向に弾性跳動させ、接触部41の第1接点411と第2接触端子12の第2接点121を分離させて、切断(OFF)状態を形成する。このとき、位置決め部品17の縦棒172は右向きに連動部品3の棒体31を押圧し押しボタン2の延伸部21の溝22の右上方端部に位置決めする。
【0021】
押しボタン2の左端が押し下げられるとき、図3に示されるように、該押しボタン2の右端の延伸部21が上向きに移動して連動部品3を駆動して上に移動させ、連動部品3の挟持部32が接触片4の自由端を挟持して上向きに移動し、接触片4の接触部41の自由端が下向きに反対方向に弾性跳動し、接触部41上の第1接点411と第2接触端子12の第2接点121が接触して通電(ON)状態が形成される。すなわち、図2の切断(OFF)状態から図3の通電(ON)状態となる。このとき、押しボタン2の右端が上向きに回転し、位置決め部品17の縦棒172が押しボタン2の延伸部21の溝22の左側に位置し、縦棒172と連動部品3は不接触で、該連動部品3の棒体31が押しボタン2の延伸部21の溝22の左上方端部に位置する。
【0022】
上述したように、押しボタン2の左端、右端を押し下げて、押しボタン2の延伸部21により連動部品3を駆動して下向き、上向きに移動させ、連動部品3の挟持部32により接触片4の自由端を挟持して接触片4を上下に跳動させることで、接触部41の第1接点411を第2接触端子12の第2接点121と分離、接触させ、電気回路の切断(OFF)或いは通電(ON)状態を形成し、本発明の直接連動の簡易動作スイッチ構造となす。
【0023】
また、押しボタンが回路導通(ON)の位置にあるとき、図3、4に示されるように、位置決め部品17の縦棒172は押しボタン2の延伸部21の溝22の左側に位置し、縦棒172と連動部品3は不接触であり、該連動部品3の上端の棒体31は押しボタン2の延伸部21の溝22の直立溝中で一段の下向きの自由移動空間△S1を具備し、該自由移動空間△S1は連動部品3の棒体31の溝22中での自由な下向き移動の経路を提供して連動部品3全体の下向き移動が押しボタン2の延伸部21に制限されないようにし、また、接触片4の自由端の下向き弾性跳動も制限されないようにする。電流過負荷時、接触片4が熱により反対方向(下向き)に湾曲変形し、接触片4の自由端は下向きに弾性跳動し、接触片4の接触部41の自由端が上向きに反対方向に弾性跳動して、接触部41上の第1接点411と第2接触端子12の第2接点121が分離し、電気回路の切断(OFF)を形成する。これについては図5を参照されたい。
【0024】
図5、6を参照されたい。電流過負荷時の、跳動、切断(OFF)状態で、連動部品3の上端の棒体31は押しボタン2の延伸部21の溝22下端に位置し、一段の自由移動空間△S2を形成し、該自由移動空間△S2は押しボタン2の延伸部21の溝22に沿った下向きの自由移動経路を提供し、すなわち、押しボタン2の右端及び延伸部21の下向きの移動は連動部品3の棒体31の制限を受けず、このとき、押しボタン2の右端の延伸部21は連動部品3の棒体31の上向きの押圧、制限を受けず、且つ押しボタン2の左端は弾性部品13の上向きの弾性押圧を受け、ゆえに押しボタン2の左端は上向きに、右端は下向きに回転し、押しボタン2は一般の切断(OFF)の再使用状態に回復し、これは図2に示されるようである。
【0025】
特に注意されたいことは以下のとおりである。本発明はハウジング1中の位置決め部品17の縦棒172の弾性を利用し且つ適当に連動部品3の棒体31の一側を押圧し、連動部品3を完全に重力の影響を受けないようにし、これにより本発明は任意の角度或いは方位にあっても、連動部品3の棒体31が押しボタン2の延伸部21の溝22中で設定された位置に位置決めされ、これにより連動部品3が確実に押しボタン2の押圧動作に合わせて動作し、オンオフ操作を順調とする目的を達成する。並びに過負荷過熱跳動の後、位置決め部品17の縦棒172が右向きに連動部品3の棒体31を押圧して再度押しボタン2の延伸部21の溝22の右上方端部に位置決めし、押しボタン2を確実に一般の切断(OFF)の再使用状態に回復させられる。
【0026】
本発明の作動過程は簡易化され、迅速である。電流過負荷時、スイッチ部品作動の妨害を受けず、接触片4の接触部41が熱により変形して自由に反対方向に跳動し、電気回路を完全に切断(OFF)状態となし、電力使用の安全性を達成し、また押しボタン2は電流過負荷による跳動の後、一般の切断(OFF)状態の再使用状態に自動回復し、重力の影響を受けず、任意の角度或いは方向に取付可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施例の立体分解図である。
【図2】本発明の実施例の組合せ断面図であり、本発明の実施例の切断(OFF)状態を示している。
【図3】本発明の実施例の組合せ断面図であり、本発明の実施例の通電(ON)状態を示している。
【図4】図3の局部拡大図であり、連動部品3の棒体31の押しボタン2の延伸部21の溝22の自由移動空間△S1を示す。
【図5】本発明の実施例の組合せ断面図であり、本発明の実施例の通電(ON)状態での電流過負荷時に、接触片4と接触部41が反対方向に湾曲跳動し、連動部品3を押動して移動させて、切断(OFF)状態を形成した状態を示す。
【図6】図5の局部拡大図であり、連動部品3の棒体31の押しボタン2の延伸部21の溝22の自由移動空間△S2を示す。
【符号の説明】
【0028】
1 ハウジング
10 開口
11 第1接触端子
12 第2接触端子
121 第2接点
13 弾性部品
14 軸棒
15 凸棒
16 嵌合孔
17 位置決め部品
171 横棒
172 縦棒
2 押しボタン
21 延伸部
22 溝
3 連動部品
31 棒体
32 挟持部
33 フック
34 片体
4 接触片
41 接触部
411 第1接点
△S1 自由移動空間
△S2 自由移動空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(1)、押しボタン(2)、連動部品(3)、及び接触片(4)を包含し、 該ハウジング(1)は中空状とされ、その上方に開口(10)が設けられ、ハウジング(1)の底面に少なくとも二つの接触端子が組付けられ、そのうち一つの接触端子の上方に第2接点(121)が結合され、該ハウジング(1)に位置決め部品(17)が組み合わされ、
該押しボタン(2)はキャップ状を呈し、該押しボタン(2)は該ハウジング(1)の開口(10)に枢設され、該押しボタン(2)はその枢設部を中心として揺動可能で、押しボタン(2)の一端に延伸部(21)が設けられ、該延伸部(21)と該連動部品(3)の一端が相互に嵌合されて連動し、該押しボタン(2)の左側と右側がそれぞれ押し下げられることで、該延伸部(21)が該連動部品(3)を駆動して上下に作動させ、
該連動部品(3)は、その一端が前述の押しボタン(2)の延伸部(21)と相互に嵌合されて連動し、該連動部品(3)の別端に接触片(4)の自由端が連結され、前述のハウジング(1)の位置決め部品(17)が該連動部品(3)の一側を弾性押圧し、該連動部品(3)を確実に該押しボタン(2)の該延伸部(21)の設定位置に位置決めし、該連動部品(3)が押しボタン(2)に対する押圧動作に伴いオンオフ(ON/OFF)の動作を達成し、
該接触片(4)が弾性を具備する金属片体とされ、該接触片(4)の一端が一つの前記接触端子に接続され、該接触片(4)の片体が二側面に向けて跳動可能とされ、該接触片(4)の片体に接触部(41)が形成され、該接触部(41)の一辺は該接触片(4)に接続され、該接触部(41)のもう一辺は自由端とされ、該接触部(41)の自由端に前述の第2接点(121)に対応する第1接点(411)が設置され、該接触部(41)の自由端と該接触片(4)の自由端が相互に反対方向に弾性跳動する状態を保持し、接触片(4)と接触部(41)が熱を受ける時、それぞれ変形して反対方向に湾曲し並びにもう一側に向けて弾性跳動することを特徴とする、スイッチの自動切断構造。
【請求項2】
請求項1記載のスイッチの自動切断構造において、該ハウジング(1)に設置された少なくとも二つの接触端子が、それぞれ第1接触端子(11)、第2接触端子(12)とされ、第1接触端子(11)の上方の折曲部が接触片(4)の一端に組付けられ、第2接触端子(12)の上方に第2接点(121)が結合されたことを特徴とする、スイッチの自動切断構造。
【請求項3】
請求項1記載のスイッチの自動切断構造において、該位置決め部品(17)が弾性体とされたことを特徴とする、スイッチの自動切断構造。
【請求項4】
請求項3記載のスイッチの自動切断構造において、該位置決め部品(17)が略L形を呈することを特徴とする、スイッチの自動切断構造。
【請求項5】
請求項1記載のスイッチの自動切断構造において、該ハウジング(1)に嵌合孔(16)が設けられ、該位置決め部品(17)の下方は横棒(171)とされ、該位置決め部品(17)の該横棒(171)の端部が折り曲げられてフックが形成され、位置決め部品(17)の上方は縦棒(172)とされ、該位置決め部品(17)の下方の該横棒(171)が該ハウジング(1)の嵌合孔(16)に嵌合され、横棒(171)端部のフックが嵌合孔(16)の別側の開口に係合されて該ハウジング(1)に位置決め部品(17)が組付けられたことを特徴とする、スイッチの自動切断構造。
【請求項6】
請求項1記載のスイッチの自動切断構造において、該押しボタン(2)の延伸部(21)に溝(22)が設けられ、該溝(22)中に摺動可能に該連動部品(3)の一端が嵌合され、該連動部品(3)の一端に棒体(31)が設けられ、該棒体(31)が摺動可能に該押しボタン(2)の該延伸部(21)の該溝(22)中に嵌合され、且つ該棒体(31)が該溝(22)中で往復移動、位置決め可能とされたことを特徴とする、スイッチの自動切断構造。
【請求項7】
請求項6記載のスイッチの自動切断構造において、該押しボタン(2)の延伸部(21)の溝(22)が水平溝と、下向きに延伸された直立溝からなり、略逆L形の折曲状を呈し、回路導通(ON)の位置の時、該連動部品(3)の棒体(31)が該押しボタン(2)の延伸部(21)の溝(22)の直立溝中で一段の自由移動空間△S1を具備することを特徴とする、スイッチの自動切断構造。
【請求項8】
請求項1記載のスイッチの自動切断構造において、該押しボタン(2)と該ハウジング(1)の間に弾性部品(13)が設けられ、該弾性部品(13)が該押しボタン(2)の一端に上向きの弾性力を付与し、電流過負荷における回路切断(OFF)状態下で、該連動部品(3)上端の棒体(31)が該押しボタン(2)の延伸部(21)の溝(22)の下端に位置し、一段の自由移動空間△S2を形成し、該自由移動空間△S2が該押しボタン(2)の延伸部(21)の溝(22)に沿って該棒体(31)を下方に移動させる自由移動経路を提供し、すなわち、該押しボタン(2)の右端及び延伸部(21)の下向きの移動が該連動部品(3)の棒体(31)の制限を受けず、該押しボタン(2)の右端の延伸部(21)が該連動部品(3)の棒体(31)の上向きの押圧、制限を受けず、且つ該押しボタン(2)の左端が該弾性部品(13)の上向きの弾性押圧を受け、押しボタン(2)の左端が上向きに、右端が下向きに回転させられ、押しボタン(2)が一般の切断(OFF)の再使用状態に回復することを特徴とする、スイッチの自動切断構造。
【請求項9】
請求項8記載のスイッチの自動切断構造において、該弾性部品(13)はねじりバネとされ、ねじりバネの中段がコイルとされ、二端が延伸された自由端とされ、該ハウジング(1)の内側面に横向きの軸棒(14)と凸棒(15)が設けられ、ねじりバネのコイルが該軸棒(14)に嵌合され、ねじりバネの一つの自由端が前述の押しボタン(2)の下方を押圧し、もう一つの自由端が圧縮された後に該凸棒(15)を押圧し、ねじりバネの圧縮後の弾性回復力により該押しボタン(2)に弾性力が付与されたことを特徴とする、スイッチの自動切断構造。
【請求項10】
請求項1記載のスイッチの自動切断構造において、該連動部品(3)の該接触片(4)と連結される一端に挟持部(32)が設けられ、該挟持部(32)が該接触片(4)の自由端を活動挟持することを特徴とする、スイッチの自動切断構造。
【請求項11】
請求項10記載のスイッチの自動切断構造において、該挟持部(32)は該連動部品(3)の下端のフックと該フック上方の湾曲状片体が形成する挟持空間とされ、該挟持空間の幅が該接触片(4)の厚さより大きいことを特徴とする、スイッチの自動切断構造。
【請求項12】
請求項1記載のスイッチの自動切断構造において、該接触片(4)が複合金属薄片とされたことを特徴とする、スイッチの自動切断構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−48783(P2009−48783A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−210912(P2007−210912)
【出願日】平成19年8月13日(2007.8.13)
【出願人】(599106916)
【Fターム(参考)】