説明

スイッチトキャパシタ回路

【課題】半導体回路の活用範囲を拡大しつつ電力消耗と回路が占める面積を減らすことのできるスイッチトキャパシタ回路を提供する。
【解決手段】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路は、チョッパ安定化回路を用いてオフセットを除去するための反転増幅器と、入力端子と前記反転増幅器との間に接続されるサンプリングユニットと、前記反転増幅器に並列接続されるフィードバックユニットとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体回路に関し、より具体的にはスイッチトキャパシタ(switched capacitor)回路に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体回路では、集積度の向上と低電力回路を設計するためにスイッチトキャパシタ回路が幅広く用いられている。このようなスイッチトキャパシタ回路の性能は、CMOSアナログ回路技術の発展と共に急速に向上している。
【0003】
スイッチトキャパシタ回路は、積分器、加算器、アナログフィルタ、アナログ−デジタルコンバータ(ADC)、デジタル−アナログコンバータ(DAC)などのアナログ回路に様々に用いられている。ここで、スイッチトキャパシタ回路の主要ブロックの1つとして、動作増幅器が主に用いられている。しかし、このような動作増幅器は、電力消耗が多く、また、広い面積を占める問題がある。したがって、スイッチトキャパシタ回路に動作増幅器の代わりに比較的に電力消耗の少ない反転増幅器の使用が増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、半導体回路の活用範囲を拡大しつつ電力消耗と面積を減らすことのできるスイッチトキャパシタ回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係るスイッチトキャパシタ回路は、チョッパ安定化回路を用いてオフセットを除去するための反転増幅器と、入力端子と前記反転増幅器との間に接続されるサンプリングユニットと、前記反転増幅器に並列接続されるフィードバックユニットとを備える。
【0006】
実施形態において、前記反転増幅器は、差動形態の反転器対と、前記反転器対の入力端に接続され、入力信号を周期的に反転させて前記反転器対に送信する第1チョッパ安定化回路と、前記反転器対の出力端に接続され、前記反転器対の出力信号を周期的に反転させて出力端子に送信する第2チョッパ安定化回路とを備える。
【0007】
実施形態において、前記サンプリングユニットは、前記入力端子と第1ノード対との間に接続され、第1制御信号に応答してターンオンされる第1スイッチ対と、前記第1ノード対と接地との間に接続され、第2制御信号に応答してターンオンされる第2スイッチ対と、第2ノード対と接地との間に接続され、前記第1制御信号に応答してターンオンされる第3スイッチ対と、前記第2ノード対と第3ノード対との間に接続され、前記第2制御信号に応答してターンオンされる第4スイッチ対と、前記第1ノード対と前記第2ノード対との間に接続されたサンプリングキャパシタ対とを備える。
【0008】
実施形態において、前記フィードバックユニットは、フィードバックキャパシタ対を備える。
【0009】
実施形態において、前記第1チョッパ安定化回路は、第1チョッピング信号に応答してターンオンされると、前記第3ノード対の信号を前記反転器対にそのまま送信する第5スイッチ対と、第2チョッピング信号に応答してターンオンされると、前記第3ノード対の信号を前記反転器対に反転して送信する第6スイッチ対とを備える。
【0010】
実施形態において、前記第2チョッパ安定化回路は、第3チョッピング信号に応答してターンオンされると、前記反転器対の出力信号を前記出力端子にそのまま送信する第7スイッチ対と、第4チョッピング信号に応答してターンオンされると、前記反転器対の出力信号を前記出力端子に反転して送信する第8スイッチ対とを備える。
【0011】
実施形態において、前記第1チョッパ安定化回路を制御する前記第1チョッピング信号と前記第2チョッピング信号は互いに重ならない2相クロックである。
【0012】
実施形態において、前記第2チョッパ安定化回路を制御する前記第3チョッピング信号と前記第4チョッピング信号は互いに重ならない2相クロックである。
【0013】
実施形態において、前記第1チョッピング信号と前記第3チョッピング信号は、パルスの持続時間の差を置いて互いに重なるクロックである。
【0014】
実施形態において、前記第2チョッピング信号と前記第4チョッピング信号は、パルスの持続時間の差を置いて互いに重なるクロックである。
【0015】
実施形態において、互いに並列接続される複数のサンプリングユニットと、前記フィードバックキャパシタ対の一端に接続され、前記第2制御信号に応答してターンオンされる第9スイッチ対と、前記フィードバックキャパシタ対の前記一端と接地との間に接続され、前記第1制御信号に応答してターンオンされる第10スイッチ対とを備える。
【0016】
実施形態において、前記第1制御信号と前記第2制御信号は互いに重ならない2相クロックである。
【0017】
本発明の実施形態に係る反転増幅器は、差動形態の反転器対と、前記反転器対の入力端に接続され、入力信号を周期的に反転させて前記反転器対に送信する第1チョッパ安定化回路と、前記反転器対の出力端に接続され、前記反転器対の出力信号を周期的に反転させて出力端子に送信する第2チョッパ安定化回路とを備える。
【0018】
実施形態において、前記第1チョッパ安定化回路は、第1チョッピング信号に応答してターンオンされると、入力信号が前記第1チョッパ安定化回路の出力端にそのまま送信する第1スイッチ対と、第2チョッピング信号に応答してターンオンされると、入力信号が前記第1チョッパ安定化回路の出力端に反転して送信する第2スイッチ対とを備える。
【0019】
実施形態において、前記第2チョッパ安定化回路は、第3チョッピング信号に応答してターンオンされると、入力信号が前記出力端子にそのまま送信する第3スイッチ対と、第4チョッピング信号に応答してターンオンされると、入力信号が前記出力端子に反転して送信する第4スイッチ対とを備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るスイッチトキャパシタ回路は、オフセット及びフリッカー雑音を除去するためのチョッパ安定化回路が備えられた反転増幅器を用いることで、半導体回路の活用範囲を拡大しつつ電力消耗と面積を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係るスイッチトキャパシタ回路を示すブロック図である。
【図2】図1に示すスイッチトキャパシタ回路の第1実施形態を示す回路図である。
【図3】図1に示すスイッチトキャパシタ回路の第2実施形態を示す回路図である。
【図4】図1に示すスイッチトキャパシタ回路の第3実施形態を示す回路図である。
【図5】図4に示すスイッチトキャパシタ回路で用いられた信号波形を示す図である。
【図6】図1に示すスイッチトキャパシタ回路の第4実施形態を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明の技術的な思想を容易に実施できるように本発明の実施形態を添付する図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係るスイッチトキャパシタ回路100を示すブロック図である。図1を参照すれば、スイッチトキャパシタ回路100は、サンプリングユニット110、フィードバックユニット120、130、及び増幅器140を備える。
【0024】
スイッチトキャパシタ回路100はサンプリング(sampling)モードと積分(integration)モードによって積分器または加算器の機能を行う。サンプリングモードにおいて、入力電圧はサンプリングユニット110に充電される。充電が完了すれば、入力電圧がサンプリングユニット110にサンプリングされることになる。積分モードにおいて、サンプリングユニット110に充電された電荷はフィードバックユニット120、130に送信される。
【0025】
サンプリングユニット110は、入力端子INP、INMと増幅器140との間に接続される。フィードバックユニット120、130と増幅器140はサンプリングユニット110と出力端子OUTP、OUTMとの間に並列接続される。サンプリングユニット110は、サンプリングモード時に入力端子INP、INMに印加される入力電圧によって電荷を充電する。また、サンプリングユニット110は、積分モード時にサンプリングユニット110に充電された電荷をフィードバックユニット120、130に送信する。これは、フィードバックユニット120、130と増幅器140が形成するフィードバックループによって行われる。スイッチトキャパシタ回路100の動作過程は下記で詳細に説明する。
【0026】
図2は、図1に示すスイッチトキャパシタ回路100の第1実施形態を示す回路図である。図2を参照すれば、スイッチトキャパシタ回路200は、サンプリングユニット210、フィードバックユニット220、230、及び動作増幅器240を備える。
【0027】
サンプリングユニット210は、入力端子INP、INMと動作増幅器240との間に接続される。フィードバックユニット220、230と動作増幅器240はサンプリングユニット210と出力端子OUTP、OUTMとの間に並列接続される。
【0028】
サンプリングユニット210は、スイッチ対(S1A、S1B)(S2A、S2B)(S3A、S3B)(S4A、S4B)及びキャパシタ対(C1A、C1B)を含む。スイッチ対(S1A、S1B)は入力端子(INP、INM)とノード対(N1A、N1B)との間にそれぞれ接続される。スイッチ対(S2A、S2B)はノード対(N1A、N1B)と接地との間にそれぞれ接続される。スイッチ対(S3A、S3B)はノード対(N2A、N2B)と接地との間にそれぞれ接続される。スイッチ対(S4A、S4B)はノード対(N2A、N2B)とノード対(N3A、N3B)との間にそれぞれ接続される。キャパシタ対(C1A、C1B)はノード対(N1A、N1B)とノード対(N2A、N2B)との間にそれぞれ接続される。フィードバックユニット220、230はキャパシタ対(C2A、C2B)である。
【0029】
サンプリングモードで第1制御信号(Φ1)に応答してスイッチ対(S1A、S1B)(S3A、S3B)はターンオンされ、スイッチ対(S2A、S2B)(S4A、S4B)はターンオフされる。同時にサンプリングユニット210は、入力端子(INP、INM)に印加される入力電圧によってキャパシタ対(C1A、C1B)に電荷を充電する。積分モードで第2制御信号(Φ2)に応答してスイッチ対(S1A、S1B)(S3A、S3B)はターンオフされ、スイッチ対(S2A、S2B)(S4A、S4B)はターンオンされる。同時に、キャパシタ対(C1A、C1B)に充電された電荷はキャパシタ対(C2A、C2B)に送信される。これはキャパシタ対(C2A、C2B)と動作増幅器240が形成するフィードバックループによって行われる。スイッチトキャパシタ回路200は、サンプリングモードと積分モードを繰り返しながら積分器として動作する。
【0030】
図3は、図1に示すスイッチトキャパシタ回路100の第2実施形態を示す回路図である。図3を参照すれば、スイッチトキャパシタ回路300は、サンプリングユニット310、フィードバックユニット320、330、反転増幅器340、オフセットスイッチ対(SOSA、SOSB)及びオフセットキャパシタ対(COSA、COSB)を含む。
【0031】
サンプリングユニット310は、入力端子(INP、INM)とオフセットキャパシタ対(COSA、COSB)との間に接続される。フィードバックユニット320、330は、サンプリングユニット310と出力端子(OUTP、OUTM)との間に接続される。オフセットキャパシタ対(COSA、COSB)はサンプリングユニット310と反転増幅器340との間に接続される。反転増幅器340とオフセットスイッチ対(SOSA、SOSB)はオフセットキャパシタ対(COSA、COSB)と出力端子(OUTP、OUTM)との間にそれぞれ並列接続される。
【0032】
サンプリングユニット310は、スイッチ対(S5A、S5B)(S6A、S6B)(S7A、S7B)及びキャパシタ対(C3A、C3B)を含む。スイッチ対(S5A、S5B)は入力端子(INP、INM)とノード対(N4A、N4B)との間にそれぞれ接続される。スイッチ対(S6A、S6B)はノード対(N5A、N5B)と接地との間にそれぞれ接続される。スイッチ対(S7A、S7B)はノード対(N5A、N5B)と接地との間にそれぞれ接続される。キャパシタ対(C3A、C3B)はノード対(N4A、N4B)とノード対(N5A、N5B)との間にそれぞれ接続される。フィードバックユニット320、330は、スイッチ対(S8A、S8B)及びキャパシタ対(C4A、C4B)を含む。スイッチ対(S8A、S8B)はキャパシタ対(C4A、C4B)にそれぞれ接続される。反転増幅器340は反転器(INV)対及び共通モードフィードバック回路(CMFB)を含む。共通モードフィードバック回路(CMFB)は出力端子(OUTP、OUTM)の間に接続される。ここで、共通モードフィードバック回路(CMFB)は差動形態に具現されたスイッチトキャパシタ回路の出力信号を安定化させる。
【0033】
サンプリングモードにおいてオフセットスイッチ対(SOSA、SOSB)は第1制御信号(Φ1)に応答してターンオンされる。同時に、反転器(INV)対の入力と出力が短絡される。そして、オフセットキャパシタ対(COSA、COSB)に反転器(INV)対のオフセット電圧に該当する電荷が充電される。その後、積分モードに変更されても反転器(INV)対は内部的に開放されているため、オフセットキャパシタ対(COSA、COSB)にオフセット電圧がそのまま維持される。ここで、オフセット電圧を充電して維持する動作を除いたサンプリングモードにおける動作と積分モードにおける動作は、図2に示すスイッチトキャパシタ回路200の動作と実質的に同一である。したがって、これに対する説明は省略する。結局、スイッチトキャパシタ回路300は、動作増幅器240の代わりに反転増幅器340を用いることから電力消耗と回路が占める面積が多く軽減される。
【0034】
図4は、図1に示すスイッチトキャパシタ回路100の第3実施形態を示す回路図である。図4を参照すれば、スイッチトキャパシタ回路400は、サンプリングユニット410、フィードバックユニット420、430、反転増幅器440を備える。ここで、反転増幅器440はチョッパ安定化回路441、442を含む。チョッパ安定化回路441、442は、オフセットキャパシタ対(COSA、COSB)を使用しなくても反転増幅器440が信号を安定して増幅されるようにする。チョッパ安定化回路441、442を使用すると、図3に示すスイッチトキャパシタ回路300からオフセットキャパシタ対(COSA、COSB)を除去することができるため、電力消耗と回路が占める面積がより軽減される。
【0035】
図4に示すサンプリングユニット410とフィードバックユニット420、430は、図2に示すものと実質的に同一に構成されているため、これに対する説明は省略する。
【0036】
チョッパ安定化機能を備えた反転増幅器440は反転器(INV)対、共通モードフィードバック回路(CMFB)、第1チョッパ安定化回路441及び第2チョッパ安定化回路442を備える。第1チョッパ安定化回路441は、サンプリングユニット410と反転器(INV)対との間に接続される。第2チョッパ安定化回路442は、反転器(INV)対と出力端子(OUTP、OUTM)との間に接続される。共通モードフィードバック回路(CMFB)は出力端子(OUTP、OUTM)との間に接続される。ここで、共通モードフィードバック回路(CMFB)は、差動形態に具現されたスイッチトキャパシタ回路の出力信号を安定化させる。
【0037】
第1チョッパ安定化回路441は、スイッチ対(SCH1A、SCH1B)及びスイッチ対(SCH2A、SCH2B)を含む。第1チョッピング信号(ΦCh1)に応答してターンオンされるスイッチ対(SCH1A、SCH1B)はターンオンされる場合、入力信号が第1チョッパ安定化回路441の出力端にそのまま送信されるように構成される。そして、第2チョッピング信号(ΦCh2)に応答してターンオンされるスイッチ対(SCH2A、SCH2B)はターンオンされる場合、入力信号が第1チョッパ安定化回路441の出力端に反転して送信されるように構成される。第2チョッパ安定化回路442は、スイッチ対(SCH3A、SCH3B)及びスイッチ対(SCH4A、SCH4B)を含む。第3チョッピング信号(ΦCh3)に応答してターンオンされるスイッチ対(SCH3A、SCH3B)はターンオンされる場合、入力信号が出力端子にそのまま送信されるように構成される。そして、第4チョッピング信号(ΦCh4)に応答してターンオンされるスイッチ対(SCH4A、SCH4B)はターンオンされる場合、入力信号が出力端子に反転して送信されるように構成される。
【0038】
第1チョッパ安定化回路441は、積分モードに反転増幅器440から入力される信号を周期的に反転させて反転器(INV)対に送信する。第2チョッパ安定化回路442は、積分モードに反転器(INV)対から出力される信号を周期的に反転させて出力端子(OUTP、OUTM)に送信する。
【0039】
一般的に増幅雑音は、高い利益を有する増幅器で不要な直流信号の増幅によって発生する。不要な直流信号は、増幅器の入力と出力との間の電圧差(オフセット)によるものである。図3に示すスイッチトキャパシタ回路300の場合、このようなオフセットを除去するために増幅器の入力と出力との間の直流電圧の差を同一にするようオフセットキャパシタ対(COSA、COSB)によってオフセット電圧が維持される。
【0040】
一方、チョッパ安定化回路441、442は直流信号が交流信号になるよう一時的に変換する。これは不要な直流信号の増幅を防止するためである。また、チョッパ安定化回路441、442はフリッカー雑音を除去することができる。そして、チョッパ安定化回路を備えた反転増幅器440に代替するだけで、図2に示すスイッチトキャパシタ回路200と図4に示すスイッチトキャパシタ回路400は機能ブロック単位(ここでは、積分器)で実質的に同じ動作を行うようになる。
【0041】
図5は、図4に示すスイッチトキャパシタ回路400で用いられた信号波形を示す図である。図5を参照すれば、第1制御信号(Φ1)と第2制御信号(Φ2)は互いに重ならない2相クロック(nonoverlapping two-phase clocks)である。第1チョッパ安定化回路441を制御する第1チョッピング信号(ΦCh1)と第2チョッピング信号(ΦCh2)は互いに重ならない2相クロックである。そして、第2チョッパ安定化回路442を制御する第3チョッピング信号(ΦCh3)と第4チョッピング信号(ΦCh4)は互いに重ならない2相クロックである。また、第1チョッピング信号(ΦCh1)と第3チョッピング信号(ΦCh3)はパルスの持続時間の差を置いて互いに重なるクロックである。そして、第2チョッピング信号(ΦCh2)と第4チョッピング信号(ΦCh4)はパルスの持続時間の差を置いて互いに重なるクロックである。
【0042】
図5を参照すれば、積分モードでチョッピング安定化回路441、442の接続状態を転換させるためにチョッピング信号(ΦCh1〜ΦCh4)はサンプリングモードで高電位(低電位)から低電位(高電位)に反転する。したがって、現在の積分モードでチョッピング信号が高電位(低電位)であれば、次の積分モードにおいてチョッピング信号は低電位(高電位)に反転するパターンが続く。
【0043】
図6は、図1に示すスイッチトキャパシタ回路100の第4実施形態を示す回路図である。図6を参照すれば、スイッチトキャパシタ回路500は、サンプリングユニット510、フィードバックユニット520、530及び反転増幅器540を備える。ここで、反転増幅器540は、図4に示す反転増幅器440と実質的に同一の構造を有する。したがって、増幅雑音を除去するためのオフセットキャパシタ対(COSA、COSB)が除去され得る。
【0044】
図6に示すスイッチトキャパシタ回路500は、図4に示すスイッチトキャパシタ回路400の構造は基本的に類似する。相異点について説明すれば、図6に示すサンプリングユニット510は、図4で示す2個のサンプリングユニット410を備える。したがって、図6に示すスイッチトキャパシタ回路500は、第1入力端子(IN1P、IN1M)と第2入力端子(IN2P、IN2M)に印加される各入力電圧を加える加算器の機能を行う。ここで、さらに多い入力電圧に対する加算器を実現するために多いサンプリングユニット410を備えてもよい。
【0045】
また、フィードバックユニット520、530はフィードバックキャパシタの各端と接地との間に接続され、第1制御信号(Φ1)に応答してターンオンされるスイッチ対(S10A、S10B)(S11A、S11B)、及び第2制御信号(Φ2)に応答してターンオンされるスイッチ対(S9A、S9B)(S12A、S12B)を含む。サンプリングモードでスイッチ対(S10A、S10B)(S11A、S11B)がターンオンされると、フィードバックユニット520、530に充電された電荷は放電される。したがって、スイッチトキャパシタ回路500は入力電圧を累積して加えることを防止することができる。
【0046】
本発明のスイッチトキャパシタ回路は様々な形態に変形と適用が可能である。例えば、本発明のスイッチトキャパシタ回路を用いて入力電圧については低帯域フィルタ、ノイズに対しては高帯域フィルタとなるシグマデルタモジュレータ、映像撮影装置のCDS(Correlated-double sampling)増幅器、または、疑似差動増幅器(Pseudo differential integrator)などにも用いられてもよい。
【0047】
上述したように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から多様な修正及び変形が可能である。
【0048】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チョッパ安定化回路を用いてオフセットを除去するための反転増幅器と、
入力端子と前記反転増幅器との間に接続されるサンプリングユニットと、
前記反転増幅器に並列接続されるフィードバックユニットと、
を備えることを特徴とするスイッチトキャパシタ回路。
【請求項2】
前記反転増幅器は、
差動形態の反転器対と、
前記反転器対の入力端に接続され、入力信号を周期的に反転させて前記反転器対に送信する第1チョッパ安定化回路と、
前記反転器対の出力端に接続され、前記反転器対の出力信号を周期的に反転させて出力端子に送信する第2チョッパ安定化回路と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のスイッチトキャパシタ回路。
【請求項3】
前記サンプリングユニットは、
前記入力端子と第1ノード対との間に接続され、第1制御信号に応答してターンオンされる第1スイッチ対と、
前記第1ノード対と接地との間に接続され、第2制御信号に応答してターンオンされる第2スイッチ対と、
第2ノード対と接地との間に接続され、前記第1制御信号に応答してターンオンされる第3スイッチ対と、
前記第2ノード対と第3ノード対との間に接続され、前記第2制御信号に応答してターンオンされる第4スイッチ対と、
前記第1ノード対と前記第2ノード対との間に接続されたサンプリングキャパシタ対と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載のスイッチトキャパシタ回路。
【請求項4】
前記フィードバックユニットは、フィードバックキャパシタ対を備えることを特徴とする請求項3に記載のスイッチトキャパシタ回路。
【請求項5】
前記第1チョッパ安定化回路は、
第1チョッピング信号に応答してターンオンされると、前記第3ノード対の信号を前記反転器対にそのまま送信する第5スイッチ対と、
第2チョッピング信号に応答してターンオンされると、前記第3ノード対の信号を前記反転器対に反転して送信する第6スイッチ対と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載のスイッチトキャパシタ回路。
【請求項6】
前記第2チョッパ安定化回路は、
第3チョッピング信号に応答してターンオンされると、前記反転器対の出力信号を前記出力端子にそのまま送信する第7スイッチ対と、
第4チョッピング信号に応答してターンオンされると、前記反転器対の出力信号を前記出力端子に反転して送信する第8スイッチ対と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載のスイッチトキャパシタ回路。
【請求項7】
前記第1チョッパ安定化回路を制御する前記第1チョッピング信号と前記第2チョッピング信号は互いに重ならない2相クロックであることを特徴とする請求項6に記載のスイッチトキャパシタ回路。
【請求項8】
前記第2チョッパ安定化回路を制御する前記第3チョッピング信号と前記第4チョッピング信号は互いに重ならない2相クロックであることを特徴とする請求項7に記載のスイッチトキャパシタ回路。
【請求項9】
前記第1チョッピング信号と前記第3チョッピング信号は、パルスの持続時間の差を置いて互いに重なるクロックであることを特徴とする請求項8に記載のスイッチトキャパシタ回路。
【請求項10】
前記第2チョッピング信号と前記第4チョッピング信号は、パルスの持続時間の差を置いて互いに重なるクロックであることを特徴とする請求項9に記載のスイッチトキャパシタ回路。
【請求項11】
互いに並列接続される複数のサンプリングユニットと、
前記フィードバックキャパシタ対の一端に接続され、前記第2制御信号に応答してターンオンされる第9スイッチ対と、
前記フィードバックキャパシタ対の前記一端と接地との間に接続され、前記第1制御信号に応答してターンオンされる第10スイッチ対と、
前記フィードバックキャパシタ対の他の一端と接地との間に接続され、前記第1制御信号に応答してターンオンされる第11スイッチ対と、
前記フィードバックキャパシタ対の前記他の一端に接続され、前記第2制御信号に応答してターンオンされる第12スイッチ対と、
をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のスイッチトキャパシタ回路。
【請求項12】
前記第1制御信号と前記第2制御信号は互いに重ならない2相クロックであることを特徴とする請求項11に記載のスイッチトキャパシタ回路。
【請求項13】
差動形態の反転器対と、
前記反転器対の入力端に接続され、入力信号を周期的に反転させて前記反転器対に送信する第1チョッパ安定化回路と、
前記反転器対の出力端に接続され、前記反転器対の出力信号を周期的に反転させて出力端子に送信する第2チョッパ安定化回路と、
を備えることを特徴とする反転増幅器。
【請求項14】
前記第1チョッパ安定化回路は、
第1チョッピング信号に応答してターンオンされると、入力信号が前記第1チョッパ安定化回路の出力端にそのまま送信する第1スイッチ対と、
第2チョッピング信号に応答してターンオンされると、入力信号が前記第1チョッパ安定化回路の出力端に反転して送信する第2スイッチ対と、
を備えることを特徴とする請求項13に記載の反転増幅器。
【請求項15】
前記第2チョッパ安定化回路は、
第3チョッピング信号に応答してターンオンされると、入力信号が前記出力端子にそのまま送信する第3スイッチ対と、
第4チョッピング信号に応答してターンオンされると、入力信号が前記出力端子に反転して送信する第4スイッチ対と、
を備えることを特徴とする請求項14に記載の反転増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−504920(P2013−504920A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528734(P2012−528734)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【国際出願番号】PCT/KR2010/004512
【国際公開番号】WO2011/031003
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(506263491)インダストリー−アカデミック コーペレイション ファウンデイション, ヨンセイ ユニバーシティ (18)
【Fターム(参考)】