説明

スイッチング電源装置及び現金自動預け払い装置

【課題】起動時間を短縮しながらも交流電圧の瞬断時に備えた充電電圧を確保することができるスイッチング電源装置及び現金自動預け払い装置を提供する。
【解決手段】DC/DC変換回路36から出力された直流電圧の大きさが予め定められた大きさ未満の場合に、配線34Aから電圧がコンデンサC2,C3に印加されないように配線34AとコンデンサC2,C3とを電気的に切断し、DC/DC変換回路36から出力された直流電圧の大きさが予め定められた大きさ未満の場合に、配線34Aから電圧がコンデンサC2,C3に印加されるように配線34AとコンデンサC2,C3とを電気的に接続するようにスイッチング動作を行うリレー回路RL1を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源装置及び現金自動預け払い装置に係り、特に、交流電圧を直流電圧に変換して出力するスイッチング電源装置、及びこれを有する現金自動預け払い装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器を作動させるために必要とされる直流電圧は、商用の交流電圧から電源装置によって生成される。具体的には、外部から供給された交流電圧を整流回路で一旦直流電圧に変換した後、発振器を使用して波形電圧に変換し、その後に再び整流して直流電圧を生成する。
【0003】
また、電源装置には、力率を改善するための力率改善回路が含まれている。この力率改善回路には、動作安定と直流電圧を生成して出力している間に交流電圧の供給が一時的に途絶えたときに直流電圧の生成及び出力を続行するためのエネルギー貯蔵とを併せて実現するためのコンデンサが含まれている(例えば特許文献1参照)。なお、交流電圧の供給が一時的に途絶える現象は、例えば、電源装置に供給される交流電圧の供給ラインに高負荷(例えば冷蔵庫やドライヤなどの電化製品)が接続されており、この高負荷によって電圧降下が引き起こされることで生じたり、落雷による電圧降下によって生じたりする。なお、以下では、電源装置に対する交流電圧の供給が一時的に途絶えることを「交流電圧の瞬断」又は単に「瞬断」とも言う。
【0004】
しかし、力率改善回路を供給状態が不安定な交流電圧の供給ラインの環境に対応させようとすると、交流電圧の瞬断に備えた許容時間(交流電圧の供給が途絶えた間の直流電圧の生成及び出力を維持する時間)を長くしなければならない。そこで、従来は、力率改善回路にコンデンサを追加して容量値を大きくすることによって対応していた。
【0005】
図4は、従来の電源装置の一例を示す回路図である。図4に示す電源装置は、交流電源に接続されて交流電圧を整流して出力する整流ダイオードブリッジDS1と、整流ダイオードブリッジDS1の出力側に設けられた力率改善回路と、力率改善回路の出力側に設けられたDC/DC変換回路と、を含んで構成されている。力率改善回路は、ダイオードD1と、コイルL1と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(以下、「NMOSトランジスタ」という。)TR1と、コンデンサC1〜C3と、を含んで構成されている。コイルL1の一端は、整流ダイオードブリッジDS1の正極に接続され、コイルL1の他端は、NMOSトランジスタTR1のドレインとダイオードD1のアノードとに接続されている。NMOSトランジスタTR1のソースは、整流ダイオードブリッジDS1の負極に接続されている。コンデンサC1〜C3は互いに並列に接続されている。ダイオードD1のカソードは、コンデンサC1〜C3の一方の電極に接続され、コンデンサC1〜C3の他方の電極は、整流ダイオードブリッジDS1の他方の電極に接続されている。
【0006】
DC/DC変換回路は、NMOSトランジスタTR2と、トランスT1と、ダイオードD2,D3と、コイルL2と、コンデンサC4と、を含んで構成されている。トランスT1は、互いに電磁結合する一次巻線と二次巻線とを有し、一次巻線の一端が力率改善回路におけるダイオードD1のカソードとコンデンサC1〜C3の一方の電極とに接続されている。一次巻線の他端は、NMOSトランジスタTR2のドレインに接続されている。NMOSトランジスタTR2のソースは力率改善回路34におけるコンデンサC1〜C3の他方の電極に接続されている。
【0007】
トランスT1の二次巻線の一端は、ダイオードD2のアノードに接続されている。ダイオードD2のカソードは、コイルL2の一端に接続されている。コイルL2の他端はコンデンサC4の一方の電極に接続されている。トランスT1の二次巻線の他端は、ダイオードD3のアノードとコンデンサC4の他方の電極とに接続されている。ダイオードD3のカソードは、ダイオードD2とコイルL2との接続点に接続されている。コンデンサC4の両電極は外部の負荷に接続されている。
【0008】
図5は、電源装置に供給された交流電圧(入力電圧)の大きさの経時変化、コンデンサC1〜C3の何れかの充電電圧(C1〜C3電圧)の大きさの経時変化、及び電源装置に供給された交流電流(入力電流)の大きさの経時変化の一例を示すタイムチャートである。図5に示すように電源装置に交流電圧が供給されると、(i)の区間でコンデンサC1〜C3が充電される。図5に示す例では、100Vの交流電圧が供給されると、最大25Aの入力電流が流れるが、入力電流は交流電圧の半サイクル毎に減衰し、コンデンサC1〜C3の各充電電圧の電圧値が141Vに到達すると入力電流は0Aとなり、このとき、コンデンサC1〜C3の各充電電圧が交流電圧の最大値(141V)に相当する電圧値に到達して平衡状態となる。(ii)の区間では力率改善回路が起動し、コンデンサC1〜C3の各充電電圧が約25Aの入力電流で昇圧され、約120msでコンデンサC1〜C3の各充電電圧を380Vに到達させる。コンデンサC1〜C3の各充電電圧が380Vに到達した後、DC/DC変換回路から予め定められた大きさの直流電圧が出力される。(ii)の区間で力率改善回路の起動動作が全て完了すると、(iii)の区間では入力電流が予め定められた大きさの直流電圧を生成及び出力するための約5Aの定常電流になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−135702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図4に示す電源装置では、力率改善回路にコンデンサC1〜C3を使用しているため、交流電圧の供給が開始されてからコンデンサC1〜C3を所定電圧値(図5に示す例では380V)に昇圧するまでに(力率改善回路が起動するまでに)約120msもの時間を要し、結果として、電源装置に交流電圧が供給されてから直流電圧を出力するまで(電源装置から安定した直流電圧の供給が開始されるまで)に相当の時間を費やしてしまう、という問題点があった。仮にコンデンサC1〜C3の何れか1つを使用した場合、力率改善回路の起動に要する時間はコンデンサC1〜C3を使用した場合に比べ3分の1程度(約40ms)に短縮されるが、交流電圧の瞬断に備えた許容時間を確保することが困難になる、という問題点があった。
【0011】
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、起動時間を短縮しながらも交流電圧の瞬断時に備えた充電電圧を確保することができるスイッチング電源装置及び現金自動預け払い装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のスイッチング電源装置を、交流を整流して出力する整流回路と、インダクタンスを介して供給される前記整流回路の出力により充電されると共に充電電圧が起動開始時に用いられる第1容量素子、及び前記第1容量素子と並列接続された状態で前記第1容量素子と共に前記インダクタンスを介して供給される前記整流回路の出力により充電されて充電電圧が交流瞬断時に用いられる第2容量素子を備えた容量回路と、前記インダクタンスを介して前記整流回路の出力が前記容量回路に供給される状態と前記容量回路への前記整流回路の出力の供給が遮断される状態とにスイッチングされる第1のスイッチング素子と、前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続された状態と、前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続されていない状態とにスイッチングされる第2のスイッチング素子と、前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続されないように前記第2のスイッチング素子をスイッチングした状態で前記第1のスイッチング素子を繰り返しスイッチング制御し、前記第1容量素子が満充電された後に前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続されるように前記第2のスイッチング素子をスイッチングした状態で前記第1のスイッチング素子を繰り返しスイッチング制御する制御手段と、を含んで構成した。
【0013】
また、請求項1に記載のスイッチング電源装置を、請求項2に記載の発明のように、前記第1容量素子が満充電された後に前記第1充電素子の充電電圧に基づいて波形電圧を生成する波形電圧生成手段を有し、該波形電圧生成手段で生成された波形電圧に基づいて直流電圧を生成して出力する電圧生成出力回路を更に含み、前記制御手段が、前記電圧生成出力回路によって出力された直流電圧の大きさが予め定められた大きさ未満の場合に、前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続されないように前記第2のスイッチング素子をスイッチングした状態で前記第1のスイッチング素子を繰り返しスイッチング制御し、前記電圧生成出力回路によって出力された直流電圧の大きさが予め定められた大きさ以上の場合に、前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続されるように前記第2のスイッチング素子をスイッチング制御してから前記第1のスイッチング素子を繰り返しスイッチング制御するものとした。
【0014】
また、請求項2に記載のスイッチング電源装置を、請求項3に記載の発明のように、前記制御手段が、前記電圧生成出力回路から出力された前記直流電圧が印加され、印加された直流電圧の大きさに応じた磁力を生成する磁力生成素子を有し、前記第2のスイッチング素子が、前記磁力生成素子に印加された前記直流電圧の大きさが前記予め定められた大きさ以上の場合に、前記磁力生成素子によって生成された磁力を受けて前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続されるようにスイッチングされるものとした。
【0015】
また、請求項2又は請求項3に記載のスイッチング電源装置を、請求項4に記載の発明のように、前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続された状態から前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続されていない状態に遷移した場合、前記第2容量素子に蓄えられた電荷を放出可能にする放電手段を更に含んで構成したものとした。
【0016】
一方、上記目的を達成するために、請求項5に記載の現金自動預け払い装置を、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電源装置と、前記スイッチング電源装置で生成された直流電圧を作動用の電圧とした電子機器と、を含んで構成した。
【発明の効果】
【0017】
請求項1及び請求項5に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、起動時間を短縮しながらも交流電圧の瞬断時に備えた充電電圧を確保することができる、という効果が得られる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、交流電圧が供給されてから直流電圧が出力されるまでの時間を短縮しながらも交流電圧の瞬断時に備えた充電電圧を効率的に確保することができる、という効果が得られる。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、交流電圧の瞬断時に備えた充電を簡易な構成で開始することができる、という効果が得られる。
【0020】
請求項4に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、意図しないときに放電するという事態の発生を抑制することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態に係る現金自動預け払い装置及びその周辺の一例を全体構成図である。
【図2】実施の形態に係る電源装置の構成の一例を示す回路図である。
【図3】実施の形態に係る電源装置の交流電圧線に交流電圧が供給されたときの交流電圧の大きさの経時変化、力率改善回路におけるコンデンサの充電電圧の大きさの経時変化、瞬断時対応回路におけるコンデンサの充電電圧の大きさの経時変化、及び交流電圧線に供給された交流電流の大きさの経時変化の一例を示すタイムチャートである。
【図4】従来の電源装置の構成の一例を示す回路図である。
【図5】従来電源装置の交流電圧線に交流電圧が供給されたときの交流電圧の大きさの経時変化、力率改善回路におけるコンデンサの充電電圧の大きさの経時変化、及び交流電圧線に供給された交流電流の大きさの経時変化の一例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、本実施の形態では、本発明に係るスイッチング電源装置を現金自動預け払い装置(ATM:Automated Teller Machine)に適用した場合を例に挙げて説明する。現金自動預け払い装置とは、例えば、紙幣(及び硬貨)、通帳、磁気カード等の受入口、支払口を備え、金融機関や貸金業者、現金出納を行う業者の提供するサービスが顧客自身の操作によって取引できる装置のことを意味する。
【0023】
図1は、本実施の形態に係る現金自動預け払い装置10の一例を示す全体構成図である。図1に示すように、現金自動預け払い装置10は、スイッチング電源装置の一例である電源装置12を備えている。電源装置12は、外部から供給された交流電圧を直流電圧に変換して出力するものであって、現金自動預け払い装置10に搭載された各種電子機器の作動用の直流電圧を生成するための装置である。電源装置12は、電源装置12の本体と交流電圧線14とに大別される。交流電圧線14は、先端にプラグが設けられており、後端が電源装置12の本体に接続されている。交流電圧線14のプラグは現金自動預け払い装置10を作動させる際にテーブルタップ18の差込口に差し込まれる。テーブルタップ18はコンセント20を介して分電盤22に接続されている。従って、交流電圧線14は、分電盤22からコンセント20及びテーブルタップ18を介して交流電圧を電源装置12の本体に供給する。なお、テーブルタップ18の残りの差込口には、各種の電子機器に接続された給電コードのプラグが差し込まれる。図1には、パーソナル・コンピュータ(PC)24に接続された給電コードのプラグがテーブルタップ18に差し込まれる例が示されている。
【0024】
図2は、本実施の形態に係る電源装置12の構成の一例を示す回路図である。図2に示すように、電源装置12は、交流電圧線14から供給された交流電圧を直流電圧に変換して出力する電源装置12の本体に相当する変換出力回路30を備えている。
【0025】
変換出力回路30は、交流電圧線14が接続された整流回路の一例である整流ダイオードブリッジDS1、整流ダイオードブリッジDS1の出力端に設けられた力率改善回路34と、力率改善回路34の出力側に設けられたDC/DC変換回路36と、力率改善回路34及びDC/DC変換回路36を制御する制御装置38と、を含んで構成されている。
【0026】
力率改善回路34は、インダクタンスの一例であるコイルL1、第1のスイッチング素子の一例であるNMOSトランジスタTR1、ダイオードD1、第1容量素子の一例であるコンデンサC1、及び抵抗R1,R2を有する力率改善回路本体と、変換出力回路30から直流電圧を出力すべき期間に交流電圧線14からの交流電圧の供給が所定時間以上途絶えても(交流電圧の瞬断時に)変換出力回路30からの直流電圧の出力を継続するように動作する瞬断時対応回路32と、を含んで構成されている。コイルL1の一端は、整流ダイオードブリッジDS1の正極に接続され、コイルL1の他端は、NMOSトランジスタTR1のドレインとダイオードD1のアノードとに接続されている。NMOSトランジスタTR1のソースは、整流ダイオードブリッジDS1の負極に接続されている。ダイオードD1のカソードは、第1充電素子の一例であるコンデンサC1の一方の電極に接続され、コンデンサC1の他方の電極は、整流ダイオードブリッジDS1の他方の電極に接続されている。また、コンデンサC1の一方の電極は、配線34Aを介して抵抗R1の一端に接続され、コンデンサC1の他方の電極は、抵抗R2の一端に接続されている。抵抗R1の他端は抵抗R2の他端に接続されている。
【0027】
一方、DC/DC変換回路36は、力率改善回路34の出力電圧を変換して得た電圧(直流電圧:図2に示す例では「DC出力」)を、現金自動預け払い装置10に搭載されている負荷(例えば紙幣の払い出し装置や通帳記入装置などの電子機器)に印加する回路である。DC/DC変換回路36は、波形電圧生成手段の一例であるNMOSトランジスタTR2、トランスT1、ダイオードD2,D3、コイルL2、及びコンデンサC2を含んで構成されている。
【0028】
トランスT1は、互いに電磁結合する一次巻線T1aと二次巻線T1bとを有し、一次巻線T1aの一端が配線34Aを介して力率改善回路34におけるダイオードD1のカソードとコンデンサC1の一方の電極とに接続されている。二次巻線T1aの他端は、NMOSトランジスタTR2のドレインに接続されている。NMOSトランジスタTR2のソースは力率改善回路34におけるコンデンサC1の他方の電極に接続されている。
【0029】
トランスT1の二次巻線T1bの一端は、ダイオードD2のアノードに接続されている。ダイオードD2のカソードは、コイルL2の一端に接続されている。コイルL2の他端はコンデンサC2の一方の電極に接続されている。トランスT1の二次巻線T1bの他端は、ダイオードD3のアノードとコンデンサC2の他方の電極とに接続されており、コンデンサC2の他方の電極はグランドに接続されている。ダイオードD3のカソードは、ダイオードD2とコイルL2との接続点に接続されている。コンデンサC2の両電極は、現金自動預け払い装置10に搭載されている負荷に接続されている。
【0030】
なお、トランスT1の一次巻線T1aと二次巻線T1bとの巻数比は、仮にコンデンサC1の充電電圧の電圧値が、動作に必要な最低電圧値になったとしても、DC/DC変換回路36が、現金自動預け払い装置10に搭載されている負荷に印加すべき出力電圧値を維持できるような比に設定されている。
【0031】
一方、力率改善回路34に含まれる瞬断時対応回路32は、第2容量素子の一例であるコンデンサC3,C4、抵抗R3、ダイオードD4、及び放電手段の一例である放電回路A1を含んで構成されている。ダイオードD4のアノードは、抵抗R3の他端、コンデンサC3の一方の電極、及びコンデンサC4の一方の電極に接続されている。コンデンサC3の他方の電極はコンデンサC4の他方の電極に接続されている。また、コンデンサC3,C4の他方の電極は共にコンデンサC1の他方の電極とNMOSトランジスタTR2との接続点に接続されている。
【0032】
コンデンサC3,C4の両電極、及びDC/DC変換回路36のコンデンサC2の両電極は、放電回路A1に接続されている。放電回路A1は、一次側回路のコンデンサC3,C4の両電極と二次側回路のコンデンサC2の両電極を絶縁する回路を内部に持ち、DC/DC変換回路36から出力される直流電圧の電圧値が予め定められた大きさに到達した場合に、コンデンサC3,C4に蓄えられている電荷を放出不可能にし、DC/DC変換回路36から出力される直流電圧の電圧値が予め定められた下限値に降下した場合に、コンデンサC3,C4に蓄えられている電荷を放電回路A1内部に持つ抵抗等に放出可能にするように制御を行う。本実施の形態では、オンのときにコンデンサC3,C4の各々の一方の電極をグランド(コンデンサC2の他方の電極)に接続し、オフのときにグランドと切断するスイッチング素子を有するフォトカプラによりコンデンサC3,C4の放電を実現している。つまり、DC/DC変換回路36から出力される直流電圧の大きさが予め定められた大きさ(現金自動預け払い装置10に搭載されている負荷に印加すべき直流電圧の電圧値として予め定められた電圧値)に到達したことを条件に放電回路A1をオンからオフに切り替えることでコンデンサC3,C4の放電を不可能にすると共に充電を支援し、DC/DC変換回路36から出力される直流電圧の大きさが上記予め定められた下限値としての0Vになったことを条件に放電回路A1をオフからオンに切り替えることでコンデンサC3,C4を放電可能にしている。
【0033】
一方、制御装置38は、比較器38A、基準電源38B、発振器38C、比較器38D、基準電源38E、発振器38F、一次−二次絶縁回路38G、及びリレー回路RL1、を含んで構成されており、NMOSトランジスタTR1,TR2のスイッチング動作を制御することで力率改善回路34及びDC/DC変換回路36を制御する。
【0034】
比較器38Aの非反転入力端は抵抗R1と抵抗R2との接続点に接続されている。比較器38Aの反転入力端は、負極がグランドに接続された基準電源38Bの正極に接続されている。比較器38Aの出力端は、発振器38Cの第1入力端に接続されている。
【0035】
比較器38Aは、非反転入力端に供給される電圧と反転入力端に供給される基準電源38Bの電圧との比較結果を示す信号を出力端から出力する。本実施の形態では、コンデンサC1の充電電圧の電圧値が整流ダイオードブリッジDS1から出力された脈流電圧の最大値以上の規定の電圧値を保つための信号を出力端から出力する。
【0036】
発振器38Cの入力端は比較器38Aの出力端に接続されている。発振器38Cの出力端はNMOSトランジスタTR1のゲートに接続されている。発振器38Cは比較器38Aの出力を受け、NMOSトランジスタTR1のゲートに対して切替信号を出力する。
【0037】
発振器38Cは、コンデンサC1による充電電圧の大きさに応じて発振するものである。具体的には、NMOSトランジスタTR1のオンとオフとを交互に切り替える切替信号を出力する。NMOSトランジスタTR1のオンとオフは、発振器38Cから入力された切替信号に応じて切り替えられる。すなわち、NMOSトランジスタTR1は、発振器38Cから入力された切替信号のレベルがハイレベルになるとオン(ソースとドレインとの間を導通状態)し、ローレベルになるとオフ(ソースとドレインとの間を非導通状態)する。このようにNMOSトランジスタTR1がオン、オフ(スイッチング動作)すると、力率改善回路34は動作を開始してコンデンサC1が充電される。
【0038】
なお、コンデンサC1は、力率改善回路34の動作が停止している場合、整流ダイオードブリッジDS1が印加した脈流電圧のピーク値付近で充電され、充電電圧の電圧値は、ほぼ脈流電圧の最大値に相当する電圧値になる。コンデンサC1の充電電圧の電圧値がほぼ脈流電圧の最大値に相当する電圧値に到達すると、NMOSトランジスタTR1のスイッチング動作によりコンデンサC1が更に充電され、やがて所定の電圧値まで到達する。このようにしてコンデンサC1に充電された電圧は力率改善回路34の出力電圧として後段のDC/DC変換回路36で用いられる。
【0039】
また、比較器38Dは、非反転入力端に供給される電圧と反転入力端に供給される基準電源38Eの電圧との比較結果を示す信号を出力端から出力する。本実施の形態では、コンデンサC2の充電電圧値が、現金自動預け払い装置10に搭載されている負荷に印加すべき規定の出力電圧値を保つための信号を出力端から出力する。同信号は、一次−二次絶縁回路38Gを経由し、発振器38Fに入力される。発振器38Fは、コンデンサC2による充電電圧の大きさに応じて発振するものである。具体的には、NMOSトランジスタTR2のオンとオフとを交互に切り替える切替信号を出力する。NMOSトランジスタTR2のオンとオフは、発振器38Fから入力された切替信号に応じて切り替えられる。すなわち、NMOSトランジスタTR2は、発振器38Fから入力された切替信号のレベルがハイレベルになるとオン(ソースとドレインとの間を導通状態)し、ローレベルになるとオフ(ソースとドレインとの間を非導通状態)する。このようにNMOSトランジスタTR2がオン、オフ(スイッチング動作)すると、DC/DC変換回路36から出力される直流電圧の大きさが予め定められた大きさに維持される。
【0040】
ところが、交流電圧の瞬断により直流電圧の出力が途絶えてしまう場合がある。コンデンサC1の充電電圧を利用すればある程度(例えば40ms程度)は直流電圧の出力を確保することができるが、その程度の時間では不十分である。コンデンサC1に対して更に別のコンデンサを並列接続して追加すれば直流電圧の出力時間を長くすることができるものの、電源装置30の起動に要する時間が長くなってしまう。そこで、本実施の形態では、コンデンサC1とコンデンサC3,C4とを時間的に前後して充電するようにした。つまり、コンデンサC1を先行して充電し、コンデンサC1の充電電圧を利用して電源装置12を起動させ、電源装置12の起動後に瞬断時対応回路32のコンデンサC3,C4を充電することでコンデンサC3,C4の充電電圧を利用して瞬断時にも直流電圧の出力を続行させるようにした。このような動作を実現するためにリレー回路RL1が用いられる。
【0041】
リレー回路RL1は、通常時(ここでは一例としてDC/DC変換回路36から出力される直流電圧の大きさが予め定められた大きさ未満の場合)はオフされている第2のスイッチング素子の一例であるスイッチRL1、及び磁力生成素子の一例であるコイルRL1を含んで構成されている。コイルRL1の一端はDC/DC変換回路36のコンデンサC2の一方の電極に接続され、コイルRL1の他端はDC/DC変換回路36のコンデンサC2の他方の電極に接続されている。ダイオードD4のカソードは抵抗R3の一端に接続されると共に、リレー回路RL1のスイッチRL1を介して変換出力回路30の配線34Aと接続されている。
【0042】
従って、リレー回路RL1では、DC/DC変換回路36から出力される直流電圧に応じてコイルRL1が磁力を生成し、スイッチRL1がコイルRL1で生成された磁力を受けてオンされる。本実施の形態では、DC/DC変換回路36から出力される直流電圧の大きさが予め定められた大きさ以上の場合にスイッチRL1がオンされ、直流電圧の大きさが予め定められた大きさ未満の場合にオフされる。スイッチRL1がオンされると、ダイオードD1から出力される電流によりコンデンサC3,C4が充電される。
【0043】
以上のように構成された電源装置12では、力率改善回路34が、コイルL1を介して供給される整流ダイオードブリッジDS1の出力により充電されると共に充電電圧が電源装置12の起動開始時(一例としてDC/DC変換回路36から予め定められた大きさの直流電圧の出力が開始されたとき)に用いられるコンデンサC1、及びコンデンサC1と並列接続された状態でコンデンサC1と共にコイルL1を介して供給される整流ダイオードブリッジDS1により充電されて充電電圧が交流瞬断時に用いられるコンデンサC3,C4を備えた容量回路を含む回路として機能する。また、NMOSトランジスタTR1は、コイルL1を介して整流ダイオードブリッジDS1の出力が上記容量回路に供給される状態(コイルL1を介して供給される整流ダイオードブリッジDS1の出力によりコンデンサC1,C3,C4が充電される状態)と、上記容量回路への整流ダイオードブリッジDS1の出力の供給が遮断される状態(コンデンサC1,C3,C4が充電されない)とにスイッチングされる第1のスイッチング素子として機能する。また、リレー回路RL1のスイッチRL1は、コンデンサC1とコンデンサC3,C4とが並列接続された状態と、コンデンサC1とコンデンサC3,C4とが並列接続されていない状態とにスイッチングされる第2のスイッチング素子として機能する。また、制御装置38は、コンデンサC1とコンデンサC3,C4とが並列接続されないようにスイッチRL1をスイッチングした状態でNMOSトランジスタTR1を繰り返しスイッチング制御し、コンデンサC1が満充電された後にコンデンサC1とコンデンサC2,C3とが並列接続されるようにスイッチRL1をスイッチングした状態でNMOSトランジスタTR1を繰り返しスイッチング制御する制御手段として機能する。
【0044】
一方、DC/DC変換回路36に含まれるNMOSトランジスタTR2は、コンデンサC1が満充電された後に制御装置38の制御下でコンデンサC1の充電電圧に基づいて波形電圧を生成する波形電圧生成手段として機能する。また、NMOSトランジスタTR2を含むDC/DC変換回路36は、NMOSトランジスタTR2で生成された波形電圧に基づいて直流電圧を生成して出力する電圧生成出力回路として機能する。この場合、制御装置38は、DC/DC変換回路36によって出力された直流電圧の大きさが予め定められた大きさ未満の場合に、コンデンサC1とコンデンサC3,C4とが並列接続されないようにスイッチRL1をスイッチングした状態でNMOSトランジスタTR1を繰り返しスイッチング制御し、DC/DC変換回路36によって出力された直流電圧の大きさが予め定められた大きさ以上の場合にコンデンサC1とコンデンサC2,C3とが並列接続されるようにスイッチRL1をスイッチングした状態でNMOSトランジスタTR1を繰り返しスイッチング制御する制御手段として機能する。
【0045】
一方、リレー回路RL1のコイルRL1は、DC/DC変換回路36から出力された直流電圧が印加され、印加された直流電圧の大きさに応じた磁力を生成する磁力生成素子として機能する。この場合、リレー回路RL1のスイッチRL1は、コイルRL1に印加された直流電圧の大きさが予め定められた大きさ以上の場合に、コイルRL1によって生成された磁力を受けてコンデンサC1とコンデンサC2,C3とが並列に接続されるようにスイッチングされる第2のスイッチン素子として機能する。
【0046】
一方、放電回路A1は、コンデンサC1とコンデンサC3,C4とが並列接続された状態からコンデンサC1とコンデンサC3,C4とが並列接続されない状態に遷移した場合、コンデンサC3,C4に蓄えられた電荷を放出可能にする放電手段として機能する。
【0047】
次に、図3を参照しながら本実施の形態に係る電源装置12の作用を説明する。なお、図3は、交流電圧線14に供給された交流電圧(入力電圧)の大きさの経時変化、コンデンサC1の充電電圧(C1電圧)の大きさの経時変化、コンデンサC3,C4の充電電圧(C3,C4電圧)の大きさの経時変化、及び交流電圧線14に供給された交流電流(入力電流)の大きさの経時変化の一例を示すタイムチャートである。
【0048】
図3に示すように交流電圧線14に交流が供給されると、整流ダイオードブリッジDS1は、供給された交流を整流して力率改善回路34に脈流電圧を印加する。この脈流電圧はコイルL1及びダイオードD1により整流されて図3に示す(i)の区間でコンデンサC1に充電される。図3に示す例では、交流電圧線14に100Vの交流電圧が供給されると、交流電圧線14に最大25Aの入力電流が流れ、入力電流は交流電圧の半サイクル毎に減衰し、コンデンサC1の充電電圧の電圧値が141Vに到達すると入力電流は0Aとなり、このとき、コンデンサC1の充電電圧が交流電圧の実効値(141V)に相当する電圧値に到達して平衡状態となる。なお、入力電流が0Aに収束するのに要する時間は、図5に示す場合に比べ短い。これは、力率改善回路34に含まれるコンデンサC1の容量が図4に示すコンデンサC1〜C3の全容量に場合に比べて小さいからである。
【0049】
コンデンサC1の充電電圧の電圧値が141Vに到達すると、やがてNMOSトランジスタTR1のスイッチング動作が開始されて力率改善回路34が起動する。力率改善回路34が起動すると、(ii)の区間でコンデンサC1の充電電圧が所定の電圧値まで昇圧される。具体的には、NMOSトランジスタTR1がオンしたときにコイルL1に電流が流れてエネルギーが蓄積され、NMOSトランジスタTR1がオフしたときに、コイルL1に蓄えられたエネルギーに基づく電流がダイオードD1を介してコンデンサC1に供給され、コンデンサC1が充電される。これを繰り返すことでコンデンサC1の充電電圧が所定の電圧値(コンデンサC1の容量に対応する電圧値)まで昇圧される。図3に示す例では、力率改善回路34が起動すると、交流電圧線14に約25Aの電流が流れ、この電流によってコンデンサC1の充電電圧が約40msで380Vまで昇圧される。コンデンサC1の充電電圧が380Vまで昇圧されるのに要する時間は、図5に示す場合に比べ短い。これは、力率改善回路34に含まれるコンデンサC1の容量が図4に示すコンデンサC1〜C3の全容量に場合に比べて小さいからである。
【0050】
コンデンサC1の充電電圧の電圧値が380Vに到達すると、DC/DC変換回路36から、現金自動預け払い装置10に搭載されている負荷に印加すべき出力電圧の電圧値として予め定められた電圧値に相当する電圧値の直流電圧が出力される。これによって、NMOSトランジスタTR2のスイッチング動作が開始されると共に、スイッチRL1がオンされてコンデンサC3,C4の各々と配線34Aとが接続され、コンデンサC3,C4が充電される。図3に示す例では、コンデンサC3,C4に対する充電電流は抵抗R3によって約0.5Aに調節されるため、(iii)の区間では、交流電圧線14に供給された入力電流がDC/DC変換回路36で直流電圧を生成するために要する約5Aの定常電流に加えて約5.5Aとなっており、コンデンサC1が380Vに充電されてから約4sでコンデンサC2,C3が380Vに充電される。(iii)の区間でコンデンサC3,C4に対する充電が完了すると、(iv)の区間では、入力電流が約5Aの定常電流のみになる。
【0051】
このようにコンデンサC1が(i)及び(ii)の区間で充電されることに加えてコンデンサC3,C4が(iii)の区間で充電されることで、仮に(iv)の区間でテーブルタップ18に接続されているPC24の電源が投入されることによって引き起こされる電圧降下により力率改善回路34への脈流電圧が一時的に途絶えたとしても、コンデンサC1,C3,C4からDC/DC変換回路36に電流が供給されるので、DC/DC変換回路36では、少なくともコンデンサC1,C3,C4の充電電圧分の直流電圧の生成及び出力を続行することが可能となる。
【0052】
しかも、本実施の形態に係る電源装置12では、DC/DC変換回路36から予め定められた大きさの直流電圧を出力しながらコンデンサC3,C4を充電することで、DC/DC変換回路36から予め定められた大きさの直流電圧を出力するために要する充電電圧を獲得する時間(力率改善回路34の起動時間)を短くしたので、本発明の構成を有しない場合に比べ、短時間で予め定められた大きさの直流電圧を出力することができる。また、瞬断時対応回路32においてコンデンサC3,C4に対して並列にコンデンサを更に追加して接続しても良く、この場合、上記実施の形態で説明した例よりも交流電圧の瞬断時間が長くても直流電圧の生成及び出力を続行することが可能となる。この場合も力率改善回路34の起動時間は約40msで変わらない。
【0053】
なお、上記実施の形態では、リレー回路RL1を用いてコンデンサC3,C4を充電する場合の形態例を挙げたが、これに限らず、リレー回路RL1に代えてフォトカプラ及びFET(電界効果トランジスタ)を含んで構成された回路を適用しても良い。この場合、DC/DC変換回路36から出力された直流電圧の大きさが予め定められた大きさ未満の場合に配線34DとコンデンサC3、C4とを電気的に切断し、DC/DC変換回路36から出力された直流電圧の大きさが予め定められた大きさ以上の場合に配線34DとコンデンサC3、C4とを電気的に接続するようにFETをスイッチングさせれば良い。このように、DC/DC変換回路36から出力された直流電圧の大きさが予め定められた大きさ未満の場合に配線34DとコンデンサC3、C4とを電気的に切断し、DC/DC変換回路36から出力された直流電圧の大きさが予め定められた大きさ以上の場合に配線34DとコンデンサC3、C4とを電気的に接続するようにスイッチング動作を行うものであれば如何なるものも適用可能である。
【0054】
また、上記実施の形態では、コンデンサC3,C4を含む瞬断時対応回路32を例に挙げて説明したが、瞬断時対応回路32に含まれるコンデンサは単数であっても良いし、3つ以上であっても良く、想定される瞬断時間に応じた容量値が構成されるようにコンデンサを組み込めば良い。
【0055】
また、上記実施の形態では、NMOSトランジスタTR1,TR2を用いた場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、例えばバイポーラ型のトランジスタであっても良く、上記実施の形態で説明したタイミングでオンとオフが切り替えられるスイッチング素子であれば如何なるものであっても良い。
【0056】
また、上記実施の形態では、コンデンサC1〜C4を例に挙げて説明したが、これに限らず、上記実施の形態で説明した充電機能を有する容量素子であれば如何なるものであっても良い。
【0057】
また、上記実施の形態では、電源装置12を現金自動預け払い装置10に適用した場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、直流電圧が作動用の電圧とされた電子機器であれば如何なるものにも適用可能である。
【符号の説明】
【0058】
10 現金自動預け払い装置
12 電源装置
30 変換出力回路
32 瞬断時対応回路
34 力率改善回路
36 DC/DC変換回路
A1 放電回路
C1〜C4 コンデンサ
RL1 リレー回路
TR1,TR2 NMOSトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流を整流して出力する整流回路と、
インダクタンスを介して供給される前記整流回路の出力により充電されると共に充電電圧が起動開始時に用いられる第1容量素子、及び前記第1容量素子と並列接続された状態で前記第1容量素子と共に前記インダクタンスを介して供給される前記整流回路の出力により充電されて充電電圧が交流瞬断時に用いられる第2容量素子を備えた容量回路と、
前記インダクタンスを介して前記整流回路の出力が前記容量回路に供給される状態と前記容量回路への前記整流回路の出力の供給が遮断される状態とにスイッチングされる第1のスイッチング素子と、
前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続された状態と、前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続されていない状態とにスイッチングされる第2のスイッチング素子と、
前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続されないように前記第2のスイッチング素子をスイッチングした状態で前記第1のスイッチング素子を繰り返しスイッチング制御し、前記第1容量素子が満充電された後に前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続されるように前記第2のスイッチング素子をスイッチングした状態で前記第1のスイッチング素子を繰り返しスイッチング制御する制御手段と、
を含むスイッチング電源装置。
【請求項2】
前記第1容量素子が満充電された後に前記第1充電素子の充電電圧に基づいて波形電圧を生成する波形電圧生成手段を有し、該波形電圧生成手段で生成された波形電圧に基づいて直流電圧を生成して出力する電圧生成出力回路を更に含み、
前記制御手段は、前記電圧生成出力回路によって出力された直流電圧の大きさが予め定められた大きさ未満の場合に、前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続されないように前記第2のスイッチング素子をスイッチングした状態で前記第1のスイッチング素子を繰り返しスイッチング制御し、前記電圧生成出力回路によって出力された直流電圧の大きさが予め定められた大きさ以上の場合に、前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続されるように前記第2のスイッチング素子をスイッチング制御してから前記第1のスイッチング素子を繰り返しスイッチング制御する請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記電圧生成出力回路から出力された前記直流電圧が印加され、印加された直流電圧の大きさに応じた磁力を生成する磁力生成素子を有し、
前記第2のスイッチング素子は、前記磁力生成素子に印加された前記直流電圧の大きさが前記予め定められた大きさ以上の場合に、前記磁力生成素子によって生成された磁力を受けて前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続されるようにスイッチングされる請求項2に記載のスイッチング電源装置。
【請求項4】
前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続された状態から前記第1容量素子と前記第2容量素子とが並列接続されていない状態に遷移した場合、前記第2容量素子に蓄えられた電荷を放出可能にする放電手段を更に含む請求項2又は請求項3に記載のスイッチング電源装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のスイッチング電源装置と、
前記スイッチング電源装置で生成された直流電圧を作動用の電圧とした電子機器と、
を含む現金自動預け払い装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−74633(P2013−74633A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209506(P2011−209506)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】