説明

スイッチ及びこれを用いたスイッチ装置

【課題】主に自動車の各種制御用に用いられるスイッチ及びこれを用いたスイッチ装置に関し、簡易な構成で、確実な故障検知が可能なものを提供することを目的とする。
【解決手段】作動体2に装着された磁石13との対向面に第一の検出手段16Aを、この下方に第二の検出手段16Bを設けると共に、制御手段18がこの二つの検出手段を用いて磁石13の磁気を検出することによって、いずれか一方の検出手段に故障が生じた場合、これを検出手段からのON/OFF信号により検知することができるため、簡易な構成で、確実な故障検知が可能なスイッチ、及びこれを用いたスイッチ装置を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に自動車のブレーキペダル操作時の、ストップランプの消点灯制御等に用いられるスイッチ及びこれを用いたスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ブレーキペダルを踏み込んだ際にはストップランプを点灯させ、離した際には消灯させる、ブレーキペダルの操作に伴うストップランプの制御用として、主に押圧操作型のスイッチが多く使用されている。
【0003】
このような従来のスイッチについて、図7及び図8を用いて説明する。
【0004】
図8は従来のスイッチの断面図であり、同図において、1は上面開口で略箱型の絶縁樹脂製のケース、2はこのケース1内に上下動可能に収納された作動体で、作動体2の下方右側面には磁石3が装着されている。
【0005】
そして、4は導電金属製の複数の端子、5は左右面に複数の配線パターン(図示せず)が形成された配線基板で、配線基板5がケース1の右方側壁に配置されると共に、複数の端子4の上端がこの配線基板5の配線パターンに半田付け等によって接続され、端子4下端はケース1底面から下方へ突出している。
【0006】
また、配線基板5の磁石3との対向面には、ホール素子等の検出手段6やトランジスタ等のスイッチング手段7が形成されると共に、FETや複数の固定抵抗器等によって制御手段8が形成され、この制御手段8と検出手段6、スイッチング手段7、端子4が配線パターンを介して電気的に接続されている。
【0007】
さらに、9はコイル状の戻りばね、10はケース1上面の開口部を覆う絶縁樹脂製のカバーで、戻りばね9が作動体2下面とケース1の底面との間にやや撓んだ状態で装着されて、作動体2を上方に付勢すると共に、作動体2上端がカバー10上面中央の中空筒部から上方へ突出して、スイッチ11が構成されている。
【0008】
そして、このように構成されたスイッチ11が、図7の要部側面図に示すように、一般に自動車のブレーキペダル30の手前に、アーム30Aによって作動体2先端が押圧された状態で装着されると共に、ケース1底面から突出した複数の端子4が、コネクタ31やリード線によってストップランプやイグニションスイッチ、バッテリー、車両の電子回路(図示せず)等に接続される。
【0009】
つまり、ブレーキペダル30が踏み込まれていない状態では、作動体2が戻りばね9を撓めながら下方へ押圧操作され、作動体2右側面に装着された磁石3も下方へ移動し、磁石3の中心と対向配置された検出手段6の中心が大きく離れて、検出手段6が検出する磁石3の磁気は微弱な状態となっている。
【0010】
また、この検出手段6に接続された制御手段8は、検出手段6が検出した磁気の強弱によって、その磁気が所定値以上のON信号の場合には、スイッチング手段7を閉状態とし、磁気が所定値以下のOFF信号の場合には、スイッチング手段7を開状態とするようになっているため、この作動体2が押圧された状態では、スイッチング手段7は開状態となり、ストップランプは消灯した状態となっている。
【0011】
そして、ブレーキペダル30が踏み込まれると、アーム30Aが作動体2先端から離れ押圧力が除かれるため、図8に示したように、戻りばね9の弾性復帰力によって作動体2が上方へ移動すると共に、作動体2に装着された磁石3も上方へ移動して、磁石3と検出手段6が対向した状態となり、検出手段6が検出する磁石3の磁気が強くなるため、制御手段8がスイッチング手段7を閉状態に切換え、ストップランプが点灯する。
【0012】
つまり、ブレーキペダル30の操作によって、車両用スイッチ11の作動体2を上下動させると共に、作動体2右側面の磁石3の磁気を検出手段6が検出し、この検出手段6からのOFF信号やON信号に応じて、制御手段8がスイッチング手段7を開閉することによって、ストップランプの消点灯制御を行うように構成されているものであった。
【0013】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2006−92777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記従来のスイッチにおいては、万が一検出手段6等に故障が生じた場合、検出手段6からは作動体2の上下動に係らず常にOFF信号が出力されるため、作動体2が押圧されてOFF信号が出力されているのか、あるいは検出手段6が故障であるのかを、制御手段8や車両の電子回路によって判別することが、困難であるという課題があった。
【0015】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、簡易な構成で、確実な故障検知が可能なスイッチ、及びこれを用いたスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0017】
本発明の請求項1に記載の発明は、作動体に装着された磁石との対向面に第一の検出手段を、この下方に第二の検出手段を設けてスイッチを構成したものであり、二つの検出手段を用いて磁石の磁気を検出することによって、いずれか一方の検出手段に故障が生じた場合、これを確実に検知することができるため、簡易な構成で、故障検知が可能なスイッチを得ることができるという作用を有する。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、作動体に装着された磁石が第一の検出手段と第二の検出手段の中間位置に移動した際、第一の検出手段と第二の検出手段の両方が磁石の磁気を検出するものであり、磁石が中間位置に移動した際に、二つの検出手段の両方が磁気を検出することによって、故障検知をより確実に行うことができるという作用を有する。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、磁石のN極またはS極を第一及び第二の検出手段に対向させたものであり、磁石を第一及び第二の検出手段に対し、平行ではなく垂直方向に配置することによって、二つの検出手段が磁石の磁気を高精度で検出することができるという作用を有する。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1記載のスイッチの第一及び第二の検出手段に制御手段を接続すると共に、この制御手段が第一及び第二の検出手段からの検出信号に応じて、報知手段を制御するようにしてスイッチ装置を構成したものであり、簡易な構成で、確実な故障検知が可能なスイッチ装置を実現することができるという作用を有する。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、簡易な構成で、故障検知が可能なスイッチ、及びこれを用いたスイッチ装置を実現することができるという有利な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図7を用いて説明する。
【0023】
なお、背景技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
【0024】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態によるスイッチの断面図、図2は同分解斜視図であり、同図において、1は上面開口で略箱型のポリブチレンテレフタレートやABS等の絶縁樹脂製のケース、2は略円柱状で同じく絶縁樹脂製の作動体で、ケース1内に作動体2が上下動可能に収納されると共に、この作動体2の下方右側面には磁石13が、N極またはS極を外方に向けて横向きに装着されている。
【0025】
そして、4は銅合金等の導電金属製の端子、5は左右面に複数の配線パターン(図示せず)が形成された配線基板で、配線基板5がケース1の右方側壁に配置されると共に、複数の端子4の上端がこの配線基板5の配線パターンに半田付け等によって接続され、端子4下端はケース1底面から下方へ突出している。
【0026】
また、配線基板5の磁石13との対向面には、ホール素子やSMR素子等の第一の検出手段16Aや、この下方の第二の検出手段16B、トランジスタ等のスイッチング手段7が各々形成されると共に、FETや複数の固定抵抗器等によって制御手段18が形成され、この制御手段18と第一の検出手段16Aや第二の検出手段16B、スイッチング手段7、端子4が配線パターンを介して電気的に接続されている。
【0027】
なお、磁石13と対向した第一の検出手段16Aと、この下方に配置された第二の検出手段16Bは、素子の表面、つまり左側面に対して垂直な方向の磁気を検出する磁気特性を備えたものが用いられている。
【0028】
さらに、9はコイル状の戻りばね、10はケース1上面の開口部を覆う絶縁樹脂製のカバーで、戻りばね9が作動体2下面とケース1の底面との間にやや撓んだ状態で装着されて、作動体2を上方に付勢すると共に、作動体2上端がカバー10上面中央の中空筒部から上方へ突出して、スイッチ20が構成されている。
【0029】
そして、以上の構成において、図3(a)の部分側面図に示すように、磁石13は上述したようにN極またはS極を外方に向けて、例えばN極を第一の検出手段16Aと第二の検出手段16Bに対向させて、横向きに作動体2に装着されている。
【0030】
つまり、図3(b)に示すように、磁石13を第一の検出手段16Aや第二の検出手段16Bに対して、縦向きの平行方向に配置し、磁気が上下方向の広い範囲に生じる場合に比べ、図3(a)に示すように、横向きの垂直方向に配置することによって、磁石13の磁気が上下から垂直方向に均等に放出されるため、この垂直方向の磁気を、二つの検出手段が高精度で検出することができるようになっている。
【0031】
また、第一の検出手段16Aと第二の検出手段16Bの、上下方向への磁気検出が可能な検出距離を各々X、第一の検出手段16Aと第二の検出手段16Bの中心距離をLとした場合、二つの検出手段の中心距離Lは検出距離Xより大きく、かつ検出距離Xの2倍の2Xよりも小さな間隔で配置され、両方の検出手段が磁気検出可能な区間Yが設けられている。
【0032】
すなわち、例えば二つの検出手段の検出距離Xを各々2.6mmとした場合、中心距離Lは4.2mmに設定され、第一の検出手段16Aと第二の検出手段16Bの中間部、1mmの区間Yは両方の検出手段が磁気検出を行えるようになっている。
【0033】
そして、このように構成されたスイッチ20が、図7の要部側面図に示すように、一般に自動車のブレーキペダル30の手前に、アーム30Aによって作動体2先端が押圧された状態で装着されると共に、ケース1底面から突出した複数の端子4がコネクタ31やリード線に接続され、図4のブロック回路図に示すように、制御手段18やスイッチング手段7が、発光ダイオード等のストップランプ32やイグニションスイッチ33、バッテリー34、警告灯やブザー等の報知手段35、車両の電子回路(図示せず)等に接続されて、スイッチ装置が構成される。
【0034】
つまり、ブレーキペダル30が踏み込まれていない状態では、図5の断面図に示すように、作動体2が戻りばね9を撓めながら下方へ押圧操作され、作動体2右側面に装着された磁石13も下方へ移動して、第一の検出手段16Aから離れ、例えば作動体2が6mm前後押し込まれた状態では、磁石13の中心が第二の検出手段16Bの中心よりもやや下方に位置した状態となっている。
【0035】
すなわち、第一の検出手段16Aが検出する磁石13の磁気は微弱なものとなっているのに対し、第二の検出手段16Bが検出する磁気は強いものとなっている。
【0036】
また、第一の検出手段16Aと第二の検出手段16Bに接続された制御手段18が、この両方の検出手段からの信号を検知し、第一の検出手段16Aからの磁気が弱く所定値以下のOFF信号で、第二の検出手段16Bからの磁気が強く所定値以上のON信号の場合には、スイッチング手段7を開状態とするようになっているため、この作動体2が押圧された押圧位置の状態では、スイッチング手段7は開状態となり、ストップランプ32は消灯した状態となっている。
【0037】
そして、ブレーキペダル30が踏み込まれると、アーム30Aが作動体2先端から離れ押圧力が除かれるため、図1に示したように、戻りばね9の弾性復帰力によって作動体2が上方へ移動すると共に、作動体2に装着された磁石13も上方へ移動して、磁石13と第一の検出手段16Aが対向した状態となって、第一の検出手段16Aが検出する磁石13の磁気が強くなり、第二の検出手段16Bからの磁気は殆どなくなるため、制御手段18がスイッチング手段7を閉状態に切換え、ストップランプ32が点灯する。
【0038】
つまり、図6(a)の部分側面図に示すように、ブレーキペダル30が操作されず、作動体2が押圧操作された押圧位置では、第一の検出手段16Aが検出する磁石13の磁気は微弱で、第二の検出手段16Bが検出する磁気が強くなり、図6(c)に示すように、ブレーキペダル30が踏み込まれ、作動体2が元に戻った復帰位置では、第一の検出手段16Aが検出する磁気が強くなり、第二の検出手段16Bの磁気は殆どなくなる。
【0039】
すなわち、制御手段18に対して、押圧位置では、第一の検出手段16AからはOFF信号が、第二の検出手段16BからはON信号が各々出力されるのに対し、復帰位置では、第一の検出手段16AからON信号、第二の検出手段16BからOFF信号というように、作動体2の操作位置によって二つの検出手段から、異なる組み合わせの信号が制御手段18に出力される。
【0040】
そして、この二つの検出手段からの信号を制御手段18が検知し、第一の検出手段16Aの信号がOFFで、第二の検出手段16BがONの押圧位置では、スイッチング手段7を開状態に、第一の検出手段16AがONで、第二の検出手段16BがOFFの復帰位置では、スイッチング手段7を閉状態に各々切換えることによって、ストップランプ32の消点灯制御を行うように構成されている。
【0041】
なお、このように第一の検出手段16Aと第二の検出手段16Bを上下に配置し、対向した磁石13の磁気を検出する構成とすることによって、検出する磁気の方向や極性等の特性が全く同じものを用いても、上記のように異なる組み合わせのON/OFF信号が得られるため、異なる特性の検出手段を使用する必要がなく、構成部品の共用化が図れると共に、部品間違い等もなく製作も容易に行うことができる。
【0042】
また、この時、制御手段18が第一の検出手段16Aと第二の検出手段16Bの、二つの検出手段を用いて磁石13の磁気を検出することによって、いずれか一方の検出手段に故障が生じた場合、これを検知することができるようになっている。
【0043】
つまり、例えば第一の検出手段16Aが故障していた場合、図6(a)の押圧位置では、第一の検出手段16Aからは故障していてもいなくともOFF信号が、第二の検出手段16BからはON信号が各々出力されるため、故障の検知は行えないが、図6(c)の復帰位置では、ONとなるはずの第一の検出手段16AからもOFF信号が出力されて、両方の検出手段からOFF信号が出力されるため、これによって制御手段18が第一の検出手段16Aの故障を検知することができる。
【0044】
また、同様に、第二の検出手段16Bが故障した場合には、第二の検出手段16BからON信号が出力されるはずの、図6(a)の押圧位置で、第二の検出手段16BからもOFF信号が出力されて、両方の検出手段からOFF信号が出力されるため、これによって制御手段18が第二の検出手段16Bの故障を検知することができる。
【0045】
すなわち、制御手段18が押圧位置及び復帰位置での、二つの検出手段からの出力信号を比較することによって、いずれか一方の検出手段に故障が生じた場合、その各々の操作位置でのOFF信号によって、故障を検知することが可能なように構成されている。
【0046】
さらに、作動体2に装着された磁石13が押圧操作の途中、及び復帰操作途中の、第一の検出手段16Aと第二の検出手段16B中間の、図6(b)の中間位置に移動した際には、両方の検出手段が磁石13の磁気を検出することによって、故障検知をより確実に行うことができるようになっている。
【0047】
つまり、上述したように、二つの検出手段の検出距離を各々Xとした場合、この中心距離Lは検出距離Xより大きく、かつ検出距離Xの2倍の2Xよりも小さくなっているため、磁石13が中間位置に移動した際には、区間Yの間、両方の検出手段によって磁気検出が行われ、第一の検出手段16Aからも第二の検出手段16Bからも、制御手段18にON信号が出力される。
【0048】
したがって、この中間位置でいずれかの検出手段からOFF信号が出力された場合には、OFF信号を出力した検出手段に故障が生じたことを、制御手段18が容易に検知できると共に、この中間位置でもし両方の検出手段からOFF信号が出力された場合には、両方の検出手段に故障が生じたことを、制御手段18が判別することが可能なようになっている。
【0049】
なお、二つの検出手段の中心距離Lを、検出距離Xの2倍の2Xよりも大きく、あるいは同等のものとした場合には、磁石13と二つの検出手段の形状寸法のばらつきや装着位置のばらつき等によって、第一の検出手段16Aと第二の検出手段16Bに故障が生じていなくても、両方の検出手段からOFF信号が出力されてしまう場合があるため、上記のような検知を行うことは不可能となる。
【0050】
これに対し、上記のような寸法で二つの検出手段を上下に配置することで、磁石13や検出手段の形状寸法や装着位置に多少のばらつきが生じた場合でも、中間位置で両方の検出手段からOFF信号が出力されることがないように構成されている。
【0051】
すなわち、故障検知については、制御手段18は磁石13が押圧位置にあるのか、あるいは中間位置や復帰位置にあるのかを認識する必要はなく、いずれの操作位置でも両方の検出手段からOFF信号が出力された場合には、いずれか一方または両方の検出手段に故障が生じたことを検知可能なようになっている。
【0052】
なお、このような中心距離Lで第一の検出手段16Aと第二の検出手段16Bを配置すると共に、上述したように、磁石13をN極またはS極を二つの検出手段に向けて垂直方向に配置することによって、磁石13を例えば縦3mmで横5mm、厚さ2mm前後の寸法の小さな形状で形成できると共に、二つの検出手段を用いているにも係らず、全体の高さも比較的小さな寸法でスイッチ20を構成することができる。
【0053】
また、磁石13に残留磁束密度の高いネオジ系のものを用い、二つの検出手段に10mT以下の磁束密度では磁気を検出しない低感度のホール素子を用いることで、よりスイッチの小型化を図ることができる。
【0054】
そして、以上のような押圧位置や復帰位置、あるいは操作途中の中間位置で、第一の検出手段16Aや第二の検出手段16Bの故障を検知した場合には、制御手段18が警告灯やブザー等の報知手段35を駆動して、運転者や同乗者に故障を通知するように構成されている。
【0055】
このように本実施の形態によれば、作動体2に装着された磁石13との対向面に第一の検出手段16Aを、この下方に第二の検出手段16Bを設けると共に、制御手段18がこの二つの検出手段を用いて磁石13の磁気を検出することによって、いずれか一方の検出手段に故障が生じた場合、これを検出手段からのON/OFF信号により検知することができるため、簡易な構成で、確実な故障検知が可能なスイッチ、及びこれを用いたスイッチ装置を得ることができるものである。
【0056】
なお、以上の説明では、第一の検出手段16Aと第二の検出手段16Bを用いて、制御手段18がストップランプ32の消点灯制御を行う構成について説明したが、上記とは逆に、ブレーキペダル30が踏み込まれていない状態では、制御手段18がスイッチング手段7を閉状態とし、ブレーキペダル30が踏み込まれた状態では、開状態に制御するように構成して、例えば車両の電子回路に接続され、車両の走行速度を一定に保つオートクルーズ装置等の制御用として用いても、本発明の実施は可能である。
【0057】
また、以上の説明では、制御手段18やスイッチング手段7をスイッチ20に一体に形成した構成について説明したが、これらを車両の電子回路に設け、スイッチの配線基板5には、第一の検出手段16Aと第二の検出手段16Bのみを設けた構成としても、本発明の実施は可能である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によるスイッチ及びこれを用いたスイッチ装置は、簡易な構成で、確実な故障検知が可能なものを得ることができ、主に自動車のストップランプの消点灯制御用等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施の形態によるスイッチの断面図
【図2】同分解斜視図
【図3】同部分側面図
【図4】同スイッチ装置のブロック回路図
【図5】同押圧操作時の断面図
【図6】同部分側面図
【図7】ブレーキペダルの要部側面図
【図8】従来のスイッチの断面図
【符号の説明】
【0060】
1 ケース
2 作動体
4 端子
5 配線基板
7 スイッチング手段
9 戻りばね
10 カバー
13 磁石
16A 第一の検出手段
16B 第二の検出手段
18 制御手段
20 スイッチ
30 ブレーキペダル
30A アーム
31 コネクタ
32 ストップランプ
33 イグニションスイッチ
34 バッテリー
35 報知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略箱型のケースと、このケース内に上下動可能に収納された作動体と、この作動体を上方へ付勢するばねと、上記作動体に装着された磁石と、この磁石の磁気を検出する検出手段からなり、上記磁石との対向面に第一の検出手段を、この下方に第二の検出手段を設けたスイッチ。
【請求項2】
作動体に装着された磁石が第一の検出手段と第二の検出手段の中間位置に移動した際、上記第一の検出手段と第二の検出手段の両方が上記磁石の磁気を検出する請求項1記載のスイッチ。
【請求項3】
磁石のN極またはS極を第一及び第二の検出手段に対向させた請求項1記載のスイッチ。
【請求項4】
請求項1記載のスイッチと、このスイッチの第一及び第二の検出手段に接続された制御手段と、この制御手段に接続された報知手段からなり、上記制御手段が上記第一及び第二の検出手段からの検出信号に応じて、上記報知手段を制御するスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−123480(P2009−123480A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295434(P2007−295434)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】