説明

スイッチ装置

【課題】表示部に表示された画像をノブの形状と同様に変化させるスイッチ装置を提供する。
【解決手段】スイッチ装置1は、対向する第1の面10aと第2の面10bを有し、本体10と、本体10の第1の面10a側に設けられたスイッチノブ11と、本体10の第2の面10b側に設けられ、プッシュ操作によって本体10の内部方向に移動する背面スイッチノブ14と、背面スイッチノブ14と接続され、背面スイッチノブ14になされたプッシュ操作によってスイッチノブ11の裏側から接触してスイッチノブ11を凸状に変形させるロッド19と、背面スイッチノブ14になされたプッシュ操作によって操作信号を出力するプッシュスイッチ13と、プッシュスイッチ13から出力された操作信号に基づいて被制御装置7の表示部70に表示された画像をスイッチノブ11の形状に応じたものに変化させる制御信号を出力するECU5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、車両に搭載されたスイッチの作動状態又は作動不能状態のレベル分けを行うスイッチレベル分け手段と、該スイッチレベル分け手段からの各スイッチの作動状態レベルと作動不能状態レベルの少なくとも一方に応じてスイッチの形態を変更するスイッチ形態変更手段と、モータ部を有し、スイッチ形態変更手段からの信号に基づいてモータ部を駆動してスイッチ操作面の形状を変化させるスイッチを有する操作装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この操作装置によると、スイッチ形態変更手段は、スイッチレベル分け手段によるスイッチの作動状態又は作動不能状態のレベル分けに基づいて、モータ部を駆動してスイッチ操作面を変化させるので、ドライバーは、スイッチの形態変化によりスイッチ操作時点でそのスイッチ操作に関わる制御状態を知ることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−225588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の操作装置は、モータ部を駆動することでスイッチ操作面の形状を変化させるので、モータ部を使用しない場合と比べてコストが掛かり、また小型化するのが難しいという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、操作対象の切り換えによってノブの形状が変化すると共に、被制御装置の表示部に表示された画像をノブの形状と同様に変化させ、また、製造コストを抑制し、小型化を可能にするスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、対向する第1の面と第2の面を有する本体と、前記本体の前記第1の面側に設けられた第1の操作部と、前記本体の前記第2の面側に設けられ、プッシュ操作によって前記本体の内部方向に移動する第2の操作部と、前記第2の操作部と接続され、前記第2の操作部になされた前記プッシュ操作によって前記第1の操作部の裏側から接触して前記第1の操作部を凸状に変形させるロッドと、前記第2の操作部になされた前記プッシュ操作によって操作信号を出力するプッシュスイッチと、前記プッシュスイッチから出力された前記操作信号に基づいて被制御装置の表示部に表示された画像を前記第1の操作部の形状に応じたものに変化させる制御信号を出力する制御部と、を備えたスイッチ装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作対象の切り換えによってノブの形状が変化すると共に、被制御装置の表示部に表示された画像をノブの形状と同様に変化させ、また、製造コストを抑制し、小型化を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1(a)は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置を搭載したステアリングの表側斜視図であり、(b)は、裏側斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置の概略図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置の図2のIII−III線断面図である。
【図4】図4(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係るロック部による保持動作に関する概略図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置に関する機能ブロック図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態に係るスライド操作後のスイッチ装置の要部断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に係るスライド操作に続いてプッシュ操作を行った後のスイッチ装置の要部断面図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態に係るスライド操作に続いてプッシュ操作を行った後のステアリングの表側斜視図である。
【図9】図9(a)は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置になされたプッシュ操作前の表示部に表示された画像の一例であり、(b)は、プッシュ操作後の画像の一例である。
【図10】図10(a)は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置になされたプッシュ操作前の表示部に表示された画像の一例であり、(b)は、プッシュ操作後の画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
(スイッチ装置の構成)
図1(a)は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置を搭載したステアリングの表側斜視図であり、(b)は、裏側斜視図である。本実施の形態は、一例として、本発明のスイッチ装置を車両のステアリングに搭載した場合について説明する。なお、以下において、背面スイッチノブ14に対するプッシュ操作方向(各図面垂直方向)を垂直方向とし、スイッチノブ11のスライド操作方向(各図面水平方向)と規定する。
【0011】
スイッチ装置1は、図1(a)及び(b)に示すように、車両のステアリング3に配置されている。ステアリング3は、車両のステアリングシャフトと接続される基部30と、基部30の左右側面に設けられたスポーク31と、操作者が把持する部分であり、スポーク31と一体となってT形状となる形状を有する把持部32と、を備えて概略構成されている。
【0012】
このスポーク31の端部近傍に、スイッチ装置1が設けられている。なお、ステアリング3の形状は、上記に限定されず、円形状を有するステアリングに配置されても良い。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置の概略図であり、図3(a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置の図2のIII−III線断面図である。図3(a)は、背面スイッチノブ14が、初期位置にある図であり、図3(b)は、背面スイッチノブ14にプッシュ操作がなされ、操作状態が保持された状態を示した図である。
【0014】
このスイッチ装置1は、主に、対向する第1の面10aと第2の面10bを有し、本体上部10Aと本体下部10Bからなる本体10と、本体10の第1の面10a側に設けられた第1の操作部としてのスイッチノブ11と、本体10の第2の面10b側に設けられ、プッシュ操作によって本体10の内部方向に移動する第2の操作部としての背面スイッチノブ14と、背面スイッチノブ14と接続され、背面スイッチノブ14になされたプッシュ操作によってスイッチノブ11の裏側から接触してスイッチノブ11を凸状に変形させるロッド19と、背面スイッチノブ14になされたプッシュ操作によって操作信号を出力するプッシュスイッチ13と、プッシュスイッチ13から出力された操作信号に基づいて被制御装置7の表示部70に表示された画像をスイッチノブ11の形状に応じたものに変化させる制御信号を出力する制御部としてのECU(Electronic Control Unit)5とを備えて概略構成されている。
【0015】
またスイッチ装置1の本体上部10Aは、図3(a)に示すように、第1の面10aに形成された開口101と通ずる凹部103を有している。本体下部10Bは、第2の面10bに形成された開口102と通ずる凹部104を有している。この凹部103と凹部104の間には、本体上部10A側に壁105aと、本体下部10B側に壁105bが形成され、壁105a、105bは、接触している。壁105aには、開口106aが形成され、壁105bには、開口106bが形成されている。
【0016】
スイッチノブ11は、図2及び図3(a)に示すように、裏面側にロッド支持部112を有し、ロッド支持部112は、スイッチノブ11と一体となっている。またスイッチノブ11は、略円形状を有し、その外周に凸形状を有する凸部110と、凸部110によって囲まれ、指にフィットする形状を有する凹部111とを備えている。このスイッチノブ11は、例えば、ウレタンやゴム等の軟質素材から形成されている。
【0017】
本体上部10Aは、図2に示すように、第1の面10a側の開口101の周辺が凸形状となってリング12を形成し、このリング12に対する操作によって本体上部10Aが回転するように構成されている。回転方向は、図2に対して時計回り又は反時計回りであり、このリング12に対する操作によって、例えば、このスイッチ装置1によって制御される被制御装置が、音楽を再生する音楽再生装置である場合、音量の大小を制御することができ、被制御装置が、現在地等の地図を表示するカーナビゲーション装置である場合、表示部に表示された地図の拡大及び縮小を行うことができる。
【0018】
また、本体上部10Aは、第1の面10a側の開口101内に、開口101の中央に向かって開口101の内壁から突出する凸部120を備えている。この凸部120は、ロッド支持部112の側部に形成されたスリットガイド114内に挿入されている。ロッド支持部112は、スイッチノブ11とともに、スリットガイド114に案内されて水平方向に移動する。
【0019】
またロッド支持部112は、その中央を貫通する開口113を有し、その開口113には、ロッド19が移動可能に挿入されている。
【0020】
背面スイッチノブ14は、裏面14A側に本体上部10A及び本体下部10Bの開口106a、106bに挿入される連結部141を備え、その連結部141の端部には、略凹形状を有する受部142を備えている。
【0021】
この受部142には、内部にスライドスイッチ16が設けられ、スライドスイッチ16の操作部であるノブ17が、ロッド19の端部に形成された凹部193に固定され、ロッド19の水平方向の移動にともなって移動する。このスライドスイッチ16は、一例として、4又は8方向のスライド操作を検出できるように構成されている。
【0022】
受部142の凹部143には、その内壁にスリットガイド145が形成され、スリットガイド145には、ロッド19の端部190の側面に形成された凸部192が挿入されている。ロッド19は、このスリットガイド145に案内されて水平方向に移動する。
【0023】
凹部104の上部である設置面100Aには、弾性部材144を取り付けることができる取付部107が、設置面100Aから突出するように形成されている。設置面100Aと背面スイッチノブ14の裏面14Aに形成された凹部147の間には、連結部141を挟んで少なくとも2つの弾性部材144が設けられている。
【0024】
背面スイッチノブ14は、プッシュ操作方向とは反対の弾性力を、弾性部材144から付加されている。弾性部材144は、例えば、コイルばねであり、取付部107は、この弾性部材144の中央の開口に挿入され、弾性部材144を支持している。この弾性部材144は、例えば、弾性力を発生する板ばねや合成樹脂等であっても良く、その数も限定されない。
【0025】
また設置面100Aには、プッシュスイッチ13が設けられている。このプッシュスイッチ13は、例えば、背面スイッチノブ14に対するプッシュ操作により、背面スイッチノブ14の裏面14A側から突出して設けられたストッパ146が接することによってオンし、ストッパ146との接触が解除されることでオフする。
【0026】
ロッド19は、円筒形状を有し、先端部191は、スイッチノブ11の凹部111の裏側と接触している。ロッド19は、背面スイッチノブ14に対するプッシュ操作により上方に移動し、この凹部111の裏側を押すことで凹部111の中央が凸形状に変化する。
【0027】
またスイッチ装置1は、図3(a)に示すように、ロック部15を備えている。以下にロック部15の構成の一例を説明する。
【0028】
図4(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係るロック部による保持動作に関する概略図である。このロック部15は、例えば、背面スイッチノブ14に対してプッシュ操作がなされることによって本体10内に押し込まれた背面スイッチノブ14の操作状態を保持し、続いて押し込まれた背面スイッチノブ14に対して再びプッシュ操作がなされると、操作状態の保持を解除し、背面スイッチノブ14が初期位置に戻る構成を有している。この初期位置とは、図3(a)に示すように、ロック部15によって背面スイッチノブ14を保持していない状態である。
【0029】
ロック部15は、本体下部10Bの設置面100Aに設けられている。ロック部15は、例えば、F字形状を有し、線状に形成された基部150と、基部150から同一方向に突出して形成された第1及び第2の凸部151、152とを備えて概略構成されている。
【0030】
基部150は、一方端部にピン153が挿入される穴を有し、端部の穴に挿入されたピン153を固定する固定部(図示せず)が設置面100Aの内壁に形成されている。基部150は、ピン153を中心として回転可能に構成されている。
【0031】
ロック部15は、背面スイッチノブ14を保持していない初期状態にあるとき、図3(a)に示すように、垂直方向からわずかに時計回りに回転した位置で静止している。これは、ロック部15の質量バランスが偏っているからである。
【0032】
また基部150は、他端部に第2の凸部152が形成され、第2の凸部152と一方端部の間に第1の凸部151が形成されている。第1の凸部151は、基部150からの突出量が、第2の凸部152の突出量よりも大きくなっている。ロック部15が、初期位置にあるとき、ストッパ146が第2の凸部152には接触せず、第1の凸部151に接触するように、第1及び第2の凸部151、152の突出量は規定されている。
【0033】
背面スイッチノブ14の裏面14Aには、ストッパ146が形成されている。このストッパ146は、背面スイッチノブ14の外周に沿って形成され、背面スイッチノブ14から立ち上がり上部でL字形状に曲がった先端部を有している。
【0034】
以下に、背面スイッチノブ14になされたプッシュ操作の保持について説明する。
【0035】
(ロック部による保持と保持解除について)
まず、図4(a)に示す初期状態からプッシュ操作方向に背面スイッチノブ14を操作する。
【0036】
プッシュ操作により、背面スイッチノブ14が本体下部10Bに対して上方に移動し、ストッパ146の先端部が、第1の凸部151に接触する。
【0037】
さらに背面スイッチノブ14が上方に移動することで、ストッパ146を介して第1の凸部151が上方に押され、ロック部15がピン153を回転中心として図面に対して反時計回りに回転する。
【0038】
続いて、図4(b)に示すように、背面スイッチノブ14に対するプッシュ操作が終了し、弾性部材144による弾性力により、背面スイッチノブ14が初期位置に復帰し始めると、第1及び第2の凸部151、152の間に形成された凹部にストッパ146が挿入され、第2の凸部152の凹部側の側面によってストッパ146が保持されることで、背面スイッチノブ14は、保持される。このとき、図3(b)に示すように、スイッチノブ11の凹部111の中央が、ロッド19の先端部191によって押され凸形状に変形する。このとき、ロック部15は、図3(b)に示すように、基部150の長手方向と垂直方向が一致する位置となっている。
【0039】
続いて、保持解除について説明する。図3(b)及び図4(b)に示すように、背面スイッチノブ14が、ロック部15によって保持されている状態で、背面スイッチノブ14に再度プッシュ操作を行うと、第1及び第2の凸部151、152の間の凹部に挿入されていたストッパ146が、背面スイッチノブ14の移動とともに上方に移動し、第1の凸部151の凹部側の側面に接触する。
【0040】
ストッパ146と第2の凸部152との接触が解除されることによってロック部15は、初期状態に戻るように時計回りに回転する。
【0041】
プッシュ操作が終了した後、弾性部材144の弾性力によって背面スイッチノブ14が下方に移動すると、ロック部15が初期状態にあることから、ストッパ146と第2の凸部152が接触しない位置にロック部15が回転しているので、背面スイッチノブ14は、初期位置に復帰する。なお、このロック部15によるロック機構は、一例であって、背面スイッチノブ14を押し込むことで、操作状態の保持と解除を行うことができる機構であれば、周知の機構を用いることができる。
【0042】
図5は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置に関する機能ブロック図である。スイッチ装置1のプッシュスイッチ13とスライドスイッチ16は、図5に示すように、例えば、車両に搭載されたECU5に接続され、ECU5は、スイッチ装置1から出力される操作信号に基づいてスイッチ装置1によって制御される被制御装置7を制御する。なお、ECU5は、スイッチ装置1に組み込まれ、ECU5から車両や被制御装置7のECU等に制御信号が出力される構成であっても良い。
【0043】
プッシュスイッチ13は、例えば、機械式のスイッチであるがこれに限定されず、磁気センサ等の非接触スイッチでも良い。
【0044】
以下に、本実施の形態のスイッチ装置の動作について説明する。まず、スライド操作について説明する。
【0045】
(スライド操作)
図6は、本発明の実施の形態に係るスライド操作後のスイッチ装置の要部断面図である。操作者は、ステアリング3の把持部32を把持した状態で、親指をスイッチノブ11の凹部111に接触させ、スイッチノブ11に対して図6の右方向にスライド操作を行う。
【0046】
具体的には、操作者によるスライド操作によって、スイッチノブ11、ロッド支持部112及びロッド19を介してスライドスイッチ16のノブ17が図6の右方向に移動する。スライドスイッチ16は、ノブ17の右方向の移動に基づいた操作信号をECU5に出力し、ECU5は入力した操作信号に基づいて制御信号を被制御装置7に出力する。制御信号が入力した被制御装置7は、入力した制御信号に基づいて、例えば、被制御装置7の表示部70に表示されていた内容を変更する。
【0047】
(スライド操作及びプッシュ操作)
図7は、本発明の実施の形態に係るスライド操作に続いてプッシュ操作を行った後のスイッチ装置の要部断面図であり、図8は、本発明の実施の形態に係るスライド操作に続いてプッシュ操作を行った後のステアリングの表側斜視図である。なお、以下では、スライド操作を行った後のプッシュ操作について説明するが、プッシュ操作の状態を保持しつつ、続いてスライド操作を行うことも可能である。また、スライド操作については、上記と同様であるので、以下では主にプッシュ操作について説明する。
【0048】
操作者は、ステアリング3の把持部32を把持した状態で、上記のスライド操作を行った後、例えば、中指によって背面スイッチノブ14にプッシュ操作を行う。
【0049】
具体的には、操作者による背面スイッチノブ14に対するプッシュ操作によって、背面スイッチノブ14、連結部141、受部142及びスライドスイッチ16を介してロッド19が、図7の上方向に変位する。このときロッド19は、ロッド支持部112の開口113内を移動してスイッチノブ11の凹部111の裏面側を上方向に押し上げ、図7及び8に示すように、凹部111が大きく凸形状に盛り上がる。
【0050】
ロック部15は、プッシュ操作によって移動した背面スイッチノブ14のプッシュ操作後の操作状態を保持するので、この凹部111の形状は、再び背面スイッチノブ14に対してプッシュ操作がなされるまで保持される。またプッシュスイッチ13は、背面スイッチノブ14の移動によって、背面スイッチノブ14の裏面14Aが接触することでオンされ、ECU5に操作信号を出力する。ECU5は入力した操作信号に基づいて制御信号を被制御装置7に出力する。制御信号が入力した被制御装置7は、入力した制御信号に基づいて、例えば、被制御装置7の表示部70に表示されていた内容を変更する。
【0051】
(プッシュ操作による表示画像の切替について)
図9(a)及び図10(a)は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置になされたプッシュ操作前の表示部に表示された画像の一例であり、図9(b)及び図10(b)は、プッシュ操作後の画像の一例である。図9(a)に示す画像71は、被制御装置7が音楽再生装置である場合に表示部70に表示される画像の一例を示し、音楽再生装置に収納されている複数のアルバムジャケットの画像を含んでいる。また、図10(a)に示す画像73は、被制御装置7がカーナビゲーション装置である場合に表示部70に表示される画像の一例を示し、現在地周辺の地図の画像を含んでいる。以下では、図9(a)に示す画像71を、スイッチノブ11の形状を模した図9(b)に示す選択されたアルバムが、表示部70に表示された画像の中で最大表示となるアルバム全表示画像72として音楽再生装置に表示させる動作について説明する。
【0052】
操作者は、再生したい楽曲の含まれるアルバムを選択するため、ステアリング3の把持部32を把持した状態で、例えば、選択するアルバムが表示されるように、スイッチノブ11をスライド操作して画像71をスクロールさせる。さらに操作者は、選択したアルバムが最大表示となるように、例えば、中指によって背面スイッチノブ14にプッシュ操作を行う。このプッシュ操作に連動して表示部70に表示される画像が、画像71からアルバム全表示画像72に切り替る。なお、スイッチノブ11をスライド操作することによって、アルバム全表示画像72をスクロールすることができる。
【0053】
具体的には、上記のプッシュ操作と同様の動作を経て、背面スイッチノブ14を介してプッシュスイッチ13がオンされる。プッシュスイッチ13は、オンされることによってECU5に操作信号を出力する。ECU5は入力した操作信号に基づいて制御信号を被制御装置7としての音楽再生装置に出力する。
【0054】
制御信号が入力した音楽再生装置は、入力した制御信号に基づいて表示部70を制御し、画像71からアルバム全表示画像72に表示部70に表示される画像を変更する。
【0055】
操作者は、スイッチノブ11を触って、スイッチノブ11が凸形状であることを知ることで、表示部70に視線移動をすることなく、アルバム全表示画像72が表示されていることが分かる。
【0056】
続いて、被制御装置7がカーナビゲーション装置である場合について説明する。操作者は、例えば、拡大表示させたい現在地周辺の地図が表示されるように、スイッチノブ11をスライド操作して画像73をスクロールさせる。さらに、操作者は、現在地周辺の地図が表示されると、図10(a)に示す現在地周辺の画像73を拡大表示させるため、ステアリング3の把持部32を把持した状態で、例えば、中指によって背面スイッチノブ14にプッシュ操作を行う。このプッシュ操作に連動して表示部70に表示される画像が、画像73から部分的な拡大と、より詳細な地図情報を表示する部分拡大画像74に切り替る。なお、スイッチノブ11をスライド操作することによって、部分拡大画像74をスクロールすることができる。
【0057】
具体的には、上記のプッシュ操作と同様の動作を経て、背面スイッチノブ14を介してプッシュスイッチ13がオンされる。プッシュスイッチ13は、オンされることによってECU5に操作信号を出力する。ECU5は、入力した操作信号に基づいて制御信号を被制御装置7としてのカーナビゲーション装置に出力する。制御信号が入力したカーナビゲーション装置は、入力した制御信号に基づいて表示部70を制御し、画像73から部分拡大画像74に表示部70に表示される画像を変更する。
【0058】
操作者は、スイッチノブ11を触って、スイッチノブ11が凸形状であることを知ることで、表示部70に視線移動をすることなく、部分拡大画像74が表示されていることが分かる。
【0059】
(効果)
上記の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)背面スイッチノブ14に対するプッシュ操作に基づいてスイッチノブ11の形状が変化するので、操作者は、スイッチ装置1又は表示部70に視線移動させることなく、行った操作が有効となったか否かを知ることができる。
(2)プッシュ操作後の操作状態をロック部15によって保持することで、スイッチノブ11の形状を変化させることができるので、モータ等のアクチュエータを使用する場合と比べて、簡単な構成で製造することができる。また、スイッチ装置1の製造コストを下げ、さらに小型化が容易となる。
(3)スライド操作及びプッシュ操作を行うことができるので、多様な操作を行うことができる。
(4)突出したロッド19を押してしまうような誤操作を行ったとしても、プッシュスイッチ13又はスライドスイッチ16が切り替わることがないので、誤操作による誤動作を防止することができる。
(5)スイッチノブ11の形状を模した形状を有する画像が、表示部70に表示されるので、操作者は、操作方法が分かり易い。
【0060】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形および組み合わせが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…スイッチ装置、3…ステアリング、5…ECU、7…被制御装置、10…本体、10A…本体上部、10B…本体下部、10a…第1の面、10b…第2の面、11…スイッチノブ、12…リング、13…プッシュスイッチ、14…背面スイッチノブ、14A…裏面、15…ロック部、16…スライドスイッチ、17…ノブ、19…ロッド、30…基部、31…スポーク、32…把持部、70…表示部、71…画像、72…アルバム全表示画像、73…画像、74…部分拡大画像、100A…設置面、101…開口、102…開口、103…凹部、104…凹部、105a…壁、105b…壁、106a…開口、106b…開口、107…取付部、110…凸部、111…凹部、112…ロッド支持部、113…開口、114…スリットガイド、120…凸部、141…連結部、142…受部、143…凹部、144…弾性部材、145…スリットガイド、146…ストッパ、147…凹部、150…基部、151…凸部、152…凸部、153…ピン、190…端部、191…先端部、192…凸部、193…凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1の面と第2の面を有する本体と、
前記本体の前記第1の面側に設けられた第1の操作部と、
前記本体の前記第2の面側に設けられ、プッシュ操作によって前記本体の内部方向に移動する第2の操作部と、
前記第2の操作部と接続され、前記第2の操作部になされた前記プッシュ操作によって前記第1の操作部の裏側から接触して前記第1の操作部を凸状に変形させるロッドと、
前記第2の操作部になされた前記プッシュ操作によって操作信号を出力するプッシュスイッチと、
前記プッシュスイッチから出力された前記操作信号に基づいて被制御装置の表示部に表示された画像を前記第1の操作部の形状に応じたものに変化させる制御信号を出力する制御部と、
を備えたスイッチ装置。
【請求項2】
前記第2の操作部になされた前記プッシュ操作による前記第2の操作部の操作状態の保持を行い、続いてなされたプッシュ操作によって前記操作状態の保持を解除するロック部を備えた請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記第1の操作部になされたスライド操作を検出するスライドスイッチを有する請求項1又は2に記載のスイッチ装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−134487(P2011−134487A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291178(P2009−291178)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】