説明

スイッチ装置

【課題】スイッチ本体の状態を検出する検出回路を形成する際に複雑な加工を必要とせず、検出回路のバリエーションを持たせること。
【解決手段】操作体22と、この操作体22に対する操作により移動する可動接点26と、この可動接点26の移動に伴って導通状態が切り換えられる第1、第2の端子211a、211bを有するスイッチ本体2と、このスイッチ本体2に取り付けられ、第1、第2の端子211a、211bと導通するチップ抵抗33が実装された装置状態検出用の基板3とを具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関し、特に、リード線などの接続部材における断線等の不具合を検出可能なスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物体の通過を直接接触によって検出して計数を行ったり、検出結果で他の要素を作動させたりするスイッチ装置(検出スイッチ)において、ハウジングの物体検出穴を検出物が通過する際に回動する回動部材を備え、この回動部材の一部に形成した第2の接触片と、これに対向配置されている一対の第1の接触片との間で構成されるスイッチ装置の取り外しを検出可能とするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このスイッチ装置においては、一対の第1の接触片の端子間に第1のチップ抵抗が予め取り付けられ、第1の接触片と共にハウジングにインサート成形される一方、第2の接触片の長手方向の中間に第2のチップ抵抗が予め取り付けられ、第2の接触片と共に回動部材にインサート成形されている。このスイッチ装置によれば、第1のチップ抵抗に常時電流を流しておくことにより、当該電流の切断によってスイッチ装置の取り外しを検出できるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−274827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のスイッチ装置においては、第1、第2チップ抵抗がそれぞれハウジング、回動部材にインサート成形されていることから、スイッチ装置の状態を検出する検出回路を形成する際の加工が複雑であると共に、検出回路のバリエーションを持たせることが困難であるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、複雑な加工を必要としないでスイッチ装置の状態を検出する検出回路のバリエーションを持たせることができるスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスイッチ装置は、操作体と、この操作体に対する操作により移動する可動接点と、この可動接点の移動に伴ってその間の導通状態が切り換えられる第1、第2の端子を有するスイッチ本体と、このスイッチ本体に取り付けられ、前記第1、第2の端子と導通する検出素子が実装された装置状態検出用の基板とを具備することを特徴とする。
【0008】
上記スイッチ装置によれば、スイッチ本体の第1、第2の端子と導通する検出素子が実装された装置状態検出用の基板を備えたことから、当該基板を変更することによりスイッチ装置の状態を検出する検出回路の構成を変更することができるので、複雑な加工を必要としないでスイッチ装置の状態を検出する検出回路のバリエーションを持たせることが可能となる。
【0009】
上記スイッチ装置において、前記スイッチ本体は、前記操作体に対する操作に伴って移動する前記可動接点とは常時接触しない出力用端子を有することが好ましい。このように可動接点とは接触しない出力用端子を備えることにより、スイッチ装置の状態を検出する検出回路の構成を柔軟に設計することができ、多様な検出回路のバリエーションに対応することが可能となる。
【0010】
上記スイッチ装置において、前記スイッチ本体は、前記可動接点と常時接触するコモン接点と、前記操作体の操作によって前記可動接点との接触状態が切り換わる切換接点とを備え、前記コモン接点と前記切換接点とがそれぞれ前記第1、第2の端子に設けられ、前記出力用端子の延長線上に前記可動接点の一部が位置していることが好ましい。この場合には、コモン接点端子と、非操作時に可動接点と導通する一方、操作時に非導通状態となる所謂ノーマルクローズタイプの固定接点端子と、非操作時に可動接点と非導通状態となる一方、操作時に導通する所謂ノーマルオープンタイプの固定接点端子とを有する既存のスイッチ本体におけるノーマルクローズタイプの固定接点端子又はノーマルオープンタイプの固定接点端子のいずれかを切断加工することによりスイッチ本体を形成することができるので、既存のスイッチ本体の多くの部材を共用でき、容易にスイッチ装置の状態を検出する検出回路のバリエーションに対応することが可能となる。
【0011】
上記スイッチ装置においては、前記第1、第2の端子、前記出力用端子の3つの端子のうち、いずれか一つを共通にして他の端子との間に抵抗素子からなる前記検出素子をそれぞれ接続することが好ましい。この場合には、操作体に対する非操作時、操作時における信号出力を抵抗値で得ることができるので、スイッチ本体や配線の不具合を簡単に検出することが可能となる。
【0012】
上記スイッチ装置において、前記基板には、前記3つの端子が挿通される孔を有すると共に配線パターンが設けられ、当該基板に前記3つの端子及び抵抗素子が半田付けにて取り付けられることが好ましい。この場合には、3つの端子が基板に形成された孔に挿通された状態で半田付けされることから、端子の接続が容易であり、車載用途等に用いられて振動が加えられたとしても、信頼性の高い接続性を確保することが可能となる。
【0013】
上記スイッチ装置においては、前記基板を保護する保護部材が前記スイッチ本体に取り付けられ、前記3つの端子のうち、2つの端子が前記保護部材から突出していることが好ましい。この場合には、2本の配線等でスイッチ本体の状態を検出可能であると共に、検出回路に接続する2本の端子だけを保護部材の外部に突出させることにより、使用しない端子に配線等が接続される事態を防止できる。また、基板を保護する保護部材がスイッチ本体に取り付けられていることから、基板やその実装物を破損する事態を防止でき、その取り扱いを簡素化することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
上記スイッチ装置によれば、スイッチ本体の第1、第2の端子と導通する検出素子が実装された装置状態検出用の基板を備えたことから、当該基板を変更することによりスイッチ装置の状態を検出する検出回路の構成を変更することができるので、複雑な加工を必要としないでスイッチ装置の状態を検出する検出回路のバリエーションを持たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態に係るスイッチ装置の分解斜視図である。
【図2】上記実施の形態に係るスイッチ装置を組み立てた場合の斜視図である。
【図3】上記実施の形態に係るスイッチ装置の側断面図である。
【図4】上記実施の形態に係るスイッチ装置に適用される加工処理前のスイッチ本体の側断面図である。
【図5】図4に示すスイッチ本体が有する端子及び可動接点の側面図である。
【図6】上記実施の形態に係るスイッチ装置が有する検出回路を構成する端子と配線パターンとの関係を説明するための図である。
【図7】図6に示す端子及び配線パターンにより構成される検出回路の構成図である。
【図8】上記実施の形態に係るスイッチ装置に適用される他の検出回路を構成する端子と配線パターンとの関係を説明するための図である。
【図9】図8に示す端子及び配線パターンにより構成される検出回路の構成図である。
【図10】上記実施の形態に係るスイッチ装置に適用される他の検出回路を構成する端子と配線パターンとの関係を説明するための図である。
【図11】図10に示す端子及び配線パターンにより構成される検出回路の構成図である。
【図12】上記実施の形態に係るスイッチ装置に適用される他の検出回路を構成する端子と配線パターンとの関係を説明するための図である。
【図13】図12に示す端子及び配線パターンにより構成される検出回路の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態に係るスイッチ装置は、例えば、エレクトロニック・コントロール・ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に接続され、車両のボンネット等の開閉を検出する検出スイッチに好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、他の利用環境における任意のスイッチ装置に適用することが可能である。以下においては、車両のボンネット等の開閉を検出する検出スイッチに適用された場合について説明するものとする。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態に係るスイッチ装置1の分解斜視図である。図1に示すように、本実施の形態に係るスイッチ装置1は、検出対象の接触/非接触に応じて操作される操作体22を備え、この操作体22の位置に応じた信号を外部出力するスイッチ本体2と、このスイッチ本体2から突出する端子211が接続されるスイッチ装置1の状態検出用の基板3と、この基板3を保護すると共にスイッチ本体2を保持する保護部材としてのハウジング4とを備えている。
【0018】
スイッチ本体2は、絶縁性の樹脂材料で成形され、図1に示す上方側に開口した収容部210を有する下側ケース21と、この下側ケース21内で同図に示す上下方向にスライド移動可能な操作体22と、この操作体22の上方側に被せられるカバー部材23と、カバー部材23が被せられた操作体22の上方側に配置され、スイッチ本体2への水の浸入を防止する防水部材24と、カバー部材23、防水部材24を介在させた状態で操作体22を収容した下側ケース21に取り付けられる上側ケース25とを含んで構成されている。
【0019】
下側ケース21には、金属板材を切断加工等により形成した複数の端子211が埋設されている。これらの端子211は、下側ケース21を製造する過程でインサート成形され、その一端部が収容部210に位置すると共に、その他端部が下側ケース21の下面部から突出するように配置されている。下側ケース21の側面部には、上側ケース25の一部と係合する複数の係合片212が設けられている。また、下側ケース21の短辺側の側面部の下方側部分には、上側ケース25の一部に収容される突出片213が設けられている。なお、下側ケース21に埋設される端子211の構成については後述する。
【0020】
操作体22は、例えば、絶縁性の樹脂材料で成形され、収容部210の内壁部に対応した形状を有する基部220と、この基部220の上端部に設けられた軸部221とを有している。基部220は、図1に示す上下方向に貫通する開口部222を規定する側壁部223を有し、この側壁部223の内壁には、収容部210内に位置する端子211に摺接可能な可動接点26が取り付けられている。さらに、基部220における軸部221の下面には、後述するコイルばね27の一端を支持する支持片224が設けられている。さらに、基部220の側面には、後述するカバー部材23の突出片232が挿入される凹部225が設けられている。
【0021】
可動接点26は、バネ性を有する金属板材をU字状に折り曲げられて形成されている。可動接点26は、開放部260を設けて互いに対向して配置された帯状の第1、第2の基部261、262と、互いに間隔を置いて配置され、第1、第2の基部261、262を連結するU字状の第1、第2の連結部263、264と、この第1、第2の連結部263、264間に設けられた孔265と、この孔265内に位置した状態で、互いに対向するように第1、第2の基部261、262から突出して設けられたクリップ状の3個の第1、第2の接触部266、267とを有している。
【0022】
コイルばね27は、操作体22の支持片224に一端を支持された状態で、その他端を下側ケース21の収容部210内に配置されている。このコイルばね27は、操作体22を図1に示す上方側に付勢し、例えば、検出対象による押圧動作から解放された場合に操作体22を初期位置に復帰させる役割を果たすものとなっている。
【0023】
カバー部材23は、例えば、絶縁性の樹脂材料で成形され、概して平板形状を有している。カバー部材23は、操作体22の基部220に対応する平板状部230を有し、この平板状部230の一端に軸部221が挿通される円形状の開口部231が設けられている。また、平板状部230の下面の所定位置には、操作体22の基部220の側壁部223に形成された凹部225に挿入される突出片232が突出して設けられている。
【0024】
防水部材24は、例えば、ラバー等の弾性部材で構成され、概して長方形状を有する平板状部240と、この平板状部240から上方に突出したドーム部241と、ドーム部241の頂部に設けられた孔242とを有している。防水部材24は、平板状部240が下側ケース21の側壁部の上端面に配置され、収容部240内への水の浸入を防止する役割を果たすものとなっている。
【0025】
上側ケース25は、例えば、絶縁性の樹脂材料で成形され、概して、図1に示す下方側に開口した箱型に設けられている。上側ケース25の上面部には、防水部材24のドーム部241を露出可能な円形状の開口部250が設けられている。また、上側ケース25の側面部には、下側ケース21の係合片212と係合する複数の開口部251が設けられている。さらに、上側ケース25の側面部には、下側ケース21の突出片213を収容する凹部252が設けられている。この凹部252に下側ケース21の突出片213を収容すると共に、開口部251に下側ケース21の係合片212を係合させることで、上側ケース25と下側ケース21とを一体化することができるものとなっている。
【0026】
基板3の上面には、スイッチ本体2の下面部から突出する端子211に接続され、当該端子211と共にスイッチ装置1(より具体的には、スイッチ本体2)の状態(正常状態、異常状態(断線、ショート))を検出する検出回路を構成する配線パターン31が設けられている。基板3における端子211に対応する位置には複数の貫通孔32が設けられている。この貫通孔32は、配線パターン31内に配置されており、貫通孔32に挿通された状態で端子211が配線パターン31に接続されている。また、この配線パターン31には、検出素子を構成する複数のチップ抵抗33が半田付けされている。これらのチップ抵抗33は、スイッチ装置1の状態(正常状態、異常状態)に対応する抵抗値を示すためのものである。なお、配線パターン31及びチップ抵抗33は、後述するように、スイッチ本体2における端子211のバリエーションに応じてその配置が変更される。
【0027】
このように本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、操作体22に対する操作時、非操作時における信号出力を抵抗値で得ることができるので、スイッチ本体2や配線の不具合を簡単に検出できるものとなっている。また、基板3には、3本の端子211が挿通される貫通孔32が形成されると共に配線パターン31が設けられ、端子211及びチップ抵抗33が半田付けにて固定されている。これにより、3本の端子211が貫通孔32に挿通された状態で半田付けされることから、端子211の接続が容易であり、車載用途等に用いられて振動が加えられたとしても、信頼性の高い接続性を確保できるものとなっている。
【0028】
ハウジング4は、例えば、絶縁性の樹脂材料で成形され、概して、底面部を有しない箱型に設けられている。ハウジング4の中央には、組み立てられたスイッチ本体2を収容可能な収容部41が設けられている。ハウジング4における対向する一対の側面部(短辺側の側面部)42は、他の一対の側面部(長辺側の側面部)43よりも上方側に突出して設けられている。側面部42の内壁面における所定位置には、収容部41に収容されたスイッチ本体2の一部と係合する係合片44が突出して設けられている(図3参照)。スイッチ本体2は、このように構成される収容部41内に収容され、ハウジング4にスナップイン結合されるものとなっている。
【0029】
図2は、本実施の形態に係るスイッチ装置1を組み立てた場合の斜視図である。また、図3は、本実施の形態に係るスイッチ装置1の側断面図である。本実施の形態に係るスイッチ装置1を組み立てると、図2及び図3に示すように、上側ケース25の開口部250から、防水部材24のドーム部241が露出した状態のスイッチ本体2がハウジング4の収容部41に保持されている。開口部250から露出したドーム部241の孔242には操作体22の軸部221が挿通され、その先端部が孔242から突出した状態となっている。このように突出する操作体22の軸部221の先端部が検出対象により押圧操作されることで、操作体22が図2に示す上下方向にスライド移動できるものとなっている。
【0030】
スイッチ装置1の内部においては、図3に示すように、下側ケース21の収容部210内に収容された操作体22がコイルばね27により上方側に付勢されている。そして、この操作体22の基部220の上方にカバー部材23の平板状部230が配置され、この平板状部230の上方に防水部材24の平板状部240が重ねて配置されている。そして、この防水部材24の上方側から上側ケース25が被せられて、下側ケース21に固定されている。この場合、防水部材24の平板状部240の端部は、下側ケース21の側壁部の上面に対して上側ケース25の下面により押し付けられ、下側ケース21の収容部210が閉塞されることとなり、収容部210内への水等の浸入が防止できるものとなっている。
【0031】
図3に示すように、本実施の形態に係るスイッチ装置1において、下側ケース21には3本の端子211a〜211cが埋設されている。端子211a〜211cにおける収容部210内に突出する長さは、端子211a、211bが長く、端子211cが端子211a、211bよりも短くなっている。具体的には、操作体22が初期状態の場合における可動接点26の第1、第2の接触部266、267と接触する位置に端子211a、211bが配置される一方、操作体22が最下方側まで押し込まれた状態においても、第1、第2の接触部266、267が接触しない位置に端子211cが配置されている。なお、これらの端子211a〜211cのおける収容部210内に配置される部分は固定接点(コモン接点、切換接点)として利用されるものとなっている。また、本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、端子211a、211bがそれぞれ第1、第2の端子を構成しており、端子211cが出力用端子を構成している。
【0032】
一方、端子211a〜211cにおける下側ケース21の下面部から突出する長さは、端子211a、211cが長く、端子211bが端子211a、211cよりも短くなっている。具体的には、端子211a、211cが、基板3の貫通孔32に挿通されてスイッチ本体2が取り付けられたハウジング4の下端部よりも下方側に延出する一方、端子211bが、基板3の貫通孔32から僅かに下方側に突出する位置まで延出している。本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、3本の端子211a〜211cのうち、2本の端子211a、211cをハウジング4から突出させ、端子211bを突出させないようにしている。
【0033】
本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、上述のように、スイッチ本体2に埋設された端子211と、この端子211に接続される基板3上の配線パターン31と、この配線パターン31に接続されたチップ抵抗33とにより、スイッチ装置1(スイッチ本体2)の状態(正常状態、異常状態(断線、ショート))を検出する検出回路を構成している。特に、本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、スイッチ本体2における端子211の加工処理状態と、基板3上の配線パターン31の配線状態とにより、スイッチ装置1における検出回路のバリエーションに対応することができるものとなっている。
【0034】
ここで、本実施の形態に係るスイッチ装置1に適用される加工処理前のスイッチ本体2の構成について説明する。図4は、本実施の形態に係るスイッチ装置1に適用される加工処理前のスイッチ本体2の側断面図である。図5は、図4に示すスイッチ本体2が有する端子211及び可動接点26の側面図である。なお、図4に示すスイッチ本体2は、図1〜図3に示すスイッチ本体2の端子211に対して加工(切断加工)処理を施す前のものであり、端子211の形状を除き、その他の構成については共通する。
【0035】
図4及び図5に示すスイッチ本体2が有する端子211a〜211cにおいて、収容部210内に突出する長さは、端子211a、211bが長く、端子211cが端子211a、211bよりも僅かに短くなっている。具体的には、操作体22が初期状態の場合における可動接点26の第1、第2の接触部266、267と接触する位置に端子211a、211bが配置される一方、操作体22が僅かに押し込まれた状態で第1、第2の接触部266、267と接触する位置に端子211cが配置されている。すなわち、図1〜図3に示す端子211cにおいては、収容部210内に突出する端子211cの長さを短縮する加工処理が施されている。また、下側ケース21の下面部から突出する長さは、端子211a〜211cが全て同一の長さに設けられ、基板3の貫通孔32に挿通されてスイッチ本体2が取り付けられたハウジング4の下端部よりも下方側に延出する長さとなっている。すなわち、図1〜図3に示す端子211bにおいては、下側ケース21の下面部から突出する長さを短縮する加工処理が施されている。
【0036】
下側ケース21に埋設される端子211a〜211cは、図5に示すように、それぞれ下側ケース21の下面部内で折り曲げられており、下側ケース21の収容部210内に配置される部分、並びに、下側ケース21の下面部から突出する部分において、それぞれ平行に配置されている。収容部210内に配置される端子211bには、平面部211dと、この平面部211dの下方側に配置された矩形状の開口部211eとが形成されている。収容部210内に配置される端子211cの先端は、開口部211eの上端部より僅かに低い位置まで延出して設けられている。したがって、可動接点26が下方側にスライド移動する前においては、第1、第2の接触部266、267が端子211bの平面部211dを挟持して接触していることから、端子211aと端子211bとが、可動接点26を介して導通状態とされることとなる。また、可動接点26が下方側にスライド移動して第1、第2の接触部266、267が開口部211eに達すると、端子211aと端子211bとが非導通状態となると共に、対応する別の第1、第2の接触部266、267が端子211cに接触する。この結果、端子211aと端子211cとが、可動接点26を介して導通状態とされることとなる。すなわち、可動接点26の位置(操作体22の位置)に応じて導通状態とされる端子211が切り換えられるものとなっている。本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、このようなスイッチ本体2の端子211に加工処理を施して検出回路のバリエーションに対応するものである。
【0037】
次に、本実施の形態に係るスイッチ装置1が有する端子211とチップ抵抗33を含む配線パターン31とにより構成される、スイッチ本体2の状態を検出する検出回路の構成について説明する。図6は、本実施の形態に係るスイッチ装置1が有する検出回路を構成する端子211と配線パターン31との関係を説明するための図である。図6(a)は、本実施の形態に係るスイッチ本体2に埋設される端子211の構成を示す側面図であり、同図(b)は、同図(a)の矢印A側から見た基板3の配線パターン31の構成を示す図である。図7は、図6に示す端子211及び配線パターン31により構成される検出回路の構成例を示す図である。
【0038】
なお、図6(a)においては、説明の便宜上、初期位置に配置された場合の可動接点26について示している。また、以下においては、説明の便宜上、端子211a、211b、211cが挿通される貫通孔32を、それぞれ「貫通孔32a」、「貫通孔32b」、「貫通孔32c」と呼ぶものとする。さらに、以下においては、説明の便宜上、配線パターン31上に配置されるチップ抵抗33を「R1」、「R2」と呼ぶものとする。
【0039】
図6(a)に示すように、本実施の形態に係るスイッチ本体2においては、収容部210内に配置される端子211cを短縮するように加工処理が施されると共に、下側ケース21から下方側に突出する端子211bを短縮するように加工処理が施されている。このような端子211に接続される配線パターン31においては、図6(b)に示すように、互いに隣接する貫通孔32aと貫通孔32bとの間、並びに、貫通孔32bと貫通孔32cとの間を接続する配線が形成されており、それぞれの配線の経路中にチップ抵抗R1、R2が配置されている。すなわち、端子211bが挿通される貫通孔32bを共通にして他の端子211a、211bが挿通される貫通孔32a、32cとの間にチップ抵抗R1、R2をそれぞれ接続している。また、端子211a、211cは、図示せぬ2本の電線(ハーネス)により、それぞれECU(図示せず)等の外部装置に接続されている。
【0040】
このような端子211と配線パターン31とで構成される検出回路においては、例えば、図7に示すように、端子211aにおけるコモン接点(COM)と、端子211cにおけるノーマルオープン接点(NO:Normal Open)との間に、直列に接続されたチップ抵抗R1及びチップ抵抗R2が配置されると共に、チップ抵抗R1に対して並列に、可動接点26(操作体22)の移動により接点(接点a1、a2)が切り換えられるスイッチ部S1が接続されている。
【0041】
この検出回路においては、可動接点26が初期位置に配置される場合には、スイッチS1が接点a1に接続され(すなわち、図7に示す状態)、この検出回路の抵抗値としてチップ抵抗R2の抵抗値が検出されることとなる。一方、操作体22が押し込まれ、可動接点26が端子211aと端子211bとを非導通状態とさせる位置まで移動すると、スイッチS1が接点a2側に切り換えられ、この検出回路の抵抗値としてチップ抵抗R1の抵抗値とチップ抵抗R2の抵抗値とを加算した値が検出されることとなる。なお、この場合において、端子211cは、長さが短縮される前は、ノーマルオープン接点として機能する接点(すなわち、可動接点26の移動に伴ってこの可動接点26と接触する接点)を備えたものであったが、短縮後は、可動接点26が最下方の位置まで移動した場合においても、可動接点26との関係において導通状態に切り換えられることはない。すなわち、端子211cは、検出回路におけるECU等の外部装置(外部回路)への信号出力にのみに利用される出力用端子を構成している。
【0042】
さらに、この検出回路において、ECU等の外部装置に接続される電線が断線状態となっている場合には、スイッチ部S1の接続状態と関係なく電流が流れなくなることから、外部装置からこの検出回路側を見た抵抗値は無限大として検出されることとなる。さらに、外部装置と接続される2本の電線間がショート状態となっている場合には、スイッチ部S1の接続状態と関係なく電流がショートして流れることから、外部装置からこの検出回路側を見た抵抗値はゼロとして検出されることとなる。
【0043】
このように本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、検出回路における抵抗値を判定することにより、スイッチ本体2における接続状態を検出することができるだけでなく、スイッチ装置1に接続される電線の断線状態やショート状態をも検出することが可能となる。特に、一部に加工処理を施した端子211a〜211cを、チップ抵抗33を含む配線パターン31を設けた基板3に接続するだけで検出回路を構成していることから、インサート成形等の複雑な加工を必要とすることなく、スイッチ装置1に対する電線の断線状態やショート状態を検出することが可能となる。さらに、このように検出回路を構成する場合には、端子211a〜211cに対する加工状態及び配線パターン31の配線状態を変更するだけで、スイッチ装置1における複数の検出回路のバリエーションに対応することが可能となる。
【0044】
以下、本実施の形態に係るスイッチ装置1に適用され得る他の検出回路の構成について説明する。図8は、本実施の形態に係るスイッチ装置1に適用される他の検出回路を構成する端子211と配線パターン31との関係を説明するための図である。図8(a)は、スイッチ本体2に埋設される端子211の構成を示す側面図であり、同図(b)は、同図(a)の矢印A側から見た基板3の配線パターン31の構成を示す図である。図9は、図8に示す端子211及び配線パターン31により構成される検出回路の構成例を示す図である。
【0045】
図8(a)に示すように、このスイッチ本体2においては、収容部210内に配置される端子211bを短縮するように加工処理が施されると共に、下側ケース21から下方側に突出する端子211cを短縮するように加工処理が施されている。このような端子211に接続される配線パターン31においては、図8(b)に示すように、貫通孔32bを挟んで離れて配置された貫通孔32aと貫通孔32cとの間、並びに、互いに隣接する貫通孔32bと貫通孔32cとの間を接続する配線が形成されており、それぞれの配線の経路中にチップ抵抗R1、R2が配置されている。なお、端子211a、211bは、図示せぬ2本の電線によりそれぞれECU等の外部装置に接続されている。
【0046】
このような端子211と配線パターン31とで構成される検出回路においては、例えば、図9に示すように、コモン接点(COM)として利用される端子211aと、ノーマルクローズ接点(NC:Normal Close)として利用されるために設けられた端子211bとの間に、直列に接続されたチップ抵抗R1及びチップ抵抗R2が配置されると共に、チップ抵抗R1に対して並列に可動接点26の移動により接点(接点a1、a2)が切り換えられるスイッチ部S2が接続されている。なお、前述したように端子211bは、長さが短縮されており、実際にはノーマルクローズ接点を備えたものとはなっていないが、図9では便宜上、「NC」と記載している。
【0047】
この検出回路においては、可動接点26が初期位置に配置される場合には、スイッチS2が接点a1側に位置しており(すなわち、図9に示す状態)、この検出回路の抵抗値としてチップ抵抗R1の抵抗値とチップ抵抗R2の抵抗値とを加算した値が検出されることとなる。一方、操作体22が押し込まれ、可動接点26が端子211aと端子211cとを導通させる位置まで移動すると、スイッチS2が接点a2に接続され、この検出回路の抵抗値としてチップ抵抗R2の抵抗値が検出されることとなる。なお、この場合において、端子211bは、可動接点26が最下方の位置まで移動した場合においても、可動接点26との関係において導通状態に切り換えられることはない。すなわち、端子211bは、検出回路におけるECU等の外部装置への信号出力にのみに利用される出力用端子を構成している。
【0048】
そして、この検出回路においても、ECU等の外部装置と接続される電線が断線状態となっている場合には、スイッチ部S2の接続状態と関係なく電流が流れなくなることから、外部装置からこの検出回路側を見た抵抗値は無限大として検出されることとなる。さらに、外部装置と接続される2本の電線間がショート状態となっている場合には、スイッチ部S2の接続状態と関係なく電流がショートして流れることから、外部装置からこの検出回路側を見た抵抗値はゼロとして検出されることとなる。
【0049】
図10は、本実施の形態に係るスイッチ装置1に適用される他の検出回路を構成する端子211と配線パターン31との関係を説明するための図である。図10(a)は、スイッチ本体2に埋設される端子211の構成を示す側面図であり、同図(b)は、同図(a)の矢印A側から見た基板3の配線パターン31の構成を示す図である。図11は、図10に示す端子211及び配線パターン31により構成される検出回路の構成例を示す図である。
【0050】
図10(a)に示すように、このスイッチ本体2においては、収容部210内に配置される端子211cを短縮するように加工処理が施されると共に、下側ケース21から下方側に突出するコモン接点として利用される端子211aを短縮するように加工処理が施されている。このような端子211に接続される配線パターン31においては、図10(b)に示すように、貫通孔32bを挟んで離れて配置された貫通孔32aと貫通孔32cとの間、並びに、互いに隣接する貫通孔32bと貫通孔32cとの間を接続する配線が形成されており、それぞれの配線の経路中にチップ抵抗R1、R2が配置されている。なお、端子211b、211cは、図示せぬ2本の電線により、それぞれECU等の外部装置に接続されている。
【0051】
このような端子211と配線パターン31とで構成される検出回路においては、例えば、図11に示すように、ノーマルクローズ接点として利用される端子211bと、ノーマルオープン接点として利用されるために設けられた端子211cとの間にチップ抵抗R2が接続されると共に、このチップ抵抗R2の両端に、直列に接続されたチップ抵抗R1と可動接点26の移動により接点(接点a1、a2)が切り換えられるスイッチ部S3とが並列に接続されている。
【0052】
この検出回路においては、可動接点26が初期位置に配置される場合には、スイッチS3が接点a1に接続され(すなわち、図11に示す状態)、この検出回路の抵抗値としてチップ抵抗R1の抵抗値とチップ抵抗R2の抵抗値とを積算した値を、チップ抵抗R1の抵抗値とチップ抵抗R2の抵抗値とを加算した値で割った値(すなわち、(R1×R2)/(R1+R2))が検出されることとなる。一方、操作体22が押し込まれ、可動接点26が端子211aと端子211bとを非導通状態とさせる位置まで移動すると、スイッチS3が接点a2側に切り換えられ、この検出回路の抵抗値としてチップ抵抗R2の抵抗値が検出されることとなる。なお、この場合において、短縮加工前にノーマルオープン接点としての機能(可動接点26の移動に伴って、この可動接点26と導通状態となる機能)を備えていた端子211cは、可動接点26が最下方の位置まで移動した場合においても、可動接点26との関係において導通状態に切り換えられることはない。すなわち、端子211cは、検出回路におけるECU等の外部装置への信号出力にのみに利用される出力用端子を構成している。
【0053】
そして、この検出回路においても、ECU等の外部装置と接続される電線が断線状態となっている場合には、スイッチ部S3の接続状態と関係なく電流が流れなくなることから、外部装置からこの検出回路側を見た抵抗値は、無限大として検出されることとなる。さらに、外部装置と接続される2本の電線間がショート状態となっている場合には、スイッチ部S3の接続状態と関係なく電流がショートして流れることから、外部装置からこの検出回路側を見た抵抗値は、ゼロとして検出されることとなる。
【0054】
図12は、本実施の形態に係るスイッチ装置1に適用される他の検出回路を構成する端子211と配線パターン31との関係を説明するための図である。図12(a)は、スイッチ本体2に埋設される端子211の構成を示す側面図であり、同図(b)は、同図(a)の矢印A側から見た基板3の配線パターン31の構成を示す図である。図13は、図12に示す端子211及び配線パターン31により構成される検出回路の構成例を示す図である。
【0055】
図12(a)に示すように、このスイッチ本体2においては、収容部210内に配置される端子211cを短縮するように加工処理が施されると共に、下側ケース21から下方側に突出する端子211bを短縮するように加工処理が施されている。このような端子211に接続される配線パターン31においては、図12(b)に示すように、貫通孔32bを挟んで離れて配置された貫通孔32aと貫通孔32cとの間、並びに、互いに隣接する貫通孔32bと貫通孔32cとの間を接続する配線が形成されており、それぞれの配線の経路中にチップ抵抗R1、R2が配置されている。なお、端子211b、211cは、図示せぬ2本の電線により、それぞれECU等の外部装置に接続されている。
【0056】
このような端子211と配線パターン31とで構成される検出回路においては、例えば、図13に示すように、コモン接点として利用される端子211aと、ノーマルオープン接点として利用されるために設けられた端子211cとの間にチップ抵抗R1が接続されると共に、このチップ抵抗R1の両端に、直列に接続され、可動接点26の移動により接点(接点a1、a2)が切り換えられるスイッチ部S4とチップ抵抗R2とが並列に接続されている。
【0057】
この検出回路においては、可動接点26が初期位置に配置される場合には、スイッチS4が接点a1に接続され(すなわち、図13に示す状態)、この検出回路の抵抗値としてチップ抵抗R1の抵抗値とチップ抵抗R2の抵抗値とを積算した値を、チップ抵抗R1の抵抗値とチップ抵抗R2の抵抗値とを加算した値で割った値(すなわち、(R1×R2)/(R1+R2))が検出されることとなる。一方、操作体22が押し込まれ、可動接点26が端子211aと端子211bとを非導通状態とさせる位置まで移動すると、スイッチS4が接点a2側に切り換えられ、この検出回路の抵抗値としてチップ抵抗R1の抵抗値が検出されることとなる。なお、この場合において、短縮加工前にノーマルオープン接点の機能を備えていた端子211cは、可動接点26が最下方の位置まで移動した場合においても、可動接点26との関係において導通状態に切り換えられることはない。すなわち、端子211cは、検出回路におけるECU等の外部装置への信号出力にのみに利用される出力用端子を構成している。
【0058】
そして、この検出回路においても、ECU等の外部装置と接続される電線が断線状態となっている場合には、スイッチ部S4の接続状態と関係なく電流が流れなくなることから、外部装置からこの検出回路側を見た抵抗値は、無限大として検出されることとなる。さらに、外部装置と接続される2本の電線間がショート状態となっている場合には、スイッチ部S4の接続状態と関係なく電流がショートして流れることから、外部装置からこの検出回路側を見た抵抗値は、ゼロとして検出されることとなる。
【0059】
このように本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、端子211a〜211cに対する加工状態及び配線パターン31の配線状態を変更するだけで、図6〜図13に示したような4種類の検出回路を含む検出回路のバリエーションに対応することが可能となる。なお、これらの検出回路のバリエーションは一例を示したものであり、本発明が適用される検出回路の構成については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。
【0060】
特に、本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、スイッチ本体2に、操作体22に対する操作に伴って移動する可動接点26とは導通しない出力用端子(図6に示す端子211cや、図8に示す端子211b等)を設けている。このように出力用端子を設けることにより、スイッチ装置1の状態を検出する検出回路の構成を柔軟に設計することができ、多様な検出回路のバリエーションに対応することが可能となる。
【0061】
また、本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、コモン接点端子(図4に示す端子211a)と、非操作時に可動接点と導通する一方、操作時に非導通状態となる所謂ノーマルクローズタイプの固定接点端子(図4に示す端子211b)と、非操作時に可動接点と非導通状態となる一方、操作時に導通する所謂ノーマルオープンタイプの固定接点端子(図4に示す端子211c)とを有する既存のスイッチ本体2におけるノーマルクローズタイプの固定接点端子又はノーマルオープンタイプの固定接点端子のいずれかを切断加工することによりスイッチ本体2を形成することができるので、既存のスイッチ本体2の多くの部材を共用でき、容易にスイッチ装置1の状態を検出する検出回路のバリエーションに対応することが可能となる。
【0062】
さらに、本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、図6(b)に示すように、端子211bが挿通される貫通孔32bを共通にして他の端子211a、211bが挿通される貫通孔32a、32cとの間にチップ抵抗R1、R2をそれぞれ接続している。これにより、操作体22に対する非操作時、操作時における信号出力を抵抗値で得ることができるので、スイッチ本体2や配線の不具合を簡単に検出することが可能となる。
【0063】
さらに、本実施の形態に係るスイッチ装置1において、基板3には、3本の端子211a〜211cが挿通される貫通孔32を有すると共に配線パターン31が設けられ、これらの3本の端子211a〜211c及びチップ抵抗33が半田付けにて基板3に取り付けられている。これにより、3本の端子211a〜211cを貫通孔32に挿通させた状態で半田付けされることから、端子211a〜211cの接続が容易であり、車載用途等に用いられて振動が加えられたとしても、信頼性の高い接続性を確保することが可能となる。
【0064】
さらに、本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、基板3を保護するハウジング4をスイッチ本体2に取り付け、3本の端子211a〜211cのうち、2本の端子211a、211c(図6に示す検出回路の場合)をハウジング4から突出させている。これにより、外部との接続に使用しない端子211bに配線等が接続される事態を防止することが可能となる。また、基板3を保護するハウジング4がスイッチ本体2に取り付けられていることから、基板3やその実装物を破損する事態を防止でき、その取り扱いを簡素化することが可能となる。
【0065】
なお、上記実施の形態においては、端子211a〜211cに対する加工状態及び配線パターン31の配線状態を変更する場合について説明しているが、本発明は、配線パターン31の配線状態を変更(すなわち、基板3を変更)するだけでも成立する。これは、例えば、図6及び図7に示す検出回路と、図12及び図13に示す検出回路との関係が相当する。このように本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、スイッチ本体2の2本の端子211(図6に示す検出回路においては、端子211a、211b)と導通するチップ抵抗R1、R2が実装された基板3を変更することによりスイッチ装置1の状態を検出する検出回路の構成を変更することができるので、複雑な加工を必要としないで検出回路のバリエーションを持たせることが可能となる。
【0066】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 スイッチ装置
2 スイッチ本体
21 下側ケース
210 収容部
211(211a、211b、211c) 端子
211d 平面部
211e 開口部
212 係合片
213 突出片
22 操作体
220 基部
221 軸部
222 開口部
223 側壁部
224 支持片
225 凹部
23 カバー部材
230 平板状部
231 開口部
232 突出片
24 防水部材
240 平板状部
241 ドーム部
242 孔
25 上側ケース
250 開口部
251 開口部
26 可動接点
260 開放部
261 第1の基部
262 第2の基部
263 第1の連結部
264 第2の連結部
265 孔
266 第1の接触部
267 第2の接触部
27 コイルばね
3 基板
31 配線パターン
32(32a、32b、32c) 貫通孔
33(R1、R2) チップ抵抗(抵抗素子)
4 ハウジング(保護部材)
41 収容部
42、43 側面部
44 係合片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作体と、この操作体に対する操作により移動する可動接点と、この可動接点の移動に伴ってその間の導通状態が切り換えられる第1、第2の端子を有するスイッチ本体と、このスイッチ本体に取り付けられ、前記第1、第2の端子と導通する検出素子が実装された装置状態検出用の基板とを具備することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記スイッチ本体は、前記操作体に対する操作に伴って移動する前記可動接点とは常時接触しない出力用端子を有することを特徴とする請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記スイッチ本体は、前記可動接点と常時接触するコモン接点と、前記操作体の操作によって前記可動接点との接触状態が切り換わる切換接点とを備え、前記コモン接点と前記切換接点とがそれぞれ前記第1、第2の端子に設けられ、前記出力用端子の延長線上に前記可動接点の一部が位置していることを特徴とする請求項2記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記第1、第2の端子、前記出力用端子の3つの端子のうち、いずれか一つを共通にして他の端子との間に抵抗素子からなる前記検出素子をそれぞれ接続したことを特徴とする請求項3記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記基板には、前記3つの端子が挿通される孔を有すると共に配線パターンが設けられ、当該基板に前記3つの端子及び抵抗素子が半田付けにて取り付けられることを特徴とする請求項4記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記基板を保護する保護部材が前記スイッチ本体に取り付けられ、前記3つの端子のうち、2つの端子が前記保護部材から突出していることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−146257(P2011−146257A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6231(P2010−6231)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】