スタッカー
【課題】マイクロプレートとその中のサンプルの効率的で経済的なハンドリングを可能にする装置および方法を提供する。
【解決手段】複数のマイクロプレートを貯蔵するためのスタッカー(1)であって、該マイクロプレートは、各々、上面側と、該上面側とは反対側にある底面側とを有しており、当該スタッカーは、ハウジングを有し、かつ、そのハウジングから複数のマイクロプレートのうちの1つのマイクロプレートを取り出すための取り出しゲート(13)を有する。該複数のマイクロプレートのうちの1つのマイクロプレートの上面側が、該複数のマイクロプレートの隣りのマイクロプレートの底面側(212)に接するようにして、かつ、ハウジングが該複数のマイクロプレートに隣接するようにして、当該スタッカー(1)が、ハウジング内に複数のマイクロプレートを収容するように構成されている。
【解決手段】複数のマイクロプレートを貯蔵するためのスタッカー(1)であって、該マイクロプレートは、各々、上面側と、該上面側とは反対側にある底面側とを有しており、当該スタッカーは、ハウジングを有し、かつ、そのハウジングから複数のマイクロプレートのうちの1つのマイクロプレートを取り出すための取り出しゲート(13)を有する。該複数のマイクロプレートのうちの1つのマイクロプレートの上面側が、該複数のマイクロプレートの隣りのマイクロプレートの底面側(212)に接するようにして、かつ、ハウジングが該複数のマイクロプレートに隣接するようにして、当該スタッカー(1)が、ハウジング内に複数のマイクロプレートを収容するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、概しては、独立請求項1の序文に依る、複数のマイクロプレートを貯蔵するためのスタッカーに関するものであり、さらにとりわけては、複数のスタッカーを有する貯蔵ユニットに関するものであり、スタッカーまたは貯蔵ユニットのための冷凍ボックスに関するものであり、冷凍ボックスを持ったマイクロプレートハンドリングシステムに関するものであり、マイクロプレートハンドリングシステムのための低温室、マイクロプレートハンドリングシステムを用いたマイクロプレートハンドリング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
背景技術
化学、生化学、生体学、製薬の基礎および応用の研究においては、化学合成物、生体サンプル、臨床サンプル、および、試験される合成物、および、サンプルに関連したプロセスについての認識を得るために、自動化された高いスループットの分析(assay)が、頻繁に適用される。例えば、創薬プロセスでは、分子の生体活性を調査するために、多種多様な高いスループット実験を行うことができる。特に、生体標的とその標的に相互に作用する合成物との間の構造活性相関についてわずかな知識しかない場合、高スループットスクリーニング(HTS)が、通常適用される。
【0003】
通常、HTS実験では、多数の合成サンプルが分析されており、それらサンプルは、多くの場合少量で、例えば、数マイクロリットルの範囲で使用され、マイクロプレート内でハンドリングされる。96個、384個、または、1536個のウェルを有する約127.76mm長さ、85.48mm幅、およびさまざまな高さのマイクロプレートを定める、広範囲にわたる標準が、分子生命科学協会(Society for Biomolecular Sciences(SBS))によって開発され、アメリカ規格協会(ANSI)によって承認されてきた。[分子生命科学協会を参照。ANSI/SBS 1−2004:マイクロプレート−フットプリント寸法、ANSI/SBS 2−2004:マイクロプレート−高さ寸法、ANSI/SBS 3−2004:マイクロプレート−底部外側フランジ寸法、および、ANSI/SBS 4−2004:マイクロプレート−ウェル位置。http://www.sbsonline.org:分子生命科学協会、2004]。このようなマイクロプレートを用いて、サンプルの自動化されたハンドリングが可能であるように、各サンプル(試料)は、プレート内に保持されて、予め定められた位置に保たれる。サンプルを受け入れるためのウェルを有するマイクロプレートに代わるものとして、ウェルの代わりに取り外し可能なマイクロチューブを有している規格に準拠したマイクロプレートも使用される。そのようなマイクロチューブは、密封されることができて、それによって密封された状態でいくつかのマイクロプレート同士の間を容易に移されることができるので、有利であり得る。特に、サンプルがさらにマイクロチューブの中に凍結されて保たれている場合、それらは、該サンプルの凍結された状態を損なうことなく、1つのマイクロプレートから別のマイクロプレートへ効率的に移されることができる。
【0004】
HTS実験のために必要とされる場合に合成サンプルを準備するために、特定のライブラリが設定され、そこでは、多数のサンプル(即ち、数百万の合成サンプル)を、それに応じた多量のマイクロプレート内に貯蔵することができる。典型的には、合成物を有しているそれらマイクロプレートは、長期間の安定性を確保するために、例えば、−20℃に冷却され、湿度制御室内に貯蔵される。マイクロプレートは、引き出し付きのラックに位置決めされることができ、各ウェルまたはマイクロチューブだけでなく、各引き出し、各マイクロプレートは符号化(エンコード)されることができる。必要とされる合成物は、冷却され湿度が制御された室内に配置されているロボットによって、自動的に収集されることができる。例えば、マイクロチューブと併せてマイクロプレートを使うとき、ロボットは、予め定められた引き出しへ移動され、引き出しを開けて、選択された合成サンプルを有するマイクロチューブを保持している供給源(source)マイクロプレートにアクセスすることができる。次に、該ロボットは、マイクロチューブを該供給源マイクロプレートから取り除いて、それを受渡し(delivery)マイクロプレートに挿入する。このステップは、例えば、マイクロチューブを押し込んで供給源マイクロプレートを通過させ、受渡しマイクロプレートへと入れることによって、能率的に行われることができる。同様に、該ロボットは、次の選択された合成物を収集する。それは、対応する供給源マイクロプレートの同じHTS実験のためのものであり、それを同じ受渡しマイクロプレート内に置く。最後に、該ロボットは、特定のHTS実験のために選択された合成物を保持している一組の受渡しマイクロプレートを提供する。通常は、特定の特性を有する数多くの合成物がHTS実験において必要とされるので、すべての合成物が上述のようなラックを用いてサンプルライブラリ内に論理よく整理されている場合、該ロボットは、選択された合成物を効率的に収集することができる。
【0005】
そのようなサンプルライブラリ(引き出し付きのラックと収集ロボットとを持っており、これらは両方共に湿度制御された室内に共に配置されており、例えば、−20℃に冷却されている)は、例えば、EP 0 904 841 B1 に記載されており、供給源マイクロプレートに保持される単一マイクロチューブが、別個の移出ステーションにおいて受渡しマイクロプレート内へと押し込んで入れられ、供給源マイクロプレートは、移動ステーションに配置し直されなければならず、かつ、引き出しに戻されねばならないようになっている。
【0006】
上述の高スループットの分析は、臨床試験のためにも使用され、例えば、血と血清を含んでいるサンプルが、合成物の代わりに使用される。上述のサンプルは、マイクロプレート内で同様にハンドリングされることもでき、合理的に、該サンプルを有するライブラリが、同様に設定される。上述のサンプルの長期間の貯蔵のためには、サンプルを上述のような温度範囲まで冷却することは十分ではなく、例えば、約−80℃の温度に至るようなより低い温度範囲まで冷却することを必要とする。しかし、上述のようなサンプルを保持しているマイクロプレートを貯蔵するために、完全な湿度制御室を前記温度へ冷却することは、経済上可能ではない。さらに、前記温度においては、例えば、ロボットといった標準的なハンドリング装置は、普通適切には作動しない。従って、特にマイクロプレートの長期間の貯蔵のための特別なボックスが従来技術で知られている。そのようなボックスを用い、そして、それにより前記温度まで冷却するのに必要な空間を低減することによって、マイクロプレートの比較的経済的な貯蔵が可能である。
【0007】
例えば、そのようなボックスは、US-B-6,688,123 に示されおり、垂直ラックを有する円形コンベアとの相互交換(インターチェンジ)機構が、ボックスの内部に配置されている。相互交換機構が、相互交換トレイをマイクロプレートの下に押して、それによってマイクロプレートをラックから取り除くことができるように、マイクロプレートは、垂直ラックの上に配置される。相互交換トレイは、マイクロプレートの下に押されなければならないので、マイクロプレートは、互いから離れて間隔をあけなければならない。その上、相互交換機構は、同様にボックス内で配置されなければならない。このように、冷却されていなければならないボックスの内部空間は比較的大きい。さらに、該相互交換機構は、前述の温度範囲で作動するように配置されなければならず、それは、その立体的配置の可能性を少なくすることもある。またさらに、マイクロプレートをハンドリングしている間の着氷の防止は、難しい仕事であり、それは、ハンドリング効率を低下させることもあり、または、マイクロプレート内に貯蔵されているサンプルを損なうことさえある。
【0008】
従って、ここに、マイクロプレートとその中のサンプルの、コンパクトで効率的で経済的な貯蔵を可能にする装置に対するだけでなく、マイクロプレートとその中のサンプルの効率的で経済的なハンドリングを可能にする装置および方法に対する要求がある。
【発明の開示】
【0009】
発明の開示
本発明によると、この要求は、独立請求項1に記載の特徴によって定められるスタッカーによって、独立請求項6に記載の特徴によって定められる貯蔵ユニットによって、独立請求項11の特徴によって定められる冷凍ボックスによって、独立請求項13の特徴によって定められるマイクロプレートハンドリングシステムによって、独立請求項21の特徴によって定められる低温室によって、および、独立請求項22の特徴によって定められるマイクロプレートハンドリング方法によって解決される。好ましい実施形態は、従属する請求項の主題である。
【0010】
特に、本発明は、複数のマイクロプレートを貯蔵するためのスタッカーに関し、各々のマイクロプレートは、上面側とその上面側と反対側にある底面側とを有する。該スタッカーは、ハウジングを有し、かつ、そのハウジングから複数のマイクロプレートのうちの1つのマイクロプレートを取り出すための取り出しゲートとを有する。該複数のマイクロプレートのうちの1つのマイクロプレートの上面側が、該複数のマイクロプレートのうちの隣接したマイクロプレートの底面側に接するようにして、そして、ハウジングが、該複数のマイクロプレートに隣接するようにして、当該スタッカーは、ハウジング内に複数のマイクロプレートを収容するように構成されている。上述のようなスタッカーを用いて、複数のマイクロプレートは、簡潔な方法で配置されて貯蔵されることができ、複数のマイクロプレートのうちの単一のマイクロプレートは、さらに選択的に、効率的にアクセスされることができる。さらに、上述のスタッカーのハウジング内に配置されている複数のマイクロプレートへの、取り出しゲートを通した、制御されたアクセスのおかげで、マイクロプレートの着氷を最小にすることができる。スタッカー内に配置可能なマイクロプレートの量は、例えば、約5個から約100個のマイクロプレートのセット、特に、10個から50個のマイクロプレートのセットに限定するのが適当である。
【0011】
好ましくは、ハウジングは、実質的に垂直に配置された4つの壁を有し、該ハウジングが複数のマイクロプレートを収容する場合に、各々の壁が、複数のマイクロプレートの各々のマイクロプレートに接する。特に、長方形のベース領域の標準化マイクロプレート、従って、長方形の底面側と長方形の上面側とを有するものが使用されるとき、上述の垂直に配置された壁は、ハウジング内で複数のマイクロプレートのしっかりとした、密封されて、嵩ばらない配置を可能にする。加えて、マイクロプレートは、ハウジング内に積み込まれる間、そして、ハウジングから取り出される間、正確にガイドされることができる。さらに、上述のスタッカーのハウジング内に配置される複数のマイクロプレートのこの嵩ばらない密封された配置のために、マイクロプレートがスタッカーに積み込まれるか、または、スタッカーから取り除かれる間、そして、マイクロプレートがスタッカーに貯蔵される間、マイクロプレートの着氷を最小にすることができる。ハウジングの壁は、任意の好適な材料から、特に比較的安い生産コストで堅牢なハウジングの構築を可能にする好適なプラスチック材料から作製されることができる。特に、ハウジングは、ハウジングの効率的で順応な組み立てを、比較的低い生産コストで可能にする成形プロセスによって作製されることができる。好ましい実施形態では、ハウジングの壁は、透明な材料で作製され、それが、スタッカーの充填状態の目視管理を可能にし、かつ、壁を通してマイクロプレートに取り付けられているコードの自動化されたスキャンを可能にする。
【0012】
好ましくは、個々の壁は、起伏部分を有し、該起伏部分が、複数のマイクロプレートのうちの各々のマイクロプレートに接している。このように、当該スタッカーのハウジングの内部へのマイクロプレートの意図しないウェッジングを防止するために、複数のマイクロプレート(即ち、マイクロプレートの積み重ね)と壁との間の広い間隔に、明確に定められた小さな間隔を提供することが可能である。これによって、ハウジングは、スタッカー内に積み込まれる間、そして、スタッカーから取り除かれる間、正確にマイクロプレートをガイドすることを可能にするよう、かつ、ハウジング内に配置されているマイクロプレートの密封された貯蔵を可能にするように構成される。
【0013】
取り出しゲートが、好ましくは、ハウジングの開口した長手方向端部に配置され、かつ、好ましくは、ハウジングの内側に複数のマイクロプレートを保持するための保持手段を持ち、スタッカーが閉状態である場合に、該保持手段は、ハウジングの内部の方へ向かって、該開口した長手方向端部の縁の上方へ突き出す。このように、ハウジング内に配置されているマイクロプレートは、スタッカーが閉状態である場合、該保持手段によってハウジング内に保持される。ハウジング内に配置されているマイクロプレートをハウジングから取り出すために、当該スタッカーは、例えば、保持手段を移動することによって開状態へとすることができ、それは、保持手段が、ハウジングの開口した長手方向端部より上方にその内部に向かってもはや突き出ないようにしてである。特に、取り出しゲートは、スタッカーの底部において開口した長手方向端部に配置されることができ、スタッカーが開状態にあるときは、ハウジング内に配置されているマイクロプレートは、重力を用いて、ハウジングから取り出されることができる。さらに、ハウジングの内部を保護するためのカバーが、スタッカーの第2の開口した長手方向端部に配置されることができ、そこは、取り出しゲートが配置されていないところである。
【0014】
好ましい実施形態では、保持手段は、弾性を持つように構成され、当該スタッカーが閉状態にあるときには弛緩した状態にあり、かつ、当該スタッカーが開状態にあるときにはテンションがかかった状態(tensioned)にあるようになっている。このように、比較的単純な配置が可能であり、外力が取り出しゲートに作用しないとき、当該スタッカーが閉状態にあることを保証することができ、スタッカー内に配置されているマイクロプレートが、スタッカーから意図せずに取り出されることができないようになっている。保持手段は、例えば、金属から作製され、角度をつけた平らなバネ状シートを含むことができ、取り付け(mounting)部分と、それに対して角度を付けて配置される保持部とを有する。保持部がハウジングの内部に向かって突き出るように、取り付け部分の端部は、保持部から離れていくところにあり、開口した長手方向開口部の近くの、対応する壁の部分にマウントされることができる。取り出しゲートを開けるために、保持部がハウジングの内部の方へもはや突き出ないように、角度をつけた平らなバネ状シートが曲げられることができる。好ましくは、上述の角度をつけた平らなバネ状シートは、ハウジングの2つの向かい合う壁に配置される。さらに、保持部は、好ましくは、取り付け部分に対して鋭角に配置される。それによって、保持部は、ハウジングの内部に向かって突き出すだけでなく、ハウジングの内側にも突き出る。
【0015】
好ましくは、スタッカーは、該スタッカーを搬送するためのハンドルを有し、該スタッカーの比較的容易な手動でのハンドリングを可能にする。
【0016】
本発明の第2の態様は、上述のスタッカーを複数相互に固定して連結したものを有する貯蔵ユニットに関し、各々のスタッカーは、その隣のスタッカーに接している。そのような貯蔵ユニットは、かさばらない貯蔵と、複数のスタッカーの効率的なハンドリングとを可能にする。特に、それは、貯蔵ユニットの複数のスタッカーのうちのいくつかのスタッカー中に貯蔵されているいくつかのマイクロプレートの効率的な平行ハンドリングをも可能にする。例えば、マイクロプレートの完全な1セットが、各スタッカーの取り出しゲートの最も近くに位置しているすべてのマイクロプレートに同時にアクセスすることによって、1回の単一ステップで、貯蔵ユニットから取り出すことができる。貯蔵ユニットに含まれるスタッカーの量は、約3個から約10個のスタッカーの1セット、特に、6個から8個のスタッカーの1セットに限定するのが適当である。
【0017】
好ましい実施形態では、スタッカーは一列に配置される。上述の貯蔵ユニットは、自動化されたハンドリングのために、そして、貯蔵するために有利であり得る。特に、貯蔵ユニットの単一のスタッカーが上述のように長方形のベース領域を有するとき、スタッカーは、好ましくは、それらの広い方の側面で相互に接続される。
【0018】
好ましくは、当該貯蔵ユニットは、各々のスタッカーの底の端部に接続された底部プレートをさらに有する。そのような底部プレートは、さらに、他より優れた、貯蔵ユニットのハンドリング能力、例えば貯蔵ユニットの安定性を向上させる。
【0019】
底部プレートは、好ましくは、マイクロプレートを当該貯蔵ユニットから取り出すための取り出し開口部を有し、各々の取り出し開口部が、スタッカーのうちの1つの取り出しゲートに隣接して各々に配置されている。このように、貯蔵ユニット内に配置されている複数のマイクロプレートのうちの1つのマイクロプレートは、貯蔵ユニットから取り出されることができるか、または、貯蔵ユニットから底部プレートを取り除くことを必要とせずに、底部プレートの開口部を通して、貯蔵ユニット内に積み込むことができる。従って、開口部は、マイクロプレートの底部領域の形状と合致するように形作られることができる。
【0020】
好ましい実施形態では、貯蔵ユニットは、上昇させる手段(lifting means)をさらに有する。該上昇させる手段は、さらに、貯蔵ユニットのハンドリング能力を向上させ、特に、それらは、例えば、下記の冷凍ボックスのようなさらなる装置から貯蔵ユニットを便利に持ち上げることと、その装置内へ貯蔵ユニットを便利に降下させることを可能にする。そのような上昇させる手段は、矢の頭を各々に有しており、そして、貯蔵ユニットの平面方向の端部に各々に配置されている2つのバーを含むことができる。矢の頭を有する上述の上昇させる手段は、例えば、ガントリーロボットのような昇降装置内に据え付けられることが可能であり、そのために貯蔵ユニットは、上昇させる装置によって自動化された方法で便利にハンドリングされることができる。
【0021】
本発明の第3の態様は、上述のスタッカーを温度調節するための、または、上述の貯蔵ユニットを温度調節するための冷凍ボックスに関する。当該冷凍ボックスは、スタッカーまたは貯蔵ユニットを収容するために配置された温度調節可能な内部を持ち、かつ、当該冷凍ボックスの上面側または前面側に開口部を持っており、該開口部は、当該冷凍ボックスの内部へまたは当該冷凍ボックスの内部から外へ、スタッカーまたは貯蔵ユニットを受け入れ、かつ、取り出すためのものである。スタッカーまたは貯蔵ユニットの配置を可能にしているそのような冷凍ボックスを用いれば、マイクロプレートに配置される(それらマイクロプレートはさらにスタッカーまたは貯蔵ユニット内にそれぞれに配置される)サンプルは、冷凍ボックスの内部のみが低温に冷却されることになるので、経済的な方法で、低温で長期間、貯蔵されることができる。特に、−20℃未満の温度で、特に、約−80℃以下の温度で冷却することが必要な場合、当該冷凍ボックスは、サンプルをスタッカーおよび貯蔵ユニット内に長期間にわたって貯蔵するのに十分な冷却のために冷却すべき空間が比較的小さいものであることを可能にし、サンプルの効率的で経済的な冷却が可能となる。さらに、冷凍ボックスの外側の暖かい空気に対して、冷凍ボックスの内部では空気がより高い密度に冷却されているために、開口部が覆われていないときでも、冷凍ボックスの内部と冷凍ボックスの外側との間では、冷凍ボックスの上部側での開口部を通した、最小限の対流性の熱交換しかない。従って、冷凍ボックスの内部のスタッカーまたは貯蔵ユニット内にあるサンプルが暖まることを防ぐために、開口部を覆う必要はなく、そのために少なくとも、スタッカーまたは貯蔵ユニットの積む込みと取り出しは、それぞれ、簡単に行うことができる。冷凍ボックス内の空間は、冷凍ボックスの用途の必要性に応じて、いくつかの冷凍ボックスを順次に、例えば一列に配置することによって、寸法を定めることができる。
【0022】
好ましくは、当該冷凍ボックスは、直平行六面体体の形状を有し、かつ、複数の立坑を有し、各立坑は、その開口端部を当該冷凍ボックスの上面側に有し、かつ、各立坑は、スタッカーまたは貯蔵ユニットを収容するために配置されている。このような冷凍ボックスは、それぞれ、複数のスタッカーまたは貯蔵ユニットのさらに改善された温度調節を可能にする。それは、温度調節されるために必要な全体の空間を小さなレベルに保っており、それぞれ複数のスタッカーのまたは貯蔵ユニットの効率的で経済的な温度調節を可能にする。
【0023】
本発明の第4の態様は、マイクロプレートハンドリングシステムに関し、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、上述した冷凍ボックス、プレートトレイ、位置決め設備、および、ロボットアームを有する。プレートトレイと位置決め設備は、複数のマイクロチューブを持った少なくとも1つの供給源マイクロプレートと、受渡しマイクロプレートを、収容するために配置され、前記受渡しマイクロプレートの上面側が、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートの底面側と向き合うように配置可能である。位置決め設備は、移動手段を有しており、該移動手段は、プレートトレイと位置決め設備とが、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートと前記受渡しマイクロプレートとを収容するときに、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートと前記受渡しマイクロプレートとを、互いに対して平行に予め定められた位置へと移動させるためのものである。ロボットアームは、押し込み手段(pushing means)を有しており、該押し込み手段は、プレートトレイと位置決め設備とが、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートと前記受渡しマイクロプレートとを収容するときに、かつ、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートと前記受渡しマイクロプレートとが移動手段によって予め定められた位置へと移動するときに、複数のマイクロチューブのうちの予め定められたマイクロチューブを、前記少なくとも1つの供給源から受渡しマイクロプレート内へと押し込むためのものである。
【0024】
このようなマイクロプレートハンドリングシステムは、マイクロプレート(冷凍ボックス内に貯蔵されているスタッカー内、または、貯蔵ユニット内に、貯蔵されている)の効果的で速いハンドリングを可能にする。特に、複数の予め定められたサンプルが、冷凍ボックスに貯蔵されるスタッカーまたは貯蔵ユニット内の、予め定められたマイクロチューブ内に収容されていて、その複数の予め定められたサンプルを取り出す必要がある場合(例えば、特定の高スループットの分析(assay)を行うため)、当該マイクロプレートハンドリングシステムによって、その予め定められたサンプルを持ったマイクロチューブを担持している、少なくとも1つの受渡しプレートを提供できるようになる。典型的には、該受渡しマイクロプレートは、上述の一般的なマイクロプレート規準に従って配置され、対応する受け取り手段内へマイクロチューブを収容することができる。好ましくは、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートと、前記受渡しマイクロプレートとは、同じタイプであって、ある単一タイプのマイクロプレートが、全体のマイクロプレートハンドリングシステムに使用され得るようになっている。
【0025】
当該マイクロプレートハンドリングシステムの位置決め設備とプレートトレイは、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートと前記受渡しマイクロプレートとを、互いに関して極めて正確に配置することを可能にし、よって、ロボットアームは、予め定められたマイクロチューブを前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートから前記受渡しマイクロプレート内へと正確に押し込むことができる。比較的速く、正確で、費用効果のある好適なロボットアームが、例えば、選択的・受容的・関節結合/アセンブリー・ロボット・アーム(Selective Compliant Articulated/Assembly Robot Arm)(SCARA)として、従来技術で知られており、本発明に従って、そのようなSCARAは、さらに、押し込み手段(pushing means)を備えている。当業者によって理解されることができるように、本発明のロボットアームは、例えば、上述のEP0904841B1のシステム内のような、従来技術で周知の他のマイクロプレートハンドリングシステム内で使用されることもできる。さらに、該ロボットアームは、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートの正確な位置を感知するために、例えば、カメラといったセンサーを有することができる。好適な押し込み手段は、ピンを有することができ、該ピンは、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートの予め定められたマイクロチューブを、前記受渡しプレートに移すのに用いられる。一実施形態では、そのようなピンは、該ピンがロボットアームの残りに対して移動できるように、押し込み機構によって該ロボットアームの他の部分とは独立して1つのマイクロチューブの方向に移動できる。別の実施形態では、該ピンは、ロボットアームの残りに固定して接続され、ロボットアーム自体の動きによって、予め定められたマイクロチューブの方向に移動される。
【0026】
好ましい実施形態では、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートを予め定められた位置に固定して収容するために、プレートトレイが配置されており、かつ、前記受渡しマイクロプレートを移動可能に収容するために、位置決め設備(positioning disposition)が配置される。位置決め設備の移動手段が配置され、該移動手段は、位置決め設備が前記受渡しマイクロプレートを収容し、かつ、プレートトレイが前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートを収容するときに、受渡しマイクロプレートの上面側を、少なくとも1つの供給源マイクロプレートの底面側に平行になるようにして、該受渡しマイクロプレートを、予め定められたポジションに移動させるためのものである。このようなプレートトレイと位置決め設備の配置は、可動部品の数が削減されるので、また、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートが固定して収容されるときに十分な精度を提供することが比較的簡単であるので、比較的効率的である。さらに、前記受渡しマイクロプレートの上面側が、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートの底面側に向き合うときに、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートのマイクロチューブを、該供給源マイクロプレートから、前記受渡しマイクロプレートへと、比較的簡単に押し込むことができる。またさらに、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートに対する前記受渡しマイクロプレートの平行移動を用いて、位置決め設備は、受渡しマイクロプレートを2次元に移動することが十分可能である。そのことは、たとえ移動の高精度のスケールが必要であっても、位置決め設備の比較的単純な配置を可能にする。
【0027】
好ましくは、プレートトレイは、少なくとも1つの貫通孔を持っており、該貫通孔は、該プレートトレイが前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートを収容するときに、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートの底面側に隣接する。このようなプレートトレイは、該少なくとも1つの貫通孔を通して、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートから受渡しマイクロプレートへと、マイクロチューブを快適に押し入れることを可能にしながら、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートを、正確に予め定められた位置に保持することができる。例えば、貫通孔の縁は、踏み面(tread)と垂直面(riser)とを有する階段として配置されることができ、該垂直面は、プレートトレイの上面に実質的に直角に接し、該踏み面は、該垂直面に実質的に直角に接する。使用では、少なくとも1つの貫通孔内の踏み面が、マイクロプレートの底面側の縁部分と接触するように、そして、垂直面が、マイクロプレートを正確に予め定められた位置に固定するように、マイクロプレートを開口部内に置くことができる。
【0028】
好ましい実施形態では、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、冷凍ボックスの上面に配置されているプラットホーム(特に、ロボットプラットホーム)と、該プラットホーム上に配置されるガントリーロボットとを、さらに有しており、プラットホームは、貫通孔を有し、かつ、ガントリーロボットは、スタッカーまたは貯蔵ユニットを把持するための把持手段を有し、スタッカーまたは貯蔵ユニットが、ガントリーロボットによって、プラットホームの該貫通孔を通って冷凍ボックスの外へ上昇することが可能になっており、かつ、スタッカーまたは貯蔵ユニットが、ガントリーロボットによって、プラットホームの該貫通孔を通って冷凍ボックス内に降下することができるようになっている。プラットホームとガントリーロボットのこのような配置は、冷凍ボックスに対して完全なスタッカーまたは貯蔵ユニットの効率的なハンドリングを可能にする。複数の立坑付きの冷凍ボックスが上述のように使用される場合、プラットホームは、それに応じて、複数の立坑のうちのいくつかと対応するいくつかの開口部を有することができる。把持手段は、貯蔵ユニットの上昇させる手段と相互に作用するように配置することができ、例えば、上昇させる手段の矢の頭(arrow heads)内に引っ掛かり、該上昇させる手段の矢の頭を放すように配置されることができる。さらに、プラットホームが1つまたはいくつかの列のごとく配置された冷凍ボックスに沿って移動できるように、冷凍ボックスは、レールに連結されることができ、プラットホームは、対応する移動手段を有することができる。
【0029】
好ましくは、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、供給源マイクロプレートハンドリング設備をさらに有し、この供給源マイクロプレートハンドリング設備は、取り出し手段を持っており、該取り出し手段は、第1のスタッカーまたは第1の貯蔵ユニットが上昇させられて冷凍ボックスから出されるときに、第1のスタッカーから、または、第1の貯蔵ユニットから、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートを取り出すためのものであり、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、収容手段を持っており、該収容手段は、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートをプレートトレイへと移し、かつ、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートをプレートトレイ上に収容するためのものであり、これに加えて、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、載置手段を持っており、該載置手段は、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートを、プレートトレイから、第2のスタッカーまたは第2の貯蔵ユニットへと移し、かつ、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートを、第2のスタッカーまたは第2の貯蔵ユニット内に載置するためのものである。特に、供給源マイクロプレートハンドリング設備の取り出し手段は、開放手段を有することができ、これは、例えば、対応する保持手段を曲げることによって、第1のスタッカーまたは第1の貯蔵ユニットを開状態にするためのものであり、かつ、該取り出し手段は、プレートリフトを有することができ、これは、スタッカーから取り出される1つのマイクロプレート、または、貯蔵ユニットから取り出される一列のマイクロプレートを収容するためのものである。このような配置は、ロボットアームによりハンドリングされる前の、予め定められたマイクロプレートの、または、予め定められたマイクロプレート列の取り出しと配置、および、ロボットアームによりハンドリングされた後の、第2のスタッカーまたは第2の貯蔵ユニットへの予め定められたマイクロプレートのまたは予め定められたマイクロプレート列の取り出しを可能にする。典型的には、第1のスタッカーのまたは第1の貯蔵ユニットの全てのマイクロプレートは、ハンドリングされている間、第2スタッカーにまたは第2の貯蔵ユニットに移されて、第2のスタッカーまたは第2の貯蔵ユニットに直接移されることができ、これを、所定のマイクロチューブを担持していないマイクロプレートをロボットアームでハンドリングすることなしに行うことができる。
【0030】
好ましい態様では、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、受渡しマイクロプレートハンドリング設備をさらに有し、該受渡しマイクロプレートハンドリング設備は、上述の追加のスタッカーを持っており、かつ、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、載置手段を持っており、該載置手段は、受渡しマイクロプレートを前記追加のスタッカーへと移し、かつ、受渡しマイクロプレートを前記追加のスタッカー内に載置するためのものである。このように、マイクロチューブがその中に収集されたいくつかの受渡しプレートは、ハンドリングユニットとして、単一のスタッカー内に集められることができる。
【0031】
好ましくは、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、一時的貯蔵器をさらに有しており、ロボットアームが把持手段を持っており、該把持手段は受渡しマイクロプレートを把持するためのものであり、受渡しマイクロプレートが、ロボットアームによって一時的貯蔵器内へと移動可能になっている。このような一時的貯蔵は、マイクロチューブの独立したコレクションを含んだ多数の受渡しプレートを提供することを可能にする。該一時的貯蔵は、容易にアクセスできるラック(rack)として、ロボットアームの把持手段のように配置されることができる。
【0032】
好ましい実施形態では、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、プラットホームに固く接続されている温度調節キャップをさらに有し、該温度調節キャップは、温度調節手段と、プレートトレイと、位置決め設備と、ロボットアームと、ガントリーロボットとを囲っており、該温度調節キャップの内部が、温度調節手段によって、冷凍ボックスの温度調節とは独立的に温度調節が可能になっている。このような温度調節キャップを使用することで、サンプルの長期間の貯蔵のために最適化された温度(例えば、冷凍ボックス内の−80℃のような温度)とは異なる温度において、かつ、当該マイクロプレートハンドリングシステムの外側での温度(例えば、+4℃または室温であり得る)とは異なる温度において、マイクロプレートをハンドリングすることを可能にする。それによって、マイクロプレートハンドリングシステムの機械的構成要素、例えば、ロボットアームの操作のために適した、そして、マイクロプレートがハンドリングされる間マイクロプレート内のサンプルを損なわないことに適した温度を提供することが可能になる。対応する温度は、例えば−20℃であり得る。
【0033】
本発明の第5の態様は、低温室に関し、これは、上述のマイクロプレートハンドリングシステムのためのものであって、少なくとも第1の区画と、第2の区画と、第3の区画と、乾燥空気調節システムとを有している。第1の区画は、高くした温度(例えば、約+4℃)で運転され、該区画は、ドッキングポートを持っており、該ドッキングポートは、マイクロプレートハンドリングシステムの冷凍ボックスを低温室内に積む込むためのものであり、かつ、マイクロプレートハンドリングシステムの冷凍ボックスを低温室から積み出すためのものである。第2の区画は、上述のスタッカーまたは上述の貯蔵ユニットを貯蔵するために低温(例えば、−80℃)で運転され、第3の区画は、自動化されたマイクロプレートのハンドリングのために、中間の温度(例えば、−20℃)で運転される。第1の区画のドッキングポートは、低温室への冷凍ボックスの便利な積み込みと、低温室からの冷凍ボックスの便利な積み出しとを可能にする。中間の温度は、極低温環境による機械面の問題を回避するのに十分に高い温度であってよく、かつ、サンプルを凍結させて保ち、それによって自動化されたサンプルのハンドリングの間、サンプルの品質を保全するのに十分に低い温度であってよい。低温室の乾燥空気調節システムは、マイクロプレート貯蔵の間、そして、マイクロプレートハンドリングの間、霜の発生を防止する。
【0034】
本発明の第6の態様は、上述のマイクロプレートハンドリングシステムを用いる、マイクロプレートハンドリング方法に関し、
a)冷凍ボックスを予め定められた温度範囲に温度調節するステップを有し、
b)複数のスタッカーを持った複数の貯蔵ユニットを、冷凍ボックス内に貯蔵するステップを有し、各々のスタッカーは、複数のマイクロチューブを持った複数の供給源マイクロプレートを持っており、
c)貯蔵ユニットに対応する空の第2の貯蔵ユニットを提供するステップを有し、
d)受渡しマイクロプレートを、位置決め設備上に収容するステップを有し、
e)複数の貯蔵ユニットのうちの1つの貯蔵ユニットを、冷凍ボックスから移動させて出すステップを有し、
f)少なくとも1つの供給源マイクロプレートを、対応する少なくとも1つのスタッカーの取り出しゲートを通して、プレートトレイへと移すステップを有し、
g)受渡しマイクロプレートとロボットアームとを同時に位置決めするステップであって、少なくとも1つの供給源マイクロプレートの予め定められたマイクロチューブの底部側が、受渡しマイクロプレート(22)の予め定められた受け入れ手段のところで、該受渡しマイクロプレートの上面側に隣り合って配置されるように位置決めし、かつ、ロボットアームの押し込み手段が、予め定められたマイクロチューブの上面側に隣り合って配置されるように位置決めする、該ステップを有し、
h)予め定められたマイクロチューブを、少なくとも1つの供給源マイクロプレートから、受渡しマイクロプレートの予め定められた受け入れ手段内へ押し込んで入れるステップを有し、
i)少なくとも1つの供給源マイクロプレートのすべての予め定められたマイクロチューブが、受渡しマイクロプレート内に押し入れられるまで、ステップg)とh)とを繰り返すステップを有し、
j)少なくとも1つの供給源マイクロプレートを、第2の貯蔵ユニット内へと移すステップを有し、
k)貯蔵ユニットの全ての供給源マイクロプレートが、第2の貯蔵ユニットの内部に配置されるまで、ステップf)からj)までを繰り返すステップを有し、かつ、
l)第2の貯蔵ユニットを、冷凍ボックス内に移動するステップを有する。
【0035】
このような方法は、効率的にマイクロプレートをハンドリングし、特に、スタッカーまたは貯蔵ユニット内に貯蔵される予め定められたサンプルを効率的に収集することを可能にする。
【0036】
本発明によるスタッカー、本発明による貯蔵ユニット、本発明による冷凍ボックス、本発明によるマイクロプレートハンドリングシステム、本発明による低温室、および、本発明による方法を、実施形態の例示によって、そして、添付の図面を参照して、以下により詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明を実施するための形態
以下の説明では、特定の用語が、便宜上の理由で用いられており、そして、それらは、限定するものとして解釈されてはならない。「右」、「左」、「底」、「上」、および、「上方に」という用語は、図中での方向を指す。用語は、明示的に述べられる用語だけでなく、それらの派生語および類似する意味を伴う用語を含んでいる。
【0038】
図1には、本発明によるスタッカー1が示されており、該スタッカーは、ハウジングを持っており、該ハウジングは、2つの向かい合った平行な広い方の側壁(side walls)11(一方の広い方の側壁11のみが、図1に見えている)と、その広い方の側壁11に対して直角をなすように配置されている2つの向かい合った平行な狭い方の側壁12(1つの狭い方の側壁12のみが、図1内に見られる)とを持っている。個々の広い方の側壁11は、2つの平行な起伏(contoured)部分111を有し、個々の狭い方の側壁12は、1つの起伏部分121を有しており、これら全ての起伏部分111、112は、細長い片(strip)の形状を有し、ハウジングの内部へとわずかに突き出している。ハウジングは、2つの長手方向の開口端部を有し、上部の長手方向の開口端部は、カバー14によって閉じており、底部の長手方向の開口端部には、取り出しゲート(removal gate)13が配置されている。該取り出しゲート13は、2つの角度付きの平らなバネ状シート131(1つの角度付きの平らなバネ状シート131のみが、図1に見えている)を有し、該バネ状シートの各々は、広い方の側壁11の1つに配置されている。角度付きの平らなバネ状シート131は、4つの横梁(cross beam)132(2つの横梁132のみが、図1に見えている)によって相互に接続され、2つの横梁132は、平行になって狭い方の側壁12の各々に配置されている。該横梁132は、リベット、ネジ等によって、角度付きの平らなバネ状シート131に固定されている。個々の角度をなしたバネ状シート131は、広い方の側壁11のうちの一方に取り付けられた取り付け部1311と、保持部1312、角度付きの平らなバネ状シート131から突き出した曲げリミッター(bending limiter)1313と、担持アーク1314を有している。さらに、当該スタッカー1は、狭い方の側壁12のうちの1つに取り付けられているバーコード15によって、識別のためのコードが与えられている。
【0039】
次のことが、この説明の残りに適用される。もし、図面を明確にするために、図が、明細書の直接に関連する部分において説明されていない参照記号を含む場合、それは、先述の部分が参照される。
【0040】
図2は、当該スタッカー1を示しており、該スタッカーには、複数の供給源マイクロプレート21が積み込まれており、各供給源マイクロプレートは、上面側211と底面側212とを持っている。該供給源マイクロプレート21は、ハウジングに内側に配置され、個々のマイクロプレートの上部側211は、その上方に隣接した供給源マイクロプレート21の底部側212に接するようになっている(複数の供給源マイクロプレート21のうち、最上の供給源マイクロプレート21を除く)。広い方の側壁11の起伏部分(contoured section)111と、狭い方の側壁12の起伏部分121は、複数の供給源マイクロプレート21に隣り合って接触し、ハウジング内にそれらを正確にガイドしている。広い方の側壁11の他の部分と、狭い方の側壁12の他の部分とは、供給源マイクロプレート21からわずかに離れて配置されており、ハウジングの内側での供給源マイクロプレート21のウェッジング(wedging)が防止され得るようになっている。
【0041】
供給源マイクロプレート21を有している当該スタッカー1は、複数の供給源マイクロプレート21に同時に、コンパクトで堅牢なハンドリングユニットを提供し、該供給源マイクロプレート21が貯蔵のためにわずかなスペースしかとらないようになっており、それにもかかわらず、該供給源マイクロプレート21は、取り扱い易くなっており、特に自動化されたシステムによって取り扱い易くなっている。さらに、供給源マイクロプレート21とハウジングのタイトな配置のために、供給源マイクロプレート21の着氷を防止することができ、そのために、該供給源マイクロプレートは、該供給源マイクロプレート21内に配置されている物質を損なう危険なしに、かなりの温度変化に晒すことができる。従って、当該スタッカー1は、効率的で便利なハンドリングユニットであって、とりわけ、例えば80℃のような、極低温で供給源マイクロプレート21を貯蔵するのに適している。当該スタッカー1が、供給源マイクロプレート21以外に任意の種類の他のマイクロプレート(特に、受渡し(delivery)マイクロプレートといったもの)を搭載できることは理解されることである。
【0042】
図3では、当該スタッカー1は、閉状態で示されている。角度付きの平らなバネ状シート131は、弛緩(relaxed)されたポジションにあり、保持部分1312は、ハウジングの底部の開口した長手方向の端部の縁112の上方に、ハウジングの内部へ向かって突き出しており、それによって、該ハウジングの底部の長手方向の開口端部の一部をカバーしている。当該スタッカー1内に配置されている複数の供給源マイクロプレート21のうちの底の供給源マイクロプレート21の外縁が、保持部分1312上に支えられており、それによって、それら供給源マイクロプレート21は、該保持部分1312によってハウジング内に保持されている。さらに、保持部分1312は、取り付け部分1311に対し鋭角をなして配置され、上方へさらに延びてハウジングの内部に入っている。
【0043】
図4は、開状態にある当該スタッカー1を示しており、保持部分1312がハウジングの外側へ(それは、図4では、右手の側である)曲げられて、該ハウジングの底部の開口した長手方向端部が出入り自在であり、供給源マイクロプレート21を該ハウジングの底部の開口した長手方向端部を通してスタッカー1から取り除くことができるようになっている。角度付きの平らなバネ状シート131の、ハウジングの外側への曲げ動作は、曲げリミッター1313によって、特定の範囲においてブロックされる。
【0044】
追加の供給源マイクロプレート21を当該スタッカー1に積載(ローディング)するために、当該スタッカー1が閉状態にあるときに、追加の供給源マイクロプレート21は、保持部分1312に抗して下から上へ押し上げられることができる。それによって、角度付きの平らなバネ状シート131は、曲げリミッター1313によってブロックされるまで、外側へ曲げられる。当該スタッカー1は、それから開状態になり、追加の供給源マイクロプレート21をハウジング内に押して入れることができ、ハウジング内部に既にある他の供給源マイクロプレート21が上方に持ち上げられる。底の供給源マイクロプレート21をスタッカー1から取り除くためには、保持部分1312が、適切な取り出し手段によって、外側に能動的に曲げられなければならない。そのような取り出し手段は、例えば、プレートリフトを有するものであって、該プレートリフトは、保持部分1312に抗して下から上へ押し上げられ、それによって、保持部分1312をハウジングの外側へ曲げることがでるものである。そして、底の供給源マイクロプレート21は、取り出し手段の該プレートリフトの上に重力によって落下する。プレートリフトを降下させることによって、底の供給源マイクロプレート21は、スタッカー1から取り除かれ、同時に、保持部分1312は、当該スタッカー1が再び閉状態になるまで、角度付きの平らなバネ状シート131のバネの力によって後戻りする。
【0045】
図5に示されるように、当該スタッカー1は、ハンドル16を備えることができ、該ハンドルは、2本の平行な取り付けバー162を持ち、それら取り付けバーは、それらの上部の長手方向端部でグリップ161によって相互に接続されている。各取り付けバー162は、その底部の長手方向の端部にフック163を有し、それぞれ、取り出しゲート13の担持アーク1314のうちの1つに取り付け可能である。ハンドル16は、当該スタッカー1の手動のハンドリングのために該スタッカー1に接続することができ、そして、該スタッカー1から離脱させることができ、1つの単独のハンドル16が、幾つかのスタッカー1の手動のハンドリングのために用いることができるようになっている。
【0046】
図6には、7つのスタッカー1を有する貯蔵ユニット3の第1の実施形態が示されており、それらスタッカーは、一列に配置されており、1つのスタッカー1の2つの広い方の側壁11のうちの1つが、その隣りのスタッカー1の2つの広い方の側壁11のうちの1つに面するようになっている。当該貯蔵ユニット3は、2つの平行なより広いサイドプレート31をさらに有し、それらサイドプレートは、2つの垂直に配置されたより狭いサイドプレート32によって相互に接続されている。該サイドプレート31、32は、いっしょになって、7つのスタッカー1をその所定位置に互いに固定する。
【0047】
図7は、本発明によるマイクロプレートハンドリングシステムを示しており、該システムは、本発明による冷凍ボックス4を有しており、該冷凍ボックス内には、本発明による貯蔵ユニット30の第2の実施形態が、複数、配置可能である。該冷凍ボックス4は、直平行六面体(cuboid)の形状を有し、かつ、複数の平行な立坑(shaft)41を有し、それら立坑は開口端部411を有し、該開口端部が冷凍ボックス4の上面側に配置されている。個々の貯蔵ユニット30は、上述のように一列に配置された6つのスタッカー1を持ち、かつ、底部プレート310を持ち、該底部プレートは、6つのスタッカー1を定位置に固定するための貯蔵ユニット3(図6を参照)の第1の実施形態の、より広いサイドプレート31とより狭いサイドプレート32の代わりである。個々の立坑41は、好ましくは約−80°Cに冷却され、貯蔵ユニット30のうちの1つを収容するために配置される。貯蔵ユニット30は、開口端部411を通して対応する立坑41内へ下ろされることができ、そして、そこから持ち上げられることができる。貯蔵ユニット30の前記持ち上げと降下のために、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、ガントリー(gantry)ロボット(図7に示されず)を有する。
【0048】
冷凍ボックス4の傍らに、かつ、該ボックスに沿って、2本の平行なレール53が配置されて、そのレール上では、プラットホーム51、即ち、ロボットプラットホームが、移動可能に配置され、該プラットホーム51は、6つの足511を有し、そのうちの3つは、レール53のうちの1つの上にスライド可能に配置されている。該プラットホームは、冷凍ボックス4の開口部411に対応して配置される3つの開口部を有する。ガントリーロボットは、プラットホーム51の上部の上に配置されており、該ロボットが、立坑41の開口端部411を通して、そして、プラットホーム51の開口部を通して、プラットホーム51の上へ、立坑41のうちの1つから貯蔵ユニット30を持ち上げて出すことができるようになっている。図7では、2つの貯蔵ユニット30がプラットホーム51の上に示されており、1つの貯蔵ユニット30(右手側のもの)が対応する立坑41内に示されている。プラットホーム51は、冷凍ボックス4上のレール53に沿って移動させられることができ、個々の立坑41が、プラットホーム51の開口部のうちの少なくとも1つの下に配置され得るようになっている。
【0049】
プラットホーム51の開口部の周りには、供給源マイクロプレートハンドリング設備63が、そして、該供給源マイクロプレートハンドリング設備63の左端には、プレートトレイ(plate tray)61と、位置決め設備としての受渡しマイクロプレートハンドリング設備62とが、プラットホーム51上に配置され、該プレートトレイ61は、部分的に、受渡しマイクロプレートハンドリング設備62の上方に配置されている。該プレートトレイ61は、6つの貫通孔611を有しており、それら貫通孔は、貯蔵ユニット30の6つのスタッカー1に対応しかつ一線に並んでいる。図7には、代表例として、供給源マイクロプレート21が、プレートトレイ61の貫通孔611のうちの1つの中に配置されている。
【0050】
プラットホーム51の左のセクションには、2つの一時的貯蔵ラック8(図7では、1つの一時的貯蔵ラック8のみが見えている)と、SCARA 7が配置されている。SCARA 7は、プラットホーム51に固定して連結されている基台71と、該基台71に移動可能に連結されているアーム72とを有する。受渡しマイクロプレートハンドリング設備62の上方端部の領域には、ハンドリングされる受渡しマイクロプレートを受け入れるための、上述のような単一のスタッカー1’が配置される。図7には、代表例として、1つの受渡しマイクロプレート22が、受渡しマイクロプレートハンドリング設備62上に配置されており、同様に、1つの受渡しマイクロプレート22が、SCARA 7のアーム72のところに配置されている。さらに、プラットホーム51上に配置されているマイクロプレートハンドリングシステムの一部を覆って、温度調節(テンパーリング)キャップ52が該プラットホーム51上に配置されており、例えば、SCARA 7、一時的貯蔵ラック8、受渡しマイクロプレートハンドリング設備62、プレートトレイ61、供給源マイクロプレートハンドリング設備63、受渡しマイクロプレート22、ガントリーロボット、および少なくとも持ち上げられた貯蔵ユニット30を含んでいる。温度調節キャップ52は、その内部を見えるようにするために図式的に斜めに開けて示している。温度調節キャップ52のおかげで、温度調節キャップ52の内部で供給源マイクロプレート21を、ハンドリング温度でハンドリングすることが可能であり、その温度は、好ましくは約−20℃であり、約−20℃は、サンプルの長期間の貯蔵のために好ましい冷たさ(とりわけ−80℃)ではないが、しかし、約−20℃は、サンプルが、それらのハンドリングの間に損なわれない(例えば解凍することで)、十分な冷たさである。このハンドリング温度では、当該マイクロプレートハンドリングシステムの機械的可動部分、例えば、SCARA 7、受渡しマイクロプレートハンドリング設備62、供給源マイクロプレートハンドリング設備63、または、ガントリーロボットが適切に作動することが、効率的に、そして、経済的に可能である。
【0051】
図8には、そして、図9には、当該マイクロプレートハンドリングシステムの一部分が、特に、供給源マイクロプレート21の、そして、受渡しマイクロプレート22のハンドリング動作を説明するために示されている。受渡しマイクロプレートハンドリング設備62は、スライド運送台(sliding carriage)621を有しており、該スライド運送台は、2つの平行な沿線レール622上に移動可能にマウントされ、該レールがさらに2つの平行な交差レール623上に移動可能にマウントされている。沿線レール622と交差レール623は、垂直に配置されて、スライド運送台621は、プレートトレイ61の6つの貫通孔611の全ての下で移動可能である。スライド運送台621の上には、受渡しマイクロプレート22が配置されて、それは、プレートトレイ61の貫通孔611のうちのいずれか1つの中に配置されている供給源マイクロプレート21の下に配置されることができる。プレートトレイ61は、2つのレール612にその長手方向の端部で備え付けられる。
【0052】
SCARA 7は、そのアーム72の端部に把持手段73を持っており、受渡しマイクロプレート22をクランプし、それをスライド運送台621から一時的貯蔵ラック8のうちの1つへ移しそして戻すことができる。プレートトレイ61よりも低いレベルの上で配置される供給源マイクロプレートハンドリング設備63は、取り出し手段632を有し、該取り出し手段は、それらの長手方向の端部において2本のレール631に移動可能にマウントされている。該取り出し手段632は、個々の6つのプレートリフト6321を有し、それらの各々は、プレートトレイ61の貫通孔611の1つの下に、そして、持ち上げられた貯蔵ユニット30のスタッカー1の1つの下に配置可能である。貯蔵ユニット30は、矢の頭1610を有する把持手段160を有し、その矢の頭は、ガントリーロボットが、スタッカーをグリップし、冷凍ボックス4からそれを持ち上げるか、または冷凍ボックス4内にそれを降下させることを可能にする。
【0053】
使用では、1つの貯蔵ユニット30がガントリーロボットによって冷凍ボックス4から持ち上げられ、次に、2番目の貯蔵ユニット30が、前記貯蔵ユニット30に平行に隣に配置される。プレートトレイ61上で少なくとも1つのマイクロプレートを受け入れるために、該プレートトレイ61は、6つの貫通孔611がスタッカー1の6つの取り出しゲート13の下に正確にくるまで、レール612に沿って移動される。同時に、取り出し手段632は、6つのプレートリフト6321が6つの貫通孔611の下に正確にくるまで、レール631に沿って移動される。次に、プレートリフト6321のうちの少なくとも1つが、対応しているスタッカー1まで、対応している貫通孔611を通して持ち上げられ、供給源マイクロプレート21が、上述のようにスタッカー1から開放される。供給源マイクロプレート21が貫通孔611内に受け入れられるまで、少なくとも1つのプレートリフト6321が降下する。プレートトレイ61の貫通孔611内に供給源マイクロプレート21を収容するために、貫通孔611の縁は、踏み面(トレッド)6112と垂直面(ライザー)6111とを有する階段を有しており、垂直面6111がプレートトレイ61の上面側に実質的に直角に接し、踏み面6112が垂直面6111に実質的に直角に接しており、それによって、踏み面6112が供給源マイクロプレート21の底面の縁部分と接触し、かつ、垂直面6111が供給源マイクロプレート21を固定する、というようにして、供給源マイクロプレート21が開口部内に置かれる。次に、プレートトレイ61は、固定されたマイクロチューブ押し込みポジションへ戻される。
【0054】
図10で最もよくわかるように、SCARA 7は、ピン74を備えている。マイクロチューブ押し込みポジションにある間、プレートトレイ61の上に配置されている供給源マイクロプレート21から予め定められたマイクロチューブを押し入れるために、ピンは、予め定められたマイクロプレートに相次いで作用し、それによって、供給源マイクロプレート21から受渡しマイクロプレート22の受容手段(マイクロチューブの下に対応するように配置されている)の中へと、マイクロチューブを移動させる。作動のために、ピン74は、別々の配置手段によってSCARA 7のアーム72に対して処分可能であり得る、または、ピン74を含んでいるアーム72を全体として移動することによって処分可能であり得る。
【0055】
前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート21がプレートトレイ61上でハンドリングされた後、プレートトレイ61とプレートリフト6321は、第2の貯蔵ユニット30の下に配置され、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート21は、プレートリフト6321(プレートトレイ61の対応する開口部を通して再び移動される)によって、第2の貯蔵ユニット30のスタッカー1のうちの1つに移動することができる。次に、プレートトレイは、貯蔵ユニット30から次の少なくとも1つの供給源マイクロプレート21を積み込む準備ができている。貯蔵ユニット30の供給源マイクロプレート21の全てがハンドリングされた後、供給源マイクロプレート21は、ガントリーロボットによって冷凍ボックス4内に再び降下できる第2の貯蔵ユニット30内に配置される。
【0056】
受渡しマイクロプレート22が、例えばクライアントによって選択された、全ての所定のマイクロチューブを搬送する場合、該受渡しマイクロプレートは、受渡しスタッカー1’内に移され、該受渡しスタッカー1’は、複数の受渡しマイクロプレート22をその内部に配置された状態で持つようになり、それは、例えば、いくつかのクライアントのための受渡しマイクロプレート22であり得る。受渡しマイクロプレート22のこの移動のために、スライド運送台621は、上方へ持ち上げることが可能である。いくつかの受渡しマイクロプレート22を並列処理することが可能であるために、1つの単一の貯蔵ユニット30をハンドリングしている間、SCARA 7の把持手段73によって、受渡しマイクロプレートハンドリング設備62内に配置されている受渡しマイクロプレート22をグリップすることができ、SCARA 7は、一時的貯蔵ラック8内に受渡しマイクロプレート22を移動させることができる。
【0057】
図11と図12は、本発明による低温室9の実施形態を示している。当該低温室9は、第1の区画(コンパートメント)91、第2の区画、および、2つの第3区画92を有している。第2の区画は、第3の区画92内に配置されている冷凍ボックス4の複数の立坑41から成る。個々の冷凍ボックス4の上方では、SCARA 7を担持するプラットホーム51が、レール53’上で移動可能である。第1の区画91は、ドッキングポート911によって、個々の第3の区画92に連結されている。第1の区画91は、ドア93を通じて、人がアクセス可能である。さらに、第3の区画92は窓を有し、その窓を通じて、第3の区画92内を第1の区画91から見ることができる。
【0058】
使用では、人間が第1の区画91内で比較的都合よく働くことができるように、第1の区画91は、好ましくは、約+4℃の温度に冷却される。第3の区画92は、SCARA 7によるマイクロプレートの自動化された機械的なハンドリングが経済的に可能であるように、好ましくは約−20℃に冷却される。さらに、第2の区画、即ち、冷凍ボックス4の立坑41は、サンプルの長期間の貯蔵が可能であるように、好ましくは約−80℃に冷却される。冷凍ボックス4は、ドッキングポート911を通して便利にアクセスできる。低温室9の乾燥空気調節システムは、マイクロプレート貯蔵の間、そして、マイクロプレートのハンドリングの間、霜の発生を防止する。
【0059】
図13と図14は、低温室のさらなる実施形態9aと9bの配置を示している。低温室9aは、「ロボット化貯蔵庫(robotic store)」として具現化され、その中には、複数の直立型で立つ−80℃の冷凍ボックス4aが配置され、その中には、スタッカー1または貯蔵ユニット3が貯蔵されることができる。マイクロチューブを持ったマイクロプレートを、または、貯蔵ユニット3を、または、スタッカー1を、ハンドリングするためのロボット7aが、冷凍ボックス4aの2本の列の間に形成される通路に沿って移動可能なように配置される。該ロボット7aが配置される空間の温度は、約−20℃である。入力および出力バッファ911aがインターフェースとして提供され得、人間オペレータがロボット貯蔵庫から外へスタッカーまたは貯蔵ユニットを取り出すか、または、手動でまたはロボット7aを用いて、それらをロボット貯蔵庫内に入れることを可能にする。ロボット貯蔵庫から取り出されるスタッカーまたは貯蔵ユニットは、移動式移送冷凍ボックス921に入れられることができ、該ボックスは、低温移送を維持するように入力/出力バッファ911aで貯蔵されることができる。同じことが、スタッカーまたは貯蔵ユニットを移動式移送冷凍ボックスからロボット貯蔵庫に移すことに対して成り立つ。上述の「ロボット貯蔵庫」は、サンプルの多くが臨床試験期間の間に時折アクセスされなければならない臨床試験の間に使用されるサンプルの貯蔵に特に適している。
【0060】
低温室9bは、他方、「保管(アーカイブ)貯蔵庫」として具現化され、複数の直立型の−80°Cの冷凍ボックス4bを有する。しかし、通常、−80℃の冷凍ボックス4bで貯蔵されるサンプルは、アクセスされる必要がないか、または、極めて希な場合にアクセスされるだけであるので、低温室9bはロボットを含まない。しかしながら、臨床試験が終わった後でも、通常、保管貯蔵庫内に貯蔵されたサンプルにアクセスする必要はないが、後日、サンプルを分析する可能性があり、一定の期間にわたって(例えば最高15年にわたって)サンプルを貯蔵する義務または欲求があるかもしれない。「ロボット貯蔵庫」内に前記「保管」サンプルを貯蔵することは、より大きな「ロボット貯蔵庫」を必要とすることになり、これは、意図された目的に対してあまりに高い出費を意味することになるであろう。サンプルが−80℃の冷凍ボックス4bから必要とされる場合、オペレーターは、好適な手段を用いて個々の基準で、それぞれの冷凍ボックス4bからそれらを取り出さねばならないが、これが希な場合でのみ起こることを留意しておかれなければならない。モジュール「ロボットによる貯蔵庫」および「保管貯蔵庫」を使って、特定の必要性に従って、言い換えると、臨床試験用のサンプルのための貯蔵設備が必要とされるのか、または、通常アクセスされることを必要としないサンプルのための長期間貯蔵設備が必要とされるのかに応じて、貯蔵設備を拡大することは容易である。
【0061】
図15は、臨床試験の間と後のサンプルの流れの実施形態を示している。その理由のために、臨床サンプル(A−およびB−サンプル)1A、1B、2A、2B、・・・pB、・・・nBは、最初、所謂、主チューブフリーザー(そこに収集され、一時的に貯蔵される)内に貯蔵される。サンプルは、次にいくつかの試験に対して調製されて、数多くの試験のために、複数の一定分量に分けられる。例えば、臨床サンプル2Aは、調製されて、複数の一定分量2A.1、2A.2、2A.i、...2A.mに分けられる。もちろん、試験用に調製された一定分量は、副試験用のさらなる一定分量に分けられることができる。一定分量は、次に、図13と図14に示されるロボット貯蔵庫9aのような、ロボット貯蔵庫へ移される。臨床試験の間、ロボット貯蔵庫9aに貯蔵される一定分量は、上で詳細に記載されたように、比較的簡単にアクセスされることができる。臨床試験のために必要とされないそれらの一定分量は、図13と図14に示される保管貯蔵庫9bのような保管貯蔵庫へ移されることができる。所望により、または、必要により、保管貯蔵庫9bに貯蔵された一定分量は、ロボット貯蔵庫9aへ戻して移されることができる、または、それらがもはや必要でないとき、それらを破棄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、本発明によるスタッカーについての斜視図を示している。
【図2】図2は、図1からのスタッカーの正面図を示し、スタッカーの前面壁の2つの部分が、図式的に、スタッカーの内部を見えるようにするために開かれて示されている。
【図3】図3は、閉じた状態での図1からのスタッカーの右底部角部分の正面図を示し、前面壁の隅が、図式的に、スタッカーの内部を見えるようにするために開かれて示されている。
【図4】図4は、開いた状態での図1からのスタッカーの右底部角部分の正面図を示し、前面壁の隅が、図式的に、スタッカーの内部を見えるようにするために開かれて示されている。
【図5】図5は、取り外し可能なハンドルと併せた図1からのスタッカーについての斜視図を示している。
【図6】図6は、本発明による貯蔵ユニットの第1の実施形態の斜視図を示している。
【図7】図7は、本発明による貯蔵ユニットの第2の実施形態を含む、本発明によるマイクロプレートハンドリングシステムについての斜視図を示している。
【図8】図8は、図7からのマイクロプレートハンドリングシステムの選択された部分についての斜視図を示している。
【図9】図9は、図7からのマイクロプレートハンドリングシステムの選択された部分についての別の斜視図を示している。
【図10】図10は、特に押入機構に関連した、図7からのマイクロプレートハンドリングシステムの選択された部分の斜視図を示している。
【図11】図11は、本発明にしたがう低温室についての上面図を示している。ならびに
【図12】図12は、図11からの低温室の斜視図を示している。
【図13】図13は、対応する本発明、低温室のさらなる実施形態の配置の斜視図を示している。
【図14】図14は、図13の低温室の配置の上面図を示している。ならびに
【図15】図15は、臨床試験の間と後の、サンプルの流れの実施形態を示している。
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、概しては、独立請求項1の序文に依る、複数のマイクロプレートを貯蔵するためのスタッカーに関するものであり、さらにとりわけては、複数のスタッカーを有する貯蔵ユニットに関するものであり、スタッカーまたは貯蔵ユニットのための冷凍ボックスに関するものであり、冷凍ボックスを持ったマイクロプレートハンドリングシステムに関するものであり、マイクロプレートハンドリングシステムのための低温室、マイクロプレートハンドリングシステムを用いたマイクロプレートハンドリング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
背景技術
化学、生化学、生体学、製薬の基礎および応用の研究においては、化学合成物、生体サンプル、臨床サンプル、および、試験される合成物、および、サンプルに関連したプロセスについての認識を得るために、自動化された高いスループットの分析(assay)が、頻繁に適用される。例えば、創薬プロセスでは、分子の生体活性を調査するために、多種多様な高いスループット実験を行うことができる。特に、生体標的とその標的に相互に作用する合成物との間の構造活性相関についてわずかな知識しかない場合、高スループットスクリーニング(HTS)が、通常適用される。
【0003】
通常、HTS実験では、多数の合成サンプルが分析されており、それらサンプルは、多くの場合少量で、例えば、数マイクロリットルの範囲で使用され、マイクロプレート内でハンドリングされる。96個、384個、または、1536個のウェルを有する約127.76mm長さ、85.48mm幅、およびさまざまな高さのマイクロプレートを定める、広範囲にわたる標準が、分子生命科学協会(Society for Biomolecular Sciences(SBS))によって開発され、アメリカ規格協会(ANSI)によって承認されてきた。[分子生命科学協会を参照。ANSI/SBS 1−2004:マイクロプレート−フットプリント寸法、ANSI/SBS 2−2004:マイクロプレート−高さ寸法、ANSI/SBS 3−2004:マイクロプレート−底部外側フランジ寸法、および、ANSI/SBS 4−2004:マイクロプレート−ウェル位置。http://www.sbsonline.org:分子生命科学協会、2004]。このようなマイクロプレートを用いて、サンプルの自動化されたハンドリングが可能であるように、各サンプル(試料)は、プレート内に保持されて、予め定められた位置に保たれる。サンプルを受け入れるためのウェルを有するマイクロプレートに代わるものとして、ウェルの代わりに取り外し可能なマイクロチューブを有している規格に準拠したマイクロプレートも使用される。そのようなマイクロチューブは、密封されることができて、それによって密封された状態でいくつかのマイクロプレート同士の間を容易に移されることができるので、有利であり得る。特に、サンプルがさらにマイクロチューブの中に凍結されて保たれている場合、それらは、該サンプルの凍結された状態を損なうことなく、1つのマイクロプレートから別のマイクロプレートへ効率的に移されることができる。
【0004】
HTS実験のために必要とされる場合に合成サンプルを準備するために、特定のライブラリが設定され、そこでは、多数のサンプル(即ち、数百万の合成サンプル)を、それに応じた多量のマイクロプレート内に貯蔵することができる。典型的には、合成物を有しているそれらマイクロプレートは、長期間の安定性を確保するために、例えば、−20℃に冷却され、湿度制御室内に貯蔵される。マイクロプレートは、引き出し付きのラックに位置決めされることができ、各ウェルまたはマイクロチューブだけでなく、各引き出し、各マイクロプレートは符号化(エンコード)されることができる。必要とされる合成物は、冷却され湿度が制御された室内に配置されているロボットによって、自動的に収集されることができる。例えば、マイクロチューブと併せてマイクロプレートを使うとき、ロボットは、予め定められた引き出しへ移動され、引き出しを開けて、選択された合成サンプルを有するマイクロチューブを保持している供給源(source)マイクロプレートにアクセスすることができる。次に、該ロボットは、マイクロチューブを該供給源マイクロプレートから取り除いて、それを受渡し(delivery)マイクロプレートに挿入する。このステップは、例えば、マイクロチューブを押し込んで供給源マイクロプレートを通過させ、受渡しマイクロプレートへと入れることによって、能率的に行われることができる。同様に、該ロボットは、次の選択された合成物を収集する。それは、対応する供給源マイクロプレートの同じHTS実験のためのものであり、それを同じ受渡しマイクロプレート内に置く。最後に、該ロボットは、特定のHTS実験のために選択された合成物を保持している一組の受渡しマイクロプレートを提供する。通常は、特定の特性を有する数多くの合成物がHTS実験において必要とされるので、すべての合成物が上述のようなラックを用いてサンプルライブラリ内に論理よく整理されている場合、該ロボットは、選択された合成物を効率的に収集することができる。
【0005】
そのようなサンプルライブラリ(引き出し付きのラックと収集ロボットとを持っており、これらは両方共に湿度制御された室内に共に配置されており、例えば、−20℃に冷却されている)は、例えば、EP 0 904 841 B1 に記載されており、供給源マイクロプレートに保持される単一マイクロチューブが、別個の移出ステーションにおいて受渡しマイクロプレート内へと押し込んで入れられ、供給源マイクロプレートは、移動ステーションに配置し直されなければならず、かつ、引き出しに戻されねばならないようになっている。
【0006】
上述の高スループットの分析は、臨床試験のためにも使用され、例えば、血と血清を含んでいるサンプルが、合成物の代わりに使用される。上述のサンプルは、マイクロプレート内で同様にハンドリングされることもでき、合理的に、該サンプルを有するライブラリが、同様に設定される。上述のサンプルの長期間の貯蔵のためには、サンプルを上述のような温度範囲まで冷却することは十分ではなく、例えば、約−80℃の温度に至るようなより低い温度範囲まで冷却することを必要とする。しかし、上述のようなサンプルを保持しているマイクロプレートを貯蔵するために、完全な湿度制御室を前記温度へ冷却することは、経済上可能ではない。さらに、前記温度においては、例えば、ロボットといった標準的なハンドリング装置は、普通適切には作動しない。従って、特にマイクロプレートの長期間の貯蔵のための特別なボックスが従来技術で知られている。そのようなボックスを用い、そして、それにより前記温度まで冷却するのに必要な空間を低減することによって、マイクロプレートの比較的経済的な貯蔵が可能である。
【0007】
例えば、そのようなボックスは、US-B-6,688,123 に示されおり、垂直ラックを有する円形コンベアとの相互交換(インターチェンジ)機構が、ボックスの内部に配置されている。相互交換機構が、相互交換トレイをマイクロプレートの下に押して、それによってマイクロプレートをラックから取り除くことができるように、マイクロプレートは、垂直ラックの上に配置される。相互交換トレイは、マイクロプレートの下に押されなければならないので、マイクロプレートは、互いから離れて間隔をあけなければならない。その上、相互交換機構は、同様にボックス内で配置されなければならない。このように、冷却されていなければならないボックスの内部空間は比較的大きい。さらに、該相互交換機構は、前述の温度範囲で作動するように配置されなければならず、それは、その立体的配置の可能性を少なくすることもある。またさらに、マイクロプレートをハンドリングしている間の着氷の防止は、難しい仕事であり、それは、ハンドリング効率を低下させることもあり、または、マイクロプレート内に貯蔵されているサンプルを損なうことさえある。
【0008】
従って、ここに、マイクロプレートとその中のサンプルの、コンパクトで効率的で経済的な貯蔵を可能にする装置に対するだけでなく、マイクロプレートとその中のサンプルの効率的で経済的なハンドリングを可能にする装置および方法に対する要求がある。
【発明の開示】
【0009】
発明の開示
本発明によると、この要求は、独立請求項1に記載の特徴によって定められるスタッカーによって、独立請求項6に記載の特徴によって定められる貯蔵ユニットによって、独立請求項11の特徴によって定められる冷凍ボックスによって、独立請求項13の特徴によって定められるマイクロプレートハンドリングシステムによって、独立請求項21の特徴によって定められる低温室によって、および、独立請求項22の特徴によって定められるマイクロプレートハンドリング方法によって解決される。好ましい実施形態は、従属する請求項の主題である。
【0010】
特に、本発明は、複数のマイクロプレートを貯蔵するためのスタッカーに関し、各々のマイクロプレートは、上面側とその上面側と反対側にある底面側とを有する。該スタッカーは、ハウジングを有し、かつ、そのハウジングから複数のマイクロプレートのうちの1つのマイクロプレートを取り出すための取り出しゲートとを有する。該複数のマイクロプレートのうちの1つのマイクロプレートの上面側が、該複数のマイクロプレートのうちの隣接したマイクロプレートの底面側に接するようにして、そして、ハウジングが、該複数のマイクロプレートに隣接するようにして、当該スタッカーは、ハウジング内に複数のマイクロプレートを収容するように構成されている。上述のようなスタッカーを用いて、複数のマイクロプレートは、簡潔な方法で配置されて貯蔵されることができ、複数のマイクロプレートのうちの単一のマイクロプレートは、さらに選択的に、効率的にアクセスされることができる。さらに、上述のスタッカーのハウジング内に配置されている複数のマイクロプレートへの、取り出しゲートを通した、制御されたアクセスのおかげで、マイクロプレートの着氷を最小にすることができる。スタッカー内に配置可能なマイクロプレートの量は、例えば、約5個から約100個のマイクロプレートのセット、特に、10個から50個のマイクロプレートのセットに限定するのが適当である。
【0011】
好ましくは、ハウジングは、実質的に垂直に配置された4つの壁を有し、該ハウジングが複数のマイクロプレートを収容する場合に、各々の壁が、複数のマイクロプレートの各々のマイクロプレートに接する。特に、長方形のベース領域の標準化マイクロプレート、従って、長方形の底面側と長方形の上面側とを有するものが使用されるとき、上述の垂直に配置された壁は、ハウジング内で複数のマイクロプレートのしっかりとした、密封されて、嵩ばらない配置を可能にする。加えて、マイクロプレートは、ハウジング内に積み込まれる間、そして、ハウジングから取り出される間、正確にガイドされることができる。さらに、上述のスタッカーのハウジング内に配置される複数のマイクロプレートのこの嵩ばらない密封された配置のために、マイクロプレートがスタッカーに積み込まれるか、または、スタッカーから取り除かれる間、そして、マイクロプレートがスタッカーに貯蔵される間、マイクロプレートの着氷を最小にすることができる。ハウジングの壁は、任意の好適な材料から、特に比較的安い生産コストで堅牢なハウジングの構築を可能にする好適なプラスチック材料から作製されることができる。特に、ハウジングは、ハウジングの効率的で順応な組み立てを、比較的低い生産コストで可能にする成形プロセスによって作製されることができる。好ましい実施形態では、ハウジングの壁は、透明な材料で作製され、それが、スタッカーの充填状態の目視管理を可能にし、かつ、壁を通してマイクロプレートに取り付けられているコードの自動化されたスキャンを可能にする。
【0012】
好ましくは、個々の壁は、起伏部分を有し、該起伏部分が、複数のマイクロプレートのうちの各々のマイクロプレートに接している。このように、当該スタッカーのハウジングの内部へのマイクロプレートの意図しないウェッジングを防止するために、複数のマイクロプレート(即ち、マイクロプレートの積み重ね)と壁との間の広い間隔に、明確に定められた小さな間隔を提供することが可能である。これによって、ハウジングは、スタッカー内に積み込まれる間、そして、スタッカーから取り除かれる間、正確にマイクロプレートをガイドすることを可能にするよう、かつ、ハウジング内に配置されているマイクロプレートの密封された貯蔵を可能にするように構成される。
【0013】
取り出しゲートが、好ましくは、ハウジングの開口した長手方向端部に配置され、かつ、好ましくは、ハウジングの内側に複数のマイクロプレートを保持するための保持手段を持ち、スタッカーが閉状態である場合に、該保持手段は、ハウジングの内部の方へ向かって、該開口した長手方向端部の縁の上方へ突き出す。このように、ハウジング内に配置されているマイクロプレートは、スタッカーが閉状態である場合、該保持手段によってハウジング内に保持される。ハウジング内に配置されているマイクロプレートをハウジングから取り出すために、当該スタッカーは、例えば、保持手段を移動することによって開状態へとすることができ、それは、保持手段が、ハウジングの開口した長手方向端部より上方にその内部に向かってもはや突き出ないようにしてである。特に、取り出しゲートは、スタッカーの底部において開口した長手方向端部に配置されることができ、スタッカーが開状態にあるときは、ハウジング内に配置されているマイクロプレートは、重力を用いて、ハウジングから取り出されることができる。さらに、ハウジングの内部を保護するためのカバーが、スタッカーの第2の開口した長手方向端部に配置されることができ、そこは、取り出しゲートが配置されていないところである。
【0014】
好ましい実施形態では、保持手段は、弾性を持つように構成され、当該スタッカーが閉状態にあるときには弛緩した状態にあり、かつ、当該スタッカーが開状態にあるときにはテンションがかかった状態(tensioned)にあるようになっている。このように、比較的単純な配置が可能であり、外力が取り出しゲートに作用しないとき、当該スタッカーが閉状態にあることを保証することができ、スタッカー内に配置されているマイクロプレートが、スタッカーから意図せずに取り出されることができないようになっている。保持手段は、例えば、金属から作製され、角度をつけた平らなバネ状シートを含むことができ、取り付け(mounting)部分と、それに対して角度を付けて配置される保持部とを有する。保持部がハウジングの内部に向かって突き出るように、取り付け部分の端部は、保持部から離れていくところにあり、開口した長手方向開口部の近くの、対応する壁の部分にマウントされることができる。取り出しゲートを開けるために、保持部がハウジングの内部の方へもはや突き出ないように、角度をつけた平らなバネ状シートが曲げられることができる。好ましくは、上述の角度をつけた平らなバネ状シートは、ハウジングの2つの向かい合う壁に配置される。さらに、保持部は、好ましくは、取り付け部分に対して鋭角に配置される。それによって、保持部は、ハウジングの内部に向かって突き出すだけでなく、ハウジングの内側にも突き出る。
【0015】
好ましくは、スタッカーは、該スタッカーを搬送するためのハンドルを有し、該スタッカーの比較的容易な手動でのハンドリングを可能にする。
【0016】
本発明の第2の態様は、上述のスタッカーを複数相互に固定して連結したものを有する貯蔵ユニットに関し、各々のスタッカーは、その隣のスタッカーに接している。そのような貯蔵ユニットは、かさばらない貯蔵と、複数のスタッカーの効率的なハンドリングとを可能にする。特に、それは、貯蔵ユニットの複数のスタッカーのうちのいくつかのスタッカー中に貯蔵されているいくつかのマイクロプレートの効率的な平行ハンドリングをも可能にする。例えば、マイクロプレートの完全な1セットが、各スタッカーの取り出しゲートの最も近くに位置しているすべてのマイクロプレートに同時にアクセスすることによって、1回の単一ステップで、貯蔵ユニットから取り出すことができる。貯蔵ユニットに含まれるスタッカーの量は、約3個から約10個のスタッカーの1セット、特に、6個から8個のスタッカーの1セットに限定するのが適当である。
【0017】
好ましい実施形態では、スタッカーは一列に配置される。上述の貯蔵ユニットは、自動化されたハンドリングのために、そして、貯蔵するために有利であり得る。特に、貯蔵ユニットの単一のスタッカーが上述のように長方形のベース領域を有するとき、スタッカーは、好ましくは、それらの広い方の側面で相互に接続される。
【0018】
好ましくは、当該貯蔵ユニットは、各々のスタッカーの底の端部に接続された底部プレートをさらに有する。そのような底部プレートは、さらに、他より優れた、貯蔵ユニットのハンドリング能力、例えば貯蔵ユニットの安定性を向上させる。
【0019】
底部プレートは、好ましくは、マイクロプレートを当該貯蔵ユニットから取り出すための取り出し開口部を有し、各々の取り出し開口部が、スタッカーのうちの1つの取り出しゲートに隣接して各々に配置されている。このように、貯蔵ユニット内に配置されている複数のマイクロプレートのうちの1つのマイクロプレートは、貯蔵ユニットから取り出されることができるか、または、貯蔵ユニットから底部プレートを取り除くことを必要とせずに、底部プレートの開口部を通して、貯蔵ユニット内に積み込むことができる。従って、開口部は、マイクロプレートの底部領域の形状と合致するように形作られることができる。
【0020】
好ましい実施形態では、貯蔵ユニットは、上昇させる手段(lifting means)をさらに有する。該上昇させる手段は、さらに、貯蔵ユニットのハンドリング能力を向上させ、特に、それらは、例えば、下記の冷凍ボックスのようなさらなる装置から貯蔵ユニットを便利に持ち上げることと、その装置内へ貯蔵ユニットを便利に降下させることを可能にする。そのような上昇させる手段は、矢の頭を各々に有しており、そして、貯蔵ユニットの平面方向の端部に各々に配置されている2つのバーを含むことができる。矢の頭を有する上述の上昇させる手段は、例えば、ガントリーロボットのような昇降装置内に据え付けられることが可能であり、そのために貯蔵ユニットは、上昇させる装置によって自動化された方法で便利にハンドリングされることができる。
【0021】
本発明の第3の態様は、上述のスタッカーを温度調節するための、または、上述の貯蔵ユニットを温度調節するための冷凍ボックスに関する。当該冷凍ボックスは、スタッカーまたは貯蔵ユニットを収容するために配置された温度調節可能な内部を持ち、かつ、当該冷凍ボックスの上面側または前面側に開口部を持っており、該開口部は、当該冷凍ボックスの内部へまたは当該冷凍ボックスの内部から外へ、スタッカーまたは貯蔵ユニットを受け入れ、かつ、取り出すためのものである。スタッカーまたは貯蔵ユニットの配置を可能にしているそのような冷凍ボックスを用いれば、マイクロプレートに配置される(それらマイクロプレートはさらにスタッカーまたは貯蔵ユニット内にそれぞれに配置される)サンプルは、冷凍ボックスの内部のみが低温に冷却されることになるので、経済的な方法で、低温で長期間、貯蔵されることができる。特に、−20℃未満の温度で、特に、約−80℃以下の温度で冷却することが必要な場合、当該冷凍ボックスは、サンプルをスタッカーおよび貯蔵ユニット内に長期間にわたって貯蔵するのに十分な冷却のために冷却すべき空間が比較的小さいものであることを可能にし、サンプルの効率的で経済的な冷却が可能となる。さらに、冷凍ボックスの外側の暖かい空気に対して、冷凍ボックスの内部では空気がより高い密度に冷却されているために、開口部が覆われていないときでも、冷凍ボックスの内部と冷凍ボックスの外側との間では、冷凍ボックスの上部側での開口部を通した、最小限の対流性の熱交換しかない。従って、冷凍ボックスの内部のスタッカーまたは貯蔵ユニット内にあるサンプルが暖まることを防ぐために、開口部を覆う必要はなく、そのために少なくとも、スタッカーまたは貯蔵ユニットの積む込みと取り出しは、それぞれ、簡単に行うことができる。冷凍ボックス内の空間は、冷凍ボックスの用途の必要性に応じて、いくつかの冷凍ボックスを順次に、例えば一列に配置することによって、寸法を定めることができる。
【0022】
好ましくは、当該冷凍ボックスは、直平行六面体体の形状を有し、かつ、複数の立坑を有し、各立坑は、その開口端部を当該冷凍ボックスの上面側に有し、かつ、各立坑は、スタッカーまたは貯蔵ユニットを収容するために配置されている。このような冷凍ボックスは、それぞれ、複数のスタッカーまたは貯蔵ユニットのさらに改善された温度調節を可能にする。それは、温度調節されるために必要な全体の空間を小さなレベルに保っており、それぞれ複数のスタッカーのまたは貯蔵ユニットの効率的で経済的な温度調節を可能にする。
【0023】
本発明の第4の態様は、マイクロプレートハンドリングシステムに関し、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、上述した冷凍ボックス、プレートトレイ、位置決め設備、および、ロボットアームを有する。プレートトレイと位置決め設備は、複数のマイクロチューブを持った少なくとも1つの供給源マイクロプレートと、受渡しマイクロプレートを、収容するために配置され、前記受渡しマイクロプレートの上面側が、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートの底面側と向き合うように配置可能である。位置決め設備は、移動手段を有しており、該移動手段は、プレートトレイと位置決め設備とが、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートと前記受渡しマイクロプレートとを収容するときに、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートと前記受渡しマイクロプレートとを、互いに対して平行に予め定められた位置へと移動させるためのものである。ロボットアームは、押し込み手段(pushing means)を有しており、該押し込み手段は、プレートトレイと位置決め設備とが、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートと前記受渡しマイクロプレートとを収容するときに、かつ、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートと前記受渡しマイクロプレートとが移動手段によって予め定められた位置へと移動するときに、複数のマイクロチューブのうちの予め定められたマイクロチューブを、前記少なくとも1つの供給源から受渡しマイクロプレート内へと押し込むためのものである。
【0024】
このようなマイクロプレートハンドリングシステムは、マイクロプレート(冷凍ボックス内に貯蔵されているスタッカー内、または、貯蔵ユニット内に、貯蔵されている)の効果的で速いハンドリングを可能にする。特に、複数の予め定められたサンプルが、冷凍ボックスに貯蔵されるスタッカーまたは貯蔵ユニット内の、予め定められたマイクロチューブ内に収容されていて、その複数の予め定められたサンプルを取り出す必要がある場合(例えば、特定の高スループットの分析(assay)を行うため)、当該マイクロプレートハンドリングシステムによって、その予め定められたサンプルを持ったマイクロチューブを担持している、少なくとも1つの受渡しプレートを提供できるようになる。典型的には、該受渡しマイクロプレートは、上述の一般的なマイクロプレート規準に従って配置され、対応する受け取り手段内へマイクロチューブを収容することができる。好ましくは、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートと、前記受渡しマイクロプレートとは、同じタイプであって、ある単一タイプのマイクロプレートが、全体のマイクロプレートハンドリングシステムに使用され得るようになっている。
【0025】
当該マイクロプレートハンドリングシステムの位置決め設備とプレートトレイは、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートと前記受渡しマイクロプレートとを、互いに関して極めて正確に配置することを可能にし、よって、ロボットアームは、予め定められたマイクロチューブを前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートから前記受渡しマイクロプレート内へと正確に押し込むことができる。比較的速く、正確で、費用効果のある好適なロボットアームが、例えば、選択的・受容的・関節結合/アセンブリー・ロボット・アーム(Selective Compliant Articulated/Assembly Robot Arm)(SCARA)として、従来技術で知られており、本発明に従って、そのようなSCARAは、さらに、押し込み手段(pushing means)を備えている。当業者によって理解されることができるように、本発明のロボットアームは、例えば、上述のEP0904841B1のシステム内のような、従来技術で周知の他のマイクロプレートハンドリングシステム内で使用されることもできる。さらに、該ロボットアームは、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートの正確な位置を感知するために、例えば、カメラといったセンサーを有することができる。好適な押し込み手段は、ピンを有することができ、該ピンは、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートの予め定められたマイクロチューブを、前記受渡しプレートに移すのに用いられる。一実施形態では、そのようなピンは、該ピンがロボットアームの残りに対して移動できるように、押し込み機構によって該ロボットアームの他の部分とは独立して1つのマイクロチューブの方向に移動できる。別の実施形態では、該ピンは、ロボットアームの残りに固定して接続され、ロボットアーム自体の動きによって、予め定められたマイクロチューブの方向に移動される。
【0026】
好ましい実施形態では、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートを予め定められた位置に固定して収容するために、プレートトレイが配置されており、かつ、前記受渡しマイクロプレートを移動可能に収容するために、位置決め設備(positioning disposition)が配置される。位置決め設備の移動手段が配置され、該移動手段は、位置決め設備が前記受渡しマイクロプレートを収容し、かつ、プレートトレイが前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートを収容するときに、受渡しマイクロプレートの上面側を、少なくとも1つの供給源マイクロプレートの底面側に平行になるようにして、該受渡しマイクロプレートを、予め定められたポジションに移動させるためのものである。このようなプレートトレイと位置決め設備の配置は、可動部品の数が削減されるので、また、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートが固定して収容されるときに十分な精度を提供することが比較的簡単であるので、比較的効率的である。さらに、前記受渡しマイクロプレートの上面側が、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートの底面側に向き合うときに、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートのマイクロチューブを、該供給源マイクロプレートから、前記受渡しマイクロプレートへと、比較的簡単に押し込むことができる。またさらに、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートに対する前記受渡しマイクロプレートの平行移動を用いて、位置決め設備は、受渡しマイクロプレートを2次元に移動することが十分可能である。そのことは、たとえ移動の高精度のスケールが必要であっても、位置決め設備の比較的単純な配置を可能にする。
【0027】
好ましくは、プレートトレイは、少なくとも1つの貫通孔を持っており、該貫通孔は、該プレートトレイが前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートを収容するときに、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートの底面側に隣接する。このようなプレートトレイは、該少なくとも1つの貫通孔を通して、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートから受渡しマイクロプレートへと、マイクロチューブを快適に押し入れることを可能にしながら、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートを、正確に予め定められた位置に保持することができる。例えば、貫通孔の縁は、踏み面(tread)と垂直面(riser)とを有する階段として配置されることができ、該垂直面は、プレートトレイの上面に実質的に直角に接し、該踏み面は、該垂直面に実質的に直角に接する。使用では、少なくとも1つの貫通孔内の踏み面が、マイクロプレートの底面側の縁部分と接触するように、そして、垂直面が、マイクロプレートを正確に予め定められた位置に固定するように、マイクロプレートを開口部内に置くことができる。
【0028】
好ましい実施形態では、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、冷凍ボックスの上面に配置されているプラットホーム(特に、ロボットプラットホーム)と、該プラットホーム上に配置されるガントリーロボットとを、さらに有しており、プラットホームは、貫通孔を有し、かつ、ガントリーロボットは、スタッカーまたは貯蔵ユニットを把持するための把持手段を有し、スタッカーまたは貯蔵ユニットが、ガントリーロボットによって、プラットホームの該貫通孔を通って冷凍ボックスの外へ上昇することが可能になっており、かつ、スタッカーまたは貯蔵ユニットが、ガントリーロボットによって、プラットホームの該貫通孔を通って冷凍ボックス内に降下することができるようになっている。プラットホームとガントリーロボットのこのような配置は、冷凍ボックスに対して完全なスタッカーまたは貯蔵ユニットの効率的なハンドリングを可能にする。複数の立坑付きの冷凍ボックスが上述のように使用される場合、プラットホームは、それに応じて、複数の立坑のうちのいくつかと対応するいくつかの開口部を有することができる。把持手段は、貯蔵ユニットの上昇させる手段と相互に作用するように配置することができ、例えば、上昇させる手段の矢の頭(arrow heads)内に引っ掛かり、該上昇させる手段の矢の頭を放すように配置されることができる。さらに、プラットホームが1つまたはいくつかの列のごとく配置された冷凍ボックスに沿って移動できるように、冷凍ボックスは、レールに連結されることができ、プラットホームは、対応する移動手段を有することができる。
【0029】
好ましくは、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、供給源マイクロプレートハンドリング設備をさらに有し、この供給源マイクロプレートハンドリング設備は、取り出し手段を持っており、該取り出し手段は、第1のスタッカーまたは第1の貯蔵ユニットが上昇させられて冷凍ボックスから出されるときに、第1のスタッカーから、または、第1の貯蔵ユニットから、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートを取り出すためのものであり、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、収容手段を持っており、該収容手段は、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートをプレートトレイへと移し、かつ、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートをプレートトレイ上に収容するためのものであり、これに加えて、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、載置手段を持っており、該載置手段は、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートを、プレートトレイから、第2のスタッカーまたは第2の貯蔵ユニットへと移し、かつ、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレートを、第2のスタッカーまたは第2の貯蔵ユニット内に載置するためのものである。特に、供給源マイクロプレートハンドリング設備の取り出し手段は、開放手段を有することができ、これは、例えば、対応する保持手段を曲げることによって、第1のスタッカーまたは第1の貯蔵ユニットを開状態にするためのものであり、かつ、該取り出し手段は、プレートリフトを有することができ、これは、スタッカーから取り出される1つのマイクロプレート、または、貯蔵ユニットから取り出される一列のマイクロプレートを収容するためのものである。このような配置は、ロボットアームによりハンドリングされる前の、予め定められたマイクロプレートの、または、予め定められたマイクロプレート列の取り出しと配置、および、ロボットアームによりハンドリングされた後の、第2のスタッカーまたは第2の貯蔵ユニットへの予め定められたマイクロプレートのまたは予め定められたマイクロプレート列の取り出しを可能にする。典型的には、第1のスタッカーのまたは第1の貯蔵ユニットの全てのマイクロプレートは、ハンドリングされている間、第2スタッカーにまたは第2の貯蔵ユニットに移されて、第2のスタッカーまたは第2の貯蔵ユニットに直接移されることができ、これを、所定のマイクロチューブを担持していないマイクロプレートをロボットアームでハンドリングすることなしに行うことができる。
【0030】
好ましい態様では、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、受渡しマイクロプレートハンドリング設備をさらに有し、該受渡しマイクロプレートハンドリング設備は、上述の追加のスタッカーを持っており、かつ、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、載置手段を持っており、該載置手段は、受渡しマイクロプレートを前記追加のスタッカーへと移し、かつ、受渡しマイクロプレートを前記追加のスタッカー内に載置するためのものである。このように、マイクロチューブがその中に収集されたいくつかの受渡しプレートは、ハンドリングユニットとして、単一のスタッカー内に集められることができる。
【0031】
好ましくは、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、一時的貯蔵器をさらに有しており、ロボットアームが把持手段を持っており、該把持手段は受渡しマイクロプレートを把持するためのものであり、受渡しマイクロプレートが、ロボットアームによって一時的貯蔵器内へと移動可能になっている。このような一時的貯蔵は、マイクロチューブの独立したコレクションを含んだ多数の受渡しプレートを提供することを可能にする。該一時的貯蔵は、容易にアクセスできるラック(rack)として、ロボットアームの把持手段のように配置されることができる。
【0032】
好ましい実施形態では、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、プラットホームに固く接続されている温度調節キャップをさらに有し、該温度調節キャップは、温度調節手段と、プレートトレイと、位置決め設備と、ロボットアームと、ガントリーロボットとを囲っており、該温度調節キャップの内部が、温度調節手段によって、冷凍ボックスの温度調節とは独立的に温度調節が可能になっている。このような温度調節キャップを使用することで、サンプルの長期間の貯蔵のために最適化された温度(例えば、冷凍ボックス内の−80℃のような温度)とは異なる温度において、かつ、当該マイクロプレートハンドリングシステムの外側での温度(例えば、+4℃または室温であり得る)とは異なる温度において、マイクロプレートをハンドリングすることを可能にする。それによって、マイクロプレートハンドリングシステムの機械的構成要素、例えば、ロボットアームの操作のために適した、そして、マイクロプレートがハンドリングされる間マイクロプレート内のサンプルを損なわないことに適した温度を提供することが可能になる。対応する温度は、例えば−20℃であり得る。
【0033】
本発明の第5の態様は、低温室に関し、これは、上述のマイクロプレートハンドリングシステムのためのものであって、少なくとも第1の区画と、第2の区画と、第3の区画と、乾燥空気調節システムとを有している。第1の区画は、高くした温度(例えば、約+4℃)で運転され、該区画は、ドッキングポートを持っており、該ドッキングポートは、マイクロプレートハンドリングシステムの冷凍ボックスを低温室内に積む込むためのものであり、かつ、マイクロプレートハンドリングシステムの冷凍ボックスを低温室から積み出すためのものである。第2の区画は、上述のスタッカーまたは上述の貯蔵ユニットを貯蔵するために低温(例えば、−80℃)で運転され、第3の区画は、自動化されたマイクロプレートのハンドリングのために、中間の温度(例えば、−20℃)で運転される。第1の区画のドッキングポートは、低温室への冷凍ボックスの便利な積み込みと、低温室からの冷凍ボックスの便利な積み出しとを可能にする。中間の温度は、極低温環境による機械面の問題を回避するのに十分に高い温度であってよく、かつ、サンプルを凍結させて保ち、それによって自動化されたサンプルのハンドリングの間、サンプルの品質を保全するのに十分に低い温度であってよい。低温室の乾燥空気調節システムは、マイクロプレート貯蔵の間、そして、マイクロプレートハンドリングの間、霜の発生を防止する。
【0034】
本発明の第6の態様は、上述のマイクロプレートハンドリングシステムを用いる、マイクロプレートハンドリング方法に関し、
a)冷凍ボックスを予め定められた温度範囲に温度調節するステップを有し、
b)複数のスタッカーを持った複数の貯蔵ユニットを、冷凍ボックス内に貯蔵するステップを有し、各々のスタッカーは、複数のマイクロチューブを持った複数の供給源マイクロプレートを持っており、
c)貯蔵ユニットに対応する空の第2の貯蔵ユニットを提供するステップを有し、
d)受渡しマイクロプレートを、位置決め設備上に収容するステップを有し、
e)複数の貯蔵ユニットのうちの1つの貯蔵ユニットを、冷凍ボックスから移動させて出すステップを有し、
f)少なくとも1つの供給源マイクロプレートを、対応する少なくとも1つのスタッカーの取り出しゲートを通して、プレートトレイへと移すステップを有し、
g)受渡しマイクロプレートとロボットアームとを同時に位置決めするステップであって、少なくとも1つの供給源マイクロプレートの予め定められたマイクロチューブの底部側が、受渡しマイクロプレート(22)の予め定められた受け入れ手段のところで、該受渡しマイクロプレートの上面側に隣り合って配置されるように位置決めし、かつ、ロボットアームの押し込み手段が、予め定められたマイクロチューブの上面側に隣り合って配置されるように位置決めする、該ステップを有し、
h)予め定められたマイクロチューブを、少なくとも1つの供給源マイクロプレートから、受渡しマイクロプレートの予め定められた受け入れ手段内へ押し込んで入れるステップを有し、
i)少なくとも1つの供給源マイクロプレートのすべての予め定められたマイクロチューブが、受渡しマイクロプレート内に押し入れられるまで、ステップg)とh)とを繰り返すステップを有し、
j)少なくとも1つの供給源マイクロプレートを、第2の貯蔵ユニット内へと移すステップを有し、
k)貯蔵ユニットの全ての供給源マイクロプレートが、第2の貯蔵ユニットの内部に配置されるまで、ステップf)からj)までを繰り返すステップを有し、かつ、
l)第2の貯蔵ユニットを、冷凍ボックス内に移動するステップを有する。
【0035】
このような方法は、効率的にマイクロプレートをハンドリングし、特に、スタッカーまたは貯蔵ユニット内に貯蔵される予め定められたサンプルを効率的に収集することを可能にする。
【0036】
本発明によるスタッカー、本発明による貯蔵ユニット、本発明による冷凍ボックス、本発明によるマイクロプレートハンドリングシステム、本発明による低温室、および、本発明による方法を、実施形態の例示によって、そして、添付の図面を参照して、以下により詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明を実施するための形態
以下の説明では、特定の用語が、便宜上の理由で用いられており、そして、それらは、限定するものとして解釈されてはならない。「右」、「左」、「底」、「上」、および、「上方に」という用語は、図中での方向を指す。用語は、明示的に述べられる用語だけでなく、それらの派生語および類似する意味を伴う用語を含んでいる。
【0038】
図1には、本発明によるスタッカー1が示されており、該スタッカーは、ハウジングを持っており、該ハウジングは、2つの向かい合った平行な広い方の側壁(side walls)11(一方の広い方の側壁11のみが、図1に見えている)と、その広い方の側壁11に対して直角をなすように配置されている2つの向かい合った平行な狭い方の側壁12(1つの狭い方の側壁12のみが、図1内に見られる)とを持っている。個々の広い方の側壁11は、2つの平行な起伏(contoured)部分111を有し、個々の狭い方の側壁12は、1つの起伏部分121を有しており、これら全ての起伏部分111、112は、細長い片(strip)の形状を有し、ハウジングの内部へとわずかに突き出している。ハウジングは、2つの長手方向の開口端部を有し、上部の長手方向の開口端部は、カバー14によって閉じており、底部の長手方向の開口端部には、取り出しゲート(removal gate)13が配置されている。該取り出しゲート13は、2つの角度付きの平らなバネ状シート131(1つの角度付きの平らなバネ状シート131のみが、図1に見えている)を有し、該バネ状シートの各々は、広い方の側壁11の1つに配置されている。角度付きの平らなバネ状シート131は、4つの横梁(cross beam)132(2つの横梁132のみが、図1に見えている)によって相互に接続され、2つの横梁132は、平行になって狭い方の側壁12の各々に配置されている。該横梁132は、リベット、ネジ等によって、角度付きの平らなバネ状シート131に固定されている。個々の角度をなしたバネ状シート131は、広い方の側壁11のうちの一方に取り付けられた取り付け部1311と、保持部1312、角度付きの平らなバネ状シート131から突き出した曲げリミッター(bending limiter)1313と、担持アーク1314を有している。さらに、当該スタッカー1は、狭い方の側壁12のうちの1つに取り付けられているバーコード15によって、識別のためのコードが与えられている。
【0039】
次のことが、この説明の残りに適用される。もし、図面を明確にするために、図が、明細書の直接に関連する部分において説明されていない参照記号を含む場合、それは、先述の部分が参照される。
【0040】
図2は、当該スタッカー1を示しており、該スタッカーには、複数の供給源マイクロプレート21が積み込まれており、各供給源マイクロプレートは、上面側211と底面側212とを持っている。該供給源マイクロプレート21は、ハウジングに内側に配置され、個々のマイクロプレートの上部側211は、その上方に隣接した供給源マイクロプレート21の底部側212に接するようになっている(複数の供給源マイクロプレート21のうち、最上の供給源マイクロプレート21を除く)。広い方の側壁11の起伏部分(contoured section)111と、狭い方の側壁12の起伏部分121は、複数の供給源マイクロプレート21に隣り合って接触し、ハウジング内にそれらを正確にガイドしている。広い方の側壁11の他の部分と、狭い方の側壁12の他の部分とは、供給源マイクロプレート21からわずかに離れて配置されており、ハウジングの内側での供給源マイクロプレート21のウェッジング(wedging)が防止され得るようになっている。
【0041】
供給源マイクロプレート21を有している当該スタッカー1は、複数の供給源マイクロプレート21に同時に、コンパクトで堅牢なハンドリングユニットを提供し、該供給源マイクロプレート21が貯蔵のためにわずかなスペースしかとらないようになっており、それにもかかわらず、該供給源マイクロプレート21は、取り扱い易くなっており、特に自動化されたシステムによって取り扱い易くなっている。さらに、供給源マイクロプレート21とハウジングのタイトな配置のために、供給源マイクロプレート21の着氷を防止することができ、そのために、該供給源マイクロプレートは、該供給源マイクロプレート21内に配置されている物質を損なう危険なしに、かなりの温度変化に晒すことができる。従って、当該スタッカー1は、効率的で便利なハンドリングユニットであって、とりわけ、例えば80℃のような、極低温で供給源マイクロプレート21を貯蔵するのに適している。当該スタッカー1が、供給源マイクロプレート21以外に任意の種類の他のマイクロプレート(特に、受渡し(delivery)マイクロプレートといったもの)を搭載できることは理解されることである。
【0042】
図3では、当該スタッカー1は、閉状態で示されている。角度付きの平らなバネ状シート131は、弛緩(relaxed)されたポジションにあり、保持部分1312は、ハウジングの底部の開口した長手方向の端部の縁112の上方に、ハウジングの内部へ向かって突き出しており、それによって、該ハウジングの底部の長手方向の開口端部の一部をカバーしている。当該スタッカー1内に配置されている複数の供給源マイクロプレート21のうちの底の供給源マイクロプレート21の外縁が、保持部分1312上に支えられており、それによって、それら供給源マイクロプレート21は、該保持部分1312によってハウジング内に保持されている。さらに、保持部分1312は、取り付け部分1311に対し鋭角をなして配置され、上方へさらに延びてハウジングの内部に入っている。
【0043】
図4は、開状態にある当該スタッカー1を示しており、保持部分1312がハウジングの外側へ(それは、図4では、右手の側である)曲げられて、該ハウジングの底部の開口した長手方向端部が出入り自在であり、供給源マイクロプレート21を該ハウジングの底部の開口した長手方向端部を通してスタッカー1から取り除くことができるようになっている。角度付きの平らなバネ状シート131の、ハウジングの外側への曲げ動作は、曲げリミッター1313によって、特定の範囲においてブロックされる。
【0044】
追加の供給源マイクロプレート21を当該スタッカー1に積載(ローディング)するために、当該スタッカー1が閉状態にあるときに、追加の供給源マイクロプレート21は、保持部分1312に抗して下から上へ押し上げられることができる。それによって、角度付きの平らなバネ状シート131は、曲げリミッター1313によってブロックされるまで、外側へ曲げられる。当該スタッカー1は、それから開状態になり、追加の供給源マイクロプレート21をハウジング内に押して入れることができ、ハウジング内部に既にある他の供給源マイクロプレート21が上方に持ち上げられる。底の供給源マイクロプレート21をスタッカー1から取り除くためには、保持部分1312が、適切な取り出し手段によって、外側に能動的に曲げられなければならない。そのような取り出し手段は、例えば、プレートリフトを有するものであって、該プレートリフトは、保持部分1312に抗して下から上へ押し上げられ、それによって、保持部分1312をハウジングの外側へ曲げることがでるものである。そして、底の供給源マイクロプレート21は、取り出し手段の該プレートリフトの上に重力によって落下する。プレートリフトを降下させることによって、底の供給源マイクロプレート21は、スタッカー1から取り除かれ、同時に、保持部分1312は、当該スタッカー1が再び閉状態になるまで、角度付きの平らなバネ状シート131のバネの力によって後戻りする。
【0045】
図5に示されるように、当該スタッカー1は、ハンドル16を備えることができ、該ハンドルは、2本の平行な取り付けバー162を持ち、それら取り付けバーは、それらの上部の長手方向端部でグリップ161によって相互に接続されている。各取り付けバー162は、その底部の長手方向の端部にフック163を有し、それぞれ、取り出しゲート13の担持アーク1314のうちの1つに取り付け可能である。ハンドル16は、当該スタッカー1の手動のハンドリングのために該スタッカー1に接続することができ、そして、該スタッカー1から離脱させることができ、1つの単独のハンドル16が、幾つかのスタッカー1の手動のハンドリングのために用いることができるようになっている。
【0046】
図6には、7つのスタッカー1を有する貯蔵ユニット3の第1の実施形態が示されており、それらスタッカーは、一列に配置されており、1つのスタッカー1の2つの広い方の側壁11のうちの1つが、その隣りのスタッカー1の2つの広い方の側壁11のうちの1つに面するようになっている。当該貯蔵ユニット3は、2つの平行なより広いサイドプレート31をさらに有し、それらサイドプレートは、2つの垂直に配置されたより狭いサイドプレート32によって相互に接続されている。該サイドプレート31、32は、いっしょになって、7つのスタッカー1をその所定位置に互いに固定する。
【0047】
図7は、本発明によるマイクロプレートハンドリングシステムを示しており、該システムは、本発明による冷凍ボックス4を有しており、該冷凍ボックス内には、本発明による貯蔵ユニット30の第2の実施形態が、複数、配置可能である。該冷凍ボックス4は、直平行六面体(cuboid)の形状を有し、かつ、複数の平行な立坑(shaft)41を有し、それら立坑は開口端部411を有し、該開口端部が冷凍ボックス4の上面側に配置されている。個々の貯蔵ユニット30は、上述のように一列に配置された6つのスタッカー1を持ち、かつ、底部プレート310を持ち、該底部プレートは、6つのスタッカー1を定位置に固定するための貯蔵ユニット3(図6を参照)の第1の実施形態の、より広いサイドプレート31とより狭いサイドプレート32の代わりである。個々の立坑41は、好ましくは約−80°Cに冷却され、貯蔵ユニット30のうちの1つを収容するために配置される。貯蔵ユニット30は、開口端部411を通して対応する立坑41内へ下ろされることができ、そして、そこから持ち上げられることができる。貯蔵ユニット30の前記持ち上げと降下のために、当該マイクロプレートハンドリングシステムは、ガントリー(gantry)ロボット(図7に示されず)を有する。
【0048】
冷凍ボックス4の傍らに、かつ、該ボックスに沿って、2本の平行なレール53が配置されて、そのレール上では、プラットホーム51、即ち、ロボットプラットホームが、移動可能に配置され、該プラットホーム51は、6つの足511を有し、そのうちの3つは、レール53のうちの1つの上にスライド可能に配置されている。該プラットホームは、冷凍ボックス4の開口部411に対応して配置される3つの開口部を有する。ガントリーロボットは、プラットホーム51の上部の上に配置されており、該ロボットが、立坑41の開口端部411を通して、そして、プラットホーム51の開口部を通して、プラットホーム51の上へ、立坑41のうちの1つから貯蔵ユニット30を持ち上げて出すことができるようになっている。図7では、2つの貯蔵ユニット30がプラットホーム51の上に示されており、1つの貯蔵ユニット30(右手側のもの)が対応する立坑41内に示されている。プラットホーム51は、冷凍ボックス4上のレール53に沿って移動させられることができ、個々の立坑41が、プラットホーム51の開口部のうちの少なくとも1つの下に配置され得るようになっている。
【0049】
プラットホーム51の開口部の周りには、供給源マイクロプレートハンドリング設備63が、そして、該供給源マイクロプレートハンドリング設備63の左端には、プレートトレイ(plate tray)61と、位置決め設備としての受渡しマイクロプレートハンドリング設備62とが、プラットホーム51上に配置され、該プレートトレイ61は、部分的に、受渡しマイクロプレートハンドリング設備62の上方に配置されている。該プレートトレイ61は、6つの貫通孔611を有しており、それら貫通孔は、貯蔵ユニット30の6つのスタッカー1に対応しかつ一線に並んでいる。図7には、代表例として、供給源マイクロプレート21が、プレートトレイ61の貫通孔611のうちの1つの中に配置されている。
【0050】
プラットホーム51の左のセクションには、2つの一時的貯蔵ラック8(図7では、1つの一時的貯蔵ラック8のみが見えている)と、SCARA 7が配置されている。SCARA 7は、プラットホーム51に固定して連結されている基台71と、該基台71に移動可能に連結されているアーム72とを有する。受渡しマイクロプレートハンドリング設備62の上方端部の領域には、ハンドリングされる受渡しマイクロプレートを受け入れるための、上述のような単一のスタッカー1’が配置される。図7には、代表例として、1つの受渡しマイクロプレート22が、受渡しマイクロプレートハンドリング設備62上に配置されており、同様に、1つの受渡しマイクロプレート22が、SCARA 7のアーム72のところに配置されている。さらに、プラットホーム51上に配置されているマイクロプレートハンドリングシステムの一部を覆って、温度調節(テンパーリング)キャップ52が該プラットホーム51上に配置されており、例えば、SCARA 7、一時的貯蔵ラック8、受渡しマイクロプレートハンドリング設備62、プレートトレイ61、供給源マイクロプレートハンドリング設備63、受渡しマイクロプレート22、ガントリーロボット、および少なくとも持ち上げられた貯蔵ユニット30を含んでいる。温度調節キャップ52は、その内部を見えるようにするために図式的に斜めに開けて示している。温度調節キャップ52のおかげで、温度調節キャップ52の内部で供給源マイクロプレート21を、ハンドリング温度でハンドリングすることが可能であり、その温度は、好ましくは約−20℃であり、約−20℃は、サンプルの長期間の貯蔵のために好ましい冷たさ(とりわけ−80℃)ではないが、しかし、約−20℃は、サンプルが、それらのハンドリングの間に損なわれない(例えば解凍することで)、十分な冷たさである。このハンドリング温度では、当該マイクロプレートハンドリングシステムの機械的可動部分、例えば、SCARA 7、受渡しマイクロプレートハンドリング設備62、供給源マイクロプレートハンドリング設備63、または、ガントリーロボットが適切に作動することが、効率的に、そして、経済的に可能である。
【0051】
図8には、そして、図9には、当該マイクロプレートハンドリングシステムの一部分が、特に、供給源マイクロプレート21の、そして、受渡しマイクロプレート22のハンドリング動作を説明するために示されている。受渡しマイクロプレートハンドリング設備62は、スライド運送台(sliding carriage)621を有しており、該スライド運送台は、2つの平行な沿線レール622上に移動可能にマウントされ、該レールがさらに2つの平行な交差レール623上に移動可能にマウントされている。沿線レール622と交差レール623は、垂直に配置されて、スライド運送台621は、プレートトレイ61の6つの貫通孔611の全ての下で移動可能である。スライド運送台621の上には、受渡しマイクロプレート22が配置されて、それは、プレートトレイ61の貫通孔611のうちのいずれか1つの中に配置されている供給源マイクロプレート21の下に配置されることができる。プレートトレイ61は、2つのレール612にその長手方向の端部で備え付けられる。
【0052】
SCARA 7は、そのアーム72の端部に把持手段73を持っており、受渡しマイクロプレート22をクランプし、それをスライド運送台621から一時的貯蔵ラック8のうちの1つへ移しそして戻すことができる。プレートトレイ61よりも低いレベルの上で配置される供給源マイクロプレートハンドリング設備63は、取り出し手段632を有し、該取り出し手段は、それらの長手方向の端部において2本のレール631に移動可能にマウントされている。該取り出し手段632は、個々の6つのプレートリフト6321を有し、それらの各々は、プレートトレイ61の貫通孔611の1つの下に、そして、持ち上げられた貯蔵ユニット30のスタッカー1の1つの下に配置可能である。貯蔵ユニット30は、矢の頭1610を有する把持手段160を有し、その矢の頭は、ガントリーロボットが、スタッカーをグリップし、冷凍ボックス4からそれを持ち上げるか、または冷凍ボックス4内にそれを降下させることを可能にする。
【0053】
使用では、1つの貯蔵ユニット30がガントリーロボットによって冷凍ボックス4から持ち上げられ、次に、2番目の貯蔵ユニット30が、前記貯蔵ユニット30に平行に隣に配置される。プレートトレイ61上で少なくとも1つのマイクロプレートを受け入れるために、該プレートトレイ61は、6つの貫通孔611がスタッカー1の6つの取り出しゲート13の下に正確にくるまで、レール612に沿って移動される。同時に、取り出し手段632は、6つのプレートリフト6321が6つの貫通孔611の下に正確にくるまで、レール631に沿って移動される。次に、プレートリフト6321のうちの少なくとも1つが、対応しているスタッカー1まで、対応している貫通孔611を通して持ち上げられ、供給源マイクロプレート21が、上述のようにスタッカー1から開放される。供給源マイクロプレート21が貫通孔611内に受け入れられるまで、少なくとも1つのプレートリフト6321が降下する。プレートトレイ61の貫通孔611内に供給源マイクロプレート21を収容するために、貫通孔611の縁は、踏み面(トレッド)6112と垂直面(ライザー)6111とを有する階段を有しており、垂直面6111がプレートトレイ61の上面側に実質的に直角に接し、踏み面6112が垂直面6111に実質的に直角に接しており、それによって、踏み面6112が供給源マイクロプレート21の底面の縁部分と接触し、かつ、垂直面6111が供給源マイクロプレート21を固定する、というようにして、供給源マイクロプレート21が開口部内に置かれる。次に、プレートトレイ61は、固定されたマイクロチューブ押し込みポジションへ戻される。
【0054】
図10で最もよくわかるように、SCARA 7は、ピン74を備えている。マイクロチューブ押し込みポジションにある間、プレートトレイ61の上に配置されている供給源マイクロプレート21から予め定められたマイクロチューブを押し入れるために、ピンは、予め定められたマイクロプレートに相次いで作用し、それによって、供給源マイクロプレート21から受渡しマイクロプレート22の受容手段(マイクロチューブの下に対応するように配置されている)の中へと、マイクロチューブを移動させる。作動のために、ピン74は、別々の配置手段によってSCARA 7のアーム72に対して処分可能であり得る、または、ピン74を含んでいるアーム72を全体として移動することによって処分可能であり得る。
【0055】
前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート21がプレートトレイ61上でハンドリングされた後、プレートトレイ61とプレートリフト6321は、第2の貯蔵ユニット30の下に配置され、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート21は、プレートリフト6321(プレートトレイ61の対応する開口部を通して再び移動される)によって、第2の貯蔵ユニット30のスタッカー1のうちの1つに移動することができる。次に、プレートトレイは、貯蔵ユニット30から次の少なくとも1つの供給源マイクロプレート21を積み込む準備ができている。貯蔵ユニット30の供給源マイクロプレート21の全てがハンドリングされた後、供給源マイクロプレート21は、ガントリーロボットによって冷凍ボックス4内に再び降下できる第2の貯蔵ユニット30内に配置される。
【0056】
受渡しマイクロプレート22が、例えばクライアントによって選択された、全ての所定のマイクロチューブを搬送する場合、該受渡しマイクロプレートは、受渡しスタッカー1’内に移され、該受渡しスタッカー1’は、複数の受渡しマイクロプレート22をその内部に配置された状態で持つようになり、それは、例えば、いくつかのクライアントのための受渡しマイクロプレート22であり得る。受渡しマイクロプレート22のこの移動のために、スライド運送台621は、上方へ持ち上げることが可能である。いくつかの受渡しマイクロプレート22を並列処理することが可能であるために、1つの単一の貯蔵ユニット30をハンドリングしている間、SCARA 7の把持手段73によって、受渡しマイクロプレートハンドリング設備62内に配置されている受渡しマイクロプレート22をグリップすることができ、SCARA 7は、一時的貯蔵ラック8内に受渡しマイクロプレート22を移動させることができる。
【0057】
図11と図12は、本発明による低温室9の実施形態を示している。当該低温室9は、第1の区画(コンパートメント)91、第2の区画、および、2つの第3区画92を有している。第2の区画は、第3の区画92内に配置されている冷凍ボックス4の複数の立坑41から成る。個々の冷凍ボックス4の上方では、SCARA 7を担持するプラットホーム51が、レール53’上で移動可能である。第1の区画91は、ドッキングポート911によって、個々の第3の区画92に連結されている。第1の区画91は、ドア93を通じて、人がアクセス可能である。さらに、第3の区画92は窓を有し、その窓を通じて、第3の区画92内を第1の区画91から見ることができる。
【0058】
使用では、人間が第1の区画91内で比較的都合よく働くことができるように、第1の区画91は、好ましくは、約+4℃の温度に冷却される。第3の区画92は、SCARA 7によるマイクロプレートの自動化された機械的なハンドリングが経済的に可能であるように、好ましくは約−20℃に冷却される。さらに、第2の区画、即ち、冷凍ボックス4の立坑41は、サンプルの長期間の貯蔵が可能であるように、好ましくは約−80℃に冷却される。冷凍ボックス4は、ドッキングポート911を通して便利にアクセスできる。低温室9の乾燥空気調節システムは、マイクロプレート貯蔵の間、そして、マイクロプレートのハンドリングの間、霜の発生を防止する。
【0059】
図13と図14は、低温室のさらなる実施形態9aと9bの配置を示している。低温室9aは、「ロボット化貯蔵庫(robotic store)」として具現化され、その中には、複数の直立型で立つ−80℃の冷凍ボックス4aが配置され、その中には、スタッカー1または貯蔵ユニット3が貯蔵されることができる。マイクロチューブを持ったマイクロプレートを、または、貯蔵ユニット3を、または、スタッカー1を、ハンドリングするためのロボット7aが、冷凍ボックス4aの2本の列の間に形成される通路に沿って移動可能なように配置される。該ロボット7aが配置される空間の温度は、約−20℃である。入力および出力バッファ911aがインターフェースとして提供され得、人間オペレータがロボット貯蔵庫から外へスタッカーまたは貯蔵ユニットを取り出すか、または、手動でまたはロボット7aを用いて、それらをロボット貯蔵庫内に入れることを可能にする。ロボット貯蔵庫から取り出されるスタッカーまたは貯蔵ユニットは、移動式移送冷凍ボックス921に入れられることができ、該ボックスは、低温移送を維持するように入力/出力バッファ911aで貯蔵されることができる。同じことが、スタッカーまたは貯蔵ユニットを移動式移送冷凍ボックスからロボット貯蔵庫に移すことに対して成り立つ。上述の「ロボット貯蔵庫」は、サンプルの多くが臨床試験期間の間に時折アクセスされなければならない臨床試験の間に使用されるサンプルの貯蔵に特に適している。
【0060】
低温室9bは、他方、「保管(アーカイブ)貯蔵庫」として具現化され、複数の直立型の−80°Cの冷凍ボックス4bを有する。しかし、通常、−80℃の冷凍ボックス4bで貯蔵されるサンプルは、アクセスされる必要がないか、または、極めて希な場合にアクセスされるだけであるので、低温室9bはロボットを含まない。しかしながら、臨床試験が終わった後でも、通常、保管貯蔵庫内に貯蔵されたサンプルにアクセスする必要はないが、後日、サンプルを分析する可能性があり、一定の期間にわたって(例えば最高15年にわたって)サンプルを貯蔵する義務または欲求があるかもしれない。「ロボット貯蔵庫」内に前記「保管」サンプルを貯蔵することは、より大きな「ロボット貯蔵庫」を必要とすることになり、これは、意図された目的に対してあまりに高い出費を意味することになるであろう。サンプルが−80℃の冷凍ボックス4bから必要とされる場合、オペレーターは、好適な手段を用いて個々の基準で、それぞれの冷凍ボックス4bからそれらを取り出さねばならないが、これが希な場合でのみ起こることを留意しておかれなければならない。モジュール「ロボットによる貯蔵庫」および「保管貯蔵庫」を使って、特定の必要性に従って、言い換えると、臨床試験用のサンプルのための貯蔵設備が必要とされるのか、または、通常アクセスされることを必要としないサンプルのための長期間貯蔵設備が必要とされるのかに応じて、貯蔵設備を拡大することは容易である。
【0061】
図15は、臨床試験の間と後のサンプルの流れの実施形態を示している。その理由のために、臨床サンプル(A−およびB−サンプル)1A、1B、2A、2B、・・・pB、・・・nBは、最初、所謂、主チューブフリーザー(そこに収集され、一時的に貯蔵される)内に貯蔵される。サンプルは、次にいくつかの試験に対して調製されて、数多くの試験のために、複数の一定分量に分けられる。例えば、臨床サンプル2Aは、調製されて、複数の一定分量2A.1、2A.2、2A.i、...2A.mに分けられる。もちろん、試験用に調製された一定分量は、副試験用のさらなる一定分量に分けられることができる。一定分量は、次に、図13と図14に示されるロボット貯蔵庫9aのような、ロボット貯蔵庫へ移される。臨床試験の間、ロボット貯蔵庫9aに貯蔵される一定分量は、上で詳細に記載されたように、比較的簡単にアクセスされることができる。臨床試験のために必要とされないそれらの一定分量は、図13と図14に示される保管貯蔵庫9bのような保管貯蔵庫へ移されることができる。所望により、または、必要により、保管貯蔵庫9bに貯蔵された一定分量は、ロボット貯蔵庫9aへ戻して移されることができる、または、それらがもはや必要でないとき、それらを破棄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、本発明によるスタッカーについての斜視図を示している。
【図2】図2は、図1からのスタッカーの正面図を示し、スタッカーの前面壁の2つの部分が、図式的に、スタッカーの内部を見えるようにするために開かれて示されている。
【図3】図3は、閉じた状態での図1からのスタッカーの右底部角部分の正面図を示し、前面壁の隅が、図式的に、スタッカーの内部を見えるようにするために開かれて示されている。
【図4】図4は、開いた状態での図1からのスタッカーの右底部角部分の正面図を示し、前面壁の隅が、図式的に、スタッカーの内部を見えるようにするために開かれて示されている。
【図5】図5は、取り外し可能なハンドルと併せた図1からのスタッカーについての斜視図を示している。
【図6】図6は、本発明による貯蔵ユニットの第1の実施形態の斜視図を示している。
【図7】図7は、本発明による貯蔵ユニットの第2の実施形態を含む、本発明によるマイクロプレートハンドリングシステムについての斜視図を示している。
【図8】図8は、図7からのマイクロプレートハンドリングシステムの選択された部分についての斜視図を示している。
【図9】図9は、図7からのマイクロプレートハンドリングシステムの選択された部分についての別の斜視図を示している。
【図10】図10は、特に押入機構に関連した、図7からのマイクロプレートハンドリングシステムの選択された部分の斜視図を示している。
【図11】図11は、本発明にしたがう低温室についての上面図を示している。ならびに
【図12】図12は、図11からの低温室の斜視図を示している。
【図13】図13は、対応する本発明、低温室のさらなる実施形態の配置の斜視図を示している。
【図14】図14は、図13の低温室の配置の上面図を示している。ならびに
【図15】図15は、臨床試験の間と後の、サンプルの流れの実施形態を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイクロプレート(21、22)を貯蔵するためのスタッカー(1、1’)であって、該複数のマイクロプレートは、各々、上面側(211)と、その上面側(211)の反対側にある底面側(212)とを有しており、
当該スタッカーは、ハウジングを有し、かつ、そのハウジングから複数のマイクロプレート(21、22)のうちの1つのマイクロプレート(21、22)を取り出すための取り出しゲート(13)を有し、
その特徴は、
該複数のマイクロプレート(21、22)のうちの1つのマイクロプレート(21,22)の上面側(211)が、該複数のマイクロプレート(21、22)の隣りのマイクロプレート(21,22)の底面側(212)に接するようにして、かつ、ハウジングが該複数のマイクロプレート(21、22)に隣接するようにして、当該スタッカー(1、1’)が、ハウジング内に複数のマイクロプレート(21,22)を収容するように構成されていることである、
前記スタッカー。
【請求項2】
ハウジングが、4つの実質的に垂直に配置された壁(11、12)を有し、該ハウジングが複数のマイクロプレート(21、22)を収容する場合に、各々の壁(11、12)が、複数のマイクロプレート(21、22)の各々のマイクロプレート(21、22)に接するものである、請求項1に記載のスタッカー(1、1’)。
【請求項3】
各々の壁(11、12)が起伏部分(111、121)を有し、該起伏部分が、複数のマイクロプレート(21、22)のうちの各々のマイクロプレート(21、22)に接するものである、請求項2に記載のスタッカー(1、1’)。
【請求項4】
ハウジングの開口した長手方向端部に、取り出しゲート(13)が配置されており、
該取り出しゲート(13)は、ハウジングの内側に複数のマイクロプレート(21、22)を保持するための保持手段(131)を持っており、当該スタッカー(1、1’)が閉状態である場合に、該保持手段(131)が、ハウジングの内部の方へ向かって、該開口した長手方向端部の縁(112)の上方へ突き出している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスタッカー(1、1’)。
【請求項5】
保持手段(131)が弾性を持つように構成され、該保持手段は、当該スタッカー(1、1’)が閉状態である場合には弛緩した状態にあり、かつ、当該スタッカー(1、1’)が開状態である場合にはテンションがかかった状態にあるようになっている、請求項4に記載のスタッカー(1、1’)。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のスタッカー(1、1’)を複数相互に固定するように連結したものを有する貯蔵ユニット(3、30)であって、
各々のスタッカー(1、1’)が、その隣のスタッカー(1、1’)に接している、
前記貯蔵ユニット。
【請求項7】
スタッカー(1、1’)が一列に配置されている、請求項6に記載の貯蔵ユニット(3、30)。
【請求項8】
各々のスタッカー(1、1’)の底の端部に接続された底部プレート(310)を、さらに有する、請求項6または7に記載の貯蔵ユニット(3、30)。
【請求項9】
底部プレート(310)が、マイクロプレート(21、22)を当該貯蔵ユニット(3、30)から取り出すための複数の取り出し開口部を有し、それぞれの取り出し開口部が、複数のスタッカー(1、1’)のうちの1つのスタッカーの取り出しゲート(13)に隣接して配置されている、請求項8に記載の貯蔵ユニット(3、30)。
【請求項10】
上昇させる手段(16、160)をさらに有する、請求項6〜9のいずれか1項に記載の貯蔵ユニット(3、30)。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のスタッカー(1、1’)を温度調節するための、または、請求6〜10のいずれか1項に記載の貯蔵ユニット(3、30)を温度調節するための、冷凍ボックス(4)であって、当該冷凍ボックスは、
スタッカー(1、1’)または貯蔵ユニット(3、30)を収容するために配置された温度調節可能な内部(41)を持ち、かつ、
上面側または前面側に開口部(411)を持っており、該開口部は、当該冷凍ボックス(4)の内部へまたは当該冷凍ボックス(4)の内部から外へ、スタッカー(1、1’)または貯蔵ユニット(3、30)を受け入れ、かつ、取り出すためのものである、
前記冷凍ボックス。
【請求項12】
直平行六面体体の形状を有し、かつ、複数の立坑(41)を有し、
各立坑(41)は、その開口端部(411)を当該冷凍ボックス(4)の上面側に有し、かつ、各立坑(41)は、スタッカー(1、1’)または貯蔵ユニット(3、30)を収容するために配置されている、請求項11に記載の冷凍ボックス(4)。
【請求項13】
マイクロプレートハンドリングシステムであって、請求項11または12に記載の冷凍ボックス(4)と、プレートトレイ(61)と、位置決め設備(62)と、ロボットアーム(7)とを有し、
プレートトレイ(61)と位置決め設備(62)は、複数のマイクロチューブを持った少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)と、受渡しマイクロプレート(22)とを、収容するために配置され、前記受渡しマイクロプレート(22)の上面側が、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)の底面側(212)に向き合うように配置可能であり、
位置決め設備(62)は、移動手段(621、622、623)を有しており、該移動手段は、プレートトレイ(61)と位置決め設備(62)とが、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)と前記受渡しマイクロプレート(22)とを収容するときに、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)と前記受渡しマイクロプレート(22)とを、互いに対して平行に予め定められた位置へと移動させるためのものであり、
ロボットアーム(7)は、押し込み手段(74)を有しており、該押し込み手段は、プレートトレイ(61)と位置決め設備(62)とが、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)と前記受渡しマイクロプレート(22)とを収容しているときに、かつ、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)と前記受渡しマイクロプレート(22)とが移動手段(621、622、623)によって予め定められた位置へと移動したときに、複数のマイクロチューブのうちの予め定められたマイクロチューブを、前記少なくとも1つの供給源(21)から受渡しマイクロプレート(22)内へと押し込むためのものである、
前記マイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を予め定められた位置に固定して収容するために、プレートトレイ(61)が配置されており、かつ、
前記受渡しマイクロプレート(22)を移動可能に収容するために、位置決め設備(62)が配置されており、
位置決め設備(62)の移動手段(621、622、263)が配置されており、該移動手段は、位置決め設備(62)が前記受渡しマイクロプレート(22)を収容し、かつ、プレートトレイ(61)が前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を収容するときに、受渡しマイクロプレート(22)の上面側を、少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)の底面側(212)に平行になるようにして、該受渡しマイクロプレート(22)を、予め定められたポジションに移動させるためのものである、請求項13に記載のマイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項15】
プレートトレイ(61)が少なくとも1つの貫通孔(611)を持っており、該貫通孔は、該プレートトレイ(61)が前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を収容するときに、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)の底面側(212)に隣接するものである、請求項14に記載のマイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項16】
冷凍ボックス(4)の上面に配置されるプラットホーム(51)と、該プラットホーム(51)上に配置されるガントリーロボットとを、さらに有し、
プラットホーム(51)は貫通孔を有し、かつ、ガントリーロボットは、スタッカー(1、1’)または貯蔵ユニット(3、30)を把持するための把持手段を有し、
スタッカー(1、1’)または貯蔵ユニット(3、30)が、ガントリーロボットによって、該プラットホーム(51)の該貫通孔を通って冷凍ボックス(4)の外へ上昇することが可能になっており、かつ、スタッカー(1、1’)または貯蔵ユニット(3、30)が、ガントリーロボットによって、該プラットホーム(51)の該貫通孔を通って冷凍ボックス(4)内に降下することが可能になっている、請求項13〜15のいずれか1項に記載のマイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項17】
供給源マイクロプレートハンドリング設備(63)をさらに有し、
該供給源マイクロプレートハンドリング設備は、
取り出し手段(632)を持っており、該取り出し手段は、第1のスタッカー(1、1’)または第1の貯蔵ユニット(3、30)が上昇させられて冷凍ボックス(4)から出されるときに、第1のスタッカー(1、1’)から、または、第1の貯蔵ユニット(3、30)から、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を取り出すためのものであり、
収容手段(612、63)を持っており、該収容手段は、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)をプレートトレイ(61)へと移し、かつ、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)をプレートトレイ(61)上に収容するためのものであり、
載置手段(612、63)を持っており、該載置手段は、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を、プレートトレイ(61)から、第2のスタッカー(1、1’)または第2の貯蔵ユニット(3、30)へと移し、かつ、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を、第2のスタッカー(1、1’)または第2の貯蔵ユニット(3、30)内に載置するためのものである、
請求項14〜16のいずれか1項に記載のマイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項18】
受渡しマイクロプレートハンドリング設備(62)をさらに有し、該受渡しマイクロプレートハンドリング設備は、請求項1〜7のいずれか1項で規定される追加のスタッカー(1、1’)を持っており、かつ、載置手段(621、622、623)を持っており、該載置手段は、受渡しマイクロプレート(22)を前記追加のスタッカー(1、1’)へと移し、かつ、受渡しマイクロプレート(22)を前記追加のスタッカー(1、1’)内に載置するためのものである、
請求項13〜17のいずれか1項に記載のマイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項19】
一時的貯蔵器(8)をさらに有し、
ロボットアーム(7)が把持手段(73)を持っており、該把持手段は受渡しマイクロプレート(22)を把持するためのものであり、受渡しマイクロプレート(22)が、ロボットアーム(7)によって一時的貯蔵器(8)内へと移動可能になっている、請求項13〜18のいずれか1項に記載のマイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項20】
プラットホーム(51)に固く接続されている温度調節キャップ(52)をさらに有し、該温度調節キャップは、温度調節手段と、プレートトレイ(61)と、位置決め設備(62)と、ロボットアーム(7)と、ガントリーロボットとを囲っており、該温度調節キャップ(52)の内部が、温度調節手段によって、冷凍ボックス(4)の温度調節とは独立的に温度調節が可能になっている、請求項16〜19のいずれか1項に記載のマイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項21】
請求項13〜20のいずれか1項に記載のマイクロプレートハンドリングシステムのための低温室(9)であって、
当該低温室は、少なくとも第1の区画(91)と、第2の区画(41)と、第3の区画(92)と、乾燥空気調節システムとを有し、
第1の区画(91)は、上昇させた温度で運転され、該区画は、ドッキングポート(911)を持っており、該ドッキングポートは、マイクロプレートハンドリングシステムの冷凍ボックス(4)を低温室(9)内に積む込むためのものであり、かつ、マイクロプレートハンドリングシステムの冷凍ボックス(4)を低温室(9)から積み出すためのものであり、
第2の区画(41)は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスタッカー(1)を貯蔵するために、または、請求項6〜10のいずれか1項に記載の貯蔵ユニット(3、30)を貯蔵するために、低温で運転され、
第3の区画(92)は、自動化されたマイクロプレートハンドリングのために、中間の温度にて運転されている、
前記低温室。
【請求項22】
請求項13〜20のいずれか1項に記載のマイクロプレートハンドリングシステムを用いる、マイクロプレートハンドリング方法であって、
a)冷凍ボックス(4)を予め定められた温度範囲に温度調節するステップを有し、
b)複数のスタッカー(1、1’)を持った複数の貯蔵ユニット(3、30)を、冷凍ボックス(4)内に貯蔵するステップを有し、各々のスタッカーは、複数のマイクロチューブを持った複数の供給源マイクロプレート(21、22)を持っており、
c)貯蔵ユニット(3、30)に対応する空の第2の貯蔵ユニット(3、30)を提供するステップを有し、
d)受渡しマイクロプレート(22)を、位置決め設備(62)上に収容するステップを有し、
e)複数の貯蔵ユニット(3、30)のうちの1つの貯蔵ユニット(3、30)を、冷凍ボックス(4)から移動させて出すステップを有し、
f)少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を、対応する少なくとも1つのスタッカー(1、1’)の取り出しゲート(13)を通して、プレートトレイ(61)へと移すステップを有し、
g)受渡しマイクロプレート(22)とロボットアーム(7)とを同時に位置決めするステップであって、少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)の予め定められたマイクロチューブの底部側が、受渡しマイクロプレート(22)の予め定められた受け入れ手段のところで、該受渡しマイクロプレート(22)の上面側に隣り合って配置されるように位置決めし、かつ、ロボットアーム(7)の押し込み手段(74)が、予め定められたマイクロチューブの上面側に隣り合って配置されるように位置決めする、該ステップを有し、
h)予め定められたマイクロチューブを、少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)から、受渡しマイクロプレート(22)の予め定められた受け入れ手段内へ押し込んで入れるステップを有し、
i)少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)のすべての予め定められたマイクロチューブが、受渡しマイクロプレート(22)内に押し入れられるまで、ステップg)とh)とを繰り返すステップを有し、
j)少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を、第2の貯蔵ユニット(3、30)内へと移すステップを有し、
k)貯蔵ユニット(3、30)の全ての供給源マイクロプレート(21)が、第2の貯蔵ユニット(3、30)の内部に配置されるまで、ステップf)からj)までを繰り返すステップを有し、かつ、
l)第2の貯蔵ユニット(3、30)を、冷凍ボックス(4)内に移動するステップを有する、
前記マイクロプレートハンドリング方法。
【請求項1】
複数のマイクロプレート(21、22)を貯蔵するためのスタッカー(1、1’)であって、該複数のマイクロプレートは、各々、上面側(211)と、その上面側(211)の反対側にある底面側(212)とを有しており、
当該スタッカーは、ハウジングを有し、かつ、そのハウジングから複数のマイクロプレート(21、22)のうちの1つのマイクロプレート(21、22)を取り出すための取り出しゲート(13)を有し、
その特徴は、
該複数のマイクロプレート(21、22)のうちの1つのマイクロプレート(21,22)の上面側(211)が、該複数のマイクロプレート(21、22)の隣りのマイクロプレート(21,22)の底面側(212)に接するようにして、かつ、ハウジングが該複数のマイクロプレート(21、22)に隣接するようにして、当該スタッカー(1、1’)が、ハウジング内に複数のマイクロプレート(21,22)を収容するように構成されていることである、
前記スタッカー。
【請求項2】
ハウジングが、4つの実質的に垂直に配置された壁(11、12)を有し、該ハウジングが複数のマイクロプレート(21、22)を収容する場合に、各々の壁(11、12)が、複数のマイクロプレート(21、22)の各々のマイクロプレート(21、22)に接するものである、請求項1に記載のスタッカー(1、1’)。
【請求項3】
各々の壁(11、12)が起伏部分(111、121)を有し、該起伏部分が、複数のマイクロプレート(21、22)のうちの各々のマイクロプレート(21、22)に接するものである、請求項2に記載のスタッカー(1、1’)。
【請求項4】
ハウジングの開口した長手方向端部に、取り出しゲート(13)が配置されており、
該取り出しゲート(13)は、ハウジングの内側に複数のマイクロプレート(21、22)を保持するための保持手段(131)を持っており、当該スタッカー(1、1’)が閉状態である場合に、該保持手段(131)が、ハウジングの内部の方へ向かって、該開口した長手方向端部の縁(112)の上方へ突き出している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスタッカー(1、1’)。
【請求項5】
保持手段(131)が弾性を持つように構成され、該保持手段は、当該スタッカー(1、1’)が閉状態である場合には弛緩した状態にあり、かつ、当該スタッカー(1、1’)が開状態である場合にはテンションがかかった状態にあるようになっている、請求項4に記載のスタッカー(1、1’)。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のスタッカー(1、1’)を複数相互に固定するように連結したものを有する貯蔵ユニット(3、30)であって、
各々のスタッカー(1、1’)が、その隣のスタッカー(1、1’)に接している、
前記貯蔵ユニット。
【請求項7】
スタッカー(1、1’)が一列に配置されている、請求項6に記載の貯蔵ユニット(3、30)。
【請求項8】
各々のスタッカー(1、1’)の底の端部に接続された底部プレート(310)を、さらに有する、請求項6または7に記載の貯蔵ユニット(3、30)。
【請求項9】
底部プレート(310)が、マイクロプレート(21、22)を当該貯蔵ユニット(3、30)から取り出すための複数の取り出し開口部を有し、それぞれの取り出し開口部が、複数のスタッカー(1、1’)のうちの1つのスタッカーの取り出しゲート(13)に隣接して配置されている、請求項8に記載の貯蔵ユニット(3、30)。
【請求項10】
上昇させる手段(16、160)をさらに有する、請求項6〜9のいずれか1項に記載の貯蔵ユニット(3、30)。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のスタッカー(1、1’)を温度調節するための、または、請求6〜10のいずれか1項に記載の貯蔵ユニット(3、30)を温度調節するための、冷凍ボックス(4)であって、当該冷凍ボックスは、
スタッカー(1、1’)または貯蔵ユニット(3、30)を収容するために配置された温度調節可能な内部(41)を持ち、かつ、
上面側または前面側に開口部(411)を持っており、該開口部は、当該冷凍ボックス(4)の内部へまたは当該冷凍ボックス(4)の内部から外へ、スタッカー(1、1’)または貯蔵ユニット(3、30)を受け入れ、かつ、取り出すためのものである、
前記冷凍ボックス。
【請求項12】
直平行六面体体の形状を有し、かつ、複数の立坑(41)を有し、
各立坑(41)は、その開口端部(411)を当該冷凍ボックス(4)の上面側に有し、かつ、各立坑(41)は、スタッカー(1、1’)または貯蔵ユニット(3、30)を収容するために配置されている、請求項11に記載の冷凍ボックス(4)。
【請求項13】
マイクロプレートハンドリングシステムであって、請求項11または12に記載の冷凍ボックス(4)と、プレートトレイ(61)と、位置決め設備(62)と、ロボットアーム(7)とを有し、
プレートトレイ(61)と位置決め設備(62)は、複数のマイクロチューブを持った少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)と、受渡しマイクロプレート(22)とを、収容するために配置され、前記受渡しマイクロプレート(22)の上面側が、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)の底面側(212)に向き合うように配置可能であり、
位置決め設備(62)は、移動手段(621、622、623)を有しており、該移動手段は、プレートトレイ(61)と位置決め設備(62)とが、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)と前記受渡しマイクロプレート(22)とを収容するときに、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)と前記受渡しマイクロプレート(22)とを、互いに対して平行に予め定められた位置へと移動させるためのものであり、
ロボットアーム(7)は、押し込み手段(74)を有しており、該押し込み手段は、プレートトレイ(61)と位置決め設備(62)とが、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)と前記受渡しマイクロプレート(22)とを収容しているときに、かつ、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)と前記受渡しマイクロプレート(22)とが移動手段(621、622、623)によって予め定められた位置へと移動したときに、複数のマイクロチューブのうちの予め定められたマイクロチューブを、前記少なくとも1つの供給源(21)から受渡しマイクロプレート(22)内へと押し込むためのものである、
前記マイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を予め定められた位置に固定して収容するために、プレートトレイ(61)が配置されており、かつ、
前記受渡しマイクロプレート(22)を移動可能に収容するために、位置決め設備(62)が配置されており、
位置決め設備(62)の移動手段(621、622、263)が配置されており、該移動手段は、位置決め設備(62)が前記受渡しマイクロプレート(22)を収容し、かつ、プレートトレイ(61)が前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を収容するときに、受渡しマイクロプレート(22)の上面側を、少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)の底面側(212)に平行になるようにして、該受渡しマイクロプレート(22)を、予め定められたポジションに移動させるためのものである、請求項13に記載のマイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項15】
プレートトレイ(61)が少なくとも1つの貫通孔(611)を持っており、該貫通孔は、該プレートトレイ(61)が前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を収容するときに、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)の底面側(212)に隣接するものである、請求項14に記載のマイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項16】
冷凍ボックス(4)の上面に配置されるプラットホーム(51)と、該プラットホーム(51)上に配置されるガントリーロボットとを、さらに有し、
プラットホーム(51)は貫通孔を有し、かつ、ガントリーロボットは、スタッカー(1、1’)または貯蔵ユニット(3、30)を把持するための把持手段を有し、
スタッカー(1、1’)または貯蔵ユニット(3、30)が、ガントリーロボットによって、該プラットホーム(51)の該貫通孔を通って冷凍ボックス(4)の外へ上昇することが可能になっており、かつ、スタッカー(1、1’)または貯蔵ユニット(3、30)が、ガントリーロボットによって、該プラットホーム(51)の該貫通孔を通って冷凍ボックス(4)内に降下することが可能になっている、請求項13〜15のいずれか1項に記載のマイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項17】
供給源マイクロプレートハンドリング設備(63)をさらに有し、
該供給源マイクロプレートハンドリング設備は、
取り出し手段(632)を持っており、該取り出し手段は、第1のスタッカー(1、1’)または第1の貯蔵ユニット(3、30)が上昇させられて冷凍ボックス(4)から出されるときに、第1のスタッカー(1、1’)から、または、第1の貯蔵ユニット(3、30)から、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を取り出すためのものであり、
収容手段(612、63)を持っており、該収容手段は、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)をプレートトレイ(61)へと移し、かつ、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)をプレートトレイ(61)上に収容するためのものであり、
載置手段(612、63)を持っており、該載置手段は、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を、プレートトレイ(61)から、第2のスタッカー(1、1’)または第2の貯蔵ユニット(3、30)へと移し、かつ、前記少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を、第2のスタッカー(1、1’)または第2の貯蔵ユニット(3、30)内に載置するためのものである、
請求項14〜16のいずれか1項に記載のマイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項18】
受渡しマイクロプレートハンドリング設備(62)をさらに有し、該受渡しマイクロプレートハンドリング設備は、請求項1〜7のいずれか1項で規定される追加のスタッカー(1、1’)を持っており、かつ、載置手段(621、622、623)を持っており、該載置手段は、受渡しマイクロプレート(22)を前記追加のスタッカー(1、1’)へと移し、かつ、受渡しマイクロプレート(22)を前記追加のスタッカー(1、1’)内に載置するためのものである、
請求項13〜17のいずれか1項に記載のマイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項19】
一時的貯蔵器(8)をさらに有し、
ロボットアーム(7)が把持手段(73)を持っており、該把持手段は受渡しマイクロプレート(22)を把持するためのものであり、受渡しマイクロプレート(22)が、ロボットアーム(7)によって一時的貯蔵器(8)内へと移動可能になっている、請求項13〜18のいずれか1項に記載のマイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項20】
プラットホーム(51)に固く接続されている温度調節キャップ(52)をさらに有し、該温度調節キャップは、温度調節手段と、プレートトレイ(61)と、位置決め設備(62)と、ロボットアーム(7)と、ガントリーロボットとを囲っており、該温度調節キャップ(52)の内部が、温度調節手段によって、冷凍ボックス(4)の温度調節とは独立的に温度調節が可能になっている、請求項16〜19のいずれか1項に記載のマイクロプレートハンドリングシステム。
【請求項21】
請求項13〜20のいずれか1項に記載のマイクロプレートハンドリングシステムのための低温室(9)であって、
当該低温室は、少なくとも第1の区画(91)と、第2の区画(41)と、第3の区画(92)と、乾燥空気調節システムとを有し、
第1の区画(91)は、上昇させた温度で運転され、該区画は、ドッキングポート(911)を持っており、該ドッキングポートは、マイクロプレートハンドリングシステムの冷凍ボックス(4)を低温室(9)内に積む込むためのものであり、かつ、マイクロプレートハンドリングシステムの冷凍ボックス(4)を低温室(9)から積み出すためのものであり、
第2の区画(41)は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスタッカー(1)を貯蔵するために、または、請求項6〜10のいずれか1項に記載の貯蔵ユニット(3、30)を貯蔵するために、低温で運転され、
第3の区画(92)は、自動化されたマイクロプレートハンドリングのために、中間の温度にて運転されている、
前記低温室。
【請求項22】
請求項13〜20のいずれか1項に記載のマイクロプレートハンドリングシステムを用いる、マイクロプレートハンドリング方法であって、
a)冷凍ボックス(4)を予め定められた温度範囲に温度調節するステップを有し、
b)複数のスタッカー(1、1’)を持った複数の貯蔵ユニット(3、30)を、冷凍ボックス(4)内に貯蔵するステップを有し、各々のスタッカーは、複数のマイクロチューブを持った複数の供給源マイクロプレート(21、22)を持っており、
c)貯蔵ユニット(3、30)に対応する空の第2の貯蔵ユニット(3、30)を提供するステップを有し、
d)受渡しマイクロプレート(22)を、位置決め設備(62)上に収容するステップを有し、
e)複数の貯蔵ユニット(3、30)のうちの1つの貯蔵ユニット(3、30)を、冷凍ボックス(4)から移動させて出すステップを有し、
f)少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を、対応する少なくとも1つのスタッカー(1、1’)の取り出しゲート(13)を通して、プレートトレイ(61)へと移すステップを有し、
g)受渡しマイクロプレート(22)とロボットアーム(7)とを同時に位置決めするステップであって、少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)の予め定められたマイクロチューブの底部側が、受渡しマイクロプレート(22)の予め定められた受け入れ手段のところで、該受渡しマイクロプレート(22)の上面側に隣り合って配置されるように位置決めし、かつ、ロボットアーム(7)の押し込み手段(74)が、予め定められたマイクロチューブの上面側に隣り合って配置されるように位置決めする、該ステップを有し、
h)予め定められたマイクロチューブを、少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)から、受渡しマイクロプレート(22)の予め定められた受け入れ手段内へ押し込んで入れるステップを有し、
i)少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)のすべての予め定められたマイクロチューブが、受渡しマイクロプレート(22)内に押し入れられるまで、ステップg)とh)とを繰り返すステップを有し、
j)少なくとも1つの供給源マイクロプレート(21)を、第2の貯蔵ユニット(3、30)内へと移すステップを有し、
k)貯蔵ユニット(3、30)の全ての供給源マイクロプレート(21)が、第2の貯蔵ユニット(3、30)の内部に配置されるまで、ステップf)からj)までを繰り返すステップを有し、かつ、
l)第2の貯蔵ユニット(3、30)を、冷凍ボックス(4)内に移動するステップを有する、
前記マイクロプレートハンドリング方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−292461(P2008−292461A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−67775(P2008−67775)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−67775(P2008−67775)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
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