スタブ管溶接ヘッド
【課題】スタブ管をヘッダ管に溶接することができ、かつ溶接ヘッドを溶接線に直交する方向に往復動するウィービング動作が可能であるスタブ管溶接ヘッドを提供する。
【解決手段】対象物に一端が固定されたスタブ管1の端部全周を溶接するためのスタブ管溶接ヘッド10であって、スタブ管の軸線が仮想軸線3上に位置する場合に、スタブ管を間隔を隔てて囲む第1開口22と第1開口と外部空間とを連通しスタブ管が通過可能な第1スロット24とを有するヘッド本体20と、ヘッド本体に仮想軸線3を中心に旋回駆動可能に取り付けられ、第1開口と整合してスタブ管を間隔を隔てて囲む第2開口32と第2開口と外部空間とを連通しスタブ管が通過可能な第2スロット34とを有する旋回部材30と、旋回部材に仮想軸線3に対して半径方向に揺動駆動可能に取り付けられた溶接トーチ40とを備える。
【解決手段】対象物に一端が固定されたスタブ管1の端部全周を溶接するためのスタブ管溶接ヘッド10であって、スタブ管の軸線が仮想軸線3上に位置する場合に、スタブ管を間隔を隔てて囲む第1開口22と第1開口と外部空間とを連通しスタブ管が通過可能な第1スロット24とを有するヘッド本体20と、ヘッド本体に仮想軸線3を中心に旋回駆動可能に取り付けられ、第1開口と整合してスタブ管を間隔を隔てて囲む第2開口32と第2開口と外部空間とを連通しスタブ管が通過可能な第2スロット34とを有する旋回部材30と、旋回部材に仮想軸線3に対して半径方向に揺動駆動可能に取り付けられた溶接トーチ40とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタブ管をヘッダ管に溶接するためのスタブ管溶接ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラのヘッダ(集合管)には複数のスタブ管(伝熱管)が溶接される。スタブ管は、10〜20cm程度の長さの短尺スタブ管と、それより長い長尺スタブ管とに区分される。
短尺スタブ管は、ヘッダへの溶接の際に、溶接ヘッドの移動領域に管が存在しないため溶接が容易である。しかし、短尺スタブ管は、ヘッダへの溶接後に他のスタブ管に溶接する必要があるため、溶接箇所が多い問題点がある。
一方、長尺スタブ管は、短尺スタブ管と比較して溶接箇所が少ない利点がある。しかし、長尺スタブ管は、ヘッダへの溶接の際に、溶接ヘッドの移動領域に管が存在するため溶接が困難となる問題点がある。
【0003】
そこで、長尺スタブ管をヘッダ管に溶接する溶接手段が、種々提案されている(例えば、特許文献1〜4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−189094号公報、「管の溶接装置」
【特許文献2】特開平10−193112号公報、「スタブ管自動溶接装置」
【特許文献3】特開平11−90631号公報、「スタブ管自動溶接方法」
【特許文献4】特許第2629931号公報、「ヘッダへの管溶接装置」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
長尺スタブ管をヘッダ管に溶接する場合、溶接部の信頼性を高めるために、溶接ヘッドを溶接線に直交する方向に往復動するウィービング動作が通常要求される。
しかし、特許文献1〜3の装置では、ウィービング動作ができず、溶接部の信頼性向上の余地があった。
【0006】
また、特許文献4の管溶接装置では、ノズルチップを所定の曲率で屈曲するように形成した湾曲トーチと、ノズルチップを湾曲トーチの軸心を軸として回動する回動機構とを備え、湾曲トーチを軸心周りに回転させることでウィービング動作を擬似的に実現している。
しかし、このウィービング動作は、溶接ヘッドが溶接線に対して斜めに揺動するため、溶接ビードの制御が難しく、信頼性の高い溶接の実現に余地があった。
【0007】
そのため、長尺スタブ管の溶接において、溶接ビードの制御が容易であり、溶接部の信頼性を高めることができるウィービング動作の実現が望まれていた。
【0008】
また、特許文献4の管溶接装置では、湾曲トーチがヘッダ管のまわりを公転し、かつ軸心周りに自転するため、湾曲トーチが2つの回転軸の先端にあり、これに給電する可動接触部が2箇所以上となり、可動接触部でノイズの発生に改善の余地があった。
そのため、長尺スタブ管の溶接において、高品質な電気アーク溶接が可能なデジタルアーク溶接の適用が望まれていた。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の第1の目的は、スタブ管をヘッダ管に溶接することができ、かつ溶接ヘッドを溶接線に直交する方向に往復動するウィービング動作が可能であるスタブ管溶接ヘッドを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、ノイズの発生を抑制してデジタルアーク溶接の適用が可能であるスタブ管溶接ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、対象物に一端が固定されたスタブ管の端部全周を溶接するためのスタブ管溶接ヘッドであって、
スタブ管の軸線が仮想軸線上に位置する場合に、前記スタブ管を間隔を隔てて囲む第1開口と、第1開口と外部空間とを連通しスタブ管が通過可能な第1スロットとを有するヘッド本体と、
ヘッド本体に前記仮想軸線を中心に旋回駆動可能に取り付けられ、第1開口と整合して前記スタブ管を間隔を隔てて囲む第2開口と、第2開口と外部空間とを連通しスタブ管が通過可能な第2スロットとを有する旋回部材と、
旋回部材に前記仮想軸線に対して半径方向に揺動駆動可能に取り付けられた溶接トーチと、を備えたことを特徴とするスタブ管溶接ヘッドが提供される。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記溶接トーチに溶接ワイヤを供給する溶接ワイヤ供給管と、
溶接ワイヤ供給管を通して溶接トーチに接続された電力ケーブルとを備え、
電力ケーブルは、旋回部材の1回又は2回の旋回に追従可能な柔軟性を有する複数の導電線からなる。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明の構成によれば、旋回部材の第2スロットがヘッド本体の第1スロットと整合した状態でロボット等によりヘッド本体を移動し、2つのスロットをスタブ管が通過して、互いに整合する第1開口と第2開口の仮想軸線上又はその近傍にスタブ管の軸線を位置決めすることができる。
【0013】
また、溶接トーチが旋回部材に取り付けられているので、この状態で旋回部材を旋回駆動することで、溶接トーチによりスタブ管をヘッダ管に溶接することができる。
【0014】
さらに、溶接トーチは、仮想軸線に対して半径方向に揺動駆動可能であるので、溶接中に溶接トーチが溶接線に直交する方向に往復動するウィービング動作が可能である。
従って、ウィービング動作が通常の溶接ウィービングと同様であるため、溶接ビードの制御が容易になると共に、従来汎用ロボットなどを用いて行っていた溶接条件から容易に移行することが可能となる。
【0015】
また、本発明の実施形態によれば、溶接ワイヤ供給管を通して溶接トーチに接続された電力ケーブルを備え、電力ケーブルは、旋回部材の1回又は2回の旋回に追従可能な柔軟性を有する複数の導電線からなるので、旋回部材の旋回を周方向に180度又は360度の範囲で往復動させることにより、ノイズが発生しやすい可動接触部を介さずに溶接トーチに電力を供給できる。
従って、ノイズの発生が抑制でき、給電が安定化するので、近年主流となっているデジタル制御の溶接電源を用いた場合のパルスなどのアークコントロールをノイズ無く信号伝達することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のスタブ管溶接ヘッドを下方から見た斜視図である。
【図2】図1の下面図である。
【図3】図1の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明のスタブ管溶接ヘッドを下方から見た斜視図である。
本発明のスタブ管溶接ヘッド10は、対象物に一端が固定されたスタブ管1の端部全周を溶接するための溶接ヘッドである。
対象物は、例えばボイラのヘッダ(集合管)である。
スタブ管1は、この例では長尺スタブ管であるが、短尺スタブ管であってもよい。
【0019】
図1において、本発明のスタブ管溶接ヘッド10は、ヘッド本体20、旋回部材30、及び溶接トーチ40を備える。
【0020】
ヘッド本体20は、この例では多角形の平板であり、その上面に吊り金具21が固定され、吊り金具21の上端はロボットアーム(図示せず)の先端に固定されている。
ロボットアームはロボット制御装置(図示せず)により3次元空間内で位置と姿勢を数値制御され、ヘッド本体20の位置と姿勢をスタブ管1に対して自由に制御できるようになっている。
【0021】
図2は、図1の下面図であり、図3は図1の側面図である。
【0022】
図1〜図3において、仮想軸線3は、スタブ管1が予め設定した位置に位置する際のスタブ管1の軸線である。すなわち、仮想軸線3は、スタブ管溶接ヘッド10に対して設定された仮想上の軸線であるが、スタブ管1が予め設定した位置に位置する場合には、スタブ管1の軸線に一致する。
なお、本発明のスタブ管溶接ヘッド10の使用時において、スタブ管1の軸線が仮想軸線3に一致することは必須ではなく、干渉を避けられる範囲で不一致であってもよい。
【0023】
ヘッド本体20は、スタブ管1の軸線が仮想軸線3上に位置する場合に、スタブ管1を間隔を隔てて囲む第1開口22と、第1開口22と外部空間とを連通しスタブ管1が通過可能な第1スロット24とを有する。第1開口22と第1スロット24は連続してU字型の開口を形成している。
ヘッド本体20は、この例では異形8角形の平板であるが、その他の形状であってもよい。
第1開口22は、この例では円形孔であるが、その他の形状であってもよい。
第1スロット24は、この例では円形孔の直径に相当する幅を有するが、スタブ管1が通過可能である限りで、相違してもよい。
【0024】
旋回部材30は、第1開口22と整合してスタブ管1を間隔を隔てて囲む第2開口32と、第2開口32と外部空間とを連通しスタブ管1が通過可能な第2スロット34とを有する。第2開口32と第2スロット34は連続してU字型の開口を形成している。
第2開口32は、この例では第1開口22と同一の円形孔であるが、その他の形状であってもよい。
第2スロット34は、この例では第1スロット24と同様に円形孔の直径に相当する幅を有するが、スタブ管1が通過可能である限りで、相違してもよい。
【0025】
旋回部材30は、ヘッド本体20に仮想軸線3を中心に旋回駆動可能に取り付けられている。
旋回部材30は、仮想軸線3を中心とする円板形状であり、その外周面に仮想軸線3を中心とするV字断面を有する案内部30aと歯付きプーリ部30bとを有する。
【0026】
複数(この例で6つ)のVガイドローラ31が、ヘッド本体20の下面に仮想軸線3と平行な軸心を中心に回転可能に取り付けられており、複数のVガイドローラ31のV型外面と案内部30aのV字断面とが嵌合することで、旋回部材30を仮想軸線3を中心に旋回可能に案内している。
複数のVガイドローラ31は、仮想軸線3を中心に周方向に等間隔又はほぼ等間隔に配置され、そのうちの1つのVガイドローラ31が、旋回部材30の第2スロット34に位置する場合でも、その他のVガイドローラ31により旋回部材30を旋回可能に案内できるように、第2スロット34の寸法が設定されている。
【0027】
複数(この例で4つ)のタイミングベルト用のアイドラー33が、ヘッド本体20の下面に仮想軸線3と平行な軸心を中心に回転可能に取り付けられている。
また、タイミングベルト駆動用の駆動プーリ35が、ヘッド本体20の下面に仮想軸線3と平行な軸心を中心に旋回駆動モータ36で回転駆動可能に取り付けられている。
【0028】
さらに、タイミングベルト37が、複数のアイドラー33と駆動プーリ35との間で、その歯が外側を向くようにエンドレスに掛け渡されている。
複数のアイドラー33は、タイミングベルト37の一部が旋回部材30の歯付きプーリ部30bと歯合するように配置されている。
また、タイミングベルト37と旋回部材30の歯付きプーリ部30bとが歯合する範囲(周方向角度範囲)は、旋回部材30の第2スロット34がタイミングベルト37側に位置するときでも、旋回部材30を旋回駆動できるように、第2スロット34の周方向角度範囲よりも大きく設定されている。
【0029】
上述した構成により、旋回部材30を、ヘッド本体20に仮想軸線3を中心に案内しかつ360度以上にわたり旋回駆動することができる。
なお、Vガイドローラ31でなく、ローラの組み合わせにより、旋回部材30を仮想軸線3を中心に案内してもよい。
また、タイミングベルト37以外のチェーン、歯車等により、旋回部材30を旋回駆動してもよい。
【0030】
溶接トーチ40は、旋回部材30に仮想軸線3に対して半径方向に揺動駆動可能に取り付けられている。
溶接トーチ40は、スタブ管1が予め設定した位置に位置し、仮想軸線3がスタブ管1の軸線に一致するときに、溶接トーチ40から軸方向に供給された溶接ワイヤ4がスタブ管1の溶接部近傍に位置するように湾曲した湾曲トーチであるのがよい。
【0031】
図3に示すように、溶接トーチ40は、旋回部材30に揺動可能に取り付けられた揺動軸42を有する。また、旋回部材30に取り付けられた揺動駆動モータ44と、揺動駆動モータ44の出力軸44aの揺動を揺動軸42に伝達する動力伝達機構46とを有する。
動力伝達機構46は、この例では、1対の歯車46a,46bからなる。1対の歯車46a,46bはこの例では揺動に必要な範囲以外が切除されている。
なお、動力伝達機構46は、歯車に限定されず、リンク機構でもカム機構でもよい。
【0032】
上述した構成により、揺動駆動モータ44の出力軸44aの正転と逆転を繰り返すことにより、溶接トーチ40を仮想軸線3に対して半径方向に揺動駆動することができる。
溶接トーチ40の揺動範囲は、例えばリミットスイッチ(図示せず)で制御することができる。また、揺動駆動モータ44を数値制御して溶接トーチ40の揺動範囲を任意に制御してもよい。
【0033】
図3において、本発明のスタブ管溶接ヘッド10は、さらに溶接トーチ40に溶接ワイヤ4を供給する溶接ワイヤ供給管48と、溶接ワイヤ供給管48を通して溶接トーチ40に接続された電力ケーブル50とを備える。
電力ケーブル50は、旋回部材30の1回又は2回の旋回に追従可能な柔軟性を有する複数の導電線50aからなる。
【0034】
上述したように、本発明の旋回部材30のタイミングベルト37との接触部(周方向角度範囲)は開口部(第2スロット34)より大きくとってあるため、旋回部材30は仮想軸線3を中心に360度以上の旋回が可能となっている。
また旋回部材30は、周辺6点で、Vガイドローラ31に支持されており、これらのVガイドローラ31の接触間隔も開口部(第2スロット34)より広く取ることで、6箇所のうち、最低でも常に5箇所のVガイドローラ31で旋回部材30は支持される構造となっている。
【0035】
さらに旋回部材30の下方には軸受に支持されて、歯車46a,46bで駆動可能な湾曲トーチ(溶接トーチ40)が取り付けてある。揺動駆動モータ44は歯車46a,46bを介して上方に配置してあり、揺動駆動モータ44を正転、逆転と往復運転することで、湾曲トーチ40の先端部が揺動運動し、これによりウィービング動作が可能となる。
【0036】
湾曲トーチ40は溶接電流の回りこみを避けるために溶接ヘッドとは電気的に絶縁されており、溶接熱、スパッタ、ヒューム対策として耐熱プラスチックによる反射板の設置、各モータカバー、モータ取付部には耐熱プラスチックを挟みこむ、耐熱ベアリングを使用する、などの対策をとるのが好ましい。
【0037】
上述した本発明の構成によれば、旋回部材30の第2スロット34がヘッド本体20の第1スロット24と整合した状態でロボット等によりヘッド本体20を移動し、2つのスロット24,34をスタブ管1が通過して、互いに整合する第1開口22と第2開口24の仮想軸線3上又はその近傍にスタブ管1の軸線を位置決めすることができる。
また、溶接トーチ40が旋回部材30に取り付けられているので、この状態で旋回部材30を旋回駆動することで、溶接トーチ40によりスタブ管1をヘッダ管に溶接することができる。
【0038】
さらに、溶接トーチ40は、仮想軸線3に対して半径方向に揺動駆動可能であるので、溶接中に溶接トーチ40が溶接線に直交する方向に往復動するウィービング動作が可能である。
従って、ウィービング動作が通常の溶接ウィービングと同様であるため、溶接ビードの制御が容易になると共に、従来汎用ロボットなどを用いて行っていた溶接条件から容易に移行することが可能となる。
【0039】
また、本発明の実施形態によれば、溶接ワイヤ供給管48を通して溶接トーチ40に接続された電力ケーブル50を備え、電力ケーブル50は、旋回部材30の1回又は2回の旋回に追従可能な柔軟性を有する複数の導電線50aからなるので、旋回部材30の旋回を周方向に180度又は360度の範囲で往復動させることにより、ノイズが発生しやすい可動接触部を介さずに溶接トーチ40に電力を供給できる。
従って、ノイズの発生が抑制でき、給電が安定化するので、近年主流となっているデジタル制御の溶接電源を用いた場合のパルスなどのアークコントロールをノイズ無く信号伝達することが可能となる。
【0040】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0041】
1 スタブ管、3 仮想軸線、4 溶接ワイヤ、
10 スタブ管溶接ヘッド、
20 ヘッド本体、21 吊り金具、
22 第1開口、24 第1スロット、
30 旋回部材、30a 案内部、30b 歯付きプーリ部、
31 Vガイドローラ、32 第2開口、
33 アイドラー、34 第2スロット、
35 駆動プーリ、36 旋回駆動モータ、37 タイミングベルト、
40 溶接トーチ(湾曲トーチ)、42 揺動軸、
44 揺動駆動モータ、46 動力伝達機構、
46a,46b 歯車、48 溶接ワイヤ供給管、
50 電力ケーブル、50a 導電線
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタブ管をヘッダ管に溶接するためのスタブ管溶接ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラのヘッダ(集合管)には複数のスタブ管(伝熱管)が溶接される。スタブ管は、10〜20cm程度の長さの短尺スタブ管と、それより長い長尺スタブ管とに区分される。
短尺スタブ管は、ヘッダへの溶接の際に、溶接ヘッドの移動領域に管が存在しないため溶接が容易である。しかし、短尺スタブ管は、ヘッダへの溶接後に他のスタブ管に溶接する必要があるため、溶接箇所が多い問題点がある。
一方、長尺スタブ管は、短尺スタブ管と比較して溶接箇所が少ない利点がある。しかし、長尺スタブ管は、ヘッダへの溶接の際に、溶接ヘッドの移動領域に管が存在するため溶接が困難となる問題点がある。
【0003】
そこで、長尺スタブ管をヘッダ管に溶接する溶接手段が、種々提案されている(例えば、特許文献1〜4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−189094号公報、「管の溶接装置」
【特許文献2】特開平10−193112号公報、「スタブ管自動溶接装置」
【特許文献3】特開平11−90631号公報、「スタブ管自動溶接方法」
【特許文献4】特許第2629931号公報、「ヘッダへの管溶接装置」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
長尺スタブ管をヘッダ管に溶接する場合、溶接部の信頼性を高めるために、溶接ヘッドを溶接線に直交する方向に往復動するウィービング動作が通常要求される。
しかし、特許文献1〜3の装置では、ウィービング動作ができず、溶接部の信頼性向上の余地があった。
【0006】
また、特許文献4の管溶接装置では、ノズルチップを所定の曲率で屈曲するように形成した湾曲トーチと、ノズルチップを湾曲トーチの軸心を軸として回動する回動機構とを備え、湾曲トーチを軸心周りに回転させることでウィービング動作を擬似的に実現している。
しかし、このウィービング動作は、溶接ヘッドが溶接線に対して斜めに揺動するため、溶接ビードの制御が難しく、信頼性の高い溶接の実現に余地があった。
【0007】
そのため、長尺スタブ管の溶接において、溶接ビードの制御が容易であり、溶接部の信頼性を高めることができるウィービング動作の実現が望まれていた。
【0008】
また、特許文献4の管溶接装置では、湾曲トーチがヘッダ管のまわりを公転し、かつ軸心周りに自転するため、湾曲トーチが2つの回転軸の先端にあり、これに給電する可動接触部が2箇所以上となり、可動接触部でノイズの発生に改善の余地があった。
そのため、長尺スタブ管の溶接において、高品質な電気アーク溶接が可能なデジタルアーク溶接の適用が望まれていた。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の第1の目的は、スタブ管をヘッダ管に溶接することができ、かつ溶接ヘッドを溶接線に直交する方向に往復動するウィービング動作が可能であるスタブ管溶接ヘッドを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、ノイズの発生を抑制してデジタルアーク溶接の適用が可能であるスタブ管溶接ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、対象物に一端が固定されたスタブ管の端部全周を溶接するためのスタブ管溶接ヘッドであって、
スタブ管の軸線が仮想軸線上に位置する場合に、前記スタブ管を間隔を隔てて囲む第1開口と、第1開口と外部空間とを連通しスタブ管が通過可能な第1スロットとを有するヘッド本体と、
ヘッド本体に前記仮想軸線を中心に旋回駆動可能に取り付けられ、第1開口と整合して前記スタブ管を間隔を隔てて囲む第2開口と、第2開口と外部空間とを連通しスタブ管が通過可能な第2スロットとを有する旋回部材と、
旋回部材に前記仮想軸線に対して半径方向に揺動駆動可能に取り付けられた溶接トーチと、を備えたことを特徴とするスタブ管溶接ヘッドが提供される。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記溶接トーチに溶接ワイヤを供給する溶接ワイヤ供給管と、
溶接ワイヤ供給管を通して溶接トーチに接続された電力ケーブルとを備え、
電力ケーブルは、旋回部材の1回又は2回の旋回に追従可能な柔軟性を有する複数の導電線からなる。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明の構成によれば、旋回部材の第2スロットがヘッド本体の第1スロットと整合した状態でロボット等によりヘッド本体を移動し、2つのスロットをスタブ管が通過して、互いに整合する第1開口と第2開口の仮想軸線上又はその近傍にスタブ管の軸線を位置決めすることができる。
【0013】
また、溶接トーチが旋回部材に取り付けられているので、この状態で旋回部材を旋回駆動することで、溶接トーチによりスタブ管をヘッダ管に溶接することができる。
【0014】
さらに、溶接トーチは、仮想軸線に対して半径方向に揺動駆動可能であるので、溶接中に溶接トーチが溶接線に直交する方向に往復動するウィービング動作が可能である。
従って、ウィービング動作が通常の溶接ウィービングと同様であるため、溶接ビードの制御が容易になると共に、従来汎用ロボットなどを用いて行っていた溶接条件から容易に移行することが可能となる。
【0015】
また、本発明の実施形態によれば、溶接ワイヤ供給管を通して溶接トーチに接続された電力ケーブルを備え、電力ケーブルは、旋回部材の1回又は2回の旋回に追従可能な柔軟性を有する複数の導電線からなるので、旋回部材の旋回を周方向に180度又は360度の範囲で往復動させることにより、ノイズが発生しやすい可動接触部を介さずに溶接トーチに電力を供給できる。
従って、ノイズの発生が抑制でき、給電が安定化するので、近年主流となっているデジタル制御の溶接電源を用いた場合のパルスなどのアークコントロールをノイズ無く信号伝達することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のスタブ管溶接ヘッドを下方から見た斜視図である。
【図2】図1の下面図である。
【図3】図1の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明のスタブ管溶接ヘッドを下方から見た斜視図である。
本発明のスタブ管溶接ヘッド10は、対象物に一端が固定されたスタブ管1の端部全周を溶接するための溶接ヘッドである。
対象物は、例えばボイラのヘッダ(集合管)である。
スタブ管1は、この例では長尺スタブ管であるが、短尺スタブ管であってもよい。
【0019】
図1において、本発明のスタブ管溶接ヘッド10は、ヘッド本体20、旋回部材30、及び溶接トーチ40を備える。
【0020】
ヘッド本体20は、この例では多角形の平板であり、その上面に吊り金具21が固定され、吊り金具21の上端はロボットアーム(図示せず)の先端に固定されている。
ロボットアームはロボット制御装置(図示せず)により3次元空間内で位置と姿勢を数値制御され、ヘッド本体20の位置と姿勢をスタブ管1に対して自由に制御できるようになっている。
【0021】
図2は、図1の下面図であり、図3は図1の側面図である。
【0022】
図1〜図3において、仮想軸線3は、スタブ管1が予め設定した位置に位置する際のスタブ管1の軸線である。すなわち、仮想軸線3は、スタブ管溶接ヘッド10に対して設定された仮想上の軸線であるが、スタブ管1が予め設定した位置に位置する場合には、スタブ管1の軸線に一致する。
なお、本発明のスタブ管溶接ヘッド10の使用時において、スタブ管1の軸線が仮想軸線3に一致することは必須ではなく、干渉を避けられる範囲で不一致であってもよい。
【0023】
ヘッド本体20は、スタブ管1の軸線が仮想軸線3上に位置する場合に、スタブ管1を間隔を隔てて囲む第1開口22と、第1開口22と外部空間とを連通しスタブ管1が通過可能な第1スロット24とを有する。第1開口22と第1スロット24は連続してU字型の開口を形成している。
ヘッド本体20は、この例では異形8角形の平板であるが、その他の形状であってもよい。
第1開口22は、この例では円形孔であるが、その他の形状であってもよい。
第1スロット24は、この例では円形孔の直径に相当する幅を有するが、スタブ管1が通過可能である限りで、相違してもよい。
【0024】
旋回部材30は、第1開口22と整合してスタブ管1を間隔を隔てて囲む第2開口32と、第2開口32と外部空間とを連通しスタブ管1が通過可能な第2スロット34とを有する。第2開口32と第2スロット34は連続してU字型の開口を形成している。
第2開口32は、この例では第1開口22と同一の円形孔であるが、その他の形状であってもよい。
第2スロット34は、この例では第1スロット24と同様に円形孔の直径に相当する幅を有するが、スタブ管1が通過可能である限りで、相違してもよい。
【0025】
旋回部材30は、ヘッド本体20に仮想軸線3を中心に旋回駆動可能に取り付けられている。
旋回部材30は、仮想軸線3を中心とする円板形状であり、その外周面に仮想軸線3を中心とするV字断面を有する案内部30aと歯付きプーリ部30bとを有する。
【0026】
複数(この例で6つ)のVガイドローラ31が、ヘッド本体20の下面に仮想軸線3と平行な軸心を中心に回転可能に取り付けられており、複数のVガイドローラ31のV型外面と案内部30aのV字断面とが嵌合することで、旋回部材30を仮想軸線3を中心に旋回可能に案内している。
複数のVガイドローラ31は、仮想軸線3を中心に周方向に等間隔又はほぼ等間隔に配置され、そのうちの1つのVガイドローラ31が、旋回部材30の第2スロット34に位置する場合でも、その他のVガイドローラ31により旋回部材30を旋回可能に案内できるように、第2スロット34の寸法が設定されている。
【0027】
複数(この例で4つ)のタイミングベルト用のアイドラー33が、ヘッド本体20の下面に仮想軸線3と平行な軸心を中心に回転可能に取り付けられている。
また、タイミングベルト駆動用の駆動プーリ35が、ヘッド本体20の下面に仮想軸線3と平行な軸心を中心に旋回駆動モータ36で回転駆動可能に取り付けられている。
【0028】
さらに、タイミングベルト37が、複数のアイドラー33と駆動プーリ35との間で、その歯が外側を向くようにエンドレスに掛け渡されている。
複数のアイドラー33は、タイミングベルト37の一部が旋回部材30の歯付きプーリ部30bと歯合するように配置されている。
また、タイミングベルト37と旋回部材30の歯付きプーリ部30bとが歯合する範囲(周方向角度範囲)は、旋回部材30の第2スロット34がタイミングベルト37側に位置するときでも、旋回部材30を旋回駆動できるように、第2スロット34の周方向角度範囲よりも大きく設定されている。
【0029】
上述した構成により、旋回部材30を、ヘッド本体20に仮想軸線3を中心に案内しかつ360度以上にわたり旋回駆動することができる。
なお、Vガイドローラ31でなく、ローラの組み合わせにより、旋回部材30を仮想軸線3を中心に案内してもよい。
また、タイミングベルト37以外のチェーン、歯車等により、旋回部材30を旋回駆動してもよい。
【0030】
溶接トーチ40は、旋回部材30に仮想軸線3に対して半径方向に揺動駆動可能に取り付けられている。
溶接トーチ40は、スタブ管1が予め設定した位置に位置し、仮想軸線3がスタブ管1の軸線に一致するときに、溶接トーチ40から軸方向に供給された溶接ワイヤ4がスタブ管1の溶接部近傍に位置するように湾曲した湾曲トーチであるのがよい。
【0031】
図3に示すように、溶接トーチ40は、旋回部材30に揺動可能に取り付けられた揺動軸42を有する。また、旋回部材30に取り付けられた揺動駆動モータ44と、揺動駆動モータ44の出力軸44aの揺動を揺動軸42に伝達する動力伝達機構46とを有する。
動力伝達機構46は、この例では、1対の歯車46a,46bからなる。1対の歯車46a,46bはこの例では揺動に必要な範囲以外が切除されている。
なお、動力伝達機構46は、歯車に限定されず、リンク機構でもカム機構でもよい。
【0032】
上述した構成により、揺動駆動モータ44の出力軸44aの正転と逆転を繰り返すことにより、溶接トーチ40を仮想軸線3に対して半径方向に揺動駆動することができる。
溶接トーチ40の揺動範囲は、例えばリミットスイッチ(図示せず)で制御することができる。また、揺動駆動モータ44を数値制御して溶接トーチ40の揺動範囲を任意に制御してもよい。
【0033】
図3において、本発明のスタブ管溶接ヘッド10は、さらに溶接トーチ40に溶接ワイヤ4を供給する溶接ワイヤ供給管48と、溶接ワイヤ供給管48を通して溶接トーチ40に接続された電力ケーブル50とを備える。
電力ケーブル50は、旋回部材30の1回又は2回の旋回に追従可能な柔軟性を有する複数の導電線50aからなる。
【0034】
上述したように、本発明の旋回部材30のタイミングベルト37との接触部(周方向角度範囲)は開口部(第2スロット34)より大きくとってあるため、旋回部材30は仮想軸線3を中心に360度以上の旋回が可能となっている。
また旋回部材30は、周辺6点で、Vガイドローラ31に支持されており、これらのVガイドローラ31の接触間隔も開口部(第2スロット34)より広く取ることで、6箇所のうち、最低でも常に5箇所のVガイドローラ31で旋回部材30は支持される構造となっている。
【0035】
さらに旋回部材30の下方には軸受に支持されて、歯車46a,46bで駆動可能な湾曲トーチ(溶接トーチ40)が取り付けてある。揺動駆動モータ44は歯車46a,46bを介して上方に配置してあり、揺動駆動モータ44を正転、逆転と往復運転することで、湾曲トーチ40の先端部が揺動運動し、これによりウィービング動作が可能となる。
【0036】
湾曲トーチ40は溶接電流の回りこみを避けるために溶接ヘッドとは電気的に絶縁されており、溶接熱、スパッタ、ヒューム対策として耐熱プラスチックによる反射板の設置、各モータカバー、モータ取付部には耐熱プラスチックを挟みこむ、耐熱ベアリングを使用する、などの対策をとるのが好ましい。
【0037】
上述した本発明の構成によれば、旋回部材30の第2スロット34がヘッド本体20の第1スロット24と整合した状態でロボット等によりヘッド本体20を移動し、2つのスロット24,34をスタブ管1が通過して、互いに整合する第1開口22と第2開口24の仮想軸線3上又はその近傍にスタブ管1の軸線を位置決めすることができる。
また、溶接トーチ40が旋回部材30に取り付けられているので、この状態で旋回部材30を旋回駆動することで、溶接トーチ40によりスタブ管1をヘッダ管に溶接することができる。
【0038】
さらに、溶接トーチ40は、仮想軸線3に対して半径方向に揺動駆動可能であるので、溶接中に溶接トーチ40が溶接線に直交する方向に往復動するウィービング動作が可能である。
従って、ウィービング動作が通常の溶接ウィービングと同様であるため、溶接ビードの制御が容易になると共に、従来汎用ロボットなどを用いて行っていた溶接条件から容易に移行することが可能となる。
【0039】
また、本発明の実施形態によれば、溶接ワイヤ供給管48を通して溶接トーチ40に接続された電力ケーブル50を備え、電力ケーブル50は、旋回部材30の1回又は2回の旋回に追従可能な柔軟性を有する複数の導電線50aからなるので、旋回部材30の旋回を周方向に180度又は360度の範囲で往復動させることにより、ノイズが発生しやすい可動接触部を介さずに溶接トーチ40に電力を供給できる。
従って、ノイズの発生が抑制でき、給電が安定化するので、近年主流となっているデジタル制御の溶接電源を用いた場合のパルスなどのアークコントロールをノイズ無く信号伝達することが可能となる。
【0040】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0041】
1 スタブ管、3 仮想軸線、4 溶接ワイヤ、
10 スタブ管溶接ヘッド、
20 ヘッド本体、21 吊り金具、
22 第1開口、24 第1スロット、
30 旋回部材、30a 案内部、30b 歯付きプーリ部、
31 Vガイドローラ、32 第2開口、
33 アイドラー、34 第2スロット、
35 駆動プーリ、36 旋回駆動モータ、37 タイミングベルト、
40 溶接トーチ(湾曲トーチ)、42 揺動軸、
44 揺動駆動モータ、46 動力伝達機構、
46a,46b 歯車、48 溶接ワイヤ供給管、
50 電力ケーブル、50a 導電線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に一端が固定されたスタブ管の端部全周を溶接するためのスタブ管溶接ヘッドであって、
スタブ管の軸線が仮想軸線上に位置する場合に、前記スタブ管を間隔を隔てて囲む第1開口と、第1開口と外部空間とを連通しスタブ管が通過可能な第1スロットとを有するヘッド本体と、
ヘッド本体に前記仮想軸線を中心に旋回駆動可能に取り付けられ、第1開口と整合して前記スタブ管を間隔を隔てて囲む第2開口と、第2開口と外部空間とを連通しスタブ管が通過可能な第2スロットとを有する旋回部材と、
旋回部材に前記仮想軸線に対して半径方向に揺動駆動可能に取り付けられた溶接トーチと、を備えたことを特徴とするスタブ管溶接ヘッド。
【請求項2】
前記溶接トーチに溶接ワイヤを供給する溶接ワイヤ供給管と、
溶接ワイヤ供給管を通して溶接トーチに接続された電力ケーブルとを備え、
電力ケーブルは、旋回部材の1回又は2回の旋回に追従可能な柔軟性を有する複数の導電線からなる、ことを特徴とする請求項1に記載のスタブ管溶接ヘッド。
【請求項3】
前記溶接トーチは、旋回部材に揺動可能に取り付けられた揺動軸を有しており、
さらに、旋回部材に取り付けられた揺動駆動モータと、該揺動駆動モータの出力軸の揺動を前記揺動軸に伝達する動力伝達機構とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載のスタブ管溶接ヘッド。
【請求項1】
対象物に一端が固定されたスタブ管の端部全周を溶接するためのスタブ管溶接ヘッドであって、
スタブ管の軸線が仮想軸線上に位置する場合に、前記スタブ管を間隔を隔てて囲む第1開口と、第1開口と外部空間とを連通しスタブ管が通過可能な第1スロットとを有するヘッド本体と、
ヘッド本体に前記仮想軸線を中心に旋回駆動可能に取り付けられ、第1開口と整合して前記スタブ管を間隔を隔てて囲む第2開口と、第2開口と外部空間とを連通しスタブ管が通過可能な第2スロットとを有する旋回部材と、
旋回部材に前記仮想軸線に対して半径方向に揺動駆動可能に取り付けられた溶接トーチと、を備えたことを特徴とするスタブ管溶接ヘッド。
【請求項2】
前記溶接トーチに溶接ワイヤを供給する溶接ワイヤ供給管と、
溶接ワイヤ供給管を通して溶接トーチに接続された電力ケーブルとを備え、
電力ケーブルは、旋回部材の1回又は2回の旋回に追従可能な柔軟性を有する複数の導電線からなる、ことを特徴とする請求項1に記載のスタブ管溶接ヘッド。
【請求項3】
前記溶接トーチは、旋回部材に揺動可能に取り付けられた揺動軸を有しており、
さらに、旋回部材に取り付けられた揺動駆動モータと、該揺動駆動モータの出力軸の揺動を前記揺動軸に伝達する動力伝達機構とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載のスタブ管溶接ヘッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2013−49079(P2013−49079A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188466(P2011−188466)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】
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