スタンドファン
【課題】ファンの回転によって発生させられた風を下方に向けて安定させて送ることができるようにする。
【解決手段】ベース11と、スタンド12と、ファンユニット13とを有する。ファンユニット13はモータ23及びファン21を備え、モータ23は、風の流れ方向における翼22の根元22aより下流側に配設される。ファン21の直径に対するモータの直径の比ρが、
0.10≦ρ≦0.15
にされ、ファン21の外周縁の周速度が8〔m/s〕以下に設定される。
【解決手段】ベース11と、スタンド12と、ファンユニット13とを有する。ファンユニット13はモータ23及びファン21を備え、モータ23は、風の流れ方向における翼22の根元22aより下流側に配設される。ファン21の直径に対するモータの直径の比ρが、
0.10≦ρ≦0.15
にされ、ファン21の外周縁の周速度が8〔m/s〕以下に設定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタンドファンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、床、テーブル等の上に移動自在に載置することができ、スタンドの上端にファンユニットが配設されたスタンドファンが提供されている。
【0003】
図2は従来のスタンドファンの斜視図である。
【0004】
図において、110はスタンドファン、111はベース、112は該ベース111から立ち上げて形成されたスタンド、113は該スタンド112の上端に配設されたファンユニットである。前記スタンド112は、ベース111と一体に形成された筒状の下支柱115、該下支柱115に対して挿脱自在に配設された上支柱116、前記下支柱115に対して上支柱116を所定の位置に位置決めするための固定ねじ118等を備え、前記上支柱116の所定の箇所に、操作部119が配設される。
【0005】
また、前記ファンユニット113は、前記上支柱116の上端に、首振り自在に取り付けられたモータ121、該モータ121の出力軸に取り付けられ、複数の翼を備えた軸流式のファン122、該ファン122の前面及び後面を覆うファンネット123等を備える。
【0006】
前記スタンドファン110において、使用者が操作部119を操作して電源スイッチをオンにすると、図示されない電源装置から前記モータ121に電流が供給され、モータ121が駆動されてファン122が回転させられ、ファン122の軸方向に流れる風が発生させられる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−328980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来のスタンドファン110においては、スタンド112を伸ばしてファン122を高い位置に置いた場合に、ファン122の回転によって発生させられた風を下方に向けて安定させて送ることができない。
【0009】
すなわち、前記スタンドファン110においては、翼の構造上、ファン122を十分に低い回転速度で回転させることができないので、モータ121に加わる負荷が大きくなり、モータ121の寸法が大きくなってしまう。
【0010】
したがって、ファン122の径方向においてモータ121が占める領域が大きくなるので、例えば、風の流れ方向におけるファン122より下流側にモータ121を配設すると、ファン122の回転によって発生させられた風がモータ121によって遮られ、乱流が発生してしまう。
【0011】
その結果、ファン122の回転によって発生させられた風を下方に向けて安定させて送ることができない。
【0012】
本発明は、前記従来のスタンドファンの問題点を解決して、ファンの回転によって発生させられた風を下方に向けて安定させて送ることができるスタンドファンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そのために、本発明のスタンドファンにおいては、ベースと、該ベースから立ち上げて形成されたスタンドと、該スタンドの上端に配設されたファンユニットとを有する。
【0014】
そして、該ファンユニットは、前記スタンドの上端に取り付けられたモータ、及び該モータの出力軸に取り付けられ、複数の翼を備えた軸流式のファンを備える。
【0015】
また、前記モータは、風の流れ方向における前記翼の根元より下流側に配設される。
【0016】
そして、前記ファンの直径に対するモータの直径の比ρが、
0.10≦ρ≦0.15
にされる。
【0017】
また、前記ファンの外周縁の周速度が8〔m/s〕以下に設定される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スタンドファンにおいては、ベースと、該ベースから立ち上げて形成されたスタンドと、該スタンドの上端に配設されたファンユニットとを有する。
【0019】
そして、該ファンユニットは、前記スタンドの上端に取り付けられたモータ、及び該モータの出力軸に取り付けられ、複数の翼を備えた軸流式のファンを備える。
【0020】
また、前記モータは、風の流れ方向における前記翼の根元より下流側に配設される。
【0021】
そして、前記ファンの直径に対するモータの直径の比ρが、
0.10≦ρ≦0.15
にされる。
【0022】
また、前記ファンの外周縁の周速度が8〔m/s〕以下に設定される。
【0023】
この場合、モータが、風の流れ方向における前記翼の根元より下流側に配設されるので、ファンの回転によって発生させられた風を下方に向けて安定させて送ることができる。
【0024】
また、ファンの直径に対するモータの直径の比ρが、
0.10≦ρ≦0.15
にされるので、ファンの径方向においてモータが占める領域が小さくなる。したがって、風の流れ方向における翼の根元より下流側にモータを配設しても、ファンの回転によって発生させられた風がモータにより遮られることがないので、翼の根元において、空気の渦が発生するのを防止することができるだけでなく、風速が低くなるのを抑制することができる。
【0025】
そして、ファンの外周縁の周速度が8〔m/s〕以下になるように設定されるので、ファンの回転に伴って、翼の外周縁において空気の渦が発生するのを防止することができる。したがって、翼の背面に形成される負圧領域に周囲の空気が十分に流れ込み、続いて、二つの翼の間を抜けて翼の前面に流れ込むので、翼の外周縁において風速が低くなるのを抑制することができる。
【0026】
その結果、ファンから送られる空気の流れに渦が発生するのを防止することができ、しかも、翼の根元から外周縁にかけて一様な風速分布を得ることができるので、扇子を使用したときのような扇ぎ効果による風を発生させることができる。また、使用者の体を局部的に冷やしてしまうことがないので、使用者が連続的に風を受けても、体が冷え過ぎたり、不快感を覚えたりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態におけるスタンドファンの正面図である。
【図2】従来のスタンドファンの斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるスタンドファンの側面図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるスタンドファンの平面図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるファンユニットの斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態における翼の概念図である。
【図7】本発明の実施の形態における翼の迎角と揚力係数との関係を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における翼の展開図である。
【図9】本発明の実施の形態におけるキャンバー比を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態におけるピッチ角とキャンバーラインとの関係を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における翼幅指数を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態における風速分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
図1は本発明の実施の形態におけるスタンドファンの正面図、図3は本発明の実施の形態におけるスタンドファンの側面図、図4は本発明の実施の形態におけるスタンドファンの平面図である。
【0030】
図において、10はスタンドファン、11は支持台としてのベース、12は該ベース11から立ち上げて形成されたスタンド、13は該スタンド12の上端に配設されたファンユニット、14は該ファンユニット13をスタンド12に対して揺動自在に支持する支持部である。前記スタンド12は、下端がベース11に取り付けられた第1の支柱としての筒状の下支柱15、該下支柱15に対して挿脱自在に配設された第2の支柱としての筒状の上支柱16、前記下支柱15に対して上支柱16を所定の位置に位置決めするための図示されない固定ねじ等を備える。そして、前記ベース11の所定の箇所に、図示されない操作部が配設される。本実施の形態においては、ベース11に操作部が配設されるようになっているが、該操作部のほかに、遠隔操作用の操作部として、リモコンを利用することができる。
【0031】
また、前記ファンユニット13は、前記上支柱16の上端に、首振り自在に取り付けられた駆動部としてのモータ23、該モータ23を駆動することによって回転させられる軸流式のファン21等を備える。そして、前記モータ23は、図示されないロータ、ステータ等を内蔵する本体部23a、前記ロータに取り付けられ、本体部23aから上方に向けて突出させられた出力軸24等を備える。また、前記ファン21は、複数の、本実施の形態においては、二つの翼22を備え、該各翼22の根元22aが前記出力軸24に取り付けられる。
【0032】
そして、前記モータ23は、風の流れ方向(矢印A方向)における翼22の根元22aより下流側に延在させて配設される。
【0033】
また、前記各翼22の翼面は、柔軟性を有する材料、例えば、軽量ウレタン材、プラスッチック、布、紙、フィルム等から成る薄板材によって形成され、外周縁に直径が2〔mm〕程度のピアノ線等の鋼線を翼支持部材として埋設することによって、翼輪郭が形成され、ファン21の形状が維持される。
【0034】
なお、前記翼22の翼面は柔軟性を有する材料から成る薄板材によって形成されるので、回転速度が高くなった場合、翼22は容易に変形する。したがって、ファン21に異常な振動が発生するのを防止することができる。また、翼22の厚さは、空気の流れを円滑にすることができれば、自由に設定することができる。
【0035】
前記スタンドファン10において、使用者が操作部を操作して電源スイッチをオンにすると、図示されない電源装置から前記モータ23に電流が供給され、モータ23が駆動されてファン21が回転させられる。これに伴って、翼22の裏面から空気が吸引され、ファンユニット13の軸方向に沿って流れる風が発生させられ、下方に向けて送られる。
【0036】
次に、前記ファンユニット13について説明する。
【0037】
図5は本発明の実施の形態におけるファンユニットの斜視図、図6は本発明の実施の形態における翼の概念図、図7は本発明の実施の形態における翼の迎角と揚力係数との関係を示す図、図8は本発明の実施の形態における翼の展開図、図9は本発明の実施の形態におけるキャンバー比を説明するための図、図10は本発明の実施の形態におけるピッチ角とキャンバーラインとの関係を示す図、図11は本発明の実施の形態における翼幅指数を説明するための図、図12は本発明の実施の形態における風速分布を示す図である。なお、図6は径方向における所定の半径位置で翼22を切断したときの断面を表す。また、図7において、横軸に迎角θ2を、縦軸に揚力係数CLを、図12において、横軸に翼22の根元22aからの距離を、縦軸に風速を採ってある。
【0038】
図において、21は回転自在に配設されたファン、22は二つの翼、23はモータ、24は該モータ23の出力軸であり、該出力軸24は、前記ファン21のボスを構成する。前記各翼22は、出力軸24に対して互いに180〔°〕の角度を置いて、かつ、対向させて配設される。
【0039】
次に、前記翼22について説明する。
【0040】
図6において、q1は前記翼22の前縁を表すノーズ、q2は前記翼22の後縁を表すテール、M1は前記ノーズq1とテールq2とを結ぶ線分によって表されるノーズテールライン、M2は翼22の移動方向(矢印X方向)に延びる線分によって表されるベースライン、Lは前記ノーズq1とテールq2との間の直線距離、すなわち、半径位置における翼幅を表す翼弦長、εは前記翼22の翼厚中心線(キャンバーライン)である。また、該翼厚中心線εとノーズテールラインM1との間の距離を表すキャンバーfが最大になる位置を最大キャンバー位置q3としたとき、ノーズq1から最大キャンバー位置q3までの距離が最大キャンバー距離Xcとなる。
【0041】
そして、ファン21を回転させると、翼22は矢印X方向に移動させられ、空気は翼22に対して矢印V方向に流れる。
【0042】
この場合、ファン21が1回転させられるときの、翼22上における半径が値rになる所定の半径位置の点が円周方向に移動する距離をβとしたとき、該距離βは、
β=2πr
にされる。なお、図6においては、説明の便宜上、距離βと翼22の寸法とを対応させていない。
【0043】
そして、前記ファン21が1回転させられるときの前記点が軸方向に移動する距離をピッチPとすると、ノーズテールラインM1とベースラインM2との成す角度によって表されるピッチ角θ1は、
θ1=tan-1(P/2πr)
にされる。
【0044】
そして、ファン21を回転させると揚力Fが発生する。揚力係数をCLとし、空気密度をρとし、所定の半径rの半径位置における翼22の速度をvとし、前記半径位置における翼弦長をLとしたとき、揚力Fは、
F=∫{(1/2)・CL・ρ・v2 ・L}dr
で表すことができ、揚力係数CLが大きいほど大きく、揚力係数CLが小さいほど小さい。また、前記速度vはファン21の回転速度に比例するので、前記揚力Fは、ファン21の回転速度が高いほど大きく、回転速度が低いほど小さい。
【0045】
したがって、ファン21の回転速度を高くすることなく、一定にして前記揚力Fを大きくしようとすると、揚力係数CLを大きくする必要があるが、揚力係数CLは、ノーズテールラインM1とベースラインM2との成す角度によって表されるピッチ角θ1から、ファン21の回転に伴って発生する誘導速度(誘導抗力に対応する速度)Viの分だけ角度Δθを減算することによって得られる迎角θ2
θ2=θ1−Δθ
によって決まる。すなわち、図7に示されるように、迎角θ2を所定の範囲内において大きくすると、揚力係数CLを大きくすることができる。なお、揚力係数CLが所定の範囲内に収まらない場合、揚力Fを安定させて発生させることができないので、ファン21は失速する。
【0046】
ところで、風を十分に発生させるために、ファン21の外周縁においてピッチ角θ1を大きくすると、翼22の外周縁に流れの強い空気の渦が発生してしまう。
【0047】
また、ファン21の回転速度を高くすると、翼22の外周縁の周速度がその分高くなり、翼22に必要となる強度が大きくなるが、翼22の強度を大きくするために翼22を硬い材料で形成すると、ファン21の重量が大きくなるだけでなく、ファン21を覆い、使用者等との接触を防止するためのファンネットを配設し、安全性を図る必要がある。
【0048】
そこで、本実施の形態においては、ファン21を十分に低い回転速度で回転させてもファン21が失速することがないように翼22の仕様が設定される。また、前記翼弦長L、キャンバーf、最大キャンバー距離Xc、ピッチP、ピッチ角θ1及び迎角θ2は、各翼22の半径位置ごとに設定される。なお、本実施の形態においては、図8に示されるように、前記翼22の形状において、大きな力を翼22に作用させるために、根元22aが比較的細くされるが、風の流れを妨げない程度に広くすることができる。
【0049】
ところで、図8に示されるように、翼22の外周縁において出力軸24から最も離れた点をPt1とし、出力軸24の中心から点Pt1までの距離を半径Rとしたとき、出力軸24側から翼22の外周縁側にかけて半径がrになる各半径位置Stを想定すると、次の式のように、各半径位置Stは、半径Rに対する半径rの割合である百分率で表すことができる。
【0050】
St=r×100/R〔%〕
したがって、出力軸24の中心における半径位置Stは零〔%〕になり、点Pt1の半径位置Stは100〔%〕になる。なお、本実施の形態において、ファン21の直径Dは、25〔cm〕以上、かつ、90〔cm〕以下にされる。
【0051】
そして、本実施の形態において、各翼22によって風を十分に発生させるために、半径位置Stが70〜90〔%〕の範囲(70〔%〕以上、かつ、90〔%〕以下)において、ピッチ角θ1が、
27〔°〕≦θ1≦60〔°〕
の範囲の値にされる。前述されたように、迎角θ2は、誘導速度Viの分だけピッチ角θ1より小さくなるので、角度Δθを2〜4〔°〕とし、
23〔°〕≦θ2≦58〔°〕
にするのが好ましい。
【0052】
本実施の形態においては、半径位置Stが70〜90〔%〕の範囲において、前記ピッチ角θ1が一定にされるが、ピッチ角θ1を半径位置Stごとに27〜60〔°〕の範囲内で変化させ、半径位置Stが径方向内方にあるほど大きく、径方向外方にあるほど小さくすることができる。
【0053】
ところで、前記ピッチ角θ1とキャンバーfとは互いに影響を与える。そこで、本実施の形態においては、各翼22によって風を十分に発生させるために、前記ピッチ角θ1のほかに、キャンバーfの最大値をfmaxとしたときの、翼弦長Lに対するキャンバーfの割合である百分率、すなわち、キャンバー比η
η=fmax×100/L
を設定するようにしている。
【0054】
本実施の形態においては、図9に示されるように、半径位置Stが70〜90〔%〕の範囲において、キャンバー比ηが、
10〔%〕≦η≦25〔%〕
の範囲にされる。
【0055】
なお、キャンバーfの大きさ、及び翼弦長L上におけるキャンバーfの分布は、ピッチ角θ1、ファン21の作動状態等によって変化させることができる。例えば、図10に示されるように、ピッチ角θ1が小さい領域においては、風を十分に発生させるためにキャンバーfが大きくされ、かつ、最大キャンバー位置q3が翼22の後縁側に置かれ、最大キャンバー距離Xcが長くされる。一方、ピッチ角θ1が大きい領域においては、翼22の後縁側における空気の流れを円滑にするためにキャンバーfが小さくされ、かつ、最大キャンバー位置q3が翼22の前縁側に置かれ、最大キャンバー距離Xcが短くされる。
【0056】
また、キャンバー比ηは、百分率で表したときの値がピッチ角θ1と等価であることが実験から分かっている。そこで、本実施の形態においては、各翼22によって風を十分に発生させるために、前記ピッチ角θ1及びキャンバー比ηをそれぞれ設定するとともに、ピッチ角θ1にキャンバー比ηを加算した値によって表される翼算定指標α
α=θ1+η
を算出し、半径位置Stが70〜90〔%〕の範囲において、前記翼算定指標αを、次の式で表される範囲に収めるようにしている。
【0057】
40≦α≦70
また、ファン21の直径をD(=2×R)とし、翼22の数をMとし、最大の翼弦長L、すなわち、最大翼幅をLmaxとしたとき、ファン21において、平坦に展開された状態の各翼22が占める割合を翼幅指数Cr
Cr=Lmax・M/D
で表すことができる。そして、本実施の形態においては、半径位置Stが70〜90〔%〕の範囲において、翼幅指数Crを0.4〜4.8の範囲に収めるようにしている。
【0058】
したがって、各翼22の形状を翼幅指数Crに基づいて任意に設定することができるので、図11に示されるような、翼幅指数Crが異なる各種の形状の翼22を形成することができる。
【0059】
なお、最大翼幅Lmaxが小さい翼22を使用する場合、翼22の数Mを多くすることによって翼幅指数Crを大きくすることができる。例えば、翼幅指数Crが0.4のファン21において、翼22の数Mを2から24にすると、翼幅指数Crを、
Cr=0.4×24/2
=4.8
にすることができる。
【0060】
なお、半径位置Stが0〜100〔%〕の範囲において、平坦に展開された状態の各翼22を投影したときの各翼22が占める割合は、0.2以上、かつ、0.4以下、好ましくは、0.3以上、かつ、0.4以下とされる。
【0061】
ところで、半径位置Stが70〜90〔%〕の範囲において、前記ピッチ角θ1を、
27〔°〕≦θ1≦60〔°〕
の範囲内において、キャンバー比ηを、
10〔%〕≦η≦25〔%〕
の範囲内において、前記翼算定指標αを、
40≦α≦70
の範囲内において変化させたときに、ファン21を失速させず、振動及び騒音が発生しないようにファン21を十分に低速で回転させる必要がある。
【0062】
そこで、前記翼算定指標αを前記範囲内においてわずかずつ変化させ、その都度、ファン21の回転速度を徐々に高くし、各翼算定指標αごとに、ファン21を失速させず、振動及び騒音が発生しない回転速度の限界値(以下「許容速度」という。)N(α)を算出した。
【0063】
そして、該各許容速度N(α)のうちの最も低い値を、ファン21の外周縁の周速度に変換し、該周速度を臨界速度Uとする。なお、前記周速度は、ファン21の外周縁のうちのモータ23から最も離れた点の移動速度で表される。
【0064】
また、本実施の形態において、臨界速度Uは、
U=8〔m/s〕
にされる。なお、該臨界速度Uを、
U=6〔m/s〕
にすると、ファン21を失速させず、振動及び騒音が発生するのを一層抑制することができる。
【0065】
また、モータ23を脱調を起こすことなく駆動するためには、ファン21の外周縁の周速度を1.5〔m/s〕以上にするのが好ましい。
【0066】
したがって、ファン21の直径Dに関係なく、ファン21の外周縁の周速度が1.5〔m/s〕以上、かつ、8〔m/s〕以下になるように設定し、モータ23を駆動すると、風を十分に発生させることができるだけでなく、ファン21を安定させて回転させることができる。
【0067】
そして、ファン21の外周縁の周速度を十分に低く、本実施の形態においては、8〔m/s〕以下にすることができるので、モータ23に加わる負荷を小さくすることができる。したがって、モータ23の寸法を小さくすることができ、例えば、モータ23として小型の直流モータを使用することができる。
【0068】
また、本実施の形態においては、モータ23の直径をDmとしたとき、ファン21の直径Dに対するモータ23の直径Dmの比ρ(=Dm/D)は、
0.10≦ρ≦0.15
にされる。
【0069】
その結果、前記モータ23の消費電力を極めて小さく(10〔W〕以下に)することができる。また、電源として、USB電源、太陽光電池、バッテリ等を利用することができる。
【0070】
さらに、ファン21の直径Dに対するモータ23の直径Dmの比ρが、
0.10≦ρ≦0.15
にされるので、ファン21の径方向においてモータ23が占める領域が小さくなる。したがって、風の流れ方向における翼22の根元22aより下流側にモータ23を配設しても、ファン21の回転によって発生させられた風がモータ23により遮られることがないので、翼22の根元22aにおいて、空気の渦が発生するのを防止することができるだけでなく、風速が低くなるのを抑制することができる。
【0071】
また、ファン21の外周縁の周速度が十分に低くされるので、ファン21の回転に伴って、翼22の外周縁において空気の渦が発生するのを防止することができる。したがって、翼22の背面に形成される負圧領域に周囲の空気が十分に流れ込み、続いて、二つの翼22の間を抜けて翼22の前面に流れ込むので、翼22の外周縁において風速が低くなるのを抑制することができる。
【0072】
その結果、図12に示されるように、翼22の根元22aから外周縁にかけて一様な風速分布を得ることができる。なお、図12において、L1はファン21の回転速度を100〔rpm〕にしたときの風速分布を、L2はファン21の回転速度を200〔rpm〕にしたときの風速分布を表す。
【0073】
このように、ファン21から送られる空気の流れに渦が発生するのを防止することができ、しかも、翼22の根元22aから外周縁にかけて一様な風速分布を得ることができるので、扇子を使用したときのような扇ぎ効果による風を発生させることができる。その結果、使用者の体を局部的に冷やしてしまうことがないので、使用者が連続的に風を受けても、体が冷え過ぎたり、不快感を覚えたりすることがない。
【0074】
しかも、ファンの回転によって発生させられた風を下方に向けて安定させて送ることができる。
【0075】
さらに、翼22の全体のピッチ角θ1を十分に大きくすることができるので、翼22の外周縁のピッチ角θ1を格別に大きくする必要がなくなる。したがって、翼22の外周縁に流れの強い空気の渦が発生するのを防止することができる。
【0076】
そして、ファン21の回転速度が低くされるので、発生させられる揚力Fを小さくすることができ、翼22に必要となる強度を低くすることができる。したがって、翼22を硬い材料で形成する必要がなくなり、ファン21の重量を小さくすることができるだけでなく、安全性を向上させることができるので、使用者等との接触を防止するためのファンネットを配設する必要がなくなる。
【0077】
そして、モータ23を電池によって駆動することができるだけでなく、携帯電話等に使用される小容量の交流−直流アダプタ等によって駆動することができる。したがって、スタンドファン10を小型化し、軽量化することができる。
【0078】
さらに、従来のスタンドファン110と同様に、スタンドファン10にマイナスイオン発生装置を配設することができる。
【0079】
次に、実際のスタンドファン10の効果について説明する。
【0080】
この場合、直径Dが40〔cm〕のファン21を2枚の翼22によって作成した。90〔%〕の半径位置Stにおいて、ピッチ角θ1を45〔°〕とし、キャンバー比ηを16〔%〕とし、これにより、翼算定指標αを61とした。そして、翼幅指数Crを1.5とした。また、翼22の翼面を軽量ウレタン材によって形成し、直径が2〔mm〕の鋼線を出力軸24の中心から翼22の前縁部に沿って外周縁に向けて延在させ、外周縁を経由して後縁部に沿って90〔%〕の半径位置Stまで延在させた。
【0081】
前記構成の翼22を備えたファン21を、100〜150〔rpm〕の回転速度で回転させると、約2〔m〕離れた位置で扇ぎ効果による風を受けることができた。
【0082】
この場合、最大消費電力は2〔W〕であり、実験によると、停止時におけるファン21による押圧力は約15〔g〕であり、接触時におけるファン21による衝撃力は約120〔g〕であった。ファン21の周辺にファンネットを配設することなく、運転時に翼22が顔に当たっても痛みを感じることがなかった。なお、就寝時においては、2〔W〕でモータ23を駆動すると風が強すぎるので、ファン21を80〔rpm〕の回転速度で回転させるのが好ましい。その場合、消費電力は1〔W〕以下になる。
【0083】
本実施の形態においては、翼22の翼面が柔軟性を有する材料から成る薄板材によって形成されるようになっているが、該薄板材に代えて、金属、プラスッチック等の硬い材料によって形成することができる。その場合、翼22の前縁側にクッション材が配設される。また、団扇のように、翼22の全体に放射状又は網目状に強度支持材としての骨部材を配設し、該骨部材間にわたって紙等の薄膜材を張ることによって、翼面を形成することができる。
【0084】
本実施の形態においては、スタンド12とファンユニット13とが支持部14を介して連結されるようになっているが、支持部14とモータ23とを永久磁石によって連結し、ファンユニット13をスタンド12に対して脱離自在に配設することができる。
【0085】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0086】
10 スタンドファン
11 ベース
12 スタンド
13 ファンユニット
21 ファン
22 翼
22a 根元
23 モータ
24 出力軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタンドファンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、床、テーブル等の上に移動自在に載置することができ、スタンドの上端にファンユニットが配設されたスタンドファンが提供されている。
【0003】
図2は従来のスタンドファンの斜視図である。
【0004】
図において、110はスタンドファン、111はベース、112は該ベース111から立ち上げて形成されたスタンド、113は該スタンド112の上端に配設されたファンユニットである。前記スタンド112は、ベース111と一体に形成された筒状の下支柱115、該下支柱115に対して挿脱自在に配設された上支柱116、前記下支柱115に対して上支柱116を所定の位置に位置決めするための固定ねじ118等を備え、前記上支柱116の所定の箇所に、操作部119が配設される。
【0005】
また、前記ファンユニット113は、前記上支柱116の上端に、首振り自在に取り付けられたモータ121、該モータ121の出力軸に取り付けられ、複数の翼を備えた軸流式のファン122、該ファン122の前面及び後面を覆うファンネット123等を備える。
【0006】
前記スタンドファン110において、使用者が操作部119を操作して電源スイッチをオンにすると、図示されない電源装置から前記モータ121に電流が供給され、モータ121が駆動されてファン122が回転させられ、ファン122の軸方向に流れる風が発生させられる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−328980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来のスタンドファン110においては、スタンド112を伸ばしてファン122を高い位置に置いた場合に、ファン122の回転によって発生させられた風を下方に向けて安定させて送ることができない。
【0009】
すなわち、前記スタンドファン110においては、翼の構造上、ファン122を十分に低い回転速度で回転させることができないので、モータ121に加わる負荷が大きくなり、モータ121の寸法が大きくなってしまう。
【0010】
したがって、ファン122の径方向においてモータ121が占める領域が大きくなるので、例えば、風の流れ方向におけるファン122より下流側にモータ121を配設すると、ファン122の回転によって発生させられた風がモータ121によって遮られ、乱流が発生してしまう。
【0011】
その結果、ファン122の回転によって発生させられた風を下方に向けて安定させて送ることができない。
【0012】
本発明は、前記従来のスタンドファンの問題点を解決して、ファンの回転によって発生させられた風を下方に向けて安定させて送ることができるスタンドファンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そのために、本発明のスタンドファンにおいては、ベースと、該ベースから立ち上げて形成されたスタンドと、該スタンドの上端に配設されたファンユニットとを有する。
【0014】
そして、該ファンユニットは、前記スタンドの上端に取り付けられたモータ、及び該モータの出力軸に取り付けられ、複数の翼を備えた軸流式のファンを備える。
【0015】
また、前記モータは、風の流れ方向における前記翼の根元より下流側に配設される。
【0016】
そして、前記ファンの直径に対するモータの直径の比ρが、
0.10≦ρ≦0.15
にされる。
【0017】
また、前記ファンの外周縁の周速度が8〔m/s〕以下に設定される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スタンドファンにおいては、ベースと、該ベースから立ち上げて形成されたスタンドと、該スタンドの上端に配設されたファンユニットとを有する。
【0019】
そして、該ファンユニットは、前記スタンドの上端に取り付けられたモータ、及び該モータの出力軸に取り付けられ、複数の翼を備えた軸流式のファンを備える。
【0020】
また、前記モータは、風の流れ方向における前記翼の根元より下流側に配設される。
【0021】
そして、前記ファンの直径に対するモータの直径の比ρが、
0.10≦ρ≦0.15
にされる。
【0022】
また、前記ファンの外周縁の周速度が8〔m/s〕以下に設定される。
【0023】
この場合、モータが、風の流れ方向における前記翼の根元より下流側に配設されるので、ファンの回転によって発生させられた風を下方に向けて安定させて送ることができる。
【0024】
また、ファンの直径に対するモータの直径の比ρが、
0.10≦ρ≦0.15
にされるので、ファンの径方向においてモータが占める領域が小さくなる。したがって、風の流れ方向における翼の根元より下流側にモータを配設しても、ファンの回転によって発生させられた風がモータにより遮られることがないので、翼の根元において、空気の渦が発生するのを防止することができるだけでなく、風速が低くなるのを抑制することができる。
【0025】
そして、ファンの外周縁の周速度が8〔m/s〕以下になるように設定されるので、ファンの回転に伴って、翼の外周縁において空気の渦が発生するのを防止することができる。したがって、翼の背面に形成される負圧領域に周囲の空気が十分に流れ込み、続いて、二つの翼の間を抜けて翼の前面に流れ込むので、翼の外周縁において風速が低くなるのを抑制することができる。
【0026】
その結果、ファンから送られる空気の流れに渦が発生するのを防止することができ、しかも、翼の根元から外周縁にかけて一様な風速分布を得ることができるので、扇子を使用したときのような扇ぎ効果による風を発生させることができる。また、使用者の体を局部的に冷やしてしまうことがないので、使用者が連続的に風を受けても、体が冷え過ぎたり、不快感を覚えたりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態におけるスタンドファンの正面図である。
【図2】従来のスタンドファンの斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるスタンドファンの側面図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるスタンドファンの平面図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるファンユニットの斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態における翼の概念図である。
【図7】本発明の実施の形態における翼の迎角と揚力係数との関係を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における翼の展開図である。
【図9】本発明の実施の形態におけるキャンバー比を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態におけるピッチ角とキャンバーラインとの関係を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における翼幅指数を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態における風速分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
図1は本発明の実施の形態におけるスタンドファンの正面図、図3は本発明の実施の形態におけるスタンドファンの側面図、図4は本発明の実施の形態におけるスタンドファンの平面図である。
【0030】
図において、10はスタンドファン、11は支持台としてのベース、12は該ベース11から立ち上げて形成されたスタンド、13は該スタンド12の上端に配設されたファンユニット、14は該ファンユニット13をスタンド12に対して揺動自在に支持する支持部である。前記スタンド12は、下端がベース11に取り付けられた第1の支柱としての筒状の下支柱15、該下支柱15に対して挿脱自在に配設された第2の支柱としての筒状の上支柱16、前記下支柱15に対して上支柱16を所定の位置に位置決めするための図示されない固定ねじ等を備える。そして、前記ベース11の所定の箇所に、図示されない操作部が配設される。本実施の形態においては、ベース11に操作部が配設されるようになっているが、該操作部のほかに、遠隔操作用の操作部として、リモコンを利用することができる。
【0031】
また、前記ファンユニット13は、前記上支柱16の上端に、首振り自在に取り付けられた駆動部としてのモータ23、該モータ23を駆動することによって回転させられる軸流式のファン21等を備える。そして、前記モータ23は、図示されないロータ、ステータ等を内蔵する本体部23a、前記ロータに取り付けられ、本体部23aから上方に向けて突出させられた出力軸24等を備える。また、前記ファン21は、複数の、本実施の形態においては、二つの翼22を備え、該各翼22の根元22aが前記出力軸24に取り付けられる。
【0032】
そして、前記モータ23は、風の流れ方向(矢印A方向)における翼22の根元22aより下流側に延在させて配設される。
【0033】
また、前記各翼22の翼面は、柔軟性を有する材料、例えば、軽量ウレタン材、プラスッチック、布、紙、フィルム等から成る薄板材によって形成され、外周縁に直径が2〔mm〕程度のピアノ線等の鋼線を翼支持部材として埋設することによって、翼輪郭が形成され、ファン21の形状が維持される。
【0034】
なお、前記翼22の翼面は柔軟性を有する材料から成る薄板材によって形成されるので、回転速度が高くなった場合、翼22は容易に変形する。したがって、ファン21に異常な振動が発生するのを防止することができる。また、翼22の厚さは、空気の流れを円滑にすることができれば、自由に設定することができる。
【0035】
前記スタンドファン10において、使用者が操作部を操作して電源スイッチをオンにすると、図示されない電源装置から前記モータ23に電流が供給され、モータ23が駆動されてファン21が回転させられる。これに伴って、翼22の裏面から空気が吸引され、ファンユニット13の軸方向に沿って流れる風が発生させられ、下方に向けて送られる。
【0036】
次に、前記ファンユニット13について説明する。
【0037】
図5は本発明の実施の形態におけるファンユニットの斜視図、図6は本発明の実施の形態における翼の概念図、図7は本発明の実施の形態における翼の迎角と揚力係数との関係を示す図、図8は本発明の実施の形態における翼の展開図、図9は本発明の実施の形態におけるキャンバー比を説明するための図、図10は本発明の実施の形態におけるピッチ角とキャンバーラインとの関係を示す図、図11は本発明の実施の形態における翼幅指数を説明するための図、図12は本発明の実施の形態における風速分布を示す図である。なお、図6は径方向における所定の半径位置で翼22を切断したときの断面を表す。また、図7において、横軸に迎角θ2を、縦軸に揚力係数CLを、図12において、横軸に翼22の根元22aからの距離を、縦軸に風速を採ってある。
【0038】
図において、21は回転自在に配設されたファン、22は二つの翼、23はモータ、24は該モータ23の出力軸であり、該出力軸24は、前記ファン21のボスを構成する。前記各翼22は、出力軸24に対して互いに180〔°〕の角度を置いて、かつ、対向させて配設される。
【0039】
次に、前記翼22について説明する。
【0040】
図6において、q1は前記翼22の前縁を表すノーズ、q2は前記翼22の後縁を表すテール、M1は前記ノーズq1とテールq2とを結ぶ線分によって表されるノーズテールライン、M2は翼22の移動方向(矢印X方向)に延びる線分によって表されるベースライン、Lは前記ノーズq1とテールq2との間の直線距離、すなわち、半径位置における翼幅を表す翼弦長、εは前記翼22の翼厚中心線(キャンバーライン)である。また、該翼厚中心線εとノーズテールラインM1との間の距離を表すキャンバーfが最大になる位置を最大キャンバー位置q3としたとき、ノーズq1から最大キャンバー位置q3までの距離が最大キャンバー距離Xcとなる。
【0041】
そして、ファン21を回転させると、翼22は矢印X方向に移動させられ、空気は翼22に対して矢印V方向に流れる。
【0042】
この場合、ファン21が1回転させられるときの、翼22上における半径が値rになる所定の半径位置の点が円周方向に移動する距離をβとしたとき、該距離βは、
β=2πr
にされる。なお、図6においては、説明の便宜上、距離βと翼22の寸法とを対応させていない。
【0043】
そして、前記ファン21が1回転させられるときの前記点が軸方向に移動する距離をピッチPとすると、ノーズテールラインM1とベースラインM2との成す角度によって表されるピッチ角θ1は、
θ1=tan-1(P/2πr)
にされる。
【0044】
そして、ファン21を回転させると揚力Fが発生する。揚力係数をCLとし、空気密度をρとし、所定の半径rの半径位置における翼22の速度をvとし、前記半径位置における翼弦長をLとしたとき、揚力Fは、
F=∫{(1/2)・CL・ρ・v2 ・L}dr
で表すことができ、揚力係数CLが大きいほど大きく、揚力係数CLが小さいほど小さい。また、前記速度vはファン21の回転速度に比例するので、前記揚力Fは、ファン21の回転速度が高いほど大きく、回転速度が低いほど小さい。
【0045】
したがって、ファン21の回転速度を高くすることなく、一定にして前記揚力Fを大きくしようとすると、揚力係数CLを大きくする必要があるが、揚力係数CLは、ノーズテールラインM1とベースラインM2との成す角度によって表されるピッチ角θ1から、ファン21の回転に伴って発生する誘導速度(誘導抗力に対応する速度)Viの分だけ角度Δθを減算することによって得られる迎角θ2
θ2=θ1−Δθ
によって決まる。すなわち、図7に示されるように、迎角θ2を所定の範囲内において大きくすると、揚力係数CLを大きくすることができる。なお、揚力係数CLが所定の範囲内に収まらない場合、揚力Fを安定させて発生させることができないので、ファン21は失速する。
【0046】
ところで、風を十分に発生させるために、ファン21の外周縁においてピッチ角θ1を大きくすると、翼22の外周縁に流れの強い空気の渦が発生してしまう。
【0047】
また、ファン21の回転速度を高くすると、翼22の外周縁の周速度がその分高くなり、翼22に必要となる強度が大きくなるが、翼22の強度を大きくするために翼22を硬い材料で形成すると、ファン21の重量が大きくなるだけでなく、ファン21を覆い、使用者等との接触を防止するためのファンネットを配設し、安全性を図る必要がある。
【0048】
そこで、本実施の形態においては、ファン21を十分に低い回転速度で回転させてもファン21が失速することがないように翼22の仕様が設定される。また、前記翼弦長L、キャンバーf、最大キャンバー距離Xc、ピッチP、ピッチ角θ1及び迎角θ2は、各翼22の半径位置ごとに設定される。なお、本実施の形態においては、図8に示されるように、前記翼22の形状において、大きな力を翼22に作用させるために、根元22aが比較的細くされるが、風の流れを妨げない程度に広くすることができる。
【0049】
ところで、図8に示されるように、翼22の外周縁において出力軸24から最も離れた点をPt1とし、出力軸24の中心から点Pt1までの距離を半径Rとしたとき、出力軸24側から翼22の外周縁側にかけて半径がrになる各半径位置Stを想定すると、次の式のように、各半径位置Stは、半径Rに対する半径rの割合である百分率で表すことができる。
【0050】
St=r×100/R〔%〕
したがって、出力軸24の中心における半径位置Stは零〔%〕になり、点Pt1の半径位置Stは100〔%〕になる。なお、本実施の形態において、ファン21の直径Dは、25〔cm〕以上、かつ、90〔cm〕以下にされる。
【0051】
そして、本実施の形態において、各翼22によって風を十分に発生させるために、半径位置Stが70〜90〔%〕の範囲(70〔%〕以上、かつ、90〔%〕以下)において、ピッチ角θ1が、
27〔°〕≦θ1≦60〔°〕
の範囲の値にされる。前述されたように、迎角θ2は、誘導速度Viの分だけピッチ角θ1より小さくなるので、角度Δθを2〜4〔°〕とし、
23〔°〕≦θ2≦58〔°〕
にするのが好ましい。
【0052】
本実施の形態においては、半径位置Stが70〜90〔%〕の範囲において、前記ピッチ角θ1が一定にされるが、ピッチ角θ1を半径位置Stごとに27〜60〔°〕の範囲内で変化させ、半径位置Stが径方向内方にあるほど大きく、径方向外方にあるほど小さくすることができる。
【0053】
ところで、前記ピッチ角θ1とキャンバーfとは互いに影響を与える。そこで、本実施の形態においては、各翼22によって風を十分に発生させるために、前記ピッチ角θ1のほかに、キャンバーfの最大値をfmaxとしたときの、翼弦長Lに対するキャンバーfの割合である百分率、すなわち、キャンバー比η
η=fmax×100/L
を設定するようにしている。
【0054】
本実施の形態においては、図9に示されるように、半径位置Stが70〜90〔%〕の範囲において、キャンバー比ηが、
10〔%〕≦η≦25〔%〕
の範囲にされる。
【0055】
なお、キャンバーfの大きさ、及び翼弦長L上におけるキャンバーfの分布は、ピッチ角θ1、ファン21の作動状態等によって変化させることができる。例えば、図10に示されるように、ピッチ角θ1が小さい領域においては、風を十分に発生させるためにキャンバーfが大きくされ、かつ、最大キャンバー位置q3が翼22の後縁側に置かれ、最大キャンバー距離Xcが長くされる。一方、ピッチ角θ1が大きい領域においては、翼22の後縁側における空気の流れを円滑にするためにキャンバーfが小さくされ、かつ、最大キャンバー位置q3が翼22の前縁側に置かれ、最大キャンバー距離Xcが短くされる。
【0056】
また、キャンバー比ηは、百分率で表したときの値がピッチ角θ1と等価であることが実験から分かっている。そこで、本実施の形態においては、各翼22によって風を十分に発生させるために、前記ピッチ角θ1及びキャンバー比ηをそれぞれ設定するとともに、ピッチ角θ1にキャンバー比ηを加算した値によって表される翼算定指標α
α=θ1+η
を算出し、半径位置Stが70〜90〔%〕の範囲において、前記翼算定指標αを、次の式で表される範囲に収めるようにしている。
【0057】
40≦α≦70
また、ファン21の直径をD(=2×R)とし、翼22の数をMとし、最大の翼弦長L、すなわち、最大翼幅をLmaxとしたとき、ファン21において、平坦に展開された状態の各翼22が占める割合を翼幅指数Cr
Cr=Lmax・M/D
で表すことができる。そして、本実施の形態においては、半径位置Stが70〜90〔%〕の範囲において、翼幅指数Crを0.4〜4.8の範囲に収めるようにしている。
【0058】
したがって、各翼22の形状を翼幅指数Crに基づいて任意に設定することができるので、図11に示されるような、翼幅指数Crが異なる各種の形状の翼22を形成することができる。
【0059】
なお、最大翼幅Lmaxが小さい翼22を使用する場合、翼22の数Mを多くすることによって翼幅指数Crを大きくすることができる。例えば、翼幅指数Crが0.4のファン21において、翼22の数Mを2から24にすると、翼幅指数Crを、
Cr=0.4×24/2
=4.8
にすることができる。
【0060】
なお、半径位置Stが0〜100〔%〕の範囲において、平坦に展開された状態の各翼22を投影したときの各翼22が占める割合は、0.2以上、かつ、0.4以下、好ましくは、0.3以上、かつ、0.4以下とされる。
【0061】
ところで、半径位置Stが70〜90〔%〕の範囲において、前記ピッチ角θ1を、
27〔°〕≦θ1≦60〔°〕
の範囲内において、キャンバー比ηを、
10〔%〕≦η≦25〔%〕
の範囲内において、前記翼算定指標αを、
40≦α≦70
の範囲内において変化させたときに、ファン21を失速させず、振動及び騒音が発生しないようにファン21を十分に低速で回転させる必要がある。
【0062】
そこで、前記翼算定指標αを前記範囲内においてわずかずつ変化させ、その都度、ファン21の回転速度を徐々に高くし、各翼算定指標αごとに、ファン21を失速させず、振動及び騒音が発生しない回転速度の限界値(以下「許容速度」という。)N(α)を算出した。
【0063】
そして、該各許容速度N(α)のうちの最も低い値を、ファン21の外周縁の周速度に変換し、該周速度を臨界速度Uとする。なお、前記周速度は、ファン21の外周縁のうちのモータ23から最も離れた点の移動速度で表される。
【0064】
また、本実施の形態において、臨界速度Uは、
U=8〔m/s〕
にされる。なお、該臨界速度Uを、
U=6〔m/s〕
にすると、ファン21を失速させず、振動及び騒音が発生するのを一層抑制することができる。
【0065】
また、モータ23を脱調を起こすことなく駆動するためには、ファン21の外周縁の周速度を1.5〔m/s〕以上にするのが好ましい。
【0066】
したがって、ファン21の直径Dに関係なく、ファン21の外周縁の周速度が1.5〔m/s〕以上、かつ、8〔m/s〕以下になるように設定し、モータ23を駆動すると、風を十分に発生させることができるだけでなく、ファン21を安定させて回転させることができる。
【0067】
そして、ファン21の外周縁の周速度を十分に低く、本実施の形態においては、8〔m/s〕以下にすることができるので、モータ23に加わる負荷を小さくすることができる。したがって、モータ23の寸法を小さくすることができ、例えば、モータ23として小型の直流モータを使用することができる。
【0068】
また、本実施の形態においては、モータ23の直径をDmとしたとき、ファン21の直径Dに対するモータ23の直径Dmの比ρ(=Dm/D)は、
0.10≦ρ≦0.15
にされる。
【0069】
その結果、前記モータ23の消費電力を極めて小さく(10〔W〕以下に)することができる。また、電源として、USB電源、太陽光電池、バッテリ等を利用することができる。
【0070】
さらに、ファン21の直径Dに対するモータ23の直径Dmの比ρが、
0.10≦ρ≦0.15
にされるので、ファン21の径方向においてモータ23が占める領域が小さくなる。したがって、風の流れ方向における翼22の根元22aより下流側にモータ23を配設しても、ファン21の回転によって発生させられた風がモータ23により遮られることがないので、翼22の根元22aにおいて、空気の渦が発生するのを防止することができるだけでなく、風速が低くなるのを抑制することができる。
【0071】
また、ファン21の外周縁の周速度が十分に低くされるので、ファン21の回転に伴って、翼22の外周縁において空気の渦が発生するのを防止することができる。したがって、翼22の背面に形成される負圧領域に周囲の空気が十分に流れ込み、続いて、二つの翼22の間を抜けて翼22の前面に流れ込むので、翼22の外周縁において風速が低くなるのを抑制することができる。
【0072】
その結果、図12に示されるように、翼22の根元22aから外周縁にかけて一様な風速分布を得ることができる。なお、図12において、L1はファン21の回転速度を100〔rpm〕にしたときの風速分布を、L2はファン21の回転速度を200〔rpm〕にしたときの風速分布を表す。
【0073】
このように、ファン21から送られる空気の流れに渦が発生するのを防止することができ、しかも、翼22の根元22aから外周縁にかけて一様な風速分布を得ることができるので、扇子を使用したときのような扇ぎ効果による風を発生させることができる。その結果、使用者の体を局部的に冷やしてしまうことがないので、使用者が連続的に風を受けても、体が冷え過ぎたり、不快感を覚えたりすることがない。
【0074】
しかも、ファンの回転によって発生させられた風を下方に向けて安定させて送ることができる。
【0075】
さらに、翼22の全体のピッチ角θ1を十分に大きくすることができるので、翼22の外周縁のピッチ角θ1を格別に大きくする必要がなくなる。したがって、翼22の外周縁に流れの強い空気の渦が発生するのを防止することができる。
【0076】
そして、ファン21の回転速度が低くされるので、発生させられる揚力Fを小さくすることができ、翼22に必要となる強度を低くすることができる。したがって、翼22を硬い材料で形成する必要がなくなり、ファン21の重量を小さくすることができるだけでなく、安全性を向上させることができるので、使用者等との接触を防止するためのファンネットを配設する必要がなくなる。
【0077】
そして、モータ23を電池によって駆動することができるだけでなく、携帯電話等に使用される小容量の交流−直流アダプタ等によって駆動することができる。したがって、スタンドファン10を小型化し、軽量化することができる。
【0078】
さらに、従来のスタンドファン110と同様に、スタンドファン10にマイナスイオン発生装置を配設することができる。
【0079】
次に、実際のスタンドファン10の効果について説明する。
【0080】
この場合、直径Dが40〔cm〕のファン21を2枚の翼22によって作成した。90〔%〕の半径位置Stにおいて、ピッチ角θ1を45〔°〕とし、キャンバー比ηを16〔%〕とし、これにより、翼算定指標αを61とした。そして、翼幅指数Crを1.5とした。また、翼22の翼面を軽量ウレタン材によって形成し、直径が2〔mm〕の鋼線を出力軸24の中心から翼22の前縁部に沿って外周縁に向けて延在させ、外周縁を経由して後縁部に沿って90〔%〕の半径位置Stまで延在させた。
【0081】
前記構成の翼22を備えたファン21を、100〜150〔rpm〕の回転速度で回転させると、約2〔m〕離れた位置で扇ぎ効果による風を受けることができた。
【0082】
この場合、最大消費電力は2〔W〕であり、実験によると、停止時におけるファン21による押圧力は約15〔g〕であり、接触時におけるファン21による衝撃力は約120〔g〕であった。ファン21の周辺にファンネットを配設することなく、運転時に翼22が顔に当たっても痛みを感じることがなかった。なお、就寝時においては、2〔W〕でモータ23を駆動すると風が強すぎるので、ファン21を80〔rpm〕の回転速度で回転させるのが好ましい。その場合、消費電力は1〔W〕以下になる。
【0083】
本実施の形態においては、翼22の翼面が柔軟性を有する材料から成る薄板材によって形成されるようになっているが、該薄板材に代えて、金属、プラスッチック等の硬い材料によって形成することができる。その場合、翼22の前縁側にクッション材が配設される。また、団扇のように、翼22の全体に放射状又は網目状に強度支持材としての骨部材を配設し、該骨部材間にわたって紙等の薄膜材を張ることによって、翼面を形成することができる。
【0084】
本実施の形態においては、スタンド12とファンユニット13とが支持部14を介して連結されるようになっているが、支持部14とモータ23とを永久磁石によって連結し、ファンユニット13をスタンド12に対して脱離自在に配設することができる。
【0085】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0086】
10 スタンドファン
11 ベース
12 スタンド
13 ファンユニット
21 ファン
22 翼
22a 根元
23 モータ
24 出力軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ベースと、
(b)該ベースから立ち上げて形成されたスタンドと、
(c)該スタンドの上端に配設されたファンユニットとを有するとともに、
(d)該ファンユニットは、前記スタンドの上端に取り付けられたモータ、及び該モータの出力軸に取り付けられ、複数の翼を備えた軸流式のファンを備え、
(e)前記モータは、風の流れ方向における前記翼の根元より下流側に配設され、
(f)前記ファンの直径に対するモータの直径の比ρが、
0.10≦ρ≦0.15
にされ、
(g)前記ファンの外周縁の周速度が8〔m/s〕以下に設定されることを特徴とするスタンドファン。
【請求項2】
前記出力軸からの径方向の位置を表す所定の半径位置で翼を切断したときの断面において、翼の前縁と後縁とを結ぶ線分によって表されるノーズテールラインと、翼の移動方向に延びる線分によって表されるベースラインとの成す角をピッチ角θ1とし、翼厚中心線とノーズテールラインとの間の距離を表すキャンバーをfとしたとき、前記翼の70〜90〔%〕の半径位置において、前記ピッチ角θ1が、径方向内方ほど大きく、径方向外方ほど小さく設定され、
27〔°〕≦θ1≦60〔°〕
の範囲に収められ、前記翼の70〜90〔%〕の半径位置において、前記ピッチ角θ1が大きい領域で前記キャンバーfが小さく設定され、最大キャンバー位置が翼の前縁側に置かれ、前記ピッチ角θ1が小さい領域で前記キャンバーfが大きく設定され、最大キャンバー位置が翼の後縁側に置かれる請求項1に記載のスタンドファン。
【請求項3】
翼弦長に対する前記キャンバーfの最大値の割合をキャンバー比ηとしたとき、該キャンバー比ηが、
10〔%〕≦η≦25〔%〕
の範囲に収められる請求項1又は2に記載のスタンドファン。
【請求項1】
(a)ベースと、
(b)該ベースから立ち上げて形成されたスタンドと、
(c)該スタンドの上端に配設されたファンユニットとを有するとともに、
(d)該ファンユニットは、前記スタンドの上端に取り付けられたモータ、及び該モータの出力軸に取り付けられ、複数の翼を備えた軸流式のファンを備え、
(e)前記モータは、風の流れ方向における前記翼の根元より下流側に配設され、
(f)前記ファンの直径に対するモータの直径の比ρが、
0.10≦ρ≦0.15
にされ、
(g)前記ファンの外周縁の周速度が8〔m/s〕以下に設定されることを特徴とするスタンドファン。
【請求項2】
前記出力軸からの径方向の位置を表す所定の半径位置で翼を切断したときの断面において、翼の前縁と後縁とを結ぶ線分によって表されるノーズテールラインと、翼の移動方向に延びる線分によって表されるベースラインとの成す角をピッチ角θ1とし、翼厚中心線とノーズテールラインとの間の距離を表すキャンバーをfとしたとき、前記翼の70〜90〔%〕の半径位置において、前記ピッチ角θ1が、径方向内方ほど大きく、径方向外方ほど小さく設定され、
27〔°〕≦θ1≦60〔°〕
の範囲に収められ、前記翼の70〜90〔%〕の半径位置において、前記ピッチ角θ1が大きい領域で前記キャンバーfが小さく設定され、最大キャンバー位置が翼の前縁側に置かれ、前記ピッチ角θ1が小さい領域で前記キャンバーfが大きく設定され、最大キャンバー位置が翼の後縁側に置かれる請求項1に記載のスタンドファン。
【請求項3】
翼弦長に対する前記キャンバーfの最大値の割合をキャンバー比ηとしたとき、該キャンバー比ηが、
10〔%〕≦η≦25〔%〕
の範囲に収められる請求項1又は2に記載のスタンドファン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−68174(P2013−68174A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207864(P2011−207864)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(504251780)ループウイング株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(504251780)ループウイング株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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