説明

ステージの姿勢調整装置

【課題】ステージの傾斜を、対象物が載せられる当該ステージの上面での全方位位置で適宜な傾斜角に調整することを可能とし、更に、これを簡便な構造で実現する。
【解決手段】操作レバー8をステージ2の試料台2aでの適宜な方位位置まで旋回させると、操作レバー8の旋回に伴って可動支持部材7が摺動回転する(この回転に際して台座12も同時に回転する。)とともに、第2球面軸受4の介在により可動節11が旋回する。しかる後、操作レバー8を適宜な方向及び量だけ回転させると可動節11が適宜な方向及び量だけ進退し、この進退に伴って第2球面軸受4においては第2凸部4aと第2凹部4bとの間で、また、第1球面軸受3においては第1凸部3aと第1凹部3bとの間で相対運動が生じてステージ2が適宜な量だけ傾斜する、即ち、当該ステージ2の試料台2aが適宜な量だけ傾斜する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステージの上面に対象物を載せて当該対象物を測定したり検査したりするときに用いられる装置に関し、特に、前記ステージの姿勢を調整することができる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からステージの姿勢を調整するための装置は在り、例えば図4,5に示すような傾斜ステージと称されるものがある(特許文献1)。
この傾斜ステージ100は、図4に示すように、略球面状或いは略円錐状をした受座101aを有するベース101と、裏面に受座101aに当接する略球面状或いは略円錐状の凸部102aを有するプレート102とから構成され、更に、このベース101には、第1の揺動手段103(当該第1の揺動手段103の軸心がプレート102のX軸と重なる態様をなす。)と第2の揺動手段104(当該第2の揺動手段104の軸心がプレート102のY軸と重なる態様をなす。)が水平面上から視て直交する態様で支持されている(図4(A)参照)。これら揺動手段103及び揺動手段104は構造的には同一であるので、ここでは、第1の揺動手段103について具体的に説明すると、第1の揺動手段103は、ベース101に取り付けられ、X軸方向に進退可能な第1の移動部材103aと、ベース101に回動自在に支持された第1の回動部材103bとから構成される。このうちの第1の移動部材103aは、シンブル103aを回転させることによりスピンドル103aを進退させる。また、第1の回動部材103bは、第1の移動部材103aのスピンドル103aの先端部位で当接し、プレート102の裏面の第1の部位102bで当接している。尚、符号103bは、第1の回動部材103bの回転軸である。
このような第1の揺動手段103においては、図5(A)に示すように、シンブル103aを時計方向に回転させると、スピンドル103aは矢印方向に進んで第1の回動部材103bを時計方向に揺動させる。すると、プレート102は当該プレート102の第1の部位102bを支点として適宜な角Q゜傾斜する。逆に、図5(B)に示すように、シンブル103aを反時計方向に回転させると、スピンドル103aは矢印方向に進んで第1の回動部材103bを反時計方向に揺動させる。すると、プレート102は当該プレート102の第1の部位102bを支点として適宜な角R゜傾斜する。尚、第2の揺動手段104についても、第1の揺動手段103と同様に、第2の移動部材のシンブルを回転させると、その回転方向に応じてそのスピンドルが進退し、その進退方向に応じて第2の回動部材が揺動する結果、プレート102は第2の回動部材(図示せず)の揺動方向に応じて当該プレート102の第2の部位(図示せず)を支点として適宜な角度だけ傾斜する。
ところで、この傾斜ステージ100には、ベース101とプレート102との間の3箇所に弾性部材(図示せず)が取り付けられており、この弾性部材の一端がプレート102の貫通孔102cに設けられた支持部材(図示せず)に、また、その他端がベース101の貫通孔(図示せず)に設けられた支持部材(図示せず)にそれぞれ取り付けられている。
【0003】
しかしながら、上述した従来の傾斜ステージにおいては、直交する態様でベース101に支持された第1の揺動手段103及び第2の揺動手段104のいずれか一方または両方を操作してプレート102を適宜な角度に傾斜させる構造であるため、第1の揺動手段103の操作によって当該第1の揺動手段103の軸心と重なる直線(即ち、X軸)に沿う方位位置や第2の揺動手段104の操作によって当該第2の揺動手段104の軸心と重なる直線(即ち、Y軸)に沿う方位位置でプレート102の傾斜を適宜な傾斜角に調整することは容易であるが、例えばX軸とY軸との間に位置する任意の直線に沿う方位位置においてプレート102の傾斜を適宜な傾斜角に調整することは容易でない、という問題がある。
また、上述した従来の傾斜ステージは、ベース101とプレート102との間の3箇所に弾性部材を取り付ける構造となっており、このため、ベース101及びプレート102に弾性部材を支持する支持部材のための加工を施し、当該支持部材を配置しなければならないなど構造的に見ても煩雑である、という問題がある。
【特許文献1】特開2007−57519(第6〜7頁、図1,3,5,6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、ステージの傾斜を、対象物が載せられる当該ステージの上面での全方位位置で適宜な傾斜角に調整することを可能とし、更に、これを簡便な構造で実現する点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係るステージの姿勢調整装置は、ステージの上面に対象物を載せて当該対象物を測定したり検査したりするときの前記ステージの姿勢を調整する装置において、手動で操作レバーを前記ステージの円周方向に沿って所望の位置まで旋回し、この位置で前記操作レバーを回転して当該位置での前記ステージの姿勢を調整できるものであり、簡便な構造で、ステージの傾斜(姿勢)を、対象物が載せられる当該ステージの上面の全方位の任意の位置で適宜な傾斜角に調整することを可能とするものである。
本発明では、操作レバーに対して、旋回(公転に相当)操作と回転(自転に相当)操作とに区別されている。
【0006】
本発明の請求項2に係るステージの姿勢調整装置は、前記ステージの下面中央部に固着されたステージ軸と、このステージ軸の上方寄りのところに固着される第1凸部、及び当該ステージ軸の外周に配設される第1凹部で構成される第1球面軸受と、このステージ軸の下方寄りのところに固着される第2凸部、及び当該ステージ軸の外周に配設される第2凹部で構成される第2球面軸受と、前記第2球面軸受の第2凹部が配設され、且つ、前記操作レバーのネジ軸部に螺合するネジ孔部が設けられた可動節とを備え、前記可動節は、前記操作レバーの回転操作によって当該操作レバーの軸心方向に進退するとともに、前記操作レバーの旋回操作により前記第2球面軸受を介して前記円周方向に旋回するようにしたもので、請求項1に係る装置を実現するためのより具体的な構成を示したものである。
尚、同様に、操作レバーを当該操作レバーの軸心回りに回転させること(自転に相当)を回転操作と称し、操作レバーをステージ軸の軸心回りに回転させること(公転に相当)を旋回操作と称して区別する。
【0007】
本発明の請求項3に係るステージの姿勢調整装置は、前記操作レバーの旋回操作による旋回が略180゜を越えて操作されるのを防止するためのストッパが設けられており、装置使用に際しての便宜が図られている。尚、操作レバーの旋回角を略180゜に設定した理由は、180゜のレバー操作範囲でステージの傾斜を、例えば図2(A)及び図2(C)のようにできれば、レバー操作範囲を360゜(全方位)に渡らせる必要がなく、180゜のレバー操作範囲で全方位でのステージの傾斜が実質的に可能になり得るからである。
【0008】
本発明の請求項4に係るステージの姿勢調整装置は、前記操作レバーの回転や旋回を阻止するためのロック手段がそれぞれ設けられており、装置使用に際しての便宜が図られている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のステージの姿勢調整装置は、ステージの傾斜を、対象物が載せられる当該ステージの上面での全方位位置で適宜な傾斜角に調整することを可能とする利点があり、更に、これを簡便な構造で実現できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係るステージの姿勢調整装置を図1〜3を参照して説明する。
本ステージの姿勢調整装置1は、図1に示すような簡便な構造で、ステージ2の傾斜(姿勢)を、対象物が載せられる当該ステージ2の試料台(上面)2aでの全方位位置で適宜な傾斜角に調整することを可能とするものである。
まず、本姿勢調整装置1の構造について説明する。
本姿勢調整装置1において、上記ステージ2は、その上面に測定や検査の対象物が載せられる比較的薄い略円板状の試料台2aと、この略円板状部材の下面中央部に固着される段差付きで、比較的長寸な円筒状のステージ軸2bとで構成され、このステージ軸2bには、当該ステージ軸2bの上端寄りに設けられた第1段差の径小部に第1球面軸受3の第1凸部3aが固着され、更に、当該ステージ軸2bの中央よりやや下端寄りに設けられた第2段差の、上記径小部より更に径小の径小部近傍に第2球面軸受4の第2凸部4aが固着されている。
そして、第1球面軸受3の第1凸部3aと係合する当該第1球面軸受3の第1凹部3bは、ハウジング5の上部に配設された上プレート板5aの、突条部5aのところに設けられた凹溝(ステージ軸の外周に配設されるところ)5aに、例えば圧入されている。
一方、第2球面軸受4の第2凸部4aと係合する当該第2球面軸受4の第2凹部4bは、ハウジング5内の後述する可動節11の一方端寄りのところに設けられた凹溝(ステージ軸の外周に配設されるところ)11aに、例えば圧入されている。
【0011】
ところで、上記ハウジング5は、薄円板状で、その上面中央部に外方に突設された上記突条部5aを有する上プレート板5aと、この上プレート板5aと適宜な間隔をなし、当該上プレート板5aと複数の支柱(図示せず)及び下記ストッパ13を介して結合される、上プレート板5aと同径で薄円板状の下プレート板5bとで構成されている。そして、上述したように、突条部5aの、当該上プレート板5aの下面に開口する態様で設けられた凹溝5aに第1凹部3bが圧入されている。
そして、このプレート板5a,5bの外周寄りのところで互いに対向する面側には、対をなす横断面視凹状の嵌合溝がそれぞれ設けられており、これら嵌合溝に、例えば黄銅製のリング6がそれぞれ嵌め込まれていて、このリング6上を摺動回転する、後述の操作レバー8を支持してなる可動支持部材7が配設されている。
【0012】
可動支持部材7は、比較的径大のリング状をなす部材で、この可動支持部材7の適宜なところに当該可動支持部材7の内周面と外周面とを垂直に貫く水平貫通孔7aが設けられており、この水平貫通孔7aには操作レバー8が固定されるようになっており、これにより、可動支持部材7は、操作レバー8の旋回操作により、ハウジング5に対しリング6を介して摺動回転するようになる。尚、水平貫通孔7aの内周面側の開口端部には後述する操作レバー8の小鍔部8cが当接するため、また、この外周面側の開口端部には後述するスナップリング9が当接するために座ぐり加工が施されていることはもちろんである。
【0013】
上記操作レバー8は、一方端にツマミ部8aを有する比較的長尺な略T字状部材であり、このツマミ部8aに連設して当該ツマミ部8aと略同長で、且つ、当該ツマミ部8aより径小の突条部8bが設けられ、更に、この突条部8bに連設して当該突条部8bより径小で長尺な軸部8cが設けられ(但し、実際には軸部8cがツマミ部8a及び突条部8b側にネジ込まれている。)、この軸部8cの、突条部8b側から略1/3長のところに上記スナップリング9が配設される切欠き溝8cが設けられ、また、この軸部8cの、他端部から略1/3長のところに小鍔部8cが突設されている。したがって、可動支持部材7の水平貫通孔7aに挿入された操作レバー8は、この小鍔部8cを水平貫通孔7aの座ぐり面に当接させ、この切欠き溝8cにスナップリング9を挿入させることにより当該可動支持部材7に支持されるようになる。
また、操作レバー8は、軸部8cの、突条部8bに接続するところから切欠き溝8c近傍に至るところの外周にネジ溝が螺刻され、このネジ溝にロックツマミ10が螺合されるようになっており、後述するように、ロックツマミ(ロック手段)10を可動支持部材7に当接させることで操作レバー8の回転が阻止される、換言すれば、後述する可動節11の、当該操作レバー8の軸心方向の進退が阻止される。尚、この当接に際して、ロックツマミ10がスナップリング9に当接しないように、当該ロックツマミ10には逃げ溝が施されている。
また、操作レバー8には、その他端部から小鍔部8cに至るところの外周にもネジ溝が螺刻されており(ネジ軸部)、このネジ溝が可動節11のネジ孔部11bに螺合するようになっている。
【0014】
上記可動節11は、略矩形状をなす部材で、その長手方向の一方端寄りのところには上記凹溝11aが設けられ、この凹溝11aの底部には当該可動節11の下面において開口する連通孔が設けられており、また、その他端側にはこの他端面に開口する態様で当該他端面から略中央にまで達する比較的深長なネジ孔部11bが設けられている。したがって、可動節11のネジ孔部11bに上記操作レバー8のネジ溝を螺合させて当該操作レバー8を回転させると、可動節11が後述の台座12上を当該可動節11の軸心方向(操作レバー8の軸心方向)に進退するようになる。かかる進退に従って、ステージ2が傾斜する(図2(A)や図2(C)参照)。
【0015】
上記台座12は、可動節11とほぼ同形の略矩形状をなす部材で、その一方端が上記可動支持部材7の内周面下方に固着されており、したがって、この内周面から突設される態様をなすとともに、操作レバー8の旋回による可動支持部材7の回転と同期して、この台座12及び可動節11がともに旋回することになる。また、台座12の他端側には、上記可動節11の凹溝11aの底部に設けられた連通孔に連通する垂直貫通孔12aが設けられており、後述するように、この垂直貫通孔12aの内壁に、ステージ2が傾斜したときに当該ステージ2のステージ軸2bの下端が当接することで当該ステージ2の傾斜が制限され、本実施の形態では、ステージ2の試料台2aが図2(A)のように水平面に対し左傾斜したとき、及び図2(C)のように水平面に対し右傾斜したときのいずれの場合においても最大10゜と規制されている。
【0016】
ところで、本姿勢調整装置1には、図1に示すように、操作レバー8の旋回操作による旋回が略180゜を越えて操作されるのを防止するためのストッパ13が設けられ、これに当接させるべく上記可動節11に一対の突条11cが突設されている。具体的には、ストッパ13は、可動支持部材7の内周面に沿う適宜長の外周円孤で形成される外輪郭と、この外輪郭の両端を結ぶ直線が当該直線の中央付近でこの外輪郭の外周円孤と同心円をなす内周円弧で形成される内輪郭とで平面視略三日月型形状をなし、且つ、ハウジング5の上プレート板5aと下プレート板5bとの隙間に略等しい高さをなす柱状部材で、このストッパ13は、その中心線が可動支持部材7に固定された操作レバー8の中心線と重なる位置(本実施の形態では、この重なる位置を旋回の中央位置としている。)で、且つ、その外輪郭が可動支持部材7の内周面に沿って適宜な隙間で隔てられた位置でハウジング5内に固定される(ストッパ13は、上述のように、ハウジング5を形成する上プレート板5aと下プレート板5bとの結合材でもある)。一方、上記突条11cは、可動節11の長手方向の両側面であって、当該可動節11の他端から凹溝11aの略中央に至る両側面に突設されている。したがって、可動節11が中央位置にあるときに、操作レバー8を介して当該可動節11を、図1(A)の矢印で示されるように、時計回り又は反時計回りに90゜それぞれ旋回させると、突条11cがストッパ13に当接して時計方向又は反時計方向への90゜以上の旋回が阻止される。
【0017】
また、本姿勢調整装置1には、図1に示すように、操作レバー8を任意の位置まで旋回して停止させたときに、その停止状態が維持されるようにロック手段が設けられている。かかるロック手段は、ロックネジ14aと、これに螺合するネジ孔が設けられたブラケット14bとで構成されている。ロックネジ14aは、例えば六角ボルトであり、また、ブラケット14bは、細長な略矩形状の梁部材で、ハウジング5の上プレート板5aと下プレート板5bとの間に架設されるものである。このようなロック手段においては、ロックネジ14aを可動支持部材7に当接させることで当該可動支持部材7、即ち操作レバー8の旋回が阻止される。
【0018】
次に、本姿勢調整装置1の使い方について図2,3をも参照して説明する。但し、図2にはロックネジ14aやブラケット14bなどは省略されており、また、図3では、旋回を模式的に示している。
本姿勢調整装置1においては、対象物が載せられたステージ2の試料台2aにおけるある位置(以下、A位置とする。但し、A位置は、上記中央位置から時計回り又は反時計回りに90゜の範囲内に存する適宜な位置である。)で、当該試料台2aをある角度(以下、φ゜とする。但し、φ゜は、左傾斜したとき、及び右傾斜したときのいずれの場合においても10゜以内の適宜な角度である。)だけ傾斜させる調整を行う場合には、まず、例えば中央位置にある操作レバー8を把持して当該操作レバー8をA位置まで旋回させる。このとき、操作レバー8の旋回に伴って可動支持部材7が摺動回転する(この回転に際して台座12も同時に回転する。)とともに、第2球面軸受4の介在により可動節11が旋回するからである。この可動節11の旋回に対してステージ2は静止状態にあることは言うまでもない。図3はこの様子を模式的に示したもので、同図では、操作レバー8が中央位置にあるとき(同図(A))に、操作レバー8を反時計回りに90゜旋回させたとき(同図(B))、及び操作レバー8を時計回りに90゜旋回させたとき(同図(C))を示し、ステージ2の試料台2aに載せられた対象物(矢印を正方形で囲んで表示したもの)が、換言すればステージ2が、操作レバー8を旋回させても静止状態にあることを示している。
【0019】
次に、A位置において、操作レバー8を回転させてステージ2の試料台2aをφ゜傾斜させればよい。この場合、操作レバー8を適宜な方向及び量だけ回転させると可動節11が適宜な方向及び量だけ進退し、この進退に伴って第2球面軸受4においては第2凸部4aと第2凹部4bとの間で、また、第1球面軸受3においては第1凸部3aと第1凹部3bとの間で相対運動が生じてステージ2がφ゜傾斜するからである。そして、かかる傾斜をロックツマミ10で固定すればよい。図2はこの様子を示したもので、同図では、操作レバー8が中央位置で水平状態にあるとき(同図(B))に、操作レバー8を、例えば左回りに回転して試料台2aを最大10゜左傾斜させたとき(このとき、ステージ2のステージ軸2bの下端が台座12の垂直貫通孔12aの内壁に当接する。同図(A))、及び操作レバー8を、例えば右回りに回転して試料台2aを最大10゜右傾斜させたとき(このとき、ステージ2のステージ軸2bの下端が台座12の垂直貫通孔12aの内壁に当接する。同図(C))を示している。尚、図2においては、ロックツマミ10は動作させていないところが図示されている。
本姿勢調整装置1においては、このようなことが可能なために、180゜のレバー操作範囲で全方位でのステージ2の傾斜、即ち、当該ステージ2の試料台2aの傾斜が実質的に可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明のステージの姿勢調整装置は、ステージの傾斜を、対象物が載せられる当該ステージの上面での全方位位置で適宜な傾斜角に調整することを可能とし、しかも、簡便な構造をなしており、広範囲での利用価値が高いと言える。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係るステージの姿勢調整装置を示す構成図である。
【図2】図1の装置によってステージを傾斜させるための動作説明図である。
【図3】図1の装置によって操作レバーを旋回させたときの動作説明図である。
【図4】従来の傾斜ステージを示す構成図である。
【図5】図4の装置によってステージを傾斜させるための動作説明図である。
【符号の説明】
【0022】
1 姿勢調整装置
2 ステージ
2a 試料台
2b ステージ軸
3 第1球面軸受
3a 第1凸部
3b 第1凹部
4 第2球面軸受
4a 第2凸部
4b 第2凹部
8 操作レバー
10 ロックツマミ(ロック手段)
11 可動節
11b ネジ孔部
13 ストッパ
14a ロックネジ(ロック手段)
14b ブラケット(ロック手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステージの上面に対象物を載せて当該対象物を測定したり検査したりするときの前記ステージの姿勢を調整する装置において、手動で操作レバーを前記ステージの円周方向に沿って所望の位置まで旋回し、この位置で前記操作レバーを回転して当該位置での前記ステージの姿勢を調整してなることを特徴とするステージの姿勢調整装置。
【請求項2】
前記ステージの下面中央部に固着されたステージ軸と、
このステージ軸の上方寄りのところに固着される第1凸部、及び当該ステージ軸の外周に配設される第1凹部で構成される第1球面軸受と、
このステージ軸の下方寄りのところに固着される第2凸部、及び当該ステージ軸の外周に配設される第2凹部で構成される第2球面軸受と、
前記第2球面軸受の第2凹部が配設され、且つ、前記操作レバーのネジ軸部に螺合するネジ孔部が設けられた可動節とを備え、
前記可動節は、前記操作レバーの回転操作によって当該操作レバーの軸心方向に進退するとともに、前記操作レバーの旋回操作により前記第2球面軸受を介して前記円周方向に旋回することを特徴とする請求項1に記載のステージの姿勢調整装置。
【請求項3】
前記操作レバーの旋回操作による旋回が略180゜を越えて操作されるのを防止するためのストッパが設けられてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のステージの姿勢調整装置。
【請求項4】
前記操作レバーの回転や旋回を阻止するためのロック手段がそれぞれ設けられてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のステージの姿勢調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−230471(P2010−230471A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−78147(P2009−78147)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000150165)株式会社竹内製作所 (2)
【Fターム(参考)】