説明

ストリーム提供方法、視聴者参加による対話型シアタシステム、およびストリーム視聴装置

【課題】対話型シアタ環境において視聴者に互いに異なる画像ストリームを供給する方法。
【解決手段】この方法は、シャッタ眼鏡などの光学フィルタを、視聴者と表示面の間に配置する工程を含む。表示期間中、表示面に複数の画像ストリームが供給され、光学フィルタは第1画像ストリームを伝送するように動作する。この方法は、第2画像ストリームを伝送するために、表示期間中、光学フィルタの一組の動作状態を改変する工程を含む。表示面の同一部分など、表示面上に複数の画像ストリームを投影するために同時に動作するプロジェクタ群によって、複数の画像ストリームが供給されてもよい。視聴者のユーザ入力(たとえばフィルタまたは眼鏡に接続された装置を用いてユーザが行う動作またはチャネルの手動切替)に応じて、動作状態は改変されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、参加者集団および大勢の視聴者(オーディエンス)に対話的体験を提供する方法およびシステムに関する。本発明は特に、対話型シアタまたは同様の環境において視聴者参加を向上させ、且つ視聴者参加による一層応答性の高いゲーム、エンタテイメント、教育体験のうちの少なくとも一つを、視聴者ごとに提供可能な方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
視聴者の応答および参加は、さまざまな環境で視聴者の体験を向上させるために用いられている。たとえば教育的な発表もしくは公演の或る部分に対する視聴者(たとえば生徒)の反応を把握および測定するために、または視聴者が質問に正確に回答可能か(たとえば真偽問題もしくは多項選択問題で正しい選択肢を選ぶか)を視聴者に判定させるために、視聴者反応システムが教育環境で使用されている。エンタテイメント環境においては、視聴者の相互作用を利用することによって、視聴者間で対話型ゲームを作り出してもよく、または視聴者に上映中のショーもしくは映画を変更してもよい。ツールの使用によって、視聴者の半数はゲーム内の或るキャラクタをコントロールし、視聴者の残りの半数はそのゲームの他のキャラクタをコントロールすることによって、対話型ゲームで勝負させ勝者を決めるようにしてもよい。他の用途では、通常ポーリングによって、ショーをコントロールしている視聴者の大多数にしたがうように、上映してほしいストーリラインの分岐を選択してもよい。視聴者は通例、視聴者の参加または相互作用を含んだエンタテイメント、教育、および他のアクティビティを楽しんでいる。一層対話的な体験を提供すること、およびこのようなショーの反応性および特性を改善すること(たとえば視聴者に自らのアクション/投票が重要で考慮されているかのように感じさせるために、相互作用への反応を一層即座にし、それぞれ視聴者にとって一層個人的に感じられるものにすること)がより一層求められている。
【0003】
視聴者が楽しめ、且つ視聴者の入力が効果的に把握される対話的体験を作り出そうと、数々の技術が開発されている。しかし、大勢の人々を対象とした視聴者中心のゲームを含むグループ対話的な体験の実施は、非常に困難であることが明らかになっている。特に実施の成功は、視聴者の満足度や個性化の程度(たとえば自分の行ったアクションが、またはアクションを行わなかったことが本当に重要だったか)によって測定される。たとえば多くの視聴者参加型システムは、単に大多数(たとえば過半数)の結果に基づきグループが行う民主的な投票(ポーリング)または測定などの形に依存している。勿論これはほぼ半数の視聴者をがっかりさせ、あるいは無視したものとなり得る。このようなポーリング/投票システムを実施するには、賛否選択、真偽選択、または多項選択に関連付けられた複数のボタン/キーパッドの一つを選択可能な装置を視聴者に与えてもよい。
【0004】
あるいは対話型エンタテイメントシステムは、視聴者のアクションまたは動きをシステムに測定または判定させることによって、入力または「コントロール」を行ってもよい。たとえば視聴者が座席の左または右に傾いているかの判定、視聴者はスクリーン(すなわち画面)上のどこをレーザポインタなどの装置で指しているか、また視聴者がポインタとして使用される影付きビーチボールなどの物体をどのように移動させるかの判定、反射パドルのどちら側がスクリーンに面するかの判定(たとえば一方の側には赤色の反射パドルがあり、他方には緑色の反射パドルがある)、並びに視聴者の全体的な動きの判定などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0266412号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0039210号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0174266号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2007/0015464号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2007/0055989号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2007/0103558号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2007/0240190号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2008/0052746号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
視聴者の多数は、シアタの表示スクリーンに表示される対話型ゲームにおいて、アニメのキャラクタの動きなどを介した対話的体験に対し、ほとんどまたは何ら影響していないと感じることがある。またこれらのシステムの多くは、群集の動きを判定するためのビデオストリームのプロセスなど、多大なプロセスを要する。視聴者のアクションまたは入力と、投影された画像またはゲームアクションの変化(たとえば対話型システムからのフィードバック)との間に、比較的大きな遅れまたはラグを生じる場合がある。反応性または満足感のこうした遅れは、所望のアクション/選択したアクションが行われないときに問題になることが多い(たとえば群衆は特定の反応を選択するために左に傾くが、まっすぐに座るまでには数秒遅れる)。こうした反応性の遅れは、教室での用途または群集がショーの開始を待つ場合など、いくつかの環境においては許容され得る。しかし、シアタまたは同様の環境で提供される対話型ゲームなどほとんどの主要な対話的体験において、許容し難い双方向性の欠如と見なされる。
【0007】
このため、さまざまな規模のグループ(たとえば数名のグループから何百何千の視聴者グループ)に向上した対話的体験を提供する方法およびシステムの改善が、今なお必要とされている。好ましくは、このような方法およびシステムは、それぞれ視聴者の入力または相互作用がシステムの出力に影響した(たとえばゲームを変更した、表示されたビデオストリームおよび/もしくオーディオストリームを変更した)と視聴者に一層強く感じさせることによって、並びに高応答性の体験をさせることによって(たとえば映像の表示やキャラクタの動きなど、システム出力の変化という形で、瞬時またはほぼ瞬時にフィードバックを受ける体験をさせることによって)、視聴者の参加に対応する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、向上された視聴者参加による(たとえばユーザ入力に対する応答性を高めた)対話型シアタを提供する方法およびシステムによって上記の問題を解決する。改善された対話型シアタを提供する試みにおいて、発明者らは、既存の技術で複数の画像ストリーム(またはビデオストリーム)を一つのディスプレイまたはスクリーンにブロードキャストまたは表示することが可能であると認識していた。表示画面に時分割画像を投影し、所望の画像(たとえばシャッタ開閉眼鏡を介して特定の時刻に見られる画像)を表示するフレームに対応する時間系列にシャッタ開閉眼鏡を同期させることによって、複数の画像ストリームを供給してもよい。現在300ヘルツ(Hz)までシャッタ動作する眼鏡が入手可能であり、少なくとも3個の分離した三次元(3D)ストリームまたは少なくとも6個の分離した2次元(2D)ストリームを、同一の画面にブロードキャストまたは投影するのに用いることができる。このような複数のストリーム投影型システムによって対応可能なストリーム数は、投影およびシャッタ眼鏡において近年見られる技術改善に伴い、増加するであろう。
【0009】
現在、複数ストリームの投影技術は、3D効果を生み出すために(たとえばシャッタ眼鏡を装着して視聴する右眼用画像と左眼画像を、シャッタで制御するために)、またはビデオゲーム環境で複数のプレイヤに対応するために用いられている。後者の用途において、それぞれプレイヤは、或る周波数で動作するシャッタ眼鏡を装着する。これによって、分割画面の必要がなく、自身のプレイ中の表示と関係付けられた画像ストリームが視聴される(たとえばモニタまたはテレビ画面全体で、表示が交互に(または時分割に)行われるため、プレイヤAとプレイヤBは、プレイヤAがプレイヤAビデオストリームを、プレイヤBがプレイヤBビデオストリームを視聴するように互いに異なる周波数での動作が設定された眼鏡を装着する)。既存の使用法は、所望の効果を得るために、固定した決まった方法で投影システムおよびシャッタ眼鏡を動作させるものと考えられる。この場合、所望の3D効果または時分割の2D効果を得るために、シャッタ眼鏡(または光学フィルタ)は、ビデオゲーム中またはビデオ表示中に一貫した動作を行う。
【0010】
発明者らは一方、一つまたは複数の表示面に複数のビデオストリームを投影すること、および光学フィルタを改変(すなわち変更)することによって視聴者、視聴者の一組、および視聴者ごとで視聴されるビデオストリームを選択する新しい能力を備えることが非常に望ましいと認めた。たとえばシャッタ眼鏡をそれぞれ視聴者に与えてもよく、複数のビデオストリームをシアタスクリーンに投影してもよい。投影されたビデオストリームのいずれかを視聴するようシャッタ開閉を同期させるために、複数の動作状態(たとえば周波数、偏光状態など)で動作可能になるような切替能力を備えるシャッタ眼鏡に改変してもよい。場合によっては、ゲストがコントロールしたアクション、または視聴者による入力(「ユーザ入力」)によって、いつシャッタ眼鏡を互いに異なる動作状態に切替えるか、またいつ新しい動作状態に対応する互いに異なるビデオストリームを、眼鏡を装着した視聴者が視聴できるようにするかを判定してもよい。他の場合、ユーザ入力に基づき、遠隔的に切替を制御してもよい(たとえば左に傾いた視聴者は、右に傾いた視聴者とは異なる画像を視聴する)。あるいは所望の効果を達成する(たとえば特定のイベント中またはゲーム中に互いに異なるストリームを視聴するよう、視聴者の光学フィルタまたは眼鏡の一部を切替える)ように制御してもよい。通例、応答性を改善するため、且つ表示された画面をコントロールしたという実感を視聴者に一層強く持たせるため、ユーザ入力(またはコントローラの指令)を受信した直後に切替が行われる。しかし、ストーリラインの分岐まで待つ場合など、応答が遅れることもある。
【0011】
本発明の一態様において、対話型シアタシステムが提供される。この対話型シアタシステムは、画面に「同時に」表示されている多数の画像ストリームのうち、視聴者が視聴する画像ストリームを、ゲスト制御によるアクションまたはユーザ入力に基づき判定する能力を備えている。この場合、同時に表示したストリームを時分割することによって、または偏光技術を用いることによって、一つの表示面(たとえば視聴者が同時に視聴する映画館のスクリーン)に投影または供給されている一連のビデオストリームに、同時表示が適用されるものとする(たとえば互いに異なる複数の視聴者が、同じ期間に互いに異なるビデオストリームを見ることはできるが、それぞれフレームが同時に表示される必要はない)。表示された画像をゲスト指示によって制御できるため、グループ環境およびシアタ環境において、非常に個人的で報酬を感じる双方向のやりとりおよびゲームプレイになる。たとえば本発明のいくつかの実施形態の操作によると、視聴者が見る画像ストリームを、またいつその画像ストリームを見るかを、ゲスト制御によって(たとえば視聴眼鏡または光学フィルタの動作状態切替用の入力装置を与えることによって)、ゲストが物語を決定できる。このような対話型シアタシステムは、ゲストまたは視聴者が複数の画像ストリームの一つを(イベントまたはゲームの開始前に設定として選択するのではなく)ストーリまたはイベントの経過中に選択できるようにしてもよい。且つ、この対話型シアタシステムは、大部分のアトラクションに望まれる基本的または伝統的な一貫性が存在するストーリラインを保持する(たとえばストーリラインの制御は、選択用に同時表示された一連の
入力ビデオストリームを選択/設計することによって、および/またはいつ視聴者がユーザ入力によって画像ストリームを変更できるかを制御することによって行われる)。多くの環境において、このような制御とユーザへのフィードバックによって、それぞれ視聴者はシアタの視聴者全体に自分が何らかの効果を与えている(または表示結果に作用している)と実感できる。上記から分かるように、表示されたアクティビティ、ゲーム、ショー、またはイベントの経過中に少なくとも1回、どのビデオストリームを視聴するかをユーザ個人が制御することによって、視聴者の満足度や楽しさが大幅に高められる(たとえば視聴者はボタンを押すだけ、または他の入力を行うだけで、メインスクリーンに表示されている映画またはゲームプレイを見たいものに変更できる)。
【0012】
特に、対話型のシアタ環境におけるゲームの参加者など、複数の視聴者に互いに異なる画像ストリームを供給する方法が提供される。この方法は、視聴領域(たとえばシアタ)内の視聴者と表示面(たとえば映画スクリーン)との間に、複数の光学フィルタを配置する工程を含む。表示期間中、画像ストリームのうち第1画像ストリームを伝送するよう光学フィルタが動作し、表示面に複数の画像ストリームが供給または表示される。この方法はつづいて、画像ストリームのうち第1画像ストリームとは異なる第2画像ストリームを伝送するために、表示期間中、光学フィルタの一組の動作状態を改変する。このようにして、視聴者は二つの互いに異なる画像ストリームを視聴する。表示面に画像ストリームを投影するために、画像ストリームは、同時に動作するプロジェクタ群によって供給されてもよい(たとえばシャッタなどで時分割されてもよい)。プロジェクタは、表示面全体に、または少なくとも部分的に重なり合う表示領域群に、(たとえば分割画面の効果ではなく、一面に投影された複数の画像として)画像を表示するように構成されてもよい。
【0013】
動作状態の改変は、光学フィルタの一組に関係付けられた視聴者からのユーザ入力(たとえば特定の画像ストリームの選択を判定するために、コントロールシステムがプロセスした視聴者の入力/アクション)に応じて行われてもよい。光学フィルタは、それぞれ視聴者が装着する装置であってもよい。ユーザ入力は、被装着装置に通信可能に接続された状態セレクタを操作することによって、動作状態を手動で切替える装着者/視聴者に関係付けられてもよい。たとえば装置は、互いに異なるシャッタ周波数に切替可能な動作状態が対応するLCDまたは他のシャッタ眼鏡であってもよい。このシャッタ周波数とは、ストリームのすべてではなく一つをフィルタリングするために、(たとえばプロジェクタの動作に伴う)表示面へのさまざまな画像ストリームの投影/表示に同期したものである。この方法は更に、ユーザ入力を行うために視聴者にキューを供給することと、キューの供給後または供給時に動作状態を改変して分岐動作を選択的に制御する場合、光学フィルタを操作可能にするために、コントローラまたはコントロールシステムを使用することとに関係する。
【0014】
他の態様において、デジタルビデオプロジェクタなど、表示面に一連の画像ストリームを投影するよう動作するプロジェクタ群を備えた対話型シアタシステムが提供される。たとえばプロジェクタとともに高周波シャッタを備えてもよい。またこの高周波シャッタは、プロジェクタが画面の一領域または一部分に互いに異なる画像ストリームを「同時に」投影するように操作されてもよい。この対話型シアタシステムは、対話型シアタ内の視聴者が装着可能な光学フィルタを備えてもよい。これらのフィルタは、画像ストリームのすべてではなく一つをフィルタリングするために少なくとも二つの動作状態において動作可能であり、視聴者はフィルタリングまたはブロックされていない画像ストリームを(たとえば映像の右フレームと左フレームを複数セット)視聴できる。この対話型シアタシステムは、動作状態コントローラを備えてもよく、動作状態コントローラは、動作状態の一つが選択された光学フィルタにそれぞれに関係付けられている。動作状態コントローラは、どの画像ストリームが光学フィルタを介して伝送されるか、または視聴者に視聴可能になるかを変更するために、投影中に少なくとも1回独立して操作可能である。一実施形態に
おいて、光学フィルタは、画像ストリームのすべてではなく一つをブロックするよう、画像ストリーム投影/伝送周波数に選択的に同期されたシャッタ周波数で動作可能なシャッタ眼鏡である。
【0015】
動作状態コントローラは、視聴する画像ストリームをそれぞれ視聴者が選択できるようシャッタ周波数を切替えるために、眼鏡上または眼鏡付近のチャネルセレクタで視聴者が操作可能なものもある。動作状態コントローラは、システムコントローラからセレクタ有効信号を受信した場合だけ動作可能であってもよい(セレクタ有効信号は、たとえば任意による選択に基づき、またはユーザ入力など特定の基準に適った選択に基づき、動作状態コントローラの一組に送信されてもよい)。いくつかの用途において、視聴者の一部に互いに異なる画像ストリームを視聴させるために、システムコントローラは動作状態の切替を遠隔的に制御してもよい。対話型シアタシステムのいくつかの実施形態において、画像ストリームは、共通のストーリラインに関係付けられたビデオ画像を含み、他の画像ストリームとは異なるコンテンツを含む。このため、画像ストリームの切替によって、視聴者は互いに異なるコンテンツ(たとえば分岐したストーリ)を視聴できる。あるいは画像ストリームの切替えによって、対話型ビデオゲームが提供される。
【0016】
本発明の実施形態は、視聴者参加が向上された対話型シアタを提供する方法およびシステムに関する。本明細書に記載の対話型シアタシステムは、通例投影アセンブリを備え、この投影アセンブリは、表示面(たとえば劇場のスクリーンなど)に複数の画像ストリームを投影または表示するよう動作する。対話型シアタシステムは複数の光学フィルタを備えてもよく、この光学フィルタは、表示された複数のビデオストリームを視聴者が視聴できるように、複数の互いに異なる動作状態またはチャネルが選択されるように操作可能である。光学フィルタの動作状態は、視聴者によって制御または変更されてもよい。視聴者とはたとえばフィルタの動作状態を変更するために、ボタンの押下によって、またはフィルタ上もしくはフィルタコントローラに連通したセレクタ上の選択機構によって、或る種の「ユーザ入力」を行うユーザである(選択機構とはたとえばディスプレイ上の互いに異なる画像ストリームとの同期をとる場合に、シャッタ速度の変更によってチャネルを変更するためにユーザが操作可能なチャネルセレクタを備えたシャッタ眼鏡である)。動作状態の変更は、たとえばユーザのアクション/動きの感知によって、またはユーザによって遠隔的に行われる場合もある。あるいは特定のショーまたはイベントの間に画像ストリームを変更するために一つ以上の光学フィルタの動作状態を変更するとき、所望の表示効果を得るように行われる。対話型シアタシステムは、プロジェクタおよび光学フィルタの動作を同期させるシステムコントローラを備えてもよい。たとえばプロジェクタ用のシャッタコントローラが設けられ、これらのシャッタの動作と視聴者が装着するシャッタ眼鏡とが同期される。システムコントローラは、いつ視聴者が光学フィルタの動作状態を変更できるかを制御するために、セレクタ有効信号を伝送してもよい。および/または表示された画像ストリームのうち互いに異なる画像ストリームを視聴者の少なくとも何人かが視聴するよう光学フィルタを遠隔的に変更するために、チャネル/状態選択信号を伝送してもよい。
【0017】
対話型シアタシステムおよびその方法は、表示面において一連のビデオストリームを表示中に、視聴するチャネルまたはフィルタ動作状態を視聴者が切替可能な「オンデマンド」体験を提供してもよい。この他、システムコントローラまたは他の装置は、所定時間ポイントでのみ切替可能になるよう動作してもよい。切替はオペレータが手動で行ってもよく、またはユーザ入力/アクション(たとえば視聴者が座席の左もしくは右に傾くなどの動作をいつ行うかの判定)に基づき、自動的に行われてもよい。本明細書において「ユーザ入力」とは、プロセス可能なアクション、またはさまざまな画像ストリームを選択するために使用可能なアクション(たとえば有形のアクションもしくはスピーチなど)のうち、任意のアクションをいう。重要な態様として、画像ストリームは通常、表示のイベント
またはアクティビティの間には変更されない。このため、ユーザが画像ストリームを変更することはないが、代わりにユーザまたは視聴者(またはシステムコントローラ)が、表示のイベントまたはアクティビティの間に対応する光学フィルタの動作を変更し、これによって、表示画像が個々に選択可能なビデオストリームとして見なされる。以下にまず、視聴者の参加/制御による対話型シアタを体験させるために使用可能なシステムを説明する。つづいていくつかの実施形態について、すなわち、一つ(または少数)の表示面で視聴する画像ストリームを視聴者の一組が切替えることができ、この切替によって達成される視聴者参加および固有物語の態様について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】一つの表示面またはスクリーン上に投影された互いに異なるビデオストリームを、互いに異なるユーザが視聴可能なエンタテイメント用途または教育用途に使用できる、本発明の一実施形態による対話型シアタシステムの機能ブロック図。
【図2】図1と図3に示す対話型シアタシステムなど、本発明の対話型システムにおける画像ストリームの管理または使用の概略図。
【図3】光学フィルタを用いた対話型シアタシステムの態様を示す、図1に類似した他の機能ブロック図。この光学フィルタは、表示面またはスクリーンに投影された互いに異なるビデオストリームを選択またはフィルタリングするために互いに異なる動作状態で動作するよう構成されている。
【図4】シャッタ速度の選択用および特定の表示ビデオストリームの選択ボタン/スイッチ付きユーザ入力装置を備えたLCDシャッタ眼鏡を用いた実施形態による、他の対話型シアタシステムの概略図。
【図5】特定の動作状態に設定された光学フィルタを介して、視聴者が視聴可能な個々のストリーム、およびディスプレイに「同時」表示された複数のビデオストリーム/画像表示の模式図。
【図6】複数の互いに異なる視点POVによる物語の実施または対話型シアタシステム操作に使用される、図5の表示と類似した表示面の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態による対話型シアタシステム100を示す。図に示すとおり、対話型シアタシステム100は、一連の画像ストリーム114を投影または表示するよう動作する4つのプロジェクタ110を備えた投影アセンブリを含む。高周波シャッタ112がプロジェクタ110の出力側に設けられる。これによって、3D画像の作製および複数の2D画像ストリームの供給での使用において技術分野で周知のように、プロジェクタ110からの画像ストリーム114のフレームが時分割される。本明細書においてこれらのストリームは、表示画面(表示装置)116に「同時に」表示され、裏面117と、前面としての視聴面119とは、複数の視聴者またはオーディエンスに晒されている。これらの画像ストリーム114は同時と見なされ、視聴者がストリームを切替えたとき、速度または周波数について認知可能な遅れはまったくないか、またはほとんどないものとする。プロジェクタ110は4個図示されているが、2個〜6個、またはそれ以上のプロジェクタ110を投影アセンブリに使用してもよい。高周波シャッタ112は、50Hz〜300Hzまたはそれ以上で開閉するよう、幅広い周波数で動作してもよい。
【0020】
対話型シアタシステム100は、システムコントローラ120も備える。システムコントローラ120は、時間コード信号(たとえば画像ストリーム114を表示するために動作を同期させるSMPTE時間コード信号)をプロジェクタ110に供給する時間コードモジュール126を備える。時間コードモジュール126は、50Hzまたは高周波シャッタ112を動作させるためにシャッタコントローラ122が用いる他の有用な周波数で、モジュール124によって主フレーム同期信号を生成するのに使用されてもよい。コントローラは、所定フレームオフセットに設定されてもよい。コントローラはまた、光学フ
ィルタ(たとえば視聴者が使用する図示の眼鏡140)の動作を同期させるために、システムコントローラ120から同期信号(またはタイミング参照パルス)132を送信してもよい。あるいはこの信号部分/同期部分は、画像ストリーム114に供給されてもよい(たとえば信号と、眼鏡140に埋め込まれた赤外線IRとは、応答性を備えるよう構成される)。システムコントローラ120は、いつ視聴者が光学フィルタの動作を変更するかを制限するために、あるいは光学フィルタの動作状態を遠隔的に変更するために制御信号134を送信するセレクタ有効モジュール130を備えてもよい。セレクタ有効モジュール130は、たとえば画像ストリーム114の一つを選択するためにチャネルを変更する場合、視聴者のユーザ入力が可能になるよう、対話型シアタシステム100が提供する対話型ゲームの間に制御信号134を生成してもよい。あるいは視聴者の一組に表示される画像ストリームを変更する場合、光学フィルタの動作状態を変更するために、ユーザが装着した被装着装置の一組に遠隔チャネル変更信号としての制御信号134を送信するよう、システムコントローラ120がセレクタ有効モジュール130を操作してもよい。
【0021】
対話型シアタシステム100は、視聴者視聴アセンブリを備えてもよい。視聴者視聴アセンブリは、(プロジェクタ110が供給する画像ストリームを視聴するために視聴者が装着する複数の光学フィルタ(シャッタ眼鏡140として図示)を含む。眼鏡シャッタコントローラ142は、それぞれ眼鏡140に設けられ、視聴可能な画像ストリーム(他のどの画像ストリームがフィルタリングまたはシャッタ閉鎖されているか)を選択するために、眼鏡140の動作状態(たとえばLCD眼鏡のシャッタ周波数)を変更する。眼鏡シャッタコントローラ142は、チャネルセレクタ144からのチャネル選択信号148に応じて動作する。チャネルセレクタ144は、有線または無線で通信可能に眼鏡シャッタコントローラ142に接続されてもよい。チャネルセレクタ144は、(たとえばユーザ入力146のプロセス/解釈、またはコントロールプログラムなどに基づき)セレクタ有効モジュール130からの制御信号134によって遠隔操作可能であってもよい。並びに/または、直接ユーザ入力146に基づいてもよい(たとえば眼鏡140を装着する視聴者は、チャネルセレクタ144のボタンを押してチャネルまたは視聴する画像ストリーム114を選択してもよい)。図1に示すとおり、眼鏡140は3個の互いに異なる動作状態にあり、眼鏡を装着する視聴者は3個の画像ストリームを同時に視聴できる。また上記のとおり、表示のイベントまたはアクティビティの間に画像ストリームを変更するために、プロジェクタ110の動作時にチャネルセレクタを操作する。これによって対話型ゲームの効果を奏し、物語に対応し、および/または視聴者参加による他の所望の効果を奏することができる。図1には3個の互いに異なる状態を示しているが、眼鏡の動作状態は、4個の互いに異なる画像ストリームのうち任意の画像ストリームに合わせることもできる。
【0022】
上記のように、眼鏡140は、液晶の眼鏡レンズと、電圧印加時に暗くなり、その他の場合は透過性をもつ偏光フィルタとを備えるように構成された液晶表示(LCD)シャッタ眼鏡であってもよい。眼鏡はこの材料で作製されてもよく、眼鏡シャッタコントローラ142によって操作されてもよい。この眼鏡シャッタコントローラ142は、画像ストリーム114の特定の画像(たとえば3D表示)を視聴するために、左眼用画像と右眼用画像が高周波シャッタ112で素早く交互に切替えられ、同期信号132に同期して一方の眼またはレンズを暗くし、その後もう一方を交互に暗くする。視聴者がシャッタ眼鏡類を介してスクリーン表面としての視聴面119を見るとき、それぞれ眼が適切は斜視(左眼用画像または右眼用画像)だけを見るように、所望でない画像は除外し、所望の画像を送信するようにシャッタの同期がとられる。たとえば少なくとも3つの分離3Dストリームまたは6つの分離2Dストリームを表示画面116にブロードキャストし、眼鏡140の装着者が選択的に視聴可能になるように、眼鏡140は300Hzまでシャッタ動作が可能であってもよい。
【0023】
これは図2で理解できる。図2において、対話型シアタシステム100は、複数の表示画像ストリーム、またはこれらのストリームを視聴またはフィルタリングするのに用いられる眼鏡チャネルに対応するものであってもよい。図2に示すとおり、プロジェクタ110は、フレーム210(プロジェクタ110それぞれに関係付けられたフレームA,B,C,D)で示される4個の画像ストリームを供給する。これらは、表示画面116にスクリーン画像を「同時に」投影および表示する(たとえば分離時間または時分割をわずかに含む)。眼鏡140は、一連の眼鏡チャネル216(番号1〜6)に対して(チャネルセレクタ144からのチャネル選択信号148に応じて)、眼鏡シャッタコントローラ142によって操作されてもよい。通常、眼鏡のシャッタ動作は、システムコントローラ120または投影システムからの信号(たとえば主フレーム同期信号214)に同期される。この例では、それぞれ主フレーム同期信号214に対し、4個のフレームが210,212で示すように時分割方式で(すなわち、それぞれプロジェクタ110から一つ)表示され、次のフレーム/スクリーン画像が210,212で示すように表示される。
【0024】
動作モード220において、対話型シアタシステム100は、眼鏡チャネル216(番号5,6)を選択することによって、眼鏡140の装着者または視聴者が2つの3D画像を選択的に視聴できるように操作される。このモードにおいて、第1チャネルでは、フレームAが左眼に供給され、フレームBが右眼に供給される。これはたとえば第1視聴者または視聴者の第1組が装着した1組の眼鏡140に関連して行われてもよい。眼鏡チャネル6に設定された眼鏡140は、左眼または左レンズに対してフレームCを、右眼または右レンズに対してフレームDを受信するように同期がとられる。このパターンは、眼鏡チャネル5,6に設定されたそれぞれ眼鏡に対して繰返される。たとえば視聴者の第1組または第1部分は、眼鏡チャネル5に関係付けられた第1画像ストリームを視聴し、一方(同時またはほぼ同時に)、視聴者の第2組または第2部分は、眼鏡チャネル6に関係付けられた第2画像ストリームを視聴してもよい。
【0025】
動作モード230において、視聴者は1個または3個の眼鏡チャネル216を選択することによって、1個の3D画像ストリームと2個の2D(または標準)画像ストリームを視聴してもよい。投影アセンブリの動作モード240において、シャッタ眼鏡が4個の眼鏡チャネル216のうちの一つで動作するように設定されている場合、視聴者は4個の2D(または標準)画像ストリームを視聴してもよい。先にも述べたが、この切替はユーザ入力(チャネルセレクタの直接操作、またはユーザ入力の判定やチャネルセレクタの操作を行うコントロールシステムなどを用いた一層間接的な操作)に応じてもよい。あるいは切替はコントロールプログラムに基づいてもよく、たとえば視聴者の少なくとも何人かに対して、画像ストリームを変更しながら、物語を変更または放映してもよい。図2で説明される対話型画像システムは、簡単な操作によって、フレーム(たとえばA〜Dまたはそれ以上)を用いて一つのディスプレイに複数の画像ストリームを表示できる。そして、表示された画像ストリームの一つを受信/視聴するために同期をとるよう、LCDシャッタ眼鏡などの光学フィルタが選択的に操作される(たとえばチャネルが選択される)。たとえば動作モード240において、(少なくとも一つの)所定ユーザ入力を行うことによって、視聴者は4個の標準画像ストリームから選択できる。あるいは動作モード230において、1個の3D画像ストリームと2個の2D画像ストリームとを切替える場合、コントロールシステムの操作は、保存された切替プログラム/切替タイミングを用いるように、および/またはユーザ入力(視聴者の動作または声による命令)をプロセスするように行われてもよい。
【0026】
図3は、本発明の他の対話型シアタシステム300を示す。対話型シアタシステム300は、図1に示すものと同様の投影アセンブリを備えている。この投影アセンブリは、4個のプロジェクタ110、一連の高周波シャッタ112、画像ストリーム114(たとえば動画作品のフレーム、フィルム、ビデオゲームなど)を表示するのに使用される表示画
面(表示装置)116を含む。図3に示す対話型シアタシステム300は、表示画面116に表示される画像ストリームのすべてではなく一つをフィルタリングするのに用いられる複数の光学フィルタ350を備える。これによって、光学フィルタ350の反対側にいる視聴者またはオーディエンスは、選択的に一つの画像ストリームを視聴できる。たとえば光学フィルタは、視聴者が装着する眼鏡、ゴーグル、またはヘルメットシールドであってもよい。あるいはディスプレイ上の画像を視聴するために2人〜4人またはそれ以上の視聴者に共有されるウィンドウ(たとえば遊園地などの乗り物のフロントガラス)などの形態であってもよい。光学フィルタ350としての重要な要素は、画像ストリーム114のすべてではなく一つに対して行うフィルタリングに影響するよう(このフィルタリングの達成方法には、必ずしも影響しなくてよい)、複数の動作状態352を備えることである。上記のとおり、光学フィルタ350は、LCDまたは他のシャッタ眼鏡であってもよい。その他、光学フィルタ350にはカラーフィルタの眼鏡を用いてもよく、さまざまな構成の偏光眼鏡を用いてもよい。適切な動作、フィルタリング、および画像の視聴を行うために、光学フィルタ350の選択によってプロジェクタ110および/または、ミディアム/画像ストリームとしての画像ストリーム114の選択を変更してもよい。
【0027】
光学フィルタ350は、制御信号によって、または光学フィルタコントローラ354の操作によって設定された動作状態352を有する。この複数の動作状態352同士は同様であってもよく、この場合、光学フィルタ350は視聴者全員に同じ画像ストリームを供給するように動作する。その他、図3に示すとおり、動作状態352は互いに異なっていてもよく、この場合、オーディエンスまたは視聴者は互いに異なる画像ストリームを受信する(たとえば図3に示すとおり、視聴者に対して4つの互いに異なる画像ストリームが表示される)。光学フィルタコントローラ354は、対話型システムコントローラ320から時刻同期信号340を受信してもよい。また光学フィルタコントローラ354は、ユーザ入力358に基づいて対話型システムコントローラ320または動作状態セレクタ356が受信または選択した動作状態選択信号357に基づき、チャネルまたは動作状態352を設定するように動作する。
【0028】
対話型システムコントローラ320は、多数のコンピュータまたは電子装置(たとえばCPU322を備えたコンピュータ装置/サーバ)で実施されてもよい。CPU322は、ユーザ入出力装置324を制御し、任意でモニタ上などにGUI(グラフィカルユーザインターフェース)326を備える。このユーザ入出力装置324とGUI326によって、オペレータは、光学フィルタ350の一つ以上の動作状態352を変更するセレクタ制御信号342を手動で生成できる。特に、対話型システムコントローラ320は、光学フィルタコントローラ354が一体的に動作し、一度に一つの画像ストリーム(たとえば左右のフレームなど)を視聴者に適切に供給できるように、シャッタ制御信号339と時刻同期信号340とを光学フィルタコントローラ354に送信するよう動作する。視聴者が相互作用し易くするために、またそれに応じてセレクタ制御信号342を伝送するために、対話型モジュール328(たとえばソフトウェアプログラムまたはアプリケーション)が設けられてもよい。対話型モジュール328はユーザ入力プロセッサ329を備えてもよく、ユーザ入力プロセッサ329は、たとえば光学フィルタ350を配置するとき動作状態352を判定するために、ユーザ入力358をプロセスする。一実施形態において、ユーザ入力358は、視聴者の座席での姿勢(左または右への傾き)に関係する。ユーザ入力プロセッサ329は、傾斜方向を判定し、それに応じて画像ストリーム114のうち対応する一つの画像ストリームを選択するために、動作状態352を選択する。
【0029】
対話型システムコントローラ320は、ゲーム/ショールーチン332を格納するメモリ330を含んでもよく、このゲーム/ショールーチン332は、動作状態セレクタ356にセレクタ制御信号342を送信するための時刻設定を含む。これらのセレクタ制御信号342が一連の動作状態セレクタ356に送信されると、関連付けられた視聴者は、動
作状態352を選択するために(たとえばチャネルの選択によって、同時に表示される画像ストリーム114のうち互いに異なる画像ストリームを視聴するために)、ユーザ入力358を行ってもよい。その他、ゲーム/ショールーチン332は、ストリーム伝送中の特定の時間(対話型システムコントローラ320から制御信号338が送信されている時)、ユーザ入力358をプロセスしてセレクタ制御信号342を送信してもよい。たとえば特定の結果を望むときは左へ傾斜する、あるいは他の効果を得たいときは大声で叫ぶなど、画像ストリーム114のコンテンツによって視聴者の相互作用が求められる。ユーザ入力プロセッサ329は、このような入力をプロセスしてもよく、それに応じてまたはそのプロセスに基づき、特定の画像ストリームを選択し、対応するセレクタ制御信号342を送信してもよい。ゲーム/ショールーチン332は、一連のシステム状態変更336を含む場合もある。このシステム状態変更336は、プロジェクタ110の動作時に(たとえば対話型ゲームなど、特定の表示アクションまたはイベントの間)、特定のセレクタ制御信号342を送信させる。これによって、視聴者に対して特定の画像ストリームが選択される(視聴者に対して同じまたは互いに異なる画像ストリームが選択される)。後者の動作モードの場合、動作状態の変更はユーザ入力に応じて行われないが、光学フィルタ350の動作を局所的に変更するために、また通例、視聴者の少なくとも何人かに互いに異なる視聴体験をさせるために、特定の画像ストリーム群の表示中に行われる。
【0030】
上記のとおり、本発明の実施形態によって解決される問題は、多数の人々にグループ対話的体験およびゲームを一層よく提供する方法である。視聴者が聞いてほしい、または扱ってほしい願いをかなえ、まるで自分の入力が重大な意味をもつかのように個人的に感じさせる方法でグループに対話的体験をさせることが特に難しいことは、これまでに明らかになっている。これまでの試みは、何らかの民主的な投票/アクションに依存し、視聴者の多くにとって、自分が少数派であったときや自分の選んだものが使用または選択されなかった場合に、がっかりするものであった。また多数派が選択したアクションが即座に実行されないため、応答や満足感に遅れを生じることが多かった。
【0031】
図4は、視聴者に満足感/充足感を即座に与えるように構成された対話型シアタシステム400の一実施形態を示す。図4に示すように、対話型シアタシステム400は、複数のデジタル再生コンピュータ410を備えている。このデジタル再生コンピュータ410は、上記と同数の画像ストリーム(たとえばストリームA,B,C,Dであり、右眼用画像または左眼用画像に関係付けられていてもよい)を、時刻設定されたLCDまたは機械的シャッタ415付きデジタルビデオプロジェクタ群に供給するのに用いられる。これらの機械的シャッタ415によって、画像ストリーム417を時分割で投影し、複数個(たとえば左眼用画像と右眼用画像、または右眼用フレームと左眼用フレームの組からなる複数の画像ストリーム)の表示が可能になる。画像ストリーム417は、シャッタ速度に関する技術によって通例大きさに制限が設けられた再生ストリームを多数含む。また、これらの画像ストリーム417は、表示画面418(正面投影画面、背面投影画面、または他の表示面/表示装置)に表示される。
【0032】
対話型シアタシステム400のそれぞれ視聴者には、LCDシャッタ眼鏡430が与えられる。このLCDシャッタ眼鏡430には、対話型シアタシステム400を実行するうえで制限が加えられていない。LCDシャッタ眼鏡430は、眼鏡フレームにシャッタコントローラ432を備える。この眼鏡フレームは、一つの画像ストリーム(または画像表示チャネル)に同期された周波数でLCDシャッタ眼鏡430のシャッタ開閉を行うように動作する。チャネルセレクタ/コントローラ440は、シャッタ速度または表示チャネルのユーザ選択を可能にするボタン/スイッチ/ノブ442が設けられた視聴者の座席において手動で操作されてもよく、または当該座席に搭載されてもよい。その他、チャネルセレクタ/コントローラ440は、眼鏡フレームに設けられ、たとえばシャッタコントローラ432の一部として備え付けられる。チャネルセレクタ/コントローラ440は、(
少なくとも一つの)ライン444で示すように、シャッタコントローラ432への通信電力供給リンクを設けるように配線接続されてもよい。あるいは446で示されるように無線接続されてもよく、この場合、バッテリまたは他の電力供給部が眼鏡フレーム内または眼鏡フレーム付近に設けられる。システムコントローラ420(たとえば図3などで示す他のコンピュータ装置)は、機械的シャッタ415とLCDシャッタ眼鏡430の同期動作が可能になるよう時間コードおよび/またはフレーム同期パルスを供給するために、デジタル再生コンピュータ410と、シャッタ速度コントローラとしてのチャネルセレクタ/コントローラ440とに接続される。
【0033】
基本的な技術を理解した上で、オンデマンドのチャネル/画像ストリーム切替技術を用いた多くの用途または方法を以下に説明する。画像ビデオストリームの変更または切替は、対話型シアタシステムで用いられてもよい。また、以前は得られなかった、または満足できる環境もしくはプロセスでは得られなかったさまざまな対話的体験および/またはゲーム体験をとおしてそれぞれ個人の「ゲストが判定した物語」を実現できるように用いられてもよい。表示された画像をゲストまたは視聴者が制御または指示できるため、非常に個人的で報酬性が存在する双方向のやりとり可能になる。これは、視聴者自身のアクションが見ているものに影響していることを、視聴者が直接的且つ即座に感じるためである。以下にいくつかの有用な例を示す。当業者はこれらの例を念頭に、本発明の実施形態による向上した視聴者参加の他の用途と使用法、および/または相互作用の特徴について、即座に識別されたい。
【0034】
対話型シアタシステムの一使用方法として、ゲームおよび他の用途における画面の切替がある。たとえば図5は、本発明の対話型ゲームの実施形態における画面の切替を示す。図5に示すように、表示面504は、5個の互いに異なる画像ストリーム510,520,530,540,550を受信している。あるいはこれらの画像ストリームを複合画像500に表示するために使用されている。複合画像500は、互いに異なる周波数または互いに異なるタイミングで、同時にまたは一斉にブロードキャストされる5個の画像ストリーム510,520,530,540,550を含む(これらの用語については、本明細書で既に説明済み)。シャッタ眼鏡または他の光学フィルタ装置は、複合画像500の視聴者またはオーディエンスによって装着または使用される。これによって、視聴中の画像ストリーム510,520,530,540,または550を視聴者が個々に選択できる。(あるいは少なくとも一部の時間、眼鏡はシステムコントローラによって制御されてもよい)。その結果シャッタ眼鏡によって、通常一度にたった一つのストリームが視認可能になる。
【0035】
宇宙人侵入についての対話型ゲームの場合、視聴者全員が最初に共通の画像(たとえば図5において画像ストリーム510に示されるスペース512の地球表示)を視聴する。これは、視聴者全員に、第1チャネル(または第1共通チャネル)の眼鏡を装着させた場合に視聴される。その後視聴者は、互いに異なる画像ストリームを視聴するために、(たとえばコントロールシステムから供給されるチャネル選択有効信号を用いて)眼鏡のチャネルを切替えることができる。この時視聴者は、通常ゲーム中の特定の時間に、互いに異なる画像ストリーム510,520,530,540,550のうち複数の画像ストリーム(または画像ストリームの表示、または表示のイベントもしくはアクティビティ)を視聴してもよい。たとえば視聴者は、図5の530の表示に変更させるために、ユーザ入力を行ってもよい(たとえば眼鏡、座席の肘掛、または視聴者自身の座席前面または座席背面に存在するチャネル変更ボタンを押す)。画像ストリーム520は、地球に着陸したUFOの熱痕跡を探すために、地球の互いに異なる画像(たとえば地球の赤外線による(IR)画像)を供給してもよい。痕跡が識別されない場合、視聴者はチャネルまたは眼鏡の動作状態を選択することによって、図5に示す画像ストリーム530を視聴または受信するために、ユーザ入力を行ってもよく、火星532が遠隔的に表示される(この場合、宇
宙人とUFOは火星532から来ている)。UFOが視界にないとき、ユーザは画像ストリーム540(通常の地球542とその付近にUFO544がある)を供給するチャネルを選択するように、他のユーザ入力を行ってもよい。ユーザが(たとえば他のチャネルまたは画像ストリーム供給に切替えることによって)画像ストリーム550に関係付けられた適切なトリガの供給または他のユーザ入力を行った場合、ゲストが発射した投射物/ミサイルによって攻撃されたUFO554とともに、地球552が表示される。タイミングまたは視聴者参加の時間/照準が十分に調整されていない場合、図5(540)の表示が継続されてもよく、または他の画像ストリーム(地球が攻撃されている状態)が表示されてもよい。当然のことながら、さまざまな視聴者の体験は、ユーザ自身が行うユーザ入力、およびユーザ入力のタイミングに直接関係する。このため、対話型ゲームの双方向性および応答性は大幅に向上し、それぞれ視聴者はユーザ入力に対するフィードバックをほぼ即座に受け取ることができる。
【0036】
本発明において、選択可能な画像ストリームの態様は、複数の互いに異なる視点POVを可能にし、互いに異なる物語を供給できる。これらの用途または動作モードにおいて、表示面上の投影アセンブリによって同時に供給される複数のビデオストリーム(ストリームはそれぞれ、互いに異なるキャラクタに関係付けられてもよい)を単に切替えることによって、視聴者は或る視点POVまたは他の視点POVからストーリを見てもよい。これによってゲストは、複数の表示、およびストリームの個別切替を行うことによって、複雑なストーリ全体を充填してゆくことができる(たとえば視聴者のショーへの参加ごとに、または遊園地の乗り物への乗車ごとに、互いに異なる体験が得られてもよい)。数々の特別な効果に対応するように、またキャラクタから全体を見て、その後キャラクタの視点POVを全体での見え方へ切替えるなどの楽しみに対応するようにストリームは設計可能である。
【0037】
図6において、表示面604に一連の画像ストリーム600が同時に表示されている。表示面604は、プロジェクタ群から同時にブロードキャストされた3個の画像ストリーム610,620,630を含む。画像ストリーム610,620,630の一つを視聴するために、それぞれゲストが装着するシャッタ眼鏡などの光学フィルタを使用してもよく、または選択的に操作してもよい(またはプロジェクタに同期されてもよい)。対話型シアタシステムのこのような用途または動作モードは、共通のストーリラインに複数のキャラクタの視点POVを与えるために使用されてもよい。たとえば視聴者はまず、第1表示(たとえば通例あるシーンの斜視)として図6の画像ストリーム610を選択してもよい。その後、図6の画像ストリーム620を視聴するために、図6に示すキャラクタの表示の一つを選択してもよい。次に視聴者は画像ストリーム610の表示に戻るか、あるいは図6の画像ストリーム630に示す他のキャラクタの視点POVに移動してもよい。視聴者は、ユーザ入力を行うことによって、チャネルの切替または選択を行ってもよい。ユーザ入力は本発明を実施するためにさまざまな形態で行われてもよく、たとえば単にチャネル選択装置のボタンを押すことによって、または特定の方法で移動させることによって行われる。あるいは視聴者の一組に特定のキャラクタの視点POVのストーリを視聴させるような信号(たとえば過去の或る時点で所定キャラクタになりたいという希望を示した信号)を、コントロールシステムが送信してもよい。
【0038】
対話型のショーにおいては、キャラクタそれぞれが見たものに基づいて、ショーの作成者がストーリを作製できる。しかし、画像ストリーム600の表示中に、ストーリは一貫性が存在する分かり易い方法で切替可能になるよう、共通のストーリラインを追うもの(たとえばストーリは切替後もつじつまが合い、表示パターンに沿って楽しめるもの)とする。たとえば対話型ビデオゲームは開始から終了まで5分間であってもよい。またこの時間に、(動作中のプロジェクタは単に特定の供給物を投影するため、たとえ同時間内に変更されなくても)視聴者は視聴する画像ストリームを何度も切替えることによって、ゲー
ムへの参加または作用が可能であってもよい。言い換えると、視聴者の相互作用によって、光学フィルタにおいて画像ストリームが変更される。この変更は、たとえばLCDシャッタ眼鏡の動作周波数を変えることによって行われ、従来の多くの対話型装置で行われたプロジェクの変更は行わない。このため、本明細書に記載の対話型シアタの方法は、投票/ポーリングで多数派にやりがいを感じさせるものではなく、むしろそれぞれ視聴者との関わり合いや相互作用を可能にする。
【0039】
対話型シアタは、画面の切替および複数の視点POVに加え、他の対話的体験および/またはゲーム体験を数多く提供してもよい。たとえば拡大(倍率の拡大)、縮小、X線照射効果、赤外線による表示(暗視ゴーグルなどで見る場合)、および同一のシーンまたは画像を視覚的に交代したもの(たとえば同じ画像だが見え方が互いに異なるもの)など、画像ストリームを切替えることによって、現在の表示を視覚的に向上してもよい。同様に、同一のシーンまたは表示を、タイムマシン効果によって交代させてもよい(あるいは視聴者の一組に対してコントローラシステムが変更を加えてもよい)。このタイムマシン効果とは、互いに異なる画像ストリームを選択するために単にユーザ入力を行うことによって、視聴者が時間的に旅して過去、未来、または代わりになる時系線/次元のシーンを視聴するものである。同一のシーンまたは表示の変更は、子供、10代、成人など、一つのショー/シーンの互いに異なるバージョンを供給するために行ってもよい。通常、ストリームのこのような切替または分岐は、コントロールシステムによって制限または制御されてもよい。あるいは表示されるコンテンツを制御するために、「若年者」と格付けされたバージョンを見ることはできるが「年長者」のバージョンは見ることができない場合もある(たとえば子供などに暴力シーンを見せるのを防ぐため)。ストーリラインの特定の分岐点においてのみ使用される格付けシステムによって、ショーの或る部分またはシーンは視聴者全員に同じものであってもよい(たとえば第1シーンは視聴者全員に同じもの、第2シーンは年齢、またはバージョンのユーザ入力/ユーザ選択に基づき視聴者に互いに異なるもの、第3シーンは再び視聴者全員に同じものであってもよい)。
【0040】
ディプレイに複数の画像ストリーム/データストリームを同時に表示し、眼鏡/フィルタにおいてオンデマンドの切替を行うことによって、分岐するストーリをユーザが制御できる。このため、ショーまたはエンタテイメントイベントにおいて、分岐点または回数として1回以上ストーリラインを分岐させることによって、ゲストは自分の冒険またはストーリを選択できる。分岐点は、視覚的におよび/または音声(たとえば特定のキャラクタに従う、画面上に3つのドア/経路を表示する、および視聴者にそのうちの一つを選択させるなど、それぞれ視聴者または複数の視聴者が分岐を選択しなければならないことを示すテキスト表示)によって、キューが送られてもよい。暗がりで乗車する場合は他の用途を用いてもよく、運転中の互いに異なる地点で、複数の乗り物がデジタル投影された同一のシーンを使用することが可能であってもよい(たとえばそれぞれ搭乗者は光学フィルタ/眼鏡を装着しているか、あるいはウィンドウまたはフロントガラスは、複数の画像ストリームをフィルタリングするために、互いに異なる動作状態で動作可能な光学フィルタを備えている)。
【0041】
複数の投影された画像から互いに異なる画像ストリームを選択することによって、たとえば任意で補足的な情報またはコンテンツを供給するために、「オーバーレイ(重ね表示)」を行うことができる。たとえばシーンまたは基本シーンへの補足情報はユーザが互いに異なる画像ストリームを選択したとき供給され、同一の基本シーンにではあるが、表示された画像/シーンのストーリ、歴史、および関連物を拡大させる情報サイドバー、ポップアップウィンドウ/バルーンなどの形で重ね表示される。たとえば美術館のシーン(または美術館の画像)は、視聴者が興味のある部分/表示物についての補足情報を選択したい場合や、そのような表示物または展示物についての補足的な詳細情報または「機密」情報を含む互いに異なる画像ストリームを視聴したい場合に表示されてもよい(たとえば或
る視聴者は古代エジプトに非常に興味があり、他の視聴者は恐竜を楽しみたい時、各々がビデオストリームまたは画像ストリームのユーザ入力/ユーザ選択を行うことによって、個人に合わせた体験が得られる)。重ね表示は、「イースターエッグ」または視聴者によって発見/収集されるもの(たとえば同時に表示された特定の画像ストリームでのみ視認可能な隠し表示されたキャラクタ/要素)を供給するのに用いられてもよい。このような重ね表示は、切替または選択(たとえばゲーム中のユーザ入力)が適切なときにだけ(または、定義された応答時間内に正しく応答するなど、所定時間内に行われたときにだけ)視認可能な場合がある。休日用の重ね表示も供給されるが、この休日用重ね表示では、ゲスト/視聴者が自分の好みとユーザ入力に基づき、或るショー(または、ショー/ゲームの或る部分の)互いに異なるバージョンを見ることができる。たとえば或るショーのクリスマスバージョンを視聴すること、または標準のバージョンもしくは他のテーマのバージョン(たとえば特定のペットの飼い主に合わせるために、犬または猫のバージョン)を代わりに視聴できる。その他、画像ストリームを選択することによって、視聴者は互いに異なるサブタイトルのストリームの選択および切替が可能な場合もある。たとえば複数の用途に合わせられるため、エンタテイメント環境でだけでなく教育環境でも有用である。
【0042】
複数の視聴者が行うゲームを向上させるために本発明の対話型の態様を用いる方法は、アクション、応答、およびその報酬を本人に個人的なものとする技術など、数多くある。たとえば対話型シアタシステムにおいてゲームのターゲット化が可能である。トリガの引き金または他の入力装置で時間ストリームの切替を行うことによって、いつ投射物を発射させたか、ターゲットを攻撃したかを視聴者が確認できるようにしてもよい。トリガの引き金を引くタイミングが悪い場合、画像ストリームは変更しないことがある(たとえばターゲットを元の状態/形態で表示する)。一方、表示ストリーム/画像ストリームが十分にあると思われる場合、ミスは高低左右などへの移動で視聴者に表示されてもよい。このような画像ストリームの切替によって、個人ごとに報酬とフィードバックが即座に与えられる。争奪ゲームの場合は、ターゲット要素を発見するために短時間のスーパー表示(たとえば約5秒〜10秒未満でターゲットの重ね表示あり)が可能になるように、争奪のターゲット(たとえばキャラクタ、動物、宇宙人、幽霊など)は時刻設定して表示されてもよい。視聴者がターゲット要素を発見または確認して適切なユーザ入力を行った場合、獲得した要素の画像ストリームが視聴され、ポイントが与えられる。そうでない場合は、画像ストリーム、またはターゲット要素が重ね表示されたストリームを獲得するために、次の分岐点までターゲット要素のない標準の画像ストリームの画像に戻ってもよい。対話型ゲームを練習して繰り返し視聴することによって、一層高い個人スコアが得られるであろう。
【0043】
ゲームにおいて、報酬のストリームは、対話型シアタシステムの態様を用いて供給されてもよい。このシステムは、たとえば視聴者の或る部分だけが視認可能な、特別に分岐した報酬を供給するよう構成されてもよい。視聴者の或る部分とは、たとえばこのような分岐点であるスコアレベルを獲得している者、または特定の質問に正しく回答した者などである。対話型ゲームにおいてシーンの変更は、画像ストリームを切替えることによって表示されたシーンへ大幅に変更および/または転換するために行われたゲストのアクションに基づいて行われてもよい。たとえば視聴者は夏から冬へシーンを換えるスペリングを入力してもよい。ユーザ入力は、制御装置(たとえばほぼどんな電子装置も可)、ユーザの動きを判定するハンドヘルドコントローラ、視聴者の座席に対する動きを判定する装置などを使用することによって、多くの形態で行われてもよい。
【0044】
本発明の実施形態による対話型シアタシステムの操作によって、体験の指示を補足的に制御可能であってもよい。システムは、視聴者のうち特定の人々またはグループに対して、選択的にストリームを供給するよう操作されてもよい。コントロールシステムは、特定の結果またはパターンを操作または獲得するよう、視聴者のサブグループ(または全体)
に対して表示される画像ストリームを選択的に変更することによって、ゲストのアクションを指示するよう操作されてもよい。これによって、興味深い体験が得られる。たとえば視聴者の全員が同様の指示を受けるが、ユーザ入力/ユーザ選択に基づき、および/またはコントローラシステムの操作による任意または指示の画像ストリームの切替に基づき、互いに異なる結果が得られてもよい(たとえばシステムは結果を強要でき、且つ同時に表示/提示された画像ストリームのうち特定の画像ストリームを受信/視聴するために、特定の個人の視聴者または視聴者群を選択できる)。
【0045】
上記のとおり、表示面または表示画面に複数の画像ストリームを表示または供給し、且つ互いに異なる視聴者がこれらの画像を視聴可能にする特定の技術/機構は、本発明を実施するうえでさまざまに変更可能である。一層重要な態様として、ショー/イベントの開始時に(たとえば眼鏡を装着することによって)、ストリームを固定的に指定するよりも、表示期間中またはショー/ゲームのイベントまたはアクティビティの間に、視聴者は視聴中のストリームを切替または変更できる。たとえば交互配置または時分割された複数の画像ストリーム(本明細書で「交互配置」または「時分割」という語が用いられた場合は、同時表示を意味する)を表示面または表示画面に表示する装置(またはプロジェクタアセンブリ)は、本明細書において参照として援用される特許文献1(Trwobridgeら著)に記載されるよう構成してもよい。同様に、一度に表示された複数のストリームの一つを視聴者が視聴可能な方法および/または機構は、上記の特許文献に記載の通りであってもよい。しかし、機構または改変を加えることによって、表示期間中に動作状態(またはシャッタ周波数)を切替えることができる(たとえば切替装置は、システム制御信号および/またはユーザ入力に基づき操作可能である)。
【0046】
光学フィルタ(スクリーン、または眼鏡など被装着装置)は、電力が供給されてない/使用中でない場合、偏光フィルタとしてだけ機能してもよい。電力が供給されて同期信号が送信されると、光学フィルタは、透過状態とクリア(偏光)状態との間でシャッタが切替わってもよい。複数の映像供給物/ビデオストリームの一つに「合わせる」ために、このシャッタ速度は、同様の動作シャッタビデオプロジェクタまたは同様の装置に同期させてもよい。たとえば少なくとも6個以上の分離した映像供給物/チャネルを、適切な質で供給可能であってもよい(ただし、質の低下が「フリッカ」などとして許容される場合、一層多くの映像/チャネルが供給されてもよい)。さまざまな技術によって一層高いシャッタ速度が使用し易くなり、一層多くの画像ストリーム/チャネルが供給可能になるであろう。いくつかの実施形態において、互いに異なるストリームを視聴するために、ゲストまたはショーのオペレータが操作するコントローラによって、光学フィルタのシャッタ速度を改変してもよい(たとえばストリーム/供給物のうち互いに異なる一つを選択するために、光学フィルタの動作状態を改変してもよい)。
【0047】
本発明について、或る程度詳細に説明および図示してきたが、本開示は単に例示であり、以下の特許請求の範囲のとおり、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、それぞれ部の組み合わせと構成において多数の変更が可能であることを、当業者には理解されたい。たとえば対話型シアタシステムは、個人の視聴者または視聴者の一組に対して、賞またはポイントを与える機構を更に備えてもよい。このような賞またはポイントのスコアは、システムメモリに保存されてもよく、視聴者に対して報告/表示されてもよい。および/または、アクティビティもしくは対話型ゲームの最後に賞を与えるのに使用されてもよい。本明細書および以下の特許請求の範囲に記載の対話型シアタの実施形態は、従来の装置に比べ、相互作用と大集団用ゲームプレイ、および再現性の改善など多数の利点をもつ。また、これらの利点によって、同様の結果を得た多数の視聴者に対してゲームまたはショーを表示でき、体験に対し視聴者がそれぞれ作用/影響できる。対話型シアタの操作によって、視聴者の個性化、および個人的な作用、または相互作用体験への個人的作用もしくは満足度において、有意な改善をもたらす。
【0048】
いくつかの実施形態において、画像ストリームのフィルタリングはあまり同期されないか、または「同期されないフィルタリング」である。光学フィルタのこのような動作を用いることによって、視聴者が一度に二つのストリームを視聴できるようにしてもよい。または、ディゾルブ効果として或る画像ストリームから他の画像ストリームへ滑らかに移行できるようにしてもよい。実際には勿論、光学フィルタは眼鏡または他の装着装置に備え付けられてもよいが、他の光学フィルタについても発明者らは使用を検討している。たとえば光学フィルタは、ゲストまたは視聴者がスクリーンまたは表示面に向かって座る座席に搭載されたシャッタパネルであってもよい。搭載されたこのようなパネルまたは光学フィルタは、それぞれ視聴者に提供されてもよく、または(たとえばチームもしくはグループの用途において)2人、3人、もしくはそれ以上の視聴者に共有されてもよい。光学フィルタ画面は、ショー/展示の開始時/終了時にスクリーンの配布および回収をしなくてもよいため、環境によっては個人用眼鏡よりも簡単に使用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の視聴者に、互いに異なる第1画像ストリームと第2画像ストリームを含む複数の画像ストリームを提供するストリーム提供方法であって、前記ストリーム提供方法は、
視聴領域内の前記視聴者と表示面の間に複数の光学フィルタを配置する光学フィルタ配置工程と;
表示期間中に前記表示面に、前記光学フィルタによって前記第1画像ストリームを提供する画像ストリーム提供工程と;
前記表示期間中、前記第2画像ストリームを伝送させるように、前記光学フィルタの一組の動作状態を改変する動作状態改変工程であって、その結果、前記視聴者は前記第1画像ストリームと前記第2画像ストリームを視聴することと
を含むことを特徴とする、ストリーム提供方法。
【請求項2】
前記画像ストリーム提供工程は、前記表示面に複数の前記画像ストリームを同時に投影するように、前記表示期間中、プロジェクタ群を操作する工程を含む、請求項1記載のストリーム提供方法。
【請求項3】
前記プロジェクタ群は、前記表示面の表示領域の一群に投影を行い、
複数の前記表示領域は互いに少なくとも部分的に重なり合う、請求項2記載のストリーム提供方法。
【請求項4】
前記動作状態改変工程は、前記光学フィルタの一組に関係付けられた視聴者からのユーザ入力に応じて行われる、請求項1記載のストリーム提供方法。
【請求項5】
前記光学フィルタは、前記視聴者のそれぞれが装着する被装着装置、または前記視聴者と表示面の間に配置されるスクリーンを含み、
前記ユーザ入力は、前記被装着装置または前記スクリーンに関連付けられた動作状態セレクタを操作することによって、前記動作状態を手動で切替える工程を含む、請求項4記載のストリーム提供方法。
【請求項6】
前記被装着装置は、前記画像ストリームのすべてではなく一つをフィルタリングするために、前記画像ストリームの提供に同期されたシャッタ周波数に対応する動作状態のシャッタ眼鏡を含む、請求項5記載のストリーム提供方法。
【請求項7】
前記ストリーム提供方法は更に、ユーザ入力を行うために視聴者にキューを供給する工程を含み、
コントロールシステムは、前記キューの供給後に前記光学フィルタの動作状態を改変する前記動作状態改変工程を可能にする、請求項4記載のストリーム提供方法。
【請求項8】
表示面に一連の画像ストリームを投影する複数のプロジェクタと;
対話型シアタ内の視聴者が装着可能な光学フィルタであって、前記光学フィルタは、前記画像ストリームのすべてではなく一つをフィルタリングするために、少なくとも二つの動作状態で動作可能であることと;
動作状態の一つが選択された前記光学フィルタのそれぞれに関係付けられた複数の動作状態コントローラであって、前記動作状態コントローラは、前記画像ストリームの一つを変更するために、前記画像ストリームの投影時に少なくとも1回、独立して操作可能であることと
を含むことを特徴とする、対話型シアタシステム。
【請求項9】
前記プロジェクタは、前記画像ストリームを互いに異なる周波数で伝送し、
前記光学フィルタは、前記画像ストリームのすべてではなく一つのフィルタリングに影響するよう、画像ストリーム周波数に同期されたシャッタ周波数で動作可能なシャッタ眼鏡を含む、請求項8記載の対話型シアタシステム。
【請求項10】
前記動作状態コントローラは、前記画像ストリームの一つを選択するために前記シャッタ周波数を切替えるよう、前記視聴者によって操作可能である、請求項9記載の対話型シアタシステム。
【請求項11】
前記動作状態コントローラは、前記画像ストリームの投影中、少なくとも前記動作状態コントローラの一組に伝送されるセレクタ有効信号をシステムコントローラから受信すると動作可能になる、請求項10記載の対話型シアタシステム。
【請求項12】
前記プロジェクタは、前記表示面の一箇所に前記画像ストリームを同時に表示するよう動作可能である、請求項8記載の対話型シアタシステム。
【請求項13】
前記対話型シアタシステムは更に、前記光学フィルタに関係付けられた動作状態を切替えるために、前記動作状態コントローラの一群に状態選択信号を伝送するよう、前記画像ストリームの投影中に動作可能なシステムコントローラを含む、請求項8記載の対話型シアタシステム。
【請求項14】
前記画像ストリームは、共通のストーリラインに関係付けられ、
前記画像ストリームのそれぞれは、前記画像ストリームのうちの他の画像ストリームとは異なるコンテンツを含み、前記画像ストリームの切替によって、前記視聴者は互いに異なるコンテンツを視聴できる、請求項8記載の対話型シアタシステム。
【請求項15】
一つのディスプレイに同時に投影される一連の画像ストリームの一つを、選択的に視聴するためのストリーム視聴装置であって、前記ストリーム視聴装置は、
前記ディスプレイ上の前記画像ストリームの視聴を行うために動作する光学フィルタであって、前記光学フィルタは前記画像ストリームのうちの一つを当該光学フィルタのユーザに伝送するために動作することと;
前記光学フィルタに設けられるコントローラであって、前記コントローラは、前記画像ストリームのうち伝送された画像ストリームに関係付けられた動作状態を設定するよう動作することと;
ユーザが前記画像ストリームのそれぞれを選択的に視聴可能にするために複数の動作状態を切替えるよう、前記光学フィルタのユーザによって手動操作可能なチャネルセレクタと
を含むことを特徴とする、ストリーム視聴装置。
【請求項16】
前記光学フィルタは、互いに異なるシャッタ周波数で独立して動作可能な一組のレンズを備えたシャッタ眼鏡を含む、請求項15記載のストリーム視聴装置。
【請求項17】
前記動作状態は、シャッタ周波数にそれぞれ対応し、
前記シャッタ周波数はそれぞれ、同時に投影された画像ストリームのうちの一つの時分割周波数に同期される、請求項16記載のストリーム視聴装置。
【請求項18】
前記一連の画像ストリームは、一定期間、前記ディスプレイに投影され、
前記チャネルセレクタは、前記光学フィルタの動作状態を変更するために、前記一定期間ユーザによって操作可能である、請求項15記載のストリーム視聴装置。
【請求項19】
前記チャネルセレクタは、前記画像ストリームのすべてではなく一つをフィルタリング
するために、動作状態の設定、および前記光学フィルタを動作させる電力供給に用いるチャネル選択信号を供給するコントローラに接続される、請求項15記載のストリーム視聴装置。
【請求項20】
前記チャネルセレクタは、コントロールシステムからチャネルセレクタ有効信号を受信すると動作可能になる、請求項15記載のストリーム視聴装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−88111(P2010−88111A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197090(P2009−197090)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(504399716)ディズニー エンタープライゼス インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】