ストロボを備えた光学機器
【課題】 従来検出できなかったストロボの充電検出回路やメインコンデンサ複数接続によって想定される実装不具合での問題(充電できず・容量不足)の回避。
【解決手段】 ストロボの充電電圧検出手段によって、充電動作中の所定電圧:V1までの充電時間:Tを判定し、Tが所定時間:Txより短い場合は通常と異なる制御(警告・禁止・制御テーブル変更等)を行なう。
【解決手段】 ストロボの充電電圧検出手段によって、充電動作中の所定電圧:V1までの充電時間:Tを判定し、Tが所定時間:Txより短い場合は通常と異なる制御(警告・禁止・制御テーブル変更等)を行なう。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロボを備えた銀塩カメラ・デジタルカメラ等の光学機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、銀塩カメラ(フィルムカメラ)やデジタルカメラには、暗所での撮影を行なう際に使用するストロボ装置が内蔵されているのが一般的になっている。
【0003】
該ストロボ装置は発光体となるキセノン管(以後、Xeと称する)と発光エネルギーを蓄積するためのメインコンデンサ(以後、MCと称する)が並列に接続され、撮影動作(露光動作)時に、発光制御する(トリガをかける)ことにより、該MCからXeへのエネルギー放出を行い、Xeが発光するものである。
【0004】
該MCは、求められる容量・電圧が大きい為、形状的が大きくなってしまう問題があるが、近年の光学機器の小型化に伴い、容量・形状の小さめのMCを複数使用し並列接続することで、必要な容量を確保するとともに構造的な制約内での配置自由度を広げる構成を取っているものも多く存在する。
【0005】
当然、該ストロボ装置には、該MCへの電荷蓄積のための充電手段を有しており、ストロボ発光による電荷放出後や、撮影直前の被写体輝度が暗い場合等にMCへの必要電荷(電圧)の充電動作を行う。
【0006】
また、充電電圧を検出する充電電圧検出手段を備えているものが一般的であり、該検出手段は、MC充電時に所定の充電電圧に達したのを検出し、充電手段を停止させるのを主目的とするが、該検出手段はトラブル回避機能として、MCの充電電圧が所定時間内に所定電圧まで充電できていないと判断した場合、充電機能に異常があるとして、警告や撮影禁止等の処理を行なうのも一般的となってきている。
【0007】
該トラブル回避機能については、特公平4−59622では“第1所定電圧−第2所定電圧間の充電時間を測定することで、第2所定時間−第3所定時間までの充電予測時間を算出し、該充電予測時間が所定時間以上かかる場合は警告する”というものが提案されている。また、特許第2683800号では“レリーズ釦操作毎に、充電検出を行ない、所定時間内に充電完了を検出できない場合には露光不能にする”ことが提案され、特開平11−237668では“所定間隔で電圧検出を行い、検出電圧と基準値の比較結果で(基準値を満たしていないとき)充電動作を禁止する”等の提案がなされている。
【0008】
つまり、いづれも、充電に時間がかかりすぎる(所定時間内に所定電圧の充電が行えない)と判断された場合のトラブル回避策である。
【特許文献1】特公平4−59622号公報
【特許文献2】特登録2683800号公報
【特許文献3】特開平11−237668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、充電電圧検出手段にはさまざまな構成があり、そのトラブル状況によっては、回路内の断線により、充電がなされていないのに、既に充電完了という判断をしてしまうものもある。
【0010】
例えば、充電電圧検出回路が図2に示すような回路構成だった場合を考える。
【0011】
該充電電圧検出回路は、電源(例えば3V電池)の電圧を、周知の昇圧回路(例えば、昇圧トランスの1次側に電池電圧をパルス印加し、2次側に巻線比分の電圧を発生させる方式で、具体的にはフライバック方式やフォアード方式等があるが、周知である為ここでの詳細説明は割愛する)を用いた充電手段の出力を、逆流防止ダイオード:D1およびD2を介して発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(本図においてはMC1とMC2の並列接続された2つの発光エネルギー蓄積用コンデンサを総称してMCとする)に充電される電圧:HVを低電圧回路(例えば3V系回路)で検出するために、D1―D2間に検出抵抗(HVの分圧抵抗):R1およびR2と平滑コンデンサ:C1を配置した構成になっている。
【0012】
すなわち、該充電電圧検出では、MCの充電電圧:HV を、抵抗:R1およびR2により分圧した電圧:HV’により検出する。
【0013】
HV’≒ HV×R2/(R1+R2)であり、仮に HV=320V、R1=4MΩ、R2=20kΩの場合、HV’≒320×(20×103)/{(4×106)+(20×103)}≒1.592Vで検出できる。
【0014】
該HV’はA/Dコンバータを備えた制御回路により検出され、該検出結果で所定値の充電がなされたか否かの判定を行い、制御状態を変化させる。
【0015】
例えば、充電電圧が充電完了相当(例えば、HV=320V充電完了の設定だった場合、HV’=1.592V)になったら充電動作を停止したり、充電動作開始後に所定時間内に所定電圧まで充電できなかった(例えば、充電開始後、3sec以内にHVが150Vに達しない)場合、充電回路もしくは充電電圧検出手段に問題があると判断して充電動作停止とともに警告・撮影動作禁止等の制御を行なったりする。
【0016】
しかし、上記該充電電圧検出手段において、R1とR2の結線が何らかの要件で断線し、R1から直接制御回路へHV’が印加された場合、分圧されていないため HV≒HV’となり、充電電圧が直接制御回路(A/Dコンバータ)へ入力されるので、充電を開始した直後のわずかな充電電圧でも充電完了相当の判断を行なってしまい、何の問題もなく正常動作として充電動作を停止してしまう。
該問題に対して、上記の提案件の内容では、問題を回避することはできない。
【0017】
また、容量・形状の小さめのMCを複数使用し並列接続する場合においても、一部のコンデンサが結線不良を起こした場合、正常接続されているコンデンサ(例えばMC1)が正常ならば、MC1に対しては正常に充電が行なわれる為、充電電圧検出は正常な結果となるが、結線不良を起こしたコンデンサ(例えばMC2)分の容量のエネルギーが不足することになり、該状況でストロボの発光を行なった場合、所望の光量を得ることが出来ず、撮影されたシーンは露出不足の写真となってしまう。
【0018】
具体例を示すと、例えば、MC1=MC2として各々320V/100μFのコンデンサを並列接続使用する場合、320V/200μF相当の容量を使用していることに相当するが、結線異常によりMC1だけを使用するようになった場合、320V/100μFとなってしまう。
【0019】
この場合、容量が少ない分、充電時間は早くなり、且つ、充電電圧自体は320Vまで充電できる為、従来の充電検出手段では異常を検出できない。
【0020】
しかし、200μF相当時の光量をQa・100μF時の光量をQbとして比光量を考えると、
Qb/Qa = (0.5・Cb・Vb2)/(0.5・Ca・Va2)
=(0.5×100×10−6×3202)/
(0.5×200×10−6×3202)
=(5.12/10.24)
=0.5
となる。
【0021】
当然ながら、この状態でストロボ撮影した場合は、光量不足となってしまう。
【0022】
該問題に対しても、所定時間内での所定電圧の検出が出来る(充電できたと判断される)ため、上記の提案件の内容では、問題を回避することはできない。
【0023】
(発明の目的)
本発明の目的は、ストロボを備えた光学機器における、従来の方式で検出しえないトラブルを検出し、警告・禁止等の回避措置を取る、もしくは、トラブル状況に応じた撮影手法をとることにより、使用者の予想し得ない失敗をなくすことである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記問題を鑑みて、本発明は、ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサと、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を検出する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の露出制御等を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果が所定時間より短いと判定された場合、通常と異なる制御を行なうこと、
もしくは、ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサを少なくとも2つ並列配設として備え、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を観測する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の露出制御等を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果が所定時間より短いと判定された場合、通常と異なる制御を行なうこと、
さらに、上記の通常と異なる制御とは、警告制御であることや露光動作禁止とすることとすることで、ストロボ撮影におけるトラブルを事前に警告・回避することが可能となる。
【0025】
加えて、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間判定は、充電状況によって判定するか否かを変更すること、
具体的には、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間判定は、ストロボ発光直後の充電動作に行なうことや、ストロボ充電開始前の充電電圧検出結果によって行なうか否かの判断をすること、
また、充電時間判定の基準になる所定時間は、電源電圧・環境温度応じて変化させることにより、トラブル検知の確度を上げるを可能とする。
【0026】
また、ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサを少なくとも2つ並列配設として備え、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を観測する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の露出制御等を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果の充電時間からメインコンデンサの接続状況を推測し、接続状況に応じたストロボ撮影制御を行なうこと、
具体的には、推測されたメインコンデンサの接続状況に応じて、露光時間およびストロボ発光タイミングを補正することによって、トラブル発生時の撮影禁止状況を最小限に留め、使用者への影響を少なくするものである。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したとおり、本発明は、ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサと、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を検出する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の露出制御等を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果が所定時間より短いと判定された場合、通常と異なる制御を行なうこと、もしくは、ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサを少なくとも2つ並列配設として備え、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を観測する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の露出制御等を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果が所定時間より短いと判定された場合、通常と異なる制御を行なうこと、さらに、上記の通常と異なる制御とは、警告制御であることや露光動作禁止とすることとすることで、ストロボ撮影におけるトラブルを事前に警告・回避することが可能となった。
【0028】
加えて、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間判定は、充電状況によって判定するか否かを変更すること、具体的には、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間判定は、ストロボ発光直後の充電動作に行なうことや、ストロボ充電開始前の充電電圧検出結果によって行なうか否かの判断をすること、また、充電時間判定の基準になる所定時間は、電源電圧・環境温度応じて変化させることにより、トラブル検知の確度を上げるを可能となった。
【0029】
また、ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサを少なくとも2つ並列配設として備え、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を観測する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の露出制御等を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果の充電時間からメインコンデンサの接続状況を推測し、接続状況に応じたストロボ撮影制御を行なうこと、具体的には、推測されたメインコンデンサの接続状況に応じて、露光時間およびストロボ発光タイミングを補正することによって、トラブル発生時の撮影禁止状況を最小限に留め、使用者への影響を少なくなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(第1の実施例)
本発明の第1の実施例を図1乃至図5を用いて説明する。
【0031】
図1は本発明の第1の実施例におけるカメラの主要部分の回路ブロック図である。
【0032】
該図1において、1はカメラの電源電池、2はカメラの各種動作を制御するマイクロコンピュータ等の制御回路であり、内部にストロボ発光エネルギー蓄積用コンデンサ(メインコンデンサ):MC1乃至MC2の充電電圧を検出する為の、(充電電圧検出手段の一部である)A/Dコンバーター、ストロボ充電時間等を計時をするためのタイマー手段、各種データを記憶するためのメモリーを備える。本実施例では、該制御手段2は後述するストロボ充電手段や充電電圧検出手段等の制御も行なうものである。
【0033】
3は写真撮影動作を開始させるためのレリーズスイッチであり、該レリーズスイッチ3がONされた場合に、制御手段2により撮影シーケンス・充電シーケンス等の制御が行なわれる。
【0034】
4はストロボ装置であり、該ストロボ装置4は、周知の昇圧回路を含む充電手段4−1と、該充電手段4−1が昇圧した電圧を発光エネルギーとして蓄積するメインコンデンサ:MC1およびMC2(本実施例では、並列接続された該MC1および該MC2を総称してMCと称する)と、該メインコンデンサMCに蓄積された電圧を検出するための充電電圧検出回路4−2と、該メインコンデンサの蓄積エネルギーにより発光する発光体であるキセノン管Xeと、該キセノン管Xeへ該メインコンデンサの蓄積エネルギーを放出させ発光させるための発光制御手段4−3を備えている。
【0035】
なお、該充電電圧検出回路4−2の詳細構成を図2に示す。
【0036】
(該図2に関しては、既に説明済みであるため、ここでの説明は割愛する。)
本実施例では、該充電電圧検出回路4−2と該制御手段2(内蔵のA/Dコンバーターや充電制御)を含んだシステムを「充電電圧検出手段」と称する。
【0037】
5は被写体の明るさを測定する周知の測光手段(以後、AE手段と称する)、6は被写体までの距離を測定する周知の測距手段(以後、AF手段と称する)、7は不図示のフィルムへの露光制御を行なう周知のシャッター手段(以後、SH手段と称する)、8はフィルムを所定位置に動かす周知のフィルム給送手段である。
【0038】
9はカメラのモード状態や撮影可能枚数・トラブル状況の警告等に使用されるLCD・LED等の周知の表示手段である。
【0039】
図3乃至図5は本発明の第1の実施例におけるカメラのシーケンスフローチャートであり、図3はレリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスを示す。
【0040】
S101は、制御回路2内のメモリーの所定のエリアに動作不良発生を意味する「NGフラグ」が設定されているか否かを判定し、設定されていれば(“1”ならば)該シーケンスを終了し待機状態へ、設定されていなければ(“1”でなければ)S102へ移行する。
【0041】
すなわち、「NGフラグ」が設定されている場合、露光を行なわず(露光を禁止して)待機状態へ移行する。
【0042】
なお、動作不良が発生した場合、「NGフラグ」設定時点で表示手段9等にその旨を警告する表示を行なうものであるため、「NGフラグ」が確認された際には、使用者は表示手段による警告を確認できているものとする。
【0043】
S102は、該AE手段5により、周知の測光方法で被写体の明るさ:AEを測定する。
【0044】
S103は、予め設定されている基準の明るさ:BとS102で測定した被写体の明るさ:AEを比較し、AE<BであればS104へ、AE<BでなければS107へ移行する。
【0045】
S104は、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0046】
該充電電圧検出は、既に説明している通り、HVを直接測定するわけではなく、分割抵抗を介した電圧HV’を測定し、該電圧:HV’からHVを求める。
【0047】
S105は、上記S104で求めたHVと充電完了判定電圧:Vfullを比較し、HV≧Vfullの場合はS107へ、HV≧Vfullでない場合はS106へ移行する。
【0048】
S106は、ストロボ充電動作1のシーケンスに入る。詳細は図4で後述するが、該ステップS106の充電動作は、残電圧が状況によって異なるので、従来どおりの充電動作であり、NGチェック動作は充電完了までの時間が基準値:Tfull未満か否かの確認のみを行なうものである。
【0049】
S107は、該AF手段6により、周知の測距方法で被写体の距離を測定する。
【0050】
S108は、S102で測定した測光結果およびS107で測定した測距結果を基に、適正のピント・シャッター速度・ストロボ発光有無・ストロボ制御タイミング等の露光条件を求める演算を行なう。
【0051】
なお、該S108では、適正露光を得るためにストロボ発光させる必要がある場合は、該制御回路2内のメモリーの所定エリアにストロボ発光指示用のストロボ発光フラグを設定する。
【0052】
S109は、上記S108で求めた露光条件に基づき該SH手段7の制御を行なう周知の露光動作を行なう。
【0053】
該S109では、上記S108で該ストロボ発光フラグが設定されている場合、ストロボ発光による露光動作を行なう。
【0054】
S110は、該給送手段8により、不図示のフィルムを移動させる(次の露光コマを不図示のアパーチャー位置に設定する)給送動作を行なう。
【0055】
S111はストロボ発光の履歴を確認する為、該制御回路2内のメモリーのストロボ発光フラグの状態を確認し、該ストロボ発光フラグがストロボ発光に設定されている場合(S109でストロボ発光した場合)はS112へ、該ストロボ発光フラグがストロボ発光に設定されていない場合は待機状態へ移行する。なお、該S111を終了する際は、判定動作後、ストロボ発光フラグのデータをリセットするものである。
【0056】
S112は、ストロボ発光直後の充電動作であるところの、ストロボ充電動作2のシーケンスに入る。詳細は図5で後述するが、該ステップS112の充電動作は、発光後であり残電圧はほとんど同じ状況になるので、NGチェック動作は充電完了までの時間が基準値:Tfull未満か否かの確認、および、所定電圧:V1までの充電時間が基準時間:Tx以上か否かの確認を行なうものである。
【0057】
該S112を終了したら該制御回路2は操作待機状態となる。
【0058】
以上が、レリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスである。
【0059】
図4は上記図3におけるS106の充電動作1の詳細シーケンスを示す。
【0060】
S201は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0061】
S202は、図3のS104と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0062】
S203は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0063】
S204は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0064】
S205は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0065】
S206は、S202と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0066】
S207は、前記S206で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧。〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS212へ、HV≧Vfullでない場合はS208へ移行する。
【0067】
S208は、前記S205でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS209へ、T≧Tfullでない場合はS206へ移行する。
【0068】
S209は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0069】
S210は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0070】
S211は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0071】
S212は、S209と同様に、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0072】
S213は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0073】
以上が、上記図3におけるS106の充電動作1の詳細シーケンスである。
【0074】
図5は上記図3におけるS112の充電動作2の詳細シーケンスを示す。
【0075】
S301は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0076】
S302は、図3のS104と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0077】
S303は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0078】
S304は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0079】
S305は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0080】
S306は、S302と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0081】
S307は、前記S306で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V1 (本実施例では充電完了電圧の80%〔例えば、256V〕)と比較し、HV≧V1の場合はS312へ、HV≧V1でない場合はS308へ移行する。
【0082】
S308は、前記S305でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS309へ、T≧Tfullでない場合はS306へ移行する。
【0083】
S309は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0084】
S310は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0085】
S311は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H1”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0086】
S312は、前記S305でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tx (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜Vxできるまでの時間の1/2の約1.2倍〔例えば、2sec〕)と比較し、T<Txの場合はS313へ、T<Txでない場合はS316へ移行する。
【0087】
S313は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0088】
S314は、所定時間:Txが経過する前に所定電圧:Vxまでの充電がなされたとして、正常時よりも充電時間が早いため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ2)を設定する。
【0089】
S315は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H2”(Helpマーク2)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0090】
S316は、S306と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0091】
S317は、前記S316で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS319へ、HV≧Vfullでない場合はS318へ移行する。
【0092】
S318は、前記S305でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS309へ、T≧Tfullでない場合はS316へ移行する。
【0093】
S319は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0094】
S320は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0095】
以上が、上記図3におけるS112の充電動作2の詳細シーケンスである。
【0096】
すなわち、本発明の第1の実施例においては、所定電圧:Vxまでの充電時間が所定時間:Txより短い場合、通常とは異なる制御であるところの警告表示および撮影(露光動作)禁止動作を行なうこととなる。
【0097】
また、所定電圧:Vxまでの充電時間が所定時間:Txより短いか否かの判定は、露光動作時にストロボ発光がなされた場合、つまり、ストロボ発光によりメインコンデンサMCの充電電圧がほとんどないという充電状況の場合の、ストロボ発光直後の充電動作(充電動作2)で行なっている。
【0098】
なお、図14には、本発明の充電電圧検出手段におけるメインコンデンサMCの充電カーブを示している。
【0099】
メインコンデンサMC(MC1とMC2の並列接続)の接続が正常な場合は、所定電圧:V1までの充電時間が所定時間:Txより長く、所定電圧:Vfullまでの充電時間が所定時間:Tfullより短くなっている。
【0100】
しかし、メインコンデンサMCの接続が異常な場合(例えば、MC1の接続リード線がはずれた場合)、所定電圧:V1までの充電時間が所定時間:Txより短くなっている。
【0101】
該状況は、本発明の充電シーケンス2である充電動作2(図5)で異常判定することができる。
【0102】
(第2の実施例)
本発明の第2の実施例を図6乃至図7を用いて説明する。
【0103】
なお、カメラの構成等は本発明第1の実施例と同様であり、既に説明済みであるため、ここでの説明は割愛する。
【0104】
図6はレリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスを示す。
【0105】
S401は、制御回路2内のメモリーの所定のエリアに動作不良発生を意味する「NGフラグ」が設定されているか否かを判定し、設定されていれば(“1”ならば)該シーケンスを終了し待機状態へ、設定されていなければ(“1”でなければ)S402へ移行する。
【0106】
すなわち、「NGフラグ」が設定されている場合、露光を行なわず(露光を禁止して)待機状態へ移行する。
【0107】
なお、動作不良が発生した場合、「NGフラグ」設定時点で表示手段9等にその旨を警告する表示を行なうものであるため、「NGフラグ」が確認された際には、使用者は表示手段による警告を確認できているものとする。
【0108】
S402は、該AE手段5により、周知の測光方法で被写体の明るさ:AEを測定する。
【0109】
S403は、予め設定されている基準の明るさ:BとS402で測定した被写体の明るさ:AEを比較し、AE<BであればS404へ、AE<BでなければS406へ移行する。
【0110】
S404は、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0111】
該充電電圧検出は、既に説明している通り、HVを直接測定するわけではなく、分割抵抗を介した電圧HV’を測定し、該電圧:HV’からHVを求める。
【0112】
S405は、上記S404で求めたHVと充電完了判定電圧:Vfullを比較し、HV≧Vfullの場合はS406へ、HV≧Vfullでない場合はS411へ移行する。
【0113】
S406は、該AF手段6により、周知の測距方法で被写体の距離を測定する。
【0114】
S407は、S402で測定した測光結果およびS107で測定した測距結果を基に、適正のピント・シャッター速度等の露光条件を求める演算を行なう。
【0115】
なお、該S407では、適正露光を得るためにストロボ発光させる必要がある場合は、該制御回路2内のメモリーの所定エリアにストロボ発光指示用のストロボ発光フラグを設定する。
【0116】
S408は、上記S407で求めた露光条件に基づき該SH手段7の制御を行なう周知の露光動作を行なう。
【0117】
該S408では、上記S407で該ストロボ発光フラグが設定されている場合、ストロボ発光による露光動作を行なう。
【0118】
S409は、該給送手段8により、不図示のフィルムを移動させる(次の露光コマを不図示のアパーチャー位置に設定する)給送動作を行なう。
【0119】
S410はストロボ発光の履歴を確認する為、該制御回路2内のメモリーのストロボ発光フラグの状態を確認し、該ストロボ発光フラグがストロボ発光に設定されている場合(S408でストロボ発光した場合)はS411へ、該ストロボ発光フラグがストロボ発光に設定されていない場合は待機状態へ移行する。なお、該S410を終了する際は、判定動作後、ストロボ発光フラグのデータをリセットするものである。
【0120】
S411は、ストロボ充電動作3のシーケンスに入る。詳細は図7で後述するが、該ステップS411の充電動作は、発光後であり残電圧はほとんど同じ状況になるので、NGチェック動作は充電完了までの時間が基準値:Tfull未満か否かの確認、および、所定電圧:V1までの充電時間が基準時間:Tx以上か否かの確認を行なうものである。
【0121】
該S411を終了したら該制御回路2は操作待機状態となる。
【0122】
以上が、本発明の第2の実施例におけるレリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスである。
【0123】
図7は上記図6におけるS411の充電動作3の詳細シーケンスを示す。
【0124】
S501は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0125】
S502は、図3のS104と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0126】
S503は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0127】
S504は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0128】
S505は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0129】
S506は、前記S502で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V0 (本実施例では充電完了電圧の1/2〔例えば、210V〕)と比較し、HV>V0の場合はS517へ、HV>V0でない場合はS507へ移行する。
【0130】
S507は、S502と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0131】
S508は、前記S507で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V1 (本実施例では充電完了電圧の80%〔例えば、256V〕)と比較し、HV≧V1の場合はS513へ、HV≧V1でない場合はS509へ移行する。
【0132】
S509は、前記S505でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS510へ、T≧Tfullでない場合はS507へ移行する。
【0133】
S510は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0134】
S511は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0135】
S512は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H1”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0136】
S513は、前記S505でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tx (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜Vxできるまでの時間の1/2の約1.2倍〔例えば、2sec〕)と比較し、T<Txの場合はS514へ、T<Txでない場合はS517へ移行する。
【0137】
S514は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0138】
S515は、所定時間:Txが経過する前に所定電圧:Vxまでの充電がなされたとして、正常時よりも充電時間が早いため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ2)を設定する。
【0139】
S516は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H2”(Helpマーク2)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0140】
S517は、S507と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0141】
S518は、前記S517で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS520へ、HV≧Vfullでない場合はS519へ移行する。
【0142】
S519は、前記S505でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS510へ、T≧Tfullでない場合はS517へ移行する。
【0143】
S520は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0144】
S521は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0145】
以上が、上記図6におけるS411の充電動作2の詳細シーケンスである。
【0146】
上記本発明の第2の実施例では、充電電圧:HVの充電状況が、比較電圧V0より高いか否かによって、所定電圧:Vxまでの充電時間が所定時間:Txより短いか否かの判定を行なうか否かの判定を行なっている。
【0147】
なお、上記本発明の第2の実施例においては比較電圧:V0を基準に、所定時間:Txより短いか否かの判定を行なうという2値的な切換になっているが、本発明はそれに限ったものではなく、例えば、メインコンデンサMCの電圧:HVの測定結果から、所定時間:Txや所定電圧:V1を可変設定することで、より細かな接続トラブル検知を行うことが可能となる。
【0148】
具体的には、HVが50Vの場合はV1:256V,Tx:1.2secだが、HVが100Vの場合はV1:280V,Tx:1.8sec、HVが200Vの場合はV1:300V,Tx:2.5sec等を、充電回路の効率とコンデンサ特性から算出して変化させたり、データテーブルを基に変化させたりしても何ら本発明の主旨に反するものではない。
【0149】
(第3の実施例)
本発明の第3の実施例を図8を用いて説明する。
【0150】
なお、カメラの構成等は本発明第1の実施例と同様であり、既に説明済みであるため、ここでの説明は割愛する。
【0151】
また、レリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスは、本発明の第2の実施例の図6と同様であるため、ここでの説明は割愛する。
【0152】
図8は本発明の第3の実施例においての上記図6におけるS411の充電動作3の詳細シーケンスを示す。
【0153】
S601は、不図示の温度センサーにより、温度:Tempを測定する。
【0154】
S602は、S601で測定した温度:Tempと比較データ:Yを比較し、Temp<YでなければS603へ、Temp<YならばS604へ移行する。
【0155】
S603は、温度が所定温度:Yより高めにあるとして、充電時間測定基準である所定時間:Tx をTx1に設定する。
【0156】
S604は、温度が所定温度:Yより低めにあるとして、充電時間測定基準である所定時間:Tx をTx2に設定する。
【0157】
すなわち、該S602乃至S604によって、環境温度に応じて所定時間:Txを変化させる。
【0158】
S605は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0159】
S606は、図3のS104と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0160】
S607は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0161】
S608は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0162】
S609は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0163】
S610は、前記S606で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V0 (本実施例では充電完了電圧の1/2〔例えば、210V〕)と比較し、HV>V0の場合はS621へ、HV>V0でない場合はS611へ移行する。
【0164】
S611は、S606と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0165】
S612は、前記S611で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V1 (本実施例では充電完了電圧の80%〔例えば、256V〕)と比較し、HV≧V1の場合はS617へ、HV≧V1でない場合はS613へ移行する。
【0166】
S613は、前記S609でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS614へ、T≧Tfullでない場合はS611へ移行する。
【0167】
S614は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0168】
S615は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0169】
S616は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H1”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0170】
S617は、前記S609でカウントを開始したタイマー:Tを前記S603乃至S604で設定した所定時間:Txと比較し、T<Txの場合はS618へ、T<Txでない場合はS621へ移行する。
【0171】
S618は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0172】
S619は、所定時間:Txが経過する前に所定電圧:Vxまでの充電がなされたとして、正常時よりも充電時間が早いため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ2)を設定する。
【0173】
S620は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H2”(Helpマーク2)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0174】
S621は、S611と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0175】
S622は、前記S621で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS624へ、HV≧Vfullでない場合はS623へ移行する。
【0176】
S623は、前記S609でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS614へ、T≧Tfullでない場合はS621へ移行する。
【0177】
S624は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0178】
S625は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0179】
以上が、本発明の第3の実施例においての上記図6におけるS411の充電動作2の詳細シーケンス(図8)である。
【0180】
なお、本実施例では、温度に関する所定時間:Txの変化を、切換点を所定温度:Yの1ポイントのみとして説明したが、本発明はそれに限られたものではなく、例えば、複数ポイントでの切換や、演算による係数で温度に対するTxの変化を行なわせても何ら本発明の主旨に反するものではない。
【0181】
(第4の実施例)
本発明の第4の実施例を図9を用いて説明する。
【0182】
なお、カメラの構成等は本発明第1の実施例と同様であり、既に説明済みであるため、ここでの説明は割愛する。
【0183】
また、レリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスは、本発明の第2の実施例の図6と同様であるため、ここでの説明は割愛する。
【0184】
図9は本発明の第3の実施例においての上記図6におけるS411の充電動作3の詳細シーケンスを示す。
【0185】
S701は、制御回路2内のA/Dコンバータにより電源電池1の電圧:VBATを測定する。
【0186】
該VBAT測定時には、電源電池1の内部抵抗分の影響を鑑み、SH手段等の負荷に通電(閉じ方向通電)を行なった状態でVBATを測定する。
【0187】
S702は、S701で測定した電源電圧:VBATと比較データ:Zを比較し、VBAT<ZでなければS703へ、VBAT<ZならばS704へ移行する。
【0188】
S703は、電源電圧:VBATが所定電圧:Zより高めにあるとして、充電時間測定基準である所定時間:Tx をTx1に設定する。
【0189】
S704は、電源電圧:VBATが所定電圧:Zより低めにあるとして、充電時間測定基準である所定時間:Tx をTx2に設定する。
【0190】
すなわち、該S702乃至S704によって、環境温度に応じて所定時間:Txを変化させる。
【0191】
S705は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0192】
S706は、図3のS104と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0193】
S707は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0194】
S708は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0195】
S709は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0196】
S710は、前記S706で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V0 (本実施例では充電完了電圧の1/2〔例えば、210V〕)と比較し、HV>V0の場合はS621へ、HV>V0でない場合はS611へ移行する。
【0197】
S711は、S706と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0198】
S712は、前記S711で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V1 (本実施例では充電完了電圧の80%〔例えば、256V〕)と比較し、HV≧V1の場合はS717へ、HV≧V1でない場合はS713へ移行する。
【0199】
S713は、前記S709でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS714へ、T≧Tfullでない場合はS711へ移行する。
【0200】
S714は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0201】
S715は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0202】
S716は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H1”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0203】
S717は、前記S709でカウントを開始したタイマー:Tを前記S703乃至S704で設定した所定時間:Txと比較し、T<Txの場合はS718へ、T<Txでない場合はS721へ移行する。
【0204】
S718は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0205】
S719は、所定時間:Txが経過する前に所定電圧:Vxまでの充電がなされたとして、正常時よりも充電時間が早いため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ2)を設定する。
【0206】
S720は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H2”(Helpマーク2)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0207】
S721は、S711と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0208】
S722は、前記S721で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS724へ、HV≧Vfullでない場合はS723へ移行する。
【0209】
S723は、前記S709でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS714へ、T≧Tfullでない場合はS721へ移行する。
【0210】
S724は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0211】
S725は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0212】
以上が、本発明の第4の実施例においての上記図6におけるS411の充電動作2の詳細シーケンス(図9)である。
【0213】
なお、本実施例では、電源電圧に関する所定時間:Txの変化を、切換点を所定電圧:Zの1ポイントのみとして説明したが、本発明はそれに限られたものではなく、例えば、複数ポイントでの切換や、演算による係数で電源電圧に対するTxの変化を行なわせても何ら本発明の主旨に反するものではない。
【0214】
(第5の実施例)
本発明の第5の実施例を図10を用いて説明する。
【0215】
なお、カメラの構成等は本発明第1の実施例と同様であり、既に説明済みであるため、ここでの説明は割愛する。
【0216】
また、レリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスは、本発明の第2の実施例の図6と同様であるため、ここでの説明は割愛する。
【0217】
図10は本発明の第5の実施例においての上記図6におけるS411の充電動作3の詳細シーケンスを示す。
【0218】
S801は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0219】
S802は、図3のS104と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0220】
S803は、前記S802で測定したメインコンデンサの充電電圧検出結果、すなわち、ストロボ充電開始前の充電電圧検出結果を基に、所定時間:Txを決定するための演算を行なう。
【0221】
例えば、0VからVfullの充電を行なう場合の所定時間:Txを基準とし、Vfull−HVで充電残量を求め、その残量に見合った係数をTxにかけた値を判断基準:Txとする。
【0222】
すなわち、判断基準をストロボ充電開始前の充電電圧検出結果に見合った判断基準時間:Txに変更する。
【0223】
S804は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0224】
S805は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0225】
S806は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0226】
S807は、前記S802で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V0 (本実施例では充電完了電圧の1/2〔例えば、210V〕)と比較し、HV>V0の場合はS818へ、HV>V0でない場合はS808へ移行する。
【0227】
S808は、S802と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0228】
S809は、前記S808で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V1 (本実施例では充電完了電圧の80%〔例えば、256V〕)と比較し、HV≧V1の場合はS814へ、HV≧V1でない場合はS810へ移行する。
【0229】
S810は、前記S806でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS811へ、T≧Tfullでない場合はS808へ移行する。
【0230】
S811は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0231】
S812は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0232】
S813は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H1”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0233】
S814は、前記S806でカウントを開始したタイマー:Tを前記S803で設定した所定時間:Txと比較し、T<Txの場合はS815へ、T<Txでない場合はS818へ移行する。
【0234】
S815は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0235】
S816は、所定時間:Txが経過する前に所定電圧:Vxまでの充電がなされたとして、正常時よりも充電時間が早いため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ2)を設定する。
【0236】
S817は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H2”(Helpマーク2)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0237】
S818は、S802と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0238】
S819は、前記S818で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS821へ、HV≧Vfullでない場合はS820へ移行する。
【0239】
S820は、前記S806でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS811へ、T≧Tfullでない場合はS818へ移行する。
【0240】
S821は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0241】
S822は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0242】
以上が、本発明の第5の実施例においての上記図6におけるS411の充電動作2の詳細シーケンス(図10)である。
【0243】
なお、本実施例では、判定基準時間設定のファクターを充電電圧検出結果のみとして記載しているが、本発明の主旨としては、前記本発明の第3の実施例乃至第4の実施例のように、判定基準演算の係数に環境温度・電源電池電圧等のファクターを加えておいても何ら本発明の主旨に反するものではない。
【0244】
また、ここまでの説明は、全てカメラ内部のシーケンスとして使用していたが、本シーケンスは、例えばカメラ等の製品製造工程で使用される調整工具に適用することもできる。
【0245】
具体的には、充電完了電圧の検出精度を細かく調整する工程において、充電完了時間が早い場合、製造上の不良があるとして、再チェックをかける等の方法をとることも出来る。
【0246】
(第6の実施例)
本発明の第6の実施例を図11乃至図13を用いて説明する。
【0247】
本発明の第6の実施例は、上記第1の実施例乃至第5の実施例とは異なり、充電時間に応じてメインコンデンサMCの接続状況を推測し、異常状況があると判断された場合にも、状況に応じたストロボ撮影制御を行なうものである。
【0248】
図11乃至図13は本発明の第6の実施例におけるカメラのシーケンスフローチャートであり、図11はレリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスを示す。
【0249】
S901は、制御回路2内のメモリーの所定のエリアに動作不良発生を意味する「NGフラグ」が設定されているか否かを判定し、設定されていれば(“1”ならば)該シーケンスを終了し待機状態へ、設定されていなければ(“1”でなければ)S902へ移行する。
【0250】
すなわち、「NGフラグ」が設定されている場合、露光を行なわず(露光を禁止して)待機状態へ移行する。
【0251】
なお、動作不良が発生した場合、「NGフラグ」設定時点で表示手段9等にその旨を警告する表示を行なうものであるため、「NGフラグ」が確認された際には、使用者は表示手段による警告を確認できているものとする。
【0252】
S902は、該AE手段5により、周知の測光方法で被写体の明るさ:AEを測定する。
【0253】
S903は、予め設定されている基準の明るさ:BとS902で測定した被写体の明るさ:AEを比較し、 AE<B であればS904へ、AE<BでなければS907へ移行する。
【0254】
S904は、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0255】
該充電電圧検出は、既に説明している通り、HVを直接測定するわけではなく、分割抵抗を介した電圧HV’を測定し、該電圧:HV’からHVを求める。
【0256】
S905は、上記S904で求めたHVと充電完了判定電圧:Vfullを比較し、HV≧Vfullの場合はS907へ、HV≧Vfullでない場合はS906へ移行する。
【0257】
S906は、ストロボ充電動作1のシーケンスに入る。詳細は図12で後述するが、該ステップS906の充電動作は、一般的な充電動作に加え、所定電圧:V1までの充電時間:Tを測定・判定して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「MCフラグ」を設定するものである。
【0258】
S907は、該AF手段6により、周知の測距方法で被写体の距離を測定する。
【0259】
S908は、S906の該ストロボ充電動作1シーケンスで設定された「MCフラグ」の判定を行い、MCフラグ=0ならばS909へ、MCフラグ=0でなければS910へ移行する。
【0260】
S909は、ストロボ制御用テーブルとして、メインコンデンサMCの接続正常時の制御テーブルである“ストロボ制御テーブル1”を設定する。
【0261】
S910は、ストロボ制御用テーブルとして、メインコンデンサMCの接続異常時の制御テーブルである“ストロボ制御テーブル2”を設定する。
【0262】
前記ストロボ制御テーブルは、メインコンデンサ:MCが正常の容量(MC1+MC2)であった場合の光量を基準にしたストロボ制御テーブル1と、メインコンデンサ:MCが異常の容量(MC1もしくはMC2)であった場合の光量を基準にしたストロボ制御テーブル2となるものであり、本実施例では正常時と異常時でメインコンデンサMCの容量が1/2となるため、その分の発光タイミング補正がかかる。
【0263】
また、被写体距離を測定しストロボ到達距離範囲外の被写体であった場合に警告を行う機能を備えたカメラの場合、制御テーブルのみではなく、到達距離の補正も併せて行う。
【0264】
S911は、S902で測定した測光結果およびS907で測定した測距結果を基に、適正のピント・シャッター速度・ストロボ発光有無・ストロボ制御タイミング等の露光条件を求める演算を行なう。
【0265】
なお、該S911では、適正露光を得るためにストロボ発光させる必要がある場合は、該制御回路2内のメモリーの所定エリアにストロボ発光指示用のストロボ発光フラグを設定する。
【0266】
また、ストロボ発光制御に関しては、該S909もしくは該S910で設定したストロボ制御テーブルを使用して発光タイミング等の制御を決定する。
【0267】
S912は、上記S911で求めた露光条件に基づき該SH手段7の制御を行なう周知の露光動作を行なう。
【0268】
該S912では、上記S911で該ストロボ発光フラグが設定されている場合、ストロボ発光による露光動作を行なう。
【0269】
S913は、該給送手段8により、不図示のフィルムを移動させる(次の露光コマを不図示のアパーチャー位置に設定する)給送動作を行なう。
【0270】
S914はストロボ発光の履歴を確認する為、該制御回路2内のメモリーのストロボ発光フラグの状態を確認し、該ストロボ発光フラグがストロボ発光に設定されている場合(S912でストロボ発光した場合)はS915へ、該ストロボ発光フラグがストロボ発光に設定されていない場合は待機状態へ移行する。なお、該S914を終了する際は、判定動作後、ストロボ発光フラグのデータをリセットするものである。
【0271】
S915は、ストロボ発光直後の充電動作であるところの、ストロボ充電動作2のシーケンスに入る。詳細は図13で後述するが、該ステップS915の充電動作は、発光後であり残電圧はほとんど同じ状況になるので、NGチェック動作は充電完了までの時間が基準値:Tfull未満か否かの確認、および、所定電圧:V1までの充電時間が基準時間:Tx以上か否かの確認を行なうものである。
【0272】
該S915を終了したら該制御回路2は操作待機状態となる。
【0273】
以上が、本発明の第6の実施例のレリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスである。
【0274】
図12は上記図11におけるS906の充電動作1の詳細シーケンスを示す。
【0275】
S1001は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0276】
S1002は、図11のS904と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0277】
S1003は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0278】
S1004は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0279】
S1005は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0280】
S1006は、S1002と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0281】
S1007は、前記S1006で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V1 (本実施例では充電完了電圧の80%〔例えば、256V〕)と比較し、HV≧V1の場合はS1012へ、HV≧V1でない場合はS1008へ移行する。
【0282】
S1008は、前記S1005でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS1009へ、T≧Tfullでない場合はS1006へ移行する。
【0283】
S1009は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0284】
S1010は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0285】
S1011は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H1”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0286】
S1012は、前記S1005でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tx (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜Vxできるまでの時間の1/2の約1.2倍〔例えば、2sec〕)と比較し、T<Txでない場合はS1013へ、T<Txの場合はS1016へ移行する。
【0287】
S1013は、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「MCフラグ」を“0”に設定する。
【0288】
S1014は、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「MCフラグ」を“1”に設定する。
【0289】
S1015は、S1006と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0290】
S1016は、前記S1015で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS1018へ、HV≧Vfullでない場合はS1017へ移行する。
【0291】
S1017は、前記S1005でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS1009へ、T≧Tfullでない場合はS1015へ移行する。
【0292】
S1018は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0293】
S1019は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0294】
以上が、上記図11におけるS906の充電動作1の詳細シーケンスである。
【0295】
図13は上記図11におけるS915の充電動作2の詳細シーケンスを示す。
【0296】
図12は上記図11におけるS906の充電動作1の詳細シーケンスを示す。
【0297】
S1101は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0298】
S1102は、図11のS904と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0299】
S1103は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0300】
S1104は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0301】
S1105は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0302】
S1106は、S1102と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0303】
S1107は、前記S1106で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V1 (本実施例では充電完了電圧の80%〔例えば、256V〕)と比較し、HV≧V1の場合はS1112へ、HV≧V1でない場合はS1108へ移行する。
【0304】
S1108は、前記S1105でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS1109へ、T≧Tfullでない場合はS1106へ移行する。
【0305】
S1109は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0306】
S1110は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0307】
S1111は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H1”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0308】
S1112は、前記S1105でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tx (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜Vxできるまでの時間の1/2の約1.2倍〔例えば、2sec〕)と比較し、T<Txでない場合はS1117へ、T<Txの場合はS1113へ移行する。
【0309】
S1113は、前記S1105でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tf (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜Vxできるまでの時間の1/10)と比較し、T<Tfでない場合はS1118へ、T<Txの場合はS1114へ移行する。
【0310】
S1114は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0311】
S1115は、所定時間:Tfが経過する前に所定電圧:Vxまでの充電がなされたとして、ストロボ発光直後からの充電にもかかわらず極めて短い時間で充電完了信号が発生しているため、充電電圧検出手段4−2に何らかの不具合があると判断し、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ2)を設定する。
【0312】
S1116は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H2”(Helpマーク2)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0313】
S1117は、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「MCフラグ」を“0”に設定する。
【0314】
S1118は、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「MCフラグ」を“1”に設定する。
【0315】
S1119は、S1106と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0316】
S1120は、前記S1119で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS1122へ、HV≧Vfullでない場合はS1121へ移行する。
【0317】
S1121は、前記S1105でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS1109へ、T≧Tfullでない場合はS1119へ移行する。
【0318】
S1122は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0319】
S1123は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0320】
以上が、上記図11におけるS915の充電動作2の詳細シーケンスである。
【0321】
なお、上記本発明の第6の実施例では、充電時間によってストロボの制御を切り換える手段として、テーブルを切り換える方法を説明したが、本発明はそれに限ったものではなく、例えば、正常時を通常と考え、異常発生時に演算(例えば正常時の情報に係数をかけて補正を行なう)等の手法で制御を切り換えても何ら本発明の主旨に反するものではない。
【0322】
また、今まで説明した本発明第1乃至第6の実施例は、銀塩フィルム使用のカメラで説明したが、本発明はそれに限定されたものではなく、例えば、デジタルカメラ等の光学機器にも有効であることを明示しておく。
【図面の簡単な説明】
【0323】
【図1】本発明第1の実施例におけるカメラの主要部分の回路ブロック図
【図2】本発明第1の実施例におけるストロボの充電電圧検出回路図
【図3】本発明第1の実施例におけるレリーズスイッチON時の制御回路2シーケンス
【図4】本発明第1の実施例における充電動作1の詳細シーケンス
【図5】本発明第1の実施例における充電動作2の詳細シーケンス
【図6】本発明第2の実施例におけるレリーズスイッチON時の制御回路2シーケンス
【図7】本発明第2の実施例における充電動作3の詳細シーケンス
【図8】本発明第3の実施例における充電動作3の詳細シーケンス
【図9】本発明第4の実施例における充電動作3の詳細シーケンス
【図10】本発明第5の実施例における充電動作3の詳細シーケンス
【図11】本発明第6の実施例におけるレリーズスイッチON時の制御回路2シーケンス
【図12】本発明第6の実施例における充電動作1の詳細シーケンス
【図13】本発明第3の実施例における充電動作2の詳細シーケンス
【図14】本発明の充電電圧検出手段におけるメインコンデンサMCの充電カーブ
【符号の説明】
【0324】
1 電源電池
2 制御回路
3 レリーズスイッチ
4 ストロボ装置
4−1 充電手段
4−2 充電電圧検出回路
4−3 発光制御手段
MC1/MC2 メインコンデンサ
Xe キセノン管(発光体)
5 測光手段
6 測距手段
7 シャッター手段
8 フィルム給送手段
9 表示手段
R1/R2 分圧抵抗
D1/D2 逆流防止ダイオード
C1 平滑コンデンサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロボを備えた銀塩カメラ・デジタルカメラ等の光学機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、銀塩カメラ(フィルムカメラ)やデジタルカメラには、暗所での撮影を行なう際に使用するストロボ装置が内蔵されているのが一般的になっている。
【0003】
該ストロボ装置は発光体となるキセノン管(以後、Xeと称する)と発光エネルギーを蓄積するためのメインコンデンサ(以後、MCと称する)が並列に接続され、撮影動作(露光動作)時に、発光制御する(トリガをかける)ことにより、該MCからXeへのエネルギー放出を行い、Xeが発光するものである。
【0004】
該MCは、求められる容量・電圧が大きい為、形状的が大きくなってしまう問題があるが、近年の光学機器の小型化に伴い、容量・形状の小さめのMCを複数使用し並列接続することで、必要な容量を確保するとともに構造的な制約内での配置自由度を広げる構成を取っているものも多く存在する。
【0005】
当然、該ストロボ装置には、該MCへの電荷蓄積のための充電手段を有しており、ストロボ発光による電荷放出後や、撮影直前の被写体輝度が暗い場合等にMCへの必要電荷(電圧)の充電動作を行う。
【0006】
また、充電電圧を検出する充電電圧検出手段を備えているものが一般的であり、該検出手段は、MC充電時に所定の充電電圧に達したのを検出し、充電手段を停止させるのを主目的とするが、該検出手段はトラブル回避機能として、MCの充電電圧が所定時間内に所定電圧まで充電できていないと判断した場合、充電機能に異常があるとして、警告や撮影禁止等の処理を行なうのも一般的となってきている。
【0007】
該トラブル回避機能については、特公平4−59622では“第1所定電圧−第2所定電圧間の充電時間を測定することで、第2所定時間−第3所定時間までの充電予測時間を算出し、該充電予測時間が所定時間以上かかる場合は警告する”というものが提案されている。また、特許第2683800号では“レリーズ釦操作毎に、充電検出を行ない、所定時間内に充電完了を検出できない場合には露光不能にする”ことが提案され、特開平11−237668では“所定間隔で電圧検出を行い、検出電圧と基準値の比較結果で(基準値を満たしていないとき)充電動作を禁止する”等の提案がなされている。
【0008】
つまり、いづれも、充電に時間がかかりすぎる(所定時間内に所定電圧の充電が行えない)と判断された場合のトラブル回避策である。
【特許文献1】特公平4−59622号公報
【特許文献2】特登録2683800号公報
【特許文献3】特開平11−237668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、充電電圧検出手段にはさまざまな構成があり、そのトラブル状況によっては、回路内の断線により、充電がなされていないのに、既に充電完了という判断をしてしまうものもある。
【0010】
例えば、充電電圧検出回路が図2に示すような回路構成だった場合を考える。
【0011】
該充電電圧検出回路は、電源(例えば3V電池)の電圧を、周知の昇圧回路(例えば、昇圧トランスの1次側に電池電圧をパルス印加し、2次側に巻線比分の電圧を発生させる方式で、具体的にはフライバック方式やフォアード方式等があるが、周知である為ここでの詳細説明は割愛する)を用いた充電手段の出力を、逆流防止ダイオード:D1およびD2を介して発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(本図においてはMC1とMC2の並列接続された2つの発光エネルギー蓄積用コンデンサを総称してMCとする)に充電される電圧:HVを低電圧回路(例えば3V系回路)で検出するために、D1―D2間に検出抵抗(HVの分圧抵抗):R1およびR2と平滑コンデンサ:C1を配置した構成になっている。
【0012】
すなわち、該充電電圧検出では、MCの充電電圧:HV を、抵抗:R1およびR2により分圧した電圧:HV’により検出する。
【0013】
HV’≒ HV×R2/(R1+R2)であり、仮に HV=320V、R1=4MΩ、R2=20kΩの場合、HV’≒320×(20×103)/{(4×106)+(20×103)}≒1.592Vで検出できる。
【0014】
該HV’はA/Dコンバータを備えた制御回路により検出され、該検出結果で所定値の充電がなされたか否かの判定を行い、制御状態を変化させる。
【0015】
例えば、充電電圧が充電完了相当(例えば、HV=320V充電完了の設定だった場合、HV’=1.592V)になったら充電動作を停止したり、充電動作開始後に所定時間内に所定電圧まで充電できなかった(例えば、充電開始後、3sec以内にHVが150Vに達しない)場合、充電回路もしくは充電電圧検出手段に問題があると判断して充電動作停止とともに警告・撮影動作禁止等の制御を行なったりする。
【0016】
しかし、上記該充電電圧検出手段において、R1とR2の結線が何らかの要件で断線し、R1から直接制御回路へHV’が印加された場合、分圧されていないため HV≒HV’となり、充電電圧が直接制御回路(A/Dコンバータ)へ入力されるので、充電を開始した直後のわずかな充電電圧でも充電完了相当の判断を行なってしまい、何の問題もなく正常動作として充電動作を停止してしまう。
該問題に対して、上記の提案件の内容では、問題を回避することはできない。
【0017】
また、容量・形状の小さめのMCを複数使用し並列接続する場合においても、一部のコンデンサが結線不良を起こした場合、正常接続されているコンデンサ(例えばMC1)が正常ならば、MC1に対しては正常に充電が行なわれる為、充電電圧検出は正常な結果となるが、結線不良を起こしたコンデンサ(例えばMC2)分の容量のエネルギーが不足することになり、該状況でストロボの発光を行なった場合、所望の光量を得ることが出来ず、撮影されたシーンは露出不足の写真となってしまう。
【0018】
具体例を示すと、例えば、MC1=MC2として各々320V/100μFのコンデンサを並列接続使用する場合、320V/200μF相当の容量を使用していることに相当するが、結線異常によりMC1だけを使用するようになった場合、320V/100μFとなってしまう。
【0019】
この場合、容量が少ない分、充電時間は早くなり、且つ、充電電圧自体は320Vまで充電できる為、従来の充電検出手段では異常を検出できない。
【0020】
しかし、200μF相当時の光量をQa・100μF時の光量をQbとして比光量を考えると、
Qb/Qa = (0.5・Cb・Vb2)/(0.5・Ca・Va2)
=(0.5×100×10−6×3202)/
(0.5×200×10−6×3202)
=(5.12/10.24)
=0.5
となる。
【0021】
当然ながら、この状態でストロボ撮影した場合は、光量不足となってしまう。
【0022】
該問題に対しても、所定時間内での所定電圧の検出が出来る(充電できたと判断される)ため、上記の提案件の内容では、問題を回避することはできない。
【0023】
(発明の目的)
本発明の目的は、ストロボを備えた光学機器における、従来の方式で検出しえないトラブルを検出し、警告・禁止等の回避措置を取る、もしくは、トラブル状況に応じた撮影手法をとることにより、使用者の予想し得ない失敗をなくすことである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記問題を鑑みて、本発明は、ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサと、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を検出する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の露出制御等を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果が所定時間より短いと判定された場合、通常と異なる制御を行なうこと、
もしくは、ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサを少なくとも2つ並列配設として備え、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を観測する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の露出制御等を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果が所定時間より短いと判定された場合、通常と異なる制御を行なうこと、
さらに、上記の通常と異なる制御とは、警告制御であることや露光動作禁止とすることとすることで、ストロボ撮影におけるトラブルを事前に警告・回避することが可能となる。
【0025】
加えて、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間判定は、充電状況によって判定するか否かを変更すること、
具体的には、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間判定は、ストロボ発光直後の充電動作に行なうことや、ストロボ充電開始前の充電電圧検出結果によって行なうか否かの判断をすること、
また、充電時間判定の基準になる所定時間は、電源電圧・環境温度応じて変化させることにより、トラブル検知の確度を上げるを可能とする。
【0026】
また、ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサを少なくとも2つ並列配設として備え、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を観測する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の露出制御等を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果の充電時間からメインコンデンサの接続状況を推測し、接続状況に応じたストロボ撮影制御を行なうこと、
具体的には、推測されたメインコンデンサの接続状況に応じて、露光時間およびストロボ発光タイミングを補正することによって、トラブル発生時の撮影禁止状況を最小限に留め、使用者への影響を少なくするものである。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したとおり、本発明は、ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサと、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を検出する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の露出制御等を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果が所定時間より短いと判定された場合、通常と異なる制御を行なうこと、もしくは、ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサを少なくとも2つ並列配設として備え、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を観測する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の露出制御等を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果が所定時間より短いと判定された場合、通常と異なる制御を行なうこと、さらに、上記の通常と異なる制御とは、警告制御であることや露光動作禁止とすることとすることで、ストロボ撮影におけるトラブルを事前に警告・回避することが可能となった。
【0028】
加えて、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間判定は、充電状況によって判定するか否かを変更すること、具体的には、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間判定は、ストロボ発光直後の充電動作に行なうことや、ストロボ充電開始前の充電電圧検出結果によって行なうか否かの判断をすること、また、充電時間判定の基準になる所定時間は、電源電圧・環境温度応じて変化させることにより、トラブル検知の確度を上げるを可能となった。
【0029】
また、ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサを少なくとも2つ並列配設として備え、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を観測する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の露出制御等を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果の充電時間からメインコンデンサの接続状況を推測し、接続状況に応じたストロボ撮影制御を行なうこと、具体的には、推測されたメインコンデンサの接続状況に応じて、露光時間およびストロボ発光タイミングを補正することによって、トラブル発生時の撮影禁止状況を最小限に留め、使用者への影響を少なくなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(第1の実施例)
本発明の第1の実施例を図1乃至図5を用いて説明する。
【0031】
図1は本発明の第1の実施例におけるカメラの主要部分の回路ブロック図である。
【0032】
該図1において、1はカメラの電源電池、2はカメラの各種動作を制御するマイクロコンピュータ等の制御回路であり、内部にストロボ発光エネルギー蓄積用コンデンサ(メインコンデンサ):MC1乃至MC2の充電電圧を検出する為の、(充電電圧検出手段の一部である)A/Dコンバーター、ストロボ充電時間等を計時をするためのタイマー手段、各種データを記憶するためのメモリーを備える。本実施例では、該制御手段2は後述するストロボ充電手段や充電電圧検出手段等の制御も行なうものである。
【0033】
3は写真撮影動作を開始させるためのレリーズスイッチであり、該レリーズスイッチ3がONされた場合に、制御手段2により撮影シーケンス・充電シーケンス等の制御が行なわれる。
【0034】
4はストロボ装置であり、該ストロボ装置4は、周知の昇圧回路を含む充電手段4−1と、該充電手段4−1が昇圧した電圧を発光エネルギーとして蓄積するメインコンデンサ:MC1およびMC2(本実施例では、並列接続された該MC1および該MC2を総称してMCと称する)と、該メインコンデンサMCに蓄積された電圧を検出するための充電電圧検出回路4−2と、該メインコンデンサの蓄積エネルギーにより発光する発光体であるキセノン管Xeと、該キセノン管Xeへ該メインコンデンサの蓄積エネルギーを放出させ発光させるための発光制御手段4−3を備えている。
【0035】
なお、該充電電圧検出回路4−2の詳細構成を図2に示す。
【0036】
(該図2に関しては、既に説明済みであるため、ここでの説明は割愛する。)
本実施例では、該充電電圧検出回路4−2と該制御手段2(内蔵のA/Dコンバーターや充電制御)を含んだシステムを「充電電圧検出手段」と称する。
【0037】
5は被写体の明るさを測定する周知の測光手段(以後、AE手段と称する)、6は被写体までの距離を測定する周知の測距手段(以後、AF手段と称する)、7は不図示のフィルムへの露光制御を行なう周知のシャッター手段(以後、SH手段と称する)、8はフィルムを所定位置に動かす周知のフィルム給送手段である。
【0038】
9はカメラのモード状態や撮影可能枚数・トラブル状況の警告等に使用されるLCD・LED等の周知の表示手段である。
【0039】
図3乃至図5は本発明の第1の実施例におけるカメラのシーケンスフローチャートであり、図3はレリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスを示す。
【0040】
S101は、制御回路2内のメモリーの所定のエリアに動作不良発生を意味する「NGフラグ」が設定されているか否かを判定し、設定されていれば(“1”ならば)該シーケンスを終了し待機状態へ、設定されていなければ(“1”でなければ)S102へ移行する。
【0041】
すなわち、「NGフラグ」が設定されている場合、露光を行なわず(露光を禁止して)待機状態へ移行する。
【0042】
なお、動作不良が発生した場合、「NGフラグ」設定時点で表示手段9等にその旨を警告する表示を行なうものであるため、「NGフラグ」が確認された際には、使用者は表示手段による警告を確認できているものとする。
【0043】
S102は、該AE手段5により、周知の測光方法で被写体の明るさ:AEを測定する。
【0044】
S103は、予め設定されている基準の明るさ:BとS102で測定した被写体の明るさ:AEを比較し、AE<BであればS104へ、AE<BでなければS107へ移行する。
【0045】
S104は、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0046】
該充電電圧検出は、既に説明している通り、HVを直接測定するわけではなく、分割抵抗を介した電圧HV’を測定し、該電圧:HV’からHVを求める。
【0047】
S105は、上記S104で求めたHVと充電完了判定電圧:Vfullを比較し、HV≧Vfullの場合はS107へ、HV≧Vfullでない場合はS106へ移行する。
【0048】
S106は、ストロボ充電動作1のシーケンスに入る。詳細は図4で後述するが、該ステップS106の充電動作は、残電圧が状況によって異なるので、従来どおりの充電動作であり、NGチェック動作は充電完了までの時間が基準値:Tfull未満か否かの確認のみを行なうものである。
【0049】
S107は、該AF手段6により、周知の測距方法で被写体の距離を測定する。
【0050】
S108は、S102で測定した測光結果およびS107で測定した測距結果を基に、適正のピント・シャッター速度・ストロボ発光有無・ストロボ制御タイミング等の露光条件を求める演算を行なう。
【0051】
なお、該S108では、適正露光を得るためにストロボ発光させる必要がある場合は、該制御回路2内のメモリーの所定エリアにストロボ発光指示用のストロボ発光フラグを設定する。
【0052】
S109は、上記S108で求めた露光条件に基づき該SH手段7の制御を行なう周知の露光動作を行なう。
【0053】
該S109では、上記S108で該ストロボ発光フラグが設定されている場合、ストロボ発光による露光動作を行なう。
【0054】
S110は、該給送手段8により、不図示のフィルムを移動させる(次の露光コマを不図示のアパーチャー位置に設定する)給送動作を行なう。
【0055】
S111はストロボ発光の履歴を確認する為、該制御回路2内のメモリーのストロボ発光フラグの状態を確認し、該ストロボ発光フラグがストロボ発光に設定されている場合(S109でストロボ発光した場合)はS112へ、該ストロボ発光フラグがストロボ発光に設定されていない場合は待機状態へ移行する。なお、該S111を終了する際は、判定動作後、ストロボ発光フラグのデータをリセットするものである。
【0056】
S112は、ストロボ発光直後の充電動作であるところの、ストロボ充電動作2のシーケンスに入る。詳細は図5で後述するが、該ステップS112の充電動作は、発光後であり残電圧はほとんど同じ状況になるので、NGチェック動作は充電完了までの時間が基準値:Tfull未満か否かの確認、および、所定電圧:V1までの充電時間が基準時間:Tx以上か否かの確認を行なうものである。
【0057】
該S112を終了したら該制御回路2は操作待機状態となる。
【0058】
以上が、レリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスである。
【0059】
図4は上記図3におけるS106の充電動作1の詳細シーケンスを示す。
【0060】
S201は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0061】
S202は、図3のS104と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0062】
S203は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0063】
S204は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0064】
S205は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0065】
S206は、S202と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0066】
S207は、前記S206で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧。〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS212へ、HV≧Vfullでない場合はS208へ移行する。
【0067】
S208は、前記S205でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS209へ、T≧Tfullでない場合はS206へ移行する。
【0068】
S209は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0069】
S210は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0070】
S211は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0071】
S212は、S209と同様に、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0072】
S213は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0073】
以上が、上記図3におけるS106の充電動作1の詳細シーケンスである。
【0074】
図5は上記図3におけるS112の充電動作2の詳細シーケンスを示す。
【0075】
S301は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0076】
S302は、図3のS104と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0077】
S303は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0078】
S304は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0079】
S305は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0080】
S306は、S302と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0081】
S307は、前記S306で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V1 (本実施例では充電完了電圧の80%〔例えば、256V〕)と比較し、HV≧V1の場合はS312へ、HV≧V1でない場合はS308へ移行する。
【0082】
S308は、前記S305でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS309へ、T≧Tfullでない場合はS306へ移行する。
【0083】
S309は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0084】
S310は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0085】
S311は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H1”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0086】
S312は、前記S305でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tx (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜Vxできるまでの時間の1/2の約1.2倍〔例えば、2sec〕)と比較し、T<Txの場合はS313へ、T<Txでない場合はS316へ移行する。
【0087】
S313は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0088】
S314は、所定時間:Txが経過する前に所定電圧:Vxまでの充電がなされたとして、正常時よりも充電時間が早いため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ2)を設定する。
【0089】
S315は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H2”(Helpマーク2)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0090】
S316は、S306と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0091】
S317は、前記S316で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS319へ、HV≧Vfullでない場合はS318へ移行する。
【0092】
S318は、前記S305でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS309へ、T≧Tfullでない場合はS316へ移行する。
【0093】
S319は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0094】
S320は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0095】
以上が、上記図3におけるS112の充電動作2の詳細シーケンスである。
【0096】
すなわち、本発明の第1の実施例においては、所定電圧:Vxまでの充電時間が所定時間:Txより短い場合、通常とは異なる制御であるところの警告表示および撮影(露光動作)禁止動作を行なうこととなる。
【0097】
また、所定電圧:Vxまでの充電時間が所定時間:Txより短いか否かの判定は、露光動作時にストロボ発光がなされた場合、つまり、ストロボ発光によりメインコンデンサMCの充電電圧がほとんどないという充電状況の場合の、ストロボ発光直後の充電動作(充電動作2)で行なっている。
【0098】
なお、図14には、本発明の充電電圧検出手段におけるメインコンデンサMCの充電カーブを示している。
【0099】
メインコンデンサMC(MC1とMC2の並列接続)の接続が正常な場合は、所定電圧:V1までの充電時間が所定時間:Txより長く、所定電圧:Vfullまでの充電時間が所定時間:Tfullより短くなっている。
【0100】
しかし、メインコンデンサMCの接続が異常な場合(例えば、MC1の接続リード線がはずれた場合)、所定電圧:V1までの充電時間が所定時間:Txより短くなっている。
【0101】
該状況は、本発明の充電シーケンス2である充電動作2(図5)で異常判定することができる。
【0102】
(第2の実施例)
本発明の第2の実施例を図6乃至図7を用いて説明する。
【0103】
なお、カメラの構成等は本発明第1の実施例と同様であり、既に説明済みであるため、ここでの説明は割愛する。
【0104】
図6はレリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスを示す。
【0105】
S401は、制御回路2内のメモリーの所定のエリアに動作不良発生を意味する「NGフラグ」が設定されているか否かを判定し、設定されていれば(“1”ならば)該シーケンスを終了し待機状態へ、設定されていなければ(“1”でなければ)S402へ移行する。
【0106】
すなわち、「NGフラグ」が設定されている場合、露光を行なわず(露光を禁止して)待機状態へ移行する。
【0107】
なお、動作不良が発生した場合、「NGフラグ」設定時点で表示手段9等にその旨を警告する表示を行なうものであるため、「NGフラグ」が確認された際には、使用者は表示手段による警告を確認できているものとする。
【0108】
S402は、該AE手段5により、周知の測光方法で被写体の明るさ:AEを測定する。
【0109】
S403は、予め設定されている基準の明るさ:BとS402で測定した被写体の明るさ:AEを比較し、AE<BであればS404へ、AE<BでなければS406へ移行する。
【0110】
S404は、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0111】
該充電電圧検出は、既に説明している通り、HVを直接測定するわけではなく、分割抵抗を介した電圧HV’を測定し、該電圧:HV’からHVを求める。
【0112】
S405は、上記S404で求めたHVと充電完了判定電圧:Vfullを比較し、HV≧Vfullの場合はS406へ、HV≧Vfullでない場合はS411へ移行する。
【0113】
S406は、該AF手段6により、周知の測距方法で被写体の距離を測定する。
【0114】
S407は、S402で測定した測光結果およびS107で測定した測距結果を基に、適正のピント・シャッター速度等の露光条件を求める演算を行なう。
【0115】
なお、該S407では、適正露光を得るためにストロボ発光させる必要がある場合は、該制御回路2内のメモリーの所定エリアにストロボ発光指示用のストロボ発光フラグを設定する。
【0116】
S408は、上記S407で求めた露光条件に基づき該SH手段7の制御を行なう周知の露光動作を行なう。
【0117】
該S408では、上記S407で該ストロボ発光フラグが設定されている場合、ストロボ発光による露光動作を行なう。
【0118】
S409は、該給送手段8により、不図示のフィルムを移動させる(次の露光コマを不図示のアパーチャー位置に設定する)給送動作を行なう。
【0119】
S410はストロボ発光の履歴を確認する為、該制御回路2内のメモリーのストロボ発光フラグの状態を確認し、該ストロボ発光フラグがストロボ発光に設定されている場合(S408でストロボ発光した場合)はS411へ、該ストロボ発光フラグがストロボ発光に設定されていない場合は待機状態へ移行する。なお、該S410を終了する際は、判定動作後、ストロボ発光フラグのデータをリセットするものである。
【0120】
S411は、ストロボ充電動作3のシーケンスに入る。詳細は図7で後述するが、該ステップS411の充電動作は、発光後であり残電圧はほとんど同じ状況になるので、NGチェック動作は充電完了までの時間が基準値:Tfull未満か否かの確認、および、所定電圧:V1までの充電時間が基準時間:Tx以上か否かの確認を行なうものである。
【0121】
該S411を終了したら該制御回路2は操作待機状態となる。
【0122】
以上が、本発明の第2の実施例におけるレリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスである。
【0123】
図7は上記図6におけるS411の充電動作3の詳細シーケンスを示す。
【0124】
S501は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0125】
S502は、図3のS104と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0126】
S503は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0127】
S504は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0128】
S505は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0129】
S506は、前記S502で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V0 (本実施例では充電完了電圧の1/2〔例えば、210V〕)と比較し、HV>V0の場合はS517へ、HV>V0でない場合はS507へ移行する。
【0130】
S507は、S502と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0131】
S508は、前記S507で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V1 (本実施例では充電完了電圧の80%〔例えば、256V〕)と比較し、HV≧V1の場合はS513へ、HV≧V1でない場合はS509へ移行する。
【0132】
S509は、前記S505でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS510へ、T≧Tfullでない場合はS507へ移行する。
【0133】
S510は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0134】
S511は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0135】
S512は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H1”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0136】
S513は、前記S505でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tx (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜Vxできるまでの時間の1/2の約1.2倍〔例えば、2sec〕)と比較し、T<Txの場合はS514へ、T<Txでない場合はS517へ移行する。
【0137】
S514は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0138】
S515は、所定時間:Txが経過する前に所定電圧:Vxまでの充電がなされたとして、正常時よりも充電時間が早いため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ2)を設定する。
【0139】
S516は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H2”(Helpマーク2)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0140】
S517は、S507と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0141】
S518は、前記S517で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS520へ、HV≧Vfullでない場合はS519へ移行する。
【0142】
S519は、前記S505でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS510へ、T≧Tfullでない場合はS517へ移行する。
【0143】
S520は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0144】
S521は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0145】
以上が、上記図6におけるS411の充電動作2の詳細シーケンスである。
【0146】
上記本発明の第2の実施例では、充電電圧:HVの充電状況が、比較電圧V0より高いか否かによって、所定電圧:Vxまでの充電時間が所定時間:Txより短いか否かの判定を行なうか否かの判定を行なっている。
【0147】
なお、上記本発明の第2の実施例においては比較電圧:V0を基準に、所定時間:Txより短いか否かの判定を行なうという2値的な切換になっているが、本発明はそれに限ったものではなく、例えば、メインコンデンサMCの電圧:HVの測定結果から、所定時間:Txや所定電圧:V1を可変設定することで、より細かな接続トラブル検知を行うことが可能となる。
【0148】
具体的には、HVが50Vの場合はV1:256V,Tx:1.2secだが、HVが100Vの場合はV1:280V,Tx:1.8sec、HVが200Vの場合はV1:300V,Tx:2.5sec等を、充電回路の効率とコンデンサ特性から算出して変化させたり、データテーブルを基に変化させたりしても何ら本発明の主旨に反するものではない。
【0149】
(第3の実施例)
本発明の第3の実施例を図8を用いて説明する。
【0150】
なお、カメラの構成等は本発明第1の実施例と同様であり、既に説明済みであるため、ここでの説明は割愛する。
【0151】
また、レリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスは、本発明の第2の実施例の図6と同様であるため、ここでの説明は割愛する。
【0152】
図8は本発明の第3の実施例においての上記図6におけるS411の充電動作3の詳細シーケンスを示す。
【0153】
S601は、不図示の温度センサーにより、温度:Tempを測定する。
【0154】
S602は、S601で測定した温度:Tempと比較データ:Yを比較し、Temp<YでなければS603へ、Temp<YならばS604へ移行する。
【0155】
S603は、温度が所定温度:Yより高めにあるとして、充電時間測定基準である所定時間:Tx をTx1に設定する。
【0156】
S604は、温度が所定温度:Yより低めにあるとして、充電時間測定基準である所定時間:Tx をTx2に設定する。
【0157】
すなわち、該S602乃至S604によって、環境温度に応じて所定時間:Txを変化させる。
【0158】
S605は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0159】
S606は、図3のS104と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0160】
S607は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0161】
S608は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0162】
S609は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0163】
S610は、前記S606で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V0 (本実施例では充電完了電圧の1/2〔例えば、210V〕)と比較し、HV>V0の場合はS621へ、HV>V0でない場合はS611へ移行する。
【0164】
S611は、S606と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0165】
S612は、前記S611で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V1 (本実施例では充電完了電圧の80%〔例えば、256V〕)と比較し、HV≧V1の場合はS617へ、HV≧V1でない場合はS613へ移行する。
【0166】
S613は、前記S609でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS614へ、T≧Tfullでない場合はS611へ移行する。
【0167】
S614は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0168】
S615は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0169】
S616は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H1”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0170】
S617は、前記S609でカウントを開始したタイマー:Tを前記S603乃至S604で設定した所定時間:Txと比較し、T<Txの場合はS618へ、T<Txでない場合はS621へ移行する。
【0171】
S618は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0172】
S619は、所定時間:Txが経過する前に所定電圧:Vxまでの充電がなされたとして、正常時よりも充電時間が早いため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ2)を設定する。
【0173】
S620は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H2”(Helpマーク2)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0174】
S621は、S611と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0175】
S622は、前記S621で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS624へ、HV≧Vfullでない場合はS623へ移行する。
【0176】
S623は、前記S609でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS614へ、T≧Tfullでない場合はS621へ移行する。
【0177】
S624は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0178】
S625は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0179】
以上が、本発明の第3の実施例においての上記図6におけるS411の充電動作2の詳細シーケンス(図8)である。
【0180】
なお、本実施例では、温度に関する所定時間:Txの変化を、切換点を所定温度:Yの1ポイントのみとして説明したが、本発明はそれに限られたものではなく、例えば、複数ポイントでの切換や、演算による係数で温度に対するTxの変化を行なわせても何ら本発明の主旨に反するものではない。
【0181】
(第4の実施例)
本発明の第4の実施例を図9を用いて説明する。
【0182】
なお、カメラの構成等は本発明第1の実施例と同様であり、既に説明済みであるため、ここでの説明は割愛する。
【0183】
また、レリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスは、本発明の第2の実施例の図6と同様であるため、ここでの説明は割愛する。
【0184】
図9は本発明の第3の実施例においての上記図6におけるS411の充電動作3の詳細シーケンスを示す。
【0185】
S701は、制御回路2内のA/Dコンバータにより電源電池1の電圧:VBATを測定する。
【0186】
該VBAT測定時には、電源電池1の内部抵抗分の影響を鑑み、SH手段等の負荷に通電(閉じ方向通電)を行なった状態でVBATを測定する。
【0187】
S702は、S701で測定した電源電圧:VBATと比較データ:Zを比較し、VBAT<ZでなければS703へ、VBAT<ZならばS704へ移行する。
【0188】
S703は、電源電圧:VBATが所定電圧:Zより高めにあるとして、充電時間測定基準である所定時間:Tx をTx1に設定する。
【0189】
S704は、電源電圧:VBATが所定電圧:Zより低めにあるとして、充電時間測定基準である所定時間:Tx をTx2に設定する。
【0190】
すなわち、該S702乃至S704によって、環境温度に応じて所定時間:Txを変化させる。
【0191】
S705は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0192】
S706は、図3のS104と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0193】
S707は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0194】
S708は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0195】
S709は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0196】
S710は、前記S706で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V0 (本実施例では充電完了電圧の1/2〔例えば、210V〕)と比較し、HV>V0の場合はS621へ、HV>V0でない場合はS611へ移行する。
【0197】
S711は、S706と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0198】
S712は、前記S711で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V1 (本実施例では充電完了電圧の80%〔例えば、256V〕)と比較し、HV≧V1の場合はS717へ、HV≧V1でない場合はS713へ移行する。
【0199】
S713は、前記S709でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS714へ、T≧Tfullでない場合はS711へ移行する。
【0200】
S714は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0201】
S715は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0202】
S716は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H1”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0203】
S717は、前記S709でカウントを開始したタイマー:Tを前記S703乃至S704で設定した所定時間:Txと比較し、T<Txの場合はS718へ、T<Txでない場合はS721へ移行する。
【0204】
S718は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0205】
S719は、所定時間:Txが経過する前に所定電圧:Vxまでの充電がなされたとして、正常時よりも充電時間が早いため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ2)を設定する。
【0206】
S720は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H2”(Helpマーク2)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0207】
S721は、S711と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0208】
S722は、前記S721で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS724へ、HV≧Vfullでない場合はS723へ移行する。
【0209】
S723は、前記S709でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS714へ、T≧Tfullでない場合はS721へ移行する。
【0210】
S724は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0211】
S725は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0212】
以上が、本発明の第4の実施例においての上記図6におけるS411の充電動作2の詳細シーケンス(図9)である。
【0213】
なお、本実施例では、電源電圧に関する所定時間:Txの変化を、切換点を所定電圧:Zの1ポイントのみとして説明したが、本発明はそれに限られたものではなく、例えば、複数ポイントでの切換や、演算による係数で電源電圧に対するTxの変化を行なわせても何ら本発明の主旨に反するものではない。
【0214】
(第5の実施例)
本発明の第5の実施例を図10を用いて説明する。
【0215】
なお、カメラの構成等は本発明第1の実施例と同様であり、既に説明済みであるため、ここでの説明は割愛する。
【0216】
また、レリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスは、本発明の第2の実施例の図6と同様であるため、ここでの説明は割愛する。
【0217】
図10は本発明の第5の実施例においての上記図6におけるS411の充電動作3の詳細シーケンスを示す。
【0218】
S801は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0219】
S802は、図3のS104と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0220】
S803は、前記S802で測定したメインコンデンサの充電電圧検出結果、すなわち、ストロボ充電開始前の充電電圧検出結果を基に、所定時間:Txを決定するための演算を行なう。
【0221】
例えば、0VからVfullの充電を行なう場合の所定時間:Txを基準とし、Vfull−HVで充電残量を求め、その残量に見合った係数をTxにかけた値を判断基準:Txとする。
【0222】
すなわち、判断基準をストロボ充電開始前の充電電圧検出結果に見合った判断基準時間:Txに変更する。
【0223】
S804は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0224】
S805は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0225】
S806は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0226】
S807は、前記S802で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V0 (本実施例では充電完了電圧の1/2〔例えば、210V〕)と比較し、HV>V0の場合はS818へ、HV>V0でない場合はS808へ移行する。
【0227】
S808は、S802と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0228】
S809は、前記S808で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V1 (本実施例では充電完了電圧の80%〔例えば、256V〕)と比較し、HV≧V1の場合はS814へ、HV≧V1でない場合はS810へ移行する。
【0229】
S810は、前記S806でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS811へ、T≧Tfullでない場合はS808へ移行する。
【0230】
S811は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0231】
S812は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0232】
S813は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H1”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0233】
S814は、前記S806でカウントを開始したタイマー:Tを前記S803で設定した所定時間:Txと比較し、T<Txの場合はS815へ、T<Txでない場合はS818へ移行する。
【0234】
S815は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0235】
S816は、所定時間:Txが経過する前に所定電圧:Vxまでの充電がなされたとして、正常時よりも充電時間が早いため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ2)を設定する。
【0236】
S817は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H2”(Helpマーク2)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0237】
S818は、S802と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0238】
S819は、前記S818で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS821へ、HV≧Vfullでない場合はS820へ移行する。
【0239】
S820は、前記S806でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS811へ、T≧Tfullでない場合はS818へ移行する。
【0240】
S821は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0241】
S822は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0242】
以上が、本発明の第5の実施例においての上記図6におけるS411の充電動作2の詳細シーケンス(図10)である。
【0243】
なお、本実施例では、判定基準時間設定のファクターを充電電圧検出結果のみとして記載しているが、本発明の主旨としては、前記本発明の第3の実施例乃至第4の実施例のように、判定基準演算の係数に環境温度・電源電池電圧等のファクターを加えておいても何ら本発明の主旨に反するものではない。
【0244】
また、ここまでの説明は、全てカメラ内部のシーケンスとして使用していたが、本シーケンスは、例えばカメラ等の製品製造工程で使用される調整工具に適用することもできる。
【0245】
具体的には、充電完了電圧の検出精度を細かく調整する工程において、充電完了時間が早い場合、製造上の不良があるとして、再チェックをかける等の方法をとることも出来る。
【0246】
(第6の実施例)
本発明の第6の実施例を図11乃至図13を用いて説明する。
【0247】
本発明の第6の実施例は、上記第1の実施例乃至第5の実施例とは異なり、充電時間に応じてメインコンデンサMCの接続状況を推測し、異常状況があると判断された場合にも、状況に応じたストロボ撮影制御を行なうものである。
【0248】
図11乃至図13は本発明の第6の実施例におけるカメラのシーケンスフローチャートであり、図11はレリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスを示す。
【0249】
S901は、制御回路2内のメモリーの所定のエリアに動作不良発生を意味する「NGフラグ」が設定されているか否かを判定し、設定されていれば(“1”ならば)該シーケンスを終了し待機状態へ、設定されていなければ(“1”でなければ)S902へ移行する。
【0250】
すなわち、「NGフラグ」が設定されている場合、露光を行なわず(露光を禁止して)待機状態へ移行する。
【0251】
なお、動作不良が発生した場合、「NGフラグ」設定時点で表示手段9等にその旨を警告する表示を行なうものであるため、「NGフラグ」が確認された際には、使用者は表示手段による警告を確認できているものとする。
【0252】
S902は、該AE手段5により、周知の測光方法で被写体の明るさ:AEを測定する。
【0253】
S903は、予め設定されている基準の明るさ:BとS902で測定した被写体の明るさ:AEを比較し、 AE<B であればS904へ、AE<BでなければS907へ移行する。
【0254】
S904は、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0255】
該充電電圧検出は、既に説明している通り、HVを直接測定するわけではなく、分割抵抗を介した電圧HV’を測定し、該電圧:HV’からHVを求める。
【0256】
S905は、上記S904で求めたHVと充電完了判定電圧:Vfullを比較し、HV≧Vfullの場合はS907へ、HV≧Vfullでない場合はS906へ移行する。
【0257】
S906は、ストロボ充電動作1のシーケンスに入る。詳細は図12で後述するが、該ステップS906の充電動作は、一般的な充電動作に加え、所定電圧:V1までの充電時間:Tを測定・判定して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「MCフラグ」を設定するものである。
【0258】
S907は、該AF手段6により、周知の測距方法で被写体の距離を測定する。
【0259】
S908は、S906の該ストロボ充電動作1シーケンスで設定された「MCフラグ」の判定を行い、MCフラグ=0ならばS909へ、MCフラグ=0でなければS910へ移行する。
【0260】
S909は、ストロボ制御用テーブルとして、メインコンデンサMCの接続正常時の制御テーブルである“ストロボ制御テーブル1”を設定する。
【0261】
S910は、ストロボ制御用テーブルとして、メインコンデンサMCの接続異常時の制御テーブルである“ストロボ制御テーブル2”を設定する。
【0262】
前記ストロボ制御テーブルは、メインコンデンサ:MCが正常の容量(MC1+MC2)であった場合の光量を基準にしたストロボ制御テーブル1と、メインコンデンサ:MCが異常の容量(MC1もしくはMC2)であった場合の光量を基準にしたストロボ制御テーブル2となるものであり、本実施例では正常時と異常時でメインコンデンサMCの容量が1/2となるため、その分の発光タイミング補正がかかる。
【0263】
また、被写体距離を測定しストロボ到達距離範囲外の被写体であった場合に警告を行う機能を備えたカメラの場合、制御テーブルのみではなく、到達距離の補正も併せて行う。
【0264】
S911は、S902で測定した測光結果およびS907で測定した測距結果を基に、適正のピント・シャッター速度・ストロボ発光有無・ストロボ制御タイミング等の露光条件を求める演算を行なう。
【0265】
なお、該S911では、適正露光を得るためにストロボ発光させる必要がある場合は、該制御回路2内のメモリーの所定エリアにストロボ発光指示用のストロボ発光フラグを設定する。
【0266】
また、ストロボ発光制御に関しては、該S909もしくは該S910で設定したストロボ制御テーブルを使用して発光タイミング等の制御を決定する。
【0267】
S912は、上記S911で求めた露光条件に基づき該SH手段7の制御を行なう周知の露光動作を行なう。
【0268】
該S912では、上記S911で該ストロボ発光フラグが設定されている場合、ストロボ発光による露光動作を行なう。
【0269】
S913は、該給送手段8により、不図示のフィルムを移動させる(次の露光コマを不図示のアパーチャー位置に設定する)給送動作を行なう。
【0270】
S914はストロボ発光の履歴を確認する為、該制御回路2内のメモリーのストロボ発光フラグの状態を確認し、該ストロボ発光フラグがストロボ発光に設定されている場合(S912でストロボ発光した場合)はS915へ、該ストロボ発光フラグがストロボ発光に設定されていない場合は待機状態へ移行する。なお、該S914を終了する際は、判定動作後、ストロボ発光フラグのデータをリセットするものである。
【0271】
S915は、ストロボ発光直後の充電動作であるところの、ストロボ充電動作2のシーケンスに入る。詳細は図13で後述するが、該ステップS915の充電動作は、発光後であり残電圧はほとんど同じ状況になるので、NGチェック動作は充電完了までの時間が基準値:Tfull未満か否かの確認、および、所定電圧:V1までの充電時間が基準時間:Tx以上か否かの確認を行なうものである。
【0272】
該S915を終了したら該制御回路2は操作待機状態となる。
【0273】
以上が、本発明の第6の実施例のレリーズスイッチ3がONされた場合の制御回路2のシーケンスである。
【0274】
図12は上記図11におけるS906の充電動作1の詳細シーケンスを示す。
【0275】
S1001は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0276】
S1002は、図11のS904と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0277】
S1003は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0278】
S1004は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0279】
S1005は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0280】
S1006は、S1002と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0281】
S1007は、前記S1006で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V1 (本実施例では充電完了電圧の80%〔例えば、256V〕)と比較し、HV≧V1の場合はS1012へ、HV≧V1でない場合はS1008へ移行する。
【0282】
S1008は、前記S1005でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS1009へ、T≧Tfullでない場合はS1006へ移行する。
【0283】
S1009は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0284】
S1010は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0285】
S1011は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H1”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0286】
S1012は、前記S1005でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tx (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜Vxできるまでの時間の1/2の約1.2倍〔例えば、2sec〕)と比較し、T<Txでない場合はS1013へ、T<Txの場合はS1016へ移行する。
【0287】
S1013は、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「MCフラグ」を“0”に設定する。
【0288】
S1014は、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「MCフラグ」を“1”に設定する。
【0289】
S1015は、S1006と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0290】
S1016は、前記S1015で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS1018へ、HV≧Vfullでない場合はS1017へ移行する。
【0291】
S1017は、前記S1005でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS1009へ、T≧Tfullでない場合はS1015へ移行する。
【0292】
S1018は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0293】
S1019は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0294】
以上が、上記図11におけるS906の充電動作1の詳細シーケンスである。
【0295】
図13は上記図11におけるS915の充電動作2の詳細シーケンスを示す。
【0296】
図12は上記図11におけるS906の充電動作1の詳細シーケンスを示す。
【0297】
S1101は、該制御回路2内のタイマー:Tをリセットする。
【0298】
S1102は、図11のS904と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0299】
S1103は、ストロボ装置4の充電手段4−1を駆動し、メインコンデンサMCへの充電を開始する。
【0300】
S1104は、表示手段9により、ストロボの充電動作中を示す警告表示(例えばイナズママークの点滅等)を行なう。
【0301】
S1105は、該制御回路2内のタイマー:Tのカウントをスタートする。
【0302】
S1106は、S1102と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0303】
S1107は、前記S1106で測定した充電電圧:HVと比較電圧:V1 (本実施例では充電完了電圧の80%〔例えば、256V〕)と比較し、HV≧V1の場合はS1112へ、HV≧V1でない場合はS1108へ移行する。
【0304】
S1108は、前記S1105でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull(本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS1109へ、T≧Tfullでない場合はS1106へ移行する。
【0305】
S1109は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0306】
S1110は、所定時間:Tfullを経過しても充電完了出来ないため、何らかの異常があると判断して、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ1)を設定する。
【0307】
S1111は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H1”(Helpマーク1)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0308】
S1112は、前記S1105でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tx (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜Vxできるまでの時間の1/2の約1.2倍〔例えば、2sec〕)と比較し、T<Txでない場合はS1117へ、T<Txの場合はS1113へ移行する。
【0309】
S1113は、前記S1105でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tf (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜Vxできるまでの時間の1/10)と比較し、T<Tfでない場合はS1118へ、T<Txの場合はS1114へ移行する。
【0310】
S1114は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0311】
S1115は、所定時間:Tfが経過する前に所定電圧:Vxまでの充電がなされたとして、ストロボ発光直後からの充電にもかかわらず極めて短い時間で充電完了信号が発生しているため、充電電圧検出手段4−2に何らかの不具合があると判断し、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「NGフラグ」(充電NGフラグ2)を設定する。
【0312】
S1116は、表示手段9により、充電の問題を意味する警告表示(例えば、“H2”(Helpマーク2)点滅)を行ない、次動作待機状態となる。
【0313】
S1117は、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「MCフラグ」を“0”に設定する。
【0314】
S1118は、制御回路2内のメモリーの所定エリアにある「MCフラグ」を“1”に設定する。
【0315】
S1119は、S1106と同様に、該充電電圧検出回路4−2および該制御手段2のA/Dコンバーターを使用し、発光エネルギー蓄積用コンデンサ:MC(MC1およびMC2)に充電されている電圧:HVを測定する。
【0316】
S1120は、前記S1119で測定した充電電圧:HVと比較電圧:Vfull(本実施例では充電完了電圧〔例えば、320V〕)と比較し、HV≧Vfullの場合はS1122へ、HV≧Vfullでない場合はS1121へ移行する。
【0317】
S1121は、前記S1105でカウントを開始したタイマー:Tを所定時間:Tfull (本実施例では正常時のメインコンデンサMCが0V〜充電完了できるまでの時間の約1.4倍〔例えば、8.4sec〕)と比較し、T≧Tfullの場合はS1109へ、T≧Tfullでない場合はS1119へ移行する。
【0318】
S1122は、ストロボ装置4の充電手段4−1の駆動を停止し、メインコンデンサMCへの充電を終了する。
【0319】
S1123は、表示手段9により、ストロボの充電完了を示す表示(例えばイナズママークの点灯等)を行ない、次動作待機状態となる。
【0320】
以上が、上記図11におけるS915の充電動作2の詳細シーケンスである。
【0321】
なお、上記本発明の第6の実施例では、充電時間によってストロボの制御を切り換える手段として、テーブルを切り換える方法を説明したが、本発明はそれに限ったものではなく、例えば、正常時を通常と考え、異常発生時に演算(例えば正常時の情報に係数をかけて補正を行なう)等の手法で制御を切り換えても何ら本発明の主旨に反するものではない。
【0322】
また、今まで説明した本発明第1乃至第6の実施例は、銀塩フィルム使用のカメラで説明したが、本発明はそれに限定されたものではなく、例えば、デジタルカメラ等の光学機器にも有効であることを明示しておく。
【図面の簡単な説明】
【0323】
【図1】本発明第1の実施例におけるカメラの主要部分の回路ブロック図
【図2】本発明第1の実施例におけるストロボの充電電圧検出回路図
【図3】本発明第1の実施例におけるレリーズスイッチON時の制御回路2シーケンス
【図4】本発明第1の実施例における充電動作1の詳細シーケンス
【図5】本発明第1の実施例における充電動作2の詳細シーケンス
【図6】本発明第2の実施例におけるレリーズスイッチON時の制御回路2シーケンス
【図7】本発明第2の実施例における充電動作3の詳細シーケンス
【図8】本発明第3の実施例における充電動作3の詳細シーケンス
【図9】本発明第4の実施例における充電動作3の詳細シーケンス
【図10】本発明第5の実施例における充電動作3の詳細シーケンス
【図11】本発明第6の実施例におけるレリーズスイッチON時の制御回路2シーケンス
【図12】本発明第6の実施例における充電動作1の詳細シーケンス
【図13】本発明第3の実施例における充電動作2の詳細シーケンス
【図14】本発明の充電電圧検出手段におけるメインコンデンサMCの充電カーブ
【符号の説明】
【0324】
1 電源電池
2 制御回路
3 レリーズスイッチ
4 ストロボ装置
4−1 充電手段
4−2 充電電圧検出回路
4−3 発光制御手段
MC1/MC2 メインコンデンサ
Xe キセノン管(発光体)
5 測光手段
6 測距手段
7 シャッター手段
8 フィルム給送手段
9 表示手段
R1/R2 分圧抵抗
D1/D2 逆流防止ダイオード
C1 平滑コンデンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサと、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を検出する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の制御を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果が所定時間より短いと判定された場合、通常と異なる制御を行なうことを特徴としたストロボ装置を有する光学機器。
【請求項2】
ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサを少なくとも2つ並列配設として備え、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を観測する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の制御を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果が所定時間より短いと判定された場合、通常と異なる制御を行なうことを特徴としたストロボ装置を有する光学機器。
【請求項3】
上記請求項1乃至請求項2において、通常と異なる制御とは、警告制御であることを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項4】
上記請求項1乃至請求項3において、通常と異なる制御とは、露光動作禁止とすることを含むことを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項5】
上記請求項1乃至請求項4において、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間が所定時間より短いか否かの判定は、充電状況によって判定するか否かを変更することを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項6】
上記請求項5において、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間判定は、少なくともストロボ発光直後の充電動作時に行なうことを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項7】
上記請求項5において、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間判定は、ストロボ充電開始前の充電電圧検出結果によって判断を変更することを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項8】
上記請求項1乃至請求項7において、充電時間判定の基準になる所定時間は、電源電圧に応じて変化させることを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項9】
上記請求項1乃至請求項7において、充電時間判定の基準になる所定時間は、環境温度に応じて変化させることを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項10】
ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサを少なくとも2つ並列配設として備え、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を観測する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の制御を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果の充電時間からメインコンデンサの接続状況を推測し、接続状況に応じたストロボ撮影制御を行なうことを特徴としたストロボ装置を有する光学機器。
【請求項11】
上記請求項10において、推測されたメインコンデンサの接続状況に応じて、露光時間およびストロボ発光タイミングを補正することを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項1】
ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサと、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を検出する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の制御を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果が所定時間より短いと判定された場合、通常と異なる制御を行なうことを特徴としたストロボ装置を有する光学機器。
【請求項2】
ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサを少なくとも2つ並列配設として備え、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を観測する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の制御を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果が所定時間より短いと判定された場合、通常と異なる制御を行なうことを特徴としたストロボ装置を有する光学機器。
【請求項3】
上記請求項1乃至請求項2において、通常と異なる制御とは、警告制御であることを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項4】
上記請求項1乃至請求項3において、通常と異なる制御とは、露光動作禁止とすることを含むことを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項5】
上記請求項1乃至請求項4において、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間が所定時間より短いか否かの判定は、充電状況によって判定するか否かを変更することを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項6】
上記請求項5において、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間判定は、少なくともストロボ発光直後の充電動作時に行なうことを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項7】
上記請求項5において、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間判定は、ストロボ充電開始前の充電電圧検出結果によって判断を変更することを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項8】
上記請求項1乃至請求項7において、充電時間判定の基準になる所定時間は、電源電圧に応じて変化させることを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項9】
上記請求項1乃至請求項7において、充電時間判定の基準になる所定時間は、環境温度に応じて変化させることを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【請求項10】
ストロボ装置を有する光学機器において、ストロボ発光体に並列に配設された発光エネルギー蓄積用メインコンデンサを少なくとも2つ並列配設として備え、該メインコンデンサに電荷を充電する為の充電手段と、該充電手段により充電されていく電圧を観測する充電電圧検出手段と、該充電手段や該充電電圧検出手段の動作および該光学機器の制御を行なう制御手段を備え、該制御手段により充電動作が開始された後、充電電圧検出手段は所定電圧までの充電時間を判定し、該判定結果の充電時間からメインコンデンサの接続状況を推測し、接続状況に応じたストロボ撮影制御を行なうことを特徴としたストロボ装置を有する光学機器。
【請求項11】
上記請求項10において、推測されたメインコンデンサの接続状況に応じて、露光時間およびストロボ発光タイミングを補正することを特徴とするストロボ装置を有する光学機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−219148(P2007−219148A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−39588(P2006−39588)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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