スパッタリングターゲット材およびその製造方法
【課題】 スパッタリングプロセスに用いられてガラス基板上などに各種導電膜を形成する際に、その膜厚不均一などの製造不良を発生させるという問題を解消することを可能とした、複数のターゲット材ピースを接合してなるスパッタリングターゲット材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 ターゲット材ピース1a、1b同士の接合部の突合せ断面形状2を、互いに隙間なく嵌め合されるような凹凸を有する組み合わせ構造に形成しておき、その組み合わせ構造を隙間なく嵌め合わせた状態で、このスパッタリングターゲット材自体が用いられる際にスパッタリング面となる表面側(おもて面側)3には前記摩擦攪拌接合を施さず、表面側3とは反対の裏面側4から摩擦攪拌接合を施して、ターゲット材ピース1a、1b同士を接合する。
【解決手段】 ターゲット材ピース1a、1b同士の接合部の突合せ断面形状2を、互いに隙間なく嵌め合されるような凹凸を有する組み合わせ構造に形成しておき、その組み合わせ構造を隙間なく嵌め合わせた状態で、このスパッタリングターゲット材自体が用いられる際にスパッタリング面となる表面側(おもて面側)3には前記摩擦攪拌接合を施さず、表面側3とは反対の裏面側4から摩擦攪拌接合を施して、ターゲット材ピース1a、1b同士を接合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば大型ディスプレイパネルのような電子部品の電極配線等の形成工程で用いられる、特にターゲット材ピースまたはターゲット材タイル等と呼ばれる材料板を複数枚接合して全体的な外形寸法を大判に形成してなる、スパッタリングターゲット材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば液晶ディスプレイパネルのようなフラットパネルディスプレイは、近年ますます大型化が進んでいるが、その一方で、パネル面積あたりの製造コストの低減を図るために、一枚の大判ガラス基板に複数枚の液晶ディスプレイパネルを作り込み、その後、個々を切断〜分離することで、一枚のガラス基板から複数枚の大型液晶ディスプレイパネルを作製することが行われている。このため、パネル材料のガラス基板は年々ますます大面積化が進んで来ており、いわゆる第8世代と呼ばれる液晶ディスプレイパネル用のガラス基板の外形寸法は、2200mm×2400mmにも達している。
【0003】
このような大判のガラス基板に対して電極配線等を形成する際に使用されるスパッタリングターゲット材は、一般に、そのガラス基板よりも大きな外形寸法を有していることが要請される。このため、例えば上記のような第8世代の液晶ディスプレイパネルの製造に対応可能なスパッタリングターゲット材としては、3m四方(3000mm×3000mm)以上のものが必要とされる。
【0004】
しかし、このような大判の(大面積の)スパッタリングターゲット材を、その全体に亘って所定の誤差の範囲内で均一な材質に製造しようとすると、その製造装置の大きさが制約となることが多い。また、敢えてそのような大判のスパッタリングターゲット材を製造すると、結晶組織や組成が所定の誤差の範囲を逸脱してしまう傾向にある。
そこで、上記のような大判のスパッタリングターゲット材を作製するためには、それよりも小さな外形寸法の、複数枚のターゲット材ピース(スパッタリングターゲットタイル、または構成部材もしくは接合材などとも呼ばれる)を隙間なく並置または接合し、それら全体で一つの大判なスパッタリングターゲット材を構成するという技術が提案されている。すなわち、スパッタリングターゲット材を構成する複数のターゲット材ピースとしてアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、銀、銀合金などからなる金属板を用い、それらターゲット材ピース同士を摩擦攪拌接合(FSW;Friction Stir Welding)法に
よって接合することで、上記のような大判な一枚のスパッタリングターゲット材を構成する、という技術が提案されている。
【0005】
より具体的には、例えば特許文献1には、スパッタリングターゲット材における金属結晶や金属間化合物の粒径・分散状態を接合部とそれ以外の非接合部とでほぼ同程度(接合部の平均粒径が非接合部のそれの60〜130%)となるように調節するという技術が提案されている。また、これとほぼ同様に、2つのスパッタリングターゲット材を、両者の端面どうしが相互に当接するように並べて配置し、その当接部分に、両者に跨るようにプローブを埋入・移動させることで摩擦攪拌接合を行うという技術が、特許文献2にて提案されている。
また、例えば特許文献3には、接合の突合せ部分にスパッタリングターゲットタイル(ターゲット材ピース)と同じ材質の粉末や小片を配置して接合を行うという技術が提案されている。
また、例えば特許文献4には、ピンを挟んで上下にショルダ部(フランジ部)を有する回転ツールを用いて摩擦攪拌接合を行うという、摩擦攪拌接合に関しての改良技術が提案
されている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−307906号公報
【特許文献2】特開2005−15915号公報
【特許文献3】特開2006−348380号公報
【特許文献4】特開2002−18580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のように複数のターゲット材ピースを接合して大判のスパッタリングターゲット材を製造する場合、その接合プロセスに伴う熱や材料の流動等に起因して、接合部と非接合部とでは、結晶組織に差が生じることは避け難い。スパッタ速度は結晶方位に依存して異なったものとなるため、接合部と非接合部とで結晶組織に差があると、均一なスパッタリングを実現することができなくなり、そのスパッタリングプロセスで得られる導電性膜等の膜厚の均一性にも多大な悪影響が生じることとなる。このため、接合部と非接合部とで、結晶組織にほとんど差が生じないようにすることが強く要請されるが、そのためには、その接合のプロセス条件を極めて厳格に制御することが必要となる。ところが、実際には、そのような極めて厳しいプロセス条件を恒常的に満たしつつ接合を行うことは極めて困難であり、接合部と非接合部とで結晶組織に差が生じる傾向は避け難い。その結果、従来提案されている技術による複数のターゲット材ピースを接合してなる大判のスパッタリングターゲット材では、それを用いたスパッタリングプロセスで作製される導電膜等の製品に膜厚不均一などの不良が多発する傾向にあることが避け難いという問題があった。そして、このようなスパッタリングターゲット材における接合部と非接合部とでの結晶組織に差が生じることに起因して生じる問題は、上記のような従来提案されている技術を適宜に組み合わせて用いたとしても解決することはできなかった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、スパッタリングプロセスに用いられてガラス基板上などに各種導電膜を形成する際に、その膜厚不均一などの製造不良を発生させるという問題を解消することを可能とした、複数のターゲット材ピースを接合してなるスパッタリングターゲット材およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1のスパッタリングターゲット材は、複数枚のターゲット材ピースを接合して1枚板状に形成してなるスパッタリングターゲット材であって、前記接合される前記複数枚のターゲット材ピース同士の突合せ部における、対向する突合せ面同士が、互いに嵌め合わされる凹凸の組み合わせ構造であり、当該突合せ部において、当該スパッタリングターゲット材が用いられる際にスパッタリング面となる表面側とは反対の裏面側のみに接合が施されており、前記スパッタリング面となる表面側には前記接合が現れていないことを特徴としている。
【0010】
本発明の第2のスパッタリングターゲット材は、上記第1のスパッタリングターゲット材において、前記突合せ部における対向する突合せ面同士が、平矧ぎを除く、凹凸を有する矧ぎ手構造または複数種類の矧ぎ手構造の組み合わせからなるものであることを特徴としている。
【0011】
本発明の第3のスパッタリングターゲット材は、上記第1または第2のスパッタリングターゲット材において、前記ターゲット材ピースが、無酸素銅からなるものであることを特徴としている。
【0012】
本発明の第1のスパッタリングターゲット材の製造方法は、前記接合される前記複数枚のターゲット材ピース同士の突合せ部における、対向する突合せ面同士を互いに嵌め合わされる凹凸の組み合わせ構造に形成しておき、前記突合せ面同士を互いに嵌め合わせた状態で、当該スパッタリングターゲット材が用いられる際にスパッタリング面となる表面側とは反対の裏面側から前記摩擦攪拌接合を施して、前記表面側には前記接合が現れないように前記ターゲット材ピース同士を接合する工程を含むことを特徴としている。
【0013】
本発明の第2のスパッタリングターゲット材の製造方法は、上記第1のスパッタリングターゲット材の製造方法において、前記突合せ部における対向する突合せ面同士を、平矧ぎを除く、凹凸を有する矧ぎ手構造に形成することを特徴としている。
【0014】
本発明の第3のスパッタリングターゲット材の製造方法は、上記第1または第2のスパッタリングターゲット材の製造方法において、前記矧ぎ手構造を、相欠矧ぎ、本核矧ぎ、蟻核矧ぎ、または留接ぎ、もしくはそれらを組み合わせたものとすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1のスパッタリングターゲット材またはその製造方法によれば、ターゲット材ピース同士が接合される突合せ部の形状を、互いに機械的なガタツキ等が生じることなく嵌め合わされるように設定された凹凸を有する組み合わせ構造に形成し、その組み合わせ構造を嵌め合わせ、このスパッタリングターゲット材自体が用いられる際にスパッタリング面となる表面側(おもて面側)とは反対の裏面側のみに接合を施して、スパッタリング面となる表面側には接合が現れないようにしたので、このスパッタリングターゲット材自体が用いられる際にスパッタリング面となる表面側の結晶組織が、接合部と非接合部とで異なったものとなることを完全に回避することができる。これにより、このスパッタリングターゲット材を用いて行われるスパッタリングプロセスにてガラス基板上などに製造される各種導電膜の膜厚不均一などの製造不良の発生を解消することが可能となる。
【0016】
しかも、ターゲット材ピース同士の突合せ部を、互いに嵌め合されることができるような凹凸を有する組み合わせ構造に形成したので、上記のように裏面側のみに接合を施して、スパッタリングの際に用いられるように設定されている表面側には接合を施さなくとも、その接合部およびその付近における曲げモーメントに対する剛性等の機械的強度を、スパッタリングターゲット材として用いられる際に要求される十分な強度として確保することができる。
【0017】
また、本発明の第2のスパッタリングターゲット材またはその製造方法によれば、より具体的な突合せ部の形状として、平矧ぎを除く、凹凸を有する矧ぎ手構造または複数種類の矧ぎ手構造の組み合わせからなるものとしたので、より確実に、接合部における十分な機械的強度を確保することができる。
【0018】
また、その矧ぎ手構造としては、さらに詳細には、相欠矧ぎ、本核矧ぎ、蟻核矧ぎ、または留接ぎ、もしくはそれらを組み合わせたものなどを採用することで、裏面からの接合が浅い接合であっても、接合部における十分な機械的強度を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係るスパッタリングターゲット材およびその製造方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るスパッタリングターゲット材の接合プロセスの主要部を示す図、図2は、図1に示した接合プロセスにて摩擦攪拌接合が行われている状態を示す図、図3は、図2に示した摩擦攪拌接合によって接合された接合部を示す図であり、
図4〜図8は、接合部の組み合わせ構造のバリエーションをそれぞれ示す図である。
【0020】
このスパッタリングターゲット材は、図1に示したように、複数枚(図1では2枚)のターゲット材ピース1a、1bを、摩擦攪拌接合法によって接合することで、見掛けがほぼ一枚板状の、より大判なスパッタリングターゲット材として形成される。
【0021】
すなわち、まず、図1(a)に示したように、接合される複数枚のターゲット材ピース1a、1b同士の接合部の突合せ断面形状2を、互いに隙間なく嵌め合される凹凸を有する組み合わせ構造に形成しておく。この接合部の突合せ断面形状2は、さらに具体的には、平矧ぎを除く、相欠矧ぎ、本核矧ぎ、蟻核矧ぎ、またはそれらを組み合わせてなる凹凸を有する矧ぎ手構造とすることが望ましい。図1および図2ならびに図3では、それらのうちの相欠矧ぎ構造を採用した場合の一例を示している。
【0022】
ターゲット材ピース1としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、銀、銀合金のうちの1種類の金属材料、またはそれらのうちの複数種類を組み合わせてなる金属材料からなるものとすることが可能である。あるいは、純度が3N以上の無酸素銅からなるものとしてもよい。
【0023】
そして、その組み合わせ構造を、図3(a)に示したように、隙間なく嵌め合わせた状態で、図1(b)および図2に示したように、このスパッタリングターゲット材自体が用いられる際にそのスパッタリング面となるように設定されている表面側(おもて面側;以下同様)3には、摩擦攪拌接合を施さずに、表面側3とは反対の裏面側4に、回転ツール5を回転させながら所定の深さまで挿入し、接合線6に沿って例えば矢印7の方向へと移動させて行くことにより摩擦攪拌接合を施して、図3(b)に示したように、そのターゲット材ピース1a、1bの接合部に摩擦攪拌部(接合痕)8を形成し、それらターゲット材ピース1a、1b同士を接合する。この接合によって形成される摩擦攪拌部8は、接合部における裏面側4から突合せ断面形状2の相欠矧ぎ構造の段差の位置(断面形状におけるクランク状に屈曲した部分)すなわちターゲット材ピース1の厚さ方向ほぼ中央未満の位置(ターゲット材ピース1の厚さの半分弱の位置)まで達しているが、そこで止まっており、スパッタリング面となる表面側3には全く現れていない。
【0024】
この摩擦攪拌接合法は、被接合材料の接合部付近を一時的にではあるが完全に溶解して接合するという他の溶接法と比較して、被接合材料における接合時の残留応力や変形等が小さく、摩擦攪拌部8付近の結晶粒組織が微細になるので、その接合が施された部分で高い接合強度が得られるという、極めて有効な利点がある。従って、本実施の形態においても、接合法としてこの摩擦攪拌接合法を用いることが、最も望ましいのである。但しこれは、その他の溶接法を本実施の形態に係る接合部の接合方法として用いることの可能性を排除するものでないことは言うまでもない。
【0025】
ここで、接合部の突合せ断面形状2は、図3に示したような相欠矧ぎ以外にも、図4〜図8に示したような、他の種類の矧ぎ手構造や、さらにその他の例えば留接ぎ構造との組み合わせとすることなども可能である。
【0026】
すなわち、図4(a)に一例を示したように、ターゲット材ピース1aにおける接合部の突合せ断面形状2を凸状に形成し、ターゲット材ピース1bの接合部の突合せ断面形状2を凹状に形成して、本核矧ぎ構造としてターゲット材ピース1aの凸状をターゲット材ピース1bの凹状にほぼ隙間なく嵌め込むようにして組み合わせ、その裏面側4から上記の図1に基づいて説明したプロセスと同様の摩擦攪拌接合法により摩擦攪拌接合を施すことで、図4(b)に示したように、ターゲット材ピース1a、1bを摩擦攪拌部8によって接合するようにしてもよい。このように接合部の突合せ断面形状2を本核矧ぎ構造とす
ることにより、摩擦攪拌部8の深さを、より浅くしても、上記の図1〜図3に示したような相欠矧ぎ構造の場合と同様ないしそれ以上の機械的剛性を確保することが可能となる。そしてその結果、ターゲット材ピース1の表面側3からその厚さ方向に摩擦攪拌部8の先端までの距離、すなわちスパッタリングターゲット材として有効な厚さを、より大きく取ることができるので、ターゲット材としての利用効率のさらなる向上を達成することが可能となる。
【0027】
または、図5(a)に一例を示したように、ターゲット材ピース1aとターゲット材ピース1bとの接合部の突合せ断面形状2を、互いに巴状に(換言すればフック状に)組み付き合うような形状にして、それら両者をほぼ隙間なく組み合わせ、その裏面側4から上記の図1に基づいて説明したプロセスと同様の摩擦攪拌接合法により摩擦攪拌接合を施すことで摩擦攪拌部8を形成し、図5(b)に示したように、ターゲット材ピース1a、1bを接合するようにしてもよい。このようにすることによっても、図4に示した組み合わせ構造の場合と同様に、ターゲット材ピース1の表面側3からその厚さ方向に摩擦攪拌部8の先端までの距離、すなわちスパッタリングターゲット材として有効な厚さを、より大きく取ることができるので、ターゲット材としての利用効率のさらなる向上を達成することが可能となる。
【0028】
あるいは、図6(a)に一例を示したように、ターゲット材ピース1aとターゲット材ピース1bとの両方の裏面側4a、4bに跨るように、平留接ぎ部材9を嵌め合わせるようにしておき、その平留接ぎ部材9の一端面10a付近をターゲット材ピース1aの裏面側4aと、摩擦攪拌接合法によって摩擦攪拌部8aを形成することで接合し、かつその平留接ぎ部材9の他端面10b付近をターゲット材ピース1bの裏面側4bと、摩擦攪拌接合法によって摩擦攪拌部8bを形成することで接合して、ターゲット材ピース1aとターゲット材ピース1bとを接合するようにしてもよい。このようにすることによっても、図4や図5に示した組み合わせ構造の場合と同様に、スパッタリングターゲット材として有効な厚さを、より大きく取ることができ、ターゲット材としての利用効率のさらなる向上を達成することが可能となる。
【0029】
または、図7(a)に一例を示したように、ターゲット材ピース1aとターゲット材ピース1bとの両方の裏面側4a、4bに跨るように、断面形状が鎹(かすがい)型の留接ぎ部材11を嵌め合わせるようにしておき、その留接ぎ部材11の一端面10a付近をターゲット材ピース1aの裏面側4aに摩擦攪拌接合法によって摩擦攪拌部8aを形成することで接合し、かつその留接ぎ部材11の他端面10b付近をターゲット材ピース1bの裏面側4bに摩擦攪拌接合法によって摩擦攪拌部8bを形成することで接合するようにしてもよい。このようにすることにより、図6に示した組み合わせ構造の場合と同様またはそれ以上に、スパッタリングターゲット材として有効な厚さを、より大きく取ることができ、ターゲット材としての利用効率のさらなる向上を達成することが可能となる。
【0030】
もしくは、図8(a)に一例を示したように、ターゲット材ピース1aとターゲット材ピース1bとの両方の裏面側4a、4bに跨るように、断面形状が櫛歯型の留接ぎ部材12を嵌め合わせるようにしておき、その留接ぎ部材12の一端面10a付近をターゲット材ピース1aの裏面側4aに摩擦攪拌接合法によって摩擦攪拌部8aを形成することで接合し、かつその留接ぎ部材12の他端面10b付近をターゲット材ピース1bの裏面側4bに摩擦攪拌接合法によって摩擦攪拌部8bを形成することで接合するようにしてもよい。このようにすることにより、図7に示した組み合わせ構造の場合と同様またはそれ以上に、スパッタリングターゲット材として有効な厚さを、より大きく取ることができ、ターゲット材としての利用効率のさらなる向上を達成することが可能となる。
【0031】
ここで、上記の平留接ぎ部材9、留接ぎ部材11、12は、ターゲット材ピース1と同
一または同質の材料からなるものとすることが望ましいが、裏面4にのみ配置されるものであるから、その結晶組織については、必ずしもターゲット材ピース1と同じに揃える必要はない。
【0032】
なお、ターゲット材ピース1aとターゲット材ピース1bとの具体的な接合部の突合せ断面形状2は、上記のみには限定されないことは勿論である。その他にも、図示は省略するが、例えば蟻核矧ぎ、矢筈矧ぎ、雇核矧ぎ、またはその他の種類の矧ぎ手構造や、上記以外の留接ぎ構造、さらにはそれらを組み合わせたものなどとすることも可能である。
【0033】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係るスパッタリングターゲット材およびその製造方法によれば、ターゲット材ピース1a、1b同士の接合部の突合せ断面形状2を、互いに隙間なく嵌め合される凹凸を有する組み合わせ構造に形成し、その組み合わせ構造を隙間なく嵌め合わせ、このスパッタリングターゲット材自体が用いられる際にスパッタリング面となる表面側3とは反対の裏面側4のみに摩擦攪拌接合を施して、スパッタリング面となる表面側には摩擦攪拌接合(つまり摩擦攪拌部8)が現れないようにしたので、このスパッタリングターゲット材自体が用いられる際にスパッタリング面となる表面側3の結晶組織が接合部と非接合部とで異なったものとなることを、完全に回避することができる。その結果、このスパッタリングターゲット材を用いて行われるスパッタリングプロセスにて例えば大型液晶ディスプレイパネル用のガラス基板上などに製造される各種導電膜の膜厚不均一等の製造不良の発生を、解消することが可能となる。
【0034】
しかも、このように裏面側4のみに摩擦攪拌接合を施し、表面側3には接合を全く施さなくとも、ターゲット材ピース同士の接合部の突合せ断面形状2を、具体的な形状として図3〜図8に例示したような、互いに隙間なく嵌め合される凹凸を有する組み合わせ構造に形成しているので、その接合部付近における曲げ剛性や引張り剛性等の機械的強度を、スパッタリングターゲット材として用いられる際に要求される十分な強度として確保することができる。
【0035】
また、その接合部の突合せ断面形状2のさらに具体的な形状としては、平矧ぎ(および広義の平矧ぎである斜め矧ぎ等)を除く、相欠矧ぎや本核矧ぎなどのような何らかの凹凸を有する矧ぎ手構造またはそれらの複数種類の矧ぎ手構造の組み合わせからなるものとしたので、接合部における十分な機械的強度を、より確実に確保することが可能となる。その矧ぎ手構造としては、さらに具体的には、相欠矧ぎ(図1、図2、図3)、本核矧ぎ(図4)、または蟻核矧ぎ(図示省略)、もしくはそれらやその他の矧ぎ手構造(図5)や留接ぎ構造(図6、図7、図8)等、さらにはそれらを組み合わせたものなどを採用することで、より確実に、接合部における十分な機械的強度を確保することが可能となる。
ここで、図示を省略した蟻核矧ぎについて簡略に説明する。一般に「核矧ぎ」とは、2つの板状の部材同士を幅方向に接ぎ合わす際に、一方の部材の突合せ部には突起(核;さ
ね)を形成し、他方の部材の突合せ部には溝を掘っておき、それら両者を嵌め合わせるこ
とで、機械的により強固な接合を得るというものである。そして、このような核矧ぎの一種類である「蟻核矧ぎ」とは、上記の一方の部材に設ける突起(核)を、部材本体に連なる根元の部分よりも先端の部分のほうが大きい形状とすることで、一旦、その突起を他方の部材の溝に嵌め合わせた後には、両部材を外力で引き離そうとしても、一方の部材の突起が他方の部材の溝に食い込んだ状態になっているので、容易には引き離されないようにすることができる、というものである。
また、「平矧ぎ」、「斜め矧ぎ」について、ここで簡略に説明すると、「平矧ぎ」とは、2つの板状の部材の接合される面を、それぞれ突起(核)や溝などの全くない単なる平面的な形状とし、それら平面的な接合面同士を突合せて、その上下から接着剤を流し込んだり、溶接を行うことなどによって、両部材を接合するというものである。このような定義からすれば、従来の一般的な2枚のターゲット材ピース同士を表裏からの溶接等によっ
て接合するという手法は、実質的にこの「平矧ぎ」の手法を用いたものである。また、「斜め矧ぎ」は、上記の平面的な接合面を、部材の主面に対して直角ではなく斜面状にしたものであるが、その接合面自体の形状は、平矧ぎと全く同様に、突起(核)や溝などの全くない単なる平面的なものである。従って、このような斜め矧ぎについても、基本的に平矧ぎと同様、従来の一般的なターゲット材ピース同士の接合手法の単なるバリエーションに該当するものである。
【実施例】
【0036】
上記の実施の形態にて図1、図2、図3に基づいて説明したような構造および製造方法でスパッタリングターゲット材を試験的に作製した。
ターゲット材ピース1としては、純度が4Nの無酸素銅を材料として、これに鋳造、熱
間圧延、中間熱処理、冷間圧延を行って、厚さ15mm×幅500mm×長さ3000mmの板材を用いた。そしてその板材の接合部となる端面を機械加工装置によって段差状に切削加工し、その後、再結晶による結晶粒径の均質化のための熱処理を行って、図1(a)に示したような、接合部の突合せ断面形状2を相欠矧ぎ構造に形成してなるターゲット材ピース1とした。
【0037】
そして、図1(b)に示したような摩擦攪拌接合を、全6枚のターゲット材ピース1に対して行うことで、それら6枚を全部接合し、全体で厚さ15mm×幅3000mm×長さ3000mmの、すなわち3m四方の大判な、スパッタリングターゲット材とした。
【0038】
このようにして作製された、本実施例に係る3m四方の大判なスパッタリングターゲット材は、表面側3には摩擦攪拌接合による摩擦攪拌部8が全く現れていないので、従来の技術の場合のような熱処理設備や製造設備のサイズとの兼ね合いの問題や接合部と非接合部とでの結晶組織の差異に起因した問題等を完全に回避することができ、かつ接合部付近における十分な機械的強度を確保できることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態に係るスパッタリングターゲット材の接合プロセスの主要部を示す図である。
【図2】図1に示した接合プロセスにて摩擦攪拌接合が行われている状態を示す図である。
【図3】図2に示した摩擦攪拌接合による接合を施してなる接合部を示す図である。
【図4】接合部の組み合わせ構造のバリエーションを示す図である。
【図5】接合部の組み合わせ構造の、別のバリエーションを示す図である。
【図6】接合部の組み合わせ構造の、別のバリエーションを示す図である。
【図7】接合部の組み合わせ構造の、別のバリエーションを示す図である。
【図8】接合部の組み合わせ構造の、別のバリエーションを示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1 ターゲット材ピース
2 突合せ断面形状
3 ターゲット材ピースの表面側
4 ターゲット材ピースの裏面側
5 回転ツール
6 接合線
8 摩擦攪拌部
9 平留接ぎ部材
11、12 留接ぎ部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば大型ディスプレイパネルのような電子部品の電極配線等の形成工程で用いられる、特にターゲット材ピースまたはターゲット材タイル等と呼ばれる材料板を複数枚接合して全体的な外形寸法を大判に形成してなる、スパッタリングターゲット材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば液晶ディスプレイパネルのようなフラットパネルディスプレイは、近年ますます大型化が進んでいるが、その一方で、パネル面積あたりの製造コストの低減を図るために、一枚の大判ガラス基板に複数枚の液晶ディスプレイパネルを作り込み、その後、個々を切断〜分離することで、一枚のガラス基板から複数枚の大型液晶ディスプレイパネルを作製することが行われている。このため、パネル材料のガラス基板は年々ますます大面積化が進んで来ており、いわゆる第8世代と呼ばれる液晶ディスプレイパネル用のガラス基板の外形寸法は、2200mm×2400mmにも達している。
【0003】
このような大判のガラス基板に対して電極配線等を形成する際に使用されるスパッタリングターゲット材は、一般に、そのガラス基板よりも大きな外形寸法を有していることが要請される。このため、例えば上記のような第8世代の液晶ディスプレイパネルの製造に対応可能なスパッタリングターゲット材としては、3m四方(3000mm×3000mm)以上のものが必要とされる。
【0004】
しかし、このような大判の(大面積の)スパッタリングターゲット材を、その全体に亘って所定の誤差の範囲内で均一な材質に製造しようとすると、その製造装置の大きさが制約となることが多い。また、敢えてそのような大判のスパッタリングターゲット材を製造すると、結晶組織や組成が所定の誤差の範囲を逸脱してしまう傾向にある。
そこで、上記のような大判のスパッタリングターゲット材を作製するためには、それよりも小さな外形寸法の、複数枚のターゲット材ピース(スパッタリングターゲットタイル、または構成部材もしくは接合材などとも呼ばれる)を隙間なく並置または接合し、それら全体で一つの大判なスパッタリングターゲット材を構成するという技術が提案されている。すなわち、スパッタリングターゲット材を構成する複数のターゲット材ピースとしてアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、銀、銀合金などからなる金属板を用い、それらターゲット材ピース同士を摩擦攪拌接合(FSW;Friction Stir Welding)法に
よって接合することで、上記のような大判な一枚のスパッタリングターゲット材を構成する、という技術が提案されている。
【0005】
より具体的には、例えば特許文献1には、スパッタリングターゲット材における金属結晶や金属間化合物の粒径・分散状態を接合部とそれ以外の非接合部とでほぼ同程度(接合部の平均粒径が非接合部のそれの60〜130%)となるように調節するという技術が提案されている。また、これとほぼ同様に、2つのスパッタリングターゲット材を、両者の端面どうしが相互に当接するように並べて配置し、その当接部分に、両者に跨るようにプローブを埋入・移動させることで摩擦攪拌接合を行うという技術が、特許文献2にて提案されている。
また、例えば特許文献3には、接合の突合せ部分にスパッタリングターゲットタイル(ターゲット材ピース)と同じ材質の粉末や小片を配置して接合を行うという技術が提案されている。
また、例えば特許文献4には、ピンを挟んで上下にショルダ部(フランジ部)を有する回転ツールを用いて摩擦攪拌接合を行うという、摩擦攪拌接合に関しての改良技術が提案
されている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−307906号公報
【特許文献2】特開2005−15915号公報
【特許文献3】特開2006−348380号公報
【特許文献4】特開2002−18580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のように複数のターゲット材ピースを接合して大判のスパッタリングターゲット材を製造する場合、その接合プロセスに伴う熱や材料の流動等に起因して、接合部と非接合部とでは、結晶組織に差が生じることは避け難い。スパッタ速度は結晶方位に依存して異なったものとなるため、接合部と非接合部とで結晶組織に差があると、均一なスパッタリングを実現することができなくなり、そのスパッタリングプロセスで得られる導電性膜等の膜厚の均一性にも多大な悪影響が生じることとなる。このため、接合部と非接合部とで、結晶組織にほとんど差が生じないようにすることが強く要請されるが、そのためには、その接合のプロセス条件を極めて厳格に制御することが必要となる。ところが、実際には、そのような極めて厳しいプロセス条件を恒常的に満たしつつ接合を行うことは極めて困難であり、接合部と非接合部とで結晶組織に差が生じる傾向は避け難い。その結果、従来提案されている技術による複数のターゲット材ピースを接合してなる大判のスパッタリングターゲット材では、それを用いたスパッタリングプロセスで作製される導電膜等の製品に膜厚不均一などの不良が多発する傾向にあることが避け難いという問題があった。そして、このようなスパッタリングターゲット材における接合部と非接合部とでの結晶組織に差が生じることに起因して生じる問題は、上記のような従来提案されている技術を適宜に組み合わせて用いたとしても解決することはできなかった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、スパッタリングプロセスに用いられてガラス基板上などに各種導電膜を形成する際に、その膜厚不均一などの製造不良を発生させるという問題を解消することを可能とした、複数のターゲット材ピースを接合してなるスパッタリングターゲット材およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1のスパッタリングターゲット材は、複数枚のターゲット材ピースを接合して1枚板状に形成してなるスパッタリングターゲット材であって、前記接合される前記複数枚のターゲット材ピース同士の突合せ部における、対向する突合せ面同士が、互いに嵌め合わされる凹凸の組み合わせ構造であり、当該突合せ部において、当該スパッタリングターゲット材が用いられる際にスパッタリング面となる表面側とは反対の裏面側のみに接合が施されており、前記スパッタリング面となる表面側には前記接合が現れていないことを特徴としている。
【0010】
本発明の第2のスパッタリングターゲット材は、上記第1のスパッタリングターゲット材において、前記突合せ部における対向する突合せ面同士が、平矧ぎを除く、凹凸を有する矧ぎ手構造または複数種類の矧ぎ手構造の組み合わせからなるものであることを特徴としている。
【0011】
本発明の第3のスパッタリングターゲット材は、上記第1または第2のスパッタリングターゲット材において、前記ターゲット材ピースが、無酸素銅からなるものであることを特徴としている。
【0012】
本発明の第1のスパッタリングターゲット材の製造方法は、前記接合される前記複数枚のターゲット材ピース同士の突合せ部における、対向する突合せ面同士を互いに嵌め合わされる凹凸の組み合わせ構造に形成しておき、前記突合せ面同士を互いに嵌め合わせた状態で、当該スパッタリングターゲット材が用いられる際にスパッタリング面となる表面側とは反対の裏面側から前記摩擦攪拌接合を施して、前記表面側には前記接合が現れないように前記ターゲット材ピース同士を接合する工程を含むことを特徴としている。
【0013】
本発明の第2のスパッタリングターゲット材の製造方法は、上記第1のスパッタリングターゲット材の製造方法において、前記突合せ部における対向する突合せ面同士を、平矧ぎを除く、凹凸を有する矧ぎ手構造に形成することを特徴としている。
【0014】
本発明の第3のスパッタリングターゲット材の製造方法は、上記第1または第2のスパッタリングターゲット材の製造方法において、前記矧ぎ手構造を、相欠矧ぎ、本核矧ぎ、蟻核矧ぎ、または留接ぎ、もしくはそれらを組み合わせたものとすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1のスパッタリングターゲット材またはその製造方法によれば、ターゲット材ピース同士が接合される突合せ部の形状を、互いに機械的なガタツキ等が生じることなく嵌め合わされるように設定された凹凸を有する組み合わせ構造に形成し、その組み合わせ構造を嵌め合わせ、このスパッタリングターゲット材自体が用いられる際にスパッタリング面となる表面側(おもて面側)とは反対の裏面側のみに接合を施して、スパッタリング面となる表面側には接合が現れないようにしたので、このスパッタリングターゲット材自体が用いられる際にスパッタリング面となる表面側の結晶組織が、接合部と非接合部とで異なったものとなることを完全に回避することができる。これにより、このスパッタリングターゲット材を用いて行われるスパッタリングプロセスにてガラス基板上などに製造される各種導電膜の膜厚不均一などの製造不良の発生を解消することが可能となる。
【0016】
しかも、ターゲット材ピース同士の突合せ部を、互いに嵌め合されることができるような凹凸を有する組み合わせ構造に形成したので、上記のように裏面側のみに接合を施して、スパッタリングの際に用いられるように設定されている表面側には接合を施さなくとも、その接合部およびその付近における曲げモーメントに対する剛性等の機械的強度を、スパッタリングターゲット材として用いられる際に要求される十分な強度として確保することができる。
【0017】
また、本発明の第2のスパッタリングターゲット材またはその製造方法によれば、より具体的な突合せ部の形状として、平矧ぎを除く、凹凸を有する矧ぎ手構造または複数種類の矧ぎ手構造の組み合わせからなるものとしたので、より確実に、接合部における十分な機械的強度を確保することができる。
【0018】
また、その矧ぎ手構造としては、さらに詳細には、相欠矧ぎ、本核矧ぎ、蟻核矧ぎ、または留接ぎ、もしくはそれらを組み合わせたものなどを採用することで、裏面からの接合が浅い接合であっても、接合部における十分な機械的強度を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係るスパッタリングターゲット材およびその製造方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るスパッタリングターゲット材の接合プロセスの主要部を示す図、図2は、図1に示した接合プロセスにて摩擦攪拌接合が行われている状態を示す図、図3は、図2に示した摩擦攪拌接合によって接合された接合部を示す図であり、
図4〜図8は、接合部の組み合わせ構造のバリエーションをそれぞれ示す図である。
【0020】
このスパッタリングターゲット材は、図1に示したように、複数枚(図1では2枚)のターゲット材ピース1a、1bを、摩擦攪拌接合法によって接合することで、見掛けがほぼ一枚板状の、より大判なスパッタリングターゲット材として形成される。
【0021】
すなわち、まず、図1(a)に示したように、接合される複数枚のターゲット材ピース1a、1b同士の接合部の突合せ断面形状2を、互いに隙間なく嵌め合される凹凸を有する組み合わせ構造に形成しておく。この接合部の突合せ断面形状2は、さらに具体的には、平矧ぎを除く、相欠矧ぎ、本核矧ぎ、蟻核矧ぎ、またはそれらを組み合わせてなる凹凸を有する矧ぎ手構造とすることが望ましい。図1および図2ならびに図3では、それらのうちの相欠矧ぎ構造を採用した場合の一例を示している。
【0022】
ターゲット材ピース1としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、銀、銀合金のうちの1種類の金属材料、またはそれらのうちの複数種類を組み合わせてなる金属材料からなるものとすることが可能である。あるいは、純度が3N以上の無酸素銅からなるものとしてもよい。
【0023】
そして、その組み合わせ構造を、図3(a)に示したように、隙間なく嵌め合わせた状態で、図1(b)および図2に示したように、このスパッタリングターゲット材自体が用いられる際にそのスパッタリング面となるように設定されている表面側(おもて面側;以下同様)3には、摩擦攪拌接合を施さずに、表面側3とは反対の裏面側4に、回転ツール5を回転させながら所定の深さまで挿入し、接合線6に沿って例えば矢印7の方向へと移動させて行くことにより摩擦攪拌接合を施して、図3(b)に示したように、そのターゲット材ピース1a、1bの接合部に摩擦攪拌部(接合痕)8を形成し、それらターゲット材ピース1a、1b同士を接合する。この接合によって形成される摩擦攪拌部8は、接合部における裏面側4から突合せ断面形状2の相欠矧ぎ構造の段差の位置(断面形状におけるクランク状に屈曲した部分)すなわちターゲット材ピース1の厚さ方向ほぼ中央未満の位置(ターゲット材ピース1の厚さの半分弱の位置)まで達しているが、そこで止まっており、スパッタリング面となる表面側3には全く現れていない。
【0024】
この摩擦攪拌接合法は、被接合材料の接合部付近を一時的にではあるが完全に溶解して接合するという他の溶接法と比較して、被接合材料における接合時の残留応力や変形等が小さく、摩擦攪拌部8付近の結晶粒組織が微細になるので、その接合が施された部分で高い接合強度が得られるという、極めて有効な利点がある。従って、本実施の形態においても、接合法としてこの摩擦攪拌接合法を用いることが、最も望ましいのである。但しこれは、その他の溶接法を本実施の形態に係る接合部の接合方法として用いることの可能性を排除するものでないことは言うまでもない。
【0025】
ここで、接合部の突合せ断面形状2は、図3に示したような相欠矧ぎ以外にも、図4〜図8に示したような、他の種類の矧ぎ手構造や、さらにその他の例えば留接ぎ構造との組み合わせとすることなども可能である。
【0026】
すなわち、図4(a)に一例を示したように、ターゲット材ピース1aにおける接合部の突合せ断面形状2を凸状に形成し、ターゲット材ピース1bの接合部の突合せ断面形状2を凹状に形成して、本核矧ぎ構造としてターゲット材ピース1aの凸状をターゲット材ピース1bの凹状にほぼ隙間なく嵌め込むようにして組み合わせ、その裏面側4から上記の図1に基づいて説明したプロセスと同様の摩擦攪拌接合法により摩擦攪拌接合を施すことで、図4(b)に示したように、ターゲット材ピース1a、1bを摩擦攪拌部8によって接合するようにしてもよい。このように接合部の突合せ断面形状2を本核矧ぎ構造とす
ることにより、摩擦攪拌部8の深さを、より浅くしても、上記の図1〜図3に示したような相欠矧ぎ構造の場合と同様ないしそれ以上の機械的剛性を確保することが可能となる。そしてその結果、ターゲット材ピース1の表面側3からその厚さ方向に摩擦攪拌部8の先端までの距離、すなわちスパッタリングターゲット材として有効な厚さを、より大きく取ることができるので、ターゲット材としての利用効率のさらなる向上を達成することが可能となる。
【0027】
または、図5(a)に一例を示したように、ターゲット材ピース1aとターゲット材ピース1bとの接合部の突合せ断面形状2を、互いに巴状に(換言すればフック状に)組み付き合うような形状にして、それら両者をほぼ隙間なく組み合わせ、その裏面側4から上記の図1に基づいて説明したプロセスと同様の摩擦攪拌接合法により摩擦攪拌接合を施すことで摩擦攪拌部8を形成し、図5(b)に示したように、ターゲット材ピース1a、1bを接合するようにしてもよい。このようにすることによっても、図4に示した組み合わせ構造の場合と同様に、ターゲット材ピース1の表面側3からその厚さ方向に摩擦攪拌部8の先端までの距離、すなわちスパッタリングターゲット材として有効な厚さを、より大きく取ることができるので、ターゲット材としての利用効率のさらなる向上を達成することが可能となる。
【0028】
あるいは、図6(a)に一例を示したように、ターゲット材ピース1aとターゲット材ピース1bとの両方の裏面側4a、4bに跨るように、平留接ぎ部材9を嵌め合わせるようにしておき、その平留接ぎ部材9の一端面10a付近をターゲット材ピース1aの裏面側4aと、摩擦攪拌接合法によって摩擦攪拌部8aを形成することで接合し、かつその平留接ぎ部材9の他端面10b付近をターゲット材ピース1bの裏面側4bと、摩擦攪拌接合法によって摩擦攪拌部8bを形成することで接合して、ターゲット材ピース1aとターゲット材ピース1bとを接合するようにしてもよい。このようにすることによっても、図4や図5に示した組み合わせ構造の場合と同様に、スパッタリングターゲット材として有効な厚さを、より大きく取ることができ、ターゲット材としての利用効率のさらなる向上を達成することが可能となる。
【0029】
または、図7(a)に一例を示したように、ターゲット材ピース1aとターゲット材ピース1bとの両方の裏面側4a、4bに跨るように、断面形状が鎹(かすがい)型の留接ぎ部材11を嵌め合わせるようにしておき、その留接ぎ部材11の一端面10a付近をターゲット材ピース1aの裏面側4aに摩擦攪拌接合法によって摩擦攪拌部8aを形成することで接合し、かつその留接ぎ部材11の他端面10b付近をターゲット材ピース1bの裏面側4bに摩擦攪拌接合法によって摩擦攪拌部8bを形成することで接合するようにしてもよい。このようにすることにより、図6に示した組み合わせ構造の場合と同様またはそれ以上に、スパッタリングターゲット材として有効な厚さを、より大きく取ることができ、ターゲット材としての利用効率のさらなる向上を達成することが可能となる。
【0030】
もしくは、図8(a)に一例を示したように、ターゲット材ピース1aとターゲット材ピース1bとの両方の裏面側4a、4bに跨るように、断面形状が櫛歯型の留接ぎ部材12を嵌め合わせるようにしておき、その留接ぎ部材12の一端面10a付近をターゲット材ピース1aの裏面側4aに摩擦攪拌接合法によって摩擦攪拌部8aを形成することで接合し、かつその留接ぎ部材12の他端面10b付近をターゲット材ピース1bの裏面側4bに摩擦攪拌接合法によって摩擦攪拌部8bを形成することで接合するようにしてもよい。このようにすることにより、図7に示した組み合わせ構造の場合と同様またはそれ以上に、スパッタリングターゲット材として有効な厚さを、より大きく取ることができ、ターゲット材としての利用効率のさらなる向上を達成することが可能となる。
【0031】
ここで、上記の平留接ぎ部材9、留接ぎ部材11、12は、ターゲット材ピース1と同
一または同質の材料からなるものとすることが望ましいが、裏面4にのみ配置されるものであるから、その結晶組織については、必ずしもターゲット材ピース1と同じに揃える必要はない。
【0032】
なお、ターゲット材ピース1aとターゲット材ピース1bとの具体的な接合部の突合せ断面形状2は、上記のみには限定されないことは勿論である。その他にも、図示は省略するが、例えば蟻核矧ぎ、矢筈矧ぎ、雇核矧ぎ、またはその他の種類の矧ぎ手構造や、上記以外の留接ぎ構造、さらにはそれらを組み合わせたものなどとすることも可能である。
【0033】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係るスパッタリングターゲット材およびその製造方法によれば、ターゲット材ピース1a、1b同士の接合部の突合せ断面形状2を、互いに隙間なく嵌め合される凹凸を有する組み合わせ構造に形成し、その組み合わせ構造を隙間なく嵌め合わせ、このスパッタリングターゲット材自体が用いられる際にスパッタリング面となる表面側3とは反対の裏面側4のみに摩擦攪拌接合を施して、スパッタリング面となる表面側には摩擦攪拌接合(つまり摩擦攪拌部8)が現れないようにしたので、このスパッタリングターゲット材自体が用いられる際にスパッタリング面となる表面側3の結晶組織が接合部と非接合部とで異なったものとなることを、完全に回避することができる。その結果、このスパッタリングターゲット材を用いて行われるスパッタリングプロセスにて例えば大型液晶ディスプレイパネル用のガラス基板上などに製造される各種導電膜の膜厚不均一等の製造不良の発生を、解消することが可能となる。
【0034】
しかも、このように裏面側4のみに摩擦攪拌接合を施し、表面側3には接合を全く施さなくとも、ターゲット材ピース同士の接合部の突合せ断面形状2を、具体的な形状として図3〜図8に例示したような、互いに隙間なく嵌め合される凹凸を有する組み合わせ構造に形成しているので、その接合部付近における曲げ剛性や引張り剛性等の機械的強度を、スパッタリングターゲット材として用いられる際に要求される十分な強度として確保することができる。
【0035】
また、その接合部の突合せ断面形状2のさらに具体的な形状としては、平矧ぎ(および広義の平矧ぎである斜め矧ぎ等)を除く、相欠矧ぎや本核矧ぎなどのような何らかの凹凸を有する矧ぎ手構造またはそれらの複数種類の矧ぎ手構造の組み合わせからなるものとしたので、接合部における十分な機械的強度を、より確実に確保することが可能となる。その矧ぎ手構造としては、さらに具体的には、相欠矧ぎ(図1、図2、図3)、本核矧ぎ(図4)、または蟻核矧ぎ(図示省略)、もしくはそれらやその他の矧ぎ手構造(図5)や留接ぎ構造(図6、図7、図8)等、さらにはそれらを組み合わせたものなどを採用することで、より確実に、接合部における十分な機械的強度を確保することが可能となる。
ここで、図示を省略した蟻核矧ぎについて簡略に説明する。一般に「核矧ぎ」とは、2つの板状の部材同士を幅方向に接ぎ合わす際に、一方の部材の突合せ部には突起(核;さ
ね)を形成し、他方の部材の突合せ部には溝を掘っておき、それら両者を嵌め合わせるこ
とで、機械的により強固な接合を得るというものである。そして、このような核矧ぎの一種類である「蟻核矧ぎ」とは、上記の一方の部材に設ける突起(核)を、部材本体に連なる根元の部分よりも先端の部分のほうが大きい形状とすることで、一旦、その突起を他方の部材の溝に嵌め合わせた後には、両部材を外力で引き離そうとしても、一方の部材の突起が他方の部材の溝に食い込んだ状態になっているので、容易には引き離されないようにすることができる、というものである。
また、「平矧ぎ」、「斜め矧ぎ」について、ここで簡略に説明すると、「平矧ぎ」とは、2つの板状の部材の接合される面を、それぞれ突起(核)や溝などの全くない単なる平面的な形状とし、それら平面的な接合面同士を突合せて、その上下から接着剤を流し込んだり、溶接を行うことなどによって、両部材を接合するというものである。このような定義からすれば、従来の一般的な2枚のターゲット材ピース同士を表裏からの溶接等によっ
て接合するという手法は、実質的にこの「平矧ぎ」の手法を用いたものである。また、「斜め矧ぎ」は、上記の平面的な接合面を、部材の主面に対して直角ではなく斜面状にしたものであるが、その接合面自体の形状は、平矧ぎと全く同様に、突起(核)や溝などの全くない単なる平面的なものである。従って、このような斜め矧ぎについても、基本的に平矧ぎと同様、従来の一般的なターゲット材ピース同士の接合手法の単なるバリエーションに該当するものである。
【実施例】
【0036】
上記の実施の形態にて図1、図2、図3に基づいて説明したような構造および製造方法でスパッタリングターゲット材を試験的に作製した。
ターゲット材ピース1としては、純度が4Nの無酸素銅を材料として、これに鋳造、熱
間圧延、中間熱処理、冷間圧延を行って、厚さ15mm×幅500mm×長さ3000mmの板材を用いた。そしてその板材の接合部となる端面を機械加工装置によって段差状に切削加工し、その後、再結晶による結晶粒径の均質化のための熱処理を行って、図1(a)に示したような、接合部の突合せ断面形状2を相欠矧ぎ構造に形成してなるターゲット材ピース1とした。
【0037】
そして、図1(b)に示したような摩擦攪拌接合を、全6枚のターゲット材ピース1に対して行うことで、それら6枚を全部接合し、全体で厚さ15mm×幅3000mm×長さ3000mmの、すなわち3m四方の大判な、スパッタリングターゲット材とした。
【0038】
このようにして作製された、本実施例に係る3m四方の大判なスパッタリングターゲット材は、表面側3には摩擦攪拌接合による摩擦攪拌部8が全く現れていないので、従来の技術の場合のような熱処理設備や製造設備のサイズとの兼ね合いの問題や接合部と非接合部とでの結晶組織の差異に起因した問題等を完全に回避することができ、かつ接合部付近における十分な機械的強度を確保できることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態に係るスパッタリングターゲット材の接合プロセスの主要部を示す図である。
【図2】図1に示した接合プロセスにて摩擦攪拌接合が行われている状態を示す図である。
【図3】図2に示した摩擦攪拌接合による接合を施してなる接合部を示す図である。
【図4】接合部の組み合わせ構造のバリエーションを示す図である。
【図5】接合部の組み合わせ構造の、別のバリエーションを示す図である。
【図6】接合部の組み合わせ構造の、別のバリエーションを示す図である。
【図7】接合部の組み合わせ構造の、別のバリエーションを示す図である。
【図8】接合部の組み合わせ構造の、別のバリエーションを示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1 ターゲット材ピース
2 突合せ断面形状
3 ターゲット材ピースの表面側
4 ターゲット材ピースの裏面側
5 回転ツール
6 接合線
8 摩擦攪拌部
9 平留接ぎ部材
11、12 留接ぎ部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のターゲット材ピースを接合して1枚板状に形成してなるスパッタリングターゲット材であって、
前記接合される前記複数枚のターゲット材ピース同士の突合せ部における、対向する突合せ面同士が、互いに嵌め合わされる凹凸の組み合わせ構造であり、
当該突合せ部において、当該スパッタリングターゲット材が用いられる際にスパッタリング面となる表面側とは反対の裏面側のみに接合が施されており、前記スパッタリング面となる表面側には前記接合が現れていない
ことを特徴とするスパッタリングターゲット材。
【請求項2】
請求項1記載のスパッタリングターゲット材において、
前記突合せ部における対向する突合せ面同士が、平矧ぎを除く、凹凸を有する矧ぎ手構造からなるものである
ことを特徴とするスパッタリングターゲット材。
【請求項3】
請求項1または2記載のスパッタリングターゲット材において、
前記ターゲット材ピースが、無酸素銅からなるものである
ことを特徴とするスパッタリングターゲット材。
【請求項4】
複数枚のターゲット材ピースを摩擦攪拌接合によって接合して、1枚板状のスパッタリングターゲット材を形成する、スパッタリングターゲット材の製造方法であって、
前記接合される前記複数枚のターゲット材ピース同士の突合せ部における、対向する突合せ面同士を互いに嵌め合わされる凹凸の組み合わせ構造に形成しておき、
前記突合せ面同士を互いに嵌め合わせた状態で、当該スパッタリングターゲット材が用いられる際にスパッタリング面となる表面側とは反対の裏面側から前記摩擦攪拌接合を施して、前記表面側には前記接合が現れないように前記ターゲット材ピース同士を接合する工程を含む
ことを特徴とするスパッタリングターゲット材の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載のスパッタリングターゲット材の製造方法において、
前記突合せ部における対向する突合せ面同士を、平矧ぎを除く、凹凸を有する矧ぎ手構造に形成する
ことを特徴とするスパッタリングターゲット材の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載のスパッタリングターゲット材の製造方法において、
前記矧ぎ手構造を、相欠矧ぎ、本核矧ぎ、蟻核矧ぎ、または留接ぎとする
ことを特徴とするスパッタリングターゲット材の製造方法。
【請求項1】
複数枚のターゲット材ピースを接合して1枚板状に形成してなるスパッタリングターゲット材であって、
前記接合される前記複数枚のターゲット材ピース同士の突合せ部における、対向する突合せ面同士が、互いに嵌め合わされる凹凸の組み合わせ構造であり、
当該突合せ部において、当該スパッタリングターゲット材が用いられる際にスパッタリング面となる表面側とは反対の裏面側のみに接合が施されており、前記スパッタリング面となる表面側には前記接合が現れていない
ことを特徴とするスパッタリングターゲット材。
【請求項2】
請求項1記載のスパッタリングターゲット材において、
前記突合せ部における対向する突合せ面同士が、平矧ぎを除く、凹凸を有する矧ぎ手構造からなるものである
ことを特徴とするスパッタリングターゲット材。
【請求項3】
請求項1または2記載のスパッタリングターゲット材において、
前記ターゲット材ピースが、無酸素銅からなるものである
ことを特徴とするスパッタリングターゲット材。
【請求項4】
複数枚のターゲット材ピースを摩擦攪拌接合によって接合して、1枚板状のスパッタリングターゲット材を形成する、スパッタリングターゲット材の製造方法であって、
前記接合される前記複数枚のターゲット材ピース同士の突合せ部における、対向する突合せ面同士を互いに嵌め合わされる凹凸の組み合わせ構造に形成しておき、
前記突合せ面同士を互いに嵌め合わせた状態で、当該スパッタリングターゲット材が用いられる際にスパッタリング面となる表面側とは反対の裏面側から前記摩擦攪拌接合を施して、前記表面側には前記接合が現れないように前記ターゲット材ピース同士を接合する工程を含む
ことを特徴とするスパッタリングターゲット材の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載のスパッタリングターゲット材の製造方法において、
前記突合せ部における対向する突合せ面同士を、平矧ぎを除く、凹凸を有する矧ぎ手構造に形成する
ことを特徴とするスパッタリングターゲット材の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載のスパッタリングターゲット材の製造方法において、
前記矧ぎ手構造を、相欠矧ぎ、本核矧ぎ、蟻核矧ぎ、または留接ぎとする
ことを特徴とするスパッタリングターゲット材の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2009−79267(P2009−79267A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249935(P2007−249935)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】
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