説明

スピロ環式複素環化合物、該化合物を含む医薬品、その使用及びその製造方法

本発明は、一般式(I)で表わされるスピロ環式複素環化合物、その互変異性体、立体異性体、それらの混合物、及び、塩、とりわけ無機酸又は有機酸を含む生理学的に適合する塩に関するものであって、有用な薬理特性、なかでもチロシンキナーゼが仲介するシグナル伝達に対する阻害効果を有する化合物に関する。また、本発明は、とりわけ腫瘍系疾患や前立腺肥大症(BPH)の疾病治療ならびに肺及び気道疾患の治療のための、前記複素環化合物の使用に関する。更に本発明は前記複素環化合物の調製に関する。
【化1】


(I)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I):
【0002】
【化1】

(I)
【0003】
で表わされるスピロ環式複素環化合物、その互変異性体、立体異性体、それらの混合物、及び、塩、とりわけ無機酸又は有機酸との医薬的に許容できる塩に関するものであって、有用な薬理特性、なかでもはチロシンキナーゼが仲介するシグナル伝達に対する阻害効果を有する化合物、ならびに、疾病治療のための前記化合物の使用、とりわけ腫瘍系疾患や前立腺肥大症(BPH)、肺及び気道疾患の治療のための使用、ならびにその調製に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の課題は、チロシンキナーゼ阻害剤としての医薬的効果に基づいた治療に使用できる新規化合物、即ち、チロシンキナーゼの機能亢進を原因とする病態生理的過程の治療に使用することができる新規化合物を調製することである。
驚くべきことに、前記課題は式(I)で表わされる化合物(式中、Ra〜Rd及びAは本願明細書で後述する定義を有する)により解決されることがわかった。
本発明は、一般式(I):
【0005】
【化2】

(I)
【0006】
(式中、
aは、フェニル又は1-フェニルエチル基を示し、いずれの場合もフェニル核が基R1〜R3で置換されており、
1及びR2は同じでも異なっていてもよく、水素又はF、Cl、Br、I、OCH2F、OCHF2、OCF3、CH2F、CHF2、CF3、CN、NO2、NH2及びOHから選択される基を示すか、或いは、
C1-4-アルキル、C1-4-アルキル-O、C2-3-アルケニル、C2-3-アルキニル、フェニル、フェニル-O、フェニル-C1-3-アルキル、フェニル-C1-3-アルキル-O、ヘテロアリール、ヘテロアリール-O、ヘテロアリール-C1-3-アルキル及びヘテロアリール-C1-3-アルキル-Oから選択される基を示し、前記フェニル基は、基R5によりモノ置換又はジ置換されており、
3は水素又はF、Cl、Br及びCH3から選択される基を示し、
bは水素、又は、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル-及びC3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキルから選択される置換されていてもよい基を示し、
cは水素、又は、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、C1-6-アルキル-CO、C3-6-シクロアルキル-CO、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル-CO、C1-6-アルキル-SO2、C3-6-シクロアルキル-SO2、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル-SO2、フェニル-CO-及びフェニル-SO2から選択される置換されていてもよい基を表わし、
【0007】
dは水素、又は、F、Cl、Br、I、OH、C1-4-アルキル、C1-4-アルキル-O、1〜3個のフッ素原子で置換されているC1-2-アルキル-O、C3-7-シクロアルキル-O、C3-7-シクロアルキル-C1-4-アルキル-O、テトラヒドロフラン-3-イル-O、テトラヒドロピラン-3-イル-O、テトラヒドロピラン-4-イル-O、テトラヒドロフラニル-C1-4-アルキル-O-及びテトラヒドロピラニル-C1-4-アルキル-Oから選択される基を表わすか、或いは、
R4-C1-4-アルキルを表わすか(基R4はアルキル基の各炭素原子を介して結合していればよい)、或いは、
R4-C2-4-アルキル-Oを表わすか(基R4は少なくとも2個の炭素原子により酸素原子から隔離されている)、或いは、
ピロリジン-2-イル-C1-4-アルキル-O、ピロリジン-3-イル-C1-4-アルキル-O、ピペリジン-2-イル-C1-4-アルキル-O、ピペリジン-3-イル-C1-4-アルキル-O、ピペリジン-4-イル-C1-4-アルキル-O、アゼパン-2-イル-C1-4-アルキル-O、アゼパン-3-イル-C1-4-アルキル-O、アゼパン-4-イル-C1-4-アルキル-O、モルホリン-2-イル-C1-4-アルキル-O、モルホリン-3-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピロリジン-2-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピロリジン-3-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピペリジン-2-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピペリジン-3-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピペリジン-4-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-アゼパン-2-イル-C1-4アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-アゼパン-3-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-アゼパン-4-イル-C1-4-アルキル-O、4-(C1-3-アルキル)-モルホリン-2-イル-C1-4-アルキル-O-及び4-(C1-3-アルキル)-モルホリン-3-イル-C1-4-アルキル-Oから選択される基を表わし、
【0008】
4は、OH、C1-3-アルキル-O、C3-6-シクロアルキル-O、NH2、C1-3-アルキル-NH、(C1-3-アルキル)2N、(2-メトキシエチル)2N、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、アゼパン-1-イル、モルホリン-4-イル、1,4-オキサゼパン-4-イル、2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2,2,1]ヘプタ-5-イル、3-オキサ-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル、ピペラジン-1-イル、4-(C1-3-アルキル)-ピペラジン-1-イル、1,4-ジアゼパン-1-イル、4-(C1-3-アルキル)-1,4-ジアゼパン-1-イル、HCO-NH、C1-4-アルキル-CO-NH、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキル-CO-NH、C1-4-アルキル-O-CO-NH、H2NCONH、C1-3-アルキル-NH-CO-NH、(C1-3-アルキル)2N-CONH、ピロリジン-1-イル-CO-NH、ピペリジン-1-イル-CO-NH、ピペラジン-1-イル-CO-NH、4-(C1-3-アルキル)-ピペラジン-1-イル-CO-NH、モルホリン-4-イル-CO-NH-及びC1-4-アルキル-SO2-NHから選択される基であって、同じであっても異なっていてもよく、
前記基Rdの定義におけるピロリジニル、ピペリジニル、アゼパン-1-イル、ピペラジニル、1,4-ジアゼパン-1-イル、モルホリニル-及び1,4-オキサゼパン-4-イルはそれぞれ、更に1個又は2個のC1-3-アルキル基で置換されていてもよく、また、
【0009】
前記フェニル基は基R5によってモノ置換又はジ置換されていてもよく、
5は水素、又は、F、Cl、Br、I、OH、CN、C1-3-アルキル、C1-3-アルキル-O、CHF2、CF3、-O-CHF2及び-O-CF3から選択される基であり、同じであっても異なっていてもよく、
特に記載のない限り、前記アルキル基は直鎖又は分岐されていてもよく、
Aは-CO又は-C1-C3-アルキレンを表わし、該-C1-C3-アルキレン-基は、基R6により1-、2-、3-又は4-置換されていてもよく、
6は同じであっても異なっていてもよく、水素、又は、OH、C1-C4-アルキル及び-O-C1-C4-アルキルから選択される基を示す)
で表わされる化合物に関するもので、その互変異性体、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、それらの混合物の形態であってもよく、また、医薬的に許容できる酸付加塩、溶媒和物及び水和物の形態であってもよい化合物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
式(I)で表わされる好適な化合物は、式中、
aが3-クロロ-2-フルオロ-フェニル、3-クロロ-4-フルオロ-フェニル、5-クロロ-2-フルオロ-フェニル、2-フルオロ-3-メチル-フェニル、2-フルオロ-5-メチル-フェニル、4-フルオロ-3-メチル-フェニル-及び3-クロロ-2-メチル-フェニルから選択される基を表わし、
b及びRcが同じでも異なっていてもよく、水素又はC1-3-アルキルを表わし、
dがC1-3-アルキル-Oを表わし、
特に記載のない限り、前記アルキル基は直鎖でも分岐していてもよく、
Aが-CH2CH2を表わし、該-CH2CH2-基は1個又は2個のメチル基で置換されていてもよい化合物であって、その互変異性体、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、それらの混合物の形態であってもよく、また、医薬的に許容できる酸付加塩、溶媒和物及び水和物の形態であってもよい。
さらに本発明は、式(I)の化合物の医薬品としての使用に関する。
式(I)の化合物は、気道の炎症性疾患又はアレルギー性疾患での使用が好ましい。
式(I)の化合物は、慢性気管支炎、急性気管支炎、細菌感染又はウイルス感染或いは菌類又は蠕虫による気管支炎、アレルギー性気管支炎、中毒性気管支炎、慢性閉塞性気管支炎 (COPD)、喘息(内因性又はアレルギー性)、小児喘息、気管支拡張症、アレルギー性肺胞炎、アレルギー性又は非アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、嚢胞性線維症又は膵嚢胞性線維症、α-1-アンチトリプシン欠乏症、咳、肺気腫、間質性肺疾患、肺胞炎、気道過敏、鼻茸、肺水腫、様々な原因による肺臓炎、例えば放射線誘発性又は誤嚥によるもの、又は、感染性肺炎、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、サルコイドーシス及びベック病等のコラゲノーシス(collagenoses)から選択される疾病での使用が特に好ましく、また、ウイルス、細菌又は他の原因がひきがねになる喘息及びCOPDでの合併症の治療、気道又は肺のウイルス性又は細菌性感染の治療での使用が特に好ましい。
【0011】
また、自己免疫反応が関与する炎症性又はアレルギー性障害における式(I)の化合物の使用が特に好ましい。
良性又は悪性腫瘍という形態の疾病における式(I)の化合物の使用も特に好ましい。
さらに、本発明は式(I)の化合物を含む医薬製剤に関する。
式(I)の化合物を含む経口投与の医薬製剤が好ましくは用いられる。
更に本発明は、式(I)の化合物1種以上に加えて、ベータ受容体刺激薬(betamimetics)、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4-阻害剤、LTD4-拮抗薬、EGFR-阻害剤、ドーパミン作動薬、ヒスタミンH1拮抗薬、PAF-拮抗薬、PI3-キナーゼ阻害剤の分類のなかから選択される化合物1種以上或いはこれらの2種又は3種の組合せを更なる有効成分として含む医薬組成物に関するものである。
本明細書において使用した用語と定義
「任意で置換されていてもよい」とは、本発明の範囲において、前述の基が低分子量の基で置換されていてもよいことを意味する。化学的に意味があるとみなされる低分子量基の例は、1〜25個の原子からなる基である。好ましいことに、そのような基は該化合物の薬理学的効果に負の影響を及ぼさない。
例えば、以下のものが挙げられる。
‐直鎖又は分岐の炭素鎖。ヘテロ原子が介在していてもよく、また、環、ヘテロ原子又は他の一般的な官能基で置換されていてもよい。
‐炭素原子で構成される芳香環系又は非芳香環系で、ヘテロ原子を含んでいてもよく、官能基で順番に置換されていてもよい。
‐炭素原子からなる多数の芳香環系又は非芳香環系で、更にヘテロ原子が1つ以上の炭素鎖に結合していてもよい。ヘテロ原子が介在していてもよく、また、ヘテロ原子又は他の一般的な官能基で置換されていてもよい。
【0012】
また、本発明には、本発明の化合物と、1個以上の水素原子、例えば、1個、2個、3個、4個又は5個の水素原子が重水素に置き換わる塩が包含される。
置換基の構造式において、一方に開かれたハイフン「-」が使用されている場合、そのハイフンは、分子残基との結合場所として理解すべきものである。置換基は、対応する基Ra、Rb等に代わる。置換基の構造式において、片側にハイフン「-」がないものは、分子残基との結合場所が構造式そのものから明確であるからである。
一般式(I)の化合物には、酸性基(主としてカルボキシル基)及び/又は塩基性基(例えばアミノ官能基など)が含まれてもよい。したがって、一般式(I)の化合物は、内部塩(internal salt)として、或いは、医薬的に使用可能な無機酸、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸、又は、有機酸(例えばマレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸又は酢酸)との塩として、或いは、医薬的に使用可能な塩基、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩、水酸化亜鉛、水酸化アンモニウム、有機アミン類(例えばジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン)との塩として存在してもよい。式(I)で表わされる化合物のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩を調製するには、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物及び水素化物の使用が好ましく、なかでもアルカリ金属、とりわけナトリウムやカリウムの水酸化物及び水素化物が好適であり、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが特に好ましい(Pharmaceutical Salts、S. M. Birge等、J. Pharm. Sci. (1977)、66、1-19参照)。
既に記載のごとく、一般式(I)の化合物は塩に変換されていてもよい。特に製剤用途では、無機酸又は有機酸との医薬的に許容できる酸付加塩に変換することができる。この目的に適した酸としては、例えば、コハク酸、臭化水素酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、乳酸、リン酸、塩酸、硫酸、酒石酸又はクエン酸が挙げられる。更に、前記酸の混合物を使うこともできる。
【0013】
本発明はそれぞれの化合物に関するもので、個々のジアステレオ異性体、個々のジアステレオ異性体及び/又は個々の鏡像異性体の混合物、個々の鏡像異性体の混合物又はラセミ体、互変異性体の形態であってもよく、また、遊離塩基又は医薬的に許容できる酸との酸付加塩、例えば、ハロゲン化水素酸(塩酸もしくは臭化水素酸等)又は有機酸(例えば、酒石酸、フマル酸、クエン酸もしくはメタンスルホン酸等)との酸付加塩の形態であってもよい。
本発明の目的のための「保護基」とは、多数の活性中心を有する分子において、所望のサイト(保護されていないサイト)のみで反応が起こるように特定の官能基を試薬から一時的に保護することができる有機基を指す全体語である。保護基は穏やかな条件下で選択的に導入されるとよい。この保護基は、あらゆる反応条件のもとでの保護の最中、及び、その後に行われる精製工程の間、安定していなければならない。ラセミ化やエピマー化を抑制しなければならない。保護基は、再度穏やかな条件下で選択的に開裂可能で、理想的には高い収率であるとよい。適した保護基の選択、反応条件(溶媒、温度、時間等)及び保護基を除去するためのオプションについては、この分野では公知である(例えば、Philip Kocienski、Protecting Groups、第三版、2004、THIEME、Stuttgart、ISBN: 3131370033)。
本発明の範囲において、「有機溶媒」とは、物理的な方法で他の有機物質を溶解することができる有機の低分子量物質を意味する。適切であるための溶媒の必須条件は、溶解する側も溶解される側の物質も溶解の過程で化学的に変化しないこと、即ち、蒸留、結晶化、昇華、蒸発又は吸着等の物理的な分離工程によって溶液の構成成分がそれぞれ元の形態に回復できることである。様々な理由から、純粋な溶媒だけでなく溶解特性を組み合わせた溶媒混合物も使用することができる。例を以下に挙げる。
‐アルコール類。メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール、シクロヘキサノールが好ましい。
‐グリコール類。エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。
【0014】
‐エーテル類/グリコールエーテル類。ジエチルエーテル、t-ブチル-メチルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノエチレングリコールエーテル、 ジエチレングリコールエーテル、トリエチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールエーテル。
‐ケトン類。アセトン、ブタノン、シクロヘキサノンが好ましい。
‐エステル類。酢酸エステル、グリコールエステルが好ましい。
‐アミド類及び他の窒素化合物。N,N-ジメチルホルムアミド、ピリジン、N-メチルピロリドン、アセトニトリルが好ましい。
‐イオウ化合物。二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、スルホランが好ましい。
‐ニトロ化合物。ニトロベンゼンが好ましい。
‐ハロゲン化炭化水素化合物。ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、トリクロロエタン及びテトラクロロエタン、1,2-ジクロロエタン、クロロフルオロカーボン類が好ましい。
‐脂肪族又は脂環式炭化水素化合物。ベンジン類、石油エーテル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、テルペン-Lが好ましい。或いは、
‐芳香族炭化水素化合物。ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレンが好ましい。或いは、これらの混合物が挙げられる。
【0015】
本発明の範囲において、ジアステレオマ的に純粋であるとは、ジアステレオマー純度が少なくとも85%de、好ましくは少なくとも90%de、特に好ましくは>95%deの状態で式(I)の化合物が存在することを意味する。de(ジアステレオマー過剰率:diastereomeric excess)という用語はこの分野では公知であるが、ジアステレオマー化合物の光学純度を示す。
本発明の範囲において、鏡像異性体的に純粋であるとは、鏡像異性体純度が少なくとも85%ee、好ましくは少なくとも90%ee、特に好ましくは>95%eeの状態で式(I)の化合物が存在することを意味する。ee(鏡像体過剰率:enantiomeric excess)という用語はこの分野では公知であるが、キラル化合物の光学純度を示す。
「C1-6-アルキル」(他の基の一部であるものも含む)という用語は、炭素数1〜6個の分岐アルキル基及び分岐していないアルキル基を意味し、「C1-4-アルキル」は、炭素数1〜4個の分岐アルキル基及び分岐していないアルキル基を意味する。炭素数1〜4個のアルキル基が好ましく、とりわけ炭素原子1〜2個のアルキル基が好ましい。例としては、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、iso-ペンチル、neo-ペンチル又はヘキシルが挙げられる。Me、Et、n-Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu等の略号も、上記の基に使用することができる。特に記載のない限り、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルの定義には、該当する基の存在可能な異性体のすべての形態が含まれる。すなわち、例えば、プロピルにはn-プロピル及びiso-プロピルが、ブチルにはiso-ブチル、sec-ブチル及びt-ブチル等が含まれる。
【0016】
「C1-3-アルキレン」(他の基の一部であるものも含む)という用語は、炭素数1〜3個の分岐アルキレン基及び分岐していないアルキレン基を意味する。炭素数1〜2個のアルキレン基が好ましい。例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、1-メチルエチレン、ブチレン、1-メチルプロピレン、1,1-ジメチルエチレン及び1,2-ジメチルエチレンが挙げられる。特に記載のない限り、アルキレンの定義には、該当する同じ個数の炭素原子を有する基の存在可能な異性体のすべての形態が含まれる。すなわち、例えばプロピレンには1-メチルエチレンも含まれる。
「C3-7-シクロアルキル」(他の基の一部であるものも含む)という用語は、炭素数3〜7個の環状アルキル基を意味する。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルが挙げられる。特に記載がない限り、環状アルキル基は、メチル、エチル、iso-プロピル、t-ブチル、ヒドロキシ及びフッ素から選択される1個以上の基で置換されていてもよい。
「アリール」(他の基の一部であるものも含む)という用語は、炭素数6、10又は14個の芳香環を意味する。例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル又はフェナントレニルが挙げられるが、好適なアリール基はフェニルである。特に記載のない限り、アリール基は、1個以上の基R5で置換されていてもよい。
【0017】
いずれの場合も「アリール」は、R5でモノ置換又はジ置換されたフェニル基が好ましく、置換基R5は同じであっても異なっていてもよく、水素、又は、F、Cl、Br、I、OH、CN、C1-3-アルキル、C1-3-アルキル-O、CHF2、CF3、-O-CHF2及び-O-CF3から選択される基を示す。
「ヘテロアリール」は5〜10員の単環式又は二環式ヘテロアリール環であって、3個までの炭素原子が酸素、窒素及びイオウから選択される1個以上のヘテロ原子に置きかわっていてもよく、これらの環は共役二重結合を有し芳香環を形成する。また、前記複素環はそれぞれ縮合してベンゼン環となっていてもよい。特に記載のない限り、ヘテロアリール環は例えば1個以上の置換基を有していてもよい。炭素原子を介して、又は存在するならば窒素原子を介して環は分子に結合することができる。以下は5員又は6員の複素環式芳香族基の例である。
【0018】
【化3】

【0019】
5〜10員の二環式ヘテロアリール環の例としては、ピロリジン、インドール、インドリジン、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ピリドピリミジン、プテリジン、ピリミドピリミジンが挙げられる。
「ヘテロアリール」は、特に好ましくはピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル又はピラジニル基を示し、これらはそれぞれ基R5によりモノ置換又はジ置換されている。置換基R5は同じであっても異なっていてもよく本願明細書前記で定義した通りである。
本発明の範囲において「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を示す。逆の記載がない限り、フッ素、塩素及び臭素が好適なハロゲンとみなされる。置換基Raは、フェニル又は1-フェニルエチル基を表わし、好ましくはフェニル基を表わす。いずれの場合もフェニル核はR1〜R3によって置換されている。
特に好ましくは、置換基Raは、3-クロロ-2-フルオロ-フェニル、3-クロロ-4-フルオロ-フェニル、5-クロロ-2-フルオロ-フェニル、2-フルオロ-3-メチル-フェニル、2-フルオロ-5-メチル-フェニル、4-フルオロ-3-メチル-フェニル及び3-クロロ-2-メチル-フェニルから選択される基を示す。最も好ましい置換基Raは、3-クロロ-2-フルオロ-フェニル基である。
置換基Rbは水素、又は、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル- 及びC3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキルから選択される、置換されていてもよい基を表わし、好ましくは水素及びC1-3-アルキルであり、特に好ましくは水素及びメチルを表わす。
【0020】
置換基Rcは水素、又は、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、C1-6-アルキル-CO、C3-6-シクロアルキル-CO、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル-CO、C1-6-アルキル-SO2、C3-6-シクロアルキル-SO2-、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル-SO2、フェニル-CO-及びフェニル-SO2から選択される、置換されていてもよい基を表わし、好ましくは水素及びC1-3-アルキル、特に好ましくは水素及びメチルを表わす。
置換基Rdは水素、又は、
F、Cl、Br、I、OH、C1-4-アルキル、C1-4-アルキル-O、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1-2-アルキル-O、C3-7-シクロアルキル-O、C3-7-シクロアルキル-C1-4-アルキル-O、テトラヒドロフラン-3-イル-O、テトラヒドロピラン-3-イル-O、テトラヒドロピラン-4-イル-O、テトラヒドロフラニル-C1-4-アルキル-O-及びテトラヒドロピラニル-C1-4-アルキル-Oから選択される基を表わすか、或いは、
R4-C1-4-アルキル(基R4はアルキル基の各炭素原子を介して結合)を表わすか、或いは、
R4-C2-4-アルキル-O(基R4 は少なくとも2個の炭素原子によって酸素原子から隔てられている)を表わすか、或いは、
ピロリジン-2-イル-C1-4-アルキル-O、ピロリジン-3-イル-C1-4-アルキル-O、ピペリジン-2-イル-C1-4-アルキル-O、ピペリジン-3-イル-C1-4-アルキル-O、ピペリジン-4-イル-C1-4-アルキル-O、アゼパン-2-イル-C1-4-アルキル-O、アゼパン-3-イル-C1-4-アルキル-O、アゼパン-4-イル-C1-4-アルキル-O、モルホリン-2-イル-C1-4-アルキル-O、モルホリン-3-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピロリジン-2-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピロリジン-3-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピペリジン-2-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピペリジン-3-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピペリジン-4-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-アゼパン-2-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-アゼパン-3-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-アゼパン-4-イル-C1-4-アルキル-O、4-(C1-3-アルキル)-モルホリン-2-イル-C1-4-アルキル-O及び4-(C1-3-アルキル)-モルホリン-3-イル-C1-4-アルキル-O-から選択される基であって、好ましくはC1-3-アルキル-O-、特に好ましくはCH3-O-を表わし、
【0021】
基R4の定義で記載したピロリジニル、ピペリジニル、アゼパン-1-イル、ピペラジニル、1,4-ジアゼパン-1-イル、モルホリニル及び1,4-オキサゼパン-4-イル基は、それぞれ1個又は2個のC1-3-アルキル基で更に置換されていてもよく、
前記フェニル基は基R5でモノ置換又はジ置換されている。
置換基R1は水素、又は
F、Cl、Br、I、OCH2F、OCHF2、OCF3、CH2F、CHF2、CF3、CN、NO2、NH2及びOHから選択される基を表わすか、或いは、
C1-4-アルキル、C1-4-アルキル-O、C2-3-アルケニル、C2-3-アルキニル、フェニル、フェニル-O、フェニル-C1-3-アルキル、フェニル-C1-3-アルキル-O、ヘテロアリール、ヘテロアリール-O、ヘテロアリール-C1-3-アルキル及びヘテロアリール-C1-3-アルキル-Oから選択される基を表わし、前記フェニル基は、R5でモノ置換又はジ置換されている。置換基R1は、好ましくは水素、フッ素、塩素、臭素又はメチルを表わし、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素又はメチルを表わす。
置換基R2は水素、又は
F、Cl、Br、I、OCH2F、OCHF2、OCF3、CH2F、CHF2、CF3、CN、NO2、NH2及びOHから選択される基を表わすか、或いは、
C1-4-アルキル、C1-4-アルキル-O、C2-3-アルケニル、C2-3-アルキニル、フェニル、フェニル-O、フェニル-C1-3-アルキル、フェニル-C1-3-アルキル-O、ヘテロアリール、ヘテロアリール-O、ヘテロアリール-C1-3-アルキル及びヘテロアリール-C1-3-アルキル-Oから選択される基を表わし、前記フェニル基は、R5でモノ置換又はジ置換されている。置換基R2は、好ましくは水素、フッ素、塩素又はメチルを表わし、特に好ましくは、水素、フッ素又は塩素を表わす。
【0022】
置換基R3は水素、又は、F、Cl、Br及びCH3から選択される基を表わし、好ましくは水素を表わす。
置換基R4は同じであっても異なっていてもよく、OH、C1-3-アルキル-O、C3-6-シクロアルキル-O、NH2、C1-3-アルキル-NH、(C1-3-アルキル)2N、(2-メトキシエチル)2N、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、アゼパン-1-イル、モルホリン-4-イル、1,4-オキサゼパン-4-イル、2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-イル、3-オキサ-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル、ピペラジン-1-イル、4-(C1-3-アルキル)-ピペラジン-1-イル、1,4-ジアゼパン-1-イル、4-(C1-3-アルキル)-1,4-ジアゼパン-1-イル、HCO-NH、C1-4-アルキル-CO-NH、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキル-CO-NH、C1-4-アルキル-O-CO-NH、H2NCONH、C1-3-アルキル-NH-CO-NH、(C1-3-アルキル)2N-CONH、ピロリジン-1-イル-CO-NH、ピペリジン-1-イル-CO-NH、ピペラジン-1-イル-CO-NH、4-(C1-3-アルキル)-ピペラジン-1-イル-CO-NH、モルホリン-4-イル-CO-NH-及びC1-4-アルキル-SO2-NH-から選択される基を表わす。
置換基R5は水素、又は、F、Cl、Br、I、OH、CN、C1-3-アルキル、C1-3-アルキル-O、CHF2、CF3、-O-CHF2及び-O-CF3から選択される基を表わし、同じであっても異なっていてもよい。
Aは、-CO又は-C1-C3-アルキレンを表わし、好ましくは-CH2CH2を表わし、前記-C1-C3-アルキレン基は、基R6により1-、2-、3-又は4-置換されていてもよく、好ましくは1-又は2-置換されているとよい。
置換基R6は同じであっても異なっていてもよく、水素、又は、OH、C1-C4-アルキル及び-O-C1-C4-アルキルから選択される基を表わし、好ましくはメチルを表わす。
特に好ましいAは-CH2CH2-である。
【0023】
製造方法
例えば、下記の方法が一般式(I)の化合物を調製するのに好適である。
a)一般式(II):
【0024】
【化4】

(II)
【0025】
(式中、Ra及びRdは本願明細書で前記定義の通りである)で表わされる化合物を、一般式(III):
【0026】
【化5】

(III)
【0027】
(式中、Rb、Rc及びAは本願明細書で前記定義の通りであり、Z1は、例えば塩素、臭素もしくはヨウ素原子等のハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基もしくはp-トルエンスルホニルオキシ基等のスルホニルオキシ基、又はヒドロキシ基等の脱離基を表わす)で表わされる化合物と反応させる。
一般式(III)の化合物のZ1がハロゲン原子又はスルホニルオキシ基である場合、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド又はN-メチルピロリジノン等の溶媒中、好ましくは炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化カリウム、カリウムt-ブトキシド、水素化ナトリウム又はN-エチル-ジイソプロピルアミン等の塩基の存在下で、温度20〜160℃、例えば60〜140℃の温度で簡便に反応が行われる。
一般式(III)の化合物のZ1がヒドロキシ基を示す場合、脱水剤の存在下で、好ましくは、ホスフィンとアゾジカルボン酸誘導体との存在下、例えば、トリフェニルホスフィン/アゾジカルボン酸ジエチルの存在下で、塩化メチレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、トルエン又はエチレングリコールジエチルエーテル等の溶媒中、温度-50〜150℃、好ましくは-20〜80℃で反応が行われる。
b)一般式(I)のRb及びRcがそれぞれ水素原子を示し、Aが-CO-基を表わす化合物を調製するには、一般式(IV):
【0028】
【化6】

(IV)
【0029】
(式中、Ra 及びRd は本願明細書前記定義の通りである)で表わされる化合物をアルカリ金属シアン化物と炭酸アンモニウムとに反応させる。
この反応は、例えば、メタノール、エタノール、エタノール/水、イソプロパノール等の単独溶媒又は溶媒混合物中で、周囲温度から120℃の温度範囲で反応を行う。 例えば、以下の出版物において、ヒダントインの合成を参照することができる。Meusel, M.; Guetschow, M., Organic Preparations and Procedures International (2004), 36(5), 391-443。
c)一般式(V):
【0030】
【化7】

(V)
【0031】
(式中、Rb、Rc、Rd及びAは本願明細書前記定義の通りである)で表わされる化合物を、ハロゲン化剤、例えば塩化チオニル、臭化チオニル、三塩化リン、五塩化リン又はオキシ塩化リン等のハロゲン化酸と反応させて、一般式(VI)で表わされる中間体化合物を得る。
【0032】
【化8】

(VI)
【0033】
(式中、Rb、Rc、Rd及びAは本願明細書前記定義の通りであり、Z2は塩素又は臭素原子等のハロゲン原子を示す)。その後、一般式(VII):
a-NH2 (VII)
(式中、Raは本願明細書前記定義の通りである)で表わされる化合物又はその塩と反応させる。
ハロゲン化剤との反応は、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル又はトルエン等の溶媒中、任意であるが N,N-ジエチルアニリン、ピリジン、トリエチルアミン又はN-エチル-ジイソプロピルアミン等の塩基の存在下で、温度20〜160℃、好ましくは40〜120℃で行うとよい。好ましくは、塩化チオニル及び触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドを用いて、温度を反応混合物の沸点にして反応を行うか、或いは、アセトニトリル中、トリエチルアミン存在下、温度を反応混合物の沸点にしてオキシ塩化リンと反応させることが好適である。
一般式(VI)の化合物と一般式(VII)の化合物又はその塩との反応は、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、1,4-ジオキサン又はN,N-ジメチルホルムアミド等の溶媒中、任意であるが炭酸カリウム、トリエチルアミン又はN-エチル-ジイソプロピルアミン等の塩基の存在下、温度20〜160℃で、好ましくは60〜120℃で行うことが好適である。さらには、イソプロパノール中、反応混合物の沸点で反応を行うことが好ましい。
一般式(I)の化合物を得るための一般式(V)の化合物の反応も、例えばアセトニトリル中、トリエチルアミンの存在下でワンポット反応で行うことができる。
d)一般式(I)のRdが、本願明細書に記載した置換されていてもよいアルキルオキシ基の1つを示す化合物を調製するには、一般式(VIII):
【0034】
【化9】

(VIII)
【0035】
(式中、Ra、Rb、Rc及びAは本願明細書前記定義の通りである)で表わされる化合物を、一般式(IX):
3 - Rd'
(式中、Rd'は、C1-4-アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1-2-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-4-アルキル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、テトラヒドロフラニル-C1-4-アルキル及びテトラヒドロピラニル-C1-4-アルキルから選択される基を示すか、或いは、
R4-C2-4-アルキル(基R4は少なくとも2個の炭素原子によりZ3と隔てられている)を示すか、或いは、
ピロリジン-2-イル-C1-4-アルキル、ピロリジン-3-イル-C1-4-アルキル、ピペリジン-2-イル-C1-4-アルキル、ピペリジン-3-イル-C1-4-アルキル、ピペリジン-4-イル-C1-4-アルキル、アゼパン-2-イル-C1-4-アルキル、アゼパン-3-イル-C1-4-アルキル、アゼパン-4-イル-C1-4-アルキル、モルホリン-2-イル-C1-4-アルキル、モルホリン-3-イル-C1-4-アルキル、1-(C1-3-アルキル)-ピロリジン-2-イル-C1-4-アルキル、1-(C1-3-アルキル)-ピロリジン-3-イル-C1-4-アルキル、1-(C1-3-アルキル)-ピペリジン-2-イル-C1-4-アルキル、1-(C1-3-アルキル)-ピペリジン-3-イル-C1-4-アルキル、1-(C1-3-アルキル)-ピペリジン-4-イル-C1-4-アルキル、1-(C1-3-アルキル)-アゼパン-2-イル-C1-4-アルキル、1-(C1-3-アルキル)-アゼパン-3-イル-C1-4-アルキル、1-(C1-3-アルキル)-アゼパン-4-イル-C1-4-アルキル、4-(C1-3-アルキル)-モルホリン-2-イル-C1-4-アルキル、4-(C1-3-アルキル)-モルホリン-3-イル-C1-4-アルキルから選択される基を示し、
3はハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ又はヒドロキシ基等の脱離基を示す)で表わされる化合物と反応させる。
【0036】
脱離基が塩素、臭素又はヨウ素等のハロゲン原子、或いは、メタンスルホニルオキシ基又はp-トルエンスルホニルオキシ基等のアルキルスルホニルオキシ基又はアリールスルホニルオキシ基である場合、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム又はN-エチル-ジイソプロピルアミン等の有機又は無機塩基の存在下で反応を行うことが好ましい。脱離基がヒドロキシ基の場合は、脱水剤の存在下、好ましくは、例えばトリフェニルホスフィン/アゾジカルボン酸ジエチル等のホスフィンとアゾジカルボン酸誘導体との存在下で反応を行う。
e)一般式(I)のRdがR4'-C2-4-アルキル-O-基(基R4'が少なくとも2個の炭素原子により酸素原子から隔離され、R4'がNH2、C1-3-アルキル-NH、(C1-3-アルキル)2N、(2-メトキシエチル)2N、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、アゼパン-1-イル、モルホリン-4-イル、1,4-オキサゼパン-4-イル、2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-イル、3-オキサ-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル、ピペラジン-1-イル、4-(C1-3-アルキル)ピペラジン-1-イル、1,4-ジアゼパン-1-イル、4-(C1-3-アルキル)-1,4-ジアゼパン-1-イルから選択される基を示す)で表わされる化合物を調製するには、一般式(X):
【0037】
【化10】

(X)
【0038】
(式中、Ra、Rb、Rc及びAは本願明細書前記定義の通りであり、Z4は塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子又はメタンスルホニルオキシ基もしくはp-トルエンスルホニルオキシ基等のスルホニルオキシ基などの脱離基を表わす)の化合物を、下記式(XI):
H - R4'(XI)
(式中、R4'は本願明細書前記定義の通りである)の化合物と反応させる。
f)一般式 (I)のRbが水素原子である化合物を調製するには、一般式(XII):
【0039】
【化11】

(XII)
【0040】
(式中、Ra、Rc、Rd及びAは本願明細書前記定義の通りであり、Rb'は、例えば置換されていてもよいベンジル基、t-ブチル基又は2-(トリメチルシリル)エチル基等の保護基を示す)の化合物から保護基を開裂する。
置換されていてもよいベンジル基の開裂は、例えば、パラジウム/木炭等の触媒の存在下、メタノール、エタノール、酢酸エチル又は氷酢酸等の好適な溶媒中、任意であるが塩酸等の酸を加えて、周囲温度0〜100℃、好ましくは20〜60℃、水素圧1〜7bar、好ましくは3〜5barで水素を用いて水素化分解開裂を行う。2,4-ジメトキシベンジル基は、トリフルオロ酢酸中、アニソール、チオアニソール、ペンタメチルベンゼン又はトリエチルシランの存在下で開裂することが好ましい。
また、置換されていてもよいベンジル基又はt-ブチル基は、例えば、任意であるが1,4-ジオキサン、イソプロパノール、塩化メチレン又はトルエン等の溶媒を用いて、任意でアニソール、チオアニソール、ペンタメチルベンゼン又はトリエチルシランの存在下、トリフルオロ酢酸、塩酸又は臭化水素酸等の酸で処理を行うことにより開裂してもよい。
2-(トリメチルシリル)エチル基は、例えば、任意であるがテトラヒドロフラン又は1,4-ジオキサン等の溶媒を用いて、フッ化テトラブチルアンモニウム等のフッ化物で処理を行うことにより開裂する。
他の好適な保護基及び保護基の導入と開裂の可能な方法については、例えば、Theodora W.Greene及びPeter G.M. Wuts「Protective Groups in Organic Synthesis」Wiley-VCH又はPhilip Kocienski、Protecting Groups、第3版、2004、THIEMEに記載されている。
g)一般式(I)のRcが水素原子である化合物を調製するには、一般式(XIII):
【0041】
【化12】

(XIII)
【0042】
(式中、Ra、Rb、Rd及びAは本願明細書前記定義の通りであり、Rc'は、例えば置換されていてもよいベンジル基、ホルミル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基又はベンジルオキシカルボニル基等の保護基を示す)で表わされる化合物から保護基を開裂する。
保護基の開裂は、例えば、水、イソプロパノール/水、酢酸/水、テトラヒドロフラン/水又は1,4-ジオキサン/水等の水性溶媒中、トリフルオロ酢酸、塩酸又は硫酸等の酸の存在下、或いは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基の存在下、或いは、例えばヨードトリメチルシランの存在下で中性にして、温度0〜120℃、好ましくは10〜100℃で加水分解することにより行う。
置換されていてもよいベンジル基又はベンジルオキシカルボニルベンジル基の開裂は、例えば、パラジウム/木炭等の触媒存在下、メタノール、エタノール、酢酸エチル又は氷酢酸等の好適な溶媒中、任意であるが塩酸等の酸を加えて、温度は0〜100℃、好ましくは20〜60℃、水素圧1〜7bar、好ましくは3〜5barで水素を使って水素化分解開裂を行う。
【0043】
t-ブチルオキシカルボニル基の開裂は、任意であるが塩化メチレン、1,4-ジオキサン、メタノール又はジエチルエーテル等の溶媒を使用して、トリフルオロ酢酸又は塩酸等の酸で処理することが好ましい。
トリフルオロアセチル基の開裂は、任意であるが酢酸等の溶媒の存在下、温度50〜120℃で塩酸等の酸で処理することが好ましく、或いは、任意であるがテトラヒドロフラン等の溶媒の存在下、温度0〜50℃で水酸化ナトリウム溶液で処理することが好ましい。
他の好適な保護基及び保護基の導入と開裂の可能な方法については、例えば、Theodora W.Greene及びPeter G.M. Wuts「Protective Groups in Organic Synthesis」Wiley-VCH又はPhilip Kocienski、Protecting Groups、第3版、2004、THIEMEに記載されている。
h)一般式(I)のAが-C2-C3-アルキレン基を示す化合物を調製するには、一般式(XIV):
【0044】
【化13】

(XIV)
【0045】
(式中、Ra、Rb、Rc及びRdは本願明細書前記定義の通りであり、A'は-C2-C3-アルキレン基であり、Z5はハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルキルオキシ基等の脱離基を表わす)の化合物を環化する。
脱離基がヒドロキシ基の場合、N,N'-カルボニルジイミダゾール、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボレート(TBTU)又はO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロホスフェート(HATU)等の脱水剤の存在下、好ましくは塩化メチレン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン又はエチレングリコールジエチルエーテル等の溶媒中、温度-50〜100℃、好ましくは-20〜60℃で反応を行う。
脱離基がハロゲン原子の場合、トリエチルアミン、ピリジン又はN-エチル-ジイソプロピルアミン等の塩基の存在下、好ましくは塩化メチレン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン又はエチレングリコールジエチルエーテル等の溶媒中、温度-50〜100℃、好ましくは-20〜60℃で反応を行うことが好ましい。
脱離基がアルキルオキシ基の場合、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン又はN-エチル-ジイソプロピルアミン等の塩基の存在下、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、塩化メチレン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン又はエチレングリコールジエチルエーテル等の溶媒中、温度-50〜120℃、好ましくは0〜80℃で反応を行うことが好ましい。
本発明にしたがって、アミノ基、アルキルアミノ基又はイミノ基を含む一般式(I)の化合物を得る場合、アシル化又はスルホニル化により一般式(I)で表わされる対応のアシル化合物又はスルホニル化合物に変換することができる。例えばハロゲン化カルボン酸、カルボン酸無水物及びカルボン酸といったアシル化剤を、N,N'-カルボニルジイミダゾール、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド又はO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボレート等の活性化剤と、また、スルホニル化剤としてはスルホニル無水物を使う。及び/又は、
【0046】
アミノ基、アルキルアミノ基又はイミノ基を含む一般式(I)の化合物を得る場合、アルキル化又は還元アルキル化により一般式(I)で表わされる対応のアルキル化合物に変換することができる。及び/又は、
アルコキシカルボニル基を含む一般式(I)の化合物を得る場合、エステル開裂によりカルボン酸に変換することができる。及び/又は、
アルコキシカルボニル基を含む一般式(I)の化合物を得る場合、アミンと反応させてカルボン酸アミド誘導体に変換することができる。及び/又は、
カルボキシ基を含む一般式(I)の化合物を得る場合、アミンと反応させてカルボン酸アミド誘導体に変換することができる。
本願明細書に記載した反応において、反応中に存在するヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はイミノ基等の反応基は、反応終了後に再び開裂される従来からの保護基で保護してもよい。
例えば、ヒドロキシ基の保護基には、トリメチルシリル基、アセチル基、トリチル基、ベンジル基又はテトラヒドロピラニル基がよい。
アミノ基、アルキルアミノ基又はイミノ基の保護基には、例えば、ホルミル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、エトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンジル基、メトキシベンジル基又は2,4-ジメトキシベンジル基がよい。
使用したいずれの保護基も、その後、例えば水、イソプロパノール/水、酢酸/水、テトラヒドロフラン/水又は1,4-ジオキサン/水等の水性溶媒中、トリフルオロ酢酸、塩酸又は硫酸等の酸の存在下、或いは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基の存在下、或いは、例えばヨードトリメチルシラン等の存在下で中性にして、温度0〜120℃、好ましくは10〜100℃で加水分解により開裂することができる。
【0047】
ただし、ベンジル基、メトキシベンジル基又はベンジルオキシカルボニル基の場合は、例えば、パラジウム/木炭等の触媒の存在下、メタノール、エタノール、酢酸エチル又は氷酢酸等の好適な溶媒中で、任意であるが塩酸等の酸を加えて温度0〜100℃、好ましくは20〜60℃、水素圧1〜7bar、好ましくは3〜5barで水素を用いて水素化分解開裂を行う。2,4-ジメトキシベンジル基の場合は、トリフルオロ酢酸中、アニソール、チオアニソール、ペンタメチルベンゼン又はトリエチルシランの存在下で開裂を行うことが好ましい。
t-ブチル基又はt-ブチルオキシカルボニル基の場合は、任意であるが塩化メチレン、1,4-ジオキサン、メタノール、イソプロパノール又はジエチルエーテル等の溶媒を使用して、トリフルオロ酢酸又は塩酸等の酸で処理するか、或いは、ヨードトリメチルシランでの処理により開裂することが望ましい。
トリフルオロアセチル基は、任意であるが酢酸等の溶媒の存在下、温度50〜120℃で塩酸等の酸で処理するか、或いは、任意であるがテトラヒドロフラン等の溶媒の存在下、温度0〜50℃で水酸化ナトリウム溶液により処理して開裂することが好ましい。
他の好適な保護基及び保護基の導入と開裂の可能な方法については、例えば、Theodora W.Greene及びPeter G.M. Wuts「Protective Groups in Organic Synthesis」Wiley-VCH又はPhilip Kocienski、Protecting Groups、第3版、2004、THIEMEに記載されている。
【0048】
さらに、得られた一般式(I)の化合物は、本願明細書前記のごとく、鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体に分割してもよい。例えば、シス/トランス混合物をシス体とトランス体に分割したり、少なくとも1個の光学活性炭素原子を有する化合物を鏡像異性体に分割してもよい。
例えば、得られたシス/トランス混合物は、クロマトグラフィーによりシス体とトランス体に分割することができる。また、ラセミ体として生成した一般式(I)の化合物は、それ自体が公知である方法(Allinger N. L.及びEliel E. L.「Topics in Stereochemistry」6巻、Wiley Interscience、1971参照) により、鏡像異性体に分割することができる。さらには、少なくとも2個の不斉炭素原子を有する一般式(I)の化合物は、その物理化学的な差異を基に、それ自体が公知である方法、例えば、クロマトグラフィー及び/又は分別晶出などの方法によりジアステレオ異性体に分割することができる。また、これらの化合物が、ラセミ体の形態で得られた場合、前記のごとく引き続き鏡像異性体に分割することができる。
鏡像異性体はキラル相のカラム分離、又は、光学活性溶媒からの再結晶により分割することが好ましい。或いは、ラセミ化合物と一緒になって塩又はエステルもしくはアミド等の誘導体を形成する光学活性物質、特には酸やその活性誘導体又はアルコール類と反応させた後、得られた塩又は誘導体のジアステレオ混合物を、例えば溶解性の差をもとに分割する一方で、適切な作用剤を用いて遊離鏡像異性体を純粋なジアステレオ塩又は誘導体から放出させる。一般的に使用される光学活性酸としては、例えば、酒石酸又はジベンゾイル酒石酸のD体及びL体、ジ-o-トリル酒石酸、リンゴ酸、マンデル酸、カンファースルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸又はキナ酸が挙げられる。光学活性アルコールとしては、例えば、(+)-メントール又は(-)-メントールを挙げることができ、アミドにおける光学活性アシル基としては、例えば(+)-メンチルオキシカルボニル又は(-)-メンチルオキシカルボニルが挙げられる。
【0049】
さらに、得られた式(I)の化合物は無機もしくは有機の酸又は塩基で塩の形態に変換してもよい。とりわけ製薬用途においては医薬的に許容できる塩に変換するとよい。この目的のために使用できる酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、リン酸、フマル酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸、マンデル酸、乳酸、マロン酸、クエン酸、L-リンゴ酸、L-酒石酸又はマレイン酸が挙げられる。前記目的のための好適な塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、水酸化カルシウム、ジエタノールアミン又はN-メチル-D-グルカミンが挙げられる。
出発物質として使用される一般式(II)〜(XIV)の化合物は、ある程度文献から公知である。或いは、文献から公知の方法で得ることができ(実施例I〜XII参照)、更に保護基を導入してもよい。
出発物質の基本的な製造方法は、例えば、Michael B.Smith及びJerry Marchの「March's Advanced Organic Chemistry」Wiley-VCH又はThieme出版の「Science of Synthesis/Houben-Weyl」に記載がある。
例えば、一般式(V)及び(VI)の化合物は以下のようにして得られる。
【0050】
【化14】

反応式1
【0051】
一般式(XV)の化合物(式中、PGは例えばベンジル、4-メトキシベンジル又は2,4-ジメトキシベンジル等の保護基を示す)から出発して、前述の工程(a)と同様に、一般式 (III)の化合物と反応させて一般式(XVI)の化合物を得る。一般式(XV)の化合物は文献(例えば、WO2004/108664又はWO2007/003486参照)から公知であり、文献から公知の方法で得ることができる。
一般式(XVI)の化合物から保護基を開裂して一般式(V)の化合物を得るには、PGがベンジルを表わす場合は、例えばパラジウム/木炭等の触媒存在下、水素を用いて行う(例えば、実施例XIと同様)。また、PGが4-メトキシベンジル又は2,4-ジメトキシベンジルの場合は、保護基の開裂は酸化により(例えば、セリウム(IV)-硝酸アンモニウム又は2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンの使用)、又は、酸を使用して( トリフルオロ酢酸をアニソール、チオアニソール、ペンタメチルベンゼン又はトリエチルシランの存在下で使用)開裂を行う。
その後、前記工程(c)に記載のごとく、一般式(V)の化合物は一般式(VI)の化合物に変換することができる。反応式1の化合物におけるRb、Rc、Rd、A、Z1及びZ2 の定義は本願明細書前記に定義した通りである。
本願明細書で既に記載したように、本発明による一般式(I)の化合物及びその医薬的に許容できる塩は有用な薬理学的特性を有し、とりわけ上皮成長因子受容体(EGF-R)が仲介するシグナル伝達に対する阻害効果を有するが、この効果は、リガンド結合、受容体の二量体化又はチロシンキナーゼ自体を阻害することにより得られる。また、さらに下流に位置する部位へのシグナル伝達を遮断することも可能である。
以下の実施例は本発明を説明することを意図するものであり、本発明を限定するものではない。
出発化合物の調製

実施例I
トランス-1-(2-アミノ-エチルアミノ)-4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサンカルボン酸メチル
【0052】
【化15】

【0053】
3.30mlのトリフルオロ酢酸を、1.60gのトランス-1-(2-t-ブトキシカルボニルアミノ-エチルアミノ)-4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサンカルボン酸メチルを含む13mlの塩化メチレンに添加する。反応混合物を周囲温度で3時間撹拌した後、さらに1mlのトリフルオロ酢酸を加える。1時間後、反応を終了して反応混合物を蒸発させ、塩化メチレンと幾分かのメタノール中に取り込み、10%炭酸カリウム溶液でアルカリ性にする。有機相を分取し、水性相を塩化メチレンで抽出する。有機相をあわせて硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発濃縮する。
収量:1.30g(理論値の97%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 518, 520 [M+H]+
下記化合物は実施例Iと同様にして得られる。
(1)トランス-1-アミノ-4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサンカルボン酸メチル
【0054】
【化16】

【0055】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 475, 477 [M+H]+
(2)トランス-4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-1-(2-メチルアミノ-エチルアミノ)-シクロヘキサンカルボン酸メチル
【0056】
【化17】

【0057】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 532, 534 [M+H]+
(3)シス-1-(2-アミノ-エチルアミノ)-4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサンカルボン酸メチル
【0058】
【化18】

【0059】
実施例II
トランス-1-(2-t-ブトキシカルボニルアミノ-エチルアミノ)-4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサンカルボン酸メチル
【0060】
【化19】

【0061】
アルゴン雰囲気下、0.44gのN-t-ブトキシカルボニル-2-アミノアセトアルデヒドを、1.20gのトランス-1-アミノ-4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサンカルボン酸メチルを含む40mlのテトラヒドロフランに添加する。その後、0.18mlの氷酢酸と0.80gのトリアセトキシホウ水素化ナトリウムとを加え、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌する。反応が終わらなかったので、90mgのN-t-ブトキシカルボニル-2-アミノアセトアルデヒドと200mgのトリアセトキシホウ水素化ナトリウムの両方をさらに2回添加する。周囲温度で更に一晩経過後、反応が終了する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水酸化ナトリウム溶液と合わせる。有機相を分取し、水性相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発濃縮する。粗生成物をさらに反応させ、特に精製は行わない。
Rf値: 0.35(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール/濃縮アンモニア = 90:10:1)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 618, 620 [M+H]+
下記化合物は実施例IIと同様にして得られる。
(1)トランス-1-[2-(N-t-ブトキシカルボニル-N-メチル-アミノ)-エチルアミノ]-4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサンカルボン酸メチル
【0062】
【化20】

【0063】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 632, 634 [M+H]+
(2) シス-1-(2-t-ブトキシカルボニルアミノ-エチルアミノ)-4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサンカルボン酸メチル
【0064】
【化21】

【0065】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 618, 620 [M+H]+
実施例III
トランス-1-t-ブトキシカルボニルアミノ-4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサンカルボン酸メチル
【0066】
【化22】

【0067】
3.30gの4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-オールを含む23mlのN,N-ジメチルホルムアミドを50℃に加熱する。その後、2.30gの炭酸カリウム及び4.40gのシス-1-t-ブトキシカルボニルアミノ-4-メタンスルホニルオキシ-シクロヘキサンカルボン酸メチルを添加する。反応混合物を80℃に加熱し、80℃で一晩撹拌する。さらに1.00gのシス-1-t-ブトキシカルボニルアミノ-4-メタンスルホニルオキシ-シクロヘキサンカルボン酸メチル及び0.90gの炭酸カリウムを添加する。80℃で更に4時間経過後、反応混合物を周囲温度に冷却し、酢酸エチルで希釈して水で数回洗浄する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発濃縮する。フラスコの残渣を、塩化メチレン/メタノール/濃縮アンモニア(98/2/0.1から8/2/0.1)を使ってシリカゲルカラムのクロマトグラフィーで精製する。
収量:5.50g(理論値の93%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 575, 577 [M+H]+
実施例IV
シス-1-t-ブトキシカルボニルアミノ-4-メタンスルホニルオキシ-シクロヘキサンカルボン酸メチル
【0068】
【化23】

【0069】
1.40mlのメタンスルホン酸クロリドを、4.39gのシス-1-t-ブトキシカルボニルアミノ-4-ヒドロキシ-シクロヘキサンカルボン酸メチルと2.80mlのトリエチルアミンとを含む45mlの塩化メチレンにゆっくりと滴下し、この間、氷浴で冷却し温度を10℃未満に保つ。その後、反応混合物を周囲温度まで戻して一晩撹拌する。20mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、相を分離させる。水性相を塩化メチレンで抽出する。有機相をあわせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発濃縮を行うと粘度のある油状物質が残る。この粗生成物をさらに反応させ、特に精製は行わない。
収量:5.44g(理論値の96%)
Rf値:0.50(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール = 95:5)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 352 [M+H]+
実施例V
シス-1-t-ブトキシカルボニルアミノ-4-ヒドロキシ-シクロヘキサンカルボン酸メチル
【0070】
【化24】

【0071】
アルゴン雰囲気下、4.50gの1-t-ブトキシカルボニルアミノ-4-オキソ-シクロヘキサンカルボン酸メチルを含む45mlのテトラヒドロフランを、6mlの水と630mgのナトリウムホウ水素化物と混合する。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌し、ジエチルエーテルで希釈して1N塩酸と混合し十分に撹拌する。有機相を分取し、10%炭酸カリウム溶液及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し蒸発濃縮する。無色の油状物が残るので、これを一晩かけてゆっくり結晶化させる。
収量:4.39g(理論値の97%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 274 [M+H]+
実施例VI
1-t-ブトキシカルボニルアミノ-4-オキソ-シクロヘキサンカルボン酸メチル
【0072】
【化25】

【0073】
3.90gの炭酸カリウムと1.30mlのヨウ化メチルとを、4.65gの1-t-ブトキシカルボニルアミノ-4-オキソ-シクロヘキサンカルボン酸を含む45mlのN,N-ジメチルホルムアミドに添加し、反応混合物を周囲温度で3時間撹拌する。その後、ロータリーエバポレータを用いて溶媒を留去し、10%炭酸カリウム溶液とジエチルエーテルとで残渣を分割する。水性相を分取し、ジエチルエーテルで抽出する。有機相を合わせて飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発濃縮する。無色の油状物が残るので、これをゆっくり結晶化させる。
質量スペクトル (ESI+): m/z = 272 [M+H]+
実施例VII
シス-1-アミノ-4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサンカルボン酸メチル
【0074】
【化26】

【0075】
1.95gのシス/トランス-1-アミノ-4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサンカルボン酸を、少量のメタノールに溶解し、この混合物を氷浴で冷却しながら、700μlの塩化チオニルを含む20mlのメタノール溶液に滴下する。反応混合物を撹拌しながら一晩周囲温度に加熱し、さらに2時間還流する。反応が見られないので反応混合物を冷却し、氷浴で冷却しながら更に700μlの塩化チオニルと混合し、8時間還流する。周囲温度に冷却後も反応が完全に終了していないので、更に700μlの塩化チオニルを氷浴で冷却しながら添加する。更に4時間の還流を行った後、反応が終了する。溶媒をロータリーエバポレータで留去する。フラスコの残渣を塩化メチレンと10%炭酸カリウム溶液とを使って分ける。水性相を分取し、塩化メチレンで抽出する。有機相を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発濃縮する。フラスコの残渣を、アセトニトリル/水/アンモニア混合物を溶離剤とした逆相カラムクロマトグラフィーにかける。この間にシス化合物とトランス化合物が分離される。
収量:330mg(理論値の16%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 475, 477 [M+H]+
実施例VIII
シス/トランス-1-アミノ-4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサンカルボン酸
【0076】
【化27】

【0077】
3.00gのsyn/anti-8-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-1,3-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2,4-ジオンと30mlの2N水酸化ナトリウム溶液との混合物を、およそ25時間撹拌しながら135℃に加熱する。反応混合物を周囲温度に冷却した後、塩酸で中和する。その後、ロータリーエバポレータを使って真空下で水を留去すると、この間に析出物が形成される。これを吸引濾過して乾燥させる。こうして得られた粗生成物をさらに反応させるが、特に精製は行わない。
収量:1.95g(理論値の69%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 461, 463 [M+H]+
実施例IX
syn/anti-8-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-1,3-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン
【0078】
【化28】

【0079】
3.00gの4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサノンが懸濁した60%エタノール水溶液30mlを、2.10gの炭酸アンモニウムと470mgのシアン化カリウムと混合し、反応混合物を2時間還流する。周囲温度に冷却後、更に0.50gの炭酸アンモニウムと100mgのシアン化カリウムとを加え、反応混合物を更に2時間還流する。その後、混合物を一晩放置して周囲温度に冷却すると、この間に薄い色の析出物が形成される。これを吸引濾過し、水で洗浄して乾燥させる。
収量:3.05g(理論値の87%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 486, 488 [M+H]+
実施例X
4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサノン
【0080】
【化29】

【0081】
アルゴン雰囲気下、3.25mlのオキシ塩化リンを、6.50gの6-(1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカ-8-イルオキシ)-7-メトキシ-3H-キナゾリン-4-オンを含む65mlのアセトニトリルに滴下する。その後、反応混合物を40℃に加熱し、5.00mlのトリエチルアミンを滴下しながら混合して2時間還流する。周囲温度に冷却後、1.40mlのトリエチルアミンと2.60mlの3-クロロ-2-フルオロ-アニリンとを5mlのアセトニトリルに溶解させたものを添加し、反応混合物を40℃で一晩撹拌する。更に、0.70mlの3-クロロ-2-フルオロ-アニリンを溶解した2mlのアセトニトリル溶液を滴下し、反応混合物を10時間撹拌する。室温に冷却して形成された析出物を吸引濾過し、1N塩酸に取り込み、6N塩酸‐イソプロパノール溶液と混合し、周囲温度で撹拌してケタールの開裂を終わらせる。形成された析出物を吸引濾過して、塩化メチレン及び1N水酸化ナトリウム溶液と混合する。水性相を分取し、塩化メチレンで抽出し、抽出物を合わせて蒸発濃縮する。フラスコの残渣をジイソプロピルエーテルで結晶化させる。
収量:5.90g(理論値の73%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 416, 418 [M+H]+
下記化合物は実施例Xと同様にして得られる。
(1)4-[(2-フルオロ-5-メチル-フェニル)アミノ]-6-(4-オキソ-シクロヘキシルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
【0082】
【化30】

【0083】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 396 [M+H]+
(2)4-[(2,4-ジフルオロ-3-メチル-フェニル)アミノ]-6-(4-オキソ-シクロヘキシルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
【0084】
【化31】

【0085】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 414 [M+H]+
(3)4-[(2-フルオロ-3-メチル-フェニル)アミノ]-6-(4-オキソ-シクロヘキシルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
【0086】
【化32】

【0087】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 396 [M+H]+
(4)4-[(3-クロロ-2-メチル-フェニル)アミノ]-6-(4-オキソ-シクロヘキシルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
【0088】
【化33】

【0089】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 412, 414 [M+H]+
(5)4-[(5-クロロ-2-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(4-オキソ-シクロヘキシルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
【0090】
【化34】

【0091】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 416, 418 [M+H]+
(6)4-[(4-フルオロ-3-メチル-フェニル)アミノ]-6-(4-オキソ-シクロヘキシルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
【0092】
【化35】

【0093】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 396 [M+H]+
(7)4-[(3-フルオロ-5-メチル-フェニル)アミノ]-6-(4-オキソ-シクロヘキシルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
【0094】
【化36】

【0095】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 396 [M+H]+
(8)(R)-4-[(1-フェニルエチル)アミノ]-6-(4-オキソ-シクロヘキシルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
【0096】
【化37】

【0097】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 392 [M+H]+
実施例XI
6-(1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカ-8-イルオキシ)-7-メトキシ-3H-キナゾリン-4-オン
【0098】
【化38】

【0099】
27.20gの3-ベンジル-6-(1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカ-8-イルオキシ)-7-メトキシ-3H-キナゾリン-4-オンを270mlの氷酢酸に溶解し、2.70gのパラジウムを担持する活性炭(10%)と混合し、水素の取り込みが終了するまで60℃で水素添加を行う。その後、氷酢酸をロータリーエバポレータを使って留去し、トルエンで蒸発させる。フラスコの残渣を水と混合し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でアルカリ性にする。形成された析出物を吸引濾過して乾燥する。
収量:20.30g(理論値の95%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 333 [M+H]+
実施例XII
3-ベンジル-6-(1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカ-8-イルオキシ)-7-メトキシ-3H-キナゾリン-4-オン
【0100】
【化39】

【0101】
20.00gの3-ベンジル-6-ヒドロキシ-7-メトキシ-3H-キナゾリン-4-オンを含む150mlのN,N-ジメチルホルムアミドを50℃に加熱した後、16.00gの炭酸カリウムと20.00gの1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカ-8-イルメタンスルホネートとを添加し、反応混合物を80℃で一晩撹拌する。その後、更に6.00gの炭酸カリウムと8.00gの1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカ-8-イルメタンスルホネートとを添加し、混合物を80℃で更に4時間撹拌する。その後、24時間以内に、合計6.00gの炭酸カリウムと10.00gの1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカ-8-イルメタンスルホネートとを少しずつ加えて反応を完了させる。周囲温度に冷却後、撹拌しながら合計450mlの水を非常にゆっくりとしたペースで滴下すると、析出物が形成されるので、これを吸引濾過して水で洗浄して乾燥する。
収量:27.20g(理論値の91%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 423 [M+H]+
最終化合物の調製
実施例1
anti-9-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-1,4-ジアザ-スピロ[5.5]ウンデカン-5-オン
【0102】
【化40】

【0103】
1.30mlの4N水酸化ナトリウム溶液を、1.30gのトランス-1-(2-アミノ-エチルアミノ)-4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサンカルボン酸メチルを含む14mlのメタノールに添加し、反応混合物を周囲温度で3時間撹拌する。その後、ロータリーエバポレータを使って真空下で溶媒分を留去する。フラスコの残渣を、塩化メチレン/メタノール/濃縮アンモニア(98/2/0.1から8/2/0.1)を溶離剤としたシリカゲルカラムによるクロマトグラフィーで精製する。分別された生成物を蒸発させジイソプロピルエーテルとともに撹拌する。固体の残渣を吸引濾過して乾燥させる。
収量:700mg(理論値の57%)
Rf値:0.30(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール/濃縮アンモニア = 90:10:1)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 486, 488 [M+H]+
下記化合物は実施例1と同様にして得られる。
(1)anti-9-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-4-メチル-1,4-ジアザ-スピロ[5.5]ウンデカン-5-オン
【0104】
【化41】

【0105】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 500, 502 [M+H]+
(2)syn-9-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-1,4-ジアザ-スピロ[5.5]ウンデカン-5-オン
【0106】
【化42】

【0107】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 486, 488 [M+H]+
実施例2
anti-9-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-1-メチル-1,4-ジアザ-スピロ[5.5]ウンデカン-5-オン
【0108】
【化43】

【0109】
125μlの37%ホルムアルデヒド水溶液に続き、50μlの氷酢酸及び280mgのトリアセトキシホウ水素化ナトリウムを、400mgのanti-9-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-1,4-ジアザ-スピロ[5.5]ウンデカン-5-オンを含む12mlのテトラヒドロフランに添加する。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌し、酢酸エチルで希釈し、1N水酸化ナトリウム溶液と混合して撹拌する。有機相を分取し、水及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し蒸発濃縮する。フラスコの残渣を、塩化メチレン/メタノール/濃縮アンモニア(99/1/0.2から8/2/0.1)を溶離剤としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する。粗生成物をメタノールとともに撹拌し、吸引濾過して乾燥させる。
収量:230mg(理論値の56%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 500, 502 [M+H]+
下記化合物は実施例2と同様にして得られる。
(1)anti-9-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-1,4-ジメチル1,4-ジアザ-スピロ[5.5]ウンデカン-5-オン
【0110】
【化44】

【0111】
質量スペクトル (ESI+): m/z = 514, 516 [M+H]+
実施例3
syn/anti-8-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-1,3-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン
【0112】
【化45】

【0113】
3.00gの4-[4-(3-クロロ-2-フルオロ-フェニルアミノ)-7-メトキシ-キナゾリン-6-イルオキシ]-シクロヘキサノンが懸濁した60%エタノール水溶液30mlを、2.10gの炭酸アンモニウムと470mgのシアン化カリウムと混合し、反応混合物を2時間還流する。周囲温度に冷却後、更に0.50gの炭酸アンモニウムと100mgのシアン化カリウムとを添加し、反応混合物を更に2時間還流する。その後、一晩放置して周囲温度に戻す。この間に薄い色の析出物が形成される。これを吸引濾過し、水で洗浄して乾燥させる。
収量:3.05g(理論値の87%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 486, 488 [M+H]+
生物学的試験
この新規化合物の生物学的特性を、例えば以下のようにして調べる。
EGF-Rが関与するシグナル伝達の阻害は、例えば、ヒトEGF-Rを発現する細胞や、EGF又はTGF-αの刺激に左右される前記細胞の生存と増殖で示すことができる。機能的ヒトEGF-Rを発現するようにマウス造血細胞系の遺伝子組み換えを行う。即ち、この細胞系の増殖はEGFの刺激によることになる。
試験は以下のように行う。
【0114】
細胞をRPMI/1640培地で培養する。20ng/mlのヒトEGF(プロメガ社)で細胞増殖を刺激する。本発明の化合物の阻害活性を調べるために、本化合物を100%ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、様々な希釈倍率で培養物に添加する。DMSO濃度は最大で1%とする。培養物は37℃で48時間培養する。
本発明の化合物の阻害活性を求めるために、Cell Titer 96(商標)AQueous Non-Radioactive Cell Proliferation Assay(プロメガ社の非放射性細胞増殖試験システム)を用いて、O.Dユニット(光学密度の単位)で相対的な細胞数を測定する。相対的細胞数として、対照に対する百分率を算出する。その値から、細胞増殖を50%阻害する有効成分の濃度(IC50)を求める。
本発明の一般式(I)の化合物のIC50の値は、例えば、10ミクロモル未満、好ましくは1ミクロモル未満である。
【0115】
【表1】

【0116】
症状
先に示したように、式(I)の化合物は治療分野における多用性を特徴とする。特に言及すべきは、チロシン阻害薬としての医薬的効果を基礎として好適に使用できる、本発明の式(I)の化合物の用途である。
そこで、ヒトEGF受容体の例で示したように、本発明の式(I)の化合物はチロシンキナーゼによるシグナル伝達を阻害するので、チロシンキナーゼの機能亢進に起因する病態生理学的過程の治療に有用である。例えば、良性又は悪性腫瘍、とりわけ上皮及び神経上皮の腫瘍、転移ならびに血管内皮細胞の異常増殖(血管新生)が挙げられる。また、ウイルスの細胞への侵入や攻撃又はウイルスの複製又はウイルスに対するホストの反応に、EGFRのシグナル伝達経路が使われるウイルス感染の治療に、EGFR阻害薬は有用である。
また、チロシンキナーゼの刺激によって粘液の産生が増大したり変化することを伴う気道や肺の疾患の予防と治療に、即ち、例えば、慢性気管支炎、慢性閉塞性気管支炎、喘息、気管支拡張症、アレルギー性又は非アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎、嚢胞性線維症、α1-アンチトリプシン欠乏症、咳、肺気腫、肺線維症及び気道過敏等の気道の炎症性疾患において本発明の化合物は有用である。また、ウイルスや細菌の侵入又は複製中に、又は、ホストの生体組織反応中にチロシンキナーゼが活性化される、ウイルス性又は細菌性合併症の治療に、また、気道又は肺のウイルス性又は細菌性感染の治療にも該化合物は有用である。
また、該化合物は、チロシンキナーゼ活性の阻害に関与する胃腸管、胆管、胆嚢の疾患、例えば、胆嚢炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、胃腸管の潰瘍等の慢性的な炎症変化に見られるような疾患、或いは、メネトリエー病、分泌性腺腫(secreting adenomas)やタンパク喪失性症候群等の分泌物の増大を伴う胃腸管の疾患で発症するおそれのある疾患の治療にも適している。
【0117】
くわえて、一般式(I)の化合物及びその医薬的に許容できる塩は、チロシンキナーゼの異常な働きによって引き起こされる他の疾病、例えば、上皮細胞の過剰増殖(乾癬)、前立腺肥大症(BPH)、炎症性プロセス、免疫系の障害、造血細胞の過剰増殖等の治療や鼻茸の治療等に使用することができる。
式(I)の化合物は単独でも、又は別の式(I)の化合物と組み合わせて使うこともできる。また、任意であるが、式(I)の化合物はWと一緒に使用することができる。この場合のWとは、薬理学的に有効な物質であって、(例えば)ベータ受容体刺激薬、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4-阻害剤、LTD4-受容体(cysLT1、cysLT2、cysLT3)拮抗薬、EGFR-阻害剤、ドーパミン作動薬、ヒスタミンH1拮抗薬、PAF-拮抗薬、SYK-阻害剤、PDE3阻害剤、リポキシンA4誘導体、FPRL1モジュレーター、LTB4-受容体(BLT1、BLT2)拮抗薬、ヒスタミンH1受容体 拮抗薬、ヒスタミンH4受容体拮抗薬、PI3キナーゼ阻害剤、例えばLYN、LCK、SYK、ZAP-70、FYN、BTK又はITK等の非受容体型チロシンキナーゼの阻害剤、例えばp38、ERK1、ERK2、JNK1、JNK2、JNK3又はSAP等のMAPキナーゼの阻害剤、NF-κBシグナル経路の阻害剤、例えば、IKKキナーゼ阻害剤、iNOS阻害剤、MRP4阻害剤、ロイコトリエン生合成阻害剤、例えば5-リポキシゲナーゼ(5-LO)阻害剤、cPLA2阻害剤、ロイコトリエンA4加水分解酵素阻害剤又はFLAP阻害剤、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、CRTH2拮抗薬、DP1-受容体モジュレーター、トロンボキサン受容体拮抗薬、ケモカイン(CCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、CCR11、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CXCR6、CX3CR1)受容体拮抗薬、ニューロキニン(NK1、NK2)拮抗薬、スフィンゴシン-1-リン酸受容体モジュレーター、アデノシン受容体のモジュレーター、例えばP2X7等のプリン受容体のモジュレーター、 ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)活性剤、ブラジキニン(BK1、BK2)拮抗薬、TACE阻害剤、粘液調整薬、PPARガンマ作動薬、Rho-キナーゼ阻害剤、インターロイキン1-β変換酵素(ICE)阻害剤、Toll様受容体(TLR)モジュレーター、HMG-CoA還元酵素阻害薬、VLA-4拮抗薬、ICAM-1阻害剤、SHIP作動薬、TNFα拮抗薬、GABAa受容体拮抗薬、免疫治療剤、気道の腫れを抑える物質、ならびに鎮がい剤のなかから選択される。
【0118】
更に、Wを2種又は3種組み合わせて、式(I)の化合物とともに使用してもよい。式Iの化合物と一緒に使うWの組合せの例としては以下が挙げられる。
‐Wが、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4-阻害剤、EGFR-阻害剤、p38MAPキナーゼ阻害剤又はLTD4-受容体拮抗薬と組み合わせた、ベータ受容体刺激薬を示す。
‐Wが、ベータ受容体刺激薬、コルチコステロイド、PDE4-阻害剤、EGFR-阻害剤、p38MAPキナーゼ阻害剤又はLTD4-受容体拮抗薬と組み合わせた、抗コリン作用薬を示す。
‐Wが、PDE4-阻害剤、EGFR-阻害剤又はLTD4-受容体拮抗薬と組み合わせた、コルチコステロイドを示す。
‐Wが、EGFR-阻害剤、p38MAPキナーゼ阻害剤、LTD4-受容体拮抗薬又はp38MAPキナーゼ阻害剤と組み合わせた、PDE4-阻害剤を示す。
‐Wが、抗コリン作用薬と組み合わせたEGFR-阻害剤を示す。
本願明細書で好適に使用できるベータ受容体刺激薬の例は、アルブテロール、アルホルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメファモール、サルメテロール、ソテレノール、スルホンテロール、テルブタリン、チアラミド、トルブテロール、ジンテロール、及び、3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチルフェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンジル-スルホンアミド、5-[2-(5,6-ジエチル-インダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン、4-ヒドロキシ-7-[2-{[2-{[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]-アミノ}エチル]-2(3H)-ベンゾチアゾロン、1-(2-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1-ベンゾイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[3-(4-メトキシベンジル-アミノ)-4-ヒドロキシフェニル]-2-[4-(1-ベンゾイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、
【0119】
1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-n-ブチルオキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-{4-[3-(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-2-メチル-2-ブチルアミノ}エタノール、5-ヒドロキシ-8-(1-ヒドロキシ-2-イソプロピルアミノブチル)-2H-1,4-ベンゾキサジン-3-(4H)-オン、1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル)-2-t-ブチルアミノ)エタノール、6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-メトキシ-フェニル)-1,1-ジメチルエチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1.4]オキサジン-3-オン、 6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-フェノキシ-酢酸エチル)-1,1-ジメチルエチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1.4]オキサジン-3-オン、6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-フェノキシ-酢酸(essigsaure))-1,1-ジメチルエチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1.4]オキサジン-3-オン、8-{2-[1,1-ジメチル2-(2.4.6-トリメチルフェニル)-エチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1.4]オキサジン-3-オン、6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-1,1-ジメチルエチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1.4]オキサジン-3-オン、6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-イソプロピル-フェニル)-1.1ジメチルエチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1.4]オキサジン-3-オン、8-{2-[2-(4-エチル-フェニル)-1,1-ジメチルエチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1.4]オキサジン-3-オン、8-{2-[2-(4-エトキシ-フェニル)-1,1-ジメチルエチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1.4]オキサジン-3-オン、4-(4-{2-[2-ヒドロキシ-2-(6-ヒドロキシ-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1.4]オキサジン-8-イル)-エチルアミノ]-2-メチル-プロピル}-フェノキシ)-酪酸、8-{2-[2-(3,4-ジフルオロ-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1.4]オキサジン-3-オン、1-(4-エトキシ-カルボニルアミノ-3-シアノ-5-フルオロフェニル)-2-(t-ブチルアミノ)エタノール、2-ヒドロキシ-5-(1-ヒドロキシ-2-{2-[4-(2-ヒドロキシ-2-フェニル-エチルアミノ)-フェニル]-エチルアミノ}-エチル)-ベンズアルデヒド、
【0120】
N-[2-ヒドロキシ-5-(1-ヒドロキシ-2-{2-[4-(2-ヒドロキシ-2-フェニル-エチルアミノ)-フェニル]-エチルアミノ}-エチル)-フェニル]-ホルムアミド、8-ヒドロキシ-5-(1-ヒドロキシ-2-{2-[4-(6-メトキシ-ビフェニル-3-イルアミノ)-フェニル]-エチルアミノ}-エチル)-1H-キノリン-2-オン、8-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(6-フェネチルアミノ-ヘキシルアミノ)-エチル]-1H-キノリン-2-オン、5-[2-(2-{4-[4-(2-アミノ-2-メチル-プロポキシ)-フェニルアミノ]-フェニル}-エチルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン、[3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-5-メチル-フェニル]-ウレア、4-(2-{6-[2-(2,6-ジクロロ-ベンジルオキシ)-エトキシ]-ヘキシルアミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-ヒドロキシメチル-フェノール、3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド、3-(3-{7-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘプチルオキシ}-プロピル)-ベンゼンスルホンアミド、4-(2-{6-[4-(3-シクロペンタンスルホニル-フェニル)-ブトキシ]-ヘキシルアミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-ヒドロキシメチル-フェノール、N-アダマンタン-2-イル-2-(3-{2-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-プロピル}-フェニル)-アセトアミド、(R,S)-4-(2-{[6-(2,2-ジフルオロ-4-フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール、(R,S)-4-(2-{[6-(2,2-ジフルオロ-2-フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール、(R,S)-4-(2-{[4.4-ジフルオロ-6-(4-フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール、(R,S)-4-(2-{[6-(4.4-ジフルオロ-4-フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール、(R,S)-5-(2-{[6-(2,2-ジフルオロ-2-フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-8-ヒドロキシキノリン-2(1H)-オン、(R,S)-[2-({6-[2,2-ジフルオロ-2-(3-メチルフェニル)エトキシ]ヘキシル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール、
【0121】
4-(1R)-2-{[6-(2,2-ジフルオロ-2-フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール、(R,S)-2-(ヒドロキシメチル)-4-(1-ヒドロキシ-2-{[4.4.5I5-テトラフルオロ-6-(3-フェニルプロポキシ)ヘキシル]アミノ}エチル)フェノール、(R,S)-[5-(2-{[6-(2,2-ジフルオロ-2-フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-ヒドロキシフェニル]ホルムアミド、(R,S)-4-[2-({6-[2-(3-ブロモフェニル)-2,2-ジフルオロエトキシ]ヘキシル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール、(R,S)-N-[3-(1,1-ジフルオロ-2-{[6-({2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}エチル)フェニル]ウレア、3-[3-(1,1-ジフルオロ-2-{[6-({2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}エチル)フェニル]イミダゾリジン-2,4-ジオン、(R,S)-4-[2-({6-[2,2-ジフルオロ-2-(3-メトキシフェニル)エトキシ]ヘキシル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール、5-((1R)-2-{[6-(2,2-ジフルオロ-2-フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-8-ヒドロキシキノリン-2(1H)-オン、4-((1R)-2-{[4.4-ジフルオロ-6-(4-フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール、(R,S)-4-(2-{[6-(3.3-ジフルオロ-3-フェニルプロポキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール、(R,S)-(2-{[6-(2,2-ジフルオロ-2-フェニルエトキシ)-4.4-ジフルオロヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール及び(R,S)-4-(2-{[6-(2,2-ジフルオロ-3-フェニルプロポキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2- (ヒドロキシメチル)フェノールから選択される化合物であって、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。本発明によると、ベータ受容体刺激薬の酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩から選択される。
【0122】
本願明細書で使用できる抗コリン作用薬の例としては、好ましくは、チオトロピウム塩、好ましくはその臭化物塩、オキシトロピウム塩、好ましくはその臭化物塩、フルトロピウム塩、好ましくはその臭化物塩、イプラトロピウム塩、好ましくはその臭化物塩、アクリジニウム塩、好ましくはその臭化物塩、グリコピロニウム塩、好ましくはその臭化物塩、トロスピウム塩、好ましくはその塩化物塩、トルテロジン、(3R)-1-フェネチル-3-(9H-キサンテン-9-カルボニルオキシ)-1-アゾニアビシクロ[2,2,2]オクタン-塩類から選択される化合物が挙げられる。上記塩類は、カチオンが薬理学的に有効な成分である。前記塩類は、アニオンX-として好ましくは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート又はp−トルエンスルホネートが含まれるが、カウンターイオンとしては塩化物、臭化物、ヨウ化物、スルフェート、メタンスルホネート又はp−トルエンスルホネートが好ましい。すべての塩のなかで、塩化物、臭化物、ヨウ化物及びメタンスルホネートが特に好ましい。
【0123】
他の具体的な化合物は以下のとおりである。トロペノール 2,2-ジフェニルプロピオン酸メトブロミド、スコピン 2,2-ジフェニルプロピオン酸メトブロミド、スコピン 2-フルオロ-2,2-ジフェニル酢酸メトブロミド、トロペノール 2-フルオロ-2,2-ジフェニル酢酸メトブロミド、トロペノール 3,3',4,4'-テトラフルオロベンジル酸メトブロミド、スコピン 3,3',4,4'-テトラフルオロベンジル酸メトブロミド、トロペノール 4,4'-ジフルオロベンジル酸メトブロミド、スコピン4,4'-ジフルオロベンジル酸メトブロミド、トロペノール 3,3'-ジフルオロベンジル酸メトブロミド、スコピン 3,3'-ジフルオロベンジル酸メトブロミド、トロペノール 9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボン酸メトブロミド、トロペノール 9-フルオロ-フルオレン-9-カルボン酸メトブロミド、スコピン 9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボン酸メトブロミド、スコピン 9-フルオロ-フルオレン-9-カルボン酸メトブロミド、トロペノール 9-メチル-フルオレン-9-カルボン酸メトブロミド、スコピン 9-メチル-フルオレン-9-カルボン酸メトブロミド、シクロプロピルトロピンベンジル酸メトブロミド、シクロプロピルトロピン 2,2-ジフェニルプロピオン酸 メトブロミド、シクロプロピルトロピン 9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボン酸メトブロミド、シクロプロピルトロピン 9-メチル-フルオレン-9-カルボン酸メトブロミド、シクロプロピルトロピン 9-メチル-キサンテン-9-カルボン酸メトブロミド、シクロプロピルトロピン 9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボン酸メトブロミド、シクロプロピルトロピンメチル4,4'-ジフルオロベンジル酸メトブロミド、トロペノール 9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボン酸メトブロミド、スコピン 9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボン酸メトブロミド、トロペノール 9-メチル-キサンテン-9-カルボン酸-メトブロミド、スコピン 9-メチル-キサンテン-9-カルボン酸-メトブロミド、トロペノール 9-エチル-キサンテン-9-カルボン酸メトブロミド、トロペノール 9-ジフルオロメチル-キサンテン-9-カルボン酸メトブロミド、スコピン 9-ヒドロキシメチルキサンテン-9-カルボン酸メトブロミド。
【0124】
本発明の範囲において、前記化合物は塩として使用できるが、メト臭化物だけでなく、メト-X塩(Xは本願明細書においてX-で示した定義を有する)も使用できる。
コルチコステロイドとして使用できる化合物は、好ましくは、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、ブチキソコルト、シクレソニド、デフラザコルト、デキサメタゾン、エチプレドノール、フルニソリド、フルチカソン、ロテプレドノール、モメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、トリアムシノロン、チプレダン、及びプレグナ-1,4-ジエン-3.20-ジオン、6-フルオロ-11-ヒドロキシ-16,17-[(1-メチルエチリデン)ビス(オキシ)]-21-[[4-[(ニトロオキシ)メチル]ベンゾイル]オキシ]、(6α,11β,16α)- (9CI) (NCX-1024)、16,17-ブチリデンジオキシ-6,9-ジフルオロ-11-ヒドロキシ-17-(メチルチオ)アンドロスト-4-エン-3-オン (RPR-106541)、(S)-フルオロメチル 6,9-ジフルオロ-17-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11-ヒドロキシ-16-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17-カルボチオネート、(S)-(2-オキソ-テトラヒドロフラン-3S-イル) 6,9-ジフルオロ-11-ヒドロキシ-16-メチル-3-オキソ-17-プロピオニルオキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17-カルボチオネート、シアノメチル 6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-(2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボキシレートから選択される化合物であって、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、塩及びその誘導体、溶媒和物及び/又は水和物の形態であってもよい。ステロイドについては、存在しうる塩又は誘導体、水和物又は溶媒和物のいずれも含む。ステロイドの可能な塩及び誘導体の例としては、ナトリウム塩又はカリウム塩等のアルカリ金属塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、リン酸二水素塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩又はフロ酸塩が挙げられる。
【0125】
使用可能なPDE4-阻害剤は、好ましくは、エンプロフィリン、テオフィリン、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、トフィミラスト、プマフェントリン、リリミラスト、アプレミラスト、アロフィリン、アチゾラム、オグレミラスツム、テトミラストならびに5-[(N-(2,5-ジクロロ-3-ピリジニル)-カルボキサミド]-8-メトキシ-キノリン (D-4418)、5-[N-(3.5-ジクロロ-1-オキシド-4-ピリジニル)-カルボキサミド]-8-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-キノリン (D-4396 (Sch-351591))、N-(3,5-ジクロロピリジ-4-イル)-[1-(4-フルオロベンジル)-5-ヒドロキシ-インドール-3-イル]グリオキシル酸アミド(AWD-12-281 (GW-842470))、9-[(2-フルオロフェニル)メチル]-N-メチル-2-(トリフルオロメチル)-9H-プリン-6-アミン(NCS-613)、4-[(2R)-2-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-2-フェニルエチル]-ピリジン (CDP-840)、N-[(3R)-3,4,6,7-テトラヒドロ-9-メチル-4-オキソ-1-フェニルピロロ[3.2.1-jk][1.4]ベンゾジアゼピン-3-イル]-4-ピリジンカルボキサミド (PD-168787)、4-[6,7-ジエトキシ-2.3-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ナフタレニル]-1-(2-メトキシエチル)-2(1H)-ピリジノン (T-440)、2-[4-[6,7-ジエトキシ-2,3-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ナフタレニル]-2-ピリジニル]-4-(3-ピリジニル)-1(2H)-フタラジノン (T-2585)、(3-(3-シクロペニルオキシ-4-メトキシベンジル)-6-エチルアミノ-8-イソプロピル-3H-プリン(V-11294A)、β-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-プロパンアミド (CDC-801)、イミダゾ[1,5-a]ピリド[3.2-e]ピラジン-6(5H)-オン、9-エチル-2-メトキシ-7-メチル-5-プロピル-(D-22888)、
【0126】
5-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-3-[(3-メチルフェニル)メチル]、(3S,5S)-2-ピペリジノン(HT-0712)、4-[1-[3,4-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-2-(3-メチル-1-オキシド-4-ピリジニル)エチル]-α,α-ビス(トリフルオロメチル)-ベンゼンメタノール(L-826141)、N-(3,5-ジクロロ-1-オキソ-ピリジン-4-イル)-4-ジフルオロメトキシ-3-シクロプロピルメトキシベンズアミド、(-)p-[(4aR*.10bS*)-9-エトキシ-1,2,3,4,4a,10b-ヘキサヒドロ-8-メトキシ-2-メチルベンゾ[s][1.6]ナフチリジン-6-イル]-N,N-ジイソプロピルベンズアミド、(R)-(+)-1-(4-ブロモベンジル)-4-[(3-シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-2-ピロリドン, 3-(シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-1-(4-N'-[N-2-シアノ-S-メチル-イソチオウレイド]ベンジル)-2-ピロリドン及びシス[4-シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)シクロヘキサン-1-カルボン酸]、2-カルボメトキシ-4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン、シス[4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オール]、(R)-(+)-エチル[4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)ピロリジン-2-イリデン]アセテート、(S)-(-)-エチル[4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)ピロリジン-2-イリデン]アセテート、9-シクロペンチル-5.6-ジヒドロ-7-エチル-3-(2-チエニル)-9H-ピラゾロ[3,4-c]-1,2,4-トリアゾロ[4.3-a]ピリジン及び9-シクロペンチル-5,6-ジヒドロ-7-エチル-3-(t-ブチル)-9H-ピラゾロ[3,4-c]-1,2,4-トリアゾロ[4.3-a]ピリジンから選択される化合物であり、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。本発明によると、酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩から好ましくは選択される。
【0127】
使用できるEGFR-阻害剤は、好ましくは、セツキシマブ、トラスツズマブ、パニツムマブ(=ABX-EGF)、Mab ICR-62、ゲフィチニブ、カネルチニブ、エルロチニ、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジエチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン、4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-{[4-(モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロペンチルオキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{[4-((R)-6-メチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{[4-((R)-6-メチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(S)-(テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{[4-((R)-2-メトキシメチル-6-オキソ-モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[2-((S)-6-メチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-エトキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-({4-[N-(2-メトキシ-エチル)-N-メチル-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン、
【0128】
4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロペンチルオキシ-キナゾリン、4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ビス-(2-メトキシ-エチル)-アミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン、4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-({4-[N-(2-メトキシ-エチル)-N-エチル-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン、4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-({4-[N-(2-メトキシ-エチル)-N-メチル-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン、4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-({4-[N-(テトラヒドロピラン-4-イル)-N-メチル-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-((R)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-({4-[N-(2-メトキシ-エチル)-N-メチル-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロペンチルオキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N-シクロプロピル-N-メチル-アミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロペンチルオキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(R)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(S)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6,7-ビス-(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-7-[3-(モルホリン-4-イル)-プロピルオキシ]-6-[(ビニルカルボニル)アミノ]-キナゾリン、4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-(4-ヒドロキシ-フェニル)-7H-ピロロ[2.3-d]ピリミジン、3-シアノ-4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-エトキシ-キノリン、4-{[3-クロロ-4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-フェニル]アミノ}-6-(5-{[(2-メタンスルホニル-エチル)アミノ]メチル}-フラン-2-イル)キナゾリン、
【0129】
4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-{[4-((R)-6-メチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-({4-[N,N-ビス-(2-メトキシ-エチル)-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-[(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-{[4-(5.5-ジメチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[2-(2,2-ジメチル-6-オキソ-モルホリン-4-イル)-エトキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[2-(2,2-ジメチル-6-オキソ-モルホリン-4-イル)-エトキシ]-7-[(R)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-7-[2-(2,2-ジメチル-6-オキソ-モルホリン-4-イル)-エトキシ]-6-[(S)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{2-[4-(2-オキソ-モルホリン-4-イル)-ピペリジン-1-イル]-エトキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[1-(t-ブチルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-アミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-メタンスルホニルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-3-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-メチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(メトキシメチル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(ピペリジン-3-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[1-(2-アセチルアミノ-エチル)-ピペリジン-4-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)-7-エトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-7-ヒドロキシ-キナゾリン、
【0130】
4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)-7-(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{トランス-4-[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]-シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{トランス-4-[(モルホリン-4-イル)カルボニルアミノ]-シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{トランス-4-[(モルホリン-4-イル)スルホニルアミノ]-シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)-7-(2-アセチルアミノ-エトキシ)-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)-7-(2-メタンスルホニルアミノ-エトキシ)-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(ピペリジン-1-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-アミノカルボニルメチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(テトラヒドロピラン-4-イル)カルボニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(モルホリン-4-イル)スルホニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-エタンスルホニルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-エトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[1-(2-メトキシ-アセチル)-ピペリジン-4-イルオキシ]-7-(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-アセチルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-[1-(t-ブチルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(ピペリジン-1-イル)カルボニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(4-メチル-ピペラジン-1-イル)カルボニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{シス-4-[(モルホリン-4-イル)カルボニルアミノ]-シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、
【0131】
4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エチル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-(1-アセチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-(1-メチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-メチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-イソプロピルオキシカルボニル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-メチルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{シス-4-[N-(2-メトキシ-アセチル)-N-メチル-アミノ]-シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-(ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-[1-(2-メトキシ-アセチル)-ピペリジン-4-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-{1-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(シス-2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(2-メチル-モルホリン-4-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(S,S)-(2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2,2,1]ヘプタ-5-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(N-メチル-N-2-メトキシエチル-アミノ)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-エチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(2-メトキシエチル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(3-メトキシプロピル-アミノ)-カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[シス-4-(N-メタンスルホニル-N-メチル-アミノ)-シクロヘキサン-1-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[シス-4-(N-アセチル-N-メチル-アミノ)-シクロヘキサン-1-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-メチルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、
【0132】
4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[トランス-4-(N-メタンスルホニル-N-メチル-アミノ)-シクロヘキサン-1-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-ジメチルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-{N-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[2-(2,2-ジメチル-6-オキソ-モルホリン-4-イル)-エトキシ]-7-[(S)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-シアノ-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、3-シアノ-4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-エトキシ-キノリン、[4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{[4-(ホモモルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(S)-(テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-7-(2-{4-[(S)-(2-オキソ-テトラヒドロフラン-5-イル)カルボニル]-ピペラジン-1-イル}-エトキシ)-6-[(ビニルカルボニル)アミノ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-7-[2-((S)-6-メチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-エトキシ]-6-[(ビニルカルボニル)アミノ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-7-[4-((R)-6-メチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-ブチルオキシ]-6-[(ビニルカルボニル)アミノ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-7-[4-((S)-6-メチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-ブチルオキシ]-6-[(ビニルカルボニル)アミノ]-キナゾリン及び4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[(4-{N-[2-(エトキシカルボニル)-エチル]-N-[(エトキシカルボニル)メチル]アミノ}-1-オキソ-2-ブテン-1-イル)アミノ]-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリンから選択される化合物であって、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。本発明によると、酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩から好ましくは選択される。
【0133】
本願明細書で好ましく用いられるドーパミン受容体作動薬は、ブロモクリプチン、カベルゴリン、α-ジヒドロエルゴクリプチン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソール、ロキシンドール、トピニロール、タリペキソール、テルグリド及びビオザンから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。本発明によると、酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩から好ましくは選択される。
本願明細書で用いられるPAF-拮抗薬は、レキシパファント及び4-(2-クロロフェニル)-9-メチル-2-[3(4-モルホリニル)-3-プロパノン-1-イル]-6H-チエノ-[3.2-f]-[1.2.4]トリアゾロ[4.3-a][1.4]ジアゼピン、6-(2-クロロフェニル)-8.9-ジヒドロ-1-メチル-8-[(4-モルホリニル)カルボニル]-4H.7H-シクロ-ペンタ-[4.5]チエノ-[3.2-f][1.2.4]トリアゾロ[4.3-a][1.4]ジアゼピンから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。本発明によると、酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩から好ましくは選択される。
【0134】
本願明細書で使用されるLTB4-受容体拮抗薬、例えばアメブラント(=エチル [[4-[[3-[[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]フェノキシ]メチル]フェニル]メトキシ]フェニル]イミノメチル]-カルバメート)から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。本発明によると、酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩から好ましくは選択される。
本願明細書で使用されるLTD4-受容体拮抗薬は、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、及び、(E)-8-[2-[4-[4-(4-フルオロフェニル)ブトキシ]フェニル]エテニル]-2-(1H-テトラゾール-5-イル)-4H-1-ベンゾピラン-4-オン(MEN-91507)、4-[6-アセチル-3-[3-(4-アセチル-3-ヒドロキシ-2-プロピルフェニルチオ)プロポキシ]-2-プロピルフェノキシ]酪酸(MN-001)、1-(((R)-(3-(2-(6,7-ジフルオロ-2-キノリニル)エテニル)フェニル)-3-(2-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン酢酸、1-(((1(R)-3(3-(2-(2,3-ジクロロチエノ[3.2-b]ピリジン-5-イル)-(E)-エテニル)フェニル)-3-(2-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸、[2-[[2-(4-t-ブチル-2-チアゾリル)-5-ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。本発明によると、酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩から好ましくは選択される。
【0135】
LTD4-受容体拮抗薬が任意で形成することができる塩又は誘導体とは、例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、リン酸二水素塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩又はフロ酸塩が挙げられる。
使用できるヒスタミンHI受容体拮抗薬は、エピナスチン、セチリジン、アゼラスチン、フェキソフェナジン、レボカバスチン、ロラタジン、ミゾラスチン、ケトチフェン、エメダスチン、ジメチンデン、クレマスチン、バミピン、セキスクロルフェニラミン、フェニラミン、ドキシルアミン、クロロフェノキサミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、エバスチン、オロパタジン、デスロラチジン及びメクロジンから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。本発明によると、酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩から好ましくは選択される。
使用できるヒスタミンH4受容体拮抗薬は、例えば、(5-クロロ-1H-インドール-2-イル)(4-メチル-1-ピペラジニル)-メタノン(JNJ-7777120)等の化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。本発明によると、酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩から好ましくは選択される。
【0136】
例えばLYN、LCK、SYK、ZAP-70、FYN、BTK又はITK等の、用いることができる非受容体チロシンキナーゼの阻害剤は、2-[(2-アミノエチル)アミノ]-4-[(3-ブロモフェニル)アミノ]-5-ピリミジンカルボキサミド、2-[[7-(3,4-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル]アミノ]-3-ピリジンカルボキサミド、6-[[5-フルオロ-2-[3.4,5-トリメトキシフェニル)アミノ]-4-ピリミジニル]アミノ]-2,2-ジメチル-2H-ピリド[3.2-b]-1,4-オキサジン-3(4H)-オン、N-[3-ブロモ-7-(4-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、7-(4-メトキシフェニル)-N-メチル-1,6-ナフチリジン-5-アミン、N-[7-(4-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(2-チエニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,2-エタンジアミン、N-[7-(4-メトキシフェニル)-2-(トリフルオロメチル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(4-メトキシフェニル)-3-フェニル-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-(7-フェニル-1,6-ナフチリジン-5-イル)-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(3-フルオロフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(3-クロロフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(4-フルオロフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(4-フルオロフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(4-クロロフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(4'-メチル[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-(ジエチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-[[2-(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(4-ブロモフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(4-メチルフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-(メチルチオ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-(1-メチルエチル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、
【0137】
7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-メチル-1,6-ナフチリジン-5-アミン、7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N,N-ジメチル1,6-ナフチリジン-5-アミン、N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-ブテンジアミン、N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,5-ペンタンジアミン、3-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]オキシ]-1-プロパノール、4-[5-(4-アミノブトキシ)-1,6-ナフチリジン-7-イル]-N,N-ジメチル-ベンゼンアミン、4-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-1-ブタノール、N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-N-メチル-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-N'-メチル-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-N,N'-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、1-アミノ-3-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-2-プロパノール、N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-2,2-ジメチル1,3-プロパンジアミン、7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-(3-ピリジニルメチル)-1,6-ナフチリジン-5-アミン、N-[(2-アミノフェニル)メチル]-7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-アミン、N-[7-[6-(ジメチルアミノ)[1,1'-ビフェニル]-3-イル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[3-クロロ-4-(ジエチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-(ジメチルアミノ)-3-メトキシフェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-(ジエチルアミノ)フェニル]-3-メチル-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(3'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-3-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,2-エタンジアミン、N-[7-(4-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,6-ナフチリジン-1,3-プロパンジアミン、N,N'-ビス(3-アミノプロピル)-7-(4-メトキシフェニル)-2,5-ジアミン、N-[7-(4-メトキシフェニル)-2-(フェニルメトキシ)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,6-ナフチリジン-1,3-プロパンジアミン、N5-(3-アミノプロピル)-7-(4-メトキシフェニル)-N2-(フェニルメチル)-2,5-ジアミン、N-[7-(2-ナフタレニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(2'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(3.4,5-トリメトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、
【0138】
N-[7-(3,4-ジメチルフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、1-アミノ-3-[[7-(2-ナフタレニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-2-プロパノール、1-アミノ-3-[[7-(2'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-2-プロパノール、1-アミノ-3-[[7-(4'-メトキシ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-2-プロパノール、1-アミノ-3-[[7-(3.4,5-トリメトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-2-プロパノール、1-アミノ-3-[[7-(4-ブロモフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-2-プロパノール、N-[7-(4'-メトキシ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、1-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-2-プロパノール、2-[[2-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]エチル]チオ]-エタノール、7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-(3-メチル-5-イソキサゾリル)-1,6-ナフチリジン-5-アミン、7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-4-ピリミジニル-1,6-ナフチリジン-5-アミン、N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-シクロヘキサンジアミン、N,N-ジメチル-4-[5-(1-ピペラジニル)-1,6-ナフチリジン-7-イル]-ベンゼンアミン、4-[5-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-7-イル]-N,N-ジメチルベンゼンアミン、1-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-4-ピペリジノール、1-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-3-ピロリジノール、7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-(2-フラニルメチル)-1,6-ナフチリジン-5-アミン、7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]-1,6-ナフチリジン-5-アミン、1-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-4-ピペリジンカルボキサミド、1-[3-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]プロピル]-2-ピロリジノン、N-[3'-[5-[(3-アミノプロピル)アミノ]-1,6-ナフチリジン-7-イル][1,1'-ビフェニル]-3-イル]-アセトアミド、
【0139】
N-[7-(4'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[4'-[5-[(3-アミノプロピル)アミノ]-1,6-ナフチリジン-7-イル][1,1'-ビフェニル]-3-イル]-アセトアミド、N-[7-[4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-(2-チエニル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-(3-ピリジニル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(6-メトキシ-2-ナフタレニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-(4-ピリジニルメチル)-1,6-ナフチリジン-5-アミン、3-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]メチルアミノ]-プロパンニトリル、7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]-1,6-ナフチリジン-5-アミン、N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,2-シクロヘキサンジアミン、N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,2-シクロヘキサンジアミン、(1R,2S)-rel-., N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,2-ベンゼンジメタンアミン、N-[7-[4-(ジエチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-ブタンジアミン、N-[7-[3'.5'-ビス(トリフルオロメチル)[1,1'-ビフェニル]-4-イル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-3-プロパンジアミン、N-[7-(3'-メトキシ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(3'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、4-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]オキシ]-1-ブタノール、N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-シクロヘキサンジアミン、7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-(2.2.6.6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-1,6-ナフチリジン-5-アミン、N-[7-[3-ブロモ-4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(1-メチル-1H-インドール-5-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、
【0140】
N-[7-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-(3-ブロモ-4-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N-[7-[4-[[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メチルアミノ]フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-シクロヘキサンジアミン、N-[7-[4-[[2-(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-シクロヘキサンジアミン、N-[7-[4-(ジメチルアミノ)-3-メトキシフェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-シクロヘキサンジアミン、N-[7-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-シクロヘキサンジアミン、N-[7-[3-ブロモ-4-(4-モルホリニル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-シクロヘキサンジアミン、4-[[7-[4-[[2-(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]オキシ]-シクロヘキサノール、N-[7-[3-ブロモ-4-(4-モルホリニル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジメチル-4-[5-(4-メチル-1-ピペラジニル)-1,6-ナフチリジン-7-イル]-ベンゼンアミン、4-[[7-[4-[[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メチルアミノ]フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]オキシ]-シクロヘキサノール、N-[7-[4-[[2-(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-ブタンジアミン、1,1-ジメチルエチル[3-[[5-[(3-アミノプロピル)アミノ]-7-(4-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-2-イル]アミノ]プロピル]-カルバメートから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。本発明によると、酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩から好ましくは選択される。
【0141】
使用されるMAPキナーゼ阻害剤は、ベンタマピモド(AS-602801)、ドラマピモド(BIRB-796)、5-カルバモイルインドール(SD-169)、6-[(アミノカルボニル)(2,6-ジフルオロフェニル)アミノ]-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-ピリジンカルボキサミド(VX-702)、α-[2-[[2-(3-ピリジニル)エチル]アミノ]-4-ピリミジニル]-2-ベンゾチアゾールアセトニトリル(AS-601245)、9,12-エポキシ-1H-ジインドロ[1,2,3-fg:3',2',1'-kl]ピロロ[3,4-i][1.6]ベンゾジアゾシン-10-カルボン酸(CEP-1347)及び4-[3-(4-クロロフェニル)-5-(1-メチル-4-ピペリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-ピリミジン(SC-409)から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
【0142】
使用されるiNOS-阻害剤は、S-(2-アミノエチル)イソチオウレア、アミノグアニジン、2-アミノメチルピリジン、5,6-ジヒドロ-6-メチル-4H-1,3-チアジン-2-アミン(AMT)、L-カナバニン、2-イミノピペリジン、S-イソプロピルイソチオウレア、S-メチルイソチオウレア、S-エチルイソチオウレア、S-メチルチオシトルリン、S-エチルチオシトルリン、L-NA (Nω-ニトロ-L-アルギニン)、L-NAME (Nω-ニトロ-L-アルギニンメチルエステル)、L-NMMA (Nω-モノメチル-L-アルギニン)、L-NIO (Nω-イミノエチル-L-オルニチン)、L-NIL (Nω-イミノエチル-リシン)、(S)-6-アセトイミドイルアミノ-2-アミノ-ヘキサン酸(1H-テトラゾール-5-イル)-アミド(SC-51)、N-[[3-(アミノメチル)フェニル]メチル]-エタンイミドアミド(1400W)、(S)-4-(2-アセトイミドイルアミノ-エチルスルファニル)-2-アミノ-酪酸(GW274150)、2-[2-(4-メトキシ-ピリジン-2-イル)-エチル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン(BYK191023)、2-((R)-3-アミノ-1-フェニル-プロポキシ)-4-クロロ-5-フルオロベンゾニトリル、2-((1R,3S)-3-アミノ-4-ヒドロキシ-1-チアゾール-5-イル-ブチルスルファニル)-6-トリフルオロメチル-ニコチノニトリル、2-((1R,3S)-3-アミノ-4-ヒドロキシ-1-チアゾール-5-イル-ブチルスルファニル)-4-クロロ-ベンゾニトリル、2-((1R,3S)-3-アミノ-4-ヒドロキシ-1-チアゾール-5-イル-ブチルスルファニル)-5-クロロ-ベンゾニトリル、(2S,4R)-2-アミノ-4-(2-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニルスルファニル)-4-チアゾール-5-イル-ブタン-1-オール、2-((1R,3S)-3-アミノ-4-ヒドロキシ-1-チアゾール-5-イル-ブチルスルファニル)-5-クロロ-ニコチノニトリル、4-((S)-3-アミノ-4-ヒドロキシ-1-フェニル-ブチルスルファニル)-6-メトキシ-ニコチノニトリル、置換3-フェニル-3,4-ジヒドロ-1-イソキノリンアミンで、例えば、(1S,5S,6R)-7-クロロ-5-メチル-2-アザ-ビシクロ[4.1.0]ヘプタ-2-エン-3-イルアミン(ONO-1714)、(4R,5R)-5-エチル-4-メチル-チアゾリジン-2-イリデンアミン、(4R,5R)-5-エチル-4-メチル-セレナゾリジン-2-イリデンアミン、4-アミノテトラヒドロビオプテリン、(E)-3-(4-クロロ-フェニル)-N-(1-{2-オキソ-2-[4-(6-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルオキシ)-ピペリジン-1-イル]-エチルカルバモイル}-2-ピリジン-2-イル-エチル)-アクリルアミド(FR260330)、3-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-6-[2-(4-イミダゾール-1-イルメチル-フェノキシ)-エトキシ]-2-フェニル-ピリジン(PPA250)、メチル 3-{[(ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-カルバモイル]-メチル}-4-(2-イミダゾール-1-イル-ピリミジン-4-イル)-ピペラジン-1-カルボキシレート(BBS-1)、(R)-1-(2-イミダゾール-1-イル-6-メチル-ピリミジン-4-イル)-ピロリジン-2-カルボキシレート(2-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-エチル)-アミド(BBS-2)から選択される化合物、これらの医薬的な塩、プロドラッグ又は溶媒和物が好ましい。
【0143】
本発明の範囲におけるiNOS-阻害剤として、アンチセンスオリゴヌクレオチドの使用も可能である。とりわけ、iNOS-コーディング核酸と結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用が可能である。例えば、WO01/52902には、アンチセンスオリゴヌクレオチドについて、なかでも、iNOSの発現を調整するためのiNOS-コーディング核酸と結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドについての記載がある。
使用されるMRP4-阻害剤は、N-アセチル-ジニトロフェニル-システイン、cGMP、コール酸類、ジクロフェナク、デヒドロエピアンドロステロン 3-グルクロニド、デヒドロエピアンドロステロン 3-スルフェート、ジラゼプ、ジニトロフェニル-s-グルタチオン、エストラジオール17-β-グルクロニド、エストラジオール 3,17-ジスルフェート, エストラジオール 3-グルクロニド、エストラジオール 3-スルフェート、エストロン 3-スルフェート、フルルビプロフェン、葉酸類、n5-ホルミル-テトラヒドロ葉酸、グリココール酸類、グリコリトコール酸スルフェート、イブプロフェン、インドメタシン、インドプロフェン、ケトプロフェン、リトコール酸スルフェート、メトトレキス酸類、((E)-3-[[[3-[2-(7-クロロ-2-キノリニル)エテニル]フェニル]-[[3-ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル]チオ]メチル]チオ]-プロパン酸)、α-ナフチル-β-D-グルクロニド、ニトロベンジルメルカプトプリンリボシド、プロベネシド、シルデナフィル、スルフィネピラゾン、タウロケノデオキシコール酸、タウロコール酸、タウロデオキシコール酸、タウロリトコール酸、トポテカン、トレキンシン、ザプリナスト及びジピリダモールから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、水和物の形態であってもよい。
【0144】
使用されるロイコトリエン生合成阻害剤、例えば5-リポキシゲナーゼ(5-LO) 阻害剤、cPLA2阻害剤、ロイコトリエンA4加水分解酵素阻害剤又はFLAP阻害剤から選択される阻害剤は、ジロイトン、チペルカスト、リコフェロン、ダラプラジブから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、水和物の形態であってもよい。
使用される非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)は、ピロキシカム、ジクロフェナク、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、イブプロフェン、ニメスリド、インドメタシン、スリンダク、アザプロパゾン、フェニルブタゾン、アスピリン、メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルマロコキシブ、パレコキシブ、テノキシカム及びエトリコキシブから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
使用されるCRTH2拮抗薬は、ラマトロバン及びラロピプラントから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
使用されるDP1-受容体モジュレーターは、7-[(1R,2R,3S,5S)-2-[[(5-ヒドロキシベンゾ[b]チエン-3-イル)カルボニル]アミノ]-6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-3-イル]、(5Z)-5-ヘプテン酸(S-5751)、ラロピプラン及び2-[[4-[(1R,2S,3R,5R)-5-クロロ-2-[(3S)-3-シクロヘキシル-3-ヒドロキシ-1-プロピン-1-イル]-3-ヒドロキシシクロペンチル]ブチル]チオ]-酢酸(TS-002)から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
【0145】
使用されるトロンボキサン受容体拮抗薬は、セラトロダスト、N-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]-2-[(4-メチルフェニル)アミノ]-5-ニトロ-ベンゼンスルホンアミド(BM-573)、(+/-)-[2-(4-クロロフェニルスルホニルアミノメチル)-インダン-5-イル]酢酸ナトリウム一水和物(Z-335)及び2-[[[4-[[(4-クロロフェニル)スルホニル]アミノ]ブチル][[3-[[4-(1-メチルエチル)-2-チアゾリル]メトキシ]フェニル]メチル]アミノ]スルホニル]-安息香酸 (KP-496) から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
使用できるケモキン受容体拮抗薬は、N-[5-クロロ-2-[2-[(2R)-4-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-1-ピペラジニル]-2-オキソエトキシ]フェニル]-尿素塩酸塩 (1:1)(BX-471)、2,N-[(1S,2S,4R)-4-(アミノカルボニル)-1-[(3-フルオロフェニル)メチル]-2,7-ジヒドロキシ-7-メチルオクチル]-キノキサリンカルボキサミド(CP-481715)、(4,6-ジメチル-5-ピリミジニル)[4-[(3S)-4-[(1R)-2-メトキシ-1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-3-メチル-1-ピペラジニル]-4-メチル-1-ピペリジニル]-メタノン(Sch-417690)、2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-[[2-[[(1R)-1-(5-メチル-2-フラニル)プロピル]アミノ]-3,4-ジオキソ-1-シクロブテン-1-イル]アミノ]-ベンズアミド(SCH-527123)及び1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン、1,1'-[1,4-フェニレンビス(メチレン)]ビス, 塩酸塩(1:8)(AMD-3100) から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
【0146】
使用できるニューロキニン(NK1又はNK2)拮抗薬は、サレズタント、ネパズタント及びフィゴピタントから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
使用できるスフィンゴシン1-リン酸受容体モジュレーターは、例えば、ソネプシズマブ等の化合物が好ましく、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
使用できる粘液調整薬は、3-[2-オキソ-2-[2-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-3-ピリジニル]エチル]-1(3H)-イソベンゾフラノン(MSI-2216)、エルドステイン、フルオロベント、タルニフルマート、フドステインから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
使用できるPPARガンマ作動薬は、ロシグリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン及びN-[2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-3(2H)-チアゾリル]エチル]-N'-メチル-ウレア(SMP-028)から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
使用できるRho-キナーゼ阻害剤は、例えばファスジル等の化合物が好ましく、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
【0147】
使用できるアデノシン受容体モジュレーターは、4-(3,4-ジクロロフェニル)-5-(4-ピリジニル)-2-チアゾールアミン(CGH-2466)、3-エチル-3,9-ジヒドロ-1-プロピル-8-[1-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]-1H-プリン-2,6-ジオン(CVT-6883)、N-(4-シアノフェニル)-2-[4-(2.3.6.9-テトラヒドロ-2,6-ジオキソ-1,3-ジプロピル-1H-プリン-8-イル)フェノキシ]-アセトアミド(MRS-1754)から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
使用できるブラジキニン(BK2又はBK1)拮抗薬は、イカチバント及び1-ピペラジンペンタンアミニウム、Δ-アミノ-4-[[4-[[[2,4-ジクロロ-3-[[(2,4-ジメチル8-キノリニル)オキシ]メチル]フェニル]スルホニル]アミノ]テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル]カルボニル]-N,N,N-トリメチル-ε-オキソ、塩化物、塩酸塩(1:1:1)、(ΔS)- (MEN-16132) から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
使用できるエンドセリン拮抗薬は、アクテリオン-1、アンブリセンタン、シタキセンタン、N-(2-アセチル-4.6-ジメチルフェニル)-3-[[(4-クロロ-3-メチル-5-イソキサゾリル)アミノ]スルホニル]-2-チオフェンカルボキサミド(TBC-3214)及びボセンタンから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
【0148】
使用できるインターロイキン1-β変換酵素(ICE)阻害剤は、プラルナカサン及びN-(4-アミノ-3-クロロベンゾイル)-3-メチル-L-バリル-N-[(2R,3S)-2-エトキシテトラヒドロ-5-オキソ-3-フラニル]-L-プロリンアミド(=VX-765)から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
使用できるToll様受容体(TLR)モジュレーターは、レシキモド、ヘプリサブ、レサトルビド(TAK-242) から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
使用できるHMG-CoA還元酵素阻害薬は、ロバスタチン、シムバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン及びアボルバスタチンから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
使用できるVLA-4拮抗薬は、ナタリズマブ、バラテグラストから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
使用できるSHIP作動薬は、2,3,4,4a,5,6,6a,11,11a,11b-デカヒドロ-4,4,6a,7,11b
-ペンタメチル、(4aS,6aR,11aR,11bS)-1H-ベンゾ[a]フルオレン-9-オール(AQX-MN100)及びMN-106から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
【0149】
本願明細書で使用できる抗TNF抗体としては、インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ、シトファブ及びエタネルセプトから選択される化合物が好ましい。
使用できる気道の腫れを抑える物質としては、フェニルエフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン及びレボ-デスオキシエフェドリンから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
使用できる鎮がい剤としては、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン及びデキストラメトルファンから選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
本願明細書で使用できる好適なリポキシンA4誘導体としては、7,9,11,13-エイコサテトラエン酸、5,6,15-トリヒドロキシ、(5S,6R,7E,9E,11Z,13E,15R)- (15-エピ-リポキシン a4)、7,9,11,13-エイコサテトラエン酸、16-(4-フルオロフェノキシ)-5,6,15-トリヒドロキシ、(5S,6R,7E,9E,11Z,13E,15S)- (ATL-1)、アスピリン誘発リポキシンA(4)及び類似体、プロテクチンD1(4,7,11,13,15,19-ドコサヘキサエン酸、10,17-ジヒドロキシ、(4Z,7Z,10R,11E,13E,15Z,17S,19Z)-、レソルビンE1(6,8,10,14,16-エイコサペンタエン酸、5,12,18-トリヒドロキシ、(5S,6Z,8E,10E,12R,14Z,16E,18R)- )及びベンゾ-リポキシンA4類似体から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
【0150】
本願明細書で使用できる好適なFPRL1-モジュレーターは、例えば5(S),6(R),7-トリヒドロキシヘプタン酸メチル等の化合物が好ましく、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
本願明細書で使用できる好適なPI3キナーゼ拮抗薬は、5-(キノキサリン-6-イルメチレン)チアゾリジン-2,4-ジオン(AS-605240)、2-[(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)メチル]-5-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4(3H)-キナゾリノン(C-87114)及び2-メチル-2-[4-[3-メチル-2-オキソ-8-(キノリン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル]フェニル]プロピオニトリル(BEZ-235)から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
本願明細書で使用できる好適なCCR5拮抗薬は、マラビロク(4,4-ジフルオロ-N-[(1S)-3-[(3-エクソ)-3-[3-メチル-5-(1-メチルエチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル]-1-フェニルプロピル]-シクロヘキサンカルボキサミド)、CCR5mAb004、ビクリビロク((4.6-ジメチル-5-ピリミジニル)[4-[(3S)-4-[(1R)-2-メトキシ-1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-3-メチル-1-ピペラジニル]-4-メチル-1-ピペリジニル]-メタノン)及びニフェビロク(N-[1-[[(3S.4R)-1-(シクロペンチルカルボニル)-4-ヒドロキシ-4-フェニル-3-ピロリジニル]メチル]-4-ピペリジニル]-N-2-プロペン-1-イル-(4-ニトロフェニル)メチルエステル-カルバミン酸)から選択される化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
【0151】
本願明細書で使用できる好適なCXCR1又はCXCR2拮抗薬は、例えば、3-[[3-[(ジメチルアミノ)カルボニル]-2-ヒドロキシフェニル]アミノ]-4-[[(R)-1-(5-メチルフラン-2-イル)プロピル]アミノ]シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン (SCH-527123)等の化合物が好ましく、これらはラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬的に許容できる酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態であってもよい。
本発明によると、好適な物質は、前記MAPキナーゼ阻害剤、iNOS阻害剤、MRP4阻害剤、ロイコトリエン生合成阻害剤、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、CRTH2拮抗薬、DP1-受容体モジュレーター、トロンボキサン受容体拮抗薬、ケモキン受容体拮抗薬、ニューロキニン(NK1又はNK2)拮抗薬、スフィンゴシン1-リン酸受容体モジュレーター、粘液調整剤、PPARガンマ作動薬、Rho-キナーゼ阻害剤、アデノシン受容体モジュレーター、ブラジキニン受容体拮抗薬、エンドセリン拮抗薬、インターロイキン1-β変換酵素(ICE)阻害剤、toll様受容体(TLR)モジュレーター、HMG-CoA還元酵素阻害薬、VLA-4 拮抗薬、SHIP作動薬、抗TNF-抗体、気道の腫れと対抗する物質、鎮がい剤、リポキシンA4誘導体、PI3キナーゼ拮抗薬、FPRL1-モジュレーター、CCR5拮抗薬、CXCR1又はCXCR2-拮抗薬の酸付加塩で、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩から選択される。
【0152】
製剤
本発明の化合物は、経口、経皮、吸入、非経口又は舌下経路により投与することができる。本発明の化合物は、従来からの調剤の有効成分として存在する。例えば、製薬用不活性担体と有効投与量の活性物質とから本質的になる組成物、例えば、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、ローゼンジ、粉末剤、溶液、懸濁液、エマルジョン、シロップ剤、坐剤、経皮系製剤等において有効成分として存在する。本発明の化合物の有効投与量は、経口投与の場合、1回の投与につき0.1〜5000mg、好ましくは1〜500mg、さらに好ましくは5〜300mgである。また、静脈内、皮下又は筋肉内投与の場合は0.001〜50mg、好ましくは0.1〜10mgである。吸入には、有効成分を0.01〜1.0%、好ましくは0.1〜0.5%含む溶液が本発明では好適である。吸入投与の場合、粉末剤、エタノール系又は水性溶液の使用が好ましい。また、本発明の化合物を点滴用溶液として、好ましくは生理的食塩水又は栄養輸液食塩水に使用することが可能である。
本発明の化合物は単独で、又は、本発明による他の有効成分と一緒に使用することができ、さらに薬理学的に有効な他の成分と一緒に使用してもよい。好適な製剤としては、例えば、錠剤、カプセル剤、坐剤、溶液、シロップ剤、エマルジョン又は分散性粉末剤が挙げられる。該錠剤は、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース等の不活性希釈剤、トウモロコシデンプン又はアルギン酸等の崩壊剤、デンプン又はゼラチン等の結合剤、ステアリン酸マグネシウム又はタルク等の潤滑剤、及び/又は、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース又はポリ酢酸ビニル等の遅延放出剤といった公知の賦形剤と、有効成分とを混合することにより得られる。錠剤は幾層かを有していてもよい。
そこで、上記錠剤と同様にして調製したコアを、錠剤被覆用に通常使用する物質、例えば、コリドン(collidone)又はセラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖等で被覆することによって、被覆錠剤を作製することができる。放出遅延のため、又は不相溶性の回避のために、コアは多数の層からなってもよい。同様に、遅延放出のために、錠剤被膜も錠剤用の前記賦形剤を用いて多数の層で構成してもよい。
【0153】
本発明の活性物質又はその組み合わせを含むシロップ剤は、サッカリン、シクラメート、グリセロール又は糖等の甘味料及び風味増強剤、例えばバニリン又はオレンジ抽出物等の風味剤をさらに含んでもよい。また、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の懸濁液アジュバント若しくは増粘剤、脂肪アルコールとエチレンオキシドとの縮合物等の湿潤剤、又は、p-ヒドロキシベンゾエート等の防腐剤を含んでもよい。
注射用溶液は、例えば、p-ヒドロキシベンゾエート等の防腐剤、又は、エチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩等の安定剤を添加して通常の方法で調製し、注射バイアル又はアンプルに移す。
1種以上の活性物質又は活性物質の組合せを含むカプセル剤は、例えば、ラクトース又はソルビトール等の不活性担体を活性物質と混合し、それをゼラチンカプセルに充填して調製することができる。
好適な坐剤は、例えば、中性脂肪又はポリエチレングリコールもしくはその誘導体といった坐剤調製のために提供される担体と混合することによって作成することができる。
製薬用途においては、本発明の化合物は通常、哺乳類、特にヒトに使用され、投与量は体重1kgに対して0.01〜100mg/kg、好ましくは0.1〜15mg/kgである。投与するには、1種以上の従来からの不活性担体及び/又は希釈剤、例えば、コーンスターチ、ラクトース、グルコース、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース又は硬化油(hard fat)等の脂肪、或いは、これらの好適な混合物と一緒に処方して、非被覆錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、粉末剤、懸濁液、溶液、スプレー剤又は坐剤等の従来からの生薬製剤(galenic preparations)を調製する。
以下の実施例は本発明を説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0154】
医薬製剤の例
A)有効成分75mgを含有する被覆錠剤
組成
錠剤1個に以下を含む。
有効成分 75.0mg
リン酸カルシウム 93.0mg
コーンスターチ 35.5mg
ポリビニルピロリドン 10.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 15.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg
230.0mg
調製:
有効成分を、リン酸カルシウム、コーンスターチ、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び規定量の半分のステアリン酸マグネシウムと混合する。タブレット成形機で直径13mmのブランクを作製した後、適切な機械を用いてメッシュサイズ1.5mmの篩にこすりつけ、ステアリン酸マグネシウムの残量と混合する。この粒質物をタブレット成形機で圧縮して所望の形状の錠剤を形成する。
コアの質量:230mg
ダイ:9mm、凸状
こうして作製された錠剤コアに、ヒドロキシプロピルメチルセルロースから本質的になる被膜を塗布する。出来上がった被覆錠剤を蜜蝋で艶出しする。
被覆錠剤の質量:245mg
【0155】
B)有効成分100mgを含有する錠剤
組成:
錠剤1個に以下を含む。
有効成分 100.0mg
ラクトース 80.0 mg
コーンスターチ 34.0 mg
ポリビニルピロリドン 4.0 mg
ステアリン酸マグネシウム 2.0 mg
220.0 mg
製造方法:
有効成分、ラクトース及びコーンスターチを一緒に混合し、ポリビニルピロリドンの水溶液で均一に湿らせる。湿らせた組成物を篩(メッシュサイズ2.0mm)にかけ、ラック式乾燥機内で50℃で乾燥した後、再度篩(メッシュサイズ1.5mm)にかけて潤滑剤を添加する。出来上がった混合物を圧縮して錠剤を形成する。
錠剤の質量:220mg
直径:10mm、2平面、両側が切り子面で、片側に切り込み。
【0156】
C)有効成分150mgを含有する錠剤
組成
錠剤1個に以下を含む。
有効成分 150.0 mg
粉末状ラクトース 89.0 mg
コーンスターチ 40.0 mg
コロイダルシリカ 10.0 mg
ポリビニルピロリドン 10.0 mg
ステアリン酸マグネシウム 1.0 mg
300.0 mg
調製:
有効成分をラクトース、コーンスターチ及びシリカと混合し、20%ポリビニルピロリドン水溶液で湿らせ、メッシュサイズ1.5mmの篩に通す。粒状物を45℃で乾燥し、再度同じ篩に通してから規定量のステアリン酸マグネシウムと混合する。圧縮して混合物から錠剤を作製する。
錠剤の質量:300mg
ダイ:10mm、平面
【0157】
D)有効成分150mgを含有する硬質ゼラチンカプセル剤
組成
カプセル剤1個に以下を含む。
有効成分 150.0mg
コーンスターチ(乾燥) 約180.0mg
ラクトース(粉末状) 約87.0mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0 mg
約420.0mg
調製:
有効成分を賦形剤と混合し、メッシュサイズ0.75mmの篩に通す。適当な装置を用いて均一に混合する。出来上がった混合物をサイズNo.1の硬質ゼラチンカプセルに充填する。
カプセル充填物:約320mg
カプセルのシェル:サイズNo.1の硬質ゼラチンカプセル
【0158】
E)有効成分150mgを含有する坐剤
組成
坐剤1個に以下を含む。
有効成分 150.0mg
ポリエチレングリコール1500 550.0mg
ポリエチレングリコール6000 460.0mg
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 840.0mg
2,000.0mg
調製
坐剤全体を溶融して、有効成分を均一に分散させる。溶融物を冷却した型の中に注ぎ入れる。
【0159】
F)有効成分50mgを含有する懸濁液
組成
懸濁液100mlに以下を含む。
有効成分 1.00g
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩 0.10g
p-ヒドロキシ安息香酸メチル 0.05 g
p-ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.01g
グルコース 10.00g
グリセロール 5.00g
70%ソルビタン溶液 20.00g
風味剤 0.30g
蒸留水 合計で100ml
調製
蒸留水を70℃に加熱する。p-ヒドロキシ安息香酸メチル及びp-ヒドロキシ安息香酸プロピルを、グリセロールとカルボキシメチルセルロースナトリウム塩と一緒にして撹拌しながら溶解させる。溶液を周囲温度に冷却する。有効成分を添加し、撹拌しながら均一に分散させる。糖、ソルビトール溶液及び風味剤とを加えて溶解させた後、懸濁液を撹拌しながら排気して空気を取り除く。
懸濁液5mlに有効成分50mgを含有する。
【0160】
G)有効成分10mgを含有するアンプル剤
組成:
有効成分 10.0 mg
0.01N塩酸 適量
再蒸留水 合計で2.0ml
調製:
有効成分を必要量の0.01N塩酸溶液に溶解して食塩で等張にする。無菌濾過して2mlのアンプルに移し入れる。
H)有効成分50mgを含有するアンプル剤
組成:
有効成分 50.0mg
0.01N塩酸 適量
再蒸留水 合計で10.0ml
調製:
有効成分を必要量の0.01N塩酸溶液に溶解して食塩で等張にする。無菌濾過して10mlのアンプルに移し入れる。
【0161】
I)有効成分5mgを含有する粉末吸入用カプセル剤
カプセル1個に以下を含む。
有効成分 5.0mg
吸入用ラクトース 15.0 mg
20.0 mg
調製:
有効成分を吸入用ラクトースと混合する。カプセル成形機で混合物をカプセルに充填する(空のカプセルの質量は約50mg)。
カプセル剤の質量:70.0mg
カプセルのサイズ:No.3
(J)有効成分2.5mgを含有する手持ち式ネブライザ吸入用溶液
1回のスプレーに以下を含む。
有効成分 2.500 mg
塩化ベンズアルコニウム 0.001mg
1N塩酸 適量
エタノール/水 (50/50) 合計で15.000mg
調製:
有効成分と塩化ベンズアルコニウムとをエタノール/水 (50/50)に溶解させる。溶液のpH値を1N塩酸で調整する。得られた溶液を濾過にかけ、手持ち式ネブライザー(カートリッジ)で使用する好適な容器に移しいれる。
容器の内容量:4.5g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

の化合物であって、
aはフェニル又は1-フェニルエチル基を示し、いずれの場合もフェニル核が基R1〜R3で置換されており、
1及びR2は同じでも異なっていてもよく、水素又はF、Cl、Br、I、OCH2F、OCHF2、OCF3、CH2F、CHF2、CF3、CN、NO2、NH2及びOHから選択される基を示すか、或いは、
C1-4-アルキル、C1-4-アルキル-O、C2-3-アルケニル、C2-3-アルキニル、フェニル、フェニル-O、フェニル-C1-3-アルキル、フェニル-C1-3-アルキル-O、ヘテロアリール、ヘテロアリール-O、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール-C1-3-アルキル-Oから選択される基を示し、前記フェニル基はR5によりモノ置換又はジ置換されており、
3は水素又はF、Cl、Br及びCH3から選択される基を示し、
bは水素、又は、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル-及びC3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキルから選択される置換されていてもよい基を示し、
cは水素、又は、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、C1-6-アルキル-CO、C3-6-シクロアルキル-CO、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル-CO、C1-6-アルキル-SO2、C3-6-シクロアルキル-SO2、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル-SO2、フェニル-CO-及びフェニル-SO2から選択される置換されていてもよい基を表わし、
dは水素、又は、F、Cl、Br、I、OH、C1-4-アルキル、C1-4-アルキル-O、1〜3個のフッ素原子で置換されているC1-2-アルキル-O、C3-7-シクロアルキル-O、C3-7-シクロアルキル-C1-4-アルキル-O、テトラヒドロフラン-3-イル-O、テトラヒドロピラン-3-イル-O、テトラヒドロピラン-4-イル-O、テトラヒドロフラニル-C1-4-アルキル-O-及びテトラヒドロピラニル-C1-4-アルキル-Oから選択される基を表わすか、或いは、
4-C1-4-アルキルを表わすか(基R4はアルキル基の各炭素原子を介して結合していればよい)、或いは、
4-C2-4-アルキル-Oを表わすか(基R4は少なくとも2個の炭素原子により酸素原子から隔離されている)、或いは、
ピロリジン-2-イル-C1-4-アルキル-O、ピロリジン-3-イル-C1-4-アルキル-O、ピペリジン-2-イル-C1-4-アルキル-O、ピペリジン-3-イル-C1-4-アルキル-O、ピペリジン-4-イル-C1-4-アルキル-O、アゼパン-2-イル-C1-4-アルキル-O、アゼパン-3-イル-C1-4-アルキル-O、アゼパン-4-イル-C1-4-アルキル-O、モルホリン-2-イル-C1-4-アルキル-O、モルホリン-3-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピロリジン-2-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピロリジン-3-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピペリジン-2-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピペリジン-3-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-ピペリジン-4-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-アゼパン-2-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-アゼパン-3-イル-C1-4-アルキル-O、1-(C1-3-アルキル)-アゼパン-4-イル-C1-4-アルキル-O、4-(C1-3-アルキル)-モルホリン-2-イル-C1-4-アルキル-O-及び4-(C1-3-アルキル)-モルホリン-3-イル-C1-4-アルキル-Oから選択される基を表わし、
4は、OH、C1-3-アルキル-O、C3-6-シクロアルキル-O、NH2、C1-3-アルキル-NH、(C1-3-アルキル)2N、(2-メトキシエチル)2N、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、アゼパン-1-イル、モルホリン-4-イル、1,4-オキサゼパン-4-イル、2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2,2,1]ヘプタ-5-イル、3-オキサ-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル、ピペラジン-1-イル、4-(C1-3-アルキル)-ピペラジン-1-イル、1,4-ジアゼパン-1-イル、4-(C1-3-アルキル)-1,4-ジアゼパン-1-イル、HCO-NH、C1-4-アルキル-CO-NH、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキル-CO-NH、C1-4-アルキル-O-CO-NH、H2NCONH、C1-3-アルキル-NH-CO-NH、(C1-3-アルキル)2N-CONH、ピロリジン-1-イル-CO-NH、ピペリジン-1-イル-CO-NH、ピペラジン-1-イル-CO-NH、4-(C1-3-アルキル)-ピペラジン-1-イル-CO-NH、モルホリン-4-イル-CO-NH-及びC1-4-アルキル-SO2-NHから選択される基であって、同じであっても異なっていてもよく、
前記基Rdの定義におけるピロリジニル、ピペリジニル、アゼパン-1-イル、ピペラジニル、1,4-ジアゼパン-1-イル、モルホリニル-及び1,4-オキサゼパン-4-イルはそれぞれ、更に1個又は2個のC1-3-アルキル基で置換されていてもよく、また、
前記フェニル基は基R5によってモノ置換又はジ置換されていてもよく、
5は水素、又は、F、Cl、Br、I、OH、CN、C1-3-アルキル、C1-3-アルキル-O、CHF2、CF3、-O-CHF2及び-O-CF3から選択される基であり、同じであっても異なっていてもよく、
特に記載のない限り、前記アルキル基は直鎖又は分岐されていてもよく、
Aは-CO又は-C1-C3-アルキレンを表わし、前記-C1-C3-アルキレン-基は、基R6により1-、2-、3-又は4-置換されていてもよく、
6は同じであっても異なっていてもよく、水素、又は、OH、C1-C4-アルキル及び-O-C1-C4-アルキルから選択される基を示すことを特徴とする化合物であって、その互変異性体、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、それらの混合物の形態であってもよく、また、医薬的に許容できる酸付加塩の形態であってもよい化合物。
【請求項2】
前記式中、
aが3-クロロ-2-フルオロ-フェニル、3-クロロ-4-フルオロ-フェニル、5-クロロ-2-フルオロ-フェニル、2-フルオロ-3-メチル-フェニル、2-フルオロ-5-メチル-フェニル、4-フルオロ-3-メチル-フェニル-及び3-クロロ-2-メチル-フェニルから選択される基を表わし、
b及びRcが同じでも異なっていてもよく、水素又はC1-3-アルキルを表わし、
dがC1-3-アルキル-Oを表わし、
特に記載のない限り、前記アルキル基は直鎖でも分岐していてもよく、
Aが-CH2CH2を表わし、前記-CH2CH2-基は1個又は2個のメチル基で置換されていてもよい化合物であって、その互変異性体、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、それらの混合物の形態であってもよく、医薬的に許容できる酸付加塩の形態であってもよい、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の式(I)の化合物の医薬品としての使用。
【請求項4】
前記使用が気道の炎症性疾患又はアレルギー性疾患に関与することを特徴とする、請求項3の使用。
【請求項5】
前記使用が、慢性気管支炎、急性気管支炎、細菌感染又はウイルス感染或いは菌類又は蠕虫による気管支炎、アレルギー性気管支炎、中毒性気管支炎、慢性閉塞性気管支炎 (COPD)、喘息(内因性又はアレルギー性)、小児喘息、気管支拡張症、アレルギー性肺胞炎、アレルギー性又は非アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、嚢胞性線維症又は膵嚢胞性線維症、α-1-アンチトリプシン欠乏症、咳、肺気腫、間質性肺疾患、肺胞炎、気道過敏、鼻茸、肺水腫、様々な原因による肺臓炎、例えば放射線誘発性又は誤嚥による肺臓炎又は感染性肺炎、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、サルコイドーシス及びベック病等のコラゲノーシスから選択される疾病に関与することを特徴とする、請求項3又は4記載の使用。
【請求項6】
前記使用が、自己免疫反応が関与する炎症性又はアレルギー性障害とかかわることを特徴とする、請求項3記載の使用。
【請求項7】
前記使用が、良性又は悪性腫瘍という形態の疾病にかかわることを特徴とする、請求項3又は6記載の使用。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の式(I)の化合物を含む医薬製剤。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の式(I)の化合物を含む、請求項8記載の経口投与医薬製剤。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の式(I)の化合物1種以上にくわえて、ベータ受容体刺激薬、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、さらにPDE4-阻害剤、LTD4-拮抗薬、EGFR-阻害剤、ドーパミン作動薬、ヒスタミンH1拮抗薬、PAF-拮抗薬、PI3-キナーゼ阻害剤の分類のなかから選択される1種以上の化合物或いはこれらの2種又は3種の組み合わせを更なる有効成分として含む医薬組成物。

【公表番号】特表2011−511021(P2011−511021A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545404(P2010−545404)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/000805
【国際公開番号】WO2009/098061
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】