説明

スピンドルアセンブリ

【課題】 エア供給量を増やすことなく、スピンドルの高速回転が可能なスピンドルアセンブリを提供することである。
【解決手段】 スピンドルアセンブリであって、エア供給路を有するスピンドルハウジングと、中心に形成されたスピンドル挿入穴と、前記エア供給路からの圧縮エアを該スピンドル挿入穴に供給する複数の分岐路とを有し、前記スピンドルハウジング中に圧入されたベアリングシャフトと、該ベアリングシャフトのスピンドル挿入穴中に挿入されたスピンドルと、該スピンドルと前記ベアリングシャフトのスピンドル挿入穴を画成する内壁との間に形成されたラジアルエアベアリングと、前記エア供給路及び前記分岐路を介して前記ラジアルエアベアリングに圧縮エアを供給する圧縮エア供給源とを具備し、前記スピンドルの非回転時に該スピンドルの中心が前記スピンドル挿入穴の中心に対して下方側へ3〜10μm偏心し、前記スピンドルと前記内壁最下端との間の隙間が5〜30μmであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削ブレードが装着されるスピンドルアセンブリ及び該スピンドルアセンブリを備えた切削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の数多くのデバイスが表面に形成され、且つ個々のデバイスが分割予定ライン(ストリート)によって区画された半導体ウエーハは、研削装置によって裏面が研削されて所定の厚みに加工された後、切削装置によって分割予定ラインを切削して個々のデバイスに分割され、携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
【0003】
ウエーハを個々のデバイスに分割する切削装置(ダイシング装置)は、ウエーハを保持するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持されたウエーハの分割予定ラインを切削する切削ブレードを回転可能に支持した切削手段と、切削手段のスピンドルを回転可能に支持するエアベアリングに圧縮エアを供給する圧縮エア供給源とを具備しており、ウエーハを高精度に個々のデバイスに分割することができる。
【0004】
切削装置のスピンドルを回転可能に支持するエアベアリングは、例えば特開平7−208474号公報及び特開平11−117939号公報に開示されており、ラジアル軸受部及びスラフト軸受部のエアベアリングから構成されている。
【0005】
特開平11−117939号公報に開示されたエアベアリングでは、スピンドルと一体的に形成されたスラフトプレートの外周面にもエアベアリングから成るラジアル軸受部を設けることにより、ラジアル方向の剛性を高めスピンドルの微小のぶれを防止している。
【特許文献1】特開平7−208474号公報
【特許文献2】特開平11−117939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スピンドルをラジアルエアベアリング及びスラフトエアベアリングで回転可能に支持するスピンドルアセンブリでは、スピンドルの自重による沈み込みとスピンドルの回転に伴って、スピンドル下方のエア密度が上方側に比べて高くなる。
【0007】
このエア密度差によってスピンドルには浮力が生じるが、スピンドルが上方へ移動するとスピンドルより下方側のエア密度が下がるため、スピンドルの沈み込みが発生し、その結果スピンドルの上下運動が生じることになる。
【0008】
スピンドルの上下運動範囲が非常に大きくなると、スピンドルがラジアルエアベアリングを画成するスピンドルハウジングの内壁に接触し、かじり現象が発生する。このスピンドルの上下運動を抑制するために、ラジアルエアベアリングにはオリフィスを通じてラジアル方向に0.4〜0.7MPa程度の圧縮エアが供給されている。
【0009】
しかし、回転が高速になるにつれてスピンドルの上下運動(振動)は加速度的に増大し、上下運動を抑制するために必要なエア量も飛躍的に増大するという問題がある。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、供給エア量を増やすことなく、スピンドルの高速回転が可能なスピンドルアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によると、スピンドルアセンブリであって、エア供給路を有するスピンドルハウジングと、中心に形成されたスピンドル挿入穴と、前記エア供給路からの圧縮エアを該スピンドル挿入穴に供給する複数の分岐路とを有し、前記スピンドルハウジング中に圧入されたベアリングシャフトと、該ベアリングシャフトのスピンドル挿入穴中に挿入されたスピンドルと、該スピンドルと前記ベアリングシャフトのスピンドル挿入穴を画成する内壁との間に形成されたラジアルエアベアリングと、前記エア供給路及び前記分岐路を介して前記ラジアルエアベアリングに圧縮エアを供給する圧縮エア供給源とを具備し、前記スピンドルの非回転時に該スピンドルの中心が前記スピンドル挿入穴の中心に対して下方側へ3〜10μm偏心し、前記スピンドルと前記内壁最下端との間の隙間が5〜30μmであることを特徴とするスピンドルアセンブリが提供される。
【0012】
好ましくは、分岐路を介して供給されるスピンドルの中心より上方側からの圧縮エアの供給量は、スピンドルの中心より下方側からの圧縮エアの供給量に対して1倍より多く、4倍以下である。好ましくは、ラジアルエアベアリングに供給される圧縮エアは0.4〜0.7MPaである。
【0013】
好ましくは、スピンドルアセンブリは、前記各分岐路に設けられた複数のオリフィスを更に具備し、該スピンドルの中心より上方側に設けられたオリフィスの径が下方側に設けられたオリフィスの径より大きい。
【0014】
代替案として、スピンドルアセンブリは、前記各分岐路に設けられた同一径の複数のオリフィスを更に具備し、前記スピンドルの中心より上方側に設けられた分岐路の数が下方側に設けられた分岐路の数より多い。
【発明の効果】
【0015】
本発明のスピンドルアセンブリでは、ラジアルエアベアリングをスピンドルの下方側で薄く、上方側で厚くなるように設定したので、スピンドルの自重による沈み込みとスピンドルの高速回転に伴って下側のラジアルエアベアリングのエア密度が上方側のラジアルエアベアリングに比べて高くなるが、スピンドルの上方側から圧縮エアが多く供給されるので、エア密度差によってスピンドルに発生する浮力を抑制することができ、スピンドルが高速回転した際にスピンドルの中心とスピンドル挿入穴の中心を合致させることができる。従って、供給圧縮エア量を増量させることなく、スピンドルの上下運動を抑制し、スピンドルを高速回転することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は半導体ウエーハをダイシングして個々のチップ(デバイス)に分割することのできる本発明実施形態に係るスピンドルアセンブリを具備した切削装置2の外観を示している。
【0017】
切削装置2の前面側には、オペレータが加工条件等の装置に対する指示を入力するための操作手段4が設けられている。装置上部には、オペレータに対する案内画面や後述する撮像手段によって撮像された画像が表示されるCRT等の表示手段6が設けられている。
【0018】
図2に示すように、ダイシング対象のウエーハWの表面においては、第1のストリートS1と第2ストリートS2とが直交して形成されており、第1のストリートS1と第2のストリートS2とによって区画されて多数のデバイスDがウエーハW上に形成されている。
【0019】
ウエーハWは粘着テープであるダイシングテープTに貼着され、ダイシングテープTの外周縁部は環状フレームFに貼着されている。これにより、ウエーハWはダイシングテープTを介してフレームFに支持された状態となり、図1に示したウエーハカセット8中にウエーハが複数枚(例えば25枚)収容される。ウエーハカセット8は上下動可能なカセットエレベータ9上に載置される。
【0020】
ウエーハカセット8の後方には、ウエーハカセット8から切削前のウエーハWを搬出するとともに、切削後のウエーハをウエーハカセット8に搬入する搬出入手段10が配設されている。ウエーハカセット8と搬出入手段10との間には、搬出入対象のウエーハが一時的に載置される領域である仮置き領域12が設けられており、仮置き領域12には、ウエーハWを一定の位置に位置合わせする位置合わせ手段14が配設されている。
【0021】
仮置き領域12の近傍には、ウエーハWと一体となったフレームFを吸着して搬送する旋回アームを有する搬送手段16が配設されており、仮置き領域12に搬出されたウエーハWは、搬送手段16により吸着されてチャックテーブル18上に搬送され、このチャックテーブル18に吸引されるとともに、複数の固定手段19によりフレームFが固定されることでチャックテーブル18上に保持される。
【0022】
チャックテーブル18は、回転可能且つX軸方向に往復動可能に構成されており、チャックテーブル18のX軸方向の移動経路の上方には、ウエーハWの切削すべきストリートを検出するアライメント手段20が配設されている。
【0023】
アライメント手段20は、ウエーハWの表面を撮像する撮像手段22を備えており、撮像により取得した画像に基づき、パターンマッチング等の処理によって切削すべきストリートを検出することができる。撮像手段22によって取得された画像は、表示手段6に表示される。
【0024】
アライメント手段20の左側には、チャックテーブル18に保持されたウエーハWに対して切削加工を施す切削手段24が配設されている。切削手段24はアライメント手段20と一体的に構成されており、両者が連動してY軸方向及びZ軸方向に移動する。
【0025】
切削手段24は、回転可能なスピンドル26の先端に切削ブレード28が装着されて構成され、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。切削ブレード28は撮像手段22のX軸方向の延長線上に位置している。
【0026】
図3を参照すると、スピンドルと、スピンドルに装着されるブレードマウントとの関係を示す分解斜視図が示されている。スピンドルアセンブリ30のスピンドルハウジング32中には、図示しないサーボモータ又はシンクロナスモータにより回転駆動されるスピンドル26が回転可能に収容されている。スピンドル26はテーパ部26a及び先端小径部26bを有しており、先端小径部26bには雄ねじ34が形成されている。
【0027】
36はボス部(凸部)38と、ボス部38と一体的に形成された固定フランジ40とから構成されるブレードマウントであり、ボス部38には雄ねじ42が形成されている。さらに、ブレードマウント36は装着穴43を有している。
【0028】
ブレードマウント36は、装着穴43をスピンドル26の先端小径部26b及びテーパ部26aに挿入して、ナット44を雄ねじ34に螺合して締め付けることにより、図4に示すようにスピンドル26の先端部に取り付けられる。
【0029】
図4はブレードマウント36が固定されたスピンドル26と、切削ブレード28との装着関係を示す分解斜視図である。切削ブレード28はハブブレードと呼ばれ、円形ハブ48を有する円形基台46の外周にニッケル母材中にダイヤモンド砥粒が分散された切刃50が電着されて構成されている。
【0030】
切削ブレード28の装着穴52をブレードマウント36のボス部38に挿入し、固定ナット54をボス部38の雄ねじ42に螺合して締め付けることにより、切削ブレード28がスピンドル26に取り付けられる。
【0031】
図5を参照すると、切削手段24の拡大斜視図が示されている。60は切削ブレード28をカバーするブレードカバーであり、このブレードカバー60には切削ブレード28の側面に沿って伸長する図示しない切削水ノズルが取り付けられている。切削水が、パイプ72を介して図示しない切削水ノズルに供給される。
【0032】
62は着脱カバーであり、ねじ64によりブレードカバー60に取り付けられる。着脱カバー62は、ブレードカバー60に取り付けられた際、切削ブレード28の側面に沿って伸長する切削水ノズル70を有している。切削水は、パイプ74を介して切削水ノズル70に供給される。
【0033】
66はブレード検出ブロックであり、ねじ68によりブレードカバー60に取り付けられる。ブレード検出ブロック66には発光素子及び受光素子からなる図示しないブレードセンサが取り付けられており、このブレードセンサにより切削ブレード28の切刃50の状態を検出する。
【0034】
ブレードセンサにより切刃50の欠け等を検出した場合には、切削ブレード28を新たな切削ブレードに交換する。76はブレードセンサの位置を調整するための調整ねじである。
【0035】
次に図6及び図7を参照して、本発明実施形態に係るスピンドルアセンブリ30について詳細に説明する。スピンドルハウジング32には、圧縮エア供給源80からの圧縮エアが供給されるエア供給口82と、エア供給口82に連通されたエア供給路84が形成されている。
【0036】
スピンドルハウジング32の内壁部分には、軸方向に離間した複数の環状供給路85が形成されている。スピンドルハウジング32中には、ベアリングシャフト86が例えば焼きばめ等により圧入されている。ベアリングシャフト86は中心に形成されたスピンドル挿入穴88を有しており、このスピンドル挿入穴88中にスピンドル26が挿入されている。
【0037】
ベアリングシャフト86は更に、各環状供給路85から半径方向内側に伸長し、圧縮エアをスピンドル挿入穴88に供給する複数の分岐路92を有している。各分岐路92中には、所定の開口径を有するオリフィス94が挿入されている。オリフィスの開口径は例えば0.15mmである。
【0038】
スピンドル26は一体的に形成されたスラフトプレート26aを有している。ベアリングシャフト86には、このスラフトプレート26aを挟んで半径方向に伸長する分岐路96,98と、各分岐路96,98に連通した環状供給路100が形成されている。
【0039】
各環状供給路100に連通して軸方向にスラフトプレート26aに向かって伸長する複数の軸方向分岐路102が形成されている。各軸方向分岐路102中には所定の開口径を有するオリフィス104が挿入されている。
【0040】
圧縮エアがスピンドル挿入穴88中に供給されない状態においては、スピンドル26を支えるものがないため、スピンドル26はベアリングシャフト86のスピンドル挿入穴88を画成する底壁に接触している。
【0041】
圧縮エア供給源80からエア供給口82、エア供給路84、環状供給路85、分岐路92及びオリフィス94を介して圧縮エアをスピンドル挿入穴88中に供給すると、スピンドル26は圧縮エアに支持され図6及び図7に示したように浮上し、スピンドル26とベアリングシャフト86のスピンドル挿入穴88を画成するベアリングシャフト86の内壁との間にラジアルエアベアリング90が形成される。
【0042】
本実施形態では、図7(B)に示すように、オリフィス94の開口径を一定として、スピンドルシャフト26の中心より上方側に配置した分岐路92の数、即ちオリフィス94の数を、スピンドル26の中心より下側に配置した分岐路92の数、即ちオリフィス94の数より大きく設定している。
【0043】
よって、スピンドル挿入穴88中に圧縮エアが供給され、スピンドル26が回転しない定常状態において、スピンドル26の中心がスピンドル挿入穴88の中心に対して下方側へ偏心している。好ましくは、この偏心量は3〜10μmである。更に、スピンドル26とスピンドル挿入穴88を画成する内壁最下端との間の隙間は5〜30μmである。
【0044】
これにより、図7(A)及び図7(B)に示すように、スピンドル26より上側のラジアルエアベアリング90aは厚く、下側のラジアルエアベアリング90bは薄い状態となる。
【0045】
図6を再び参照すると、エア供給路84からの圧縮エアは、分岐路96,98、環状供給路100、軸方向分岐路102及びオリフィス104を介してスラフトプレート26aの両側に供給され、スラフトエアベアリング106を形成する。
【0046】
スピンドル上方側からと下方側からの最適エア供給バランスを探るため、上方側からのエア供給量を下方側からのエア供給路に対して1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍とし、スピンドル26を高速回転(60000〜90000rpm)する実験を行った。
【0047】
実験の結果、1.5倍〜4倍ではスピンドル26の上下運動無く回転が可能であり、特に1.5倍、2倍、2.5倍、3倍では安定したスピンドルの回転が可能であった。3.5倍、4倍では比較的安定したスピンドルの回転が得られたが、4.5倍ではスピンドル26の上下運動が大きく発生した。
【0048】
上方側からのエア供給量が1倍以下では本発明の効果を全く期待できないので、スピンドル26の中心より上方側からの圧縮エアの供給量は、スピンドルの中心より下方側からの圧縮エアの供給量に対して1倍より多く、4倍以下が好ましい。また、ラジアルエアベアリング90に供給される圧縮エアは0.4〜0.7MPaであることが好ましい。
【0049】
本実施形態では、スピンドル26の下方側に1個のオリフィス94を設け、上方側に3個のオリフィス94を設けているが、オリフィスの数はこれに限定されるものではなく、スピンドル26の上方側のオリフィスの数が下方側のオリフィスの数より多ければ本発明の効果を期待できる。
【0050】
また、スピンドル26の上方側のエア供給量を下方側のエア供給量より多くすれば本発明の効果を期待できるので、スピンドル26の上方側及び下方側に形成した分岐路の数(オリフィスの数)は同じにして、上方側のオリフィスの開口径を下方側のオリフィスの開口径より大きくするようにしても良い。
【0051】
上述した実施形態によれば、ラジアルエアベアリングをスピンドル26の下方側で薄く、上方側で厚くなるように設定したので、スピンドル26の自重による沈み込みとスピンドル26の高速回転に伴って下側のラジアルエアベアリング90bのエア密度が上方側のラジアルエアベアリング90aに比べて高くなるが、スピンドル26の上方側から圧縮エアが多く供給されるので、エア密度差によってスピンドル26に発生する浮力を抑制することができ、スピンドル26が高速回転した際にスピンドル26の中心とスピンドル挿入穴88の中心を合致させることができる。従って、供給圧縮エア量を増量させることなく、スピンドルの上下運動を抑制し、スピンドルを高速回転することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明を適用するのに適した切削装置の外観斜視図である。
【図2】フレームと一体化されたウエーハを示す斜視図である。
【図3】スピンドルユニットと、スピンドルに固定されるべきブレードマウントとの関係を示す分解斜視図である。
【図4】スピンドルユニットと、スピンドルに装着されるべきハブブレードとの関係を示す分解斜視図である。
【図5】切削手段の拡大斜視図である。
【図6】本発明実施形態の縦断面図である。
【図7】図7(A)は図6の7A−7A線断面図、図7(B)は図6の7B−7B線断面図である。
【符号の説明】
【0053】
2 切削装置
18 チャックテーブル
24 切削手段
26 スピンドル
26a スラフトプレート
28 切削ブレード
30 スピンドルアセンブリ
32 スピンドルハウジング
80 圧縮エア供給源
84 エア供給路
85 環状供給路
86 ベアリングシャフト
88 スピンドル挿入穴
90,90a,90b ラジアルエアベアリング
92 分岐路
94 オリフィス
96,98 分岐路
100 環状供給路
102 軸方向分岐路
104 オリフィス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピンドルアセンブリであって、
エア供給路を有するスピンドルハウジングと、
中心に形成されたスピンドル挿入穴と、前記エア供給路からの圧縮エアを該スピンドル挿入穴に供給する複数の分岐路とを有し、前記スピンドルハウジング中に圧入されたベアリングシャフトと、
該ベアリングシャフトのスピンドル挿入穴中に挿入されたスピンドルと、
該スピンドルと前記ベアリングシャフトのスピンドル挿入穴を画成する内壁との間に形成されたラジアルエアベアリングと、
前記エア供給路及び前記分岐路を介して前記ラジアルエアベアリングに圧縮エアを供給する圧縮エア供給源とを具備し、
前記スピンドルの非回転時に該スピンドルの中心が前記スピンドル挿入穴の中心に対して下方側へ3〜10μm偏心し、前記スピンドルと前記内壁最下端との間の隙間が5〜30μmであることを特徴とするスピンドルアセンブリ。
【請求項2】
前記分岐路を介して供給される前記スピンドルの中心より上方側からの圧縮エアの供給量が該スピンドルの中心より下方側からの圧縮エアの供給量に対して1倍より多く、4倍以下であることを特徴とする請求項1記載のスピンドルアセンブリ。
【請求項3】
前記ラジアルエアベアリングに供給される圧縮エアは0.4〜0.7MPaであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のスピンドルアセンブリ。
【請求項4】
前記各分岐路に設けられた複数のオリフィスを更に具備し、
該スピンドルの中心より上方側に設けられたオリフィスの径が下方側に設けられたオリフィスの径より大きいことを特徴とする請求項2記載のスピンドルアセンブリ。
【請求項5】
前記各分岐路に設けられた同一径の複数のオリフィスを更に具備し、
前記スピンドルの中心より上方側に設けられた分岐路の数が下方側に設けられた分岐路の数より多いことを特徴とする請求項2記載のスピンドルアセンブリ。
【請求項6】
被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削ブレードが装着されたスピンドルアセンブリとを備えた切削装置において、
該スピンドルアセンブリは請求項1〜5のいずれかに記載のスピンドルアセンブリから構成されることを特徴とする切削装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−144788(P2009−144788A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321473(P2007−321473)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】