説明

スピーカ装置

【課題】低音域の音質を低下させることなく、音声を放音することができる小型且つ薄型のスピーカ装置を提供する。
【解決手段】スピーカ装置の筐体1の正面壁11には、ツィータ3、ウーハ2、導音管20の開口部25が配置されている。導音管20は、延びる方向に垂直な断面が幅広な長方形となる形状であり、正面壁11側に開口部25を有し、裏面壁4側へ延び、側面壁15と裏面壁4との接続位置で屈曲し、底面壁13から天面壁12に延びる形状からなる。筐体1の裏面壁4側には、垂直中間壁14Bが設置され、この垂直中間壁14Bにはドロンコーン5設置されている。ドロンコーン5は、ウーハ2からの音声に対して低音域を増強して、導音管20に伝搬する。導音管20に伝搬された低音増強音波は、導音管20内を伝搬して開口部25から放音される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気信号を音声に変換して放音するスピーカ装置、特に、厚み方向の厚みが薄い壁埋め込み用等の薄型スピーカ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気信号を音声に変換して放音するスピーカ装置として各種構造のスピーカ装置が存在する。このようなスピーカ装置では、スピーカユニットの形状および特性により再生可能な周波数帯域が決まっており、一般的に口径が小さいほど高域再生を得意とし、口径が大きいほど低域再生を得意とする。したがって、スピーカ装置の形状が小型化されると、必然的にスピーカユニットの口径が小さくなり、高域再生特性が良くなくなる傾向がある。これを解決する方法として、各種の低域補助再生手段が開示されている。例えば、一般的には、スピーカ装置の筐体に低音用ポートを追加したり、ドロンコーンを追加したり、バックロードホーンを追加する。具体的に、特許文献1は、バックロードホーンを追加したものであり、スピーカユニットの裏面側に発生する音をバックロードホーンで増幅して放音するものである。
【特許文献1】特開2000−92583公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、スピーカ装置の使用用途として、カラオケボックスのような比較的小空間内に配置したり、ボックスの壁に埋め込んで配置するような場合がある。
【0004】
しかしながら、このような場合、場所的な制約から大型のスピーカ装置を置くことができず、ボックス内にいる歌唱者や聴者に低音域まで再生し、迫力ある音声を提供することが難しい。例えば、前述の低音用ポートを用いる場合、低域で共振を起こさせるには、ポートの長さが必要であり、必然的に筐体にある程度の奥行き(厚み)が必要となり、低音域の音質を維持しながら筐体を小型化することが難しい。また、ドロンコーンをスピーカ装置の正面壁に設置する場合には、少なくとも、スピーカユニットを追加で設けるのと同じ面積を必要とするため、小型化することができない。また、ドロンコーンをスピーカ装置の背面壁に設置する場合には、壁に埋め込むことができない。また、バックロードホーンを用いる場合、小型化は無理ではないが、スピーカから筐体内の音伝播経路を介して前面に放音されるに当たり、音伝播経路を長く取らなければならず、筐体内部構造が複雑になる。そして、このような筐体内部構造の複雑化により、歪音等が発生し、結果的に音質が低下してしまう可能性がある。また、構造が複雑であるので、設計どおりの特性を実現することが容易ではない。
【0005】
したがって、本発明の目的は、小型でありながら、さらには壁に埋め込む等しても低音域の音質を低下させることなく、音声を放音することができる簡素な構造のスピーカ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)この発明のスピーカ装置は、互いに対向する第一壁と第二壁とを有し、該第一壁と該第二壁との設置間隔である厚みが、前記第一壁および前記第二壁の長さおよび幅よりも短い略直方体形状の筐体を備える。このスピーカ装置の筐体には、第一壁に設置されたスピーカユニットと、第二壁と前記スピーカユニットとの間に第二壁に沿って形成された中間壁と、該中間壁に設置され、第二壁側を放音方向とするドロンコーンと、第一壁に開口部が形成され、ドロンコーンで補強された音波を開口部に導く導音管と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
この構成では、スピーカ装置の主たる放音面である第一壁に配置されたスピーカユニットからの音声が放音されるとともに、スピーカユニットからの音声により、筐体内部の第二壁側に設置されたドロンコーンを駆動し、ドロンコーンから低音が増強された音声が放音される。ドロンコーンから放音された低音増強音声は、導音管により第一壁に設置された開口部から外部に放音される。これにより、ドロンコーンからの低音増強音声が、スピーカユニットから放音された音声と同方向に向けて放音される。この際、ドロンコーンは、導音管を介して第二壁と隔てられているので、このスピーカ装置を壁に埋め込んでも、この第二壁が壁に接触するのみで、ドロンコーンが壁に直接接触することがない。
【0008】
(2) この発明のスピーカ装置の導音管は、第二壁に沿って延びる形状の第一部分導音管と、該第一部分導音管と開口部とを繋ぐ第二部分導音管とを備える。そして、このスピーカ装置のドロンコーンは、第一部分導音管の第二部分導音管への接続側と対向する側に設置されていることを特徴としている。
【0009】
この構成では、ドロンコーンが導音管における開口部から最も遠い第一部分導音管部の最奥端の位置に当たり、ドロンコーンが振動しても、導音管を伝播する音声(空気)の流れを妨げることがない。これにより、低音増強音声を、より効率的に開口部に伝搬することができる。
【0010】
(3) この発明のスピーカ装置のドロンコーンは、放音面が第二壁に対して所定角を成し、且つ放音方向が第二部分導音管方向となる態様に設置されていることを特徴としている。
【0011】
この構成では、ドロンコーンの放音面に垂直な方向、すなわち放音方向の中心軸方向が、第一部分導音管の延びる方向に対して、垂直ではない所定角で交わる。この際、放音方向が第二部分導音管方向に向くことで、ドロンコーンからの低音増強音声がスムーズに第一部分導音管、第二部分導音管と介して開口部に伝搬される。これにより、低音増強音声を、より効率的に開口部に伝搬することができる。
【0012】
(4) また、この発明のスピーカ装置の導音管は、第一壁の幅に略一致する幅を有し、延びる方向に垂直な断面が長方形状の管状体からなることを特徴としている。
【0013】
この構成では、導音管の開口部が第一壁の表面の幅に略一致することから、導音管の開口部の第一壁の長さ方向に対応する長さが短くても、導音管の断面面積を大きく取ることができる。これにより、導音管で低域音声を伝播する際に歪波のような不要波が発生することを抑圧することができる。
【0014】
(5)また、この発明のスピーカ装置の導音管は、ドロンコーンの設置位置付近の断面積が広くなる形状からなることを特徴としている。
【0015】
この構成では、導音管の断面積がドロンコーン付近で広いことで、より効果的に低音増強を行うことができる。
【0016】
(6) また、この発明のスピーカ装置の導音管は、第一部分導音管と第二部分導音管との接続部が低い空気抵抗を有する形状で形成されていることを特徴としている。
【0017】
この構成では、第一部分導音管から第二部分導音管への空気の流れにくさ、すなわち、音波の伝搬抵抗が低くなるので、増幅された音声を、より効率的に開口部へ伝搬することができる。
【0018】
(7) また、この発明のスピーカ装置の第二壁は、筐体に対して着脱可能に形成されていることを特徴としている。
【0019】
この構成では、第二壁が着脱可能であることから、第二壁を筐体から外すことで、ドロンコーンを外部へ露出することができる。これにより、ドロンコーンの共振調整を行う(例えば、重りの重さを変更する等)際に、作業者が簡単に調整を行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、小型且つ薄型であり壁への埋め込みも可能な、低音域を効果的に増幅再生して、より迫力のある音声を再生するスピーカ装置を簡素な構造で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の第1の実施形態に係るスピーカ装置について図を参照して説明する。
図1は本実施形態のスピーカ装置の三面図であり、(A)は正面図、(B)は側面断面図、(C)は裏面壁4を外した状態での裏面図である。
図1に示すように、本実施形態のスピーカ装置は、筐体1、低音域および中音域を主として再生するスピーカユニットであるウーハ2、高音域を主として再生するスピーカユニットであるツィータ3、および、低音を増強するドロンコーン5を備える。
【0022】
筐体1は、長さLと幅Wとが厚みD(D≪W,L)よりも十分に長い構成からなる略直方体形状で外形形状が形成されている。なお、図1に示すスピーカ装置では、長さLは幅W(W<L)よりも長い形状で形成されている。また、本実施形態では、スピーカの放音面を有する壁を正面壁として説明する。
【0023】
筐体1の正面壁11(本発明の「第一壁」に相当)には、高さ方向の上側から順に、ツィータ3、ウーハ2、導音管20の水平管部21(本発明の「第二部分導音管」に相当)の開口部25が配置されている。ツィータ3、ウーハ2は、正面壁11の幅方向の中心にユニットの中心が配置されるように設置されている。この際、ツィータ3は、ウーハ2やドロンコーン5等から独立する閉空間内に配置される。また、図示していないが、ツィータ3およびウーハ2には、これらを振動させるための電気信号を入力する信号ラインが接続されており、外部のオーディオ再生装置やカラオケ装置等から放音信号が入力される。
筐体1の裏面壁4(本発明の「第二壁」に相当)は、筐体1の正面壁11と対向する側へ着脱可能に設置されている。
【0024】
導音管20の水平管部21の開口部は、正面壁11の幅Wと略同等の幅からなり、その高さは、ウーハ2と正面壁11の底面側端部との間で、機構上取り得る限り長く設定されている。水平管部21は、筐体1の底面壁13と側面壁15と水平中間壁14Aとにより、開口部25と同形状の正面断面を有する形状からなり、正面壁11から裏面壁4に至るまで厚みD方向に沿って直線的に延びる形状で形成されている。
【0025】
水平中間壁14Aは、底面壁13と平行に延びる平板状に形成されており、正面壁11に接続するとともに、裏面壁4から所定距離だけ正面壁11側の位置まで延びる形状からなる。水平中間壁14Aの高さ方向の位置は、ウーハ2の設置位置の最下端にほぼ接する位置に設定されている。
【0026】
水平中間壁14Aの裏面壁4側の端部には、垂直中間壁14Bが設置されている。垂直中間壁14Bは、正面壁11、裏面壁4に平行に延びる平板状に形成されており、天面壁12と水平中間壁14Aとに接続する。垂直中間壁14Bの厚み方向の位置は、後述するドロンコーン5からの放音音声の導音管の伝搬特性と筐体1に設定された厚みとに基づき、且つドロンコーン5が筐体1の壁面およびツィータ2に接触しないように適宜設定する。
【0027】
このように形成された垂直中間壁14Bと天面壁12と裏面壁4と各側面壁15とにより、導音管20の垂直管部22(本発明の「第一部分導音管」に相当)が形成される。垂直管部22は、水平管部21と同じ幅からなり、長さ(図1における長さL方向の距離)は底面壁13から天面壁12に至る高さを有する。また、垂直管部22の長さ(図1における厚みD方向の距離)は垂直中間壁14Bと裏面壁4との距離により設定される。このような垂直方向を軸とする垂直管部22と前述の水平方向を軸とする水平管部21とにより、中間で直角に屈曲する形状の導音管20が形成される。なお、導音管は、必ずしも直角に屈曲する形状である必要はなく、空気の流れを妨げないような形状、空気抵抗が低くなる形状であればよい。例えば、垂直管部22と水平管部21との両方に対して軸が鈍角で交わる斜め方向管部を設け、当該斜め方向管部にて垂直管部22と水平管部21を接続しても良い。
【0028】
ドロンコーン5は、垂直中間壁14Bの天面壁12に近い側に設置されている。すなわち、ドロンコーン5の上端が垂直中間壁14Bの天面壁12との接続部の極近傍となるように、ドロンコーン5が設置される。ここで、極近傍とは、ドロンコーン5の設置が可能な程度の幅を少なくとも残した天面壁12から所定距離の範囲を言う。また、ドロンコーン5は、放音面側が裏面壁4側となるように設置される。
【0029】
次に、このような構成のスピーカ装置によって放音される過程を、図2を参照して説明する。
図2は本実施形態のスピーカ装置の放音過程を説明する図である。
外部のオーディオ再生装置やカラオケ装置等から電気信号からなる放音音声信号がウーハ2とツィータ3に印加される。この際、ウーハ2には、低音域(fL)および中音域(fM)を含む放音音声信号が印加され、ツィータ3には、高音域(fH)のみを有する放音音声信号が印加される。ウーハ2とツィータ3は、それぞれに与えられた放音音声信号を再生し、スピーカ装置(筐体1)の正面方向の外部に放音する。すなわち、ウーハ2およびツィータ3のコーンが振動して、コーンから外部側の空気を振動させて、音波を放射する。
【0030】
このように、ウーハ2が放音音声信号を再生する際には、音波が筐体1の外部に伝搬されるだけでなく、筐体1のドロンコーン5にも音波が伝搬される。
【0031】
ドロンコーン5は、この音波に応じて振動し、コーンの形状仕様や等価質量の仕様に応じた低域音声を増幅し、低音増幅音声を導音管20の垂直管部22内に放音する。
【0032】
なお、ドロンコーン5の等価質量を変更する際の調整は、筐体1に設置された裏面壁4を取り外し、ドロンコーン5に必要とする錘を備え付けることなどにより実現される。
【0033】
ドロンコーン5で低音域が増強された音波(DfL:Dは1より大きい定数)は、垂直管部22の空気を振動させ、垂直管部22内を伝搬し、当該垂直管部22より開口部25に近い水平管部21に伝搬される。水平管部21内に伝搬された音波は、垂直管部22側から開口部25側に向けて伝搬される。開口部25に達した音波は、開口部25から筐体1の正面方向に放射される。これにより、開口部25からは、低音域が増幅された音声(DfL)が放音される。この際、導音管20の垂直管部22および水平管部21は、筐体1の幅と同等の幅を有するので、導音管20を伝搬する際に、導音管の口径が小さいことによる不要なモードの周波数成分が発生しない。したがって、ウーハ2で再生された音声の低音域を増強した音声が開口部25から放音される。
【0034】
以上のような構成とすることで、筐体の厚みが薄い形状であっても、低音域を増幅して放音するスピーカ装置を実現することができる。さらに、ドロンコーンが正面壁でなく、裏面壁側に設置されていることで、ウーハと同等もしくは大面積を必要とするドロンコーンを正面壁に配置する必要がない。これにより、スピーカ装置を正面視した形状が小さくなる。この結果、薄型でありながら、さらに小型のスピーカ装置を実現することができる。また、ツィータ3やウーハ2等のスピーカユニットが配置されている正面壁に対向する、スピーカユニットが配置されていない裏面壁側に、ドロンコーンを設置することで、ドロンコーンを駆動させる音波を発生するスピーカユニット(前述の説明ではウーハ2)と同等もしくはよりも大きな面積を要するドロンコーンを、スピーカユニットのみからなるスピーカ装置と変わらない大きさの筐体に配置することができる。
【0035】
このように、本実施形態の構成を用いることで、小型で且つ薄型でありながら、迫力のある重低音を再生し得るスピーカ装置を容易な構成で実現することができる。
また、裏面壁を筐体から取り外し可能に設置することで、筐体内部に設置された振動板の振動特性の調整を容易に行うことができる。
【0036】
また、本実施形態で示したように、正面壁11および裏面壁4の主面に平行な平面において、ウーハ2とドロンコーン5との位置をずらすことにより、より薄型のスピーカ装置を形成することができる。これは、スピーカの位置をずらすことにより、ウーハ2の最奥部(プレートおよびマグネット側)がドロンコーン5の最奥部(ウエイト側)の位置と垂直中間壁14Bとの間に達し、正面壁11から垂直中間壁14Bまでの間隔をウーハ2の奥行きとドロンコーン5の奥行きとを加算した長さよりも短くすることができるからである。
【0037】
次に、第2の実施形態に係るスピーカ装置について図を参照して説明する。
図3は本実施形態のスピーカ装置の三面図であり、(A)は正面図、(B)は側面断面図である。
図4は本実施形態のスピーカ装置の放音過程を説明する図である。
【0038】
本実施形態のスピーカ装置は、ドロンコーン5の設置態様と垂直中間壁14B’が異なるのみで、他の構成は、図1に示した第1の実施形態のスピーカ装置と同じである。したがって、第1の実施形態と異なる部分のみを説明し、他の部分の説明は省略する。
【0039】
本実施形態のスピーカ装置では、ドロンコーン5は、垂直方向すなわち、裏面壁4の主面が広がる平面における垂直導音管22の延びる方向に沿った方向に対して、放音面50が所定角θとなるように設置されている。ここで、角θは、0°ではない鋭角に設定されている。さらに、この際、ドロンコーン5の放音方向(図3における点線大矢印が示す方向)が、裏面壁4に対して垂直な方向ではなく、所定角(90°−θ)で天面壁12側から底面壁13側に向かう方向となるように設置されている。
【0040】
垂直中間壁14B’は、このようなドロンコーン5の設置態様に対応するように、水平中間壁14Aとの接続部側からドロンコーン5設置領域に至る途中の所定位置で、裏面壁4側から正面壁11側へ凹む形状からなる。
【0041】
このような構成とすることで、ドロンコーン5から放音された低音増強音声は、裏面壁4に対して垂直な方向を中心として放音されるのではなく、底面壁13側に所定角でシフトした方向を中心として放音される。
【0042】
図4は、図3に示した構造のスピーカ装置における放音過程を示す図である。
このような構造のスピーカ装置では、ドロンコーン5からの低音増強音声は、裏面壁4に垂直な方向を中心として放音されるのではなく、裏面壁4に対して所定角で、且つ導音管20の垂直管部22における水平管部21方向を中心として放音される。このような放音を行うことで、ドロンコーン5と裏面壁4との間の空間で、ドロンコーン5からの低音増強音声と、裏面壁4からの反射音声と、ドロンコーン5から天面壁12側に伝搬される音声とが溜まり、複雑に作用して不要音声成分が発生することを抑制できる。また、本実施形態に示すように、垂直中間壁14B’がドロンコーン5側で凹む構造を用いることで、ドロンコーン5の直前の空間体積を稼ぐことができ、より効率的に低音増強を行うことができる。
【0043】
ドロンコーン5から垂直管部22に伝搬された低音増強音声は、水平管部21を介して開口部25から筐体1の正面方向に放射される。この際、垂直管部22がドロンコーン5付近で断面積が大きく、水平管部21側に向けて徐々に断面積が小さくなる構造となっていることで、導音管壁の不連続による不要な空気抵抗の発生を抑制することができる。そして、開口部25からは、低音域が増幅された、よりドロンコーン5の放音時に近い音声(D’fL)が放音される。
【0044】
以上のような構成とすることで、低音域を増幅し、さらに不要音声成分の少ない音声を放音するスピーカ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】第1の実施形態に係るスピーカ装置の三面図である。
【図2】第1の実施形態のスピーカ装置の放音過程を説明する図である。
【図3】第2の実施形態に係るスピーカ装置の三面図である。
【図4】第2の実施形態のスピーカ装置の放音過程を説明する図である。
【符号の説明】
【0046】
1−筐体、2−ウーハ、3−ツィータ、4−裏面壁、5−ドロンコーン、11−正面壁、12−天面壁、13−底面壁、14A−水平中間壁、14B、14B’−垂直中間壁、15−側面壁、20−導音管、21−水平管部、22−垂直管部、25−開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第一壁と第二壁とを有し、該第一壁と該第二壁との設置間隔である厚みが、前記第一壁および前記第二壁の長さおよび幅よりも短い略直方体形状の筐体と、
前記第一壁に設置されたスピーカユニットと、
前記第二壁と前記スピーカユニットとの間に前記第二壁に沿って形成された中間壁と、
該中間壁に設置され、前記第二壁側を放音方向とするドロンコーンと、
前記第一壁に開口部が形成され、前記ドロンコーンで補強された音波を前記開口部に導く導音管と、
を備えたスピーカ装置。
【請求項2】
前記導音管は、前記第二壁に沿って延びる形状の第一部分導音管と、該第一部分導音管と前記開口部とを繋ぐ第二部分導音管とを備え、
前記ドロンコーンは、前記第一部分導音管の前記第二部分導音管への接続側と対向する側に設置されている
請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記ドロンコーンは、放音面が前記第二壁に対して所定角を成し、且つ放音方向が第二部分導音管方向となる態様に設置されている請求項2に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
前記導音管は、前記第一壁の幅に略一致する幅を有し、延びる方向に垂直な断面が長方形状の管状体からなる請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項5】
前記導音管は、前記ドロンコーンの設置位置において断面積が広くなる形状からなる請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項6】
前記導音管は、前記第一部分導音管と前記第二部分導音管との接続部が、低い空気抵抗を有する形状で形成されている請求項2〜請求項5のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項7】
前記第二壁は、前記筐体に対して着脱可能に形成されている請求項1〜請求項6のいずれかに記載のスピーカ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−205895(P2008−205895A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40505(P2007−40505)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】