スプレーガン貯蔵器用のバルブクロージャ
塗料貯蔵器(111)は、使用時に塗料を貯蔵器(111)からスプレーガンに移すための、スプレーガンに接続可能な出口を有する。出口には、貯蔵器(111)からの塗料の流れを制御するために出口を開閉するバルブ装置(130)が設けられている。バルブ装置(130)は、出口が閉鎖される後退位置と出口が開放される伸長位置との間で注ぎ口(117)上を軸方向に摺動可能な外部スリーブを有する。注ぎ口(117)は、貯蔵器(111)の蓋(115)と一体的であり、スリーブは、貯蔵器(111)をスプレーガンに取り付けるアダプタに押込嵌合する。スリーブには、貯蔵器(111)をスプレーガンに離脱可能に固定するようにアダプタに係合可能なリテーナフック(142)のための支持アーム(140)が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴霧装置におけるまたはそれに関連する改良に関する。本発明は、特に、但し排他的にではなく、塗料、ラッカーまたは同様のコーティング材等の液体を噴霧するスプレーガンに対し適用可能である。より詳細には、本発明は、内部の液体をスプレーガンに移すためのスプレーガンに接続可能な出口を有する貯蔵器に関する。
【背景技術】
【0002】
スプレーガンは、車体修理店において、事故の後に修理された車両に再吹付け塗装を行う場合に広く使用される。既知のスプレーガンでは、塗料は、ガンに取り付けられた貯蔵器からスプレーノズルに供給される。塗料は、スプレーノズルから出てくると、ノズルに供給される圧縮空気により霧化され噴霧を形成する。塗料は、重力供給される場合があり、あるいは、より最近では、圧縮空気ラインから貯蔵器に抽気される空気により加圧供給される場合がある。
【0003】
典型的な貯蔵器は、塗料ポットから構成され、塗料ポットは、底部に、スプレーガンに取り付けられる出口を有し、上部に、塗料をスプレーガンに分配するためにポットに導入する際に使用することができる取外し可能なキャップを有する。
【0004】
この構成により、貯蔵器の塗料を変える場合に、仕上げに悪影響を与える可能性のある二次汚染を回避するために、スプレーガンおよびポットを完全に清掃しなければならない。これは、特に、隣接する車体の既存の色である色に正確に一致するように車両の一部に噴霧する場合に重要である。
【0005】
清掃は、時間がかかり、健康上および/または安全上の危険を生じさせる可能性のある溶剤を使用する必要がある。典型的な仕上げには、下塗剤、ベースコートおよびクリアラッカーの塗布を必要とする場合がある。したがって、スプレーガンおよびポットを、1回の修理を行う場合に数回清掃しなければならない場合があり、これにより、作業者が、かかる清掃に関連する健康上および安全上の危険性に晒される機会が大幅に増える。
【0006】
さらに、清掃により、スプレーガンおよびポットが清掃されている間に喪失する作業時間と、清掃材自体および/またはポットに残っている、捨てられる任意の塗料の費用と、の両方に関し、修理コストが大幅に増える。
【0007】
清掃の量を低減し1つの塗料から別の塗料への入替えを容易にするために、本出願人は、国際公開第98/32539号パンフレットにおいて、塗料ポットに、塗料を分配するための別個の上部が開口したライナを設ける構成を、先に提案した。ライナはポット内で密接嵌合しており、スプレーガンへの離脱可能な接続のための出口を有する別個の蓋によって閉鎖される。
【0008】
使用時、塗料が引き出されるとライナは崩壊し、噴霧後、ライナおよび蓋を除去することにより、スプレーガンを次に使用するために新しく清浄なライナおよび蓋を採用することが可能になる。その結果、必要とされる清掃の量が相当に低減され、スプレーガンを、簡単な方法で異なる塗料を塗布するために容易に適合させることができる。
【0009】
これは、ユーザにとってかなりの利益がある。特に、別の塗料を噴霧するようにスプレーガンの入替えをする間に喪失する作業時間の量を低減することにより、効率が向上し、必要な清掃材の量を低減することにより、清掃作業に関連する潜在的な健康上および安全上の危険性に作業者が晒される機会が低減される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、蓋/ライナアセンブリを塗料ポットから除去する時に、ライナに塗料が残っている場合、問題が発生する可能性がある。任意の未使用の塗料をライナから収納容器に移すことは、しばしば実際的ではなく、未使用塗料とともに蓋/ライナアセンブリを捨てることは、無駄であり、塗料の漏れから潜在的な健康上/安全上の危険がある。
【0011】
たとえばキャップによって蓋の出口を一時的に閉鎖することにより、ライナの未使用塗料の保管が可能である。これにより、残りの塗料を使用するために、ライナおよび蓋を塗料ポットに再度取り付けることが可能となり得る。しかしながら、これは、概して、数時間までの短時間の保管にしか適していない。このため、より長い期間にわたると、塗料が乾燥することによりキャップが蓋に張り付く可能性があり、それによってキャップの取外しが困難となるか、またはまったく取り外すことができなくなる。さらに、キャップを無理に離脱させる場合、乾燥した塗料の薄片が剥離し塗料内に入ることにより塗料が汚染される危険性がある。
【0012】
未使用塗料の長期間の保管に対するさらなる問題は、ライナが崩壊した状態にある時のライナ/蓋アセンブリの不安定性から、かつ、壊れ易いライナ/蓋アセンブリが、落とされるかまたは他の方法で誤って扱われた場合に破損し易いことから、もたらされる。したがって、蓋およびライナを分離した場合に塗料の漏れおよび流出の危険性があり、それにより、ライナ/蓋アセンブリを任意のかなり時間にわたって保管し取扱うことが複雑になる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、既知の塗料貯蔵器の上述した問題および不都合を考慮してもたらされた。特に、本発明は、内部に塗料を保管する役割も果たすことができる、スプレーガンと共に使用する貯蔵器を提供しようとするものである。
【0014】
このため、本発明は、スプレーガンに接続可能な、貯蔵器の出口のためのクロージャシステムを提供し、それにより、出口を確実な方法で開閉することができる。
【0015】
より詳細には、本発明は、作業を行った日の終りにかつ/または噴霧する塗料を入れ替える場合に、貯蔵器に残っている未使用塗料を、貯蔵器をスプレーガンに再度取り付けた時に後に使用するために、貯蔵器に保管することができるようにする、クロージャシステムを提供する。
【0016】
便宜上、以下「塗料」という用語を使用するが、材料の特性および/または意図された用途に応じて霧化されたまたは霧化されていない形態で塗布することができる、下塗剤、ベースコート、ラッカー、ニスおよび類似の塗料状材料と、接着剤、シーラント、充填剤、パテ、粉末コーティング、黒色火薬、研磨用スラリー、離型剤および鋳物用仕上げ剤等の他の材料と、を含む(限定しない)、スプレーガンを使用して塗布することができるすべての形態の流動性材料(表面を着色するか否かに係らず)が、本発明の範囲内に含まれ、「塗料」という用語はそれに従って解釈されるべきである、ということが理解されよう。
【0017】
有利には、実施形態によっては、本発明は、貯蔵器がスプレーガンに接続された場合に操作することができるクロージャシステムを提供する。
【0018】
有利には、実施形態によっては、本発明は、空でまたは事前に充填して供給することができる貯蔵器のためのクロージャシステムを提供する。
【0019】
一態様によれば、本発明は、液体噴霧装置と共に使用する貯蔵器を提供し、貯蔵器は、液体噴霧装置に接続可能な出口と出口を開閉するバルブ装置と有する。
【0020】
便宜上、本発明を、以下、貯蔵器のスプレーガンとの使用に関して説明するが、本発明はかかる使用に限定されず、他のタイプの液体噴霧装置と使用してもよい、ということが理解されよう。
【0021】
貯蔵器にバルブ装置を設けることにより、発明された貯蔵器を、流出を防止するために出口を閉鎖してスプレーガンに取り付けることができ、出口を、塗料をスプレーガンに供給することができるように開放することができる。噴霧が完了すると、出口を再び閉鎖することができ、流出を防止するために貯蔵器を取り除くことができる。
【0022】
貯蔵器が取り外される時に残っている未使用塗料を、塗料の汚染/劣化を防止するために出口を閉鎖して貯蔵器に保管することができ、貯蔵器を、後に塗料を使用するために再度取り付けることができる。
【0023】
その結果、発明された貯蔵器は、塗料が1回または複数回の噴霧操作で使用されるのを可能にすることにより無駄を低減し、スプレーガンから取り外されている間、噴霧操作間に未使用塗料を保管することができる。これにより、特に貯蔵器が複数の修理で使用される可能性のある標準的な塗料混合物を収納する場合、費用を節減することができる。
【0024】
バルブ装置を提供するさらなる利点は、流出の危険性なしに、貯蔵器を通常の直立位置でのスプレーガンに取り付けるために、出口を閉鎖して貯蔵器を逆転させることができ、その後、噴霧を開始するために出口を開放することができる、ということである。さらに、貯蔵器を廃棄するためまたは貯蔵器の未使用塗料を将来使用するべく保管するために、出口をいつでも閉鎖することができ、貯蔵器を、流出の危険性なしに通常の直立状態にあるスプレーガンから取り外すことができる。
【0025】
このように、貯蔵器の接続および取外しを、貯蔵器からの塗料の流出を防止するためにスプレーガンを逆転させる必要のない、安全で確実な方法で達成することができる。
【0026】
好ましくは、貯蔵器は、すべての塗料を使用した時または残りの塗料がそれ以上必要でない場合に捨てることができるように、使い捨てである。使い捨ての貯蔵器を採用することにより、噴霧する塗料を変える場合に、スプレーガンと貯蔵器を固定する任意のコネクタのみを清掃すればよい。
【0027】
このように、設定時間が低減され、作業者が清掃材(溶剤)に晒される機会が低減する。これにより、効率の向上からさらに費用の節減がもたらされ、作業者に対する健康上および安全上の危険性を低減されることが可能である。
【0028】
好ましい構成では、塗料がスプレーガンに供給するために引き出されると、貯蔵器は崩壊可能である。好ましくは、貯蔵器は、液体が引き出される時、基端から出口に向かって軸方向に崩壊可能である。このように、貯蔵器から塗料を移すことが容易になり、貯蔵器を、使用後に廃棄するためにコンパクトな構成にまで崩壊させることができる。
【0029】
貯蔵器は、スプレーガンに接続するために出口が設けられた取付部と、使用時に貯蔵器から塗料が引き出される際に真空の形成を防止する崩壊可能部と、を有してもよい。一構成では、貯蔵器は、国際公開第98/32539号パンフレットに開示されたタイプのものであってもよく、そこでは、崩壊可能部は、外部ポットのための上部が開口したライナであり、外部ポットはライナを支持し、取付部は、ライナを閉鎖するように構成されライナとの間に液密圧縮シールを提供するようにロックカラーによって固定される蓋である。別法として、またはさらに、ロックカラーにより蓋/ライナアセンブリを外部ポットに固定して、ライナおよび蓋を、それらの間に液密シールを提供するように相互係着構成物の係合により互いに機械的に固定してもよい。
【0030】
このように、噴霧する塗料を入れ替える場合に、貯蔵器を清掃することなく、蓋/ライナを取り除いて新しい清浄な蓋/ライナに置き換えることができる。この構成は、特に、エンドユーザが車両の色に一致する色の塗料混合物を用意しこれを用いて車両に噴霧するために貯蔵器を充填する場合に適している。
【0031】
別の構成では、取付部と崩壊可能部とを互いに永久的に固定することにより、それらの間に耐漏性シールを提供してもよい。たとえば、取付部と崩壊可能部とを、接着剤、溶接または他の適当な手段によって互いに結合してもよい。別法として、取付部と崩壊可能部とを一体構造で一体的に形成してもよい。たとえば、取付部と崩壊可能部とを、射出またはブロー成形によって製作してもよい。
【0032】
このように、上述した外部ポットおよびロックカラーなしに、貯蔵器をスプレーガンに取り付けてもよい。この構成は、ユーザが車両に噴霧するために貯蔵器をスプレーガンに取り付けるだけでよいように、貯蔵器が事前に充填されてエンドユーザに供給される場合に特に適している。
【0033】
特に好ましい構成では、取付部は、貯蔵器の内面を画定し、崩壊可能部は、貯蔵器の崩壊状態において取付部の内面に実質的に従うように構成される。これにより、崩壊可能部と内面との間に、塗料が捕捉される可能性のあるポケットが形成されない。その結果、貯蔵器の完全に崩壊した状態で、実質的にすべての塗料を排出することができる。
【0034】
崩壊可能部は、貯蔵器から塗料が引き出されると取付部の内面に従うように伸びる、弾性または伸縮性ダイヤフラムの形態であってもよい。別法として、崩壊可能部は、内面から間隔が空けられた拡張位置と内面に重なる崩壊位置との間で可逆性であるように構成された、非弾性または非伸縮性ダイヤフラムの形態であってもよい。たとえば、ダイヤフラムは、拡張位置において内面の鏡像であってもよい。
【0035】
必要となるまで、劣化なしに包装し保管することができる塗料(または本明細書で定義したような他の液体)に対し、有利には、事前充填を採用してもよい。このため、事前充填は、すぐに使用できる状態で(すなわち、既存の色に色を合わせる変更を必要とすることなく)供給することができる液体に対し、特に有用であり得る。たとえば、指定された色調の標準色のベースコートおよび/または非活性化形態で供給され必要な場合は光源(紫外線)または電気エネルギに露出することによる等の適当な手段によって(必要な場合は)活性化されることが可能な下塗剤またはラッカーである。
【0036】
有利には、バルブ装置は流体出口に組み込まれ、流体出口は、バルブ装置を介してスプレーガンに離脱可能に接続されるようになされる。たとえば、バルブ装置は、出口を開閉するように軸方向に相対的に移動可能である同軸上の内部部材および外部部材を備えてもよい。
【0037】
内部部材は、注ぎ口の形態であってもよく、外部部材は、出口を開閉するように注ぎ口上で摺動可能なスリーブの形態であってもよい。注ぎ口は、注ぎ口の外端でポートを画定する内部リブによって支持される中央プラグを有してもよく、スリーブは、外端において、プラグと位置合せされた中央開口を備えた内壁を有してもよい。
【0038】
このように、プラグは、開口に受容され、内壁は、スリーブの後退位置で出口を閉鎖するようにポートを覆い、スリーブは、開口にプラグが無く内壁が出口を開放するようにポートを覆わなくなる伸長位置まで軸方向に移動可能である。これにより、製造が簡単で使用に信頼性がある構造が提供される。
【0039】
好ましくは、貯蔵器をスプレーガンに接続するアダプタが設けられる。アダプタは、一端に、スプレーガンに接続するためのねじ山または他の適当な手段を有する管状体を備えてもよく、スリーブは、他端においてそれらの間に液密シールを提供するように押込嵌合する。たとえば、スリーブは、アダプタの他端において開口の内壁と協働可能な1つまたは複数の外部密封リブを有してもよい。
【0040】
有利には、スリーブには、スリーブとアダプタとの軸方向の分離を防止するために、アダプタと離脱可能なロック係合のための一対の直径方向に対向するリテーナフックが設けられる。このように、貯蔵器がスプレーガンから偶発的にまたは不注意に取り外されることが防止される。
【0041】
リテーナフックは、スリーブがアダプタに押込嵌合することにより貯蔵器を固定するように係合可能であってもよく、貯蔵器を取り外したい場合にリテーナフックを手動で離脱させるためのつまみまたは引き手が設けられた夫々の支持アームを介して、スリーブに接続されてもよい。このように、ユーザによる必要な労力または手先の起用さが最小である単純な行為で、貯蔵器をスプレーガンに接続しスプレーガンから離脱させることができる。
【0042】
この構成により、貯蔵器をスプレーガンに取り付ける行為とスプレーガンから取り外す行為はともに、スリーブを、出口を閉鎖するその後退位置に維持する傾向があり、それにより、貯蔵器を閉鎖位置にあるバルブ装置に接続し/バルブ装置から分離する場合の流出の危険性が低減する。
【0043】
さらに、貯蔵器がスプレーガンに接続されると、スリーブをその後退位置からその伸長位置まで移動させるように貯蔵器をスプレーガンから離れるように引くことができ、それにより出口が開放され塗料がスプレーガンに流れ込むことが可能になる。貯蔵器をスプレーガンから分離したい場合、スリーブをその伸長位置からその後退位置まで移動させるように貯蔵器をスプレーガンに向かって押すことができ、それにより出口が閉鎖し塗料がスプレーガンに流れ込まないようになる。
【0044】
注ぎ口は、外端に、スリーブの対向する内面における軸方向に延在する凹所と、それらの間の塗料の漏れを防止するために液密シールを提供するように係合可能である外部リップを有してもよい。
【0045】
リップはまた、スリーブの伸長位置を画定しスリーブを注ぎ口上に保持するエンドストップを提供するように、凹所の一端における内部肩部と係合可能であってもよい。このように、出口を開閉するためのスリーブと注ぎ口との相対的な軸方向の移動が制御され、スリーブを注ぎ口から取り外すことはできない。
【0046】
好ましくは、注ぎ口およびスリーブに、注ぎ口とスリーブとの間の相対的な回転を防止するように係合可能な協働する軸構成物が設けられる。このように、スリーブは、注ぎ口上での軸方向の移動に対して案内される。
【0047】
貯蔵器は、塗料が貯蔵器からスプレーガンに移されている際に塗料から望ましくない固体粒子を除去するフィルタを有してもよい。フィルタは、出口においてバルブ装置の上流に配置されたメッシュスクリーンからなってもよい。別法として、スプレーガンに供給される塗料のフィルタリングが必要でない場合は、フィルタをなくしてもよい。
【0048】
貯蔵器が、塗料が事前充填されて供給される場合、出口に、エンドユーザに対し最初の使用の前に貯蔵器が完全な状態であるという視覚的指示を提供する不正開封防止機能付きクロージャを設けてもよい。かかるクロージャは、貯蔵器がスプレーガンから取り外される場合に出口を覆うために再度取り付けることができる取外し可能キャップの形態であってもよい。別法として、クロージャは、出口を覆い最初の使用の前に除去されるホイル片等の不正開封防止機能付きシールからなってもよい。
【0049】
クロージャは、キャップからなる場合、貯蔵器において未使用塗料を保管するために、汚染物質が入ることに対しさらなる保護を提供してもよい。キャップはまた、バルブ装置において塗料が乾燥しないようにしバルブ装置を閉鎖位置においてロックするのに役立つことができる。
【0050】
好ましくは、バルブ装置の注ぎ口は、貯蔵器の一体部分として形成され、スリーブは、バルブ装置を組み立てるために注ぎ口上に押込嵌合する。この構成により、注ぎ口を通して貯蔵器を充填することができ、貯蔵器が充填された後に出口を閉鎖するためにスリーブを注ぎ口に取り付けることができる。このように、貯蔵器を、エンドユーザに対し、すぐにスプレーガンに取り付けることができるように、バルブ装置が閉鎖され事前に充填された状態で供給することができる。
【0051】
別法として、貯蔵器を、エンドユーザに対し、注ぎ口を通して貯蔵器を充填しスリーブを取り付けるようにスリーブを外して空の状態で供給してもよい。この場合、貯蔵器は、崩壊状態で供給されてもよく、エンドユーザは、使用時、貯蔵器に塗料を導入したい場合に、貯蔵器をその崩壊状態から拡張することができる。このように、製造業者による貯蔵器の包装および運搬の、かつエンドユーザによる保管の、空間およびコストを有効に低減することができる。
【0052】
別の構成では、貯蔵器に、塗料を貯蔵器に導入するための、出口とは別個の入口を設けてもよい。この構成により、貯蔵器を、この場合もまた事前に充填して供給してもエンドユーザが充填するために空で供給してもよい。
【0053】
入口が設けられる場合、それは、使用時に貯蔵器がスプレーガンに接続されると、貯蔵器をスプレーガンから取り外すことなく貯蔵器に塗料を追加することができるように、貯蔵器がスプレーガンに嵌合する場合に使用可能であるように構成してもよい。
【0054】
これは、必要な塗料の量が貯蔵器の容量を超えている場合に有益であり得る。たとえば、広い面積を塗装する場合、ユーザは単に、貯蔵器をスプレーガンにまだ取り付けた状態で、必要に応じて追加の塗料を貯蔵器に補給することができる。その結果、塗料の流出および/または汚染の危険性が低減する。
【0055】
ラッカー等の仕上げクリアコートを塗布する場合にもまた有益であり得る。それにより、「フェードアウトさせるかまたは混和する」ためにクリアコートの粘性を低減すべく貯蔵器に希釈剤(溶剤)を追加することが、大幅に容易になる。
【0056】
別の態様によれば、本発明は、スプレーガンであって、それに塗料を供給する貯蔵器が設けられたスプレーガンを提供し、貯蔵器は、スプレーガンに離脱可能に接続された出口と、出口を開閉するバルブ装置と、を有する。
【0057】
好ましくは、貯蔵器は、出口を閉鎖してスプレーガンに接続可能であり、その後出口を開放することにより、塗料をスプレーガンに移すことができる。このように、貯蔵器から塗料が流出することなくガンをその通常の直立位置にしたままで、貯蔵器の出口をガンの上部で入口に接続するために、貯蔵器を逆転させることができる。
【0058】
さらに、塗料が流出することなく貯蔵器をスプレーガンから取り外すことができるように、出口を閉鎖することができる。汚染物質が入ることおよび/または塗料の劣化を防止するために出口を閉鎖して、貯蔵器に残っている未使用塗料を保管することができ、残りの塗料を使用するために貯蔵器を後にスプレーガンに再度取り付けることができる。
【0059】
好ましくは、貯蔵器からの塗料の流出を防止しまたは低減することが可能な真空を形成することなく塗料を引き出すことができるように、貯蔵器は崩壊可能である。このように、貯蔵器を、重力供給式ガンと圧力供給式ガンとの両方と採用することができる。
【0060】
重力供給式スプレーガンに適用する場合、貯蔵器を、貯蔵器に孔が開かないようにするかつ/または軸方向に容器の崩壊を制御するのに役立つ外部容器に収容してもよい。別法として、外部容器を省略してもよい。
【0061】
圧力供給式スプレーガンに適用する場合、貯蔵器は、スプレーガンに供給される圧縮空気源に抽気ラインを介して接続された外部容器に収容される。外部容器に供給される空気の圧力は、塗料が引き出されている際に貯蔵器の崩壊を助けるように作用する。
【0062】
さらなる態様によれば、本発明は、貯蔵器をスプレーガンに接続する方法であって、貯蔵器に出口を開閉するバルブ装置を設けるステップと、出口を、閉鎖した状態でスプレーガンに接続するステップと、出口がスプレーガンに接続されると、貯蔵器からスプレーガンへの塗料の移動を可能にするように出口を開放するステップと、を含む方法を提供する。
【0063】
ここで、本発明を、添付図面を参照して端に例としてより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
図1は、重力供給式の典型的な従来技術による塗料スプレーガン1を示す。ガン1は、本体2と、本体の後端から下方に延在するハンドル3と、本体の前端にあるスプレーノズル4と、を備える。ガンは、ガンの側面に枢着された引金5によって手動で操作される。
【0065】
本体2の上部に塗料貯蔵器6、すなわち塗料ポットが配置され、それは、下端に出口6aを有し上端に取外し可能なキャップ8を有する。出口6aは、ガン1を通ってノズル4まで延在する内部通路(図示せず)と連通する。キャップ8は、スプレーガン1にポット6が取り付けられた時に、塗料をポット6に追加することができるように、取外し可能である。
【0066】
塗料に、塗装面の仕上げを損なう望ましくない粒子がないことを確実にするために、塗料は、通常、フィルタを通してポット6内に注入される。図1は、この目的で取り外されたポット6のキャップ8と、ポットの開口端に配置されようとしている円錐フィルタ9と、を示す。ポット6に塗料が充填されると、フィルタ9は取り除かれ破棄される。別法として、フィルタは、清掃して再使用することができるタイプのものであってもよい。
【0067】
使用時、ガン1を、ハンドル3の下端においてコネクタ7を介して圧縮空気源(図示せず)に接続し、ユーザが引金5を引くと圧縮空気がガンを通してノズル4まで供給されるようにする。その結果、重力下でポット6からノズル4まで供給された塗料が、ノズル4を離れる時に霧化され、ノズル4から出る圧縮空気とともに噴霧を形成する。
【0068】
キャップ8を取り外し、開口端の上にフィルタ9を配置し、フィルタ9を通してポット6内にさらなる塗料を注入することにより、ポット6を再充填することができる。作業を行った日の最後に、またはポット6の塗料を入れ替えたい場合、ポット6をスプレーガン1に再度取り付け新たな塗料を充填する前に、スプレーガン1とポット6とを、古い塗料の痕跡をすべて取り除くように完全に清掃しなければならない。
【0069】
これは時間がかかり、採用する清掃材(一般には、蒸気を発し有害かつ引火性の溶剤)に関連する健康上および安全上の危険性にユーザを晒すことになる。さらに、ポット6に残っている未使用の塗料は、それが塗料混合物に戻されるかまたは別個の収納容器に移される場合に、同伴される粒子または他の原因からの汚染の危険性があるため、通常、捨てなければならない。
【0070】
図2〜図4は、ポット6の代わりに図1のスプレーガン1(または任意の同様のガン)とともに使用することができる代替的な貯蔵器11を示す。貯蔵器11は、上述した国際公開第98/32539号パンフレットの主題を形成し、その出願の内容は引用により本明細書に包含されたものとし、読者はより詳細な説明のためにはそれを参照されたい。
【0071】
貯蔵器11は、スプレーガン1のポット6に匹敵するサイズの外部ポット12を有する。ポット12は、一端が開口しており、他(基)端に空気孔12Aを有する。
【0072】
使い捨てのライナ13が、ポット12の内側に形状が一致し、そこで密接嵌合する。ライナ13は、ポット12の上縁に位置する開口端に幅の狭いリム14を有する。
【0073】
ライナ13の開口端において、使い捨ての蓋15が押込嵌合し、蓋/ライナアセンブリは、ポット12にねじ込まれる環状ロックカラー20によってポット6に固定される。
【0074】
蓋15は、コネクタ注ぎ口17が延在する中央開口16を有し、その端部には、差込接続の一方の部分を形成する外側延長部18が設けられている。開口16は、フィルタメッシュ19によって覆われており、フィルタメッシュ19は、開口16に押込嵌合してもよく、あるいは蓋15の一体部分であってもよい。
【0075】
ライナ13と蓋15とは、典型的には、成形または他の任意の適当な方法により、塗料と融和性のあるプラスチック材料、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミドポリプロピレンまたはポリエチレンから作製される。蓋15は、スプレーガン1に接続するために比較的剛性であり、ライナ13は、使用時に貯蔵器11から塗料が引き出されると崩壊することができるように厚さが薄い。
【0076】
貯蔵器11は、アダプタ21(図3および図4参照)によりスプレーガン1に取り付けられる。アダプタ21は、一端22において内部に、蓋15のコネクタ注ぎ口17に取り付けるための差込接続の他方の部分が形成された管状部品である。アダプタ21の他端23は、スプレーガン1への標準的な取付具に適合する形状を有する(典型的にはねじ山)。
【0077】
使用時、ライナ13を、ポット12内に配置し、上述したように塗料をフィルタ(図示せず)を通して注入する。そして、蓋15を開口端上に配置し、ロックカラー20によって固定する。その後、スプレーガン1を、その通常の動作状態から逆転させ、貯蔵器11を、コネクタ注ぎ口17とアダプタ21との協働するバヨネット構成物によって取り付けることができるようにする。このように、通常の動作位置において濾過された塗料をスプレーガン1に供給するための出口を形成する開口したコネクタ注ぎ口17を通る貯蔵器11からの塗料の漏れが回避される。
【0078】
スプレーガン1の動作中、塗料が引き出されるとライナ13が崩壊する。噴霧が完了すると、スプレーガン1を再びその通常動作位置から逆転し、塗料がスプレーガン1から再び貯蔵器11に排出されることができるようにする。そして、貯蔵器11を、コネクタ注ぎ口17を一番上にして取り外すことにより、未使用の塗料が貯蔵器11から流出しないようにする。そして、ライナ/蓋アセンブリをポット12から取り除くことができ、スプレーガン1を清掃して、上述したように新たな使い捨ての蓋/ライナアセンブリを使用して新たな塗料を噴霧するように設定することができる。
【0079】
このように、作業を行った日の最後にかつ/または噴霧する塗料を入れ替えた時、ポット12を清掃する必要がない。その結果、清掃の量が、図1に関して説明したポット6の使用に比較して大幅に低減される。
【0080】
ポット12から取り除かれた、崩壊した蓋/ライナアセンブリは、捨てることができる。別法として、ライナ13に残っている未使用の塗料を保管するために出口を閉鎖するようにコネクタ注ぎ口17に取り付ける、別個の取外し可能なクロージャキャップ(図示せず)を設けてもよい。このように、蓋/ライナアセンブリを、保管された塗料を使用するために後にスプレーガン1に再度取り付けてもよい。
【0081】
この構成は、概して、数時間の未使用塗料の短期間の保管にしか適していない。そのため、より長い期間にわたると、キャップと注ぎ口17との間に時間の経過により硬化する塗料がある場合、キャップはコネクタ注ぎ口17に付着する可能性がある。これにより、キャップを取り外すことができなくなる可能性があり、または、キャップを強制的に取り除いた場合に、折り取れて貯蔵器内に落ちる乾燥した塗料の薄片により塗料が汚染される結果となる可能性がある。
【0082】
さらに、蓋/ライナアセンブリは、蓋の圧縮嵌合によってしか結合されておらず、落とすかまたは乱暴に扱った場合、ばらばらになって塗料をこぼす可能性がある。したがって、後に使用する目的で未使用塗料を保管するために、ポット12から取り除く時の蓋/ライナアセンブリの完全性を維持するためには、注意深い扱いが必要である。
【0083】
これらの問題の結果として、崩壊した蓋/ライナアセンブリは、未使用塗料の長期間保管には適しておらず、蓋/ライナアセンブリは、しばしば、未使用塗料とともに捨てられる。これは、無駄になる可能性があり、未使用塗料が環境に漏出することから健康上/安全上の危険がある場合がある。
【0084】
ここで添付図面の図5〜図11を参照すると、本発明の第1実施形態が示されており、そこでは、図2〜図4に示す蓋/ライナアセンブリに対応する部分を示すために100番台の同様の参照数字を使用する。
【0085】
この実施形態では、蓋115に対し、貯蔵器111からの塗料の流れを制御するバルブ装置130が設けられている。バルブ装置130は、図5では、貯蔵器111を密封するために閉鎖しているように示されており、図6では、塗料を貯蔵器111から引き出すことができるようにするために開放しているように示されている。
【0086】
蓋115は、先端を切った頂端から延在する注ぎ口117を備えた切頭円錐形形状である。注ぎ口117の外端には、バルブ装置130の第1部分が形成されており、それは、中央プラグ132において相接する一続きの円周上に間隔が空けられた内部ウェブまたはスプール131を備える。プラグ132は、円筒形であり、注ぎ口117の端部を通って水平面より上に突出する。
【0087】
この実施形態では、円周方向に均一に間隔が空けられ、プラグ132により、バルブ装置130の開放状態にある時に塗料が流れることができる6つのポート146を画定する、6つのウェブ131(2つのみを示す)がある。しかしながら、ポート146の数および構成を、図示するものと変えてもよい、ということが理解されよう。
【0088】
バルブ装置130の第2部分は、注ぎ口117上に摺動可能に取り付けられた外部スリーブ133を備える。スリーブ133は、上端に、プラグ132に位置合せされた中央開口135を有するように形成された内壁134を有する。図5に示すバルブ装置130の閉鎖状態では、プラグ132は、開口135に密接嵌合しており、ここでは、壁134は、プラグ132とウェブ131との間でポート146を閉鎖する。この位置では、壁134により、貯蔵器111からの塗料の流れが防止される。
【0089】
スリーブ133は、注ぎ口117上で、図6に示すように、壁134の中央開口135にプラグ132がない位置まで軸方向に摺動可能である。
【0090】
この位置では、バルブ装置130が開放し、塗料が貯蔵器111からポート146および中央開口135を介して流出することができる。
【0091】
注ぎ口117の外面上の2つの直径方向に対向する軸方向に延在するリブ136(図7を参照)が、スリーブ133の内面の相補的な軸方向に位置合せされた溝147(図9を参照)において係合することにより、スリーブ133が注ぎ口117上で回転しないようになっている。
【0092】
リブ136は、注ぎ口117の基部からその高さの半分のすぐ上まで延在し、注ぎ口117には、上端に隣接して外部環状リップ137が設けられている。溝147は、スリーブ133の基部からその高さの半分のすぐ上まで延在し、直径が増大した内腔部139に至る内部肩部138で終端する。
【0093】
注ぎ口117上の環状リップ137は、内腔部139に隙間嵌合し、肩部138は、図6に示すバルブ装置130の開放状態では、スリーブ133を注ぎ口117上に保持するようにリップ137と係合可能である。図5に示すバルブ装置130の閉鎖状態では、スリーブ133の端壁134は、注ぎ口117の外端に当接する。
【0094】
さらに、スリーブ133の下端には、蓋115の上面に略平行に下方向に延在し、外端において上方に湾曲したつまみまたは引き手141で終端する、一対の直径方向に対向するアーム140が設けられている。
【0095】
各アーム140には、スリーブ133から間隔が空けられ、上端において、アンダーカットされたロックリブ145に至る、スリーブ133に対向する面取り面144を有するストライカヘッド143で終端する、直立したリテーナフック142が設けられている。
【0096】
スリーブ133は、アダプタ121(図10および図11を参照)の一端に押込嵌合する。スリーブ133の外面の凹所149に配置された外部環状リブ148は、アダプタ121との液密シールを提供し、スリーブ133の基部150は、スリーブ133とアダプタ121との間に横方向の安定性を提供する。アダプタ121の他端には、スプレーガン1に離脱可能に接続するねじ山124または他の適当な手段が設けられている。
【0097】
変更態様(図示せず)では、スリーブ133は、アダプタ121と密封係合するための複数の外部環状リブ148を有する。別の変更態様(図示せず)では、基部150の外面に凹所が設けられることにより、スリーブ133とアダプタ121との間に横方向の安定性を提供する複数の円周上に間隔が空けられた軸上リブが提供される。
【0098】
アダプタ121は、貯蔵器111からスプレーガン1に塗料を移すための貫通穴125を有し、一端に、貯蔵器111を固定するためにリテーナフック142と離脱可能に係合する外部カラー126が設けられている。
【0099】
図11に最も良く示すように、カラー126は、その周縁部の対向する側に沿って、スリーブ133がアダプタ121の端部に押し込まれるとリテーナフック142のストライカヘッド143が通ることができるように構成された、主円柱形凹状逃げ127を有する。そして、リテーナフック142がフック142を外側に偏向させる凸状カムローブ128と係合するように、貯蔵器111をアダプタ121に対して回転させることができる。ローブ128は、副円柱形凹状逃げ129に至り、フック142は、貯蔵器111をアダプタ121上で軸方向に保持するためにロックリブ145をカラー126上に配置するように、逃げ129内に受容される。
【0100】
手動でつまみ141を把持しアーム140を蓋115に向かって引くことにより、リテーナフック142を解放して貯蔵器111をアダプタ121から取り除くことができる。これにより、リテーナフック142が外側に偏向し、それにより、ロックリブ145がアダプタ121のカラー126から外れ、スリーブ133が貯蔵器111を取り外すためにアダプタ121から引き出されることが可能になる。
【0101】
使用時、ライナ113に、好ましくはフィルタ(図示せず)を介して塗料を充填し、上述したようにライナ113をポット12に挿入する。そして、上述したように、バルブ装置130を閉鎖して蓋115をライナ113の開口端の上に配置し、蓋/ライナアセンブリを、ロックカラー20をポット12上にねじ込むことにより固定する。
【0102】
アダプタ121を、スプレーガン1に固定する。そして、組み立てた貯蔵器111を、貯蔵器111からの塗料のいかなる流出の危険性もなく、バルブ装置30を閉鎖した状態で逆転させ、スプレーガン1をその通常の直立した位置のままにしてアダプタ121に取り付ける。別法として、この場合もまたバルブ130を閉鎖して貯蔵器111を逆転させることにより、アダプタ121を貯蔵器111に接続してもよく、その後、アダプタ121をスプレーガン1に固定してもよい。
【0103】
このように、貯蔵器111をスプレーガンに接続する際に、スプレーガン1を逆転させる必要がなく、それにより、貯蔵器111のスプレーガン1への取り付けが容易になる。特に、貯蔵器からの塗料の流出を防止するために、貯蔵器111をその通常の直立位置にあるスプレーガン1の上方から逆転して嵌合させるには、スプレーガン1を逆転し貯蔵器11をスプレーガン1の下方から嵌合する図2〜図4の実施形態に比較して、手先の器用さが必要でない。
【0104】
また理解されるように、貯蔵器111をアダプタ121にロックするための押込みおよび回転の行為により、バルブ装置130が図5に示す閉鎖位置で保持される。噴霧を開始したい場合、ポット12をスプレーガン1から離れる方向に引いてバルブ装置130を図6に示す開放位置まで移動させることにより、注ぎ口117をスリーブ133に対して軸方向に変位させる。そして、スプレーガン1を上述したように操作することができ、塗料が注ぎ口117の開口ポート146とスリーブ133の端壁134の開口135とを通ってスプレーガン1に供給される。
【0105】
噴霧が完了すると、スプレーガン1を逆転してスプレーガン1内の塗料を貯蔵器111に再び排出することができる。プラグ132を開口135内に再び配置しポート146を注ぎ口117の端部で密封するように、ポット12をスプレーガン1に向かって押すことにより、バルブ装置130を図5に示す閉鎖位置に戻すことができる。そして、スプレーガン1をその通常の直立位置に戻すことができ、つまみ141を蓋115に向かって引くことにより貯蔵器111をスプレーガン1から取り外すことができる。これにより、アーム140が偏向し、ロックリブ145がスリーブ133から離れるように外側に移動することにより、アダプタ121のカラー126が外れる。そして、スリーブ133をアダプタ121から外すようにつまみ141を引き続けることにより、貯蔵器111を取り外すことができる。
【0106】
理解されるように、まずロックリブ145をアダプタ121から外しその後スリーブ133をアダプタ121から取り除くようにつまみ141を引く行為により、バルブ装置130が閉鎖位置で保持される。さらに、貯蔵器111を、スプレーガン1をその通常の直立位置のままにして取り外すため、スプレーガン1に残っているいかなる塗料の最終液滴も流出しない。
【0107】
貯蔵器111をスプレーガン1から取り外すと、ロックカラー20を外すことができ、蓋/ライナアセンブリをポット12から取り除くことができる。そして、必要な場合は後に使用するために未使用塗料を保管するべく、バルブ装置130を閉鎖して、蓋/ライナアセンブリを保管してもよく、もしくは捨ててもよい。そして、ポット12とカラー20とを、異なる塗料を収納する新たな清浄なライナ/蓋とともに再度組み立て、スプレーガン1およびアダプタ121を先の塗料のいかなる痕跡も除去するように清掃した後、スプレーガン1に取り付けてもよい。塗料を再使用したい場合、上述したように、蓋/ライナアセンブリをポット12およびカラー20と再度組み立て、スプレーガン1に取り付けてもよい。そして、バルブ装置130を開放して塗料をスプレーガン1に供給することができるようにしてもよい。
【0108】
再使用のために蓋/ライナアセンブリに未使用塗料を保管する場合、バルブ装置130は、蓋/ライナアセンブリに保管されている塗料にいかなる外部汚染物も入らないようにする。さらに、バルブ装置130の露出部分を、塗料のいかなる痕跡も乾燥する可能性のある前に除去するように拭って清浄にしてもよい。これにより、保管された塗料を再使用したい場合にあり得る汚染源が回避され、かつ/または、蓋/ライナアセンブリをスプレーガン1に再度取り付ける場合にバルブ装置130を確実に開放することができる。
【0109】
ここで図12を参照すると、第1実施形態に概して類似する本発明の第2実施形態が示されており、そこでは、対応する部分を示すために200番台の同様の参照数字を使用する。
【0110】
この実施形態では、ライナ213と蓋215とが互いに永久的に取り付けられることにより貯蔵器211を形成する。たとえば、蓋215を、250に示すように、接着剤、ヒートシールまたは超音波溶接によりライナ213のリムの周囲に固定してもよい。このように、ポット12と、ライナを支持し蓋とライナとの間に液密シールを提供するロックカラー20と、をなくしてもよい。しかしながら、用途によっては、スプレーガン1に取り付けられた貯蔵器211の安定性を提供するために、円柱状のライナ213のための何らかの形態の外部支持体が望ましい場合もある。
【0111】
塗料の流出/漏れを防止するために、閉鎖位置において蓋215をバルブ装置230に固定する前に、ライナ213に塗料を充填してもよい。別法として、塗料の流出/漏れを防止するために、スリーブ233を取り付けてバルブ装置230を閉鎖する前に、蓋215とライナ213とを互いに固定し、注ぎ口217を通してそれらに塗料を充填してもよい。そして、ユーザが要求に応じてスプレーガン1に取り付けるために、事前に充填された貯蔵器211を供給することができる。
【0112】
これは、標準の色を有する塗料の供給に対し特に有益であり得る。したがって、いかなる追加の部品もなしに、1回または複数回、スプレーガンに取り付けかつスプレーガンから取り外すことができる事前に充填された貯蔵器を提供することにより、設定時間が低減されるだけでなく、未使用塗料を後に使用するために保管することを可能にすることにより無駄も低減される。別法として、ユーザが注ぎ口217を通して貯蔵器211を充填し、貯蔵器211をスプレーガン1に固定する前に、バルブ装置230を組み立てるためにスリーブ233を取り付けることができるように、スリーブ233が取り外された貯蔵器211を供給してもよい。
【0113】
塗料が事前に充填された貯蔵器211を供給する場合、貯蔵器211の輸送およびエンドユーザへの供給中の貯蔵器の中身の漏れおよび/または汚染または不正操作に対して安全性を追加するために、不正開封防止機能付きクロージャを提供してもよい。
【0114】
かかるクロージャは、プラグ232および開口235を覆うようにスリーブ233に固定され、貯蔵器211をスプレーガン1に接続したい場合は除去される、安全キャップ(図示せず)であってもよい。別法として、クロージャは、プラグ232および開口235を覆うようにスリーブ233に取り付けられ貯蔵器211を最初に使用する時に除去される、ホイル片等の安全シール(図示せず)であってもよい。
【0115】
キャップが設けられる場合、将来使用するために未使用塗料を保管すべく貯蔵器211を取り除く時に、汚染に対する保護を追加するためにキャップを再度取り付けてもよい。ユーザが貯蔵器211を充填しバルブ装置230を組み立てるためにスリーブ233を取り付けるように、スリーブ233を別個にして貯蔵器211を供給する場合にもまた、かかるキャップを設けてもよい。
【0116】
ここで図13を参照すると、第2実施形態に概して類似する本発明の第3実施形態が示されており、そこでは、対応する部分を示すために300番台の同様の参照番号を使用する。
【0117】
この実施形態では、先の実施形態の円筒状のライナ213を、非伸縮性で可撓性のダイヤフラム360に代える。ダイヤフラム360を、蓋315とは別個に形成し、350に示すように接着剤、ヒートシールまたは超音波溶接等の任意の適当な手段により蓋315の周縁に永久的に取り付けてもよい。たとえば、ダイヤフラム360を、孔が開きにくく塗料に対し不浸透性であるシート材料から形成してもよい。適当な材料には、単層構造でも多層構造でもよい金属箔およびポリマフィルムがあり、金属箔およびポリマフィルムの積層品であってもよい。
【0118】
別法として、ダイヤフラム360を、蓋315と一体的に形成してもよい。たとえば、ダイヤフラム360および蓋315を、射出またはブロー成形等の任意の適当な手段によってプラスチック材料から形成してもよく、その際、必要な可撓性を提供するためにダイヤフラム360の厚さを低減する。
【0119】
図示するように、ダイヤフラム360は、概して蓋315の内部円錐形状に対応する先端を切った円錐形状である。ダイヤフラム360は、実線で示す拡張位置と破線で示す崩壊位置との間で、中心面CPに関して可逆性である。ダイヤフラム360は、拡張位置を採用して実質的に平坦な面316を提供し、それにより、貯蔵器311を、塗料を充填する時に直立して立たせることができる。
【0120】
使用時、上述したように、バルブ装置330を閉鎖して、貯蔵器311をスプレーガン1に取外し可能に取り付ける。蓋315は、ユーザが貯蔵器311をスプレーガン1に取り付ける時に基端を把持することができる寸法および形状である。このように、貯蔵器311を取り付ける時に貯蔵器311の塗料が加圧されず、それにより漏れ/流出の危険性が低減する。
【0121】
そして、バルブ装置330を開放することにより、スプレーガン1に供給するために塗料を貯蔵器311から引き出すことができるようにする。塗料が貯蔵器311から引き出されると、ダイヤフラム360にわたって圧力差が生じ、それにより、ダイヤフラム360が蓋315に向かって内部に変形する。これにより、貯蔵器311内の真空の形成を防止することによって、貯蔵器311からの塗料の平滑な連続した流れが可能になる。
【0122】
ダイヤフラム360は、図13に輪郭だけで示す完全に崩壊した位置において、その元の位置から逆転し蓋315の内部形状に実質的に従うまで、塗料が引き出されるに従い、蓋315の内面に徐々に係合する。これは、貯蔵器311内における塗料を捕捉する可能性のあるいかなるポケットの形成も防止する助けとなり、それにより、必要な場合に実質的にすべての塗料を分配することができることが確実になる。
【0123】
先の実施形態と同様に、貯蔵器311を、塗料を事前に充填して供給してもよい。別法として、ユーザが注ぎ口317を介して貯蔵器311を充填するように、スリーブ333を別個にして貯蔵器311を空で提供し、その後、バルブ装置330を閉鎖するようにスリーブ333に取り付けてもよい。
【0124】
貯蔵器311は、単一の用途に対して十分な塗料を保持しても複数の用途に対して十分な塗料を保持してもよい。貯蔵器311に、液体311を実質的に完全に充填してもよく、あるいは、恐らくは内部混合ベアリングを用いて手または機械によりダイヤフラム360を揉むことによりまたは貯蔵器311を振ることにより、使用の前に塗料が完全に混合することができるように、わずかに余裕を残してもよい。これは、貯蔵器311を、塗料を事前に充填して供給し、それを使用前にある期間保管していた場合に有利でありかつ/または望ましい場合がある。
【0125】
理解されるように、蓋315と可逆性ダイヤフラム360とは、第1および第2実施形態に比較してより小型かつ安定し、いかなる外部支持なしにも貯蔵器311の使用を容易にする構成を提供する。したがって、貯蔵器311をスプレーガン1に取り付け塗料を引き出す時、ダイヤフラム360は制御された方法で変形し、蓋315の内部形状に従う。取付部分の内部形状に従うダイヤフラムを備えた貯蔵器は、本出願人による同日付の同時係属英国特許出願の主題を形成する。
【0126】
ここで図14を参照すると、先の実施形態に概して類似する本発明の第4実施形態が示されており、そこでは、対応する部分を示すために400番台の同様の参照数字を使用する。
【0127】
この実施形態では、上述したように、貯蔵器411はバルブ装置430を介してスプレーガン1に取外し可能に接続可能であり、蓋415には、取外し可能なキャップ471によって閉鎖される別個の注入開口470が設けられている。この構成により、事前に充填された貯蔵器411をエンドユーザに供給する場合かまたはエンドユーザが要求に応じて塗料を充填する場合のいずれに対しても、蓋415の開口470を通して貯蔵器411を充填することができる。
【0128】
貯蔵器411が、エンドユーザに供給するために事前に充填されている場合、中身の不正操作に対する安全性のために、充填後に取り外しできないようにキャップ471を永久的に固定してもよい。別法として、エンドユーザが中身を活性化させるための成分を追加することができるように、たとえば、使用直前に硬化剤を付加するかつ/または使用中にたとえば希釈剤を付加することができるように、キャップ471を取外し可能としてもよい。
【0129】
理解されるように、貯蔵器411のスプレーガン1への離脱可能な接続のためにバルブ装置430が設けられている場合、開口470によって貯蔵器411の充填が容易になる。開口470およびキャップ471を、図5〜図13に示した貯蔵器の先の実施形態のいずれにおいて採用してもよい。
【0130】
上述した本発明の例示的な実施形態のバルブ装置の構成部品を、任意の適当な方法、たとえば射出成形により、プラスチック材料、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、ポリプロピレンまたはポリエチレンから形成してもよい。
【0131】
本明細書で使用するように、貯蔵器を、「蓋」および「ライナ」または「蓋」および「ダイヤフラム」等の用語を参照して説明している。かかる用語は、単に便宜上使用するものであり、本発明は、スプレーガンまたは同様の噴霧装置に取り付けるために貯蔵器のいかなるタイプまたは構成にも適用可能である、ということが理解されよう。たとえば、上述した実施形態では、貯蔵器は、塗料のために単一チャンバまたはコンパートメントを形成する。しかしながら、貯蔵器は、反応性成分を別々に保管し使用前に混合することができるようにする破断可能な膜によって分離された内部コンパートメントを有してもよい。また、貯蔵器を、任意の所望の特性または特徴を提供するように構成してもよい。したがって、貯蔵器を、光を排除するようにまたは絶縁を提供するように適合させてもよい。
【0132】
理解されるように、本発明は、流出の危険性が低減し未使用塗料を後に使用するために貯蔵器に保管することができるようにする、貯蔵器をスプレーガンに取り付けかつスプレーガンから取り外すことを容易にするバルブ装置を備えた、塗料(または本明細書で定義したように他の液体)のための貯蔵器を提供する。
【0133】
このように、塗料の無駄が低減され、貯蔵器を、空であるかまたは残っている塗料がそれ以上必要でない場合に、捨てることができる。また、バルブ装置を設けることは、いかなる特別な組立てステップも必要とすることなく、スプレーガンに取り付けることができる事前に充填された貯蔵器を提供するために有利であり、それにより設定時間が短縮される。
【0134】
本発明の例示的な実施形態で説明したバルブ装置は、操作が容易であり使用において信頼性がある、比較的低コストで製造することが可能な単純な構成である。本発明において採用することができるバルブ装置の他の構成は、当業者には明らかとなろう。また、それらは本発明の範囲内にあると考えられる。
【0135】
また、本明細書で説明した例示的な実施形態は、本発明の種々の範囲および適用を例示するように意図されていることと、実施形態の特徴を別々に、もしくは同じかまたは異なる実施形態の任意の他の特徴と組合せて採用してもよいということと、が理解されよう。
【0136】
本発明はそれらに限定されず、また、本明細書において概略的に説明したように、さまざまな変更および改良を、本発明の精神および範囲内で行うことができる、ということが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】従来技術によるスプレーガンの斜視図である。
【図2】図1に示すスプレーガンと共に使用する代替塗料貯蔵器の構成部品の組立分解等角図である。
【図3】組み立てられた、図2に示す塗料貯蔵器と、貯蔵器をスプレーガンに接続するためのアダプタと、の斜視図である。
【図4】図3に示す塗料貯蔵器とアダプタとの縦断面図である。
【図5】本発明によるバルブ装置を組み込んだ貯蔵器の第1実施形態の縦断面図であり、バルブ装置は閉鎖しているように示されている。
【図6】図5と同様であり、バルブ装置が開放しているように示されている図である。
【図7】バルブ装置の外部スリーブを取り除いた、バルブ装置の一体型内部注ぎ口を示す、図5および図6に示す蓋の縦断面図である。
【図8】図5および図6に示すバルブ装置の外部スリーブの側面図である。
【図9】図5および図6に示すバルブ装置の外部スリーブの縦断面図である。
【図10】図5〜図9の貯蔵器をスプレーガンに接続するためのアダプタの斜視図である。
【図11】図10に示すアダプタの平面図である。
【図12】本発明による貯蔵器の第2実施形態を示す縦断面図である。
【図13】本発明による貯蔵器の第3実施形態を示す縦断面図である。
【図14】本発明による貯蔵器の第4実施形態を示す縦断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴霧装置におけるまたはそれに関連する改良に関する。本発明は、特に、但し排他的にではなく、塗料、ラッカーまたは同様のコーティング材等の液体を噴霧するスプレーガンに対し適用可能である。より詳細には、本発明は、内部の液体をスプレーガンに移すためのスプレーガンに接続可能な出口を有する貯蔵器に関する。
【背景技術】
【0002】
スプレーガンは、車体修理店において、事故の後に修理された車両に再吹付け塗装を行う場合に広く使用される。既知のスプレーガンでは、塗料は、ガンに取り付けられた貯蔵器からスプレーノズルに供給される。塗料は、スプレーノズルから出てくると、ノズルに供給される圧縮空気により霧化され噴霧を形成する。塗料は、重力供給される場合があり、あるいは、より最近では、圧縮空気ラインから貯蔵器に抽気される空気により加圧供給される場合がある。
【0003】
典型的な貯蔵器は、塗料ポットから構成され、塗料ポットは、底部に、スプレーガンに取り付けられる出口を有し、上部に、塗料をスプレーガンに分配するためにポットに導入する際に使用することができる取外し可能なキャップを有する。
【0004】
この構成により、貯蔵器の塗料を変える場合に、仕上げに悪影響を与える可能性のある二次汚染を回避するために、スプレーガンおよびポットを完全に清掃しなければならない。これは、特に、隣接する車体の既存の色である色に正確に一致するように車両の一部に噴霧する場合に重要である。
【0005】
清掃は、時間がかかり、健康上および/または安全上の危険を生じさせる可能性のある溶剤を使用する必要がある。典型的な仕上げには、下塗剤、ベースコートおよびクリアラッカーの塗布を必要とする場合がある。したがって、スプレーガンおよびポットを、1回の修理を行う場合に数回清掃しなければならない場合があり、これにより、作業者が、かかる清掃に関連する健康上および安全上の危険性に晒される機会が大幅に増える。
【0006】
さらに、清掃により、スプレーガンおよびポットが清掃されている間に喪失する作業時間と、清掃材自体および/またはポットに残っている、捨てられる任意の塗料の費用と、の両方に関し、修理コストが大幅に増える。
【0007】
清掃の量を低減し1つの塗料から別の塗料への入替えを容易にするために、本出願人は、国際公開第98/32539号パンフレットにおいて、塗料ポットに、塗料を分配するための別個の上部が開口したライナを設ける構成を、先に提案した。ライナはポット内で密接嵌合しており、スプレーガンへの離脱可能な接続のための出口を有する別個の蓋によって閉鎖される。
【0008】
使用時、塗料が引き出されるとライナは崩壊し、噴霧後、ライナおよび蓋を除去することにより、スプレーガンを次に使用するために新しく清浄なライナおよび蓋を採用することが可能になる。その結果、必要とされる清掃の量が相当に低減され、スプレーガンを、簡単な方法で異なる塗料を塗布するために容易に適合させることができる。
【0009】
これは、ユーザにとってかなりの利益がある。特に、別の塗料を噴霧するようにスプレーガンの入替えをする間に喪失する作業時間の量を低減することにより、効率が向上し、必要な清掃材の量を低減することにより、清掃作業に関連する潜在的な健康上および安全上の危険性に作業者が晒される機会が低減される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、蓋/ライナアセンブリを塗料ポットから除去する時に、ライナに塗料が残っている場合、問題が発生する可能性がある。任意の未使用の塗料をライナから収納容器に移すことは、しばしば実際的ではなく、未使用塗料とともに蓋/ライナアセンブリを捨てることは、無駄であり、塗料の漏れから潜在的な健康上/安全上の危険がある。
【0011】
たとえばキャップによって蓋の出口を一時的に閉鎖することにより、ライナの未使用塗料の保管が可能である。これにより、残りの塗料を使用するために、ライナおよび蓋を塗料ポットに再度取り付けることが可能となり得る。しかしながら、これは、概して、数時間までの短時間の保管にしか適していない。このため、より長い期間にわたると、塗料が乾燥することによりキャップが蓋に張り付く可能性があり、それによってキャップの取外しが困難となるか、またはまったく取り外すことができなくなる。さらに、キャップを無理に離脱させる場合、乾燥した塗料の薄片が剥離し塗料内に入ることにより塗料が汚染される危険性がある。
【0012】
未使用塗料の長期間の保管に対するさらなる問題は、ライナが崩壊した状態にある時のライナ/蓋アセンブリの不安定性から、かつ、壊れ易いライナ/蓋アセンブリが、落とされるかまたは他の方法で誤って扱われた場合に破損し易いことから、もたらされる。したがって、蓋およびライナを分離した場合に塗料の漏れおよび流出の危険性があり、それにより、ライナ/蓋アセンブリを任意のかなり時間にわたって保管し取扱うことが複雑になる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、既知の塗料貯蔵器の上述した問題および不都合を考慮してもたらされた。特に、本発明は、内部に塗料を保管する役割も果たすことができる、スプレーガンと共に使用する貯蔵器を提供しようとするものである。
【0014】
このため、本発明は、スプレーガンに接続可能な、貯蔵器の出口のためのクロージャシステムを提供し、それにより、出口を確実な方法で開閉することができる。
【0015】
より詳細には、本発明は、作業を行った日の終りにかつ/または噴霧する塗料を入れ替える場合に、貯蔵器に残っている未使用塗料を、貯蔵器をスプレーガンに再度取り付けた時に後に使用するために、貯蔵器に保管することができるようにする、クロージャシステムを提供する。
【0016】
便宜上、以下「塗料」という用語を使用するが、材料の特性および/または意図された用途に応じて霧化されたまたは霧化されていない形態で塗布することができる、下塗剤、ベースコート、ラッカー、ニスおよび類似の塗料状材料と、接着剤、シーラント、充填剤、パテ、粉末コーティング、黒色火薬、研磨用スラリー、離型剤および鋳物用仕上げ剤等の他の材料と、を含む(限定しない)、スプレーガンを使用して塗布することができるすべての形態の流動性材料(表面を着色するか否かに係らず)が、本発明の範囲内に含まれ、「塗料」という用語はそれに従って解釈されるべきである、ということが理解されよう。
【0017】
有利には、実施形態によっては、本発明は、貯蔵器がスプレーガンに接続された場合に操作することができるクロージャシステムを提供する。
【0018】
有利には、実施形態によっては、本発明は、空でまたは事前に充填して供給することができる貯蔵器のためのクロージャシステムを提供する。
【0019】
一態様によれば、本発明は、液体噴霧装置と共に使用する貯蔵器を提供し、貯蔵器は、液体噴霧装置に接続可能な出口と出口を開閉するバルブ装置と有する。
【0020】
便宜上、本発明を、以下、貯蔵器のスプレーガンとの使用に関して説明するが、本発明はかかる使用に限定されず、他のタイプの液体噴霧装置と使用してもよい、ということが理解されよう。
【0021】
貯蔵器にバルブ装置を設けることにより、発明された貯蔵器を、流出を防止するために出口を閉鎖してスプレーガンに取り付けることができ、出口を、塗料をスプレーガンに供給することができるように開放することができる。噴霧が完了すると、出口を再び閉鎖することができ、流出を防止するために貯蔵器を取り除くことができる。
【0022】
貯蔵器が取り外される時に残っている未使用塗料を、塗料の汚染/劣化を防止するために出口を閉鎖して貯蔵器に保管することができ、貯蔵器を、後に塗料を使用するために再度取り付けることができる。
【0023】
その結果、発明された貯蔵器は、塗料が1回または複数回の噴霧操作で使用されるのを可能にすることにより無駄を低減し、スプレーガンから取り外されている間、噴霧操作間に未使用塗料を保管することができる。これにより、特に貯蔵器が複数の修理で使用される可能性のある標準的な塗料混合物を収納する場合、費用を節減することができる。
【0024】
バルブ装置を提供するさらなる利点は、流出の危険性なしに、貯蔵器を通常の直立位置でのスプレーガンに取り付けるために、出口を閉鎖して貯蔵器を逆転させることができ、その後、噴霧を開始するために出口を開放することができる、ということである。さらに、貯蔵器を廃棄するためまたは貯蔵器の未使用塗料を将来使用するべく保管するために、出口をいつでも閉鎖することができ、貯蔵器を、流出の危険性なしに通常の直立状態にあるスプレーガンから取り外すことができる。
【0025】
このように、貯蔵器の接続および取外しを、貯蔵器からの塗料の流出を防止するためにスプレーガンを逆転させる必要のない、安全で確実な方法で達成することができる。
【0026】
好ましくは、貯蔵器は、すべての塗料を使用した時または残りの塗料がそれ以上必要でない場合に捨てることができるように、使い捨てである。使い捨ての貯蔵器を採用することにより、噴霧する塗料を変える場合に、スプレーガンと貯蔵器を固定する任意のコネクタのみを清掃すればよい。
【0027】
このように、設定時間が低減され、作業者が清掃材(溶剤)に晒される機会が低減する。これにより、効率の向上からさらに費用の節減がもたらされ、作業者に対する健康上および安全上の危険性を低減されることが可能である。
【0028】
好ましい構成では、塗料がスプレーガンに供給するために引き出されると、貯蔵器は崩壊可能である。好ましくは、貯蔵器は、液体が引き出される時、基端から出口に向かって軸方向に崩壊可能である。このように、貯蔵器から塗料を移すことが容易になり、貯蔵器を、使用後に廃棄するためにコンパクトな構成にまで崩壊させることができる。
【0029】
貯蔵器は、スプレーガンに接続するために出口が設けられた取付部と、使用時に貯蔵器から塗料が引き出される際に真空の形成を防止する崩壊可能部と、を有してもよい。一構成では、貯蔵器は、国際公開第98/32539号パンフレットに開示されたタイプのものであってもよく、そこでは、崩壊可能部は、外部ポットのための上部が開口したライナであり、外部ポットはライナを支持し、取付部は、ライナを閉鎖するように構成されライナとの間に液密圧縮シールを提供するようにロックカラーによって固定される蓋である。別法として、またはさらに、ロックカラーにより蓋/ライナアセンブリを外部ポットに固定して、ライナおよび蓋を、それらの間に液密シールを提供するように相互係着構成物の係合により互いに機械的に固定してもよい。
【0030】
このように、噴霧する塗料を入れ替える場合に、貯蔵器を清掃することなく、蓋/ライナを取り除いて新しい清浄な蓋/ライナに置き換えることができる。この構成は、特に、エンドユーザが車両の色に一致する色の塗料混合物を用意しこれを用いて車両に噴霧するために貯蔵器を充填する場合に適している。
【0031】
別の構成では、取付部と崩壊可能部とを互いに永久的に固定することにより、それらの間に耐漏性シールを提供してもよい。たとえば、取付部と崩壊可能部とを、接着剤、溶接または他の適当な手段によって互いに結合してもよい。別法として、取付部と崩壊可能部とを一体構造で一体的に形成してもよい。たとえば、取付部と崩壊可能部とを、射出またはブロー成形によって製作してもよい。
【0032】
このように、上述した外部ポットおよびロックカラーなしに、貯蔵器をスプレーガンに取り付けてもよい。この構成は、ユーザが車両に噴霧するために貯蔵器をスプレーガンに取り付けるだけでよいように、貯蔵器が事前に充填されてエンドユーザに供給される場合に特に適している。
【0033】
特に好ましい構成では、取付部は、貯蔵器の内面を画定し、崩壊可能部は、貯蔵器の崩壊状態において取付部の内面に実質的に従うように構成される。これにより、崩壊可能部と内面との間に、塗料が捕捉される可能性のあるポケットが形成されない。その結果、貯蔵器の完全に崩壊した状態で、実質的にすべての塗料を排出することができる。
【0034】
崩壊可能部は、貯蔵器から塗料が引き出されると取付部の内面に従うように伸びる、弾性または伸縮性ダイヤフラムの形態であってもよい。別法として、崩壊可能部は、内面から間隔が空けられた拡張位置と内面に重なる崩壊位置との間で可逆性であるように構成された、非弾性または非伸縮性ダイヤフラムの形態であってもよい。たとえば、ダイヤフラムは、拡張位置において内面の鏡像であってもよい。
【0035】
必要となるまで、劣化なしに包装し保管することができる塗料(または本明細書で定義したような他の液体)に対し、有利には、事前充填を採用してもよい。このため、事前充填は、すぐに使用できる状態で(すなわち、既存の色に色を合わせる変更を必要とすることなく)供給することができる液体に対し、特に有用であり得る。たとえば、指定された色調の標準色のベースコートおよび/または非活性化形態で供給され必要な場合は光源(紫外線)または電気エネルギに露出することによる等の適当な手段によって(必要な場合は)活性化されることが可能な下塗剤またはラッカーである。
【0036】
有利には、バルブ装置は流体出口に組み込まれ、流体出口は、バルブ装置を介してスプレーガンに離脱可能に接続されるようになされる。たとえば、バルブ装置は、出口を開閉するように軸方向に相対的に移動可能である同軸上の内部部材および外部部材を備えてもよい。
【0037】
内部部材は、注ぎ口の形態であってもよく、外部部材は、出口を開閉するように注ぎ口上で摺動可能なスリーブの形態であってもよい。注ぎ口は、注ぎ口の外端でポートを画定する内部リブによって支持される中央プラグを有してもよく、スリーブは、外端において、プラグと位置合せされた中央開口を備えた内壁を有してもよい。
【0038】
このように、プラグは、開口に受容され、内壁は、スリーブの後退位置で出口を閉鎖するようにポートを覆い、スリーブは、開口にプラグが無く内壁が出口を開放するようにポートを覆わなくなる伸長位置まで軸方向に移動可能である。これにより、製造が簡単で使用に信頼性がある構造が提供される。
【0039】
好ましくは、貯蔵器をスプレーガンに接続するアダプタが設けられる。アダプタは、一端に、スプレーガンに接続するためのねじ山または他の適当な手段を有する管状体を備えてもよく、スリーブは、他端においてそれらの間に液密シールを提供するように押込嵌合する。たとえば、スリーブは、アダプタの他端において開口の内壁と協働可能な1つまたは複数の外部密封リブを有してもよい。
【0040】
有利には、スリーブには、スリーブとアダプタとの軸方向の分離を防止するために、アダプタと離脱可能なロック係合のための一対の直径方向に対向するリテーナフックが設けられる。このように、貯蔵器がスプレーガンから偶発的にまたは不注意に取り外されることが防止される。
【0041】
リテーナフックは、スリーブがアダプタに押込嵌合することにより貯蔵器を固定するように係合可能であってもよく、貯蔵器を取り外したい場合にリテーナフックを手動で離脱させるためのつまみまたは引き手が設けられた夫々の支持アームを介して、スリーブに接続されてもよい。このように、ユーザによる必要な労力または手先の起用さが最小である単純な行為で、貯蔵器をスプレーガンに接続しスプレーガンから離脱させることができる。
【0042】
この構成により、貯蔵器をスプレーガンに取り付ける行為とスプレーガンから取り外す行為はともに、スリーブを、出口を閉鎖するその後退位置に維持する傾向があり、それにより、貯蔵器を閉鎖位置にあるバルブ装置に接続し/バルブ装置から分離する場合の流出の危険性が低減する。
【0043】
さらに、貯蔵器がスプレーガンに接続されると、スリーブをその後退位置からその伸長位置まで移動させるように貯蔵器をスプレーガンから離れるように引くことができ、それにより出口が開放され塗料がスプレーガンに流れ込むことが可能になる。貯蔵器をスプレーガンから分離したい場合、スリーブをその伸長位置からその後退位置まで移動させるように貯蔵器をスプレーガンに向かって押すことができ、それにより出口が閉鎖し塗料がスプレーガンに流れ込まないようになる。
【0044】
注ぎ口は、外端に、スリーブの対向する内面における軸方向に延在する凹所と、それらの間の塗料の漏れを防止するために液密シールを提供するように係合可能である外部リップを有してもよい。
【0045】
リップはまた、スリーブの伸長位置を画定しスリーブを注ぎ口上に保持するエンドストップを提供するように、凹所の一端における内部肩部と係合可能であってもよい。このように、出口を開閉するためのスリーブと注ぎ口との相対的な軸方向の移動が制御され、スリーブを注ぎ口から取り外すことはできない。
【0046】
好ましくは、注ぎ口およびスリーブに、注ぎ口とスリーブとの間の相対的な回転を防止するように係合可能な協働する軸構成物が設けられる。このように、スリーブは、注ぎ口上での軸方向の移動に対して案内される。
【0047】
貯蔵器は、塗料が貯蔵器からスプレーガンに移されている際に塗料から望ましくない固体粒子を除去するフィルタを有してもよい。フィルタは、出口においてバルブ装置の上流に配置されたメッシュスクリーンからなってもよい。別法として、スプレーガンに供給される塗料のフィルタリングが必要でない場合は、フィルタをなくしてもよい。
【0048】
貯蔵器が、塗料が事前充填されて供給される場合、出口に、エンドユーザに対し最初の使用の前に貯蔵器が完全な状態であるという視覚的指示を提供する不正開封防止機能付きクロージャを設けてもよい。かかるクロージャは、貯蔵器がスプレーガンから取り外される場合に出口を覆うために再度取り付けることができる取外し可能キャップの形態であってもよい。別法として、クロージャは、出口を覆い最初の使用の前に除去されるホイル片等の不正開封防止機能付きシールからなってもよい。
【0049】
クロージャは、キャップからなる場合、貯蔵器において未使用塗料を保管するために、汚染物質が入ることに対しさらなる保護を提供してもよい。キャップはまた、バルブ装置において塗料が乾燥しないようにしバルブ装置を閉鎖位置においてロックするのに役立つことができる。
【0050】
好ましくは、バルブ装置の注ぎ口は、貯蔵器の一体部分として形成され、スリーブは、バルブ装置を組み立てるために注ぎ口上に押込嵌合する。この構成により、注ぎ口を通して貯蔵器を充填することができ、貯蔵器が充填された後に出口を閉鎖するためにスリーブを注ぎ口に取り付けることができる。このように、貯蔵器を、エンドユーザに対し、すぐにスプレーガンに取り付けることができるように、バルブ装置が閉鎖され事前に充填された状態で供給することができる。
【0051】
別法として、貯蔵器を、エンドユーザに対し、注ぎ口を通して貯蔵器を充填しスリーブを取り付けるようにスリーブを外して空の状態で供給してもよい。この場合、貯蔵器は、崩壊状態で供給されてもよく、エンドユーザは、使用時、貯蔵器に塗料を導入したい場合に、貯蔵器をその崩壊状態から拡張することができる。このように、製造業者による貯蔵器の包装および運搬の、かつエンドユーザによる保管の、空間およびコストを有効に低減することができる。
【0052】
別の構成では、貯蔵器に、塗料を貯蔵器に導入するための、出口とは別個の入口を設けてもよい。この構成により、貯蔵器を、この場合もまた事前に充填して供給してもエンドユーザが充填するために空で供給してもよい。
【0053】
入口が設けられる場合、それは、使用時に貯蔵器がスプレーガンに接続されると、貯蔵器をスプレーガンから取り外すことなく貯蔵器に塗料を追加することができるように、貯蔵器がスプレーガンに嵌合する場合に使用可能であるように構成してもよい。
【0054】
これは、必要な塗料の量が貯蔵器の容量を超えている場合に有益であり得る。たとえば、広い面積を塗装する場合、ユーザは単に、貯蔵器をスプレーガンにまだ取り付けた状態で、必要に応じて追加の塗料を貯蔵器に補給することができる。その結果、塗料の流出および/または汚染の危険性が低減する。
【0055】
ラッカー等の仕上げクリアコートを塗布する場合にもまた有益であり得る。それにより、「フェードアウトさせるかまたは混和する」ためにクリアコートの粘性を低減すべく貯蔵器に希釈剤(溶剤)を追加することが、大幅に容易になる。
【0056】
別の態様によれば、本発明は、スプレーガンであって、それに塗料を供給する貯蔵器が設けられたスプレーガンを提供し、貯蔵器は、スプレーガンに離脱可能に接続された出口と、出口を開閉するバルブ装置と、を有する。
【0057】
好ましくは、貯蔵器は、出口を閉鎖してスプレーガンに接続可能であり、その後出口を開放することにより、塗料をスプレーガンに移すことができる。このように、貯蔵器から塗料が流出することなくガンをその通常の直立位置にしたままで、貯蔵器の出口をガンの上部で入口に接続するために、貯蔵器を逆転させることができる。
【0058】
さらに、塗料が流出することなく貯蔵器をスプレーガンから取り外すことができるように、出口を閉鎖することができる。汚染物質が入ることおよび/または塗料の劣化を防止するために出口を閉鎖して、貯蔵器に残っている未使用塗料を保管することができ、残りの塗料を使用するために貯蔵器を後にスプレーガンに再度取り付けることができる。
【0059】
好ましくは、貯蔵器からの塗料の流出を防止しまたは低減することが可能な真空を形成することなく塗料を引き出すことができるように、貯蔵器は崩壊可能である。このように、貯蔵器を、重力供給式ガンと圧力供給式ガンとの両方と採用することができる。
【0060】
重力供給式スプレーガンに適用する場合、貯蔵器を、貯蔵器に孔が開かないようにするかつ/または軸方向に容器の崩壊を制御するのに役立つ外部容器に収容してもよい。別法として、外部容器を省略してもよい。
【0061】
圧力供給式スプレーガンに適用する場合、貯蔵器は、スプレーガンに供給される圧縮空気源に抽気ラインを介して接続された外部容器に収容される。外部容器に供給される空気の圧力は、塗料が引き出されている際に貯蔵器の崩壊を助けるように作用する。
【0062】
さらなる態様によれば、本発明は、貯蔵器をスプレーガンに接続する方法であって、貯蔵器に出口を開閉するバルブ装置を設けるステップと、出口を、閉鎖した状態でスプレーガンに接続するステップと、出口がスプレーガンに接続されると、貯蔵器からスプレーガンへの塗料の移動を可能にするように出口を開放するステップと、を含む方法を提供する。
【0063】
ここで、本発明を、添付図面を参照して端に例としてより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
図1は、重力供給式の典型的な従来技術による塗料スプレーガン1を示す。ガン1は、本体2と、本体の後端から下方に延在するハンドル3と、本体の前端にあるスプレーノズル4と、を備える。ガンは、ガンの側面に枢着された引金5によって手動で操作される。
【0065】
本体2の上部に塗料貯蔵器6、すなわち塗料ポットが配置され、それは、下端に出口6aを有し上端に取外し可能なキャップ8を有する。出口6aは、ガン1を通ってノズル4まで延在する内部通路(図示せず)と連通する。キャップ8は、スプレーガン1にポット6が取り付けられた時に、塗料をポット6に追加することができるように、取外し可能である。
【0066】
塗料に、塗装面の仕上げを損なう望ましくない粒子がないことを確実にするために、塗料は、通常、フィルタを通してポット6内に注入される。図1は、この目的で取り外されたポット6のキャップ8と、ポットの開口端に配置されようとしている円錐フィルタ9と、を示す。ポット6に塗料が充填されると、フィルタ9は取り除かれ破棄される。別法として、フィルタは、清掃して再使用することができるタイプのものであってもよい。
【0067】
使用時、ガン1を、ハンドル3の下端においてコネクタ7を介して圧縮空気源(図示せず)に接続し、ユーザが引金5を引くと圧縮空気がガンを通してノズル4まで供給されるようにする。その結果、重力下でポット6からノズル4まで供給された塗料が、ノズル4を離れる時に霧化され、ノズル4から出る圧縮空気とともに噴霧を形成する。
【0068】
キャップ8を取り外し、開口端の上にフィルタ9を配置し、フィルタ9を通してポット6内にさらなる塗料を注入することにより、ポット6を再充填することができる。作業を行った日の最後に、またはポット6の塗料を入れ替えたい場合、ポット6をスプレーガン1に再度取り付け新たな塗料を充填する前に、スプレーガン1とポット6とを、古い塗料の痕跡をすべて取り除くように完全に清掃しなければならない。
【0069】
これは時間がかかり、採用する清掃材(一般には、蒸気を発し有害かつ引火性の溶剤)に関連する健康上および安全上の危険性にユーザを晒すことになる。さらに、ポット6に残っている未使用の塗料は、それが塗料混合物に戻されるかまたは別個の収納容器に移される場合に、同伴される粒子または他の原因からの汚染の危険性があるため、通常、捨てなければならない。
【0070】
図2〜図4は、ポット6の代わりに図1のスプレーガン1(または任意の同様のガン)とともに使用することができる代替的な貯蔵器11を示す。貯蔵器11は、上述した国際公開第98/32539号パンフレットの主題を形成し、その出願の内容は引用により本明細書に包含されたものとし、読者はより詳細な説明のためにはそれを参照されたい。
【0071】
貯蔵器11は、スプレーガン1のポット6に匹敵するサイズの外部ポット12を有する。ポット12は、一端が開口しており、他(基)端に空気孔12Aを有する。
【0072】
使い捨てのライナ13が、ポット12の内側に形状が一致し、そこで密接嵌合する。ライナ13は、ポット12の上縁に位置する開口端に幅の狭いリム14を有する。
【0073】
ライナ13の開口端において、使い捨ての蓋15が押込嵌合し、蓋/ライナアセンブリは、ポット12にねじ込まれる環状ロックカラー20によってポット6に固定される。
【0074】
蓋15は、コネクタ注ぎ口17が延在する中央開口16を有し、その端部には、差込接続の一方の部分を形成する外側延長部18が設けられている。開口16は、フィルタメッシュ19によって覆われており、フィルタメッシュ19は、開口16に押込嵌合してもよく、あるいは蓋15の一体部分であってもよい。
【0075】
ライナ13と蓋15とは、典型的には、成形または他の任意の適当な方法により、塗料と融和性のあるプラスチック材料、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミドポリプロピレンまたはポリエチレンから作製される。蓋15は、スプレーガン1に接続するために比較的剛性であり、ライナ13は、使用時に貯蔵器11から塗料が引き出されると崩壊することができるように厚さが薄い。
【0076】
貯蔵器11は、アダプタ21(図3および図4参照)によりスプレーガン1に取り付けられる。アダプタ21は、一端22において内部に、蓋15のコネクタ注ぎ口17に取り付けるための差込接続の他方の部分が形成された管状部品である。アダプタ21の他端23は、スプレーガン1への標準的な取付具に適合する形状を有する(典型的にはねじ山)。
【0077】
使用時、ライナ13を、ポット12内に配置し、上述したように塗料をフィルタ(図示せず)を通して注入する。そして、蓋15を開口端上に配置し、ロックカラー20によって固定する。その後、スプレーガン1を、その通常の動作状態から逆転させ、貯蔵器11を、コネクタ注ぎ口17とアダプタ21との協働するバヨネット構成物によって取り付けることができるようにする。このように、通常の動作位置において濾過された塗料をスプレーガン1に供給するための出口を形成する開口したコネクタ注ぎ口17を通る貯蔵器11からの塗料の漏れが回避される。
【0078】
スプレーガン1の動作中、塗料が引き出されるとライナ13が崩壊する。噴霧が完了すると、スプレーガン1を再びその通常動作位置から逆転し、塗料がスプレーガン1から再び貯蔵器11に排出されることができるようにする。そして、貯蔵器11を、コネクタ注ぎ口17を一番上にして取り外すことにより、未使用の塗料が貯蔵器11から流出しないようにする。そして、ライナ/蓋アセンブリをポット12から取り除くことができ、スプレーガン1を清掃して、上述したように新たな使い捨ての蓋/ライナアセンブリを使用して新たな塗料を噴霧するように設定することができる。
【0079】
このように、作業を行った日の最後にかつ/または噴霧する塗料を入れ替えた時、ポット12を清掃する必要がない。その結果、清掃の量が、図1に関して説明したポット6の使用に比較して大幅に低減される。
【0080】
ポット12から取り除かれた、崩壊した蓋/ライナアセンブリは、捨てることができる。別法として、ライナ13に残っている未使用の塗料を保管するために出口を閉鎖するようにコネクタ注ぎ口17に取り付ける、別個の取外し可能なクロージャキャップ(図示せず)を設けてもよい。このように、蓋/ライナアセンブリを、保管された塗料を使用するために後にスプレーガン1に再度取り付けてもよい。
【0081】
この構成は、概して、数時間の未使用塗料の短期間の保管にしか適していない。そのため、より長い期間にわたると、キャップと注ぎ口17との間に時間の経過により硬化する塗料がある場合、キャップはコネクタ注ぎ口17に付着する可能性がある。これにより、キャップを取り外すことができなくなる可能性があり、または、キャップを強制的に取り除いた場合に、折り取れて貯蔵器内に落ちる乾燥した塗料の薄片により塗料が汚染される結果となる可能性がある。
【0082】
さらに、蓋/ライナアセンブリは、蓋の圧縮嵌合によってしか結合されておらず、落とすかまたは乱暴に扱った場合、ばらばらになって塗料をこぼす可能性がある。したがって、後に使用する目的で未使用塗料を保管するために、ポット12から取り除く時の蓋/ライナアセンブリの完全性を維持するためには、注意深い扱いが必要である。
【0083】
これらの問題の結果として、崩壊した蓋/ライナアセンブリは、未使用塗料の長期間保管には適しておらず、蓋/ライナアセンブリは、しばしば、未使用塗料とともに捨てられる。これは、無駄になる可能性があり、未使用塗料が環境に漏出することから健康上/安全上の危険がある場合がある。
【0084】
ここで添付図面の図5〜図11を参照すると、本発明の第1実施形態が示されており、そこでは、図2〜図4に示す蓋/ライナアセンブリに対応する部分を示すために100番台の同様の参照数字を使用する。
【0085】
この実施形態では、蓋115に対し、貯蔵器111からの塗料の流れを制御するバルブ装置130が設けられている。バルブ装置130は、図5では、貯蔵器111を密封するために閉鎖しているように示されており、図6では、塗料を貯蔵器111から引き出すことができるようにするために開放しているように示されている。
【0086】
蓋115は、先端を切った頂端から延在する注ぎ口117を備えた切頭円錐形形状である。注ぎ口117の外端には、バルブ装置130の第1部分が形成されており、それは、中央プラグ132において相接する一続きの円周上に間隔が空けられた内部ウェブまたはスプール131を備える。プラグ132は、円筒形であり、注ぎ口117の端部を通って水平面より上に突出する。
【0087】
この実施形態では、円周方向に均一に間隔が空けられ、プラグ132により、バルブ装置130の開放状態にある時に塗料が流れることができる6つのポート146を画定する、6つのウェブ131(2つのみを示す)がある。しかしながら、ポート146の数および構成を、図示するものと変えてもよい、ということが理解されよう。
【0088】
バルブ装置130の第2部分は、注ぎ口117上に摺動可能に取り付けられた外部スリーブ133を備える。スリーブ133は、上端に、プラグ132に位置合せされた中央開口135を有するように形成された内壁134を有する。図5に示すバルブ装置130の閉鎖状態では、プラグ132は、開口135に密接嵌合しており、ここでは、壁134は、プラグ132とウェブ131との間でポート146を閉鎖する。この位置では、壁134により、貯蔵器111からの塗料の流れが防止される。
【0089】
スリーブ133は、注ぎ口117上で、図6に示すように、壁134の中央開口135にプラグ132がない位置まで軸方向に摺動可能である。
【0090】
この位置では、バルブ装置130が開放し、塗料が貯蔵器111からポート146および中央開口135を介して流出することができる。
【0091】
注ぎ口117の外面上の2つの直径方向に対向する軸方向に延在するリブ136(図7を参照)が、スリーブ133の内面の相補的な軸方向に位置合せされた溝147(図9を参照)において係合することにより、スリーブ133が注ぎ口117上で回転しないようになっている。
【0092】
リブ136は、注ぎ口117の基部からその高さの半分のすぐ上まで延在し、注ぎ口117には、上端に隣接して外部環状リップ137が設けられている。溝147は、スリーブ133の基部からその高さの半分のすぐ上まで延在し、直径が増大した内腔部139に至る内部肩部138で終端する。
【0093】
注ぎ口117上の環状リップ137は、内腔部139に隙間嵌合し、肩部138は、図6に示すバルブ装置130の開放状態では、スリーブ133を注ぎ口117上に保持するようにリップ137と係合可能である。図5に示すバルブ装置130の閉鎖状態では、スリーブ133の端壁134は、注ぎ口117の外端に当接する。
【0094】
さらに、スリーブ133の下端には、蓋115の上面に略平行に下方向に延在し、外端において上方に湾曲したつまみまたは引き手141で終端する、一対の直径方向に対向するアーム140が設けられている。
【0095】
各アーム140には、スリーブ133から間隔が空けられ、上端において、アンダーカットされたロックリブ145に至る、スリーブ133に対向する面取り面144を有するストライカヘッド143で終端する、直立したリテーナフック142が設けられている。
【0096】
スリーブ133は、アダプタ121(図10および図11を参照)の一端に押込嵌合する。スリーブ133の外面の凹所149に配置された外部環状リブ148は、アダプタ121との液密シールを提供し、スリーブ133の基部150は、スリーブ133とアダプタ121との間に横方向の安定性を提供する。アダプタ121の他端には、スプレーガン1に離脱可能に接続するねじ山124または他の適当な手段が設けられている。
【0097】
変更態様(図示せず)では、スリーブ133は、アダプタ121と密封係合するための複数の外部環状リブ148を有する。別の変更態様(図示せず)では、基部150の外面に凹所が設けられることにより、スリーブ133とアダプタ121との間に横方向の安定性を提供する複数の円周上に間隔が空けられた軸上リブが提供される。
【0098】
アダプタ121は、貯蔵器111からスプレーガン1に塗料を移すための貫通穴125を有し、一端に、貯蔵器111を固定するためにリテーナフック142と離脱可能に係合する外部カラー126が設けられている。
【0099】
図11に最も良く示すように、カラー126は、その周縁部の対向する側に沿って、スリーブ133がアダプタ121の端部に押し込まれるとリテーナフック142のストライカヘッド143が通ることができるように構成された、主円柱形凹状逃げ127を有する。そして、リテーナフック142がフック142を外側に偏向させる凸状カムローブ128と係合するように、貯蔵器111をアダプタ121に対して回転させることができる。ローブ128は、副円柱形凹状逃げ129に至り、フック142は、貯蔵器111をアダプタ121上で軸方向に保持するためにロックリブ145をカラー126上に配置するように、逃げ129内に受容される。
【0100】
手動でつまみ141を把持しアーム140を蓋115に向かって引くことにより、リテーナフック142を解放して貯蔵器111をアダプタ121から取り除くことができる。これにより、リテーナフック142が外側に偏向し、それにより、ロックリブ145がアダプタ121のカラー126から外れ、スリーブ133が貯蔵器111を取り外すためにアダプタ121から引き出されることが可能になる。
【0101】
使用時、ライナ113に、好ましくはフィルタ(図示せず)を介して塗料を充填し、上述したようにライナ113をポット12に挿入する。そして、上述したように、バルブ装置130を閉鎖して蓋115をライナ113の開口端の上に配置し、蓋/ライナアセンブリを、ロックカラー20をポット12上にねじ込むことにより固定する。
【0102】
アダプタ121を、スプレーガン1に固定する。そして、組み立てた貯蔵器111を、貯蔵器111からの塗料のいかなる流出の危険性もなく、バルブ装置30を閉鎖した状態で逆転させ、スプレーガン1をその通常の直立した位置のままにしてアダプタ121に取り付ける。別法として、この場合もまたバルブ130を閉鎖して貯蔵器111を逆転させることにより、アダプタ121を貯蔵器111に接続してもよく、その後、アダプタ121をスプレーガン1に固定してもよい。
【0103】
このように、貯蔵器111をスプレーガンに接続する際に、スプレーガン1を逆転させる必要がなく、それにより、貯蔵器111のスプレーガン1への取り付けが容易になる。特に、貯蔵器からの塗料の流出を防止するために、貯蔵器111をその通常の直立位置にあるスプレーガン1の上方から逆転して嵌合させるには、スプレーガン1を逆転し貯蔵器11をスプレーガン1の下方から嵌合する図2〜図4の実施形態に比較して、手先の器用さが必要でない。
【0104】
また理解されるように、貯蔵器111をアダプタ121にロックするための押込みおよび回転の行為により、バルブ装置130が図5に示す閉鎖位置で保持される。噴霧を開始したい場合、ポット12をスプレーガン1から離れる方向に引いてバルブ装置130を図6に示す開放位置まで移動させることにより、注ぎ口117をスリーブ133に対して軸方向に変位させる。そして、スプレーガン1を上述したように操作することができ、塗料が注ぎ口117の開口ポート146とスリーブ133の端壁134の開口135とを通ってスプレーガン1に供給される。
【0105】
噴霧が完了すると、スプレーガン1を逆転してスプレーガン1内の塗料を貯蔵器111に再び排出することができる。プラグ132を開口135内に再び配置しポート146を注ぎ口117の端部で密封するように、ポット12をスプレーガン1に向かって押すことにより、バルブ装置130を図5に示す閉鎖位置に戻すことができる。そして、スプレーガン1をその通常の直立位置に戻すことができ、つまみ141を蓋115に向かって引くことにより貯蔵器111をスプレーガン1から取り外すことができる。これにより、アーム140が偏向し、ロックリブ145がスリーブ133から離れるように外側に移動することにより、アダプタ121のカラー126が外れる。そして、スリーブ133をアダプタ121から外すようにつまみ141を引き続けることにより、貯蔵器111を取り外すことができる。
【0106】
理解されるように、まずロックリブ145をアダプタ121から外しその後スリーブ133をアダプタ121から取り除くようにつまみ141を引く行為により、バルブ装置130が閉鎖位置で保持される。さらに、貯蔵器111を、スプレーガン1をその通常の直立位置のままにして取り外すため、スプレーガン1に残っているいかなる塗料の最終液滴も流出しない。
【0107】
貯蔵器111をスプレーガン1から取り外すと、ロックカラー20を外すことができ、蓋/ライナアセンブリをポット12から取り除くことができる。そして、必要な場合は後に使用するために未使用塗料を保管するべく、バルブ装置130を閉鎖して、蓋/ライナアセンブリを保管してもよく、もしくは捨ててもよい。そして、ポット12とカラー20とを、異なる塗料を収納する新たな清浄なライナ/蓋とともに再度組み立て、スプレーガン1およびアダプタ121を先の塗料のいかなる痕跡も除去するように清掃した後、スプレーガン1に取り付けてもよい。塗料を再使用したい場合、上述したように、蓋/ライナアセンブリをポット12およびカラー20と再度組み立て、スプレーガン1に取り付けてもよい。そして、バルブ装置130を開放して塗料をスプレーガン1に供給することができるようにしてもよい。
【0108】
再使用のために蓋/ライナアセンブリに未使用塗料を保管する場合、バルブ装置130は、蓋/ライナアセンブリに保管されている塗料にいかなる外部汚染物も入らないようにする。さらに、バルブ装置130の露出部分を、塗料のいかなる痕跡も乾燥する可能性のある前に除去するように拭って清浄にしてもよい。これにより、保管された塗料を再使用したい場合にあり得る汚染源が回避され、かつ/または、蓋/ライナアセンブリをスプレーガン1に再度取り付ける場合にバルブ装置130を確実に開放することができる。
【0109】
ここで図12を参照すると、第1実施形態に概して類似する本発明の第2実施形態が示されており、そこでは、対応する部分を示すために200番台の同様の参照数字を使用する。
【0110】
この実施形態では、ライナ213と蓋215とが互いに永久的に取り付けられることにより貯蔵器211を形成する。たとえば、蓋215を、250に示すように、接着剤、ヒートシールまたは超音波溶接によりライナ213のリムの周囲に固定してもよい。このように、ポット12と、ライナを支持し蓋とライナとの間に液密シールを提供するロックカラー20と、をなくしてもよい。しかしながら、用途によっては、スプレーガン1に取り付けられた貯蔵器211の安定性を提供するために、円柱状のライナ213のための何らかの形態の外部支持体が望ましい場合もある。
【0111】
塗料の流出/漏れを防止するために、閉鎖位置において蓋215をバルブ装置230に固定する前に、ライナ213に塗料を充填してもよい。別法として、塗料の流出/漏れを防止するために、スリーブ233を取り付けてバルブ装置230を閉鎖する前に、蓋215とライナ213とを互いに固定し、注ぎ口217を通してそれらに塗料を充填してもよい。そして、ユーザが要求に応じてスプレーガン1に取り付けるために、事前に充填された貯蔵器211を供給することができる。
【0112】
これは、標準の色を有する塗料の供給に対し特に有益であり得る。したがって、いかなる追加の部品もなしに、1回または複数回、スプレーガンに取り付けかつスプレーガンから取り外すことができる事前に充填された貯蔵器を提供することにより、設定時間が低減されるだけでなく、未使用塗料を後に使用するために保管することを可能にすることにより無駄も低減される。別法として、ユーザが注ぎ口217を通して貯蔵器211を充填し、貯蔵器211をスプレーガン1に固定する前に、バルブ装置230を組み立てるためにスリーブ233を取り付けることができるように、スリーブ233が取り外された貯蔵器211を供給してもよい。
【0113】
塗料が事前に充填された貯蔵器211を供給する場合、貯蔵器211の輸送およびエンドユーザへの供給中の貯蔵器の中身の漏れおよび/または汚染または不正操作に対して安全性を追加するために、不正開封防止機能付きクロージャを提供してもよい。
【0114】
かかるクロージャは、プラグ232および開口235を覆うようにスリーブ233に固定され、貯蔵器211をスプレーガン1に接続したい場合は除去される、安全キャップ(図示せず)であってもよい。別法として、クロージャは、プラグ232および開口235を覆うようにスリーブ233に取り付けられ貯蔵器211を最初に使用する時に除去される、ホイル片等の安全シール(図示せず)であってもよい。
【0115】
キャップが設けられる場合、将来使用するために未使用塗料を保管すべく貯蔵器211を取り除く時に、汚染に対する保護を追加するためにキャップを再度取り付けてもよい。ユーザが貯蔵器211を充填しバルブ装置230を組み立てるためにスリーブ233を取り付けるように、スリーブ233を別個にして貯蔵器211を供給する場合にもまた、かかるキャップを設けてもよい。
【0116】
ここで図13を参照すると、第2実施形態に概して類似する本発明の第3実施形態が示されており、そこでは、対応する部分を示すために300番台の同様の参照番号を使用する。
【0117】
この実施形態では、先の実施形態の円筒状のライナ213を、非伸縮性で可撓性のダイヤフラム360に代える。ダイヤフラム360を、蓋315とは別個に形成し、350に示すように接着剤、ヒートシールまたは超音波溶接等の任意の適当な手段により蓋315の周縁に永久的に取り付けてもよい。たとえば、ダイヤフラム360を、孔が開きにくく塗料に対し不浸透性であるシート材料から形成してもよい。適当な材料には、単層構造でも多層構造でもよい金属箔およびポリマフィルムがあり、金属箔およびポリマフィルムの積層品であってもよい。
【0118】
別法として、ダイヤフラム360を、蓋315と一体的に形成してもよい。たとえば、ダイヤフラム360および蓋315を、射出またはブロー成形等の任意の適当な手段によってプラスチック材料から形成してもよく、その際、必要な可撓性を提供するためにダイヤフラム360の厚さを低減する。
【0119】
図示するように、ダイヤフラム360は、概して蓋315の内部円錐形状に対応する先端を切った円錐形状である。ダイヤフラム360は、実線で示す拡張位置と破線で示す崩壊位置との間で、中心面CPに関して可逆性である。ダイヤフラム360は、拡張位置を採用して実質的に平坦な面316を提供し、それにより、貯蔵器311を、塗料を充填する時に直立して立たせることができる。
【0120】
使用時、上述したように、バルブ装置330を閉鎖して、貯蔵器311をスプレーガン1に取外し可能に取り付ける。蓋315は、ユーザが貯蔵器311をスプレーガン1に取り付ける時に基端を把持することができる寸法および形状である。このように、貯蔵器311を取り付ける時に貯蔵器311の塗料が加圧されず、それにより漏れ/流出の危険性が低減する。
【0121】
そして、バルブ装置330を開放することにより、スプレーガン1に供給するために塗料を貯蔵器311から引き出すことができるようにする。塗料が貯蔵器311から引き出されると、ダイヤフラム360にわたって圧力差が生じ、それにより、ダイヤフラム360が蓋315に向かって内部に変形する。これにより、貯蔵器311内の真空の形成を防止することによって、貯蔵器311からの塗料の平滑な連続した流れが可能になる。
【0122】
ダイヤフラム360は、図13に輪郭だけで示す完全に崩壊した位置において、その元の位置から逆転し蓋315の内部形状に実質的に従うまで、塗料が引き出されるに従い、蓋315の内面に徐々に係合する。これは、貯蔵器311内における塗料を捕捉する可能性のあるいかなるポケットの形成も防止する助けとなり、それにより、必要な場合に実質的にすべての塗料を分配することができることが確実になる。
【0123】
先の実施形態と同様に、貯蔵器311を、塗料を事前に充填して供給してもよい。別法として、ユーザが注ぎ口317を介して貯蔵器311を充填するように、スリーブ333を別個にして貯蔵器311を空で提供し、その後、バルブ装置330を閉鎖するようにスリーブ333に取り付けてもよい。
【0124】
貯蔵器311は、単一の用途に対して十分な塗料を保持しても複数の用途に対して十分な塗料を保持してもよい。貯蔵器311に、液体311を実質的に完全に充填してもよく、あるいは、恐らくは内部混合ベアリングを用いて手または機械によりダイヤフラム360を揉むことによりまたは貯蔵器311を振ることにより、使用の前に塗料が完全に混合することができるように、わずかに余裕を残してもよい。これは、貯蔵器311を、塗料を事前に充填して供給し、それを使用前にある期間保管していた場合に有利でありかつ/または望ましい場合がある。
【0125】
理解されるように、蓋315と可逆性ダイヤフラム360とは、第1および第2実施形態に比較してより小型かつ安定し、いかなる外部支持なしにも貯蔵器311の使用を容易にする構成を提供する。したがって、貯蔵器311をスプレーガン1に取り付け塗料を引き出す時、ダイヤフラム360は制御された方法で変形し、蓋315の内部形状に従う。取付部分の内部形状に従うダイヤフラムを備えた貯蔵器は、本出願人による同日付の同時係属英国特許出願の主題を形成する。
【0126】
ここで図14を参照すると、先の実施形態に概して類似する本発明の第4実施形態が示されており、そこでは、対応する部分を示すために400番台の同様の参照数字を使用する。
【0127】
この実施形態では、上述したように、貯蔵器411はバルブ装置430を介してスプレーガン1に取外し可能に接続可能であり、蓋415には、取外し可能なキャップ471によって閉鎖される別個の注入開口470が設けられている。この構成により、事前に充填された貯蔵器411をエンドユーザに供給する場合かまたはエンドユーザが要求に応じて塗料を充填する場合のいずれに対しても、蓋415の開口470を通して貯蔵器411を充填することができる。
【0128】
貯蔵器411が、エンドユーザに供給するために事前に充填されている場合、中身の不正操作に対する安全性のために、充填後に取り外しできないようにキャップ471を永久的に固定してもよい。別法として、エンドユーザが中身を活性化させるための成分を追加することができるように、たとえば、使用直前に硬化剤を付加するかつ/または使用中にたとえば希釈剤を付加することができるように、キャップ471を取外し可能としてもよい。
【0129】
理解されるように、貯蔵器411のスプレーガン1への離脱可能な接続のためにバルブ装置430が設けられている場合、開口470によって貯蔵器411の充填が容易になる。開口470およびキャップ471を、図5〜図13に示した貯蔵器の先の実施形態のいずれにおいて採用してもよい。
【0130】
上述した本発明の例示的な実施形態のバルブ装置の構成部品を、任意の適当な方法、たとえば射出成形により、プラスチック材料、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、ポリプロピレンまたはポリエチレンから形成してもよい。
【0131】
本明細書で使用するように、貯蔵器を、「蓋」および「ライナ」または「蓋」および「ダイヤフラム」等の用語を参照して説明している。かかる用語は、単に便宜上使用するものであり、本発明は、スプレーガンまたは同様の噴霧装置に取り付けるために貯蔵器のいかなるタイプまたは構成にも適用可能である、ということが理解されよう。たとえば、上述した実施形態では、貯蔵器は、塗料のために単一チャンバまたはコンパートメントを形成する。しかしながら、貯蔵器は、反応性成分を別々に保管し使用前に混合することができるようにする破断可能な膜によって分離された内部コンパートメントを有してもよい。また、貯蔵器を、任意の所望の特性または特徴を提供するように構成してもよい。したがって、貯蔵器を、光を排除するようにまたは絶縁を提供するように適合させてもよい。
【0132】
理解されるように、本発明は、流出の危険性が低減し未使用塗料を後に使用するために貯蔵器に保管することができるようにする、貯蔵器をスプレーガンに取り付けかつスプレーガンから取り外すことを容易にするバルブ装置を備えた、塗料(または本明細書で定義したように他の液体)のための貯蔵器を提供する。
【0133】
このように、塗料の無駄が低減され、貯蔵器を、空であるかまたは残っている塗料がそれ以上必要でない場合に、捨てることができる。また、バルブ装置を設けることは、いかなる特別な組立てステップも必要とすることなく、スプレーガンに取り付けることができる事前に充填された貯蔵器を提供するために有利であり、それにより設定時間が短縮される。
【0134】
本発明の例示的な実施形態で説明したバルブ装置は、操作が容易であり使用において信頼性がある、比較的低コストで製造することが可能な単純な構成である。本発明において採用することができるバルブ装置の他の構成は、当業者には明らかとなろう。また、それらは本発明の範囲内にあると考えられる。
【0135】
また、本明細書で説明した例示的な実施形態は、本発明の種々の範囲および適用を例示するように意図されていることと、実施形態の特徴を別々に、もしくは同じかまたは異なる実施形態の任意の他の特徴と組合せて採用してもよいということと、が理解されよう。
【0136】
本発明はそれらに限定されず、また、本明細書において概略的に説明したように、さまざまな変更および改良を、本発明の精神および範囲内で行うことができる、ということが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】従来技術によるスプレーガンの斜視図である。
【図2】図1に示すスプレーガンと共に使用する代替塗料貯蔵器の構成部品の組立分解等角図である。
【図3】組み立てられた、図2に示す塗料貯蔵器と、貯蔵器をスプレーガンに接続するためのアダプタと、の斜視図である。
【図4】図3に示す塗料貯蔵器とアダプタとの縦断面図である。
【図5】本発明によるバルブ装置を組み込んだ貯蔵器の第1実施形態の縦断面図であり、バルブ装置は閉鎖しているように示されている。
【図6】図5と同様であり、バルブ装置が開放しているように示されている図である。
【図7】バルブ装置の外部スリーブを取り除いた、バルブ装置の一体型内部注ぎ口を示す、図5および図6に示す蓋の縦断面図である。
【図8】図5および図6に示すバルブ装置の外部スリーブの側面図である。
【図9】図5および図6に示すバルブ装置の外部スリーブの縦断面図である。
【図10】図5〜図9の貯蔵器をスプレーガンに接続するためのアダプタの斜視図である。
【図11】図10に示すアダプタの平面図である。
【図12】本発明による貯蔵器の第2実施形態を示す縦断面図である。
【図13】本発明による貯蔵器の第3実施形態を示す縦断面図である。
【図14】本発明による貯蔵器の第4実施形態を示す縦断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体噴霧装置と共に使用する貯蔵器であって、液体噴霧装置に接続可能な出口と、該出口を開閉するバルブ装置と、を具備する貯蔵器。
【請求項2】
使い捨てである、請求項1に記載の貯蔵器。
【請求項3】
崩壊可能である、請求項1または2に記載の貯蔵器。
【請求項4】
基端から前記出口に向かって軸方向に崩壊可能である、請求項3に記載の貯蔵器。
【請求項5】
噴霧装置に接続するために前記出口が設けられる取付部と、使用時に当該貯蔵器から塗料が引き出される場合に真空の形成を防止する崩壊可能部と、を具備する、請求項3または4に記載の貯蔵器。
【請求項6】
前記崩壊可能部が、上部が開口した容器の形態であり、前記取付部が、該容器を閉鎖するように配置された蓋である、請求項5に記載の貯蔵器。
【請求項7】
前記容器が、外部ポットに受容され、前記蓋が、ロックカラーによって固定される、請求項6に記載の貯蔵器。
【請求項8】
前記容器および蓋が、相互係着構成物の係合により互いに機械的に固定される、請求項6または7に記載の貯蔵器。
【請求項9】
前記容器および蓋が、それらの間に耐漏性シールを提供するように互いに永久的に固定される、請求項6または7に記載の貯蔵器。
【請求項10】
前記容器および蓋が、接着剤、溶接または他の適当な手段によって互いに結合される、請求項9に記載の貯蔵器。
【請求項11】
前記取付部が、当該貯蔵器の内面を画定し、前記崩壊可能部が、当該貯蔵器の崩壊状態において該内面に実質的に従うようになされた可撓性ダイヤフラムの形態である、請求項5に記載の貯蔵器。
【請求項12】
前記ダイヤフラムが、伸長位置と崩壊位置との間で可逆性である、請求項11に記載の貯蔵器。
【請求項13】
前記バルブ装置が、前記流体出口に組み込まれており、該流体出口が、該バルブ装置を介して噴霧装置に離脱可能に接続されるようになされた、請求項1〜12のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項14】
前記バルブ装置が、前記出口を開閉するように軸方向に相対的に移動可能な同軸上の内部部材および外部部材を備える、請求項13に記載の貯蔵器。
【請求項15】
前記内部部材が、注ぎ口の形態であり、前記外部部材が、前記出口を開閉するように該注ぎ口上で摺動可能なスリーブの形態である、請求項14に記載の貯蔵器。
【請求項16】
前記注ぎ口が、該注ぎ口の外端でポートを画定する内部リブによって支持された中央プラグを有し、前記スリーブが、外端において該プラグと位置合せされた中央開口を備えた内壁を有する、請求項15に記載の貯蔵器。
【請求項17】
前記プラグが、前記開口に受容され、前記内壁が、前記スリーブの後退位置で前記出口を閉鎖するように前記ポートを覆い、該スリーブが、伸長位置まで軸方向に移動可能であって、該伸長位置において、プラグが該開口に無く、該内壁が該出口を開放するように該ポートを覆っていない、請求項16に記載の貯蔵器。
【請求項18】
当該貯蔵器を噴霧装置に接続するアダプタが設けられる、請求項15〜17のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項19】
前記アダプタが、一端に前記噴霧装置に接続するためのねじ山または他の適当な手段を有する管状体を備え、前記スリーブが、他端においてそれらの間に液密シールを提供するように押込嵌合する、請求項18に記載の貯蔵器。
【請求項20】
前記スリーブが、前記アダプタの前記他端において開口の内壁と協働可能な1つまたは複数の外部密封リブを有する、請求項19に記載の貯蔵器。
【請求項21】
該スリーブとアダプタとの軸方向の分離を防止するために、前記スリーブが、該アダプタとの離脱可能なロック係合のための一対の直径方向に対向するリテーナフックを備えている、請求項19または20に記載の貯蔵器。
【請求項22】
前記リテーナフックは、当該貯蔵器を前記アダプタから取り外すために、該リテーナフックを手動で離脱させるためのつまみまたは引き手が設けられた夫々の支持アームを介して、前記スリーブに接続される、請求項21に記載の貯蔵器。
【請求項23】
前記注ぎ口が、外端に外部リップを有し、該外部リップが、凹所の間の塗料の漏れて防止するために液密シールを提供するように、前記スリーブの対向する内面における軸方向に延在する凹所と係合可能である、請求項15〜22のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項24】
前記リップが、前記注ぎ口において前記スリーブを保持するエンドストップを提供するために、前記凹所の一端における内部肩部と係合可能である、請求項23に記載の貯蔵器。
【請求項25】
前記注ぎ口およびスリーブは、該注ぎ口とスリーブとの間の相対的な回転を防止するように係合可能な協働する軸構成物を備えている、請求項14〜24のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項26】
前記貯蔵器には、前記バルブ装置の前記注ぎ口が一体部分として形成されていて、該スリーブは該バルブ装置を組み立てるために該注ぎ口上で押込嵌合されている、請求項14〜25のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項27】
前記スリーブが、前記注ぎ口を介して当該貯蔵器を充填した後に該注ぎ口に取り付けられることが可能な、請求項26に記載の貯蔵器。
【請求項28】
前記貯蔵器が、当該貯蔵器から前記噴霧装置に移されている前記塗料から望ましくない固体粒子を除去するフィルタを具備する、請求項1〜27のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項29】
前記フィルタが、前記出口において前記バルブ装置の上流に配置されたメッシュスクリーンを備える、請求項28に記載の貯蔵器。
【請求項30】
前記貯蔵器は、塗料が事前に充填されて供給されていて、前記出口は、エンドユーザに対し最初の使用の前に当該貯蔵器が完全な状態であるという視覚的指示を提供する不正開封防止機能付きクロージャを備えている、請求項1〜29のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項31】
前記クロージャは、当該貯蔵器が前記噴霧装置から取り外される場合に前記出口を覆うために再度取り付けられることが可能な取外し可能キャップの形態である、請求項30に記載の貯蔵器。
【請求項32】
前記クロージャは、前記出口を覆い最初の使用の前に除去されるホイル片等の不正開封防止機能付きシールを備える、請求項30に記載の貯蔵器。
【請求項33】
前記貯蔵器は、塗料を当該貯蔵器に導入するための、前記出口とは別個の入口を備えている、請求項1〜32のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項34】
当該貯蔵器が前記噴霧装置に嵌合する場合に、前記入口が使用可能であるようになっている、請求項33に記載の貯蔵器。
【請求項35】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の前記噴霧装置に塗料を供給する貯蔵器が設けられた液体噴霧装置。
【請求項36】
重力供給式スプレーガンを含む、請求項35に記載の液体噴霧装置。
【請求項37】
圧力供給式スプレーガンを含む、請求項35に記載の液体噴霧装置。
【請求項38】
貯蔵器を液体噴霧装置に接続する方法であって、該貯蔵器に出口を開閉するバルブ装置を設けるステップと、該出口を、閉鎖した状態で液体噴霧装置に接続するステップと、該出口が該噴霧装置に接続されると、該貯蔵器から該噴霧装置への塗料の移動を可能にするように該出口を開放するステップと、を含む方法。
【請求項1】
液体噴霧装置と共に使用する貯蔵器であって、液体噴霧装置に接続可能な出口と、該出口を開閉するバルブ装置と、を具備する貯蔵器。
【請求項2】
使い捨てである、請求項1に記載の貯蔵器。
【請求項3】
崩壊可能である、請求項1または2に記載の貯蔵器。
【請求項4】
基端から前記出口に向かって軸方向に崩壊可能である、請求項3に記載の貯蔵器。
【請求項5】
噴霧装置に接続するために前記出口が設けられる取付部と、使用時に当該貯蔵器から塗料が引き出される場合に真空の形成を防止する崩壊可能部と、を具備する、請求項3または4に記載の貯蔵器。
【請求項6】
前記崩壊可能部が、上部が開口した容器の形態であり、前記取付部が、該容器を閉鎖するように配置された蓋である、請求項5に記載の貯蔵器。
【請求項7】
前記容器が、外部ポットに受容され、前記蓋が、ロックカラーによって固定される、請求項6に記載の貯蔵器。
【請求項8】
前記容器および蓋が、相互係着構成物の係合により互いに機械的に固定される、請求項6または7に記載の貯蔵器。
【請求項9】
前記容器および蓋が、それらの間に耐漏性シールを提供するように互いに永久的に固定される、請求項6または7に記載の貯蔵器。
【請求項10】
前記容器および蓋が、接着剤、溶接または他の適当な手段によって互いに結合される、請求項9に記載の貯蔵器。
【請求項11】
前記取付部が、当該貯蔵器の内面を画定し、前記崩壊可能部が、当該貯蔵器の崩壊状態において該内面に実質的に従うようになされた可撓性ダイヤフラムの形態である、請求項5に記載の貯蔵器。
【請求項12】
前記ダイヤフラムが、伸長位置と崩壊位置との間で可逆性である、請求項11に記載の貯蔵器。
【請求項13】
前記バルブ装置が、前記流体出口に組み込まれており、該流体出口が、該バルブ装置を介して噴霧装置に離脱可能に接続されるようになされた、請求項1〜12のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項14】
前記バルブ装置が、前記出口を開閉するように軸方向に相対的に移動可能な同軸上の内部部材および外部部材を備える、請求項13に記載の貯蔵器。
【請求項15】
前記内部部材が、注ぎ口の形態であり、前記外部部材が、前記出口を開閉するように該注ぎ口上で摺動可能なスリーブの形態である、請求項14に記載の貯蔵器。
【請求項16】
前記注ぎ口が、該注ぎ口の外端でポートを画定する内部リブによって支持された中央プラグを有し、前記スリーブが、外端において該プラグと位置合せされた中央開口を備えた内壁を有する、請求項15に記載の貯蔵器。
【請求項17】
前記プラグが、前記開口に受容され、前記内壁が、前記スリーブの後退位置で前記出口を閉鎖するように前記ポートを覆い、該スリーブが、伸長位置まで軸方向に移動可能であって、該伸長位置において、プラグが該開口に無く、該内壁が該出口を開放するように該ポートを覆っていない、請求項16に記載の貯蔵器。
【請求項18】
当該貯蔵器を噴霧装置に接続するアダプタが設けられる、請求項15〜17のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項19】
前記アダプタが、一端に前記噴霧装置に接続するためのねじ山または他の適当な手段を有する管状体を備え、前記スリーブが、他端においてそれらの間に液密シールを提供するように押込嵌合する、請求項18に記載の貯蔵器。
【請求項20】
前記スリーブが、前記アダプタの前記他端において開口の内壁と協働可能な1つまたは複数の外部密封リブを有する、請求項19に記載の貯蔵器。
【請求項21】
該スリーブとアダプタとの軸方向の分離を防止するために、前記スリーブが、該アダプタとの離脱可能なロック係合のための一対の直径方向に対向するリテーナフックを備えている、請求項19または20に記載の貯蔵器。
【請求項22】
前記リテーナフックは、当該貯蔵器を前記アダプタから取り外すために、該リテーナフックを手動で離脱させるためのつまみまたは引き手が設けられた夫々の支持アームを介して、前記スリーブに接続される、請求項21に記載の貯蔵器。
【請求項23】
前記注ぎ口が、外端に外部リップを有し、該外部リップが、凹所の間の塗料の漏れて防止するために液密シールを提供するように、前記スリーブの対向する内面における軸方向に延在する凹所と係合可能である、請求項15〜22のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項24】
前記リップが、前記注ぎ口において前記スリーブを保持するエンドストップを提供するために、前記凹所の一端における内部肩部と係合可能である、請求項23に記載の貯蔵器。
【請求項25】
前記注ぎ口およびスリーブは、該注ぎ口とスリーブとの間の相対的な回転を防止するように係合可能な協働する軸構成物を備えている、請求項14〜24のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項26】
前記貯蔵器には、前記バルブ装置の前記注ぎ口が一体部分として形成されていて、該スリーブは該バルブ装置を組み立てるために該注ぎ口上で押込嵌合されている、請求項14〜25のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項27】
前記スリーブが、前記注ぎ口を介して当該貯蔵器を充填した後に該注ぎ口に取り付けられることが可能な、請求項26に記載の貯蔵器。
【請求項28】
前記貯蔵器が、当該貯蔵器から前記噴霧装置に移されている前記塗料から望ましくない固体粒子を除去するフィルタを具備する、請求項1〜27のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項29】
前記フィルタが、前記出口において前記バルブ装置の上流に配置されたメッシュスクリーンを備える、請求項28に記載の貯蔵器。
【請求項30】
前記貯蔵器は、塗料が事前に充填されて供給されていて、前記出口は、エンドユーザに対し最初の使用の前に当該貯蔵器が完全な状態であるという視覚的指示を提供する不正開封防止機能付きクロージャを備えている、請求項1〜29のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項31】
前記クロージャは、当該貯蔵器が前記噴霧装置から取り外される場合に前記出口を覆うために再度取り付けられることが可能な取外し可能キャップの形態である、請求項30に記載の貯蔵器。
【請求項32】
前記クロージャは、前記出口を覆い最初の使用の前に除去されるホイル片等の不正開封防止機能付きシールを備える、請求項30に記載の貯蔵器。
【請求項33】
前記貯蔵器は、塗料を当該貯蔵器に導入するための、前記出口とは別個の入口を備えている、請求項1〜32のいずれか1項に記載の貯蔵器。
【請求項34】
当該貯蔵器が前記噴霧装置に嵌合する場合に、前記入口が使用可能であるようになっている、請求項33に記載の貯蔵器。
【請求項35】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の前記噴霧装置に塗料を供給する貯蔵器が設けられた液体噴霧装置。
【請求項36】
重力供給式スプレーガンを含む、請求項35に記載の液体噴霧装置。
【請求項37】
圧力供給式スプレーガンを含む、請求項35に記載の液体噴霧装置。
【請求項38】
貯蔵器を液体噴霧装置に接続する方法であって、該貯蔵器に出口を開閉するバルブ装置を設けるステップと、該出口を、閉鎖した状態で液体噴霧装置に接続するステップと、該出口が該噴霧装置に接続されると、該貯蔵器から該噴霧装置への塗料の移動を可能にするように該出口を開放するステップと、を含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2006−510469(P2006−510469A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−503174(P2004−503174)
【出願日】平成15年5月7日(2003.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2003/014306
【国際公開番号】WO2003/095101
【国際公開日】平成15年11月20日(2003.11.20)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年5月7日(2003.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2003/014306
【国際公開番号】WO2003/095101
【国際公開日】平成15年11月20日(2003.11.20)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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