説明

スプレータイプの動き感知式エアフレッシュナー

本発明は、流体の容器を受け入れるようにされたハウジングと、使用中に流体の容器を定期的に作動させるように構成された作動手段と、動きセンサ手段と、上記作動手段及び上記動きセンサ手段と動作可能に通信するコントローラとを含み、作動手段は、使用中にtの時間間隔で作動すべく動作可能であり、動きセンサ手段は、使用中に装置近傍の動きを検出するとともに、作動手段を作動させるコントローラにあらゆる検出を通信すべく動作可能であり、動きセンサによる次の動きの検出がコントローラに通信されることにより、tの時間間隔で作動装置を作動させ、t≦tであるようなスプレー装置について説明する。本発明は、流体を容器からスプレーする方法についてさらに説明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を噴霧(スプレー)するための装置及び方法に関し、限定的な意味ではないが、具体的には、香料、脱臭流体及び/又は害虫駆除剤などの流体を噴霧するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
香料などの流体を部屋などの周囲環境内に噴霧するための装置の使用がよく知られている。例えば、自動スプレー装置は、一般に一定の間隔で流体を噴霧するように構成される。公知の自動エアフレッシュナー(芳香スプレー器、空気清涼器)に関する限り、香料の定期的な噴霧が芳香慣れと呼ばれる現象を招く結果となる可能性がある。慣れとは、香料の残量が存在することにユーザが慣れてしまったため、さらに香料を噴霧する利点をユーザがもはや認識できない現象のことである。
【0003】
公知の装置のさらなる欠点は、装置の動作を周囲環境に応じて制御する準備がなされていないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述の事柄及び不都合を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明の第1の態様によれば、
流体の容器を受け入れるようにされたハウジングと、
使用中に流体の容器を定期的に作動させるように構成された作動手段と、
動きセンサ手段と、
上記作動手段及び上記動きセンサ手段と動作可能に通信するコントローラと、
を含み、
作動手段は、使用中にt1の時間間隔で作動するように動作可能であり、
動きセンサ手段は、使用中に装置近傍の動きを検出するとともに、作動手段を作動させるコントローラにあらゆる検出を通信すべく動作可能であり、
動きセンサによる動きの次の検出がコントローラに通信されることにより、コントローラが前回の作動後にt2の時間間隔で作動装置を作動させ、
2≦t1である、
ことを特徴とするスプレー装置が提供される。
【0006】
1とt2との間の関係は、以下の式により定められることが好ましい。
2=t1/x(ここで、x=1.1〜10)
x=1.5〜8であることがさらに好ましく、x=2〜5であることが最も好ましく、x=2であることが理想的である。
【0007】
1は、2〜120分の範囲、好ましくは5〜60分の範囲、最も好ましくは9〜36分の範囲を有することができる。装置は、t1に関して予め規定された時間間隔の選択を行うことができてもよい。或いは、ユーザが、データ入力手段などの任意の適当な手段によって装置にこのような値を入力することにより、任意のt1の値を選択することができてもよい。
【0008】
本発明の装置は、装置を取り囲む環境条件に対応するようになっているので有利である。特に、装置が周囲付近の動きを感知した場合、この装置は、作動手段の作動頻度を増やし、ひいては装置内に装着した容器から噴霧される流体の量を使用中に増やすべく動作することができる。噴霧される流体の量が増加することにより、慣れ現象が最小限に抑えられ、或いはこれを完全に無くすことができる。
【0009】
また、次の動きの検出時にのみ作動手段を時間間隔t2に従って作動させるという装置のおかげで、装置がある程度の自己調整を行って、使用中に装置が動きを検出するたびに流体を噴霧することを防ぐことができる。これにより、装置を取り囲む環境が、噴霧された流体で飽和された状態になることを防ぐこともできる。
【0010】
装置は、予め規定された時間内に作動手段による最大の作動回数のみを許可すべく動作可能であってもよい。例えば、式:t2=t1/x(こここでx=1.1〜10)によって定められるt1とt2との間の関係は、t1に等しい時間間隔中に最大で9回までの作動、好ましくは最大で7回までの作動、さらに好ましくは最大で4回までの作動を行うことができるという要件にさらに制約される。
【0011】
動きセンサ手段は、周囲付近で動きが検出された後、装置が一定時間動作できないように、従っていかなる電力も消費しないように動作可能であってもよい。装置は、動きセンサ手段が動きを検出した後、t2以下の時間動作できないことが好ましい。装置は、動きセンサ手段が動きを検出した後、t2/2以下の時間動作できないことがさらに好ましい。
【0012】
動きセンサ手段は、赤外線(IR)センサ、レーザセンサ、及び音センサのうちの少なくとも1つの形で実現することができる。
【0013】
IRセンサ、好ましくは受動IRセンサは、赤外線スペクトル内の放射線を検出し、これにより装置近傍の人又は動物の存在を検出できるように動作可能であってもよい。レーザセンサは、1又はそれ以上のレーザビームを放射し、物体がビームを横切って動くことにより1又はそれ以上のビームを遮断した際に検出を行うようになっており、これにより装置近傍の人又は動物の存在を示すように動作可能であってもよい。音センサは、装置近傍の音を検出し、好ましくは検出した音が所定レベルを超えると、これが装置近傍の動きを示すように動作可能であってもよい。
【0014】
動きセンサ手段は、赤外線(IR)センサ、レーザセンサ、及び音センサのうちの少なくとも2つによって実現することもできる。動きセンサ手段は、赤外線(IR)センサとレーザセンサと音センサとによって実現されることが好ましい。
【0015】
本発明による装置近傍の動きを、装置近傍の1又はそれ以上の「動きイベント」として定めることができる。動きセンサ手段は、装置近傍の各動きイベントを検出するとともに各イベントをコントローラに通信すべく動作可能であってもよい。これに代えて、或いはこれに加えて、動きセンサ手段は、所定の回数の動きイベントが検出されたときにのみ、動きイベントの検出をコントローラに通信してもよい。さらに別の又は追加の構成として、コントローラは、所定の回数の動きイベントが動きセンサ手段によってコントローラに通信されたときにのみ、作動手段と通信して作動手段を作動させてもよい。
【0016】
作動手段を作動させるために必要とされ得る所定の動きイベントの回数は、固定であってもよいし、或いはユーザが選択してもよい。ユーザは、作動手段を起動するのに必要な所定の動きイベントの回数を、装置の位置及び装置のユーザ要件に基づいて変更できるようになるので、この回数をユーザが選択できることは有利である。
【0017】
装置と別個の構成要素としてコントローラを設けることができる。或いは、コントローラを動きセンサ手段と一体化し、或いはその一部とすることもできる。さらなる代替例として、コントローラを作動手段と一体化し、或いはその一部とすることもできる。
【0018】
ハウジングは、流体の容器をほぼ完全に取り囲むことができるように形成されることが好ましい。ハウジングは開口部を有し、使用中、この開口部を通じて容器から流体を噴霧できるようにすることが好ましい。動きセンサ手段は、装置上の開口部から離れた位置に配置されることが好ましい。動きセンサ手段は、開口部の上に間隔をあけて装置の上部に配置されることがさらに好ましい。動きセンサ手段を開口部の上に配置することにより、噴霧した流体が誤ってセンサ手段に接触するのを防ぎ、従ってセンサ手段が流体で曇り、装置近傍の動きの検出に対する感度が下がるのを防ぐことができるので、動きセンサ手段の上記の構成の方が有利である可能性がある。
【0019】
装置は、通常モード又は検出モードで動作することができ、通常モードでは、使用中、作動手段がt1の時間間隔で作動するように動作可能であってもよく、検出モードでは、使用中、動きセンサ手段が装置近傍の動きを検出するとともに、作動手段を作動させるコントローラにあらゆる検出を通信するように動作可能であってもよく、動きセンサ手段による動きの次の検出をコントローラに通信することにより作動手段をt2の時間間隔で作動させることができ、ここで、t2≦t1である。
【0020】
装置は、通常モードと検出モードとの間で切替可能であってもよい。装置は手動で、或いは自動的に通常モードと検出モードとの間で切替可能であってもよい。タイミング機構、及び/又は光センサ及び/又は音検出手段などの、コントローラに動作可能に接続されたセンサによって、通常モードと検出モードとの間の自動切換を制御することができる。
【0021】
ユーザが、いつ検出モードを動作可能にすることができるかを選択でき、これによりユーザが、検出した動きに応じていつ作動頻度を高めることができるかに関するより高いレベルの制御を行えるようになるので、通常モードと検出モードとの間で装置の切替を行うタイミング機構を組み込むことは有利である。このレベルの制御により、ユーザは、装置が検出モードにある時間量を制御することによって装置の消費電力を節約できるようになり、従って動きセンサ手段がいつ電力を消費できるかを制御できるようになる。
【0022】
さらに、ユーザが、通常モードと検出モードとの間の切替を装置が自動的に行えるようにし、これによりユーザが、検出した動きに応じていつ作動頻度を高めることができるかに関するより高いレベルの制御を行えるようになるので、通常モードと検出モードとの間で装置の切替を行うセンサを組み込むことは有利である。例えば、光センサを使用して、作動手段が夜間の動きによって作動しないように、光を検出したときにのみ切替ができるようにすることができる。一方で、音検出手段により、音を検出したときにのみ検出モードに切り替えることが可能となり、従って、場合によっては装置周辺の環境が使用中であることを示す音が検出されるまで、動きセンサ手段が電力を消費するのを防ぐことができる。
【0023】
装置はインジケータを備えることができ、該インジケータは、装置が現在どのような機能を実行しているかをユーザに示すべく動作可能である。インジケータは、視覚表示を提供し、及び/又は可聴表示を提供すべく動作可能であってもよい。
【0024】
インジケータは、1又はそれ以上の光源、好ましくは1又はそれ以上のLEDから光を放射することにより視覚表示を提供するように構成されることが好ましい。
【0025】
1又はそれ以上の光源は、装置が実行している現在の機能を示すべく異なる色の光を放射するようになっていてもよい。これに加えて、或いはこれとは別に、1又はそれ以上の光源は、装置が実行している現在の機能を示すべく点滅又はフラッシュしてもよい。
【0026】
これとは別に、或いはこれに加えて、装置は、装置が現在実行している機能を画面を介して視覚的に示すべく動作可能であってもよい。画面は、ユーザにメッセージを提供するようにされたLCD画面であってもよく、例えば、このようなメッセージは、「オン」「感知中」「動きを検出」「休止中」「通常モード」「検出モード」「オフ」を含むことができる。
【0027】
装置はブースト機構を備えることができる。ユーザが操作するスイッチ又はボタンなどにブースト機構を連結することができる。ブースト機構が動作すると、作動手段が作動することができ、この作動は、装置の現在の動作モードに関わらずに行うことができる。事実上、ブースト機構は、1回の作動で装置の動作を無効にするための制御をユーザに提供することができる。
【0028】
コンセントからの給電により、及び/又は電池により、及び/又は装置上に設置した太陽電池により装置に電力を供給することができる。装置は電池式であることが最も好ましい。
【0029】
本発明の装置に使用する流体の容器は、流体エアゾール缶であることが好ましく、流体定量投与(噴霧)エアゾール缶であることも好ましい。
【0030】
従って本発明の第2の態様によれば、流体容器から流体を噴霧する方法が提供され、この方法は、
本発明の第1の態様による装置内に流体の容器を装着するステップと、
装置を、動きセンサ手段が装置近傍の動きを検出できる動作モードに置くステップと、
を含み、
上記動きセンサ手段により動きが検出されると、コントローラが作動手段を作動させ、これにより容器から装置を取り囲む環境内への流体の噴霧が行われる。
【0031】
最初に装置が動作可能モードに置かれると、コントローラがほぼ直ちに、或いは若干遅れて約2〜20秒後に作動手段を作動させて、一定量の流体を噴霧させることができる。流体が噴霧された直後に動きが検出されると、コントローラは、上述したように時間間隔t2で行われる次の作動で作動手段を再び作動させることができる。
【0032】
或いは、動作可能モードに置かれた後の第1の作動後でありかつ装置近傍の動きを検出した知らせを受けた場合、コントローラは、所定の時間間隔t3が経過するまで作動装置の作動を遅らせることができる。時間t3が経過すると、上述したように動きの検出に続く次の作動が時間間隔t2で行われる。所定の時間間隔t3=t2/y(ここでy=1.1〜10)であることが好ましい。
【0033】
従って本発明の第3の態様によれば、一定量の流体を噴霧するための部品のキットが提供され、該キットは、本発明の第1の態様による装置を含み、該装置は、本発明の第2の態様による方法によって動作するようにされるとともに流体の容器をさらに含み、該容器は、装置のハウジング内に装着できるように構成される。
【0034】
以下、例示のみを目的として、以下の説明及び図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】前面カバーを取り外した装置の正面図を示す図である。
【図2】前面カバーを定位置に取り付けた装置の正面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1に示すように、スプレー装置10は、プラットフォーム14を支持するハウジング12を含む。プラットフォーム14は、次に、装置の使用中に流体エアゾールなどの流体の容器26を支持及び保持するように成形される。ハウジング12はまた、作動手段18、コントローラ22、動きセンサ手段24、及び電源も支持し、図1では電源を1対の電池16として示しているが、これよりも多い数の又は少ない数の電池を使用することができる。
【0037】
流体の容器26を装置に装着した状態で装置10を示し、具体的には、流体エアゾールを装置に装着した状態で図1を示す。作動手段18に接続されたアーム20が下方向に動かされ、エアゾールのスプレーヘッド28に接触すると、流体が缶から噴霧される。スプレーヘッドが押圧され、エアゾール内の弁が開くことにより、そこから一定量の流体が噴霧されるまでアーム20の動きは継続する。装置10は、定量投与エアゾールを内部に装着することが好ましい。定量投与エアゾールは、スプレーヘッドが押圧されている継続時間にかかわらずスプレーヘッドを一度押圧すると所定量の流体をエアゾールから放出するので有利である。しかしながら、ポンプ機構を有する非加圧容器であれば、この容器から流体を噴霧することができるので、装置10に非定量投与エアゾールを使用することもできる。
【0038】
或いは、作動手段18は、電磁弁システムなどの弁システムの形をとることができる。このような電磁弁システムは、この電磁弁システムに係合される加圧エアゾールとともに動作することができる。電磁弁は、動きによって作動を開始するのではなく、電圧を加えられてエアゾールから一定量の流体の放出を開始する。
【0039】
作動手段18の特定の形状は別として、次に装置の動作モード及び構成要素の相互関係について詳細に説明する。
【0040】
まず、装置10を動作可能モードに置く必要がある。装置の動作可能モードへの切替を可能にするためのユーザ作動用スイッチ(図示せず)が存在する。装置10は電源から電力を引き出し、この電源はコンセントからの電力及び/又は装置に装着した太陽電池であってもよいが、図1には1対の電池16を示している。
【0041】
動作可能モードが起動することにより、上述したように流体の噴霧が即座に引き起こされる。その後は、流体のさらなる噴霧が、t1の時間間隔で定期的に行われる。ユーザ制御スイッチ(図示せず)を設けて、ユーザがt1の値を調節できるようにすることができる。
【0042】
一方、動きセンサ手段24もまた、装置10近傍の動きを感知するために、常に、或いは定期的に電池16から電力を引き出すことができる。動きセンサ手段24は、動きを感知した場合、この情報をコントローラ22に通信すべく動作可能である。コントローラ22は、この情報を受信すると、作動手段18に再び作動するように指示することにより、さらなる流体の噴霧を引き起こすべく動作可能である。動きセンサ手段24による次の動きの検出をコントローラに通信することもでき、コントローラは、t2≦t1の条件に従って、前回の作動後、t2の時間間隔で作動手段を作動させる。
【0043】
最初に装置が動作可能モードに置かれると、コントローラ22がほぼ直ちに、或いは若干遅れて約2〜20秒後に作動手段18を作動させて、一定量の流体を噴霧させることができる。流体が噴霧された直後に動きが検出されると、コントローラ22は、時間間隔t2で行われる次の作動で作動手段18を再び作動させることができる。
【0044】
或いは、動作可能モードに置かれた後の第1の作動後でありかつ装置近傍の動きを検出した知らせを受けた場合、コントローラ22は、所定の時間間隔t3が経過するまで作動装置18の作動を遅らせることができる。時間t3が経過すると、動きの検出に続く次の作動が時間間隔t2で行われる。
【0045】
装置10は、通常モードと検出モードとの間で切替可能であってもよく、ユーザ制御可能スイッチ(図示せず)を備えることができる。この実施形態では、作動装置18は、通常モードの動作により定期的な時間間隔t1で作動できるようになる。この一方、装置が検出モードに切り替えられた場合、動きセンサ手段24は、装置近傍の動きを検出すべく動作可能となることができる。動きが検出されると、作動手段28を作動させるコントローラ22にこの情報が通信される。装置が検出モードに保たれている間、動きセンサ手段24による次の動きの検出がコントローラ22に通信され、コントローラ22は作動手段18をt2の時間間隔で作動させ、この場合t2≦t1である。
【0046】
装置は、通常モードと検出モードとの間で自動的に切替可能であってもよい。コントローラに動作可能に接続された、タイミング機構及び/又は光センサ及び/又は音検出手段などのセンサによって、このような自動切換を制御することができる。装置が限られた時間のみ検出モードで動作できるようにし、この結果動きセンサ手段24が消費する電力を節約することにより、自動切換によって装置の消費電力を低下させることができる。このような電力の節約は、電池16及び/又は太陽電池によって装置に給電を行う場合、特に有用である。
【0047】
次に図2を参照すると、流体の容器26をほぼ完全に取り囲むことができるようにハウジングを成形することができる。ハウジングの前面カバーを示しており、前面カバーに含まれる開口部30を通じて容器26のスプレーヘッド28と位置合わせを行っていることを理解できる。作動手段18が流体の噴霧を引き起こすと、ハウジングから開口部30を通じて装置10を取り巻く環境の中へ流体が噴出される。
【0048】
動きセンサ手段24はレンズカバー32を有し、このレンズカバーは、装置10の前面から突出して広い視界を確保する。動きは、必ずしも検出されるセンサ手段の真正面で行われる必要はないので、動きセンサ手段がPanasonic PIR MP動きセンサAMN1(パナソニック社製)などの受動赤外線センサである場合、上記のことは有利である。同様に、これに加えて、或いはこれの代わりに動きセンサ手段24がレーザセンサ又は点滅光センサとして設けられた場合もまた、このようなセンサに広い視界を提供することになる。
【0049】
レンズ32は、開口部30から離れた位置でハウジングの前面カバーの上部に配置され、或いは前面カバーを貫いて突出する。これにより、レンズ32が間隔をあけて開口部の上部に存在することによって、噴霧した流体が誤ってレンズ32に接触するのを防ぎ、従ってレンズ32が時間とともに流体で曇るのを防ぐことができる。
【0050】
同様に、動きセンサ手段24が音センサを単独で組み込み、或いは含む場合、音響を受け取るためのポート又は開口部又はマイクを、ハウジングの前面カバーの上部の開口部30から離れた位置に置いて、センサが、該センサの感知特性を損なう恐れのある、噴霧した流体との接触を防ぐことができる。
【0051】
図2には、2つのLEDの形で設けたインジケータ34をさらに示している。これらのLEDは、装置が現在実行している機能の視覚表示を提供すべく動作可能であってもよい。例えば、一方のLEDは、装置が動作可能モードにある時を表示することができ、他方のLEDは、動きが検出された時を表示することができる。
【0052】
インジケータ34に音響部品(図示せず)を備えることもでき、この部品は、特定の機能が実行された場合、及び/又は動きが検出された場合などに警報を鳴らすことができる。
【0053】
これとは別に、或いはこれに加えて、インジケータ34にLCD画面(図示せず)を設けることができ、この場合画面は、装置10の現在の機能を表示するメッセージをユーザに提供するようにされる。例えば、このようなメッセージとして、「オン」「感知中」「動きを検出」「休止中」「通常モード」「検出モード」「オフ」を挙げることができる。
【0054】
(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)本明細書で開示した全ての特徴、及び/又は本明細書で開示したあらゆる方法又は処理の全てのステップを、このような特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相容れない組合せを除き、あらゆる組合せで組み合わせることができる。
【0055】
別途明示しない限り、(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)本明細書で開示した個々の特徴を、同じ、同等の、或いは同様の目的を果たす別の特徴に置き替えることができる。従って、別途明示しない限り、開示した個々の特徴は、一般的な一連の同等の、又は同様の特徴の1つの実施例にすぎない。さらに、本発明は前述した(単複の)実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明は、(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)本明細書で開示した特徴の任意の新たな特徴、又は任意の新たな組合せ、或いは本明細書で開示したあらゆる方法又は処理のステップの任意の新たなステップ、又は任意の新たな組合せにまで及ぶものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の容器を受け入れるようにされたハウジングと、
使用中に流体の容器を定期的に作動させるように構成された作動手段と、
動きセンサ手段と、
前記作動手段及び前記動きセンサ手段と動作可能に通信するコントローラと、
を含み、
前記作動手段は、使用中にt1の時間間隔で作動すべく動作可能であり、
前記動きセンサ手段は、使用中に前記装置近傍の動きを検出するとともに、前記作動手段を作動させる前記コントローラに任意の検出を通信するように動作可能であり、
前記動きセンサによる動きの次の検出が前記コントローラに通信されることにより、前回の作動後にt2の時間間隔で前記作動装置を作動させ、
2≦t1である、
ことを特徴とするスプレー装置。
【請求項2】
1とt2との間の関係が以下の式:t2=t1/xによって定められ、x=1.1〜10である、
ことを特徴とする請求項1に記載のスプレー装置。
【請求項3】
1とt2との間の関係が以下の式:t2=t1/xによって定められ、x=1.5〜8である、
ことを特徴とする請求項1に記載のスプレー装置。
【請求項4】
1とt2との間の関係が以下の式:t2=t1/xによって定められ、x=2〜5であり、好ましくはx=2である、
ことを特徴とする請求項1に記載のスプレー装置。
【請求項5】
前記装置は、t1に等しい時間間隔中に前記作動手段による最大回数の作動を超えないように動作可能である、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項6】
周囲付近で動きが検出された後、前記装置は一定時間、好ましくはt2以下の時間、さらに好ましくはt2/2以下の時間動作できない、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項7】
前記動きセンサ手段は、赤外線(IR)センサ、レーザセンサ、及び音センサのうちの少なくとも1つの形で実現される、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項8】
前記動きセンサ手段は、赤外線(IR)センサ、レーザセンサ、及び音センサのうちの少なくとも2つにより実現される、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項9】
前記動きセンサ手段は、赤外線(IR)センサと、レーザセンサと、音センサとの組合せによって実現される、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項10】
前記動きセンサ手段は、前記装置近傍の各動きイベントを検出するとともに、各イベントを前記コントローラに通信すべく動作可能である、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項11】
前記動きセンサ手段は、所定数の動きイベントが検出された場合にのみ、前記動きイベントの検出を前記コントローラに通信する、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項12】
前記コントローラは、前記動きセンサ手段により所定数の動きイベントが前記コントローラに通信された場合にのみ前記作動手段と通信して、その作動を引き起こす、
ことを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項13】
前記動きセンサ手段は、前記装置の前記ハウジング内の開口部から離れた位置に配置され、使用中このハウジングを通って流体が噴霧される、
ことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項14】
前記動きセンサ手段は、前記装置の前記ハウジング内の開口部の上に間隔をあけて前記装置の上部に配置され、使用中この開口部を通って流体が噴霧される、
ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項15】
前記装置は、通常モード又は検出モードで動作することができ、通常モードでは、使用中、前記作動手段がt1の時間間隔で作動すべく動作可能であり、検出モードでは、使用中、前記動きセンサ手段が前記装置近傍の動きを検出するとともに、作動手段を作動させる前記コントローラに任意の検出を通信するように動作可能であり、前記動きセンサ手段による動きの次の検出を前記コントローラに通信することにより前記作動手段をt2の時間間隔で作動させ、t2≦t1である、
ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項16】
前記装置は、前記通常モードと前記検出モードとの間で切替可能である、
ことを特徴とする請求項15記載のスプレー装置。
【請求項17】
前記装置は、前記通常モードと前記検出モードとの間で自動的に切替可能である、
ことを特徴とする請求項16記載のスプレー装置。
【請求項18】
前記通常モードと前記検出モードとの間の自動切替は、前記コントローラに動作可能に接続されたタイミング機構及び/又はセンサにより制御される、
ことを特徴とする請求項17記載のスプレー装置。
【請求項19】
前記装置はインジケータを備え、該インジケータは、前記装置が現在どの機能を実行しているかをユーザに表示すべく動作可能である、
ことを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項20】
前記インジケータは、視覚表示及び/又は可聴表示を提供すべく動作可能である、
ことを特徴とする請求項19記載のスプレー装置。
【請求項21】
前記装置はブースト機構を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項20のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項22】
流体容器から流体を噴霧する方法であって、
請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の装置内に流体の容器を装着するステップと、
前記装置を、前記動きセンサ手段が装置近傍の動きを検出できる動作可能モードに置くステップと、
を含み、
前記動きセンサ手段により動きが検出されると、前記コントローラが前記作動手段を作動させ、これにより前記容器から前記装置を取り囲む環境内への流体の噴霧が行われる、
ことを特徴とする方法。
【請求項23】
一定量の流体を噴霧するための部品のキットであって、請求項1から請求項21のいずれかに記載された装置を含み、該装置は、請求項22に記載の方法により動作するようになっており、該装置の前記ハウジング内に装着可能なように構成された流体の容器をさらに含む、
ことを特徴とする部品のキット。

【図1】
image rotate

【図2】
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【公表番号】特表2010−508144(P2010−508144A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535130(P2009−535130)
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004231
【国際公開番号】WO2008/056131
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(501164056)レキット ベンキサー (ユーケイ) リミテッド (30)
【Fターム(参考)】