説明

スペクトラム拡散電気断層撮影

例えば、電気断層撮影を介して、心臓組織運動、例えば、心壁運動の組織運動の評価の際、生体内にセンサ要素を設置するための方法が提供される。本主題方法では、電場が対象に印加され、感知要素が印加電場内に存在し、感知要素によって感知される印加電場の特性(例えば、その変化)が採用され、着目患者内部パラメータを評価する(例えば、組織部位の移動を評価する、その移動等の内部デバイスパラメータを評価する等)。本発明は、例えば、スペクトラム拡散印加電場を採用することによって、ロバストな雑音識別を可能にする。また、本主題方法を実践するためのシステムおよびデバイスが提供される。加えて、それらを生成するための革新的データディスプレイおよびシステムが提供される。本主題方法およびデバイスは、心臓再同期療法を含む、種々の異なる用途における使用を見出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法119条(e)に従い、本願は、米国仮出願第60/949,193号(2007年7月11日出願)に基づく優先権を主張する。該仮出願の開示は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
様々な配列の用途において、例えば、診断または治療目的のために、患者の内部パラメータを感知することが所望される。所与の用途において感知され得る内部パラメータは、生理学的パラメータ(例えば、血行動態パラメータ)、埋込型デバイスパラメータ(例えば、部位、移動)を含み、組織運動の評価が望ましい。
【0003】
組織運動の評価が望ましい場合の実施例は、心臓再同期療法(CRT)であって、心臓組織運動の評価は、診断および治療目的のために採用される。CRTは、心不全、例えば、うっ血性心不全(CHF)に罹患する患者のために重要な、新しい医療介入である。うっ血性心不全が生じると、十分に機能できない心臓によって、症状が発現する。再同期ペーシングの目的は、心室中隔および左心室自由壁をほぼ同時に収縮させることである。再同期療法は、心臓による最小総エネルギー消費量で最大心拍出量を最も効果的に産生する収縮時間シーケンスを提供することを目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、電気断層撮影を介して、心臓組織運動、例えば、心壁運動の組織運動の評価の際、生体内にセンサ要素を設置するための方法が提供される。本主題方法では、電場は、感知要素が、印加電場内に存在し、感知要素によって感知される印加電場の特性、例えば、その変化が採用され、着目患者内部パラメータを評価する、例えば、組織部位の移動を評価する、その移動等の内部デバイスパラメータを評価する等のように、対象に印加される。本発明は、例えば、スペクトラム拡散印加電場を採用することによって、ロバストな雑音識別を可能にする。また、本主題方法を実践するためのシステムおよびデバイスが提供される。ある実施形態では、革新的データ処理およびディスプレイプロトコル、ならびにそれらを提供するシステムが提供される。本主題方法、デバイス、およびシステムは、心臓関連用途、例えば、心臓再同期療法、および他の用途等、種々の異なる用途における使用を見出す。
【0005】
例えば、電気断層撮影を介して、心臓組織運動、例えば、心壁運動の組織運動の評価の際、生体内にセンサ要素を設置するための方法が提供される。本主題方法では、電場は、感知要素が、印加電場内に存在し、感知要素によって感知される印加電場の特性、例えば、その変化が採用され、着目患者内部パラメータを評価する、例えば、組織部位の移動を評価する、その移動等の内部デバイスパラメータを評価する等のように、対象に印加される。本発明は、例えば、スペクトラム拡散印加電場を採用することによって、ロバストな雑音識別を可能にする。また、本主題方法を実践するためのシステムおよびデバイスが提供される。加えて、また、革新的データ処理およびディスプレイプロトコル、ならびにそれらを実行するためのシステムが提供される。本主題方法およびデバイスは、心臓再同期療法を含む、種々の異なる用途における使用を見出す。
【0006】
本主題発明のさらなる説明では、最初に、スペクトラム拡散電場断層撮影方法の側面が詳細に検討される。次に、電場断層撮影デバイスおよびシステムの実施形態が、そのような実施形態において採用され得るデバイスおよびシステムを概略的と、特定の実施形態の観点との両方から詳述される。本セクションに続き、本主題発明が使用を見出す用途の実施形態、ならびに本発明を実践する際の使用を見出すコンピュータ関連実施形態およびキット等の本発明の他の側面が説明される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(スペクトラム拡散電気断層撮影方法)
上述のように、本主題発明は、例えば、着目組織部位の移動を評価する際、生体内にセンサ要素を設置するための電気断層撮影方法を提供する。本主題断層撮影方法では、着目組織部位が、印加電場の中を動くときに、例えば、動いているかまたは着目組織部位に安定的に付随する、感知要素によって取得されるデータが採用される。
【0008】
本方法の実施形態は、「断層撮影」方法としてみなされ得る。本方法は、断層撮影方法としてみなされ得るが、そのような特徴は、本方法が、必ずしも、2次元または3次元マップ等の所与の組織部位のマップを取得するために採用されるわけではなく、単に、感知要素が印加電場の中をうごくときの感知要素の変化を使用して、何らかの方法において、組織部位を評価することを意味する。しかしながら、ある実施形態では、取得されるデータを処理し、仮想表現を取得および表示し得る。「電場断層撮影方法」とは、印加電場において検出された変化を採用し、信号を取得する方法を意味し、次いで、信号は、組織部位の移動を判定するために採用される。本用途の目的の場合、用語「電場」は、断層撮影測定データが取得される電場を意味する。電場は、1つ以上の正弦波のサイクルである。データを取得するために、場における不連続性に対し、必要要件は存在しない。したがって、本主題発明の実施形態において採用される印加電場は、所与の期間にわたって連続的である。
【0009】
断層撮影測定のために使用される「電場」は、時折、途絶が提供される、または必然的に一定の途絶を有するが、以前として、「連続場」としてみなされ得る。実施例を明確にするため、電力を節約するための場のパルシングまたは異なる場間の多重化は、本発明の目的の場合、「連続場」の意味内に留まる。対照的に、飛行時間型検出方法は、本発明の目的の場合、「連続場」の意味外となる。故に、本主題方法において印加される連続場は、持続時間が限られた信号または一連のそのような信号が、第1の部位から発せられ、第2の部位において発せられた信号を検出するために必要とされる時間が、所望のデータを取得するために採用される、「飛行時間型」用途とは区別される。せいぜい、一連の信号が飛行時間用途において発生される場合、一連の信号は、不連続であって、したがって、本発明において採用される場等の連続場ではない。
【0010】
電場断層撮影方法の基本原理は、場Ψを発生させる源が提供されることである。Ψは、内部解剖学的着目領域全体にわたって変動する。
【0011】
源場Ψの一実施例は、以下で表すことが可能である。
Ψ=Asin(2πft + φ)
式中:
fは、周波数であって、
φは、位相であって、
Aは、振幅であって、
tは、時間である。
【0012】
ある実施形態では、場は、時間の関数として振動し、単に、AC場として説明され得る。
【0013】
電場からのデータ取得において、A、f、またはφは、いくつかの着目パラメータの関数である。多くの利用可能パラメータのうちの2つの着目パラメータは、部位位置および部位速度である。場の1つ以上の特性、例えば、A、f、および/またはφが、種々の点においてサンプリングされ、測定された特性が、基準値と比較されると、電気断層撮影データが取得される。
【0014】
例えば、交流(AC)電圧によって駆動される電場が、組織領域内に存在する場合、その中の電極上の誘導電圧を検出し得る。誘導電圧の周波数fは、電場の周波数と同一である。しかしながら、誘導信号の振幅は、電極の部位に伴って変動する。故に、誘導電圧を検出し、信号の振幅を測定することによって、電極の部位ならびに速度を判定可能である。
【0015】
概して、電場断層撮影は、誘導信号の振幅、周波数、および位相シフトの測定に基づき得る。電場断層撮影の基本動作原理に関するさらなる詳細は、PCT出願第PCT/US2005/036035号(本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる)に提供される。
【0016】
本発明において採用される印加電場は、スペクトラム拡散印加電場である。スペクトラム拡散技術は、1つ以上の離散周波数で発生されるエネルギーが、時間または周波数領域に意図的に拡散あるいは分散される方法である。スペクトラム拡散電場は、以下に詳述されるように、拡散コード成分を含むものであり得る。
【0017】
本発明の実施形態を実践する際、対象内への任意の必要要素の埋込後(例えば、周知の外科手術技術を使用して)、第1のステップは、着目感知要素が発生される電場内に存在するように、電場を設定または生成、すなわち、発生させることである。ある実施形態では、単一電場が発生される一方、他の実施形態では、例えば、3つ以上等の2つ以上、例えば、4つ以上、6つ以上等、複数の異なる電場が発生され、これらの実施形態のうちのある実施形態では、発生される電場は、互いに実質的に直交であり得る。着目すべきは、ある実施形態では、米国特許出願第11/562,690号(本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる)に記載されるように、複数の電場が存在する。
【0018】
電場は、電場が戻る有効位置がいずれの電極とも一致しないように、2つ以上の電極に印加される電圧が調節され、「仮想電極」を合成可能なように発生され得る。例えば、3つの電極が正三角形の頂点に位置付けられ、電極の1つが接地として選択される一方、他の2つの電極は、同一電圧で励起される場合、場の有効方向は、接地電極から2つの正極間の中間点へとなるであろう。正極上の相対電圧を変化させることによって、場の方向は、2つの電極間にある方向に「操舵」され得る。接地電極を移動させる、あるいは1つ、2つ、または全3つの電極上の電圧を変化させることによって、例えば、電場の方向は、任意の恣意的方向、例えば、着目運動方向に「操舵」または配向され得る。ある実施形態では、電場は、所与の期間にわたって、少なくとも1回、再配向され得る。電場の配向を変更し、複数の平面のそれぞれにおいて個別の電場を生成する能力は、心臓内壁運動を特徴化する際の分解能を向上させ得る。
【0019】
「操舵」の正確性または電場の方向を選択する能力は、より電極を追加することによって向上し得る(例えば、体外のリングの周囲またはリード線上)。一実施形態では、多くのセグメント化電極を伴うベルトが、対象の胸部周囲に設置され得る。セグメント上で電圧の適切な線形結合を選択することによって、比較的平坦電場が、恣意的配向に発生され得る。異なる周波数のいくつかの場が、同一構成で重畳され得る。ある実施形態では、単一電場が発生され、いくつかの実施形態では、広域にわたる実質的に直交する2つの場が発生され得る。ある実施形態では、例えば、3つ以上等の2つ以上、例えば、4つ以上、6つ以上等、複数の異なる電場が発生され得、これらの実施形態のある実施形態では、発生される電場は、互いに実質的に直交し得る。ある実施形態では、電場は、米国特許出願第11/562,690号(本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる)に説明のように発生される。
【0020】
本主題方法を実践する際、印加電場は、着目組織部位が印加電場内に存在する限り、例えば、身体外から、内部身体部位から、またはそれらの組み合わせから、任意の便宜的形態を使用して印加され得る。電場または本主題方法において採用される場は、任意の便宜的電場発生要素を使用して生成され得、ある実施形態では、電場は、駆動電極と接地要素、例えば、第2の電極、埋込型心臓デバイスの「缶」(例えば、ペースメーカー)等の接地として機能可能な埋込型医療用デバイスとの間に設定される。電場発生要素は、身体内から電場を発生させるように、埋込型であり得るか、または要素は、身体の外側の部位から電場を発生させるものであり得る、あるいはそれらの組み合わせであり得る。したがって、ある実施形態では、印加電場は、外部身体部位、例えば、体表面部位から印加される。さらに他の実施形態では、電場は、内部部位から、例えば、埋込型デバイス(例えば、ペースメーカー缶)、セグメント化電極リード線(例えば、米国特許出願第11/793,904号に記載(本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる))を含む、多重電気リード線(例えば、米国特許出願第10/734490号に記載(本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる))等のリード線上の1つ以上の電極から、発生される。
【0021】
ある実施形態では、電場は、高周波またはRF場である。したがって、これらの実施形態では、電場発生要素は、例えば、RF場を備える、交流電場を発生させ、RF場は、約25KHz乃至約1MHzを含む、約10kHz乃至約10MHz等、約1kHz乃至約100GHz以上の範囲の周波数を有する。本発明の本実施形態の側面は、印加されるRF場内の特性、例えば、振幅の変化を記録するために使用される付加的電極対を伴い、2つの電極間で伝送される、身体内における交流の印加を含む。例えば、種々の平面内の皮下または皮膚部位から伝送されるRFエネルギーを採用することによって、あるいはペーシングおよび感知のために同時に使用され得る、例えば、心臓間リード線上に配備される電極によって、いくつかの異なる周波数を使用して、異なる軸を構築し、分解能を向上させることが可能である。異なる周波数が同時に採用される場合、周波数の差異の規模は、ある実施形態では、約5KHz乃至約50KHz等、約100Hz乃至約100KHzの範囲であろう。振幅情報を使用して、交流エミッタに対する種々のセンサの位置を導出することが可能である。
【0022】
本発明の実施形態を実践する際、センサは、印加電場の周波数のいずれかの振幅である信号を捕捉し、信号は、一方の電極または他方に対するその近さに関連し、その部位的アクセスによって、信号の振幅を変調させる。したがって、第1端では、信号は、あるサイズの信号であって、反対端では、信号は、逆位相であって、ある位相における振幅は、第1の部位では高く、第2の部位では低くなるであろう。したがって、位相が分かっている場合、振幅は、それらの間の距離に関連する。そのことから、物体のX、Y、およびZ部位を判定可能である。
【0023】
本発明では、印加電場を構成する3つの異なる周波数を有する代わりに、印加電場は、例えば、拡散コードによって発生されるようなスペクトラム拡散電場を採用する。したがって、印加電場内でスペクトラムを拡散させる。ある実施形態では、特定の帯域幅内で発生される電場エネルギーは、周波数領域内に拡散され、より広域帯域幅を伴う信号をもたらす。
【0024】
本発明の側面は、1つ以上の拡散コードを使用して、スペクトラム拡散電場を発生させることを含む。印加電場は、3つの異なる拡散コードを備えてもよく、例えば、3つの異なる電場が採用される実施形態では、例えば、別個または個別拡散コードを使用して生成される。代替として、同一拡散コードを採用して、異なる時間で、例えば、3つの方向のそれぞれにおいて異なる時間で採用されるスペクトラム拡散電場を発生させ得る。ある実施形態では、非常に低いデータ速度アプローチは、1度に1つのチャネルを測定するために、他の2つのチャネルがオフにされる間、拡散スペクトラムコードを使用することによって達成される。ある実施形態では、3つの異なる拡散コードが採用される。例えば、第1、第2、および第3の拡散コード、例えば、拡散コード番号1、拡散コード番号2、および拡散コード番号3が、設定され得る。ここで、感知要素は、信号を感知する。より高い周波数における遮断増幅器を採用して、これらの拡散コードのそれぞれのサブビットを中継し得る。次に、逆畳み込みアルゴリズムとして、拡散コードを適用することによって、それぞれx、y、z係数に関連する3つの別個の信号が取得される。したがって、単に、これらのチャネルを周波数コード化する代わりに、これらの3つのチャネルのそれぞれに対して、スペクトラム拡散およびコード化システムを使用する。
【0025】
図1Aに示されるように、パネルAのグラフを参照すると、例えば、疑似乱数コードを使用することによって、拡散アプローチは、非常に広範囲のスペクトラム拡散において、信号を送信する。例えば、感知要素において、非常に広範囲のスペクトラムを有する疑似乱数コードが伝わり、次いで、それを逆畳み込みすると、それは、例えば、図1Bに示されるように、非常に小さい関連雑音を伴う非常に狭範囲のピークとなる。したがって、種々の部位において干渉雑音が存在する場合でも、雑音が低減される、または消失さえする。拡散技術によって、基本的には、同一スペクトラムを有するか、それぞれ、X、Y、およびZである3つの独立ピークとして区別可能である、3つの異なるコードを採用し得る。したがって、信号対雑音比は、3つの異なる周波数の代わりに、3つの異なるスペクトラム拡散コードを使用することによって改善される。本発明のスペクトラム拡散電気断層撮影は、競合雑音が問題となり得る、例えば、他の競合周波数が感知要素によって感知されるように存在し、感知される信号内の雑音に寄与し得る状況における使用を見出す。
【0026】
任意の便宜的スペクトラム拡散コードを採用して、スペクトラム拡散電場を発生させ得る。着目拡散スペクトラムプロトコルは、周波数ホッピングスペクトラム拡散(FHSS)、直接シーケンススペクトラム拡散(DSSS)、時間ホッピングスペクトラム拡散(THSS)、チャープスペクトラム拡散(CSS)、およびこれらの技術の組み合わせを含むが、それらに限定されない。着目すべきは、ある実施形態では、米国特許第5,617,871号および第5,381,798号(本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる)に記載される、スペクトラム拡散プロトコルを使用する。本発明の方法において採用され得る着目スペクトラム拡散コードは、Ziemer and Peterson,Digital Communications and Spread Spectrum Systems (Macmillan Publishing Company,1985)and Simon et al.,Spread Spectrum Communications Handbook(McGraw−Hill Inc.,1994)に記載のものをさらに含む。
【0027】
本方法の実施形態では、印加電場の発生後、上述のように、標的着目組織部位に安定的に付随する電場感知要素からの信号(データを表す)が検出される。ある実施形態では、感知要素からの信号は、ある期間にわたって、少なくとも2回検出され、例えば、その期間にわたって、感知要素によって感知されるパラメータが変化したかどうかを判定し、例えば、着目期間にわたって、着目組織部位が移動したかどうを判定する。
【0028】
ある実施形態では、パラメータの変化は、感知要素によって検出され、組織部位の移動を評価する。ある実施形態では、また、検出された変化は、上述のように、検出された「変形」と称される場合がある。着目パラメータは、後述のように、印加電場の振幅、位相、および周波数を含むが、それらに限定されない。ある実施形態では、着目パラメータは、一定ではない場合、3つのパラメータのうちの他の1つ以上が実質的に一定であるように、2つ以上の異なる時間において検出される。所与の実施形態では、感知要素は、所望に応じて、所与の期間の間、間隔を空けて、または連続的に、出力を提供可能である。
【0029】
上述のように、本主題発明は、組織部位の移動を評価する方法を提供する。「評価」とは、任意の種類の検出、査定、または分析を指すものとして本明細書では使用され、定性的または定量的であり得る。代表的実施形態では、移動は、別の組織部位に対して判定され、互いに対して2つ以上の組織部位の移動を判定するように本方法が採用される。
【0030】
組織部位または部位は、概して、身体、すなわち、対象の定義部位(すなわち、部位)または部分であって、多くの実施形態では、臓器等の身体構造の定義部位または部分(すなわち、範囲または領域)であって、代表的実施形態では、身体構造は、内部臓器、例えば、心臓、腎臓、胃、肺等の内部身体構造である。代表的実施形態では、組織部位は、心臓部位である。したがって、さらなる説明を容易にするため、本発明の種々の側面は、ここで、心臓部位の運動を評価する観点から検討される。心臓部位は、所望に応じて、心内膜または心外膜であってもよく、心房または心室部位であり得る。組織部位が心臓部位である場合、ある実施形態では、心臓部位は、心臓壁部位、例えば、心室壁、隔壁等の房室壁である。本発明は、ここで、心臓運動評価実施形態の観点からさらに説明されるが、本発明は、そのように限定されず、本発明は、多種多様な異なる組織部位の移動の評価に容易に適応可能である。
【0031】
「安定的に付随する」とは、着目組織部位が移動すると、感知要素もまた移動するように、感知要素が、着目組織部位に対して、完全にではなくても、実質的に固定されることを意味する。採用される電場感知要素が組織部位に安定的に付随するため、その移動は、感知要素の移動を使用して、着目組織部位の移動を評価可能なように、安定的に付随する組織部位の移動に対して、少なくとも代用となり、ある実施形態では、同一である。電場感知要素は、フック等の取り付け要素を使用して、組織部位に感知要素を取り付けることによって;組織部位に対して感知要素を圧着するか、2つが安定的に付随するような位置(例えば、リード線またはガイドワイヤ上の感知要素)に一時的に固定される、機構上に感知要素を有することによって:等、任意の便宜的アプローチを使用して、組織部位に安定的に付随され得る。感知要素は、独立型埋込型デバイス、または、例えば、リード線、ガイドワイヤ、シース等のキャリア上にあり得る。
【0032】
ある実施形態では、単一感知要素が採用される。そのような方法では、評価は、所与の期間にわたって、組織部位の移動を監視することを含み得る。そのような実施形態は、第1の部位が監視され、次いで、感知要素が、監視される第2の部位に移動するように、2つ以上の異なる部位が、連続的に監視される事例をさらに含み得る。例えば、単一感知要素を使用して、第1の部位を監視してもよく(例えば、心臓静脈内の第1の部位における心臓リード線上の電極)、次いで、感知要素は、監視される第2の部位に移動する(例えば、電極は、心臓静脈内の第2の部位に設置される)。
【0033】
ある実施形態では、2つ以上の個別の感知要素が採用され、2つ以上の個別の組織部位の移動を評価する。所与の実施形態において採用される異なる感知要素の数は、大幅に変動する場合があり、ある実施形態では、採用される数は、3つ以上、4つ以上、5つ以上、8つ以上、10つ以上等、2つ以上である。そのような多センサの実施形態では、本方法は、互いに対して2つ以上の個別の部位の移動を評価することを含み得る。
【0034】
感知要素は、ある実施形態では、電極等の電位感知要素である。これらの実施形態では、感知要素は、発生される電場内の感知要素の部位の関数である、感知される電位の値を提供する。ある実施形態では、電場感知要素は、電極である。電極は、独立型デバイス、例えば、データ受信機またはデバイス構成要素の一部、例えば、リード線等の医療用キャリアと無線通信する小型デバイスとして、存在し得る。感知要素がリード線上の電極である場合、リード線は、単一電極を含む、従来のリード線であり得る。代替実施形態では、リード線は、2つ以上の異なる電極を含む、多電極リード線であってもよく、これらの実施形態のある実施形態では、リード線は、同一ワイヤまたは複数のワイヤに電気的に連結される2つ以上の個別にアドレス可能な電極を有する、多重リード線であり得る。ある実施形態では、1セット以上の電極サテライト(例えば、少なくとも1つの細長い伝導性部材、例えば、リード線内に存在する細長い伝導性部材に電気的に連結される)を含む、心臓血管リード線等のリード線が採用される。多重リード線構造は、所望に応じて、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10つ以上、15つ以上、20つ以上等、2つ以上のサテライト含み得、ある実施形態では、多重リード線は、サテライトよりも少ない数の伝導性部材を有する。ある実施形態では、多重リード線は、2つのみのワイヤまたは1つのみのワイヤ等、3つ以下のワイヤを含む。着目多重リード線構造は、米国特許出願第10/734,490号および米国特許第7,214,189号(本出願および特許の開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる)に記載のものを含む。
【0035】
ある実施形態では、多重リード線は、セグメント化電極であるサテライト電極を含み、2つ以上の異なる個別にアドレス可能な電極は、同一サテライトコントローラ、例えば、リード線上に存在する集積回路に連結される。着目セグメント化電極構造は、米国特許第7,214,189号ならびに米国特許出願第11/793,904号および第11/794,016号(これらの出願の種々のセグメント化多重リード線構造の開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる)に記載のものを含むが、それらに限定されない。
【0036】
ある実施形態では、本主題方法は、(a)電場発生要素と、(b)着目組織部位に安定的に付随する電場感知要素とを含む、システムを提供することを含む。本提供ステップは、後述のように、身体内に1つ以上の新しい要素を埋め込むこと、または単に、例えば、アダプタ(例えば、前から既存のインプラントに動作可能に接続される場合、インプラントに本主題方法を実行させることが可能なモジュール)を使用することによって、既存の埋込型システム、例えば、ペーシングシステムを採用することを含み得る。本ステップは、採用される場合、任意の便宜的プロトコルを使用して実行され得る。
【0037】
本主題方法は、種々の異なる種類の動物において使用され得、動物は、典型的には、「哺乳類」または「哺乳動物」であって、これらの用語は、肉食目(例えば、イヌおよびネコ)、齧歯目(例えば、マウス、テンジクネズミ、およびラット)、ウサギ目(例えば、ウサギ)ならびに霊長目(例えば、ヒト、チンパンジー、およびサル)を含む、哺乳動物の種類内の生物を広範に説明するために使用される。多くの実施形態では、対象または患者は、ヒトであるだろう。
【0038】
本主題方法は、信号の形態におけるデータの生成をもたらす。電場感知要素から取得されるこれらの信号において判定される変化から、生理学的パラメータ、デバイスパラメータ、組織移動等の患者の内部パラメータが判定され得、例えば、組織移動の動態およびタイミングが導出され得る。本豊富な源のデータによって、典型的には、リアルタイムで示される、物理的解剖学上の寸法および生理学的機能の両方の生成を可能とする。
【0039】
本主題方法を使用して取得されるデータは、所望に応じて、かつ特定の用途に応じて、生の形態または処理された形態で採用され得る。ある実施形態では、取得されるデータは処理され、例えば、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)等として、コンピュータディスプレイの形態でユーザに表示され得る。
【0040】
本主題方法を使用して取得されるデータは、監視用途、治療用途等を含むが、それらに限定されない、種々の異なる用途において採用され得る。本主題方法から取得されるデータが使用を見出す用途は、以下にさらに詳細に検討される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1A】図1Aは、本発明の実施形態による、感知要素において取得される生の信号のグラフィック図を提供する。
【図1B】図1Bは、本発明の実施形態による、処理された信号のグラフィック図を提供する。
【図2】図2は、本主題発明の種々の電気断層撮影システム実施形態の描写を提供する。
【図3】図3は、本発明の代表的実施形態による、システムの図を提供する。
【図4】図4は、本発明の実施形態による、電気断層撮影のための例示的構成を示す。
【図5】図5は、本発明の実施形態による、3次元電気断層撮影のための例示的構成を示す。
【図6】図6は、本発明の実施形態による、既存のペーシングシステムに基づく電気断層撮影システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
(データの処理)
本方法を使用して取得されるETデータは、所望に応じて、生データとして使用されるか、または種々の方法で処理され得る。例えば、内部または外部直交印加電場を使用して、組織部位における電圧の値(例えば、心臓リード線または心外膜リード線上の電極)が取得され、電圧の変化を判定可能である。電圧データから、部位(例えば、電極または組織部位)に対して、位置信号が計算可能であって、位置信号の変化の速度を評価することによって、時間の関数として、位置を判定可能である(例えば、心臓サイクルの持続時間)。ある実施形態では、計算される位置信号のうちの少なくとも1つは、基準位置信号であり得る。ある実施形態では、位置信号は、介入(例えば、CRTを採用する場合等のペーシングされた位置信号)後に計算され得る。ある実施形態では、異なる条件(例えば、基準において、およびCRTによるペーシング後)下、2つ以上の位置信号が計算可能である。位置信号は、単一心臓サイクルから計算可能である、あるいはいくつかの心臓サイクル、例えば、1つの心臓サイクル、2つの心臓サイクル、または3つ以上の心臓サイクルにわって平均化されたデータから計算可能である。
【0043】
また、第2の組織部位の位置(例えば、同一心臓リード線上の第2の電極、または別個のリード線上の電極)は、時間の関数として、その電極における電圧を測定することによって計算可能であって、第2の組織部位における運動は、第1の組織部位における運動と比較可能である。また、第3、第4、第5以上の組織部位の位置(例えば、同一心臓リード線上のさらなる電極、または別個のリード線上の電極)は、時間の関数として、各電極における電圧を測定することによって判定可能であって、各組織部位における運動は、他の組織部位における運動と比較可能である。
【0044】
位置信号は、監視される電圧データを心臓成分、干渉成分、および雑音成分に分離することによって計算され得る。干渉成分への少なくとも1つの誘因は、呼吸からの干渉である。いくつかの実施形態では、位置信号を計算することは、位置信号を取得するために、測定される電圧の呼吸干渉成分を除去することを包含する。呼吸干渉成分は、心臓運動によって発生される位置信号に及ぼすその影響を除去するために、事後処理において、識別および除去可能である。他の実施形態では、呼吸信号は、識別および分離され、呼吸サイクル内の同一点において、通常、呼気終末において、取得されるデータセットを比較するために使用可能である。
【0045】
所望に応じて、心臓成分データは、正規化され、例えば、電圧データから計算される位置データの正確性を向上させ得る。データを正規化するための技術は、感知電極から取得される信号にスケール係数を割り当て、電場内の歪みを補正することを含み得る。一実施形態では、所定のスケール係数は、例えば、生理学的特徴、例えば、対象の身長および体重に基づいて、採用され得る。別の実施形態では、スケール係数は、動的である可能性があり、それは、スケール係数が、周囲電場の変化(例えば、感知電極を囲む電場の強度、勾配、または方向の変化)に基づいて、経時的に(例えば、心臓サイクル内の異なる点において、または1つの心臓サイクルから次のサイクルにかけて)、変化し得ることを意味する。一実施形態では、スケール係数は、場内に配置される2つ以上の電極の既知の電極間の距離に基づくことが可能であって、例えば、リード線上の2つの電極間の既知の離間距離である1センチメートルが採用され得、これらの寸法に基づくスケール係数を使用して、残りの電極の測定値を補正し得る。本実施形態では、電極は、近接近して(例えば、1cmの離間)、電気的に連結される。リード線が屈曲すると、電極間の距離は減少し、それによって、電気的連結を変化させる。測定される電気的連結信号は、電極の周囲の領域におけるリード線の屈曲に関連するデータを提供する。本データを使用して、残りの電極からの信号を正規化可能である。第3の方法は、例えば、米国仮特許出願第60/790,507号「Tetrahedral Electrode Tomography」(2006年4月7日出願、本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる)に記載されるように、セグメント化4重電極を使用することによって、電場内の歪みを直接測定し、スケール係数を取得することを含む。
【0046】
着目データ処理プロトコルは、米国特許出願第11/664,340号および第11/731,786号、ならびにPCT出願公開第WO 2006/042039号(本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる)にさらに説明される。
【0047】
(デバイスおよびシステム)
ある実施形態では、ET方法を実践するためのデバイスおよびシステムが採用される。ある実施形態のシステムは、以下の主要構成要素またはデバイスから構成される。1)少なくとも一時的に、心臓壁に安定的に付随する少なくとも1つの電極(例えば、感知電極)を伴い、心臓壁部位は、所望に応じて、かつ特定の用途に応じて、心内膜または心外膜部位であり得る、1つ以上の電極と、2)例えば、信号発生器と、受信機と、を含む、スペクトラム拡散電場印加要素(信号発生器および受信機が協働し、印加電場を生成する)と、3)信号プロセッサと、4)信号ディスプレイ。CRT用途の場合、リアルタイムでCRTを最適化するために、電極は、ペーシングと運動感知機能との間を往復して交互に行う。
【0048】
ある実施形態では、感知電極は、医療用キャリア、例えば、リード線上に存在する。着目キャリアは、血管リード線構造を含むが、それに限定されず、そのような構造は、概して、埋め込まれるような大きさとされ、生理学的適合材料から加工される。血管リード線に関して、種々の異なる血管リード線構成が採用され得、血管リード線は、ある実施形態では、細長い管状、例えば、近位および遠位端を有する円筒形構造である。近位端は、例えば、「缶」または類似デバイス内に存在する制御装置に接続するために、コネクタ要素、例えば、IS−1またはDF−1コネクタを含み得る。リード線は、例えば、1つ以上の伝導性要素、例えば、ワイヤ等を格納するために、ガイドワイヤと併用するための1つ以上の管腔を含み得る。遠位端は、所望に応じて、例えば、固着手段、特定の構成、例えば、S字屈曲等、種々の異なる特徴を含み得る。ある実施形態では、細長い伝導性部材は、多重リード線の一部である。多重リード線構造は、所望に応じて、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10つ以上、15つ以上、20つ以上等、2つ以上のサテライト含み得、ある実施形態では、多重リード線は、サテライトよりも少ない数の伝導性部材を有する。ある実施形態では、多重リード線は、2つのみのワイヤまたは1つのみのワイヤ等、3つ以下のワイヤを含む。着目多重リード線構造は、セグメント化電極リード線(例えば、米国特許出願第11/793,904号に記載(本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる))を含む、多重電気リード線(例えば、米国特許出願第10/734490号に記載(本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる))等において説明されるものを含む。本発明のいくつかの実施形態では、デバイスおよびシステムは、例えば、ペースメーカー缶等、中央制御装置内に存在する内蔵論理回路またはプロセッサを含み得る。これらの実施形態では、中央制御装置は、上述のコネクタ配列のうちの1つ以上によって、リード線に電気的に連結され得る。
【0049】
本アプローチは、心臓の周囲に設置される複数の感知電極を伴うペーシングリード線に拡張可能であって、心臓の全体的および局所的力学的運動のより包括的な描写を提供する。複数の電極によって、呼吸等のアーチファクトを排除可能である。さらに、複数の電極は、基準、駆動、または感知電極の役割間で電極を切り替えることによって、3次元の相対的または絶対的運動情報を提供可能である。多重リード線等の多電極リード線が使用可能であるか、または複数の電極が、例えば、ガイドワイヤ上に存在可能である。実際、本システムにおける電極(ペースメーカー缶を含む)のいずれかは、基準、駆動、または感知電極として使用可能である。
【0050】
本アプローチは、さらに拡張され、種々の電場発生要素を採用し、複数の平面または軸のそれぞれにおいて、個別の電場を生成可能である。感知電極は、複数面電場のそれぞれからの振幅を同時に報告し、それによって、心臓内壁運動を特徴化する際の分解能を向上させることが可能である。一実施形態では、内部および/または外部場発生要素を使用して、3つの本質的直交場を生成可能である。例えば、場は、「X」電場が、患者に対して右/左方向に配向され、「Y」電場が、患者に対して上方/下方方向に配向され、「Z」電場が、患者に対して前方/後方方向に配向されるように、X、Y、およびZ軸とともに生成可能である。また、3つの本質的直交場は、第1の平面または軸が、左心室の長軸に平行であって(「長軸平面」)、第2の平面が、第1の平面に垂直に配向され(「短軸平面」)、第3の平面が、長軸および短軸平面の両方に垂直である(「4室平面」)ように、心臓の主軸と整列されるように配向可能である。そのような分解能向上実施形態を使用することによって、適切な較正によって、後述されるように、例えば、CHF管理において重要である、1回拍出量および駆出率を含む、パラメータをもたらし得る。
【0051】
図2は、例えば、心臓タイミングデバイス内で具現化されるような、本発明の電気断層撮影デバイスの実施形態を伴う、心臓の断面図を提供し、ペースメーカー106、右心室電極リード線109、右心房電極リード線108、および左心室心臓静脈リード線107を含む。また、右心室側壁102、心室間隔壁103、心尖105、および左心室側壁104上の心臓静脈が示される。
【0052】
左心室電極リード線107は、リード線本体および1つ以上の電極110、111、112から構成される。遠位電極111および112は、左心室心臓静脈内に配置され、心臓の本領域に関する局所的収縮情報を提供する。また、僧帽弁輪の領域における冠状静脈洞内に4つの電極が存在するが、図示されない。最近位電極110は、心底の上大静脈内に配置される。この基礎心臓部位は、本質的に不動であって、したがって、心臓壁運動感知システムのための固定基準点の1つとして使用可能である。
【0053】
電極リード線109が隔壁上に固定されると、電極リード線109は、隔壁の局所的運動および/または変形のタイミングデータを提供する。電極リード線109に沿ってより近位に配置される電極115は、心臓のそれらの領域における局所的運動に関するタイミングデータを提供する。実施例として、右心室内の右心房に及ぶAV弁近傍に位置付けられる電極115は、弁の開閉に関するタイミングデータを提供する。近位電極113は、心底の上大静脈内に配置される。本基礎心臓部位は、本質的に不動であって、したがって、心臓壁運動感知システムのための固定基準点の1つとして使用可能である。
【0054】
電極リード線108は、アクティブ固定螺旋構造118を使用して、右心房内に設置される。遠位先端電極118を使用して、右心房のペーシングおよび運動感知の両方を提供する。
【0055】
本発明の実施形態による、電気断層撮影システムの実施例は、図3に示される。図3に描写される実施形態は、本特許出願に記載されるように、電気断層撮影技術を使用して、非同期心臓運動を測定し、うっ血性心不全(CHF)患者のための心臓再同期療法(CRT)を最適化することを補助をするように構成される。図3では、デバイスは、電場の生成、心臓ペーシング、データ取得、データ処理、およびデータディスプレイのためのハードウェアならびにソフトウェアを含む、電気断層撮影システム9000と、心臓全体に3つの直交電場を発生させるために使用される3対の皮膚電極(右/左胴、胸/背中、および首/脚)に接続される、皮膚電極ケーブル9002と、心臓内の内部電極に接続される、心臓電極ケーブル9004と、鎖骨下静脈内に挿入され、冠状静脈洞に接近するために使用される、ガイドカテーテル9014と、遠位端に複数の電極を有し、ガイドカテーテル9014を介して、主要心臓静脈および外側および後外側心臓静脈等のその側枝内に挿入される、1つ以上の多電極ガイドワイヤ/ミニカテーテル9018、9022、および9024と、隔壁に取り付けられるアクティブ固定螺旋電極9024を伴う、標準的RVリード線9024と、から構成される。
【0056】
手技ステップの一実施形態は、以下となるであろう。3対の皮膚電極を患者に設置し、心臓に及ぶ3つの直交電場を生成する。図5を参照されたい。皮膚電極ケーブル9002を使用して、皮膚電極を電気断層撮影システム9000に接続する。滅菌場の下、医師は、鎖骨下静脈を介して、RVリード線を右心室内に挿入し、アクティブ固定螺旋電極を隔壁内に挿入する。次いで、医師は、ガイドカテーテル9014を使用して、冠状静脈洞にカニューレを挿入する。ガイドカテーテル9014を通して挿入されるバルーンカテーテルを使用して、静脈造影を実行し、心臓静脈生体構造をマッピングする。多電極ガイドワイヤ9018、9020、9022は、ガイドカテーテル9016内に挿入される。第1の多電極ガイドワイヤ9022は、心尖に達するまで、隔壁に沿って、大心臓静脈内に前進される。本多電極は、RV電極リード線に加えて、隔壁の運動を追跡するために使用可能である。第2の多電極ガイドワイヤ9020は、左心室の外側心臓静脈のうちの1つ内に操舵される。そして、第3の多電極ガイドワイヤ9018は、左心室の後側心臓静脈のうちの1つ内に操舵される。心臓ケーブル9004は、電気断層撮影システム9000内に差し込まれ、かつ、多電極ガイドワイヤ9018、9020、9022の近位コネクタ9008、9010、9012、およびRV電極リード線9016の近位IS−1コネクタ9006に接続される。
【0057】
全デバイスが設置および接続されると、3つの直交電場がオンにされ、全電極の測定される運動の基準測定値が記録される。基準心室内非同期性の量は、外側および後側心臓静脈内の電極と(多電極ガイドワイヤ9018、9020)、隔壁に沿った電極(RVリード線遠位電極9024および/または多電極ガイドワイヤ9022)の運動を比較することによって計算される。次に、RVリード線遠位電極9024と、外側または後側心臓静脈内のLV電極(多電極ガイドワイヤ9018、9020)の一方とによって、両心室ペーシングを実行することによって、CRT試験を開始する。両心室ペーシングは、対応する心室内非同期性指数を記録する間、LV電極(多電極ガイドワイヤ9018、9020)のそれぞれを一つずつ用いて繰り返される。LVペーシング部位は、各試験に伴って変化するが、心室内非同期性を測定するために使用される運動感知電極は、心臓に対する位置を変化させないことに留意することが重要である。これによって、全試験間の心室内非同期性測定値の直接比較が可能となる。全試験からのデータを使用して、CRTのための最適なLVペーシング部位のマップを生成し、それによって、LV電極リード線の設置のために最善の心臓静脈を識別する。
【0058】
この時点で、選択された心臓静脈内に配置される多電極ガイドワイヤは、定位置に残される一方、他は全部、抜去される。定位置に残される多電極リード線の近位コネクタ9008、9010、または9012は除去され、埋込型LV電極が、ワイヤを介して、選択された心臓静脈内に挿入され、蛍光透視装置下、判定された理想的LVペーシング部位の位置に整列するように位置付けられる。多電極リード線の埋め込みの場合、リード線に沿った複数の電極によって提供される柔軟性のため、選択された心臓静脈内の位置は、重要ではない。
【0059】
別の実施形態では、この時点で、全多電極ガイドワイヤは除去され、蛍光透視装置下、LV電極リード線は、標準的リード線送達ツールを使用して、最も理想的接近可能LVペーシング部位の位置に整列するように位置付けられる。最後に、標準的CRT埋込手技が再開される。
【0060】
ある実施形態では、複数の駆動電極対が存在し、それぞれ、個別の電場を発生させ、場は、概して、例えば、図5に示される異なる駆動電極対によって発生されるように、異なる心臓内平面に沿って配向される。ある実施形態で発生される代表的平面は、上大静脈、冠状静脈洞内に配置される比較的不動の電極と、左または右鎖骨下領域内の埋込型パルス発生器との間にある。さらなる電極部位は、肺動脈、胸郭、首、および腹部を通じた皮下部位、ならびに外部部位を含む。
【0061】
ある実施形態では、さらなる平面は、既に記載されたもの(例えば、右心尖部、左心室を覆う心臓静脈等)よりも比較的に大きな運動を経験する電極から発生される。ある実施形態では、絶対的位置を取得するため、感知電極に対して、駆動電極の運動成分を排除するために、他の利用可能平面への参照を伴う、計算技術が採用される。システムのある用途では、相対的タイミングおよび運動情報は、絶対的位置よりも非常に重要である。これらの用途では、少なくとも、1つ以上の電場平面の著しい移動は、本運動を補償するように意図される最小限のリアルタイム計算を伴って、または全く伴わずに、容認され得る。
【0062】
本発明の別の実施形態は、心臓運動を分析する際に使用するために構成されるシステムを提供する。動作の際、システムは、「n」個の心臓電極を設置し、心臓電極が存在する組織領域にAC電圧を印加する。次いで、システムは、各電極上の誘導電圧を検出し、各心臓電極上の誘導電圧に基づいて、n×nの相関行列を構築する。その後、システムは、相関行列を対角化し、それによって、相関行列の固有値および固有ベクトルを求める。
【0063】
図4は、本発明の実施形態による、心臓電極の電気断層撮影のための例示的構成を示す。図10は、いくつかのペーシング電極の部位1503、1504、1506、および1507を示す。ペーシング缶1501は、外部または体外部位として存在する。ペーシング缶1501は、ペーシングリード線1502を通して、電極にペーシングパルスを伝送し得る。
【0064】
部位1503および1504における電極は、右心室リード線1502に連結され、リード線1502は、ペーシングシステム(ペーシング缶1501等)のための皮下部位から、患者の身体(例えば、好ましくは、鎖骨下静脈アクセス)内へ、上大静脈を通して、右心房内へと進む。右心房から、右心室リード線1502は、三尖弁を通して、右心室の壁に沿った部位へと通される。右心室リード線1502の遠位部分は、好ましくは、心室内隔壁に沿って配置され、右心尖部内に固定して終端する。図10に示されるように、右心室リード線1502は、部位1503および1504に位置付けられる電極を含む。心室リード線1502内の電極の数は、限定されず、図10に示される電極の数より多くても、または少なくてもよい。
【0065】
同様に、左心室リード線は、右心室リード線1502と実質的に同一ルートを辿る(例えば、鎖骨下静脈アクセスおよび上大静脈を通して右心房内へ)。右心房では、左心室リード線は、心臓の後壁周囲の冠状静脈洞を通して、冠状静脈洞に流れ出る心臓静脈内に通される。左心室リード線は、両心室ペーシングのために有益であると考えられる位置である、左心室の壁に沿って側方に提供される。図4は、左心室リード線の部位1506および1507に位置付けられる電極を示す。
【0066】
右心室リード線1502は、任意に、右心室内に圧力センサ1508を備え得る。信号多重化配列は、そのような能動デバイス(例えば、圧力センサ1508)をペーシングおよび信号収集目的のためのリード線(例えば、右心室リード線1502)に含めることを容易にする。動作の際、ペーシング缶1501は、部位1503、1504、1506、および1507におけるサテライトのそれぞれと通信する。
【0067】
一実施形態によると、ペーシング缶1501は、電極として使用され、AC電圧を心臓組織に印加する。AC電圧源の接地は、患者の身体上の別の部位における、例えば、患者の皮膚に取り付けられるパッチであり得る。故に、ペーシング缶1501から接地部位に向かって、心臓組織全体にAC電圧降下が存在する。心臓内に埋め込まれた電極は、駆動電圧と接地との間のある場所に誘導電位を有する。電極上の誘導電圧を検出し、誘導電圧を駆動電圧と比較することによって、電極の部位、または電極が心臓内で移動する場合、電極の瞬間速度を監視可能である。例えば、第1の信号は、第1の時間(例えば、収縮期の開始時における電極の位置)、次いで、第2の時間(例えば、収縮期の終了時における電極の位置)において検出可能である。次いで、速度は、物体(例えば、電極)の位置信号を微分し、または導関数を求めることによって、計算可能である。物体(例えば、電極または組織部位)の速度は、特定の方向におけるそのスピード、あるいは変位の速度であって、物体のスピードおよび方向の両方を示す。
【0068】
また、システムは、直流(DC)電圧を組織に印加し得る。しかしながら、AC信号は、雑音に対してより抵抗があるため、代表的実施形態では、AC駆動電圧は、DC電圧よりも好ましい。電極上の誘導電圧信号は、駆動AC電圧と実質的に同一周波数を有するため、同一周波数で動作するロックイン増幅器を使用して、雑音からの干渉を低減可能である。
【0069】
システムは、種々の方法で電場を印加し得る。一実施形態では、システムは、ペーシング缶および既存の埋込型電極、または2つの既存の埋込型電極を使用して、駆動電圧を印加し得る。さらなる実施形態では、システムは、患者の皮膚に取り付けられる2つの電気接触パッチを通して、駆動電圧を印加し得る。
【0070】
同一原理に基づいて、互いに実質的に直交する3つの方向(x、y、およびz)に、3つのAC電圧を印加し、3次元(3−D)空間内の電極の部位を測定可能である。図5は、本発明の実施形態による、心臓電極の3次元電気断層撮影のための例示的構成を示す。システムは、一対の電極1604を通して、x方向に、AC電圧vを印加する。同様に、システムは、それぞれ、y方向およびz方向に、vおよびvを印加する。v、v、およびvはそれぞれ、異なる周波数で動作する。その結果、3つの誘導電圧が、埋込型電極1602上に存在する。また、各誘導電圧は、各方向に、駆動電圧の周波数に対応する異なる周波数を有する。したがって、3つの別個のロックイン増幅モジュールを使用して、それぞれ、異なる周波数で動作する3つの誘導電圧を検出することによって、3次元空間における電極の場所を判定可能である。
【0071】
電場を印加する電極断層撮影システムの利点の1つは、システムが、既存の心臓ペーシングシステム上で動作可能であって、したがって、患者に対して最小限のリスクを及ぼす。図6は、本発明の実施形態による、既存のペーシングシステムに基づく、電気断層撮影システムを示す。本実施例では、患者の心臓内に埋め込まれたいくつかのペーシング電極が存在する。これらの電極は、通常の心臓ペーシング目的のための市販の電極であり得る。
【0072】
電圧駆動およびデータ取得システム1904は、ペーシング缶1902に連結する。また、システム1904は、右心房(RA)、左心室(LV)、および右心室(RV)内に存在する電極に連結する。ペーシング缶1902からのリード線は、最初、システム1904にルーティングされ、次いで、電極にルーティングされる。システム1904は、リード線を使用して、ペーシング缶1902を含む、任意の電極を駆動可能であり、かつ、リード線を通して、非駆動電極上の誘導信号を検出可能である。また、システム1904は、接地等の外部電圧基準点に連結され得る、基準ポートを有する。図12の実施例では、電極1908は、リード線を通して、基準ポートに連結され、接地基準電圧1910に連結される。
【0073】
上述の配列によって、ペーシング缶1902は、電気断層撮影を実行する間、通常のペーシング信号を電極に送信可能である。ペーシング信号は、典型的には、短パルスである一方、駆動電圧は、特定の周波数を伴う一定の正弦波信号であるため、そのような同時動作が可能である。さらに、システム1904は、皮膚心電図(ECG)データを受信し、電気断層撮影信号の分析を補助し得る。また、システム1904は、コンピュータ1906とインターフェースをとり、収集されたデータに基づいて、分析を行なう。
【0074】
本主題システムの実施形態は、本発明によって提供される壁運動データの臨床的有用性を向上させるために、他の生理学的センサを組み込む。例えば、全身的圧力の低下に直面する壁運動の最適化は、不適切なペーシング、構成要素故障、または他の潜在する生理学的有害条件(例えば、出血性ショック)の指標であろうため、統合される圧力センサは、自己最適化心臓再同期ペーシングシステムに重要な検証手段を提供し得る。また、1つ以上の圧力センサは、電気的介入(例えば、心室細動)を必要とする悪性不整脈の診断において使用される重要な情報を提供可能である。また、他のセンサの組み込みも想定される。
【0075】
着目エフェクタは、本出願の発明者らのうちの少なくとも一部による以下の出願に記載のエフェクタを含むが、それらに限定されない。米国特許出願第10/734490号(第20040193021号として公開)「Method And System For Monitoring And Treating Hemodynamic Parameters」、米国特許出願第11/219,305(第20060058588号として公開)「Methods And Apparatus For Tissue Activation And Monitoing」、国際出願第PCT/US2005/046815号「Implantable Addressable Segmented Electrodes」、米国特許出願第11/324,196号「Implantable Accelerometer−Based Cardiac Wall Position Detector」、米国特許出願第10/764,429号「Method and Apparatus for Enhancing Cardiac Pacing」、米国特許出願第10/764,127号「Methods and Systems for Measuring Cardiac Parameters」、米国特許出願第10/764,125号「Method and System for 遠隔Hemodynamic Monitoring」、国際出願第PCT/ US2005/046815号「Implantable Hermetically Sealed Structures」、米国特許出願第11/368,259号「Fiberoptic Tissue Motion Sensor」、国際出願第PCT/US2004/041430号「Implantable Pressure Sensors」、米国特許出願第11/249,152号「Implantable Doppler Tomography System」、および米国仮特許出願第60/617,618号、国際出願第PCT/USUS05/39535号「Cardiac Motion Characterization by Strain Gauge」。これらの出願は、参照することによって、全体として、本明細書に組み込まれる。
【0076】
本発明の埋込型実施形態では、所望に応じて、壁運動、圧力、および他の生理学的データは、埋込型コンピュータによって記録可能である。そのようなデータは、自動または手動分析のために、周期的に、コンピュータシステムおよびインターネットを含むコンピュータネットワークにアップロード可能である。
【0077】
アップリンクおよびダウンリンクテレメトリ能力は、所与の埋込型システム内に提供され、遠隔に配置される外部医療用デバイス、または患者の身体上のより近位の医療用デバイス、あるいは別の患者の身体内の多室モニタ/療法送達システムと通信可能であり得る。上述の種類の格納される生理学的データならびにリアルタイムで生成される生理学的データおよび非生理学的データは、ダウンリンクテレメトリ送達問い合わせ命令に応答して、アップリンクRFテレメトリによって、システムから外部プログラマまたは他の遠隔医療用デバイスに伝送可能である。リアルタイム生理学的データは、典型的には、リアルタイムにサンプリングされる信号レベル、例えば、心臓内心電図振幅値、および本発明に従って発生される次元信号を含む、センサ出力信号を含む。非生理学的患者データは、現在プログラムされているデバイス動作モードおよびパラメータ値、バッテリ状態、デバイスID、患者ID、埋込日、デバイスプログラミング履歴、リアルタイム事象マーカ等を含む。埋込型ペースメーカーおよびICDに照らして、そのような患者データは、プログラムされた感知増幅器感度、ペーシングまたは電気的除細動パルス振幅、エネルギー、およびパルス幅、ペーシングまたは電気的除細動リード線インピーダンス、ならびにデバイス性能に関連する蓄積された統計、例えば、検出された不整脈エピソードおよび適用される療法に関連するデータを含む。したがって、多室モニタ/療法送達システムは、種々のそのようなリアルタイムまたは格納された生理学的あるいは非生理学的データを展開し、そのような展開されたデータは、本明細書では、集合的に「患者データ」と称される。
【0078】
(データ処理)
例えば、上述のように、電気断層撮影方法およびシステムを使用して取得される電気断層撮影データは、所望に応じて、例えば、データが採用される特定の用途に応じて、生データとして、または処理されて、採用され得る。
【0079】
ある実施形態では、データは、単独で、または非ETデータ(他の種類の生理学的センサ、例えば、pHセンサ、圧力センサ、温度センサ等から取得されるデータ等)と組み合わせて採用され、着目心臓パラメータ等の1つ以上の生理学的着目パラメータを判定する。
【0080】
本アプローチを使用して測定される心臓性能のパラメータは、直接および間接的の両方で測定可能である。直接測定可能なパラメータの実施例は、心室内および心室間同期の両方の測定値を含む、心臓壁運動、収縮期および拡張期の両方における心筋位置、速度、および加速の測定値、ピーク収縮期僧帽弁速度を含む、収縮期および拡張期の両方における僧帽弁位置、速度、および加速の測定値、左心室拡張終期容量および径、左心室収縮末期容量および径、駆出率、1回拍出量、心拍出量、ひずみ速度、電極間距離、心拍間変動、ならびにQRS持続時間を含むが、それらに限定されない。間接的に測定可能なパラメータは、dP/dt(収縮性の代用)、dP/dtmax、僧帽弁流を含む、流動の計算測定値、僧帽弁逆流、拍出量、心拍出量を含むが、それらに限定されない。心臓患者の管理において有用な、本発明の電気断層撮影システムを使用して測定可能な他のパラメータは、経胸腔的インピーダンス、心臓捕捉閾値、横隔神経捕捉閾値、温度、呼吸速度、活性レベル、ヘマトクリット値、心音、睡眠時無呼吸判定を含むが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、付加的センサ(例えば、流量センサ、温度センサ、圧力センサ、加速度計、マイクロホン等)を使用して、生理学的または心臓パラメータを取得し得る。本方法によって取得される生データおよび処理データは両方とも、心臓性能を評価するために、表示および使用可能である。
【0081】
本発明のETシステムを使用して測定可能またはETシステムデータと併用されるパラメータは、以下を含むが、それらに限定されない。
【0082】
【化1】

【0083】
【化2】

【0084】
【化3】

【0085】
【化4】

【0086】
【化5】

【0087】
【化6】

したがって、着目パラメータの値は、本方法およびシステムによって提供されるETデータから取得可能である。パラメータは、ETデータからのみ導出されるもの、または、ETおよび非ETデータ、例えば、上述のような他の種類の生理学的センサからのデータの両方から導出されるものであり得る。
【0088】
(データ表示)
ある実施形態では、取得されるデータは、ユーザに表示され、表示されるデータは、生データ、または、例えば、1つ以上のデータ処理アルゴリズムを使用して処理されたデータであり得る。表示されるデータは、任意の便宜的形態で表示され得、例えば、紙等の被印刷物上に印刷され、コンピュータモニタ等のディスプレイ上に提供される。ディスプレイは、プロット、グラフ、または任意の他の便宜的形態であってもよく、形態は、2次元、3次元、非ET源からの内包データ等であり得る。着目ディスプレイは、PCT出願第PCT/US2006/012246号「Automated Optimization of Multi−Electrode Pacing for Cardiac Resynchronization」(2006年3月31日出願)、および米国特許出願第11/731,78号(2007年3月30日出願)(本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる)に開示されるものを含むが、それらに限定されない。
【0089】
ある実施形態では、データは、グラフィカルユーザインターフェースにおいて、ユーザに表示される。「グラフィカルユーザインターフェース」(GUI)とは、マウスを使用して、アイコン、ウィンドウ、およびメニューを特徴とするディスプレイ画面上のテキストおよび画像を操作することによって等、コンピュータプログラムの使用を標準化および単純化するように設計されたソフトゥエアインターフェースを指すものとして使用される。着目GUIは、PCT出願第PCT/US2006/012246号「Automated Optimization of Multi−Electrode Pacing for Cardiac Resynchronization」(2006年3月31日出願)、および米国特許出願第11/731,78号(2007年3月30日出願)に開示されるものを含むが、それらに限定されない(本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる)。GUIディスプレイは、感知またはペースメーカーリード線の埋め込み、CRTパラメータの初期調節または後の臨床医のオフィスにおけるCRTパラメータの「調整」、および心臓性能の長期的追跡等、臨床的状況において、臨床医を補助するために調整可能であるが、それらに限定されない。
【0090】
(用途)
組織部位移動を評価する電場断層撮影方法は、種々の異なる用途における使用を見出す。上述のように、本主題発明の重要な用途は、心臓再同期(CRT、また、両心室ペーシングとも称される)における使用のためのものである。当該分野では周知のように、CRTは、心不全患者の遅延左心室機構を治療する。非同期心臓では、心室中隔は、多くの場合、左心室の自由壁の部分に先立って、収縮するであろう。そのような状況では、心室収縮の時間的経過が延長され、心室内圧に対して、左心室によって行なわれる仕事量の総量は、多大となる。しかしながら、1回拍出量および効果的心拍出量の形態で身体上に送達される実際の仕事量は、予測されるよりも少ない。本主題断層撮影アプローチを使用して、左側心室の電気機械的遅延が評価され、得られたデータは、例えば、上述および/または当該分野で周知の、ならびに米国特許第6,795,732号(本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる)の22段落5行目から24段落34行目までにおいて検討されるアプローチを使用して、CRTにおいて採用可能である。
【0091】
完全埋込型システムでは、多電極リード線上のペーシング電極の場所およびペーシングタイミングパラメータは、ペースメーカーによって、継続的に最適化され得る。ペースメーカーは、多くの場合、CRTを最適化するために、心室内非同期性、心室間非同期性、または左心室側壁の電気機械的遅延を最小限にする場所およびパラメータを判定する。また、本心臓壁運動感知システムは、CRTを最適化するために、心臓リード線の設置手技の際に使用可能である。外部コントローラは、リード線の設置の際、心臓リード線および皮膚パッチ電極に接続可能である。皮膚パッチは、ペースメーカーがリード線に接続されるまで、基準電極として作用する。本シナリオでは、例えば、CRTのための最適左心室心臓静脈部位は、心室内非同期性を実際に測定することによって判定される。
【0092】
本主題方法およびデバイスを使用して、実際に開ループ方法において、または閉ループ方法においてほぼ継続的に、再同期ペースメーカーを調節可能である。
【0093】
ある実施形態では、本システムおよび方法を採用して、他の電極場所間の連結を測定する。電極対の設置および選択は、測定される物理的現象を判定するであろう。例えば、右心室内の電極と右心房内の電極との間の電圧連結は、三尖弁の開閉のタイミングの指標を提供する。ある実施形態では、単一リード線上の多数の電極である。例えば、LVペーシングリード線は、大静脈から、冠状静脈洞を通して、LV自由壁上の心臓静脈内に延在する従来のペーシング電極に加えて、電極を有し得る。異なる対のこれらの電極を選択することによって、所望に応じて、心臓の運動の異なる側面が測定され得る。
【0094】
また、本主題方法およびデバイスは、虚血検出において採用可能である。急性虚血性事象の場合、そのような虚血の第1の指標のうちの1つは、無動、すなわち、筋肉の硬化による虚血組織の壁運動の低下であることは広く理解されている。したがって、本方法およびデバイスは、局所的壁運動を圧力等の全体的パラメータと比率的に比較することによって、虚血性プロセスの非常に感度の高い指標を提供する。非監視壁セグメントおよびその潜在的虚血に関する重要な情報を導出可能である。例えば、非監視区画が虚血性になる場合、監視セグメントは、全身の圧力を維持するために、より激しく機能しなければならず、比較的に大運動量を有することになり、したがって、比率分析は、その事実を明らかにするであろう。
【0095】
また、本主題方法およびデバイスは、不整脈検出用途における使用を見出す。現在の不整脈検出回路は、心臓内の電気的活性に依存する。したがって、そのようなアルゴリズムは、不整脈の電気的雑音を混乱させやすい。また、機械的分析が異なる潜在的な生理学的プロセスを明らかにする場合、電気的事象に基づく不整脈を誤認または誤って特徴化する可能性がある。
【0096】
故に、本主題発明が使用を見出す付加的用途は、ペーシングまたは不整脈の際の電気機械的解離の検出、有意および非有意心室性頻脈の血行動態的区別、心拍出量の監視、自動捕捉アルゴリズムのための捕捉または捕捉損失の機械的確認、心不全のための多部位ペーシングの最適化、心筋収縮性に基づく速度応答ペーシング、失神の検出、心房および心室性頻脈性不整脈の検出または分類、機械的事象の検出に基づく感知増幅器感度の自動調節、ペースメーカーモード切り替えの判定、高速かつ侵襲性対低速かつ低侵襲性抗頻脈性不整脈療法の必要性の判定、または療法送達後の弱鼓動心臓の補償の必要性の判定(これらの代表的用途は、米国特許第6,795,732号(本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる))においてさらに詳細に検討される)等を含むが、それらに限定されない。
【0097】
ある実施形態では、本主題発明を採用して、CHFの薬理学的管理における進展に対する障害を克服する(その進展は、患者を生理学的に階層化し、療法の変動に応答して個別に評価することができないことによって停滞している)。CHFのための最適医療療法は、いくつかの薬剤の同時投与を含むことが、広く容認されている。新しい剤を添加すること、または既存の剤の相対用量を調節することにおける進歩は、時間がかかり、かつ高価な、長期的罹患率および死亡率試験にのみ依存する必要性によって停滞している。加えて、類似症状分類の患者は、生理学的に類似であると想定されることが多いため、臨床試験患者集団の推定的均質性は、多くの場合、誤っている可能性がある。投薬計画変動の急性効果が正確に定量化され得るように、重要な心臓性能および患者コンプライアンスデータを捕捉するように設計される埋込型システムを提供することが望ましい。これは、長期無作為化罹患率および死亡率研究における最終的試験のために、改良された投薬計画を設計する際に有益な代理の評価項目となり得る。加えて、定量的血行動態分析は、非応答者からの薬物応答者の優れた分離を可能とし、それによって、検出され、適切に評価され、最終的に市販のために承認される有望な効果を伴う療法を可能にし得る。本発明は、上述を可能にする。ある実施形態では、本発明は、PCT出願第PCT/US2006/016370号「Pharma−lnformatics System」(2006年4月28日出願、本開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる)に記載のシステムと併用される。
【0098】
ある実施形態では、電極(例えば、多電極リード線)は、心臓内に設置可能であって、着目心臓パラメータ、例えば、血液温度、心拍数、血圧、移動データ(同期データを含む)、ならびに薬物療法コンプライアンスを測定するために採用可能な、受信機に接続される。取得されたデータは、受信機内に格納される。本構成の実施形態は、早期心不全診断ツールとして採用され得る。本構成は、最適化された治療管理によって、密接に監視し、安定に維持することを目標として、心不全の早期における対象内に設置され得る。最終的に、刺激療法が必要な場合、受信機は、その後、刺激電極を採用して、適切なペーシング療法を対象に提供し得る、埋込型パルス発生器と置換され得る。
【0099】
非心臓用途は、一例として、肺内のうっ血の測定、脳内流体量の判定、膀胱の膨張の評価等、当業者には容易に明白となるであろう。また、他の用途は、胃等の身体の多くの臓器の可変特徴を評価することを含む。その場合、食事後、本発明は、胃を測定し、それが生じたかどうかを判定可能である。本発明からのデータは、本質的に数値的性質であるため、これらの患者は、自動的に刺激され、過食の場合、食事を停止し、または拒食症の場合、食事を促進することが可能である。また、本発明のシステムを採用して、患者の脚の充満液を測定し、浮腫または他の種々の臨床的用途を評価可能である。
【0100】
(コンピュータ可読記憶媒体)
本主題発明の1つ以上の側面は、本主題方法を実装するためにその上に格納されたプログラミングを有する、コンピュータ可読媒体の形態であり得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、電子的、磁気的、光学的、または他の手段によって、格納されるデータ等を含むことが可能な、コンピュータディスク(CD)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気「ハードカード」、サーバ、あるいは任意の他のコンピュータ可読媒体の形態であり得る。故に、本主題方法を実行するためのステップを具現化する格納されたプログラミングは、例えば、コンピュータネットワーク、サーバ、あるいは他のインターフェース接続、例えば、インターネットまたは他の中継手段を使用することによって、プロセッサに伝送もしくは通信され得る。
【0101】
より具体的には、コンピュータ可読媒体は、本主題方法を実行するためのアルゴリズムを具現化する、格納されたプログラミングを含み得る。故に、そのような格納されたアルゴリズムは、例えば、本主題方法を実行する埋込型医療用デバイスを動作させることによって、本主題方法を実践するように構成される、または別様に実践可能である。また、本主題アルゴリズムおよび関連付けられたプロセッサは、適切な調節を実装可能であり得る。
【0102】
特に着目すべきは、ある実施形態では、システムが本主題方法を実践するように構成されるように、そのようなコンピュータ可読媒体を搭載するシステムが存在する。
【0103】
(キット)
また、上述のように、本主題方法を実践する際に使用するためのキットが提供される。キットは、少なくとも、上述のように、コンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、他のデバイスまたはシステムの構成要素、あるいはアダプタモジュール、ペースメーカー等のキット内のその構成要素であり得る。また、キットおよびシステムは、本主題エネルギー源との使用を見出すいくつかのオプション構成要素含み得、埋込デバイス等を含むが、それに限定されない。
【0104】
本主題キットのある実施形態では、キットは、それを取得するために、本主題デバイスまたは要素を使用するための指示をさらに含み(例えば、ユーザに指示を提供するウェブページへと誘導するウェブサイトURL)、これらの指示は、典型的には、被印刷物上に印刷され、被印刷物は、添付文書、パッケージ、試薬容器等のうちの1つ以上であり得る。本主題キットでは、1つ以上の構成要素は、便宜的または望ましいように、同一または異なる容器内に存在する。
【0105】
上述の結果および議論から明白なように、本主題発明は、数多くの利点を提供する。本主題発明の種々の実施形態の利点は、低消費電力、多数の線の可能な位置のリアルタイム識別(1つ以上)、指標が相対的であって、主に、時間領域において着目されることによる耐雑音性を含むが、それらに限定されない。本アプローチのさらなる利点は、位置を判定するための付加的カテーテルまたは電極の必要がないことである。むしろ、ペーシングおよび除細動のために既に使用されている既存の電極を使用して、身体またはペーシング装置を干渉しないように設計される1つ以上の周波数において、ACインパルスを投入可能である。したがって、本主題発明は、当該分野に対し、著しい貢献を表す。
【0106】
本発明は、記載される特定の実施形態に限定されず、したがって、可変であり得ることを理解されたい。また、本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ限定されるため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することを意図していないことを理解されたい。
【0107】
ある範囲の値が提供される場合、各介在値は、別途明示的に記載されない限り、その範囲の上限および下限値と任意の他の記載またはその記載範囲内の介在値との間の最小目盛りの10分の1まで、本発明内に包含されるものと理解されたい。これらのより小範囲の上限および下限値は、その小範囲内に独立して含められてもよく、また、記載される範囲内の任意の具体的に排除される限界値に制約されて、本発明内に包含される。記載される範囲が、一方または両方の限界値を含む場合、それらの含められる限界値の一方または両方を排除する範囲もまた、本発明に含められる。
【0108】
ある範囲は、用語「約」によって先行される数値を伴って、本明細書では提示される。用語「約」とは、本用語が先行する正確な数字、ならびに本用語が先行する数字近傍または近似する数字に対して文言上の支持を提供するために本明細書では使用される。ある数字が、具体的に引用される数字の近傍または近似するかどうかを判定する際、引用されていない近傍または近似する数字は、提示される文脈において、具体的に引用される数字の実質的同等物を提供する数字であり得る。
【0109】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全技術および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるものと同一意味を有する。また、本発明の実践または試験の際、本明細書に記載のものと類似または同等の任意の方法および材料も使用可能であるが、ここでは、代表的な例証的方法および材料が説明される。
【0110】
本明細書に引用される全刊行物および特許は、各個々の刊行物または特許が、具体的かつ個別に示され、参照することによって、組み込まれるように、参照することによって、本明細書に組み込まれ、引用される刊行物と関連する方法および/または材料を開示ならびに説明するように、参照することによって、本明細書に組み込まれる。任意の刊行物の引用は、出願日に先行するその開示のためのものであって、本発明が、先行発明という理由から、そのような刊行物に先行する権利が与えられるものではないという承認として解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、実際の公開日と異なる場合があり、個々に確認する必要があり得る。
【0111】
本明細書および添付の請求項で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、別途明示的に記載されない限り、複数形を含むことに留意されたい。さらに、請求項は、任意のオプション要素を排除するように作成され得ることに留意されたい。したがって、本記述は、請求項要素の引用と併用される「単に」、「のみ」等の排他的用語の使用、または「否定的」限定の使用の根拠の役割を果たすものとして意図される。
【0112】
本開示を熟読することによって、当業者には明白となるように、本明細書に説明および例証される個々の実施形態はそれぞれ、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、容易に、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から分離される、あるいはそれらと組み合わせられ得る、個別の成分および特徴を有する。任意の引用される方法は、引用される事象の順番で、または論理的に可能な任意の他の順番で実行可能である。
【0113】
上述の発明は、理解を明白にする目的のために、例証および例示として、ある程度詳細に説明されたが、本発明の教示に照らして、添付の請求項の精神または範囲から逸脱することなく、ある変更および修正が成され得ることは、当業者には容易に明白であろう。
【0114】
故に、上述は、単に本発明の原理を示す。当業者は、本明細書では明示的に説明または図示されないが、本発明の原理を具現化し、その精神および範囲内に含まれる、種々の配列を考案可能であることを理解されたい。さらに、本明細書に引用される全実施例および条件付き専門用語は、原理として、当該分野を推進する発明者らによって寄与される本発明の原理および概念を理解する際に読者を補助することを意図し、そのような具体的に引用される実施例および条件に限定されるものではないと解釈されたい。さらに、本発明の原理、側面、および実施形態、ならびにその特定の実施例を引用する本明細書における全記述は、その構造的および機能的同等物の両方を包含するものと意図される。加えて、そのような同等物は、現在周知の同等物および今後開発される同等物、すなわち、構造にかかわらず、同一機能を果たすように開発される任意の要素の両方を含むことが意図される。したがって、本発明の範囲は、本明細書に図示および説明される例示的実施形態に限定されるものではないことが意図される。むしろ、本発明の範囲および精神は、添付の請求項によって具現化される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象内の組織部位の運動を評価するための方法であって、
(a)組織部位が電場内に存在するように、スペクトラム拡散電場を発生させることと、
(b)該組織部位に安定的に付随する第1の感知電極から初期信号を取得することと、
(c)該初期信号を逆畳み込みし、最終信号を取得することと、
(d)該最終信号から該組織部位の運動を評価することと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記スペクトラム拡散電場は、疑似乱数列を使用して発生される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スペクトラム拡散電場は、周波数ホッピングスペクトラム拡散電場である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スペクトラム拡散電場は、直接シーケンススペクトラム拡散電場である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、単一スペクトラム拡散電場を発生させることを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、2つ以上のスペクトラム拡散電場を発生させることを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記2つ以上のスペクトラム拡散電場は、それぞれが固有の拡散コードを使用して発生される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記2つ以上のスペクトラム拡散電場は、共通の拡散コードを使用して発生される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、3つのスペクトラム拡散電場を発生させることを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、3つの実質的に直交スペクトラム拡散電場を発生させることを包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記初期および最終信号は、電圧である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、第2の組織部位に安定的に付随する第2の感知電極から最終信号を取得することを採用することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記評価することは、心臓パラメータを判定することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記スペクトラム拡散電場は、内部で発生される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記スペクトラム拡散電場は、外部で発生される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記感知電極は、キャリア上に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記キャリアは、リード線である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記リード線は、単一感知電極を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記リード線は、多電極リード線である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記多電極リード線は、多重リード線である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記多電極リード線は、セグメント化電極を備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
組織部位の移動を評価するためのシステムであって、
(a)スペクトラム拡散電場発生要素と、
(b)心臓組織部位に安定的に付随するように構成される、感知電極と、
(c)該感知電極から取得される信号を採用して、請求項1から21のいずれか1項に記載の方法によって、組織の移動を評価するように構成される、信号処理要素と
を備える、システム。
【請求項23】
格納された処理プログラムを有し、該処理プログラムは、プロセッサを作動させて、請求項22に記載のシステムを作動させ、請求項1から21のいずれか1項に記載の方法を実行する、コンピュータ可読記憶媒体。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−533046(P2010−533046A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516279(P2010−516279)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/069824
【国際公開番号】WO2009/009746
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(505222679)プロテウス バイオメディカル インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】