スペクトル拡散通信方法
【課題】容易に異周波数間ハンドオーバを行うことが可能なスペクトル拡散通信装置を得ること。
【解決手段】本発明のスペクトル拡散通信装置は、圧縮モード時に圧縮されたフレームを間欠的に受信する無線周波数受信器25と、圧縮モード期間中の無伝送時間に第1サーチコードと第2サーチコードとを検出するタイミング/逆拡散器51と、それらのサーチコードを所定の基準で判定する検出判定器52と、検出判定器52にて検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードに基づいて他の周波数キャリアとの同期を確立することにより異周波数間ハンドオーバを制御する制御器21Eと、を備える構成とした。
【解決手段】本発明のスペクトル拡散通信装置は、圧縮モード時に圧縮されたフレームを間欠的に受信する無線周波数受信器25と、圧縮モード期間中の無伝送時間に第1サーチコードと第2サーチコードとを検出するタイミング/逆拡散器51と、それらのサーチコードを所定の基準で判定する検出判定器52と、検出判定器52にて検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードに基づいて他の周波数キャリアとの同期を確立することにより異周波数間ハンドオーバを制御する制御器21Eと、を備える構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、符号分割多元接続(CDMA)通信システムに適用される通信装置およびその方法に関するものであり、特に、スペクトル拡散通信における並べ替え伝送や送信電力制御を改善し、さらに異周波数間のハンドオーバを実現するためのスペクトル拡散通信装置およびその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CDMAセルラシステムでは、同一キャリア周波数をどのセルでも繰り返し使用しているため、同一システム内では周波数間ハンドオーバの必要性はない。しかしながら、既存のシステムとの共存の場合等を考えると、異なるキャリア周波数間でのハンドオーバが必要となる。以下に具体的な場合を3点挙げる。
【0003】
第1点としては、トラヒックの多いセルでは、加入者数増大のために別のキャリア周波数が用いられており、そのセル間でハンドオーバする場合である。第2点としては、アンブレラセル構成時には、大小のセルに異なるキャリア周波数が割り当てられており、そのセル間でハンドオーバする場合である。そして、第3点としては、W(Wideband)−CDMAシステムのような第3世代システムと、現行の携帯電話システムのような第2世代システムの間でハンドオーバする場合である。
【0004】
以上のような場合にハンドオーバが行われることになり、その際には異なる周波数のキャリアの電力を検出する必要がある。この検出を実現するには、受信機が2つの周波数を検波できる構造を所持していればよいが、これにより受信機の構成が大きくなるか構成が複雑になる。
【0005】
また、ハンドオーバの方法として、移動機主導のハンドオーバ(Mobile Assisted Handover:MAHO)とネットワーク主導のハンドオーバ(Network Assisted Handover:NAHO)の2種類が考えられる。MAHOとNAHOとを比較すると、NAHOの方が移動機の負担は小さくなるが、そのために、移動機と基地局間の同期が必要であったり、一つ一つの移動機を追跡できるように基地局/ネットワークの構成が複雑かつ巨大化する。
【0006】
このようなことから、MAHOの実現が望まれることになるが、ハンドオーバをする/しないの判断のため、移動機では2つの異なる周波数キャリアの強度を観測する必要がある。しかしながら、CDMAセルラシステムは、第2世代で用いられている時分割多元接続(TDMA)方式と違って、送信/受信ともに通常は連続送信の形態を用いている。この連続送信技術には、2つの周波数の受信装置を用意しない限り、送信あるいは受信タイミングを停止させて他の周波数を観測する必要があった。
【0007】
今日までに、通常モードでの送信情報を時間圧縮して短時間に伝送し、他に時間的余裕を作って他の周波数キャリアを観測する、という圧縮モード(Compressed Mode)に関する技術が提案されている。その一例として、下記特許文献1がある。この公報には、使用する拡散符号の拡散率を下げることにより、送信する時間を短縮する圧縮モードの実現手法が開示されている。
【0008】
ここで、上述した公報による圧縮モードの実現手法について説明する。図36には、従来のCDMAシステムにおける通常のモードおよび圧縮モードでの送信例が示されている。図36において、縦軸は電力速度/送信電力を示し、横軸は時間を示している。図36の例では、通常伝送のフレーム間に、圧縮モード伝送が挿入されている。
【0009】
この圧縮モード時の伝送では、下りフレーム内に無伝送時間が設けられており、その時間は任意に設定可能である。この無伝送時間は、他周波数キャリアの強度を測定するために設定されるアイドル時間を指す。このように、圧縮モードフレーム伝送の間にアイドル時間が挿入されることで、スロット化伝送が実現される。
【0010】
このような圧縮モード伝送では、アイドル時間とフレーム(圧縮モードフレーム)伝送時間との時間比に応じて送信電力が増加されるため、図36に示したように、通常伝送時のフレームに比べて圧縮モードフレームの方が高い送信電力で伝送される。これにより、圧縮モードでのフレーム伝送においても伝送品質を保つことができる。
【0011】
また、上記公報の他に、文献例として、下記非特許文献1がある。この文献には、拡散率を下げる場合の他、コーディングレートを増加させる場合、マルチコード伝送を用いる場合、または、16QAM等の多ビット伝送変調方式を用いる場合における圧縮モードの実現手法が開示されている。
【0012】
【特許文献1】特表平8−500475号公報「DS−CDMAシステムにおけるシームレス・ハンドオーバのための不連続送信」
【非特許文献1】Gustafsson,M.et al:“Compressed Mode Techniques for Inter−Frequency Measurements in a Wide−band DS−CDMA System”,Proc.of 8th IEEE PIMRC ’97.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、前述した特許文献1のような従来例においては、1フレーム単位かつ1フレーム内で並べ替えが行われるため、通常伝送時に比べてスロット化伝送時(圧縮モード時)の並べ替え時間は短縮されていた。それゆえ、並べ替えサイズが短くなって、受信側での復調劣化を招いてしまう、という問題があった。
【0014】
また、前述した非特許文献1のような従来例においては、圧縮モード伝送を用いる場合、並べ替えを行う時間長が短くなるため、フェージングに対する信号品質の劣化が大きくなること、および、無伝送時、TPC(送信電力制御)コマンドビットが伝送されないため、高速TPCを実現できないことによる信号品質の劣化が生じることがつぎの課題として残されていた。
【0015】
また、前述した特許文献1および非特許文献1のような従来例においては、圧縮モード伝送を行う場合に拡散率を下げることが示されているが、一般に拡散率を下げることは符号長の短い拡散符号を用いることを意味する。しかしながら、使用可能な拡散符号の数は符号長の2乗に比例するため、符号長の短い拡散符号の数は非常に少なく、圧縮モード伝送を実施するために貴重な拡散符号資源を消費してしまう、という問題があった。
【0016】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、伝送誤りの影響を最小限化するための並べ替え,送信電力制御,拡散符号割り当て方法等について圧縮モードによる信号品質の劣化を防止することが可能なスペクトル拡散通信装置およびスペクトル拡散通信方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるスペクトル拡散通信装置にあっては、通常モードの場合にフレームを連続的に受信し、圧縮モードの場合に圧縮された該フレームを間欠的に受信する符号分割多元接続システムに適用され、前記圧縮モード時に、圧縮されたフレームを間欠的に受信する圧縮/間欠受信手段と、前記圧縮モード期間中の無伝送時間に、他の周波数キャリアにおける、すべての基地局において共通かつ時間継続的に送信される第1サーチコードと、前記第1サーチコードと同一タイミングで送信かつ複数の数値パターンにより認識可能な第2サーチコードとを検出し、それらのサーチコードを所定の基準で判定するサーチコード検出判定手段と、前記間欠受信時に前記圧縮/間欠受信手段を選択し、前記無伝送時間に前記サーチコード検出判定手段を選択し、双方の動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記サーチコード検出判定手段にて検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードに基づいて、前記他の周波数キャリアとの同期を確立することにより、異周波数間ハンドオーバを制御することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、サーチコード検出判定手段にて検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードに基づいて、他の周波数キャリアとの同期を確立するようにしたので、効率的にW−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバを行うことができる。
【0019】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信装置において、前記制御手段は、1フレームの多くとも1/2時間の前期無伝送時間に、少なくとも1つの第1サーチコードを検出するための制御を行い、その後、前記無伝送時間を所定スロット単位にずらす処理を繰り返し、複数フレームを用いてすべての第2サーチコードの数値を検出するための制御を行い、検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードの数値パターンに基づいて、前記他の周波数キャリアとの同期を確立することにより、異周波数間ハンドオーバを制御することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、少なくとも1つの第1サーチコードを検出し、その後、前記無伝送時間を所定スロット単位にずらす処理を繰り返し、複数フレームを用いてすべての第2サーチコードの数値を検出し、検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードの数値パターンに基づいて、他の周波数キャリアとの同期を確立するようにしたので、より効率的にW−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバを行うことができる。
【0021】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信装置にあっては、複数フレーム間にわたり無伝送時間を配置可能とすることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、複数フレーム間にわたり無伝送時間を配置可能としたので、第2サーチコードを複数回検出可能となり、検出コードの信頼性を向上させることができる。
【0023】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信装置において、前記サーチコードの検出時、所定の信頼度を満足するサーチコードが得られない場合は、再度、当該箇所のサーチコードを検出することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、所定の信頼度を満足するサーチコードが得られない場合に、再度、当該箇所のサーチコードを検出することとしたので、信頼性の高い情報に基づいて同期を確立することができる。
【0025】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方法にあっては、通常モードの場合にフレームを連続的に受信し、圧縮モードの場合に圧縮されたフレームを間欠的に受信する符号分割多元接続システムに適用され、前記圧縮モード時に、圧縮されたフレームを間欠的に受信する圧縮/間欠受信手段と、前記圧縮モード期間中の無伝送時間に、他の通信システムにおける、周波数を合わせるための第1の情報と、同期をとるための第2の情報とを検出し、それら第1および第2の情報を所定の基準で判定する情報検出判定手段と、前記間欠受信時に前記圧縮/間欠受信手段を選択し、前記無伝送時間に前記情報検出判定手段を選択し、双方の動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記情報検出判定手段にて検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、前記他の通信システムとの同期を確立することにより、異周波数間ハンドオーバを制御することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、情報検出判定手段にて検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、他の通信システムとの同期を確立するようにしたので、効率的に異システム間ハンドオーバを行うことができる。
【0027】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方法において、前記制御手段は、1フレームの多くとも1/2時間の前期無伝送時間に、前記第1の情報を検出するための制御を行い、その後、前記検出された第1の情報から求められる既知のタイミングに基づいて、前記無伝送時間を設定し、前記第2の情報を検出するための制御を行い、検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、前記他の通信システムとの同期を確立することにより、異周波数間ハンドオーバを制御することを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、第1の情報を検出し、その後、検出された第1の情報から求められる既知のタイミングに基づいて、前記無伝送時間を設定し、第2の情報を検出し、検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、他の通信システムとの同期を確立するようにしたので、より効率的に異システム間ハンドオーバを行うことができる。
【0029】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方法にあっては、通常モードの場合にフレームを連続的に受信し、圧縮モードの場合に圧縮された該フレームを間欠的に受信する符号分割多元接続システムに適用され、1フレームの多くとも1/2時間の前期無伝送時間に、少なくとも1つの第1サーチコードを検出する第1サーチコード検出ステップと、その後、前記無伝送時間を所定スロット単位にずらす処理を繰り返し、複数フレームを用いてすべての第2サーチコードの数値を検出する第2サーチコード検出ステップと、を含み、検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードの数値パターンに基づいて、前記他の周波数キャリアとの同期を確立することにより、異周波数間ハンドオーバを行うことを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、少なくとも1つの第1サーチコードを検出し、その後、前記無伝送時間を所定スロット単位にずらす処理を繰り返し、複数フレームを用いてすべての第2サーチコードの数値を検出し、検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードの数値パターンに基づいて、他の周波数キャリアとの同期を確立するようにしたので、より効率的にW−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバを行うことができる。
【0031】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方法にあっては、複数フレーム間にわたり無伝送時間を配置可能とすることを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、複数フレーム間にわたり無伝送時間を配置可能としたので、第2サーチコードを複数回検出可能となり、検出コードの信頼性を向上させることができる。
【0033】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方法において、前記サーチコードの検出時、所定の信頼度を満足するサーチコードが得られない場合は、再度、当該箇所のサーチコードを検出することを特徴とする。
【0034】
この発明によれば、所定の信頼度を満足するサーチコードが得られない場合に、再度、当該箇所のサーチコードを検出することとしたので、信頼性の高い情報に基づいて同期を確立することができる。
【0035】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方法にあっては、通常モードの場合にフレームを連続的に受信し、圧縮モードの場合に圧縮されたフレームを間欠的に受信する符号分割多元接続システムに適用され、1フレームの多くとも1/2時間の前期無伝送時間に、周波数を合わせるための第1の情報を検出する第1情報検出ステップと、その後、前記検出された第1の情報から求められる既知のタイミングに基づいて、前記無伝送時間を設定し、同期をとるための第2の情報を検出する第2情報検出ステップと、を含み、検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、前記他の通信システムとの同期を確立することにより、異周波数間ハンドオーバを行うことを特徴とする。
【0036】
この発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、第1の情報を検出し、その後、検出された第1の情報から求められる既知のタイミングに基づいて、前記無伝送時間を設定し、第2の情報を検出し、検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、他の通信システムとの同期を確立するようにしたので、より効率的に異システム間ハンドオーバを行うことができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、サーチコード検出判定手段にて検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードに基づいて、他の周波数キャリアとの同期を確立するようにしたので、効率的にW−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバを行うことができる、という効果を奏する。
【0038】
つぎの発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、少なくとも1つの第1サーチコードを検出し、その後、前記無伝送時間を所定スロット単位にずらす処理を繰り返し、複数フレームを用いてすべての第2サーチコードの数値を検出し、検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードの数値パターンに基づいて、他の周波数キャリアとの同期を確立するようにしたので、より効率的にW−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバを行うことができる、という効果を奏する。
【0039】
つぎの発明によれば、複数フレーム間にわたり無伝送時間を配置可能としたので、第2サーチコードを複数回検出可能となり、検出コードの信頼性を向上させることができる、という効果を奏する。
【0040】
つぎの発明によれば、所定の信頼度を満足するサーチコードが得られない場合に、再度、当該箇所のサーチコードを検出することとしたので、信頼性の高い情報に基づいて同期を確立することができる、という効果を奏する。
【0041】
つぎの発明によれば、情報検出判定手段にて検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、他の通信システムとの同期を確立するようにしたので、効率的に異システム間ハンドオーバを行うことができる、という効果を奏する。
【0042】
つぎの発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、第1の情報を検出し、その後、検出された第1の情報から求められる既知のタイミングに基づいて、前記無伝送時間を設定し、第2の情報を検出し、検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、他の通信システムとの同期を確立するようにしたので、より効率的に異システム間ハンドオーバを行うことができる、という効果を奏する。
【0043】
つぎの発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、少なくとも1つの第1サーチコードを検出し、その後、前記無伝送時間を所定スロット単位にずらす処理を繰り返し、複数フレームを用いてすべての第2サーチコードの数値を検出し、検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードの数値パターンに基づいて、他の周波数キャリアとの同期を確立するようにしたので、より効率的にW−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバを行うことができる、という効果を奏する。
【0044】
つぎの発明によれば、複数フレーム間にわたり無伝送時間を配置可能としたので、第2サーチコードを複数回検出可能となり、検出コードの信頼性を向上させることができる、という効果を奏する。
【0045】
つぎの発明によれば、所定の信頼度を満足するサーチコードが得られない場合に、再度、当該箇所のサーチコードを検出することとしたので、信頼性の高い情報に基づいて同期を確立することができる、という効果を奏する。
【0046】
つぎの発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、第1の情報を検出し、その後、検出された第1の情報から求められる既知のタイミングに基づいて、前記無伝送時間を設定し、第2の情報を検出し、検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、他の通信システムとの同期を確立するようにしたので、より効率的に異システム間ハンドオーバを行うことができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下に、本発明にかかるスペクトル拡散通信装置およびスペクトル拡散通信方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0048】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるCDMAシステムを示すブロック図である。CDMAシステムは、送信機1Aおよび受信機2Aより構成され、基地局,移動局それぞれに設けられる。基地局と各移動局とは、CDMA通信方式により無線通信が行われる。
【0049】
送信機1Aは、図1に示したように、制御器11A、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13、フレーム化/拡散器14A、無線周波数送信器15などを備えている。制御器11Aは、主に、受信機2Aとのネゴシエーションを通じてインタリーバ13、フレーム化/拡散器14Aおよび無線周波数送信器15の動作を制御する。この制御器11Aは、受信機2Aとのネゴシエーションで通常モード(非圧縮モード)、圧縮モードそれぞれに適したインタリーバ対象をフレーム数で指示する。また、この制御器11Aは、フレーム化/拡散器14Aに対して、圧縮モード時に、拡散率の低減と圧縮モードフレームを送信するための送信タイミングとを指示する。また、この制御器11Aは、無線周波数送信器15に対して圧縮モードフレームを送信する際に平均送信電力の増加を指示する。
【0050】
誤り訂正符号化器12は、送信データ列を誤り訂正符号化して符号化データを得る。インタリーバ13は、例えば、フェージングにより送信信号の連続するビットが伝送時に失われた場合に伝送誤りの影響を最小限化できるようにするため、符号化データに対してビット単位で時間的順序の並べ替え(インタリーブ)を行う。
【0051】
このインタリーバ13は、2フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しており、制御器11Aからインタリーブ対象としてフレーム数“1”が指示された場合には通常モードによる1フレームのインタリーブを行い、一方、フレーム数“2”が指示された場合には圧縮モードによる2フレームに跨がるインタリーブを行う。
【0052】
フレーム化/拡散器14Aは、通常モード、圧縮モードそれぞれに応じてユーザ毎の拡散符号を用いて広帯域に拡散し、各モードに応じたフレームを形成する。このフレーム化/拡散器14Aは、制御器11Aから各モードに応じた送信タイミングを指示されると、その送信タイミングでフレームを無線周波数送信器15へ送出する。
【0053】
また、このフレーム化/拡散器14Aは、圧縮モードの際に、制御器11Aから拡散率の低減を指示され、その指示に応じて通常モードよりも低い拡散率を用いて送信信号を得る。無線周波数送信器15は、フレーム化/拡散器14Aで得られた送信信号を無線周波数に変換して送信する。この無線周波数送信器15は、制御器11Aの制御に従って通常モード時に比べて圧縮モード時の平均送信電力を増加して送信信号を出力する。
【0054】
受信機2Aは、図1に示したように、制御器21A、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23、デフレーム化/逆拡散器24A、無線周波数受信器25などを備えている。制御器21Aは、主に、送信機1Aとのネゴシエーションを通じてデインタリーバ23およびデフレーム化/逆拡散器24Aの動作を制御する。この制御器21Aは、送信機1Aとのネゴシエーションで通常モード、圧縮モードそれぞれに適したデインタリーバ対象をフレーム数で指示する。また、この制御器21Aは、デフレーム化/逆拡散器24Aに対して、圧縮モード時に、拡散率の低減と圧縮モードフレームを受信するための受信タイミングとを指示する。
【0055】
無線周波数受信器25は、図示せぬアンテナから送られてくる受信信号を復調する。デフレーム化/逆拡散器24Aは、通常モード、圧縮モードそれぞれに応じて当該受信機2Aのユーザに割り当てられた拡散符号を用いて逆拡散し、各モードに応じたフレームを形成する。このデフレーム化/逆拡散器24Aは、制御器21Aから各モードに応じた受信タイミングを指示されると、その受信タイミングで受信信号を無線周波数受信器25から取り込む。また、このデフレーム化/逆拡散器24Aは、圧縮モードの際に、制御器21Aから拡散率の低減を指示され、その指示に応じて通常モードよりも低い拡散率を用いて受信信号を得る。
【0056】
デインタリーバ23は、送信機1Aでのインタリーブとは逆の順序で、符号化データに対してビット単位で時間的順序の並べ替え(デインタリーブ)を行う。このデインタリーバ23は、前述のインタリーバ13と同様に2フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しており、制御器21Aからデインタリーブ対象としてフレーム数“1”が指示された場合には通常モードによる1フレームのデインタリーブを行い、一方、フレーム数“2”が指示された場合には圧縮モードによる2フレームに跨がるデインタリーブを行う。誤り訂正復号化器22は、デインタリーブされた信号を誤り訂正復号化して復号化データすなわち受信データ列を得る。
【0057】
つぎに、インタリーバ13およびデインタリーバ23について説明する。図2は、本実施の形態1によるインタリーバのメモリ配分を説明する図であり、同図(a)は通常モード時の使用面積を表し、同図(b)は圧縮モード時の使用面積を表している。図2には、インタリーバ13に設けられたメモリ131Aが示されている。なお、デインタリーバ23も、インタリーバ13と同様のメモリサイズをもつメモリを備えている。実施の形態1では、圧縮モードの際に、2フレームに跨ってインタリーブを行うため、2フレーム分のインタリーブサイズに対応して2フレーム分のメモリサイズがインタリーバ13、デインタリーバ23それぞれに設定される。
【0058】
インタリーブでは、通常モードの際に(図2(a)参照)、メモリ131Aのうち、1フレーム(半分)だけが使用され、その1フレーム内でインタリーブが行われる。これに対して、圧縮モードの際には(図2(b)参照)、メモリ131Aのうち、2フレーム(全部)すべてが使用され、その2フレーム内でインタリーブが行われる。なお、デインタリーバ23においても、インタリーブと同様に、モードに応じてメモリの使用面積が変更される。
【0059】
つぎに、圧縮モードを含むフレーム伝送について説明する。図3は、本実施の形態1による下りリンクのフレーム伝送を説明するための図である。図3において、縦軸は伝送速度/送信電力を表し、横軸は時間を表している。また、図3において、Fはフレームを示す。CDMAシステムでは、通常伝送時に、フレームをスロット化して間欠的に送信する期間を設け、その期間中の無伝送時間を利用して他の周波数キャリアの強度が測定される。
【0060】
そのためには、スロット化されたフレームを圧縮する必要があるが、図3に示したように、圧縮されたフレームを送信する時間は通常伝送時の半分となる。この場合、通常伝送時と同じようにインタリーブを行っていては、インタリーブ時間が半分程度しかとれず、十分なインタリーブ効果を得ることが不可能となる。
【0061】
そこで、不足するインタリーブ対象時間を確保するため、送信機1Aおよび受信機2Aでは、それぞれ圧縮モードに際しては、インタリーバ13、デインタリーバ23それぞれのメモリの使用面積を倍にして2フレームに跨ってインタリーブを行うようにする。なお、圧縮モード時に必要なインタリーブ時間は、1フレームのサイズと圧縮モードフレームとの比から容易に求めることができる。
【0062】
つぎに、送信機1Aによる送信動作について説明する。図4は、通常モード時の送信動作を説明するフローチャートであり、図5は、圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。図4および図5の動作は、制御器11Aの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。
【0063】
通常モードでは(図4参照)、フレーム数“1”がインタリーバ13に対して指示され(ステップS101)、インタリーバ13では、1フレームによるインタリーブが行われる。そして、時間が1フレームタイミングに達すると(ステップS102)、フレーム化/拡散器14Aに対して送信タイミングが指示される(ステップS103)。このようにして、通常モード時には、フレームが連続して送信される。
【0064】
また、圧縮モードでは(図5参照)、複数フレームすなわちフレーム数“2”がインタリーバ13に対して指示され(ステップS111)、インタリーバ13では、2フレームに跨ってインタリーブが行われる。そして、時間が1フレームの半分すなわち圧縮モードフレームタイミングに達すると(ステップS112)、フレーム化/拡散器14Aに対して拡散率の低減と送信タイミングとが指示される(ステップS113)。さらに、無線周波数送信器15に対して平均送信電力の増加が指示され(ステップS114)、圧縮モードフレームについては高い送信電力でフレーム伝送が行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に送信される。
【0065】
つぎに、受信機2Aによる受信動作について説明する。図6は、通常モード時の受信動作を説明するフローチャートであり、図7は、圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。図6および図7の動作は、制御器21Aの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。
【0066】
通常モードでは(図6参照)、時間が1フレームタイミングに達すると(ステップS121)、デフレーム化/逆拡散器24Aに対して受信タイミングが指示される(ステップS122)。そして、フレーム数“1”がデインタリーバ23に対して指示され(ステップS123)、デインタリーバ23では、1フレームによるデインタリーブが行われる。このようにして、通常モード時には、フレームが連続して受信される。
【0067】
また、圧縮モードでは(図7参照)、時間が1フレームの半分すなわち圧縮モードフレームタイミングに達すると(ステップS131)、デフレーム化/逆拡散器24Aに対して拡散率の低減と受信タイミングとが指示される(ステップS132)。そして、複数フレームすなわちフレーム数“2”がデインタリーバ23に対して指示され(ステップS133)、デインタリーバ23では、2フレームに跨ってデインタリーブが行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に受信される。
【0068】
以上説明したように、実施の形態1によれば、圧縮モードの際に、伝送誤りの影響を最小限化するために複数のフレームに跨がるビット単位のインタリーブを制御するようにしたので、圧縮モードでも通常モードと同様に適正なインタリーブ対象時間を確保することができる。これにより、ビット単位のインタリーブによる性能劣化を防止することが可能である。
【0069】
また、圧縮モード時にインタリーブ対象とするフレーム数に応じたサイズのメモリを用いるようにしたので、圧縮モードの際に伝送誤りの影響を最小限化できる程度のフレーム数でビット単位のインタリーブを行うことが可能である。
【0070】
実施の形態2.
さて、前述した実施の形態1では、圧縮モード時のインタリーブおよびデインタリーブのためにメモリを増強してインタリーブサイズに応じた適切なインタリーブ対象時間を確保するようにしたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態2のように、メモリの増強なしに、圧縮モードフレームの送信方法を変えることで適切なインタリーブ対象時間を確保するようにしてもよい。なお、本実施の形態2は全体構成を前述した実施の形態1と同様とするため、以下の説明では、構成および動作について相違する部分についてのみ説明する。また、構成上の符号については、同一構成については同様の符号を付す。
【0071】
ここでは、主要な構成についてのみ説明する。図8は、本発明の実施の形態2によるCDMAシステムの要部を示すブロック図である。本実施の形態2のCDMAシステムにおいて、前述した実施の形態1との相違部分は、送信機のインタリーバ13がもつメモリ131Bのサイズが1フレーム分という点である。また、図示はしていないが、受信機のデインタリーバ23がもつメモリのサイズもインタリーバ13に合わせて1フレーム分となる。
【0072】
つぎに、圧縮モードを含むフレーム伝送について説明する。図9は、実施の形態2による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。図9において、縦軸は伝送速度/送信電力を表し、横軸は時間が表されている。CDMAシステムでは、通常伝送時に、フレームをスロット化して間欠的に送信する期間を設け、その期間中の無伝送時間を利用して他の周波数キャリアの強度が測定される。そのためには、スロット化されたフレームを圧縮する必要があるが、通常伝送時と同じようにインタリーブを行っていては、インタリーブ時間が十分にとれず、十分なインタリーブ効果を得ることが不可能となる。
【0073】
そこで、圧縮フレームの送信時間を分割して一方をフレーム枠の先頭に、他方を同じフレーム枠の末尾に割り当て、所要のインタリーブ対象時間を確保する。受信機では、この作業が逆となる。なお、圧縮モード時に必要なインタリーブ時間は、前述した実施の形態1と同様に、1フレームのサイズと圧縮モードフレームとの比から容易に求めることができる。
【0074】
つぎに、動作について説明する。ここでは、圧縮モードについてのみ説明する。図10は、圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートであり、図11は、圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。送信機による圧縮モードでは(図10参照)、1フレームでのインタリーブがインタリーバ13に対して指示され(ステップS201)、インタリーバ13では1フレームでインタリーブが行われる。
【0075】
そして、時間が1フレームタイミングの前後いずれか一方のタイミングに達すると(ステップS202)、フレーム化/拡散器14Aに対して送信タイミングが指示される(ステップS203)。さらに、無線周波数送信器15に対して平均送信電力の増加が指示され(ステップS204)、圧縮モードフレームについては高い送信電力でフレーム伝送が行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に送信される。
【0076】
一方、受信機による圧縮モードでは(図11参照)、時間が1フレームタイミングの前後いずれか一方のタイミングに達すると(ステップS211)、デフレーム化/逆拡散器24Aに対して受信タイミングが指示される(ステップS212)。そして、1フレーム分の信号を受信した後、1フレームによるデインタリーブがデインタリーバ23に対して指示され(ステップS213)、デインタリーバ23では1フレームでデインタリーブが行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に受信される。
【0077】
以上説明したように、実施の形態2によれば、圧縮モードの際に、ビット単位のインタリーブが行われたフレームを圧縮して通常モード時と同じフレームタイミングの前後に分けて配置し、その配置に従って間欠送信を行うようにしたので、簡易なインタリーブ構成により圧縮モードでも通常モードと同様に適正なインタリーブ対象時間を確保することができる。これにより、ビット単位のインタリーブによる性能劣化を防止することが可能である。
【0078】
また、実施の形態2でも、図2に示したメモリサイズを用意して、圧縮モードの際に、複数のフレームに跨がるビット単位のインタリーブを制御するようにしてもよい。この場合にも、前述した実施の形態1と同様に、圧縮モードでも通常モードと同様に適正なインタリーブ対象時間を確保することができ、これにより、ビット単位のインタリーブによる伝送誤りをより低減することが可能である。
【0079】
実施の形態3.
さて、前述した実施の形態1では、圧縮モード時のインタリーブおよびデインタリーブのためにメモリを増強してインタリーブサイズに応じた適切なインタリーブ対象時間を確保するようにしたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態3のように、メモリの増強なしに、前述した実施の形態2とは異なる圧縮モードフレームの送信方法で適切なインタリーブ対象時間を確保するようにしてもよい。なお、本実施の形態3は全体構成を前述した実施の形態2と同様とするため、以下の説明では、動作について相違する部分についてのみ説明する。
【0080】
まず、圧縮モードを含むフレーム伝送について説明する。図12は、本実施の形態3による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。図12において、縦軸は伝送速度/送信電力を表し、横軸は時間が表されている。CDMAシステムでは、通常伝送時に、フレームをスロット化して間欠的に送信する期間を設け、その期間中の無伝送時間を利用して他の周波数キャリアの強度が測定される。そのためには、スロット化されたフレームを圧縮する必要があるが、通常伝送時と同じようにインタリーブを行っていては、インタリーブ時間が十分にとれず、十分なインタリーブ効果を得ることが不可能となる。
【0081】
そこで、圧縮フレームの送信時間を複数スロット毎に分割し、無伝送時間(測定用アイドル時間)を送信電力制御に影響を与えない程度に抑え、所要のインタリーブ対象時間を確保する。受信機では、この作業が逆となる。なお、圧縮モード時に必要なインタリーブ時間は、前述した実施の形態1と同様に、1フレームのサイズと圧縮モードフレームとの比から容易に求めることができる。
【0082】
また、圧縮モード時の送信単位となるスロット数N(Nは自然数)は、他の周波数キャリア強度の観測時間と送信電力制御誤差との関係に応じて決定される。例えば、N=1の場合には1スロット毎、N=2の場合には2スロット毎、N=4の場合には4スロット毎となる。ここで、N=1,2,4は一例であり、これ以外のスロット数もとりうることを述べておく。
【0083】
つぎに、動作について説明する。ここでは、圧縮モードについてのみ説明する。図13は、圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートであり、図14は、圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。送信機による圧縮モードでは(図13参照)、1フレームでのインタリーブがインタリーバ13に対して指示され(ステップS301)、インタリーバ13では1フレームでインタリーブが行われる。
【0084】
そして、時間が圧縮モード時の送信単位となるNスロットタイミングに達すると(ステップS302)、フレーム化/拡散器14Aに対して送信タイミングが指示される(ステップS303)。さらに、無線周波数送信器15に対して平均送信電力の増加が指示され(ステップS304)、圧縮モードフレームについては高い送信電力でフレーム伝送が行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に送信される。
【0085】
一方、受信機による圧縮モードでは(図14参照)、時間がNスロットタイミングに達すると(ステップS311)、デフレーム化/逆拡散器24Aに対して受信タイミングが指示される(ステップS312)。そして、1フレーム分の信号を受信した後、1フレームによるデインタリーブがデインタリーバ23に対して指示され(ステップS313)、デインタリーバ23では1フレームでデインタリーブが行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に受信される。
【0086】
以上説明したように、実施の形態3によれば、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームをスロット化してそれぞれをNスロット単位で間欠的に送信するようにしたので、下りリンクで送信される送信電力制御ビットを比較的短時間間隔で受信することができる。このように、Nスロット毎のオン/オフ制御を行うことで、送信電力制御誤差を低く抑えることが可能である。
【0087】
特に、Nスロット単位を他の周波数キャリア強度の観測時間と送信電力制御誤差との関係に応じて決定するようにしたので、他の周波数キャリア強度を確実に観測できる時間を確保することが可能であり、かつ、送信電力制御誤差を低く抑えることが可能である。
【0088】
また、実施の形態3でも、図2に示したメモリサイズを用意して、圧縮モードの際に、複数のフレームに跨がるビット単位のインタリーブを制御するようにしてもよい。この場合にも、前述した実施の形態1と同様に、圧縮モードでも通常モードと同様に適正なインタリーブ対象時間を確保することができ、これにより、ビット単位のインタリーブによる伝送誤りをより低減することが可能である。
【0089】
実施の形態4.
さて、前述した実施の形態1〜3では、通常モードと圧縮モードのフレームタイミングを変更するようにしていたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態4のように、圧縮モードでも通常モードと同じフレームタイミングで間欠送信するようにしてもよい。
【0090】
まず、CDMAシステムの構成について説明する。図15は、本発明の実施の形態4によるCDMAシステムを示すブロック図である。CDMAシステムは、送信機1Bおよび受信機2Bより構成され、基地局,移動局それぞれに設けられる。基地局と各移動局とは、CDMA通信方式により無線通信が行われる。
【0091】
送信機1Bは、図15に示したように、制御器11B、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13、フレーム化/拡散器14B、無線周波数送信器15などを備えている。制御器11Bは、主に、受信機2Bとのネゴシエーションを通じてインタリーバ13、フレーム化/拡散器14Bおよび無線周波数送信器15の動作を制御する。この制御器11Bは、フレーム化/拡散器14Bに対して、圧縮モード時に、マルチコード多重対象の複数フレームに対するマルチコード伝送と圧縮モードフレームを送信するための送信タイミングとを指示する。
【0092】
なお、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13および無線周波数送信器15は、前述した実施の形態1と同様のため、説明を省略する。ただし、インタリーバ13については、1フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しているものとする。
【0093】
フレーム化/拡散器14Bは、通常モード、圧縮モードそれぞれに応じてユーザ毎の拡散符号を用いて広帯域に拡散し、各モードに応じたフレームを形成する。このフレーム化/拡散器14Bは、制御器11Bから各モードに応じた送信タイミングを指示されると、その送信タイミングでフレームを無線周波数送信器15へ送出する。また、このフレーム化/拡散器14Bは、圧縮モードの際に、制御器11Bからマルチコード伝送を指示されると、その指示に応じてインタリーブ後の2フレーム分のマルチコード多重を行う。
【0094】
このフレーム化/拡散器14Bは、2フレーム分のマルチコード多重化を行うため、1フレーム分のメモリを有している。すなわち、インタリーバ13とフレーム化/拡散器14Bとにそれぞれ1フレーム分のメモリが設けられ、合計2フレーム分のメモリサイズにより2フレーム分のマルチコード多重化を実現することができる。
【0095】
受信機2Bは、図15に示したように、制御器21B、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23、デフレーム化/逆拡散器24B、無線周波数受信器25などを備えている。制御器21Bは、主に、送信機1Bとのネゴシエーションを通じてデインタリーバ23およびデフレーム化/逆拡散器24Bの動作を制御する。この制御器21Bは、デフレーム化/逆拡散器24Bに対して、圧縮モード時に、マルチコード伝送と圧縮モードフレームを受信するための受信タイミングとを指示する。
【0096】
なお、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23および無線周波数受信器25は、前述した実施の形態1と同様のため、説明を省略する。ただし、デインタリーバ23については、1フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しているものとする。
【0097】
デフレーム化/逆拡散器24Bは、前述したフレーム化/逆拡散器14Bと同様にデフレーム化のために1フレーム分のメモリを備える。このデフレーム化/逆拡散器24Bは、制御器21Bから各モードに応じた受信タイミングを指示されると、その受信タイミングで受信信号を無線周波数受信器25から取り込む。また、このデフレーム化/逆拡散器24Bは、圧縮モードの際に、制御器21Bからマルチコード伝送を指示されると、その指示に応じて逆拡散後のデータをフレーム単位に分離して、順次フレームをデインタリーバ23へ出力する。
【0098】
つぎに、フレーム化/拡散器14Bおよびデフレーム化/逆拡散器24Bの主要な構成について説明する。図16は本実施の形態4によるフレーム化/拡散器14Bのメモリ配分を説明する図であり、同図(a)は通常モード時の使用面積を表し、同図(b)は圧縮モード時の使用面積を表している。図16には、フレーム化/拡散器14Bに設けられたメモリ141Aが示されている。なお、デフレーム化/逆拡散器24Bも、フレーム化/拡散器14Bと同様のメモリサイズをもつメモリを備えている。
【0099】
本実施の形態4では、圧縮モードの際に、2フレームに跨ってマルチコード多重を行うため、2フレーム分のマルチコード多重化サイズに対応して1フレーム分のメモリサイズがフレーム化/拡散器14Bおよびデフレーム化/逆拡散器24Bそれぞれに設定される。実際には、インタリーバ13、デインタリーバ23の各1フレーム分のメモリにより2フレーム分のフレーム化、デフレーム化を実現することができる。
【0100】
通常モードの際には(図16(a)参照)、マルチコード多重が不用のため、メモリ141Aは使用されず、インタリーバ13でインタリーブされたデータに基づいてフレーム化などが行われる。これに対して、圧縮モードの際には(図16(b)参照)、マルチコード多重化のため、2フレーム分のメモリサイズが必要となり、インタリーバ13のメモリとともにフレーム化/拡散器14Bのメモリ141Aが使用される。なお、デフレーム化/逆拡散器24Bにおいても、同様に、モードに応じてメモリの使用可否が変更される。
【0101】
つぎに、圧縮モードを含むフレーム伝送について説明する。図17は、実施の形態4による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。図17において、縦軸は伝送速度/送信電力を表し、横軸は時間が表されている。また、図17において、Fはフレームを示す。CDMAシステムでは、通常伝送時に、フレームをスロット化して間欠的に送信する期間を設け、その期間中の無伝送時間を利用して他の周波数キャリアの強度が測定される。
【0102】
そのためには、スロット化されたフレームを圧縮する必要があるが、従来方式では、圧縮されたフレームを送信する時間は通常伝送時の半分となる。この場合、通常伝送時と同じようにインタリーブを行っていては、インタリーブ対象時間が半分程度しかとれず、十分なインタリーブ効果を得ることが不可能となる。
【0103】
そこで、圧縮モードでも通常モードと同じインタリーブ対象時間を確保するため、送信機1Bでは、圧縮モード時に、インタリーブを通常モードと同じサイズで行い、フレームタイミングで複数のフレームについてマルチコード多重する。例えば、図17の例では、通常伝送(通常モード)時に、フレーム#1,#2の順でインタリーブ後のフレーム伝送が行われ、その後、スロット化伝送(圧縮モード)時になると、個別にインタリーブされたフレーム#3および#4をまとめてマルチコード多重化した圧縮フレームが伝送される。
【0104】
つぎに、動作について説明する。通常モードによる送受信は従来方式と同様のため、説明を省略する。まず、送信機1Bによる送信動作について説明する。図18は、圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。図18の動作は、制御器11Bの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。圧縮モードでは、1フレームによるインタリーブがインタリーバ13に対して指示され(ステップS401)、インタリーバ13では1フレームでインタリーブが行われる。
【0105】
そして、時間がマルチコード伝送のために任意に与えられたフレームタイミングに達すると(ステップS402)、フレーム化/拡散器14Bに対してマルチコード伝送と送信タイミングとが指示される(ステップS403)。これにより、フレーム化/拡散器14Bでは、2フレームによるマルチコード多重化が行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に送信される。
【0106】
つぎに、受信機2Bによる受信動作について説明する。図19は、圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。図19の動作は、制御器21Bの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。圧縮モードでは、時間が前述のマルチコード伝送のためのフレームタイミングに達すると(ステップS411)、デフレーム化/逆拡散器24Bに対してマルチコード多重化された受信データのフレーム分離と受信タイミングとが指示される(ステップS412)。
【0107】
そして、分離された各フレームによるデインタリーブがデインタリーバ23に対して指示され(ステップS413)、デインタリーバ23では1フレームでデインタリーブが行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に受信される。
【0108】
以上説明したように、実施の形態4によれば、圧縮モードの際に、伝送誤りの影響を最小限化するためにビット単位のインタリーブが行われた複数のフレームを任意のフレームタイミングで符号分割多重して圧縮してから間欠的に送信するようにしたので、圧縮モードでも通常モードと同様の構成で同様の適正なインタリーブ対象時間を確保することができる。このように、圧縮モードフレーム毎のオン/オフ制御を行うことで、ビット単位のインタリーブによる性能劣化を防止することが可能である。
【0109】
また、圧縮モード時にマルチコード多重の対象とするフレーム数に応じたサイズのメモリを用いるようにしたので、圧縮モードの際に欠落なく確実にマルチコード多重を実現することが可能である。
【0110】
また、実施の形態4でも、前述した実施の形態1のように、圧縮モードの際に、複数のフレームに跨がるビット単位のインタリーブを制御するようにしてもよい。この場合には、インタリーバおよびデインタリーバのメモリを増強して圧縮モードにより通常モードよりも長いインタリーブ対象時間を確保することができる。これにより、ビット単位のインタリーブによる伝送誤りをより低減することが可能である。特に、マルチコード伝送したフレームを他のフレームを交えてインタリーブを行えば、マルチコード伝送した複数のフレームが同じ箇所で誤っている状態を分散することができ、誤り訂正符号化による訂正能力を向上することが可能である。
【0111】
実施の形態5.
さて、前述した実施の形態1〜4では、圧縮モードにおいて情報の欠落なくフレーム伝送するために送信電力を上げるようにしていたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態5のように、送信電力量による他ユーザチャネルへの干渉を考慮して送信電力量を決定するようにしてもよい。
【0112】
まず、CDMAシステムの構成について説明する。図20は、本発明の実施の形態5によるCDMAシステムを示すブロック図である。CDMAシステムは、送信機1Cおよび受信機2Cより構成され、基地局,移動局それぞれに設けられる。基地局と各移動局とは、CDMA通信方式により無線通信が行われる。
【0113】
送信機1Cは、図20に示したように、制御器11C、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13、フレーム化/拡散器14C、無線周波数送信器15などを備えている。制御器11Cは、主に、受信機2Cとのネゴシエーションを通じてインタリーバ13、フレーム化/拡散器14Cおよび無線周波数送信器15の動作を制御する。この制御器11Cは、フレーム化/拡散器14Cに対して、圧縮モード時に、情報速度の低下と圧縮モードフレームを送信するための送信タイミングとを指示する。また、この制御器11Cは、無線周波数送信器15に対して圧縮モードでも送信電力を上げる指示を発しない点で前述の実施の形態1〜4とは相違する。
【0114】
なお、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13および無線周波数送信器15は、前述した実施の形態1と同様のため、説明を省略する。ただし、インタリーバ13については、1フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しているものとする。
【0115】
フレーム化/拡散器14Cは、通常モード、圧縮モードそれぞれに応じてユーザ毎の拡散符号を用いて広帯域に拡散し、各モードに応じたフレームを形成する。このフレーム化/拡散器14Cは、制御器11Cから各モードに応じた送信タイミングを指示されると、その送信タイミングでフレームを無線周波数送信器15へ送出する。また、このフレーム化/拡散器14Cは、圧縮モードの際に、制御器11Cから情報速度の低下を指示されると、その指示に応じて不十分なインタリーブ後のフレームを圧縮して圧縮モードフレームを形成する。
【0116】
受信機2Cは、図20に示したように、制御器21C、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23、デフレーム化/逆拡散器24C、無線周波数受信器25などを備えている。制御器21Cは、主に、送信機1Cとのネゴシエーションを通じてデインタリーバ23およびデフレーム化/逆拡散器24Cの動作を制御する。この制御器21Cは、デフレーム化/逆拡散器24Cに対して、圧縮モード時に、情報速度の低下と圧縮モードフレームを受信するための受信タイミングとを指示する。
【0117】
なお、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23および無線周波数受信器25は、前述した実施の形態1と同様のため、説明を省略する。ただし、デインタリーバ23については、1フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しているものとする。
【0118】
デフレーム化/逆拡散器24Cは、制御器21Cから各モードに応じた受信タイミングを指示されると、その受信タイミングで受信信号を無線周波数受信器25から取り込む。また、このデフレーム化/逆拡散器24Cは、圧縮モードの際に、制御器21Cから情報速度の低下を指示されると、その指示に応じて情報速度を落としてデフレーム化および逆拡散を行い、順次フレームをデインタリーバ23へ出力する。
【0119】
つぎに、圧縮モードを含むフレーム伝送について説明する。図21は、実施の形態5による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。図21において、縦軸は伝送速度/送信電力を表し、横軸は時間が表されている。CDMAシステムでは、通常伝送時に、フレームをスロット化して間欠的に送信する期間を設け、その期間中の無伝送時間を利用して他の周波数キャリアの強度が測定される。そのためには、スロット化されたフレームを圧縮する必要があるが、従来方式では、圧縮されたフレームを送信するときの送信電力は増加される。この場合、他のユーザチャネルへの干渉電力量が増え、伝送劣化を伴うことになる。
【0120】
そこで、図21のように、圧縮モードでも通常モードと同じ送信電力を確保し、その分、情報速度を落とすことで、インタリーブされた送信フレームを複数の圧縮モードフレームに渡って伝送すれば、干渉を抑えた周波数間ハンドオーバを実現することができる。
【0121】
つぎに、動作について説明する。通常モードによる送受信は従来方式と同様のため、説明を省略する。まず、送信機1Cによる送信動作について説明する。図22は、圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。図22の動作は、制御器11Cの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。圧縮モードでは、1フレームによるインタリーブがインタリーバ13に対して指示され(ステップS501)、インタリーバ13では1フレームでインタリーブが行われる。
【0122】
そして、時間が圧縮モードフレームタイミングに達すると(ステップS502)、フレーム化/拡散器14Cに対して情報速度の低下と送信タイミングとが指示される(ステップS503)。これにより、圧縮モードタイミングで情報速度を落とした伝送が行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に送信される。
【0123】
つぎに、受信機2Cによる受信動作について説明する。図23は、圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。図23の動作は、制御器21Cの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。圧縮モードでは、時間が圧縮モードフレームタイミングに達すると(ステップS511)、デフレーム化/逆拡散器24Cに対して情報速度の低下と受信タイミングとが指示される(ステップS512)。
【0124】
そして、1フレームによるデインタリーブがデインタリーバ23に対して指示され(ステップS513)、デインタリーバ23では1フレームでデインタリーブが行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に受信される。
【0125】
以上説明したように、実施の形態5によれば、圧縮モードの際に、通常モード時と同じ送信電力を用いて通常モード時の伝送速度よりも低い伝送速度で圧縮されたフレームを間欠的に送信するようにしたので、周波数ハンドオーバ中、同一周波数の他ユーザへの干渉電力量が低減される。これにより、干渉を抑えた周波数間ハンドオーバを実現することが可能である。
【0126】
また、実施の形態5でも、前述した実施の形態2のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームを通常モード時と同じフレームタイミングの前後に分けて配置し、その配置に従って間欠送信を行うようにしてもよく、これによれば、簡易なインタリーブ構成により圧縮モードでも通常モードと同様に適正なインタリーブ対象時間を確保することができる。その結果、ビット単位のインタリーブによる性能劣化を防止することが可能である。
【0127】
また、実施の形態5でも、前述した実施の形態3のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームをスロット化してそれぞれをNスロット単位で間欠的に送信するようにしてもよく、これによれば、下りリンクで送信される送信電力制御ビットを比較的短時間間隔で受信することができる。その結果、送信電力制御誤差を低く抑えることが可能である。
【0128】
実施の形態6.
さて、前述した実施の形態5では、1フレームについてインタリーブを行うようにしていたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態6のように、複数フレームに跨ってインタリーブを行ってインタリーブ時間の短縮を防止するようにしてもよい。なお、実施の形態6は、前述した実施の形態1の如くインタリーバのメモリサイズを増強する点を除けば、前述した実施の形態5と全体構成を同様としており、以下に、動作上の相違についてのみ説明する。
【0129】
そこで、圧縮モードを含むフレーム伝送について説明する。図24は、実施の形態6による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。図24において、縦軸は伝送速度/送信電力を表し、横軸は時間が表されている。前述した実施の形態5との相違は、図24に示したように、インタリーブを複数のフレームすなわち圧縮モードフレームが1/2フレームであれば2フレームに跨って行う点にある。これにより、インタリーブ時間の短縮化による復調劣化を抑えることができる。
【0130】
つぎに、動作について説明する。通常モードによる送受信は従来方式と同様のため、説明を省略する。まず、実施の形態6の送信機による送信動作について説明する。図25は、圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。図25の動作は、制御器11Cの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。圧縮モードでは、2フレームに跨ってのインタリーブがインタリーバ13に対して指示され(ステップS601)、インタリーバ13では2フレームでインタリーブが行われる。
【0131】
そして、時間が圧縮モードフレームタイミングに達すると(ステップS602)、フレーム化/拡散器14Cに対して情報速度の低下と送信タイミングとが指示される(ステップS603)。これにより、圧縮モードタイミングで情報速度を落とした伝送が行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に送信される。
【0132】
つぎに、実施の形態6の受信機による受信動作について説明する。図26は、圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。図26の動作は、制御器21Cの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。圧縮モードでは、時間が圧縮モードフレームタイミングに達すると(ステップS611)、デフレーム化/逆拡散器24Cに対して情報速度の低下と受信タイミングとが指示される(ステップS612)。
【0133】
そして、2フレームに跨ってのデインタリーブがデインタリーバ23に対して指示され(ステップS613)、デインタリーバ23では2フレームに跨ってデインタリーブが行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に受信される。
【0134】
以上説明したように、実施の形態6によれば、前述した実施の形態5において、圧縮モードの際に、複数のフレームに跨がるビット単位の並べ替えを制御するようにしたので、圧縮モードでも通常モードと同様に適正な並べ替え時間を確保することができる。これにより、ビット単位の並べ替えによる伝送誤りをより低減することが可能である。
【0135】
また、実施の形態6でも、前述した実施の形態2のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームを通常モード時と同じフレームタイミングの前後に分けて配置し、その配置に従って間欠送信を行うようにしてもよく、これによれば、簡易なインタリーブ構成により圧縮モードでも通常モードと同様に適正なインタリーブ対象時間を確保することができる。その結果、ビット単位のインタリーブによる性能劣化を防止することが可能である。
【0136】
また、実施の形態6でも、前述した実施の形態3のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームをスロット化してそれぞれをNスロット単位で間欠的に送信するようにしてもよく、これによれば、下りリンクで送信される送信電力制御ビットを比較的短時間間隔で受信することができる。その結果、送信電力制御誤差を低く抑えることが可能である。
【0137】
実施の形態7.
さて、前述した実施の形態1〜6では、圧縮モード時の伝送劣化の防止機能について説明していたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態7のように、送信電力制御について送信電力制御量にバリエーションをもたせるようにしてもよい。
【0138】
まず、CDMAシステムの構成について説明する。図27は、本発明の実施の形態7によるCDMAシステムを示すブロック図である。CDMAシステムは、送信機1Dおよび受信機2Dより構成され、基地局,移動局それぞれに設けられる。基地局と各移動局とは、CDMA通信方式により無線通信が行われる。
【0139】
送信機1Dは、図27に示したように、制御器11D、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13、フレーム化/拡散器14D、無線周波数送信器15などを備えている。制御器11Dは、主に、受信機2Dとのネゴシエーションを通じてインタリーバ13、フレーム化/拡散器14Dおよび無線周波数送信器15の動作を制御する。この制御器11Dは、フレーム化/拡散器14Dに対して、圧縮モード時に送信タイミングなどの圧縮フレーム情報を供給する。また、この制御器11Dは、受信機2Dから上りリンクで受け取る受信電力情報およびTPCビット情報に基づいて無線周波数送信器15に対して送信電力の増減を指示する。
【0140】
なお、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13および無線周波数送信器15は、前述した実施の形態1と同様のため、説明を省略する。ただし、インタリーバ13については、1フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しているものとする。また、無線周波数送信器15は、制御器11Dの送信電力増減指示に応じて送信電力を増減して送信信号を出力する。
【0141】
フレーム化/拡散器14Dは、通常モード、圧縮モードそれぞれに応じてユーザ毎の拡散符号を用いて広帯域に拡散し、各モードに応じたフレームを形成したり、制御器11Dから各モードに応じた送信タイミングを指示されると、その送信タイミングでフレームを無線周波数送信器15へ送出するなどの動作を受け持っている。
【0142】
受信機2Dは、図27に示したように、制御器21D、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23、デフレーム化/逆拡散器24D、無線周波数受信器25などを備えている。制御器21Dは、主に、送信機1Dとのネゴシエーションを通じてデインタリーバ23およびデフレーム化/逆拡散器24Dの動作を制御する。この制御器21Dは、デフレーム化/逆拡散器24Dに対して、圧縮モード時に圧縮モードフレームを受信するための受信タイミングなどの圧縮フレーム情報を供給する。
【0143】
なお、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23および無線周波数受信器25は、前述した実施の形態1と同様のため、説明を省略する。ただし、デインタリーバ23については、1フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しているものとする。また、無線周波数受信器25は、受信信号を受信した際に、その受信電力を示す情報(受信電力情報)を制御器21Dへ通知する。
【0144】
デフレーム化/逆拡散器24Dは、制御器21Dから各モードに応じた受信タイミングを指示されると、その受信タイミングで受信信号を無線周波数受信器25から取り込む。また、このデフレーム化/逆拡散器24Dは、圧縮モードの際に、制御器21Cから圧縮フレーム情報を受け取ってデフレーム化および逆拡散を行い、順次フレームをデインタリーバ23へ出力する。また、このデフレーム化/逆拡散器24Dは、受信信号からTPCビットを検波して制御器21Dへ通知する。
【0145】
つぎに、TPCビットと送信電力制御量との関係について説明する。図28は、実施の形態7による送信電力制御シンボルと送信電力制御量との関係を示す図である。図28に示したテーブルは、送信機1Dの制御器11D、受信機2Dの制御器21D共通で所有している。送信電力制御シンボルであるTPCビットは、1ビットで構成されるため、その状態は1(オン)と0(オフ)との2つである。まず、通常モードでは、1(オン)状態のときに送信電力制御量として+1.0dB(デシベル)が与えられ、0(オフ)状態のときに送信電力制御量として−1.0dBが与えられる。すなわち、通常モードでの送信電力制御単位は1dBとなる。
【0146】
一方、圧縮モードでは、1(オン)状態のときに送信電力制御量として+3.0dB(デシベル)が与えられ、0(オフ)状態のときに送信電力制御量として−3.0dBが与えられる。すなわち、圧縮モードでの送信電力制御単位は3dBとなる。このように、圧縮モードが通常モードよりも絶対値の大きい送信電力制御単位を使用する理由は、圧縮モードにおけるアイドル時間(無伝送時間)により送信電力制御の追従性能が低下するためである。
【0147】
つぎに、動作について説明する。実施の形態7では、送信電力制御機能に他実施の形態との相違があることから、送信電力制御についてのみ説明する。図29は、実施の形態7による圧縮モード時の送信電力制御動作を説明するフローチャートである。ここで、説明する送信機1Dと受信機2D間の送信電力制御は、上りリンクに対する送信電力制御である。
【0148】
送信機1Dには受信機2DからTPCビットおよび受信機2D側での受信電力情報が送信されてくる。送信機1DにおいてTPCビットおよび受信電力情報が受信されると(ステップS701)、これら受信情報に基づいて送信電力増減情報が決定される(ステップS702)。そして、無線周波数送信器15に対してその決定された送信電力での送信が制御される(ステップS703)。
【0149】
具体的には、例えば、TPCビットが1の場合には、送信電力を増加する指示のため、前述した図28のテーブルから+3dBの送信電力制御が決定される。したがって、無線周波数送信器15には、現送信電力を3dB増加して送信を行うように指示が与えられる。一方、TPCビットが0の場合には、送信電力を減少する指示のため、前述した図28のテーブルから−3dBの送信電力制御が決定される。したがって、無線周波数送信器15には、現送信電力を3dB減少して送信を行うように指示が与えられる。
【0150】
以上説明したように、実施の形態7によれば、圧縮モードの際に、通常モード時よりも1回当たりの送信電力制御単位が大きくなるように送信電力を制御するようにしたので、圧縮モードでは、間欠送信により送信電力制御の時間的間隔が広くなっても、送信電力の制御範囲を広げて送信電力に対する追尾性能を保つことができる。これにより、圧縮モード時の送信電力制御誤差を小さくすることが可能である。
【0151】
また、実施の形態7でも、前述した実施の形態3のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームをスロット化してそれぞれをNスロット単位で間欠的に送信するようにしてもよく、これによれば、下りリンクで送信される送信電力制御ビットを比較的短時間間隔で受信することができる。その結果、送信電力制御誤差を低く抑えることが可能である。
【0152】
実施の形態8.
さて、前述した実施の形態7では、TPCビットの状態を増加と減少の2種類に限定していたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態8のように、送信電力制御についてモード毎に送信電力制御量にバリエーションをもたせるようにしてもよい。なお、実施の形態8は、全体構成を前述した実施の形態7と同様するため、図示およびその説明を省略し、相違する動作についてのみ説明する。以下の説明では、図27で用いた符号を用いて説明する。
【0153】
まず、TPCビットと送信電力制御量との関係について説明する。図30は、実施の形態8による送信電力制御シンボルと送信電力制御量との関係を示す図である。図30に示したテーブルは、送信機1Dの制御器11D、受信機2Dの制御器21D共通で所有している。
【0154】
実施の形態8では、送信電力制御シンボルであるTPCビットは、2ビットで構成される。このため、その状態は一例として4種類(11B(Bは2進を表す),10B,01B,00B)に分けられる。送信電力の増加を表すTPCビットの状態は、11Bおよび10Bの2種類であり、送信電力の減少を表すTPCビットの状態は、01Bおよび00Bの2種類である。
【0155】
通常モードの場合には、前述した実施の形態7と同様に、オンとオフの2種類だけとなる。ただし、TPCビットが2ビットを使用するため、オンは11B、オフは00Bとなる。TPCビットは、11Bのときに送信電力制御量を+1dBとし、00Bのときに送信電力制御量を−1dBとしている。圧縮モードの場合にも、前述した実施の形態7と同様に、TPCビットが11Bのときに通常モードがとりうる送信電力制御量に対して3倍の+3dBとし、TPCビットが00Bのときに通常モードがとりうる送信電力制御量に対して3倍の−3dBとしている。実施の形態8では、圧縮モードについてとりうる送信電力制御量に4種類のバリエーションが与えられており、TPCビットが10Bのときに送信電力制御量を+1dBとし、01Bのときに送信電力制御量を−1dBとしている。
【0156】
まず、通常モードでは、TPCビットが11B状態のときに送信電力制御量として+1.0dB(デシベル)が与えられ、00B状態のときに送信電力制御量として−1.0dBが与えられる。すなわち、通常モードでの送信電力制御単位は1dBとなる。なお、通常モードでは、10B状態や01B状態については規定がなく、現状の送信電力が保持されるものとする。
【0157】
一方、圧縮モードでは、TPCビットが11B状態のときに送信電力制御量として+3.0dB(デシベル)が与えられ、00B状態のときに送信電力制御量として−3.0dBが与えられる。すなわち、TPCビットが11Bや00Bの場合には圧縮モードでの送信電力制御単位は3dBとなる。
【0158】
また、圧縮モードでは、TPCビットが10B状態のときに送信電力制御量として+1.0dB(デシベル)が与えられ、01B状態のときに送信電力制御量として−1.0dBが与えられる。すなわち、TPCビットが10Bや01Bの場合には圧縮モードでの送信電力制御単位は1dBとなる。
【0159】
このように、圧縮モードについて送信電力制御単位にバリエーションをもたせた理由は、圧縮モードにおけるアイドル時間(無伝送時間)の変化に適宜対応できるように微妙な送信電力制御の追従性能を向上させるためである。
【0160】
つぎに、動作について説明する。実施の形態8では、送信電力制御機能に他実施の形態との相違があることから、送信電力制御についてのみ説明する。図31は、実施の形態8による圧縮モード時の送信電力制御動作を説明するフローチャートである。ここで、説明する送信機1Dと受信機2D間の送信電力制御は、上りリンクに対する送信電力制御である。
【0161】
送信機1Dには受信機2DからTPCビットおよび受信機2D側での受信電力情報が送信されてくる。送信機1DにおいてTPCビットおよび受信電力情報が受信されると(ステップS801)、TPCビットのとりうる値が判定される(ステップS802)。そして、図30のテーブルが参照され、ステップS802の判定結果に応じて所要の送信電力増減情報が決定される(ステップS803)。そして、無線周波数送信器15に対してその決定された送信電力での送信が制御される(ステップS804)。
【0162】
具体的には、例えば、TPCビットが11Bの場合には、送信電力を増加する指示のため、前述した図30のテーブルから+3dBの送信電力制御が決定される。したがって、無線周波数送信器15には、現送信電力を3dB増加して送信を行うように指示が与えられる。一方、TPCビットが00Bの場合には、送信電力を減少する指示のため、前述した図30のテーブルから−3dBの送信電力制御が決定される。したがって、無線周波数送信器15には、現送信電力を3dB減少して送信を行うように指示が与えられる。
【0163】
また、TPCビットが10Bの場合には、送信電力を増加する指示のため、前述した図30のテーブルから+1dBの送信電力制御が決定される。したがって、無線周波数送信器15には、現送信電力を1dB増加して送信を行うように指示が与えられる。一方、TPCビットが01Bの場合には、送信電力を減少する指示のため、前述した図30のテーブルから−1dBの送信電力制御が決定される。したがって、無線周波数送信器15には、現送信電力を1dB減少して送信を行うように指示が与えられる。
【0164】
以上説明したように、実施の形態8によれば、通常モード時、圧縮モード時それぞれに応じて、かつ、圧縮モード時には送信電力制御の時間的間隔に応じて送信電力制御単位に従って送信電力を制御するようにしたので、圧縮モードでは、間欠送信により送信電力制御の時間的間隔が変動して開くようになっても、適宜最適の送信電力の制御範囲を採用して送信電力に対する追尾性能を保つことができる。これにより、圧縮モード時の送信電力制御誤差を小さくすることが可能である。
【0165】
また、前述した実施の形態7よりもTPCビットの数が増え、前述した実施の形態7よりも送信電力は大きくなるが、そもそも圧縮モード時の送信電力が大きいことからその電力にTPCビットの伝送にかかる送信電力が吸収される。このため、その伝送誤り率はほとんど制御性能に影響しないというメリットがある。
【0166】
また、実施の形態8でも、前述した実施の形態3のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームをスロット化してそれぞれをNスロット単位で間欠的に送信するようにしてもよく、これによれば、下りリンクで送信される送信電力制御ビットを比較的短時間間隔で受信することができる。その結果、送信電力制御誤差を低く抑えることが可能である。
【0167】
実施の形態9.
さて、前述した実施の形態1〜8では、圧縮モードにおける伝送フォーマットの構成をインタリーブ性能および送信電力制御精度を維持するために構成していたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態9のように、使用する拡散符号数を減らすことを考慮して伝送フォーマットを決定してもよい。
【0168】
まず、実施の形態9のCDMAシステムを適用した基地局の構成について説明する。なお、移動局の構成については、ここでは省略する。図32は、本発明の実施の形態9による基地局の一構成例を示すブロック図である。この基地局は、図32に示したように、送信機群100、加算器110、無線周波数送信機120、上記送信機群100に接続され、圧縮モード時の送信制御を行う圧縮モード制御器200などにより構成される。ここで、この基地局と図示せぬ各移動局間では、CDMA通信方式により無線通信が行われる。
【0169】
送信機群100は、サービス可能なユーザ数に対応してユーザ別に送信データを生成するための複数の送信機#1〜#M(Mは自然数)より構成される。各送信機#1〜#Mは、いずれも同様の構成を有しており、送信機#1を例に挙げて説明する。送信機#1は、図32に示したように、制御器11E、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13、フレーム化/拡散器14E、送信電力制御アンプ16などを備えている。
【0170】
制御器11Eは、主に、圧縮モード制御器200とのネゴシエーションを通じてインタリーバ13、フレーム化/拡散器14Eおよび送信電力制御アンプ16の動作を制御する。この制御器11Eは、フレーム化/拡散器14Eに対して、圧縮モード時に、圧縮モードフレームを送信するための送信タイミングと、圧縮モードフレームを送信するために使用する通常より拡散率の低い拡散符号とを指示する。
【0171】
なお、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13は、前述した実施の形態1と同様のため、説明を省略する。ただし、インタリーバ13については、1フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有するものとする。
【0172】
フレーム化/拡散器14Eは、通常モード、圧縮モードそれぞれに応じて拡散率の異なる拡散符号を用いて広帯域に拡散し、各モードに応じたフレームを形成する。このフレーム化/拡散器14Eは、制御器11Eから各モードに応じた送信タイミングを指示されると、その送信タイミングでフレームを送信電力制御アンプ16へ送出する。また、このフレーム化/拡散器14Eは、圧縮モードの際に、制御器11Eから拡散率の低減を指示され、その指示に応じて通常モードよりも低い拡散率を用いて送信信号を得る。
【0173】
送信電力制御アンプ16は、フレーム化/拡散器14Eで得られた送信信号を、制御器11Eの制御に従って通常モード時に比べて圧縮モード時の平均送信電力を増幅して出力する。なお、送信機#1〜#Mにおいて、圧縮モード送信の採否は独立に運用され、また、圧縮モード時の圧縮の割合も個々の送信機#1〜#Mにおいて独立に設定されるため、この送信電力制御アンプ16は個々の送信機#1〜#Mに独立して設けられる。
【0174】
加算器110は、送信機群100を構成する各送信機#1〜#Mから出力される送信信号を加算して後段の無線周波数送信機120へ出力する。無線周波数送信機120は、加算器110で得られた信号出力を無線周波数に変換して送信する。なお、この無線周波数送信機120は各基地局に1台ずつ設けられるものとする。
【0175】
圧縮モード制御器200は、図32に示したように、圧縮モード管理器201、フレーム組み合わせ制御器202、拡散符号割り当て制御器203、送信タイミング制御器204などを備えている。圧縮モード管理器201は、送信機群100を構成する各送信機の圧縮モードの管理と、圧縮モードに関する制御データの入出力を行う。
【0176】
フレーム組み合わせ制御器202は、圧縮モード伝送を行っている送信機における、圧縮モードフレームの送信時間情報を圧縮モード管理器201より受け取り、その送信時間情報に従って複数の圧縮モードフレームのうちで合計伝送時間が1フレーム時間以内となる組み合わせを検索する。
【0177】
拡散符号割り当て制御器203は、圧縮モード伝送を行っている送信機に対して圧縮モードフレームの拡散に使用される拡散符号の割り当てを行う。送信タイミング制御器204は、圧縮モード時に、圧縮モードフレームを送信するタイミングを制御する。
【0178】
つぎに、圧縮モードフレームを含むフレーム伝送について説明する。図33は、実施の形態9による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。図33において、縦軸は伝送速度/送信電力を表し、横軸は時間を表している。CDMAシステムでは、通常伝送時に、フレームをスロット化して間欠的に送信する時間を設け、その期間中の無伝送時間(アイドル時間)を利用して他の周波数キャリアの強度が測定される。
【0179】
そのためには、スロット化されたフレームを圧縮する必要があるが、従来方式では、圧縮されたフレームを送信するときの拡散率は下げられる。この場合、より数の少ない拡散率の低い拡散符号を、圧縮モード伝送を行っているユーザ毎に割り当てる必要があるため、貴重な拡散符号資源を消費することになる。
【0180】
そこで、図33のように、例えば、図32の基地局と移動局M1,M2との圧縮モード伝送時、複数のユーザが生成している圧縮モードフレームの中から、伝送合計時間が1フレーム時間に満たない組を作り、それらに同一の拡散率の低い拡散符号を割り当て、1フレーム時間内で重ならないタイミングによる送受信を行えば、複数の移動局で1つの拡散符号を共有することができる。すなわち、移動局M1,M2に対する下りリンクでは、通常モード(通常伝送)時、移動局M1,M2にはそれぞれ異なる拡散符号A,Bが固定で割り当てられている。
【0181】
これに対して、圧縮モード(スロット化伝送)時には、移動局M1,M2それぞれに同一の拡散符号Cが割り当てられ、移動局M1,M2には、お互いに同一拡散符号Cを用いた伝送時間が重ならないように、相手のアイドル時間T2,T1のときに圧縮モードフレームが伝送できるように圧縮モードフレームの送信タイミングが制御される。
【0182】
つぎに、動作について説明する。まず、各送信機#1〜#Mにおいて圧縮モード時に制御器14Eによる動作について説明する。図34は、本発明の実施の形態9による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。図34の動作は、制御器11Eの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。圧縮モードでは、1フレームによるインタリーブがインタリーバ13に対して指示され(ステップS901)、インタリーバ13では1フレームでインタリーブが行われる。そして、圧縮モードフレームに関する情報が圧縮モード制御器200へ出力される(ステップS902)。
【0183】
そして、圧縮モード制御器200との間でネゴシエーションが行われ、圧縮モード制御器200の指示する拡散率(拡散符号)および圧縮モードフレームの送信タイミングをフレーム化/拡散器14Aに対して与える(ステップS903)。さらに、送信電力制御アンプ16に対して平均送信電力の増加が指示され(ステップS904)、圧縮モードフレームについては高い送信電力でフレーム伝送が行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に送信される。
【0184】
つづいて、圧縮モード制御器200による圧縮モード時の制御動作について説明する。図35は、実施の形態9による圧縮モード制御動作を説明するフローチャートである。図35の動作は、圧縮モード管理器201により制御され、個々の動作については圧縮モード制御器200内の各部で行われる。図35では、各送信機#1〜#Mとの通信を通じて圧縮モードに関する情報が収集される。
【0185】
そこで、まず各チャネルが圧縮モードかどうかの調査が行われる(ステップS911)。そして、圧縮モード中のチャネルが複数存在していることが確認された場合には(ステップS912)、各圧縮モード中のチャネルにおける圧縮モードフレームの伝送時間が調査される(ステップS913)。一方、ステップS912において、圧縮モード中のチャネルが複数存在していなければ、処理は再度ステップS911に戻る。
【0186】
ステップS913において伝送時間の調査が行われると、各圧縮モード中のチャネルから抽出された圧縮モードフレームの伝送時間について、任意の組み合わせで伝送時間が合算される。そして、各組み合わせの合計時間のうちで、1フレーム時間内に収まる組み合わせが存在するか判断される(ステップS914)。
【0187】
その結果、1フレーム時間内に収まる組み合わせが存在した場合には、その組み合わせでの圧縮モードフレーム伝送用に、その組み合わせに入っている圧縮モードフレームの各チャネル(送信機)に対して、同一の拡散符号と相互に異なる送信タイミングとが割り当てられる(ステップS915)。一方、1フレーム時間内に収まる組み合わせが存在しなかった場合には、同一拡散符号による複数チャネルの送信が不可能となるため、処理は再びステップS911に戻る。
【0188】
以上説明したように、実施の形態9によれば、圧縮モード制御器200において、送信機群100でユーザ別に圧縮された複数の圧縮モードフレーム間の任意の組み合わせの中で伝送時間の合計が1フレームに満たない組み合わせを抽出し、その抽出された組み合わせを伝送する複数のチャネルに同一の拡散符号を割り当て、送信機群100に対して、同一の拡散符号を用いて1フレーム時間内で時間的に重畳しないように、上記抽出された組み合わせを構成する各圧縮モードフレームの送信タイミングを制御する。これにより、圧縮モードフレームが複数存在する場合、圧縮モードで使用する拡散率の低い拡散符号の数を減らすことができる。その結果、圧縮モード時に拡散符号資源の有効利用を図ることが可能である。
【0189】
また、実施の形態9でも、前述した実施の形態2のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームを通常モードと同じフレームタイミングの前後に分けて配置し、その配置タイミングを複数のユーザ間で重ならないようにずらして間欠送信を行うようにしてもよく、これによれば、簡易なインタリーブ構成により圧縮モードでも通常モードと同様に適正なインタリーブ対象時間を確保することができる。その結果、ビット単位のインタリーブによる性能劣化を防止することが可能である。
【0190】
また、実施の形態9でも、前述した実施の形態3のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームをスロット化してそれぞれをNスロット単位で間欠的に送信してもよく、これによれば、下りリンクで送信される送信電力制御ビットを比較的短時間間隔で受信することができる。その結果、送信電力制御誤差を低く抑えることが可能である。
【0191】
さて、以上の説明では、上述した実施の形態1〜9の特徴部分の組み合わせ例を一部示しただけであり、その他の組み合わせも実現可能であることは言うまでもない。
【0192】
以上、本発明を実施の形態1〜9により説明したが、この発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能であり、これらをこの発明の範囲から排除するものではない。
【0193】
実施の形態10.
さて、前述した実施の形態1〜9では、フレームをスロット化して間欠的に送信する期間を設け、その期間中の無伝送時間、すなわち、アイドル時間を利用して他の周波数キャリアの電力強度を測定する、ということを記述したが、実際の異周波数間ハンドオーバにおける、移動局の基地局への同期確立方法については記述していない。そこで、本発明では、異周波数間ハンドオーバの実現を可能とする通信装置およびその同期確立手順について説明する。
【0194】
まず、異周波数間ハンドオーバについて記述する前提として、基地局および移動局間で送受信される情報の構成について説明する。
【0195】
図37は、止まり木チャネル(BCH)のフレーム構成を示す。W−CDMAシステムにおいて、止まり木チャネルの1フレームは、図37(a)にように、16スロットで構成され、例えば、図中の#1から#16がそれに対応する。また、1スロットは、図37(b)に示すとおり、10シンボル(拡散符号の1周期を示す)で構成されている。その構成は、図中“P”で記述される4シンボルが位相情報を検波するために必要なパイロットシンボルであり、図中“D1〜D5”で記述される5シンボルが止まり木チャネルの情報成分であり、図中“FSC(第1サーチコードを示す)”と“SSC(第2サーチコードを示す)”で記述される1シンボルがサーチコードである。なお、第1サーチコードと第2サーチコードは、同タイミングで送信されている。
【0196】
また、W−CDMAシステムでは、拡散符号によりスペクトル拡散が行われており、その拡散符合は、チャネルにより固有のスプレッディングコード(ショートコード)と、各基地局に固有のスクランブリングコード(ロングコード)との2つの要素から構成されている(図37(c)(d)参照)。なお、パイロットシンボルPと情報成分D1〜D5には、同じスプレッディングコードが使用され、サーチコードには、それぞれ別のスプレッディングコード(図中COMMON、C+Walsh)が使用される。また、サーチコードだけは、スクランブリングコードにより拡散されない。
【0197】
つぎに、上記前提(止まり木チャネルフレーム構成)をふまえて、W−CDMAシステムにおける基地局と移動局の通常の同期確立手順について説明する。
【0198】
W−CDMAシステムでは、セル間は基本的に非同期、すなわち、フレームタイミング等は、一般的に一致しない。そこで、W−CDMAシステムにおいては、例えば、3段初期捕捉法にて移動局と基地局との同期を可能としている。
【0199】
まず、第1段階としては、すべての基地局において共通で、かつ時間継続的に送信されている前記第1サーチコード(FSC:First Search Code)を検出する。これにより、スロット同期を確立することができる。
【0200】
つぎに、第2段階では、第1サーチコードと同一タイミングで送信され、かつ複数ある第2サーチコード(SSC:Second Search Code)を16スロット連続で検出し、それを送信順に判定する。これにより、フレーム同期を確立することができ、さらに、スクランブリングコード群番号を特定することができる。具体的にいうと、例えば、図38に示すように、各第2サーチコードを16スロット連続で検出する。そして、このようにして検出された第2サーチコードより、#1から#16の1周期からフレーム同期をとることができ、さらに、例えば、図39に示すような対応表に基づいて、スクランブリングコード群番号を特定できる。なお、横軸のSlot#はスロット番号を示し、縦軸のGroupはスクランブリングコード群番号を示す。また、第2サーチコードは、17種類のコード(1〜17)であり、16スロットの組み合わせから一意にスクランブリングコード群番号、すなわち、移動局がどのスクランブリングコードを用いている基地局に属しているか、を認識することができる。また、この対応表に記載された第2サーチコードの数値は、本発明を説明するための具体的な一例であり、ある数値のパターンを認識するという意味においては、これ以外の数値でもよい。
【0201】
最後に、第3段階では、前記スクランブリング群番号中に含まれる複数のスクランブリングコードのうち、どのコードが使用されているかを特定し、対応する基地局の下り回線の同期確立を完了する。
【0202】
図40は、上記同期確立手順を実際に移動局側で行う場合のフローチャートを記述したものである。以下、図37に基づいて移動局の動作を説明する。
【0203】
まず、移動局では、前記第1段階に対応する処理として、第1サーチコードの検出を行う(ステップS921)。この検出については、第1サーチコードが検出されるまで連続的に行う(ステップS922)。
【0204】
第1サーチコードが検出されると(ステップS922,YES)、移動局では、スロット同期がとれ、さらに続けて、前記第2段階である16個の第2サーチコードの検出処理を行う(ステップS923)。ここで、移動局にて、電波状態等により検出できない第2サーチコードがあった場合には(ステップS924,NO)、未検出の箇所数をカウントし(ステップS925)、予め設定しておいた所定数よりも多いか、少ないかを判定し(ステップS926)、例えば、多い場合には、第2サーチコードの再検出を行い(ステップS923)、一方、少ない場合には、その部分のみの検出を行う(ステップS927,ステップS928)。
【0205】
このようにして、すべての第2サーチコードが検出されると(ステップS924,YES、ステップS928,YES)、移動局内部では、先に説明したように、フレーム同期が確立され、スクランブリングコード群番号が特定される。
【0206】
最後に、移動局では、前記第3段階として、対応する基地局で使用するスクランブリングコードを特定し(ステップS931、ステップS932,YES)、初期同期の確立を完了する。これにより、通信が可能となる。なお、特定したスクランブリングコードの相関値計算において(ステップS933)、すべてが所定の基準値を下回る場合には(ステップ934,YES)、第2サーチコードの再検出を実施し(ステップS923)、それ以外は(ステップS934,NO)、ステップS931の処理が完了するまで、スクランブリングコードの再特定を行う。
【0207】
一方、先に説明したように(従来の技術で説明したハンドオーバが必要となる場合)、異周波数間でハンドオーバを行う場合は、基地局からの命令または移動局による判断で、他のキャリアの電力測定を行い、実際に周波数ハンドオーバができそうなキャリアがあれば、所定の手順でハンドオーバを行う。その際、第1サーチコードについては、前記実施の形態1〜9に示すアイドル時間内で必ず、すなわち、少なくとも1回は検出可能である。しかしながら、第2サーチコードについては、1フレーム、すなわち16スロットすべてをサーチする必要があるため、このままでは検出できない。従って、同様に、スクランブリングコード群番号も検出することもできない。
【0208】
そこで、本実施の形態では、前記多くとも1フレームの1/2のアイドル時間を、少しずつずらすことにより、すべての第2サーチコードを検出可能とする通信装置を実現することを目的とする。
【0209】
図41は、本発明にかかる実施の形態10の受信機の構成を示す。なお、この構成は、移動局に備えられる構成とする。
【0210】
図41において、受信機2Eは、制御器21E、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23、デフレーム化/逆拡散器24E、無線周波数受信器25、タイミング逆拡散器51、検出判定器52、スイッチ53を備えている。なお、先に説明した実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0211】
制御器21Eは、主に、図示はしていない送信機とのネゴシエーションを通じてデインタリーバ23、デフレーム化/逆拡散器24E、およびスイッチ53の動作を制御する。この制御器21Eは、送信機とのネゴシエーションで通常モード、圧縮モードそれぞれに適したデインタリーバ対象をフレーム数で指示する。また、この制御器21Eは、圧縮モード時に、スイッチ53、デフレーム化/逆拡散器2E、およびタイミング/逆拡散器51に対して、拡散率の低減と圧縮モードフレームを受信するための受信タイミングとを指示する。すなわち、アイドル時間のときだけ、スイッチ53とタイミング/逆拡散器51が接続されるように制御される。
【0212】
無線周波数受信器25は、図示せぬアンテナから送られてくる受信信号を復調する。デフレーム化/逆拡散器24Eは、通常モード、圧縮モードそれぞれに応じて当該受信機2Eのユーザに割り当てられた拡散符号を用いて逆拡散し、各モードに応じたフレームを形成する。このデフレーム化/逆拡散器24Eは、制御器21Eから各モードに応じた受信タイミングを指示されると、その受信タイミングで受信信号を無線周波数受信器25から取り込む。また、このデフレーム化/逆拡散器24Eは、圧縮モードの際に、制御器21Eから拡散率の低減を指示され、その指示に応じて通常モードよりも低い拡散率を用いて受信信号を得る。デインタリーバ23は、送信機でのインタリーブとは逆の順序で、符号化データに対してビット単位で時間的順序の並べ替え(デインタリーブ)を行う。誤り訂正復号化器22は、デインタリーブされた信号を誤り訂正復号化して復号化データすなわち受信データ列を得る。
【0213】
また、タイミング/逆拡散器51は、前記アイドル時間中に、他のキャリアの第1サーチコードおよび第2サーチコードを検出する。検出判定器52は、前記検出された第1サーチコードおよび第2サーチコードに基づいて後述する判定処理を行う。
【0214】
上記のように構成される受信機2Eでは、図42に示すように、通常、通信中のキャリア(周波数:f1)における圧縮されたフレームを受信し、アイドル時間中に、他のキャリア(周波数:f2)のサーチコードを受信する。
【0215】
つぎに、上記、受信機2Eにおけるハンドオーバの際の動作について説明する。図43は、W−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバにおける同期確立手順を移動局側で行う場合のフローチャートである。なお、以降説明するハンドオーバについては、前記検出判定器52の判定に基づいて、制御器21Eが制御するものとする。
【0216】
まず、例えば、基地局からの命令または移動局の判断により、ハンドオーバを行う場合、移動局では、基地局から異周波数キャリアのセル情報を取得する(ステップS941)。
【0217】
つぎに、移動局では、取得した情報に基づいて、前記第1段階に対応する処理として、前記圧縮モードのアイドル時間に、その第1サーチコードおよび異周波数キャリアの検出を行う(ステップS942)。この検出については、基本的に、第1サーチコードが検出されるまで連続的に行う(ステップS943)が、受信機の設定に応じて(ステップS944)、セル情報または第1サーチコードを再検出する処理に戻る。なお、アイドル時間中は、スイッチ53が制御器21Eの制御によりタイミング/逆拡散器51に接続される。
【0218】
第1サーチコードおよび異周波数キャリアが検出されると(ステップS943,YES)、移動局では、スロット同期がとれ、さらに続けて、前記第2段階である16個の第2サーチコードの検出処理を行う(ステップS945)。第2サーチコードの検出は、例えば、図44に示すように、制御21Eが1スロット毎にアイドル時間をずらすように制御し、1フレームに1つの第2サーチコードを検出する。すなわち、16フレームですべての第2サーチコードを検出する。
【0219】
また、第2サーチコードの検出方法については、これに限らず、例えば、図45に示すように、1フレームで2つの第2サーチコードを検出することとしてもよい。この場合は、図44とは異なり、8フレームですべての第2サーチコードを検出可能である。また、複数フレーム(図示では、2フレームを対象としている)を連続して制御する場合は、例えば、図46、および図47に示すように、アイドル時間を設定することで、すべての第2サーチコードを検出できる。なお、アイドル時間の設定については先に説明したように、最大が1フレームの1/2時間であればよく、上記以外でも多数のバリエーションが考えられる。従って、アイドル時間の長さにより、検出するフレームの回数も変化する。また、すべての第2サーチコードを数回検出することによって、検出の信頼度を向上させることとしてもよい。
【0220】
ただし、アイドル時間を長く設定すると、それよりも短いときと比較して、検出時間は多くかからないが、本来送信していた情報データの品質が劣化するか、またはその品質を維持するための送信電力増大による干渉電力の増加をまねいてしまい、一方、アイドル時間を短くすると、それよりも長いときと比較して、情報データの品質は劣化しないが、検出時間が多くかかってしまう。そこで、受信器側では、例えば、シンセサイザの性能(シンセサイザの切換時間等)および電波状態等を考慮して、最適なアイドル時間を設定する必要がある。また、図45〜図47の各フレームにおけるスロットの重なり部分についても、シンセサイザの性能(シンセサイザの切換時間等)に応じて任意に設定する必要がある。
【0221】
ステップS945の処理において、移動局が電波状態等により検出できない第2サーチコードがあった場合には(ステップS924,NO)、未検出の箇所数をカウントし(ステップS925)、予め設定しておいた所定数よりも多いか、少ないかを判定し(ステップS926)、例えば、多い場合には、第2サーチコードの再検出を行い、一方、少ない場合には、その部分のみの検出を行う。
【0222】
このようにして、すべての第2サーチコードが検出されると(ステップS924,YES、ステップS928,YES)、移動局内部では、他のキャリアとのフレーム同期が確立され、対応する基地局のスクランブリングコード群番号が特定される。
【0223】
最後に、移動局では、前記第3段階として、対応する基地局で使用するスクランブリングコードを特定し(ステップS931、ステップS932,YES)、ハンドオーバにおける初期同期の確立を完了する。これにより、通信が可能となる。なお、特定したスクランブリングコードの相関値計算において(ステップS933)、すべてが所定の基準値を下回る場合には(ステップ934,YES)、第2サーチコードの再検出を実施し、それ以外は(ステップS934,NO)、ステップS931の処理が完了するまで、スクランブリングコードの再特定を行う。
【0224】
続いて、他の通信システムであるGSM(Global System for Mobile communications)とのハンドオーバの動作について図面に従って説明する。なお、このハンドオーバについても、図41に示す受信器2Eにて行う。従って、この場合、タイミング/逆拡散器51は、第1サーチコードおよび第2サーチコードの代わりに、後述するFCCHおよびSCHを検出する。
【0225】
図48は、GSMのスーパーフレーム構成を示す図である。なお、図48(a)は、GSMの制御チャネル、すなわち、周波数を合わせるためのFCCH(Frequency Correction CH)、同期をとるためのSCH(Synchronization CH)、それ以外の制御情報を示すものであり、図48(b)は、GSMのTCH(Traffic CH)を示すものである。また、図49は、W−CDMA/GSM間ハンドオーバにおける同期確立手順を移動局側で行う場合のフローチャートである。
【0226】
まず、W−CDMAの移動局では、第1段階として、GSMの周波数キャリアがどこにあるかを探す必要があるため、キャリアが見つかるまで、繰り返し粗く電力測定を行う(ステップS951、ステップS952)。
【0227】
つぎに、電力測定を完了した移動局では、第2段階として、その測定結果に基づいて、FCCHを捕捉して測定したキャリア周波数を微調整して、GSMのキャリアを特定する(ステップS953)。なお、GSMでは、51フレームで1スーパーフレームを構成し、その中に5回FCCHが含まれている。従って、W−CDMAの移動局では、この5回で周波数を合わせることとなる(ステップS954、ステップS955)。また、FCCHは、図48(a)に示されるFCCH/SCHのスーパーフレーム同期と、W−CDMAシステムにおけるスーパーフレーム同期との固定的な時間差を利用することにより、アイドル時間をずらすことなく検出可能である。ただし、FCCHの検出については、先に説明したW−CDMA/W−CDMA間のハンドオーバと同様に、アイドル時間を少しずつずらすこととしてもよい。
【0228】
最後に、GSMのキャリア特定後、移動局では、第3段階として、FCCHのとなりのフレームであるSCHを捕捉して、ビットタイミングを合わせる(ステップS956、ステップS957、ステップS958)。例えば、FCCHの検出が完了していれば、SCHの位置は、既知(隣のフレーム)であるため容易に検出可能である。従って、FCCHの検出では、スーパーフレームをすべて確認する必要があるが、SCHの検出では、FCCHのとなりのフレームが検出可能なように、アイドル時間を設定していればよい。ただし、SCHの検出においては、先に捕捉したFCCHの直後のSCHを捕捉する必要はなく、例えば、つぎのFCCHの直後のSCHを捕捉することとしてもよく、どこのSCHを捕捉してもよい。これにより、W−CDMAの移動局では、ハンドオーバにおける初期同期の確立を完了し、GSMとの通信が可能となる。
【0229】
このように、本実施の形態によれば、容易に、異周波数間(W−CDMA/W−CDMA間、W−CDMA/GSM間)のハンドオーバを行うことができる。
【0230】
以上、実施の形態1〜10において、本発明にかかるスペクトル拡散通信装置に関して詳細に説術したが、これらの実施の形態では、インタリーバにて符号化データに対してビット単位で時間的順序の並べ替えを行い、その後、フレーム化/拡散器にて並べ替えられたデータを圧縮する、という流で動作が統一している。しかしながら、データの並べ替え、すなわち、インタリーブは、前述したようにデータを圧縮する前だけに限らず、基本的にどこの位置で行ってもよく、例えば、データを圧縮した後に行うこととしてもよい。従って、データを圧縮した後にインタリーブを行う場合には、誤り訂正符号化器にてデータを圧縮する機能を持つことになり、フレーム化/拡散器にて圧縮機能を持つ必要がない。なお、このような場合には、当然、受信機側の構成も変更となる。すなわち、デインタリーブ処理が先行して行われることになる。
【産業上の利用可能性】
【0231】
以上のように、本発明にかかるスペクトル拡散通信装置およびスペクトル拡散通信方法は、符号分割多元接続(CDMA)通信システムに適用する場合に有用であり、特に、スペクトル拡散通信における並べ替え伝送や送信電力制御を改善し、さらに異周波数間のハンドオーバを実現するための通信装置および通信方法として適している。
【図面の簡単な説明】
【0232】
【図1】本発明の実施の形態1によるCDMAシステムを示すブロック図である。
【図2】実施の形態1によるインタリーバのメモリ配分を説明する図である。
【図3】実施の形態1による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図4】実施の形態1による通常モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図5】実施の形態1による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図6】実施の形態1による通常モード時の受信動作を説明するフローチャートである。
【図7】実施の形態1による圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2によるCDMAシステムの要部を示すブロック図である。
【図9】実施の形態2による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図10】実施の形態2による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図11】実施の形態2による圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。
【図12】実施の形態3による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図13】実施の形態3による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図14】実施の形態3による圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態4によるCDMAシステムを示すブロック図である。
【図16】実施の形態4によるフレーム化/拡散器のメモリ配分を説明する図である。
【図17】実施の形態4による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図18】実施の形態4による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図19】実施の形態4による圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態5によるCDMAシステムを示すブロック図である。
【図21】実施の形態5による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図22】実施の形態5による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図23】実施の形態5による圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。
【図24】実施の形態6による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図25】実施の形態6による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図26】実施の形態6による圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。
【図27】本発明の実施の形態7によるCDMAシステムを示すブロック図である。
【図28】実施の形態7による送信電力制御シンボルと送信電力制御量との関係を示す図である。
【図29】実施の形態7による圧縮モード時の送信電力制御動作を説明するフローチャートである。
【図30】実施の形態8による送信電力制御シンボルと送信電力制御量との関係を示す図である。
【図31】実施の形態8による圧縮モード時の送信電力制御動作を説明するフローチャートである。
【図32】本発明の実施の形態9によるCDMAシステムを示すブロック図である。
【図33】実施の形態9による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図34】本発明の実施の形態9による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図35】実施の形態9による圧縮モード制御動作を説明するフローチャートである。
【図36】従来における下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図37】止まり木チャネル(BCH)のフレーム構成を示す図である。
【図38】第2サーチコードを16スロット連続で検出する具体例である。
【図39】第2サーチコード・スクランブリングコード群番号対応表である。
【図40】同期確立手順を移動局側で行う場合のフローチャートである。
【図41】本発明にかかる実施の形態10の受信機の構成を示す図である。
【図42】本発明にかかる受信機の動作概要を示す図である。
【図43】W−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバにおける同期確立手順を移動局側で行う場合のフローチャートである。
【図44】第2サーチコード取得方法の一例である。
【図45】第2サーチコード取得方法の一例である。
【図46】第2サーチコード取得方法の一例である。
【図47】第2サーチコード取得方法の一例である。
【図48】GSMのスーパーフレーム構成を示す図である。
【図49】W−CDMA/GSM間ハンドオーバにおける同期確立手順を移動局側で行う場合のフローチャートである。
【符号の説明】
【0233】
1A,1B,1C,1D 送信機
2A,2B,2C,2D,2E 受信機
11A,11B,11C,11D 制御器
13 インタリーバ
14A,14B,14C,14D,14E フレーム化/拡散器
15 無線周波数送信器
16 送信電力制御アンプ
21A,21B,21C,21D,21E 制御器
22 誤り訂正復号化器
23 デインタリーバ
24A,24B,24C,24D,24E デフレーム化/逆拡散器
25 無線周波数受信器
51 タイミング逆拡散器
52 検出判定器
53 スイッチ
100 送信機群
110 加算器
120 無線周波数送信機
200 圧縮モード制御器
201 圧縮モード管理器
202 フレーム組み合わせ制御器
203 拡散符号割り当て制御器
204 送信タイミング制御器
131A,131B,141A メモリ
【技術分野】
【0001】
本発明は、符号分割多元接続(CDMA)通信システムに適用される通信装置およびその方法に関するものであり、特に、スペクトル拡散通信における並べ替え伝送や送信電力制御を改善し、さらに異周波数間のハンドオーバを実現するためのスペクトル拡散通信装置およびその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CDMAセルラシステムでは、同一キャリア周波数をどのセルでも繰り返し使用しているため、同一システム内では周波数間ハンドオーバの必要性はない。しかしながら、既存のシステムとの共存の場合等を考えると、異なるキャリア周波数間でのハンドオーバが必要となる。以下に具体的な場合を3点挙げる。
【0003】
第1点としては、トラヒックの多いセルでは、加入者数増大のために別のキャリア周波数が用いられており、そのセル間でハンドオーバする場合である。第2点としては、アンブレラセル構成時には、大小のセルに異なるキャリア周波数が割り当てられており、そのセル間でハンドオーバする場合である。そして、第3点としては、W(Wideband)−CDMAシステムのような第3世代システムと、現行の携帯電話システムのような第2世代システムの間でハンドオーバする場合である。
【0004】
以上のような場合にハンドオーバが行われることになり、その際には異なる周波数のキャリアの電力を検出する必要がある。この検出を実現するには、受信機が2つの周波数を検波できる構造を所持していればよいが、これにより受信機の構成が大きくなるか構成が複雑になる。
【0005】
また、ハンドオーバの方法として、移動機主導のハンドオーバ(Mobile Assisted Handover:MAHO)とネットワーク主導のハンドオーバ(Network Assisted Handover:NAHO)の2種類が考えられる。MAHOとNAHOとを比較すると、NAHOの方が移動機の負担は小さくなるが、そのために、移動機と基地局間の同期が必要であったり、一つ一つの移動機を追跡できるように基地局/ネットワークの構成が複雑かつ巨大化する。
【0006】
このようなことから、MAHOの実現が望まれることになるが、ハンドオーバをする/しないの判断のため、移動機では2つの異なる周波数キャリアの強度を観測する必要がある。しかしながら、CDMAセルラシステムは、第2世代で用いられている時分割多元接続(TDMA)方式と違って、送信/受信ともに通常は連続送信の形態を用いている。この連続送信技術には、2つの周波数の受信装置を用意しない限り、送信あるいは受信タイミングを停止させて他の周波数を観測する必要があった。
【0007】
今日までに、通常モードでの送信情報を時間圧縮して短時間に伝送し、他に時間的余裕を作って他の周波数キャリアを観測する、という圧縮モード(Compressed Mode)に関する技術が提案されている。その一例として、下記特許文献1がある。この公報には、使用する拡散符号の拡散率を下げることにより、送信する時間を短縮する圧縮モードの実現手法が開示されている。
【0008】
ここで、上述した公報による圧縮モードの実現手法について説明する。図36には、従来のCDMAシステムにおける通常のモードおよび圧縮モードでの送信例が示されている。図36において、縦軸は電力速度/送信電力を示し、横軸は時間を示している。図36の例では、通常伝送のフレーム間に、圧縮モード伝送が挿入されている。
【0009】
この圧縮モード時の伝送では、下りフレーム内に無伝送時間が設けられており、その時間は任意に設定可能である。この無伝送時間は、他周波数キャリアの強度を測定するために設定されるアイドル時間を指す。このように、圧縮モードフレーム伝送の間にアイドル時間が挿入されることで、スロット化伝送が実現される。
【0010】
このような圧縮モード伝送では、アイドル時間とフレーム(圧縮モードフレーム)伝送時間との時間比に応じて送信電力が増加されるため、図36に示したように、通常伝送時のフレームに比べて圧縮モードフレームの方が高い送信電力で伝送される。これにより、圧縮モードでのフレーム伝送においても伝送品質を保つことができる。
【0011】
また、上記公報の他に、文献例として、下記非特許文献1がある。この文献には、拡散率を下げる場合の他、コーディングレートを増加させる場合、マルチコード伝送を用いる場合、または、16QAM等の多ビット伝送変調方式を用いる場合における圧縮モードの実現手法が開示されている。
【0012】
【特許文献1】特表平8−500475号公報「DS−CDMAシステムにおけるシームレス・ハンドオーバのための不連続送信」
【非特許文献1】Gustafsson,M.et al:“Compressed Mode Techniques for Inter−Frequency Measurements in a Wide−band DS−CDMA System”,Proc.of 8th IEEE PIMRC ’97.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、前述した特許文献1のような従来例においては、1フレーム単位かつ1フレーム内で並べ替えが行われるため、通常伝送時に比べてスロット化伝送時(圧縮モード時)の並べ替え時間は短縮されていた。それゆえ、並べ替えサイズが短くなって、受信側での復調劣化を招いてしまう、という問題があった。
【0014】
また、前述した非特許文献1のような従来例においては、圧縮モード伝送を用いる場合、並べ替えを行う時間長が短くなるため、フェージングに対する信号品質の劣化が大きくなること、および、無伝送時、TPC(送信電力制御)コマンドビットが伝送されないため、高速TPCを実現できないことによる信号品質の劣化が生じることがつぎの課題として残されていた。
【0015】
また、前述した特許文献1および非特許文献1のような従来例においては、圧縮モード伝送を行う場合に拡散率を下げることが示されているが、一般に拡散率を下げることは符号長の短い拡散符号を用いることを意味する。しかしながら、使用可能な拡散符号の数は符号長の2乗に比例するため、符号長の短い拡散符号の数は非常に少なく、圧縮モード伝送を実施するために貴重な拡散符号資源を消費してしまう、という問題があった。
【0016】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、伝送誤りの影響を最小限化するための並べ替え,送信電力制御,拡散符号割り当て方法等について圧縮モードによる信号品質の劣化を防止することが可能なスペクトル拡散通信装置およびスペクトル拡散通信方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるスペクトル拡散通信装置にあっては、通常モードの場合にフレームを連続的に受信し、圧縮モードの場合に圧縮された該フレームを間欠的に受信する符号分割多元接続システムに適用され、前記圧縮モード時に、圧縮されたフレームを間欠的に受信する圧縮/間欠受信手段と、前記圧縮モード期間中の無伝送時間に、他の周波数キャリアにおける、すべての基地局において共通かつ時間継続的に送信される第1サーチコードと、前記第1サーチコードと同一タイミングで送信かつ複数の数値パターンにより認識可能な第2サーチコードとを検出し、それらのサーチコードを所定の基準で判定するサーチコード検出判定手段と、前記間欠受信時に前記圧縮/間欠受信手段を選択し、前記無伝送時間に前記サーチコード検出判定手段を選択し、双方の動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記サーチコード検出判定手段にて検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードに基づいて、前記他の周波数キャリアとの同期を確立することにより、異周波数間ハンドオーバを制御することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、サーチコード検出判定手段にて検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードに基づいて、他の周波数キャリアとの同期を確立するようにしたので、効率的にW−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバを行うことができる。
【0019】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信装置において、前記制御手段は、1フレームの多くとも1/2時間の前期無伝送時間に、少なくとも1つの第1サーチコードを検出するための制御を行い、その後、前記無伝送時間を所定スロット単位にずらす処理を繰り返し、複数フレームを用いてすべての第2サーチコードの数値を検出するための制御を行い、検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードの数値パターンに基づいて、前記他の周波数キャリアとの同期を確立することにより、異周波数間ハンドオーバを制御することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、少なくとも1つの第1サーチコードを検出し、その後、前記無伝送時間を所定スロット単位にずらす処理を繰り返し、複数フレームを用いてすべての第2サーチコードの数値を検出し、検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードの数値パターンに基づいて、他の周波数キャリアとの同期を確立するようにしたので、より効率的にW−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバを行うことができる。
【0021】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信装置にあっては、複数フレーム間にわたり無伝送時間を配置可能とすることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、複数フレーム間にわたり無伝送時間を配置可能としたので、第2サーチコードを複数回検出可能となり、検出コードの信頼性を向上させることができる。
【0023】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信装置において、前記サーチコードの検出時、所定の信頼度を満足するサーチコードが得られない場合は、再度、当該箇所のサーチコードを検出することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、所定の信頼度を満足するサーチコードが得られない場合に、再度、当該箇所のサーチコードを検出することとしたので、信頼性の高い情報に基づいて同期を確立することができる。
【0025】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方法にあっては、通常モードの場合にフレームを連続的に受信し、圧縮モードの場合に圧縮されたフレームを間欠的に受信する符号分割多元接続システムに適用され、前記圧縮モード時に、圧縮されたフレームを間欠的に受信する圧縮/間欠受信手段と、前記圧縮モード期間中の無伝送時間に、他の通信システムにおける、周波数を合わせるための第1の情報と、同期をとるための第2の情報とを検出し、それら第1および第2の情報を所定の基準で判定する情報検出判定手段と、前記間欠受信時に前記圧縮/間欠受信手段を選択し、前記無伝送時間に前記情報検出判定手段を選択し、双方の動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記情報検出判定手段にて検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、前記他の通信システムとの同期を確立することにより、異周波数間ハンドオーバを制御することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、情報検出判定手段にて検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、他の通信システムとの同期を確立するようにしたので、効率的に異システム間ハンドオーバを行うことができる。
【0027】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方法において、前記制御手段は、1フレームの多くとも1/2時間の前期無伝送時間に、前記第1の情報を検出するための制御を行い、その後、前記検出された第1の情報から求められる既知のタイミングに基づいて、前記無伝送時間を設定し、前記第2の情報を検出するための制御を行い、検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、前記他の通信システムとの同期を確立することにより、異周波数間ハンドオーバを制御することを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、第1の情報を検出し、その後、検出された第1の情報から求められる既知のタイミングに基づいて、前記無伝送時間を設定し、第2の情報を検出し、検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、他の通信システムとの同期を確立するようにしたので、より効率的に異システム間ハンドオーバを行うことができる。
【0029】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方法にあっては、通常モードの場合にフレームを連続的に受信し、圧縮モードの場合に圧縮された該フレームを間欠的に受信する符号分割多元接続システムに適用され、1フレームの多くとも1/2時間の前期無伝送時間に、少なくとも1つの第1サーチコードを検出する第1サーチコード検出ステップと、その後、前記無伝送時間を所定スロット単位にずらす処理を繰り返し、複数フレームを用いてすべての第2サーチコードの数値を検出する第2サーチコード検出ステップと、を含み、検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードの数値パターンに基づいて、前記他の周波数キャリアとの同期を確立することにより、異周波数間ハンドオーバを行うことを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、少なくとも1つの第1サーチコードを検出し、その後、前記無伝送時間を所定スロット単位にずらす処理を繰り返し、複数フレームを用いてすべての第2サーチコードの数値を検出し、検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードの数値パターンに基づいて、他の周波数キャリアとの同期を確立するようにしたので、より効率的にW−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバを行うことができる。
【0031】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方法にあっては、複数フレーム間にわたり無伝送時間を配置可能とすることを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、複数フレーム間にわたり無伝送時間を配置可能としたので、第2サーチコードを複数回検出可能となり、検出コードの信頼性を向上させることができる。
【0033】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方法において、前記サーチコードの検出時、所定の信頼度を満足するサーチコードが得られない場合は、再度、当該箇所のサーチコードを検出することを特徴とする。
【0034】
この発明によれば、所定の信頼度を満足するサーチコードが得られない場合に、再度、当該箇所のサーチコードを検出することとしたので、信頼性の高い情報に基づいて同期を確立することができる。
【0035】
つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方法にあっては、通常モードの場合にフレームを連続的に受信し、圧縮モードの場合に圧縮されたフレームを間欠的に受信する符号分割多元接続システムに適用され、1フレームの多くとも1/2時間の前期無伝送時間に、周波数を合わせるための第1の情報を検出する第1情報検出ステップと、その後、前記検出された第1の情報から求められる既知のタイミングに基づいて、前記無伝送時間を設定し、同期をとるための第2の情報を検出する第2情報検出ステップと、を含み、検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、前記他の通信システムとの同期を確立することにより、異周波数間ハンドオーバを行うことを特徴とする。
【0036】
この発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、第1の情報を検出し、その後、検出された第1の情報から求められる既知のタイミングに基づいて、前記無伝送時間を設定し、第2の情報を検出し、検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、他の通信システムとの同期を確立するようにしたので、より効率的に異システム間ハンドオーバを行うことができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、サーチコード検出判定手段にて検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードに基づいて、他の周波数キャリアとの同期を確立するようにしたので、効率的にW−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバを行うことができる、という効果を奏する。
【0038】
つぎの発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、少なくとも1つの第1サーチコードを検出し、その後、前記無伝送時間を所定スロット単位にずらす処理を繰り返し、複数フレームを用いてすべての第2サーチコードの数値を検出し、検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードの数値パターンに基づいて、他の周波数キャリアとの同期を確立するようにしたので、より効率的にW−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバを行うことができる、という効果を奏する。
【0039】
つぎの発明によれば、複数フレーム間にわたり無伝送時間を配置可能としたので、第2サーチコードを複数回検出可能となり、検出コードの信頼性を向上させることができる、という効果を奏する。
【0040】
つぎの発明によれば、所定の信頼度を満足するサーチコードが得られない場合に、再度、当該箇所のサーチコードを検出することとしたので、信頼性の高い情報に基づいて同期を確立することができる、という効果を奏する。
【0041】
つぎの発明によれば、情報検出判定手段にて検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、他の通信システムとの同期を確立するようにしたので、効率的に異システム間ハンドオーバを行うことができる、という効果を奏する。
【0042】
つぎの発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、第1の情報を検出し、その後、検出された第1の情報から求められる既知のタイミングに基づいて、前記無伝送時間を設定し、第2の情報を検出し、検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、他の通信システムとの同期を確立するようにしたので、より効率的に異システム間ハンドオーバを行うことができる、という効果を奏する。
【0043】
つぎの発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、少なくとも1つの第1サーチコードを検出し、その後、前記無伝送時間を所定スロット単位にずらす処理を繰り返し、複数フレームを用いてすべての第2サーチコードの数値を検出し、検出される第1サーチコードおよび第2サーチコードの数値パターンに基づいて、他の周波数キャリアとの同期を確立するようにしたので、より効率的にW−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバを行うことができる、という効果を奏する。
【0044】
つぎの発明によれば、複数フレーム間にわたり無伝送時間を配置可能としたので、第2サーチコードを複数回検出可能となり、検出コードの信頼性を向上させることができる、という効果を奏する。
【0045】
つぎの発明によれば、所定の信頼度を満足するサーチコードが得られない場合に、再度、当該箇所のサーチコードを検出することとしたので、信頼性の高い情報に基づいて同期を確立することができる、という効果を奏する。
【0046】
つぎの発明によれば、1フレームの多くとも1/2時間の無伝送時間に、第1の情報を検出し、その後、検出された第1の情報から求められる既知のタイミングに基づいて、前記無伝送時間を設定し、第2の情報を検出し、検出される第1の情報および第2の情報に基づいて、他の通信システムとの同期を確立するようにしたので、より効率的に異システム間ハンドオーバを行うことができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下に、本発明にかかるスペクトル拡散通信装置およびスペクトル拡散通信方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0048】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるCDMAシステムを示すブロック図である。CDMAシステムは、送信機1Aおよび受信機2Aより構成され、基地局,移動局それぞれに設けられる。基地局と各移動局とは、CDMA通信方式により無線通信が行われる。
【0049】
送信機1Aは、図1に示したように、制御器11A、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13、フレーム化/拡散器14A、無線周波数送信器15などを備えている。制御器11Aは、主に、受信機2Aとのネゴシエーションを通じてインタリーバ13、フレーム化/拡散器14Aおよび無線周波数送信器15の動作を制御する。この制御器11Aは、受信機2Aとのネゴシエーションで通常モード(非圧縮モード)、圧縮モードそれぞれに適したインタリーバ対象をフレーム数で指示する。また、この制御器11Aは、フレーム化/拡散器14Aに対して、圧縮モード時に、拡散率の低減と圧縮モードフレームを送信するための送信タイミングとを指示する。また、この制御器11Aは、無線周波数送信器15に対して圧縮モードフレームを送信する際に平均送信電力の増加を指示する。
【0050】
誤り訂正符号化器12は、送信データ列を誤り訂正符号化して符号化データを得る。インタリーバ13は、例えば、フェージングにより送信信号の連続するビットが伝送時に失われた場合に伝送誤りの影響を最小限化できるようにするため、符号化データに対してビット単位で時間的順序の並べ替え(インタリーブ)を行う。
【0051】
このインタリーバ13は、2フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しており、制御器11Aからインタリーブ対象としてフレーム数“1”が指示された場合には通常モードによる1フレームのインタリーブを行い、一方、フレーム数“2”が指示された場合には圧縮モードによる2フレームに跨がるインタリーブを行う。
【0052】
フレーム化/拡散器14Aは、通常モード、圧縮モードそれぞれに応じてユーザ毎の拡散符号を用いて広帯域に拡散し、各モードに応じたフレームを形成する。このフレーム化/拡散器14Aは、制御器11Aから各モードに応じた送信タイミングを指示されると、その送信タイミングでフレームを無線周波数送信器15へ送出する。
【0053】
また、このフレーム化/拡散器14Aは、圧縮モードの際に、制御器11Aから拡散率の低減を指示され、その指示に応じて通常モードよりも低い拡散率を用いて送信信号を得る。無線周波数送信器15は、フレーム化/拡散器14Aで得られた送信信号を無線周波数に変換して送信する。この無線周波数送信器15は、制御器11Aの制御に従って通常モード時に比べて圧縮モード時の平均送信電力を増加して送信信号を出力する。
【0054】
受信機2Aは、図1に示したように、制御器21A、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23、デフレーム化/逆拡散器24A、無線周波数受信器25などを備えている。制御器21Aは、主に、送信機1Aとのネゴシエーションを通じてデインタリーバ23およびデフレーム化/逆拡散器24Aの動作を制御する。この制御器21Aは、送信機1Aとのネゴシエーションで通常モード、圧縮モードそれぞれに適したデインタリーバ対象をフレーム数で指示する。また、この制御器21Aは、デフレーム化/逆拡散器24Aに対して、圧縮モード時に、拡散率の低減と圧縮モードフレームを受信するための受信タイミングとを指示する。
【0055】
無線周波数受信器25は、図示せぬアンテナから送られてくる受信信号を復調する。デフレーム化/逆拡散器24Aは、通常モード、圧縮モードそれぞれに応じて当該受信機2Aのユーザに割り当てられた拡散符号を用いて逆拡散し、各モードに応じたフレームを形成する。このデフレーム化/逆拡散器24Aは、制御器21Aから各モードに応じた受信タイミングを指示されると、その受信タイミングで受信信号を無線周波数受信器25から取り込む。また、このデフレーム化/逆拡散器24Aは、圧縮モードの際に、制御器21Aから拡散率の低減を指示され、その指示に応じて通常モードよりも低い拡散率を用いて受信信号を得る。
【0056】
デインタリーバ23は、送信機1Aでのインタリーブとは逆の順序で、符号化データに対してビット単位で時間的順序の並べ替え(デインタリーブ)を行う。このデインタリーバ23は、前述のインタリーバ13と同様に2フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しており、制御器21Aからデインタリーブ対象としてフレーム数“1”が指示された場合には通常モードによる1フレームのデインタリーブを行い、一方、フレーム数“2”が指示された場合には圧縮モードによる2フレームに跨がるデインタリーブを行う。誤り訂正復号化器22は、デインタリーブされた信号を誤り訂正復号化して復号化データすなわち受信データ列を得る。
【0057】
つぎに、インタリーバ13およびデインタリーバ23について説明する。図2は、本実施の形態1によるインタリーバのメモリ配分を説明する図であり、同図(a)は通常モード時の使用面積を表し、同図(b)は圧縮モード時の使用面積を表している。図2には、インタリーバ13に設けられたメモリ131Aが示されている。なお、デインタリーバ23も、インタリーバ13と同様のメモリサイズをもつメモリを備えている。実施の形態1では、圧縮モードの際に、2フレームに跨ってインタリーブを行うため、2フレーム分のインタリーブサイズに対応して2フレーム分のメモリサイズがインタリーバ13、デインタリーバ23それぞれに設定される。
【0058】
インタリーブでは、通常モードの際に(図2(a)参照)、メモリ131Aのうち、1フレーム(半分)だけが使用され、その1フレーム内でインタリーブが行われる。これに対して、圧縮モードの際には(図2(b)参照)、メモリ131Aのうち、2フレーム(全部)すべてが使用され、その2フレーム内でインタリーブが行われる。なお、デインタリーバ23においても、インタリーブと同様に、モードに応じてメモリの使用面積が変更される。
【0059】
つぎに、圧縮モードを含むフレーム伝送について説明する。図3は、本実施の形態1による下りリンクのフレーム伝送を説明するための図である。図3において、縦軸は伝送速度/送信電力を表し、横軸は時間を表している。また、図3において、Fはフレームを示す。CDMAシステムでは、通常伝送時に、フレームをスロット化して間欠的に送信する期間を設け、その期間中の無伝送時間を利用して他の周波数キャリアの強度が測定される。
【0060】
そのためには、スロット化されたフレームを圧縮する必要があるが、図3に示したように、圧縮されたフレームを送信する時間は通常伝送時の半分となる。この場合、通常伝送時と同じようにインタリーブを行っていては、インタリーブ時間が半分程度しかとれず、十分なインタリーブ効果を得ることが不可能となる。
【0061】
そこで、不足するインタリーブ対象時間を確保するため、送信機1Aおよび受信機2Aでは、それぞれ圧縮モードに際しては、インタリーバ13、デインタリーバ23それぞれのメモリの使用面積を倍にして2フレームに跨ってインタリーブを行うようにする。なお、圧縮モード時に必要なインタリーブ時間は、1フレームのサイズと圧縮モードフレームとの比から容易に求めることができる。
【0062】
つぎに、送信機1Aによる送信動作について説明する。図4は、通常モード時の送信動作を説明するフローチャートであり、図5は、圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。図4および図5の動作は、制御器11Aの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。
【0063】
通常モードでは(図4参照)、フレーム数“1”がインタリーバ13に対して指示され(ステップS101)、インタリーバ13では、1フレームによるインタリーブが行われる。そして、時間が1フレームタイミングに達すると(ステップS102)、フレーム化/拡散器14Aに対して送信タイミングが指示される(ステップS103)。このようにして、通常モード時には、フレームが連続して送信される。
【0064】
また、圧縮モードでは(図5参照)、複数フレームすなわちフレーム数“2”がインタリーバ13に対して指示され(ステップS111)、インタリーバ13では、2フレームに跨ってインタリーブが行われる。そして、時間が1フレームの半分すなわち圧縮モードフレームタイミングに達すると(ステップS112)、フレーム化/拡散器14Aに対して拡散率の低減と送信タイミングとが指示される(ステップS113)。さらに、無線周波数送信器15に対して平均送信電力の増加が指示され(ステップS114)、圧縮モードフレームについては高い送信電力でフレーム伝送が行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に送信される。
【0065】
つぎに、受信機2Aによる受信動作について説明する。図6は、通常モード時の受信動作を説明するフローチャートであり、図7は、圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。図6および図7の動作は、制御器21Aの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。
【0066】
通常モードでは(図6参照)、時間が1フレームタイミングに達すると(ステップS121)、デフレーム化/逆拡散器24Aに対して受信タイミングが指示される(ステップS122)。そして、フレーム数“1”がデインタリーバ23に対して指示され(ステップS123)、デインタリーバ23では、1フレームによるデインタリーブが行われる。このようにして、通常モード時には、フレームが連続して受信される。
【0067】
また、圧縮モードでは(図7参照)、時間が1フレームの半分すなわち圧縮モードフレームタイミングに達すると(ステップS131)、デフレーム化/逆拡散器24Aに対して拡散率の低減と受信タイミングとが指示される(ステップS132)。そして、複数フレームすなわちフレーム数“2”がデインタリーバ23に対して指示され(ステップS133)、デインタリーバ23では、2フレームに跨ってデインタリーブが行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に受信される。
【0068】
以上説明したように、実施の形態1によれば、圧縮モードの際に、伝送誤りの影響を最小限化するために複数のフレームに跨がるビット単位のインタリーブを制御するようにしたので、圧縮モードでも通常モードと同様に適正なインタリーブ対象時間を確保することができる。これにより、ビット単位のインタリーブによる性能劣化を防止することが可能である。
【0069】
また、圧縮モード時にインタリーブ対象とするフレーム数に応じたサイズのメモリを用いるようにしたので、圧縮モードの際に伝送誤りの影響を最小限化できる程度のフレーム数でビット単位のインタリーブを行うことが可能である。
【0070】
実施の形態2.
さて、前述した実施の形態1では、圧縮モード時のインタリーブおよびデインタリーブのためにメモリを増強してインタリーブサイズに応じた適切なインタリーブ対象時間を確保するようにしたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態2のように、メモリの増強なしに、圧縮モードフレームの送信方法を変えることで適切なインタリーブ対象時間を確保するようにしてもよい。なお、本実施の形態2は全体構成を前述した実施の形態1と同様とするため、以下の説明では、構成および動作について相違する部分についてのみ説明する。また、構成上の符号については、同一構成については同様の符号を付す。
【0071】
ここでは、主要な構成についてのみ説明する。図8は、本発明の実施の形態2によるCDMAシステムの要部を示すブロック図である。本実施の形態2のCDMAシステムにおいて、前述した実施の形態1との相違部分は、送信機のインタリーバ13がもつメモリ131Bのサイズが1フレーム分という点である。また、図示はしていないが、受信機のデインタリーバ23がもつメモリのサイズもインタリーバ13に合わせて1フレーム分となる。
【0072】
つぎに、圧縮モードを含むフレーム伝送について説明する。図9は、実施の形態2による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。図9において、縦軸は伝送速度/送信電力を表し、横軸は時間が表されている。CDMAシステムでは、通常伝送時に、フレームをスロット化して間欠的に送信する期間を設け、その期間中の無伝送時間を利用して他の周波数キャリアの強度が測定される。そのためには、スロット化されたフレームを圧縮する必要があるが、通常伝送時と同じようにインタリーブを行っていては、インタリーブ時間が十分にとれず、十分なインタリーブ効果を得ることが不可能となる。
【0073】
そこで、圧縮フレームの送信時間を分割して一方をフレーム枠の先頭に、他方を同じフレーム枠の末尾に割り当て、所要のインタリーブ対象時間を確保する。受信機では、この作業が逆となる。なお、圧縮モード時に必要なインタリーブ時間は、前述した実施の形態1と同様に、1フレームのサイズと圧縮モードフレームとの比から容易に求めることができる。
【0074】
つぎに、動作について説明する。ここでは、圧縮モードについてのみ説明する。図10は、圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートであり、図11は、圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。送信機による圧縮モードでは(図10参照)、1フレームでのインタリーブがインタリーバ13に対して指示され(ステップS201)、インタリーバ13では1フレームでインタリーブが行われる。
【0075】
そして、時間が1フレームタイミングの前後いずれか一方のタイミングに達すると(ステップS202)、フレーム化/拡散器14Aに対して送信タイミングが指示される(ステップS203)。さらに、無線周波数送信器15に対して平均送信電力の増加が指示され(ステップS204)、圧縮モードフレームについては高い送信電力でフレーム伝送が行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に送信される。
【0076】
一方、受信機による圧縮モードでは(図11参照)、時間が1フレームタイミングの前後いずれか一方のタイミングに達すると(ステップS211)、デフレーム化/逆拡散器24Aに対して受信タイミングが指示される(ステップS212)。そして、1フレーム分の信号を受信した後、1フレームによるデインタリーブがデインタリーバ23に対して指示され(ステップS213)、デインタリーバ23では1フレームでデインタリーブが行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に受信される。
【0077】
以上説明したように、実施の形態2によれば、圧縮モードの際に、ビット単位のインタリーブが行われたフレームを圧縮して通常モード時と同じフレームタイミングの前後に分けて配置し、その配置に従って間欠送信を行うようにしたので、簡易なインタリーブ構成により圧縮モードでも通常モードと同様に適正なインタリーブ対象時間を確保することができる。これにより、ビット単位のインタリーブによる性能劣化を防止することが可能である。
【0078】
また、実施の形態2でも、図2に示したメモリサイズを用意して、圧縮モードの際に、複数のフレームに跨がるビット単位のインタリーブを制御するようにしてもよい。この場合にも、前述した実施の形態1と同様に、圧縮モードでも通常モードと同様に適正なインタリーブ対象時間を確保することができ、これにより、ビット単位のインタリーブによる伝送誤りをより低減することが可能である。
【0079】
実施の形態3.
さて、前述した実施の形態1では、圧縮モード時のインタリーブおよびデインタリーブのためにメモリを増強してインタリーブサイズに応じた適切なインタリーブ対象時間を確保するようにしたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態3のように、メモリの増強なしに、前述した実施の形態2とは異なる圧縮モードフレームの送信方法で適切なインタリーブ対象時間を確保するようにしてもよい。なお、本実施の形態3は全体構成を前述した実施の形態2と同様とするため、以下の説明では、動作について相違する部分についてのみ説明する。
【0080】
まず、圧縮モードを含むフレーム伝送について説明する。図12は、本実施の形態3による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。図12において、縦軸は伝送速度/送信電力を表し、横軸は時間が表されている。CDMAシステムでは、通常伝送時に、フレームをスロット化して間欠的に送信する期間を設け、その期間中の無伝送時間を利用して他の周波数キャリアの強度が測定される。そのためには、スロット化されたフレームを圧縮する必要があるが、通常伝送時と同じようにインタリーブを行っていては、インタリーブ時間が十分にとれず、十分なインタリーブ効果を得ることが不可能となる。
【0081】
そこで、圧縮フレームの送信時間を複数スロット毎に分割し、無伝送時間(測定用アイドル時間)を送信電力制御に影響を与えない程度に抑え、所要のインタリーブ対象時間を確保する。受信機では、この作業が逆となる。なお、圧縮モード時に必要なインタリーブ時間は、前述した実施の形態1と同様に、1フレームのサイズと圧縮モードフレームとの比から容易に求めることができる。
【0082】
また、圧縮モード時の送信単位となるスロット数N(Nは自然数)は、他の周波数キャリア強度の観測時間と送信電力制御誤差との関係に応じて決定される。例えば、N=1の場合には1スロット毎、N=2の場合には2スロット毎、N=4の場合には4スロット毎となる。ここで、N=1,2,4は一例であり、これ以外のスロット数もとりうることを述べておく。
【0083】
つぎに、動作について説明する。ここでは、圧縮モードについてのみ説明する。図13は、圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートであり、図14は、圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。送信機による圧縮モードでは(図13参照)、1フレームでのインタリーブがインタリーバ13に対して指示され(ステップS301)、インタリーバ13では1フレームでインタリーブが行われる。
【0084】
そして、時間が圧縮モード時の送信単位となるNスロットタイミングに達すると(ステップS302)、フレーム化/拡散器14Aに対して送信タイミングが指示される(ステップS303)。さらに、無線周波数送信器15に対して平均送信電力の増加が指示され(ステップS304)、圧縮モードフレームについては高い送信電力でフレーム伝送が行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に送信される。
【0085】
一方、受信機による圧縮モードでは(図14参照)、時間がNスロットタイミングに達すると(ステップS311)、デフレーム化/逆拡散器24Aに対して受信タイミングが指示される(ステップS312)。そして、1フレーム分の信号を受信した後、1フレームによるデインタリーブがデインタリーバ23に対して指示され(ステップS313)、デインタリーバ23では1フレームでデインタリーブが行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に受信される。
【0086】
以上説明したように、実施の形態3によれば、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームをスロット化してそれぞれをNスロット単位で間欠的に送信するようにしたので、下りリンクで送信される送信電力制御ビットを比較的短時間間隔で受信することができる。このように、Nスロット毎のオン/オフ制御を行うことで、送信電力制御誤差を低く抑えることが可能である。
【0087】
特に、Nスロット単位を他の周波数キャリア強度の観測時間と送信電力制御誤差との関係に応じて決定するようにしたので、他の周波数キャリア強度を確実に観測できる時間を確保することが可能であり、かつ、送信電力制御誤差を低く抑えることが可能である。
【0088】
また、実施の形態3でも、図2に示したメモリサイズを用意して、圧縮モードの際に、複数のフレームに跨がるビット単位のインタリーブを制御するようにしてもよい。この場合にも、前述した実施の形態1と同様に、圧縮モードでも通常モードと同様に適正なインタリーブ対象時間を確保することができ、これにより、ビット単位のインタリーブによる伝送誤りをより低減することが可能である。
【0089】
実施の形態4.
さて、前述した実施の形態1〜3では、通常モードと圧縮モードのフレームタイミングを変更するようにしていたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態4のように、圧縮モードでも通常モードと同じフレームタイミングで間欠送信するようにしてもよい。
【0090】
まず、CDMAシステムの構成について説明する。図15は、本発明の実施の形態4によるCDMAシステムを示すブロック図である。CDMAシステムは、送信機1Bおよび受信機2Bより構成され、基地局,移動局それぞれに設けられる。基地局と各移動局とは、CDMA通信方式により無線通信が行われる。
【0091】
送信機1Bは、図15に示したように、制御器11B、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13、フレーム化/拡散器14B、無線周波数送信器15などを備えている。制御器11Bは、主に、受信機2Bとのネゴシエーションを通じてインタリーバ13、フレーム化/拡散器14Bおよび無線周波数送信器15の動作を制御する。この制御器11Bは、フレーム化/拡散器14Bに対して、圧縮モード時に、マルチコード多重対象の複数フレームに対するマルチコード伝送と圧縮モードフレームを送信するための送信タイミングとを指示する。
【0092】
なお、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13および無線周波数送信器15は、前述した実施の形態1と同様のため、説明を省略する。ただし、インタリーバ13については、1フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しているものとする。
【0093】
フレーム化/拡散器14Bは、通常モード、圧縮モードそれぞれに応じてユーザ毎の拡散符号を用いて広帯域に拡散し、各モードに応じたフレームを形成する。このフレーム化/拡散器14Bは、制御器11Bから各モードに応じた送信タイミングを指示されると、その送信タイミングでフレームを無線周波数送信器15へ送出する。また、このフレーム化/拡散器14Bは、圧縮モードの際に、制御器11Bからマルチコード伝送を指示されると、その指示に応じてインタリーブ後の2フレーム分のマルチコード多重を行う。
【0094】
このフレーム化/拡散器14Bは、2フレーム分のマルチコード多重化を行うため、1フレーム分のメモリを有している。すなわち、インタリーバ13とフレーム化/拡散器14Bとにそれぞれ1フレーム分のメモリが設けられ、合計2フレーム分のメモリサイズにより2フレーム分のマルチコード多重化を実現することができる。
【0095】
受信機2Bは、図15に示したように、制御器21B、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23、デフレーム化/逆拡散器24B、無線周波数受信器25などを備えている。制御器21Bは、主に、送信機1Bとのネゴシエーションを通じてデインタリーバ23およびデフレーム化/逆拡散器24Bの動作を制御する。この制御器21Bは、デフレーム化/逆拡散器24Bに対して、圧縮モード時に、マルチコード伝送と圧縮モードフレームを受信するための受信タイミングとを指示する。
【0096】
なお、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23および無線周波数受信器25は、前述した実施の形態1と同様のため、説明を省略する。ただし、デインタリーバ23については、1フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しているものとする。
【0097】
デフレーム化/逆拡散器24Bは、前述したフレーム化/逆拡散器14Bと同様にデフレーム化のために1フレーム分のメモリを備える。このデフレーム化/逆拡散器24Bは、制御器21Bから各モードに応じた受信タイミングを指示されると、その受信タイミングで受信信号を無線周波数受信器25から取り込む。また、このデフレーム化/逆拡散器24Bは、圧縮モードの際に、制御器21Bからマルチコード伝送を指示されると、その指示に応じて逆拡散後のデータをフレーム単位に分離して、順次フレームをデインタリーバ23へ出力する。
【0098】
つぎに、フレーム化/拡散器14Bおよびデフレーム化/逆拡散器24Bの主要な構成について説明する。図16は本実施の形態4によるフレーム化/拡散器14Bのメモリ配分を説明する図であり、同図(a)は通常モード時の使用面積を表し、同図(b)は圧縮モード時の使用面積を表している。図16には、フレーム化/拡散器14Bに設けられたメモリ141Aが示されている。なお、デフレーム化/逆拡散器24Bも、フレーム化/拡散器14Bと同様のメモリサイズをもつメモリを備えている。
【0099】
本実施の形態4では、圧縮モードの際に、2フレームに跨ってマルチコード多重を行うため、2フレーム分のマルチコード多重化サイズに対応して1フレーム分のメモリサイズがフレーム化/拡散器14Bおよびデフレーム化/逆拡散器24Bそれぞれに設定される。実際には、インタリーバ13、デインタリーバ23の各1フレーム分のメモリにより2フレーム分のフレーム化、デフレーム化を実現することができる。
【0100】
通常モードの際には(図16(a)参照)、マルチコード多重が不用のため、メモリ141Aは使用されず、インタリーバ13でインタリーブされたデータに基づいてフレーム化などが行われる。これに対して、圧縮モードの際には(図16(b)参照)、マルチコード多重化のため、2フレーム分のメモリサイズが必要となり、インタリーバ13のメモリとともにフレーム化/拡散器14Bのメモリ141Aが使用される。なお、デフレーム化/逆拡散器24Bにおいても、同様に、モードに応じてメモリの使用可否が変更される。
【0101】
つぎに、圧縮モードを含むフレーム伝送について説明する。図17は、実施の形態4による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。図17において、縦軸は伝送速度/送信電力を表し、横軸は時間が表されている。また、図17において、Fはフレームを示す。CDMAシステムでは、通常伝送時に、フレームをスロット化して間欠的に送信する期間を設け、その期間中の無伝送時間を利用して他の周波数キャリアの強度が測定される。
【0102】
そのためには、スロット化されたフレームを圧縮する必要があるが、従来方式では、圧縮されたフレームを送信する時間は通常伝送時の半分となる。この場合、通常伝送時と同じようにインタリーブを行っていては、インタリーブ対象時間が半分程度しかとれず、十分なインタリーブ効果を得ることが不可能となる。
【0103】
そこで、圧縮モードでも通常モードと同じインタリーブ対象時間を確保するため、送信機1Bでは、圧縮モード時に、インタリーブを通常モードと同じサイズで行い、フレームタイミングで複数のフレームについてマルチコード多重する。例えば、図17の例では、通常伝送(通常モード)時に、フレーム#1,#2の順でインタリーブ後のフレーム伝送が行われ、その後、スロット化伝送(圧縮モード)時になると、個別にインタリーブされたフレーム#3および#4をまとめてマルチコード多重化した圧縮フレームが伝送される。
【0104】
つぎに、動作について説明する。通常モードによる送受信は従来方式と同様のため、説明を省略する。まず、送信機1Bによる送信動作について説明する。図18は、圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。図18の動作は、制御器11Bの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。圧縮モードでは、1フレームによるインタリーブがインタリーバ13に対して指示され(ステップS401)、インタリーバ13では1フレームでインタリーブが行われる。
【0105】
そして、時間がマルチコード伝送のために任意に与えられたフレームタイミングに達すると(ステップS402)、フレーム化/拡散器14Bに対してマルチコード伝送と送信タイミングとが指示される(ステップS403)。これにより、フレーム化/拡散器14Bでは、2フレームによるマルチコード多重化が行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に送信される。
【0106】
つぎに、受信機2Bによる受信動作について説明する。図19は、圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。図19の動作は、制御器21Bの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。圧縮モードでは、時間が前述のマルチコード伝送のためのフレームタイミングに達すると(ステップS411)、デフレーム化/逆拡散器24Bに対してマルチコード多重化された受信データのフレーム分離と受信タイミングとが指示される(ステップS412)。
【0107】
そして、分離された各フレームによるデインタリーブがデインタリーバ23に対して指示され(ステップS413)、デインタリーバ23では1フレームでデインタリーブが行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に受信される。
【0108】
以上説明したように、実施の形態4によれば、圧縮モードの際に、伝送誤りの影響を最小限化するためにビット単位のインタリーブが行われた複数のフレームを任意のフレームタイミングで符号分割多重して圧縮してから間欠的に送信するようにしたので、圧縮モードでも通常モードと同様の構成で同様の適正なインタリーブ対象時間を確保することができる。このように、圧縮モードフレーム毎のオン/オフ制御を行うことで、ビット単位のインタリーブによる性能劣化を防止することが可能である。
【0109】
また、圧縮モード時にマルチコード多重の対象とするフレーム数に応じたサイズのメモリを用いるようにしたので、圧縮モードの際に欠落なく確実にマルチコード多重を実現することが可能である。
【0110】
また、実施の形態4でも、前述した実施の形態1のように、圧縮モードの際に、複数のフレームに跨がるビット単位のインタリーブを制御するようにしてもよい。この場合には、インタリーバおよびデインタリーバのメモリを増強して圧縮モードにより通常モードよりも長いインタリーブ対象時間を確保することができる。これにより、ビット単位のインタリーブによる伝送誤りをより低減することが可能である。特に、マルチコード伝送したフレームを他のフレームを交えてインタリーブを行えば、マルチコード伝送した複数のフレームが同じ箇所で誤っている状態を分散することができ、誤り訂正符号化による訂正能力を向上することが可能である。
【0111】
実施の形態5.
さて、前述した実施の形態1〜4では、圧縮モードにおいて情報の欠落なくフレーム伝送するために送信電力を上げるようにしていたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態5のように、送信電力量による他ユーザチャネルへの干渉を考慮して送信電力量を決定するようにしてもよい。
【0112】
まず、CDMAシステムの構成について説明する。図20は、本発明の実施の形態5によるCDMAシステムを示すブロック図である。CDMAシステムは、送信機1Cおよび受信機2Cより構成され、基地局,移動局それぞれに設けられる。基地局と各移動局とは、CDMA通信方式により無線通信が行われる。
【0113】
送信機1Cは、図20に示したように、制御器11C、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13、フレーム化/拡散器14C、無線周波数送信器15などを備えている。制御器11Cは、主に、受信機2Cとのネゴシエーションを通じてインタリーバ13、フレーム化/拡散器14Cおよび無線周波数送信器15の動作を制御する。この制御器11Cは、フレーム化/拡散器14Cに対して、圧縮モード時に、情報速度の低下と圧縮モードフレームを送信するための送信タイミングとを指示する。また、この制御器11Cは、無線周波数送信器15に対して圧縮モードでも送信電力を上げる指示を発しない点で前述の実施の形態1〜4とは相違する。
【0114】
なお、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13および無線周波数送信器15は、前述した実施の形態1と同様のため、説明を省略する。ただし、インタリーバ13については、1フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しているものとする。
【0115】
フレーム化/拡散器14Cは、通常モード、圧縮モードそれぞれに応じてユーザ毎の拡散符号を用いて広帯域に拡散し、各モードに応じたフレームを形成する。このフレーム化/拡散器14Cは、制御器11Cから各モードに応じた送信タイミングを指示されると、その送信タイミングでフレームを無線周波数送信器15へ送出する。また、このフレーム化/拡散器14Cは、圧縮モードの際に、制御器11Cから情報速度の低下を指示されると、その指示に応じて不十分なインタリーブ後のフレームを圧縮して圧縮モードフレームを形成する。
【0116】
受信機2Cは、図20に示したように、制御器21C、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23、デフレーム化/逆拡散器24C、無線周波数受信器25などを備えている。制御器21Cは、主に、送信機1Cとのネゴシエーションを通じてデインタリーバ23およびデフレーム化/逆拡散器24Cの動作を制御する。この制御器21Cは、デフレーム化/逆拡散器24Cに対して、圧縮モード時に、情報速度の低下と圧縮モードフレームを受信するための受信タイミングとを指示する。
【0117】
なお、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23および無線周波数受信器25は、前述した実施の形態1と同様のため、説明を省略する。ただし、デインタリーバ23については、1フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しているものとする。
【0118】
デフレーム化/逆拡散器24Cは、制御器21Cから各モードに応じた受信タイミングを指示されると、その受信タイミングで受信信号を無線周波数受信器25から取り込む。また、このデフレーム化/逆拡散器24Cは、圧縮モードの際に、制御器21Cから情報速度の低下を指示されると、その指示に応じて情報速度を落としてデフレーム化および逆拡散を行い、順次フレームをデインタリーバ23へ出力する。
【0119】
つぎに、圧縮モードを含むフレーム伝送について説明する。図21は、実施の形態5による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。図21において、縦軸は伝送速度/送信電力を表し、横軸は時間が表されている。CDMAシステムでは、通常伝送時に、フレームをスロット化して間欠的に送信する期間を設け、その期間中の無伝送時間を利用して他の周波数キャリアの強度が測定される。そのためには、スロット化されたフレームを圧縮する必要があるが、従来方式では、圧縮されたフレームを送信するときの送信電力は増加される。この場合、他のユーザチャネルへの干渉電力量が増え、伝送劣化を伴うことになる。
【0120】
そこで、図21のように、圧縮モードでも通常モードと同じ送信電力を確保し、その分、情報速度を落とすことで、インタリーブされた送信フレームを複数の圧縮モードフレームに渡って伝送すれば、干渉を抑えた周波数間ハンドオーバを実現することができる。
【0121】
つぎに、動作について説明する。通常モードによる送受信は従来方式と同様のため、説明を省略する。まず、送信機1Cによる送信動作について説明する。図22は、圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。図22の動作は、制御器11Cの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。圧縮モードでは、1フレームによるインタリーブがインタリーバ13に対して指示され(ステップS501)、インタリーバ13では1フレームでインタリーブが行われる。
【0122】
そして、時間が圧縮モードフレームタイミングに達すると(ステップS502)、フレーム化/拡散器14Cに対して情報速度の低下と送信タイミングとが指示される(ステップS503)。これにより、圧縮モードタイミングで情報速度を落とした伝送が行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に送信される。
【0123】
つぎに、受信機2Cによる受信動作について説明する。図23は、圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。図23の動作は、制御器21Cの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。圧縮モードでは、時間が圧縮モードフレームタイミングに達すると(ステップS511)、デフレーム化/逆拡散器24Cに対して情報速度の低下と受信タイミングとが指示される(ステップS512)。
【0124】
そして、1フレームによるデインタリーブがデインタリーバ23に対して指示され(ステップS513)、デインタリーバ23では1フレームでデインタリーブが行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に受信される。
【0125】
以上説明したように、実施の形態5によれば、圧縮モードの際に、通常モード時と同じ送信電力を用いて通常モード時の伝送速度よりも低い伝送速度で圧縮されたフレームを間欠的に送信するようにしたので、周波数ハンドオーバ中、同一周波数の他ユーザへの干渉電力量が低減される。これにより、干渉を抑えた周波数間ハンドオーバを実現することが可能である。
【0126】
また、実施の形態5でも、前述した実施の形態2のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームを通常モード時と同じフレームタイミングの前後に分けて配置し、その配置に従って間欠送信を行うようにしてもよく、これによれば、簡易なインタリーブ構成により圧縮モードでも通常モードと同様に適正なインタリーブ対象時間を確保することができる。その結果、ビット単位のインタリーブによる性能劣化を防止することが可能である。
【0127】
また、実施の形態5でも、前述した実施の形態3のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームをスロット化してそれぞれをNスロット単位で間欠的に送信するようにしてもよく、これによれば、下りリンクで送信される送信電力制御ビットを比較的短時間間隔で受信することができる。その結果、送信電力制御誤差を低く抑えることが可能である。
【0128】
実施の形態6.
さて、前述した実施の形態5では、1フレームについてインタリーブを行うようにしていたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態6のように、複数フレームに跨ってインタリーブを行ってインタリーブ時間の短縮を防止するようにしてもよい。なお、実施の形態6は、前述した実施の形態1の如くインタリーバのメモリサイズを増強する点を除けば、前述した実施の形態5と全体構成を同様としており、以下に、動作上の相違についてのみ説明する。
【0129】
そこで、圧縮モードを含むフレーム伝送について説明する。図24は、実施の形態6による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。図24において、縦軸は伝送速度/送信電力を表し、横軸は時間が表されている。前述した実施の形態5との相違は、図24に示したように、インタリーブを複数のフレームすなわち圧縮モードフレームが1/2フレームであれば2フレームに跨って行う点にある。これにより、インタリーブ時間の短縮化による復調劣化を抑えることができる。
【0130】
つぎに、動作について説明する。通常モードによる送受信は従来方式と同様のため、説明を省略する。まず、実施の形態6の送信機による送信動作について説明する。図25は、圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。図25の動作は、制御器11Cの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。圧縮モードでは、2フレームに跨ってのインタリーブがインタリーバ13に対して指示され(ステップS601)、インタリーバ13では2フレームでインタリーブが行われる。
【0131】
そして、時間が圧縮モードフレームタイミングに達すると(ステップS602)、フレーム化/拡散器14Cに対して情報速度の低下と送信タイミングとが指示される(ステップS603)。これにより、圧縮モードタイミングで情報速度を落とした伝送が行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に送信される。
【0132】
つぎに、実施の形態6の受信機による受信動作について説明する。図26は、圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。図26の動作は、制御器21Cの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。圧縮モードでは、時間が圧縮モードフレームタイミングに達すると(ステップS611)、デフレーム化/逆拡散器24Cに対して情報速度の低下と受信タイミングとが指示される(ステップS612)。
【0133】
そして、2フレームに跨ってのデインタリーブがデインタリーバ23に対して指示され(ステップS613)、デインタリーバ23では2フレームに跨ってデインタリーブが行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に受信される。
【0134】
以上説明したように、実施の形態6によれば、前述した実施の形態5において、圧縮モードの際に、複数のフレームに跨がるビット単位の並べ替えを制御するようにしたので、圧縮モードでも通常モードと同様に適正な並べ替え時間を確保することができる。これにより、ビット単位の並べ替えによる伝送誤りをより低減することが可能である。
【0135】
また、実施の形態6でも、前述した実施の形態2のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームを通常モード時と同じフレームタイミングの前後に分けて配置し、その配置に従って間欠送信を行うようにしてもよく、これによれば、簡易なインタリーブ構成により圧縮モードでも通常モードと同様に適正なインタリーブ対象時間を確保することができる。その結果、ビット単位のインタリーブによる性能劣化を防止することが可能である。
【0136】
また、実施の形態6でも、前述した実施の形態3のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームをスロット化してそれぞれをNスロット単位で間欠的に送信するようにしてもよく、これによれば、下りリンクで送信される送信電力制御ビットを比較的短時間間隔で受信することができる。その結果、送信電力制御誤差を低く抑えることが可能である。
【0137】
実施の形態7.
さて、前述した実施の形態1〜6では、圧縮モード時の伝送劣化の防止機能について説明していたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態7のように、送信電力制御について送信電力制御量にバリエーションをもたせるようにしてもよい。
【0138】
まず、CDMAシステムの構成について説明する。図27は、本発明の実施の形態7によるCDMAシステムを示すブロック図である。CDMAシステムは、送信機1Dおよび受信機2Dより構成され、基地局,移動局それぞれに設けられる。基地局と各移動局とは、CDMA通信方式により無線通信が行われる。
【0139】
送信機1Dは、図27に示したように、制御器11D、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13、フレーム化/拡散器14D、無線周波数送信器15などを備えている。制御器11Dは、主に、受信機2Dとのネゴシエーションを通じてインタリーバ13、フレーム化/拡散器14Dおよび無線周波数送信器15の動作を制御する。この制御器11Dは、フレーム化/拡散器14Dに対して、圧縮モード時に送信タイミングなどの圧縮フレーム情報を供給する。また、この制御器11Dは、受信機2Dから上りリンクで受け取る受信電力情報およびTPCビット情報に基づいて無線周波数送信器15に対して送信電力の増減を指示する。
【0140】
なお、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13および無線周波数送信器15は、前述した実施の形態1と同様のため、説明を省略する。ただし、インタリーバ13については、1フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しているものとする。また、無線周波数送信器15は、制御器11Dの送信電力増減指示に応じて送信電力を増減して送信信号を出力する。
【0141】
フレーム化/拡散器14Dは、通常モード、圧縮モードそれぞれに応じてユーザ毎の拡散符号を用いて広帯域に拡散し、各モードに応じたフレームを形成したり、制御器11Dから各モードに応じた送信タイミングを指示されると、その送信タイミングでフレームを無線周波数送信器15へ送出するなどの動作を受け持っている。
【0142】
受信機2Dは、図27に示したように、制御器21D、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23、デフレーム化/逆拡散器24D、無線周波数受信器25などを備えている。制御器21Dは、主に、送信機1Dとのネゴシエーションを通じてデインタリーバ23およびデフレーム化/逆拡散器24Dの動作を制御する。この制御器21Dは、デフレーム化/逆拡散器24Dに対して、圧縮モード時に圧縮モードフレームを受信するための受信タイミングなどの圧縮フレーム情報を供給する。
【0143】
なお、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23および無線周波数受信器25は、前述した実施の形態1と同様のため、説明を省略する。ただし、デインタリーバ23については、1フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有しているものとする。また、無線周波数受信器25は、受信信号を受信した際に、その受信電力を示す情報(受信電力情報)を制御器21Dへ通知する。
【0144】
デフレーム化/逆拡散器24Dは、制御器21Dから各モードに応じた受信タイミングを指示されると、その受信タイミングで受信信号を無線周波数受信器25から取り込む。また、このデフレーム化/逆拡散器24Dは、圧縮モードの際に、制御器21Cから圧縮フレーム情報を受け取ってデフレーム化および逆拡散を行い、順次フレームをデインタリーバ23へ出力する。また、このデフレーム化/逆拡散器24Dは、受信信号からTPCビットを検波して制御器21Dへ通知する。
【0145】
つぎに、TPCビットと送信電力制御量との関係について説明する。図28は、実施の形態7による送信電力制御シンボルと送信電力制御量との関係を示す図である。図28に示したテーブルは、送信機1Dの制御器11D、受信機2Dの制御器21D共通で所有している。送信電力制御シンボルであるTPCビットは、1ビットで構成されるため、その状態は1(オン)と0(オフ)との2つである。まず、通常モードでは、1(オン)状態のときに送信電力制御量として+1.0dB(デシベル)が与えられ、0(オフ)状態のときに送信電力制御量として−1.0dBが与えられる。すなわち、通常モードでの送信電力制御単位は1dBとなる。
【0146】
一方、圧縮モードでは、1(オン)状態のときに送信電力制御量として+3.0dB(デシベル)が与えられ、0(オフ)状態のときに送信電力制御量として−3.0dBが与えられる。すなわち、圧縮モードでの送信電力制御単位は3dBとなる。このように、圧縮モードが通常モードよりも絶対値の大きい送信電力制御単位を使用する理由は、圧縮モードにおけるアイドル時間(無伝送時間)により送信電力制御の追従性能が低下するためである。
【0147】
つぎに、動作について説明する。実施の形態7では、送信電力制御機能に他実施の形態との相違があることから、送信電力制御についてのみ説明する。図29は、実施の形態7による圧縮モード時の送信電力制御動作を説明するフローチャートである。ここで、説明する送信機1Dと受信機2D間の送信電力制御は、上りリンクに対する送信電力制御である。
【0148】
送信機1Dには受信機2DからTPCビットおよび受信機2D側での受信電力情報が送信されてくる。送信機1DにおいてTPCビットおよび受信電力情報が受信されると(ステップS701)、これら受信情報に基づいて送信電力増減情報が決定される(ステップS702)。そして、無線周波数送信器15に対してその決定された送信電力での送信が制御される(ステップS703)。
【0149】
具体的には、例えば、TPCビットが1の場合には、送信電力を増加する指示のため、前述した図28のテーブルから+3dBの送信電力制御が決定される。したがって、無線周波数送信器15には、現送信電力を3dB増加して送信を行うように指示が与えられる。一方、TPCビットが0の場合には、送信電力を減少する指示のため、前述した図28のテーブルから−3dBの送信電力制御が決定される。したがって、無線周波数送信器15には、現送信電力を3dB減少して送信を行うように指示が与えられる。
【0150】
以上説明したように、実施の形態7によれば、圧縮モードの際に、通常モード時よりも1回当たりの送信電力制御単位が大きくなるように送信電力を制御するようにしたので、圧縮モードでは、間欠送信により送信電力制御の時間的間隔が広くなっても、送信電力の制御範囲を広げて送信電力に対する追尾性能を保つことができる。これにより、圧縮モード時の送信電力制御誤差を小さくすることが可能である。
【0151】
また、実施の形態7でも、前述した実施の形態3のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームをスロット化してそれぞれをNスロット単位で間欠的に送信するようにしてもよく、これによれば、下りリンクで送信される送信電力制御ビットを比較的短時間間隔で受信することができる。その結果、送信電力制御誤差を低く抑えることが可能である。
【0152】
実施の形態8.
さて、前述した実施の形態7では、TPCビットの状態を増加と減少の2種類に限定していたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態8のように、送信電力制御についてモード毎に送信電力制御量にバリエーションをもたせるようにしてもよい。なお、実施の形態8は、全体構成を前述した実施の形態7と同様するため、図示およびその説明を省略し、相違する動作についてのみ説明する。以下の説明では、図27で用いた符号を用いて説明する。
【0153】
まず、TPCビットと送信電力制御量との関係について説明する。図30は、実施の形態8による送信電力制御シンボルと送信電力制御量との関係を示す図である。図30に示したテーブルは、送信機1Dの制御器11D、受信機2Dの制御器21D共通で所有している。
【0154】
実施の形態8では、送信電力制御シンボルであるTPCビットは、2ビットで構成される。このため、その状態は一例として4種類(11B(Bは2進を表す),10B,01B,00B)に分けられる。送信電力の増加を表すTPCビットの状態は、11Bおよび10Bの2種類であり、送信電力の減少を表すTPCビットの状態は、01Bおよび00Bの2種類である。
【0155】
通常モードの場合には、前述した実施の形態7と同様に、オンとオフの2種類だけとなる。ただし、TPCビットが2ビットを使用するため、オンは11B、オフは00Bとなる。TPCビットは、11Bのときに送信電力制御量を+1dBとし、00Bのときに送信電力制御量を−1dBとしている。圧縮モードの場合にも、前述した実施の形態7と同様に、TPCビットが11Bのときに通常モードがとりうる送信電力制御量に対して3倍の+3dBとし、TPCビットが00Bのときに通常モードがとりうる送信電力制御量に対して3倍の−3dBとしている。実施の形態8では、圧縮モードについてとりうる送信電力制御量に4種類のバリエーションが与えられており、TPCビットが10Bのときに送信電力制御量を+1dBとし、01Bのときに送信電力制御量を−1dBとしている。
【0156】
まず、通常モードでは、TPCビットが11B状態のときに送信電力制御量として+1.0dB(デシベル)が与えられ、00B状態のときに送信電力制御量として−1.0dBが与えられる。すなわち、通常モードでの送信電力制御単位は1dBとなる。なお、通常モードでは、10B状態や01B状態については規定がなく、現状の送信電力が保持されるものとする。
【0157】
一方、圧縮モードでは、TPCビットが11B状態のときに送信電力制御量として+3.0dB(デシベル)が与えられ、00B状態のときに送信電力制御量として−3.0dBが与えられる。すなわち、TPCビットが11Bや00Bの場合には圧縮モードでの送信電力制御単位は3dBとなる。
【0158】
また、圧縮モードでは、TPCビットが10B状態のときに送信電力制御量として+1.0dB(デシベル)が与えられ、01B状態のときに送信電力制御量として−1.0dBが与えられる。すなわち、TPCビットが10Bや01Bの場合には圧縮モードでの送信電力制御単位は1dBとなる。
【0159】
このように、圧縮モードについて送信電力制御単位にバリエーションをもたせた理由は、圧縮モードにおけるアイドル時間(無伝送時間)の変化に適宜対応できるように微妙な送信電力制御の追従性能を向上させるためである。
【0160】
つぎに、動作について説明する。実施の形態8では、送信電力制御機能に他実施の形態との相違があることから、送信電力制御についてのみ説明する。図31は、実施の形態8による圧縮モード時の送信電力制御動作を説明するフローチャートである。ここで、説明する送信機1Dと受信機2D間の送信電力制御は、上りリンクに対する送信電力制御である。
【0161】
送信機1Dには受信機2DからTPCビットおよび受信機2D側での受信電力情報が送信されてくる。送信機1DにおいてTPCビットおよび受信電力情報が受信されると(ステップS801)、TPCビットのとりうる値が判定される(ステップS802)。そして、図30のテーブルが参照され、ステップS802の判定結果に応じて所要の送信電力増減情報が決定される(ステップS803)。そして、無線周波数送信器15に対してその決定された送信電力での送信が制御される(ステップS804)。
【0162】
具体的には、例えば、TPCビットが11Bの場合には、送信電力を増加する指示のため、前述した図30のテーブルから+3dBの送信電力制御が決定される。したがって、無線周波数送信器15には、現送信電力を3dB増加して送信を行うように指示が与えられる。一方、TPCビットが00Bの場合には、送信電力を減少する指示のため、前述した図30のテーブルから−3dBの送信電力制御が決定される。したがって、無線周波数送信器15には、現送信電力を3dB減少して送信を行うように指示が与えられる。
【0163】
また、TPCビットが10Bの場合には、送信電力を増加する指示のため、前述した図30のテーブルから+1dBの送信電力制御が決定される。したがって、無線周波数送信器15には、現送信電力を1dB増加して送信を行うように指示が与えられる。一方、TPCビットが01Bの場合には、送信電力を減少する指示のため、前述した図30のテーブルから−1dBの送信電力制御が決定される。したがって、無線周波数送信器15には、現送信電力を1dB減少して送信を行うように指示が与えられる。
【0164】
以上説明したように、実施の形態8によれば、通常モード時、圧縮モード時それぞれに応じて、かつ、圧縮モード時には送信電力制御の時間的間隔に応じて送信電力制御単位に従って送信電力を制御するようにしたので、圧縮モードでは、間欠送信により送信電力制御の時間的間隔が変動して開くようになっても、適宜最適の送信電力の制御範囲を採用して送信電力に対する追尾性能を保つことができる。これにより、圧縮モード時の送信電力制御誤差を小さくすることが可能である。
【0165】
また、前述した実施の形態7よりもTPCビットの数が増え、前述した実施の形態7よりも送信電力は大きくなるが、そもそも圧縮モード時の送信電力が大きいことからその電力にTPCビットの伝送にかかる送信電力が吸収される。このため、その伝送誤り率はほとんど制御性能に影響しないというメリットがある。
【0166】
また、実施の形態8でも、前述した実施の形態3のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームをスロット化してそれぞれをNスロット単位で間欠的に送信するようにしてもよく、これによれば、下りリンクで送信される送信電力制御ビットを比較的短時間間隔で受信することができる。その結果、送信電力制御誤差を低く抑えることが可能である。
【0167】
実施の形態9.
さて、前述した実施の形態1〜8では、圧縮モードにおける伝送フォーマットの構成をインタリーブ性能および送信電力制御精度を維持するために構成していたが、本発明は、これに限定されず、以下に説明する実施の形態9のように、使用する拡散符号数を減らすことを考慮して伝送フォーマットを決定してもよい。
【0168】
まず、実施の形態9のCDMAシステムを適用した基地局の構成について説明する。なお、移動局の構成については、ここでは省略する。図32は、本発明の実施の形態9による基地局の一構成例を示すブロック図である。この基地局は、図32に示したように、送信機群100、加算器110、無線周波数送信機120、上記送信機群100に接続され、圧縮モード時の送信制御を行う圧縮モード制御器200などにより構成される。ここで、この基地局と図示せぬ各移動局間では、CDMA通信方式により無線通信が行われる。
【0169】
送信機群100は、サービス可能なユーザ数に対応してユーザ別に送信データを生成するための複数の送信機#1〜#M(Mは自然数)より構成される。各送信機#1〜#Mは、いずれも同様の構成を有しており、送信機#1を例に挙げて説明する。送信機#1は、図32に示したように、制御器11E、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13、フレーム化/拡散器14E、送信電力制御アンプ16などを備えている。
【0170】
制御器11Eは、主に、圧縮モード制御器200とのネゴシエーションを通じてインタリーバ13、フレーム化/拡散器14Eおよび送信電力制御アンプ16の動作を制御する。この制御器11Eは、フレーム化/拡散器14Eに対して、圧縮モード時に、圧縮モードフレームを送信するための送信タイミングと、圧縮モードフレームを送信するために使用する通常より拡散率の低い拡散符号とを指示する。
【0171】
なお、誤り訂正符号化器12、インタリーバ13は、前述した実施の形態1と同様のため、説明を省略する。ただし、インタリーバ13については、1フレーム分のインタリーブを行うためのメモリを有するものとする。
【0172】
フレーム化/拡散器14Eは、通常モード、圧縮モードそれぞれに応じて拡散率の異なる拡散符号を用いて広帯域に拡散し、各モードに応じたフレームを形成する。このフレーム化/拡散器14Eは、制御器11Eから各モードに応じた送信タイミングを指示されると、その送信タイミングでフレームを送信電力制御アンプ16へ送出する。また、このフレーム化/拡散器14Eは、圧縮モードの際に、制御器11Eから拡散率の低減を指示され、その指示に応じて通常モードよりも低い拡散率を用いて送信信号を得る。
【0173】
送信電力制御アンプ16は、フレーム化/拡散器14Eで得られた送信信号を、制御器11Eの制御に従って通常モード時に比べて圧縮モード時の平均送信電力を増幅して出力する。なお、送信機#1〜#Mにおいて、圧縮モード送信の採否は独立に運用され、また、圧縮モード時の圧縮の割合も個々の送信機#1〜#Mにおいて独立に設定されるため、この送信電力制御アンプ16は個々の送信機#1〜#Mに独立して設けられる。
【0174】
加算器110は、送信機群100を構成する各送信機#1〜#Mから出力される送信信号を加算して後段の無線周波数送信機120へ出力する。無線周波数送信機120は、加算器110で得られた信号出力を無線周波数に変換して送信する。なお、この無線周波数送信機120は各基地局に1台ずつ設けられるものとする。
【0175】
圧縮モード制御器200は、図32に示したように、圧縮モード管理器201、フレーム組み合わせ制御器202、拡散符号割り当て制御器203、送信タイミング制御器204などを備えている。圧縮モード管理器201は、送信機群100を構成する各送信機の圧縮モードの管理と、圧縮モードに関する制御データの入出力を行う。
【0176】
フレーム組み合わせ制御器202は、圧縮モード伝送を行っている送信機における、圧縮モードフレームの送信時間情報を圧縮モード管理器201より受け取り、その送信時間情報に従って複数の圧縮モードフレームのうちで合計伝送時間が1フレーム時間以内となる組み合わせを検索する。
【0177】
拡散符号割り当て制御器203は、圧縮モード伝送を行っている送信機に対して圧縮モードフレームの拡散に使用される拡散符号の割り当てを行う。送信タイミング制御器204は、圧縮モード時に、圧縮モードフレームを送信するタイミングを制御する。
【0178】
つぎに、圧縮モードフレームを含むフレーム伝送について説明する。図33は、実施の形態9による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。図33において、縦軸は伝送速度/送信電力を表し、横軸は時間を表している。CDMAシステムでは、通常伝送時に、フレームをスロット化して間欠的に送信する時間を設け、その期間中の無伝送時間(アイドル時間)を利用して他の周波数キャリアの強度が測定される。
【0179】
そのためには、スロット化されたフレームを圧縮する必要があるが、従来方式では、圧縮されたフレームを送信するときの拡散率は下げられる。この場合、より数の少ない拡散率の低い拡散符号を、圧縮モード伝送を行っているユーザ毎に割り当てる必要があるため、貴重な拡散符号資源を消費することになる。
【0180】
そこで、図33のように、例えば、図32の基地局と移動局M1,M2との圧縮モード伝送時、複数のユーザが生成している圧縮モードフレームの中から、伝送合計時間が1フレーム時間に満たない組を作り、それらに同一の拡散率の低い拡散符号を割り当て、1フレーム時間内で重ならないタイミングによる送受信を行えば、複数の移動局で1つの拡散符号を共有することができる。すなわち、移動局M1,M2に対する下りリンクでは、通常モード(通常伝送)時、移動局M1,M2にはそれぞれ異なる拡散符号A,Bが固定で割り当てられている。
【0181】
これに対して、圧縮モード(スロット化伝送)時には、移動局M1,M2それぞれに同一の拡散符号Cが割り当てられ、移動局M1,M2には、お互いに同一拡散符号Cを用いた伝送時間が重ならないように、相手のアイドル時間T2,T1のときに圧縮モードフレームが伝送できるように圧縮モードフレームの送信タイミングが制御される。
【0182】
つぎに、動作について説明する。まず、各送信機#1〜#Mにおいて圧縮モード時に制御器14Eによる動作について説明する。図34は、本発明の実施の形態9による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。図34の動作は、制御器11Eの制御により実行されるものであり、個々の動作については各部で行われる。圧縮モードでは、1フレームによるインタリーブがインタリーバ13に対して指示され(ステップS901)、インタリーバ13では1フレームでインタリーブが行われる。そして、圧縮モードフレームに関する情報が圧縮モード制御器200へ出力される(ステップS902)。
【0183】
そして、圧縮モード制御器200との間でネゴシエーションが行われ、圧縮モード制御器200の指示する拡散率(拡散符号)および圧縮モードフレームの送信タイミングをフレーム化/拡散器14Aに対して与える(ステップS903)。さらに、送信電力制御アンプ16に対して平均送信電力の増加が指示され(ステップS904)、圧縮モードフレームについては高い送信電力でフレーム伝送が行われる。このようにして、圧縮モード時には、フレームが間欠的(不連続)に送信される。
【0184】
つづいて、圧縮モード制御器200による圧縮モード時の制御動作について説明する。図35は、実施の形態9による圧縮モード制御動作を説明するフローチャートである。図35の動作は、圧縮モード管理器201により制御され、個々の動作については圧縮モード制御器200内の各部で行われる。図35では、各送信機#1〜#Mとの通信を通じて圧縮モードに関する情報が収集される。
【0185】
そこで、まず各チャネルが圧縮モードかどうかの調査が行われる(ステップS911)。そして、圧縮モード中のチャネルが複数存在していることが確認された場合には(ステップS912)、各圧縮モード中のチャネルにおける圧縮モードフレームの伝送時間が調査される(ステップS913)。一方、ステップS912において、圧縮モード中のチャネルが複数存在していなければ、処理は再度ステップS911に戻る。
【0186】
ステップS913において伝送時間の調査が行われると、各圧縮モード中のチャネルから抽出された圧縮モードフレームの伝送時間について、任意の組み合わせで伝送時間が合算される。そして、各組み合わせの合計時間のうちで、1フレーム時間内に収まる組み合わせが存在するか判断される(ステップS914)。
【0187】
その結果、1フレーム時間内に収まる組み合わせが存在した場合には、その組み合わせでの圧縮モードフレーム伝送用に、その組み合わせに入っている圧縮モードフレームの各チャネル(送信機)に対して、同一の拡散符号と相互に異なる送信タイミングとが割り当てられる(ステップS915)。一方、1フレーム時間内に収まる組み合わせが存在しなかった場合には、同一拡散符号による複数チャネルの送信が不可能となるため、処理は再びステップS911に戻る。
【0188】
以上説明したように、実施の形態9によれば、圧縮モード制御器200において、送信機群100でユーザ別に圧縮された複数の圧縮モードフレーム間の任意の組み合わせの中で伝送時間の合計が1フレームに満たない組み合わせを抽出し、その抽出された組み合わせを伝送する複数のチャネルに同一の拡散符号を割り当て、送信機群100に対して、同一の拡散符号を用いて1フレーム時間内で時間的に重畳しないように、上記抽出された組み合わせを構成する各圧縮モードフレームの送信タイミングを制御する。これにより、圧縮モードフレームが複数存在する場合、圧縮モードで使用する拡散率の低い拡散符号の数を減らすことができる。その結果、圧縮モード時に拡散符号資源の有効利用を図ることが可能である。
【0189】
また、実施の形態9でも、前述した実施の形態2のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームを通常モードと同じフレームタイミングの前後に分けて配置し、その配置タイミングを複数のユーザ間で重ならないようにずらして間欠送信を行うようにしてもよく、これによれば、簡易なインタリーブ構成により圧縮モードでも通常モードと同様に適正なインタリーブ対象時間を確保することができる。その結果、ビット単位のインタリーブによる性能劣化を防止することが可能である。
【0190】
また、実施の形態9でも、前述した実施の形態3のように、圧縮モードの際に、圧縮されたフレームをスロット化してそれぞれをNスロット単位で間欠的に送信してもよく、これによれば、下りリンクで送信される送信電力制御ビットを比較的短時間間隔で受信することができる。その結果、送信電力制御誤差を低く抑えることが可能である。
【0191】
さて、以上の説明では、上述した実施の形態1〜9の特徴部分の組み合わせ例を一部示しただけであり、その他の組み合わせも実現可能であることは言うまでもない。
【0192】
以上、本発明を実施の形態1〜9により説明したが、この発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能であり、これらをこの発明の範囲から排除するものではない。
【0193】
実施の形態10.
さて、前述した実施の形態1〜9では、フレームをスロット化して間欠的に送信する期間を設け、その期間中の無伝送時間、すなわち、アイドル時間を利用して他の周波数キャリアの電力強度を測定する、ということを記述したが、実際の異周波数間ハンドオーバにおける、移動局の基地局への同期確立方法については記述していない。そこで、本発明では、異周波数間ハンドオーバの実現を可能とする通信装置およびその同期確立手順について説明する。
【0194】
まず、異周波数間ハンドオーバについて記述する前提として、基地局および移動局間で送受信される情報の構成について説明する。
【0195】
図37は、止まり木チャネル(BCH)のフレーム構成を示す。W−CDMAシステムにおいて、止まり木チャネルの1フレームは、図37(a)にように、16スロットで構成され、例えば、図中の#1から#16がそれに対応する。また、1スロットは、図37(b)に示すとおり、10シンボル(拡散符号の1周期を示す)で構成されている。その構成は、図中“P”で記述される4シンボルが位相情報を検波するために必要なパイロットシンボルであり、図中“D1〜D5”で記述される5シンボルが止まり木チャネルの情報成分であり、図中“FSC(第1サーチコードを示す)”と“SSC(第2サーチコードを示す)”で記述される1シンボルがサーチコードである。なお、第1サーチコードと第2サーチコードは、同タイミングで送信されている。
【0196】
また、W−CDMAシステムでは、拡散符号によりスペクトル拡散が行われており、その拡散符合は、チャネルにより固有のスプレッディングコード(ショートコード)と、各基地局に固有のスクランブリングコード(ロングコード)との2つの要素から構成されている(図37(c)(d)参照)。なお、パイロットシンボルPと情報成分D1〜D5には、同じスプレッディングコードが使用され、サーチコードには、それぞれ別のスプレッディングコード(図中COMMON、C+Walsh)が使用される。また、サーチコードだけは、スクランブリングコードにより拡散されない。
【0197】
つぎに、上記前提(止まり木チャネルフレーム構成)をふまえて、W−CDMAシステムにおける基地局と移動局の通常の同期確立手順について説明する。
【0198】
W−CDMAシステムでは、セル間は基本的に非同期、すなわち、フレームタイミング等は、一般的に一致しない。そこで、W−CDMAシステムにおいては、例えば、3段初期捕捉法にて移動局と基地局との同期を可能としている。
【0199】
まず、第1段階としては、すべての基地局において共通で、かつ時間継続的に送信されている前記第1サーチコード(FSC:First Search Code)を検出する。これにより、スロット同期を確立することができる。
【0200】
つぎに、第2段階では、第1サーチコードと同一タイミングで送信され、かつ複数ある第2サーチコード(SSC:Second Search Code)を16スロット連続で検出し、それを送信順に判定する。これにより、フレーム同期を確立することができ、さらに、スクランブリングコード群番号を特定することができる。具体的にいうと、例えば、図38に示すように、各第2サーチコードを16スロット連続で検出する。そして、このようにして検出された第2サーチコードより、#1から#16の1周期からフレーム同期をとることができ、さらに、例えば、図39に示すような対応表に基づいて、スクランブリングコード群番号を特定できる。なお、横軸のSlot#はスロット番号を示し、縦軸のGroupはスクランブリングコード群番号を示す。また、第2サーチコードは、17種類のコード(1〜17)であり、16スロットの組み合わせから一意にスクランブリングコード群番号、すなわち、移動局がどのスクランブリングコードを用いている基地局に属しているか、を認識することができる。また、この対応表に記載された第2サーチコードの数値は、本発明を説明するための具体的な一例であり、ある数値のパターンを認識するという意味においては、これ以外の数値でもよい。
【0201】
最後に、第3段階では、前記スクランブリング群番号中に含まれる複数のスクランブリングコードのうち、どのコードが使用されているかを特定し、対応する基地局の下り回線の同期確立を完了する。
【0202】
図40は、上記同期確立手順を実際に移動局側で行う場合のフローチャートを記述したものである。以下、図37に基づいて移動局の動作を説明する。
【0203】
まず、移動局では、前記第1段階に対応する処理として、第1サーチコードの検出を行う(ステップS921)。この検出については、第1サーチコードが検出されるまで連続的に行う(ステップS922)。
【0204】
第1サーチコードが検出されると(ステップS922,YES)、移動局では、スロット同期がとれ、さらに続けて、前記第2段階である16個の第2サーチコードの検出処理を行う(ステップS923)。ここで、移動局にて、電波状態等により検出できない第2サーチコードがあった場合には(ステップS924,NO)、未検出の箇所数をカウントし(ステップS925)、予め設定しておいた所定数よりも多いか、少ないかを判定し(ステップS926)、例えば、多い場合には、第2サーチコードの再検出を行い(ステップS923)、一方、少ない場合には、その部分のみの検出を行う(ステップS927,ステップS928)。
【0205】
このようにして、すべての第2サーチコードが検出されると(ステップS924,YES、ステップS928,YES)、移動局内部では、先に説明したように、フレーム同期が確立され、スクランブリングコード群番号が特定される。
【0206】
最後に、移動局では、前記第3段階として、対応する基地局で使用するスクランブリングコードを特定し(ステップS931、ステップS932,YES)、初期同期の確立を完了する。これにより、通信が可能となる。なお、特定したスクランブリングコードの相関値計算において(ステップS933)、すべてが所定の基準値を下回る場合には(ステップ934,YES)、第2サーチコードの再検出を実施し(ステップS923)、それ以外は(ステップS934,NO)、ステップS931の処理が完了するまで、スクランブリングコードの再特定を行う。
【0207】
一方、先に説明したように(従来の技術で説明したハンドオーバが必要となる場合)、異周波数間でハンドオーバを行う場合は、基地局からの命令または移動局による判断で、他のキャリアの電力測定を行い、実際に周波数ハンドオーバができそうなキャリアがあれば、所定の手順でハンドオーバを行う。その際、第1サーチコードについては、前記実施の形態1〜9に示すアイドル時間内で必ず、すなわち、少なくとも1回は検出可能である。しかしながら、第2サーチコードについては、1フレーム、すなわち16スロットすべてをサーチする必要があるため、このままでは検出できない。従って、同様に、スクランブリングコード群番号も検出することもできない。
【0208】
そこで、本実施の形態では、前記多くとも1フレームの1/2のアイドル時間を、少しずつずらすことにより、すべての第2サーチコードを検出可能とする通信装置を実現することを目的とする。
【0209】
図41は、本発明にかかる実施の形態10の受信機の構成を示す。なお、この構成は、移動局に備えられる構成とする。
【0210】
図41において、受信機2Eは、制御器21E、誤り訂正復号化器22、デインタリーバ23、デフレーム化/逆拡散器24E、無線周波数受信器25、タイミング逆拡散器51、検出判定器52、スイッチ53を備えている。なお、先に説明した実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0211】
制御器21Eは、主に、図示はしていない送信機とのネゴシエーションを通じてデインタリーバ23、デフレーム化/逆拡散器24E、およびスイッチ53の動作を制御する。この制御器21Eは、送信機とのネゴシエーションで通常モード、圧縮モードそれぞれに適したデインタリーバ対象をフレーム数で指示する。また、この制御器21Eは、圧縮モード時に、スイッチ53、デフレーム化/逆拡散器2E、およびタイミング/逆拡散器51に対して、拡散率の低減と圧縮モードフレームを受信するための受信タイミングとを指示する。すなわち、アイドル時間のときだけ、スイッチ53とタイミング/逆拡散器51が接続されるように制御される。
【0212】
無線周波数受信器25は、図示せぬアンテナから送られてくる受信信号を復調する。デフレーム化/逆拡散器24Eは、通常モード、圧縮モードそれぞれに応じて当該受信機2Eのユーザに割り当てられた拡散符号を用いて逆拡散し、各モードに応じたフレームを形成する。このデフレーム化/逆拡散器24Eは、制御器21Eから各モードに応じた受信タイミングを指示されると、その受信タイミングで受信信号を無線周波数受信器25から取り込む。また、このデフレーム化/逆拡散器24Eは、圧縮モードの際に、制御器21Eから拡散率の低減を指示され、その指示に応じて通常モードよりも低い拡散率を用いて受信信号を得る。デインタリーバ23は、送信機でのインタリーブとは逆の順序で、符号化データに対してビット単位で時間的順序の並べ替え(デインタリーブ)を行う。誤り訂正復号化器22は、デインタリーブされた信号を誤り訂正復号化して復号化データすなわち受信データ列を得る。
【0213】
また、タイミング/逆拡散器51は、前記アイドル時間中に、他のキャリアの第1サーチコードおよび第2サーチコードを検出する。検出判定器52は、前記検出された第1サーチコードおよび第2サーチコードに基づいて後述する判定処理を行う。
【0214】
上記のように構成される受信機2Eでは、図42に示すように、通常、通信中のキャリア(周波数:f1)における圧縮されたフレームを受信し、アイドル時間中に、他のキャリア(周波数:f2)のサーチコードを受信する。
【0215】
つぎに、上記、受信機2Eにおけるハンドオーバの際の動作について説明する。図43は、W−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバにおける同期確立手順を移動局側で行う場合のフローチャートである。なお、以降説明するハンドオーバについては、前記検出判定器52の判定に基づいて、制御器21Eが制御するものとする。
【0216】
まず、例えば、基地局からの命令または移動局の判断により、ハンドオーバを行う場合、移動局では、基地局から異周波数キャリアのセル情報を取得する(ステップS941)。
【0217】
つぎに、移動局では、取得した情報に基づいて、前記第1段階に対応する処理として、前記圧縮モードのアイドル時間に、その第1サーチコードおよび異周波数キャリアの検出を行う(ステップS942)。この検出については、基本的に、第1サーチコードが検出されるまで連続的に行う(ステップS943)が、受信機の設定に応じて(ステップS944)、セル情報または第1サーチコードを再検出する処理に戻る。なお、アイドル時間中は、スイッチ53が制御器21Eの制御によりタイミング/逆拡散器51に接続される。
【0218】
第1サーチコードおよび異周波数キャリアが検出されると(ステップS943,YES)、移動局では、スロット同期がとれ、さらに続けて、前記第2段階である16個の第2サーチコードの検出処理を行う(ステップS945)。第2サーチコードの検出は、例えば、図44に示すように、制御21Eが1スロット毎にアイドル時間をずらすように制御し、1フレームに1つの第2サーチコードを検出する。すなわち、16フレームですべての第2サーチコードを検出する。
【0219】
また、第2サーチコードの検出方法については、これに限らず、例えば、図45に示すように、1フレームで2つの第2サーチコードを検出することとしてもよい。この場合は、図44とは異なり、8フレームですべての第2サーチコードを検出可能である。また、複数フレーム(図示では、2フレームを対象としている)を連続して制御する場合は、例えば、図46、および図47に示すように、アイドル時間を設定することで、すべての第2サーチコードを検出できる。なお、アイドル時間の設定については先に説明したように、最大が1フレームの1/2時間であればよく、上記以外でも多数のバリエーションが考えられる。従って、アイドル時間の長さにより、検出するフレームの回数も変化する。また、すべての第2サーチコードを数回検出することによって、検出の信頼度を向上させることとしてもよい。
【0220】
ただし、アイドル時間を長く設定すると、それよりも短いときと比較して、検出時間は多くかからないが、本来送信していた情報データの品質が劣化するか、またはその品質を維持するための送信電力増大による干渉電力の増加をまねいてしまい、一方、アイドル時間を短くすると、それよりも長いときと比較して、情報データの品質は劣化しないが、検出時間が多くかかってしまう。そこで、受信器側では、例えば、シンセサイザの性能(シンセサイザの切換時間等)および電波状態等を考慮して、最適なアイドル時間を設定する必要がある。また、図45〜図47の各フレームにおけるスロットの重なり部分についても、シンセサイザの性能(シンセサイザの切換時間等)に応じて任意に設定する必要がある。
【0221】
ステップS945の処理において、移動局が電波状態等により検出できない第2サーチコードがあった場合には(ステップS924,NO)、未検出の箇所数をカウントし(ステップS925)、予め設定しておいた所定数よりも多いか、少ないかを判定し(ステップS926)、例えば、多い場合には、第2サーチコードの再検出を行い、一方、少ない場合には、その部分のみの検出を行う。
【0222】
このようにして、すべての第2サーチコードが検出されると(ステップS924,YES、ステップS928,YES)、移動局内部では、他のキャリアとのフレーム同期が確立され、対応する基地局のスクランブリングコード群番号が特定される。
【0223】
最後に、移動局では、前記第3段階として、対応する基地局で使用するスクランブリングコードを特定し(ステップS931、ステップS932,YES)、ハンドオーバにおける初期同期の確立を完了する。これにより、通信が可能となる。なお、特定したスクランブリングコードの相関値計算において(ステップS933)、すべてが所定の基準値を下回る場合には(ステップ934,YES)、第2サーチコードの再検出を実施し、それ以外は(ステップS934,NO)、ステップS931の処理が完了するまで、スクランブリングコードの再特定を行う。
【0224】
続いて、他の通信システムであるGSM(Global System for Mobile communications)とのハンドオーバの動作について図面に従って説明する。なお、このハンドオーバについても、図41に示す受信器2Eにて行う。従って、この場合、タイミング/逆拡散器51は、第1サーチコードおよび第2サーチコードの代わりに、後述するFCCHおよびSCHを検出する。
【0225】
図48は、GSMのスーパーフレーム構成を示す図である。なお、図48(a)は、GSMの制御チャネル、すなわち、周波数を合わせるためのFCCH(Frequency Correction CH)、同期をとるためのSCH(Synchronization CH)、それ以外の制御情報を示すものであり、図48(b)は、GSMのTCH(Traffic CH)を示すものである。また、図49は、W−CDMA/GSM間ハンドオーバにおける同期確立手順を移動局側で行う場合のフローチャートである。
【0226】
まず、W−CDMAの移動局では、第1段階として、GSMの周波数キャリアがどこにあるかを探す必要があるため、キャリアが見つかるまで、繰り返し粗く電力測定を行う(ステップS951、ステップS952)。
【0227】
つぎに、電力測定を完了した移動局では、第2段階として、その測定結果に基づいて、FCCHを捕捉して測定したキャリア周波数を微調整して、GSMのキャリアを特定する(ステップS953)。なお、GSMでは、51フレームで1スーパーフレームを構成し、その中に5回FCCHが含まれている。従って、W−CDMAの移動局では、この5回で周波数を合わせることとなる(ステップS954、ステップS955)。また、FCCHは、図48(a)に示されるFCCH/SCHのスーパーフレーム同期と、W−CDMAシステムにおけるスーパーフレーム同期との固定的な時間差を利用することにより、アイドル時間をずらすことなく検出可能である。ただし、FCCHの検出については、先に説明したW−CDMA/W−CDMA間のハンドオーバと同様に、アイドル時間を少しずつずらすこととしてもよい。
【0228】
最後に、GSMのキャリア特定後、移動局では、第3段階として、FCCHのとなりのフレームであるSCHを捕捉して、ビットタイミングを合わせる(ステップS956、ステップS957、ステップS958)。例えば、FCCHの検出が完了していれば、SCHの位置は、既知(隣のフレーム)であるため容易に検出可能である。従って、FCCHの検出では、スーパーフレームをすべて確認する必要があるが、SCHの検出では、FCCHのとなりのフレームが検出可能なように、アイドル時間を設定していればよい。ただし、SCHの検出においては、先に捕捉したFCCHの直後のSCHを捕捉する必要はなく、例えば、つぎのFCCHの直後のSCHを捕捉することとしてもよく、どこのSCHを捕捉してもよい。これにより、W−CDMAの移動局では、ハンドオーバにおける初期同期の確立を完了し、GSMとの通信が可能となる。
【0229】
このように、本実施の形態によれば、容易に、異周波数間(W−CDMA/W−CDMA間、W−CDMA/GSM間)のハンドオーバを行うことができる。
【0230】
以上、実施の形態1〜10において、本発明にかかるスペクトル拡散通信装置に関して詳細に説術したが、これらの実施の形態では、インタリーバにて符号化データに対してビット単位で時間的順序の並べ替えを行い、その後、フレーム化/拡散器にて並べ替えられたデータを圧縮する、という流で動作が統一している。しかしながら、データの並べ替え、すなわち、インタリーブは、前述したようにデータを圧縮する前だけに限らず、基本的にどこの位置で行ってもよく、例えば、データを圧縮した後に行うこととしてもよい。従って、データを圧縮した後にインタリーブを行う場合には、誤り訂正符号化器にてデータを圧縮する機能を持つことになり、フレーム化/拡散器にて圧縮機能を持つ必要がない。なお、このような場合には、当然、受信機側の構成も変更となる。すなわち、デインタリーブ処理が先行して行われることになる。
【産業上の利用可能性】
【0231】
以上のように、本発明にかかるスペクトル拡散通信装置およびスペクトル拡散通信方法は、符号分割多元接続(CDMA)通信システムに適用する場合に有用であり、特に、スペクトル拡散通信における並べ替え伝送や送信電力制御を改善し、さらに異周波数間のハンドオーバを実現するための通信装置および通信方法として適している。
【図面の簡単な説明】
【0232】
【図1】本発明の実施の形態1によるCDMAシステムを示すブロック図である。
【図2】実施の形態1によるインタリーバのメモリ配分を説明する図である。
【図3】実施の形態1による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図4】実施の形態1による通常モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図5】実施の形態1による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図6】実施の形態1による通常モード時の受信動作を説明するフローチャートである。
【図7】実施の形態1による圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2によるCDMAシステムの要部を示すブロック図である。
【図9】実施の形態2による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図10】実施の形態2による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図11】実施の形態2による圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。
【図12】実施の形態3による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図13】実施の形態3による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図14】実施の形態3による圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態4によるCDMAシステムを示すブロック図である。
【図16】実施の形態4によるフレーム化/拡散器のメモリ配分を説明する図である。
【図17】実施の形態4による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図18】実施の形態4による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図19】実施の形態4による圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態5によるCDMAシステムを示すブロック図である。
【図21】実施の形態5による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図22】実施の形態5による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図23】実施の形態5による圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。
【図24】実施の形態6による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図25】実施の形態6による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図26】実施の形態6による圧縮モード時の受信動作を説明するフローチャートである。
【図27】本発明の実施の形態7によるCDMAシステムを示すブロック図である。
【図28】実施の形態7による送信電力制御シンボルと送信電力制御量との関係を示す図である。
【図29】実施の形態7による圧縮モード時の送信電力制御動作を説明するフローチャートである。
【図30】実施の形態8による送信電力制御シンボルと送信電力制御量との関係を示す図である。
【図31】実施の形態8による圧縮モード時の送信電力制御動作を説明するフローチャートである。
【図32】本発明の実施の形態9によるCDMAシステムを示すブロック図である。
【図33】実施の形態9による下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図34】本発明の実施の形態9による圧縮モード時の送信動作を説明するフローチャートである。
【図35】実施の形態9による圧縮モード制御動作を説明するフローチャートである。
【図36】従来における下りリンクのフレーム伝送を説明する図である。
【図37】止まり木チャネル(BCH)のフレーム構成を示す図である。
【図38】第2サーチコードを16スロット連続で検出する具体例である。
【図39】第2サーチコード・スクランブリングコード群番号対応表である。
【図40】同期確立手順を移動局側で行う場合のフローチャートである。
【図41】本発明にかかる実施の形態10の受信機の構成を示す図である。
【図42】本発明にかかる受信機の動作概要を示す図である。
【図43】W−CDMA/W−CDMA異周波数間ハンドオーバにおける同期確立手順を移動局側で行う場合のフローチャートである。
【図44】第2サーチコード取得方法の一例である。
【図45】第2サーチコード取得方法の一例である。
【図46】第2サーチコード取得方法の一例である。
【図47】第2サーチコード取得方法の一例である。
【図48】GSMのスーパーフレーム構成を示す図である。
【図49】W−CDMA/GSM間ハンドオーバにおける同期確立手順を移動局側で行う場合のフローチャートである。
【符号の説明】
【0233】
1A,1B,1C,1D 送信機
2A,2B,2C,2D,2E 受信機
11A,11B,11C,11D 制御器
13 インタリーバ
14A,14B,14C,14D,14E フレーム化/拡散器
15 無線周波数送信器
16 送信電力制御アンプ
21A,21B,21C,21D,21E 制御器
22 誤り訂正復号化器
23 デインタリーバ
24A,24B,24C,24D,24E デフレーム化/逆拡散器
25 無線周波数受信器
51 タイミング逆拡散器
52 検出判定器
53 スイッチ
100 送信機群
110 加算器
120 無線周波数送信機
200 圧縮モード制御器
201 圧縮モード管理器
202 フレーム組み合わせ制御器
203 拡散符号割り当て制御器
204 送信タイミング制御器
131A,131B,141A メモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常モードでは連続的に非圧縮フレームを送信し、圧縮モードでは間欠的に圧縮フレームを送信する符号分割多元接続システムにおける移動局に対して適用されるスペクトル拡散通信方法であって、
基地局から送信電力の増加または減少を指示する送信電力制御情報を受信する受信ステップと、
圧縮モードの際にフレームを圧縮して圧縮フレームを作成する圧縮ステップと、
非圧縮フレームおよび前記圧縮フレームについてビット単位のインタリーブを行う並べ替えステップと、
前記並べ替えステップ実行後の圧縮フレームを、フレームタイミングの先端を含む前方部分と、前記フレームタイミングの後端を含む後方部分と、に分けて配置するフレーム生成ステップと、
前記送信電力制御情報に基づいて、前記並べ替えステップ実行後の非圧縮フレームについては1つの送信電力制御単位で、前記フレーム生成ステップ実行後の圧縮フレームについては複数の送信電力制御単位で、現電力を増加または減少させることにより、前記非圧縮フレームおよび前記圧縮フレームの送信電力を調整する制御ステップと、
を含むことを特徴とするスペクトル拡散通信方法。
【請求項1】
通常モードでは連続的に非圧縮フレームを送信し、圧縮モードでは間欠的に圧縮フレームを送信する符号分割多元接続システムにおける移動局に対して適用されるスペクトル拡散通信方法であって、
基地局から送信電力の増加または減少を指示する送信電力制御情報を受信する受信ステップと、
圧縮モードの際にフレームを圧縮して圧縮フレームを作成する圧縮ステップと、
非圧縮フレームおよび前記圧縮フレームについてビット単位のインタリーブを行う並べ替えステップと、
前記並べ替えステップ実行後の圧縮フレームを、フレームタイミングの先端を含む前方部分と、前記フレームタイミングの後端を含む後方部分と、に分けて配置するフレーム生成ステップと、
前記送信電力制御情報に基づいて、前記並べ替えステップ実行後の非圧縮フレームについては1つの送信電力制御単位で、前記フレーム生成ステップ実行後の圧縮フレームについては複数の送信電力制御単位で、現電力を増加または減少させることにより、前記非圧縮フレームおよび前記圧縮フレームの送信電力を調整する制御ステップと、
を含むことを特徴とするスペクトル拡散通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
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【図23】
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【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【公開番号】特開2008−109683(P2008−109683A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−297974(P2007−297974)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【分割の表示】特願2006−346393(P2006−346393)の分割
【原出願日】平成11年3月5日(1999.3.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【分割の表示】特願2006−346393(P2006−346393)の分割
【原出願日】平成11年3月5日(1999.3.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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